JP2016011622A - エンジン作業機 - Google Patents

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直人 一橋
Naoto Ichihashi
直人 一橋
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Abstract

【課題】シリンダカバーにおける風窓周囲が高温とならず、シリンダカバーを構成する樹脂材料が経年変化により劣化しにくいエンジン作業機を提供する。
【解決手段】シリンダ10がシリンダカバー40で覆われた空間であるシリンダ側空間40Dにおいては、主冷却風CA1はシリンダ10の右側、主冷却風CA2はシリンダ10の左側をそれぞれ通り後方に流れ、これらはシリンダ10の後方側で合流する。バイパス冷却風CA3は、シリンダ側空間40Dと隔離されたバイパス通路P内にバイパス通路入口P1から侵入し、後方における隔壁41の湾曲した部分に沿って右側に向かって流れる。低温のバイパス冷却風CA3を高温の主冷却風CA1、CA2と合流させることによって、風窓から排出される冷却風CAの温度を低下させることができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、空冷エンジンが用いられたエンジン作業機に関する。
刈払機、ヘッジトリマ、送風機、チェーンソー、パワーカッタ等、作業者が携帯して使用する携帯用作業機や、発電機には、動力源として小型のエンジンが用いられる。図8は、こうした一例である刈払機300の構成を示す斜視図である。この刈払機300においては、細長いシャフト(操作棹)310の一端(後端)側に設けられた動力部320中にエンジンが内蔵される。このエンジンの回転運動がシャフト310の他端(前端)側に設けられた切断刃330に伝達され、回転する切断刃330によって草木等の切断が行われる。作業者は、シャフト310に装着されたハンドル340を把持することによって、この刈払機300を操作して生垣等の切断作業を行うことができる。シャフト310の内部には、エンジンの回転運動を伝達するための伝達軸が設けられている。
エンジンからの排気ガスは、シリンダに設けられた排気ポートを介して、消音のために設けられたマフラを介して外部に排気される。動作時には、エンジンの冷却を行う必要があるが、ここで使用されるエンジンは、小型、軽量であることが要求されるため、空冷式とされる場合が多い。このエンジンの冷却は、クランク軸に固定された冷却ファンが生成する冷却風によって、クランク軸の回転に伴って絶えず行われる。また、動作時に高温となるシリンダは樹脂製のシリンダカバーで覆われ、この冷却風がこのシリンダカバーで覆われた内部を流れ、シリンダを効率的に冷却する構成とされる。装置全体の軽量化のために、シリンダカバーは、軽量の樹脂材料で構成される。こうした構成は、例えば特許文献1に記載されている。この構成においては、クランク軸に冷却ファンが固定されているために、エンジンの動作中(クランク軸が回転している間)においては、絶えずシリンダが冷却される。このため、動作時にこれらが過熱することが自動的に抑制される。
また、図8において、通常は刈払機300を使用する際には、作業者はシャフト310の左側に位置した状態でハンドル340を把持して作業を行う。このため、排気ガスを放出するマフラは、通常は作業者の反対側となる動力部320における右側に設けられる。マフラからの排気ガスや、シリンダを冷却した後の冷却風は、動力部320から後方に向かって排出される。動力部320の後方において、樹脂製のシリンダカバーにはメッシュ状とされた風窓が設けられ、シリンダを冷却した後の冷却風がこの風窓から後方に向かって排出される。
特開2013−213414号公報
シリンダカバーにおけるメッシュ状とされた部分、あるいは風窓周囲は高温となりやすい。この場合、シリンダカバーは、シリンダとは直接接さないためにシリンダカバーが溶けるような高温となることはないものの、長期間の使用後にシリンダカバーを構成する樹脂材料が経年変化により劣化しやすかった。
こうした劣化を発生させないためには、シリンダカバーを構成する樹脂材料として、特に耐熱性の高い高価な樹脂材料を用いることが必要となった。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、上記の問題点を解決する発明を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決すべく、以下に掲げる構成とした。
本発明のエンジン作業機は、前後方向に延伸するクランク軸の前方に固定された冷却ファンによって生成された冷却風が、前記冷却ファンの後方においてシリンダがシリンダカバーで覆われて形成されたシリンダ室を流れた後で前記シリンダカバーから排出される構成を具備するエンジン作業機であって、前記冷却風が、前記シリンダ室において前記シリンダに前方から当たる主冷却風と、前記シリンダ室において前記シリンダに前方から当たらず前記主冷却風と隔離されて流れた後で前記主冷却風に合流するバイパス冷却風とに、分離されるように構成されたことを特徴とする。
本発明のエンジン作業機において、前記主冷却風は前記シリンダカバーの後方に排出される構成とされ、前記バイパス冷却風は、前記シリンダの後方で前記主冷却風と合流することを特徴とする。
本発明のエンジン作業機は、平面視において、前記シリンダにおける一方の側に気化器が、前記シリンダにおける他方の側にマフラがそれぞれ接続され、前記バイパス冷却風は、前記シリンダにおける一方の側を流れる構成とされたことを特徴とする。
本発明のエンジン作業機は、前記バイパス冷却風を流すバイパス通路が前記シリンダカバーに形成されたことを特徴とする。
本発明のエンジン作業機は、前記バイパス通路の出口において、前記バイパス冷却風は前後方向と交差する方向に発せられる構成とされたことを特徴とする。
本発明のエンジン作業機において、前記バイパス通路の出口は、前後方向において前記シリンダよりも後方に設けられたことを特徴とする。
本発明のエンジン作業機は、前記冷却風を前記シリンダ室の外部に排出させる風窓が前記シリンダカバーの後方に設けられ、前後方向において、前記出口は、前記シリンダと前記風窓との間に設けられたことを特徴とする。
本発明のエンジン作業機は、前記シリンダカバーの内面における一側面と前記シリンダとの間において、前後方向に延伸しかつ後方において前記シリンダ側に湾曲した隔壁が、前記シリンダと非接触の状態で設けられたことを特徴とする。
本発明のエンジン作業機は、前記冷却ファンの前方に設けられた操作棹と、前記操作棹の前端側に設けられ前記クランク軸の回転運動によって駆動される刈刃と、を具備する刈払機であることを特徴とする。
本発明は以上のように構成されているので、シリンダカバーを耐熱性の低い安価な材料で構成することができる。
本発明の実施の形態となるエンジン作業機における動力部の正面図である。 本発明の実施の形態となるエンジン作業機における動力部の斜視図である。 本発明の実施の形態となるエンジン作業機における動力部のA−A方向の断面図である。 本発明の実施の形態となるエンジン作業機における動力部のB−B方向の断面図である。 本発明の実施の形態となるエンジン作業機における動力部のC−C方向の断面図である。 本発明の実施の形態となるエンジン作業機において用いられるシリンダカバーの内面の形状を示す斜視図である。 本発明の実施の形態となるエンジン作業機の変形例の動力部の断面図である。 小型の空冷エンジンが用いられるエンジン作業機の構成の一例を示す斜視図である。
本発明の実施の形態となるエンジン作業機(刈払機)の構成について説明する。この刈払機においては、空冷エンジンが動力源として使用されており、その全体構成は図8に示されたものと同様である。この空冷エンジンにおいては、クランク軸に固定された冷却ファンで生成された冷却風によって、シリンダカバー内でシリンダが冷却される。この際、冷却風のシリンダカバーからの出口における温度が低くなるために、シリンダカバーが高温とならず、シリンダカバーを構成する材料の劣化が抑制される。
図1は、この刈払機において使用される動力部100の構成を示す正面図であり、図8におけるシャフト310側から動力部320を見た図に相当する。図2は、この動力部100を斜め後方から見た斜視図である。図3は図1におけるA−A方法の断面図、図4は図3におけるB−B方向の断面図、図5は図4におけるC−C方向の断面図である。以下では図1における紙面手前方向を前方、紙面向こう側方向を後方とする。これは、図8の刈払機300を実際に使用する際の作業者にとっての前後方向と一致する。これに応じて、実際に使用される際の左側は図1における右側、実際に使用される際の右側は図1における左側となる。
図3においては、動力部100のシャフト30(図8におけるシャフト310に対応)に沿った断面構造が示されている。この動力部100において使用されるエンジンにおいては、冷却風によって冷却(空冷)されるシリンダ10の下にクランクケース20が設けられている。シリンダ10には、水平面内に延伸する冷却フィンが平行に複数形成されており、この冷却フィン間を冷却風が通過することによって、特に効率的にシリンダ10の冷却が行われる。
シリンダ10中に設けられたピストン11の上下方向の往復運動は、クランクケース20中に設けられコンロッド21を介してピストン11に接続されたクランク軸22の回転運動として出力される。クランク軸22は、シャフト30と同軸とされ、前後方向(図3における紙面左右方向、図1における紙面垂直方向)に延伸する。このクランク軸22の回転運動は、前方の遠心クラッチ23を介して、シャフト30中の伝達軸31に伝達される。これによって、図9における切断刃330等を駆動することができる。また、クランクケース20の下側には、燃料が溜められた燃料タンク24が設けられている。図1、2に示されるように、燃料タンク24にはタンクキャップ25が装着され、タンクキャップ25を取り外すことによって燃料タンク24内に燃料を溜めることができる。
図4においては、動力部100におけるクランク軸22に垂直な方向の断面構造が示されており、この図ではクランク軸22はコンロッド21の陰に隠れている。また、図4においては、左右方向が図1とは逆転している。シリンダ10における左側には混合気を吸入するための吸気口12が設けられ、吸気口12を囲むように筒状の吸気管13が接続される。吸気管13の左側には、気化器14、エアクリーナ15が順次接続される。吸気管13とシリンダ10との間には、これらの間の気密性を保持するために吸気管パッキン16が挟持されている。吸気管パッキン16は吸気口12に対応した開口部が設けられた板状とされ、吸気管13よりも上側に突出した形態とされる。
エアクリーナ15を介して空気が、燃料タンク24から燃料が気化器14にそれぞれ供給されることによって空気と燃料の混合気が生成され、この混合気が、吸気口12(吸気管13)を介してシリンダ10内に供給される。一方、シリンダ10の右側(図1における左側)には、シリンダ10に設けられた排気口17を介してマフラ18が装着され、シリンダ10からの排気ガスがマフラ18を介して外部に排出される。マフラ18の中には、排気ガス中の有害成分を除去するために触媒材料が設置されている。排気ガスは、マフラ18の後方側から排出される。
また、シリンダ10の上側には、燃焼室内の混合気に点火をするための点火プラグ26が設けられ、点火プラグ26には、プラグキャップ27を介して、点火装置28で生成された電流が流される。また、図2、3に示されるように、クランク軸22の後方(図3における右方)には、強制的にクランク軸22を回転させてこのエンジンを始動させるための始動装置29が設けられている。
シリンダ10は、運転時には内部で混合気が燃焼するために高温となる。このため、シリンダ10はシリンダカバー40の内面との間に空隙が設けられた状態でシリンダカバー40によって上側から覆われ、この空隙を流れる冷却風によって冷却される。シリンダカバー40は、例えば軽量な樹脂材料等で構成される。同様に、マフラ18もマフラカバー50で覆われている。
運転時にシリンダ10等を冷却するために、この動力部100においては、冷却風が用いられている。このために、図3に示されるように、クランク軸22の前方側には冷却ファン19が固定され、冷却ファン19はファンケース51で前方から覆われている。冷却ファン19は遠心ファンとされ、冷却ファン19がファンケース51内で回転することによって、冷却風が生成される。この冷却風CAの鉛直方向における流れは、図3において矢印で示されるように、下側(冷却ファン19側)から上側(シリンダ10側)に向かい、その後で後方に向かう。このため、冷却風CAは、シリンダ10を冷却してから、図2に示されるようにシリンダカバー40の後方において設けられたメッシュ状の風窓40Aから外部に排出される。なお、マフラカバー50、ファンケース51もシリンダカバー40と同様に軽量の樹脂材料で構成され、実際にはこれらは組み合わされることによって一体化されている。
上記の動力部100における冷却風CAの流れは、前記の通り、鉛直方向では図3に示される通りとなっている。しかしながら、この冷却風CAは水平面内では分割され、そのうちの一つの流れは、シリンダ10から隔離された箇所を通過するように設定される。以下に、この点を中心に説明する。
図6は、こうした流れを生成するための構造が設けられたシリンダカバー40の形状を示す斜視図である。図6は、シリンダカバー40を斜め下側から見た斜視図となっている。前記の通り、冷却風CAは、全体としてはシリンダカバー40内を前方から後方(図6においては左下側から右上側)に向かって流れ、シリンダカバー40の背面側には冷却風CAの出口となる風窓40Aが設けられている。
このシリンダカバー40の上面内側には、水平方向における冷却風CAの流れを分割する隔壁41が設けられている。隔壁41は、前方では近接して対向するシリンダカバー40の側面(シリンダカバー側面40B)と平行に前後方向に延伸する部分を具備する。また、隔壁41は、後方においてはシリンダカバー40の背面(シリンダカバー背面40C)と平行に近づくように、シリンダカバー側面40Bから離れるように湾曲している。このため、シリンダカバー40が装着された状態においては、隔壁41とシリンダカバー側面40B、シリンダカバー背面40Cとの間に、冷却風CAのバイパス通路Pが形成され、隔壁41の前端部側はこのバイパス通路Pにおける冷却風CAの入口(バイパス通路入口P1)、隔壁41の後端部側は出口(バイパス通路出口P2)となる。隔壁41は、シリンダカバー40の成形時にシリンダカバー40と一体として形成することができる。図4においてはバイパス通路Pと垂直な構造が、図5においてはバイパス通路Pを含む水平面内の構造が示されている。
図4に示されるように、このシリンダカバー40が装着された状態においては、隔壁41は、シリンダカバー側面40Bとシリンダ10の間において、シリンダ10と非接触の状態とされて存在する。隔壁41の下端は、上側に突出した吸気管パッキン16の上端部と接する設定とされる。また、シリンダカバー側面40Bの下端は、吸気管13の上面に設けられたシリンダカバー係止部13Aと接する設定とされる。このため、図4においては、バイパス通路Pは、シリンダカバー40の上面、シリンダカバー側面40B、吸気管13(シリンダカバー係止部13A)、隔壁41で仕切られ、隔壁41よりも右側のシリンダ10が設けられた領域(シリンダ側空間40D)とは分離される。なお、隔壁41はシリンダ10とは直接接さず、吸気管パッキン16とは直接接するものの、吸気管パッキン16は断熱材料で形成されるため、シリンダ10の熱が隔壁41に伝わることは抑制される。また、隔壁41を断熱板で形成し、これをシリンダカバーに装着してバイパス通路Pを形成してもよい。
図5に示されるように、上記の構成により、冷却風CAは、水平面内においては代表的に、主冷却風CA1、CA2、バイパス冷却風CA3の3つに分けて考えることができる。主冷却風CA1、CA2、バイパス冷却風CA3はいずれも冷却ファン19がファンケース51で囲まれて形成された空間である冷却ファン側空間51Aで生成される。主冷却風CA1、CA2、バイパス冷却風CA3は外気から生成されるために、これらはいずれも冷却ファン側空間51A内では低温である。その後、主冷却風CA1、CA2、バイパス冷却風CA3は、後方側に向かって流れる。ここで、シリンダ10がシリンダカバー40で覆われた空間であるシリンダ側空間40Dにおいては、主冷却風CA1はシリンダ10の右側(図5における左側)、主冷却風CA2はシリンダ10の左側(図5における右側)をそれぞれ通り後方に流れ、これらはシリンダ10の後方側で合流する。このため、シリンダ10は、主冷却風CA1、CA2によって冷却(空冷)され、シリンダ10の後方に達した主冷却風CA1、CAは高温となる。
一方、バイパス冷却風CA3は、シリンダ側空間40Dと隔離されたバイパス通路P内にバイパス通路入口P1から侵入し、後方における隔壁41の湾曲した部分に沿って右側(図5における左側)に向かって流れる。その後、バイパス冷却風CA3は、バイパス通路出口P2から出てから、シリンダ側空間40Dにおけるシリンダ10の背面側において主冷却風CA1、CA2と合流する。バイパス冷却風CA3は、バイパス通路出口P2から出るまでは、高温となるシリンダ10と接することはないため、バイパス冷却風CA3は低温の状態でシリンダ10の背面側に達する。
このように、シリンダ10の後方側で、低温のバイパス冷却風CA3を高温の主冷却風CA1、CA2と合流させることによって、風窓40Aから排出される冷却風CAの温度を低下させることができる。このため、風窓40Aを構成するシリンダカバー40の温度の上昇を抑制し、その劣化を抑制することができる。このため、シリンダカバー40を構成する樹脂材料として、耐熱性の低い安価な材料を用いることができる。
また、図5の構成においては、主冷却風CA1、CA2は前方からそれぞれシリンダ10の右側、左側を流れるために、シリンダ10の背面側には主冷却風CA1、CA2は直接当たらない。更に、主冷却風CA1、CA2がシリンダ10の背面側に達した際には、主冷却風CA1、CA2は高温となっているため、シリンダ10の背面側を主冷却風CA1、CA2によって冷却することは困難である。しかしながら、冷却することによってエンジンの性能を安定して保持し、その寿命を長くするためには、シリンダ10の冷却は均一(一様)に行われることが好ましい。
これに対して、図5におけるバイパス冷却風CA3は、低温の状態でシリンダ10の後方に沿って流れるため、これによってシリンダ10の背面側を、効率的に冷却することもできる。すなわち、主冷却風CA1、CA2の経路とは熱的に分離されたバイパス通路P中にバイパス冷却風CA3を流すことで、シリンダ10の冷却を一様に行うこともできる。
図5においては、バイパス冷却風CA3が通過するバイパス通路Pは、シリンダ10と気化器14の間に設けられている。これとは反対側に同様の構成を設け、バイパス通路をマフラ18とシリンダ10の間に設けることも可能である。ただし、マフラ18にはシリンダ10から伝熱があることに加え、内部の触媒材料による触媒反応によってマフラ18自身も熱源となるため、一般にマフラ18は運転時に高温となりやすい。これに対して、気化器14は熱源とはならず、かつ内部に燃料が溜められるために、気化器14は低温となる。このため、バイパス冷却風CA3を低温とした状態でバイパス通路Pから発するためには、バイパス通路Pを気化器14側に設けた構成が特に好ましい。また、気化器14が接続される吸気口12と、マフラ18が接続される排気口17とは、シリンダ10における相対する側(一方の側と他方の側)にそれぞれ設けることが好ましい。ただし、エンジンの前方側にはシャフト30や冷却ファン19、ファンケース51等の構造物が設けられる。このため、気化器14(吸気口12)、マフラ18(排気口17)を伝達軸31あるいはクランク軸22から見て左右に設けることが好ましく、気化器14が設けられた側(一方の側)にバイパス通路Pを設けた上記の構成が特に好ましい。
また、図5の構成においては、隔壁41を湾曲させることによって、バイパス通路出口P2から発せられるバイパス冷却風CA3の方向を、左方から右方に向かう方向とした。これによって、バイパス冷却風CA3を主冷却風CA1、CA2と混合させ、風窓40Aから排出される冷却風CAの温度を低くすることができる。しかしながら、バイパス通路出口P2からバイパス冷却風CA3を後方に発した場合でも、主冷却風CA1、CA2とバイパス冷却風CA3とが混合する限りにおいて、同様の効果を奏することは明らかである。ただし、主冷却風CA1、CA2の流れる方向(前後方向)とバイパス通路出口P2からバイパス冷却風CA3が発せられる方向とが交差する場合において、特に上記の効果が大きくなる。
この際、バイパス通路出口P2の前後方向における位置は、隔壁41の位置、形状によって調整することが可能である。バイパス通路出口P2の前後方向における位置をシリンダ10よりも後方とした場合には、バイパス冷却風CA3をシリンダ10に当てることなく、主冷却風CA1、CA2の合流させることができる。これによって、風窓40Aから排出される冷却風CAの温度を特に低くすることができる。
一方、隔壁41の形状を調整してバイパス通路出口P2の前後方向における位置を、シリンダ10の背面よりも前方とすることもできる。この場合には、バイパス冷却風CA3によるシリンダ10の背面側の冷却効率を高くすることができる。
すなわち、隔壁41の形状、位置を調整することによって、風窓40Aから排出される冷却風CAの温度を低くするという特性、あるいはシリンダ10の冷却を均一に行うという特性のどちらを主とするかを、設定することができる。また、シリンダカバー背面40Cが存在すれば、バイパス冷却風CA3はシリンダカバー背面40Cに沿って右側に向かって流れるため、隔壁41を前後方向において短くし、かつ隔壁41を湾曲した形状としない場合でも、バイパス冷却風CA3を主冷却風CA1、CA2と合流させることができる。このため、バイパス通路出口P2が設けられる限りにおいて、隔壁41は、前後方向に前後方向に延伸する部分のみを具備し湾曲した形状を具備しなくともよい。
なお、主冷却風CA1、CA2をシリンダ10の冷却後にマフラカバー内に導入し、バイパス冷却風CA3をマフラカバー内でこれらに合流させることもできる。この場合には、主冷却風CA1、CA2がシリンダ10とマフラ18を冷却しながら流れた後に、マフラ18の後方側でバイパス通路Pを合流させることで、排出される冷却風の温度を特に低くすることができる。
上記の構成では、シリンダカバー40の上面に設けられた隔壁41を用いて、低温のバイパス冷却風CA3を主冷却風CA1、CA2と分岐させて生成させたが、他の構成によって、同様に低温のバイパス冷却風CA3を生成することもできる。図7は、上記の動力部100の変形例である動力部110の構成を示す、図5に対応した断面図である。ここで用いられるシリンダカバー140においては、その内面に隔壁は形成されていない。その代わりに、シリンダカバー140の前面側から背面側を接続する管状のバイパスチューブ部141が、シリンダカバー140の左側に設けられている。この場合には、バイパス冷却風CA3が通過するバイパス通路Pは、バイパスチューブ部141の内部となり、バイパス通路入口P1はバイパスチューブ部141とシリンダカバー140の前方側の接続点、バイパス通路出口P2はバイパスチューブ部141とシリンダカバー140の後方側の接続点となる。冷却風CA3は、バイパス通路出口P2から、シリンダ10がシリンダカバー140で覆われて形成されたシリンダ側空間140D内に侵入する。バイパスチューブ部141とシリンダカバー140の接続点を調整することによって、前記と同様に、バイパス冷却風CA3によって得られる特性を調整することができる。
図7の構成においても、バイパスチューブ部141が設けられたシリンダカバー140を一体成型によって製造することができる。図7の構成においては、バイパス通路Pとシリンダ10との距離を大きくし、シリンダ10の発熱がバイパス通路P内のバイパス冷却風CA3に及ぼす影響を特に低減することができる。このため、バイパス冷却風CA3がもたらす上記の効果を特に高めることができる。前記のシリンダカバー40においては内部に隔壁41等が設けられたのに対し、このシリンダカバー140においては、バイパスチューブ部141を外部に装着することによってバイパス通路Pが確保され、シリンダカバー140の内部の構造は、従来のものと同様となる。
この他、シリンダに当たらない状態でバイパス冷却風CA3をシリンダの後方まで流すバイパス通路Pが形成できる限りにおいて、バイパス通路Pの形成方法は任意である。上記の例では、バイパス通路Pはシリンダカバーの一部を利用して形成されたが、バイパス通路Pをシリンダカバーとは別の構造物を用いて形成してもよい。
また、上記の構成では、上記の動力部100が用いられるのは刈払機であるものとしたが、同様に冷却ファン、マフラ、ハウジング等が用いられたエンジン作業機であれば、上記の構成が有効であることは明らかである。この際、上記の構成は樹脂製の軽量なシリンダカバーが用いられる場合に特に有効であるため、携帯して使用されるエンジン作業機において、特に上記の構成は有効である。
10 シリンダ
11 ピストン
12 吸気口
13 吸気管
13A シリンダカバー係止部
14 気化器
15 エアクリーナ
16 吸気管パッキン
17 排気口
18 マフラ
19 冷却ファン
20 クランクケース
21 コンロッド
22 クランク軸
23 遠心クラッチ
24 燃料タンク
25 タンクキャップ
26 点火プラグ
27 プラグキャップ
28 点火装置
29 始動装置
30、310 シャフト(操作棹)
31 伝達軸
40、140 シリンダカバー
40A 風窓
40B シリンダカバー側面
40C シリンダカバー背面
40D、140D シリンダ側空間
50 マフラカバー
51 ファンケース
51A 冷却ファン側空間
100、320 動力部
141 バイパスチューブ部
300 刈払機(エンジン作業機)
330 切断刃
340 ハンドル
CA 冷却風
CA1、CA2 主冷却風(冷却風)
CA3 バイパス冷却風(冷却風)
P バイパス通路
P1 バイパス通路入口
P2 バイパス通路出口

Claims (9)

  1. 前後方向に延伸するクランク軸の前方に固定された冷却ファンによって生成された冷却風が、前記冷却ファンの後方においてシリンダがシリンダカバーで覆われて形成されたシリンダ室を流れた後で前記シリンダカバーから排出される構成を具備するエンジン作業機であって、
    前記冷却風が、前記シリンダ室において前記シリンダに前方から当たる主冷却風と、前記シリンダ室において前記シリンダに前方から当たらず前記主冷却風と隔離されて流れた後で前記主冷却風に合流するバイパス冷却風とに、分離されるように構成されたことを特徴とするエンジン作業機。
  2. 前記主冷却風は前記シリンダカバーの後方に排出される構成とされ、
    前記バイパス冷却風は、前記シリンダの後方で前記主冷却風と合流することを特徴とする請求項1に記載のエンジン作業機。
  3. 平面視において、前記シリンダにおける一方の側に気化器が、前記シリンダにおける他方の側にマフラがそれぞれ接続され、前記バイパス冷却風は、前記シリンダにおける一方の側を流れる構成とされたことを特徴とする請求項1又は2に記載のエンジン作業機。
  4. 前記バイパス冷却風を流すバイパス通路が前記シリンダカバーに形成されたことを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のエンジン作業機。
  5. 前記バイパス通路の出口において、前記バイパス冷却風は前後方向と交差する方向に発せられる構成とされたことを特徴とする請求項4に記載のエンジン作業機。
  6. 前記バイパス通路の出口は、前後方向において前記シリンダよりも後方に設けられたことを特徴とする請求項4又は5に記載のエンジン作業機。
  7. 前記冷却風を前記シリンダ室の外部に排出させる風窓が前記シリンダカバーの後方に設けられ、前後方向において、前記出口は、前記シリンダと前記風窓との間に設けられたことを特徴とする請求項6に記載のエンジン作業機。
  8. 前記シリンダカバーの内面における一側面と前記シリンダとの間において、
    前後方向に延伸しかつ後方において前記シリンダ側に湾曲した隔壁が、前記シリンダと非接触の状態で設けられたことを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載のエンジン作業機。
  9. 前記冷却ファンの前方に設けられた操作棹と、
    前記操作棹の前端側に設けられ前記クランク軸の回転運動によって駆動される刈刃と、を具備する刈払機であることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載のエンジン作業機。
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