JP2016016995A - 過酸化マグネシウム粒剤の製造方法 - Google Patents

過酸化マグネシウム粒剤の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高効率な酸素供給剤として期待されている過酸化マグネシウムの造粒作業を容易にし、過酸化マグネシウム粒剤を大量生産できる方法の提供。【解決手段】作業が簡単かつ効率が良い、工業的に有利な含水率の調整方法を用いて、大量な水分を含んだ過酸化マグネシウムの反応生成物の含水率を含水率の低い過酸化と混合することにより、造粒作業に好適な含水率10〜30重量%の範囲に調整する含水率の調整工程を実施した後、造粒工程および乾燥工程を行う、連続的に大量生産ができる過酸化マグネシウム粒剤の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、過酸化物として有用な過酸化マグネシウム粒剤の製造方法に関する。
過酸化マグネシウム(MgO)は、マグネシウムの固形過酸化物であり、水には不溶だが、水分が存在すると徐々に分解して最終的に酸素を発生する。そうした特徴から、酸素供給剤として、土壌や地下水の改質、または汚染の浄化分野で活用されている。
例として、主に油による汚染の浄化を目的とした酸素徐放剤として、現在最も広く用いられているのは過酸化マグネシウムを主成分とする製品ORCTM(米国Regenesis社製)であり、白色の粉末状の薬剤であるORCTMは、地下水中や土壌中で酸素を長期間にわたって放出する(非特許文献1)。
また、農業分野での酸素供給剤として、過酸化マグネシウムの田水条件下での分解は、過酸化カルシウムより緩やかで、長期間にわたって徐々に、種子や農作物周辺に酸素を供給しつづけ得ることができる。過酸化カルシウムの分解過程で生成する水酸化カルシウムによる種子や農作物への薬害が発生することに比べ、過酸化マグネシウムの分解過程で生成する水酸化マグネシウムは、種子や農作物に対する薬害が発生する恐れは無い。さらに、マグネシウム元素が植物の葉緑素の中心金属であることから、農業分野ですでに使用されている過酸化カルシウムより、過酸化マグネシウムのほうがより有効な農業資材となると考えられ、農業場面での応用が望まれている。
また、燃焼試験や落球試験による危険物判定では、過酸化カルシウムは有効酸素値5〜6%を超えると危険物に該当する傾向を示すのに対し、過酸化マグネシウムは有効酸素値10%を超えて20%近くのものでも危険物に該当しない。過酸化カルシウムより、過酸化マグネシウムは少量で多くの酸素を発生する高効率な酸素供給剤としても望ましい。
しかし、そうした分野においても、過酸化マグネシウムはほとんど使われていないのが現状である。不純物等に起因する純度や安定性の問題も考えられるが、大きな要因としては、連続的に大量生産ができる過酸化マグネシウム粒剤の製造方法が確立されていないためと推察される。有効酸素や含有金属元素の面で、むしろ劣ると思われる過酸化カルシウムが、すでに広く使われているのは、この過酸化物が容易に粒剤を製造でき、農業場面などでの取り扱いが容易なためである。
また、生産工程上、過酸化マグネシウムを生成する反応は固体と液体の接触によって起こる反応であり、基本的にマグネシウムの水酸化物または酸化物の水媒体スラリーと過酸化水素の反応によって起こり、系内は反応の開始から終了までスラリー系である。したがって、反応後生成した過酸化マグネシウム製剤を乾燥させることも重要だが、造粒することによって、乾燥作業も容易になる。粒状であれば、より少ない時間やエネルギーコストで乾燥が可能な流動層乾燥機などが使用できるが、ケーキ状のまま乾燥させるとなると、金属バット等に広げて棚乾燥機などで乾燥させることになり、時間やエネルギーを多く使ってしまう。最終的に粉状で使いたい場合でも、いったん粒状で流動層乾燥機を用いて乾燥させた後、乾燥した粒状物を粉砕して粉状にするほうが、コスト的なメリットが大きい。
上記の土壌改良分野や農業分野では、ハンドリングや飛散防止の面から、粉状ではなく、粒剤のほうが望ましい用途や用法も多い。そのため、過酸化マグネシウムの活用及び応用の展開に結びつく、効率的に大量生産ができる過酸化マグネシウム粒剤の製造方法が求められている。
過酸化マグネシウムの製造方法に関しては、すでにいくつかの報告が出ている(文献1〜7)。いずれの報告も、基本的には水溶媒中で水酸化マグネシウムと過酸化水素とを反応させるもので、水分を多量に含む形で生成する過酸化マグネシウムの乾燥に関しては、単に加熱してとしか記載が無く、それでは粉状の過酸化マグネシウムしか得られない。具体的に例を挙げると、特許文献6の実施例は、生成した過酸化マグネシウムの固形分を濾過して湿潤ケーキ(重量 約193g)を得た。これを105℃の乾燥機で6hr乾燥し、約108gの乾燥品過酸化マグネシウムを得た。粒剤の過酸化マグネシウムを大量生産ができる製造方法に関しては、なんら言及がなされていない。
実際に反応生成した過酸化マグネシウムからの水切れは悪く、遠心分離で含水率を35重量%〜45重量%まで低減することしかできないため、そのままの造粒が不可能であり、過酸化マグネシウム粒剤の製品化が実現できていない。一方、過酸化カルシウムでは、同じ操作で35重量%未満にまで含水率を低減できるため、そのまま造粒が可能であり、過酸化カルシウム粒剤の製品化が実現できている。
過酸化マグネシウムの水切れの悪さを改善し、製造したままの状態で造粒ができるようになるため、炭酸マグネシウムなどの増量剤やカルボキシメチルセルロースなどの助剤添加により造粒する手段もあるが、非危険物、高有効酸素のメリットが活かせなくなる。一方、水分含量の多いケーキ状態のまま、乾燥処理を行なう手段もあるが、処理時間とコストが大きく掛かってしまう。水分含量が35重量%未満となるようケーキ状で乾燥し、それを造粒、乾燥する手段は、やはり時間やコストの面では連続的な大量生産には不利であるため、実用的な過酸化マグネシウム粒剤の製品化に至らなかった。
特開1982−017408号公報 特開1982−047702号公報 特開1986−286206号公報 特開1987−017006号公報 特開1987−065908号公報 特開2004−107127号公報 特開2004−217464号公報
土壌・地下水汚染:原位置浄化技術の開発と実用化、CMC Publishing Co.Ltd,2009(P114、P321)
本発明は、高効率な酸素供給剤等とする過酸化マグネシウムに関し、その効率的に大量生産ができる過酸化マグネシウム粒剤の製造方法を提供する。
本発明者らは、多量の水分を含んだ過酸化マグネシウムの反応生成物の含水率と、造粒性との関連を詳細に検討し、含水率によって造粒性に違いが出ることを発見した。そして、鋭意努力の結果、過酸化マグネシウムの造粒作業に好適な含水率の範囲、工業的に有利な含水率の調整方法、及び連続的に大量生産ができる過酸化マグネシウム粒剤の製造方法を見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の構成を有する。
[1] 含水率の調整工程、造粒工程及び乾燥工程を有する過酸化マグネシウム粒剤の製造方法であって、前記含水率の調整工程は、過酸化水素とマグネシウムの水酸化物または酸化物とを反応させて生成した過酸化マグネシウム(A)の含水率を、10重量%以上35重量%未満となる範囲内に調整することを特徴とする含水率が10重量%以下である過酸化マグネシウム粒剤の製造方法。
[2] 前記含水率の調整工程において、前記生成した過酸化マグネシウム(A)の100重量部に対し、含水率が10重量%以下である過酸化マグネシウム(B)の30〜70重量部を混合することを特徴とする前記過酸化マグネシウム粒剤の製造方法。
[3] 前記含水率の調整工程において、前記生成した過酸化マグネシウム(A)を脱水処理することにより、含水率を35重量%から45重量%までの範囲とした過酸化マグネシウム(C)の100重量部に対し、前記過酸化マグネシウム(B)の30〜70重量部を混合することを特徴とする前記過酸化マグネシウム粒剤の製造方法。
[4] 前記過酸化マグネシウム(B)は[2]または[3]に記載の製造方法で得られた過酸化マグネシウム粒剤であることを特徴とする前記過酸化マグネシウム粒剤の製造方法。
本発明の過酸化マグネシウム粒剤の製造方法は、工業的に実用な方法で過酸化マグネシウムの含水率を調整することによって、造粒工程は容易に実施できる。過酸化マグネシウムを造粒することで、乾燥工程の短時間化、省エネルギー化など、生産効率も図ることができる。こうしたことから、過酸化マグネシウム粒剤は連続的な大量生産が実現できる。したがって、過酸化カルシウムと比べ、有効酸素が高くかつ非危険物としやすい過酸化マグネシウムの特性を活かした粒剤として、様々な分野での実用化が期待できる。
本発明の製造方法で得られた過酸化マグネシウム粒剤のSEM写真(×5000倍)
以下、本発明を詳しく説明する。
過酸化マグネシウムは、前記の特許文献1〜7に基づき反応生成することができる。反応生成後の過酸化マグネシウム(A)は多量の水分(50重量%〜55重量%の含水率)によってスラリー状なため、遠心分離機や吸引ろ過、あるいはニーダー等の脱水方法、あるいはそれらの組合せで脱水処理を行なう。一般的には、遠心分離による脱水で、反応生成後の過酸化マグネシウム(A)の含水率をおおよそ35重量%〜45重量%の範囲に低減することができる。
含水率を35重量%〜45重量%に低減した過酸化マグネシウム(C)でも、まだ造粒作業には含水率が過剰であり、造粒することは難しく、更に含水率を低減する必要がある。含水率が10重量%を超え35重量%未満、好ましくは20重量%〜30重量%の範囲内に調整すれば、造粒作業が可能になり、造粒物の乾燥作業も流動層乾燥機を用いることで容易に行われる。過酸化マグネシウムの含水率が35重量%以上となると、造粒作業が困難となる。造粒処理前の含水率が10重量%未満では、バインダの役割になる水の含有率が少なすぎるため、造粒作業は難しくなる傾向である。
乾燥後粒剤の使用状況に応じて、さらに含水率の範囲を細かく調整することによって、乾燥後粒剤の安定性を制御することができる。例えば、乾燥後に粒剤のまま使用する場合、乾燥させた後の粒剤を崩れにくくするためには、造粒処理前の含水率が24重量%〜30重量%、好ましくは26重量%〜30重量%、特に好ましくは27重量%〜29重量%の範囲となるよう調整する必要がある。造粒処理前の含水率は24重量%未満では、造粒工程は問題がないが、乾燥処理後の粒剤が崩れやすく、不安定である。30重量%を超えると、ダマになり易い。なお、乾燥後に粉砕処理等で粉状化する場合には、特に支障ないため、造粒処理前の好適な含水率は10重量%より多く26重量%未満、好ましくは20重量%〜24重量%未満である。
しかし、過酸化マグネシウムの含水率が35重量%未満となるよう調整することにおいて、遠心分離機や吸引ろ過、あるいはニーダー等の脱水方法を用いて、含水率を35重量%未満まで効率的に低減することはなかなか困難である。反応生成した過酸化マグネシウムの固形分は微粉末であるので、フィルターは目詰まりし易く、濾過に時間がかかるので、濾過処理が困難である。この原因で、工業的に使われている遠心分離機や吸引ろ過等の脱水処理方法では生成した過酸化マグネシウムの含水率を効率よく35重量%未満まで低減することが実現できない。
遠心分離機や吸引ろ過等を用いて、反応生成した過酸化マグネシウム(A)を脱水処理後、得た含水率が35重量%〜45重量%である過酸化マグネシウム(C)をケーキ状のままなどで直接加熱乾燥させ、含水率を10重量%より多く35重量%未満にまで水分を蒸発除去することもできる。しかし、その後の乾燥工程では、一般的には、金属バット等に該過酸化マグネシウムを適量取分け、棚乾燥機などで乾燥させることになる。この方法では、時間、手間のみならず、乾燥効率面からもかなりのエネルギーコストがかかり、効率のよい方法とは言えない。
したがって、むしろ直接的に乾燥させて水分調整するよりは、別途用意しておいた乾燥度合いの高い過酸化マグネシウム(B)を脱水処理後の過酸化マグネシウム(C)に添加、混合させて、過酸化マグネシウム全体の含水率を10重量%より多い35重量%未満とすることが好ましい。この含水率の調整方法では、乾燥した過酸化マグネシウムであれば、粉状のものでも、粒状のものでも同様に用いることができる。
含水率調整用過酸化マグネシウム(B)は、理論上その含水率が35重量%より低いものであれば用いることができるが、十分に含水率の低い過酸化マグネシウムでなければ、相対的にかなりの量の含水率調整用過酸化マグネシウム(B)が必要となり、含水率を調整する効率も良くなく、工業的に不向きである。したがって、予め乾燥された含水率調整用の過酸化マグネシウム(B)の含水率は、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。
反応生成した過酸化マグネシウム(A)に直接含水率調整用過酸化マグネシウム(B)を添加し、含水率の調整もできるが、生成した過酸化マグネシウム(A)の含水率はきわめて高い(50重量%〜55重量%)ので、一度脱水処理した後の過酸化マグネシウム(C)に含水率調整用過酸化マグネシウム(B)を添加するほうは生産効率が良い。脱水処理後の過酸化マグネシウム(C)の含水率はできるだけ低い方が好ましいが、大体35重量%〜45重量%の範囲になるので、水分調整用過酸化マグネシウム(B)の含水率および添加量によって、混合後の過酸化マグネシウムの含水率を意図的に調整することができる。
過酸化マグネシウムの含水率の調整例として、反応生成した過酸化マグネシウム(A)を脱水処理後、得た含水率40重量%の過酸化マグネシウム(C)に、含水率5重量%の過酸化マグネシウム(B)を添加し、過酸化マグネシウム(C)と過酸化マグネシウム(B)の混合比率によって最終に得た過酸化マグネシウムの含水率が調整できる。例えば、(C):(B)=100:40の混合比率で得られる調整後の過酸化マグネシウムの含水率は30重量%である。(C):(B)=100:67の混合比率で得られる調整後の過酸化マグネシウムの含水率は26重量%である。
過酸化マグネシウムを定常的に製造する場合は、前の生産ロットで出来た粉状もしくは粒状の乾燥な過酸化マグネシウムを適量取分けておき、含水率調整用過酸化マグネシウム(B)として、次の生産ロットで反応生成した過酸化マグネシウム(A)を脱水処理した後の過酸化マグネシウム(C)に混合してやればよく、操作が簡単且つ連続的な作業ができ、工業的な生産においてたいへん有効な方法である。
さらに具体に、本発明の製造方法において、前の生産ロットで得た乾燥された過酸化マグネシウム粒剤(製品)の一部を含水率調整用過酸化マグネシウム(B)として、次の生産ロットで反応生成した、脱水処理後の過酸化マグネシウム(C)に循環混合することで、該生産ロッドで生成した過酸化マグネシウムの造粒処理前の含水率を調整する。含水率調整用過酸化マグネシウム(B)として使用される過酸化マグネシウム粒剤製品は全部粒剤製品に対する割合(重量)は循環混合の割合と記載し、混合される過酸化マグネシウム(B)および(C)の含水率が低いほど、過酸化マグネシウム(C)に対する過酸化マグネシウム(B)の混合比率は低く、循環混合の割合も低いので、製品とする過酸化マグネシウム粒剤の割合は高くなり、製造効率は良くなる。
上記のことをもっと具体的に説明すると、例えば、脱水処理後の含水率が35重量%である過酸化マグネシウム(C)に含水率調整用過酸化マグネシウム(B)として無水な過酸化マグネシウム粒剤を添加し、含水率を調整する場合、(1)(C):(B)=100:50の混合比率で連続生産すると、調整後含水率は23%、循環混合の割合は43%、製品とする粒剤の割合は57%になる、(2)(C):(B)=100:40の混合比率で連続生産すると、調整後含水率は25%、循環混合の割合は38%、製品とする粒剤の割合は62%になる、(3)(C):(B)=100:30の混合比率で連続生産すると、調整後含水率は27%、循環混合の割合は32%、製品とする粒剤の割合は68%まで増加する。
一方、脱水処理後含水率が44重量%である過酸化マグネシウム(C)に含水率調整用過酸化マグネシウム(B)として無水な過酸化マグネシウム粒剤を添加し、含水率を調整する場合、(1)(C):(B)=100:40の混合比率で連続生産すると、調整後含水率は31%、循環混合の割合は42%、製品とする粒剤の割合は58%である、(2)(C):(B)=100:30の混合比率で連続生産すると、調整後含水率は34%、循環混合の割合は35%、製品とする粒剤の割合は65%まで増加する。
工業的な観点から見れば、循環混合の割合は少ないほど好ましいが、それは、過酸化マグネシウム(C)および過酸化マグネシウム(B)の含水率、また乾燥効率などから設定する調整後の目標含水率によって決まってくる。したがって、一概には言えないが、一般的には、本発明に於ける、含水率調整用過酸化マグネシウム(B)として使用する過酸化マグネシウム粒剤(製品)の循環混合の割合が50%以下であることが好ましく、より好ましいのは40%以下、特に好ましいのは35%以下である。
本発明にかかる過酸化マグネシウム粒剤の製造方法で連続生産の場合、過酸化マグネシウム粒剤(製品)の循環混合の割合が50%より大きいのであれば、過酸化マグネシウム粒剤製品の割合は50%以下になり、製造効率は低く、実用上は好ましくないと思われる。
一方、過酸化マグネシウム粒剤(製品)の循環混合の割合が高くても、そうした混合を行なうことは、製造効率上、部分的な不利益をもたらすが、適量の循環混合の割合で粒剤製品を含水率調整用過酸化マグネシウム(B)として使用することにより、脱水処理または加熱処理のみで含水率を調整する作業に比べ、作業時間の短縮や消費エネルギーの低減が可能になり、かつ造粒ができるから、流動層乾燥機で造粒物を効率よく乾燥作業ができるので、作業時間および消費エネルギーを最適化することで、総合的にはコスト上有利なものとすることができる。
こうして含水率の調整を行なった過酸化マグネシウムは、容易に造粒作業を行なうことができる。造粒方法としては、ファインディスクペレッターや、少量であればツインドームグランを用いて行なう方法が確実であるが、特にこれらには限定されず、一般的な手法を用いて粒剤(ペレット)化できればいい。
造粒された過酸化マグネシウムは、乾燥工程において工業的に使われる乾燥機であれば良い。例えば、棚乾燥機でも流動層乾燥機でも使用できる、特に流動層乾燥機などで効率よく乾燥できるため、生産効率の向上や生産コストの低減が実現できる。
乾燥条件に関して、特に限定することがなく、一般的に水分を効率良く蒸発できる条件であればよい。乾燥後の過酸化マグネシウム粒剤の含水率は、好ましく10重量%以下、より好ましく5重量%以下である。
乾燥後得た過酸化マグネシウム粒剤の粒径は、特に限定する必要がないが、応用分野の要求に応じて、製造工程により制御することができる。粒剤の粒径をコントロールする方法の一例として、原料である水酸化マグネシウムの粒径を変える方法がある。例えば、農業分野に好適な3μm〜7μmの粒径範囲である過酸化マグネシウム粒剤を製造する場合には、3μm〜10μmサイズの水酸化マグネシウムを用いて製造すればよく、こうした粒径の水酸化マグネシウムは市販されている。
水酸化マグネシウム(神島化学製)17.6kg、60%過酸化水素(保土谷化学製)27.34kgを用い、文献6に記載された方法によって含水率44重量%の過酸化マグネシウム(A)34kgを得た。次いでAT型遠心分離機((株)田辺鉄工所)で10分間脱水して含水率を40重量%とした過酸化マグネシウム(C)を得た。これを金属バットに薄く均一に広げ、棚乾燥機を用いて90℃で1時間乾燥した。含水率が30重量%になった時点で、半量を取り分け、造粒機(ファインリューザーEXR−100型、ダルトン製)で粒剤化し、半量の粉状物と半量の粒状物とも棚乾燥機で乾燥した。いずれも含水率が5重量%になるまで乾燥し、棚乾燥機で乾燥し続けた粉状物(6kg)と、途中粒剤化した粒状物(12kg)を、含水率調整用の過酸化マグネシウム(B)とした。
次いで、水酸化マグネシウム(神島化学製)27.8kg、60%過酸化水素(保土谷化学製)43.2kgを用い、同じ方法で含水率40重量%の過酸化マグネシウム(C)50kgを得、これに上記の含水率調整用の過酸化マグネシウム(B)を次の表に示す条件で添加し、ニーダー(KDHJ−20型、富士パウダル製)で均一混合し、水分含量を調整した後、造粒機(ファインリューザーEXR−100型、ダルトン製)を用いて造粒処理を行なった。得られた粒剤は連続乾燥の可否および乾燥後の粒剤の安定性について評価した。結果を、次の表1に示す。なお表1中に、過酸化マグネシウム(B)は(B)として記入し、過酸化マグネシウム(C)は(C)として記入する。
Figure 2016016995
実施例4で得られた粒剤状の過酸化マグネシウム6.3kg(含水率5重量%)を初回生産によって得られた含水率調整用の過酸化マグネシウム(B)とし、次回生産分として、別途、水酸化マグネシウム(神島化学製)17.6kg、60%過酸化水素(保土谷化学製)27.34kgを用い、上記と同じ方法で含水率40重量%の過酸化マグネシウム(C)19kgを得た。過酸化マグネシウム(C)7kgに対し、調整用の過酸化マグネシウム(B)3kgを混合して含水率を30%とし、造粒機(ファインリューザーEXR−100型、ダルトン製)による造粒工程および流動層乾燥機による乾燥工程を実施し、含水率は5重量%である過酸化マグネシウムの粒剤6.5kgを得た。SEM観察の結果から、粒状形態は安定している(図1)。
本発明によって、過酸化マグネシウムの粒剤は容易に連続生産を行なうことができ、粒剤の製品化が実現でき、農業分野や土壌改質分野における使用を促進することができる。また、造粒することで、乾燥工程の短時間化・省エネルギー化など、生産効率も図ることができる。こうしたことから、有効酸素が高い且つ非危険物としやすい過酸化マグネシウムの特性を活かした、扱いが容易な酸素供給剤等として有効な利用が可能となる。また、該粒剤は、過酸化マグネシウムの乾燥粉剤の原料としても実用性が高い。

Claims (4)

  1. 含水率の調整工程、造粒工程及び乾燥工程を有する過酸化マグネシウム粒剤の製造方法であって、前記含水率の調整工程は、過酸化水素とマグネシウムの水酸化物または酸化物とを反応させて生成した過酸化マグネシウム(A)の含水率を、10重量%以上35重量%未満となる範囲内に調整することを特徴とする含水率が10重量%以下である過酸化マグネシウム粒剤の製造方法。
  2. 請求項1に記載の含水率の調整工程において、前記生成した過酸化マグネシウム(A)の100重量部に対し、含水率が10重量%以下である過酸化マグネシウム(B)の30〜70重量部を混合することを特徴とする前記過酸化マグネシウム粒剤の製造方法。
  3. 請求項2に記載の含水率の調整工程において、前記生成した過酸化マグネシウム(A)を脱水処理することにより、含水率を35重量%から45重量%までの範囲とした過酸化マグネシウム(C)の100重量部に対し、前記過酸化マグネシウム(B)の30〜70重量部を混合することを特徴とする前記過酸化マグネシウム粒剤の製造方法。
  4. 前記過酸化マグネシウム(B)は請求項2または請求項3に記載の製造方法で得られた過酸化マグネシウム粒剤であることを特徴とする前記過酸化マグネシウム粒剤の製造方法。
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