JP2016016388A - 有機薄膜形成方法 - Google Patents

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JP2016016388A JP2014142271A JP2014142271A JP2016016388A JP 2016016388 A JP2016016388 A JP 2016016388A JP 2014142271 A JP2014142271 A JP 2014142271A JP 2014142271 A JP2014142271 A JP 2014142271A JP 2016016388 A JP2016016388 A JP 2016016388A
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肥高 友也
Tomoya Hidaka
友也 肥高
靖久 柴田
Yasuhisa Shibata
靖久 柴田
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Abstract

【課題】環境に優しい溶媒を使用し、かつ、水分量が少なくても、不純物が少ない緻密な単分子膜を迅速に形成できる有機薄膜形成方法を提供することを課題とする。【解決手段】1)エーテル系溶媒中、下記a)、b)及びc)を、水酸基含有溶液中の(A)と(B)の合計量が0.1重量%〜80重量%となるように混合し、加水分解を行って水酸基含有化合物を生成させた水酸基含有溶液を調製する工程、a) 有機溶媒中、少なくとも1以上の加水分解性基を有する金属系界面活性剤(A)と金属系界面活性剤と相互作用し得る化合物(C)を含有する有機薄膜形成用補助剤、b)少なくとも1以上の加水分解性基を有する金属系界面活性剤(B)、c)水2)上記1)の工程で得られた水酸基含有溶液と有機溶媒を混合して有機薄膜形成用溶液を調製する工程、及び3)上記2)の工程で得られた有機薄膜形成用溶液を基材と接触させる工程を含む方法により、有機薄膜を形成する。【選択図】なし

Description

本発明は、基材表面に有機薄膜を形成する有機薄膜形成方法、特に、金属系界面活性剤の加水分解生成物からなる有機薄膜の改良された形成方法に関する。
ガラス、金属、プラスチックス、セラミックス等からなる基材の表面に有機薄膜を形成する方法として、1)下記a)、b)及びc)を、水酸基含有溶液中の(A)と(B)の合計量が0.1重量%〜80重量%となるように混合し、加水分解を行って水酸基含有化合物を生成させた水酸基含有溶液を調製する工程、
a) 有機溶媒中、少なくとも1以上の加水分解性基を有する金属系界面活性剤(A)と金属系界面活性剤と相互作用し得る化合物(C)を含有する有機薄膜形成用補助剤、
b) 少なくとも1以上の加水分解性基を有する金属系界面活性剤(B)、
c)水
2)上記1)の工程で得られた水酸基含有溶液と有機溶媒を混合して有機薄膜形成用溶液を調製する工程、及び
3)上記2)の工程で得られた有機薄膜形成用溶液を基材と接触させる工程
を含む有機薄膜形成方法が知られている(特許文献1を参照)。
当該方法では、金属系界面活性剤と相互作用しうる化合物の濃度を低くし、金属系界面活性剤を従来よりも多く使用して水酸基含有溶液を調製すると共に、水酸基含有溶液の調製工程において、水酸基の濃度が平衡に達するまで待った後、有機溶媒により希釈するという手順で行うことにより、水分含量を10ppm〜50ppm未満と少ない量でも、基材上に不純物が少ない緻密な単分子膜(有機薄膜)を迅速に形成することができるようになった。
しかしながら、当該方法では、有機溶媒としては炭化水素系溶媒、フッ化炭素系溶媒及びシリコーン系溶媒が好ましいとされ、実際にはトルエンなどの炭化水素系溶媒に限られていたため、環境に優しい溶媒が求められていた。
WO2008/059840パンフレット
本発明はかかる実情に鑑みてなされたものであり、環境に優しい溶媒を使用し、なおかつ、水分量が少なくても、不純物が少ない緻密な単分子膜を迅速に形成できる有機薄膜形成方法を提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、金属系界面活性剤を加水分解して水酸基含有化合物を生成させる工程をエーテル系溶媒で行うことにより、水酸基を含有する単量体の比率を安定的に高めることができ、その結果、従来、水酸基含有溶液を希釈する有機溶媒として使用した場合には、結晶等が析出して均一な溶液とならなかったエステル系溶媒、ケトン系溶媒及びエーテル系溶媒でも、水酸基含有溶液を希釈する有機溶媒としてを使用できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)1)エーテル系溶媒中、下記a)、b) 及びc)を、水酸基含有溶液中の(A)と(B)の合計量が0.1重量%〜80重量%となるように混合し、加水分解を行って水酸基含有化合物を生成させた水酸基含有溶液を調製する工程、
a) 有機溶媒中、少なくとも1以上の加水分解性基を有する金属系界面活性剤(A)と金属系界面活性剤と相互作用し得る化合物(C)を含有する有機薄膜形成用補助剤、
b) 少なくとも1以上の加水分解性基を有する金属系界面活性剤(B)、
c)水
2)上記1)の工程で得られた水酸基含有溶液と有機溶媒(D)を混合して有機薄膜形成用溶液を調製する工程、及び
3)上記2)の工程で得られた有機薄膜形成用溶液を基材と接触させる工程
を含む有機薄膜形成方法、
(2)1)エーテル系溶媒中、下記a)、b)及びc)を、水酸基含有溶液中における金属系界面活性剤(B1)の量が0.1重量%〜80重量%となるように混合し、加水分解を行って水酸基含有化合物を生成させた水酸基含有溶液を調製する工程、
a)少なくとも1以上の加水分解性基を有する金属系界面活性剤(B1)、
b)金属系界面活性剤と相互作用し得る化合物(C1)、
c)水
2)上記1)の工程で得られた水酸基含有溶液と有機溶媒(D1)有機溶媒を混合して有機薄膜形成用溶液を調製する工程、及び
3)上記2)の工程で得られた有機薄膜形成用溶液を基板と接触させる工程
を含む有機薄膜形成方法、
(3)有機溶媒(D)又は(D1)が、エステル系溶媒、ケトン系溶媒及びエーテル系溶媒から選ばれる少なくとも1種である(1)又は(2)に記載の有機薄膜形成方法、
(4)前記有機薄膜形成用補助剤が、有機溶媒中、前記金属系界面活性剤(A)、金属系界面活性剤と相互作用し得る化合物(C)及び水を混合して得られる(1)に記載の有機薄膜形成方法、
(5)有機薄膜形成用溶液中の水分含量が、10ppm〜5000ppmである(1)又は(2)に記載の有機薄膜形成方法、
(6)前記金属系界面活性剤と相互作用し得る化合物(C)又は(C1)が、金属水酸化物、金属アルコキシド類、金属アルコキシド類の部分加水分解生成物、シラノール縮合触媒及び酸触媒からなる群から選ばれる少なくとも1種であって、有機薄膜形成用補助剤中の前記(C)又は(C1)の量が金属換算で0.1ppm〜5重量%である(1)又は(2)に記載の有機薄膜形成方法、
(7)前記金属系界面活性剤と相互作用し得る化合物(C)又は(C1)が酸触媒であって、前記金属系界面活性剤[(A)及び(B)、又は(B1)]1molに対して0.001mmol〜1molである(1)又は(2)に記載の有機薄膜形成方法、
(8)前記金属アルコキシド類又は金属アルコキシド類の部分加水分解生成物の金属が、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素、鉄、ゲルマニウム、インジウム、スズ、タンタル、亜鉛、タングステン及び鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種である(6)に記載の有機薄膜形成方法、
(9)前記金属系界面活性剤(A)が、式(I)

〔式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数1〜30のハロゲン化炭化水素基、連結基を含む炭化水素基又は連結基を含むハロゲン化炭化水素基を表し、Mは、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、チタン原子及びジルコニウム原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を表し、Xは水酸基又は加水分解性基を表し、mはMの原子価を表す。nは1から(m−1)の正整数を表し、nが2以上のとき、各Rは同一でも相異なっていてもよく、(m−n)が2以上のとき、各Xは同一でも相異なっていてもよい。〕で示される化合物又はそのオリゴマーである(1)に記載の有機薄膜形成方法、及び、
(10)前記金属系界面活性剤(B)又は(B1)が、式(III)

〔式中、R11は、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数1〜30のハロゲン化炭化水素基、連結基を含む炭化水素基又は連結基を含むハロゲン化炭化水素基を表し、Mは、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、チタン原子及びジルコニウム原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を表し、Xは、水酸基又は加水分解性基を表し、mはMの原子価を表す。nは1から(m−1)の正整数を表し、nが2以上のとき、各R11は同一でも相異なっていてもよく、(m−n)が2以上のとき、各Xは同一でも相異なっていてもよい。〕で示される化合物又はそのオリゴマーである(1)又は(2)に記載の有機薄膜形成方法に関する。
金属系界面活性剤を加水分解して水酸基含有溶液を調製する工程をエーテル系溶媒中で行うことにより、水酸基含有溶液をさらに希釈する有機溶媒として、従来用いることができなかったエステル系溶媒、ケトン系溶媒及びエーテル系溶媒から選ばれる少なくとも1種を使用することができるようになり、従来通り、不純物が少ない緻密な有機薄膜、特に単分子膜を迅速に形成できると共に、環境にやさしい溶液を提供することができる。
実施例7において、有機薄膜形成溶液(B−1)で処理した有機薄膜形成アルミナ粉末(C−1)を薬包紙上で平らに成形し、純水を一滴垂らしたところ、アルミナ上で液滴を形成した図を示す。 実施例7において、無処理のアルミナ粉末を薬包紙上で平らに成形し、純水を一滴垂らしたところ、純水はアルミナに浸み込み液滴を形成しなかったことを示す図である。
本発明の有機薄膜形成方法は、WO2008/059840パンフレットに記載の有機薄膜形成方法において、エーテル系溶媒中で水酸基含有溶液を調製し、該水酸基含有溶液を希釈する溶媒としてエステル系溶媒、ケトン系溶媒及びエーテル系溶媒から選ばれる少なくとも1種を使用する方法に関する。
(金属系界面活性剤(A)及び(B))
本発明に用いる、「金属系界面活性剤(A)」及び「金属系界面活性剤(B)」は、加水分解可能な官能基を1以上有し、分子内に、親水性部位と疎水性部位とを有するものであれば特に制限されない。
前記金属系界面活性剤(A)としては、前記式(I)で示される化合物の1種又は2種以上を、前記金属系界面活性剤(B)としては、前記式(III)で示される化合物の1種又は2種以上を用いるのが好ましい。金属系界面活性剤(A)及び(B)は同一であっても、異なっていても良い。
また、金属系界面活性剤(A)及び(B)は、いずれも式(I)又は式(III)で表される化合物のオリゴマーの1種又は2種以上であってもよい。
本発明においては、金属系界面活性剤は、(A)又は(B)の単独、それらのオリゴマーの単独、あるいはそれらの混合物であってもよい。
前記式(I)中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数1〜30のハロゲン化炭化水素基、連結基を含む炭化水素基又は連結基を含むハロゲン化炭化水素基を表す。また、前記式(III)中、R11は、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数1〜30のハロゲン化炭化水素基、連結基を含む炭化水素基又は連結基を含むハロゲン化炭化水素基を表す。
前記R及びR11の置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、n−へキシル基、イソへキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−オクタデシル基等のアルキル基;ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、n−デシニル基、n−オクタデシニル基等のアルケニル基;フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等のアリール基等が挙げられる。
前記R及びR11の置換基を有していてもよい炭素数1〜30のハロゲン化炭化水素基のハロゲン化炭化水素基としては、炭素数1〜30のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜30のハロゲン化アルケニル基、炭素数1〜30のハロゲン化アリール基等が挙げられる。
前記R及びR11の「置換基」を有していてもよい炭化水素基又は「置換基」を有していてもよいハロゲン化炭化水素基の「置換基」としては、カルボキシル基;アミド基;イミド基;エステル基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;又は水酸基等が挙げられる。これらの置換基の数は0〜3であるのが好ましい。
前記R及びR11の連結基を含む炭化水素基の炭化水素基としては、具体的には、前記置換基を有していてもよい炭化水素基の炭化水素基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
また、前記R及びR11の連結基を含むハロゲン化炭化水素基のハロゲン化炭化水素基としては、具体的には、前記置換基を有していてもよいハロゲン化炭化水素基のハロゲン化炭化水素基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
前記連結基は、炭化水素基若しくはハロゲン化炭化水素基の炭素−炭素結合間、又は炭化水素基の炭素と後述する金属原子Mとの間に存在するのが好ましい。
連結基の具体例としては、−O−、−S−、−SO−、−CO−、−C(=O)O−又は−C(=O)NR51−(式中、R51は、水素原子;メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等のアルキル基を表す。)等が挙げられる。
これらの中でも、R、R11としては、撥水性、耐久性の観点から、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数1〜30のフッ素化アルキル基、又は連結基を含むフッ素化アルキル基であるのがそれぞれ好ましい。
、R11のより好ましい具体例としては、次のものが挙げられる。
すなわち、CH−、CHCH−、(CHCH−、(CHC−、CH(CH−、CH(CH−、CH(CH−、CH(CH−、CH(CH−、CH(CH−、CH(CH−、CH(CH−、CH(CH10−、CH(CH11−、CH(CH12−、CH(CH13−、CH(CH14−、CH(CH15−、CH(CH16−、CH(CH17−、CH(CH18−、CH(CH19−、CH(CH20−、CH(CH21−、CH(CH22−、CH(CH23−、CH(CH24−、CH(CH25−、CF−、CFCF−、(CFCF−、(CFC−、CF(CH−、CF(CF(CH−、CF(CF(CH−、CF(CF(CH−、CF(CF(CH−、CF(CF(CH−、CF(CF(CH−、CF(CFO(CF(CH−、CF(CFO(CF(CH−、CF(CFO(CF(CH−、CF(CFCONH(CH−、CF(CFCONH(CH−、CF(CFO[CF(CF)CF(CF)O]CF(CF)CONH(CH−、CH(CF(CH−、CH(CF(CH−、CH(CF(CH−、CH(CF10(CH−、CH(CF11(CH−、CH(CF12(CH−、CH(CF(CH−、CH(CF(CH−、CH(CF11(CH−、CHCH(CF(CH−、CHCH(CF(CH−、CHCH(CF10(CH−、CH(CFO(CF(CH−、CH(CF(CHO(CH−、CH(CF(CHO(CH−、CH(CF(CHO(CH−、CHCH(CF(CHO(CH−、CH(CFCONH(CH−、CH(CFCONH(CH−、CH(CFO[CF(CF)CF(CF)O]CF(CF)CONH(CH−等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
M及びMは、それぞれ独立して、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、チタン原子、及びジルコニウム原子からなる群から選ばれる1種の原子を表す。これらの中でも、原料の入手容易性、反応性等の観点から、M及びMが共にケイ素原子であるのが特に好ましい。
X及びXは、それぞれ独立して、水酸基又は加水分解性基を表す。加水分解性基としては、水と反応して分解する基であれば特に制約されない。例えば、置換基を有していてもよい炭素数1〜6のアルコキシ基;置換基を有していてもよいアシルオキシ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;イソシアネート基;シアノ基;アミノ基;又はアミド基等が挙げられる。
炭素数1〜6のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−へキシルオキシ基等が挙げられる。アシルオキシ基としては、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。これらの置換基としては、カルボキシル基、アミド基、イミド基、エステル基、水酸基等が挙げられる。これらの中でも、X及びXとしては、水酸基、炭素数1〜4のアルコキシ基、アシルオキシ基、ハロゲン原子、又はイソシアネート基が好ましく、炭素数1〜4のアルコキシ基又はアシルオキシ基がより好ましい。
nは、1から(m−1)いずれかの整数を表し、nは、1から(m−1)いずれかの整数を表す。高密度の有機薄膜を製造する上では、n及びnは1であるのが好ましい。
mは金属原子Mの原子価を表し、mは金属原子Mの原子価を表す。
nが2以上のとき、各Rは同一であっても相異なっていてもよく、(m−n)が2以上のとき、各Xは同一であっても相異なっていてもよい。また、nが2以上のとき、各R11は同一でも相異なっていてもよく、(m−n)が2以上のとき、各Xは同一でも相異なっていてもよい。
式(I)、式(III)で示される化合物の具体例としては、下記に示すものが挙げられる。以下においては金属原子がケイ素原子である化合物を代表例としているが、本発明はこれらに限定されるものではない。
すなわち、
CH(CHSi(OCH
CH(CHSi(OCH
CH(CHSi(OCH
CH(CH11Si(OCH
CH(CH13Si(OCH
CH(CH15Si(OCH
CH(CH17Si(OCH
CH(CH19Si(OCH
CH(CH21Si(OCH
CH(CH17Si(OCHCH
CH(CH17SiCl
CH(CHSi(OCHCH
CH(CHSiCl
CH(CHSi(CH)(OCHCH
CH(CHSi(CH)(OCH
CH(CHSi(CH(OCHCH)、
CH(CHSi(CH(OCH)、
CHCHO(CH15Si(OCH
CFCHO(CH15Si(OCH
CH(CHSi(CH(CH15Si(OCH
CH(CHSi(CH(CHSi(OCH
CHCOO(CH15Si(OCH
CF(CF(CHSi(OCH
CF(CF−(CH=CH)−Si(OCH
CHCHO(CH15Si(OC
CH(CHSi(CH(CH15Si(OC
CH(CHSi(CH(CHSi(OC
CF(CHSi(CH(CHSi(OC
CHCOO(CH15Si(OC
CFCOO(CH15Si(OC
CFCOO(CH15Si(OCH
CF(CF(CHSi(OC
CF(CF(CHSi(OC
CF(CF(CHSi(OC
CF(CF(CH=CH)Si(OC
CF(CF(CHSi(OCH
CF(CF(CHSi(OCH
CF(CF(CHSi(CH)(OC
CF(CF(CHSi(CH)(OCH
CF(CF(CHSi(CH(OC)、
CF(CF(CHSi(CH(OCH)、
CF(CHSiCl
CF(CF(CHSiCl
CF(CF(CHSiCl
CF(CF(CHSiCl
CF(CF(CHSiCl
CF(CF(CHSiCl
CF(CF(CHSiCl
CF(CFO(CF(CHSiCl
CF(CFO(CF(CHSiCl
CF(CF(CHO(CHSiCl
CF(CFCONH(CHSiCl
CF(CFCONH(CHSiCl
CF(CFO[CF(CF)CF(CF)O]CF(CF)CONH(CHSiCl
CF(CF(CHSi(CH)Cl
CF(CF(CHSi(CH)Cl
CF(CHSi(CH)Cl
CF(CF(CHSi(CH)Cl
CF(CF(CHSi(CH)Cl
CF(CF(CHSi(CH)Cl
CF(CF(CF(CHSi(CH)Cl
CF(CF(CF(CHSi(CH)Cl
CF(CF(CHO(CHSi(CH)Cl
CF(CFCONH(CHSi(CH)Cl
CF(CFCONH(CHSi(CH)Cl
CF(CFO[CF(CF)CF(CF)O]CF(CF)CONH(CHSi(CH)Cl
CH(CHSiCl
CH(CF(CHSiCl
CH(CF(CHSi(CH)Cl
CH(CF(CHSi(OCH
CH(CF(CHSi(NCO)
CH(CF(CHSiCl
CH(CF(CHSi(OCH
CH(CF(CHSi(NCO)
CH(CF(CHSiCl
CH(CF(CHSi(OCH
CH(CF(CHSi(NCO)
CHCH(CF(CHSiCl
CHCH(CF(CHSi(OCH
CHCH(CF(CHSi(NCO)
CHCH(CF(CHSiCl
CHCH(CF(CHSi(OCH
CHCH(CF(CHSi(NCO)
CHCH(CF10(CHSiCl
CH(CF4O(CF(CHSiCl
CH(CF(CHO(CHSiCl
CH(CF(CHO(CHSiCl
CH(CF(CHO(CHSiCl
CHCH(CF(CHO(CHSiCl
CH(CFCONH(CHSiCl
CH(CFCONH(CHSiCl
CH(CFO[CF(CF)CF(CF)O]CF(CF)CONH(CHSiCl
CHCHO(CH15Si(OCH)(OH)
CFCHO(CH15Si(OCH)(OH)
CH(CHSi(CH(CH15Si(OCH)(OH)
CH(CHSi(CH(CHSi(OCH)(OH)
CHCOO(CH15Si(OCH)(OH)
CF(CF(CHSi(OCH)(OH)
CF(CF(CH=CH)Si(OCH)(OH)
CHCHO(CH15Si(OC)(OH)
CH(CHSi(CH(CH15Si(OC)(OH)
CH(CHSi(CH(CHSi(OC)(OH)
CF(CHSi(CH(CHSi(OC)(OH)
CHCOO(CH15Si(OC)(OH)
CFCOO(CH15Si(OC)(OH)
CFCOO(CH15Si(OCH)(OH)
CF(CF(CHSi(OC)(OH)
CF(CF(CHSi(OC)(OH)
CF(CF(CHSi(OC)(OH)
CF(CF(CH=CH)Si(OC)(OH)
CF(CF(CHSi(OCH)(OH)
CF(CF(CHSi(OCH)(OH)
CF(CF(CHSi(CH)(OH)
CF(CF(CHSi(CH)(OH)
CHCHO(CH15Si(OCH(OH)、
CFCHO(CH15Si(OCH(OH)、
CH(CHSi(CH(CH15Si(OCH(OH)、
CH(CHSi(CH(CHSi(OCH(OH)、
CHCOO(CH15Si(OCH(OH)、
CF(CF(CHSi(OCH(OH)、
CHCHO(CH15Si(OC(OH)、
CF(CF(CH=CH)Si(OCH(OH)、
CH(CHSi(CH(CH15Si(OC(OH)、
CH(CHSi(CH(CHSi(OC(OH)、
CF(CHSi(CH(CHSi(OC(OH)、
CHCOO(CH15Si(OC(OH)、
CFCOO(CH15Si(OC(OH)、
CFCOO(CH15Si(OCH(OH)、
CF(CF(CHSi(OC(OH)、
CF(CF(CHSi(OC(OH)、
CF(CF(CHSi(OC(OH)、
CF(CF(CH=CH)Si(OC(OH)、
CF(CF(CHSi(OCH(OH)、
CF(CF(CHSi(OCH(OH)、
CF(CF(CHSi(CH)(OC)(OH)、
CF(CF(CHSi(CH)(OCH)(OH)、
CF(CHSi(OCH)(OH)
CF(CF(CHSi(OCH)(OH)
CF(CF(CHSi(OCH)(OH)
CF(CF(CHSi(OCH)(OH)
CF(CF(CHSi(OCH)(OH)
CF(CF(CHSi(OCH)(OH)
CF(CF(CHSi(OCH)(OH)
CF(CFO(CF(CHSi(OCH)(OH)
CF(CFO(CF(CHSi(OCH)(OH)
CF(CF(CHO(CHSi(OCH)(OH)
CF(CFCONH(CHSi(OCH)(OH)
CF(CFCONH(CHSi(OCH)(OH)
CF(CFO[CF(CF)CF(CF)O]CF(CF)CONH(CHSi(OCH)(OH)
CF(CHSi(OCH(OH)、
CF(CF(CHSi(OCH(OH)、
CF(CF(CHSi(OCH(OH)、
CF(CF(CHSi(OCH(OH)、
CF(CF(CHSi(OCH(OH)、
CF(CF(CHSi(OCH(OH)、
CF(CF(CHSi(OCH(OH)、
CF(CFO(CF(CHSi(OCH(OH)、
CF(CFO(CF(CHSi(OCH(OH)、
CF(CF(CHO(CHSi(OCH(OH)、
CF(CFCONH(CHSi(OCH(OH)、
CF(CFCONH(CHSi(OCH(OH)、
CF(CFO[CF(CF)CF(CF)O]CF(CF)CONH(CHSi(OCH(OH)、
CH(CHSi(OCH)(OH)
CH(CF(CHSi(OCH)(OH)
CH(CF(CHSi(NCO)(OH)
CH(CF(CHSi(OCH)(OH)
CH(CF(CHSi(NCO)(OH)
CH(CF(CHSi(OCH)(OH)
CH(CF(CHSi(NCO)(OH)
CHCH(CF(CHSi(OCH)(OH)
CHCH(CF(CHSi(NCO)(OH)
CHCH(CF(CHSi(OCH)(OH)
CHCH(CF(CHSi(NCO)(OH)
CHCH(CF10(CHSi(OCH)(OH)
CH(CFO(CF(CHSi(OCH)(OH)
CH(CF(CHO(CHSi(OCH)(OH)
CH(CF(CHO(CHSi(OCH)(OH)
CH(CF(CHO(CHSi(OCH)(OH)
CHCH(CF(CHO(CHSi(OCH)(OH)
CH(CFCONH(CHSi(OCH)(OH)
CH(CFCONH(CHSi(OCH)(OH)
CH(CFO[CF(CF)CF(CF)O]CF(CF)CONH(CHSi(OCH)(OH)
CF(CF(CHSi(CH)(OCH)(OH)、
CF(CF(CHSi(CH)(OCH)(OH)、
CF(CHSi(CH)(OCH)(OH)、
CF(CF(CHSi(CH)(OCH)(OH)、
CF(CF(CHSi(CH)(OCH)(OH)、
CF(CF(CHSi(CH)(OCH)(OH)、
CF(CF(CF(CHSi(CH)(OCH)(OH)、
CF(CF(CF(CHSi(CH)(OCH)(OH)、
CF(CF(CHO(CHSi(CH)(OCH)(OH)、
CF(CFCONH(CHSi(CH)(OCH)(OH)、
CF(CFCONH(CHSi(CH)(OCH)(OH)、
CF(CFO[CF(CF)CF(CF)O]CF(CF)CONH(CHSi(CH)(OCH)(OH)、
CH(CHSi(OCH(OH)、
CH(CF(CHSi(OCH(OH)、
CH(CF(CHSi(CH)(OCH)(OH)、
CH(CF(CHSi(NCO)(OH)、
CH(CF(CHSi(OCH(OH)、
CH(CF(CHSi(NCO)(OH)、
CH(CF(CHSi(OCH(OH)、
CH(CF(CHSi(NCO)(OH)、
CHCH(CF(CHSi(OCH(OH)、
CHCH(CF(CHSi(NCO)(OH)、
CHCH(CF(CHSi(OCH(OH)、
CHCH(CF(CHSi(NCO)(OH)、
CHCH(CF10(CHSi(OCH(OH)、
CH(CF4O(CF(CHSi(OCH(OH)、
CH(CF(CHO(CHSi(OCH(OH)、
CH(CF(CHO(CHSi(OCH(OH)、
CH(CF(CHO(CHSi(OCH(OH)、
CHCH(CF(CHO(CHSi(OCH(OH)、
CH(CFCONH(CHSi(OCH(OH)、
CH(CFCONH(CHSi(OCH(OH)、
CH(CFO[CF(CF)CF(CF)O]CF(CF)CONH(CHSi(OCH(OH)、
CHCHO(CH15Si(OH)
CFCHO(CH15Si(OH)
CH(CHSi(CH(CH15Si(OH)
CH(CHSi(CH(CHSi(OH)
CHCOO(CH15Si(OH)
CF(CF(CHSi(OH)
CF(CF(CH=CH)Si(OH)
CHCHO(CH15Si(OH)
CH(CHSi(CH(CH15Si(OH)
CH(CHSi(CH(CHSi(OH)
CF(CHSi(CH(CHSi(OH)
CHCOO(CH15Si(OH)
CFCOO(CH15Si(OH)
CFCOO(CH15Si(OH)
CF(CF(CHSi(OH)
CF(CF(CHSi(OH)
CF(CF(CHSi(OH)
CF(CF(CH=CH)Si(OH)
CF(CF(CHSi(CH(OH)、
CF(CHSi(OH)
CF(CF(CHSi(OH)
CF(CF(CHSi(OH)
CF(CF(CHSi(OH)
CF(CF(CHSi(OH)
CF(CF(CHSi(OH)
CF(CF(CHSi(OH)
CF(CFO(CF(CHSi(OH)
CF(CFO(CF(CHSi(OH)
CF(CF(CHO(CHSi(OH)
CF(CFCONH(CHSi(OH)
CF(CFCONH(CHSi(OH)
CF(CFO[CF(CF)CF(CF)O]CF(CF)CONH(CHSi(OH)
CH(CHSi(OH)
CH(CF(CHSi(OH)
CH(CF(CHSi(OH)
CH(CF(CHSi(OH)
CH(CF(CHSi(OH)
CHCH(CF(CHSi(OH)
CHCH(CF(CHSi(OH)
CHCH(CF10(CHSi(OH)
CH(CF40(CF(CHSi(OH)
CH(CF(CHO(CHSi(OH)
CH(CF(CHO(CHSi(OH)
CH(CF(CHO(CHSi(OH)
CHCH(CF(CHO(CHSi(OH)
CH(CFCONH(CHSi(OH)
CH(CFCONH(CHSi(OH)
CH(CFO[CF(CF)CF(CF)O]CF(CF)CONH(CHSi(OH)
CF(CF(CHSi(CH)(OH)
CF(CF(CHSi(CH)(OH)
CF(CHSi(CH)(OH)
CF(CF(CHSi(CH)(OH)
CF(CF(CHSi(CH)(OH)
CF(CF(CHSi(CH)(OH)
CF(CF(CF(CHSi(CH)(OH)
CF(CF(CF(CHSi(CH)(OH)
CF(CF(CHO(CHSi(CH)(OH)
CF(CFCONH(CHSi(CH)(OH)
CF(CFCONH(CHSi(CH)(OH)
CF(CFO[CF(CF)CF(CF)O]CF(CF)CONH(CHSi(CH)(OH)
CH(CF(CHSi(CH)(OH)
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、これらの化合物は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
(金属系界面活性剤と相互作用し得る化合物(C))
本発明に用いる、「金属系界面活性剤と相互作用し得る化合物(C)」としては、金属系界面活性剤(A)の金属部分又は加水分解性基部分と配位結合や水素結合等を介して相互作用をすることにより、加水分解性基又は水酸基を活性化させ、縮合を促進させる作用を有する化合物であれば、特に制限されない。
本発明においては、前記化合物として、金属水酸化物、金属アルコキシド類、金属アルコキシド類の部分加水分解生成物、シラノール縮合触媒及び酸触媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましく、金属アルコキシド類、金属アルコキシド類の部分加水分解生成物の少なくとも1種を用いるのがより好ましい。
金属水酸化物としては、特に限定されないが、Ti(OH),Zr(OH),Al(OH)などが挙げられる。
金属アルコキシド類としては、特に限定されないが、透明性に優れる有機薄膜を得ることができること等の理由から、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素、鉄、ゲルマニウム、インジウム、スズ、タンタル、亜鉛、タングステン及び鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属のアルコキシド類が好ましい。
金属アルコキシド類のアルコキシ基の炭素数は特に限定されないが、含有酸化物濃度、有機物の脱離容易性、入手容易性等から、炭素数1〜4のものがより好ましい。
本発明に用いる金属アルコキシド類の具体例としては、Si(OCH、Si(OC、Si(OC−i)、Si(OC−t)等のケイ素アルコキシド;Ti(OCH、Ti(OC、Ti(OC−i)、Ti(OC等のチタンアルコキシド;Ti[OSi(CH、Ti[OSi(C等のテトラキストリアルキルシロキシチタン;Zr(OCH、Zr(OC、Zr(OC、Zr(OC等のジルコニウムアルコキシド;Al(OCH、Al(OC、Al(OC−i)、Al(OC等のアルミニウムアルコキシド;Ge(OC等のゲルマニウムアルコキシド;In(OCH、In(OC、In(OC−i)、In(OC等のインジウムアルコキシド;Sn(OCH、Sn(OC、Sn(OC−i)、Sn(OC等のスズアルコキシド;Ta(OCH、Ta(OC、Ta(OC−i)、Ta(OC等のタンタルアルコキシド;W(OCH、W(OC、W(OC−i)、W(OC等のタングステンアルコキシド;Zn(OC等の亜鉛アルコキシド;Pb(OC等の鉛アルコキシド;等が挙げられる。これらの金属アルコキシド類は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また本発明においては、金属アルコキシド類として、2種以上の金属アルコキシド類の反応により得られる複合アルコキシド、1種もしくは2種以上の金属アルコキシド類と、1種もしくは2種以上の金属塩との反応により得られる複合アルコキシド、及びこれらの組み合わせを用いることもできる。
2種以上の金属アルコキシド類の反応により得られる複合アルコキシドとしては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のアルコキシドと、遷移金属のアルコキシドとの反応により得られる複合アルコキシドや、第3B族元素の組合せにより錯塩の形で得られる複合アルコキシド等を例示することができる。
その具体例としては、BaTi(OR)、SrTi(OR)、BaZr(OR)、SrZr(OR)、LiNb(OR)、LiTa(OR)、及び、これらの組合せ、LiVO(OR)、MgAl(OR)、(RO)SiOAl(OR’)、(RO)SiOTi(OR’)、(RO)SiOZr(OR’)、(RO)SiOB(OR’)、(RO)SiONb(OR’)、(RO)SiOTa(OR’)等のケイ素アルコキシドと、前記金属アルコキシド類との反応物及びその縮重合物等が挙げられる。ここで、R及びR’はアルキル基等を表す。
1種もしくは2種以上の金属アルコキシド類と1種もしくは2種以上の金属塩との反応により得られる複合アルコキシドとしては、金属塩と金属アルコキシド類との反応により得られる化合物を例示することができる。
金属塩としては、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、シュウ酸塩等を、金属アルコキシド類としては、上述した金属アルコキシド類と同様のものをそれぞれ例示することができる。
金属アルコキシド類の部分加水分解生成物は、金属アルコキシド類を完全に加水分解する前に得られるものであって、オリゴマーの状態で存在する。
金属アルコキシド類の部分加水分解生成物の製造方法は、WO2008/059840パンフレットに記載されている。
シラノール縮合触媒としては、カルボン酸金属塩、カルボン酸エステル金属塩、カルボン酸金属塩ポリマー、カルボン酸金属塩キレート、チタン酸エステル及びチタン酸エステルキレート等を例示することができる。具体的には、酢酸第一スズ、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオクテート、ジブチルスズジアセテート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジオクテート、ジオクチルスズジアセテート、ジオクタン酸第一スズ、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルト、2−エチルヘキセン酸鉄、ジオクチルスズビスオクチリチオグリコール酸エステル塩、ジオクチルスズマレイン酸エステル塩、ジブチルスズマレイン酸塩ポリマー、ジメチルスズメルカプトプロピオン酸塩ポリマー、ジブチルスズビスアセチルアセテート、ジオクチルスズビスアセチルラウレート、チタンテトラエトキサイド、チタンテトラブトキサイド、チタンテトライソプロポキサイド、チタンビス(アセチルアセトニル)ジプロポキサイド等を例示することができる。
酸触媒としては、塩酸、硝酸、ホウ酸、ホウフッ化水素酸等の鉱酸、酢酸、ギ酸、シュウ酸、炭酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機酸等を例示することができる。さらには、光照射によって酸を発生する光酸発生剤、具体的には、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、トリフェニルホスホニウムヘキサフルオロホスフェート等を例示することができる。
(有機薄膜形成用補助剤の調製)
有機薄膜形成用補助剤は、金属系界面活性剤(A)と金属系界面活性剤と相互作用し得る化合物(C)を、有機溶媒中、水を添加することによって調製することができる。
本発明においては、前記有機薄膜形成用補助剤中、前記金属系界面活性剤(A)は0.5〜80重量%、好ましくは5〜50重量%含有される。
金属系界面活性剤と相互作用し得る化合物(C)は、金属水酸化物、金属アルコキシド類、金属アルコキシド類の部分加水分解生成物、及びシラノール縮合触媒からなる群から選ばれる少なくとも1種である場合には、金属換算で0.1ppm〜5重量%、好ましくは10ppm〜2重量%含まれる。ただし、酸触媒である場合には、前記金属系界面活性剤[(A)及び(B)]1molに対して0.001mmol〜1mol、好ましくは0.01mmol〜10mmol含まれる。
金属系界面活性剤(A)は、金属系界面活性剤と相互作用し得る化合物(C)1モルに対して、0.1〜20モルであるのが好ましく、0.5〜5.0モルであるのがより好ましい。
金属系界面活性剤と相互作用し得る化合物(C)の使用量は、WO2006/009202に記載されている量に比して少ない。
使用する水は、金属系界面活性剤(A)1モルに対して0.01〜10.0モルであり、好ましくは0.1〜5.0モルである。
反応温度は0〜100℃、反応時間は1時間〜10日である。
前記金属系界面活性剤(A)を、有機溶媒中、金属系界面活性剤と相互作用し得る化合物(C)と混合する際に、水を添加して行う方法としては、具体的には、金属系界面活性剤(A)及び金属系界面活性剤と相互作用し得る化合物(C)を含有する有機溶媒溶液に水を添加する方法等を例示することができる。
前記有機薄膜形成用補助剤の調製に用いる有機溶媒としては、炭化水素系溶媒、フッ化炭素系溶媒及びシリコーン系溶媒が好ましく、なかでも、沸点が100〜250℃のものがより好ましい。
具体的には、n−ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、石油ナフサ、ソルベントナフサ、石油エーテル、石油ベンジン、イソパラフィン、ノルマルパラフィン、デカリン、工業ガソリン、灯油、リグロイン等の炭化水素系溶媒;CBrClCF、CClFCFCCl、CClFCFCHFCl、CFCFCHCl、CFCBrFCBrF、CClFCClFCFCCl、Cl(CFCFCl)Cl、Cl(CFCFCl)CFCCl、Cl(CFCFCl)Cl等のフロン系溶媒、フロリナート(3M社製品)、アフルード(旭ガラス社製品)等のフッ化炭素系溶媒;ジメチルシリコーン、フェニルシリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリエーテルシリコーン等のシリコーン系溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの溶媒は1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、急激な反応を抑えるためには、(i)の方法において添加する水、(ii)の方法において添加する金属系界面活性剤と相互作用し得る化合物(C)は、有機溶媒等で希釈したものであるのが好ましい。
以上のようにして得られる有機薄膜形成用補助剤は、前記金属系界面活性剤(B)と相互作用し得ることが好ましい。
(水酸基含有溶液の調製)
「水酸基含有溶液」は、前記有機薄膜形成用補助剤と前記金属系界面活性剤(B)とから得ることができる。より具体的には、前記金属系界面活性剤(B)、エーテル系溶媒、有機薄膜形成用補助剤、及び水を混合し、撹拌することで、加水分解が行われて水酸基含有化合物が生成し、水酸基含有溶液を得ることができる。
その際、金属系界面活性剤(A)と(B)の合計量は、水酸基含有溶液全体の0.1〜80重量%、好ましくは0.5〜50重量%使用するが、これはWO2006/009202に記載された量の約5〜200倍である。
また、金属系界面活性剤(A)と(B)の使用比は、特に制限はないが、通常、重量比で1:10〜50,000、好ましくは、1:150〜20,000である。
本発明の水酸基含有溶液は、より具体的には、(a)前記有機薄膜形成用補助剤及び金属系界面活性剤(B)のエーテル系溶媒溶液に水を添加する方法、(b)金属系界面活性剤(B)と水の混合エーテル系溶媒溶液に、前記有機薄膜形成用補助剤を添加する方法等が挙げられる。また、急激な反応を抑えるためには、(a)の方法において添加する水、(b)の方法において添加する有機薄膜形成用補助剤は、エーテル系溶媒で希釈したものであるのが好ましい。
なお、別法として、金属系界面活性剤(A)と(B)が同一の場合は、まず有機薄膜形成用補助剤を調製することなく、少なくとも1以上の加水分解性基を有する金属系界面活性剤、金属系界面活性剤と相互作用し得る化合物(C)、水、及びエーテル系溶媒を、金属系界面活性剤の量が0.1重量%〜80重量%となるように混合し、加水分解を行って水酸基含有化合物を生成させた水酸基含有溶液を調製するという方法により行うことも可能である。
エーテル系溶媒として、具体的には、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルt−ブチルエーテル、ジメトキシエタン等を例示することができる。
本発明の水酸基含有溶液の調製に用いる水の量は、用いる金属系界面活性剤(B)、有機薄膜形成用補助剤、塗布する基材等の種類に応じて適宜決定することができる。
前記金属系界面活性剤(B)、エーテル系溶媒、有機薄膜形成用補助剤及び水の混合物の撹拌温度は、通常−100℃〜+100℃、好ましくは−20℃〜+50℃である。撹拌時間は、通常、1時間から100日である。
また、この場合においては、均一な有機薄膜形成用溶液を得るために、超音波処理を施すことも好ましい。
調製した水酸基含有溶液中に、金属酸化物等を含む析出物が生じる場合があるが、これらの析出物等の不純物は、不純物のない緻密な単分子の有機薄膜を得るためには、ここで除去しておくのが好ましい。析出物は、濾過、デカント等の操作で簡便に除去することができる。
(有機薄膜形成用溶液の調製)
加水分解反応が進行して水酸基含有化合物が増加し、水酸基の濃度が平衡になった時点で、有機溶媒で1.5〜200倍、好ましくは2〜100倍、さらに好ましくは10〜50倍に希釈して、最終的な有機薄膜形成用溶液を調整する。水酸基の濃度が平衡になる時間は、特に限定されないが、1時間〜1ヶ月である。
なお、ここで、水酸基の濃度が平衡になる状態は、加水分解前の金属系界面活性剤、たとえば、オクタデシルトリメトキシシランを標準品とした逆相HPLCを用いて、モノシラノールに相当する位置のピークを経時的に測定することにより確認することができる。
用いる有機溶媒としては、従来から用いられていた炭化水素系溶媒、フッ化炭素系溶媒及びシリコーン系溶媒以外にも、従来は用いることができなかったエステル系溶媒、ケトン系溶媒及びエーテル系溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることができるようになり、具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジブチルケトン等のケトン系溶媒;、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、メチルt−ブチルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸t−ブチルエステル等のエステル系溶媒を例示することができる。
加水分解反応が進行して水酸基含有化合物が増加し、水酸基の濃度が平衡になった時点において、仕込んだ金属系界面活性剤の水酸基含有化合物への変換割合は、5〜80重量%、好ましくは10重量%〜60重量%である。
希釈後の有機薄膜形成用溶液全体に対する金属系界面活性剤(A)と(B)の合計仕込み量は、0.05重量%〜50重量%、好ましくは0.1〜10重量%であり、加水分解反応が進行して生成した水酸基含有化合物の量は20ppm〜6重量%、好ましくは50ppm〜1重量%であり、金属系界面活性剤と相互反応しうる化合物(C)の量は、金属水酸化物、金属アルコキシド類、金属アルコキシド類の部分加水分解生成物、及びシラノール縮合触媒からなる群から選ばれる少なくとも1種である場合、金属換算で0.01ppm〜8ppm、好ましくは0.03ppm〜2ppmである。
また、有機薄膜形成用溶液の水分含量は、10ppm〜5000ppmであり、10〜50ppm未満という少ない水分量でも良い。
尚、ここで示す水分含量は、前記有機溶媒溶液の一部を採取してカールフィッシャー法で測定した値を示し、その方法原理を用いた装置で測定した値であれば、測定装置については特に限定されない。
有機薄膜形成用溶液の水分含量を所定量になるように調整するか又は保持する方法としては、(i)前記有機薄膜形成用溶液に接触して水層を設ける方法、(ii)水分を含ませた保水性物質を共存させておく方法、(iii)水分を含む気体を吹き込む方法等が挙げられる。
本発明の有機薄膜形成用溶液は保存安定性に優れるものであり、40〜60日間、室温(20〜30℃)で密封保存した後においても、良好な有機薄膜を形成することができる。
(有機薄膜の形成方法)
本発明の有機薄膜形成方法は、上記のようにして得られた有機薄膜形成用溶液を基材と接触させることにより、前記基材表面に有機薄膜を形成する。
用いる基材としては、表面に活性水素を有する基材が好ましい。具体的にはアルミニウム、銅、ステンレス等の金属;セラミックス;ガラス;プラスチック;紙;天然繊維又は合成繊維;皮革;その他親水性の物質等からなる基材が挙げられる。
表面に水酸基等をもたない材質からなる基材の場合には、予め基材の表面を、酸素を含むプラズマ雰囲気中で処理したり、コロナ処理して親水性基を導入したりすることができる。親水性基としては、水酸基(−OH)が好ましいが、活性水素を有する−COOH、−CHO、=NH、−NH等の官能基等でも良い。
また、表面に活性水素をもたない基材の場合、この基材の表面に、予めSiCl、SiHCl、SiHCl、Cl−(SiClO)c−SiCl(式中、cは0又は自然数を表す。)から選ばれる少なくとも一つの化合物を接触させた後、脱塩化水素反応させることにより、表面に活性水素を有するシリカ下地層を形成しておくこともできる。
本発明の有機薄膜形成用溶液(以下、「本発明溶液」と略記する。)を基材表面に接触する方法は特に制限されず、公知の方法を用いることができる。具体的には、ディップ法、スピンコート法、スプレー法、ローラコート法、メイヤバー法、スクリーン印刷法、刷毛塗り法等が挙げられ、これらの中でも、ディップ法が好ましい。
本発明溶液を基材表面に接触する温度は、本発明溶液が安定性を保てる温度範囲であれば、特に制限されない。通常、室温から溶液の調製に用いた溶媒の還流温度までの範囲で行うことができる。接触に好適な温度とするには、本発明溶液を加熱するか、基材そのものを加熱すればよい。
また、膜形成を促進するために超音波を用いることもできる。基材表面に接触する工程は、1度に長い時間行っても、短時間の塗布を数回に分けて行ってもよい。
本発明溶液を基材表面に接触した後、膜表面に付着した余分な試剤、不純物等を除去するために、洗浄工程を設けることもできる。洗浄方法は、表面の付着物を除去できる方法であれば、特に制限されない。具体的には、用いた金属系界面活性剤を溶解し得る溶媒中に基材を浸漬させる方法;真空中又は常圧下で大気中に放置して蒸発させる方法;乾燥窒素ガス等の不活性ガスを吹き付けて吹き飛ばす方法;等が挙げられる。
本発明溶液を基材上に接触又は洗浄した後は、基材表面上に形成された膜を安定化させるために、基材を加熱するのが好ましい。加熱する温度は、基材、形成された有機薄膜の安定性等によって適宜選択することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例によって限定されるものではない。
[実施例1]
1)水酸基含有溶液合成
500mlの四つ口フラスコに、室温でオクタデシルトリメトキシシラン(Gelest社製:純度95%、以下ODSという)46.9g(120mmol)を仕込み、テトラヒドロフラン(THF)87gを加えて希釈した。
一方、200mlの四つ口フラスコに、室温でODS16.1g(43.0mmol)を仕込み、テトライソプロポキシチタン(日本曹達社製)5.8g(17.2mmol)を加え、芳香族炭化水素系溶媒(ソルベッソ(登録商標)150、エクソンモービル社製)76.4gを加えて希釈した。この溶液に25℃で蒸留水1.7gを加え、60℃で5時間反応させて有機薄膜形成用補助剤を得た。
前記有機薄膜形成用補助剤をソルベッソ(登録商標)150で100倍に希釈した溶液14.1g、純水2.0g(110mmol)を前記ODSのTHF溶液に加え攪拌して、室温で7日間撹拌して水酸基含有溶液(A)を得た。
2)薄膜形成溶液の調製
100mlの四つ口フラスコに、室温で酢酸エチル24.5gを仕込み、前記水酸基含有溶液(A)0.5gを加え撹拌し、均一な有機薄膜形成溶液(B−1)を得た。
[実施例2]
100mlの四つ口フラスコに、室温で酢酸ブチル24.5gを仕込み、前記水酸基含有溶液(A)0.5gを加え撹拌し、均一な有機薄膜形成溶液(B−2)を得た。
[実施例3]
100mlの四つ口フラスコに、室温でメチルエチルケトン24.5gを仕込み、前記水酸基含有溶液(A)0.5gを加え撹拌し、均一な有機薄膜形成溶液(B−3)を得た。
[実施例4]
100mlの四つ口フラスコに、室温でメチルイソブチルケトン24.5gを仕込み、前記水酸基含有溶液(A)0.5gを加え撹拌し、均一な有機薄膜形成溶液(B−4)を得た。
[実施例5]
100mlの四つ口フラスコに、室温でジメトキシエタン24.5gを仕込み、前記水酸基含有溶液(A)0.5gを加え撹拌し、均一な有機薄膜形成溶液(B−5)を得た。
[実施例6]
UVオゾン処理を行なったSi単結晶ウエハー、SUS304、ニッケル基材を、前記有機薄膜形成溶液(B−1)に表1に示す所定時間浸漬し、炭化水素系溶媒(NSクリーン(登録商標)100、JX日鉱日石エネルギー社製)で洗浄後に60℃で乾燥させて、有機薄膜形成基材を得た。
成膜面における静的接触角を接触角測定器(Drop Master 700、協和界面科学社製)で測定した結果を第1表に示す。
[実施例7]
30mlのガラス製容器に、α−アルミナ(和光純薬製、平均粒径:1〜2μm)1.0gと前記有機薄膜形成溶液(B−1)10gを仕込み、室温で24時間撹拌した。
その後、減圧濾過でアルミナを分離し、酢酸エチルで洗浄、真空下60℃で5時間乾燥して有機薄膜形成アルミナ粉末(C−1)を得た。
この有機薄膜形成アルミナ粉末を薬包紙上で平らに成形し、純水を一滴垂らしたところ、アルミナ上で液滴を形成し、C−1が撥液性を示すことが確認することができた。一方、無処理のアルミナ粉末に上記と同様の操作を行なったところ、純水はアルミナに浸み込み液滴を形成しなかった。その試験結果を図1及び図2に示す。
得られた有機薄膜形成アルミナ粉末(C−1)の赤外吸収スペクトル(IR)を測定した結果、2850cm−1と2917cm−1にピークが確認でき、オクタデシル基のメチレンがオールトランス構造で、規則的に配列していることが確認できた。
[実施例8]
30mlのガラス製容器に、α−アルミナ(和光純薬製、平均粒径:1〜2μm)1.0gと前記有機薄膜形成溶液(B−2)10gを仕込み、室温で24時間撹拌した。
その後、減圧濾過でアルミナを分離し、酢酸ブチルで洗浄、真空下60℃で5時間乾燥して有機薄膜形成アルミナ粉末(C−2)を得た。
この有機薄膜形成アルミナ粉末を薬包紙上で平らに成形し、純水を一滴垂らしたところ、アルミナ上で液滴を形成し、C−1が撥液性を示すことが確認することができた。
得られた有機薄膜形成アルミナ粉末のIRの測定を行った結果、2850cm−1と2917cm−1にピークが確認でき、オクタデシル基のメチレンがオールトランス構造で、規則的に配列していることが確認できた。
[実施例9]
30mlのガラス製容器に、α−アルミナ(和光純薬製、平均粒径:1〜2μm)1.0gと前記有機薄膜形成溶液(B−3)10gを仕込み、室温で24時間撹拌した。
その後、減圧濾過でアルミナを分離し、メチルエチルケトンで洗浄、真空下60℃で5時間乾燥して有機薄膜形成アルミナ粉末(C−3)を得た。
[実施例10]
30mlのガラス製容器に、α−アルミナ(和光純薬製、平均粒径:1〜2μm)1.0gと前記有機薄膜形成溶液(B−4)10gを仕込み、室温で24時間撹拌した。
その後、減圧濾過でアルミナを分離し、メチルイソブチルケトンで洗浄、真空下60℃で5時間乾燥して有機薄膜形成アルミナ粉末(C−4)を得た。
[実施例11]
30mlのガラス製容器に、α−アルミナ(和光純薬製、平均粒径:1〜2μm)1.0gと前記有機薄膜形成溶液(B−5)10gを仕込み、室温で24時間撹拌した。
その後、減圧濾過でアルミナを分離し、ジメトキシエタンで洗浄、真空下60℃で5時間乾燥して有機薄膜形成アルミナ粉末(C−5)を得た。
[C−3〜C−5の評価]
実施例9〜11で得られた有機薄膜形成アルミナ粉末C−3〜C−5を、それぞれ薬包紙上で平らに成形し、純水を一滴垂らしたところ、アルミナ上で液滴を形成し、C−3〜C−5が撥液性を示すことが確認することができた。。
C−3〜C−5のIRの測定を行った結果、何れも2850cm−1と2917cm−1にピークが確認でき、オクタデシル基のメチレンがオールトランス構造で、規則的に配列していることが確認できた。

Claims (10)

  1. 1)エーテル系溶媒中、下記a)、b)及びc)を、水酸基含有溶液中の(A)と(B)の合計量が0.1重量%〜80重量%となるように混合し、加水分解を行って水酸基含有化合物を生成させた水酸基含有溶液を調製する工程、
    a) 有機溶媒中、少なくとも1以上の加水分解性基を有する金属系界面活性剤(A)と金属系界面活性剤と相互作用し得る化合物(C)を含有する有機薄膜形成用補助剤、
    b)少なくとも1以上の加水分解性基を有する金属系界面活性剤(B)、
    c)水
    2)上記1)の工程で得られた水酸基含有溶液と有機溶媒(D)を混合して有機薄膜形成用溶液を調製する工程、及び
    3)上記2)の工程で得られた有機薄膜形成用溶液を基材と接触させる工程
    を含む有機薄膜形成方法。
  2. 1)エーテル系溶媒中、下記a)、b)及びc)を、水酸基含有溶液中における金属系界面活性剤(B1)の量が0.1重量%〜80重量%となるように混合し、加水分解を行って水酸基含有化合物を生成させた水酸基含有溶液を調製する工程、
    a)少なくとも1以上の加水分解性基を有する金属系界面活性剤(B1)、
    b)金属系界面活性剤と相互作用し得る化合物(C1)、
    c)水
    2)上記1)の工程で得られた水酸基含有溶液と有機溶媒(D1)有機溶媒を混合して有機薄膜形成用溶液を調製する工程、及び
    3)上記2)の工程で得られた有機薄膜形成用溶液を基板と接触させる工程
    を含む有機薄膜形成方法。
  3. 有機溶媒(D)又は(D1)が、エステル系溶媒、ケトン系溶媒及びエーテル系溶媒から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載の有機薄膜形成方法。
  4. 前記有機薄膜形成用補助剤が、有機溶媒中、前記金属系界面活性剤(A)、金属系界面活性剤と相互作用し得る化合物(C)及び水を混合して得られる請求項1に記載の有機薄膜形成方法。
  5. 有機薄膜形成用溶液中の水分含量が、10ppm〜5000ppmである請求項1又は2に記載の有機薄膜形成方法。
  6. 前記金属系界面活性剤と相互作用し得る化合物(C)又は(C1)が、金属水酸化物、金属アルコキシド類、金属アルコキシド類の部分加水分解生成物、シラノール縮合触媒及び酸触媒からなる群から選ばれる少なくとも1種であって、有機薄膜形成用補助剤中の前記(C)又は(C1)の量が金属換算で0.1ppm〜5重量%である請求項1又は2に記載の有機薄膜形成方法。
  7. 前記金属系界面活性剤と相互作用し得る化合物(C)又は(C1)が酸触媒であって、前記金属系界面活性剤[(A)及び(B)、又は(B1)]1molに対して0.001mmol〜1molである請求項1又は2に記載の有機薄膜形成方法。
  8. 前記金属アルコキシド類又は金属アルコキシド類の部分加水分解生成物の金属が、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素、鉄、ゲルマニウム、インジウム、スズ、タンタル、亜鉛、タングステン及び鉛からなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項6に記載の有機薄膜形成方法。
  9. 前記金属系界面活性剤(A)が、式(I)
    〔式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数1〜30のハロゲン化炭化水素基、連結基を含む炭化水素基又は連結基を含むハロゲン化炭化水素基を表し、Mは、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、チタン原子及びジルコニウム原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を表し、Xは水酸基又は加水分解性基を表し、mはMの原子価を表す。nは1から(m−1)の正整数を表し、nが2以上のとき、各Rは同一でも相異なっていてもよく、(m−n)が2以上のとき、各Xは同一でも相異なっていてもよい。〕で示される化合物又はそのオリゴマーである請求項1に記載の有機薄膜形成方法。
  10. 前記金属系界面活性剤(B)又は(B1)が、式(III)
    〔式中、R11は、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基、置換基を有していてもよい炭素数1〜30のハロゲン化炭化水素基、連結基を含む炭化水素基又は連結基を含むハロゲン化炭化水素基を表し、Mは、ケイ素原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、チタン原子及びジルコニウム原子からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属原子を表し、Xは、水酸基又は加水分解性基を表し、mはMの原子価を表す。nは1から(m−1)の正整数を表し、nが2以上のとき、各R11は同一でも相異なっていてもよく、(m−n)が2以上のとき、各Xは同一でも相異なっていてもよい。〕で示される化合物又はそのオリゴマーである請求項1又は2に記載の有機薄膜形成方法。
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JP2004323250A (ja) * 2003-04-21 2004-11-18 Central Glass Co Ltd 滑水性被膜の製造方法および滑水性被膜形成用塗布液
WO2013057945A1 (ja) * 2011-10-18 2013-04-25 日本曹達株式会社 表面被覆処理した無機粉体

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