JP2016012619A - 放熱構造体及び放熱構造体を備える太陽電池モジュール - Google Patents
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Abstract
【課題】低コストで提供可能でありながら品質の安定性に優れ、又、優れた放熱性能を有する放熱構造体を提供すること。【解決手段】熱伝導体11上に、複数の放熱フィン12が設置されてなる放熱構造体1において、放熱フィン12を、金属箔2の表面に樹脂を含んでなる輻射層3が形成されている積層体フィルム10が、折り加工及び/又は曲げ加工されて、輻射層3を最外層として熱伝導体11上に縦立しているものとする。又、放熱フィン12を、相互に対面する積層体フィルム10の内側に中空の空洞部23が形成されている中空フィンとする。【選択図】図1
Description
本発明は、放熱構造体、及び放熱構造体を備える太陽電池モジュールに関する。
近年、環境に対する意識の高まりとともに太陽電池発電によるエネルギーの供給が注目されている。
太陽光エネルギーを直接電気に変換する太陽電池の心臓部を構成する太陽電池素子は、単結晶、多結晶のシリコンセル(結晶系シリコンセル)を用いたものや、アモルファスシリコン、化合物半導体を用いたもの(薄膜系セル)等が用いられる。一般に太陽電池素子は、実用的な電気出力を発生させるために複数の太陽電池素子を接続し、太陽電池素子を保護するため、太陽電池モジュールを形成して使用される。
太陽電池モジュールは、受光面をガラス等の透明前面基板で覆い、表面封止材層、太陽電池素子、背面封止材層、及び裏面保護シート等を順次積層し、これらの各部材を熱ラミネーション法により一体化することによって形成される。
太陽電池モジュールにおいて電気を生成する太陽電池素子は、一般に、温度上昇に伴って発電効率が低下することが知られている。温度上昇に伴う発電効率の低下は、結晶タイプのシリコン太陽電池素子で1℃上昇する毎に約0.50%低下し、温度上昇の影響か比較的小さいと言われているアモルファスシリコン太陽電池素子においても、1℃上昇する毎に約0.25%程度低下すると言われている。よって、基本的に屋外の直射日光化に設置される太陽電池モジューの発電効率をより高い範囲に維持するためには、温度上昇を抑えるための所謂ヒートシンク等の放熱手段を備えることが必須となる。
このような温度上昇を抑えるための放熱手段として、従来、太陽電池モジュールに用いられてきたヒートシンクは、材料のコスト、等の観点から、アルミニウムやアルミニウム合金の鋳造品が用いられることが一般的であった。アルミ鋳造品のヒートシンクは、熱伝導率は高いものの、放熱効率は十分な特性があるとは言えず、それのみでは、十分な冷却性能を持っているとは言い難いものであった。これは、アルミ鋳造品のヒートシンクに、熱伝導により熱は移動するが熱の放出が十分でないため、全体として温度が上昇する、「熱がこもる」という状態に陥るためである。
特許文献1〜3には、上記の「熱がこもる」状態を回避して十分な放熱を行うことを目的とした太陽電池モジュールが開示されている。特許文献1では、放熱フィンとヒートポンプを組み合わせて設置し、更にヒートパイプを設けることで放熱を促進する太陽電池モジュールが開示されている。又、特許文献2には、太陽電池モジュールとセット面の間に空冷層を設けることによって、放熱を促進する放熱フィン付の太陽電池モジュールが開示されている。更に特許文献3には、可撓性を有するフィン付き放熱シートを、放熱手段として下面側に設置した太陽電池モジュールが開示されている。
特許文献1及び特許文献2に記載の太陽電池モジュールは、いずれも、放熱手段の追加的構成にかかるコストが嵩み、結果として太陽電池モジュールのコストパフォーマンスを低下させてしまう点で好ましくない。
特許文献3に記載のフィン付き放熱シートのように、一般に金属と比較して輻射による放熱性能において相対的に優れる樹脂からなる放熱フィンを備える放熱構造体を用いれば、特許文献1及び2に記載の太陽電池モジュールのようなコスト上昇は回避できる。
しかしながら、特許文献3に記載の発明は、放熱シートを構成するフィン部分が直接放熱シートから派生しているため、製造過程における品質のバラツキを抑えることが難しく、又、製造後におけるフィン部分の強度にも問題があった。
又、近年、太陽電池モジュールの発電効率向上に対する要求は益々厳しいものとなっており、太陽電池モジュール用の放熱構造体には、更なる放熱性能の向上が求められている。
本発明が解決しようとする課題は、低コストで提供可能でありながら品質の安定性に優れ、又、優れた放熱性能を有する放熱構造体を提供することにある。
本発明者らは、放熱構造体を、金属箔に輻射層が設けられてなる積層体フィルムからなる放熱フィンを有するものとし、更に、当該放熱フィンを、中空の空洞部を有する構造とすることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に本発明は以下のものを提供する。
(1) 熱伝導体上に、複数の放熱フィンが設置されてなる放熱構造体であって、前記放熱フィンは、金属箔の表面に樹脂を含んでなる輻射層が形成されている積層体フィルムが、折り加工及び/又は曲げ加工されて、前記輻射層を最外層として前記熱伝導体上に縦立しており、該放熱フィンは、相互に対面する前記積層体フィルムの内側に中空の空洞部が形成されている中空フィンである放熱構造体。
(1)の発明は、放熱構造体における放熱フィンを形成する積層体フィルムの層構成を、熱伝導性に優れる金属箔を放射率の高い樹脂材料によって被覆する層構成とした。そして、更に、放熱フィンの立体構成として、放熱フィンの内部に中空の空洞部が形成されている構成とした。このような(1)の発明によれば、低コストで提供可能でありながら品質の安定性に優れ、且つ、優れた放熱性能を有する放熱構造体を得ることができる。
(2) 前記積層体フィルムを折り加工することによって、前記熱伝導体及び前記放熱フィンを一体成型したものである(1)に記載の放熱構造体。
(2)の発明によれば、生産性向上が容易な折り加工によって放熱フィンの形状付与を行い、同時に放熱構造体の全体形成を行うことができる。これにより、(1)の発明に係る放熱構造体の生産性を高めることができる。
(3) (1)又は(2)に記載の放熱構造体を備える太陽電池モジュール。
(3)の発明によれば、低コストでありながら、放熱効率が高い放熱構造体を備える太陽電池モジュール、即ち、より安価で発電効率の高いコストパフォーマンスの高い太陽電池モジュールを得ることができる。
本発明の放熱構造体によれば、低コストで提供可能でありながら品質の安定性に優れ、又、優れた放熱性能を有する放熱構造体を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて詳しく説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されない。本発明の構成要件を備える限り、目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。尚、図面は概念図であり、説明上の都合に応じて適宜、構成要素の縮尺関係、縦横比等は誇張されていることがある。
本明細書において、「シート面」とは、本発明の一実施形態であるシート状の放熱構造体1の熱伝導体11の平面方向と一致する面のことを意味する。「シート面」とは、通常、シート状の放熱構造体1の熱伝導体11の表面又はこれに平行な面のことを言い、図1においては、XY平面又はこれと平行な面のことを言う。
又、本明細書において「平面視形状」とは「シート面」に平行な面における形状のことを意味する。言い換えると、「平面視形状」とは、「シート面」に立てた法線の方向(図1においては、Z軸方向)から見た形状のことを言うものとする。
<放熱構造体>
本発明の実施形態である放熱構造体1は、図1に示す通り、一方の面が熱源への設置面となる熱伝導体11の、他方の表面上に中空の突起部である放熱フィン12が設置されている。
本発明の実施形態である放熱構造体1は、図1に示す通り、一方の面が熱源への設置面となる熱伝導体11の、他方の表面上に中空の突起部である放熱フィン12が設置されている。
放熱フィン12は、金属箔2の表面に樹脂を含んでなる輻射層3が形成されている積層体フィルム10からなり、熱源との密着を実現するために、金属箔2と輻射層3の積層体フィルムの輻射層3と反対側の面である他方の表面に、更に接着層4を形成したものであることが好ましい。
又、放熱フィン12は、頂部21を間に挟んで相互に対面する積層体フィルム10の間に、図1に示す通り、中空の空洞部23が形成されていることを特徴とする。空洞部23は、上記の積層体フィルム10の対向面のうちの放熱フィン12の下端部近傍部分(止着部24)のみが相互に止着されていて、止着部24以外のその他の部分は止着されていない状態で、放熱フィン12が熱伝導体11に縦立されることによって形成されている。つまり空洞部23とは、止着部24と頂部21との間において、積層体フィルム10に囲まれてなる中空の空間である。止着部24における積層体フィルム10どうしを止着する方法は特段限定されない。例えば、積層体フィルム10の止着面に形成された接着層4を介した接着であってもよく、或いは、ミシン糸等によって止着部を縫い合わせる方法等であってもよい。接着層4を介した接着である場合には、上記の積層体フィルム10の対向面のうちの止着部24以外の部分について、接着層4を形成しないようにするか、或いは、当該部分について離形処理を行うことにより、空洞部23を容易に形成することができる。
この空洞部23は、熱伝導体11と平行な方向における最大幅であるフィン幅Wsが、5mm〜20mm程度であることが好ましい。フィン幅Wsが、5mm程度以上であることによって、空洞部23を通過する空気による放熱フィン12に対する空冷効果が十分に発揮されうる。
本発明の放熱構造体において、個々の放熱フィン12の熱伝導体11上への設置態様は、放熱フィン12が熱伝導体11の表面に縦立可能な態様であれば特に限定されない。但し、放熱構造体は、図1に示すように、積層体フィルム10が折り加工されて、熱伝導体11及び放熱フィン12が一体成型されたものであることが好ましい。より詳しくは、放熱フィン12は、積層体フィルム10が谷折り部22で谷折りされることによって、谷折り部22を起点とし、頂部21を頂点とした長楕円状の中空のフィンとして、熱伝導体11上に縦立しているものであることが好ましい。
尚、放熱フィン12は、例えば、必ずしも積層体フィルム10によって一体形成されたものであることが必須ではない。例えば、積層体フィルム10が曲げ加工されて、それぞれ単体のフィンとして形成された中空の放熱フィンを、それとは別途形成した可撓性を有するシート状の熱伝導体の表面に配置形成したものであってもよい。但し、上記の積層体フィルム10によって一体成型されたものであることが品質安定性や生産性を向上させるためにはより好ましい。
放熱構造体1は、輻射層3による放熱構造体1の単位表面積あたりの放熱効率の向上の効果、放熱フィン12の形成による放熱構造体1の表面積増大、更には、放熱フィン12への空洞部23の形成による表面積増大と空洞部を通過する空気による空冷効果、これらによる放熱効率の向上の相乗効果により、極めて高い放熱効率を有し、優れた冷却性能を発揮することができる。
熱伝導体11は、金属箔等、熱伝導性の高い材料を含んで形成されるシート状の基材である。当該基材は、可撓性を有するシートやフィルムであることが好ましい。熱伝導体11が可撓性を有するシート等であることにより、設置対象となる太陽電池モジュールの設置対象面の凹凸への追従性や、それらの設置対称面が曲面である場合における当該曲面への追従性が高まり、放熱構造体1の好適な使用可能範囲が広がる。
放熱フィン12は、金属箔2が輻射層3によって被覆されている積層体フィルム10からなり、且つ、積層体フィルム10で囲まれた空洞部23を有する中空の突起物である。放熱構造体1は、熱源との密着を実現するために、金属箔2と輻射層3の積層体フィルムの輻射層3と反対側の面である他方の表面に接着層4を形成したものであることが好ましい。
放熱構造体1における放熱フィン12の好ましい配置間隔(ピッチ)とサイズ(高さ)について説明する。図3は放熱構造体1の説明図である。(a)は図1の平面視形状であり、(b)は(a)に図示したA−A断面における断面図である。放熱フィン12のピッチPsx(図3(a)及び(b)参照)は、フィン幅を鑑みた上で、放熱フィン間の距離であるPsw(図3(a)及び(b)参照)が、3〜100mm程度となるように調整することが好ましい。ピッチPsxが十分に広い場合には、単位面積当りの放熱フィンの個数は多いほど放熱効果は高まるが、放熱フィン間の距離Pswが7mmより少なくなると、近接する放熱フィンどうしが相互の放熱作用によって、相互に放熱効率を引き下げてしまうためである。
放熱フィン12の高さHs(図3(b)参照)は、実施可能な範囲で高いほど放熱効率が向上する。但し、一般的な太陽電池モジュールとの一体化時に、外枠フレームから露出しない高さであることが設置の容易性や美観上好ましい。又、放熱構造体1の放熱フィン12は、可撓性を有する素材からなるものであることも鑑みると、概ね、高さ5mm〜500mm程度であることが実施上好ましい範囲となる。尚、放熱フィンの高さHsについては、基本的に各放熱フィンの高さが同一であることが好ましい。同一高さのものを連続して形成するものとすることにより、放熱構造体の生産性を高めることができる。
又、特に、放熱構造体1を設置する太陽電池モジュール等の熱源に均一な温度分布が要求される場合には、放熱フィン12のピッチPsxについては、高温となる部位においては、ピッチPsxを相対的に小さくし、放熱フィンの高さHsについては、相対的に高さHsを大きくし、その一方、比較的熱の発生が少ない定温の部位においては、放熱フィン12のピッチPsxを相対的に大きくし、その高さHsについては、相対的に高さを小さくすることによって、熱分布の均一化を図ることもできる。
放熱フィン12の設置角度については、放熱効率を高めるために、少なくともその使用時において、各々の放熱フィン12が相互に平行になる角度で設置されていることが求められる。一般的には、各々の放熱フィン12は、シート面に対して垂直に設置されていることが好ましい。但し、個々の放熱構造体の設置場所の環境や設置態様(地面に対する角度等)によっては、それぞれ最適な設置角度が異なるため、それぞれ個別に最適な設置角度に調整して使用することが更に好ましい。放熱構造体1は、放熱フィン12を形成する材料が、樹脂や金属箔等、可撓性を有するものであるため、従来のアルミ鋳造品等の放熱構造体と異なり、放熱フィン12の設置角度を設置態様に応じて柔軟、且つ、自在に変更することができる点においてもそれらの従来品より有利である。
[金属箔]
熱伝導体11及び放熱フィン12を構成する金属箔2は、金属を、その展延性を利用して薄い箔に伸ばしたものである。材質によって多少の相違はあるが、厚みは、概ね300μm以下である。太陽電池モジュール等の熱源から排出される熱を熱伝導によって放熱構造体1に移動し、又は、放熱構造体1の中を熱伝導にて移動し、熱源から放熱部である輻射層3へ熱を伝達させる役割を果たしている。
熱伝導体11及び放熱フィン12を構成する金属箔2は、金属を、その展延性を利用して薄い箔に伸ばしたものである。材質によって多少の相違はあるが、厚みは、概ね300μm以下である。太陽電池モジュール等の熱源から排出される熱を熱伝導によって放熱構造体1に移動し、又は、放熱構造体1の中を熱伝導にて移動し、熱源から放熱部である輻射層3へ熱を伝達させる役割を果たしている。
放熱構造体1は、太陽電池モジュール等の熱源から輻射層3への熱の伝達の役割を、金属箔2に担わせているため、従来のアルミ鋳造品からなるヒートシンクと比較して、軽量、且つ、廉価に製造可能である。又、鋳造では困難な軽量、且つ、大面積向けの放熱構造体とすることができる。更に、折り曲げや、切断が容易な金属箔2を使用しているため、加工の自由度が高く、熱源との接触面が平滑でない場合にも、熱源との接触面との追従性に優れ放熱性に優れた放熱構造体1とすることが可能である。
金属箔2の材質は、熱源から放熱部への熱の移動が迅速に行われるものであることが必要である。金属箔2の熱伝導率が小さく、熱源から放熱部である輻射層3への熱の移動が妨げられると、輻射層3に十分放熱能力があったとしても熱源及びその近傍に熱量が集中する状態となり、熱源及びその近傍の温度の上昇を招くこととなり十分に放熱の役割が果たせなくなる。従って、熱伝導率が、10W・m−1・K−1以上であることが好ましい。熱伝導率が、10W・m−1・K−1未満であると、熱源から放熱構造体若しくは、熱源中の熱の移動が滞り、放熱が妨げられるため好ましくない。
熱伝導率が、10W・m−1・K−1以上の材料としては、銀、銅、金、アルミニウム、ニッケル、チタン、モリブデン、亜鉛、錫、鉛、鉄、白金をはじめとする金属、真鍮、ステンレス鋼をはじめとする合金等が該当する。又、金属ではないが、高い熱伝導率を示すという点では、用途によっては、ダイヤモンドや、カーボンナノチューブからなるフィルムも使用することが可能である。
金属箔2としては、市販の金属箔を使用することも可能であり、市販されている金属箔としては銅箔、銀箔金箔、アルミニウム箔、チタン箔、ニッケル箔、モリブデン箔、ニオブ箔、ベリリウム箔、タンタル箔、亜鉛箔、錫箔、鉄箔、ジルコニウム箔、鉛箔をはじめ、ステンレス箔、パーマロイ箔、42アロイ箔、燐青銅箔、洋白箔、真鍮箔、ニクロム箔、コバール箔、銀ロウ箔等の合金箔等を、いずれも使用することができる。放熱構造体1の使用目的等と照らし合わせて適宜選択すればよい。
熱伝導率の高さ、入手コスト等を考慮すると、銅又は銅合金、並びに、アルミニウム又はアルミ合金が好適であり、特にアルミニウム又はアルミ合金は、入手コストが廉価である点、比重が軽く軽量化に向いている点で好適である。
又、金属箔は、単一相である必要もなく、金属箔中に任意の材質よりなる金属粒子や、金属ファイバーを含む箔であってもよい。又、金属箔中に酸化物、窒化物等の粒子やファイバーが含まれていてもよい。但し、本実施形態においては、折り加工及び曲げ加工にて放熱フィン12を中空の長楕円形状とする形状付与を行うため、そのような折り加工による形状付与が容易であり、且つ、加工中に破断しない必要がある。
一方、金属箔2の厚みは、軽量化、低価格化、加工の容易さ等の観点からは、厚みは薄い方が好ましい。又、熱の移動の観点、強度の観点からは、厚みは厚い方が好ましい。従って、用途に鑑みてバランスの良い厚みを選択すればよい。これらの条件を満たす金属箔の厚みとしては、目安として6.0μm以上200.0μm以下を目安とすることが出来る。
このような金属箔2として、本実施形態においては、価格が廉価であり、入手が容易であり、比重が軽く軽量化に適している点で、厚みが6.0μm以上150.0μm以下のアルミニウムやアルミニウム合金のよりなる金属箔(以下、「アルミ箔」とも言う)を好ましく用いることが出来る。
尚、放熱構造体1における金属箔2に代えて、PI等の高分子に高熱伝導性微粒子を充填した、所謂、熱伝導ポリマーを用いることもできる。これにより、金属箔を採用した場合と概ね同等の放熱効果を発揮し、一方で、中空の放熱フィン12の形状維持の観点からは、より優れた放熱構造体を得ることができる。
放熱構造体1は、金属箔2が、高い熱伝導性を担保するため、熱源から放熱部への熱の移動スピードも速く効率的な放熱に貢献する。単に樹脂に熱伝導性向上のための充填物を添加した放熱シート等が、軽量であっても熱伝導性が十分に得られないために十分な放熱効率が得られていないことと対照的である。
又、薄く軽い金属箔2を用いているため、アルミ鋳造品のヒートシンク等と比べて軽量である。放熱構造体1が軽量であるため輸送コストも安くすることが可能であり、設置する際にも耐荷重設計が軽減されるため設置コストの低減も望める。
又、市販の金属箔を利用することによって、アルミ鋳造品のヒートシンクと比較して、製造原価を安く抑えることができ、ラミネート加工と折り加工で安いコストで連続的に生産でき、更にロールトゥロールでの生産も可能とである。
又、大面積向けの放熱構造体1の製造も容易であり、自由に折り曲げられる自由度の高さから、熱源の放熱構造体1を設ける面が広く、又、平滑性が悪くても、追従可能であり、密着性を良好に保持して設置することができる。
[輻射層]
金属箔2は熱伝導率が高く、熱伝導によって熱を移動する特性に優れる。但し、主に輻射によって熱を放熱する性能に優れているとは言い難い。金属箔の放射率は、材質に因るが決して高いとは言えない。一般に鏡面であれば放射率は0.1以下であることが多く、粗面化、表面酸化等によって0.8〜0.9程度まで上げることが可能だが、煩雑な処理が必要である。ここで、放射率が低いということは、輻射による熱の放出が少ないことを示している。例えば放熱フィンが金属のみによって形成されている場合には、輻射による熱の放出が不十分となることが多い。放熱構造体1は、金属箔2の一方の面に樹脂を含む輻射層3を設けることにより放熱構造体1から外部への熱輻射を大幅に増加させ、効率的な放熱を可能としたものである。
金属箔2は熱伝導率が高く、熱伝導によって熱を移動する特性に優れる。但し、主に輻射によって熱を放熱する性能に優れているとは言い難い。金属箔の放射率は、材質に因るが決して高いとは言えない。一般に鏡面であれば放射率は0.1以下であることが多く、粗面化、表面酸化等によって0.8〜0.9程度まで上げることが可能だが、煩雑な処理が必要である。ここで、放射率が低いということは、輻射による熱の放出が少ないことを示している。例えば放熱フィンが金属のみによって形成されている場合には、輻射による熱の放出が不十分となることが多い。放熱構造体1は、金属箔2の一方の面に樹脂を含む輻射層3を設けることにより放熱構造体1から外部への熱輻射を大幅に増加させ、効率的な放熱を可能としたものである。
放熱構造体1の輻射層3は、少なくとも樹脂を含んでいる。この樹脂は、放射率が、低いものでも0.4以上はあり、上記の金属と比べて輻射による放熱性に優れる。即ち、輻射層3は、熱放射率が0.4以上の層となっている。
輻射層3を形成する樹脂材料は、一般的な高分子材料より選択して使用することが可能である。放熱構造体1の使用用途に鑑みて適切な材料を選択すればよい。例えば放熱構造体1の使用温度が比較的使用温度が低い場合等、ポリ塩化ビニル(Poly Vinyl Chloride)、ポリエチレン(Poly Ethylene)、ポリプロピレン(Poly Propylene)、ポリスチレン(Poly Styrene)、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)、AS(Acrylonitrile Styrene)、アクリル(Poly Methyl Methacrylate)等の汎用樹脂を用いることができる。
又、例えば放熱構造体1の使用温度がやや高い場合には、フェノール樹脂(Phenol Formaldehyde)、ユリア樹脂(尿素樹脂)(Urea Formaldehyde)、メラミン樹脂(Melamine Formaldehyde)、エポキシ樹脂(Epoxy)、不飽和ポリエステル(Unsaturated Polyester)、シリコン樹脂(Silicone)、ポリウレタン(Poly Urethane)、等の熱硬化性樹脂を用いることができる。
更に6ナイロン(登録商標)(Poly Amide 6)66ナイロン(登録商標)(Poly Amide 66)に代表されるアミド樹脂、ポリアセタール(Poly Oxy Methylene)、ポリカーボネート(Poly Carbonate)、ポリエチレンテレフタレート(Poly Ethylene Terephtalate)、変性PPE(又は変性PPO)(modified−Poly Phenylene Ether)、ポリブチレンテレフタレート(Poly Butylene Terephtalate)、超高分子量ポリエチレン(UltraHighMolecularWeightPolyEthylene)、等のエンジニアリングプラスチックを用いることも可能である。
PEEK(Poly Ethel Ethel Keton)、ポリフェニレンサルファイド(Poly Phenylene Sulfide)、ポリサルフォン(Poly Sulfone)、ポリエーテルサルフォン(Poly Ethel Sulfone)、ポリアリレート(Poly Arylate)、ポリアミドイミド(Poly Amide Imide)、ポリエーテルイミド(Poly Ether Imide)、液晶ポリマー(Liquid Crystal Polymer)、ポリテトラフルオロエチレン(4フッ化)(Poly Tetra Fluoro Ethylene)、ポリクロロトリフルオロエチレン(3フッ化)(Poly Chroro TriFluoro Ethylene)、ポリフッ化ビニリデン(2フッ化)(PolyVinylidene DiFluoride)、ポリフッ化ビニル(Polyvinyl Fluoride)等のフッ素含有樹脂、等のスーパーエンジニアリングプラスチックも使用可能である。
又、輻射層3に用いる樹脂は、耐熱性、熱伝導性や熱放射率を高める目的でフィラー等を添加してもよい。このような目的で添加されるSiZrO4、Cr2O3、酸化鉄系無機顔料等を用いることができる。
輻射層3の形成は、これらの樹脂をフィルム化して、金属箔2に接着剤で貼り合わせる所謂ドライラミネートにより形成することができる。又、熱溶融が可能な樹脂であれば押出しラミネートにより形成してもよい。又、溶剤に溶かした樹脂を塗布後に乾燥することで形成してもよい。又、UVや電子線等の電磁波にて硬化する樹脂材料を塗布後、電磁波を照射して硬化することで形成してもよい。輻射層3の形成の方法は、以上方法のいずれかを、輻射層3として形成したい材料の選択に合わせて適宜選択すればよい。
又、輻射層3は、樹脂材料に放熱効率を高めるフィラーを分散した市販の放熱シートを貼り合わせることにより形成することもできる。市販の放熱シートとしては、沖電線株式会社製 クールスタッフ(登録商標)、ペルノックス株式会社製 熱放射シート ペルクール(登録商標)シートオプテックス株式会社製 黒体テープ HB−250、レック株式会社製 黒体テープ THI−2B−5等が好適である。
又、硬化可能な樹脂材料と硬化剤、溶剤に溶かした樹脂等に放熱効率を高めるための添加物を分散した市販の放熱塗工材を用いて塗工形成してもよい。市販の放熱塗工材としては、ペルノックス株式会社製 熱放射塗料 PELCOOL(登録商標)等を好ましく用いることができる。
輻射層3は金属箔2に比べて熱伝導性に劣るため、厚さが所定以上となると熱の伝達を阻害して放熱効率が悪くなる。又、厚さが所定以上となると、柔軟性も低下して、形状追従性の低下や、形状付与が困難になるため、この点においても好ましくない。具体的には、輻射層3の厚さは150μm以下であることが好ましい。
又、輻射層3を形成する樹脂は、金属箔2よりも、表面加工適性、即ち、様々な表面加工の容易さにおいて優れるため、例えば、その表面にエンボス加工を施すことによって、更に輻射層3の熱放射率を向上させることもできる。
[接着層]
接着層4の材料としては、シアノアクリレート系やシリコーンゴム系の湿気硬化型、エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系の加熱硬化型、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、シリコーンゴム系等の硬化剤混合型、アクリレート系の嫌気硬化型、等の反応により硬化するタイプの接着剤、スチレンブタジエンゴム系、ポリオレフィン系の熱溶融型接着剤、アクリル樹脂系の感圧接着型接着剤(粘着剤)等より適宜選択して形成すればよく、更に保存や、製造工程、取扱易さを考慮してセパレート紙や易剥離加工したフィルム等の剥離層を設けてもよい。
接着層4の材料としては、シアノアクリレート系やシリコーンゴム系の湿気硬化型、エポキシ樹脂系、アクリル樹脂系の加熱硬化型、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系、シリコーンゴム系等の硬化剤混合型、アクリレート系の嫌気硬化型、等の反応により硬化するタイプの接着剤、スチレンブタジエンゴム系、ポリオレフィン系の熱溶融型接着剤、アクリル樹脂系の感圧接着型接着剤(粘着剤)等より適宜選択して形成すればよく、更に保存や、製造工程、取扱易さを考慮してセパレート紙や易剥離加工したフィルム等の剥離層を設けてもよい。
接着層4を形成する材料には、接着性を維持できる範囲で、熱伝導性を向上するために金属粒子、無機粒子等を添加することが更に好ましい。
接着層の形成方法としては、接着性の材料を塗布してもよいし、接着性を有するフィルムを貼り合わせることによって形成してもよい。接着層4は、所定の厚さ以上となると熱源から放熱構造体1への熱移動が妨げられるため接着層4の厚さは150μm以下であることが好ましい。
[その他の層]
又、本実施形態の放熱構造体1は、金属箔2の保護や、放熱構造体1の強度を考慮して金属箔2と輻射層3の間、金属箔2の輻射層3と反対面、金属箔2と接着層4の間に金属箔2の保護を目的とした保護層や放熱構造体1の強度アップを目的としたポリイミドフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルムの強化層を設けてもよい。
又、本実施形態の放熱構造体1は、金属箔2の保護や、放熱構造体1の強度を考慮して金属箔2と輻射層3の間、金属箔2の輻射層3と反対面、金属箔2と接着層4の間に金属箔2の保護を目的とした保護層や放熱構造体1の強度アップを目的としたポリイミドフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルムの強化層を設けてもよい。
又、放熱構造体1は、最外層、即ち、輻射層3の表面に更に各種の機能層を追加的に積層してもよい。そのような機能強化層の具体例として、自浄層、吸水層、保護層、反射層又は遮熱層等を挙げることができる。
自浄層は、輻射層3の表面に、蒸着又はスパッタ法により、酸化チタン層を形成することによって得ることができる。この層によって、輻射層3のセルフクリーニング機能の発現が可能となる。
吸水層としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール等の水溶性モノマーを重合した高分子等、各種の吸水性樹脂からなる層を挙げることができる。これらの層を最外層に形成することによって、例えば、一日のうちの温度が極めて大きい砂漠地帯等での使用を想定した場合等、低温時(夜)に、結露水分を吸収し、高温時(昼)に、この水分を蒸発させることで、その気化熱により、高温時の放熱構造体1の温度上昇を抑制することができる。
保護層としては、フッ素系樹脂、ウレタン系樹脂、メラミン系樹脂、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、単体からなる塗布液、上記樹脂とエポキシ基やイソシアネート基を有する架橋剤との組合せからなる熱硬化性塗布液、又は、上記樹脂と(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物及び熱又は光ラジカル発生剤との組合せからなるラジカル硬化性塗布液等によるコーティング層が挙げられる。これらの層を最外層に形成することによって、放熱構造体1の耐候性、耐久性を更に向上させることができる。
又、反射層又は遮熱層を設けることによって、放熱構造体1の温度上昇を抑制して、高温環境下においても、放熱効果を好ましい範囲に維持することができる。
上記構成を有する放熱構造体1は、その表面積の増大効果と、輻射層3による単位表面積あたりの放熱効率の向上の効果によって、高い放熱効率を有し、優れた冷却性能を発揮しえるものである。よって、このような放熱構造体1を、図4に示すように、太陽電池モジュール5の太陽光入射面Lと反対側の面に設置することによって、太陽電池モジュールの温度上昇を抑制して、太陽電池モジュールの発電効率の低下を防止することができる。
尚、放熱構造体1は、太陽電池モジュールの他の様々な熱源の冷却用途にも使用することができる。特に、大面積、軽量化を必要とする用途に好適に使用することができ、又、屋外での用途にも高い耐久性を示す。
[放熱構造体の製造方法]
放熱構造体1は、折り加工によって放熱フィンを立ち上げる折曲げ工程と、空洞部を保持するための止着部を形成する止着工程を含む以下の製造方法によって製造することができる。
放熱構造体1は、折り加工によって放熱フィンを立ち上げる折曲げ工程と、空洞部を保持するための止着部を形成する止着工程を含む以下の製造方法によって製造することができる。
(折曲げ工程)
金属箔2に輻射層3を積層した積層体フィルム10を用意して、必要に応じて更に接着層4を形成した後、輻射層3を外側とし、頂部21を間に挟んで、その両隣に谷折り部22を設けることによって、積層体フィルム10に形状付与を施し、中空の長楕円形状である放熱フィン12を形成する。このような折り加工は、装置による連続加工も可能であり高い生産性を保持しながらの製造が可能である。
金属箔2に輻射層3を積層した積層体フィルム10を用意して、必要に応じて更に接着層4を形成した後、輻射層3を外側とし、頂部21を間に挟んで、その両隣に谷折り部22を設けることによって、積層体フィルム10に形状付与を施し、中空の長楕円形状である放熱フィン12を形成する。このような折り加工は、装置による連続加工も可能であり高い生産性を保持しながらの製造が可能である。
(止着工程)
折曲げ工程後、速やかに、積層体フィルム10における止着部24を、接着層4を介した接着処理か、或いは、止着用の補助糸による縫合によって止着する。
折曲げ工程後、速やかに、積層体フィルム10における止着部24を、接着層4を介した接着処理か、或いは、止着用の補助糸による縫合によって止着する。
又、放熱構造体1においては、放熱フィンやシート面の端部からの金属箔2が露出した状態となると、例えば太陽電池モジュールの金属枠との間の短絡の危険があるため、金属箔2の形成を端面からの安全幅をとって、通常形成可能な範囲よりも若干狭い範囲に形成するか、或いは、輻射層3や接着層4を形成する樹脂シート等に予め適当な延設部分を設けてこの部分で封止することにより、不要な短絡を防止することが好ましい。
又、放熱構造体1は、薄く、加工性に優れる為、放熱フィン12のピッチPsx、放熱フィン12の高さHsは、同一のものを連続製造した上で、鋏等で切り取ることでフィンの高さを最終調整し熱分布の均一性を図ることもできる。
<放熱構造体を備える太陽電池モジュール>
放熱構造体1を太陽電池モジュール5と熱ラミネーション方法等により、熱融着することによって、図2及び図4に示すような放熱構造体1を有する太陽電池モジュール5とすることが出来る。
放熱構造体1を太陽電池モジュール5と熱ラミネーション方法等により、熱融着することによって、図2及び図4に示すような放熱構造体1を有する太陽電池モジュール5とすることが出来る。
放熱構造体1は、その熱伝導体11に接着層4を設けている場合には、接着層4を介して太陽電池モジュールの非受光側の面に接着される。この接着は、例えば、接着層4が熱溶融接着型や、又は、熱硬化型等の接着剤からなる層である場合には、熱圧着によることができる。そして、太陽電池モジュール作成のための熱ラミネーション処理時に、同処理の中で同時にこの熱圧着を行うことが可能である。
尚、太陽電池モジュール5の太陽電池素子と太陽電池素子の間に照射される反射層を設けることが知られているが、本実施形態の放熱構造体1は、太陽光の入射面側に反射率の高いアルミ箔が存在しているため、反射層を省略若しくは反射層に添加する酸化チタンの量を減らすことも可能であり、太陽電池モジュール5の耐久性の向上、全体としてのコスト削減にも貢献することが出来る。
又、太陽電池モジュール5を、適当な高さ、適当な角度で設置するために、比較的熱伝導率の高い素材からなる架台上に設置して使用する場合、放熱構造体1を、それらの架台側に設置することも、放熱構造体1の好ましい一実施形態の一つである。上記の架台を形成する比較的熱伝導率の高い素材の具体例としては、アルミや鉄、銅、ニッケル、コバルト、マンガン、錫等の金属、又はこれら金属の組合せからなる合金や、これら金属又は合金に各種メッキ処理を施した金属、若しくは、グラファイト等を挙げることができる。放熱構造体1は、取付け場所に応じたサイズ調整が容易であり、形状追従性にも優れるため、様々な形状、形態の架台に適用できる。これにより、架台からの熱伝導による太陽電池モジュールの温度上昇を抑制して発電力低下を防ぐことができる。
又、太陽電池モジュールに最終的に設置される金属フレーム等に放熱構造体1を予めドライラミネート等により設置しておき、熱ラミネーション処理を終えた太陽電池モジュール用の積層体への金属フレーム取付け時に、放熱構造体を太陽電池モジュールと一体化することもできる。これにより、太陽電池モジュールの熱ラミネーション時の加熱処理条件が放熱構造体の物性へ与える影響に起因する製造条件の制約を回避できる。
[実施例]
厚み50μmの帝人社製白色ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「白PETフィルム」とも記載)表面に、ロックペイント社製のウレタンポリオール系接着剤を乾燥膜厚7μmの厚みで塗布した後、金属箔2である40μmのアルミ箔上にドライラミネートした。次に金属箔2としてのアルミ箔の白PETフィルムとは逆の面にロックペイント社製のウレタンポリオール系接着剤を乾燥膜厚7μmの厚みで塗布した後、厚み80μmの三菱樹脂製ポリプロピレンフィルムを接着層4として重ね合わせ、白PETフィルム/アルミ箔(金属箔2)/ポリプロピレンフィルム(接着層4)よりなる積層体フィルムを作製した。次に白PETフィルムが表となるように、作製した積層体フィルムを図3に記載したようなフィンの高さHs=21mm程度、X軸方向でのフィンのピッチPsx=10mm程度の形状に手折加工し、更に、フィン幅Ws=5mm程度となる空洞部が保持された状態で、フィンの下端部を圧着接合して止着した後、平面視形状が38mm×38mmとなる様に裁断した。次に厚さ100μmの黒体テープ(レック社製 THI−2B−5(熱放射率カタログ値=0.95))で覆い、輻射層3を有する図3に記載したような放熱構造体を作製し、実施例の放熱構造体とした。
厚み50μmの帝人社製白色ポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「白PETフィルム」とも記載)表面に、ロックペイント社製のウレタンポリオール系接着剤を乾燥膜厚7μmの厚みで塗布した後、金属箔2である40μmのアルミ箔上にドライラミネートした。次に金属箔2としてのアルミ箔の白PETフィルムとは逆の面にロックペイント社製のウレタンポリオール系接着剤を乾燥膜厚7μmの厚みで塗布した後、厚み80μmの三菱樹脂製ポリプロピレンフィルムを接着層4として重ね合わせ、白PETフィルム/アルミ箔(金属箔2)/ポリプロピレンフィルム(接着層4)よりなる積層体フィルムを作製した。次に白PETフィルムが表となるように、作製した積層体フィルムを図3に記載したようなフィンの高さHs=21mm程度、X軸方向でのフィンのピッチPsx=10mm程度の形状に手折加工し、更に、フィン幅Ws=5mm程度となる空洞部が保持された状態で、フィンの下端部を圧着接合して止着した後、平面視形状が38mm×38mmとなる様に裁断した。次に厚さ100μmの黒体テープ(レック社製 THI−2B−5(熱放射率カタログ値=0.95))で覆い、輻射層3を有する図3に記載したような放熱構造体を作製し、実施例の放熱構造体とした。
[比較例]
フィンの内側部分となる接着層4の全面を止着して空洞部を有しないフィンとしたことの他は、実施例1の放熱構造体と、同一の積層体フィルムを材料とし、フィンを立ち上げるためのフィルムの折り位置を含め、同一製造条件で作成した放熱構造体を、比較例の放熱構造体とした。
フィンの内側部分となる接着層4の全面を止着して空洞部を有しないフィンとしたことの他は、実施例1の放熱構造体と、同一の積層体フィルムを材料とし、フィンを立ち上げるためのフィルムの折り位置を含め、同一製造条件で作成した放熱構造体を、比較例の放熱構造体とした。
[ソーラーシュミレーターによる評価]
太陽電池モジュールに放熱構造体を設けた際に効果をソーラーシュミレーターにて評価した。使用したソーラーシュミレーターは、三永電気製作所社製XES−180SIであり、1000W/m2の照射量で90分間測定した。下記表1に記載のモジュール温度は、照射後40分経過時から90分経過時までの太陽電池モジュールの中央部の平均温度である。この時、測定サンプルは、130mm×130mmの太陽電池モジュールの太陽光入射面Lの反対面(バックシート)に図4に記載したように38mm×38mmの放熱構造体5つを熱伝導テープを介し貼り付けたものである。測定結果を表1に記載する。尚、Refは、放熱構造体をつけていない太陽電池モジュールの値である。
太陽電池モジュールに放熱構造体を設けた際に効果をソーラーシュミレーターにて評価した。使用したソーラーシュミレーターは、三永電気製作所社製XES−180SIであり、1000W/m2の照射量で90分間測定した。下記表1に記載のモジュール温度は、照射後40分経過時から90分経過時までの太陽電池モジュールの中央部の平均温度である。この時、測定サンプルは、130mm×130mmの太陽電池モジュールの太陽光入射面Lの反対面(バックシート)に図4に記載したように38mm×38mmの放熱構造体5つを熱伝導テープを介し貼り付けたものである。測定結果を表1に記載する。尚、Refは、放熱構造体をつけていない太陽電池モジュールの値である。
表1により、本発明の製造方法によって製造することができる放熱構造体は、太陽電池モジュールへ使用時に、十分に優れた放熱効果を示し、太陽電池モジュールの起電力向上に効果があることが明らかとなった。
1 放熱構造体
11 熱伝導体
12 放熱フィン
2 金属箔
3 輻射層
4 接着層
5 太陽電池モジュール
21 頂部
22 谷折り部
23 空洞部
24 止着部
L 太陽光入射面
Hs フィンの高さ
Ws フィン幅
Psx フィンのピッチ
Psw フィン間の距離
11 熱伝導体
12 放熱フィン
2 金属箔
3 輻射層
4 接着層
5 太陽電池モジュール
21 頂部
22 谷折り部
23 空洞部
24 止着部
L 太陽光入射面
Hs フィンの高さ
Ws フィン幅
Psx フィンのピッチ
Psw フィン間の距離
Claims (3)
- 熱伝導体上に、複数の放熱フィンが設置されてなる放熱構造体であって、
前記放熱フィンは、金属箔の表面に樹脂を含んでなる輻射層が形成されている積層体フィルムが、折り加工及び/又は曲げ加工されて、前記輻射層を最外層として前記熱伝導体上に縦立しており、
該放熱フィンは、相互に対面する前記積層体フィルムの内側に中空の空洞部が形成されている中空フィンである放熱構造体。 - 前記積層体フィルムを折り加工することによって、前記熱伝導体及び前記放熱フィンを一体成型したものである請求項1に記載の放熱構造体。
- 請求項1又は2に記載の放熱構造体を備える太陽電池モジュール。
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---|---|---|---|
JP2014132589A JP2016012619A (ja) | 2014-06-27 | 2014-06-27 | 放熱構造体及び放熱構造体を備える太陽電池モジュール |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018142879A1 (ja) * | 2017-02-06 | 2018-08-09 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 熱伝導シートおよび多重熱伝導シート |
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-
2014
- 2014-06-27 JP JP2014132589A patent/JP2016012619A/ja active Pending
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---|---|---|---|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
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