JP2016016766A - ステアリングメンバー - Google Patents

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Abstract

【課題】連結作業の際におけるドライバー側パイプ及びアシスト側パイプにおける位置決め治具への位置決め構造を簡易にしてセット性を向上させ、装着部品類のタイプ違いや長手方向長さの違いなどによる種々のピッチに対応でき、しかも種々の位置決め治具を要せず、更にステアリングメンバーの剛性および強度を向上させる。
【解決手段】ドライバー側パイプ11とアシスト側パイプ12とを連結する際の当該両パイプ同士の位置決めを、互いに嵌合連結する重合部13において、ドライバー側パイプ11に無欠状位置決め孔11bを設け、アシスト側パイプ12にドライバー側パイプ12側に向かって先端開口部12cを有する有欠状位置決め孔12bを設けて、両位置決め孔を互いに重ね合わせることにより連通させて、無欠状位置決め孔11bと有欠状位置決め孔12bとに位置決めピンを嵌合して、両パイプの位置決めを行う。
【選択図】図2

Description

この発明は、自動車の操舵制御を司るべく構成したステアリング機構を支承するステアリングメンバーに関する。
例えば図6に示すように、従来の自動車におけるステアリングメンバーaは、車幅方向両外側端部に取付けられたサイドブラケットb、bを介して不図示の車体に車幅方向に延在するように配設されており、両サイドブラケットb、bを挟む中間部に、ステアリングコラムブラケットc、不図示のインストルメントパネルを取付けるためのインストステイブラケットe、或いは不図示のエアバッグ装置を取付けるためのエアバッグ装置取付け用ブラケットf等のブラケット類を装着しており、ステアリングコラムブラケットcには不図示のステアリング機構を支持するステアリングコラムシャフトが装着されて構成するようになっている。
このように構成された従来のステアリングメンバーaは、長尺であるが故に通常、太管で構成されるドライバー側パイプa−1と細管で構成されるアシスト側パイプa−2を両中間端部同士を互いに溶接などにより連結することにより構成している。
このように太管構成のドライバー側パイプa−1と細管構成のアシスト側パイプa−2とを互いに連結することによりステアリングメンバーaを構成することは、車体に対してステアリング機構を支えるドライバー側パイプa−1を高い剛性および強度を付与すべく太管構成になしたものであり、これに対して、それほど高い剛性および強度を求められないアシスト側パイプa−2を細管構成とすることにより、車体の軽量化を図ると共に車体におけるアシスト側パイプa−2周辺に取回すケーブル類等の設置スペースを確保すべく意図したものである(特許文献1を参照)。
そして、ドライバー側パイプa−1とアシスト側パイプa−2との連結構造は、互いに外形寸法が異なる同士を連結することから、図7に明確に示すように、アシスト側パイプa−2の中間側端部a−2aを拡管加工することにより、その外径をドライバー側パイプa−1の内径に相当するように拡管しておき、拡管された中間側端部a−2aをドライバー側パイプa−1の中間側端部a−1aに嵌合重合した上で溶接等を施すことにより連結して構成している。
このようにドライバー側パイプa−1とアシスト側パイプa−2とを溶接などにより連結するに際して、ドライバー側パイプa−1及びアシスト側パイプa−2は、それぞれ穿設された位置決め孔a−1b、a−2bを位置決め治具に設けた一対の位置決めピン(不図示)にそれぞれ嵌合することにより、位置決め状態にして溶接などの連結作業を行うようにしている。
特開2005−112078号公報
かかる連結作業に際してドライバー側パイプa−1とアシスト側パイプa−2とを位置決めするために、ドライバー側パイプa−1及びアシスト側パイプa−2は、それぞれ、両中間側端部a−1a、a−2aが互いに重合する部位から外れた位置に位置決め孔a−1b、a−2bを設けていることになる。
この結果、ドライバー側パイプa−1及びアシスト側パイプa−2には、それぞれ位置決め孔a−1b、a−2bが互いに関係なく別々に穿設されていることになり、ましてや、これら位置決め孔a−1b、a−2bいずれも互いに両パイプa−1、a−2が互いに重合し合う部位から外れた位置に存することになって、ドライバー側パイプa−1及びアシスト側パイプa−2の剛性と強度が低下させざる得ないことになる。
また、ドライバー側パイプa−1及びアシスト側パイプa−2の連結作業に際しては、位置決め孔a−1b、a−2bに位置決め治具側の一対の位置決めピンをそれぞれ個別に嵌合しなければならないことから、作業者は、ドライバー側パイプa−1或いはアシスト側パイプa−2の一方に対して、他方を種々回転させたり互いの重合量を調整したりする場合があり、かかる場合、位置決め治具における必要があって、ドライバー側パイプa−1及びアシスト側パイプa−2を一直線上に位置決めするのが非常に難しく、決してセット性がよいとはいい難い。
更には、ドライバー側パイプa−1及びアシスト側パイプa−2は、ステアリング機構などの装着部品類のタイプ違いや長手方向長さの違いなどにより、ピッチを種々変える場合があり、かかる場合、位置決め治具による位置決め仕様が異なることから、位置決め治具の仕様統一ができないことになり、種々の位置決め治具や連結作業設備を用意しておく必要がある。
そこで、この発明は、かかる従来のステアリングメンバーに対する種々の課題を解決すべく、連結作業の際におけるドライバー側パイプ及びアシスト側パイプにおける位置決め治具への位置決め構造を簡易にすべくなして、位置決め治具へのセット性を向上させ、ステアリング機構などの装着部品類のタイプ違いや長手方向長さの違いなどによる種々のピッチに対応でき、しかも仕様統一された位置決め治具を用いて位置決めセットが可能となり、更には、ドライバー側パイプ及びアシスト側パイプの剛性および強度を向上させるべく意図したステアリングメンバーを提供することを目的としている。
この発明に係るステアリングメンバーは、太管で構成されたドライバー側パイプと、細管で構成されたアシスト側パイプとを両パイプの中間側端部同士を嵌合連結することにより構成するステアリングメンバーにおいて、前記ドライバー側パイプとアシスト側パイプとを連結する際の当該両パイプ同士の位置決め構造として、当該両パイプにおける互いに嵌合連結する重合部の何れか一方側に、無欠状位置決め孔を設けると共に、他方側に当該一方側に向かって先端開口部を有する有欠状位置決め孔を設けて、前記無欠状位置決め孔と前記有欠状位置決め孔を互いに重ね合わせることにより連通させた状態において、前記無欠状位置決め孔と前記有欠状位置決め孔とに位置決めピンを嵌合することによって、前記両パイプの連結作業時の位置決めを行うように構成したことを特徴とする。
かかる構成により、この発明は、ドライバー側パイプとアシスト側パイプの何れか一方側に設けた無欠状位置決め孔と、他方側に設けた先端開口部を有する有欠状位置決め孔とを互いに重ね合わせることにより連通させた状態において、位置決めピンを嵌合することにより、ドライバー側パイプとアシスト側パイプとの連結作業時の位置決めを行うようにしたことから、当該位置決め作業時において、位置決め治具には、例えば、ドライバー側パイプとアシスト側パイプの何れか一方側の無欠状位置決め孔に位置決め治具側の位置決めピンを嵌合した後、他方側を一方側に対してスライドさせながら有欠状位置決め孔の先端開口部側から当該位置決めピンを嵌合すれば、ドライバー側パイプ及びアシスト側パイプを一直線上に簡単にセットできて、セット性の向上を図ることができることになる。
また、この発明は、位置決め治具上におけるドライバー側パイプとアシスト側パイプの何れか一方側に対する他方側のスライド量を適宜選択することにより、ドライバー側パイプ及びアシスト側パイプにおける互いの重合量を変えることができて、ステアリング機構などの装着部品類のタイプ違いや長手方向長さの違いなどにより、ピッチを種々変える必要があったとしても、位置決め治具の仕様統一化を果たすことができる。
さらに、この発明は、ドライバー側パイプ及びアシスト側パイプにおける中間側端部同士が互いに嵌合連結していることで剛性がアップした重合部に、それぞれ無欠状位置決め孔或いは有欠状位置決め孔を形成していることから、結果的に、ステアリングメンバーの剛性および強度を高度化することができる。
また、この発明は、その実施の形態として、前記無欠状位置決め孔が無欠円形状を呈して構成しており、これに対して前記有欠状位置決め孔を半円形状を呈して構成している。
かかる構成により、この発明は、無欠円形状の無欠状位置決め孔が全周連続した周壁を有して構成しているのに対し、有欠状位置決め孔においては半円形状に形成したとしても、位置決め治具の位置決めピンが有欠状位置決め孔の内壁の面状に当接することになって、ドライバー側パイプとアシスト側パイプとの位置決めを簡単に行うことができ、セット性の向上を図ることができることになる。
また、この発明は、その実施の形態として、前記無欠状位置決め孔が無欠円形状を呈して構成しており、これに対して前記有欠状位置決め孔を半多角形状を呈して構成している。
かかる構成により、この発明は、無欠円形状の無欠状位置決め孔が全周連続した周壁を有して構成しているのに対し、有欠状位置決め孔においては半多角形状に形成したとしても、位置決め治具の位置決めピンが有欠状位置決め孔の内壁の少なくとも二か所以上において線接触して当接することができ、ドライバー側パイプとアシスト側パイプとの位置決めを簡単に行うことができることになる。
この発明は、ドライバー側パイプとアシスト側パイプの何れか一方側に設けた無欠状位置決め孔と、他方側に設けた先端開口部を有する有欠状位置決め孔とを互いに重ね合わせることにより連通させた状態において、位置決めピンを嵌合することにより、ドライバー側パイプとアシスト側パイプとの連結作業時の位置決めを行うようにしたことから、当該位置決め作業時において、位置決め治具には、例えば、ドライバー側パイプとアシスト側パイプの何れか一方側の無欠状位置決め孔に位置決め治具側の位置決めピンを嵌合した後、他方側を一方側に対してスライドさせながら有欠状位置決め孔の先端開口部側から当該位置決めピンを嵌合すれば、ドライバー側パイプ及びアシスト側パイプを一直線上に簡単にセットできて、セット性の向上を図ることができることになる。
また、この発明は、位置決め治具上におけるドライバー側パイプとアシスト側パイプの何れか一方側に対する他方側のスライド量を適宜選択することにより、ドライバー側パイプ及びアシスト側パイプにおける互いの重合量を変えることができて、ステアリング機構などの装着部品類のタイプ違いや長手方向長さの違いなどにより、ピッチを種々変える必要があったとしても、位置決め治具の仕様統一化を果たすことができる。
さらに、この発明は、ドライバー側パイプ及びアシスト側パイプにおける中間側端部同士が互いに嵌合連結していることで剛性がアップした重合部に、それぞれ無欠状位置決め孔或いは有欠状位置決め孔を形成していることから、結果的に、ステアリングメンバーの剛性および強度を高度化することができる。
この発明の実施例1に係る自動車のステアリングメンバー装置を概略的に描画した斜視図である。 図1におけるドライバー側パイプとアシスト側パイプの嵌合連結前における一点鎖線示円A内を拡大して描画した正面図である。 図1におけるドライバー側パイプとアシスト側パイプの嵌合連結後における一点鎖線示円A内を拡大して描画した正面図である。 この発明の実施例2に係るドライバー側パイプとアシスト側パイプの嵌合連結前の状態を要部のみ描画した正面図である。 この発明の実施例3に係るドライバー側パイプとアシスト側パイプの嵌合連結前の状態を要部のみ描画した正面図である。 従来技術による自動車のステアリングメンバー装置を概略的に描画した斜視図である。 図6におけるドライバー側パイプとアシスト側パイプの嵌合連結前における一点鎖線示円B内を拡大して描画した正面図である。
この発明の実施例に係るステアリングメンバーは、連結作業の際におけるドライバー側パイプ及びアシスト側パイプにおける位置決め治具への位置決め構造を簡易にすべくなして、位置決め治具へのセット性を向上させ、ステアリング機構などの装着部品類のタイプ違いや長手方向長さの違いなどによる種々のピッチに対応でき、しかも仕様統一された位置決め治具を用いて位置決めセットが可能となり、更には、ドライバー側パイプ及びアシスト側パイプの剛性および強度を向上させるべく構成している。
次に、図1乃至図3を用いて、この発明の実施例1に係る自動車のステアリングメンバーについて説明する。
先ず図1に示すように、ステアリングメンバー1は、不図示の車体の車幅方向に長手に形成されたパイプ状を呈して構成しており、ステアリングメンバー1における車幅方向両外側端にそれぞれ取付けられた一対のサイドブラケット2、2を介しては車幅方向に延在するように車体に配設されている。
かかるステアリングメンバー1における両サイドブラケット2、2を挟む中間部には、ステアリングコラムブラケット3、不図示のインストルメントパネルを取付けるためのインストステイブラケット5、或いは不図示のエアバッグ装置を取付けるためのエアバッグ装置取付け用ブラケット6等のブラケット類を装着している。
ステアリングコラムブラケット3には、不図示のステアリング機構を支持するステアリングコラムシャフトが装着されている。
このように構成されたステアリングメンバー1は、長尺であるが故に、太管で構成されるドライバー側パイプ11と細管で構成されるアシスト側パイプ12を、その両中間端部同士を互いに嵌合することによって重合部13を形成した状態で互いに溶接などにより連結することにより構成している。
このようにステアリングメンバー1は、太管構成のドライバー側パイプ11と細管構成のアシスト側パイプ12とを互いに連結することにより構成されていることから、車体に対してステアリング機構を支えるドライバー側パイプ11を高い剛性および強度を付与すべく太管構成になしたものであり、これに対してそれほど高い剛性や強度が求められないアシスト側パイプを細管構成にすることにより、車体の軽量化を図ると共に車体におけるアシスト側パイプ12周辺に取り回すケーブルなどの設置スペースを確保すべく意図している。
そして、ドライバー側パイプ11とアシスト側パイプ12との連結構造は、互いに外形寸法が異なる同士を連結することから、図3に明確に示すように、アシスト側パイプ12の中間側端部12aを拡管加工することにより、その外径をドライバー側パイプ11の内径に相当するように拡管しておき、拡管された中間側端部12aをドライバー側パイプ11の中間側端部11aに嵌合することにより重合部13を形成した状態で、溶接などを施すことにより連結して構成している。
このようにドライバー側パイプ11とアシスト側パイプ12とを溶接などにより連結するに際して、ドライバー側パイプ11及びアシスト側パイプ12には、互いの重合部13に位置して互いに連通するように、それぞれ位置決め孔が設けられており、かかる位置決め孔に不図示の位置決め治具における単一の位置決めピンを嵌合することにより、位置決め状態にして溶接などの連結作業を行うようにしている。
図2に示すように、ドライバー側パイプ11の位置決め孔は、全周連続した無欠状位置決め孔11bにより構成している。これに対して、アシスト側パイプ12の位置決め孔は、半円形を呈する有欠状位置決め孔12bにより構成している。このように、有欠状位置決め孔12bは、半円形を呈するように形成することにより、ドライバー側パイプ11に向かって開口する先端開口部12cを有して構成していることになる。
かかる構成することにより、ドライバー側パイプ11とアシスト側パイプ12とを互いにその中間側端部11a、12aを嵌合することにより重合部13を形成した状態において、無欠状位置決め孔11bと有欠状位置決め孔12bとは、互いに重なり合わせて(図3で示す状態参照)、位置決め治具の位置決めピンを嵌合することにより、当該位置決め治具上において、ドライバー側パイプ11とアシスト側パイプ12との位置決めがなされることになる。
したがって、かかる実施例1においては、ドライバー側パイプ11に設けた無欠状位置決め孔11bとアシスト側パイプ12側に設けた有欠状位置決め孔12bとを互いに重ね合わせることにより連通させた状態において、位置決め治具の位置決めピンを嵌合することにより、ドライバー側パイプ11とアシスト側パイプ12との連結作業時の位置決めを行うようにしている。このことから、当該位置決め作業時において、位置決め治具には、ドライバー側パイプ11の無欠状位置決め孔11bに位置決め治具側の位置決めピンを嵌合した後、アシスト側パイプ12をドライバー側パイプ11に対してスライドさせながら嵌合して、有欠状位置決め孔12bの先端開口部12c側から当該位置決めピンを嵌合すれば、当該位置決めピンによる無欠状位置決め孔11bへの全周当接嵌合及び有欠状位置決め孔12bの内壁に面状に当接することになって、ドライバー側パイプ11及びアシスト側パイプ12を一直線上に簡単にセットできて、セット性の向上を図ることができることになる。
また、かかる実施例1においては、位置決め治具上におけるドライバー側パイプ11に対するアシスト側パイプ12のスライド量を適宜選択することにより、ドライバー側パイプ11及びアシスト側パイプ12における互いの重合量を変えることができて、ステアリング機構などの装着部品類のタイプ違いや長手方向長さの違いなどにより、ピッチを種々変える必要があったとしても、位置決め治具の仕様統一化を果たすことができる。
さらに、かかる実施例1においては、ドライバー側パイプ11及びアシスト側パイプ12における中間側端部11a、12a同士が互いに嵌合連結していることで剛性がアップした重合部13に、それぞれ無欠状位置決め孔11b或いは有欠状位置決め孔12bを形成していることから、結果的に、ステアリングメンバーの剛性および強度を高度化することができる。
次に、図4及び図5を用いて、この発明に係る実施例2及び実施例3についてそれぞれ説明する。
図4に示す実施例2においては、上記実施例1と同様に、ドライバー側パイプ11には、重合部13に位置するように、無欠状位置決め孔11bが形成されているも、アシスト側パイプ12の有欠状位置決め孔12bは、半円形ではなく、多角形状例えば四角形状を呈して構成している点、上記実施例1とは相違している。
したがって、かかる実施例2においては、上記実施例1と同様に、ドライバー側パイプ11に設けた無欠状位置決め孔11bとアシスト側パイプ12側に設けた有欠状位置決め孔12bとを互いに重ね合わせることにより連通させた状態において、位置決め治具の位置決めピンを嵌合することにより、ドライバー側パイプ11とアシスト側パイプ12との連結作業時の位置決めを行うようにしている。
そして、かかる実施例2においても、ドライバー側パイプ11とアシスト側パイプ12との位置決め作業時において、位置決め治具には、ドライバー側パイプ11の無欠状位置決め孔11bに位置決め治具側の位置決めピンを嵌合した後、アシスト側パイプ12をドライバー側パイプ11に対してスライドさせながら嵌合して、有欠状位置決め孔12bの先端開口部12c側から当該位置決めピンを嵌合すれば、ドライバー側パイプ11とアシスト側パイプ12とを位置決め状態で、位置決め治具上にセットすることができる。
加えて、実施例2においては、当該位置決めピンによる無欠状位置決め孔11bへの嵌合は、無欠状位置決め孔11bが全周連続した周壁を有して構成していることから、位置決めピン全周が当接することによって、ドライバー側パイプ11の位置決めを行うも、有欠状位置決め孔12bが半多角形状を呈して構成していることから、位置決め治具の位置決めピンが有欠状位置決め孔12bの内壁の少なくとも二か所以上において線接触して当接することになって、ドライバー側パイプ11とアシスト側パイプ12とは、位置決め治具上において一直線上に簡単にセットできて、セット性の向上を図ることができることになる。
また、かかる実施例2においては、上記実施例1と同様に、位置決め治具上におけるドライバー側パイプ11に対するアシスト側パイプ12のスライド量を適宜選択することにより、ドライバー側パイプ11及びアシスト側パイプ12における互いの重合量を変えることができて、ステアリング機構などの装着部品類のタイプ違いや長手方向長さの違いなどにより、ピッチを種々変える必要がある場合でも、位置決め治具の仕様統一化を果たすことができる。
さらに、かかる実施例2においては、上記実施例1と同様に、ドライバー側パイプ11及びアシスト側パイプ12における中間側端部11a、12a同士が互いに嵌合連結していることで剛性がアップした重合部13に、それぞれ無欠状位置決め孔11b或いは有欠状位置決め孔12bを形成していることから、結果的に、ステアリングメンバーの剛性および強度を高度化することができる。
図5に示す実施例3においては、上記実施例1の変形例ともいうべきもので、ドライバー側パイプ11に、半円形を呈するように形成された有欠状位置決め孔11dを設け、アシスト側パイプ12に、全周連続した無欠状位置決め孔12dを設けており、有欠状位置決め孔11dは、アシスト側パイプ12に向かって開口する先端開口部11cを有して構成した点、実施例1の構成とは相違する。
したがって、かかる実施例3においては、ドライバー側パイプ11に設けた有欠状位置決め孔11dとアシスト側パイプ12側に設けた無欠状位置決め孔12dとを互いに重ね合わせることにより連通させた状態において、位置決め治具の位置決めピンを嵌合することにより、ドライバー側パイプ11とアシスト側パイプ12との連結作業時の位置決めを行うようにしている。
そして、かかる実施例3においては、アシスト側パイプ12に設けた無欠状位置決め孔12dとドライバー側パイプ11側に設けた有欠状位置決め孔11dとを互いに重ね合わせることにより連通させた状態において、位置決め治具の位置決めピンを嵌合することにより、アシスト側パイプ12とドライバー側パイプ11との連結作業時の位置決めを行うようにしている。このことから、当該位置決め作業時において、位置決め治具には、アシスト側パイプ12の無欠状位置決め孔12dに位置決め治具側の位置決めピンを嵌合した後、ドライバー側パイプ11をアシスト側パイプ12に対してスライドさせながら嵌合して、有欠状位置決め孔11dの先端開口部11c側から当該位置決めピンを嵌合すれば、当該位置決めピンによる無欠状位置決め孔12dへの全周当接嵌合及び有欠状位置決め孔11dの内壁に面状に当接することになって、アシスト側パイプ12及びドライバー側パイプ11を一直線上に簡単にセットできて、セット性の向上を図ることができることになる。
かかる実施例3においては、位置決め治具上におけるアシスト側パイプ12に対するドライバー側パイプ11のスライド量を適宜選択することにより、アシスト側パイプ12及びドライバー側パイプ11における互いの重合量を変えることができて、ステアリング機構などの装着部品類のタイプ違いや長手方向長さの違いなどにより、ピッチを種々変える必要があったとしても、位置決め治具の仕様統一化を果たすことができる。
さらに、かかる実施例2においては、アシスト側パイプ12及びドライバー側パイプ11における中間側端部12a、11a同士が互いに嵌合連結していることで剛性がアップした重合部13に、それぞれ無欠状位置決め孔12d或いは有欠状位置決め孔11dを形成していることから、結果的に、ステアリングメンバーの剛性および強度を高度化することができる。
なお、上記実施例3の変形例として、アシスト側パイプ12の無欠状位置決め孔12dは、円形状ではなく、例えば、多角形状に形成することが考えられる。
以上説明したこの発明は、連結作業の際におけるドライバー側パイプ及びアシスト側パイプにおける位置決め治具への位置決め構造を簡易にすべくなして、位置決め治具へのセット性を向上させ、ステアリング機構などの装着部品類のタイプ違いや長手方向長さの違いなどによる種々のピッチに対応でき、しかも種々の位置決め治具を要せずとも位置決めセットを可能にし、更には、ドライバー側パイプ及びアシスト側パイプにおける互いに連結嵌合するよって剛性がアップした重合部において位置決め孔を形成することにより当該両パイプの剛性および強度を向上させて衝撃安全性を向上させ得ることから、自動車の操舵制御を司るべく構成したステアリング機構を支承するステアリングメンバー装置等に好適であるといえる。
1 ステアリングメンバー本体
11 ドライバー側パイプ
11a 中間側端部
11b 無欠状位置決め孔
11c 先端開口部
11d 有欠状位置決め孔
12 アシスト側パイプ
12a 中間側端部
12b 有欠状位置決め孔
12c 先端開口部
12d 無欠状位置決め孔
13 重合部

Claims (3)

  1. 太管で構成されたドライバー側パイプと、細管で構成されたアシスト側パイプとを両パイプの中間側端部同士を嵌合連結することにより構成するステアリングメンバーにおいて、前記ドライバー側パイプとアシスト側パイプとを連結する際の当該両パイプ同士の位置決め構造として、当該両パイプにおける互いに嵌合連結する重合部の何れか一方側に、無欠状位置決め孔を設けると共に、他方側に当該一方側に向かって先端開口部を有する有欠状位置決め孔を設けて、前記無欠状位置決め孔と前記有欠状位置決め孔を互いに重ね合わせることにより連通させた状態において、前記無欠状位置決め孔と前記有欠状位置決め孔とに位置決めピンを嵌合することによって、前記両パイプの連結作業時の位置決めを行うように構成したことを特徴とするステアリングメンバー。
  2. 前記無欠状位置決め孔は無欠円形状を呈して構成しているのに対し、前記有欠状位置決め孔は半円形状を呈して構成していることを特徴とする請求項1に記載のステアリングメンバー。
  3. 前記無欠状位置決め孔は無欠円形状を呈して構成しているのに対し、前記有欠状位置決め孔は半多角形状を呈して構成していることを特徴とする請求項1に記載のステアリングメンバー。
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