JPH07223904A - 固液分散物および水和物 - Google Patents

固液分散物および水和物

Info

Publication number
JPH07223904A
JPH07223904A JP6015645A JP1564594A JPH07223904A JP H07223904 A JPH07223904 A JP H07223904A JP 6015645 A JP6015645 A JP 6015645A JP 1564594 A JP1564594 A JP 1564594A JP H07223904 A JPH07223904 A JP H07223904A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
soluble
solid
water
substance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6015645A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3403793B2 (ja
Inventor
Taro Takahashi
太郎 高橋
Yuichi Maeda
裕一 前田
Hitoshi Furuta
均 古田
Junko Tobe
順子 戸辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Oil Co Ltd
Original Assignee
Fuji Oil Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Oil Co Ltd filed Critical Fuji Oil Co Ltd
Priority to JP01564594A priority Critical patent/JP3403793B2/ja
Publication of JPH07223904A publication Critical patent/JPH07223904A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3403793B2 publication Critical patent/JP3403793B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fats And Perfumes (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Cosmetics (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】油溶性物質が水溶液中に固形物の状態で均一且
つ安定に分散している固液分散物を得る。 【構成】油溶性物質が水溶性ヘミセルロースの水溶液中
に固形物の状態で分散していることを特徴とする固液分
散物、および当該分散物を脱水処理してなる水和物。 【効果】農薬、医薬、化粧料等の有効成分である固液分
散物および水和物の製造に利益を与えるものであるとと
もに、良好な低カロリー油脂含有食品を提供することが
可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は固液分散物および水和物
に関し、詳細には農薬、医薬、化粧料等で使用される油
溶性薬剤または化粧料有効成分あるいは難消化性の油脂
など油溶性物質が水溶液中に固形物の状態で均一且つ安
定に分散している固液分散物、および当該分散物を脱水
処理して得られる、水中に投じたとき容易に水になじみ
易い水和物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より農薬、医薬、化粧料等は効果を
増加させるために、それらの有効成分である油溶性の固
形物質を微粒子化して表面積を増加させるという方法が
行われている。
【0003】しかしながら、これらの粉末品は見掛け比
重が小さいために嵩ばること、使用に際し微粉が舞い上
がること、計量に手間がかかること、あるいは水に分散
させて使用する場合に短時間で簡単に分散させ難いこと
などの欠点がある。このため、今日では乳化状態、固液
分散状態あるいは水中に投じたとき簡単に分散し易い粒
状の水和物状態で製品化されたりしている。また、人間
の体温以上の融点を持つ高融点油脂を使用した油脂組成
物および、それを含む乳化物による油脂食品の低カロリ
ー化も検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のような状況下に
おいて、有効成分である油溶性物質が高融点である場
合、乳化状態に成し難く、仮に乳化物が得られたとして
も乳化粒子の粗大化による乳化破壊、転相などによる乳
化状態の不安定化等の問題があり、また分散状態では従
来の固液分散物は有効成分である油溶性固形物質の分散
状態が必ずしも液中で均一且つ安定ではなく分散粒子が
凝集または沈澱するという分散状態の不安定化の問題が
あり、さらに水和物状態においても水中に投じたときの
再分散状態が悪い等の問題が生じ、必ずしも満足のでき
るものではない。
【0005】本発明は、このような観点から、水溶液中
に固形物の状態で均一且つ安定に分散している固液分散
物および水中に投じたとき容易に水になじみ易い水和物
を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、如上の点
に鑑み鋭意研究した結果、水溶性ヘミセルロース、特に
豆類由来の水溶性ヘミセルロースの水溶液を使用する
と、油溶性固形物質が分散した非常に分散状態の良好な
固液分散物が製造できるという知見、および当該分散物
を脱水処理して得た水和物は、これを水中に投じたとき
容易に水になじみ易く速やかに分散状態の良好な固液分
散物が調製できるという知見を得た。本発明は、このよ
うな知見に基づいて完成されたものである。
【0007】即ち、本発明は油溶性物質が水溶性ヘミセ
ルロースの水溶液中に固形物の状態で分散していること
を特徴とする固液分散物、および当該分散物を脱水処理
してなる水和物、である。
【0008】本発明における油溶性物質としては、農
薬、殺虫剤等として有効な薬剤が好適に利用できる。そ
の代表例を以下に挙げる。
【0009】1−ナフチルN−メチル−カーバメイト、
2−t−ブチルイミノ−3−イソプロピル−5−フェニ
ル−3,4,5,6−テトラハイドロ−2H−1,3,
5−チアジアジン−4−オン、2−クロロ−4,6−ビ
ス(エチルアミノ)−1,3,5−トリアジン、テトラ
クロロイソフタロニトリル、4,5,6,7−テトラハ
イドロ−2H−1,3,5−チアジアジン−4−オン、
N−(トリメチルクロロチオ)−4−シクロヘキセン−
1,2−ジカルボキシイミド、エチレンビスジチオカル
バミン酸亜鉛、ジメチルS−(フタルイミドメチル)−
ホルホロチオロチオネート、2−クロロ−4−エチルア
ミノ−6−イソプロピルアミノ−1,3,5−トリアジ
ン、4−クロロベンジルN−(2,4−ジクロロフェニ
ル)−2−(1,2,4−トリアゾール−1−イル)エ
タンチオイミデート、4,5,6,7−テトラクロロフ
タリド、メチル−2−〔〔(4,6−ジメトキシピリミ
ジン−2−イル)アミノカルボニル〕アミノスルファニ
ルメチル〕ベンゾエート、m−トリメチルカーバメイ
ト、3,4−キシリルメチルカーバメイト、3,7−ジ
クロル−8−キノリンカルボン酸、2−クロロ−1−
(2,4,5−トリクロロフェニル)−ビニルジメチル
ホスフェート、3',4' −ジクロロプロピオンアニライ
ド、ジイソプロピル−1,3−ジチオラン−2−イリデ
ンマロネート、3' −イソプロボキシ−2−トリフルオ
ロトルアニリド、8−オキシキノリン銅−8−ヒドロオ
キシキノリン、エチル−5−〔3−(4,6−ジメトキ
シピリミジン−2−イル)−ウレイドスルホニル〕−1
−メチルピラゾール−4−カルボキシレート、2−メト
キシ−4H−1,3,2−ベンゾジオキサホスホリン−
2−サルファイド、N−〔2' −(3' −メトキシ)−
チエニルメチル〕−N−クロロアセト−2,6−ジメチ
ルアニリド、1−(2−クロロベンジル)−3−(α,
α−ジメチルベンジル)尿素、2−〔4−(2,4−ジ
クロロ−m−トリオイル)1,3−ジメチルピラゾール
−5−イルオキシ〕−4' −メチルアセトフェノン等の
活性物質などが例示できる。
【0010】また、本発明における油溶性物質は、難消
化性の油脂として有効な高融点油脂も好適に利用でき、
例えば極度硬化大豆油、極度硬化パーム油、極度硬化パ
ーム核油、極度硬化菜種油等の極度硬化油脂、トリパル
ミチン、トリステアリン、トリベヘン等の固体脂などが
例示できる。
【0011】本発明における油溶性物質は、以上のよう
に、20℃における固体分含量が90重量%以上であって、
融点が40℃以上、好ましくは60℃以上、さらに好ましく
は100 ℃以上である水に不溶または難溶性の油溶性物質
を言う。なお、本発明においては油溶性物質が、以上に
例示したものに限定されるものではない。
【0012】本発明における水溶性ヘミセルロースは豆
類由来、特に大豆、なかでも子葉由来のものが好まし
い。
【0013】水溶性ヘミセルロースは、その分子量がど
の様な値のものでも使用可能であるが、好ましくは平均
分子量が数千〜数百万、具体的には5千〜100 万、さら
に好ましくは5万〜100 万であるのがより好ましい。な
お、この水溶性ヘミセルロースの平均分子量は標準プル
ラン(昭和電工(株)販)を標準物質として0.1 MのNa
NO3 溶液中の粘度を測定する極限粘度法で求めた値であ
る。
【0014】水溶性ヘミセルロースは、ヘミセルロース
を含む原料から水抽出や場合によっては酸、アルカリ条
件下で加熱溶出させるか、酵素により分解溶出させるこ
とができる。水溶性ヘミセルロース製造法の好ましい一
例を示すと以下のようである。
【0015】油糧種子、例えば大豆、パーム、ヤシ、コ
ーン、綿実などの油脂や蛋白質を除いた殻、あるいは穀
類、例えば米、小麦などの澱粉等を除いた粕等の植物を
原料とすることができる。原料が大豆であれば、豆腐や
豆乳、分離大豆蛋白を製造するときに副生するオカラを
利用することができる。
【0016】これらの原料を酸性乃至アルカリ性の条件
下、好ましくは各々の蛋白質の等電点付近のpHで、好ま
しくは130 ℃以下80℃以上、より好ましくは130 ℃以下
100℃以上にて加熱分解し、水溶性画分を分画した後、
そのまま乾燥するか、例えば活性炭処理或いは樹脂吸着
処理或いはエタノール沈澱処理して疎水性物質あるいは
低分子物質を除去し乾燥することによって、水溶性ヘミ
セルロースを得ることができる。
【0017】また、粘度が高過ぎると、良好な固液分散
物が得られない場合がある。そこで、水溶性ヘミセルロ
ースの分子量が大きく、粘度が高過ぎる時には、脱色・
脱臭や乾燥する以前に、更に低分子化する処理が有効な
場合が多い。
【0018】低分子化処理は、加熱分解するときに加熱
条件を強くすることによっても可能であるが、ヘミセル
ロースの分解抽出溶液をアルカリ・酸・熱・酵素等の処
理によって行うことも出来る。
【0019】水溶性ヘミセルロース溶液の粘度は、例え
ば10%水溶液の場合 200センチポイズ以下が良く、より
好ましくは 100センチポイズ以下、更に好ましくは50セ
ンチポイズ以下が良い。
【0020】本発明における水溶性ヘミセルロースは単
独で使用するだけでなく、場合によっては既存の分散
剤、分散安定剤と併用して、それらの欠点を補うことが
出来る。
【0021】既存の分散剤としては、ラウリル硫酸ソー
ダ、リグニンスルホン酸ソーダ、ジオクチルスルホサク
シネートソーダ塩、ポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテルスルフェート等のアニオン型界面活性剤、ポリ
オキシエチレンラウリルエーテル、グリセリン脂肪酸エ
ステル、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等の非イオン
型界面活性剤、などが挙げられる。また、既存の分散安
定剤としては、アラビアガム、キサンタン、ゼラチン、
澱粉等の天然高分子物、カルボキシメチルセルロース、
アルギン酸プロピレングリコールエステル、化工澱粉等
の半合成高分子物、ポリアクリル酸ソーダ、ポリビニル
アルコール等の合成高分子物、クレー、タルク、珪藻土
等の鉱物質、硫安、芒硝、各種燐酸塩等の無機物質など
が挙げられる。
【0022】本発明における固液分散物を製造するに
は、前記するような油溶性物質を固形物の状態で水溶性
ヘミセルロースの水溶液、もしくは既存の分散剤、分散
安定剤を併用した水溶液中に分散させ、必要に応じて微
粉化する。
【0023】水溶性ヘミセルロースの水溶液中に分散さ
せる油溶性物質の分散割合は、油溶性物質の種類により
一概に規定できないが、概ね、水溶性ヘミセルロース1
に対し油溶性物質0.05〜25、好ましくは1〜20の割合が
好適である。水溶性ヘミセルロースの水溶液濃度は、分
散させる油溶性物質の種類により、これまた一概に規定
できないが、概ね1〜30重量%程度でよい。この水溶性
ヘミセルロースの水溶液をホモミキサーなど適当な手段
により攪拌しながら、これに油溶性物質の粉砕物を加え
て分散させる。なお、必要に応じてナノマイザー、コロ
イドミル等の手段により分散物中の該油溶性固形物質を
微粉砕する。微粉砕するに際して、油溶性物質を融解し
水溶性ヘミセルロースの水溶液と予備乳化させた後、冷
却固化せしめて乳化状態を破壊してからナノマイザー、
コロイドミル等の手段により該油溶性固形物質を微粉砕
しても構わない。
【0024】油溶性固形物質は、分散の安定化、表面積
の増加、あるいは食用とした場合は舌ざわり、食感の点
から、分散時の平均粒子径が40μm以下、好ましくは20
μm以下、更に好ましくは10μm以下の粒子となるよう
に微粉砕するのが望ましい。
【0025】本発明は、以上のようにして得られた固液
分散物を脱水処理することにより、水中に投じたとき容
易に水になじみ水中に分散し易い水和物を得ることがで
きる。脱水処理は、加熱によるよりも減圧下に処理する
のが好ましいが、油溶性固形物質が溶融しない温度下に
おいて噴霧乾燥等公知の方法により脱水処理を行うこと
もできる。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明の実施態様を説明
するが、これは例示であって本願発明の精神がこれらの
例示によって制限されるものではない。なお、例中、部
および%は何れも重量基準を意味する。
【0027】○ 水溶性大豆ヘミセルロースの調製 分離大豆蛋白製造工程において得られた生オカラに2倍
量の水を加え、塩酸にてpHを4.5 に調製し、120 ℃で1.
5 時間加水分解した。冷却後遠心分離し(10000 G ×30
分)、上澄と沈澱部に分離した。こうして分離した沈澱
部を更に等重量の水で水洗し、遠心分離し、上澄を先の
上澄と一緒にしてイオン交換樹脂を用いて脱塩し、活性
炭カラム処理した後、乾燥して水溶性大豆ヘミセルロー
ス(イ)を得た。
【0028】前記加水分解の方法を 125℃で2.5 時間と
した以外は同様にして水溶性大豆ヘミセルロース(ロ)
を得た。
【0029】更に、この水溶性大豆ヘミセルロース
(ロ)を0.5 %食塩水に溶解し、エタノール濃度が50%
となるようにして再沈澱を3回繰り返し、UF膜を用い
て脱塩して水溶性ヘミセルロース(ハ)を得た。
【0030】得られた水溶性大豆ヘミセルロース
(イ)、(ロ)、(ハ)の成分を常法により、粘度をB
M型粘度計(ローターNo1,60rpm )により、平均分子量
を極限粘度法により測定した結果を以下にまとめる。
【0031】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 成 分(%) (イ) (ロ) (ハ) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 水 分 5.71 7.75 5.10 粗蛋白 2.64 5.05 0.53 粗灰分 0.13 0.18 0.07 多糖類 90.80 85.92 94.00 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 粘 度 55.0cP 35.5cP 72.0cP −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 平均分子量 230,000 180,000 325,000 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0032】次に、(イ)、(ロ)及び(ハ)の水溶性
大豆ヘミセルロースの糖組成を次の方法で分析した。ウ
ロン酸の測定は Blumenkrantz 法により、また中性糖は
アルジトールアセテート法によりGLCを用いて測定し
た。
【0033】結果は以下のとおり。 糖組成(重量%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 糖の種類 (イ) (ロ) (ハ) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ウロン酸 20.4 16.9 23.1 ラムノース 2.4 2.7 2.1 フコース 2.7 5.2 3.9 アラビノース 19.9 19.2 19.4 キシロース 6.4 8.4 5.8 ガラクトース 47.3 45.9 45.2 グルコース 0.9 1.7 0.5 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0034】実施例1 水溶性大豆ヘミセルロース(イ)10部を水40部に溶解さ
せた後、極度硬化大豆油(融点68℃) の粉砕物50部を添
加し、ホモミキサー(TKホモミキサー: 特殊機化工業
(株)製) を使用して混合し、ナノマイザー( ナノマイ
ザー(株)製)にて 500kgf/cm2 の圧力で微粉化を行
い、油溶性物質の固液分散物を得た。
【0035】実施例2 水溶性大豆ヘミセルロース(イ)20部を水60部に溶解
し、油溶性物質として極度硬化パーム油 (融点58℃) を
20部添加した以外は実施例1と同様にして油溶性物質の
固液分散物を得た。
【0036】実施例3 水溶性大豆ヘミセルロース(イ)20部を水70部に溶解
し、油溶性物質としてトリベヘン(融点86℃) を10部添
加し、ナノマイザーによる粉砕圧を1000kgf/cm2とした
以外は実施例1と同様にして油溶性物質の固液分散物を
得た。
【0037】実施例4 水溶性大豆ヘミセルロース(イ)18部を水80部に溶解
し、油溶性物質として1−ナフチルN−メチル−カーバ
メイト (融点142 ℃) を2部添加した以外は実施例3と
同様にして油溶性物質の固液分散物を得た。
【0038】実施例5 水溶性大豆ヘミセルロース(ロ)7部を水23部に溶解
し、油溶性物質として極度硬化大豆油(融点68℃) を70
部添加し、粉砕機としてコロイドミル(神鋼パンテック
(株)製) を使用した以外は実施例1と同様にして油溶
性物質の固液分散物を得た。
【0039】実施例6 水溶性大豆ヘミセルロース(ロ)4部を水16部に溶解
し、油溶性物質として極度硬化大豆油(融点68℃) を80
部添加した以外は実施例5と同様にして油溶性物質の固
液分散物を得た。
【0040】実施例7 水溶性大豆ヘミセルロース(ハ)4部を水76部に溶解
し、油溶性物質として極度硬化大豆油(融点68℃) を20
部添加した以外は実施例1と同様にして油溶性物質の固
液分散物を得た。
【0041】実施例8 水溶性大豆ヘミセルロース(ハ)2部を水88部に溶解
し、油溶性物質として極度硬化大豆油(融点68℃) を10
部添加した以外は実施例1と同様にして油溶性物質の固
液分散物を得た。
【0042】実施例9 実施例6で調製した油溶性物質の分散物から、減圧する
ことにより水10部を留去し、水和物を得た。
【0043】実施例10 水溶性大豆ヘミセルロース(ロ)15部を水25部に溶解
し、油溶性物質として1−ナフチルN−メチル−カーバ
メイト(融点142 ℃) を60部添加した以外は実施例9と
同様にして油溶性物質の固液分散物を調製し、水20部を
留去して水和物を得た。
【0044】比較例1 実施例1において、水溶性大豆ヘミセルロース(イ)を
用いる代わりに、水を用いて実施例1と同様の操作を行
ったが、ホモミキサーによる混合ができず、油溶性物質
の固液分散物は調製出来なかった。
【0045】比較例2 実施例1において、水溶性大豆ヘミセルロース(イ)を
用いる代わりに、ラウリル硫酸ソーダ 0.2部と水 9.8部
で置換した以外は実施例1と同様にして油溶性物質の固
液分散物を得た。
【0046】比較例3 実施例1において、水溶性大豆ヘミセルロース(イ)を
用いる代わりに、蔗糖脂肪酸エステル(HLB=7)2
部と水 8部で置換した以外は実施例1と同様にして油溶
性物質の固液分散物を得た。
【0047】比較例4 実施例1において、水溶性大豆ヘミセルロース(イ)を
用いる代わりに、アラビアガムを使用した以外は実施例
1と同様にして油溶性物質の固液分散物を得た。
【0048】比較例5 実施例2において、水溶性大豆ヘミセルロース(イ)を
用いる代わりに、ポリビニルアルコール15重量%溶液20
部を使用し、油溶性物質として極度硬化大豆油を使用し
た以外は実施例2と同様にして油溶性物質の固液分散物
液を得た。
【0049】比較例6 実施例9において、水溶性大豆ヘミセルロース(ロ)を
用いる代わりに、ラウリル硫酸ソーダ 0.4部と水 3.6部
で置換した以外は実施例9と同様にして油溶性固型物質
の水和物を得た。
【0050】比較例7 実施例9において、水溶性大豆ヘミセルロース(ロ)を
用いる代わりに、アラビアガムを使用した以外は実施例
9と同様にして油溶性固形物質の水和物を得た。
【0051】以上、実施例1〜8、比較例2〜5より得
られた油溶性固形物質の分散粒子の安定性および粒子の
分散安定性、ならびに、実施例8、9および比較例6、
7により得られた水和物の崩壊性、固液分散性を以下に
示す方法で測定した。
【0052】〔分散粒子の安定性の測定法〕分散物調製
直後と5℃保存1ケ月後の分散粒子径をレーザー回折式
粒度分布測定装置(LA−500:堀場製作所(株)製) に
より測定し、分散粒子の安定性の指標とした。
【0053】〔粒子の分散安定性の測定法〕調製された
油溶性固形物質の固液分散物を油溶性固形物質含量が
0.1重量%となるように蒸留水中に懸濁し、室温で5時
間放置後の状態の変化を観察した。
【0054】〔水和物の崩壊性の測定法〕100ml の共栓
付メスシリンダーに蒸留水100ml を測り取り、そこに予
め秤量した水和物0.5gを添加する。一分間静置後、メス
シリンダーに共栓をし、縦方向に反転を繰り返す。水和
物が完全に水中に分散するまでにかかった反転回数を崩
壊性とした。
【0055】〔水和物の分散性の測定法〕崩壊性の測定
をした後、メスシリンダーを30秒間激しく縦方向に振盪
し、振盪後 5分間静置した時の状態を観察して分散性の
指標とした。
【0056】測定した結果を以下に示す。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 分散平均粒子径 油溶性固形物質の −−−−−−−−−−−−− 分散安定性 調製直後 1ヶ月後 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例 1 5.8μm 6.0μm 良好 実施例 2 3.5μm 3.8μm 良好 実施例 3 3.2μm 3.2μm 良好 実施例 4 1.7μm 1.8μm 良好 実施例 5 12.5μm 15.5μm 水面に僅か凝集物あり 実施例 6 22.4μm 30.0μm 僅かクリーミングあり 実施例 7 6.2μm 5.8μm 良好 実施例 8 10.4μm 5.8μm 良好 比較例 2 104.4μm 156.0μm 油溶性固形物質分離 比較例 3 256.4μm 302.8μm 油溶性固形物質分離 比較例 4 15.2μm 56.9μm 油溶性固形物質分離 比較例 5 32.1μm 184.5μm 油溶性固形物質分離 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0057】 崩壊性 分散性 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例 9 11回 良好 実施例10 5回 良好 比較例 6 崩壊せず (ほぼ全量が凝集) 著しく凝集分離 比較例 7 30回以上(若干凝集物残る) 凝集分離 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0058】実施例11 水溶性大豆ヘミセルロース(イ)20部を水60部に溶解
し、除草成分である2−クロロ−4,6−ビス(エチル
アミノ)−1,3,5−トリアジン(融点 225℃) を20
部添加し、ナノマイザーを使用して常温 (20℃) におい
て 1000kgf/cm2の圧力で微粉化を行い1−ナフチルN−
メチル−カーバメイトの固液分散物を得た。この分散物
の平均粒子径は、1.7 μmであり、常温での保存一ケ月
後も平均粒子径は1.9 μmで良好な分散状態を保ってい
た。また、この分散物を分散粒子が0.1%の濃度となるよ
うに蒸溜水中に希釈分散させたが、分散粒子の凝集、沈
澱は認められなかった。
【0059】実施例12 水溶性大豆ヘミセルロース(ロ)15部を水55部に溶解さ
せ75℃以上に加温した後、75℃以上に加温融解した極度
硬化大豆油 (融点68℃) 30部を添加し、75℃以上に保温
してホモミキサーにて予備乳化した。予備乳化後20℃ま
で急冷し、油相を固化させ、ナノマイザーを使用して30
0kgf/cm2の圧力で微粉化を行い、極度硬化大豆油の固液
分散物を得た。この分散物は、5℃で冷蔵一ケ月保存後
も安定な状態を保っており、コーヒーに添加するとコー
ヒーに良好な白濁を与え、難消化性のコーヒーホワイト
ナーとして使用できた。
【0060】実施例13 油溶性固形物質としてトリベヘン(融点86℃) を使用
し、予備乳化を沸騰水浴中で行った以外は実施例2と同
様にしてトリベヘンの固液分散物を得た。この分散物を
排風温度70℃で噴霧乾燥し、トリベヘンの水和物を調製
した。この水和物はコーヒーに添加すると容易に水和分
散し、油相の分離凝集等も認められず良好な外観を呈し
ていた。
【0061】比較例8 カゼインナトリウム5部、庶糖脂肪酸エステル(HLB
=7)0.1 部を水64.9部に溶解させ75℃以上に加温した
後、75℃以上に加温融解した極度硬化大豆油 (融点68
℃) 30部を添加して75℃以上の保温状態でホモミキサー
にて予備乳化し、ナノマイザーを使用して300kgf/cm2の
圧力下で完全乳化を行い、乳化後20℃まで急冷し、極度
硬化大豆油の乳化物を得た。この乳化物は、一ケ月間5
℃で冷蔵保存したところ、極度硬化大豆油の結晶化によ
り乳化が破壊された。また、コーヒーに添加したところ
油相の分離凝集が認められ、難消化性のコーヒーホワイ
トナーとして使用できなかった。
【0062】比較例9 水溶性ヘミセルロース(イ)を使用する代わりに、カゼ
インナトリウム5部と庶糖脂肪酸エステル(HLB=
7)0.1 部を使用し、不足分の水を補った以外は実施例
2と同様にして極度硬化大豆油の固液分散物を得た。こ
の分散物は、製造直後から油相が凝集しており、コーヒ
ー中に添加しても殆ど分散をしなかった。
【0063】
【発明の効果】このように、本発明における水溶性ヘミ
セルロースを用いると、油溶性固形物質の固液分散が良
好に行われ、従来使用されていたラウリル硫酸ソーダ、
蔗糖脂肪酸エステル等の界面活性剤、カゼインナトリウ
ムあるいはポリビニルアルコール等の高分子化合物より
も良好な油溶性固形物質の固液分散物を製造することが
できた。
【0064】また、得られた油溶性物質の固液分散物か
ら水分を留去することにより、容易に油溶性固形物質の
水和物が得られた。即ち、この水溶性ヘミセルロースを
利用することにより、従来の界面活性剤あるいは高分子
化合物にあったような油溶性物質の結晶化に伴う乳化破
壊、分散粒子の不安定化、供給不安等の煩わしさを感じ
ることなく、良好な油溶性物質の固液分散物および水和
物が製造でき、農薬、医薬、化粧料等の有効成分の固液
分散物および水和物の製造に大きな利益を与える。
【0065】また、本発明の水溶性ヘミセルロースを使
用することにより、融点が40℃以上の高融点食用油脂を
固体微粒子として良好に固液分散できるので、舌ざわり
の滑らかな食感と風味を持ちながら、人間が摂取しても
殆ど消化され難い、極めて低カロリーの油脂含有食品を
提供することが出来た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 9/107 B 9/19 47/36 // A23L 1/307 C08B 37/14 7433−4C C11B 15/00 2115−4H

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油溶性物質が水溶性ヘミセルロースの水
    溶液中に固形物の状態で分散していることを特徴とする
    固液分散物。
  2. 【請求項2】 水溶性ヘミセルロースが大豆の子葉由来
    である、請求項1に記載の固液分散物。
  3. 【請求項3】 油溶性物質の融点が40℃以上であって、
    20℃における固体分含量が90重量%以上である、請求項
    1または2に記載の固液分散物。
  4. 【請求項4】 油溶性物質の融点が100 ℃以上である請
    求項1ないし3の何れかに記載の固液分散物。
  5. 【請求項5】 固形物の平均粒子径が40μm以下である
    請求項1ないし4の何れかに記載の固液分散物。
  6. 【請求項6】 固形物の平均粒子径が10μm以下である
    請求項1ないし5の何れかに記載の固液分散物。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6の何れかに記載の固液
    分散物を脱水処理してなる水和物。
JP01564594A 1994-02-10 1994-02-10 固液分散物および水和物 Expired - Fee Related JP3403793B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01564594A JP3403793B2 (ja) 1994-02-10 1994-02-10 固液分散物および水和物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01564594A JP3403793B2 (ja) 1994-02-10 1994-02-10 固液分散物および水和物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07223904A true JPH07223904A (ja) 1995-08-22
JP3403793B2 JP3403793B2 (ja) 2003-05-06

Family

ID=11894459

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP01564594A Expired - Fee Related JP3403793B2 (ja) 1994-02-10 1994-02-10 固液分散物および水和物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3403793B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1160980A (ja) * 1997-08-13 1999-03-05 Kagome Co Ltd 水分散性カロテノイド色素製剤
JP2016017936A (ja) * 2014-07-11 2016-02-01 株式会社リコー 微粒子分散性評価装置及び微粒子分散性評価方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1160980A (ja) * 1997-08-13 1999-03-05 Kagome Co Ltd 水分散性カロテノイド色素製剤
JP2016017936A (ja) * 2014-07-11 2016-02-01 株式会社リコー 微粒子分散性評価装置及び微粒子分散性評価方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3403793B2 (ja) 2003-05-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3313114B2 (ja) 乳化剤及び乳化組成物並びに粉末化組成物
Shao et al. Physical stabilities of taro starch nanoparticles stabilized Pickering emulsions and the potential application of encapsulated tea polyphenols
US5882713A (en) Non-separable compositions of starch and water-immiscible organic materials
CN102112008B (zh) 胶原材料颗粒及制备方法
CN104546539B (zh) 一种含微细淀粉颗粒保湿霜及其制备方法
JPWO2004106416A1 (ja) セルロース粉末
CZ382089A3 (en) Water-dispersible macrocolloid and the use thereof
PL182026B1 (pl) Sposób kapsulkowania PL PL PL
CA3090215A1 (en) Use of non-dissolved starch based particles
JP3333290B2 (ja) 微細セルロース含有食品組成物
JP3403793B2 (ja) 固液分散物および水和物
US4911942A (en) Stabilized oil and fat powder
JPH06121922A (ja) 乳化剤及び乳化組成物
CN105146503B (zh) 酶解化香菇柄超微粉及制备方法
CN100426986C (zh) 速溶葛根全粉
DE68910283T2 (de) Stabilisiertes Öl- und Fettpulver.
JPH1146723A (ja) 肉製品用の安定剤及び肉製品組成物
JP5888868B2 (ja) 油脂含有粒状食品
JP7235498B2 (ja) こんにゃく粉末の製造方法
US20170127716A1 (en) Highly refined cellulose carrier for oil flavorants
WO2012073848A1 (ja) バッター液の粘度付与剤
US20200146323A1 (en) Highly refined cellulose carrier for oil flavorants
WO2018070382A1 (ja) こんにゃく粉末及びその製造方法
JP6938238B2 (ja) こんにゃく粉末及びその製造方法
JPH01165519A (ja) 水溶性及び/又は脂溶性ビタミン粒状製剤及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080229

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090228

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100228

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110228

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110228

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120229

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees