JP2016013017A - 回転子 - Google Patents

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Kenji Mochizuki
望月  賢二
祐弥 井沢
Yuya Izawa
祐弥 井沢
智則 佐々木
Tomonori Sasaki
智則 佐々木
宏昌 吉澤
Hiromasa Yoshizawa
宏昌 吉澤
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Abstract

【課題】巻線の外周方向への移動を抑える構造の小型化及び簡略化を図る回転子を提供する。
【解決手段】軸部2b及び拡径部2aを含む内側回転軸2に設けられるインナーロータ101は、インナーコア11、巻線12、止め部材13、連結部材14及び固定部材15を備える。インナーコア11は、拡径部2aの外周を囲む筒状の本体部11aと、本体部11aの外周面11a1から突出し且つ周方向に沿って互いに間隔をあけて配置される複数の歯部11bとを含む。止め部材13は、歯部11bの端面11b2,11b3から突出し、歯部11bに巻回された巻線12よりも径方向外側に配置される。輪状の連結部材14は、軸方向で同じ側の端面11b2,11b3に設けられて周方向で隣り合う止め部材13同士を連結する。固定部材15は、連結部材14を拡径部2aに連結し且つ固定する。
【選択図】図3

Description

この発明は、回転子に係り、特に回転電機の回転子に関する。
回転電機には、回転子に界磁コイルが巻回されたものがある。界磁コイルにおける回転子から突出するコイルエンドは、回転子と共に回転すると、遠心力によって外周側に変形して広がろうとする。広がったコイルエンドは、周囲の固定子などに接触して破損することがあるため、コイルエンドの外周側への変形を抑える技術が提案されている。
例えば特許文献1には、突極形回転電機の界磁コイル押さえ器が記載されている。この界磁コイル押さえ器は、界磁コイルのコイルエンドの外周側と、回転子の軸方向でコイルエンドの外側とにそれぞれ、押さえボルト及び支えボルトを設け、これらのボルトをコイルエンドの外周側且つ回転子軸方向外側に位置する結合金具で連結した構造を備えている。押さえボルトは、回転子の磁極鉄心の端板に固定され、支えボルトは回転子の回転軸の外周面に固定される。押さえボルトが、コイルエンドの外周側への変形を抑える。
特開平8−70546号公報
特許文献1の界磁コイル押さえ器では、押さえボルト及び支えボルトをそれぞれ、磁極鉄心の端板及び回転軸の外周面にねじ込み、さらに、押さえボルト及び支えボルトそれぞれをナットで結合金具に連結する必要があるため、製造に手間がかかるという問題がある。また、押さえボルトのナットと支えボルトのナットとが接近しすぎるとナットの締結ができなくなるため、2つのナットの間にスペースが必要になる。このため、界磁コイル押さえ器の占めるスペースが大きくなり、突極形回転電機の小型化に支障が生じるという問題も生じる。
この発明は上記のような問題を解決するためになされたものであり、コイル(巻線)の外周方向への移動を抑える構造の小型化及び簡略化を図る回転子を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、この発明に係る回転子は、回転電機の回転軸に設けられた回転子において、軸部と軸部よりも径方向に大きい断面を有する拡大部とを同軸上に含む回転軸における拡大部の周りに一体に回転するように設けられる回転子コアであって、拡大部の外周を囲む筒状の本体部と本体部の外周面から突出し且つ上記外周面の周方向に沿って互いに間隔をあけて配置される複数の歯部とを含む回転子コアと、歯部の周りに巻回される巻線と、歯部における回転軸方向に面する表面に設けられ、歯部に巻回された巻線よりも回転軸径方向外側に配置されて上記表面から突出する止め部と、本体部の外周面の周方向で隣り合う止め部同士を連結する輪状の連結部と、連結部を拡大部に連結し且つ固定する固定部とを備え、連結部は、複数の歯部における回転軸方向に面する両側の上記表面のうちの同じ側の上記表面に設けられた止め部同士を連結する。
さらに、連結部は、固定部と一体化され、固定部と共に1つの輪状の部材を形成してよい。
また、この発明に係る回転子は、回転電機の回転軸に設けられた回転子において、回転軸の周りに一体に回転するように設けられ且つ積層体からなる回転子コアであって、回転軸の外周を囲む筒状の本体部と本体部の外周面から突出し且つ上記外周面の周方向に沿って互いに間隔をあけて配置される複数の歯部とを含む回転子コアと、歯部の周りに巻回される巻線と、歯部における回転軸方向に面する表面に設けられ、歯部に巻回された巻線よりも回転軸径方向外側に配置されて上記表面から突出する止め部と、本体部の外周面の周方向で隣り合う止め部同士を連結する輪状の連結部と、回転子コアを貫通し且つ対向する面で回転子コアを挟持して回転子コアの積層体を構成する各層を結合する結合部材とを備え、連結部は、複数の歯部における回転軸方向に面する両側の上記表面のうちの同じ側の上記表面に設けられた止め部同士を連結し、結合部材に固定される。
歯部における回転軸方向に面する両側の上記表面に設けられた2つの止め部は、互いに一体化され且つ歯部を貫通する1つの部材を形成してよい。
さらに、歯部を貫通して1つの部材を形成する止め部は、連結部材を貫通して延在し、止め部は、端部に形成されたねじ部に螺合する締結部材によって、連結部材に固定されてよい。
又は、歯部を貫通して1つの部材を形成する止め部は、連結部材の貫通穴を通って延在し、止め部は、端部を貫通穴に凹凸嵌合させることによって、連結部材に固定されてよい。
又は、歯部を貫通して1つの部材を形成する止め部は、連結部材を貫通して延在し、止め部は、端部がかしめられることによって、連結部材に固定されてよい。
この発明に係る回転子によれば、巻線の外周方向への移動を抑える構造の小型化及び簡略化が可能になる。
この発明の実施の形態1に係る回転子としてのインナーロータを備える回転電機の構成を示す模式的な断面側面図である。 図1のインナーロータにおける巻線が巻回された状態のインナーコアの斜視図である。 図1のインナーロータの斜視図である。 図3のインナーロータにおける内側回転軸の軸心を通る断面側面図を方向IVで見た図である。 この発明の実施の形態2に係るインナーロータを図4と同様に示す断面側面図である。 この発明の実施の形態3に係るインナーロータの斜視図である。 図6のインナーロータにおける内側回転軸の軸心を通る断面側面図を方向VIIで見た図である。 この発明の実施の形態3に係るインナーロータを図4と同様に示す断面側面図である。 図5のインナーロータにおける止め部材及び連結部材の変形例を示す断面側面図である。 図5のインナーロータにおける止め部材及び連結部材の別の変形例を示す断面側面図である。 図5のインナーロータにおける止め部材及び連結部材のさらに別の変形例を示す断面側面図である。
以下、この発明の実施の形態について添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係る回転子としてのインナーロータ101及びインナーロータ101を備える回転電機100を説明する。なお、以下の実施の形態では、回転電機100をダブルロータ型の回転電機として説明する。
図1を参照すると、ダブルロータ型のモータである回転電機100は、内側回転軸2、円筒状のインナーロータ101、円筒状のアウターロータ20及び円筒状のステータ30と、これらを内部に含む筐体1とを有している。内側回転軸2は、金属等の磁性材料から形成されている。ここで、インナーロータ101は回転子を構成している。
内側回転軸2は、円柱状の軸部2bと軸部2bよりも大きい外径をもつ拡径部2aとが同軸上に配置されて一体成形された構成を有している。ここで、拡径部2aは回転軸の拡大部を構成している。
インナーロータ101は、内側回転軸2の拡径部2aの外周面2a1上に一体に回転するように設けられている。
インナーロータ101は、拡径部2aの外周面2a1を囲み且つ一体に回転するように設けられた円筒状のインナーコア11と、インナーコア11から径方向外側に向かって放射状に突出する直方体状の複数の歯部11b(図2参照)の周囲に巻回された巻線つまりロータコイル12とを有している。ここで、インナーコア11は回転子コアを構成している。
アウターロータ20は、インナーロータ101の径方向外側の周囲を間隔をあけて囲むようにして設けられている。アウターロータ20は、インナーロータ101及び内側回転軸2に対して相対的に回転することができる。
アウターロータ20は、インナーコア11の外周を囲み且つ内側回転軸2に同軸上に設けられた円筒状のアウターコア21と、アウターコア21の内周面近傍でインナーロータ101に対向するように周方向に沿って環状に埋め込まれた複数の第一永久磁石22と、アウターコア21の外周面近傍に周方向に沿って環状に埋め込まれた複数の第二永久磁石23とを有している。アウターコア21は、金属等の磁性材料から形成されている。
アウターコア21は、内側回転軸2及びインナーロータ101の外周を包む略有底円筒状のロータブラケット24及び25によって、両端部で挟持されて支持されている。ロータブラケット24及び25はそれぞれ、内側回転軸2の軸部2bの外周面2b1によって回転自在に支持されている。ロータブラケット24及び25は、アウターコア21と共に内側回転軸2上を相対的に回転することができる。
また、ロータブラケット25の底部には、軸部2bの外周面2b1を囲繞するようにして突出する円筒状の外側回転軸3が、一体成形されている。外側回転軸3は、アウターロータ20と一体に回転する回転軸を構成している。
ステータ30は、アウターロータ20の径方向外側の周囲を間隔をあけて囲むようにして設けられている。
ステータ30は、アウターコア21の外周を囲み且つ筐体1に固定された円筒状のステータコア31と、ステータコア31の内周側でアウターコア21に対向するように周方向に沿って環状に配設されたステータコイル32とを有している。ステータコア31は、金属等の磁性材料から形成されている。
また、内側回転軸2における外側回転軸3と反対側の端部2cには、スリップリング4が一体に回転するように取り付けられている。スリップリング4は、ブラシを介して外部の電気機器と電気的に接続されて、交流電流の需給を行うことができる。スリップリング4は、内側回転軸2の内部を通る導体5を介して、インナーロータ101の巻線12に電気的に接続されている。
さらに、図2〜図4を参照して、インナーロータ101の詳細な構成を説明する。なお、図4は、図3のインナーロータ101における内側回転軸2の軸心を通り且つ紙面と平行な断面側面図を、紙面上で奥行きに向かう方向である方向IVで見た図である。
図2を参照すると、インナーロータ101のインナーコア11は、金属等の磁性材料から形成した複数の層を積層した積層体であり、円筒状の本体部11aと、本体部11aの外周面11a1から径方向外側に向かって放射状に突出する複数の歯部11bとを含んでいる。本体部11a及び歯部11bは、一体成形されており、上記複数の層を本体部11aの円筒軸方向に積層することによって形成されている。本実施の形態1では、インナーコア11の各層は、接着により結合されている。本体部11a及び歯部11bは、同一の軸方向長さで形成されている。なお、本体部11aは、内側回転軸2の拡径部2aよりも大きい軸方向長さを有しており、このため、拡径部2aの軸方向端面2a2及び2a3(図4参照)は、本体部11aの軸方向の端面11a2及び11a3(図2参照)から窪んでいる。
歯部11bは、本体部11aの円筒軸に垂直な方向でI型の断面形状つまり矩形状断面形状を有している。よって、歯部11bは、本体部11aの円筒軸方向の両端面11a2及び11a3にわたって円筒軸方向に沿って延在する細長い直方体の形状を有している。このような歯部11bは、本体部11aの端面11a2及び11a3にそれぞれ隣り合う端面11b2及び11b3と、外周側に位置してインナーコア11の外周面を形成する外側面11b1と、隣り合う歯部11bへ面した側面11b4及び11b5とによって囲まれている。また、歯部11bの端面11b2及び11b3上にはそれぞれ、外側面11b1の近傍に嵌込用凹部11b6が形成されている(図4参照)。
インナーコア11は、本体部11aの内周面11a4に、内側回転軸2の拡径部2aを嵌め込むことによって、内側回転軸2に取り付けられる。本体部11aと拡径部2aとは、焼き嵌め、キー嵌合等の嵌合方法によって嵌合して、互いに対して周方向に回転しないように且つ軸方向に移動しないように固定される。
内側回転軸2に取り付けられたインナーコア11の各歯部11bに対して、巻線12が配設される。
各歯部11bに配設される巻線12は、歯部11bの端面11b2及び11b3並びに側面11b4及び11b5によって囲まれる角筒の周囲に整合して嵌まる形状をかたち作るように、予め巻かれて輪状に成形されている。
この輪状の巻線12は、外側面11b1側から歯部11bの周りに差し込まれて取り付けられる。このとき、巻線12は、嵌込用凹部11b6と本体部11aとの間に配置される。
図3及び図4をあわせて参照すると、巻線12が取り付けられたインナーコア11に対して、各歯部11bの嵌込用凹部11b6に、止め部を構成する止め部材13が取り付けられる。
止め部材13は、周囲の磁界に影響を与えないように非磁性材料から形成され、円柱状の形状を有している。円柱状の止め部材13は、円筒状の嵌込用凹部11b6内に緊密な状態で嵌め込まれると共に、接着、溶接等によって嵌込用凹部11b6内で歯部11bに固着される。
よって、止め部材13は、巻線12よりも外周側つまり外側面11b1側に位置し、巻線12の外周側への移動を阻止する。
なお、止め部材13は、歯部11bの端面11b2側で同一の円周上に位置し、歯部11bの端面11b3側で同一の円周上に位置する。
さらに、歯部11bの端面11b2側の止め部材13に対して、連結部を構成する円環板状の連結部材14が取り付けられる。連結部材14は、周囲の磁界に影響を与えないように非磁性材料から形成されている。連結部材14は、その一方の平坦な表面14aにおいて、端面11b2側の全ての止め部材13の端面13a上に、接着、溶接等によって固着される。これにより、端面11b2側の全ての止め部材13が、連結部材14を介して連結される。連結部材14は、巻線12が止め部材13の端面13aを越えて外周側に移動するのを阻止する。
また、歯部11bの端面11b3側の全ての止め部材13に対しても、別の連結部材14が止め部材13の端面13a上に固着される。
歯部11bの端面11b2及び11b3への連結部材14の固着は、互いに平坦な面同士の間でされるため容易且つ強固なものである。
さらにまた、止め部材13に取り付けられた連結部材14それぞれに対して、固定部を構成する複数の固定部材15が取り付けられる。固定部材15は、周囲の磁界に影響を与えないように非磁性材料から形成されている。固定部材15は、Z字状の断面形状を有し、互いに平行で細長い板状をした第一端部分15a及び第二端部分15bと、第一端部分15a及び第二端部分15bを連結する細長い板状の中間部分15cとによって構成されている。中間部分15cは、第一端部分15a及び第二端部分15bに対して垂直に延在する。
歯部11bの端面11b2側の各固定部材15では、第一端部分15aが、連結部材14に接着、溶接等によって連結され、第二端部分15bの平坦な表面15b1が内側回転軸2の拡径部2aの軸方向端面2a2に接着、溶接等で固着される。歯部11bの端面11b3側の各固定部材15では、第一端部分15aが、連結部材14に接着、溶接等によって連結され、第二端部分15bの平坦な表面15b1が内側回転軸2の拡径部2aの軸方向端面2a3に接着、溶接等で固着される。これにより、固定部材15は、互いに軸方向での位置が異なる連結部材14と拡径部2aの軸方向端面2a2,2a3とを連結し、拡径部2aに対して連結部材14を、特に径方向に強固な状態で固定する。なお、各固定部材15の第一端部分15aの端部には、矩形断面をした溝部15a1が形成されており、連結部材14は、溝部15a1に緊密な状態で嵌まり込んでいる。
固定部材15の連結部材14への固着は、溝部15a1への嵌め込みを伴うものであり、固定部材15の拡径部2aへの固着は、互いに平坦な面同士の間でされるため、いずれも容易且つ強固なものである。
上述のようにインナーロータ101が構成されることによって、インナーロータ101の回転時において、止め部材13が遠心力による巻線12の外周側への移動を阻止し、連結部材14が遠心力による巻線12の止め部材13を越えての外周側への移動を阻止し、固定部材15が、遠心力による止め部材13及び連結部材14の変位を阻止する。
このように、この発明の実施の形態1に係る回転子としてのインナーロータ101は、軸部2bと軸部2bよりも径方向に大きい断面を有する拡径部2aとを同軸上に含む内側回転軸2に設けられる構成を有している。インナーロータ101のインナーコア11は、内側回転軸2における拡径部2aの周りに一体に回転するように設けられる。インナーコア11は、拡径部2aの外周を囲む筒状の本体部11aと本体部11aの外周面11a1から突出し且つ外周面11a1の周方向に沿って互いに間隔をあけて配置される複数の歯部11bとを含む。インナーロータ101は、インナーコア11に加え、歯部11bの周りに巻回される巻線12と、歯部11bにおける内側回転軸方向に面する端面11b2,11b3に設けられ且つ歯部11bに巻回された巻線12よりも内側回転軸径方向外側に配置されて端面11b2,11b3から突出する止め部材13と、本体部11aの外周面11a1の周方向で隣り合う止め部材13同士を連結する輪状の連結部材14と、連結部材14を拡径部2aに連結し且つ固定する固定部材15とを備える。連結部材14は、複数の歯部11bにおける内側回転軸方向に面する両側の端面11b2及び11b3のうちの同じ側の端面11b2,11b3に設けられた止め部材13同士を連結する。
これにより、インナーロータ101では、止め部材13及びこれらを連結する連結部材14は、巻線12が歯部11b上を外周方向つまり径方向外側に移動することを確実に防ぐ。歯部11bの端面11b2及び11b3上では、止め部材13の突出量は、巻線12のコイルエンドの高さ程度に低く抑えられることができ、さらに、このような止め部材13に連結部材14が固着されればよいため、止め部材13及び連結部材14の歯部11bからの突出量を低く抑えることができる。さらに、上述のような巻線12の移動を防ぐ構造は、各歯部11bの止め部材13、輪状の連結部材14及び固定部材15による部品点数の少ない構造であり、このような各部材同士を固着させる構造であるため、組み立ても容易である。さらにまた、固定部材15は、内側回転軸2の湾曲した外周面ではなく拡径部2aの平坦な軸方向端面2a2,2a3上に固定することができるため、板状の部材による平たい形状とすることができる。これにより、固定部材15は、内側回転軸2の軸方向に占める高さを抑えつつ内側回転軸2の径方向で連結部材14を強固に固定することができ、連結部材14及び拡径部2aとの連結を容易にする。よって、インナーロータ101は、巻線12の外周方向への移動を抑える構造の小型化及び簡略化を可能にし、さらにこの構造の組み立ての簡略化も可能にする。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係るインナーロータ201は、実施の形態1のインナーロータ101では、インナーコア11の歯部11bの端面11b2及び11b3のそれぞれに別々の止め部材13を取り付けていたものを、両端面にわたって歯部を貫通する1つの止め部材を取り付けるようにしたものである。
なお、以下の実施の形態において、前出した図における参照符号と同一の符号は、同一または同様な構成要素であるので、その詳細な説明は省略する。
図5を参照すると、実施の形態2に係るインナーロータ201は、実施の形態1のインナーロータ101と同様に、巻線12、連結部材14及び固定部材15を備えている。さらに、インナーロータ201は、実施の形態1のインナーロータ101のインナーコア11と同様の外形をした本体部211a及び歯部211bを有するインナーコア211を備えている。
インナーコア211の歯部211bは、その両端面211b2及び211b3上に、嵌込用凹部を有しておらず、端面211b2から端面211b3にわたって内側回転軸方向に歯部211bを貫通する貫通穴211b6を、歯部211bの外側面211b1の近傍に有している。
巻線12が取り付けられた歯部211bに対して、非磁性材料から形成された棒状の止め部材213が貫通穴211b6に挿入される。挿入された止め部材213は、貫通穴211b6に嵌合し、その両端部を端面211b2及び211b3から突出させる。
突出する止め部材213の両端面213a及び213bのそれぞれに対して連結部材14が接着、溶接等で固着される。これにより、一方の連結部材14は、端面213a側で全ての止め部材213を連結し、他方の連結部材14は、端面213b側で全ての止め部材213を連結する。そして、各連結部材14に対して、固定部材15が取り付けられる。
また、この発明の実施の形態2に係るインナーロータ201のその他の構成及び動作は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
そして、この発明の実施の形態2に係るインナーロータ201によれば、実施の形態1のインナーロータ101と同様の効果が得られる。
また、この発明の実施の形態2に係るインナーロータ201では、インナーコア211の歯部211bにおける内側回転軸方向に面する両側の端面211b2及び211b3の止め部材213は、歯部211bを貫通する1つの部材で形成される。これにより、止め部材213の部品点数の低減が可能になる。さらに、止め部材213は、貫通穴211b6に挿入して歯部211bに取り付けられるため、止め部材213の位置決め及び取り付けが容易になる。
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係るインナーロータ301は、実施の形態1のインナーロータ101では、インナーコア11の歯部11bの止め部材13を連結部材14で連結し、連結部材14を固定部材15で内側回転軸2の拡径部2aに固定していたものを、連結部材及び固定部材を一体化して1つの部材としたものである。
図6及び図7をあわせて参照すると、実施の形態3に係るインナーロータ301は、実施の形態1のインナーロータ101と同様に、巻線12、インナーコア11及び止め部材13を備えている。さらに、インナーロータ301は、止め部材13を互いに連結すると共に内側回転軸2の拡径部2aに固定する連結固定部材314を備えている。
なお、図7は、図6のインナーロータ301における内側回転軸2の軸心を通り且つ紙面と平行な断面側面図を、紙面上で奥行きに向かう方向である方向VIIで見た図である。
連結固定部材314は、複数の歯部11bが形成するインナーコア11の外周と同等の外径を有する円環板状の連結部314aと、インナーコア11の本体部11aの内周面11a4の内径以下の外径を有する円環板状の固定部314bと、連結部314aの内周縁を固定部314bの外周縁に連結する円筒状の中間部314cとによって構成されている。連結部314a及び固定部314bは互いに平行に延在し、中間部314cは、連結部314a及び固定部314bに垂直に延在している。
巻線12及び止め部材13が歯部11bに取り付けられたインナーコア11に対して、連結固定部材314が取り付けられる。このとき、連結固定部材314は、固定部314bの内周側の開口部314b2内に内側回転軸2を挿入するように、配置される。さらに、歯部11bの端面11b2側では、連結固定部材314の連結部314aが、その一方の平坦な表面314a1において、全ての止め部材13の端面13aに接着、溶接等で固着され、固定部314bが、その一方の平坦な表面314b1において、内側回転軸2の拡径部2aの軸方向端面2a2に接着、溶接等で固着される。歯部11bの端面11b3側では、連結固定部材314の連結部314aが、その一方の表面314a1において、全ての止め部材13の端面13aに接着、溶接等で固着され、固定部314bが、その一方の表面314b1において、拡径部2aの軸方向端面2a3に接着、溶接等で固着される。
また、この発明の実施の形態3に係るインナーロータ301のその他の構成及び動作は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
そして、この発明の実施の形態3に係るインナーロータ301によれば、実施の形態1のインナーロータ101と同様の効果が得られる。
また、この発明の実施の形態3に係るインナーロータ301では、輪状の連結固定部材314が連結部材及び固定部材を兼ねるため、部品点数の低減が可能になる。
実施の形態4.
この発明の実施の形態4に係るインナーロータ401は、実施の形態1のインナーロータ101では、インナーコア11の歯部11bの止め部材13の連結部材14を固定部材15で内側回転軸2の拡径部2aに固定していたものを、インナーコア11を構成する積層体を結合するためのリベットに連結部材を固定するようにしたものである。
図8を参照すると、実施の形態4に係るインナーロータ401は、実施の形態1のインナーロータ101と同様に、巻線12及び止め部材13を備えている。さらに、インナーロータ401は、実施の形態1のインナーロータ101のインナーコア11と同様の外形をした本体部411a及び歯部411bを有するインナーコア411を備えている。
本体部411aは、その円筒軸方向の端面411a2から端面411a3にわたって円筒軸方向に本体部411aを貫通する複数の貫通穴411a5を有している。貫通穴411a5は、インナーコア411の積層方向に沿って延在している。各貫通穴411a5には、リベット40の軸部40bが挿入されており、端面411a2及び411a3から突出するリベット40の頭部40aはかしめられて拡径している。これにより、リベット40は、その両端の頭部40aでインナーコア411を挟持して各層を緊密に結合している。ここで、リベット40は、結合部材を構成している。
連結部材414は、円環板状の形状を有している。連結部材414はそれぞれ、その内周側の開口部414bに内側回転軸2を挿入するようにして、インナーコア411の歯部411bの両端面411b2及び411b3に取り付けられた止め部材13に接着、溶接等で固着される。このとき、連結部材414はそれぞれ、その一方の平坦な表面414aにおいて、端面411b2側の全ての止め部材13の端面13a及び端面411b3側の全ての止め部材13の端面13aに接着、溶接等で固着される。さらに、連結部材414はそれぞれ、表面414aにおいて、リベット40の頭部40aに、接着、溶接等で固着される。
よって、止め部材13は連結部材414によって互いに連結され、連結部材414はリベット40及びインナーコア411を介して内側回転軸2に固定される。
また、この発明の実施の形態4に係るインナーロータ401のその他の構成及び動作は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
そして、この発明の実施の形態4に係るインナーロータ401によれば、実施の形態1のインナーロータ101と同様の効果が得られる。
また、この発明の実施の形態4に係るインナーロータ401は、積層体からなるインナーコア411と、巻線12と、止め部材13と、連結部材414と、インナーコア411を貫通し且つ対向する端面411a2及び411a3でインナーコア411を挟持してインナーコア411の積層体を構成する各層を結合するリベット40とを備える。連結部材414は、リベット40に固定される。これにより、連結部材414の固定部材が不要になるため、部品点数の低減が可能になる。さらに、連結部材414は、インナーコア411の本体部411aの平坦な端面411a2及び411a3上でリベット40に固定されるため、その固定が容易である。
また、実施の形態2のインナーロータ201では、接着、溶接等による固着方法で止め部材213を連結部材14に固定していたが、これに限定されるものでない。
図9に示すように、連結部材を、貫通穴514aが形成された円環板状の連結部材514とし、止め部材を、両端部に雄ねじ部513aが形成された棒状の止め部材513としてもよい。このとき、止め部材513は、2つの連結部材514の貫通穴514a及びインナーコア211の歯部211bの貫通穴211b6を通り、雄ねじ部513aが形成された両端部を連結部材514から突出させるように配置される。さらに、突出する両端部の雄ねじ部513aにそれぞれ、2つの連結部材14の軸方向外側から締結部材であるナット523が螺合し締め付けられることによって、止め部材513、2つの連結部材514及び固定部材15が一体となって、内側回転軸2の拡径部2aに固定される。
或いは、図10に示すように、連結部材を、貫通穴614aが形成されると共に貫通穴614aの内周面に径方向内側に向かって突出する環状の周方向突起614bが形成された円環板状の連結部材614とし、止め部材を、両端部に環状の周方向凹部613aが形成された棒状の止め部材613としてもよい。このとき、止め部材613は、インナーコア211の歯部211bの貫通穴211b6を通り、歯部211bから突出する両端部それぞれを両側の連結部材614の貫通穴614aに挿入して周方向凹部613aに貫通穴614aの周方向突起614bを凹凸嵌合させて、配設される。これにより、止め部材613、2つの連結部材614及び固定部材15が一体となって、内側回転軸2の拡径部2aに固定される。
或いは、図11に示すように、連結部材を、貫通穴714aが形成された円環板状の連結部材714とし、止め部材を、単なる棒状の止め部材713としてもよい。このとき、止め部材713は、2つの連結部材714の貫通穴714a及びインナーコア211の歯部211bの貫通穴211b6を通り、両端部713aを連結部材714から突出させるように配置される。さらに、両端部713aがかしめられることによって、止め部材713、2つの連結部材714及び固定部材15が一体となって、内側回転軸2の拡径部2aに固定される。
さらに、連結部材と止め部材とを連結する構成は、止め部材の両端部で図9〜図11に示す構成を組み合わせたものであってもよい。
また、実施の形態1、3及び4のインナーロータでは、止め部材は、インナーコアの歯部の端面の嵌込用凹部に嵌合させると共に接着、溶接等で固着されていたが、嵌込用凹部に嵌合させるのみで固定されてもよく、嵌込用凹部を有さない平坦な歯部の端面に固着されてもよい。
また、実施の形態1〜4のインナーロータでは、止め部材は、連結部材の平坦な表面に接着、溶接等で固着されていたが、連結部材の表面に止め部材が嵌合可能な凹部又は貫通穴を形成し、これに止め部材を嵌合させて固定してもよく、さらに、嵌合に加えて接着、溶接等で固着させてもよい。
また、実施の形態1及び2のインナーロータでは、連結部材は、固定部材の端部に形成された溝部に嵌合させると共に接着、溶接等で固着されていたが、溝部に嵌合させるのみで固定されてもよく、連結部材と固定部材とを重ね合わせて互いの表面が接着、溶接等で固着されてもよい。
また、実施の形態1〜3のインナーロータでは、固定部材は、内側回転軸2の拡径部2aの端面2a2及び2a3に接着、溶接等で固着されていたが、拡径部2aの端面2a2及び2a3に形成された凹部、溝、穴等と嵌合することによって固定されてもよく、さらに、嵌合に加えて接着、溶接等で固着されてもよい。
また、実施の形態1〜4では、インナーロータ101〜401が取り付けられる内側回転軸2の拡径部2aは、軸部2bと一体成形されていたが、軸部2bと別の部品であってもよい。また、拡径部2aは、軸部2bの周囲に円筒状つまり連続した環状の形状で形成されていたが、周方向に沿って分断された複数の部位で構成され、これらの複数の部位がインナーコアに嵌合するように環状に配置されていてもよい。
また、実施の形態1〜4では、回転電機100のインナーロータ101〜401に巻線12が設けられていたが、アウターロータ20に巻線が設けられる場合でも、実施の形態1〜4で説明した本発明の回転子の構成を適用することができる。
また、本発明の回転子の構成は、ダブルロータ型の回転電機にだけでなく、巻線を含む回転子であれば適用することができる。
2 内側回転軸、2a 拡径部(拡大部)、2b 軸部、11,211,411 インナーコア(回転子コア)、11a,211a,411a 本体部、11a1 外周面、11b,211b,411b 歯部、11b2,211b2,411b2 端面(歯部の表面)、11b3,211b3,411b3 端面(歯部の表面)、12 巻線、13,213,513,613,713 止め部材(止め部)、14,414,514,614,714 連結部材(連結部)、15 固定部材(固定部)、40 リベット(結合部材)、100 回転電機、101,201,301,401 インナーロータ(回転子)、314 連結固定部材(連結部、固定部)、513a 雄ねじ部(ねじ部)、523 ナット(締結部材)、614a 貫通穴(連結部材の貫通穴)。

Claims (7)

  1. 回転電機の回転軸に設けられた回転子において、
    軸部と前記軸部よりも径方向に大きい断面を有する拡大部とを同軸上に含む前記回転軸における前記拡大部の周りに一体に回転するように設けられる回転子コアであって、前記拡大部の外周を囲む筒状の本体部と前記本体部の外周面から突出し且つ前記外周面の周方向に沿って互いに間隔をあけて配置される複数の歯部とを含む回転子コアと、
    前記歯部の周りに巻回される巻線と、
    前記歯部における回転軸方向に面する表面に設けられ、前記歯部に巻回された前記巻線よりも回転軸径方向外側に配置されて前記表面から突出する止め部と、
    前記本体部の前記外周面の周方向で隣り合う前記止め部同士を連結する輪状の連結部と、
    前記連結部を前記拡大部に連結し且つ固定する固定部と
    を備え、
    前記連結部は、前記複数の歯部における回転軸方向に面する両側の前記表面のうちの同じ側の前記表面に設けられた前記止め部同士を連結する回転子。
  2. 前記連結部は、前記固定部と一体化され、前記固定部と共に1つの輪状の部材を形成する請求項1に記載の回転子。
  3. 回転電機の回転軸に設けられた回転子において、
    前記回転軸の周りに一体に回転するように設けられ且つ積層体からなる回転子コアであって、前記回転軸の外周を囲む筒状の本体部と前記本体部の外周面から突出し且つ前記外周面の周方向に沿って互いに間隔をあけて配置される複数の歯部とを含む回転子コアと、
    前記歯部の周りに巻回される巻線と、
    前記歯部における回転軸方向に面する表面に設けられ、前記歯部に巻回された前記巻線よりも回転軸径方向外側に配置されて前記表面から突出する止め部と、
    前記本体部の前記外周面の周方向で隣り合う前記止め部同士を連結する輪状の連結部と、
    前記回転子コアを貫通し且つ対向する面で前記回転子コアを挟持して前記回転子コアの積層体を構成する各層を結合する結合部材と
    を備え、
    前記連結部は、前記複数の歯部における回転軸方向に面する両側の前記表面のうちの同じ側の前記表面に設けられた前記止め部同士を連結し、前記結合部材に固定される回転子。
  4. 前記歯部における回転軸方向に面する両側の前記表面に設けられた2つの前記止め部は、互いに一体化され且つ前記歯部を貫通する1つの部材を形成する請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転子。
  5. 前記歯部を貫通して1つの部材を形成する前記止め部は、前記連結部材を貫通して延在し、
    前記止め部は、端部に形成されたねじ部に螺合する締結部材によって、前記連結部材に固定される請求項4に記載の回転子。
  6. 前記歯部を貫通して1つの部材を形成する前記止め部は、前記連結部材の貫通穴を通って延在し、
    前記止め部は、端部を前記貫通穴に凹凸嵌合させることによって、前記連結部材に固定される請求項4または5に記載の回転子。
  7. 前記歯部を貫通して1つの部材を形成する前記止め部は、前記連結部材を貫通して延在し、
    前記止め部は、端部がかしめられることによって、前記連結部材に固定される請求項4〜6のいずれか一項に記載の回転子。
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