JP2016016380A - 部位選択的に助触媒金属が担持されたメソポーラス金属酸化物、その製造方法、及びその使用 - Google Patents

部位選択的に助触媒金属が担持されたメソポーラス金属酸化物、その製造方法、及びその使用 Download PDF

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健 堤
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Abstract

【課題】本発明は、触媒能の高い金属担持メソポーラス金属酸化物を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、第1の助触媒金属と第2の助触媒金属とを担持したメソポーラス金属酸化物の製造方法であって、溶媒中で第1の助触媒金属の錯体と界面活性剤とを混合して金属錯体−界面活性剤混合物を得る工程、得られた金属錯体−界面活性剤混合物と金属塩とを混合して固体を得る工程、得られた固体から界面活性剤及び錯体配位子を除去して第1の助触媒金属を担持したメソポーラス金属酸化物を得る工程、得られた第1の助触媒金属を担持したメソポーラス金属酸化物と第2の助触媒金属の金属コロイド分散液とを混合して固体を含む混合物を得る工程、及び得られた固体を含む混合物から溶媒及び分散剤を除去して第1の助触媒金属と第2の助触媒金属とを担持したメソポーラス金属酸化物を得る工程を含む前記メソポーラス金属酸化物の製造方法、並びに該方法によって得られた第1の助触媒金属と第2の助触媒金属とを担持したメソポーラス金属酸化物に関する。
【選択図】図1

Description

本発明は、部位選択的に助触媒金属が担持されたメソポーラス金属酸化物、その製造方法、及びその使用に関する。
近年、経済活動によるエネルギー枯渇や気候変動問題が深刻化する中、エネルギー供給、環境保全の同時早期解決が求められている。その対応策として、水素エネルギー利用システムの導入に大きな期待が集められている。現在、世界の水素の97%が天然ガス(メタン)やナフサなどの化石燃料から製造されている。そしてその主な製造方法は、水蒸気改質法である。この水蒸気改質法は、天然ガスやナフサなどの軽質な炭化水素に用いられ、高温、触媒存在下で原料と水蒸気を反応させることにより、水素の存在比が高い改質ガスを得ることを可能にするものである。しかし、高温条件下で行うため、エネルギー損失が多い。また、化石燃料からの水素製造は、化石資源の枯渇問題や二酸化炭素量増加の問題を抱えている。そうした中、化石燃料を用いない水素製造には、水やバイオマスを利用した電気分解や熱化学分解、光分解などがある。光分解では、光触媒を用いて太陽光エネルギーにより、水やメタノール、グルコースを分解し水素を得る方法である。しかしこの方法は、現状ではエネルギー効率が低いという問題があった。
光触媒のうち、特に酸化チタン(TiO2)は適切なバンドポテンシャルを有し、光反応過程で安定であること、安価かつ無毒であることから、水素生成光触媒として精力的に研究が進められている。酸化チタンの触媒活性向上法としては、金属担持が一般的に知られている。これは、高い仕事関数を有する金属の電子受容能を利用したものである。つまり、光励起により生じた伝導バンド(CB)の電子が担持金属に移動することで、価電子バンド(VB)の正孔との再結合が抑えられ、活性な電荷分離状態が長寿命化することに起因する。特に白金を担持させた場合に水素生成量収率が最も高いことが報告されている(非特許文献1:Arakawa, H. Chem. Phys. Lett., 371, 360 (2003))。
従来からメソポーラス金属酸化物は、ガス浄化材料、吸着剤、分離剤、及び触媒などの様々な用途に用いられてきた。このようなメソポーラス金属酸化物としては、より高い吸着、触媒性能を発揮させるという観点から、一次元チャンネル構造のものに比べて三次元チャンネル構造を有するものの方が有利であると考えられている。そのため、種々の三次元チャンネル構造を有するメソポーラス金属酸化物が研究され、その製造方法が開示されてきた。
メソポーラス酸化チタン触媒は、界面活性剤が溶媒中で形成する液晶を鋳型としてチタンアルコキシドのゾル・ゲル反応により合成されることが報告されている(非特許文献2:L. Wang, Chem. Lett., 1414 (2000))。Yoshikawaらはゾル・ゲル反応過程で担持用試薬として一般に使用されているH2PtCl6を加えることによる白金担持法を報告している(非特許文献3:S. Yoshikawa, Int. J. Hydrogen Energy, 31, 786 (2006))。また、界面活性剤の濃厚溶液中でシリカを重合することにより得られるメソポーラスシリカ(MCM-41)が知られている(非特許文献4:C. T. Kresge, Nature, 359, 710 (1992))。
このような従来の方法を応用し、部位選択的に金属を担持させた金属担持メソポーラス金属酸化物が開発されている(特許文献1:特開2013-173128号公報)。
特開2013-173128号公報
Arakawa, H. Chem. Phys. Lett., 371, 360 (2003) L. Wang, Chem. Lett., 1414 (2000) S. Yoshikawa, Int. J. Hydrogen Energy, 31, 786 (2006) C. T. Kresge, Nature, 359, 710 (1992)
光反応では、光励起電子による還元反応と同時に正孔による酸化反応も進行する。これらの還元反応、酸化反応を促進する助触媒金属を担持することで酸化チタン触媒活性の更なる向上が期待される。一般的な金属担持方法では、触媒と所定量の金属試薬を溶媒中で混合し、溶媒留去、あるいは化学的還元により触媒に金属を固着、焼成処理する方法が行われる。しかしながら、この方法では、異なる種類の金属を担持した場合、金属試薬が均一に混合され、それぞれの金属を別々に所望の部位に固定化することができず、金属の担持部位を選択制御することは不可能である。異なる金属が同時に担持された状態では、助触媒機能が阻害されると共に、逆反応も促進される。これより、本発明は、異なる助触媒金属を部位選択的に担持した触媒能の高い金属担持メソポーラス金属酸化物を提供することを目的とする。
本発明者らは、メソポーラス金属酸化物を調製する際に鋳型として使用される界面活性剤に第1の助触媒金属の錯体を加えて混合組織化させ鋳型とすることでメソポーラス金属酸化物の細孔内部に選択的に第1の助触媒金属を担持し、得られた第1の助触媒金属を担持したメソポーラス金属酸化物と第2の助触媒金属の金属コロイド分散液とを混合することで、メソポーラス金属酸化物の細孔外部に第2の助触媒金属を担持できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)第1の助触媒金属と第2の助触媒金属とを担持したメソポーラス金属酸化物の製造方法であって、
溶媒中で第1の助触媒金属の錯体と界面活性剤とを混合して金属錯体−界面活性剤混合物を得る工程、
得られた金属錯体−界面活性剤混合物と金属塩とを混合して固体を得る工程、
得られた固体から界面活性剤及び錯体配位子を除去して第1の助触媒金属を担持したメソポーラス金属酸化物を得る工程、
得られた第1の助触媒金属を担持したメソポーラス金属酸化物と第2の助触媒金属の金属コロイド分散液とを混合して固体を含む混合物を得る工程、及び
得られた固体を含む混合物から溶媒及び分散剤を除去して第1の助触媒金属と第2の助触媒金属とを担持したメソポーラス金属酸化物を得る工程
を含む前記メソポーラス金属酸化物の製造方法。
(2)金属酸化物が酸化チタンであり、金属塩がテトラアルコキシチタンであり、界面活性剤が長鎖アルキルアミン又はアルキルアンモニウム塩であり、第1の助触媒金属の錯体が長鎖アルカンチオールと白金との錯体であり、第2の助触媒金属の金属コロイド分散液が金コロイド分散液又はルテニウムコロイド分散液である(1)に記載のメソポーラス金属酸化物の製造方法。
(3)(1)又は(2)に記載の方法によって製造された、メソポーラス金属酸化物。
(4)メソポーラス金属酸化物と、メソポーラス金属酸化物の細孔内に選択的に担持された第1の助触媒金属と、メソポーラス金属酸化物の細孔外に担持された第2の助触媒金属とを含む第1の助触媒金属と第2の助触媒金属とを担持したメソポーラス金属酸化物。
(5)第1の助触媒金属が白金であり、第2の助触媒金属が金又はルテニウムであり、金属酸化物が酸化チタンである、(3)又は(4)に記載のメソポーラス金属酸化物。
(6)第2の助触媒金属の担持量が金属酸化物に対して0.01〜0.2wt%である(3)〜(5)のいずれかに記載のメソポーラス金属酸化物。
(7)(3)〜(6)のいずれかに記載のメソポーラス金属酸化物を用いて水、メタノール又はグルコースから水素を製造する方法。
(8)第2の助触媒金属が金である、(7)の方法。
本発明により、触媒能の高い金属担持メソポーラス金属酸化物が提供される。
部位選択的Pt/Au(Ru)担持メソポーラス酸化チタン触媒の合成スキームを示す。 実施例1〜14並びに比較例1及び2で合成した部位選択的Pt/Au(Ru)担持メソポーラス酸化チタン触媒のXRD(X線回折)分析の結果を示す。 実施例2並びに比較例1及び2で合成した部位選択的Pt/Au担持メソポーラス酸化チタン触媒の窒素吸脱着等温線及び細孔径分布(BJH法)を示す。 実施例7及び14並びに比較例1で合成した部位選択的Pt/Au(Ru)担持メソポーラス酸化チタン触媒に対し、透過型電子顕微鏡でTEM分析を行った結果を示す。 実施例1〜14及び比較例1で合成した部位選択的Pt/Au(Ru)担持メソポーラス酸化チタン触媒について、メタノール犠牲剤を用いて光触媒反応を行った場合における、Au(Ru)担持量の違いに対する水素生成量の変化を示す。 実施例1〜14及び比較例1で合成した部位選択的Pt/Au(Ru)担持メソポーラス酸化チタン触媒について、グルコース犠牲剤を用いて光触媒反応を行った場合における、Au(Ru)担持量の違いに対する水素生成量の変化を示す。
本発明の第1の助触媒金属と第2の助触媒金属とを担持したメソポーラス金属酸化物の製造方法は、溶媒中で第1の助触媒金属の錯体と界面活性剤を混合する工程を含む。界面活性剤としては、メソポーラス金属酸化物の調製において使用されるものが好ましい。メソポーラス金属酸化物の調製において界面活性剤は、反応系の均一分散とメソ細孔の形成のための鋳型として用いられる。例えば、非イオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、及びアニオン界面活性剤を使用できる。界面活性剤は、一種又は二種以上を組み合わせて使用できる。
非イオン界面活性剤としては、長鎖有機アミン、好ましくは長鎖脂肪族アミンが挙げられる。長鎖脂肪族アミンとしては、炭素数6〜26、好ましくは10〜20の炭化水素基、好ましくは脂肪族基を有する長鎖脂肪族アミン、例えば長鎖アルキルアミン、長鎖アルケニルアミン、及び長鎖アルキニルアミンが挙げられる。このような脂肪族基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であってもよいが、直鎖状のものが好ましい。また、長鎖有機アミンは、第1級アミンであっても、第2級アミンであっても、第3級アミンであってもよい。
長鎖アルキルアミン、特に炭素数6〜26、好ましくは10〜20のアルキルアミンが好ましく用いられる。長鎖アルキルアミンの具体例としては、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、メチルヘキシルアミン、オクチルアミン、メチルヘプチルアミン、ジメチルヘキシルアミン、ノニルアミン、メチルオクチルアミン、エチルヘプチルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、N,N'-ジメチル-n-へキシルアミン、N,N’-ジメチル-n-オクチルアミン、N,N'-ジメチル-n-デシルアミン、N,N’-ジメチル-n-ドデシルアミン、N,N’-ジメチル-n-テトラデシルアミン、N,N’-ジメチル-n-パルミチルアミンなどが挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、第四級アンモニウム型界面活性剤が挙げられる。第四級アンモニウム型界面活性剤としては、炭素数6〜26、好ましくは10〜20の炭化水素基、好ましくは脂肪族基、特に長鎖アルキル基、例えば炭素数6〜26、好ましくは10〜20のアルキル基を有するアルキルアンモニウム塩、アルキルトリメチルアンモニウム塩及びジアルキルジメチルアンモニウム塩が挙げられる。アンモニウム塩としては、アンモニウムクロリド、アンモニウムブロミド、アンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。長鎖アルキル基を有するアルキルアンモニウム塩の具体例としては、ヘキシルアンモニウムクロリド、オクチルアンモニウムクロリド、デシルアンモニウムクロリド、ドデシルアンモニウムクロリド、テトラデシルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルアンモニウムクロリド、ステアリルアンモニウムクロリド、ヘキシルアンモニウムブロミド、オクチルアンモニウムブロミド、デシルアンモニウムブロミド、ドデシルアンモニウムブロミド、テトラデシルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルアンモニウムブロミド、ステアリルアンモニウムブロミド、ヘキシルアンモニウムヒドロキシド、オクチルアンモニウムヒドロキシド、デシルアンモニウムヒドロキシド、ドデシルアンモニウムヒドロキシド、テトラデシルアンモニウムヒドロキシド、ヘキサデシルアンモニウムヒドロキシド、ステアリルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。長鎖アルキル基を有するアルキルトリメチルアンモニウム塩の具体例としては、ヘキシルトリメチルアンモニウムクロリド、オクチルトリメチルアンモニウムクロリド、デシルトリメチルアンモニウムクロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ヘキシルトリメチルアンモニウムブロミド、オクチルトリメチルアンモニウムブロミド、デシルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロミド、ヘキシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、オクチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、デシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ドデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ステアリルトリメチルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。長鎖アルキル基を有するジアルキルジメチルアンモニウム塩としては、ジヘキシルジメチルアンモニウムクロリド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロリド、ジドデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジテトラデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキシルジメチルアンモニウムブロミド、ジオクチルジメチルアンモニウムブロミド、ジドデシルジメチルアンモニウムブロミド、ジテトラデシルジメチルアンモニウムブロミド、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムブロミド、ジヘキシルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ジオクチルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ジドデシルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ジテトラデシルジメチルアンモニウムヒドロキシド、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムヒドロキシドなどが挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、スルホン酸型界面活性剤、硫酸エステル型界面活性剤、カルボン酸型界面活性剤及びリン酸エステル型界面活性剤が挙げられる。スルホン酸型界面活性剤、硫酸エステル型界面活性剤、カルボン酸型界面活性剤及びリン酸エステル型界面活性剤としては、炭素数6〜26、好ましくは10〜20の炭化水素基、好ましくは脂肪族基、特に長鎖アルキル基、例えば炭素数6〜26、好ましくは6〜12のアルキル基を有するアルキルスルホン酸塩、硫酸エステル塩、硫酸塩、リン酸塩、リン酸エステル、及びカルボン酸塩が挙げられる。スルホン酸塩としては、スルホン酸ナトリウム、スルホン酸カリウムなど、硫酸塩としては、硫酸ナトリウム、硫酸カリウムなど、カルボン酸塩としてはカルボン酸ナトリウム、カルボン酸カリウム、リン酸塩としてはリン酸ナトリウム、リン酸カリウムなどが挙げられる。スルホン酸塩の具体例としては、ヘキシルスルホン酸ナトリウム、オクチルスルホン酸ナトリウム、デシルスルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、テトラデシルスルホン酸ナトリウム、ヘキサデシルスルホン酸ナトリウム、ステアリルスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、クメンスルホン酸ナトリウム、オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンジスルホン酸二ナトリウム、ナフタレントリスルホン酸三ナトリウム、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ヘキシルスルホン酸カリウム、オクチルスルホン酸カリウム、デシルスルホン酸カリウム、ドデシルスルホン酸カリウム、テトラデシルスルホン酸カリウム、ヘキサデシルスルホン酸カリウム、ステアリルスルホン酸カリウム、トルエンスルホン酸カリウム、クメンスルホン酸カリウム、オクチルベンゼンスルホン酸カリウム、ナフタレンスルホン酸カリウム、ナフタレンジスルホン酸二カリウム、ナフタレントリスルホン酸三カリウム、ブチルナフタレンスルホン酸カリウムなどが挙げられる。硫酸エステル塩の具体例としては、ヘキシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、デシル硫酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ヘキサデシル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェノールスルホン酸ナトリウム、ヘキシル硫酸カリウム、オクチル硫酸カリウム、デシル硫酸カリウム、ドデシル硫酸カリウム、テトラデシル硫酸カリウム、ヘキサデシル硫酸カリウム、ステアリル硫酸カリウム、ラウレス硫酸カリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェノールスルホン酸カリウムなどが挙げられる。カルボン酸塩の具体例としては、オクタン酸ナトリウム、デカン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、N-ラウロイルサルコシンナトリウム、ココイルグルタミン酸ナトリウム、オクタン酸カリウム、デカン酸カリウム、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、パルミチン酸カリウム、ステアリン酸カリウム、ペルフルオロノナン酸カリウム、N-ラウロイルサルコシンカリウム、ココイルグルタミン酸カリウムなどが挙げられる。リン酸塩の具体例としては、ヘキシルリン酸ナトリウム、オクチルリン酸ナトリウム、デシルリン酸ナトリウム、ドデシルリン酸ナトリウム、テトラデシルリン酸ナトリウム、ヘキサデシルリン酸ナトリウム、ヘキシルリン酸カリウム、オクチルリン酸カリウム、デシルリン酸カリウム、ドデシルリン酸カリウム、テトラデシルリン酸カリウム、ヘキサデシルリン酸カリウムなどが挙げられる。
第1の助触媒金属の錯体は、用いる界面活性剤と親和性を有するものが好ましい。例えば、官能基を有する長鎖脂肪族化合物と助触媒金属化合物とを反応させて得られる金属錯体を使用できる。金属錯体は、一種又は二種以上を組み合わせて使用できる。ここで、官能基を有する長鎖脂肪族化合物は、配位子として機能する。官能基は、使用する助触媒金属化合物と錯体形成し易いものを選択することが好ましい。官能基の具体例としては、チオール基、アミノ基、カルボン酸基、ホスホン酸基、ホスフィンオキシド基、ニトリル基、スルホン酸基及びチオシアネート基が挙げられる。長鎖脂肪族化合物としては、炭素数6〜26、好ましくは10〜20の脂肪族化合物、特に直鎖状脂肪族化合物が挙げられる。脂肪族化合物には、アルカン、アルケン、アルキン及びポリエーテルが含まれる。官能基はこれらの脂肪族化合物の水素原子と置換される。官能基は、長鎖脂肪族化合物の末端に存在することが好ましい。脂肪族化合物の鎖長は、界面活性剤の鎖長に近いものが好ましい。例えば、脂肪族化合物の主鎖の原子数が、界面活性剤の主鎖の原子数と等しいか1〜3個多いか少ないものが好ましい。界面活性剤として長鎖アルキルアミン又はアルキルアンモニウム塩を用いる場合、これらの界面活性剤におけるアルキル基における炭素数と等しいか1〜3個多いか少ない炭素数を有する直鎖アルカンチオールが好ましく用いられる。
本発明において第1の助触媒金属は、触媒に加えることによって触媒性能を向上させる機能を有する。本発明では、光触媒において助触媒となる一般的な金属化合物、例えば、周期表2A族元素(マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなど)、遷移金属化合物や、ホウ素化合物などのように周期表3B族元素(ホウ素B、アルミニウムAlなど)を含む化合物を使用できる。第1の助触媒となる金属化合物は、一種又は二種以上を組み合わせて使用できる。触媒である金属酸化物に第1の助触媒となる金属を担持させることで、水素添加還元反応が効率よく進むと考えられる。本発明においては仕事関数の大きな金属を用いることが好ましい。仕事関数とは、フェルミ準位にある金属内電子を固体外部の真空へ移すのに必要な仕事のことを言う。通常電子ボルト(eV)単位で表され、仕事関数の大きさは、固体内における電子の結合エネルギーと固体表面に形成される電気二重層を電子が通過するのに要するエネルギーに大きく左右される。また、固体内における電子相関による影響を受ける。その値は熱電子放出(thermionic:TE)、光電子放出 (photo emission:PE )、接触電位差(contact potential difference:CP)又は電界放出(field emission:FE)より得られる。
遷移金属化合物の元素としては、例えば、周期表3A族元素(例えば、スカンジウムSc、イットリウムY、ランタンLa、セリウムCe、サマリウムSmなどのランタノイド元素、アクチニウムAcなどのアクチノイド元素)、周期表4A族元素(ジルコニウムZr、ハフニウムHfなど)、5A族元素(バナジウムV、ニオブNb、タンタルTaなど)、6A族元素(クロムCr、モリブデンMo、タングステンWなど)、7A族元素(マンガンMn、テクネチウムTc、レニウムReなど)、8族元素(鉄Fe、ルテニウムRu、オスミウムOs、コバルトCo、ロジウムRh、イリジウムIr、ニッケルNi、パラジウムPd、白金Ptなど)、1B族元素(銅Cu、銀Ag、金Auなど)、2B族元素(亜鉛Zn、カドミウムCdなど)などが挙げられる。
第1の助触媒金属の錯体の材料は、前記元素を含み、かつ酸化能を有する限り特に制限されず、金属単体、水酸化物などであってもよいが、通常、前記元素を含む金属酸化物(複酸化物又は酸素酸塩)、有機酸塩、無機酸塩、ハロゲン化物、前記金属元素を含む配位化合物やヘテロポリ酸(特にイソポリ酸)又はその塩などである場合が多い。
また、ホウ素化合物としては、例えば、水素化ホウ素(例えば、ボラン、ジボラン、テトラボラン、ペンタボラン、デカボランなど)、ホウ酸(オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸など)、ホウ酸塩(例えば、ホウ酸ニッケル、ホウ酸マグネシウム、ホウ酸マンガンなど)、B2O3などのホウ素酸化物、ボラザン、ボラゼン、ボラジン、ホウ素アミド、ホウ素イミドなどの窒素化合物、BF3、BCl3、テトラフルオロホウ酸塩などのハロゲン化物、ホウ酸エステル(例えば、ホウ酸メチル、ホウ酸フェニルなど)などが挙げられる。
水酸化物には、例えば、Mn(OH)2、MnO(OH)、Fe(OH)2、Fe(OH)3などが含まれる。金属酸化物には、例えば、Sm2O3、ZrO2、V2O3、V2O5、CrO、Cr2O3、MoO3、MnO、Mn3O4、Mn2O3、MnO2、Mn2O7、FeO、Fe2O3、Fe3O4、RuO2、RuO4、CoO、CoO2、Co2O3、RhO2、Rh2O3、Cu2O3などが含まれ、複酸化物又は酸素酸塩としては、例えば、MnAl2O4、MnTiO3、LaMnO3、K2Mn2O5、CaO・xMnO2(x=0.5、1、2、3、5)、マンガン酸塩[例えば、Na3MnO4、Ba3(MnO4)2などのマンガン(V)酸塩、K2MnO4、Na2MnO4、BaMnO4などのマンガン(VI)酸塩、KMnO4、NaMnO4、LiMnO4、NH4MnO4、CsMnO4、AgMnO4、Ca(MnO4)2、Zn(MnO4)2、Ba(MnO4)2、Mg(MnO4)2、Cd(MnO4)2などの過マンガン酸塩]が含まれる。
有機酸塩としては、例えば、酢酸コバルト、酢酸マンガン、プロピオン酸コバルト、プロピオン酸マンガン、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸マンガン、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸マンガンなどのC2-20脂肪酸塩、チオシアン酸マンガンや対応するCe塩、Zr塩、V塩、Cr塩、Mo塩、Fe塩、Ru塩、Ni塩、Pd塩、Cu塩、Zn塩などが例示され、無機酸塩としては、例えば、硝酸コバルト、硝酸鉄、硝酸マンガン、硝酸ニッケル、硝酸銅などの硝酸塩やこれらに対応する硫酸塩、リン酸塩及び炭酸塩(例えば、硫酸コバルト、硫酸鉄、硫酸マンガン、リン酸コバルト、リン酸鉄、リン酸マンガン、炭酸鉄、炭酸マンガン、過塩素酸鉄など)が挙げられる。また、ハロゲン化物としては、例えば、PtCl2、SmCl3、SmI2、ZrCl2、ZrOCl2、VCl3、VOCl2、MnCl2、MnCl3、FeCl2、FeCl3、RuCl3、CoCl2、RhCl2、RhCl3、NiCl2、PdCl2、CuCl、CuCl2などの塩化物や、これらに対応するフッ化物、臭化物やヨウ化物(例えば、PtF2、PtBr2、PtI2、MnBr2、MnF3、FeF2、FeF3、FeBr2、FeBr3、FeI2、CuBr、CuBr2など)などのハロゲン化物、M1MnCl3、M12MnCl4、M12MnCl5、M12MnCl6(M1は一価金属を示す)などの複ハロゲン化物などが挙げられる。
本発明においては、第1の助触媒金属の錯体の材料は、Pt、Pd、Ni、Rh、Ru、Cu及びAgから選択される元素を含む金属化合物、特にPtを含む金属化合物が好ましい。Ptの塩、例えば、塩化物、臭化物、ヨウ化物及びフッ化物などのハロゲン化物、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩、アンモニウム塩、及びアルコキシドなどが挙げられる。
金属化合物としてPtCl2を用いる場合、金属錯体の形成に用いる長鎖脂肪族化合物は、官能基としてチオール基を有するものが好ましく、特に長鎖アルカンチオールを用いるのが好ましい。具体的には、炭素数6〜26、好ましくは10〜20のアルカンチオールが好ましく用いられる。
第1の助触媒金属の錯体は、通常、前記金属化合物と前記長鎖脂肪族化合物とを溶媒中で反応させることにより生成させることができる。溶媒は特に制限されないが、例えば、水、塩化メチレン、トリクロロエチレン、及びテトラクロロエチレンなどの塩素系溶媒、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、トルエンなどの芳香族系溶媒又はこれらの混合物を使用できる。
第1の助触媒金属の錯体において、官能基を有する長鎖脂肪族化合物(金属錯体の配位子)は、金属化合物に対し、通常0.5〜2当量で、好ましくは0.8〜1.5当量で使用される。また、界面活性剤は、金属化合物に対し、通常100〜400当量で、好ましくは200〜300当量で使用される。このようなモル比とすることにより、界面活性剤と金属錯体が効率よく組織化するとともに、金属錯体が界面活性剤液晶中で高分散される。
触媒である金属酸化物は、界面活性剤を使用したゾル−ゲル鋳型法で合成されるものであれば特に制限されないが、例えば、TiO2、SiO2、Al2O3、Nb2O5、Ta2O5、ZrO2、SnO2、Fe2O3及びWO3などが挙げられる。本発明においては、酸化チタン(TiO2)が好ましく、酸化チタンはチタニアとも称される。
まず、得られた第1の助触媒金属の錯体と、界面活性剤とを溶媒中で混合する。このとき使用する溶媒は特に制限されないが、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール又はこれらの混合物などを使用できる。金属錯体と界面活性剤は、金属錯体の溶液に界面活性剤を添加しても良く、その逆でも良い。金属錯体と界面活性剤は、組織化して金属錯体−界面活性剤液晶(複合体)を形成すると考えられる。金属錯体と界面活性剤が組織化した後、溶媒を留去などにより除去してもよい。
続いて、金属錯体−界面活性剤混合物と金属塩とを混合して沈殿物を得る。金属塩は、触媒である金属酸化物に対応するものであり、例えば、TiO2、SiO2、Al2O3、Nb2O5、Ta2O5、ZrO2、SnO2、Fe2O3及びWO3に対して、Ti、Si、Al、Nb、Ta、Zr、Sn、Fe及びWの塩をそれぞれ混合する。金属塩としての複数のものを使用してもよく、その場合は複数の金属酸化物の混合体が得られることになる。金属塩としては、前記金属の硝酸塩、硫酸塩、ハロゲン化物(塩化物、フッ化物など)、有機塩などが挙げられ、塩の除去(例えば硝酸塩、塩化物などの除去)の容易さ、安全性などの観点から、有機塩がより好ましい。また、このような有機塩としては、酢酸塩、アルコキシドなどが挙げられ、前記アルコキシドとしては、メトキシド、エトキシド、プロポキシド、イソプロポキシド、ブトキシドなどが挙げられる。金属酸化物として酸化チタンを調製する場合は、チタン(Ti)の塩、特にテトラアルコキシチタンを用いるのが好ましい。金属錯体−界面活性剤混合物と金属塩とを混合する際は、金属錯体−界面活性剤混合物に金属塩を添加しても良く、その逆でも良い。金属錯体−界面活性剤混合物と金属塩とを混合する際は、あらかじめ金属錯体−界面活性剤混合物を溶媒中に分散することが好ましい。金属錯体−界面活性剤混合物の分散液と金属塩とを混合する際は、例えば金属錯体−界面活性剤混合物の分散液に金属塩を添加する場合は、金属錯体−界面活性剤混合物の分散液を撹拌しながら行うことが好ましい。ここで使用する溶媒は特に制限されないが、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール又はこれらの混合物などが挙げられる。金属塩と混合することにより、金属錯体-界面活性剤液晶を鋳型としてメソポーラス金属酸化物が形成される。
テトラアルコキシチタンの具体例としては、テトライソプロピルオキシチタンTi(OiPr)4、テトラエトキシチタンTi(OEt)4、テトラn-ブチルオキシチタンTi(OnBu)4、テトライソブチルオキシチタンTi(OiBu)4などが挙げられる。テトラアルコキシチタンとともに、安定剤を添加することが好ましい場合もある。その場合、テトラアルコキシチタンは、あらかじめ安定剤と混合してから加えてもよく、安定剤と一緒に添加してもよい。安定剤としては、例えば、アセチルアセトンCH3COCH2COCH3が挙げられる。
金属錯体−界面活性剤混合物と金属塩とを混合した後、例えば、大気圧下で静置して沈殿物を採取することにより、あるいは30〜100℃の温度で加熱後、溶媒を留去することにより、第1の助触媒金属を担持したメソポーラス金属酸化物の前駆体としての固体を得ることができる。
続いて得られた固体から、界面活性剤及び金属錯体の配位子(官能基を有する長鎖脂肪族化合物)を除去することにより、第1の助触媒金属をメソポーラス金属酸化物の細孔内に選択的に担持させることができる。界面活性剤及び配位子の除去は、公知の方法を適宜採用することができ、例えば、加熱する方法、有機溶媒又は水で処理する方法などが挙げられる。加熱は、有機物を除去可能な条件であれば特に制限されないが、一般的な焼成工程と同様に実施することができる。例えば、300〜700℃で3〜8時間、好ましくは400〜600℃で4〜6時間で加熱処理を実施する。有機溶媒又は水で処理する方法としては、用いた界面活性剤及び配位子に対する溶解度が高い溶媒中に浸漬して抽出する方法が挙げられる。このような有機溶媒は特に制限されないが、例えば、メタノール及びエタノールなどのアルコール、ならびにアセトンなどが挙げられる。
前記方法により得られた第1の助触媒金属を担持したメソポーラス金属酸化物においては、前記金属錯体−界面活性剤液晶を鋳型としたメソポーラス構造が形成される。メソポーラス構造は、通常2〜50 nmの細孔径を有する多孔質構造をさす。本発明の助触媒金属を担持したメソポーラス金属酸化物の比表面積は特に制限されないが、通常3〜100 m2/g、好ましくは15〜100 m2/gである。
さらに、得られた第1の助触媒金属を担持したメソポーラス金属酸化物と第2の助触媒金属の金属コロイド分散液とを混合することにより、第2の助触媒金属をメソポーラス金属酸化物の細孔外部に担持できる。本発明において第2の助触媒金属は、触媒に加えることによって触媒性能を向上させる機能を有する。第2の助触媒金属の金属コロイド分散液中の第2の助触媒金属には、前記の第1の助触媒金属として列挙した元素の金属を使用することができる。第2の助触媒金属の金属コロイド分散液中の第2の助触媒金属は、一種又は二種以上の金属を組み合わせて使用できる。触媒である金属酸化物に第2の助触媒となる金属を担持させることで、金属酸化物表面で起こる酸化反応が効率よく進むと考えられる。例えば、第2の助触媒金属としては、金又はルテニウムを使用することが好ましく、特に、金を使用することが好ましい。金属コロイド分散液の溶媒は特に制限されないが、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール又はこれらの混合物などが挙げられる。第2の助触媒金属の金属コロイド分散液の分散剤は特に制限されないが、分子量200g/mol以上のポリマー、例えば分子量200〜50000g/molのポリエチレンイミン(PEI)、分子量200〜50000g/molのポリビニルピロリドン(PVP)などが挙げられる。第2の助触媒金属の金属コロイド分散液の金属粒子の、公知の粒度分布測定やTEM画像などから測定した平均粒子径は、通常100nm以下、好ましくは0.5nm〜50nm、さらに好ましくは1nm〜30nmである。第2の助触媒金属の分散剤を含む金属コロイド粒子の平均粒子径は10nm〜150nmが好ましい。第2の助触媒金属の金属コロイド分散剤の量は、金属コロイド分散液中の金属の全重量に対して30wt%〜95wt%が好ましい。分散剤を含む金属コロイド粒子の大きさが、第1の助触媒金属を担持したメソポーラス金属酸化物の細孔径よりも大きいことが好ましい。第1の助触媒金属を担持したメソポーラス金属酸化物と第2の助触媒金属の金属コロイド分散液とを混合する際は、第1の助触媒金属を担持したメソポーラス金属酸化物に金属コロイド分散液を添加しても良いし、その逆でも良い。第1の助触媒金属を担持したメソポーラス金属酸化物と第2の助触媒金属の金属コロイド分散液とを混合する際は、あらかじめ溶媒中に第1の助触媒金属を担持したメソポーラス金属酸化物を分散することが好ましい。このとき使用する溶媒は特に制限されないが、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール又はこれらの混合物などを使用できる。均一に分散された金属コロイド分散液を用いることで、第2の助触媒金属をメソポーラス金属酸化物の細孔外表面に均一に担持することができる。
得られた第1の助触媒金属を担持したメソポーラス金属酸化物と第2の助触媒金属の金属コロイド分散液とを混合した後、例えば、大気圧下で静置して沈殿物を採取することにより、あるいは、得られた固体を含む混合物を30〜100℃の温度で加熱して溶媒を留去することにより、第2の助触媒金属を金属酸化物の表面上に配置した第1の助触媒金属と第2の助触媒金属とを担持したメソポーラス金属酸化物の前駆体としての固体を得ることができる。第2の助触媒金属を効率よく第1の助触媒金属を担持したメソポーラス金属酸化物に担持するためには、溶媒を加熱して留去する方法が好ましい。
さらに続いて、得られた固体から分散剤を除去することにより、第2の助触媒金属をメソポーラス金属酸化物の細孔外に担持させることができる。分散剤の除去は、公知の方法を適宜採用することができ、例えば、加熱する方法、有機溶媒又は水で処理する方法などが挙げられる。加熱は、分散剤を除去可能な条件であれば特に制限されないが、一般的な焼成工程と同様に実施することができる。例えば、200〜800℃で3〜8時間、好ましくは200〜300℃で4〜6時間で加熱処理を実施する。有機溶媒又は水で処理する方法としては、用いた分散剤に対する溶解度が高い溶媒中に浸漬して抽出する方法が挙げられる。このような有機溶媒は特に制限されないが、例えば、メタノール及びエタノールなどのアルコール、ならびにアセトンなどが挙げられる。
以上の方法により製造された第1の助触媒金属と第2の助触媒金属とを担持したメソポーラス金属酸化物においては、さらに担持された金属を還元することが好ましい。Ptを担持させたメソポーラス金属酸化物の場合、例えば、メタノール/脱イオン水混合溶媒中、キセノンランプで光照射することにより、Ptを2価から0価に還元し、Ptとして析出させることができる。
本発明において金属酸化物として酸化チタンを調製する場合、メソポーラス構造中にある酸化チタンはアナターゼ型またはルチル型であり、好ましくはアナターゼ型である。酸化チタンの結晶構造には、アナターゼ型、ルチル型、ブルサイト型があり、アナターゼ型の酸化チタンを900 ℃以上で加熱するとルチル型に転移し、ブルサイト型を650 ℃以上で加熱するとルチル型に転移する。ルチル型は最安定構造であり、ルチル型に転移すると低温に戻してもルチル型を維持する。光触媒としてはアナターゼ型のほうが3.2 eVとバンドギャップが大きく、一般的に光触媒の活性は高い。
本発明の第1の助触媒金属と第2の助触媒金属とを担持したメソポーラス金属酸化物は、第1の助触媒金属が細孔内に選択的に配置/担持されており、第2の助触媒金属が細孔外に均一に配置/担持されていることを特徴とする。担持された第1の助触媒金属の70wt%以上、好ましくは80wt%以上、より好ましくは90wt%以上、さらに好ましくは95wt%以上がメソポーラス金属酸化物の細孔内に配置/担持される。最も好ましくは助触媒金属は、メソポーラス金属酸化物の細孔内にのみ選択的に配置/担持される。担持された第2の助触媒金属の70wt%以上、好ましくは80wt%以上、より好ましくは90wt%以上、さらに好ましくは95wt%以上がメソポーラス金属酸化物の細孔外に配置/担持される。最も好ましくは助触媒金属は、メソポーラス金属酸化物の細孔外にのみ配置/担持される。担持された第1の助触媒金属が細孔内に選択的に配置/担持されていることは、例えば、X線回折分析により、金属のピークの大きさを比較することにより確認できる。金属が細孔内に配置/担持されている場合、X線回折分析において金属のピークは通常小さくなる。担持された第2の助触媒金属が細孔外に配置/担持されていることは、例えば、TEM画像により確認できる。
第1の助触媒金属の担持量は、金属酸化物に対して、通常0.2〜5wt%、好ましくは0.5〜3wt%、さらに好ましくは0.8〜2.5wt%である。本発明では、第1の助触媒金属を、細孔内に選択的に担持させることが可能になる。
第2の助触媒金属の担持量は、金属酸化物に対して、通常0.005〜2.0wt%、好ましくは0.01〜0.5wt%、さらに好ましくは0.01〜0.2wt%である。本発明では、第2の助触媒金属を、細孔外に担持させることが可能になる。よって、例えば第2の助触媒金属は、メソポーラス酸化チタンにおいて、酸化チタン表面上で起こる反応を効率良く触媒することができる。
本発明で得られる第1の助触媒金属と第2の助触媒金属とを担持したメソポーラス金属酸化物は、光エネルギーにより水、メタノール又はグルコースを分解して水素を生成する反応において、光触媒として機能する。特に、本発明で得られる第1の助触媒金属と第2の助触媒金属とを担持したメソポーラス金属酸化物は、メタノール又はグルコースを分解して水素を生成する反応に用いることが好ましい。本発明の第1の助触媒金属と第2の助触媒金属とを担持したメソポーラス金属酸化物を光触媒として用いた場合、光励起により生じた伝導バンドの電子は細孔内に担持された第1の助触媒金属に移動するため、細孔内が還元部位となり、この細孔内で水素が生成する。細孔外の酸化チタン表面及び第2の助触媒金属が酸化部位となり、ここで酸化反応による生成物が生じる。本発明の第1の助触媒金属と第2の助触媒金属とを担持したメソポーラス金属酸化物触媒では、メソポーラス構造に基づく比表面積の増大に加え、(1)水素と酸化反応による生成物が細孔内外の別の反応部位で発生するため、逆反応が抑えられる、(2)還元部位、酸化部位それぞれにおける助触媒金属の効果により反応が効率良く進行し、それにより、電子、正孔の再結合を効果的に抑制できる、などの優れた特性が付与される。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1〜14並びに比較例1及び2 部位選択的に助触媒金属が担持されたメソポーラス酸化チタン触媒の合成
比較例1 部位選択的Pt担持メソポーラス酸化チタン触媒(1wt%Pt/TiO 2 )の合成
部位選択的に白金(Pt)をメソポーラス触媒のメソ細孔内に担持させるために、メソポーラス触媒合成用界面活性剤と組織化/液晶形成する長鎖アルカンチオール白金錯体を調製し、これを白金源とした。調製した長鎖アルカンチオール白金錯体と界面活性剤(ドデシルアミン)を混合組織化させ、形成された白金錯体−界面活性剤液晶を鋳型とすることで、部位選択的Pt担持メソポーラス酸化チタン触媒を合成した。
長鎖アルカンチオール化合物(ドデカン-1-チオール C12H25SH(2.5mg、0.012mmol))に塩化白金PtCl2(2.7mg、0.010mmol)を塩化メチレンCH2Cl2(4.0mL)中で反応させた(24h)。その後、撹拌しながら溶媒留去した。得られた固体にH2O(6.2mL)、ドデシルアミン塩酸塩 C12H25NH3 +Cl-(134.6mg、0.607mmol)を加え、撹拌した(24h)。別途、Ti(OiPr)4(0.77mL、2.6mmol)とアセチルアセトン(0.25mL)を混合し(1 h)、得られたTi(OiPr)3-アセチルアセトン付加体を加え、室温で撹拌(30 min)した後、さらに40℃で撹拌した(24 h)。反応容器を密閉し、80℃で加熱した(7日)。容器を開放し、80℃で加熱しながら溶媒留去した。得られた固体を、酸素気流下で焼成(500 ℃、4h)した。メタノール/脱イオン水混合溶媒中、固体をキセノンランプで光照射し、光析出法にてPtを2価から0価に還元し、1wt%Pt/TiO2触媒を得た。
実施例1 部位選択的Pt/Au担持メソポーラス酸化チタン触媒(1wt%Pt/TiO 2 /0.01wt%Au)の合成
長鎖アルカンチオール化合物(ドデカン-1-チオール C12H25SH(2.5mg、0.012mmol))に塩化白金PtCl2(2.7mg、0.010mmol)を塩化メチレンCH2Cl2(4.0mL)中で反応させた(24h)。その後、撹拌しながら溶媒留去した。得られた固体にH2O(6.2mL)、ドデシルアミン塩酸塩 C12H25NH3 +Cl-(134.6mg、0.607mmol)を加え、撹拌した(24h)。別途、Ti(OiPr)4(0.77mL、2.6mmol)とアセチルアセトン(0.25mL)を混合し(1 h)、得られたTi(OiPr)3-アセチルアセトン付加体を加え、室温で撹拌(30 min)した後、さらに40℃で撹拌した(24 h)。反応容器を密閉し、80℃で加熱した(7日)。容器を開放し、80℃で加熱しながら溶媒留去した。得られた固体を、酸素気流下で焼成(500 ℃、4h)した。得られた固体を脱イオン水(1.0mL)中に入れ、さらに金コロイド分散液[1.97g/L、10.5μL、0.000105mmol、分散媒:水、分散剤:ポリエチレンイミン(PEI)、金属粒子径:1〜4nm、pH:6〜9(株式会社ルネッサンス・エナジー・リサーチ)]を加えて、80℃で加熱しながら溶媒留去した。さらに酸素気流下で焼成(200 ℃、4h)した。メタノール/脱イオン水混合溶媒中、固体をキセノンランプで光照射し、光析出法にてPtを2価から0価に還元し、1wt%Pt/TiO2/0.01wt%Au触媒を得た(図1)。
実施例2 部位選択的Pt/Au担持メソポーラス酸化チタン触媒(1wt%Pt/TiO 2 /0.05wt%Au)の合成
金コロイド分散液の添加量を(10.5μL、0.000105mmol)から(52.7μL、0.000527mmol)に変更した以外は、実施例1と同様にした。
実施例3 部位選択的Pt/Au担持メソポーラス酸化チタン触媒(1wt%Pt/TiO 2 /0.1wt%Au)の合成
金コロイド分散液の添加量を(10.5μL、0.000105mmol)から(105μL、0.00105mmol)に変更した以外は、実施例1と同様にした。
実施例4 部位選択的Pt/Au担持メソポーラス酸化チタン触媒(1wt%Pt/TiO 2 /0.2wt%Au)の合成
金コロイド分散液の添加量を(10.5μL、0.000105mmol)から(211μL、0.00211mmol)に変更した以外は、実施例1と同様にした。
実施例5 部位選択的Pt/Au担持メソポーラス酸化チタン触媒(1wt%Pt/TiO 2 /0.3wt%Au)の合成
金コロイド分散液の添加量を(10.5μL、0.000105mmol)から(316μL、0.00316mmol)に変更した以外は、実施例1と同様にした。
実施例6 部位選択的Pt/Au担持メソポーラス酸化チタン触媒(1wt%Pt/TiO 2 /0.5wt%Au)の合成
金コロイド分散液の添加量を(10.5μL、0.000105mmol)から(527μL、0.00527mmol)に変更した以外は、実施例1と同様にした。
実施例7 部位選択的Pt/Au担持メソポーラス酸化チタン触媒(1wt%Pt/TiO 2 /1.0wt%Au)の合成
金コロイド分散液の添加量を(10.5μL、0.000105mmol)から(1054μL、0.01054mmol)に変更した以外は、実施例1と同様にした。
比較例2 Pt/Au担持メソポーラス酸化チタン触媒(1wt%Pt/TiO 2 /0.5wt%Au)の合成
金コロイド分散液[1.97g/L、10.5μL、0.000105mmol、分散媒:水、分散剤:ポリエチレンイミン(PEI)、金属粒子径:1〜4nm、pH:6〜9(株式会社ルネッサンス・エナジー・リサーチ)]を、テトラクロロ金酸(III)四水和物[1.9mg、0.00531mmol]に変更した以外は、実施例1と同様にした。
実施例8 部位選択的Pt/Ru担持メソポーラス酸化チタン触媒(1wt%Pt/TiO 2 /0.01wt%Ru)の合成
金コロイド分散液[1.97g/L、10.5μL、0.000105mmol、分散媒:水、分散剤:ポリエチレンイミン(PEI)、金属粒子径:1〜4nm]をルテニウムコロイド分散液[2.02g/L、10.3μL、0.000206mmol、分散媒:水/エタノール、分散剤:ポリビニルピロリドン(PVP)、金属粒子径:2〜6nm、pH:1〜2(株式会社ルネッサンス・エナジー・リサーチ)]に変更した以外は、実施例1と同様にした。
実施例9 部位選択的Pt/Ru担持メソポーラス酸化チタン触媒(1wt%Pt/TiO 2 /0.05wt%Ru)の合成
ルテニウムコロイド分散液の添加量を(10.3μL、0.000206mmol)から(51.9μL、0.00104mmol)に変更した以外は、実施例8と同様にした。
実施例10 部位選択的Pt/Ru担持メソポーラス酸化チタン触媒(1wt%Pt/TiO 2 /0.1wt%Ru)の合成
ルテニウムコロイド分散液の添加量を(10.3μL、0.000206mmol)から(102.7μL、0.00205mmol)に変更した以外は、実施例8と同様にした。
実施例11 部位選択的Pt/Ru担持メソポーラス酸化チタン触媒(1wt%Pt/TiO 2 /0.2wt%Ru)の合成
ルテニウムコロイド分散液の添加量を(10.3μL、0.000206mmol)から(205.5μL、0.00411mmol)に変更した以外は、実施例8と同様にした。
実施例12 部位選択的Pt/Ru担持メソポーラス酸化チタン触媒(1wt%Pt/TiO 2 /0.3wt%Ru)の合成
ルテニウムコロイド分散液の添加量を(10.3μL、0.000206mmol)から(308.0μL、0.00616mmol)に変更した以外は、実施例8と同様にした。
実施例13 部位選択的Pt/Ru担持メソポーラス酸化チタン触媒(1wt%Pt/TiO 2 /0.5wt%Ru)の合成
ルテニウムコロイド分散液の添加量を(10.3μL、0.000206mmol)から(515.0μL、0.0103mmol)に変更した以外は、実施例8と同様にした。
実施例14 部位選択的Pt/Ru担持メソポーラス酸化チタン触媒(1wt%Pt/TiO 2 /1.0wt%Ru)の合成
ルテニウムコロイド分散液の添加量を(10.3μL、0.000206mmol)から(1027μL、0.0205mmol)に変更した以外は、実施例8と同様にした。
得られた触媒の触媒担持量を表1にまとめる。
Figure 2016016380
実施例15 XRD分析、比表面積及び細孔内容積分析、並びに透過型電子顕微鏡TEM分析
実施例1〜14並びに比較例1及び2で合成した触媒に対し、XRD(X線回折)分析を行った。結果を図2に示す。また、実施例2、6、8及び13並びに比較例1及び2に対し、比表面積及び細孔内容積分析を行った。BET法による比表面積分析及びBJH法による細孔径分布分析の結果を表2に示す。実施例2並びに比較例1及び2の窒素吸脱着等温線及び細孔径分布の結果をそれぞれ、図3A)、B)及びC)に示す。
それぞれの分析条件は以下のとおりである。
XRD(X線回折)分析:
装置:試料水平型多目的X線回折装置 RINT2000/PC(理化学電気株式会社)
測定方法:連続、X線:Cu−Kα線、管電圧:40kV、管電流:40mA、測定角度:3.0〜50.0°、サンプリング幅(2θ):0.020°、走査速度:4°/min、発散スリット:1°、錯乱スリット:1°、受光スリット:0.3mm
比表面積及び細孔内容積分析:
装置:自動比表面積・細孔分布測定装置 BELSORP-miniII-PPS(日本ベル株式会社)
使用ガス:窒素
Figure 2016016380
XRD分析より、得られた触媒は全てアナターゼ型TiO2結晶であることがわかった。XRDパターンはいずれも同じであることから、本合成法でも触媒の結晶性にはほとんど影響がないと考えられる。
また、実施例7及び14並びに比較例1に対し、透過型電子顕微鏡(JEM-2010MX ELECTRON MICROSCOPE(JEOL日本電子))でTEM分析を行った(200V)。結果をそれぞれ図4A)、B)及びC)に示す。酸化チタンにAu、Ruが担持されていることが確認された。
実施例16 メタノール犠牲剤を用いた光触媒反応による水素生成の検討
実施例1〜14及び比較例1で合成した触媒のメタノール犠牲剤を用いた光触媒反応による水素生成能を調べた。
パイレックスガラス製反応管に合成した触媒(195.0mg)、脱イオン水(10 ml)、メタノール(10 ml)を入れ、閉鎖循環反応装置に取り付けた。反応液を減圧下で脱気後、Arガスで反応容器を置換(約95kPa)した。温度20℃、キセノンランプで光照射した。水素生成量は、ガスクロマトグラフィー(検知器: TCD)により検出した。ガスクロマトグラフィー(GC)の条件は以下のとおりである。
装置:島津GC-8A
カラム:SHINCARBON ST(50-80 mesh、1.5 m)
キャリヤーガス:アルゴン
検出:熱伝導型検出器(TCD: Thermal Conductivity Detector)
結果を図5に示す。図5A)の丸は金を担持させた触媒の水素生成量、図5B)の四角はルテニウムを担持させた触媒の水素生成量を示す。また、図中の数字は、第2の助触媒金属担持量における水素生成量を表す。
第2の助触媒金属を担持していない触媒よりも第2の助触媒金属として金又はルテニウムを担持させた触媒の水素生成活性が向上した。金の場合は、担持量が0.05wt%において、ルテニウムの場合は、担持量が0.1wt%において、最も高い水素生成活性を示した。
実施例17 グルコース犠牲剤を用いた光触媒反応による水素生成の検討
実施例1〜14及び比較例1で合成した触媒のグルコース犠牲剤を用いた光触媒反応による水素生成能を調べた。
パイレックスガラス製反応管に合成した触媒(0.0250 g)、脱イオン水(50 ml)、グルコース(0.9008 g)を入れ、閉鎖循環反応装置に取り付けた。反応液を減圧下で脱気後、Arガスで反応容器を置換(約95kPa)した。温度20℃、キセノンランプで光照射した。水素生成量は、ガスクロマトグラフィー(検知器: TCD)により検出した。ガスクロマトグラフィー(GC)の条件は以下のとおりである。
装置:島津GC-8A
カラム:SHINCARBON ST(50-80 mesh、1.5 m)
キャリヤーガス:アルゴン
検出:熱伝導型検出器(TCD: Thermal Conductivity Detector)
結果を図6に示す。図中の表記は図5と同様である。第2の助触媒金属として0.05wt%の金を担持させた触媒の水素生成活性は、図5に示すメタノール犠牲剤を使用した時と同等の水素生成活性を示した。
実施例18 金担持試薬の比較
金担持試薬の異なる実施例6及び比較例2の水素生成能を比較した。結果を表3に示す。
Figure 2016016380
金担持試薬に金コロイド分散液を使用して合成した触媒の方が、水素生成活性能が高かった。
触媒分野の貴金属担持固体触媒合成、光触媒を用いたバイオマスからの水素エネルギー製造技術において利用することができる。

Claims (8)

  1. 第1の助触媒金属と第2の助触媒金属とを担持したメソポーラス金属酸化物の製造方法であって、
    溶媒中で第1の助触媒金属の錯体と界面活性剤とを混合して金属錯体−界面活性剤混合物を得る工程、
    得られた金属錯体−界面活性剤混合物と金属塩とを混合して固体を得る工程、
    得られた固体から界面活性剤及び錯体配位子を除去して第1の助触媒金属を担持したメソポーラス金属酸化物を得る工程、
    得られた第1の助触媒金属を担持したメソポーラス金属酸化物と第2の助触媒金属の金属コロイド分散液とを混合して固体を含む混合物を得る工程、及び
    得られた固体を含む混合物から溶媒及び分散剤を除去して第1の助触媒金属と第2の助触媒金属とを担持したメソポーラス金属酸化物を得る工程
    を含む前記メソポーラス金属酸化物の製造方法。
  2. 金属酸化物が酸化チタンであり、金属塩がテトラアルコキシチタンであり、界面活性剤が長鎖アルキルアミン又はアルキルアンモニウム塩であり、第1の助触媒金属の錯体が長鎖アルカンチオールと白金との錯体であり、第2の助触媒金属の金属コロイド分散液が金コロイド分散液又はルテニウムコロイド分散液である請求項1に記載のメソポーラス金属酸化物の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の方法によって製造された、メソポーラス金属酸化物。
  4. メソポーラス金属酸化物と、メソポーラス金属酸化物の細孔内に選択的に担持された第1の助触媒金属と、メソポーラス金属酸化物の細孔外に担持された第2の助触媒金属とを含む第1の助触媒金属と第2の助触媒金属とを担持したメソポーラス金属酸化物。
  5. 第1の助触媒金属が白金であり、第2の助触媒金属が金又はルテニウムであり、金属酸化物が酸化チタンである、請求項3又は4に記載のメソポーラス金属酸化物。
  6. 第2の助触媒金属の担持量が金属酸化物に対して0.01〜0.2wt%である請求項3〜5のいずれか1項に記載のメソポーラス金属酸化物。
  7. 請求項3〜6のいずれか1項に記載のメソポーラス金属酸化物を用いて水、メタノール又はグルコースから水素を製造する方法。
  8. 第2の助触媒金属が金である、請求項7の方法。
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