JP2016017043A - 乳化組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】皮膚の乾燥を長時間防ぐ保湿効果を有するとともに、肌なじみが良く、塗布後のべたつきが少なく、経日安定性が高い乳化組成物を提供すること。
【解決手段】下記成分(A)〜(C)を含有し、配合比(A)/(B)が0.01〜0.2であることを特徴とする乳化組成物。
(A)主成分が脂肪酸トリグリセリドである天然油脂
(B)主成分がワックスロウである天然油脂
(C)25℃における粘度が100〜500mPa・sのシリコーン油を乳化組成物に対して1〜10質量%
【選択図】なし
【解決手段】下記成分(A)〜(C)を含有し、配合比(A)/(B)が0.01〜0.2であることを特徴とする乳化組成物。
(A)主成分が脂肪酸トリグリセリドである天然油脂
(B)主成分がワックスロウである天然油脂
(C)25℃における粘度が100〜500mPa・sのシリコーン油を乳化組成物に対して1〜10質量%
【選択図】なし
Description
本発明は乳化組成物に関し、詳細には、皮膚の乾燥を長時間防ぐ保湿効果を有するとともに、肌なじみが良く、塗布後のべたつきが少なく、経日安定性の高い乳化組成物に関する。
近年、鉱物油由来の成分に対するイメージ低下から、数多くの天然由来の油脂が化粧品成分に用いられている。特に、アサイヤシ果実油は皮膚表面の水分閉塞剤として化粧品成分に用いられはじめている。しかしながら、これらはアサイヤシ果実油の持つ保湿効果を充分に検証してはおらず、更に使用感や経日安定性などの面を充分考慮したものではなかった。また、アサイヤシ果実油を用いた美白剤やメラニン生成抑制剤(例えば、特許文献1及び2参照。)も報告されていた。ところが、これらの剤においては、アサイヤシ果実由来の成分の美白効果にのみ着目しており、高い保湿力を有するものではなかった。
一方、低粘度のシリコーン油が使用感の向上のため、閉塞剤及びエモリエント剤として使用されうる(例えば、特許文献3及び4参照。)ことは知られている。しかしながら、シリコーン油は高配合すると身体に塗布した際にべたつくといった課題があった。また、他の油性成分との相溶性が悪いために、天然由来の植物油などと併用することが困難であり、経日安定性が低下するという課題があった。こういった背景から、特定の植物性油脂及び低粘度のシリコーン油を組み合わせた乳化組成物において、皮膚の乾燥を防ぐ保湿効果を有するとともに、肌なじみが良く、塗布後のべたつきが少なく、経日安定性が高いといった機能を確保することが困難であった。
本発明の目的は、皮膚の乾燥を長時間防ぐ保湿効果を有するとともに、肌なじみが良く、塗布後のべたつきが少なく、経日安定性が高い乳化組成物を提供することにある。
本発明者らは上記問題点を鑑みて鋭意研究を重ねた結果、アサイヤシ果実油をはじめとする、主成分が脂肪酸トリグリセリドである特定の天然油脂、及びホホバ種子油をはじめとする、主成分がワックスロウである特定の天然油脂を、特定の比率で組み合わせ、さらに特定のシリコーン油を組み合わせることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。ここで、「主成分」とは、その油脂中に配合される特定成分の割合が、50質量%以上であることを示す。
すなわち本発明は、下記成分(A)〜(C)を含有し、配合比(A)/(B)が0.01〜0.2であることを特徴とする乳化組成物である。
(A)主成分が脂肪酸トリグリセリドである天然油脂
(B)主成分がワックスロウである天然油脂
(C)25℃における粘度が100〜500mPa・sのシリコーン油を乳化組成物に対
して1〜10質量%
(A)主成分が脂肪酸トリグリセリドである天然油脂
(B)主成分がワックスロウである天然油脂
(C)25℃における粘度が100〜500mPa・sのシリコーン油を乳化組成物に対
して1〜10質量%
さらに、上記乳化物において、(A)主成分が脂肪酸トリグリセリドである天然油脂が、アサイヤシ果実油、アルガン油、オリーブ油、バオバブ油及びこれらの混合物からなる群から選択される植物油であることが好ましい。また、上記乳化物において、(B)主成分がワックスロウである天然油脂が、オレンジラフィー油、ホホバ種子油、ラノリン及びこれらの混合物からなる油脂であることが好ましい。
本発明によれば、皮膚の乾燥を長時間防ぐ保湿効果を有するとともに、肌なじみが良く、塗布後のべたつきが少なく、経日安定性が高い乳化組成物を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の乳化組成物に使用する(A)主成分が脂肪酸トリグリセリドである天然油脂は、通常化粧料又は医薬品等に用いられるものであれば特に制限されない。しかし、本発明の目的である、肌なじみが良く、塗布後のべたつきが少なく、経日安定性が高い乳化組成物を提供するためには、アサイヤシ果実油、アルガン油、オリーブ油、バオバブ油及びこれらの混合物からなる群から選択される植物油であることが好ましい。更には、その中で好ましくはアサイヤシ果実油である。
本発明の乳化組成物に使用するアサイヤシ果実油は、ヤシ科Euterpe属アサイーの果実から得られる、25℃において液体の植物性油脂である。ヤシ科Euterpe属アサイーは、学名Euterpe Oleracea、及び和名ワカバキャベツヤシの植物であり、その果汁が健康飲料などとして利用されているほか、閉塞剤として化粧品原料として利用されている。アサイヤシ果実油は、例えばアサイーの果実を圧搾した後、遠心分離等によって油分を分離、濾過することによって得られるが、特にその方法について制限はない。上記アサイヤシ果実油は市販品を使用することができ、例えばBERACA SABARA QUIMICOS E INGREDIENTES S.A.社製RAIN FOREST RF4410-ACAI OIL REFINED等が挙げられる。
本発明の乳化組成物に使用する(A)主成分が脂肪酸トリグリセリドである天然油脂の含有量は、好ましくは全組成中0.001〜15質量%であり、更に好ましくは0.1〜10質量%である。0.001質量%未満では、充分な保湿効果が得られず、15質量%を超えると、べたつきが生じる。
本発明の乳化組成物に使用する(B)主成分がワックスロウである天然油脂は、製剤の経日安定性を高める観点から、25℃において液状あるいはペースト状であることが好ましい。かかる条件を満たす油剤であれば、その種類については通常化粧料又は医薬品等に用いられるものであれば特に制限されない。このようなワックスロウの中では、オレンジラフィー油、ホホバ種子油、ラノリン及びこれらの混合物からなる油脂であることが好ましい。また、ラノリンに関しては、通常化粧料又は医薬品等に用いられるものであれば、水素添加されたものであっても構わない。更には、その中で好ましくはホホバ種子油である。
本発明の乳化組成物に使用するホホバ種子油は、ホホバ科(シモンジア科)Simmondsia属ホホバの種子から得られる、25℃において液体の植物性油脂である。ホホバ科(シモンジア科)Simmondsia属ホホバは、学名Simmondsia Chinensisの植物である。ホホバ油は、例えばホホバの種子を低温で圧搾した後、残渣を濾過することによって得られるが、特にその方法について制限はない。また、その純度においても、通常化粧料又は医薬品等に用
いられるものであれば特に制限されない。上記ホホバ種子油は市販品を使用することができ、例えばINCA OIL社製オーガニック精製ホホバ油等が挙げられる。
いられるものであれば特に制限されない。上記ホホバ種子油は市販品を使用することができ、例えばINCA OIL社製オーガニック精製ホホバ油等が挙げられる。
本発明の乳化組成物に使用する(B)主成分がワックスロウである天然油脂の含有量は、好ましくは全組成中0.1〜50質量%であり、更に好ましくは1〜20質量%である。0.1質量%未満では、充分な保湿効果が得られず、50質量%を超えると、べたつきが生じる。
また、本発明においては、(A)主成分が脂肪酸トリグリセリドである天然油脂と(B)主成分がワックスロウである天然油脂の配合比率が最も重要である。(A)及び(B)の配合比(A)/(B)が0.01〜0.2の範囲となることが必要である。この範囲を超えると、皮膚の乾燥を防ぐ保湿効果が損なわれたり、使用時のべたつきや変色、変臭を生じるなどの不都合が生じる。
本発明の乳化組成物に使用する(C)25℃における粘度が100〜500mPa・sのシリコーン油は、通常化粧料又は医薬品等に用いられるものであれば特に制限されない。シリコーン油の具体例としては、例えば、メチルシクロポリシロキサン、メチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンが挙げられる。本発明においては、これらの1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。上記シリコーン油は市販品を使用することができ、例えば信越化学製シリコンKF96A(100CS)等が挙げられる。
本発明の乳化組成物に使用する(C)25℃における粘度が100〜500mPa・sのシリコーン油の含有量は、乳化組成物に対し1〜10質量%である。この範囲内であれば、肌なじみ性の低下および天然油脂とシリコーン油との相溶性低下に伴う経日安定性の低下の問題が生じることがなく好ましい。
本発明の乳化組成物には、さらに所望により本発明の効果を損なわない範囲で植物の油脂を配合することができる。これらの植物性油脂の例としては、アボカド油、パーム種子油、アンズ核油等が挙げられるが、ここに記載のある植物性油脂に限定されるものではない。
また、本発明は乳化組成物であるため、水が適宜含まれる。さらに、(A)〜(C)の油を乳化するための乳化剤が必要に応じて適宜配合される。乳化剤としては、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤など通常化粧料又は医薬品等に用いられるものであれば本発明の効果を損なわない範囲で特に制限されない。
本発明の乳化組成物は、上記成分に加えて所望により本発明の効果を損なわない範囲で通常使用されている任意の成分を使用することが出来る。これらの成分としては、ロウ、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、保湿剤、高分子化合物、増粘剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、アルコール、糖誘導体、アミノ酸誘導体、糖誘導体、香料、酸化防止剤、薬剤、等が挙げられる。
本発明の乳化組成物は、リップスティックなどの固体や、クリーム、乳液、美容液、クリームファンデーション等の液体など、種々の形態の化粧料組成物であるのが好ましい。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。また、本発明の乳化組成物は、常法によって調整できる。
以下、本発明を実施例及び比較例を例示することにより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によりなんら限定されるものではない。実施例に先立ち、各実施例で採用した試験法、評価法を説明する。
保湿効果試験
(評価方法)
評価パネル5名について、前腕内側部を石けんで洗浄し、次に、温度25℃、相対湿度50%の環境下にて20分間馴化後、前腕内側部に、本発明の乳化組成物を7mL/cm2塗布した。塗布後に温度25℃、相対湿度50%の環境下にて60分間馴化後、角質水分量(コンダクタンス値)をCorneometer(MPA580、Courage+Khazaka社製)を用いて測定した。保湿効果の評価は、以下の計算式より保湿効果(%)を算出して5名の平均値を求め、下記判断基準に基づいて行った。その結果を表に示す。
(塗布後1時間経過時点での角質水分量)
保湿効果(%)= ----------------------------------------- × 100
(塗布前の角質水分量)
(判断基準)
◎:保湿効果(%)が、130%以上200%未満であった。
○:保湿効果(%)が、110%以上130%未満であった。
△:保湿効果(%)が、100%以上110%未満であった。
×:保湿効果(%)が、50%以上100%未満であった。
(評価方法)
評価パネル5名について、前腕内側部を石けんで洗浄し、次に、温度25℃、相対湿度50%の環境下にて20分間馴化後、前腕内側部に、本発明の乳化組成物を7mL/cm2塗布した。塗布後に温度25℃、相対湿度50%の環境下にて60分間馴化後、角質水分量(コンダクタンス値)をCorneometer(MPA580、Courage+Khazaka社製)を用いて測定した。保湿効果の評価は、以下の計算式より保湿効果(%)を算出して5名の平均値を求め、下記判断基準に基づいて行った。その結果を表に示す。
(塗布後1時間経過時点での角質水分量)
保湿効果(%)= ----------------------------------------- × 100
(塗布前の角質水分量)
(判断基準)
◎:保湿効果(%)が、130%以上200%未満であった。
○:保湿効果(%)が、110%以上130%未満であった。
△:保湿効果(%)が、100%以上110%未満であった。
×:保湿効果(%)が、50%以上100%未満であった。
使用感触(肌なじみの良さ)試験
(評価方法)
専門パネル5名について、前腕内側部に本発明の乳化組成物を塗布し、塗布時の使用感触を評価した。試験結果は、肌なじみが良いと回答した人数を用いて、下記評価基準により判断した。
(評価基準)
○:肌なじみが良いと認めたパネラーが4名以上
△:肌なじみが良いと認めたパネラーが2名以上〜4名未満
×:肌なじみが良いと認めたパネラーが2名未満
(評価方法)
専門パネル5名について、前腕内側部に本発明の乳化組成物を塗布し、塗布時の使用感触を評価した。試験結果は、肌なじみが良いと回答した人数を用いて、下記評価基準により判断した。
(評価基準)
○:肌なじみが良いと認めたパネラーが4名以上
△:肌なじみが良いと認めたパネラーが2名以上〜4名未満
×:肌なじみが良いと認めたパネラーが2名未満
べたつきのなさ評価試験
(評価方法)
専門パネル5名について、前腕内側部に本発明の乳化組成物を塗布し、指で軽くなじませた1分後の「べたつき」を評価した。試験結果は、肌なじみが良いと回答した人数を用いて、下記評価基準により判断した。
(評価基準)
○:肌なじみが良いと認めたパネラーが4名以上
△:肌なじみが良いと認めたパネラーが2名以上〜4名未満
×:肌なじみが良いと認めたパネラーが2名未満
(評価方法)
専門パネル5名について、前腕内側部に本発明の乳化組成物を塗布し、指で軽くなじませた1分後の「べたつき」を評価した。試験結果は、肌なじみが良いと回答した人数を用いて、下記評価基準により判断した。
(評価基準)
○:肌なじみが良いと認めたパネラーが4名以上
△:肌なじみが良いと認めたパネラーが2名以上〜4名未満
×:肌なじみが良いと認めたパネラーが2名未満
経日安定性評価試験
(評価方法)
本発明の乳化組成物をガラス容器に入れ、密封して60℃の恒温槽に2週間保管した後、各乳化組成物の外観変化を目視によって測定した。
(判断基準)
○:外観、匂いのいずれにおいてもほとんど変化が見られない。
△:外観、匂いのいずれかにおいて変化が見られる。
×:外観、匂いのいずれかにおいて大きく変化が見られる、あるいは分離している。
(評価方法)
本発明の乳化組成物をガラス容器に入れ、密封して60℃の恒温槽に2週間保管した後、各乳化組成物の外観変化を目視によって測定した。
(判断基準)
○:外観、匂いのいずれにおいてもほとんど変化が見られない。
△:外観、匂いのいずれかにおいて変化が見られる。
×:外観、匂いのいずれかにおいて大きく変化が見られる、あるいは分離している。
<実施例1〜5及び比較例1〜4>
表1に示す実施例1〜5及び比較例1〜4の各処方における乳化組成物を常法により調整し、各試験法により評価した。その結果を表1に併せて示す。
表1に示す実施例1〜5及び比較例1〜4の各処方における乳化組成物を常法により調整し、各試験法により評価した。その結果を表1に併せて示す。
表1から明らかなように、本発明の成分を用いた実施例のクリーム状乳化組成物はいずれも優れた性能を有していた。一方、(A)主成分が脂肪酸トリグリセリドである天然油脂と(B)主成分がワックスロウである天然油脂の配合比が範囲外の比較例、及び(C)25℃における粘度が100〜500mPa・sのシリコーン油の配合量が範囲外の比較例では、保湿効果、肌なじみの良さ、べたつきのなさ、経日安定性のいずれかの面で劣っており、本発明の目的を達成できなかった。
Claims (3)
- 下記成分(A)〜(C)を含有し、配合比(A)/(B)が0.01〜0.2であることを特徴とする乳化組成物。
(A)主成分が脂肪酸トリグリセリドである天然油脂
(B)主成分がワックスロウである天然油脂
(C)25℃における粘度が100〜500mPa・sのシリコーン油を乳化組成物に対して1〜10質量% - (A)主成分が脂肪酸トリグリセリドである天然油脂が、アサイヤシ果実油、アルガン油、オリーブ油、バオバブ油及びこれらの混合物からなる群から選択される植物油である、請求項1に記載の乳化組成物。
- (B)主成分がワックスロウである天然油脂が、オレンジラフィー油、ホホバ種子油、ラノリン及びこれらの混合物からなる油脂である、請求項1または2に記載の乳化組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014139844A JP2016017043A (ja) | 2014-07-07 | 2014-07-07 | 乳化組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2014139844A JP2016017043A (ja) | 2014-07-07 | 2014-07-07 | 乳化組成物 |
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JP2014139844A Pending JP2016017043A (ja) | 2014-07-07 | 2014-07-07 | 乳化組成物 |
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JP (1) | JP2016017043A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107951753A (zh) * | 2017-12-27 | 2018-04-24 | 广州善草纪化妆品有限公司 | 一种护肤品组合物、护肤品及其制备方法和应用 |
-
2014
- 2014-07-07 JP JP2014139844A patent/JP2016017043A/ja active Pending
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