しかしながら、図16(B)に示すように、共振回路の電流Iは、スイッチング信号Psのデューティ比が50%以外の値となる条件では、共振回路が共振点で動作していても、ゼロクロス点のタイミングとターンオンタイミング(又はターンオフタイミング)とが一致しない。従って、デューティ比が50%以外の値の場合、電流Iのゼロクロス点のタイミングとターンオンタイミングとの位相ズレを求めるだけでは、共振回路を共振点動作させるためのスイッチング信号Psの周波数の補正量(周期Tの補正量に対応する)が算出できない。
ターンオンからターンオフまでのターンオン継続時間の中点のタイミングが電流Iの最大値点のタイミングに一致するように周期Tを算出すれば、スイッチング信号Psの周波数の補正量は算出可能である。しかしながら、電流Iの最大値点を検出することは、ゼロクロス点を検出するより難しい。特に、電流Iの時間変化を示す波形が正弦波形状から崩れている場合、最大値点を検出することは難しい。
また、本願発明者の実験によると、電流Iの検出のためにカレントトランスを用いると、当該カレントトランスがノイズの影響により、十分な精度で電流Iを検出することができないことが分かった。その結果、カレントトランスを用いた方法では、電流Iのゼロクロス点も十分な精度で検出できず、共振回路を共振点で動作させることが難しい。
さらに、照明器具等に供給される電流Iは、振幅値が比較的小さい値(例えば1A以下)であるため、精度よくゼロクロス点を検出する目的には適さない。
そこで、本発明は、上述の従来技術の問題に鑑み、照明器具等に交流電源を供給する共振型のインバータであって、より精度高く共振点付近で共振回路を動作させてエネルギー効率を高めた無機EL用インバータ及び照明用インバータを提供することにある。
本発明の無機エレクトロルミネッセンス用インバータは、スイッチング信号に基づいて、入力された直流を交流に変換して出力するスイッチング回路と、前記スイッチング回路に前記スイッチング信号を出力する制御回路と、前記スイッチング回路の後段に接続されるインダクタと、を備え、前記インダクタは、無機エレクトロルミネッセンス素子が後段に接続されることで共振回路を構成する。
無機EL素子は、誘電体層が内部に配置され、対向する最外層には面電極が配置される。すなわち、無機EL素子は、スイッチング回路から見ると、キャパシタ(容量性素子)として作用する。従って、本発明の無機EL用インバータでは、インダクタと無機EL素子(キャパシタ)とが直列接続されることにより、共振回路を構成する。この共振回路は、LC直列共振回路であるが、さらにキャパシタを並列接続したLCC共振回路であっても構わない。
そして、前記制御回路は、前記無機エレクトロルミネッセンス素子の電圧の位相と、出力した前記スイッチング信号の位相との位相ズレに応じて新たに出力する前記スイッチング信号の周波数を補正する。
本発明の無機EL用インバータは、検出困難な共振回路の電流を用いず、前記無機エレクトロルミネッセンス素子の電圧を用いて、スイッチング信号の周波数を補正するものである。共振回路は、共振点動作すれば、デューティ比によらず、電圧上昇中のゼロクロス点のタイミングがターンオン継続時間の中点のタイミングと一致する。同様に、共振回路は、共振点動作すれば、デューティ比によらず、電圧下降中のゼロクロス点のタイミングがターンオフ継続時間の中点のタイミングと一致する。
また、一般的に、照明器具が必要とする交流電圧は、振幅値が数十V(無機EL素子では百数十V)以上である。従って、前記無機エレクトロルミネッセンス素子の電圧は、振幅値がゼロクロス点の検出用として十分大きい値である。
さらに、本発明の無機EL用インバータは、共振回路の電流の検出のためにノイズが重畳しやすいカレントトランスを用いる必要がないため、より精度高く共振回路を共振点動作させることができる。
本発明の無機EL用インバータは、スイッチング信号の位相ズレを求めるために、振幅値が大きくて検出されやすく、かつデューティ比によらずターンオン継続時間及びターンオフ継続時間に対してゼロクロス点のタイミングが変化しない前記無機エレクトロルミネッセンス素子の電圧を用いるため、より精度高くスイッチング信号の位相ズレを求めることができる。その結果、本発明の無機EL用インバータは、デューティ比によらず共振回路をより精度高く共振点動作させることができ、エネルギー効率を高めることができる。
また、無機EL用インバータは、前記無機エレクトロルミネッセンス素子の電圧の振幅値を制限するリミット回路、を備え、前記制御回路は、ワンチップマイコンで実現され、前記リミット回路が振幅値を制限した電圧の位相と、出力した前記スイッチング信号の位相との位相ズレに応じて新たに出力する前記スイッチング信号の周波数を補正してもよい。
この構成では、最も急峻に時間変化するゼロクロス点付近のみで前記無機エレクトロルミネッセンス素子の電圧を用いる。リミット回路は、例えば一対のツェナーダイオードからなる。ただし、正側と負側とで振幅の制限値が同値となるようにツェナーダイオードを構成する必要はない。
リミット回路は、無機エレクトロルミネッセンス素子の電圧の振幅値を例えば150Vから5Vに制限する。すると、振幅値が制限された電圧は、略矩形波で時間変化し、ゼロクロス点がより検出されやすくなる。また、5V程度の振幅値からなる矩形波であれば、無機エレクトロルミネッセンス素子の電圧値はデジタル信号として扱うことが可能となり、汎用的なマイコン(例えばPIC)で扱いやすくなる。なお、ゼロクロス点の検出は、例えばマイコン内に実現されるコンパレータを用いて行い、位相ズレの検出は、マイコンのタイマー機能及び割込み処理によって実現される。
制御回路は、ゼロクロス点を検出すると、以下のようにしてスイッチング信号の周波数を補正する。前記スイッチング信号の周期及びデューティ比からターンオン継続時間の中点のタイミングを算出し、前記中点のタイミングと、前記無機エレクトロルミネッセンス素子の電圧上昇中のゼロクロス点のタイミングと、の時間差を前記位相ズレとして算出する。
また、前前記制御回路は、前記スイッチング信号の周期及びデューティ比からターンオフ継続時間の中点のタイミングを算出し、前記中点のタイミングと、前記無機エレクトロルミネッセンス素子の電圧下降中のゼロクロス点のタイミングと、の時間差を前記位相ズレとして算出してもよい。
また、無機EL用インバータは、共振点に正確に合わせて共振回路を動作させるのではなく、共振点の周波数からあえてズラした周波数で共振回路を共振させてもよい。
無機EL用インバータは、共振回路を共振点から高い周波数で共振するようにズラしても構わないが、前記制御回路は、周波数補正後の前記スイッチング信号の周波数が所定周波数を超えないように制限してもよい。
無機EL用インバータは、スイッチング信号の周波数の補正時に、共振点よりあえて低い共振周波数をターゲットとすることにより、共振周波数が高くなりすぎて無機EL素子等の回路素子を破壊してしまうことを防止することができる。
また、前記制御回路は、前記無機エレクトロルミネッセンス素子の電圧値及び目標電圧値の差分が0となるように、前記スイッチング信号のデューティ比を変更してもよい。
共振回路の電圧は、スイッチング信号の周波数の変化に比べて、デューティ比の変化に対してより緩やかに変化する。従って、この構成では、スイッチング信号の周波数を変化させてエネルギー効率を高めつつ、デューティ比を変化させて目標電圧値となるように無機エレクトロルミネッセンス素子の電圧値を微調整することができる。
また、前記制御回路は、周波数補正後の前記スイッチング信号の周波数に基づいて、前記無機エレクトロルミネッセンス素子の輝度の低下を相殺するように、前記目標電圧を変更してもよい。
無機EL素子の輝度は、素子の劣化、及び消費電力の低下(素子の容量低下による)により、経時的に低下することが知られている。また、本願発明者等は、共振回路の共振点の周波数(共振周波数)が経過時間に略一次比例で上昇することを発見した。従って、この一次比例の関係を利用することにより、共振周波数の変化から経過時間を求めることが可能である。そこで、制御回路は、共振周波数に基づいて前記無機エレクトロルミネッセンス素子の輝度の低下を相殺するように目標電圧を変更する。これにより、無機エレクトロルミネッセンス素子の輝度は、経過時間によらず、低下が最小限となり、略一定となる。
また、無機EL用インバータは、光又は音で警告を報知する報知回路をさらに備え、前記制御回路は、前記無機エレクトロルミネッセンス素子の電圧及び前記スイッチング信号の周波数に基づいて前記報知回路に前記警告を報知させてもよい。
例えば、制御回路は、無機エレクトロルミネッセンス素子の電圧の振幅値又はスイッチング信号の周波数が異常値になると、インバータに異常(例えば照明器具の誤接続)が生じていると判断して、報知回路の警告を行わせる。ただし、異常の判断は、前記無機エレクトロルミネッセンス素子の電圧の位相とスイッチング信号の位相とのズレに基づいて行われてもよい。
さらに、前記制御回路は、前記報知回路に前記警告を報知させるとともに、前記スイッチング回路の正側のスイッチング素子がオフ状態となるように、前記スイッチング信号の電圧値を固定してもよい。
このように、インバータに異常が発生した時に高圧側(正側)のスイッチング素子をオフ状態としておけば、無機エレクトロルミネッセンス素子に電圧が印加されないため安全である。
また、本発明は、無機EL用インバータに限らず、照明器具に交流電源を供給する照明用インバータであってもよい。
より具体的には、照明用インバータは、スイッチング信号に基づいて、入力された直流を交流に変換して出力するスイッチング回路と、前記スイッチング回路に前記スイッチング信号を出力する制御回路と、インダクタ及びキャパシタを有し、かつ前記スイッチング回路の後段に接続される共振回路と、を備え、前記制御回路は、前記共振回路の後段に接続される負荷の電圧の位相と、出力した前記スイッチング信号の位相との位相ズレに応じて新たに出力する前記スイッチング信号の周波数を補正する。
照明器具(負荷)は、共振回路の後段に並列接続される。照明器具として、例えば蛍光管及びHIDランプ、等の交流電源で発光するものが接続される。この態様においても、制御回路は、共振回路を共振点付近で動作させ、インバータのエネルギー効率を高めることができる。
この発明によると、スイッチング信号の位相ズレを求めるために、振幅値が大きくて検出されやすく、かつターンオン継続時間及びターンオフ継続時間に対してゼロクロス点のタイミングが変化しない無機エレクトロルミネッセンス素子の電圧を用いるため、デューティ比によらず共振回路を精度よく共振点付近で共振させることができ、無機エレクトロルミネッセンス用インバータ及び照明用インバータのエネルギー効率を高めることができる。
図1に示すように、実施形態1に係る無機エレクトロルミネッセンス(EL;Electro Luminescence)装置300は、インバータ1、及び無機EL素子2を備える。無機EL素子2は、インバータ1から交流電源が供給されると、発光する。インバータ1は、入力された商用電源(AC)をいったん直流電源(DC)に変換し、さらに当該直流電源(DC)を交流電源(AC)に変換して無機EL素子2に交流電源(AC)を供給するものである。ただし、インバータ1は、直流電源(DC)が入力されて、入力された直流電源(DC)を交流電源(AC)に変換するものであってもかまわない。
図2に示すように、無機EL素子2は、ポスター20、面電極21、発光層22、誘電体層23、面電極24が厚み方向に順に積層されてなる。無機EL素子2は、面電極21側が発光し、例えばポスター20のバックライトとして用いられる。
面電極21は、ITO、ZnO、ポリチオフェンを主成分とする有機電極、ポリアニリンを主成分とする有機電極、銀ナノワイヤ電極、カーボンナノチューブ電極のいずれかで形成されているため、透光性を有する。
発光層22は、層内部に蛍光体粒子が分散されてなる。蛍光体粒子は、銅(Cu)をドープした硫化亜鉛(ZnS)の粒子からなる。誘電体層23は、絶縁性を有し、誘電体粒子が分散されてなる。誘電体粒子としては、例えば、チタン酸バリウム粒子が好適に使用される。
面電極21及び面電極24に交流電圧VS(例えば周波数1kHzで実効値150Vrms)が印加されると、面電極21と面電極24との間に電界が発生する。そして、発光層22に含まれる蛍光体が電界励起されて発光する。無機EL素子2は、誘電体層23を挟むように面電極21及び面電極24が配置されているため、インバータ1から見ると容量性負荷(キャパシタ)として作用する。
図3に示すように、インバータ1は、整流回路10、マイコン11、ドライバ回路12、ハーフブリッジ回路13、及びリミット回路14を備える。
整流回路10は、ダイオードブリッジ等で構成されており、商用電源VSiを全波整流して直流電源に変換する。変換された直流電源は、平滑コンデンサCの後段でハーフブリッジ回路13に供給される。
マイコン11は、ベース信号bpをドライバ回路12に出力する。ベース信号bpは、所定の周波数及び所定のデューティ比からなるパルス信号である。ドライバ回路12は、入力されたベース信号bpに基づいてスイッチング信号gp1及びスイッチング信号gp2をハーフブリッジ回路13に出力する。ドライバ回路12は、入力されたベース信号bpをそのままスイッチング信号gp2として出力する。ドライバ回路12は、入力されたベース信号bpを逆相にしてスイッチング信号gp1として出力する。すなわち、スイッチング信号gp1及びスイッチング信号gp2は、互いに逆相であり、HI状態及びLOW状態が互いに逆となる。
マイコン11は、ワンチップ(例えばオシレータ内蔵のPIC)によって実現されている。ただし、マイコン11とドライバ回路12とをワンチップで実現してもかまわない。なお、図3において図示しないが、マイコン11及びドライバ回路12は、インバータ1の電源供給部からの電源供給によって動作する。マイコン11及びドライバ回路12は、本発明の制御回路に相当する。
ハーフブリッジ回路13(本発明のスイッチング回路に相当する。)は、スイッチング素子Q1及びスイッチング素子Q2を備えている。スイッチング素子Q1は、ドライバ回路12が出力するスイッチング信号gp1に応じてオン状態又はオフ状態となる。スイッチング素子Q2は、ドライバ回路12が出力するスイッチング信号gp2に応じてオン状態又はオフ状態となる。ただし、インバータ1は、ハーフブリッジ回路13に限らず、スイッチング回路であれば何でもよく、例えばフルブリッジ回路を備えてもよい。
ハーフブリッジ回路13の後段には、インダクタLが接続されている。このインダクタLと、容量性負荷である無機EL素子2とでLC直列共振回路100(以下、単に共振回路100と称す。)を構成している。これにより、無機EL素子2には、交流電圧VSoが印加されている。ただし、共振回路100は、さらにキャパシタを並列接続したLCC共振回路であっても構わない。
リミット回路14は、一端が抵抗Rを介してインダクタL及び無機EL素子2の接続端に接続され、他端が整流回路10後段の直流電源の負側に接続されている。リミット回路14は、一対の並列接続されたツェナーダイオード141、及びツェナーダイオード142からなる。ツェナーダイオード141は、カソード側が整流回路10後段の直流電源の負側に接続され、アノード側が抵抗Rに接続されている。ツェナーダイオード142は、カソード側が抵抗Rに接続され、アノード側が整流回路10後段の直流電源の負側に接続されている。
交流電圧VSoは、ツェナーダイオード141及びツェナーダイオード142のツェナー効果によって、例えば振幅値が5Vに制限される。リミット回路14は、振幅値を制限した検出用電圧Vd(交流電圧)をマイコン11に出力する。ただし、ツェナーダイオード141及びツェナーダイオード142は、ツェナー降伏電圧が異なるものであってもよい。すなわち、リミット回路14は、正側の振幅値と負側の振幅値を異なる値で制限してもよい。また、リミット回路14は、ツェナー降伏電圧に代えて、整流用ダイオードの順方向電圧を用いて各振幅値を制限する構成であってもよい。
マイコン11は、検出用電圧Vdが入力され、検出用電圧Vdのゼロクロス点を検出する。ゼロクロス点の検出は、例えば、検出用電圧Vd及び基準電圧(GND)を入力としたコンパレータによって行われる。
ここで、インバータ1では、共振回路100の共振周波数は、マイコン11が設定するベース信号bpの周波数となる。すなわち、スイッチング信号gp1及びスイッチング信号gp2の周波数は、マイコン11が設定する周波数となる。共振回路100は、理想共振周波数において共振点動作する。共振回路100は、共振点動作すると、スイッチング信号gp2に対して交流電圧VSoの位相が90°だけ遅れるので、スイッチング信号gp2のデューティ比によらず、交流電圧VSoの上昇中のゼロクロス点のタイミングと、スイッチング信号gp2のターンオン継続時間の中点のタイミングとが一致する。同様に、共振回路100は、共振点動作すると、スイッチング信号gp2のデューティ比によらず、交流電圧VSoの下降中のゼロクロス点のタイミングと、スイッチング信号gp2のターンオフ継続時間の中点のタイミングとが一致する。共振回路100が理想共振周波数からズレた周波数で共振すると、これらタイミング間にズレが生じる。マイコン11は、共振回路100を共振点動作させるために、以下のように、共振点動作処理を実行する。
図4に示すように、マイコン11は、共振点動作処理を開始すると、まず、カウンタiを0にセットする(S1)。そして、マイコン11は、周波数f(i)でベース信号bpを出力する(S2)。これにより、共振回路100も、ベース信号bpの周波数f(i)と同じ周波数のスイッチング信号gp1,gp2でハーフブリッジ回路13が駆動されるため、周波数f(i)で共振する。なお、周波数f(0)は、初期値としてマイコン11に記憶されている。
そして、マイコン11は、ズレerr(i)を算出する(S3)。ズレerr(i)は、スイッチング信号gp1又はスイッチング信号gp2の位相と、検出用電圧Vdの位相との、位相ズレ(例えば数百μ秒)である。
より具体的には、ズレerr(i)は、例えば、スイッチング信号gp2のターンオン継続時間の中点のタイミングと、検出用電圧Vd上昇中のゼロクロス点のタイミングとの時間差である。ただし、この時間差は、スイッチング信号gp1のターンオフ継続時間の中点のタイミングと、検出用電圧Vd上昇中のゼロクロス点のタイミングとの時間差と同じである。従って、マイコン11は、スイッチング信号gp1を基準にズレerr(i)を算出してもよい。
スイッチング信号gp2のターンオン継続時間Td(ターンオンからターンオフまでの時間)は、周期Tにデューティ比dを乗じて求められる。マイコン11は、タイマー機能及び割込み処理を用いて、例えば、スイッチング信号gp2のターンオンのタイミングから検出用電圧Vd上昇中のゼロクロス点のタイミングまでの時間tzを計測し、計測した時間tzからターンオン継続時間Tdの1/2倍の時間を減算してerr(i)を求める。なお、本実施形態では、スイッチング信号gp2に対して検出用電圧Vdのゼロクロス点が遅れる方にズレると、ズレerr(i)が正の値となるものとする。
ズレerr(i)の例について、図5を用いて説明する。図5に示す模式図は、説明のために検出用電圧Vdではなく交流電圧VSoの模式図を示している。また、図5に示す模式図は、理想共振周波数からズレた共振周波数で共振回路100が共振しているものとする。すなわち、図5に示す模式図では、共振回路100は、共振点動作していない。
図5の模式図に示すように、スイッチング信号gp2は、周期Tで時間変化している。例えば、スイッチング信号gp2は、タイミングtg0でターンオンし、タイミングtg1でターンオフしている。共振回路100において無機EL素子2にかかる電圧VSoは、周期Tの略正弦波で時間変化している。例えば、交流電圧VSoは、タイミングtv0で上昇中のゼロクロス点を通っている。
交流電圧VSoは、上述のように、スイッチング信号gp2と同じ周波数f(周期Tの逆数)で時間変化する。スイッチング信号gp2の周波数fが共振回路100の理想共振周波数fcであれば、例えば、交流電圧VSoは、ターンオンタイミングtg2とターンオフタイミングtg3との中点のタイミング((tg2+tg3)/2)で上昇中のゼロクロス点を通る。すなわち、交流電圧VSoは、スイッチング信号gp2の周波数fが共振回路100の理想共振周波数fcであれば、ターンオンタイミングtg2からターンオン継続時間Tdの1/2倍の時間が経過したタイミングで、上昇中のゼロクロス点を通る。図5に示す例では、交流電圧VSoは、ズレerrだけ遅れてから上昇中のゼロクロス点を通っている。ただし、図5は、説明のためにズレerrを大きく誇張して示している。
図4に戻り、マイコン11は、ズレerr(i)を求めると(S3)、処理を終了させるか否かを判断する(S4)。例えば、マイコン11は、終了させるか否かをズレerr(i)及びカウンタiによって判断する。より具体的には、マイコン11は、ズレerr(i)の絶対値が所定値(例えば10μ秒)未満である場合、共振点動作処理を終了させるべきと判断して(S4:YES)、共振点動作処理を終了する。また、例えば、マイコン11は、カウンタiが所定値(例えば10)以上である場合、共振点動作処理を終了させるべきと判断して(S4:YES)、共振点動作処理を終了する。マイコン11は、共振点動作処理を終了すると(エンド)、周波数f(i)のベース信号bpを出力し続ける。
マイコン11は、共振点動作処理を終えるべきではないと判断すると(S4:NO)、ズレerr(i)の絶対値を小さくするように、周波数f(i+1)を算出する(S5)。より具体的には、周波数f(i+1)は、以下の式によって算出される。
f(i+1)=1/T(i+1)
T(i+1)=T(i)+k1×err(i)
ただし、0<k1≦1
すなわち、マイコン11は、ズレerr(i)に補正係数k1を乗じたもので周期T(i)を補正したものを周期T(i+1)とし、次のスイッチング信号gp2のターンオンタイミングを検出用電圧Vd上昇中のゼロクロス点のタイミングに一致させるようにする。補正係数k1を1未満にすれば、共振点付近での共振周波数は、より滑らかに理想共振周波数fcに収束する。
マイコン11は、周波数f(i+1)を算出すると(S5)、カウンタiを1つ増やして(S6)、ステップS2に戻る。すなわち、補正した周波数f(i+1)のベース信号bpを基にハーフブリッジ回路13を駆動し(S2)、共振回路100から検出用電圧Vdを再度検出して、ズレerr(i+1)を算出する(S3)。
マイコン11は、周波数f(n)の補正をズレerr(n)の絶対値が十分小さくなるか、補正回数(カウンタi)が所定値に達するまで、ステップS2〜ステップS6を繰り返し実行する。これにより、ズレerr(n)は、0マイクロ秒に収束し、かつ周波数f(n)は、理想共振周波数fcに収束する。
上述のように、本実施形態では、リミット回路14によって振幅値が制限された検出用電圧Vdからゼロクロス点のタイミングを求めている。
図6に示すように、無機EL素子2に印加される交流電圧VSoは、振幅値が例えば150Vの略正弦波で時間変化する。正弦波は、ゼロクロス点に近ければ近いほど、より急峻に時間変化し、ゼロクロス点で最も急峻に時間変化する。リミット回路14は、この振幅値を例えば5Vに制限する。すると、図6に示すように、振幅値が制限された検出用電圧Vdは、最も急峻に時間変化する部分と、所定時間で一定の制限値で継続する部分とからなる略矩形波で時間変化する。マイコン11は、デジタル信号のように急峻に時間変化する検出用電圧Vdを用いるため、より精度よくゼロクロス点を検出できるようになる。また、振幅値が5V程度の矩形波の信号であれば汎用的なマイコン11を用いて処理することができる。
図7の模式図に示すように、マイコン11は、この補正例では、ターンオンタイミングtg2とターンオフタイミングtg3との中点のタイミングと、検出用電圧Vd上昇中のタイミングtv1とのズレerrを用いて、周期Tをズレerrだけ延した周期T’に補正する。そして、マイコン11は、周期T’に応じてターンオンタイミングtg4をターンオンタイミングtg4’に補正して、検出用電圧Vdが目標タイミングで上昇中のゼロクロス点を通るようにする。マイコン11は、同様に、ターンオフタイミングtg5’及びターンオンタイミングtg6’に補正する。ただし、図7は、周期T’の補正係数k1を1とした例であり、説明のためにズレerrを大きく誇張して示している。
以上のように、インバータ1は、スイッチング信号gp2の位相ズレを求めるために、検出困難な共振回路100の電流を用いず、共振回路100において無機EL素子2にかかる交流電圧VSoに基づいた検出用電圧Vdを用いる。インバータ1は、検出用電圧Vdのゼロクロス点が検出されやすく、かつ検出用電圧Vdのゼロクロス点のタイミングがデューティ比によらずスイッチング信号gp2のターンオン継続時間Td及びターンオフ継続時間に対して変化しないため、スイッチング信号gp2及び検出用電圧Vdの位相ズレをより精度高く求めることができる。その結果、インバータ1は、スイッチング信号gp2のデューティ比(ベース信号bpのデューティ比と同じ比率)によらず共振回路100をより精度高く共振点動作させることができ、エネルギー効率を高めることができる。
また、インバータ1では、従来技術のように、共振回路100の電流の検出のためにカレントトランスを用いることがないため、カレントトランスにノイズが重畳する虞がない。その結果、インバータ1は、カレントトランスを用いた従来技術に比べて、より精度高く共振回路100を共振点動作させることができる。
なお、リミット回路14は、本実施形態に必須の構成ではない。インバータ1は、交流電圧VSoから直接ゼロクロス点を検出してもよい。この態様でも、交流電圧VSoは、共振回路100の電流より振幅値が大きいため、ゼロクロス点が検出されやすい。
また、マイコン11は、ベース信号bpの1パルス毎に上述の共振点動作処理を行ってもよいし、数パルス毎に共振点動作処理を行ってもよい。共振点動作処理の実行頻度を高くすれば高くするほど、共振周波数の理想共振周波数までの収束が早まり、共振点動作処理の実行頻度を低くすれば低くするほど、より滑らかに共振周波数が理想共振周波数まで収束するようになる。
また、マイコン11は、ズレerr(i)の大きさによらず、ズレerr(i)の極性のみを用いてベース信号bpの周波数f(i)を補正してもよい。例えば、マイコン11は、ズレerr(i)が正の値である場合、周波数f(i+1)を小さくし、ズレerr(i)が負の値である場合、周波数f(i+1)を大きくする。この場合、周波数f(i+1)の補正量は、所定量(例えば1Hz)であってもよいし、周波数f(i)に対する所定割合(例えば周波数f(i)の1%)であってもよい。
また、マイコン11は、共振回路100において無機EL素子2にかかる交流電圧VSoの振幅値を制限するために、共振回路100の共振周波数を理想共振周波数から少しズラして収束させるようにしても構わない。例えば、マイコン11は、周期T(i+1)が所定値より短くならないように制限する。これにより、周波数f(i+1)は、所定値より高くならないように制限される。その結果、マイコン11は、共振回路100の共振周波数が高くなりすぎて、無機EL素子2、等の回路素子に影響を与えることを防ぐことができる。
さらに、インバータ1は、光又は音で警告を報知する報知回路を備え、マイコン11は、周波数fが異常値(例えば所定の周波数帯域外)となったときに、報知回路に警告を報知させてもよい。
さらに、マイコン11は、検出用電圧Vd及びベース信号bpの周波数fを用いて報知回路に警告を報知させてもよい。例えば、マイコン11は、ベース信号bpの立ち上がりと検出用電圧Vdの立ち上がりのゼロクロス点とがタイミングが同じである場合、インダクタLの後段に誤って抵抗が接続されている虞があると判断して、報知回路に警告を報知させる。
図8に示すように、実施形態2に係るインバータ1Aは、マイコン11A、可変抵抗VR、及び電圧検出回路15を備える点において、実施形態1に係るインバータ1と相違する。インバータ1Aは、スイッチング信号gp1及びスイッチング信号gp2のデューティ比を変化させて、共振回路100において無機EL素子2にかかる交流電圧VSoの振幅値が目標値となるように微調整するものである。
インバータ1Aは、交流電圧VSoの振幅値と目標値とを比較するために、交流電圧VSoの実効値の分圧値Vsd、及び目標値の分圧値Vrefを検出する。分圧値Vsd及び後述する分圧抵抗値の比率は、交流電圧VSoの振幅値に対応する。
より具体的には、マイコン11Aは、整流回路10後段の平滑コンデンサCと並列接続された可変抵抗VRを介して分圧値Vrefを検出する。電圧検出回路15は、分圧値Vsdを取得するための回路であり、一端がインダクタL及び無機EL素子2の接続端に接続され、他端が整流回路10後段の直流電源の負側に接続されている。電圧検出回路15は、分圧抵抗Rd1,Rd2、ダイオードDd、及び平滑コンデンサCdを備えている。交流電圧VSoは、分圧抵抗Rd1,Rd2によって分圧された後、平滑コンデンサCdによって交流成分が平滑されると、分圧値Vsdとして、マイコン11Aに検出される。
マイコン11Aは、取得した分圧値Vsd及び分圧値Vrefの差分が0となるように、ベース信号bpのデューティ比dを変化させる。これにより、スイッチング信号gp1及びスイッチング信号gp2のデューティ比は変化する。ただし、上述のように、ベース信号bpのデューティ比が例えば30%であれば、スイッチング信号gp2のデューティ比は、30%であり、スイッチング信号gp1のデューティ比d1は70%となる。
このようなインバータ1のマイコン11Aは、以下のように動作して、共振回路100において無機EL素子2にかかる交流電圧VSoの振幅値を微調整して目標値にする。
図9に示すように、まず、マイコン11Aは、共振点動作処理を行う(S10)。すなわち、マイコン11Aは、図4のフローチャートに示すステップS1〜ステップS6を実行して、共振回路100を共振点動作させる。
次に、マイコン11Aは、交流電圧VSoから分圧値Vsd、及び整流回路10後段から分圧値Vrefを検出し(S11)、分圧値Vsdと分圧値Vrefとの差分を算出する(S12)。そして、マイコン11Aは、終了条件が満たされたか否かを判断する(S13)。マイコン11Aは、例えば、デューティ比の変更回数が所定回数に達したこと、及び分圧値差分が所定値(例えば2.0V)以下であることをトリガとして処理を終了させると判断する。
マイコン11Aは、終了条件が満たされていないと判断すると(S13:NO)、ベース信号bpのデューティ比dを変更する(S14)。マイコン11Aは、分圧値Vsdが分圧値Vref未満の場合、デューティ比を50%に近づける。例えば、マイコン11Aは、分圧値Vsdが分圧値Vref未満であり、かつベース信号bpのデューティ比dが50%未満の場合、デューティ比dを1%大きくする。
マイコン11Aは、分圧値Vsdが分圧値Vrefより大きい場合、デューティ比dを50%から遠ざける。例えば、マイコン11Aは、分圧値Vsdが分圧値Vrefより大きく、かつベース信号bpのデューティ比dが50%未満の場合、デューティ比dを1%小さくする。
図10(A)に示すように、共振回路100において無機EL素子2にかかる交流電圧VSoの振幅値は、共振点付近では、共振周波数が変化すると、急峻に変化する。これに対し、図10(B)に示すように、交流電圧VSoの振幅値は、デューティ比50%付近では、共振周波数の変化に比べて、より緩やかに変化する。
実施形態2に係るインバータ1Aは、共振点動作処理を行ってエネルギー効率を高めつつ、スイッチング信号gp1及びスイッチング信号gp2のデューティ比を変更することによって交流電圧VSoの振幅値を微調整することができる。
本願発明者は、商用電源VSiとして周波数60Hzの実効値100Vrmsを用い、ベース信号bpの初期値の周波数を1.0kHzとし、交流電圧VSoの目標値を141(200Vrmsに相当する)としてインバータ1Aによる共振点動作の実験を行った。すると、発光面がA4サイズの無機EL素子2を用いた場合では、インバータ1Aの電力変換効率は、略70%となった。発光面がA3サイズの無機EL素子2を用いた場合では、電力変換効率は、略80%となった。これらインバータ1Aの電力変換効率は、従来の自励式インバータ(例えばロイヤーの発振回路を備えるもの)に比べて、それぞれ略15%高いことが分かった。
なお、共振回路100において無機EL素子2にかかる交流電圧VSoは、デューティ比によらず、ゼロクロス点のタイミングが常にターンオン継続時間及びターンオフ継続時間の中点のタイミングに一致するため、共振点動作処理(S10)と、デューティ比変更処理(S11〜S14)とを並列処理しても構わない。これにより、インバータ1Aの共振回路100が共振点動作し、かつ交流電圧VSoの振幅値が目標値になるまでの時間が短縮される。
上述の例は、共振周波数fによらず交流電圧VSoの目標値を固定するものであったが、以下のように、無機EL素子2の輝度の低下を抑えるために、共振周波数fに応じて交流電圧VSoの目標値を変更してもよい。
図11に示すように、変形例に係るマイコン11Aの動作は、ステップS11とステップS12との間にステップS15を実施する点において、図9のフローチャートに示すマイコン11Aの動作と相違する。
この変形例において、マイコン11Aは、分圧値Vsd及び分圧値Vrefを取得すると(S11)、共振点動作処理(S10)後の共振回路100の共振周波数fに応じて目標値を変更する(S15)。ただし、マイコン11Aは、共振回路100の共振周波数fとして、ベース信号bpの周波数を用いる。
図12(A)に示すように、目標値は、共振周波数fに対応して定められている。具体的には、目標値は、共振周波数fが高くなればなるほど、大きくなるように定められている。図12(A)に示す例において、目標値は、1,000Hzの共振周波数fに対応して、初期値が180Vとなっている。なお、各目標値は、予めマイコン11Aに記憶されているものとする。
例えば、共振回路100の共振周波数fが1,050Hzの場合、マイコン11Aは、目標値を初期値の180Vから190Vに変更する(S15)。そして、マイコン11Aは、190Vの目標値に対応する分圧値Vrefと、分圧値Vsdとの差分を算出する(S12)。
図12(B)に示すように、本願発明者等は、共振回路100の共振周波数fが時間の経過に伴って一次比例で上昇することを発見した。従って、この一次比例の関係を利用することにより、共振周波数fの変化から経過時間を求めることが可能となる。
この共振周波数fの上昇は、無機EL素子2の消費電力の低下(容量低下による)、及び無機EL素子2の劣化に起因する。従って、無機EL素子2は、印加される電圧が固定されたままでは、共振周波数fの上昇に伴って輝度が低下する。
そこで、マイコン11Aは、無機EL素子2の輝度の低下を相殺するように無機EL素子2に印加される交流電圧VSoの振幅値を大きくするために、交流電圧VSoの目標値を変更する(S15)。
図12(C)の一点破線に示すように、目標値を固定したままで共振点動作処理(S10)及びデューティ比変更処理(S11〜S15)を行うと、無機EL素子2の輝度は、時間経過に伴って低下する。しかしながら、マイコン11Aは、目標値を共振周波数fに応じて変更することにより、図12(C)の実線に示すように、無機EL素子2の輝度の低下を最小限に抑えることができる。
さらに、上述のように、マイコン11Aは、共振周波数fを求めることのみで目標値を変更する。従って、インバータ1Aは、数千時間の経過時間を求めるためのタイマ、及び無機EL素子2の消費電力を検出する検出器及び演算器、等を備える必要なく、簡単な構成で無機EL素子2の輝度の低下を最小限に抑えることができる。
なお、図12(A)に示す各目標値は、無機EL素子2の輝度を徐々に低下させるように設定されていたが、以下のように、設定されてもよい。
図13(A)に示す各目標値は、共振周波数fが1,000Hz及び1,050Hzの場合において、図12(A)に示す例よりも小さい値が設定されている。このように目標値を設定することにより、無機EL素子2の輝度は、図13(B)に示すように、2,000時間経過までは一定値となり、経過時間が2,000時間を超えると徐々に低下する。このように共振周波数fに対応する目標値を設定することにより、無機EL素子2の輝度を略一定にすることができる。
次に、実施形態2に係るインバータ1Aは、検出用電圧Vd、分圧値Vsd、及びベース信号bpの周波数fを用いて、警告処理を行ってもよい。インバータ1Aは、これら条件を組み合わせることで、様々な異常現象を検出することができる。
図14に示すように、例えば、マイコン11Aは、検出用電圧Vdの立ち上がりのゼロクロス点及びベース信号bpの立ち上がりが同じタイミングであり、かつ分圧値Vsdが所定値未満の場合、無機EL素子2がインダクタLの後段に接続されていないと判断する。また、例えば、マイコン11Aは、分圧値Vsdが所定値未満のみの場合、無機EL素子2がショートしていると判断する。
さらに、マイコン11Aは、異常現象が発生していると判断すると、ベース信号bpをHI状態に固定する。これにより、ハーフブリッジ回路13の正側に接続されたスイッチング素子Q1には、LOW状態に固定されたスイッチング信号gp1が与えられる。従って、マイコン11Aは、異常現象が発生していると判断すると、高圧側(正側)に接続されたスイッチング素子Q1をオフ状態に固定させる。これにより、交流電圧VSoが負荷に供給され続けることが防止される。
図15に示すように、実施形態3に係るインバータ1Bは、共振回路100Bの構成において、実施形態1に係るインバータ1と相違する。すなわち、インバータ1Bは、照明器具(無機EL素子2)が無くても、共振回路100Bを自装置の構成で実現するものである。
インバータ1Bは、共振用のインダクタLに直列接続される共振用キャパシタCfを備えている。これにより、LC直列共振回路である共振回路100Bは構成され、蛍光管FLに接続される。ただし、インバータ1Bは、蛍光管FLに限らず、HIDランプ等の交流電源で発光する他の照明器具に接続されてもよい。
インバータ1Bは、このような構成であっても、デューティ比によらず共振回路100Bを共振点動作させることができ、エネルギー効率を高めることができる。