JP2016017936A - 微粒子分散性評価装置及び微粒子分散性評価方法 - Google Patents

微粒子分散性評価装置及び微粒子分散性評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】溶液中の比重が大きく沈降性の高い微粒子であっても、正確な分散状態や沈降性を高濃溶液状態のまま3次元的にサブミクロン単位で、簡便・迅速に得る。
【解決手段】溶液中に微粒子が分散された溶液試料にレーザー光を照射し、溶液試料からの微粒子散乱光を含む光を受光して、微粒子散乱光に含まれるレイリー光の強度を検出して微粒子分散状態を評価する際、溶液試料が収容される溶液容器を振とうさせた後、レーザー光を該溶液試料の深さ方向及び平面方向に照射して、上記レイリー光の強度に基づき深さ方向及び平面方向に関する2次元画像データを構築し、該データから微粒子分散性の定量評価をおこなう。
【選択図】図1

Description

本発明は、一次粒子或いは一次粒子が凝集した凝集微粒子からなる微粒子を含有する溶液における微粒子分散性評価装置及び微粒子分散性評価方法に関するものである。
現在広く普及しているインクジェットプリンター記録装置による印刷は、ノズルよりインクを噴射しメディアとなる被記録材に付着せしめる方式である。この印刷方式は、従来のグラビア印刷などの印刷方式と異なり版を使用しない印刷方式であることから、少量多品種に対応できるオンデマンド印刷方式として広範囲にわたる利用分野が期待されている。特に近年では、被記録材として従来の紙等の吸収基材を用いる印刷から、プラスチック等の非吸収基材を用いる印刷の検討が数多くなされている。
プラスチックを被記録材とする印刷の場合、視認性を高める目的から白色インキが使用される場合が多い。例えば食品や飲料等の包装等に使用される包装材料は、内容物を確認できるように透明のプラスチックフィルムが使用されており、印刷物の発色をよくするために下地を隠蔽する目的で白色インキが使用されている。このようなプラスチックフィルム用の印刷インキとしては、顔料として隠蔽性の高い無機顔料、例えば金属酸化物である酸化チタンよりなる微粒子がよく使用されている。
従来、溶液中に含まれる微粒子の分散状態を評価する一般的な方法として、溶液中の微粒子の粒度分布を測定、粒子径で分散性を示す方法などが用いられている。分散度が小さくなることは、即ち微粒子の粒度分布が狭いこと、粒子の大きさがより均一であることを示していることを利用している。粒子径の測定法としては、公知慣用の遠心沈降方式、レーザー回折・散乱方式、動的光散乱方式、電気音響効果(ESA)方式、キャピラリー方式、走査型電子顕微鏡(SEM)などの電子顕微鏡方式などが用いられている。特に汎用性が高いのは、動的光散乱方式を利用したレーザー粒度分布計(マイクロトラックUPA)による測定となっている。
一方、近年、樹脂膜などの光透過性の固体サンプル中に含まれるフィラー微粒子の分散状態を評価する方法として、共焦点レーザー顕微鏡装置を用いる方法が注目されている(例えば、特許文献1参照)。共焦点レーザー顕微鏡装置は、多断面作製を必要としないデバイス状態で、簡便・迅速な試料の深さ方向へのサブミクロン単位での構造解析が可能な方法である。
溶液中の微粒子の分散状態を評価する方法として、上述した走査型電子顕微鏡(SEM)などの電子顕微鏡を用いる方法では、観察した一断面情報しか知ることができない。そのため、微粒子が不均一分散している溶液の場合は、時間と工数を掛けて観測点を多数確保しなければならないといった問題がある。上述した従来の粒度分布を測定する方法においても、局所的な分散状態しか把握できないといった問題がある。また、動的光散乱法を利用したレーザー粒度分布計による測定では、微粒子が分散された溶液を十分に蒸留水等で希釈した状態で測定する必要があり、高濃度な状態で溶液を測定することが出来ないなどの課題を抱えている。
さらに、低粘度であるインクジェット記録用インクなどの溶液に、酸化チタンなどの比重の高い無機顔料を分散させる場合、沈降の抑制が課題となる。微粒子の分散状態如何によっては、インクの発色特性(隠蔽性)が著しく変化してくるため、添加・分散した微粒子の状態を正確にサブミクロン単位で評価する必要性が生じている。微粒子の沈降性を評価する一般的な方法としては、ガラス瓶に微粒子の入った溶液を入れ、決められた時間経過後に、その底部への沈降状況を目視評価する可視的評価方法などが実施されているが、正確であるとはいい難いものである。なお、酸化チタンよりなる微粒子自体の分散性を改良する方法があるが汎用的ではない。
そこで、本発明者は、上記共焦点レーザー顕微鏡装置を用いることにより、溶液中の微粒子の分散性や沈降性の評価を、高濃度溶液状態のままで、簡便・迅速に行える可能性を見出した。
共焦点レーザー顕微鏡装置では、微粒子を分散した溶液に単色光であるレーザー光を照射する。この時、微粒子が分散された溶液の入った溶液容器底面或いは溶液中の微小領域を顕微光学系の焦点面とする。溶液中の微粒子で入射光波長と相互作用する粒径のもの(波長の凡そ1/10以下の粒径)があると、レイリー散乱のメカニズムに従って入射光が粒子の前後に散乱して、その入射光と同じ波長の微弱ないわゆる後方散乱光を観測することができる。なお、レーザー光を照射した際に観測される入射光と同じ波長の光は、レイリー光と呼ばれている。
上記後方散乱光となるレイリー光を抽出し、その強度を検出して解析すると、溶液中の微小領域における微粒子の分散状態の情報が取得できる。溶液の深さ方向(Z方向)に溶液容器底面からサブミクロンオーダーでレーザー焦点面を移動させながら、XスキャナとYスキャナをX軸方向及びY軸方向に振ることにより、3次元的に後方散乱光となるレイリー光を解析することができる。微粒子の分散状態の深さ位置情報を取得することで、溶液中の深さ方向の微粒子のX−Y及びZ方向の分散状態はサブミクロン単位で評価可能と考えられる。
ここで、一般的な共焦点レーザー顕微鏡装置は、前述したように深さ方向を含むX−Y−Z方向へ走査する走査機構を備えており、溶液試料を深さ方向並びに平面方向に走査しながら、上記情報を取得することにより、溶液試料でも3次元的な評価が可能な構成となっている。
しかしながら、溶液中の微粒子が高濃度である場合は、微粒子(顔料)や溶液での吸収による光の減衰(ランバート・ベール則に準拠)及び微粒子での散乱(散乱も広義では吸収と一緒ととらえることができる)によって測定光が深さ方向に指数関数的に弱まってしまう。よって、これまで分散性の評価は溶液の希釈を行って評価を行うことがセオリーとなっていた。また、比重の大きな金属酸化物などの無機顔料からなる微粒子は、直ぐに溶液中で沈降が始まってしまう。そのため、1フレーム領域(X−Y画像)の測定に時間がかかる装置や溶液試料のセッティングに時間がかかる装置では、分散性や沈降性の評価を正確に行うことが難しかった。
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものである。その目的は、溶液中の比重が大きく沈降性の高い微粒子であっても、正確な分散状態や沈降性を高濃度の溶液状態のまま3次元的にサブミクロン単位で、簡便・迅速に得ることができる微粒子分散性評価装置及び微粒子分散性評価方法を提供することである。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、溶液中に微粒子が分散してなる溶液試料の入る溶液容器を把持する把持部材と、レーザー光源と、該溶液試料にレーザー光を照射すると共に、該溶液試料からの微弱な微粒子散乱光を含むレイリー光を受光する分離光学素子、水浸対物レンズ、及び焦点面と共役な関係にあるピンホールを備える共焦点顕微光学系と、該分離光学素子を経由した光におけるレイリー光を透過するフィルター光学素子と、該フィルター光学素子を透過した光を分光する分光手段と、該分光手段により分光された光の強度を検出する光検出手段と、該レーザー光を該溶液試料に対して溶液試料の深さ方向及び平面方向に相対的に走査可能な走査機構とを備え、該溶液試料における微粒子の分散性を評価する微粒子分散性評価装置において、上記把持部材に把持される溶液容器を振とうさせる振とう機構と、上記光検出手段により検出された光の強度に基づき深さ方向及び平面方向に関する2次元画像データを構築し、該データから微粒子分散性の定量評価のための画像処理をおこなう画像処理部とを備えることを特徴とするものである。
本発明は、溶液中の比重が大きく沈降性の高い微粒子であっても、正確な分散状態や沈降性を高濃溶液状態のまま3次元的にサブミクロン単位で、簡便・迅速に得ることができるという優れた効果がある。
本実施形態に係る微粒子分散性評価装置の構成を示す構成図。 同微粒子分散性評価装置に用いる溶液容器の構成を示す断面図。 同微粒子分散性評価装置の要部構成を示す構成図。 同微粒子分散性評価装置の画像処理部の定量化手法の一例を示すフローチャート。 実施例1で取得した微粒子散乱画像(X―Y断面)の一例を示す図。 図5で取得された微粒子散乱画像のうち、任意の画素領域を特定した一例を示す図。 画像処理部により分散状態の定量的評価のために作成したヒストグラムの例であり、(a)は分散性良の状態、(b)は分散性不良の状態を示す。 実施例2で取得した微粒子散乱画像(X―Y断面)の一例を示す図。 比較例1で取得した微粒子散乱画像(X―Y断面)の一例を示す図。
以下、図面を参照して、本発明の微粒子分散性評価装置及び微粒子分散性評価方法を実施形態により詳細に説明する。
まず、本発明での評価対象は、特に限定されないが、例えば、微粒子として無機白色顔料が分散された水性インクジェット記録用白色インクなどの溶液試料が挙げられる。一般に、白色インクは、無機白色顔料、顔料分散剤、バインダー及び分散剤としての水を含有する。
上記無機白色顔料としては、例えば、アルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸塩、微粉ケイ酸、合成珪酸塩、等のシリカ類、ケイ酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイ等があげられる。また、上記無機白色顔料が各種表面処理方法で表面処理されていてもよい。
中でも、表面処理された酸化チタンが、水性媒体中において比較的良好な分散性を示すことから好ましい。例えば光触媒性による影響を避けるために、無機物で表面処理された酸化チタンが好ましく、シリカとアルミナで表面処理された酸化チタンがより好ましい。更に、該シリカとアルミナで表面処理後、更にシランカップリング剤によって表面処理した酸化チタンを使用することもできなお好ましい。シリカとアルミナで表面処理された酸化チタンとしては、公知のルチル型・アナターゼ型の二酸化チタンが使用でき、より好ましくはルチル型二酸化チタンである。
また、上記酸化チタンの平均粒径としては、100〜500nmのものを使用することが好ましく、150〜400nmのものを使用することがより好ましい。平均粒径が100nm以下であると水性媒体中の非沈降性や分散安定性はより実現し易くなるものの、白色度や隠蔽性が劣ってしまい本来の白色インキとしての実用性が低下するおそれがある。一方、平均粒径が500nm以上になると白色度や隠蔽性の点では問題ないが、吐出安定性が不十分となる傾向にある。粒径について実用的には200〜300nmが更により好ましい。なお原料としての酸化チタンの平均粒径は電子顕微鏡写真により20個の粒径測定を行って平均をとったものを用いる。
使用する白色インク向けバインダーは、水と混合して均一な状態で存在しうる樹脂であれば特に問題なく使用できる。例えばプラスチックフィルムに対する密着性や接着性の観点から、水性ウレタン樹脂やオレフィン系樹脂を使用することが好ましい。
溶液でバインダーとして使用される水性ウレタン樹脂は、具体的には、水溶性あるいは水分散性の水性ウレタン樹脂を使用することができる。本実施形態で使用する水性ウレタン樹脂は、水性ポリウレタン樹脂、水性ウレタン樹脂、あるいは水性ウレタン樹脂のインク全量中に対する固形分の含有量は1〜20質量%が好ましく、2〜10質量%が特に好ましい。
溶液でバインダーとして使用されるオレフィン系樹脂は、水と混合して均一な状態で存在しうるオレフィン系樹脂であれば特に限定なく使用することができる。水と混合して均一な状態で存在しうる樹脂とは、水中に微粒子の状態で散在している(これは分散粒子が極めて小さく単分子で散在している状態も含む)、いわゆる水分散性の樹脂であってもよいし、いわゆる水溶性、水可溶性と称される状態の樹脂も含む。具体的には、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等のオレフィンモノマー類の共重合体又は単独重合体からなるオレフィン系樹脂やゴム状物を界面活性剤等でエマルジョン化したものや、ポリオレフィン成分と酸等の親水性成分より構成される水分散性樹脂等があげられる。バインダーとして使用するオレフィン系樹脂の、インク全量に対する固形分の含有量は、0.5質量%〜30質量%の範囲で使用することが一般的である。中でも1質量%〜10質量%が好ましい。
溶液で使用される水は、水単独で使用するほか、水と水との相溶性を有する水溶性有機溶剤からなる混合溶媒でもよい。水溶性有機溶剤としては、例えば、アセトン、2−ブタノン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、等のケトン類;メタノール、エタノール、2−プロパノール、2−メチル−1−プロパノール、1−ブタノール、2−メトキシエタノール、等のアルコール類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、等のエーテル類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、等のアミド類が挙げられ、とりわけ炭素数が3〜6のケトン及び炭素数が1〜5のアルコールからなる群から選ばれる化合物を用いるのが好ましい。
次に、本実施形態に係る微粒子分散性評価装置の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る微粒子分散性評価装置の構成を示す構成図である。図2は、溶液容器の構成を示す断面図である。図3は、微粒子分散性評価装置の要部構成を示す構成図である。
微粒子分散性評価装置は、図1に示すように、溶液試料1にレーザー光源10からレーザー光を照射したときに観測される、微粒子散乱光を含むレイリー光を検出部6に導くことが可能な構成となっている。すなわち、微粒子分散性評価装置は、溶液試料1の入る溶液容器が載置される載置台、レーザー光源10、共焦点顕微光学系、フィルター光学素子7、分光手段と光検出手段とからなる検出部6、画像処理部8などを備えている。レーザー光源10の出射口側には、レーザー光源10より発せられたレーザー光束を集光する集光レンズ11と、この集光レンズ11による焦点上に配置される第1のピンホール12とが設けられている。共焦点顕微光学系は、後述するように、分離光学素子たるビームスプリッター3、水浸対物レンズ4、焦点面と共役な関係にある第二のピンホール5を有する。なお、図1は、倒立型顕微鏡を示しているが、正立型顕微鏡でもかまわない。
上記溶液試料1は、一般にガラスボトムディッシュと呼ばれる溶液容器2に収容される。この溶液容器2は、図2に示すように、直径35mmのディッシュ部2aの底部に直径14mmのホール部(カバーガラス2b)を有したもので、溶液試料1をディッシュ部2aに満たせるようになっている。図中のカバーガラス2bの厚さは160〜190μm程であり、カバーガラス補正された液浸レンズで収差が補正されるようになっている。
測定に必要な溶液試料1の容量は、溶液容器2になみなみ注ぐ必要は無く一般的に50〜500mlの範囲であるが、より好ましくは50〜250mlの範囲である。溶液試料1が50mlより少ない場合には、溶液容器2の底部(カバーガラス2b上)に充分な溶液の深さが得られなくなる。また、溶液試料1が250mlを超えると溶液容器2内の溶液の深さがミリ単位となるためランバート・ベール則に従い光が透過しなくなるため微粒子散乱光の取得が出来なくなる。
図3に示すように、上記載置台13には、走査機構として、載置台13を平面方向となるX−Y軸方向へ走査移動させる駆動部が付帯されており、溶液容器2のX−Y軸方向への移動が可能である。さらに、水浸対物レンズ4を把持する対物レンズホルダー14には、走査機構として、深さ方向となるZ軸方向へ走査移動させる駆動部が付帯されている。X−Y走査系でX−Y断面情報を取得しながらZ方向に移動させたい場合、水浸対物レンズ4の対物レンズホルダー14側に付与されるZ軸方向駆動部を駆動する。そして、Z軸方向に対物レンズホルダー14を移動させながら水浸対物レンズ4で微弱な微粒子散乱光を含むレイリー光を集光することで微粒子の三次元的な分布マップを作り出す。載置台13のX−Y軸方向及び対物レンズホルダー14のZ軸方向駆動部としては、一般にはピエゾ素子或いはステッピングモータ移動機構を用いた走査機構が用いられる。X−Y軸方向駆動部に関してはガルバノスキャナー等の光学的な走査機構を用いた方が精度と測定時間の観点で好適である。
以上の状態で、微粒子分散性評価装置は、レーザー光源10からのレーザー光の焦点位置を溶液容器の深さ(Z)方向を含むX−Y方向に走査することによって、微粒子を含んだ溶液試料1から明瞭な正確なレイリー光プロファイルが得られる。なお、深さ(Z)方向の空間分解能は、後述するように、水浸対物レンズ4のNAに大きく依存している。
さらに上記微粒子分散性評価装置の載置台13は、図3に示すように、溶液容器2を把持する把持部材たるホルダー15を備えている。このホルダー15には、ホルダー15を振動させる振とう機構と、溶液容器2の傾きを調整するチルト調整機構とが備えられている。振とう機構は、ホルダー15にピエゾ機構を内蔵させることにより実現できる。チルト調整機構は、溶液容器2の底面(カバーガラス2b)がレーザー光軸(図中一点鎖線で示す)に対して垂直になるように、すなわち、レーザー光のX−Y走査面と溶液容器2の底面とが平行を保つように、溶液容器2の傾きを調整する。
上記レーザー光源10から出射されるレーザー光は、検出対象となる溶液試料1及び微粒子に強い吸収が無く、レイリー散乱のメカニズムにより溶液試料1中の微粒子によって散乱させられる波長が選択される。また、レーザー光は、数枚のNDフィルター(不図示)の組み合わせを用いて一般には減光された状態である。
レイリー散乱という後方散乱の(装置の受光側に散乱光が戻ってくる)メカニズムが起こる条件は、公知技術において、レイリー散乱を満たす粒径パラメータ:Α=πD/λ(D:粒径、λ:波長)の範囲が、Α<0.4とされる。後方散乱を満たすレーザー光源10の波長条件は、粒子径の何倍かで記述することができる。本実施形態において、レーザー光源の波長と微粒子の粒径の関係がこのような条件を満たしていない場合は、好適な信号取得ができないが、粒形が完全球体でないばあいはこの限りではない。
また、レイリー散乱(後方散乱含む)の最も効率的な発生メカニズムは、以下のものである。直線偏光の電場を有した光が粒子(分子)と相互作用を起こす際、直線偏光の電場とそれを打ち消す様な丁度位相が180度ずれた電場を有する(振動数は同じ)光を球面上に放出して、それが入射光や他の粒子の球面波と干渉して散乱光の波として現れる場合である。直線偏光でない一般の光を用いた場合(例えば自然光)もレイリー散乱は発生するが、その散乱効率は直線偏光を用いた場合よりも低下することを確認している。この場合、理論的に対象となる微粒子は誘電体であることが好ましいが、本実施形態で対象とする微粒子、例えば酸化チタンは誘電体である。
本実施形態においては、レーザー光源10に消光比の高いガスレーザーを用いることによって、このメカニズムが特に有効であることは確認済みである。但し、微粒子径の大小、波長の長短、偏光特性に拘らず、微粒子と水溶液(N≒1.33)との屈折率差が小さければ光学的には透明となり散乱は起こらない。
更に、一般には、レーザー光源10のレーザー光強度が高いほど、検出される微粒子散乱光強度も強くなりS/N比は向上するが、レーザー光強度は溶液試料1の破壊(水分蒸発)や強光への応答(発光)などを考慮して決める必要もある。また、レーザー光の波長が短ければ、レイリー散乱領域の場合、波長の4乗に反比例して微粒子散乱強度が強くなる。
上記共焦点顕微光学系は、上述したように、ビームスプリッター3、水浸対物レンズ4、ピンホール5を備える。ビームスプリッター3は、誘電体多層膜により光束を二つに分離するミラーである。このビームスプリッター3は、レーザー光源10より発せられたレーザー光の発信波長域を反射して、載置台13上の溶液試料1にレーザー光を照射し、溶液試料1からの微弱な微粒子散乱光を含むレイリー光を透過する特性を有する。
上記水浸対物レンズ4は、集光レンズ11に次ぐ第2の集光レンズである。すなわち、水浸対物レンズ4は、レーザー光の焦点を水浸対物レンズ4の焦点と一致させ、レーザー光が溶液試料1内の一点になるように照射されるようになっている。なお、水浸対物レンズ4の後焦点に第2のピンホール5を置き、焦点以外の微粒子散乱光を効率よくカットしている。高い光学系スループットと小さな集光ビームスポットを両立させるため、水浸対物レンズ4への照射レーザー径は、水浸対物レンズ4の入射径と等しい直径に設定される。
また、顕微光学系における空間分解能は、水浸対物レンズ4のNAとコンフォーカルピンホール径に大きく依存している。本実施形態では高空間分解能を達成するために、NA1.2以上の水浸対物レンズ4を用いる。また、水浸対物レンズ4と溶液容器2のカバーガラス2bと間は、エマルジョンウォーター(不図示)が充填されており、水浸対物レンズ4+エマルジョンウォーターの構成となっている。
図1に示すような倒立型顕微鏡を用いる微粒子分散性評価装置では、レーザー照射と検出を同一の水浸対物レンズ4で行うことになる。焦点以外の溶液試料1中の深さ方向からの微粒子散乱光は、第2のピンホール5の位置で焦点を結ばないため、効率良く妨害光がカットされる。図1に示すように、非焦点からの反射光(散乱光)の行路を示す破線部分のほとんどの反射光が第2のピンホール5により遮蔽される。但し、水溶液中では収差の影響でビーム径が拡がりを見せるため、これらを水浸対物レンズ4やエマルジョンウォーターを用いて拡がりを押さえることが測定上必要となる。
水浸対物レンズ+エマルジョンウォーターの構成は、一般には純水程度の屈折率を持つ蒸留水を水浸対物レンズ4と溶液容器2との間に満たして、空気とレンズの屈折の影響を排除する工夫がなされている。すなわち、乾燥系のレンズでは、レンズから空気、更に溶液容器2(カバーガラス2b)、そして溶液試料1と三箇所で光が通る媒質が変化し屈折が生じる。これに対して、水浸対物レンズ4と合わせて使用するエマルジョンウォーター用いると、光の屈折の影響(収差)を排除できるようになる。このことは、NAの大きな水浸対物レンズ4を用いた場合、溶液試料1内の空間分解能を高めるために有効な手立てとなる。
また、本実施形態では、NA(開口数)が1.2以上となる水浸対物レンズ4とエマルジョンウォーターの組み合わせとなっている。水浸対物レンズ4のNAが1.2以上でなければ、深さ方向解析時の空間分解能を確保できず、特に溶液中の粒子径が0.5μm以下の場合は、明瞭な微粒子分散性評価が不可能になる。
NAは水浸対物レンズの性能を決める重要な値であり、焦点深度(空間分解能)、明るさに関係する値となる。NAが大きく成る程、空間分解能は向上する。NA(=Numerical Aperture)とも呼び、以下の式で表されるものである。但し、通常、市販の対物レンズであれば、単体のNAが記載されている。
NA=n・sinθ
(ここで、nは溶液試料1と対物レンズ4の間の媒質(ここではエマルジョンウォーター)の屈折率、θは光軸と水浸対物レンズの最も外側に入る光線とがなす角を示す。)なお、エマルジョンウィーターの屈折率に関しては、大凡、1.33を用いることができる。
また、図1に示すように、上記共焦点顕微光学系は、溶液試料1の焦点面と共役な関係にあるピンホール(第1のピンホール12,第2のピンホール5)を備えた共焦点顕微光学系である。すなわち、第1のピンホール12が集光レンズ11とビームスプリッター3との間に設けられ、第2のピンホール5がビームスプリッター3と検出部6との前に設けられて、2つのピンホールはそれぞれ焦点を有する共焦点の位置に有る。これにより、共焦点顕微光学系において、合焦点以外からの微粒子散乱光はピンホール12,5によってブロックされる。その結果、焦点以外の溶液試料1内からの不要光や微粒子散乱光をほぼ完全に取り除くことが可能となり、深さ方向に優れた空間分解能を達成することができる。
本実施形態の微粒子分散性評価装置では、溶液試料1にレーザー光軸を合わせた状態で、NDフィルター機能(図示していない)により、レーザー光強度を溶液試料1からのレイリー光成分を検出部6で検出可能な程度に弱めている。次いで、レイリー光成分を検出部6で検出して、後述するように、溶液試料1の深さ(Z)方向を含めたX−Y方向の微粒子散乱画像情報を取得可能にするものである。
上記検出部6は、分光手段と光検出手段とから構成される。このうち、分光手段としては、プリズムや回折格子により微粒子散乱光を分光する分光器が挙げられる。主な機能は、溶液試料1や微粒子からの微弱な蛍光やラマン光などの成分を波長成分で取り除く。分光器に入る直前光路上に焦点面と共役な点(エリア)がある場合には、その部分のX−Y平面内に2つの直行するスリット(クロススリット)を置く。これにより、スリットの組に共焦点光学系でいう共焦点ピンホール(第2のピンホール5)の役割を担わせることが可能であり、X−Y−Z軸方向の空間分解能が生じる。
また、上記光検出手段としては、シングルチャネル検出器(たとえば、フォトマル若しくはAPD:Avalanche Photodiode)が挙げられる。溶液試料1中に分散された微粒子の、分散性を評価するための微粒子散乱光は非常に微弱である。このため、レーザー波長域を含む検出波長域を有して量子効率の高い光電面を有するフォトマル若しくはAPDの様な高感度検出器を用いることが特に好適である。これにより、溶液試料1中の微弱な微粒子散乱光を検出することが可能となり、溶液試料1の深部にある微粒子の分散性を評価することも可能となる。第2のピンホール5を透過した微粒子散乱光は、検出部6に構成された分光器に入射し分散された後、この光検出手段で検出されるようになる。
次に、上記構成の微粒子分散性評価装置による、溶液容器2内の溶液試料1における微粒子分散性に関する測定を詳細に説明する。
1.溶液試料の設置
溶液容器2として用いるΦ35mmのガラスボトムディッシュを設置し、ディッシュ部2a内に微粒子が分散された溶液試料1を滴下し、これを載置台13のホルダー15に設置する。そして、図3に示すように、溶液容器2のカバーガラス2b面が図中一点鎖線で示すレーザー光軸に対して垂直になるように、X−Y断面の取得画像を見ながら、ホルダー15内のチルト調整機構で傾きの微調整を行う。
レーザー光軸に対して溶液容器2のカバーガラス2b面に僅かな傾きがあると、溶液試料1の微粒子の沈降性評価の為にX−Y断面の微粒子散乱画像を取得しようとしても、適切な微粒子散乱画像の取得が不可能になる場合がある。微粒子共焦点光学系の焦点位置がX−Y走査時にカバーガラス2b面からずれてしまい、カバーガラス2b面上に沈降した微粒子の微粒子散乱画像を取得できないためである。
2.溶液試料中の微粒子散乱画像情報取得
次に、水浸対物レンズ4と溶液容器2のカバーガラス2bとの間にエマルジョンンウォーターとなる純水(不図示)を満たす。レーザー光源10より出射され、集光レンズ11、第1のピンホール12を経た拡散するレーザー光束を、ビームスプリッター3を介して水浸対物レンズ4に導く。水浸対物レンズ4に導かれたレーザー光束は、エマルジョンウォーターを透過して、溶液容器2内の溶液試料1内に集光される。
溶液試料1内に集光された光束は、溶液試料1から微粒子散乱光情報を含んだ光として反射され、ガラスカバー2b、エマルジョンウォーター、水浸対物レンズ4を経て集束しつつビームスプリッター3に戻る。ビームスプリッター3に戻った光は、ビームスプリッター3の特性により、微粒子散乱光を含んだレイリー光の一部が検出部6側に向かうようになる。
ビームスプリッター3から検出部6に導かれるレイリー光は、フィルター光学素子7を透過する。フィルター光学素子7を透過したレイリー光は、さらに集光位置に配置された第2のピンホール5を透過して、検出部6に導かれる。そして、検出部6に構成された分光器に入射し分散された後、検出部6で微粒子散乱光の強度が検出される。
このような状態で、先ずはホルダー15内の振とう機構(ピエゾ機構)で溶液容器2を振動させ、溶液試料1中の微粒子を十分に振とうさせる。その後、ガルバノスキャナー等の光学的なX−Y走査系で溶液試料1内をレーザー光走査する。並行して、溶液試料1の入った溶液容器2を把持するホルダー15に対して、対物レンズホルダー14を必要に応じてZ軸方向にピエゾ駆動或いはステッピングモータ移動機構により走査させる。これによって、溶液試料1の所定位置でのX−Y方向のレイリー光の検出を行う。すなわち、レーザー光と同一波長の散乱光強度プロファイルを検出部6の検出器で測定して溶液試料1における微粒子の散乱画像情報を取り出す。この場合、測定中はホルダー15の振とう機能は停止させる。
この時、微粒子散乱画像となるレイリー光を取得できるようにする為には、水溶液と微粒子(酸化チタン)との複素屈折率差が重要となり、次式
反射率R=((N−N1)+κ)/(N+N1)+κ
N:微粒子(酸化チタン)の屈折率
N1:水溶液の屈折率
κ:微粒子(酸化チタン)の消光係数
より、粒子界面での反射率Rを見出すことが可能となる。一般に、屈折率差が大きくなれば散乱光を確保しやすくなるが、その場合は、散乱の影響(広義の吸収:ランバート・ベールの法則)で、光の透過性の低下を誘発することとなる。
そして、検出された微粒子散乱光を用いて、微粒子散乱画像を、深さ方向を含むX−Y−Zの位置ごとにプロットして、例えばX−Y断面の深さ(Z)方向の位置毎の微粒子分散状態プロファイルを得る。以上の処理により、微粒子を含んだ溶液試料1から高い空間分解能条件下での微粒子分散性画像取得が可能となる。観察結果としては、X−Y断面における微粒子マッピングデータ及びX−Z断面における微粒子マッピングデータ或いは3Dでの微粒子マッピングデータが得られれば、溶液試料1中の定性的な微粒子の分散状態を評価することが可能である。
さらに、画像処理部8により、得られた微粒子散乱画像に画像解析のような手法、例えば任意の画像範囲毎における輝度の分散値を求める等の定量化手法を施すことができる。これにより、定量的に溶液中の微粒子の分散状態を評価することができる。
定量化手法の一例を、図4のフローチャートに示す。
(Step1)
X−Y断面における微粒子散乱画像を取得する。
(Step2)
取得した微粒子散乱画像に対して、任意の画素長さを持つ矩形型の任意の画素領域を決定する。
(Step3)
画素領域内の微粒子散乱画像の各画素の光の強度にあたる輝度の特徴量(輝度の分散値や平均輝度値など)を算出する。
(Step4)
(Step2)(Step3)を繰り返し、微粒子散乱画像に対して、例えば図5に示すように任意の多数の画素領域内で輝度の分散値を算出する。なお、図6では、画素領域を大きくすることで、一つの画素領域内での輝度の分散値を得ている。
(Step5)
各画素領域内で各画素の輝度の分散値或いは標準偏差値を分散状態の特徴量として算出し、該複数の画素領域の特徴量でヒストグラム化する。
(Step6)
ヒストグラムと微粒子が分散された溶液試料の特性との対応をとり、必要な閾値を設定して良・不良の判定を行う。
この際、区画された各画素領域内を一つの度数として度数分布図を作成し、縦軸が領域度数、横軸が特徴量のデータ区間となるヒストグラム(例えば、図7(a)、(b))とする。これにより、例えば分散性が良い「分散性:良」サンプルに対する「分散性:不良」サンプルの判定を、閾値を設定することで定量的に行うことが可能となってくる。また縦軸が特徴量、横軸がラベリングされた各画素領域となるヒストグラムを作成することで、そのサンプル内のどの辺り(エリア)の分散状態が悪いのかを定量的に判定することも可能となる。
上記定量化手法において、任意の画素領域は、微粒子の粒径・含有率によって凝集状態の注目すべき範囲が変わるため可変可能でありその範囲は矩形型であることが好ましい。これは、人が目視で画像上の画素&輝度の粗密を評価しているアルゴリズムに従っており、人が細かい領域を評価する時は狭い領域の輝度のバラツキを、大きな輝度ムラのドメインを見るときは広い領域の輝度のバラツキを見ていることに準拠している。また分散状態の特徴量としては、画素領域毎の輝度の分散値、或いは輝度の標準偏差を求めることが好適である。これにより溶液中の微粒子の分散性評価を良好に行うことができる。
以下、本実施形態に係る微粒子分散性評価装置及び微粒子分散性評価方法を実施例及び比較例に基づき説明する。
[実施例1]
以下の条件で、微粒子が分散された溶液試料(白色インク)の酸化チタン微粒子分散性評価を行った。
(1)溶液試料(白色インク)
溶液試料1として顔料分散剤、バインダー及び水を含有する液に一次粒子径0.25μmの酸化チタン微粒子が分散された白色インクを準備した。
(2)微粒子分散性評価装置
図1に示す構成
・レーザー光源10;レーザー光波長 488nm
・水浸対物レンズ4;水浸対物レンズ(Nikon CFI Plan Apo 60× NA=1.25(屈折率1.33のエマルジョンウォーターをカバーガラス2bと対物レンズ4の間に充填)
なお、エマルジョンウォーターの屈折率は、一般的な純水の複素屈折率(N=1.333、κ=0)をそのまま用いた。
(3)測定手順
まず、酸化チタン微粒子が分散された溶液試料1(白色インク)を、マイクロピペットで適量溶液容器2に滴下し、振とう機能を有するホルダー15で溶液容器2を把持して載置台13上に載置する。この際、測定直前まで振とう機能(ピエゾ振動機構)により溶液試料1を振とうし、溶液試料1中の酸化チタン微粒子を均一分散させておく。次に、図1に示す装置構成とし、水浸対物レンズ4を準備し、酸化チタン微粒子を含んだ溶液試料1との間にエマルジョンウォーター(不図示)を充填する。エマルジョンウォーターを充填してからは、振とう機能は停止させた方が好適である。測定はこの後、迅速に行うことが可能なので、微粒子の沈降などは殆ど心配する必要が無い。
そして、レーザー光源10からのレーザー励起光の光束を水浸対物レンズ4で集光し、溶液試料1が滴下された溶液容器2のカバーガラス2b面から深さ方向(Z方向)数μmの位置に照射する。溶液容器2内の溶液試料1をガルバノスキャナーでX−Y方向に走査して、溶液試料1から微弱な酸化チタン微粒子の散乱画像を検出部6の検出器(光電面がGaAsPのAPD)に導いて微粒子散乱画像を取得した。
図5は、酸化チタン微粒子が分散された溶液試料1から取得された微粒子散乱画像(X−Y断面)の一例で、155×155μm領域を512×512画素、256階調で示した図である。また、図5は、取得された微粒子散乱画像のうち、40×40画素の任意の画素領域を特定した一例を示す図である。図5に示す結果からわかるように、溶液試料中に一次粒子径0.25μmの酸化チタン微粒子が均一に分散している状態が確認された。
さらに、画像処理部8内において、図4に示すフローに従って、定量化手法による処理を施した。ここで、図5に示す取得画像に対して、横方向40画素、縦方向40画素の任意の画素領域を決定し(図5は結果の一例)、各画素領域内の輝度の特徴量として輝度の分散値を算出した。これを繰り返して、任意の多数の画素領域内で輝度の分散値を計算し、ヒストグラム(図7は結果の一例)を作成した。多数の水溶液中の酸化チタン微粒子の分散性の良好サンプルと不良サンプルを測定することで、良・不良評価の為の閾値をヒストグラム上で選択した。これにより、溶液試料1における酸化チタン微粒子の分散性を定量的に評価した。
[実施例2]
実施例1と同様に、そして、レーザー光源10からのレーザー励起光の光束を水浸対物レンズ4で集光し、溶液試料1が滴下された溶液容器2のカバーガラス2b面から深さ方向(Z方向)数μmの位置に照射する。溶液容器2内の溶液試料1をガルバノスキャナーでX−Y方向に走査して、溶液試料1から微弱な酸化チタン微粒子の散乱画像を検出部6の検出器(光電面がGaAsPのAPD)に導いて微粒子散乱画像を取得した。図8は、酸化チタン微粒子が分散された溶液試料1から取得された微粒子散乱画像(X−Y断面)の一例である。その後、画像処理部8内において、図4に示すフローに従って、定量化手法による処理を施し、微粒子分散性を定量的に評価した。
またこの際、ピンホールサイズを小さくして光学的な空間分解能が浅くなっている条件で、載置台13上のホルダー15に担持された溶液容器2のカバーガラス2b面に傾きがあった。そのため、沈降性の評価のためにホルダー15に内蔵されるチルト調整機構を用いて、溶液容器2のカバーガラス2b面の傾き補正を事前に行った。これにより、溶液容器2のカバーガラス2b面に沈降された酸化チタン微粒子を適正な微粒子散乱画像を取得することができ、経時での酸化チタン微粒子の沈降状態を知ることができる。
[比較例1]
溶液容器2を把持するホルダー15として、振とう機能を有しないホルダーを用いて、実施例1と同様に微粒子散乱画像を取得した。溶液試料1を滴下した溶液容器2をセットした直後から、比重の重い金属酸化物となる酸化チタン微粒子が沈降し始めてしまい、図9に示すように、溶液試料1中の分散された酸化チタン微粒子の好適な微粒子散乱画像を取得することができなかった。
[比較例2]
従来の、光検出手段により検出された光の強度に基づき微粒子分散性の定量評価のための画像処理を行う画像処理部8を備えていない構成の溶液試料1中の微粒子分散性評価装置を用いた。しかし、市販装置標準装備の画像計測を主とした解析ソフトウェアでは取得した多画素・多値画像の輝度の分散値計算を任意の画素サイズで行うことが不可能であった。そのため、得られた酸化チタン微粒子の存在を表す取得画像中の輝度情報を用いた定量化を行うことが出来なかった。
[比較例3]
実施例1と同様に、レーザー励起光の光束を水浸対物レンズ4で集光して微粒子を分散させた溶液試料1が滴下された溶液容器2のカバーガラス2bの底面の1点に照射し、ガルバノスキャナーによってX−Y方向に走査する。沈降状態にある溶液試料1から微弱な酸化チタン微粒子の散乱画像を検出部6の検出器(光電面がGaAsPのAPD)に導いて、微粒子散乱画像を取得した。
この際、ホルダー15にチルト調整機構を設けず溶液容器2のチルト(傾き)調整を行わなかったが、載置台13上のホルダー15に把持された溶液容器の底面(カバーガラス2b)に傾きがあった。そのため、溶液容器2の底面(カバーガラス2b)に接した面のX−Y方向の微粒子散乱画像では、走査した際の測定ポイントの一部がカバーガラス2b面から離れてしまった。その結果、微粒子散乱X−Y二次元画像が途中で途切れるなど、適正な微粒子散乱画像を取得することが出来なかった。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、次の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様A)
溶液中に微粒子が分散してなる溶液試料1などの溶液試料の入る溶液容器2などの溶液容器を把持するホルダー15などの把持部材と、レーザー光源10などのレーザー光源と、溶液試料にレーザー光を照射すると共に、溶液試料からの微弱な微粒子散乱光を含むレイリー光を受光するビームスプリッター3などの分離光学素子、水浸対物レンズ4などの水浸対物レンズ、及び焦点面と共役な関係にあるピンホール5,12などのピンホールを備える共焦点顕微光学系と、分離光学素子を経由した光におけるレイリー光を透過するフィルター光学素子7などのフィルター光学素子と、フィルター光学素子を透過した光を分光する分光手段と、分光手段により分光された光の強度を検出する検出部6などの光検出手段と、レーザー光を溶液試料に対して溶液試料の深さ方向及び平面方向に相対的に走査可能な走査機構とを備え、溶液試料における微粒子の分散性を評価する微粒子分散性評価装置において、上記把持部材に把持される溶液容器を振とうさせる振とう機構と、上記光検出手段により検出された光の強度に基づき深さ方向及び平面方向に関する2次元画像データを構築し、該データから微粒子分散性の定量評価のための画像処理をおこなう画像処理部8などの画像処理部とを備える。
これによれば、上記実施形態で説明したように、溶液容器内の溶液試料が振とう機構によって振とうされるので、溶液試料中の微粒子が沈降することが抑制され、微粒子の分散状態を適正に評価することが可能となる。また、上記実験結果からもわかるように、画像処理部によって微粒子の存在を示す画像データから微粒子の分散状態を定量的に評価することが可能となる。これにより、溶液中に分散した微粒子の正確な分散状態を、希釈溶液を作製することなく高濃度の状態のまま簡便・迅速に得ることができる。
(態様B)
(態様A)の微粒子分散性評価装置において、上記把持部材は、上記溶液容器の底面を水平ならしめるチルト調整機構を有する。
これによれば、上記実施形態で説明したように、チルト調整機構で予め溶液容器の傾き微調整を行い、レーザー光の平面方向(X−Y)走査面と微粒子を含んだ溶液容器底面の平行を保つことができる。これにより、溶液容器底面に沈降している微粒子の適正な微粒子散乱画像を取得できるようになる。特に、経時での微粒子の沈降状態を適正に評価することが可能となる。
(態様C)
(態様A)又は(態様B)の微粒子分散性評価装置において、上記画像処理部は、上記溶液試料の深さ方向又は平面方向におけるレーリー光の強度の分布から微粒子散乱光による深さ位置毎の微粒子散乱画像を取得し、該微粒子散乱画像の任意の画素領域を複数定め、各画素領域内で各画素の輝度の分散値或いは標準偏差値を分散状態の特徴量として算出し、該複数の画素領域の特徴量をヒストグラム化する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、溶液中に分散した微粒子の分散状態を定量的に評価することが可能となるので、微粒子の分散状態を、希釈溶液を作製することなく高濃度の状態のまま簡便・迅速に得ることができる。
(態様D)
(態様C)の微粒子分散性評価装置において、上記画素領域の画素範囲は、矩形型であり、縦・横の画素数を自由に可変できる。
これによれば、上記実施形態について説明したように、微粒子の粒径・含有率によって凝集状態の注目すべき範囲がかわることに対応でき、溶液中に分散した微粒子の分散状態を適正に評価することができる。
(態様E)
(態様C)において、上記画像処理部は、順次ラベリングされた各画素領域内の分散状態の特徴量をヒストグラム化し、該特徴量の数値閾値を設定することにより画素領域毎の良否を判定する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、その溶液試料内のどの場所の分散状態が悪いのかを定量的に評価することが可能となる。
(態様F)
(態様C)において、上記画像処理部は、各画素領域内の分散状態の特徴量で定めた数値幅に、各領域を一つの度数としてプロットした度数分布図を作成してヒストグラム化し、該特徴量の数値範囲に閾値を設定することにより分散状態の良否を判定する。
これによれば、上記実施形態について説明したように、例えば分散性が良い「分散性良サンプル」に対する「分散性不良サンプル」の判定を定量的に行うことが可能となる。
(態様G)
分離光学素子、水浸対物レンズ、及び焦点面と共役な関係にあるピンホールを有する共焦点顕微光学系により、溶液中に微粒子が分散された溶液試料にレーザー光を照射すると共に、該溶液試料からの微粒子散乱光を含む光を受光して、微粒子散乱光に含まれるレイリー光の強度を検出して微粒子分散状態を評価する微粒子分散性評価方法において、上記溶液試料が収容される溶液容器を振とうさせた後、レーザー光を該溶液試料の深さ方向及び平面方向に照射して、上記レイリー光の強度に基づき深さ方向及び平面方向に関する2次元画像データを構築し、該データから微粒子分散性の定量評価をおこなう。
これによれば、上記実施形態で説明したように、溶液容器内の溶液試料が振とう機構によって振とうされるので、溶液試料中の微粒子が沈降することが抑制され、微粒子の分散状態を適正に評価することが可能となる。また、上記実験結果からもわかるように、画像処理部によって微粒子の存在を示す画像データから微粒子の分散状態を定量的に評価することが可能となる。これにより、溶液中に分散した微粒子の正確な分散状態を、希釈溶液を作製することなく高濃度の状態のまま簡便・迅速に得ることができる。
1 溶液試料
2 溶液容器
3 ビームスプリッター
4 水浸対物レンズ
5 第二のピンホール
6 検出部
7 フィルダー光学素子
8 画像処理部
10 レーザー光源
11 集光レンズ
12 第一のピンホール
13 載置台
14 レンズホルダー
15 ホルダー
特開2014−13228号公報

Claims (7)

  1. 溶液中に微粒子が分散してなる溶液試料の入る溶液容器を把持する把持部材と、レーザー光源と、該溶液試料にレーザー光を照射すると共に、該溶液試料からの微弱な微粒子散乱光を含むレイリー光を受光する分離光学素子、水浸対物レンズ、及び焦点面と共役な関係にあるピンホールを備える共焦点顕微光学系と、該分離光学素子を経由した光におけるレイリー光を透過するフィルター光学素子と、該フィルター光学素子を透過した光を分光する分光手段と、該分光手段により分光された光の強度を検出する光検出手段と、該レーザー光を該溶液試料に対して溶液試料の深さ方向及び平面方向に相対的に走査可能な走査機構とを備え、該溶液試料における微粒子の分散性を評価する微粒子分散性評価装置において、
    上記把持部材に把持される溶液容器を振とうさせる振とう機構と、
    上記光検出手段により検出された光の強度に基づき深さ方向及び平面方向に関する2次元画像データを構築し、該データから微粒子分散性の定量評価のための画像処理をおこなう画像処理部とを備えることを特徴とする微粒子分散性評価装置。
  2. 請求項1の微粒子分散性評価装置において、
    上記把持部材は、上記溶液容器の底面を水平ならしめるチルト調整機構を有することを特徴とする微粒子分散性評価装置。
  3. 請求項1又は2の微粒子分散性評価装置において、
    上記画像処理部は、上記溶液試料の深さ方向又は平面方向におけるレーリー光の強度の分布から微粒子散乱光による深さ位置毎の微粒子散乱画像を取得し、該微粒子散乱画像の任意の画素領域を複数定め、各画素領域内で各画素の輝度の分散値或いは標準偏差値を分散状態の特徴量として算出し、該複数の画素領域の特徴量をヒストグラム化することを特徴とする微粒子分散評価装置。
  4. 請求項3の微粒子分散性評価装置において、
    上記画素領域の画素範囲は、矩形型であり、縦・横の画素数を自由に可変できることを特徴とする微粒子分散評価装置。
  5. 請求項3の微粒子分散性評価装置において、
    上記画像処理部は、順次ラベリングされた各画素領域内の分散状態の特徴量をヒストグラム化し、該特徴量の数値閾値を設定することにより画素領域毎の良否を判定することを特徴とする微粒子分散性評価装置。
  6. 請求項3の微粒子分散性評価装置において、
    上記画像処理部は、各画素領域内の分散状態の特徴量で定めた数値幅に、各領域を一つの度数としてプロットした度数分布図を作成してヒストグラム化し、該特徴量の数値範囲に閾値を設定することにより分散状態の良否を判定することを特徴とする微粒子分散評価装置。
  7. 分離光学素子、水浸対物レンズ、及び焦点面と共役な関係にあるピンホールを有する共焦点顕微光学系により、溶液中に微粒子が分散された溶液試料にレーザー光を照射すると共に、該溶液試料からの微粒子散乱光を含む光を受光して、微粒子散乱光に含まれるレイリー光の強度を検出して微粒子分散状態を評価する微粒子分散性評価方法において、
    上記溶液試料が収容される溶液容器を振とうさせた後、レーザー光を該溶液試料の深さ方向及び平面方向に照射して、上記レイリー光の強度に基づき深さ方向及び平面方向に関する2次元画像データを構築し、該データから微粒子分散性の定量評価をおこなうことを特徴とする微粒子分散性評価方法。
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