JP5958914B2 - 透過型ebsd法 - Google Patents

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本発明は、透過型EBSD法に関し、特に、より安定で、コントラストの優れた菊池線回折パターンを得ることができる透過型EBSD法に関する。
金属やセラミックスをはじめとする結晶性材料の方位情報は、材料の性質を明らかにし、制御するための重要な情報である。この結晶性材料の方位情報は、電子線後方散乱回折(electron back scattering diffraction)(以下、本明細書において“EBSD”という。)法により測定することができる。EBSD法は、走査電子顕微鏡を使用し、電子線後方散乱により得られる菊池線回折パターンに基づき結晶方位を解析する方法である。
図3は、従来の反射型EBSD法の測定原理を示す模式図である。図3に示すように、走査電子顕微鏡内にバルク試料31を配置し、試料31の表面に電子線(e-)を照射し、反射する電子線の回折パターン(菊池線回折パターン)を取得する。試料31に入射する電子線(e-)の光軸に垂直な面32と試料31とのなす角度は60°〜70°程度に調整する。菊池線回折パターンは、EBSDパターン検出器の蛍光スクリーン33で取得し、試料表面上で電子線を走査することにより、方位情報をマッピングする。このようにして、材料の微細組織の結晶構造を再現し、所定の局所領域の結晶方位を知ることができる。
一方、透過型EBSD法が知られている(非特許文献1参照)。図4は、従来の透過型EBSD法の測定原理を示す模式図である。図4に示すように、走査電子顕微鏡内に薄膜試料41を配置し、対物レンズ44から薄膜試料41に電子線(e-)を照射し、透過する電子線の回折パターン(菊池線回折パターン)をEBSDパターン検出器の蛍光スクリーン43により検出し、試料上で電子線を走査する。透過型EBSD法により、試料の深さ方向の解析やより微細な構造の分析が可能となる。
非特許文献1によれば、薄膜試料の傾斜角は、図4に示すように、薄膜試料41の法線方向45と電子線の光軸とのなす角度α、すなわち薄膜試料41に入射する電子線の光軸に垂直な面42と試料41とのなす角度αを、約10°〜30°に調整すると、シグナル強度が強くなると記載されている(非特許文献1のp.247参照)。また、対物レンズ44から、薄膜試料41の測定部位までの距離WD(working distance)は10mm以上とすると有効であると記載されている(非特許文献1のp.247参照)。
R.R.ケラー & R.H.ゲイス, 「走査電子顕微鏡による10nm領域からの透過EBSD( Transmission EBSD from 10nm domains in a scanning electronmicroscope )」, "ジャーナル オブ マイクロスコピー", vol.245, 2012年, pp.245-251
本発明の課題は、より安定で、コントラストの優れた菊池線回折パターンを得ることができる透過型EBSD法を提供することにある。
本発明の透過型EBSD法は、走査電子顕微鏡を使用し、試料に入射する電子線により試料を透過して生じるEBSDパターンに基づき結晶方位を解析する方法である。走査電子顕微鏡は、電子線源と、電子線源から放出する電子線を集束する集束レンズと、電子線をさらに集束することにより試料上に電子プローブを形成する対物レンズと、試料上で電子プローブを走査する走査コイルと、EBSDパターン検出器と、試料ホルダーとを備える。また、EBSDパターン検出器は、試料に入射する電子線により試料から生じるEBSDパターンを蛍光スクリーンにより取得する。電子線の加速電圧は15kV以上であり、試料は結晶性薄膜を使用する。
EBSDパターンを形成する回折電子線の強度の変化が大きいときは、試料を透過した回折電子線以外の透過電子線が、EBSDパターン検出器の蛍光スクリーンに到達するように、回折電子線以外の透過電子線を反射する反射板を備える試料ホルダーを使用して結晶方位を解析する。
一方、EBSDパターンを形成する回折電子線の強度の変化が小さいときは、試料を透過した回折電子線以外の透過電子線が、EBSDパターン検出器の蛍光スクリーンに到達しないように、回折電子線以外の透過電子線を反射する反射板を備える試料ホルダーを使用して結晶方位を解析する。あるいは、EBSDパターンを形成する回折電子線の強度の変化が小さいときは、試料を透過した回折電子線以外の透過電子線が、EBSD検出器の蛍光スクリーンに到達しないように、回折電子線以外の透過電子線を捕捉するトラップを備える試料ホルダーを使用して結晶方位を解析する。
試料に入射する電子線の光軸に垂直な面と、試料とのなす角度αは、30°〜80°が好ましく、30°〜60°がより好ましい。また、対物レンズの下端から試料の測定部位までの距離WDは、3mm〜9mmである態様が好ましい。
本発明の透過型EBSD法によれば、より安定で、コントラストの優れた菊池線回折パターンを得ることができ、解像度の高い透過EBSD方位マップ像を取得できる。
本発明の透過型EBSD法で使用する試料ホルダーの模式図である。 本発明の透過型EBSD法で使用する走査電子顕微鏡の構成を示す模式図である。 従来の反射型EBSD法の測定原理を示す模式図である。 従来の透過型EBSD法の測定原理を示す模式図である。 本発明の透過型EBSD法で使用する試料ホルダーの模式図である。 本発明の方法による透過EBSD方位マップ図である。 従来の方法による透過EBSD方位マップ図である。 本発明の方法により得られる透過EBSDパターンを示す図である(WD=15mm,α=20°)。 本発明の方法により得られる透過EBSDパターンを示す図である(WD=15mm,α=40°)。 本発明の方法により得られる透過EBSDパターンを示す図である(WD=15mm,α=60°)。 本発明の方法により得られる透過EBSDパターンを示す図である(WD=5mm,α=20°)。 本発明の方法により得られる透過EBSDパターンを示す図である(WD=5mm,α=40°)。 本発明の方法により得られる透過EBSDパターンを示す図である(WD=5mm,α=60°)。
本発明の透過型EBSD法は、走査電子顕微鏡を使用し、試料に入射する電子線により試料を透過して生じるEBSDパターンに基づき、試料の結晶方位を解析する。図2は、本発明の透過型EBSD法に使用する走査電子顕微鏡の構成を示す模式図である。図2に示すように、電子線源6aから放出する電子線(e-)を集束レンズ6bにより収束し、集束後の電子線は、対物絞り6cの開口部を通過する。対物絞り6cを通過した電子線を、対物レンズ4によりさらに集束し、電子線は、試料1上で焦点を結び、試料1上に電子プローブを形成する。
試料ホルダーに保持した試料1に電子線が入射し、透過することにより、試料から回折電子線1aが生じ、回折電子線1aのEBSDパターンを、EBSDパターン検出器3の蛍光スクリーン3aにより取得する。取得したEBSDパターンから、試料1の測定部位における結晶方位と結晶構造を解析することができる。走査電子顕微鏡は、走査コイル(図示していない。)により試料1上で電子プローブを容易に走査することができるため、試料上の複数点における結晶方位情報を取得し、各測定点における結晶方位情報と位置情報を蓄積することにより結晶の方位マップ像が得られ、試料の結晶構造を再現し、所定の局所領域の結晶方位を把握することができる。
試料は、結晶性薄膜を使用し、透過電子顕微鏡用の試料を好ましく使用することができる。試料のサイズは、たとえば直径3mm、厚さ1μm以下の円盤状のものを使用するが、試料を透過した電子線強度を確保する点で、観察領域の厚さは、好ましくは300nm以下、より好ましくは200nm以下、特に好ましくは100nm以下に加工する。試料全体を300nm以下に加工すると、観察領域は広くなるが、ホルダーへの装着、真空排気等の取り扱いが難しくなる。このため、観察領域は電解研磨法、フォーカスイオンビーム法等により局所的に薄くし、その他の領域は厚くして強度を保持する態様が好ましい。電子線の加速電圧は、15kV以上、30kV以下とし、好ましくは20kV以上、30kV以下とする。加速電圧が高いほど、電子線を絞ることができ、比較的厚い試料でも透過電子線強度を確保し、高分解能の解析が可能となる。
本発明の透過型EBSD法では、EBSDパターンを形成する回折電子線の強度の変化が大きいと予想されるときは、試料を透過した回折電子線以外の透過電子線が、EBSDパターン検出器の蛍光スクリーンに到達するように、回折電子線以外の透過電子線を反射する反射板を備える試料ホルダーを使用して結晶方位を解析する。図1は、本発明の透過型EBSD法において使用する試料ホルダーの模式図である。図1に示すように、試料ホルダーは、反射板7を備える。対物レンズ4により収束した電子線(e-)が試料1に入射し、試料1を透過した回折電子線1a以外の透過電子線1bが、EBSDパターン検出器3の蛍光スクリーン3aに到達するように、回折電子線1a以外の透過電子線1bを反射板7により反射する。
観察用の試料を、たとえば電解研磨法により調製すると、試料の断面がクサビ状に陥没し、クサビの中央部に穴が形成され、穴の周辺領域が最も薄く、穴から離れるにつれて、試料の厚さが厚くなる。電解研磨法で調製した場合でも、調製の仕方により、試料の厚さの変化は異なる。試料の厚さの変化が大きいと、EBSDパターンを形成する回折電子線の強度の変化も大きくなる。また、たとえば試料中に析出物が存在することによっても、EBSDパターンを形成する回折電子線の強度の変化が大きくなる。
このように、様々な要因により、EBSDパターンを形成する回折電子線の強度の変化は大きくなるが、回折電子線の強度の変化が大きくなると、蛍光スクリーン上のEBSDパターンの輝度の変化が大きくなり、EBSDパターンを安定的に取得することが難しくなる。このため、EBSDパターンを形成する回折電子線の強度の変化が大きいと予想されるときは、図1に示す試料ホルダーを使用することが好ましい。
図1に示す試料ホルダーによれば、電子線(e-)が試料1に入射し、試料1を透過した回折電子線1aが蛍光スクリーン3aに到達する。また、回折電子線1a以外の透過電子線1bが反射板7により蛍光スクリーン3aに到達する。試料1を透過した回折電子線1aの強度に、透過電子線1bの強度をバックグラウンドとして加算することにより、加算後の電子線強度の相対的な変化量を軽減することができ、コントラストの優れたEBSDパターンを安定的に得ることが可能になり、解像度の高い透過EBSD方位マップ像が得られる。
図6は、本発明の方法による透過EBSD方位マップ図であり、図1に示す反射板7付き試料ホルダーを使用したときの方位マップ像である。図1に示すように、試料1を透過する回折電子線1aが蛍光スクリーン3aに到達し、また透過電子線1bも反射板7により蛍光スクリーン3aに到達するように調整している。一方、図7は、従来の方法による透過EBSD方位マップ図であり、本発明の反射板7を使用していない以外は、図6の例と同様にして取得した方位マップ像である。図6と図7の例では、鉄を試料とし、電解研磨法により調製した薄膜試料を加速電圧25kVで観察している。また、図6と図7に示す例はいずれも、電解研磨法により試料を調製しているため、図の左側領域で試料の膜厚が厚く、図の右側へ進むにつれて膜厚が徐々に薄くなっている。
図7に示す方位マップ像では、反射板を使用していないため、図7における右端の領域の画像が、図の左側の領域に比べて相対的に暗くなっている。これに対して、図6に示す方位マップ像では、右側と左側とで画像の解像度に有意な差はない。これは、図7に示す例では、図の左側の領域と比較して、図の右端の領域では結晶性薄膜の膜厚が薄い。この結果、図の左側の領域と比較して、図の右端の領域では回折電子線の強度が小さくなり、蛍光スクリーン上のEBSDパターンが暗くなり、明確に検出できないためである。これに対し、図6に示す例では、本発明の反射板を備える試料ホルダーを使用しているため、透過電子線を蛍光スクリーンに反射させ、回折電子線の強度に透過電子線の強度をバックグラウンドとして加算し、加算後の電子線強度の相対的な変化量を軽減することにより、蛍光スクリーン上のEBSDパターンの輝度変化を少なくして、カメラ撮影を可能にしている。このため、図6に示すように、解像度の良好な方位マップ像が得られる。
これらの例から明らかなとおり、EBSDパターンを形成する回折電子線の強度の変化が大きいときには、蛍光スクリーン上のEBSDパターンの輝度変化が大きくなる。このため、図1に示すように、試料1を透過した回折電子線1a以外の透過電子線1bが蛍光スクリーン3aに到達するように、透過電子線1bを反射する反射板7を備える試料ホルダーを使用して結晶方位を解析する方法が好ましい。
本発明の透過型EBSD法では、EBSDパターンを形成する回折電子線の強度の変化が小さいと予想されるときは、試料を透過した回折電子線以外の透過電子線が、EBSDパターン検出器の蛍光スクリーンに到達しない構造の試料ホルダーを使用して結晶方位を解析する。かかる試料ホルダーは、回折電子線以外の透過電子線を反射する反射板、または回折電子線以外の透過電子線を捕捉するトラップを備える態様が好ましい。
観察用の試料を、たとえばフォーカスイオンビーム法等により調製すると、調整の仕方によっても異なるが、比較的平坦で、厚さの変化の小さい試料が得られる。試料の厚さの変化が小さいと、EBSDパターンを形成する回折電子線の強度の変化も小さい。また、たとえば試料中の析出物が少ないときは、EBSDパターンを形成する回折電子線の強度の変化が小さい。このようにEBSDパターンを形成する回折電子線の強度の変化が小さいときは、蛍光スクリーン上のEBSDパターンの輝度の変化が小さいため、回折電子線以外の透過電子線が蛍光スクリーンに到達しないようにする方が、コントラストの優れたEBSDパターンを安定して取得することができ、解像度の高い透過EBSD方位マップ像を取得できる。
回折電子線以外の透過電子線が蛍光スクリーンに到達しないようにする態様としては、試料下に障害物を配置せず、フリーにする態様も考えられる。しかし、試料下をフリーにすると、走査電子顕微鏡内の構造物に衝突した透過電子線が蛍光スクリーンに飛び込み、ノイズとなり、コントラストが低下する要因となり易い。したがって、回折電子線以外の透過電子線が蛍光スクリーンに到達しないように、回折電子線以外の透過電子線を積極的に排除する態様が好ましい。
図5は、本発明の透過型EBSD法で使用する試料ホルダーの模式図である。図5に示すように、対物レンズ4により収束した電子線(e-)が試料1を透過した後、回折電子線1aは、EBSDパターン検出器3の蛍光スクリーン3aに到達し、EBSDパターンを形成する。しかし、図5に示す試料ホルダーは、回折電子線1a以外の透過電子線1bが蛍光スクリーン3aに到達しない態様を有する。たとえば、図5(a)に示す態様の試料ホルダーは、回折電子線1a以外の透過電子線1bが、蛍光スクリーンに到達しないように、入射する電子線(e-)の光軸を基準にして、蛍光スクリーンが存在する方向と逆の方向に傾斜面を有する反射板7aにより透過電子線1bを反射する。
たとえば、図5(b)に示す態様の試料ホルダーは、試料1に入射する電子線(e-)の光軸に垂直な面7bを備え、面7bが回折電子線1a以外の透過電子線1bを捕捉するトラップの機能を発揮するため、透過電子線1bが蛍光スクリーンに到達しない。たとえば、図5(c)に示す態様の試料ホルダーは凹部8を備え、凹部8が透過電子線1bを捕捉するトラップの機能を発揮するため、透過電子線1bが蛍光スクリーン3aに到達しない。透過電子線1bを十分に除外する点で、図5(c)における距離T(:対物レンズ4の下端と、凹部8の底部までの距離)は60mm以上とする態様が好ましい。
図1と図5において、試料1に入射する電子線(e-)の光軸に垂直な面2と、試料1とのなす角度αの好ましい範囲を検討する。また、対物レンズ4の下端から試料1の測定部位までの距離WDの好ましい範囲を検討する。図8〜図10は、WD=15mmであるときの本発明の方法により得られる透過EBSDパターンを示す図であり、図8ではα=20°であり、図9ではα=40°であり、図10ではα=60°である。一方、図11〜図13は、WD=5mmであるときの本発明の方法により得られる透過EBSDパターンを示す図であり、図11ではα=20°であり、図12ではα=40°であり、図13ではα=60°である。図8〜図13の透過EBSDパターンは、図5(a)に示す試料ホルダーを使用し、アルミニウムの結晶性薄膜を試料とし、電子線の加速電圧25kVで測定したデータであるが、図1および図5に示す他の試料ホルダーを使用しても、同様の傾向が認められる。
図8〜図10に示す透過EBSDパターンを比較すると、WD=15mm(一定)であるときは、α=20°(図8)よりα=40°(図9)の方が解像度は良好である。一方、α=40°(図9)の場合とα=60°(図10)の場合とでは、解像度は同様に良好である。また、図11〜図13に示す透過EBSDパターンを比較すると、WD=5mm(一定)であるときは、α=20°(図11)より、α=40°(図12)の方が解像度は良好である。一方、α=40°(図12)の方がα=60°(図13)より解像度が良好である。さらに、EBSDパターンをマッピングして得られる方位マップ像の解像度を併せて考慮すると、角度αは30°〜80°が好ましく、30°〜60°がより好ましく、35°〜55°が特に好ましい。
一方、図8と図11に示す透過EBSDパターンを比較すると、α=20°(一定)であるときは、WD=15mm(図8)よりWD=5mm(図11)の方が解像度は良好である。また、図9と図12に示す透過EBSDパターンを比較すると、α=40°(一定)であるときは、WD=15mm(図9)よりWD=5mm(図12)の方が解像度は良好である。さらに、EBSDパターンをマッピングして得られる方位マップ像の解像度を併せて考慮すると、WDは3mm〜9mmが好ましく、4mm〜8mmがより好ましく、5mm〜7mmが特に好ましい。
本発明の透過EBSD法により、金属やセラミックスをはじめとする結晶性材料の方位情報が明らかになるため、材料の性質を正確に把握し、制御することが容易となる。
1 試料
1a 回折電子線
1b 透過電子線
2 試料に入射する電子線の光軸に垂直な面
3 EBSDパターン検出器
3a 蛍光スクリーン
4 対物レンズ
6a 電子線源
6b 集束レンズ
6c 対物絞り
7,7a 反射板
7b 試料に入射する電子線の光軸に垂直な面(:トラップ)
8 凹部(:トラップ)
α 試料に入射する電子線の光軸に垂直な面と、試料とのなす角度
WD 対物レンズの下端から試料の測定部位までの距離

Claims (4)

  1. 電子線源と、
    該電子線源から放出する電子線を集束する集束レンズと、
    電子線をさらに集束することにより試料上に電子プローブを形成する対物レンズと、
    試料上で電子プローブを走査する走査コイルと、
    入射する電子線により試料から生じる電子線後方散乱回折(electron back scattering diffraction:EBSD)パターンを蛍光スクリーンで取得するEBSDパターン検出器と、
    試料ホルダーと
    を備える走査電子顕微鏡を使用して、試料に入射する電子線により試料を透過して生じるEBSDパターンに基づき結晶方位を解析する透過型EBSD法であって、
    電子線の加速電圧は、15kV以上であり、
    試料は、結晶性薄膜であり、
    EBSDパターンを形成する回折電子線の強度の変化が大きいときは、前記試料を透過した回折電子線以外の透過電子線が、EBSDパターン検出器の蛍光スクリーンに到達するように、回折電子線以外の透過電子線を反射する反射板を備える試料ホルダーを使用して結晶方位を解析し、
    EBSDパターンを形成する回折電子線の強度の変化が小さいときは、前記試料を透過した回折電子線以外の透過電子線が、EBSDパターン検出器の蛍光スクリーンに到達しないように、回折電子線以外の透過電子線を反射する反射板、または回折電子線以外の透過電子線を捕捉するトラップを備える試料ホルダーを使用して結晶方位を解析する
    透過型EBSD法。
  2. 前記試料に入射する電子線の光軸に垂直な面と試料とのなす角度αが30°〜80°である請求項1に記載の透過型EBSD法。
  3. 前記試料に入射する電子線の光軸に垂直な面と試料とのなす角度αが30°〜60°である請求項1又は2に記載の透過型EBSD法。
  4. 前記対物レンズの下端から試料の測定部位までの距離WDが3mm〜9mmである請求項1〜3のいずれかに記載の透過型EBSD法。
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