JP2016014373A - 内燃機関のオイルジェット装置 - Google Patents

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啓太朗 中西
Keitaro Nakanishi
啓太朗 中西
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Abstract

【課題】所望の方向へオイルを噴射できる別体のノズルをコンロッドに容易に固定できる内燃機関のオイルジェット装置を提供する。【解決手段】コンロッド5の内部に形成され、クランクシャフト7からオイルを供給されるロッド内油路31と、ロッド内油路31と連通し、かつコンロッド5の外面に開口するように形成された直線状のポート32と、ポート32に挿入された状態でコンロッド5に取り付けられ、先端からオイルを噴出するオイルジェット33とを有し、オイルジェット33が、ポート32内に延在する直線部36と、直線部36から連続して直線部36と異なる方向に延び、先端にオイルの噴出口37aを有するノズル部37とを有する内燃機関Eのオイルジェット装置30において、コンロッド5におけるポート32の開口端に、ポート32を一方向に拡幅すると共にオイルジェット33のノズル部37を受容する係止溝32aを形成する。【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関のオイルジェット装置に関する。
内燃機関のピストンピン軸受部を冷却及び潤滑するための冷却装置として、コンロッド(コネクティングロッド)内に大端部のクランクピン結合孔内面と小端部のピストンピン軸受部内面とを連通するオイル導入通路を設け、コンロッドの小端部のピストンピン軸受部内面にはオイル導入通路と連通する第1のオイル溝を、ピストンのピストンピン軸受部内面にはピストン底部に形成されたオイル孔と連通する第2のオイル溝をそれぞれ形成し、両オイル溝にオイルを供給するものが公知である(特許文献1)。
特許文献1では、第2のオイル溝へオイルを供給するための構造として、コンロッドの小端部寄りのロッド部にジェットホルダを打ち込み、斜めに延びるジェットパイプをジェットホルダに取り付ける形態や、ロッド部に肉盛りをして鍛造によりジェットホルダ部とジェットパイプ部とを一体成型する形態が開示されている。
一方、斜めのキリ加工等の困難な加工を伴うことなくオイルの噴射方向を任意に設定し得る内燃機関のオイルジェット装置として、コンロッド内に大端部から小端部にわたって形成したオイル通路を、当該オイル通路に略直角に設けたポートを介してコンロッドの小端肩部に開口させるとともに、鉤形に成形した別体のノズルをポートの開口端に装着し、ノズルを通してオイルを所望の方向へ噴射させ得るようにしたものが公知である(特許文献2)。
実開昭62−154216号公報 実開昭62−40216号公報
しかしながら特許文献2のオイルジェット装置では、所望の方向にオイルを噴射するためにノズルが鉤形を呈しているため、ノズルにはピストンの往復動等による慣性力がポートの軸線を中心とした回転モーメントとして作用する。そのため、例えば圧入でノズルをポートの開口端に装着している場合には、ノズルが回転し、オイルの噴射方向が変わってしまう虞がある。このようなことを生じさせないためには、溶接等でノズルをコンロッドに固定する必要があり、ノズルの固定作業が煩雑である。
本発明は、このような背景に鑑み、所望の方向へオイルを噴射できる別体のノズルをコンロッドに容易に固定できる内燃機関のオイルジェット装置を提供することを課題とする。
このような課題を解決するために、本発明は、内燃機関(E)のオイルジェット装置(30)であって、ピストン(3)とクランクシャフト(7)とを連結するコンロッド(5)の内部に形成され、前記クランクシャフトからオイルを供給される油路(31)と、前記油路と連通し、かつ前記コンロッドの外面に開口するように形成された直線状のポート(32)と、前記ポートに挿入された状態で前記コンロッドに取り付けられ、先端からオイルを噴出するオイルジェット(33)とを有し、前記オイルジェットが、前記ポート内に延在する直線部(36)と、前記直線部から連続して前記直線部と異なる方向に延び、先端にオイルの噴出口(37a)を有するノズル部(37)とを有し、前記コンロッドにおける前記ポートの開口端に、前記ポートを一方向に拡幅すると共に前記オイルジェットの前記ノズル部を受容する係止溝(32a)が形成された構成とする。
この構成によれば、オイルジェットのノズル部が係止溝に受容されるため、溶接等でオイルジェットをコンロッドに固定しなくとも、オイルジェットのポートを軸線とした回転を防止できる。
また、上記の発明において、前記オイルジェットは、直管状態で前記ポートに圧入した後に前記係止溝に対応する位置で折り曲げることにより形成された構成とすることができる。
この構成によれば、圧入時に特別な把持具を用いることなくオイルジェット(直管)をポートに圧入することができる。また圧入後には、ポートの軸線方向に延びるオイルジェットの先端付近に係止溝方向への力を加えて直管状態のオイルジェットを折り曲げることで、ノズル部を容易に係止溝内に進入させ、係止溝に係止できる。
また、上記の発明において、前記係止溝と前記ポートとの接続部に内側に向けて突出する一対の突起(38)が設けられている構成とすることができる。
この構成によれば、一対の突起が係止溝に受容されたオイルジェットのノズル部を係止するため、ノズル部がポート側に戻ること、すなわちノズル部の角度が変わることやオイルジェットがポートから抜ける方向に移動することを防止できる。
また、上記の発明において、前記ポートが前記コンロッドを貫通するように形成され、前記オイルジェットが、前記油路に対応する位置に孔が穿設された前記直線部と、前記直線部の両端から連続する一対の前記ノズル部とを有し、前記コンロッドにおける前記ポートの少なくとも一方の開口端に前記係止溝が形成された構成とすることができる。
この構成によれば、オイルジェットがコンロッドを貫通するように設けられ、かつ両端にノズル部を有することにより、オイルジェットのポートの軸線回りの回転だけでなくポートからの抜けを防止することもできる。
このように本発明によれば、所望の方向へオイルを噴射できる別体のノズルをコンロッドに容易に固定できる内燃機関のオイルジェット装置を提供することができる。
第1実施形態に係る内燃機関の要部断面図 図1に示すオイルジェット装置の断面図 図2中のIII矢視図 図2に示すオイルジェット装置の製造手順の説明図 第2実施形態に係るオイルジェット装置の断面図 図4に示すオイルジェット装置の一製造手順の説明図 図4に示すオイルジェット装置の他の製造手順の説明図
以下、図面を参照して、本発明のオイルジェット装置30を自動車用エンジンに適用した実施形態について詳細に説明する。
≪第1実施形態≫
まず、図1〜図4を参照しながら本発明の第1実施形態について説明する。図1に示すように、内燃機関Eでは、シリンダブロック1に円筒状のシリンダボア2が形成され、このシリンダボア2の内部にピストン3が摺動可能に収容されている。ピストン3には、ピストンピン4を介してコンロッド5の上端の小端部5aが連結され、コンロッド5の下端の大端部5bはクランクピン6を介してクランクシャフト7に連結されている。クランクピン6に対してクランクシャフト7の回転軸(以下、クランク軸線7Xと記す。)方向の両側には、クランク軸線7Xに対してクランクピン6と相反する側に突出するカウンタウェイト8が設けられている。なお、ピストンピン4及びクランクピン6はクランク軸線7Xと平行に延在している。
シリンダブロック1の下側には、クランクケース9が結合され、このクランクケース9とシリンダブロック1の下部とで、クランクシャフト7を収容するクランク室10が画成される。クランクケース9の下側には、上方から降下したオイルを受けるオイルパン(図示せず)が設けられる。シリンダブロック1の上側には、吸気バルブ及び排気バルブによりそれぞれ開閉される吸気ポート及び排気ポートが形成されたシリンダヘッド(図示せず)が結合される。
図2に示すように、ピストン3は、燃焼ガスの圧力が作用する頂部11と、頂部11から垂下した態様で設けられた一対のスカート部12と、一対のスカート部12を互いに連結する態様で設けられた一対のサイドウォール部13とを有している。一対のサイドウォール部13は、クランク軸線7Xに直交する向きに延在している。一対のスカート部12は、シリンダボア2の内周面に沿うように円弧状断面に形成され、スラスト側及び反スラスト側にそれぞれ配置される。ピストンピン4は、サイドウォール部13に設けられてピン挿通孔を画定する一対のピンボス部により保持される。ピストン3の頂部11近傍の外周には、トップリング、セカンドリング、及びオイルリング(図示せず)がそれぞれ取り付けられるリング溝14が形成されている。なお、頂部11の内部にトンネル状のクーリングチャンネルが形成されてもよい。
コンロッド5は、ピストンピン4を軸支する軸受孔21を画定する小端部5aと、クランクピン6を軸支する軸受孔22を画定する大端部5bと、小端部5a及び大端部5bを互いに連結するロッド部5cとを有する。小端部5aの軸受孔21は、ロッド部5cに一体形成された環状の小端部5aにより画定されており、小端部5aの適所には、小端部5aに降りかかる潤滑油を軸受孔21内に誘導する半径方向孔24が設けられている。
大端部5bは、ロッド部5cに二股状に一体形成された上側軸受半部25と、上側軸受半部25に左右一対の締結ボルト26により結合された下側軸受半部27(ベアリングキャップ)とを有し、両軸受半部25、27が互いに協働して軸受孔22を画定している。軸受孔22には軸受メタル28が装着されており、クランクピン6は軸受メタル28を介して軸受孔22により軸支される。上側軸受半部25の両側部には、下側軸受半部27に対する合わせ面から掘り込まれたねじ孔25aが設けられ、下側軸受半部27の両側部には、ねじ孔25aに整合する貫通孔27aが設けられている。貫通孔27aの下側の開口端から挿入された締結ボルト26がねじ孔25aに捩じ込まれることにより、両軸受半部25、27が互いに強固に結合される。
クランクピン6の内部には、図示しないクランクホルダからクランクシャフト7内を通って送られてくる潤滑油を大端部5bの軸受面(軸受メタル28の内周面)に供給する油路(以下、クランクピン内油路29と称する)が形成されている。クランクピン内油路29は、クランクピン6の軸心を通ってクランクピン6を径方向に貫通するように設けられており、クランクピン6の外周面に両端を開口させている。クランクピン内油路29から大端部5bの軸受面に供給された使用済みの潤滑油は軸受の軸線方向端から排出される。
コンロッド5には、ピストン3を冷却するためのオイルをピストン3の裏面3aに向けて下方から噴射するオイルジェット装置30が設けられている。オイルジェット装置30は、コンロッド5の内部に形成され、大端部5bの軸受孔22から小端部5aに向かって延びる油路(以下、ロッド内油路31と称する)と、ロッド内油路31と連通し、かつコンロッド5の外面に開口するように形成された直線状のポート32と、ポート32に挿入された状態でコンロッド5に取り付けられ、先端からオイルを噴出するオイルジェット33とを有している。
ロッド内油路31は、ロッド部5cの概ね中心を通る位置に配置され、ドリル加工によって円形断面の直線状に形成されている。本実施形態では、ロッド内油路31は小端部5aの軸受孔21に至らない長さとされている。他の実施形態では、先端部分が小径に形成されたロッド内油路31が小端部5aの軸受孔21に至り、小端部5aの軸受部にロッド内油路31から潤滑油が供給されてもよい。なお、軸受メタル28にも、ロッド内油路31の上流端(下端)を構成する円形断面の貫通孔28aが形成されている。
ロッド内油路31の大端部5b側の端部には、他の部分(以下、小径孔31bと称する)に比べて大径を有する大径孔31aとされている。この大径孔31aには、潤滑油を大端部5b側から小端部5a側にのみ流通させる一方向弁34が設けられている。一方向弁34は、オイル入口及びオイル出口を有し、大径孔31aに装着される円筒状のケースと、ケース内に収容され、オイル入口を閉塞可能な球状の弁体と、弁体をオイル入口に向けて付勢する付勢手段としての圧縮コイルばねとを有している。一方向弁34は、大端部5bの軸受孔22側の油圧が所定圧力以上となったときに、弁体が圧縮コイルばねの付勢力に抗して小端部5a側に移動することでオイル入口を開放し、潤滑油をオイル出口からロッド内油路31に放出する。
本実施形態では、大径孔31aの外周部からロッド内油路31(小径孔31b)が上方に延びており、一方向弁34ではオイル入口がケースの下部(下壁)に、オイル出口がケースの側部(円筒壁)にそれぞれ形成されている。一方向弁34は、オイル出口をロッド内油路31に望ませる向きに大径孔31a内に挿入されており、この状態で、軸受メタル28の貫通孔28aとオイル入口とが連通している。一方向弁34のケースの側面には係止片35が突出形成され、コンロッド5には係止片35を受容するキー溝5dが形成されており、これにより一方向弁34の取付向きが規定されるとともに一方向弁34が大径孔31a内で回転しないようになっている。
ポート32は、ロッド内油路31の先端位置においてロッド内油路31及びクランク軸線7Xと概ね直交するように配置され、本実施形態では、ドリル加工によってロッド部5cを貫通する円形断面の直線孔として形成されている。従って、ポート32は、軸方向の略中央(中間部)でロッド内油路31と連通している。
オイルジェット33は、ポート32内に延在する直線部36と、直線部36から連続して湾曲した後、斜め上方に延び、先端にオイルの噴出口37aを有する一対のノズル部37とを有している。直線部36のロッド内油路31に対応する位置には、内部に潤滑油を進入させるための貫通孔36aが形成されている。本実施形態では、貫通孔36aはオイルジェット33の上壁及び下壁を貫通する態様で形成されている。他の実施形態では、貫通孔36aがオイルジェット33の下壁のみを貫通する態様で形成されてもよい。また本実施形態では、ノズル部37の先端部は、スエージング等の塑性加工によって他の部分に比べて細くされており、噴出口37aから潤滑油を勢い良く噴射するようになっている。他の実施形態では、ノズル部37が一定径とされていてもよい。ノズル部37は、噴出口37aからピストン3の裏面3aに向けて潤滑油を噴射する。
コンロッド5はピストン3に対して相対回動するうえ、ピストン3と共に往復動するため、噴射された潤滑油が衝突する位置は一定ではないが、ピストン3にクーリングチャンネルが形成される場合には、潤滑油の噴射位置(経路上)に流入口を設ける。言い換えれば、オイルジェット33の噴出口37aをクーリングチャンネルの流入口に向ける。この場合、上死点付近で噴出口37aがクーリングチャンネルの流入口に向くようにノズル部37の角度を設定するとよい。
図2中の部分拡大図は、オイルジェット33を省略した状態(取り付ける前の状態)を示している。同部分拡大図に示されるように、ロッド部5cにおけるポート32の両開口端には、上方向に切り欠かれ、ポート32を一方向(上方向)に拡幅する係止溝32aが形成されている。係止溝32aは、ポート32の中央から開口端に進むにつれて徐々に深くなっており、同方向に進むにつれてポート32を徐々に上方向に拡幅させている。そして、一対のノズル部37の基端(すなわち直線部36に連続する湾曲部分)が係止溝32aに受容されている。
この係止溝32aは、ドリル加工により、ポート32と同一径のドリルをロッド部5cの外面に対して斜めに配置した状態で押し込んで形成してもよく、フライス加工により、ポート32を拡幅するように形成してもよい。ドリル加工で係止溝32aを形成する場合には、図3(A)に示すように、係止溝32aの軸方向視(ノズル部37の直線部分の軸方向視)において、ロッド部5cの外面上で係止溝32aの削孔中心がポート32の中心からずれるため、係止溝32aとポート32との接続部には内側に向けて突出する一対の突起38が形成される。このような突起38が形成されることにより、係止溝32aに受容されたオイルジェット33のノズル部37が一対の突起38により係止される。そのため、ノズル部37がポート32側に戻ること、すなわちノズル部37の角度が変わることが防止される。
一方、フライス加工で係止溝32aを形成する場合には、フライスをロッド部5cの外面に対して直交配置した状態で加工できる。この場合には、図3(B)に示すように、ロッド部5cの外面において、係止溝32aがポート32と共に長孔を形成する形状となり、ドリル加工時のような突起38は形成されない。一方、長いフライスを用いてポート32と係止溝32aとを同時に切削加工することにより、工数を削減することができる。
次に、図4を参照して本実施形態のオイルジェット33のコンロッド5への取付手順について説明する。(A)に示すように、ロッド内油路31及びポート32が形成されたコンロッド5(図では下側軸受半部27が取り付けられていない状態となっている)と、両端部が他の部分に比べて細くされ、かつ中間部に貫通孔36aが形成された直管状態のオイルジェット33とを用意する。
次に、(B)に示すように、この直管状態のオイルジェット33を圧入等によってコンロッド5の一側面側からポート32内に挿入する。この際、オイルジェット33に形成された貫通孔36aをロッド内油路31と一致させるために、貫通孔36aを上下方向に向けた状態で圧入ヘッド(冶具)によってオイルジェット33を保持するとともに、オイルジェット33の圧入量をストロークで管理するとよい。
その後、(C)に示すように、直管状態のオイルジェット33のコンロッド5から延出する両端側部分(ノズル部37)を上方に押し上げて湾曲させ、湾曲部をコンロッド5に形成された係止溝32a内に進入させる。一対の突起38が設けられている場合には、この突起38を乗り越えさせるように湾曲部を係止溝32a内に圧入する。これにより、噴出口37aを上方に向けた上記オイルジェット装置30が完成する。
このように構成されたオイルジェット装置30を備えた内燃機関Eでは、図1に示すように、内燃機関Eの始動後、クランクシャフト7の回転により、コンロッド5の大端部5bの軸受孔22内でクランクピン6が回転すると共に、図示しないオイルポンプから内燃機関Eの各所への潤滑油の供給により、クランクピン内油路29に油圧が作用する。そして、この油圧が所定値に設定された一方向弁34の開弁圧よりも高くなると、クランクピン内油路29が軸受メタル28の貫通孔28aと連通する所定範囲のクランク角で間欠的に、オイルが噴出口37aからピストン3の裏面3aに向けて噴出される。
そしてオイルジェット装置30では、ポート32に挿入された状態でコンロッド5に取り付けられるオイルジェット33が、ポート32内に延在する直線部36と、直線部36から連続して直線部36と異なる方向に延び、先端にオイルの噴出口37aを有するノズル部37とを有しているため、ピストン3の往復動等による慣性力が直線部36を中心とした回転モーメントとしてオイルジェット33に作用する。ところが、本実施形態では、コンロッド5におけるポート32の開口端に、オイルジェット33のノズル部37を受容する係止溝32aが形成されていることにより、オイルジェット33がポート32内で回転することがない。
なお、回転モーメントは、オイルジェット33が直線部36とこれと異なる方向に延びるノズル部37とを有することに起因するものであり、オイルジェット33が直線状であれば回転モーメントは発生しないが、上記のような構成とされることにより、所望の向きへの噴出口37aの設定が可能になるとともに、ロッド部5cの外面に対してポート32を直交配置でき、斜めのドリル加工を行うことなくポート32を容易に形成することができる。
また、オイルジェット33が、直管状態のオイルジェット33をポート32に圧入した後に係止溝32aに対応する位置で折り曲げることにより形成されることにより、圧入時に特別な把持具を用いることなくオイルジェット33をポート32に圧入することができる。また圧入後には、ポート32の軸線方向に延びるオイルジェット33の先端付近に係止溝32a方向への力を加えて直管状態のオイルジェット33を折り曲げることで、ノズル部37を容易に係止溝32a内に進入させ、係止溝32aにノズル部37を係止させることができる。
更に、ポート32がコンロッド5を貫通するように形成され、オイルジェット33が、ロッド内油路31に対応する位置に貫通孔36aが穿設された直線部36と、直線部36の両端から連続する一対のノズル部37とを有し、コンロッド5におけるポート32の少なくとも一方の開口端に係止溝32aが形成されているため、オイルジェット33のポート32の軸線回りの回転だけでなくポート32からの抜けも防止される。
≪第2実施形態≫
次に、図5〜図7を参照しながら本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態と同様の構成又は機能を有する部材や部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図5に示すように、本実施形態のオイルジェット装置30では、オイルジェット33が分割された2つの部材のそれぞれによって構成されている。各オイルジェット33のポート32内に延在する直線部36は、ロッド内油路31に至らない(ロッド内油路31の上端を塞がない)長さとなっており、直線部36の先端はポート32内で開口しているため、直線部36に第1実施形態のような貫通孔36aは形成されていない。本実施形態においても、オイルジェット33においては、直線部36がポート32に圧入されており、ノズル部37の基端(すなわち直線部36に連続する湾曲部分)が係止溝32aに進入している。
次に、図6を参照して本実施形態のオイルジェット33のコンロッド5への取付手順について説明する。(A)に示すように、ロッド内油路31及びポート32が形成されたコンロッド5と、一端部が他の部分に比べて細くされた直管状態の2つのオイルジェット33とを用意する。
次に、(B)に示すように、直管状態のオイルジェット33のそれぞれを圧入によってコンロッド5の一側面側からポート32内に挿入する。この際、オイルジェット33の軸線回りの向きが特に規定される必要はないが、オイルジェット33がロッド内油路31を塞がないように、ストロークで圧入量を管理するとよい。
その後、(C)に示すように、直管状態の各オイルジェット33のコンロッド5から延出する両端側部分を上方に押し上げて湾曲させ、各湾曲部をコンロッド5に形成された係止溝32a内に進入させることにより、ノズル部37が係止溝32aに受容された上記オイルジェット装置30が完成する。
各オイルジェット33の直線部36回りの回転は、係止溝32aによって防止される。一方、オイルジェット33が取り付けられたロッド部5cの運動は、小端部5aの上下運動と大端部5bの回転運動との複合となるため、オイルジェット33には直線部36の軸線回りの回転モーメントだけでなく軸線方向への慣性力が作用する。そのため、上記所定ストロークの圧入により、慣性力でオイルジェット33がポート32から抜けない圧入荷重が加わるようにポート32と直線部36との径を設定するとよい。
一方、係止溝32aとポート32との接続部に一対の突起38が形成されている場合には、この突起38によって、ノズル部37の角度が変わることが防止されることに加え、オイルジェット33がポート32から抜ける方向に移動することも防止される。
このように、オイルジェット33がスラスト側と反スラスト側とに別々に設けられることにより、例えばスラスト側や排気側のオイルジェット33からの噴出量を反スラスト側や吸気側に比べて多量にすること等が容易である。
一方、図7に示すような手順でオイルジェット33をコンロッド5に取り付けてもよい。すなわち、(A)に示すように、ロッド内油路31及びポート32が形成されたコンロッド5と、一端部が他の部分に比べて細くされ、かつ中間部で湾曲するオイルジェット33とを用意する。このオイルジェット33は、一端側がノズル部37を構成し、他端側が直線部36を構成する。
次に、(B)に示すように、このオイルジェット33を圧入によってコンロッド5の一側面側からポート32内に挿入する。この際、専用の圧入ヘッド(冶具)で噴出口37aが上方を向くようにオイルジェット33のノズル部37を保持して圧入し、各ノズル部37の基端(すなわち直線部36に連続する湾曲部分)を係止溝32aに進入させる。オイルジェット33は既に曲げられており、圧入ストロークが大きくなり過ぎることはないため、ストロークに限らず圧入荷重で圧入量を管理してもよい。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、上記実施形態では、一例として自動車用として本発明の説明を行ったが、本発明は鉄道車両や船舶などにも広く適用することができる。また、上記実施形態では、オイルジェット装置30が、軸受メタル28の貫通孔28a径に応じたクランク角範囲で間欠的にオイルを噴射するが、この貫通孔28aを長孔とし、より広いクランク角範囲でオイルを噴射する形態としてもよい。このような形態とすることにより、オイルをピストン3の裏面3aだけでなくシリンダボア2のスラスト側の壁面等にも供給できる。この他、各部材や部位の具体的構成や配置、数量、素材、製造方法など、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。一方、上記実施形態に示した内燃機関Eのオイルジェット装置30の各構成要素は必ずしも全てが必須ではなく、適宜選択することができる。
3 ピストン
5 コンロッド
7 クランクシャフト
30 オイルジェット装置
31 ロッド内油路
32 ポート
32a 係止溝
33 オイルジェット
36 直線部
37 ノズル部
37a 噴出口
38 突起
E 内燃機関

Claims (4)

  1. ピストンとクランクシャフトとを連結するコンロッドの内部に形成され、前記クランクシャフトからオイルを供給される油路と、
    前記油路と連通し、かつ前記コンロッドの外面に開口するように前記コンロッドの内部に形成された直線状のポートと、
    前記ポートに挿入された状態で前記コンロッドに取り付けられ、先端からオイルを噴出するオイルジェットとを有し、
    前記オイルジェットが、前記ポート内に延在する直線部と、前記直線部から連続して前記直線部と異なる方向に延び、先端にオイルの噴出口を有するノズル部とを有し、
    前記コンロッドにおける前記ポートの開口端に、前記ポートを一方向に拡幅すると共に前記オイルジェットの前記ノズル部を受容する係止溝が形成されたことを特徴とする内燃機関のオイルジェット装置。
  2. 前記オイルジェットは、直管状態で前記ポートに圧入した後に前記係止溝に対応する位置で折り曲げることにより形成されたことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のオイルジェット装置。
  3. 前記係止溝と前記ポートとの接続部に内側に向けて突出する一対の突起が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の内燃機関のオイルジェット装置。
  4. 前記ポートが前記コンロッドを貫通するように形成され、
    前記オイルジェットが、前記油路に対応する位置に孔が穿設された前記直線部と、前記直線部の両端から連続する一対の前記ノズル部とを有し、
    前記コンロッドにおける前記ポートの少なくとも一方の開口端に前記係止溝が形成されたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の内燃機関のオイルジェット装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110219712A (zh) * 2019-06-28 2019-09-10 天津大学 发动机喷射润滑连杆
DE102019130706A1 (de) * 2019-11-14 2021-05-20 Dr. Ing. H.C. F. Porsche Aktiengesellschaft Kolbenkühldüsenanordnung

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