JP2016011576A - 小便器 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、従来のように、環境負荷の要因となる殺菌成分や酸性成分を含有させた液体を排水管に流入させることなく、小便器に接続された排水管に尿石が発生することを抑制することができる小便器を提供することを目的とする。【解決手段】排水管に接続される小便器であって、尿を受けるボウル部と、前記ボウル部の底部に開口した、前記排水管に通じる排水口と、を備え、尿石の成分となる尿石成分イオンが前記排水管に流入することを抑制できるよう、ボウル部が受けた尿が前記排水管に流入する前に該尿中に含まれる尿石成分イオンを捕集する尿石成分イオン捕集手段を設けたことを特徴とする。【選択図】図5

Description

本発明は、排水管に接続される小便器に関する。
男子用の小便器接続された排水管では、尿石が発生し、尿や洗浄水の流れを悪化させたり排水管を閉塞して小便器を使用不能の状態にしてしまうといった問題がある。尿石は、次のようなプロセスで生じると考えられている。すなわち、排水管に残留した尿中に含まれる尿素が排水管内の細菌により分解されてアンモニアを生成し、これにより排水管に残留した尿を含む排水のpHを上昇する。pHが高くなると、尿中に含有されているカルシウムイオンやマグネシウムイオンがリン酸イオンと等と反応して生成するカルシウム化合物やマグネシウム化合物の溶解度が低下し、これらの化合物が析出する。これが尿石である。
従来より、こうした尿石の発生を防止するために、排水管に尿石の発生を防止するための成分を含有させた洗浄水や排水を流入させる方法が知られている。例えば、特許文献1に記載されているように、排水管に流れ込む排水に予めpHを低下させる薬剤を溶解させることで排水管に低pHの排水を流入させて尿石の発生を防止する小便器や、排水管に殺菌成分を含有させた洗浄水を供給することで排水管内の殺菌を行い、pHの上昇を抑制し、尿石の発生を防止している小便器が知られている。
特開2002−326098号公報
しかし、従来の方法では、尿石の発生を抑制するために、排水管に殺菌成分や酸性成分を含有させた液体を流し込む必要があるため、結果的にこうした成分が排水管を通して外部へ流出されることを考えると、環境負荷の観点から好ましくない。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、従来のように、環境負荷の要因となる殺菌成分や酸性成分を含有させた液体を排水管に流入させることなく、小便器に接続された排水管に尿石が発生することを抑制することができる小便器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る小便器は、排水管に接続される小便器であって、尿を受けるボウル部と、前記ボウル部の底部に開口した、前記排水管に通じる排水口と、を備え、尿石の成分となる尿石成分イオンが前記排水管に流入することを抑制できるよう、ボウル部が受けた尿が前記排水管に流入する前に該尿中に含まれる尿石成分イオンを捕集する尿石成分イオン捕集手段を設けたことを特徴とする。
本発明に係る小便器は、尿石成分イオン捕集手段は、使用者から排出された尿が小便器に接続される排水管に流入する前に、その尿中に含まれる尿石成分イオンを捕集する。したがって、排水管に流入する尿に含まれる尿石成分イオンの量を低減させることができる。これにより、排水管に尿が残留しても、排水管に残留する尿石成分イオンの量を低減させることができるため、尿石の発生を抑制することができる。このように、本発明では、pHの上昇を抑えるための殺菌成分や酸性成分を含有させた液体を排水管に流入させることなく、尿石の発生を抑制できるため、環境負荷を低減しつつ、尿石の発生を抑制することができる。
また、本発明に係る小便器では、前記排水口に連通し、封水を形成するトラップ部を有し、前記尿石成分イオン捕集手段は、尿石成分イオンを静電引力により吸着すると共に、吸着した尿石成分イオンを保持するよう構成された尿石成分イオン吸着手段であり、前記尿石成分イオン吸着手段は、前記封水に浸漬配置されていることも好ましい。
高い流速で流れる尿から静電引力により尿石成分イオンを吸着しようとすると、尿石成分イオンを尿石成分イオン吸着手段まで引き寄せる前に、尿と共に尿石成分イオンが流れ去ってしまい、尿から十分に尿石成分イオンを吸着できない恐れがある。そこで本発明では、尿石成分イオン吸着手段を封水に浸漬させ、封水に流入した尿から尿石成分イオンを吸着するようにした。封水に流入した尿が封水内を流れる速度は、ボウル部を流れる尿よりも遅いか、または尿が封水内で停滞して停止した状態となる。したがって、封水に流入した尿から尿石成分イオンを吸着するようにすることで、流速が高くて尿から静電引力で尿石成分イオンを吸着し損ねることを抑制できるため、効率的に尿石成分イオンを吸着することができる。
また、本発明に係る小便器では、前記トラップ部は、前記排水口に連通し、下方に向かって延びる下降流路と、前記下降流路の下流端部に連通し、上方に向かって延びる上昇流路と、を有し、前記尿石成分イオン吸着手段は、前記下降流路に貯溜されている封水に浸漬されていることも好ましい。
排水口に連通している下降流路には、排水口より尿が流入するため、下降流路に貯溜されている封水は、流入する尿により渦状の流れを生じやすい。流入する尿の瞬間流量は比較的小さいため、下降流路に貯留されている封水に生じる渦状の流れの速度は比較的小さくなる。ここで、渦状の流れの速度が大きいと、静電引力により尿石成分イオンを吸着しようとしても、尿石成分イオン吸着手段まで引き寄せる前に、尿石成分イオンが尿石成分イオン吸着手段から遠ざかってしまい、尿から十分に尿石成分イオンを吸着できなくなってしまう。一方、封水に流れが一切ない場合は、静電引力が作用しないような、尿石成分イオン吸着手段から離れた位置に存在する尿石成分イオンを吸着することが困難なため、こちらについても尿から十分に尿石成分イオンを吸着できなくなってしまう恐れがある。したがって、本発明のように、流速が小さな渦状の流れが生じやすい下降流路に貯留されている封水に尿石成分イオン吸着手段を浸漬させることにより、尿石成分イオン吸着手段から離れた位置に存在する尿石成分イオンであっても、静電引力により尿石成分イオン吸着手段まで引き寄せることが可能な速度で、尿石成分イオンが渦状の流れにより尿石成分イオン吸着手段の近傍まで移動しやすくなるため、トラップ部内に流入する尿から、尿石成分イオンをより効率的に吸着することができる。
また、本発明に係る小便器では、使用者を検知する人体検知手段と、前記ボウル部に洗浄水を供給する洗浄水供給手段と、前記人体検知手段からの検知信号に基づいて前記尿石成分イオン吸着手段および前記洗浄水供給手段を制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、トラップ部に流入した尿中に含まれる尿石成分イオンを静電引力により吸着する吸着モードを実行可能であり、前記人体検知手段が使用者を検知した状態から、使用者を検知しなくなった状態に変化した後に、前記洗浄水供給手段から洗浄水を供給するよう構成され、さらに、前記制御手段は、前記洗浄水供給手段により洗浄水を供給する前に前記吸着モードを実行することも好ましい。
この好ましい態様では、人体検知手段の検知信号に基づき、使用者が去った後に、ボウル部に洗浄水を供給するよう構成している。ここで、ボウル部に付着した尿を洗い流すためには比較的高い流速で洗浄水をボウル部に供給する必要がある。したがって、このようにして供給された洗浄水は、勢い良くトラップ部に流れ込むため、洗浄水供給時には、トラップ部内の封水の流れは非常に速くなってしまい、このような状態の中でトラップ部の封水に流入した尿から尿石成分イオンを吸着しようとすると、吸着する前に尿が流れ去ってしまい、尿石成分イオンを効率的に吸着できなくなってしまう。そこで、本発明では、洗浄水供給手段により洗浄水を供給する前に、吸着モードを実行することによって、洗浄水は流入してない一方で使用者から排出された尿がトラップ部に流入しているとき、すなわち、封水内の流れが遅いときに尿石成分イオンを吸着することができるため、尿石成分イオンを効率的に吸着することができる。
また、本発明に係る小便器では、前記制御手段は、前記人体検知手段が使用者を検知すると、前記吸着モードを実行することも好ましい。
この好ましい態様では、人体検知手段が使用者を検知したら、吸着モードを実行するよう構成しているため、使用者が排尿を行う前から、尿石成分イオン吸着手段を吸着可能な状態にすることができる。したがって、使用者から排出された尿が封水に流入した直後から、封水に流入した尿から尿石成分イオンを吸着することができるため、より確実に尿石成分イオンが排水管に流入することを抑制することができる。
また、本発明に係る小便器では、静電引力によって尿石成分イオンを吸着させる際、静電引力によって尿石成分イオンを含む陽イオンを引き寄せた後に、陽イオンの中から尿石成分イオンを選択的に吸着させることも好ましい。
この好ましい態様では、尿石発生に関係のない陽イオンを捕集することによる吸着性の低下を防止し、長期間に亘って尿石発生を抑制することができる。
本発明の小便器によれば、従来のように、環境負荷の要因となる殺菌成分や酸性成分を含有した液体を排水管に流入させることなく、小便器に接続された排水管に尿石が発生することを抑制することができる。
本発明の実施形態に係る小便器の断面図である。 図1に示した小便器のトラップ部の拡大図である。 図1に示した小便器の動作を示すフローチャートである。 図1に示した小便器が動作する際における、尿石成分イオン保持量の変化等を示す図である。 図1に示した小便器の動作時におけるトラップ部内の様子を示す概略図である。 図1に示した小便器の動作時におけるトラップ部内の様子を示す概略図である。 図1に示した小便器の動作時における排水管内の様子を示す概略図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
本発明の実施形態である小便器について図1を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態である小便器USを示す断面図である。図1に示すように、小便器USは、小便器本体1と、給水ユニット3と、給水管5と、スプレッダー7(洗浄水供給手段)と、トラップ部TPと、制御部CR(制御手段)を備えている。小便器本体1及び給水ユニット3は、建築躯体の壁面WLに取り付けられている。
小便器本体1は、ボウル部9を備えている。ボウル部9は、小便器本体1の使用者からの尿流を受け止める部分である。使用者から放たれた尿流は、ボウル部9後方のボウル壁面11に当たって下方に流れる。下方に流れた尿流は、ボウル部9の底部に開口した排水口13からトラップ部TPへと流れる。排水口13には目皿15が配置されている。
給水ユニット3の上流側は、建築側給水管17に繋がれている。建築側給水管17は、壁面WLの裏面側に配置されており、給水源から水を供給し給水ユニット3に送り出している。一方、給水ユニット3の下流側は、給水管5に繋がれており、給水管5はさらに、スプレッダー7に接続されている。
給水ユニット3は、人感センサー39(人体検知手段)と電磁弁19を備えている。人感センサー39は、小便器USを使用する使用者が、小便器本体1の前に立ったことを検知するためのセンサーである。人感センサー39としては、赤外線センサーやドップラーセンサーといったセンサーが適宜用いられる。人感センサー39は、使用者の検知結果を制御部CRに出力する。
電磁弁19は、建築側給水管17と給水管5との間に設けられている。電磁弁19が閉じられていると、建築側給水管17から供給される水は給水管5に流れないように止水される。電磁弁19が開いていると、建築側給水管17から供給される水は、電磁弁19の開度に応じた瞬間流量(電磁弁19近傍の管路を通過する際の瞬間流量(m 3 /s))で給水管5に流れる。給水管5を流れる水は、スプレッダー7より、ボウル壁面11に沿うように下方に放出される。
ここで、制御部CRは、電磁弁19を所定の開度に開いたり閉じたりするための制御信号を出力する。なお、本実施形態における小便器USは、使用者の排尿行為の都度、スプレッダー7から洗浄水を供給し、ボウル部9の洗浄や、トラップ部TP内に貯まった尿を洗浄水と置換させる構成である。
トラップ部TPは、小便器本体1の排水口13に連通して封水Wsを形成するように配置されている。この封水Wsにより、排水管からの悪臭の逆流を防止している。トラップ部TPは封水Wsを形成すると共に、排水口13から流れ込む尿やスプレッダー7から供給される洗浄水を排水として器具排水管21側に送り出している。器具排水管21(排水管)は、壁面WLの裏面側に配置され、更に下流側の排水横枝管27(排水管)に接続されている。(以下、器具排水管21と排水横枝管27を併せて、「排水管HK」と称する。)したがって、器具排水管21に送り出された尿や洗浄水を含む排水は、排水横枝管27へと流れ込む。
図2を参照しながら、トラップ部TPについて、より詳しく説明する。図2は、トラップ部TPの拡大図である。図2に示されるように、トラップ部TPは上流側から順に、上流接続部TPa(下降流路)と、下流接続部TPb(上昇流路)と、下流あふれ部TPcとを備えている。
上流接続部TPaは、ボウル部9の排水口13に繋がる部分である。上流側に排水口13が繋がっており、ボウル部9から排水口13に流れ込んだ尿や水は上流接続部TPaに流れ込む。
トラップ部TPは、排水口13に流れ込んだ尿や水を一時的に溜めるため、上流接続部TPa及び下流接続部TPbにより、U字状を成すように形成されている。上流接続部TPaから流れ込んだ水は、下流あふれ部TPcの下側内壁面よりも下側に溜まるように構成されている。したがって、封水Wsは、上流接続部TPaに溜まる上流封水Wsuと、下流接続部TPbに溜まる下流封水Wsdとによって形成される。尚、本実施形態ではU字型のトラップをトラップ部TPとして採用したけれども、例えば、ベルトラップなど、上述した機能を果たす限りその他の形態のトラップを採用することも好ましいものである。
また、トラップ部TPには、トラップ部TPに貯留されている尿から、尿石の成分となるイオン(尿石成分イオン)を吸着することで、トラップTP内の尿から尿石成分イオンを除去する機能を有する吸着手段25が配置されている。尿石の成分となるイオンとは、カルシウムイオン(Ca2+)やマグネシウムイオン(Mg2+)、リン酸イオン(PO4 3-)などが挙げられる。
本実施形態における小便器USは、このような吸着手段25(尿石成分イオン吸着手段)を配置しているため、トラップ部TPに流れ込んだ尿が排水管HKに流れ込む前に、その尿から尿石の成分となるイオンを除去できる。したがって、排水管HKに流れ込み、排水管HKに残留する尿の尿石成分イオン濃度を極めて低くできるため、排水管HKで尿石が生じることを防止することができる。
本実施形態における吸着手段25は、一対の電極25a、25bからなるものであって、これらの電極25a、25bは、トラップ部TPに貯留されている封水(特に、上流封水Wsu)に浸漬配置されている。そして、電極25a、25bに電圧を印加することによって、尿石成分イオンが、静電引力により反対の電荷を持つ電極に引きつけられると共に、この引きつけた状態を維持することで尿石成分イオンを保持し、これにより尿から尿石成分イオンを除去する。
制御部CRは、上述したように、電磁弁19を所定の開度に開いたり閉じたりするための制御信号を出力する。また、制御部CRは、電極25a、25bに所定の電圧を印加するように制御信号を出力する。
ここで、制御部CRは、「吸着モード」と「保持モード」を実行可能に構成されている。「吸着モード」は、電極25a、25bに所定電圧V1を継続的に印加して、電極25a、25bに尿中の尿石成分イオンを吸着させるモードである。一方、「保持モード」は、電圧V1よりも低い所定電圧V2を継続的に印加して、「吸着モード」実行時に吸着された尿石成分イオンが電極25a、25bに吸着された状態を維持して、それらの尿石成分イオンを保持するモードである。「保持モード」では、吸着した状態を維持さえできれば良いため、印加する電圧V2は、吸着した尿石成分イオンが脱離しない程度の小さな電圧で構わない。なお、本実施形態における小便器USは、「吸着モード」を実行することにより、尿から尿石成分イオンを吸着し、その後、「「保持モード」を実行するという一連の動作を繰り返すことにより、小便器USへ使用者による排尿が行われる都度、トラップ部TP内に流入する尿から尿石成分イオンを除去するよう構成されている。
続いて、尿石成分イオンの吸着及び保持を行う際の制御部CRの動作、および、この動作時のトラップ部TP内の様子や排水管HK内の様子について、図3〜図7を参照しながら説明する。図3は、本実施形態の小便器USの動作を示すフローチャートである。図4は、図3に示すフローチャートで小便器USを動作させた場合の電磁弁19の動きや、吸着している尿石成分イオンの保持量等をグラフとして示す図である。図5および図6はそれぞれ、吸着モード実行時におけるトラップ部TP内の様子と、保持モード実行時におけるトラップ部TP内の様子を示す概略図である。さらに、図7は、吸着状態を維持しながら洗浄水が供給されている際の排水管HK内の様子を示す概略図である。なお、図5〜図7については、簡略化のため、尿石成分イオンとして、カルシウムイオン(Ca2+)とマグネシウムイオン(Mg2+)のみを示しているが、実際には、リン酸イオン(PO4 3-)等、他の尿石成分イオンの吸着、保持も行われている。
図3に示すように、まず、ステップS11では、人感センサー39からの出力に基づき、小便器USの使用者の有無を判定する。使用者がいない場合は、ステップS11を繰り返し実行し、図4(B)に示すように、人感センサー39が使用者がいることを検知した場合(t1)は、ステップS12へ移行する。ステップS11で、使用者がいることを検知した場合は、使用者が排尿を行っていると推測できるため、続くステップS12では、「吸着モード」を実行する。このとき、図4(C)に示すように、電極25a、25bには、電圧V1が印加される。これにより、使用者から排出され、トラップ部TPに流入した尿Urpに含まれる尿石成分イオンは電極25aに吸着される。続いて、ステップS13において、人感センサー39からの出力に基づき、小便器USの使用者が排尿を完了し小便器USの前から立ち去ったか否かを判定する。使用者が小便器USの前から立ち去っていなければ、ステップS13を繰り返し実行し、立ち去っていれば(すなわち、図4(B)に示すように、人感センサー39が使用者を検知していない状態(t2)であれば)、ステップS14に移行する。
ステップS14では、使用者が立ち去ってから所定時間Taが経過したか否かを判定する。これは、排尿の完了直後では、トラップ部TPに流入した尿から尿石成分イオンを吸着しきれていない可能性があるため、トラップ部TPに流入した尿から十分に、尿石成分イオンを吸着できるようにするために設けられた時間である。所定時間Taが経過していなければ、ステップS14が繰り返し実行され、所定時間Taが経過していれば、ステップS15に移行する。所定時間Taが経過したときには、トラップ部TPに流入した尿から、十分に尿石成分イオンを吸着したものと考えられるため、続くステップS15では、「保持モード」を実行する。このとき、図4(C)に示すように、電極25a、25bへ印加する電圧を、電圧V2に下降させ、吸着した尿石成分イオンが脱離しないよう電極に吸着した状態を維持し、尿石成分イオンが排水管HKに流れ込むのを防止する。
続いて、ステップS16に移行し、ボウル部9の表面の洗浄や、トラップ部TP内に貯留されている尿Urlと洗浄水を置換するために、スプレッダー7から洗浄水の供給を開始する。続いて、ステップS17において、洗浄水の供給から所定時間Tbが経過したか否かを判定し、所定時間Tbが経過していなければ、ステップS17を繰り返し、所定時間Tbが経過していれば、ステップS18に移行し、洗浄水の供給を停止させる。
ここから、上述した動作時のトラップ部TP内の様子や排水管HK内の様子について説明する。図5(A)は、小便器USの待機状態(すなわち、図3のステップS11の使用者の有無の判定を行っている状態)を示す図である。なお、図5(A)は、すでに数人の使用者によって排尿が行われた後の待機状態を示している。したがって、電極25aには、それらの使用者の尿から除去した尿石成分イオンがすでに吸着維持された状態となっている。図5(B)は、新たな使用者が検知され、この使用者により排尿が行われている状態を示している。使用者が検知されると、「吸着モード」が実行されるため、電極25aは、トラップ部TP内に流れ込む尿Urpから、中実矢印で示すように尿石成分イオンを吸着する。なお、電極25aから大きく離れた位置にある尿石成分イオンは、電極25aによる静電引力が作用せず吸着されない。しかし、上流接続部TPaには瞬間流量の低い尿が直接流入するため、上流接続部TPa内に貯留されている上流封水Wsuには、図5(B)に中空矢印で示すように、この流入する尿によって速度が小さな渦流が形成されやすい。したがって、この渦流によって、電極25aから大きく離れた位置にある尿石成分イオンは、電極25aの近傍に移動し、電極25aに吸着される。使用者の排尿が終了し、トラップ部TP内への尿の流入が完了した直後は、電極25aから離れた位置にある尿石成分イオンやトラップ部TPに流入したばかりの尿石成分イオンが吸着されていないため、この状態で、スプレッダー7から洗浄水の供給を開始してしまうと、吸着されていない尿石成分イオンが排水管HKへ排出されてしまい、尿石発生抑制効果が低下してしまう。そこで、本実施形態の小便器USは、使用者が小便器USから立ち去った後、しばらくしてから(所定時間Taが経過してから)、洗浄水の供給を開始するようにしている。図5(C)は、この所定時間Taの経過を待っている状態を示している。尿の流入完了直後は、トラップ部TP内には渦流(図5(C)中の中空矢印)が継続して生じているため、電極25aから離れた位置にある尿石成分イオンは、図5(C)の破線で示すように、この渦流によって、電極25a近傍に移動し、電極25aに吸着される。
図6(A)は、所定時間Taが経過した際のトラップ部TP内の様子を示している。本実施形態の小便器USでは、所定時間Taは、尿の流入完了直後に吸着されていない尿石成分イオンを吸着できる十分な時間が設定されているため、所定時間Ta経過後には、トラップ部TP内に貯留されている尿と洗浄水の混合水(Wfl+Url)の尿石成分イオン濃度は、極めて低い状態となっている。図6(B)は、所定時間Ta経過後、保持モードを実行(ステップS15)した後、洗浄水の供給を開始(ステップS16)した際の様子を示している。スプレッダー7より供給された洗浄水Wflは、トラップ部TP内に流入し、尿石成分イオン濃度が低い混合水(Wfl+Url)は、排水管HKへと排出される。図7(A)は、このときの排水管HK内の様子を示している。図7(A)に示すように、排水管HKには、尿石成分イオン濃度の低い混合水(Wfl+Url)が流れる。この洗浄水の供給は、所定時間Tb継続されるが、本実施形態の小便器USにおいては、この所定時間Tbは、トラップ部TP内が混合水(Wfl+Url)が洗浄水Wflに置換される十分な時間が設定されている。したがって、図6(C)に示すように、洗浄水の供給が完了した後は、トラップ部TP内には、洗浄水Wflが貯留され、この洗浄水Wflによって封水Wsが形成される。図7(B)は、このようして洗浄水の供給が完了した後の排水管HK内の様子を示している。図7(A)で示したように、排水管HKには、尿石成分イオン濃度が極めて低い混合水(Wfl+Url)が流れるため、排水管HKに残留する排水も、この尿石成分イオン濃度が極めて低い混合水(Wfl+Url)となる。すなわち、排水管HKには、尿石成分イオン濃度が極めて低い排水しか残留しないため、排水管HKには、尿石の成分となるイオンがほとんど存在せず、尿石の析出を防止することができる。
本実施形態は、以上のように、尿から尿石成分イオンを除去することで、排水管HKにおいて尿石が析出することを防止している。
次に、静電引力による吸着を行う際に尿石成分イオンを選別して吸着させる変形例について説明をする。本変形例においては、静電引力による吸着を行う際に尿石成分イオンを選別して吸着させる以外は、上述した実施形態と共通するため、説明を省略する。
本変形例では、吸着手段25がさらに、尿石成分イオンを含む陽イオンを静電引力で引き寄せた後、陽イオンの中から尿石成分イオンを選別して吸着させる尿施成分イオン選別部を有する。
尿石成分イオン選別部は尿石成分イオンの大きさよりも僅かに大きい気孔を有するフィルタからなる。吸着手段25の静電引力によって引き寄せられた陽イオンのうち、フィルタの気孔よりも小さい尿石成分イオンが気孔内部に侵入して吸着手段25に吸着され、フィルタの気孔よりも大きい陽イオンは気孔から進入できずに吸着されない。
こうすることによって、尿石成分イオン以外の陽イオンを吸着しない分、尿石成分イオンを多く吸着させることができるため、長期間に亘って尿石の発生を抑制することができる。
なお、フィルタは、吸着手段25を構成する電極25a、25bとは別部材で構成しても良いし、電極25a、25bそのものに尿石成分イオンが通る気孔を設けて構成しても良い。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、上述した実施形態は、使用者の排尿後に洗浄水を供給する小便器であったが、洗浄水の供給を一切行わない無水小便器においても、使用者から排出された尿が排水管に流入する前にその尿から尿石成分イオンを除去することで、排水管に流入する尿石成分イオンの量を低下させることができ、同様に、排水管での尿石の発生を抑制することができる。また、上述した実施形態では、吸着手段により吸着した尿石成分イオンを保持するために、静電引力を利用しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、分子間力や、物理的な力を利用して、吸着した尿石成分イオンを保持するようなものであっても構わない。
US:小便器
WL:壁面
CR:制御部
1:小便器本体
3:給水ユニット
5:給水管
7:スプレッダー(洗浄水供給手段)
9:ボウル部
11:ボウル壁面
13:排水口
15:目皿
17:建築側給水管
19:電磁弁
21:器具排水管(排水管)
25:吸着手段(尿石成分イオン吸着手段)
25a:電極
25b:電極
27:排水横枝管(排水管)
27a:分岐部
39:人感センサー(人体検知手段)
TP:トラップ部
TPa:上流接続部(下降流路)
TPb:下流接続部(上昇流路)
TPc:下流あふれ部
Ws:封水
Wsu:上流封水
Wsd:下流封水
Url:尿(尿石要因イオン除去済の尿)
Urp:尿(尿石要因イオン未除去の尿)
Wfl:洗浄水(脱離させた尿石成分イオンを含んでいない洗浄水)
Wfh:洗浄水(脱離させた尿石成分イオンを含んでいる尿石成分イオン濃度が高い洗浄水)
HK:排水管

Claims (6)

  1. 排水管に接続される小便器であって、
    尿を受けるボウル部と、
    前記ボウル部の底部に開口した、前記排水管に通じる排水口と、を備え、
    尿石の成分となる尿石成分イオンが前記排水管に流入することを抑制できるよう、ボウル部が受けた尿が前記排水管に流入する前に該尿中に含まれる尿石成分イオンを捕集する尿石成分イオン捕集手段を設けたことを特徴とする小便器。
  2. 前記排水口に連通し、封水を形成するトラップ部を有し、
    前記尿石成分イオン捕集手段は、尿石成分イオンを静電引力により吸着すると共に、吸着した尿石成分イオンを保持するよう構成された尿石成分イオン吸着手段であり、
    前記尿石成分イオン吸着手段は、前記封水に浸漬配置されていることを特徴とする請求項1に記載の小便器。
  3. 前記トラップ部は、
    前記排水口に連通し、下方に向かって延びる下降流路と、
    前記下降流路の下流端部に連通し、上方に向かって延びる上昇流路と、を有し、
    前記尿石成分イオン吸着手段は、前記下降流路に貯溜されている封水に浸漬されていることを特徴とする請求項2に記載の小便器。
  4. 使用者を検知する人体検知手段と
    前記ボウル部に洗浄水を供給する洗浄水供給手段と、
    前記人体検知手段からの検知信号に基づいて前記尿石成分イオン吸着手段および前記洗浄水供給手段を制御する制御手段と、を有し、
    前記制御手段は、
    トラップ部に流入した尿中に含まれる尿石成分イオンを静電引力により吸着する吸着モードを実行可能であり、
    前記人体検知手段が使用者を検知した状態から、使用者を検知しなくなった状態に変化した後に、前記洗浄水供給手段から洗浄水を供給するよう構成され、
    さらに、前記制御手段は、前記洗浄水供給手段により洗浄水を供給する前に前記吸着モードを実行することを特徴とする請求項2に記載の小便器。
  5. 前記制御手段は、前記人体検知手段が使用者を検知すると、前記吸着モードを実行することを特徴とする請求項4に記載の小便器。
  6. 前記尿石成分イオン吸着手段は、静電引力によって尿石成分イオンを含む陽イオンを引き寄せた後に、陽イオンの中から尿石成分イオンを選択的に吸着させることを特徴とする、請求項2〜5のうちいずれか1項に記載の小便器。
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