JP2016014173A - マルテンサイト系Cr含有鋼材 - Google Patents

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Abstract

【課題】低温かつ短時間の焼戻しで517MPa以下の降伏強度が達成でき、CO、HS、Cl-等を含む腐食環境での耐CO腐食性と耐硫化物応力割れ性とを有するマルテンサイト系Cr含有鋼材を提供する。
【解決手段】化学組成が、C≦0.01%、Si:0.05〜1.0%、Mn:0.01〜3.0%未満、Cr:9.0%を超えて12.0%以下、sol.Al:0.005%を超えて0.05%以下、Nb:0.01%を超えて0.2%以下かつ〔Nb−7.735×C−6.63×N〕≧0.01%、Cu:0〜3.0%、残部:Feおよび不純物で、〔−477.0×C+11.6×Si−19.7×Mn+23.0×Cr+40.4×Nb+79.8×V+132.4×sol.Al−32.8×Ni−269.5×N〕<240で、不純物中のP≦0.03%、S≦0.003%、Ni≦0.3%、V≦0.05%、N≦0.01%およびO≦0.01%であり、降伏強度が517MPa以下であるマルテンサイト系Cr含有鋼材。
【選択図】なし

Description

本発明は、マルテンサイト系Cr含有鋼材、詳しくは、耐硫化物応力割れ性と耐CO腐食性に優れたマルテンサイト系Cr含有鋼材に関する。より詳しくは、本発明は、二酸化炭素(CO)、硫化水素(HS)、塩化物イオン(Cl-)などを含む腐食環境の厳しい油井または天然ガス井で使用される油井用鋼管の素材として用いるのに適した、比較的安価であってかつ優れた耐CO腐食性と耐硫化物応力割れ性とを有するマルテンサイト系Cr含有鋼材に関する。
なお、「油井用鋼管」とは、例えば、JIS G 0203(2009)の番号3514の定義欄に記載されているように、油井またはガス井の掘削、原油または天然ガスの採取などに用いられるケーシング、チュービング、ドリルパイプの総称である。
近年の原油価格の高騰に伴い、より苛酷な腐食環境下にある油井や天然ガス井の開発が進められている。このような油井や天然ガス井は一般に、CO、HS、Cl-などを含む厳しい腐食環境となっている場合が多い。したがって、このような油井やガス井で使用される油井用鋼管の素材としては、耐CO腐食性と耐硫化物応力割れ性を兼ね備えた鋼材が要求される。
一般にCOおよびCl-を含む環境下では、耐CO腐食性に優れた、質量%で13%程度のCrを含有するマルテンサイト系ステンレス鋼(いわゆる「13%Cr鋼」)を用いた油井用鋼管が使用されている。しかしながら、その環境にHSが共存する場合、「13%Cr鋼」では硫化物応力割れ(以下、「SSC」という)が生じやすい。
このため、このような環境で用いられる油井用鋼管には、「13%Cr鋼」の耐SSC性を改善した「Super 13Cr鋼」や、より厳しい腐食環境には、「2相ステンレス鋼」や「Ni−Cr系合金」が使用されている。しかしながら、「Super 13Cr鋼」の耐SSC性は十分とはいい難く、「2相ステンレス鋼」や「Ni−Cr系合金」は非常に高価である。
一方、CO、HS、Cl-などを含む厳しい腐食環境の油井やガス井において、高価な「2相ステンレス鋼」や「Ni−Cr系合金」を用いた油井用(鋼)管の使用を回避するためには、安価な低合金耐SSC鋼を素材とする油井用鋼管を短期間で取替える、または、そのような油井用鋼管に内面コーティングなどを施して腐食速度を低減するなどの処置を講じなければならない。
このような背景から、CO、HS、Cl-などを含む厳しい腐食環境の油井やガス井において、内面コーティングを施すことなく使用可能な、優れた耐CO腐食性と耐SSC性を有する安価な鋼を素材とする油井用鋼管が求められている。
上記の要望に対して、例えば、特許文献1に、質量%で、C:0.30%以下、Si:0.60%以下、Mn:0.30〜1.50%、P:0.03%以下、S:0.005%以下、Cr:3.0〜9.0%、Al:0.005%以下を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなることを特徴とする「油井用Cr含有鋼管」が開示されている。なお、この油井用Cr含有鋼管は、必要に応じてさらに、(a)Nb:0.30%以下とV:0.50%以下を1種または2種あわせて0.01%以上または、(b)上述のNbまたは/およびVとともに、Cu、Ni、Mo、Ca、Ti、Zr、BおよびWから選択される1種以上を含んでもよい。
そして、特許文献1には、上記の油井用Cr含有鋼管が、CO分圧:1MPa、温度:100℃でのCO腐食試験において、腐食速度が0.100mm/年(0.09g/m2/h)以下の耐CO腐食性を有するとともに、「NACE−TM0177−96 method A」に準拠した試験液:「Solution A(pH:2.7)」、付加応力:551MPaの条件での定荷重試験で、SSCが発生しないことが示されている。なお、特許文献1における上記油井用Cr含有鋼管は、いわゆる「80ksi級(552〜655MPa)」の降伏強度に調整されたものである。
また、特許文献2に、質量%で、C:0.1〜0.3%、Si:<1.0%、Mn:0.1〜1.0%、P:<0.02%、S:<0.01%、Cr:11〜14%、Ni:<0.5%を含有し、必要に応じてさらに、(a)N:0.01〜0.1%または、(b)N:0.01〜0.1%と、Ca、Mg、REMの1種または2種以上をそれぞれ0.001〜0.3%含有し、かつマルテンサイト主体の組織からなる鋼を、AcとAcの間の温度に加熱した後Ms点以下の温度まで冷却し、然る後さらにAc以下の温度に加熱した後常温まで冷却することを特徴とする耐SSC性に優れたマルテンサイト系ステンレス鋼の製造方法が開示されている。
この方法は、焼入れと焼戻しの中間工程で、下記<2>の「2相域熱処理」を行うことを特徴とする技術である。
すなわち、特許文献2で提案された技術は、熱間圧延材に対して、
<1>まず、焼準処理(上述の「焼入れ」に相当する。)を行ってマルテンサイト相主体の組織とし、
<2>次に、2相域に加熱して、焼戻しマルテンサイト相を主体とする組織に逆変態した少量のオーステナイト相が存在するようにし、その後冷却して、上記少量のオーステナイト相を再度マルテンサイト相に変態させ、
<3>最後に、上記少量のマルテンサイト相を軟化させるために焼戻しを行う、
ことによって、耐SSC性と靱性を高めたことを特徴とし、降伏強度(0.2%耐力)で507MPa(51.7kgf/mm2)以下の低強度を実現している。
特開2000−63994号公報 特開平7−76722号公報
後述するように、マルテンサイト系ステンレス鋼の耐SSC性は、降伏強度(0.2%耐力)の上昇により劣化することが考えられる。このため、いわゆる「110ksi級(758〜862MPa)」以上の降伏強度を有する高強度材を用いた場合には、耐SSC性を確保することがかなり難しくなると想定される。
これに対して、特許文献1で提案された油井用Cr含有鋼管は、前述のとおりいわゆる「80ksi級」の低い降伏強度に調整されたものである。このため、特許文献1に記載された発明では、良好な耐SSC性を確保しやすいと考えられる。しかしながら、上記の油井用Cr含有鋼管は、Crの含有量が少ないため耐CO腐食性に問題がある。
特許文献2において開示されている2相域熱処理を用いたマルテンサイトステンレス鋼は、その製造方法からも明らかなように、焼入れと焼戻しの中間に、さらにもう1つの熱処理を挟む必要があり、製造コストが嵩むことを避け難い。また、形成された最終の組織は、高温焼戻しされた低強度なマルテンサイト組織と2相域熱処理とその後の焼戻しにより形成された高強度のマルテンサイト組織の2つの強度の異なる組織が共存するものとなるので、耐SSC性の点で一抹の懸念がある。
なお、特許文献2には、下記〔1〕および〔2〕の記載がある。
〔1〕一般に、炭素鋼、低合金鋼の分野では鋼の硫化物割れ抵抗性は、鋼強度に依存し、低強度材ほど優れている。マルテンサイト系ステンレス鋼についても同様であると考えられる。
〔2〕従来の製造方法(焼準−焼戻処理を施す方法)では耐力として55〜60kgf/mm2(539〜588MPa、78.2〜85.3ksi)以下にすることができず、必然的に得られる硫化物割れ抵抗性にも限界がある。
マルテンサイト系ステンレス鋼材は、通常、焼入れ−焼戻し(特許文献2でいう焼準−焼戻し)の熱処理を施して製造されるが、焼入れ−焼戻しによって、降伏強度(0.2%耐力)が517MPa(75ksi)以下の低強度を、比較的低温かつ短時間で実現できる工業的な生産手法は未だ明らかにされていない。
このため、耐SSC性に優れた降伏強度517MPa以下のマルテンサイト系ステンレス鋼材を工業的な生産手法によって経済性高く提供することが可能になれば、高深度向けの油井用鋼管を除き、安価な耐CO腐食性、耐SSC性に優れた油井用鋼管の素材としてこれを活用することができる。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたもので、経済性の高い工業的な生産手法によって製造することが可能な、耐CO腐食性および耐SSC性を具備し、油井用鋼管の素材として用いるのに適したマルテンサイト系ステンレス鋼材を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記の課題を解決するために、マルテンサイト系Cr含有鋼材のCr含有量を適正化することで耐CO腐食性を確保するとともに、降伏強度をできるだけ低減すること、具体的には、517MPa以下とすることで、耐SSC性を高めるという合金設計が可能かどうか検討した。
先ず、本発明者等は、経験的にマルテンサイト系Cr含有鋼材の耐CO腐食性を確保するために、Cr含有量を9.0質量%以上とした。
次に、マルテンサイト系Cr含有鋼材の降伏強度を低減するために必要な方策を検討したところ、C含有量の限界までの低減が焼戻し時の強度の低減に非常に有効であることを確認した。C含有量の低減は有効Cr量の増加を通じて耐CO腐食性も向上させる。しかしながら、C含有量を0.01質量%未満まで低減すると、700℃を超える場合に345MPa(いわゆる「50ksi級」の下限強度)を下回るような急激な強度の低下が生じることも同時に明らかとなった。本発明者らはこの現象を詳細に解明するために急激な強度低下が生じた試験片を詳細に検討した。その結果、以下の事柄が明らかになった。
1)特定の温度以上でマルテンサイト組織が再結晶により崩壊し、転位密度の低いフェライト組織へと変化することによって、上記の現象が生じる。
2)炭化物および窒化物として消費される量以上のNbを含有させ、固溶状態で存在するNbを一定量以上確保することで、マルテンサイト組織の安定性が高まり再結晶が抑制される。
本発明は、上記の内容に基づいて完成されたものであり、その要旨は、下記に示すマルテンサイト系Cr含有鋼材にある。
(1)化学組成が、質量%で、
C:0.01%以下、
Si:0.05〜1.0%、
Mn:0.01%以上で3.0%未満、
Cr:9.0%を超えて12.0%以下、
sol.Al:0.005%を超えて0.05%以下、
Nb:0.01%を超えて0.2%以下、かつ下記の[1]式で定義される固溶Nb量が0.01%以上、
Cu:0〜3.0%、
残部:Feおよび不純物で、
下記の[2]式で定義されるFn1がFn1<240であり、
不純物中のP、S、Ni、V、NおよびOがそれぞれ、P:0.03%以下、S:0.003%以下、Ni:0.3%以下、V:0.05%以下、N:0.01%以下およびO:0.01%以下であり、
降伏強度が517MPa以下である、
マルテンサイト系Cr含有鋼材。
固溶Nb量=Nb−7.735×C−6.63×N・・・・・[1]
Fn1=−477.0×C+11.6×Si−19.7×Mn+23.0×Cr+40.4×Nb+79.8×V+132.4×sol.Al−32.8×Ni−269.5×N・・・・・[2]
ただし、[1]式および[2]式において、それぞれの右辺の元素記号はその元素の質量%での鋼中含有量を意味する。
(2)前記化学組成が、質量%で、
Cu:0.02〜3.0%
を含有する上記(1)に記載のマルテンサイト系Cr含有鋼材。
(3)前記降伏強度が379〜483MPaである上記(1)または(2)に記載のマルテンサイト系Cr含有鋼材。
本発明のマルテンサイト系Cr含有鋼材は、焼入れ後の熱処理としての焼戻しが、比較的低温かつ短時間の条件であっても、容易に降伏強度を517MPa以下に低下させることができ、しかも優れた耐CO腐食性と耐SSC性とを有する。このため、本発明に係るマルテンサイト系Cr含有鋼材は、CO、HS、Cl-などを含む厳しい腐食環境の油井やガス井で使用される油井用鋼管の素材として好適である。
以下、本発明の各要件について詳しく説明する。なお、各元素の含有量の「%」は「質量%」を意味する。
(A)化学組成
C:0.01%以下
Cは、焼戻し時の強度低下を抑制する元素である。したがって、降伏強度517MPa以下の低強度を、比較的低温かつ短時間の工業的な生産手法によって経済性高く提供するために、上限を設けてその含有量を0.01%以下とする。Cの含有量は少ない方が望ましいものの、脱炭コスト等の点からの好ましい下限は、0.001%である。
Si:0.05〜1.0%
Siは、通常の製鋼過程において脱酸剤として作用する。脱酸効果を得るためには、Siを0.05%以上含有させる必要がある。ただし、Siの過剰な含有は熱間加工性の低下を招くので、上限を設けてその含有量を1.0%以下とする。Si含有量の好ましい下限は0.10%である。また、Si含有量の好ましい上限は0.75%、さらに好ましい上限は0.50%である。
Mn:0.01%以上で3.0%未満
Mnは、通常の製鋼過程において脱酸剤として作用する。脱酸効果を得るためには、Mnを0.01%以上含有させる必要がある。一方、Mnの含有量が過剰になると耐CO腐食性を低下させるため、上限を設けてその含有量を3.0%未満とする。Mn含有量の好ましい下限は0.10%、さらに好ましい下限は0.20%である。また、Mn含有量の好ましい上限は1.2%、さらに好ましい上限は0.80%である。
Cr:9.0%を超えて12.0%以下
Crは、耐CO腐食性を確保するために必要な元素である。本発明者らは5%NaCl水溶液を満たした、CO分圧30bar(3MPa)で、温度125℃の環境下での腐食速度からCr含有量の下限値を9.0%超と定めた。すなわち、Cr含有量が9.0%以下では、前記環境での腐食速度が0.2mm/年(0.18g/m2/h)を超えてしまう。Cr含有量が増加すると耐CO腐食性は向上するが、耐SSC性が低下する。また、Mnの含有量が少ない場合、δフェライトが形成され熱間加工性が低下する場合がある。したがって、上限を設けてCrの含有量を12.0%とする。Cr含有量の上限は、好ましくは11.0%、より好ましくは10.5%である。
なお、一般的には、耐CO腐食性を確保するために、下記[3]式で定義される有効Cr量を一定値以上、例えば8.3%以上に規定することが望ましく、さらには8.8%以上に規定することがより望ましいが、本発明においては、C含有量が少ないため、Cr含有量と有効Cr量の差は僅かである。
有効Cr=Cr−11×C・・・・・[3]
[3]式において、右辺の元素記号はその元素の質量%での鋼中含有量を意味する。
Nb:0.01%を超えて0.2%以下、かつ前記の[1]式で定義される固溶Nb量が0.01%以上
Nbは、本発明において焼戻し時における再結晶を抑止するために必須の元素である。焼戻し時の再結晶の抑止のためには前記の[1]式で定義される固溶状態で存在するNbを一定量以上確保することが必要であり、その効果は0.01%上で顕著である。このことから、Nb含有量および固溶Nb量の下限をそれぞれ、0.01%超および0.01%とする。一方、Nbが過剰に含有されればその効果は飽和するとともに、焼入れ時にフェライトが残存するようになり、十分な強度が得られない場合がある。したがって、上限を設けてNbの含有量を0.2%以下とする。なお、固溶Nb量は0.2%未満である。
sol.Al:0.005%を超えて0.05%以下
Alは、脱酸作用を有する。しかしながら、Alの含有量がsol.Alで0.005%以下ではその効果は十分ではない。一方、Alが過剰に含有されれば、その効果は飽和するとともに、介在物が増加し、耐SSC性の低下を招く場合がある。したがって、上限を設けてAlの含有量をsol.Alで0.005%を超えて0.05%以下とする。sol.AlでのAl含有量の上限は、好ましくは0.03%未満、より好ましくは0.02%、さらに好ましくは、0.01%である。なお、「sol.Al」とはいわゆる「酸可溶性Al」を意味する。
Cu:0〜3.0%
Cuは、耐CO腐食性を向上させる効果があるとともに、オーステナイト安定化元素として寄与するので、必要に応じて含有させてもよい。しかし、Cuの含有量が3.0%を超えると、高温割れに敏感となり、熱間加工性が低下する。したがって、含有させる場合のCu量の上限を3.0%とした。Cu含有量の上限は、好ましくは1.2%であり、さらに好ましくは0.8%である。一方、前記したCuの効果を安定して得るためには、Cuの含有量は0.02%以上であることが好ましく、0.1%以上であればさらに好ましい。
Fn1:240未満
本発明に係るマルテンサイト系Cr含有鋼材は、式中の元素記号を、その元素の質量%での鋼中含有量として、
Fn1=−477.0×C+11.6×Si−19.7×Mn+23.0×Cr+40.4×Nb+79.8×V+132.4×sol.Al−32.8×Ni−269.5×N・・・・・[2]
で表されるFn1が、240未満であるものである。
Fn1が240以上になると、高温状態においてδフェライトが形成され、焼入れによるマルテンサイト単相組織の形成を妨げる。下限値については、既に述べた各元素の含有量の下で、係数がマイナスの元素の含有量が請求項の上限値(に近い値)で、係数がプラスの元素の含有量が請求項の下限値(に近い値)となる場合の130に近い値であっても構わない。
本発明に係るマルテンサイト系Cr含有鋼材は、その化学組成が、上述の各元素と残部がFeおよび不純物で、不純物中のP、S、Ni、V、NおよびO(酸素)がそれぞれ、P:0.03%以下、S:0.003%以下、Ni:0.3%以下、V:0.05%以下、N:0.01%以下およびO:0.01%以下であるものである。
「不純物」とは、マルテンサイト系Cr含有鋼材を工業的に製造する際に、原料としての鉱石、スクラップまたは製造環境などから混入するものを指す。
P:0.03%以下
Pは、鋼中に含まれる不純物であり、粒界に偏析して、耐CO腐食性および耐SSCを劣化させる。このため、不純物中のPの含有量は少ない方が望ましいので、上限を設けて0.03%以下とする。P含有量の上限は好ましくは0.020%であり、より好ましくは0.015%である。
S:0.003%以下
Sは、鋼中に含まれる不純物であり、粒界に偏析して耐SSC性を低下させる。また、Sの過剰の含有は熱間加工性にも悪影響を与える。そのため、不純物中のSの含有量は少ない方が好ましいので、上限を設けて0.003%以下とする。S含有量の上限は好ましくは0.002%であり、より好ましくは0.001%である。
Ni:0.3%以下
Niは、本発明においては不純物であり、耐SSC性を低下させる好ましくない元素である。特に、Niの含有量が0.3%を超えると、耐SSC性の低下が著しくなる。したがって、不純物中のNiの含有量を0.3%以下とする。Ni含有量の上限は好ましくは0.2%であり、さらに好ましくは0.1%である。
V:0.05%以下
Vは、本発明においては不純物であり、降伏強度を増加させ、耐SSC性を低下させる好ましくない元素である。特に、Vが0.05%を超えると、強度の増加が著しくなる。したがって、不純物中のVの含有量を0.05%以下とする。V含有量の上限は好ましくは0.03%である。
N:0.01%以下
Nは、鋼中に含まれる不純物である。しかしながら、過剰なNの含有は、Nbと結合し粗大な窒化物を形成して、孔食の起点となり、耐SSC性の低下を招くばかりか、固溶状態で存在するNb量を減少させる。そのため、不純物中のNの含有量に上限を設けて0.01%以下とする。N含有量の上限は好ましくは0.008%であり、より好ましくは0.004%である。
O:0.01%以下
O(酸素)は、鋼中に含まれる不純物であり、過剰に含有されれば、粗大な酸化物を形成して、靱性および耐SSC性を低下させる。このため、不純物中のOの含有量は少ない方が好ましいので、上限を設けて0.01%以下とする。O含有量の上限は好ましくは0.005%である。
(B)降伏強度
上記(A)項に記載の化学組成を有する本発明に係るマルテンサイト系Cr含有鋼材は、降伏強度(0.2%耐力)が517MPa以下であるものである。降伏強度が517MPaを超えると、「NACE−TM0177−2005」に示された「溶液A(HS分圧:1bar(0.1MPa)、pH:2.68)」環境下での耐SSC性が著しく低下する場合がある。なお、降伏強度は483MPa(70ksi)以下であることが好ましく、また、379MPa(55ksi)以上であることが好ましい。
(C)製造方法
本発明に係るマルテンサイト系Cr含有鋼材は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、電気炉、AOD炉、VOD炉などを用いて溶製し、化学組成を調整する。
化学組成を調整した溶湯は、次に、インゴットに鋳造して、その後の鍛造など熱間加工によって、スラブ、ブルーム、ビレットなどいわゆる「鋼片」に加工してもよいし、また、連続鋳造して、直接にスラブ、ブルーム、ビレットなどいわゆる「鋼片」にしてもよい。
さらに、上記の「鋼片」を素材として、板材、管材など所望の形状に熱間加工する。例えば、板材に加工する場合は、熱間圧延によってプレートやコイル状に熱間加工することができる。また、管材に加工する場合は、マンネスマン−マンドレル製管法によって管状に熱間加工することができるし、前記プレートを溶接して管状に加工してもよい。
熱間加工後は大気中で放冷して冷却した後、再加熱焼入れおよび焼戻し処理を実施する。あるいは、熱間加工後に直接焼入れしてから焼戻し処理してもよい。また、熱間加工後、Ar点以上の温度で補熱してインラインで焼入れを行い、その後に焼戻し処理してもよい。
焼入れ温度は、900〜970℃であることが好ましい。焼入温度が高いと、結晶粒が粗大化して耐SSC性が低下する場合がある。
焼戻しは、Ac点以下の温度で行う。なお、上記(A)項に記載の化学組成を有する本発明に係るマルテンサイト系Cr含有鋼材の場合には、鋼材のサイズにもよるが、例えば、700〜750℃の温度で30分程度という比較的短時間の条件であっても、降伏強度を517MPa以下に低下させることができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
表1に示す化学組成を有する鋼を真空高周波溶解炉にて溶解し、50kgのインゴットに鋳造した。
表1中の鋼A〜Oは、化学組成が本発明で規定される範囲内の鋼であり、鋼P〜Vは、化学組成が本発明で規定される範囲外の鋼である。なお、鋼P、鋼Tおよび鋼Uについては、前記の[1]式で定義される固溶Nb量は「負の値」となる。このため、固溶Nb量が存在しないということから、表1では「0」と表示した。
Figure 2016014173
各インゴットは1200℃で2時間の加熱処理を行った後、熱間鍛造して50mm×50mmの板材に加工した。このようにして得た板材を、さらに、1200℃で1時間加熱した後、熱間圧延して厚さ15mmの板材に仕上げた。
次いで、上記の熱間圧延して得た厚さ15mmの板材を950℃で15分加熱してから水焼入れし、マルテンサイトの単相組織を得た。このマルテンサイト単相組織にした板材には、740℃にて30分の焼戻しを施し、その後空冷した。
上記の焼入れ−焼戻しを行った各板材から試験片を切り出して、引張特性、耐SSC性および耐CO腐食性を調査した。
引張特性は、上記各板材の厚さ中央部の圧延方向に平行な方向(以下、「L方向」という。)から、平行部の直径が6mmで標点間距離が40mmの丸棒引張試験片を採取し、室温で引張試験して降伏強度(0.2%耐力)を求めた。なお、降伏強度は、379MPa以上で、かつ483MPa以下であることを目標とした。
耐CO腐食性は、各板材の板厚中央部からL方向にそって、長さ75mm、幅10mm、厚さ2mmの試験片を切り出し、この試験片を、5%NaCl水溶液を満たした、CO分圧30bar(3MPa)で、温度125℃のオートクレーブ中に336時間(2週間)浸漬した場合の、浸漬前後の質量差から腐食速度を計算した。なお、上記の試験で腐食速度が0.2mm/年以下(0.18g/m2/h)であることをもって耐CO腐食性が良好と評価し、これを目標とした。
耐SSC性は、「NACE−TM0177−2005」に示されたMethod Aの引張試験にて評価した。試験片は各板材の厚さ中央部のL方向から、上記試験法に定義されたサブサイズ試験片を採取した。試験液には「溶液A(HS分圧:1bar(0.1MPa)、pH:2.68)」を用い、付加応力は実際の降伏強度の90%とした。試験時間は720時間とした。なお、上記の試験で割れが発生しないことをもって耐SSC性が良好と評価し、これを目標とした。
表2に、上記の各調査結果を併せて示す。「耐CO腐食性」欄には、「g/m2/h」単位での腐食速度を[]内に併記した。なお、「耐SSC性」欄における「○」は、上記環境中の試験で割れが発生しなかったことを、一方、「×」は、割れが発生したことを示す。また、試験番号19〜21における「−」は、これらの試験番号の降伏強度が目標下限の379MPaを下回ったため、評価しなかったことを示す。
Figure 2016014173
表2から、本発明で規定する条件を満たす試験符号1〜15の鋼材は、焼入れ後の熱処理としての焼戻しが、比較的低温かつ短時間という経済性の高い工業的な生産手法によるものであるにも拘わらず、耐CO腐食性および耐SSC性を具備した上で、379MPa(いわゆる「55ksi級」の下限強度)以上の降伏強度をもち、油井用鋼管の素材として用いるのに適したマルテンサイト系Cr含有鋼材であることが明らかである。
本発明のマルテンサイト系Cr含有鋼材は、焼入れ後の熱処理としての焼戻しが、比較的低温かつ短時間の条件であっても、容易に降伏強度を517MPa以下に低下させることができ、しかも優れた耐CO腐食性と耐SSC性とを有する。このため、本発明に係るマルテンサイト系Cr含有鋼材は、CO、HS、Cl-などを含む厳しい腐食環境の油井やガス井で使用される油井用鋼管の素材として好適である。

Claims (3)

  1. 化学組成が、質量%で、
    C:0.01%以下、
    Si:0.05〜1.0%、
    Mn:0.01%以上で3.0%未満、
    Cr:9.0%を超えて12.0%以下、
    sol.Al:0.005%を超えて0.05%以下、
    Nb:0.01%を超えて0.2%以下、かつ下記の[1]式で定義される固溶Nb量が0.01%以上、
    Cu:0〜3.0%、
    残部:Feおよび不純物で、
    下記の[2]式で定義されるFn1がFn1<240であり、
    不純物中のP、S、Ni、V、NおよびOがそれぞれ、P:0.03%以下、S:0.003%以下、Ni:0.3%以下、V:0.05%以下、N:0.01%以下およびO:0.01%以下であり、
    降伏強度が517MPa以下である、
    マルテンサイト系Cr含有鋼材。
    固溶Nb量=Nb−7.735×C−6.63×N・・・・・[1]
    Fn1=477.0×C+11.6×Si−19.7×Mn+23.0×Cr+40.4×Nb+79.8×V+132.4×sol.Al−32.8×Ni−269.5×N・・・・・[2]
    ただし、[1]式および[2]式において、それぞれの右辺の元素記号はその元素の質量%での鋼中含有量を意味する。
  2. 前記化学組成が、質量%で、
    Cu:0.02〜3.0%
    を含有する請求項1に記載のマルテンサイト系Cr含有鋼材。
  3. 前記降伏強度が379〜483MPaである請求項1または2に記載のマルテンサイト系Cr含有鋼材。

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