JP2016015270A - 蓄電デバイス用バインダー組成物およびその製造方法 - Google Patents

蓄電デバイス用バインダー組成物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】密着性、充放電特性が良好な電極を製造可能な蓄電デバイス用バインダー組成物を提供する。
【解決手段】本発明に係る蓄電デバイス用バインダー組成物は、粒子径1〜10μmの粒子の数が100万個/mL未満である水と、粒子径1〜10μmの粒子の数が100万個/mL未満である単量体と、を用いて作製した重合体(A)と、液状媒体(B)と、を含有することを特徴とする。また、本発明に係る蓄電デバイス用バインダー組成物の製造方法は、粒子径1〜10μmの粒子の数が100万個/mL未満である水と、粒子径1〜10μmの粒子の数が100万個/mL未満である単量体と、を用いて重合体(A)を製造することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、蓄電デバイス用バインダー組成物およびその製造方法に関する。
近年、蓄電デバイスはさらなる小型化が要求されており、蓄電デバイスの小型化を達成するためには正極や負極等の発電要素の薄膜化が必須である。その結果、正極と負極の間隔が狭まり、薄膜化することにより微小な異物が致命的な欠陥となる。このような異物による致命的な欠陥を抑制し、蓄電デバイスの製造歩留まりを向上させるために、特許文献1〜3のような異物検知や除去方法が提案されている。
特開2005−183142号 国際公開第WO2010/032784号パンフレット 国際公開第WO2012/0066911号パンフレット
しかしながら、従来の蓄電デバイス用バインダー組成物の製造方法では、バインダーとして機能する重合体の製造時の粒子状異物を制御していない。その結果、粒子状異物を核とした重合体の異常凝集体が発生し、それが蓄電デバイス用バインダー組成物中にも残留する。このような異常凝集体は活物質層において構造欠陥となるため、蓄電デバイスの特性歩留まり低下の一因となる。
特に、バインダーがラテックス状の有機粒子である場合、単量体や分散媒体に含有される異物は、重合体の製造時に有機粒子中に取り込まれる可能性がある。このような有機粒子中に取り込まれた異物は、特許文献2、3に記載されている精製方法によって除去することは困難であり、異物による致命的な欠陥を抑制し、歩留まりをさらに向上させるための方法として不十分である。
そこで、本発明に係る幾つかの態様は、前記課題を解決することで、密着性及び充放電特性が良好な電極を製造可能な蓄電デバイス用バインダー組成物を提供するものである。
本発明は上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明に係る蓄電デバイス用バインダー組成物の一態様は、
粒子径1〜10μmの粒子の数が100万個/mL未満である水と、
粒子径1〜10μmの粒子の数が100万個/mL未満である単量体と、を用いて作製した重合体(A)と、液状媒体(B)と、を含有することを特徴とする。
[適用例2]
適用例1に記載の蓄電デバイス用バインダー組成物において、
前記重合体(A)が、不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(Mb)を有することができる。
[適用例3]
適用例1または適用例2に記載の蓄電デバイス用バインダー組成物において、
前記重合体(A)が、含フッ素エチレン系単量体に由来する繰り返し単位(Ma)を有する含フッ素系重合体であることができる。
[適用例4]
適用例1または適用例2に記載の蓄電デバイス用バインダー組成物において、
前記重合体(A)が、
不飽和カルボン酸に由来する繰り返し単位(Mc)と、
共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位(Md)と、
芳香族ビニルに由来する繰り返し単位(Me)と、
を有するジエン系重合体であることができる。
[適用例5]
適用例3または適用例4に記載の蓄電デバイス用バインダー組成物において、
前記含フッ素系重合体または前記ジエン系重合体が粒子状に液状媒体(B)中に平均粒子径が50〜400nmで分散していることができる。
[適用例6]
本発明に係る蓄電デバイス用バインダー組成物の製造方法の一態様は、
粒子径1〜10μmの粒子の数が100万個/mL未満である水と、
粒子径1〜10μmの粒子の数が100万個/mL未満である単量体と、を用いて重合体(A)を製造することを特徴とする。
本発明に係る蓄電デバイス用バインダー組成物および製造方法によれば、密着性及び充放電特性に優れる電極を製造することができる。本発明に係る蓄電デバイス用バインダー組成物および製造方法を用いて製造された蓄電デバイス用バインダー組成物を用いて作成された電極を備える蓄電デバイスは、電気的特性の一つである容量維持率が良好となる。
本発明の電気化学デバイス電極用バインダーの製造方法の一実施形態において使用されるろ過装置を模式的に示す説明図である。
以下、本発明に係る好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は、下記に記載された実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含むものとして理解されるべきである。なお、本明細書における「(メタ)アクリル酸〜」とは、「アクリル酸〜」および「メタクリル酸〜」の双方を包括する概念である。また、「〜(メタ)アクリレート」とは、「〜アクリレート」および「〜メタクリレート」の双方を包括する概念である。
1.蓄電デバイス用バインダー組成物の製造方法
本実施の形態に係る蓄電デバイス用バインダー組成物の製造方法では、
粒子径1〜10μmの粒子の数が100万個/mL未満である水と、
粒子径1〜10μmの粒子の数が100万個/mL未満である単量体と、を用いて重合体(A)を製造する。
以下、本実施の形態に係る蓄電デバイス用バインダー組成物の製造方法について詳細に説明する。
1.1.重合体(A)の製造に使用する水
本実施の形態に係る蓄電デバイス用バインダー組成物の製造方法では、粒子径1〜10μmの粒子の数が100万個/mL未満である水を使用するが、1万〜100万個/mLであれば問題なく使用できる。本実施の形態に係る蓄電デバイス用バインダー組成物の製造方法に使用するための水は、粒子の個数が上記範囲であるように精製した水であれば使用可能である。たとえば、特開2002−001331、特開2001−017966、特開平10−216797等の方法により粒子を除去し、精製した水を好適に使用することができる。
本実施の形態に係る蓄電デバイス用バインダー組成物の製造方法に使用する水は、水に紛れ込んだ粒子を除去する濾過フィルターや、磁力を用いて磁性の粒子を除去するマグネットフィルターなどを使用して準備することができる。
たとえば、濾過フィルターとしては、具体的には、プロファイルII、ネクシスNXA、ネクシスNXT、ポリファインXLD、ウルチプリーツプロファイル等(全て、日本ポール社製)、デプスカートリッジフィルタ、ワインドカートリッジフィルタ等(全て、アドバンテック社製)、CPフィルタ、BMフィルタ等(全て、チッソ社製)、スロープピュア、ダイア、マイクロシリア等(全て、ロキテクノ社製)、HDCII、ポリファインII等(全て、日本ポール社製)、PPプリーツカートリッジフィルタ(アドバンテック社製)、ポーラスファイン(チッソ社製)、サートンポア、ミクロピュア等(全て、ロキテクノ社製)、メンブレンフィルターセルロース混合エステルタイプ、オムニポアメンブレン、デュラポアメンブレン、フロリナートメンブレン等(全て、メルクミリポア社製)等、を挙げることができる。
水に混入する粒子とは、通常のパーティクルカウンタで粒子として計測される異物であり、その材質は特に限定されない。このような粒子としては、水の製造の際の雰囲気から混入するほこりや塵、配管から混入する金属や錆の粒子、配管のライナーから剥がれた樹脂コーティング粉末等を挙げることができる。たとえば、金属や錆の粒子の材質としては、配管や容器材質である鉄、アルミ、ジルコニア、チタン、SUS、これらの酸化物等を挙げることができる。
水の1mLあたりの粒子の数は、粒度分布測定器により計測することができる。例えば、Particle Sizing Systems製の個数カウント式粒度分布測定器「Accusizer 780APS」等の装置を用いて計測することができる。
1.2.重合体(A)の製造に使用する単量体
本実施の形態に係る蓄電デバイス用バインダー組成物の製造方法では、粒子径1〜10μmの粒子の数が100万個/mL未満である単量体を使用するが、1万〜100万個/mLの範囲であれば問題なく使用できる。本実施の形態に係る蓄電デバイス用バインダー組成物の製造方法に使用するための単量体は、粒子の個数が上記範囲であるように精製した単量体であれば使用可能である。たとえば、特開2000−034317等に記載されている方法により粒子を除去し、精製した単量体を好適に使用することができる。
本実施の形態に係る蓄電デバイス用バインダー組成物の製造方法に使用する単量体は、単量体に紛れ込んだ粒子を除去する濾過フィルターや、磁力を用いて磁性の粒子を除去するマグネットフィルターなどを使用して準備することができる。
たとえば、濾過フィルターとしては、具体的には、プロファイルII、ネクシスNXA、ネクシスNXT、ポリファインXLD、ウルチプリーツプロファイル等(全て、日本ポール社製)、デプスカートリッジフィルタ、ワインドカートリッジフィルタ等(全て、アドバンテック社製)、CPフィルタ、BMフィルタ等(全て、チッソ社製)、スロープピュア、ダイア、マイクロシリア等(全て、ロキテクノ社製)、HDCII、ポリファインII等(全て、日本ポール社製)、PPプリーツカートリッジフィルタ(アドバンテック社製)、ポーラスファイン(チッソ社製)、サートンポア、ミクロピュア等(全て、ロキテクノ社製)、メンブレンフィルターセルロース混合エステルタイプ、オムニポアメンブレン、デュラポアメンブレン、フロリナートメンブレン等(全て、メルクミリポア社製)等を挙げることができる。
単量体に混入する粒子とは、通常のパーティクルカウンタで粒子として計測される異物であり、その材質は特に限定されない。このような粒子としては、単量体の製造の際の雰囲気から混入するほこりや塵、配管から混入する金属や錆の粒子、配管のライナーから剥がれた樹脂コーティング粉末等を挙げることができる。たとえば、金属や錆の粒子の材質としては、配管や容器材質である鉄、アルミ、ジルコニア、チタン、SUS、これらの酸化物等を挙げることができる。
単量体の1mLあたりの粒子の数は、粒度分布測定器により計測することができる。例えば、Particle Sizing Systems製の個数カウント式粒度分布測定器「Accusizer 780APS」等の装置を用いて計測することができる。
2.蓄電デバイス用バインダー組成物
本実施の形態に係る蓄電デバイス用バインダー組成物は、蓄電デバイスに使用される電極やセパレーターコート層(フィラーを含有する多孔質保護層)を作製するためのバインダー組成物であって、重合体(A)と、液状媒体(B)と、を含有する。
重合体(A)は、上述の蓄電デバイス用バインダー組成物の製造方法で詳述したように、粒子径1〜10μmの粒子の数が100万個/mL未満である水と、粒子径1〜10μmの粒子の数が100万個/mL未満である単量体と、を用いて作製された重合体であれば特に限定されないが、以下に詳述する重合体であると蓄電デバイス用バインダーとして好適に使用することができるため好ましい。
以下、本実施の形態に係る蓄電デバイス用バインダー組成物に含まれる各成分について詳細に説明する。
2.1.重合体(A)
本実施の形態に係る蓄電デバイス用バインダー組成物に含まれる重合体(A)は、液状媒体(B)中に溶解していてもよく、粒子として分散されたラテックス状であってもよいが、ラテックス状であることがより好ましい。蓄電デバイス用バインダー組成物がラテックス状であると、電極活物質と混合して作製される電極用スラリーの安定性が良好となり、また電極用スラリーの集電体への塗布性が良好となるため好ましい。以下、液状媒体(B)中に粒子として分散された重合体(A)のことを「重合体粒子(A)」ともいう。
バインダー組成物中の重合体(A)の含有率は通常5〜60重量%が好ましく、10〜50%であることがさらに好ましい。バインダー組成物中に前記範囲の重合体(A)を含有することで、これらのバインダー組成物を用いて作製する電極用スラリーの濃度を容易に調整することができる。
2.1.1.不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(Mb)
本実施の形態で使用する重合体(A)は、不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(Mb)を有することが好ましい。一般的に、不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(Mb)を有する重合体は、密着性がより良好である。
上記の不飽和カルボン酸エステルは、(メタ)アクリル酸エステルであることが好ましい。このような(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸i−アミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール、ジ(メタ)アクリル酸プロピレングリコール、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン、テトラ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール、ヘキサ(メタ)アクリル酸ジペンタエリスリトール、(メタ)アクリル酸アリル、ジ(メタ)アクリル酸エチレンなどを挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上であることができる。これらのうち、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチルおよび(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルから選択される1種以上であることが好ましく、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチルおよび(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルから選択される1種以上であることが特に好ましい。
本実施の形態で使用する重合体(A)は、不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(Mb)のみを有する重合体であってもよく、不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(Mb)のほかに、後述するような共重合可能な他の不飽和単量体に由来する構成単位を有していてもよい。
本実施の形態で使用す重合体(A)における不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(Mb)の含有割合は、重合体(A)の全質量に対して、好ましくは65質量%以上であり、より好ましくは75質量%以上である。
2.1.3.含フッ素系重合体
本実施の形態に係る蓄電デバイス用バインダー組成物が正極を作製するために用いられる場合、重合体(A)は、含フッ素エチレン系単量体に由来する繰り返し単位(Ma)を有する含フッ素系重合体であることが好ましい。
2.1.3.1.含フッ素エチレン系単量体に由来する繰り返し単位(Ma)
上述したように、本実施の形態で使用することのできる含フッ素系重合体は、含フッ素エチレン系単量体に由来する繰り返し単位(Ma)を有する。含フッ素エチレン系単量体としては、例えばフッ素原子を有するオレフィン化合物、フッ素原子を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。フッ素原子を有するオレフィン化合物としては、例えばフッ化ビニリデン、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、三フッ化塩化エチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル等が挙げられる。フッ素原子を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば下記一般式(1)で表される化合物、(メタ)アクリル酸3[4〔1−トリフルオロメチル−2,2−ビス〔ビス(トリフルオロメチル)フルオロメチル〕エチニルオキシ〕ベンゾオキシ]2−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。
(一般式(1)中、Rは水素原子またはメチル基であり、Rはフッ素原子を含有する炭素数1〜18の炭化水素基である。)
上記一般式(1)中のRとしては、例えば炭素数1〜12のフッ化アルキル基、炭素数6〜16のフッ化アリール基、炭素数7〜18のフッ化アラルキル基等が挙げられるが、これらの中でも炭素数1〜12のフッ化アルキル基であることが好ましい。上記一般式(1)中のRの好ましい具体例としては、例えば2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−イル基、β−(パーフルオロオクチル)エチル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル基、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル基、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル基、1H,1H,9H−パーフルオロ−1−ノニル基、1H,1H,11H−パーフルオロウンデシル基、パーフルオロオクチル基等が挙げられる。
含フッ素エチレン系単量体としては、これらのうち、フッ素原子を有するオレフィン化合物が好ましく、フッ化ビニリデン、四フッ化エチレンおよび六フッ化プロピレンよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。上記の含フッ素エチレン系単量体は、1種単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
含フッ素系重合体として含フッ素エチレン系単量体に由来する繰り返し単位(Ma)を有する重合体(Aa)と、不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(Mb)を有する重合体(Ab)と、を併用したり、ポリマーアロイ化して使用することにより、より効果的に耐酸化性を劣化させることなく、より良好な密着性を発現することができる。
含フッ素系重合体として含フッ素エチレン系単量体に由来する繰り返し単位(Ma)を有する重合体(Aa)は、含フッ素エチレン系単量体に由来する繰り返し単位(Ma)のみを有していてもよく、含フッ素エチレン系単量体に由来する繰り返し単位(Ma)以外の、共重合可能な他の不飽和単量体に由来する繰り返し単位を有していてもよい。このような他の不飽和単量体としては、例えば上述のような不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(Mb)、後述する不飽和カルボン酸に由来する繰り返し単位(Mc)、その他の繰り返し単位などを挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上を使用することができる。
重合体(Aa)における含フッ素エチレン系単量体に由来する繰り返し単位(Ma)の含有割合は、重合体(Aa)の全質量に対して、好ましくは80質量%以上であり、より好ましくは90質量%以上である。
重合体(Aa)がフッ化ビニリデンに由来する繰り返し単位を含有する場合、その含有割合は、好ましくは50〜99質量%であり、より好ましくは80〜98質量%である。重合体(Aa)が四フッ化エチレンに由来する繰り返し単位を含有する場合、その含有割合は、好ましくは1〜50質量%であり、より好ましくは2〜20質量%である。重合体(Aa)が六フッ化プロピレンに由来する繰り返し単位を含有する場合、その含有割合は、好ましくは1〜50質量%であり、より好ましくは2〜20質量%である。
重合体(Aa)は、上記の含フッ素エチレン系単量体、および任意的に他の不飽和単量体を、公知の方法に従って乳化重合することにより容易に製造することができる。
2.1.3.2.不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(Mb)
上述したように、本実施の形態で使用する含フッ素系重合体は、不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(Mb)を有することが好ましい。一般的に、不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(Mb)を有する重合体は、密着性は良好であるが、耐酸化性が不良である場合があった。しかしながら、含フッ素エチレン系単量体に由来する繰り返し単位(Ma)と、不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(Mb)と、を併用することにより、良好な密着性を維持しつつ、より良好十分な耐酸化性を発現することができる場合がある。
このような不飽和カルボン酸エステルとしては、「2.1.1.不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(Mb)」と同様の化合物を使用することができる。
本実施の形態で使用する含フッ素系重合体は、不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(Mb)のみを有する重合体であってもよく、不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(Mb)のほかに、共重合可能な他の不飽和単量体に由来する構成単位を有していてもよい。
本実施の形態で使用する含フッ素系重合体における不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(Mb)の含有割合は、重合体(A)の全質量に対して、好ましくは65質量%以上であり、より好ましくは75質量%以上である。
2.1.3.3.不飽和カルボン酸に由来する繰り返し単位(Mc)
含フッ素系重合体が不飽和カルボン酸に由来する繰り返し単位(Mc)を有することにより、本発明の蓄電デバイス用バインダー組成物を用いた電極用スラリーの安定性が向上する。
不飽和カルボン酸の具体例としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の単量体たはジカルボン酸を挙げることができ、これらから選択される1種以上であることができる。特に、アクリル酸、メタクリル酸およびイタコン酸から選択される1種以上であることが好ましい。
含フッ素系重合体における不飽和カルボン酸に由来する繰り返し単位(Mc)の含有割合は、全繰り返し単位を100質量部とした場合に15質量部以下であることが好ましく、0.3〜10質量部であることがより好ましい。
2.1.3.4.その他の繰り返し単位
含フッ素系重合体は、上記以外の繰り返し単位を有してもよい。上記以外の繰り返し単位としては、例えばα,β−不飽和ニトリル化合物、不飽和カルボン酸、共役ジエン化合物、芳香族ビニルおよびその他の不飽和単量体を挙げることができる。
α,β−不飽和ニトリル化合物の具体例としては、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エチルアクリロニトリル、シアン化ビニリデンなどを挙げることができ、これらから選択される1種以上であることができる。これらのうち、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルから選択される1種以上であることが好ましく、アクリロニトリルであることがより好ましい。
また、含フッ素系重合体は、以下に示す化合物に由来する繰り返し単位をさらに有してもよい。このような化合物としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等のエチレン性不飽和カルボン酸のアルキルアミド;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル;エチレン性不飽和ジカルボン酸の酸無水物;モノアルキルエステル;モノアミド;アミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノメチルメタクリルアミド、メチルアミノプロピルメタクリルアミド等のエチレン性不飽和カルボン酸のアミノアルキルアミド等を挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上であることができる。
2.1.3.5.含フッ素系重合体の調製
含フッ素系重合体は、上記のような構成を採るものである限り、その合成方法は特に限定されないが、例えば公知の乳化重合工程またはこれを適宜に組み合わせることによって、容易に合成することができる。たとえば、特許4957932に記載の方法等を用いることにより容易に合成することができる。
2.1.4.ジエン系重合体
本実施の形態に係る蓄電デバイス用バインダー組成物が負極を作製するために用いられる場合、重合体(A)はジエン系重合体であることが好ましい。ジエン系重合体は、共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位(Md)と、芳香族ビニルに由来する繰り返し単位(Me)と、不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(Mb)と、不飽和カルボン酸に由来する繰り返し単位(Mc)と、を有することが好ましい。
2.1.4.1.共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位(Md)
ジエン系重合体が共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位(Md)を有することにより、粘弾性及び強度に優れた負極用バインダー組成物を製造することが容易となる。すなわち、共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位を有する重合体を使用すると、重合体が強い結着力を有することができる。共役ジエン化合物に由来するゴム弾性が重合体に付与されるため、電極の体積収縮や拡大等の変化に追従することが可能となる。これにより、結着性を向上させて、さらには長期に充放電特性を維持する耐久性を有するものと考えられる。
共役ジエン化合物としては、例えば1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−クロル−1,3−ブタジエンなどを挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上であることができる。共役ジエン化合物としては、1,3−ブタジエンが特に好ましい。
共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位(Md)の含有割合は、全繰り返し単位を100質量部とした場合に30〜60質量部であることが好ましく、40〜55質量部であることがより好ましい。繰り返し単位(Md)の含有割合が前記範囲にあると、結着性のさらなる向上が可能となる。
2.1.4.2.芳香族ビニルに由来する繰り返し単位(Me)
ジエン系重合体が芳香族ビニルに由来する繰り返し単位(Me)を有することにより、負極用スラリーが導電付与剤を含有する場合に、これに対する親和性をより良好にすることができる。
芳香族ビニルの具体例としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン、ジビニルベンゼンなどを挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上であることができる。芳香族ビニルとしては、上記のうちスチレンであることが特に好ましい。
芳香族ビニルに由来する繰り返し単位(Me)の含有割合は、全繰り返し単位を100質量部とした場合に10〜40質量部であることが好ましく、15〜30質量部であることがより好ましい。繰り返し単位(Me)の含有割合が前記範囲にあると、重合体粒子が電極活物質として用いられるグラファイトに対して適度な結着性を有する。また、得られる電極層は、柔軟性や集電体に対する結着性が良好なものとなる。
2.1.4.3.不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(Mb)
ジエン系重合体が不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(Mb)を有することにより、電解液との親和性がより良好となり、蓄電デバイス中でバインダーが電気抵抗成分となることによる内部抵抗の上昇を抑制するとともに、電解液を過大に吸収することによる結着性の低下をより効果的に防ぐことができる。
このような(メタ)不飽和カルボン酸エステルの具体例としては、「2.1.1.不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(Mb)」と同様の化合物を使用することができる。
ジエン系重合体における(メタ)不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(Mb)の含有割合は、全繰り返し単位を100質量部とした場合に5〜40質量部であることが好ましく、10〜30質量部であることがより好ましい。
2.1.4.4.不飽和カルボン酸に由来する繰り返し単位(Mc)
ジエン系重合体が不飽和カルボン酸に由来する繰り返し単位(Mc)を有することにより、本発明の蓄電デバイス用バインダー組成物を用いた電極用スラリーの安定性が向上する。
不飽和カルボン酸の具体例としては、「2.1.3.3.不飽和カルボン酸に由来する繰り返し単位(Mc)」と同様の化合物を使用することができる。
不飽和カルボン酸に由来する繰り返し単位(Mc)の含有割合は、ジエン系重合体の全繰り返し単位を100質量部とした場合に15質量部以下であることが好ましく、0.3〜10質量部であることがより好ましい。繰り返し単位(Mc)の含有割合が前記範囲にあると、電極用スラリー調製時において分散安定性が優れるため、凝集物が生じにくい。また、経時的なスラリー粘度の上昇も抑えることができる。
2.1.4.5.その他の繰り返し単位
ジエン系重合体は、上記以外の繰り返し単位を有してもよい。上記以外の繰り返し単位としては、例えばα,β−不飽和ニトリル化合物に由来する繰り返し単位が挙げられる。
α,β−不飽和ニトリル化合物の具体例としては、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エチルアクリロニトリル、シアン化ビニリデンなどを挙げることができ、これらから選択される1種以上であることができる。これらのうち、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルから選択される1種以上であることが好ましく、アクリロニトリルであることがより好ましい。
α,β−不飽和ニトリル化合物に由来する繰り返し単位の含有割合は、全繰り返し単位を100質量部とした場合に、35質量部以下であることが好ましく、10〜25質量部であることがより好ましい。α,β−不飽和ニトリル化合物に由来する繰り返し単位の含有割合が前記範囲にあると、使用する電解液との親和性に優れ、かつ膨潤率が大きくなりすぎず、電池特性の向上に寄与することができる。
また、ジエン系重合体は、以下に示す化合物に由来する繰り返し単位をさらに有してもよい。このような化合物としては、例えば、フッ化ビニリデン、四フッ化エチレンおよび六フッ化プロピレン等のエチレン性不飽和結合を有する含フッ素化合物;(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等のエチレン性不飽和カルボン酸のアルキルアミド;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル;エチレン性不飽和ジカルボン酸の酸無水物;モノアルキルエステル;モノアミド;アミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノメチルメタクリルアミド、メチルアミノプロピルメタクリルアミド等のエチレン性不飽和カルボン酸のアミノアルキルアミド等を挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上であることができる。
2.1.4.6.ジエン系重合体粒子の調製
ジエン系重合体、上記のような構成を採るものである限り、その合成方法はは特に限定されないが、たとえば、特許4957932に記載の方法等を用いることにより容易に合成することができる。
2.1.5.重合体(A)の物性
2.1.5.1.テトラヒドロフラン(THF)不溶分
重合体(A)のTHF不溶分は、80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。THF不溶分は、蓄電デバイスで使用する電解液への不溶分量とほぼ比例すると推測される。このため、THF不溶分が前記範囲であれば、蓄電デバイスを作製して、長期間にわたり充放電を繰り返した場合でも電解液への重合体(A)の溶出を抑制できるため良好であると推測できる。
2.1.5.2.転移温度
重合体(A)が含フッ素系重合体である場合、JIS K7121に準拠する示差走査熱量測定(DSC)によって測定したときに、−50〜250℃の温度範囲において吸熱ピークを1つしか有さないものであることが好ましい。この吸熱ピークの温度は、−30〜+30℃の範囲にあることがより好ましい。重合体(Aa)が単独で存在する場合には、一般的に−50〜250℃に吸熱ピーク(融解温度)を有することが好ましい。
一方、重合体粒子(A)がジエン系重合体粒子である場合、JIS K7121に準拠する示差走査熱量測定(DSC)によって測定したときに、−50〜50℃の温度範囲において吸熱ピークを1つしか有さないものであることが好ましい。
2.1.5.3.平均粒子径
本実施の形態に係る蓄電デバイス用バインダー組成物に含まれる重合体(A)が、液状媒体(B)中に粒子として分散されたラテックス状である場合、重合体粒子(A)の平均粒子径は、50〜600nmの範囲にあることが好ましく、100〜300nmの範囲にあることがより好ましい。重合体粒子(A)の平均粒子径が前記範囲にあると、電極活物質の表面に重合体粒子(A)が十分に吸着することができるため、電極活物質の移動に伴って重合体粒子(A)も追従して移動することができる。その結果、両者の粒子のうちのどちらかのみが単独でマイグレーションすることを抑制することができるので、電気的特性の劣化を抑制することができる。
なお、重合体粒子(A)の平均粒子径とは、光散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置を用いて粒度分布を測定し、小さい粒子から粒子を累積したときの粒子数の累積度数が50%となる粒子径(D50)の値である。このような粒度分布測定装置としては、例えばコールターLS230、LS100、LS13 320(以上、Beckman Coulter.Inc製)や、FPAR−1000(大塚電子株式会社製)などを挙げることができる。これらの粒度分布測定装置は、重合体粒子の一次粒子だけを評価対象とするものではなく、一次粒子が凝集して形成された二次粒子をも評価対象とすることができる。従って、これらの粒度分布測定装置によって測定された粒度分布は、電極用スラリー中に含まれる重合体粒子の分散状態の指標とすることができる。なお、重合体粒子(A)の平均粒子径は、電極用スラリーを遠心分離して電極活物質を沈降させた後、その上澄み液を上記の粒度分布測定装置によって測定する方法によっても測定することができる。
2.2.液状媒体(B)
本実施の形態に係る蓄電デバイス用バインダー組成物は、液状媒体(B)を含有する。液状媒体(B)としては、水を含有する水系媒体であることが好ましい。上記水系媒体には、水以外の非水系媒体を含有させることができる。この非水系媒体としては、例えばアミド化合物、炭化水素、アルコール、ケトン、エステル、アミン化合物、ラクトン、スルホキシド、スルホン化合物などを挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上を使用することができる。液状媒体(B)が水と、水以外の非水系媒体を含有する場合、液状媒体(B)の全量100質量%中、90質量%以上が水であることが好ましく、98質量%以上が水であることがさらに好ましい。本実施の形態に係る蓄電デバイス用バインダー組成物は、液状媒体(B)として水系媒体を使用することにより、環境に対して悪影響を及ぼす程度が低くなり、取扱作業者に対する安全性も高くなる。
水系媒体中に含まれる非水系媒体の含有割合は、水系媒体100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましく、実質的に含有しないことが特に好ましい。ここで、「実質的に含有しない」とは、液状媒体(B)として非水系媒体を意図的に添加しないという程度の意味であり、蓄電デバイス用バインダー組成物を作製する際に不可避的に混入する非水系媒体を含んでもよい。
なお、液状媒体(B)は粒子径1〜10μmの粒子の数が100万個/mL未満であることが好ましく、1万〜100万個/mLの範囲であっても使用することができる。液状媒体(B)は、たとえば、特開2002−001331、特開2001−017966、特開平10−216797、特開2000−034317等に記載されている方法により粒子を除去し、精製することができる。
液状媒体(B)は、紛れ込んだ粒子を除去する濾過フィルターや、磁力を用いて磁性の粒子を除去するマグネットフィルターなどを使用して精製することができる。
たとえば、濾過フィルターとしては、具体的には、プロファイルII、ネクシスNXA、ネクシスNXT、ポリファインXLD、ウルチプリーツプロファイル等(全て、日本ポール社製)、デプスカートリッジフィルタ、ワインドカートリッジフィルタ等(全て、アドバンテック社製)、CPフィルタ、BMフィルタ等(全て、チッソ社製)、スロープピュア、ダイア、マイクロシリア等(全て、ロキテクノ社製)、HDCII、ポリファインII等(全て、日本ポール社製)、PPプリーツカートリッジフィルタ(アドバンテック社製)、ポーラスファイン(チッソ社製)、サートンポア、ミクロピュア等(全て、ロキテクノ社製)、メンブレンフィルターセルロース混合エステルタイプ、オムニポアメンブレン、デュラポアメンブレン、フロリナートメンブレン等(全て、メルクミリポア社製)等を挙げることができる。
液状媒体(B)に混入する粒子とは、通常のパーティクルカウンタで粒子として計測される異物であり、その材質は特に限定されない。このような粒子としては、液状媒体(B)の準備の際の雰囲気から混入するほこりや塵、配管から混入する金属や錆の粒子、配管のライナーから剥がれた樹脂コーティング粉末等を挙げることができる。たとえば、金属や錆の粒子の材質としては、配管や容器材質である鉄、アルミ、ジルコニア、チタン、SUS、これらの酸化物等を挙げることができる。
単量体の1mLあたりの粒子の数は、粒度分布測定器により計測することができる。例えば、Particle Sizing Systems製の個数カウント式粒度分布測定器「Accusizer 780APS」等の装置を用いて計測することができる。
2.3.その他の添加剤
本実施の形態に係る蓄電デバイス用バインダー組成物は、必要に応じて前述した重合体(A)、液状媒体(B)以外の添加剤を含有することができる。このような添加剤としては、例えば、防腐剤や増粘剤が挙げられる。本実施の形態に係る蓄電デバイス用バインダー組成物は、防腐剤を含有することにより貯蔵安定性がより向上し、また、増粘剤を含有することにより、その塗布性や得られる蓄電デバイスの充放電特性等をさらに向上させることができる。
2.3.1.防腐剤
本実施の形態に係る蓄電デバイス用バインダー組成物は、防腐剤を含有することができる。特に、蓄電デバイス用バインダー組成物に防腐剤としてイソチアゾリン系化合物を添加することにより、蓄電デバイス用バインダー組成物を貯蔵した際に、細菌や黴などが増殖して異物が発生することを抑制することができる。さらに、蓄電デバイスの充放電時にバインダーの劣化が抑制されるため、蓄電デバイスの充放電特性の低下を抑制することができる。
本実施の形態に係る蓄電デバイス用バインダー組成物に含有することができる防腐剤の具体例としては、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4,5−トリメチレン−4−イソチアゾリン−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、N−n−ブチル−1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、4,5−ジクロロ−2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン等が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。これらの中でも、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンよりなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
2.3.2.増粘剤
増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース化合物;上記セルロース化合物のアンモニウム塩またはアルカリ金属塩;ポリ(メタ)アクリル酸、変性ポリ(メタ)アクリル酸などのポリカルボン酸;上記ポリカルボン酸のアルカリ金属塩;ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体などのポリビニルアルコール系(共)重合体;(メタ)アクリル酸、マレイン酸およびフマル酸などの不飽和カルボン酸とビニルエステルとの共重合体の鹸化物などの水溶性ポリマーなどを挙げることができる。これらの中でも特に好ましい増粘剤としては、カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩、ポリ(メタ)アクリル酸およびそのアルカリ金属塩である。
これら増粘剤の市販品としては、例えばCMC1120、CMC1150、CMC2200、CMC2280、CMC2450(以上、ダイセル化学工業株式会社製)等のカルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩を挙げることができる。
本実施の形態に係る蓄電デバイス用バインダー組成物が増粘剤を含有する場合、増粘剤の使用割合は、蓄電デバイス用バインダー組成物の全固形分量に対して、5質量%以下であることが好ましく、0.1〜3質量%であることがより好ましい。
3.電極用スラリー
本願発明の方法により充填された蓄電デバイス用バインダー組成物を用いて電極用スラリーを製造することができる。電極用スラリーとは、これを集電体の表面に塗布した後、乾燥して、集電体表面上に電極活物質層を形成するために用いられる分散液のことをいう。本実施の形態に係る電極用スラリーは、前述の蓄電デバイス用バインダー組成物と、電極活物質と、水と、を含有する。以下、本実施の形態に係る電極用スラリーに含まれる成分についてそれぞれ詳細に説明する。ただし、蓄電デバイス用バインダー組成物については、前述した通りであるから説明を省略する。
3.1.電極活物質
本実施の形態に係る電極用スラリーに含まれる電極活物質を構成する材料としては特に制限はなく、目的とする蓄電デバイスの種類により適宜適当な材料を選択することができる。
例えば、リチウムイオン二次電池の正極を作製する場合には、リチウム原子含有酸化物であることが好ましい。本明細書における「酸化物」とは、酸素と、酸素よりも電気陰性度の小さい元素と、からなる化合物または塩を意味する概念であり、金属酸化物の他、金属のリン酸塩、硝酸塩、ハロゲンオキソ酸塩、スルホン酸塩等をも包含する概念である。
リチウム原子含有酸化物としては、下記一般式(3a)または(3b)で表される複合金属酸化物、および下記一般式(4)で表されかつオリビン型結晶構造を有するリチウム原子含有酸化物が挙げられ、これらよりなる群から選択される1種以上を使用することが好ましい。
Li1+x ・・・・・(3a)
Li1+x ・・・・・(3b)
(式(3a)および(3b)中、MはCo、NiおよびMnよりなる群から選択される少なくとも1種の金属原子であり;MはAlおよびSnよりなる群から選択される少なくとも1種の金属原子であり;Oは酸素原子であり;x、yおよびzは、それぞれ、0.10≧x≧0、4.00≧y≧0.85および2.00≧z≧0の範囲の数である。)
Li1−x (XO) ・・・・・(4)
(式(4)中、Mは、Mg、Ti、V、Nb、Ta、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Ga、GeおよびSnよりなる群から選択される金属のイオンの少なくとも1種であり;Xは、Si、S、PおよびVよりなる群から選択される少なくとも1種であり;xは数であり、0<x<1の関係を満たす。)
なお、上記一般式(4)におけるxの値は、MおよびXの価数に応じて、それぞれ上記一般式(4)全体の価数が0価となるように選択される。
上記一般式(3a)または(3b)で表される複合金属酸化物としては、例えばLiCoO、LiNiO、LiNiCo1−y(y=0.01〜0.99)、LiMnO、LiMn、LiCoMnNi(x+y+z=1)などを挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上を使用することができる。これらのうち、LiCoO、LiMn、LiNiOおよびLiNi0.33Mn0.33Co0.33は電極電位が高く高効率であるため、高電圧および高エネルギー密度を有する蓄電デバイスを得ることができる。Li1+x は、固体内のLi拡散速度が速く、充放電レートに優れる点で特に好ましい。
上記一般式(4)で表され、かつオリビン結晶構造を有するリチウム原子含有酸化物は、金属元素Mの種類によって電極電位が異なる。従って、金属元素Mの種類を選択することにより、電池電圧を任意に設定することができる。オリビン結晶構造を有するリチウム原子含有酸化物の代表的なものとしては、LiFePO、LiCoPO、Li0.90Ti0.05Nb0.05Fe0.30Co0.30Mn0.30POなどを挙げることができる。これらのうち、特にLiFePOは、原料となる鉄化合物の入手が容易であるとともに安価であるため好ましい。また、上記の化合物中のFeイオンをCoイオン、NiイオンまたはMnイオンに置換した化合物も、上記各化合物と同じ結晶構造を有するので、電極活物質として同様の効果を有する。
一方、リチウムイオン二次電池の負極を作製する場合には、電極活物質(負極活物質)としては、例えばカーボンを用いることができる。カーボンの具体例としては、フェノール樹脂、ポリアクリロニトリル、セルロース等の有機高分子化合物を焼成することにより得られる炭素材料;コークスやピッチを焼成することにより得られる炭素材料;人造グラファイト;天然グラファイト等が挙げられる。
電気二重層キャパシタ電極を作製する場合には、電極活物質としては、例えば活性炭、活性炭繊維、シリカ、アルミナ等を用いることができる。また、リチウムイオンキャパシタ電極を作製する場合には、黒鉛、難黒鉛化炭素、ハードカーボン、コークス等の炭素材料や、ポリアセン系有機半導体(PAS)等を用いることができる。
電極活物質の平均粒子径(Db)は、正極では0.4〜10μmの範囲とすることが好ましく、0.5〜7μmの範囲とすることがより好ましい。負極では3〜30μmの範囲とすることが好ましく、5〜25μmの範囲とすることがより好ましい。電極活物質の平均粒子径(Db)が前記範囲内であると、電極活物質内におけるリチウムの拡散距離が短くなるので、充放電の際のリチウムの脱挿入に伴う抵抗を低減することができ、その結果、充放電特性がより向上する。さらに、電極用スラリーが後述の導電付与剤を含有する場合、電極活物質の平均粒子径(Db)が前記範囲内であることにより、電極活物質と導電付与剤との接触面積を十分に確保することができることとなり、電極の電子導電性が向上し、電極抵抗がより低下する。
ここで、電極活物質の平均粒子径(Db)とは、レーザー回折法を測定原理とする粒度分布測定装置を用いて粒度分布を測定し、小さい粒子から粒子を累積したときの累積度数が50%となる粒子径(D50)の値である。このようなレーザー回折式粒度分布測定装置としては、例えばHORIBA LA−300シリーズ、HORIBA LA−920シリーズ(以上、株式会社堀場製作所製)などを挙げることができる。この粒度分布測定装置は、電極活物質の一次粒子だけを評価対象とするものではなく、一次粒子が凝集して形成された二次粒子をも評価対象とする。従って、この粒度分布測定装置によって得られた平均粒子径(Db)は、電極用スラリー中に含まれる電極活物質の分散状態の指標とすることができる。なお、電極活物質の平均粒子径(Db)は、電極用スラリーを遠心分離して電極活物質を沈降させた後、その上澄み液を除去し、沈降した電極活物質を上記の方法により測定することによっても測定することができる。
3.2.その他の成分
上記電極用スラリーは、必要に応じて前述した成分以外の成分を含有することができる。このような成分としては、例えば導電付与剤、非水系媒体、増粘剤等が挙げられる。
3.2.1.導電付与剤
上記導電付与剤の具体例としては、リチウムイオン二次電池においてはカーボンなどが;ニッケル水素二次電池においては、正極では酸化コバルトが:負極ではニッケル粉末、酸化コバルト、酸化チタン、カーボンなどが、それぞれ用いられる。上記両電池において、カーボンとしては、グラファイト、活性炭、アセチレンブラック、ファーネスブラック、黒鉛、炭素繊維、フラーレンなどを挙げることができる。これらの中でも、アセチレンブラックまたはファーネスブラックを好ましく使用することができる。導電付与剤の使用割合は、電極活物質100質量部に対して、好ましくは20質量部以下であり、より好ましくは1〜15質量部であり、特に好ましくは2〜10質量部である。
3.2.2.非水系媒体
上記電極用スラリーは、その塗布性を改善する観点から、80〜350℃の標準沸点を有する非水系媒体を含有することができる。このような非水系媒体の具体例としては、例えばN−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド化合物;トルエン、キシレン、n−ドデカン、テトラリンなどの炭化水素;2−エチル−1−ヘキサノール、1−ノナノール、ラウリルアルコールなどのアルコール;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ホロン、アセトフェノン、イソホロンなどのケトン;酢酸ベンジル、酪酸イソペンチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどのエステル;o−トルイジン、m−トルイジン、p−トルイジンなどのアミン化合物;γ−ブチロラクトン、δ−ブチロラクトンなどのラクトン;ジメチルスルホキシド、スルホランなどのスルホキシド・スルホン化合物などを挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上を使用することができる。これらの中でも、重合体粒子の安定性、電極用スラリーを塗布する際の作業性などの点から、N−メチルピロリドンを使用することが好ましい。
3.2.3.増粘剤
上記電極用スラリーは、その塗工性を改善する観点から、増粘剤を含有することができる。増粘剤の具体例としては、上記「1.4.その他の添加剤」に記載した各種化合物が挙げられる。
電極用スラリーが増粘剤を含有する場合、増粘剤の使用割合としては、電極用スラリーの全固形分量に対して、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは0.1〜15質量%であり、特に好ましくは0.5〜10質量%である。
3.3.電極用スラリーの製造方法
本実施の形態に係る電極用スラリーは、前述の蓄電デバイス用バインダー組成物と、電極活物質と、水と、必要に応じて用いられる添加剤と、を混合することにより製造することができる。これらの混合には公知の手法による攪拌によって行うことができ、例えば攪拌機、脱泡機、ビーズミル、高圧ホモジナイザーなどを利用することができる。
電極用スラリーの調製(各成分の混合操作)は、少なくともその工程の一部を減圧下で行うことが好ましい。これにより、得られる電極層内に気泡が生じることを防止することができる。減圧の程度としては、絶対圧として、5.0×10〜5.0×10Pa程度とすることが好ましい。
電極用スラリーを製造するための混合撹拌としては、スラリー中に電極活物質の凝集体が残らない程度に撹拌し得る混合機と、必要にして十分な分散条件とを選択する必要がある。分散の程度は粒ゲージにより測定可能であるが、少なくとも100μmより大きい凝集物がなくなるように混合分散することが好ましい。このような条件に適合する混合機としては、例えばボールミル、サンドミル、顔料分散機、擂潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサー、ホバートミキサーなどを例示することができる。
本実施の形態に係る電極用スラリーは、その固形分濃度(スラリー中の溶媒以外の成分の合計質量がスラリーの全質量に対して占める割合)が20〜80質量%であることが好ましく、30〜75質量%であることがより好ましい。
4.電極
本実施の形態に係る電極は、集電体と、前記集電体の表面上に前述の電極用スラリーが塗布および乾燥されて形成された層と、を備えるものである。かかる電極は、金属箔などの適宜の集電体の表面に、上述の電極用スラリーを塗布して塗膜を形成し、次いで該塗膜を乾燥して電極活物質層を形成することにより製造することができる。このようにして製造された電極は、集電体上に、前述の重合体(A)および電極活物質、さらに必要に応じて添加した任意成分を含有する電極活物質層が結着されてなるものである。かかる電極は、集電体と電極活物質層との結着性に優れるとともに、電気的特性の一つである充放電レート特性が良好である。したがって、このような電極は蓄電デバイスの電極として好適である。
集電体は、導電性材料からなるものであれば特に制限されない。リチウムイオン二次電池においては、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレスなどの金属製の集電体が使用されるが、特に正極にアルミニウムを、負極に銅を用いた場合、前述の電極用バインダーを用いて製造された電極用スラリーの効果が最もよく現れる。ニッケル水素二次電池における集電体としては、パンチングメタル、エキスパンドメタル、金網、発泡金属、網状金属繊維焼結体、金属メッキ樹脂板などが使用される。集電体の形状および厚さは特に制限されないが、厚さ0.001〜0.5mm程度のシート状のものとすることが好ましい。
電極用スラリーの集電体への塗布方法についても特に制限はない。塗布は、例えばドクターブレード法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、浸漬法、ハケ塗り法などの適宜の方法によることができる。電極用スラリーの塗布量も特に制限されないが、液状媒体(水および任意的に使用される非水系媒体の双方を包含する概念である)を除去した後に形成される電極活物質層の厚さが、0.005〜5mmとなる量とすることが好ましく、0.01〜2mmとなる量とすることがより好ましい。電極活物質層の厚さが上記範囲内にあることによって、電極活物質層に効果的に電解液を染み込ませることができる。その結果、電極活物質層中の電極活物質と電解液との充放電に伴う金属イオンの授受が容易に行われるため、電極抵抗をより低下させることができるため好ましい。また、電極活物質層の厚さが上記範囲内にあることで、電極を折り畳んだり、捲回するなどして加工する場合においても、電極活物質層が集電体から剥離することなく密着性が良好で、柔軟性に富む蓄電デバイス用電極が得られる点で好ましい。
塗布後の塗膜からの乾燥方法(水および任意的に使用される非水系媒体の除去方法)についても特に制限されず、例えば温風、熱風、低湿風による乾燥;真空乾燥;(遠)赤外線、電子線などの照射による乾燥などによることができる。乾燥速度としては、応力集中によって電極活物質層に亀裂が入ったり、電極活物質層が集電体から剥離したりしない程度の速度範囲の中で、できるだけ早く液状媒体が除去できるように適宜に設定することができる。
さらに、乾燥後の集電体をプレスすることにより、電極活物質層の密度を高め、空孔率を以下に示す範囲に調整することが好ましい。プレス方法としては、金型プレスやロールプレスなどの方法が挙げられる。プレスの条件は、使用するプレス機器の種類および電極活物質層の空孔率および密度の所望値によって適宜に設定されるべきである。この条件は、当業者による少しの予備実験により、容易に設定することができるが、例えばロールプレスの場合、ロールプレス機の線圧力は0.1〜10(t/cm)、好ましくは0.5〜5(t/cm)の圧力において、例えばロール温度が20〜100℃において、乾燥後の集電体の送り速度(ロールの回転速度)が1〜80m/min、好ましくは5〜50m/minで行うことができる。
プレス後の電極活物質層の密度は、1.5〜5.0g/cmとすることが好ましく、1.5〜4.0g/cmとすることがより好ましく、1.6〜3.8g/cmとすることが特に好ましい。電極活物質が上記一般式(3a)または(3b)で表される複合金属酸化物である場合には、電極活物質層の密度は2.0〜4.0g/cmとすることが好ましく、3.0〜3.5g/cmとすることがより好ましい。また、電極活物質が上記一般式(4)で表されかつオリビン型結晶構造を有する化合物である場合には、電極活物質層の密度は1.5〜2.5g/cmとすることが好ましく、1.6〜2.4g/cmとすることがより好ましく、1.7〜2.2g/cmとすることがさらに好ましく、1.8〜2.1g/cmとすることが特に好ましい。電極活物質層の密度が前記範囲にあることにより、集電体と電極活物質層との間の結着性が良好となり、粉落ち性に優れ、かつ電気的特性にも優れた電極が得られることとなる。電極活物質層の密度が前記範囲未満であると、電極活物質層中の重合体(A)が十分にバインダーとして機能せず、電極活物質層が凝集剥離するなどして粉落ち性が低下する。また、電極活物質層の密度が前記範囲を超えると、電極活物質層中の重合体(A)のバインダー機能が強すぎて電極活物質同士の接着が強固になり過ぎる。その結果、集電体の柔軟性に電極活物質層が追随することができず、集電体と電極活物質層の界面が剥離する場合があり好ましくない。
プレス後の電極活物質層の空孔率は、10〜50%であることが好ましく、15〜45%であることがより好ましく、20〜40%であることが特に好ましい。電極活物質層の空孔率が前記範囲にあると、集電体と電極活物質層との間の結着性が良好となり、粉落ち性に優れ、かつ電気的特性にも優れる電極が得られる。また、電極活物質層の空孔率が前記範囲にあると、電極活物質層内部へ電解液を十分に染み込ませることができ、電極活物質表面と電解液が十分に接触することができる。その結果、電極活物質と電解液のリチウムイオンの授受が容易となり、良好な充放電特性が達成できる。
5.蓄電デバイス
本実施の形態に係る蓄電デバイスは、上述の電極を備えるものであり、さらに電解液を含有し、セパレータなどの部品を用いて、常法に従って製造することができる。具体的な製造方法としては、例えば、負極と正極とをセパレータを介して重ね合わせ、これを電池形状に応じて巻く、折るなどして電池容器に入れ、電池容器に電解液を注入して封口する方法が挙げられる。電池の形状は、コイン型、ボタン型、シート型、円筒型、角形、扁平型など、適宜の形状であることができる。
電解液は、液状でもゲル状でもよく、電極活物質の種類に応じて、蓄電デバイスに用いられる公知の電解液の中から電池としての機能を効果的に発現するものを選択すればよい。電解液は、電解質を適当な溶媒に溶解した溶液であることができる。
上記電解質としては、リチウムイオン二次電池では、従来から公知のリチウム塩のいずれをも使用することができ、その具体例としては、例えばLiClO、LiBF、LiPF、LiCFCO、LiAsF、LiSbF、LiB10Cl10、LiAlCl、LiCl、LiBr、LiB(C、LiCFSO、LiCHSO、LiCSO、Li(CFSON、低級脂肪酸カルボン酸リチウムなどを例示することができる。
上記電解質を溶解するための溶媒は、特に制限されるものではないが、その具体例として、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのカーボネート化合物;γ−ブチルラクトンなどのラクトン化合物;トリメトキシメタン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル、2−エトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどのエーテル化合物;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド化合物などを挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上を使用することができる。電解液中の電解質の濃度としては、好ましくは0.5〜3.0モル/Lであり、より好ましくは0.7〜2.0モル/Lである。
6.実施例
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実施例、比較例中の「部」および「%」は、特に断らない限り質量基準である。
6.1.原料の準備
製造にあたり使用した水および単量体は、あらかじめオムニポアメンブレン(メルクミリポア製、孔径5μm)を使用し、繰返しろ過精製することにより、1〜10μmの粒子の数が表1に記載の含有量であるものを使用した。
水および単量体の1mLあたりの粒子の数は、パーティクルカウンタとして、Particle Sizing Systems製の個数カウント式粒度分布測定器「Accusizer 780APS」を用いて測定した。具体的には、測定される粗大粒子の数が「4000個/ml(0.56μm)」(即ち、「粒子径が0.56μmよりも大きな粒子が、1ml中に4000個以下」)となるまで、水および水溶性の単量体を測定する場合は超純水で、水に不溶性の単量体類を測定する場合は単量体を溶解可能な精製された有機溶媒で、ブランク測定を繰り返した。その後、超純水また有機溶媒で100倍に希釈した試料(水または単量体)100mlを用意し、この試料を前記粒度分布測定器にセットした。セット後、前記粒度分布測定器により試料が測定の最適濃度になるように自動で試料の希釈を実施した。その後、前記粒度分布測定器により前記サンプルの1mL当りにおける粒子の数を2回測定し、平均値を算出した。この平均値を試料(水または単量体)1mL当りにおける粒子の数に換算し、水および単量体の1mLあたりの粒子の数を算出した。算出結果を表1に示す。なお、表中「万個」の表記は、水およびそれぞれの単量体1mLあたりの粒子の数を示す。
算出した結果を元に、粒子径1〜10μmの粒子の数が100万個/mL未満である水と単量体を製造に使用する場合を原料セットA、粒子径1〜10μmの粒子の数が100万個/mLを超える水と単量体を製造に使用する場合を原料セットBとして、それぞれ以下の比較例と実施例に供した。
なお、表1〜4における各原料の略称は、それぞれ以下の意味である。
・水:イオン交換水
・BD :1,3−ブタジエン
・ST :スチレン
・MMA:メタクリル酸メチル
・AN :アクリロニトリル
・MAN:メタクリロニトリル
・AA :アクリル酸
・MAA:メタクリル酸
・TA(5%):イタコン酸の5質量%水溶液
・TA:イタコン酸
・EHA:アクリル酸2−エチルヘキシル
・CHMA:メタクリル酸シクロヘキシル
・EA:アクリル酸エチル
・BA:アクリル酸n−ブチル
・HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
・EDMA:エチレングリコールジメタクリレート
・AMA:メタクリル酸アリル
6.2.実施例1
7.2.1.蓄電デバイス用バインダー組成物の作製
実施例1において使用する水、単量体は、あらかじめ精製した原料セットAを用いた。
攪拌機を備えた温度調節可能なオートクレーブ中に、水200質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.9質量部、過硫酸カリウム1.0質量部、重亜硫酸ナトリウム0.5質量部、α−メチルスチレンダイマー0.2質量部、ドデシルメルカプタン0.2質量部、および表2に示した一段目重合成分を一括して仕込み、70℃に昇温し2時間重合反応させた。重合添加率が80%以上であることを確認した後、反応温度を70℃に維持したまま、表3に示す二段目重合成分を6時間かけて添加した。二段目重合成分添加開始から3時間経過した時点で、α−メチルスチレンダイマー1.0質量部およびドデシルメルカプタン0.3質量部を添加した。二段目重合成分添加終了後、温度を80℃に昇温し、さらに2時間反応させた。重合反応終了後、ラテックスのpHを7.5に調節し、トリポリリン酸ナトリウム5質量部(固形分換算)を添加した。その後、残留モノマーを水蒸気蒸留で処理し、減圧下で固形分50%まで濃縮することで、重合体(A)を50%含有する蓄電デバイス用バインダー組成物C1を得た。
6.2.2.蓄電デバイス用バインダー組成物のフィルターろ過
蓄電デバイス用バインダー組成物C1について、図1に示すろ過装置100を用いてろ過を行った(ろ過工程)。図1に示すろ過装置100は、容器へ充填前の蓄電デバイス用バインダー組成物を貯蔵し供給する供給タンク1と、異物除去前の蓄電デバイス用バインダー組成物を一定の流量で流すための定量ポンプ2と、カートリッジフィルタ(図示せず)及びこのカートリッジフィルタを収納(装着)したハウジングを有するろ過器4と、定量ポンプ2とろ過器4の途中に位置する脈動防止器3と、脈動防止器3とろ過器4との間に配置された第一圧力計7aと、ろ過器4の下流に配置された第二圧力計7bと、を備えている。そして、ろ過装置100は、ろ過器4から供給タンク1にバインダーを戻す戻り導管6と、ろ過器4によりろ過された電極用バインダーを排出する排出導管5と、を備えている。
本実験例において、ろ過器4は、ハウジング内にデプスタイプのカートリッジフィルタ「プロファイルII」(日本ポール社製、定格ろ過精度10μm、長さ1インチ)を1本装着したものである。定量ポンプ2は、エア駆動式のダイヤフラムポンプを用い、ろ過器前後の差圧が0.34MPaGとなるようにした。
6.2.3.電極用スラリーの調製
二軸型プラネタリーミキサー(プライミクス株式会社製、商品名「TKハイビスミックス 2P−03」)に増粘剤(商品名「CMC2200」、ダイセル化学工業株式会社製)1質量部(固形分換算)、負極活物質としてグラファイト100質量部(固形分換算)、水68質量部を投入し、60rpmで1時間攪拌を行った。その後、「7.2.2.蓄電デバイス用バインダー組成物のフィルターろ過」にてろ過を実施した蓄電デバイス用バインダー組成物C1を2質量部(固形分換算)を加え、さらに1時間攪拌しペーストを得た。得られたペーストに水を投入し、固形分を50%に調製した後、攪拌脱泡機(株式会社シンキー製、商品名「泡とり練太郎」)を使用して、200rpmで2分間、1800rpmで5分間、さらに真空下において1800rpmで1.5分間攪拌混合することにより、電極用スラリーを調製した。
6.2.4.電極(負極)の製造と評価
厚み20μmの銅箔よりなる集電体の表面に、上記「6.2.3.電極用スラリーの調製」で調製した電極用スラリーを、乾燥後の膜厚が80μmとなるようにドクターブレード法によって均一に塗布し、120℃で20分間乾燥処理した。その後、電極層の密度が1.5g/cmになるようにロールプレス機によりプレス加工することにより、電極(負極)を得た。
上記で得られた負極から幅2cm×長さ12cmの試験片を切り出し、この試験片の電極活物質層側の表面を、幅25mmの両面テープ(ニチバン(株)製、商品名「ナイスタック(登録商標)」)を用いてアルミニウム板に貼り付けた。一方、試験片の集電体の表面に、幅18mmテープ(ニチバン(株)製、商品名「セロテープ(登録商標)」、JIS Z1522に規定)を貼り付けた。この幅18mmテープを90°方向に50mm/minの速度で2cm剥離したときの力(N/m)を6回測定し、その平均値を密着強度(ピール強度、N/m)として算出したところ、31N/mであった。
このピール強度の値が大きいほど、集電体と電極活物質層との密着強度が高く、集電体から電極活物質層が剥離し難いと評価することができる。定量的には、ピール強度の値が15N/m以上である場合、密着強度が良好であると判断することができる。
6.2.5.蓄電デバイスの製造および評価
<対極(正極)の製造>
二軸型プラネタリーミキサー(プライミクス株式会社製、商品名「TKハイビスミックス 2P−03」)に電気化学デバイス電極用バインダー(株式会社クレハ製、商品名「KFポリマー#1120」)4.0質量部(固形分換算)、導電助剤(電気化学工業株式会社製、商品名「デンカブラック50%プレス品」)3.0質量部、正極活物質として粒径5μmのLiCoO2(ハヤシ化成株式会社製)100質量部(固形分換算)、N−メチルピロリドン(NMP)36質量部を投入し、60rpmで2時間攪拌を行った。得られたペーストにNMPを投入し、固形分を65%に調製した後、攪拌脱泡機(株式会社シンキー製、商品名「泡とり練太郎」)を使用して、200rpmで2分間、1800rpmで5分間、さらに真空下において1800rpmで1.5分間攪拌混合することにより、電極用スラリーを調製した。アルミニウム箔よりなる集電体の表面に、調製した電極用スラリーを、乾燥後の膜厚が80μmとなるようにドクターブレード法によって均一に塗布し、120℃で20分間乾燥処理した。その後、電極層の密度が3.0g/cmとなるようにロールプレス機によりプレス加工することにより、対極(正極)を得た。
<リチウムイオン電池セルの組立て>
露点が−80℃以下となるようAr置換されたグローブボックス内で、上記で製造した電極(負極)を直径15.95mmに打ち抜き成型したものを、2極式コインセル(宝泉株式会社製、商品名「HSフラットセル」)上に載置した。次いで、直径24mmに打ち抜いたポリプロピレン製多孔膜からなるセパレータ(セルガード株式会社製、商品名「セルガード#2400」)を載置し、さらに、空気が入らないように電解液を500μL注入した後、上記で製造した正極を直径16.16mmに打ち抜き成型したものを載置し、前記2極式コインセルの外装ボディーをネジで閉めて封止することにより、リチウムイオン電池セル(蓄電デバイス)を組み立てた。ここで使用した電解液は、エチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート=1/1(質量比)の溶媒に、LiPFを1モル/Lの濃度で溶解した溶液である。
<容量維持率の評価>
上記で作製したリチウムイオン二次電池を、定電流(1C)にて充電を開始し、電圧が4.2Vになった時点で引き続き定電圧(4.2V)にて充電を続行し、電流値が0.01Cとなった時点を充電完了(カットオフ)とした。その後、定電流(1C)にて放電を開始し、電圧が3.0Vになった時点を放電完了(カットオフ)とし、1サイクル目の放電容量を算出した。このようにして50回充放電を繰り返し、50サイクル目の放電容量を算出した。このようにして測定した50サイクル目の放電容量を、1サイクル目の放電容量で割った値を容量維持率(%)として、表5に示した。容量維持率が80%以上である場合、良好と判断できる。
なお、本実施例の測定条件において「1C」とは、ある一定の電気容量を有するセルを定電流放電して1時間で放電終了となる電流値を示す。たとえば「0.1C」とは、10時間かけて放電終了となる電流値のことであり、「10C」とは0.1時間かけて放電完了となる電流値のことをいう。
6.3.実施例2〜3、比較例1〜3
原料セットAを用いて、各単量体の種類および仕込み量(部)をそれぞれ表2に記載とし、重合体(A)を作成する際の、一段目重合成分および二段目重合成分の含有割合を表3のとおりとした他は上記実施例1と同様と同様にして蓄電デバイス用バインダー組成物C2〜C3を作製した。また、原料セットBを用いた以外は実施例1と同様にして比較例1〜3に係る蓄電デバイス用バインダー組成物rC1〜rC3を作成し、評価を行った。それぞれの評価結果を表5に示す。なお、表5において、「バインダー組成物のフィルターろ過」の欄が「有」になっている実施例と比較例では、実施例1と同様のフィルターろ過を行った蓄電デバイス用バインダー組成物を用いて、実施例1と同様の評価を行ったことを示す。また、「バインダー組成物のフィルターろ過」の欄が「無」になっている実施例と比較例ではフィルターろ過を実施しない蓄電デバイス用バインダー組成物を用いて実施例1と同様の評価を行ったことを示す。
6.4.実施例4
6.4.1.蓄電デバイス用バインダー組成物の作製
実施例4において使用する水、単量体は、あらかじめ精製した原料セットAを用いた。
電磁式撹拌機を備えた内容積約6Lのオートクレーブの内部を十分に窒素置換した後、脱酸素した純水2.5Lおよび乳化剤としてパーフルオロデカン酸アンモニウム25gを仕込み、350rpmで撹拌しながら60℃まで昇温した。次いで、単量体であるフッ化ビニリデン(VDF)70質量%および六フッ化プロピレン(HFP)30質量%からなる混合ガスを、内圧が20kg/cmに達するまで仕込んだ。さらに、重合開始剤としてジイソプロピルパーオキシジカーボネートを20質量%含有するフロン113(CClF−CClF)溶液25gを、窒素ガスを使用して圧入し、重合を開始した。重合中は内圧が20kg/cmに維持されるように、VDF60質量%およびHFP40質量%からなる混合ガスを逐次圧入した。重合が進行するに従って重合速度が低下するため、重合開始から3時間経過後に、先と同じ重合開始剤溶液の同量を窒素ガスを使用して圧入し、さらに3時間反応を継続した。その後、反応液を冷却すると同時に撹拌を停止し、未反応の単量体を放出して反応を停止することにより、重合体(Aa)の微粒子を40質量%含有する水系分散体を得た。得られた重合体(Aa)につき、19F−NMRにより分析した結果、各単量体の質量組成比はVDF/HFP=21/4であった。
得られた重合体(Aa)の微粒子の水分散体はオムニポアメンブレン(メルクミリポア製、孔径5μm)を使用し、繰返しろ過精製することにより、1mL中の1〜10μmの粒子の数が80万個になるまで精製した。
容量7Lのセパラブルフラスコの内部を十分に窒素置換した後、上記の工程で得られた重合体(Aa)の微粒子を含有する水系分散体1,600g(重合体(Aa)換算で25質量部に相当)、乳化剤「アデカリアソープSR1025」(商品名、株式会社ADEKA製)0.5質量部、メタクリル酸メチル(MMA)20質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル(EHA)50質量部およびアクリロニトリル(AN)20質量部、アクリル酸(AA)8質量部およびエチレングリコールジメタクリレート(EDMA)2質量部ならびに水130質量部を順次仕込んだ後、70℃で3時間攪拌し、重合体(Aa)に単量体を吸収させた。次いで油溶性重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル0.5質量部を含有するテトラヒドロフラン溶液20mLを添加し、75℃に昇温して3時間反応を行い、さらに85℃で2時間反応を行った。その後、冷却した後に反応を停止し、2.5N水酸化ナトリウム水溶液でpH7に調節することにより、重合体(A)を40%含有する蓄電デバイス用バインダー組成物C4を得た。
6.4.2.蓄電デバイス用バインダー組成物のフィルターろ過
蓄電デバイス用バインダー組成物C4について、実施例1の「6.2.2.蓄電デバイス用バインダー組成物のフィルターろ過」と同様の方法によりにしてフィルターろ過を実施した
6.4.3.電極用スラリーの調製
二軸型プラネタリーミキサー(プライミクス株式会社製、商品名「TKハイビスミックス 2P−03」)に増粘剤(商品名「CMC1120」、ダイセル化学工業株式会社製)1質量部(固形分換算)、市販のリン酸鉄リチウム(LiFePO)をめのう乳鉢で粉砕し、ふるいを用いて分級することにより得られた粒子径(D50値)が0.5μmである電極活物質100質量部、アセチレンブラック5質量部および水68質量部を投入し、60rpmで1時間攪拌を行った。次いで、上記「7.4.2.蓄電デバイス用バインダー組成物のフィルターろ過」でろ過を実施した蓄電デバイス用バインダー組成物C4を、該組成物中に含有される重合体粒子が1質量部となるように加え、さらに1時間攪拌してペーストを得た。得られたペーストに水を加えて固形分濃度を50%に調整した後、攪拌脱泡機(株式会社シンキー製、商品名「あわとり練太郎」)を使用して、200rpmで2分間、1,800rpmで5分間、さらに真空下(約5.0×10Pa)において1,800rpmで1.5分間攪拌混合することにより、電極用スラリーを調製した。
6.4.4.電極の製造と評価
厚み30μmのアルミニウム箔からなる集電体の表面に、上記「6.4.3.電極用スラリーの調製」で調製した電極用スラリーを、乾燥後の膜厚が100μmとなるようにドクターブレード法によって均一に塗布し、120℃で20分間乾燥した。その後、膜(電極活物質層)の密度が1.7g/cmになるようにロールプレス機によりプレス加工することにより、電極(正極)を得た。さらに、得られた正極について実施例1の「7.2.4.電極(負極)の製造と評価」と同様の手法により密着強度を評価した。結果を表5に示す。
6.4.5.蓄電デバイスの製造および評価
<対極(負極)の製造>
二軸型プラネタリーミキサー(プライミクス株式会社製、商品名「TKハイビスミックス 2P−03」)に、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)4質量部(固形分換算)、負極活物質としてグラファイト100質量部(固形分換算)、N−メチルピロリドン(NMP)80質量部を投入し、60rpmで1時間撹拌を行った。その後、さらにNMP20質量部を投入した後、撹拌脱泡機(株式会社シンキー製、製品名「あわとり練太郎」)を使用して、200rpmで2分間、次いで1,800rpmで5分間、さらに真空下において1,800rpmで1.5分間撹拌・混合することにより、対極(負極)用スラリーを調製した。
銅箔からなる集電体の表面に、上記で調製した対極(負極)用スラリーを、乾燥後の膜厚が150μmとなるようにドクターブレード法によって均一に塗布し、120℃で20分間乾燥した。その後、膜の密度が1.5g/cmとなるようにロールプレス機を使用してプレス加工することにより、対極(負極)を得た。
<リチウムイオン電池セルの組立て>
実施例1の「7.2.5.蓄電デバイスの製造および評価」の項に記載の方法と同様に電池セルを組立て、評価を実施した。結果を表5に示す。
6.5.実施例5〜6および比較例4〜6
原料セットAを用いて、上記実施例4の単量体の組成と乳化剤量を適宜に変更したほかは実施例4と同様にして、表3に示す組成の重合体(A)を含有する水系分散体を調製し、該水系分散体の固形分濃度に応じて水を減圧除去または追加することにより、固形分濃度40%の蓄電デバイス用バインダー組成物C5〜C6を得た。また、原料セットBを用いた以外は実施例4と同様にして比較例4〜6に係る蓄電デバイス用バインダー組成物rC4〜rC6を作成し、評価を行った。それぞれの評価結果を表5に示す。なお、表5において、「バインダー組成物のフィルターろ過」の欄が「有」になっている実施例と比較例では、実施例4と同様のフィルターろ過を行った蓄電デバイス用バインダー組成物を用いて、実施例4と同様の評価を行ったことを示す。また、「バインダー組成物のフィルターろ過」の欄が「無」になっている実施例と比較例ではフィルターろ過を実施しない蓄電デバイス用バインダー組成物を用いて実施例4と同様の評価を行ったことを示す。
6.6.実施例7
6.6.1.蓄電デバイス用バインダー組成物の作製
実施例7において使用する水、単量体は、あらかじめ精製した原料セットAを用いた。
撹拌機付きのオートクレーブに、イオン交換水300質量部、アクリリロニトリル20質量部、アクリル酸8質量部、メタクリル酸シクロヘキシル20質量部、アクリル酸2−エチルヘキシル50質量部、エチレングリコールジメタクリレート2質量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1質量部および過硫酸カリウム1.0質量部を入れ、十分に撹拌した後、70℃に加温して重合し、ラテックスを得た。固形分濃度から求めた重合転化率は約99%であった。このラテックス100質量部にイオン交換水320質量部を加え、減圧下に水を蒸発させて、重合体(A)を40%含有する蓄電デバイス用バインダー組成物C7を作成した。
6.6.2.蓄電デバイス用バインダー組成物のフィルターろ過
蓄電デバイス用バインダー組成物C7について、実施例1の「6.2.2.蓄電デバイス用バインダー組成物のフィルターろ過」と同様の方法によりにしてフィルターろ過を実施した
6.6.3.電極用スラリーの調製
上記「7.6.2.蓄電デバイス用バインダー組成物のフィルターろ過」でろ過を実施した蓄電デバイス用バインダー組成物C7について、実施例1の「6.2.3.電極用スラリーの調製」と同様の方法により電極用スラリーを調製した。
6.6.4.電極(負極)の製造と評価
上記「6.6.3.電極用スラリーの調製」で調製した電極用スラリーを、実施例1の「6.2.4.電極(負極)の製造と評価」と同様の方法により電極(負極)を作成し、評価した。結果を表5に示す。
6.6.5.蓄電デバイスの製造および評価
上記「7.6.4.電極(負極)の製造と評価」で調製した電極用スラリーを、実施例1の「7.2.5.蓄電デバイスの製造および評価」と同様の方法によりリチウムイオン電池セルを組立て、評価した。結果を表5に示す。
6.6.実施例8〜9、比較例7〜9
原料セットAを用いて、各単量体の種類および仕込み量(部)をそれぞれ表4に記載とし、重合体(A)を作成する際の、重合成分の含有割合を表4のとおりとした他は上記実施例7と同様と同様にして蓄電デバイス用バインダー組成物C7〜C9を作製した。また、原料セットBを用いた以外は実施例7と同様にして比較例7〜9に係る蓄電デバイス用バインダー組成物rC7〜rC9を作成し、評価を行った。それぞれの評価結果を表5に示す。なお、表5において、「バインダー組成物のフィルターろ過」の欄が「有」になっている実施例と比較例では、実施例7と同様のフィルターろ過を行った蓄電デバイス用バインダー組成物を用いて、実施例4と同様の評価を行ったことを示す。また、「バインダー組成物のフィルターろ過」の欄が「無」になっている実施例と比較例ではフィルターろ過を実施しない蓄電デバイス用バインダー組成物を用いて実施例7と同様の評価を行ったことを示す。
さらに、表5において、実施例1と比較例1、実施例2と比較例2のように、原料セットAと原料セットBの違いによるピール強度と容量維持率の比較結果を、以下の計算式により「ピール強度向上率」と「容量維持向上率」として算出し、併せて示す。
ピール強度向上率=
(実施例におけるピール強度)/(比較例におけるピール強度)×100−100(%)
表5に記載の容量維持向上率は以下の式により求めた。
容量維持向上率=
(実施例における容量維持率)/(比較例における容量維持率)×100−100(%)
6.7.評価結果
上記表5の評価結果から明らかなように、実施例1〜9に示した本発明に係る蓄電デバイス用バインダー組成物により作製された電極および蓄電デバイスは、比較例1〜9に係る蓄電デバイス用バインダー組成物により作製された電極と比較して密着力が向上し、。さらに、その電極を使用して作製した蓄電デバイスは良好な容量維持率を示すことが分かった。さらに、ピール強度向上率および容量維持向上率を比較することにより、本発明に係る製造方法により製造された蓄電デバイス用バインダー組成物は、ピール強度および容量維持率が向上していることが明らかとなった。
1:供給タンク、2:定量ポンプ、3:脈動防止器、4:ろ過器、5:排出導管、6:戻り導管、7a:第一圧力計、7b:第二圧力計、100:ろ過装置。

Claims (6)

  1. 粒子径1〜10μmの粒子の数が100万個/mL未満である水と、
    粒子径1〜10μmの粒子の数が100万個/mL未満である単量体と、を用いて作製された重合体(A)と、液状媒体(B)と、を含有する、蓄電デバイス用バインダー組成物。
  2. 前記重合体(A)が、不飽和カルボン酸エステルに由来する繰り返し単位(Mb)を有する、請求項1に記載の蓄電デバイス用バインダー組成物。
  3. 前記重合体(A)が、含フッ素エチレン系単量体に由来する繰り返し単位(Ma)を有する含フッ素系重合体である、請求項1または請求項2に記載の蓄電デバイス用バインダー組成物。
  4. 前記重合体(A)が、
    不飽和カルボン酸に由来する繰り返し単位(Mc)と、
    共役ジエン化合物に由来する繰り返し単位(Md)と、
    芳香族ビニルに由来する繰り返し単位(Me)と、
    を有するジエン系重合体である、請求項1または請求項2に記載の蓄電デバイス用バインダー組成物。
  5. 前記含フッ素系重合体または前記ジエン系重合体が粒子状に液状媒体(B)中に、平均粒子径が50〜400nmで分散している、請求項3または請求項4に記載の蓄電デバイス用バインダー組成物。
  6. 粒子径1〜10μmの粒子の数が100万個/mL未満である水と、
    粒子径1〜10μmの粒子の数が100万個/mL未満である単量体と、を用いて重合体(A)を製造する、蓄電デバイス用バインダー組成物の製造方法。
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