JP2016013569A - かしめ装置 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1には、かしめ受け部の上下それぞれに、かしめ用ポンチ(上述のパンチに相当)を装着した油圧シリンダを備えた装置が記載されている。この装置では、2つの油圧シリンダを作動させることによって、かしめ受け部の上下でかしめ加工(かしめ接合)を行うことができる。例えば、コの字状断面をした部材の2つの平行な突出部をかしめ受け部の上下に配置し、さらに、コの字状部材の突出部のそれぞれに板状部材を重ねて配置し、2つの油圧シリンダを作動させると、コの字状部材の位置及び向きを途中で変更することなく、コの字状部材の2つの突出部に2つの板状部材をかしめ接合することができる。
上記かしめ装置は、第一ダイ部及び第二ダイ部を共に支持するダイ支持部を備え、第一ダイ部の第一パンチ部を受け入れる方向は、第二ダイ部の第二パンチ部を受け入れる方向と実質的に反対向きであってよい。
上記かしめ装置は、第一ダイ部及び第二ダイ部の間の距離を変更する距離変更部を備えてよい。
上記かしめ装置は、水平方向及び鉛直方向に移動可能に吊り下げて設けられるように構成されてよい。
第一パンチ部及び第二パンチ部の少なくとも一方は、先端よりも突出し可撓性のある緩衝体を有してよい。
実施の形態1.
まず、本実施の形態1に係るかしめ装置101の構成を説明する。
図1及び図2をあわせて参照すると、かしめ装置101は、ワイヤ、チェーン等の吊り線材1を介して吊り下げられて使用されるように構成されている。
本実施の形態1における吊り線材1は、例えば、工場等の作業施設の天井に設けられているレール材に取り付けられた図示しないホイストクレーンによって吊り下げられるスプリングバランサ2から延出するワイヤである。スプリングバランサ2は、その内部に、ワイヤが周囲に巻回されるドラムと、ドラムに回転方向の付勢力を与えるゼンマイバネとを備えている。ゼンマイバネは、ワイヤの引き出し方向と反対方向の付勢力をドラムに与え、それ故、ドラムから引き出されたワイヤの端部に吊された荷に上方向への荷重を与える。ゼンマイバネの付勢力は調整できるように構成されており、ゼンマイバネの付勢力を荷重量と釣り合うように調節することによって、ワイヤに吊された荷は、上下方向で荷重が平衡状態となる。これによって、ワイヤに吊された荷を、僅かな力で上下に移動させることができる。
これにより、かしめ装置101は、レール材に沿ってホイストクレーンと共に水平方向に移動可能であると共に、スプリングバランサ2によって手動で上下方向に移動可能である。また、かしめ装置101は、吊り線材1を中心軸として回転することもできる。
なお、かしめ装置101は、吊り線材1側を重力方向の上方側として設置されて用いられる。そして、以下の説明では、かしめ装置101から吊り線材1に向かう方向を上方向と呼び、その反対方向を下方向と呼ぶ。
かしめ装置101はさらに、吊部10の下部に連結された略直方体状の本体部11を有している。
そして、吊部10は、本体部11の上端面11fの中央付近に連結されている。
ここで、第一油圧シリンダ12及び第二油圧シリンダ13はそれぞれ、第一シリンダ及び第二シリンダを構成している。
第一挿通穴11b1内及び第二挿通穴11a1内にはそれぞれ、円筒状のロッドガイド部材14及び15が挿入されて嵌合している。
ここで、リンク部材17は、リンク部を構成している。
ガイド部11eには、上下方向にガイド部11eを貫通する第三挿通穴11e1が形成されている。第三挿通穴11e1内には、円筒状のロッドガイド部材19が挿入され嵌合している。
そして、上述のようなリンクロッド16及び押圧ロッド18は、枢動軸17cを挟んで両側に、互いに平行に配置されている。
ここで、上側パンチ21及び下側パンチ22はそれぞれ、第一パンチ部及び第二パンチ部を構成し、緩衝材25は緩衝体を構成している。
ここで、上側ダイ23及び下側ダイ24はそれぞれ、第一ダイ部及び第二ダイ部を構成している。
さらに、押圧ロッド18における下側パンチ22の近傍には、下側位置センサ18aの被検知部18aaが設けられ、本体部11の基部11aの側部には、下側位置センサ18aの検知部18abが、被検知部18aaと対向する位置に設けられている。検知部18abは、下側パンチ22の緩衝材25がダイ支持部11cの下面11c2に近接する位置になったときに、被検知部18aaを検知するように構成されている。
また、基部11aに対するダイ支持部11cの結合部において、矩形状断面を有するダイ支持部11cの外周を囲み且つダイ支持部11cの外周に沿って結合部に向かって窪む角筒状の凹部11a3が、基部11aに形成されている。
上側クランプスイッチ31b及び下側クランプスイッチ32bをそれぞれ押してON状態とすると、図示しないコントロールユニットが、第一油圧シリンダ12及び第二油圧シリンダ13のシリンダロッドを伸長させ、上側パンチ21及び下側パンチ22をそれぞれ、上側ダイ23及び下側ダイ24に押しつける。
上側クランプ圧力操作部33及び下側クランプ圧力操作部34の上端にはそれぞれ、第一油圧シリンダ12及び第二油圧シリンダ13が上側パンチ21及び下側パンチ22をそれぞれ上側ダイ23及び下側ダイ24に押しつける圧力を設定するための上側圧力設定スイッチ33a及び下側圧力設定スイッチ34aが設けられている。
なお、上側パンチ21及び上側ダイ23と、下側パンチ22及び下側ダイ24とが形成するクリンチかしめの構成は、同一であるため、上側パンチ21及び上側ダイ23によるクリンチかしめの構成のみを説明する。
上側ダイ23は、上側パンチ21からの下方への押圧力を受け止める基部23aと、基部23aの側部23a1を囲繞し且つ基部23aよりも上方に突出するように設けられる枠部23bとを備えている。そして、枠部23bの内面23b1及び基部23aの上面23a2によって、上側パンチ21の先端部を受け入れ可能な受入凹部23cが形成される。
枠部23bは、通常、図示しない付勢手段によって側部23a1に押しつけられているが、側部23a1側から側方外側に向かう方向の力が付与されると、側部23a1から離れて拡がるように移動する。枠部23bが側部23a1に押しつけられているときの受入凹部23cは、上側パンチ21の先端21aと整合する形状となる。
図1〜図3をあわせて参照すると、かしめ装置101を用いて、コの字状断面をした軽溝形鋼である第一金属部材28の上下のフランジ部28a及び28bの内側にそれぞれ、コの字状断面をした軽溝形鋼である第二金属部材29の上下のフランジ部29a及び29bをかしめ接合する。本実施の形態1では、第一金属部材28の上側のフランジ部28aと第二金属部材29の上側のフランジ部29aとのかしめ接合を行った後に、第一金属部材28の下側のフランジ部28bと第二金属部材29の下側のフランジ部29bとのかしめ接合を行う。なお、第二金属部材29は、フランジ部29a及び29bが第一金属部材28のフランジ部28a及び28bの内側に嵌まる寸法で形成されている。
ここで、第一金属部材28及び第二金属部材29は、金属板を構成している。
また、第一金属部材28のフランジ部28aの端部又は第二金属部材29のフランジ部29aの端部からかしめ接合を行うべき箇所までの距離が大きい場合でも、基部11aの凹部11a3内に上記端部を挿入するようにかしめ装置101を回転させて位置決めすることよって、かしめ接合を行うべき箇所に上側パンチ21の位置を合わせることができる。
このとき、図3に示すように、かしめ装置101は、シリンダロッド12aを伸長させ、上側パンチ21を上側ダイ23に向かって下降させる。上側パンチ21の緩衝材25がダイ支持部11cに近接し、フランジ部28aに接触して押圧するようになるとき、上側位置センサ12bの検知部12bbが被検知部12baを検知し、その結果、かしめ装置101は、第一油圧シリンダ12の動作を停止する。
このとき、上側パンチ21は、その緩衝材25のみを第一金属部材28のフランジ部28aに接触させて押圧し、フランジ部28aを第二金属部材29のフランジ部29aに密着させる。
このとき、図3に示すように、下降する上側パンチ21は、緩衝材25を上下方向に縮むように変形させつつ、その先端をフランジ部28aに接触させてフランジ部28a及び29aを共に上側ダイ23に押しつける。そして、かしめ装置101は、上側パンチ21の押圧力が設定したかしめ圧に達すると、シリンダロッド12aを収縮させ、上側パンチ21に押圧を停止させて上昇させる。これにより、フランジ部28a及び29aは、図5に示すように形成されるクリンチかしめ部27によって互いに接合される。なお、上側パンチ21を上昇させてクリンチかしめ部27から引き離す際、縮むように変形している緩衝材25が、上側パンチ21と共に上方に浮き上がろうとするフランジ部28aに対してその弾性力を伴った反力を与えて移動を阻止する。これにより、上側パンチ21のクリンチかしめ部27からの引き離しが容易になる。
このとき、図3に示すように、かしめ装置101は、シリンダロッド13aを伸長させ、下側パンチ22を下側ダイ24に向かって上昇させる。なお、第一金属部材28のフランジ部28b及び第二金属部材29のフランジ部29bは、フランジ部28a及び29aがかしめ接合されていることによって、互いに密着している。
かしめ接合を行うにあたって問題がない場合、図2に示す下側クランプスイッチ32bをON状態にし、第二油圧シリンダ13を再び動作させて、本かしめが行われる。
このとき、図3に示すように、上昇する下側パンチ22は、緩衝材25を上下方向に縮むように変形させつつ、下側パンチ22の先端を接触させてフランジ部28b及び29bを共に下側ダイ24に押しつける。そして、かしめ装置101は、下側パンチ22の押圧力が設定したかしめ圧に達すると、シリンダロッド13a(図1参照)を収縮させ、下側パンチ22に押圧を停止させて下降させる。これにより、フランジ部28b及び29bは、図5に示すように形成されるクリンチかしめ部27によって互いに接合される。
なお、かしめ接合を行う前、フランジ部28b及びフランジ部29bは互いに密着しているため、下側パンチ22の押しつけ時に緩衝材25はなくてもよい。さらに、第一金属部材28及び第二金属部材29の強度が高い場合には、かしめ接合後の下側パンチ22の引き離し時に金属部材が変形等することがないため、緩衝材25はなくてもよい。
また、かしめ装置101は、水平方向及び鉛直方向に移動可能に吊り下げて設けられるように構成される。これによって、接合部材へのかしめ装置101のダイ支持部11cのセットが容易になる。
なお、本実施の形態1では、上側パンチ21及び下側パンチ22の両方に緩衝材25を設けていたが、上側パンチ21によるかしめ接合後に下側パンチ22のかしめ接合を実施する場合、下側パンチ22の緩衝材25を省略することもできる。逆に、下側パンチ22によるかしめ接合後に上側パンチ21のかしめ接合を実施する場合、上側パンチ21の緩衝材25を省略することもできる。さらに、仮組み時に金属部材28及び29を密着させて固定することができれば、緩衝材25は、上側パンチ21及び下側パンチ22のいずれからも省略してもよい。
この発明の実施の形態2に係るかしめ装置は、実施の形態1に係るかしめ装置101において、上側ダイ23と下側ダイ24との上下方向の距離を変更する距離変更機構210をダイ支持部11cに設けたものである。
なお、以下の実施の形態2において、前出した図における参照符号と同一の符号は、同一または同様な構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
さらに、機構室211内において、上側ダイ23及び下側ダイ24の間に、楕円形状の断面を有するカム体214が設けられている。カム体214は、楕円形の中心を通り且つダイ支持部11c内を本体部11の基部11aに向かって延びる回転シャフト215を一体に備えている。回転シャフト215は、図示しないアクチュエータ等の駆動装置によって、カム体214と共に回転駆動されるように構成されている。
付勢部材216によって付勢された上側ダイ23及び下側ダイ24は、カム体214の外周面であるカム面214aに押しつけられている。
また、図8及び図9のように、カム体214が楕円形状断面の長軸方向を上下方向(鉛直方向)に向けた状態のとき、上側ダイ23及び下側ダイ24の間の上下方向の距離が最大となる。このとき、上側ダイ23の先端23dは、上面11c1からの突出量を最大とし、下側ダイ24の先端24dは、下面11c2からの突出量を最大とする。
よって、カム体214を回転させることによって、上側ダイ23及び下側ダイ24を上下方向に移動させて互いの間の距離を自在に変更することができる。
また、本実施の形態2のかしめ装置でも、上側パンチ21及び下側パンチ22の両方に緩衝材25が設けられている。
まず、図6及び図7に示すように、上側ダイ23及び下側ダイ24との間の距離を最小にした状態のダイ支持部11cに対して、仮組みした金属部材28及び29がセットされる。その後、カム体214が回転駆動されて、第二金属部材29のフランジ部29a及び29bにそれぞれ接触するまで、上側ダイ23が上昇させられると共に下側ダイ24が下降させられる。これにより、図8及び図9に示すような状態となり、金属部材28及び29がダイ支持部11cに対して固定される。その後、上側パンチ21及び下側パンチ22を一方ずつ或いは同時に上側ダイ23及び下側ダイ24に向かって移動させ、第二金属部材29のフランジ部29aと第一金属部材28のフランジ部28aとがかしめ接合されると共に、第二金属部材29のフランジ部29bと第一金属部材28のフランジ部28bとがかしめ接合される。かしめ接合完了後、上側パンチ21及び下側パンチ22が引き戻されて再び図6及び図7に示すような状態とされ、金属部材28及び29が取り除かれる又は次のかしめ接合のために移動させられる。このとき、上側ダイ23及び下側ダイ24が突出するかしめ部27(図5参照)に干渉しないため、金属部材28及び29の移動がスムーズになる。
また、この発明の実施の形態2に係るかしめ装置のその他の構成及び動作は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
なお、実施の形態2におけるかしめ装置においても、緩衝材25は、上側パンチ21及び下側パンチ22の一方にのみ設けられてもよく、両方に設けられなくてもよい。
また、実施の形態1及び2のかしめ装置は、上方から吊される構成であったが、下方の移動可能な装置上に設置される構成であってもよい。このとき、かしめ装置を上下逆に配置してもよい。
Claims (6)
- 重ねられた金属板をかしめ接合するかしめ装置において、
伸縮自在な第一シリンダと、
前記第一シリンダに設けられ、前記第一シリンダの伸縮方向に沿って往復動作可能な第一パンチ部と、
前記第一パンチ部に対向して設けられ、前記第一パンチ部を受け入れてかしめ接合を形成可能な第一ダイ部と、
伸縮自在な第二シリンダと、
前記第二シリンダに枢動可能なリンク部を介して設けられ、往復動作可能な第二パンチ部と、
前記第二パンチ部に対向して設けられ、前記第二パンチ部を受け入れてかしめ接合を形成可能な第二ダイ部とを備え、
前記第二シリンダは、前記第一シリンダの側方に並べて配置され、
前記リンク部は、前記第二シリンダの伸縮方向と異なる方向に動作させるように前記第二シリンダの動作を前記第二パンチ部に伝達するかしめ装置。 - 前記第二パンチ部の動作方向は、前記第二シリンダの伸縮方向と実質的に反対向きである請求項1に記載のかしめ装置。
- 前記第一ダイ部及び前記第二ダイ部を共に支持するダイ支持部を備え、
前記第一ダイ部の前記第一パンチ部を受け入れる方向は、前記第二ダイ部の前記第二パンチ部を受け入れる方向と実質的に反対向きである請求項2に記載のかしめ装置。 - 前記第一ダイ部及び前記第二ダイ部の間の距離を変更する距離変更部を備える請求項3に記載のかしめ装置。
- 水平方向及び鉛直方向に移動可能に吊り下げて設けられるように構成された請求項1〜4のいずれか一項に記載のかしめ装置。
- 前記第一パンチ部及び前記第二パンチ部の少なくとも一方は、先端よりも突出し可撓性のある緩衝体を有する請求項1〜5のいずれか一項に記載のかしめ装置。
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