JP2016014537A - センサ - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、コイルの設置間隔に対して小さな径の車輪を検出することを目的とする。
他の好ましい態様において、前記物体は線路を走行する車両であり、前記一対の送信コイルおよび受信コイルは、それぞれ前記線路を構成する一のレールの両側に設けられる。
他の好ましい態様において、前記補正手段は、前記一方の受信コイルにて検出された、前記他方の送信コイルに起因した磁場の変化に基づいて、当該一方の受信コイルおいて検出された磁場の変化の期間を拡張し、前記他方の受信コイルにて検出された、前記一方の送信コイルに起因した磁場の変化に基づいて、当該他方の受信コイルにおいて検出された磁場の変化の期間を拡張する、
他の好ましい態様において、前記一方の受信コイルが前記他方の受信コイルよりも先に磁場の変化を検出した場合、前記補正手段は、前記一方の受信コイルおいて検出された磁場の位相の変化の期間の終了時点を後ろにシフトさせ、前記他方の受信コイルおいて検出された磁場の位相の変化の期間の開始時点を前にシフトさせる、好ましい態様において、前記一方の受信コイルにて検出された磁場の変化の期間の終了時点をシフトさせる量は、前記他方の送信コイルにて発生し、前記一方の受信コイルおいて検出された磁場の大きさに基づいて設定される。
図4は鉄道管理システム990の概要を示す。鉄道管理システム990は、車輪検出部200と信号処理装置199と中央管理装置300とを含む。鉄道車両は線路400上を走行する。車両の進行方向は、両方がありえる。車両は通常の客車のほか、整備車両、トロッコ等、線路400上を走行可能なあらゆる車両を含む。すなわち、鉄道管理システム990においては、線路400上を複数の種類の車両がどちらの方向にも進行しうる。車両の種類が異なれば、車輪の径(サイズ)も異なりうる。なお、軌道セクション(S(x))は線路400に設定された区間を規定する。
車輪検出部200は、AD(Axel detector)であって、一つの信号処理装置199に対応して一つ設けられる。一の信号処理装置199と一の車輪検出部200とは信号線を介して電気的に接続される。車輪検出部200は、信号処理装置199に交流電圧を印加し、信号処理装置199から供給される信号を取得する。
中央管理装置300は、一つのみ設けられ、全ての車輪検出部200から、各ポイント(軌道セクションSの境界部)をどちらの方向に通過したか否かを把握し、全列車がどの軌道セクションS内に存在するのか、およびその進行方向についての情報を集約・管理する。
送受信回路205Aおよび送受信回路205Bは、構造的には同一である。よって、以下、両者を区別する必要がない場合は、単に「送受信回路205」と称する。各送受信回路205は、一本のレールRを挟んで正対して設置された送信用コイル210および受信用コイル220を含む。送信用コイル210Aおよび送信用コイル210Bにおいて、それぞれ信号処理装置199から印加された周波数f1、f2の交流電流に応じた磁場が発生する。発生した磁場の一部は、それぞれ受信用コイル220Aおよび受信用コイル220B内に侵入し、これによって誘導電流が発生する。誘導電流に応じた電気信号が、受信用コイル220A、受信用コイル220Bのそれぞれから信号処理装置199に出力される。
ところが、送信用コイル210と受信用コイル220の間に車輪などの金属物体があると、送信用コイル210に印加される電流の位相と受信用コイル220から出力される電流の位相の関係(相対的位相)にずれが生じる。典型的には、相対的位相は、物体が送信用コイル210と受信用コイル220の間に接近すると反転し、そのまま横切って遠ざかると、反転状態が元に戻るという変化を示す。各送受信回路205にて検出されるこのような位相の変化を利用して、車両の進行方向を判定する。
図6は、信号処理装置199の回路構成を示す。信号処理装置199は、位相差検出回路110−1、基準信号生成部140−1、バンドパスフィルタ120-1、位相差検出回路110−2、基準信号生成部140−2、バンドパスフィルタ120-2、判定回路130からなる。基準信号生成部140−1および基準信号生成部140-2は、それぞれ周波数f1、f2の交流電流を、それぞれ送信用コイル210Aおよび送信用コイル210Bに印加するとともに、参照信号Ref(f1)およびRef(f2)として、位相差検出回路110-1および位相差検出回路110−2に出力する。位相差検出回路110−1および位相差検出回路110−2は、それぞれ受信用コイル220Aおよび受信用コイル220Bから、それぞれ信号R0(f1)および信号R0(f1)を受信して、それぞれの信号について参照信号との位相差(の時間変化)を検出する。
図8は、車輪径が小さい場合に検出される信号の例である。このように、従来の方法では、車輪径が小さい場合は、車両が通過したことは検知できても、進行方向が判定できないという問題があった。
仮にLを小さく設定できたとしても、特に、車輪が大きいばあいの検知や通過速度が大きい場合の検知において検知精度が下がってしまうという問題がある。換言すると、大小さまざまな径の車輪を有する車両が混在する軌道において、全ての車両の進行方向を判定することが困難であった。
本発明において前提となるシステムは鉄道管理システム990と同様である。鉄道管理システム990と異なるのは、信号処理装置199に変えて信号処理装置100を用いた点のみである。よって、以下、この差異点を中心に説明する。
同図(b)に示すように、位相補正部830は、前記受信用コイル220Aが受信用コイル220Bよりも先に磁場の変化を検出した場合、受信用コイル220Aにおいて検出された磁場の位相の変化の期間の終了時点を後ろにシフトさせるとともに、受信用コイル220Bおいて検出された磁場の位相の変化の期間の開始時点を前にシフトさせる。信号P1、信号P2の反転発生順序が逆である場合は、受信用コイル220Bにおいて検出された磁場の位相の変化の期間の終了時点を後ろにシフトさせるとともに、受信用コイル220Aおいて検出された磁場の位相の変化の期間の開始時点を前にシフトさせる。
例えば、位相補正部830が補正を行う対象の信号は、信号P1、信号P2の両方ではなく、少なくともいずれかであってもよい。要するに、時間的に先に位相差のずれを検出したものの終点を時間的に後側に拡張する補正処理と、後に検出したものの始点が時間的に前側に拡張する補正処理の少なくともいずれかが実行されればよい。
また、拡張する量(時間の長さ)は、自己や相手の受信コイルの信号強度や反転期間の長さ等、磁場に非依存の、予め定められた量であってもよい。
Claims (5)
- 所定の周波数の交流電流を用いて磁場の変化を検出して物体の接近を検知する一対の送信コイルおよび受信コイルを2つ配置し、一方の受信コイルと他方の受信コイルとにおいて磁場の変化が検出され、該検出された期間が一部共通する場合に、検出順序に基づいて当該物体の進行方向を判定するセンサであって、
一方の受信コイルにて検出された、他方の送信コイルに起因した磁場の変化に基づいて、前記期間を補正する補正手段を有するセンサ。 - 前記物体は線路を走行する車両であり、
前記一対の送信コイルおよび受信コイルは、それぞれ前記線路を構成する一のレールの両側に設けられる、請求項1のセンサ。 - 前記補正手段は、
前記一方の受信コイルにて検出された、前記他方の送信コイルに起因した磁場の変化に基づいて、当該一方の受信コイルおいて検出された磁場の変化の期間を拡張し、
前記他方の受信コイルにて検出された、前記一方の送信コイルに起因した磁場の変化に基づいて、当該他方の受信コイルにおいて検出された磁場の変化の期間を拡張する、
請求項1または2に記載のセンサ。 - 前記一方の受信コイルが前記他方の受信コイルよりも先に磁場の変化を検出した場合、
前記補正手段は、前記一方の受信コイルおいて検出された磁場の位相の変化の期間の終了時点を後ろにシフトさせ、前記他方の受信コイルおいて検出された磁場の位相の変化の期間の開始時点を前にシフトさせる、
請求項3に記載のセンサ。 - 前記一方の受信コイルにて検出された磁場の変化の期間の終了時点をシフトさせる量は、前記他方の送信コイルにて発生し、前記一方の受信コイルおいて検出された磁場の大きさに基づいて設定される、請求項4に記載のセンサ。
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