JP2016013630A - テープ処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成で、折り目となる切込みをテープ長方向およびテープ幅方向に形成することができる。【解決手段】本体テープと剥離テープとを積層して構成された印刷テープTを、そのテープ長方向に送る送り部と、送られていく印刷テープTの本体テープに対し、切込みを直線状に形成する切込み形成機構20と、を備え、切込み形成機構20は、本体テープに転接する回転刃81と、回転刃81を軸支する軸支部材82と、軸支部材82を介して、回転刃81を、テープ幅方向に移動させるユニット移動機構83と、軸支部材82を介して、回転刃81の向きを、テープ長方向と並行な向きと、テープ幅方向と並行な向きとの間で切り替える向き切替機構と、を備えた。【選択図】図4
Description
本発明は、処理テープの本体テープに対し、折り目として機能する切込みを形成するテープ処理装置に関するものである。
従来、テープ印刷装置として、印字テープと剥離テープとから成るテープ(処理テープ)に文字等を印字しつつ、印字されたテープをテープ排出方向に送り出す印字機構と、印字機構の下流側に配設され、送り出されたテープを切断する切断機構と、を備えたものが知られている(特許文献1参照)。この切断機構は、テープを受ける受け部材と、テープを所定切込み量で切断する円形状の回転刃と、回転刃を回転可能に軸支するカッターホルダーと、カッターホルダーをテープ幅方向に往復移動させるカッター搬送手段と、を有している。この切断機構では、カッターホルダーを、テープ幅方向に往復移動させることで、剥離テープを切断せずに印字テープのみを切断するハーフカットを行う。
ところで、この種のテープ印刷装置において、本体テープに、折り目となる切込みを形成したいという要請がある。すなわち、この種のテープ印刷装置によって作成されるラベルは、単に貼り付けて利用するだけでなく、ユーザーが、ラベルの一部を折った後に、貼り付けて利用する場合がある。例えば、図11に示すように、付箋紙ラベルとして作成したラベルは、ラベルの中央を折った後に、対象のページに貼り付けて利用される。かかる場合に、同図に示すように、本体テープに折り目となる切込み(本体テープの所定厚さまで切り込んだもの等)を、テープ幅方向やテープ長方向に形成することができれば、折り目付きのラベルを作成することができ、ラベルをきれいに折って利用することができる。
このような要請に対し、上記従来のテープ印刷装置において、回転刃による切込み量を調整して、本体テープに対し、折り目となる切込みを形成することが考えられる。しかしながら、かかる場合、切込みをテープ幅方向にしか形成することができず、切込みをテープ長方向に形成することができないという問題があった。これに対し、切込みをテープ長方向に形成するための機構を別途設けることが考えられるが、かかる場合、テープ印刷装置が複雑になってしまう。
このような要請に対し、上記従来のテープ印刷装置において、回転刃による切込み量を調整して、本体テープに対し、折り目となる切込みを形成することが考えられる。しかしながら、かかる場合、切込みをテープ幅方向にしか形成することができず、切込みをテープ長方向に形成することができないという問題があった。これに対し、切込みをテープ長方向に形成するための機構を別途設けることが考えられるが、かかる場合、テープ印刷装置が複雑になってしまう。
本発明は、簡単な構成で、折り目となる切込みをテープ長方向およびテープ幅方向に形成することができるテープ処理装置を提供することを課題としている。
本発明のテープ処理装置は、本体テープと剥離テープとを積層して構成された処理テープを、そのテープ長方向に送る送り部と、送られていく処理テープの本体テープに対し、その厚み方向に切り込んだ切込みを直線状に形成する切込み形成部と、を備え、切込み形成部は、本体テープに転接して切込みを形成する回転刃と、回転刃を回転自在に軸支する軸支部材と、軸支部材を介して、回転刃を、処理テープのテープ幅方向に移動させる移動部と、軸支部材を介して、回転刃の向きを、テープ長方向と並行な向きと、テープ幅方向と並行な向きとの間で切り替える刃向き切替部と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、刃向き切替部によって、回転刃の向きをテープ幅方向と並行な向き(テープ幅方向に倣う向き)に切り替えると共に、移動部によって、回転刃をテープ幅方向に移動させることで、回転刃を本体テープに対しテープ幅方向に転接させ、切込みをテープ幅方向に形成することができる。一方、刃向き切替部によって、回転刃の向きを、テープ長方向と並行な向き(テープ長方向に倣う向き)に切り替えると共に、送り部によって、処理テープをテープ長方向に送ることで、回転刃を本体テープに対しテープ長方向に転接させ、切込みをテープ長方向に形成することができる。このように、簡単な構成で、切込みをテープ長方向およびテープ幅方向に形成することができる。これによって、無地の処理テープから折り目付きのラベルを作成することができ、ラベルをきれいに折って利用することができる。なお、上記切込みは、例えば、図11に示すように、本体テープの所定厚さまで切り込んだ切込みであっても良いし、図13に示すように、本体テープに対しミシン目状に切り込んだ切込みであっても良い。
この場合、刃向き切替部は、移動部による軸支部材を移動させる力を利用して、回転刃の向きを切り替えることが好ましい。
この場合、刃向き切替部は、軸支部材に設けられた作動片と、移動部によって軸支部材および回転刃が待機位置に移動したときに作動片に当接し、回転刃の向きが切り替わるように軸支部材を回転させる当接ピンと、を有することが好ましい。
また、刃向き切替部は、軸支部材に設けられた第1の作動片および第2の作動片と、移動部によって軸支部材および回転刃が第1の待機位置に移動したときに第1の作動片に当接し、回転刃の向きがテープ幅方向と並行な向きからテープ長方向と並行な向きに切り替わるように軸支部材を回転させる第1の当接ピンと、移動部によって軸支部材および回転刃が第2の待機位置に移動したときに第2の作動片に当接し、回転刃の向きがテープ長方向と並行な向きからテープ幅方向と並行な向きに切り替わるように軸支部材を回転させる第2の当接ピンと、を有することが好ましい。
これらの構成によれば、移動部による軸支部材を移動させる力を利用して、回転刃の向きを切り替える構成であるため、回転刃の向きを切り替えるのに、別途駆動系を設ける必要がない。よって、テープ処理装置をより簡単な構成にすることができる。
一方、切込み形成部は、軸支部材を介して、回転刃を処理テープに押圧する押圧部を、更に有することが好ましい。
この構成によれば、回転刃を一定の押圧力で処理テープに押圧することができる。
以下、添付の図面を参照して、本発明の一実施形態に係るテープ処理装置について説明する。本実施形態では、本発明のテープ処理装置を適用したテープ印刷装置を例示する。このテープ印刷装置は、処理対象物となる印刷テープ(処理テープ)に対し、これを送りながら印刷を行った後、印刷テープの印刷済み部分を切断して、ラベルを作成するラベル作成装置である。また、本テープ印刷装置は、折り目付きのラベルを作成すべく、印刷テープの記録テープ部分に、折り目となる切込みを形成する折り目形成機能を有している。詳細は後述するが、本テープ印刷装置は、当該折り目形成機能によって、当該切込みを印刷テープTのテープ幅方向のみならず、テープ長方向にも形成できるように構成されている。
図1および図2に示すように、テープ印刷装置1は、印刷テープTに対して印刷処理を行う装置本体2と、印刷テープTおよびインクリボンRを収容し、装置本体2に着脱自在に装着されるテープカートリッジ3と、を備えている。印刷テープTは、表面に印刷画像が形成される記録テープ(本体テープ)Taと、粘着剤層により記録テープTaの裏面に貼着した剥離テープTbと、を積層して構成されている(図2参照)。テープ印刷装置1は、テープカートリッジ3から繰り出された当該印刷テープTに対し、装置本体2によって印刷処理やカット処理等を施すことで、ラベルLを作成する。なお、図1は、テープカートリッジ3が装着された状態のテープ印刷装置1を示している。一方、図2は、テープカートリッジ3が取り外された状態のテープ印刷装置1を示している。また、以下の説明では、説明の便宜上、テープ印刷装置1の上下左右前後を各図に示す矢印によって規定する。
図1および図2に示すように、装置本体2は、装置ケース11により外殻が形成され、装置ケース11の前半部上面には、各種キーを備えたキーボード12が配設されている。また、装置ケース11の後半部右上面には、キーボード12からの入力結果等を表示する長方形のディスプレー13が配設されている。さらに、装置ケース11の後半部左上面には、開閉蓋14が広く設けられ、開閉蓋14の前側にはこれを開放する蓋体開放ボタン15が設けられている。
開閉蓋14の内側には、テープカートリッジ3を装着するカートリッジ装着部16が窪入形成されており、テープカートリッジ3は、開閉蓋14を開放した状態でカートリッジ装着部16に着脱可能に装着される。
装置ケース11の左側部には、カートリッジ装着部16に連なるテープ排出口17が形成されており、カートリッジ装着部16とテープ排出口17との間には、テープ排出経路18が形成されている。そして、装置ケース11内部には、テープ排出経路18に臨むように、テープ切断機構19および切込み形成機構(切込み形成部)20が内蔵されている。詳細は後述するが、テープ切断機構19および切込み形成機構20によって、テープ排出経路18に送り出された印刷テープTに対しフルカット処理、ハーフカット処理および切込み形成処理が行われる。「フルカット処理」は、記録テープTaおよび剥離テープTbを一体に切断するカット処理である。「ハーフカット処理」は、剥離テープTbを切断せずに、記録テープTaのみを切断するカット処理である。「切込み形成処理」は、記録テープTaに対し、その厚み方向に所定厚さ(全厚未満)まで切り込んだ切込みCを直線状に形成する処理である。当該切込みCが、ラベルLをきれいに折るための折り目として機能する(図11参照)。
一方、カートリッジ装着部16には、ヘッドカバー21内にサーマルタイプの印刷ヘッド22が内蔵されたヘッドユニット23と、印刷ヘッド22に対峙するプラテン駆動軸24と、インクリボンRを巻き取る巻取り駆動軸25と、後述のテープリール31の位置決め突起26と、が配設されている。
また、プラテン駆動軸24および巻取り駆動軸25は、カートリッジ装着部16の底板27を貫通している。そして、底板27の下部空間には、プラテン駆動軸24および巻取り駆動軸25を駆動するテープ送りモーター28と、テープ送りモーター28の動力を、プラテン駆動軸24および巻取り駆動軸25に伝達する送り動力伝達機構29と、が内蔵されている(いずれも図3参照)。
これに対し、テープカートリッジ3は、印刷テープTを巻回したテープリール31と、インクリボンRを巻回したリボンリール32と、インクリボンRを巻き取るリボン巻取りリール33と、印刷ヘッド22に対峙するプラテンローラー34と、これらを収容したカートリッジケース35と、を有している。カートリッジケース35には、ヘッドユニット23が挿通するためのヘッド開口36が上下に貫通形成されている。
テープカートリッジ3がカートリッジ装着部16に装着されると、ヘッドユニット23にヘッド開口36が、位置決め突起26にテープリール31の中心孔が、プラテン駆動軸24にプラテンローラー34の中心孔が、巻取り駆動軸25にリボン巻取りリール33の中心孔がそれぞれ差し込まれる。
そして、プラテン駆動軸24および巻取り駆動軸25の回転駆動により、印刷テープTは、テープリール31から繰り出され、インクリボンRは、リボンリール32から繰り出される。繰り出された印刷テープTおよびインクリボンRは、ヘッド開口36の位置で重なって併走した後、印刷テープTがカートリッジケース35の外部に送り出され、インクリボンRがリボン巻取りリール33に巻き取られる。また、印刷テープTとインクリボンRとが併走する部分では、プラテンローラー34と印刷ヘッド22とがこれらを挟み込むように臨み、いわゆる印刷送りが行われる。なお、印刷テープTをそのテープ長方向に送る「送り部」は、プラテン駆動軸24、テープ送りモーター28、送り動力伝達機構29およびプラテンローラー34により、構成されている。また、印刷テープTを送りながら、送られていく印刷テープTに印刷を行う「印刷処理部」は、当該送り部と、印刷ヘッド22とにより、構成されている。
この印刷送りによって、印刷テープTに印刷処理(印刷画像の形成)が施されると共に、印刷テープTの印刷済み部分が、テープ排出経路18に送り出される。そして、この送り出された当該印刷済み部分に対し、テープ切断機構19および切込み形成機構20によって、各種処理(フルカット処理、ハーフカット処理および切込み形成処理)を適宜施すことで、ラベルLが作成される。
次に図3を参照して、テープ排出経路18廻りの構造について説明する。図3に示すように、テープ排出経路18は、印刷ヘッド22およびプラテンローラー34のテープ送り方向下流側に位置している。そして、テープ排出経路18に臨むように、テープ送り方向上流側から、テープ切断機構19と、切込み形成機構20と、が配設されている。テープ切断機構19は、印刷ヘッド22およびプラテンローラー34から送り出され、テープ排出経路18上を送られていく印刷テープTに対し、フルカット処理およびハーフカット処理を行う。一方、切込み形成機構20は、印刷ヘッド22およびプラテンローラー34から送り出され、テープ排出経路18上を送られていく印刷テープTに対し、切込み形成処理を行う。
テープ切断機構19は、印刷テープTに対してフルカット処理を行うフルカッター41と、印刷テープTに対してハーフカット処理を行うハーフカッター42と、フルカッター41およびハーフカッター42を駆動するカッターモーター43と、カッターモーター43の動力を、フルカッター41およびハーフカッター42に伝達するカッター動力伝達機構44と、を有している。
フルカッター41は、ハサミ式のカッター構造を有するものであり、固定刃51と、支軸を介して固定刃51に回動自在に支持された可動刃52と、を有している。フルカット処理時には、カッターモーター43からの動力によって、固定刃51に対し、可動刃52が回動する。これによって、ハサミ式により、記録テープTaおよび剥離テープTbの双方を切断する。
一方、ハーフカッター42は、押切り式のカッター構造を有するものであり、記録テープTa側から印刷テープTに切り込む切断刃56と、切り込んだ切断刃56を受ける刃受部材57と、を有している。また、切断刃56は、支軸を介して刃受部材57に回動自在に支持されている。ハーフカット処理時には、カッターモーター43からの動力によって、刃受部材57に対し切断刃56が回動する。これによって、押切り形式により、記録テープTaのみを切断する。
次に図3、図4および図5を参照して、切込み形成機構20について説明する。なお、図4では、装置ケース11を透過して図示している。図3、図4および図5に示すように、切込み形成機構20は、印刷テープTの受けとなる受けローラー61と、回転刃81を有する回転刃ユニット62と、回転刃ユニット62を上下方向に移動させるユニット移動機構(移動部)63と、回転刃ユニット62の移動位置を検出する位置検出機構64と、回転刃81の向きを切り替える向き切替機構(刃向き切替部)65と、を有している。なお、位置検出機構64および向き切替機構65については、図5に図示している。また、詳細は後述するが、向き切替機構65によって、回転刃81の向きを、印刷テープTのテープ長方向(テープ送り方向)と並行(略平行)な向きと、印刷テープTのテープ幅方向と並行(略平行)な向きとの間で切り替えられるようになっている。図3、図4および図5の例では、回転刃81の向きを、テープ長方向と並行な向きに切り替えた状態のものを図示している。
受けローラー61は、印刷テープTの裏面側(剥離テープTb側)に接触し、回転刃81によって印刷テープTに切込みCを形成するときの、印刷テープTの受けとして機能する。また、受けローラー61は、図外の動力連動機構によって、送り動力伝達機構29に直結しており、テープ送りモーター28の駆動によって、プラテンローラー34と一緒に回転するように構成されている。なお、受けローラー61の回転速度は、プラテンローラー34の回転速度から微増速されていることが好ましい。
図4および図5に示すように、ユニット移動機構63は、上下方向に延在すると共に回転刃ユニット62を上下方向に往復動させるネジ軸71と、ネジ軸71を回転駆動する駆動モーター72と、駆動モーター72の動力をネジ軸71に伝達する移動動力伝達機構73と、を有している。また、移動動力伝達機構73は、駆動モーター72の主軸に固定されたウォーム74と、ウォーム74に噛み合うと共に、ネジ軸71の一端に固着されたウォームホイール75と、を有している。駆動モーター72を回転駆動すると、ウォーム74およびウォームホイール75を介して、ネジ軸71が回転し、これによって、回転刃ユニット62が上下方向に往復移動する(駆動モーター72の正転駆動によって、回転刃ユニット62を下方に移動し、駆動モーター72を逆転駆動によって、回転刃ユニット62が上方に移動する)。テープ印刷装置1の上下方向が、送られていく印刷テープTのテープ幅方向となっているため、これにより、ユニット移動機構63は、回転刃ユニット62を印刷テープTのテープ幅方向に往復移動させることができる。
図5に示すように、ユニット移動機構63は、この往復移動によって、回転刃ユニット62を、印刷テープTに対向するテープ対向領域A1と、テープ対向領域A1から下方に退避した第1待機位置(第1の待機位置)A2と、テープ対向領域A1から上方に退避した第2待機位置(第2の待機位置)A3との間で移動させることができる。また、テープ対向領域A1の中央位置A4が、回転刃81の向きをテープ長方向と並行な向きにして、テープ長方向に切込みCに形成するときの切込み位置となっている。すなわち、回転刃81の向きをテープ長方向と並行な向きにして、テープ長方向に切込みCを形成するときには、回転刃ユニット62を当該中央位置A4に移動させて切込み形成処理を実施する。一方、回転刃81の向きをテープ幅方向と並行な向きにして、テープ幅方向に切込みCを形成するときには、回転刃ユニット62をテープ対向領域A1全域に亘って移動させて切込み形成処理を実施する(詳細は後述する)。
位置検出機構64は、第1待機位置A2に面し、回転刃ユニット62が第1待機位置A2に移動したことを検出する第1検出スイッチ76と、第2待機位置A3に面し、回転刃ユニット62が第2待機位置A3に移動したことを検出する第2検出スイッチ77と、上記中央位置A4に面し、回転刃ユニット62が上記中央位置A4に移動したことを検出する第3検出スイッチ78と、を有している。各検出スイッチ76、77、78は、レバー式スイッチで構成されており、各位置(第1待機位置A2、第2待機位置A3および中央位置A4)に移動した回転刃ユニット62のキャリッジ83(後述する)に接触して、回転刃ユニット62が各位置に移動したことを検出する。
図4および図5に示すように、回転刃ユニット62は、円形状の回転刃81と、回転刃81を回転自在に軸支する軸支部材82と、軸支部材82を回転自在且つ進退自在に支持すると共に、ユニット移動機構63によって移動可能に構成されたキャリッジ83と、キャリッジ83に搭載され、軸支部材82を介して回転刃81を印刷テープT側に押圧する押圧ばね(押圧部)84と、を有している。
回転刃81は、丸刃のロータリーカッターで構成されており、記録テープTa側から印刷テープTに切り込まれる。また、印刷テープTの記録テープTaに転接して、記録テープTaに対し、その厚さ方向に切り込んだ切込みCを直線状に形成する。
軸支部材82は、回転刃81を回転自在に軸支する軸支部82aと、軸支部82aの前端(基端)に連なると共に、前方に延びる円柱軸状の軸状部82bと、から構成されている。軸状部82bは、キャリッジ83に対し、周方向に回転自在且つ軸方向に進退自在に支持されている。すなわち、軸支部材82が軸状部82bによって、キャリッジ83に回転自在且つ進退自在に支持されていることで、軸支部材82を介して、回転刃81が、向き変更自在且つ進退自在になっている。また、詳細は後述するが、軸状部82bの前端部には、向き切替機構65の第1作動羽91および第2作動羽92(いずれも後述する)が設けられている。
キャリッジ83は、軸支部材82を回転自在且つ進退自在に支持すると共に、ユニット移動機構63のネジ軸71と係合し、ユニット移動機構63によって、上下方向に往復動自在に構成されている。これによって、ユニット移動機構63により、キャリッジ83および軸支部材82を介して、回転刃81をテープ幅方向に移動可能な構成となっている。また、キャリッジ83の前端部には、向き切替機構65の第1当接ピン93および第2当接ピン94(いずれも後述する)が挿通するための貫通開口83aが、上下方向に貫通形成されている。
押圧ばね84は、一端が軸支部材82に係止され、他端がキャリッジ83に係止されている。これによって、押圧ばね84は、キャリッジ83を受けとして、軸支部材82を受けローラー61側に押圧する。すなわち、押圧ばね84は、軸支部材82を介して、回転刃81を印刷テープTに押圧する。
図5に示すように、向き切替機構65は、軸支部材82の前端部に設けられた第1作動羽(第1の作動片)91および第2作動羽(第2の作動片)92と、装置ケース11に突設され、第1作動羽91に当接する第1当接ピン(第1の当接ピン)93と、装置ケース11に突設され、第2作動羽92に当接する第2当接ピン(第2の当接ピン)94と、を有している。詳細は後述するが、第1当接ピン93は、回転刃ユニット62が第1待機位置A2に移動したときに、第1作動羽91に当接して、回転刃81の向きをテープ長方向と並行な向きに切り替える。一方、第2当接ピン94は、回転刃ユニット62が第2待機位置A3に移動したときに、第2作動羽92に当接して、回転刃81の向きをテープ幅方向と並行な向きに切り替える。
第1作動羽91および第2作動羽92は、軸支部材82における軸状部82bの前端部に設けられており、いずれも、軸状部82bの径方向に突出する板状部材によって構成されている。また、第1作動羽91は、軸支部材82に軸支された回転刃81の向きと垂直な方向に突設されており、第2作動羽92は、軸支部材82に支持された回転刃81の向きと並行な方向に突設されている。さらに、第1作動羽91および第2作動羽92は、前後方向(軸状部82bの軸方向)に相互に位置ズレして突設されている。
また、第1作動羽91は、軸状部82bの回転に伴って、第1当接ピン93に対面する対面位置と、対面位置から退避した退避位置との間で回動する。一方、第2作動羽92は、軸状部82bの回転に伴って、第2当接ピン94に対面する対面位置と、対面位置から退避した退避位置との間で回動する。なお、回転刃81の向きがテープ幅方向と並行な向きになっている状態では、第1作動羽91が第1当接ピン93の対面位置に、第2作動羽92が退避位置に回動した状態となる。一方、回転刃81の向きがテープ長方向と並行な向きになっている状態では、第2作動羽92が第2当接ピン94の対面位置に、第1作動羽91が退避位置に回動した状態となる。
第1当接ピン93および第2当接ピン94は、いずれも、装置ケース11に突設された、上下方向に延びる円柱状の部材で構成されている。また、第1当接ピン93は、第1待機位置A2に配設され、第2当接ピン94は、第2待機位置A3に配設されている。そして、第1当接ピン93は、前後方向において、第1作動羽91に対応する位置に配設されており、第2当接ピン94は、前後方向において、第2作動羽92に対応する位置に配設されている。これらによって、回転刃ユニット62が第1待機位置A2に移動したときには、第1当接ピン93が、相対的に第1作動羽91に当接し、回転刃ユニット62が第2待機位置A3に移動したときには、第2当接ピン94が相対的に第2作動羽92に当接する。第1当接ピン93は、第1作動羽91に当接して、回転刃81の向きがテープ幅方向と並行な向きからテープ長方向と並行な向きに切り替わるように軸支部材82を回転させる。また、第2当接ピン94は、第2作動羽92に当接して、回転刃81の向きがテープ長方向と並行な向きからテープ幅方向と並行な向きに切り替わるように軸支部材82を回転させる。
ここで図6を参照して、向き切替機構65による回転刃81の向き切替処理について説明する。この向き切替処理は、ユニット移動機構63による回転刃ユニット62を移動させる力を利用し、軸支部材82を介して、回転刃81の向きを、テープ幅方向と並行な向き(テープ幅方向に倣う向き)とテープ長方向と並行な向き(テープ長方向に倣う向き)との間で切り替える処理である。ここでは、まず、図6を参照して、回転刃81の向きを、テープ幅方向と並行な向きからテープ長方向と並行な向きに切り替える処理について説明する。
図6(a)に示すように、回転刃81の向きがテープ幅方向と並行な向きとなっている状態では、第1作動羽91が第1当接ピン93の対面位置に位置し、第2作動羽92が退避位置に位置した状態となっている。そして、この状態で、ユニット移動機構63により、回転刃ユニット62を第1待機位置A2に移動させる。回転刃ユニット62が第1待機位置A2に移動すると、図6(b)に示すように、第1当接ピン93が相対的に第1作動羽91に当接する。この当接によって、第1当接ピン93が設けられた軸支部材82が90°回転し、軸支部材82に軸支された回転刃81の向きが90°変更される。これによって、回転刃81の向きが、テープ幅方向と並行な向きからテープ長方向と並行な向きに切り替えられる。これによって、本処理を終了する。
次に、図7を参照して、回転刃81の向きを、テープ長方向と並行な向きからテープ幅方向と並行な向きに切り替える処理について説明する。図7(a)に示すように、回転刃81の向きがテープ長方向と並行な向きとなっている状態では、第2作動羽92が第2当接ピン94の対面位置に位置し、第1作動羽91の位置が退避位置に位置した状態となっている。そして、この状態で、ユニット移動機構63により、回転刃ユニット62を第2待機位置A3に移動させる。回転刃ユニット62が第2待機位置A3に移動すると、図7(b)に示すように、第2当接ピン94が相対的に第2作動羽92に当接する。この当接によって、第2当接ピン94が設けられた軸支部材82が90°回転し、軸支部材82に軸支された回転刃81の向きが90°変更される。これによって、回転刃81の向きが、テープ長方向と並行な向きからテープ幅方向と並行な向きに切り替えられる。これによって、本処理を終了する。
次に図8を参照して、テープ印刷装置1の制御構成について説明する。図8に示すように、テープ印刷装置1は、印刷ヘッド22と、テープ送りモーター28と、カッターモーター43と、駆動モーター72と、位置検出機構64と、を有している。また、テープ印刷装置1は、印刷ヘッド22を駆動させるヘッドドライバー101と、テープ送りモーター28を駆動させる送りモータードライバー102と、カッターモーター43を駆動させるカッターモータードライバー103と、駆動モーター72を駆動させる駆動モータードライバー104と、を有している。そして、テープ印刷装置1は、位置検出機構64および各ドライバー101、102、103、104に接続された制御部105を備えている。
制御部105は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を有し、テープ印刷装置1全体を統括制御している。制御部105は、ヘッドドライバー101および送りモータードライバー102を介して、印刷ヘッド22およびテープ送りモーター28を制御することで、印刷処理を行う。また、制御部105は、カッターモータードライバー103を介して、カッターモーター43を制御することで、フルカット処理およびハーフカット処理を行う。さらに、制御部105は、位置検出機構64による検出結果を受けつつ、送りモータードライバー102および駆動モータードライバー104を介して、テープ送りモーター28および駆動モーター72を制御することで、切込み形成処理を行う。
ここで図9および図10を参照して、テープ印刷装置1による切込み形成処理について説明する。テープ印刷装置1は、切込み形成処理として、切込みCをテープ長方向に形成する縦切込み形成処理と、切込みCをテープ幅方向に形成する横切込み形成処理と、を実行可能である。ここでは、まず、図9を参照して縦切込み形成処理について説明する。
図9に示すように、縦切込み形成処理では、まず、ユニット移動機構63により、回転刃ユニット62を第1待機位置A2に移動させて、向き切替機構65により、回転刃81の向きを、テープ幅方向と並行な向きからテープ長方向と並行な向きに切り替えさせる(図9(b))。第1待機位置A2への移動は、第1検出スイッチ76によって回転刃ユニット62が第1待機位置A2に移動したことが検出されるまで、駆動モーター72を正転駆動し続けることで実行される。
回転刃81の向きをテープ長方向と並行な向きに切り替えたら、ユニット移動機構63により、回転刃ユニット62をテープ対向領域A1の中央位置A4に移動させる(図9(c))。これによって、テープ幅方向における印刷テープTの切込み位置が、当該中央位置A4に調整される。当該中央位置A4への移動は、第3検出スイッチ78によって回転刃ユニット62が当該中央位置A4に移動したことが検出されるまで、駆動モーター72を逆転駆動し続けることで実行される。
回転刃ユニット62を当該中央位置A4まで移動させたら、テープ送りモーター28を駆動し、プラテンローラー34を回転させて印刷テープTをテープ送りする(図9(d))。このテープ送りによって、送られていく印刷テープTの記録テープTaに回転刃81が転接し、テープ長方向に延びる切込みCが形成される。これによって、本処理を終了する。
次に、図10を参照して横切込み形成処理について説明する。図10に示すように、横切込み形成処理では、まず、ユニット移動機構63により、回転刃ユニット62を第2待機位置A3に移動させて、向き切替機構65により、回転刃81の向きを、テープ長方向と並行な向きからテープ幅方向と並行な向きに切り替えさせる(図10(b))。第2待機位置A3への移動は、第2検出スイッチ77によって回転刃ユニット62が第2待機位置A3に移動したことが検出されるまで、駆動モーター72を逆転駆動し続けることで実行される。
回転刃81の向きをテープ幅方向と並行な向きに切り替えたら、テープ送りモーター28を駆動し、プラテンローラー34を回転させて印刷テープTをテープ送りする(図10(c))。このテープ送りによって、テープ長方向における印刷テープTの切込み位置を調整する。
テープ送りが終了したら、ユニット移動機構63により、回転刃ユニット62を第1待機位置A2まで移動させることで、回転刃ユニット62をテープ対向領域A1全域に亘って移動させる(図10(d))。この移動についても、第1検出スイッチ76によって回転刃ユニット62が第1待機位置A2に移動したことが検出されるまで、駆動モーター72を正転駆動し続けることで実行される。この移動によって、印刷テープTの記録テープTaに回転刃81が転接し、テープ幅方向に延びる切込みCが形成される。これによって、本処理を終了する。
以上のような構成によれば、簡単な構成で、切込みCをテープ長方向およびテープ幅方向に形成することができる。これによって、無地の印刷テープTから折り目付きのラベルLを作成することができ、ラベルLをきれいに折って利用することができる。例えば、図11に示すように、折り目付きの付箋紙ラベルを作成することができる。また、例えば、折り目付きのケーブルラベルを作成することができる。
また、向き切替機構65によって、ユニット移動機構63による軸支部材82を移動させる力を利用して、回転刃81の向きを切り替える構成であることで、回転刃81の向きを切り替えるのに、別途駆動系を設ける必要がない。よって、テープ印刷装置1をより簡単な構成にすることができる。
さらに、押圧ばね84を有することで、回転刃81を一定の押圧力で印刷テープTに押圧することができる。
なお、上記実施形態においては、回転刃81として丸刃のロータリーカッターを用い、記録テープTaに所定厚さまで切り込んだ切込みCを形成する構成であったが、図12に示すように、回転刃81としてギザ付き刃(いわゆるミシン目刃)のロータリーカッターを用い、記録テープTaにミシン目状(破線状)の切込みC(図13参照)を形成する構成であっても良い。図12では、説明の便宜上、回転刃81の向きを、テープ幅方向と並行な向きに切り替えた状態のものを図示している。なお、かかる場合には、ミシン目の目に当たる切込み部分が、記録テープTaを貫通していることが好ましい。かかる構成によれば、切込みC上でラベルLを折ったときに、折った部分の内側に入った空気が当該切込み部分から逃げる。そのため、ラベルLが、より折りやすくなる。
また、上記実施形態においては、縦切込み形成処理において、テープ幅方向における切込み位置を、テープ対向領域A1の中央位置A4に限定しているが、これに限るものではない。すなわち、ユーザーが、所望の位置をテープ幅方向の切込み位置に設定し、これに従って、ユニット移動機構63により回転刃ユニット62を移動させて、切込みCを形成する構成であっても良い。かかる場合、位置検出機構は、テープ対向領域A1上の各位置に回転刃ユニット62が移動したことを検出可能な構成とする。
さらに、上記実施形態においては、縦切込み形成処理において、最初に、回転刃ユニット62を第1待機位置A2に移動させて、回転刃81の向き切替処理(図9(b))を行う構成であったが、予め、回転刃81の向きが、テープ長方向と並行な向きになっている状態であれば、縦切込み形成処理において、当該向き切替処理を省略することができる。また、横切込み形成処理においても同様であり、予め、回転刃81の向きが、テープ幅方向と並行な向きになっている状態であれば、横切込み形成処理において、向き切替処理を省略することができる。
またさらに、上記実施形態においては、印刷処理機能を有するテープ印刷装置1に、本発明を適用したが、印刷処理機能を有しないテープ処理装置に、本発明を適用しても良い。例えば、切込み形成機能のみを有するテープ処理装置に、本発明を適用しても良いし、処理テープに点字を打刻する点字打刻処理機能を有する点字打刻装置に、本発明を適用しても良い。
1:テープ印刷装置、 20:切込み形成機構、 24:プラテン駆動軸、 28:テープ送りモーター、 29:送り動力伝達機構、 34:プラテンローラー、 63:ユニット移動機構、 65:向き切替機構、 81:回転刃、 82:軸支部材、 C:切込み、 T:印刷テープ、 Ta:記録テープ、 Tb:剥離テープ。
Claims (5)
- 本体テープと剥離テープとを積層して構成された処理テープを、そのテープ長方向に送る送り部と、
送られていく前記処理テープの前記本体テープに対し、その厚み方向に切り込んだ切込みを直線状に形成する切込み形成部と、を備え、
前記切込み形成部は、
前記本体テープに転接して前記切込みを形成する回転刃と、
前記回転刃を回転自在に軸支する軸支部材と、
前記軸支部材を介して、前記回転刃を、前記処理テープのテープ幅方向に移動させる移動部と、
前記軸支部材を介して、前記回転刃の向きを、前記テープ長方向と並行な向きと、前記テープ幅方向と並行な向きとの間で切り替える刃向き切替部と、を有することを特徴とするテープ処理装置。 - 前記刃向き切替部は、前記移動部による前記軸支部材を移動させる力を利用して、前記回転刃の向きを切り替えることを特徴とする請求項1に記載のテープ処理装置。
- 前記刃向き切替部は、
前記軸支部材に設けられた作動片と、
前記移動部によって前記軸支部材および前記回転刃が待機位置に移動したときに前記作動片に当接し、前記回転刃の向きが切り替わるように前記軸支部材を回転させる当接ピンと、を有することを特徴とする請求項2に記載のテープ処理装置。 - 前記刃向き切替部は、
前記軸支部材に設けられた第1の作動片および第2の作動片と、
前記移動部によって前記軸支部材および前記回転刃が第1の待機位置に移動したときに前記第1の作動片に当接し、前記回転刃の向きが前記テープ幅方向と並行な向きから前記テープ長方向と並行な向きに切り替わるように前記軸支部材を回転させる第1の当接ピンと、
前記移動部によって前記軸支部材および前記回転刃が第2の待機位置に移動したときに前記第2の作動片に当接し、前記回転刃の向きが前記テープ長方向と並行な向きから前記テープ幅方向と並行な向きに切り替わるように前記軸支部材を回転させる第2の当接ピンと、を有することを特徴とする請求項3に記載のテープ処理装置。 - 前記切込み形成部は、前記軸支部材を介して、前記回転刃を前記処理テープに押圧する押圧部を、更に有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のテープ処理装置。
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2014
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