JP2016011267A - 口腔内保湿組成物 - Google Patents

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一男 坪田
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Abstract

【課題】本発明は、確実な効果と優れた安全性を兼ね備えたドライマウス治療・改善・予防剤を提供することを目的とする。【解決手段】本発明においては、アルブミン溶液を口腔内に噴霧する。【選択図】なし

Description

本発明は、口腔内保湿作用を有しドライマウス(口腔乾燥症)を治療、改善又は予防するための組成物に関する。
口腔は、食物や水分を取り込む消化管の先端であるが、摂食に限らず味覚、発声、呼吸、薬物吸収、細菌抑制(抗菌)など多くの機能をつかさどっており、形態学的には表面が粘膜で覆われている。
このため、種々の要因により唾液分泌量が減少し口腔内が乾燥するとドライマウスとなり、ネバネバ感/イガイガ感のような単なる不快感にとどまらず、多くの機能に支障や影響が生じる。
ドライマウスは生活の質(Quality of Life)には多大な影響を与えるが、生命維持を左右する症状ではないため、通常は、含嗽剤(うがい薬)、洗口液(マウスウォッシュ)、トローチなどが投与されてきた(特許文献1〜5を参照)。
しかしながら、これらの薬剤では一時的な爽快感は得られても、長時間にわたる確実な効果は期待できず、安全性と持続性を兼ね備えた新たな治療・改善・予防剤が求められていた。
また自己免疫疾患の難病であるシェーグレン症候群の患者に対しては、セビメリン塩酸塩水和物が口腔乾燥症状の改善を効能・効果として承認を得ているが、一般のドライマウス患者は適用外であることに加え、消化器系を中心とする副作用の発現頻度が極めて高く(セビメリン塩酸塩水和物カプセルの添付文書には、発現頻度が23.9%と記載されている)、より安全性の高い新たな医薬が求められていた。
アルブミンは肝臓で作られ、血漿タンパクの多くを占めており、作用の一つとして血管内に水を保持し血液量や体内の水分量を調整することで浸透圧を維持する保水成分として知られている。既にアルブミンは製剤として販売されており、アルブミンの喪失(熱傷、ネフローゼ症候群など)及びアルブミン合成低下による低アルブミン血症、出血性ショックなどに適応が認められている。このアルブミンを利用して、現在眼科ではオフィスワーカーの3人に一人が乾燥性角結膜炎(ドライアイ)であることが報告されているドライアイへの対応として、非遺伝子組換え人血清アルブミン点眼液(特許文献6及び7を参照)による臨床試験が実施されている。さらに、中等度以上のドライアイに対する治療薬としての開発が進み、既に米国食品医薬品局(FDA)により新薬として承認され、第1相/第2相の臨床試験が開始されている。
しかしながら、ドライマウスに対するアルブミンの効果はこれまで知られていなかった。
特開2011-105651号公報 特開2009-242349号公報 特開2009-137860号公報 特開2004-115464号公報 特表2010-519279号公報 国際公開第WO97/39769号 特開2012-180372号公報
長時間にわたる確実な効果と優れた安全性を兼ね備えた、新たなドライマウス治療、改善又は予防剤を提供する。
従来法では、一時的な爽快感は期待できるものの長時間にわたる確実な効果は期待できず、治療、改善又は予防剤として不十分であった。
本発明者らは、有用な薬剤の無かったドライマウスの治療、改善又は予防剤について鋭意研究を続けてきた結果、意外にもアルブミンが従来薬の問題点を全て解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下を提供するものである。
(1) アルブミンを有効成分とする、ドライマウス治療、改善又は予防剤、
(2) 水溶液である、(1)記載の剤、
(3) 口腔内に噴霧される、(2)記載の剤、
(4) アルブミンが非遺伝子組換えヒト血清アルブミンである、(1)〜(3)のいずれかに記載の剤、
(5) アルブミン濃度が5〜25%(w/v)である、(1)〜(4)のいずれかに記載の剤、
(6) アルブミン濃度が5%(w/v)である、(1)〜(5)のいずれかに記載の剤、及び
(7) シェーグレン症候群患者に投与するための、(1)〜(6)のいずれかに記載の剤。
本発明によれば、長時間にわたる確実な効果と優れた安全性を兼ね備えた、新たなドライマウス治療、改善又は予防剤を提供することができる。
シェーグレン症候群罹患者にアルブミン溶液を1週間投与した際の、口腔粘膜の湿潤度を測定した結果である。
以下、本発明の実施の形態を、実施例を挙げながら詳細に説明する。なお、本発明の目的、特徴、利点、および、そのアイデアは、本明細書の記載により、当業者には明らかであり、本明細書の記載から、当業者であれば容易に本発明を再現できる。以下に記載された発明の実施の形態及び具体的な実施例などは、本発明の好ましい実施態様を示すものであり、例示又は説明のために示されているのであって、本発明をこれらに限定するものではない。本明細書で開示されている本発明の意図並びに範囲内で、本明細書の記載に基づき、様々な改変並びに修飾ができることは、当業者にとって明らかである。
本発明は、アルブミンを有効成分とする、口腔内保湿作用を有する、ドライマウスの治療、改善又は予防剤である。
ドライマウスは、種々の要因によって口腔内の唾液の分泌量が低下し口腔内が乾く疾患をいい、口腔乾燥症ともいう。ドライマウスは、自己免疫疾患の1種であるシェーグレン症候群においても併発し、本発明のドライマウスの治療、改善又は予防剤はシェーグレン患者のドライマウスの治療、改善又は予防のためにシェーグレン症候群患者に投与することもできる。
アルブミンの由来は限定されないが、好ましくはヒト由来のアルブミン、さらに好ましくはヒト血清アルブミンである。ヒト血清アルブミンとしては、遺伝子組換えヒト血清アルブミンを用いることもできるが、ヒト血清から単離、精製したアルブミン等の非遺伝子組換えヒト血清アルブミンを用いることもできる。後者を用いる場合は、ウイルスや細菌の感染の危険を排除するために、加熱処理やウイルス除去膜での処理を行うことが望ましい。ヒト血清アルブミンは、例えば、ヒト血清からコーンの低温エタノール分画法により精製することができる。本発明のアルブミンを有効成分とする組成物に添加するアルブミン生成物の純度は、80%(w/v)以上、好ましくは90%(w/v)以上、さらに好ましくは96%(w/v)以上である。また、市販のアルブミン製剤を用いることもできる。
本発明のドライマウスの治療、改善又は予防剤中のアルブミン含量は、限定されないが、3〜30%(w/v)(3%以上、30%以下)、好ましくは5〜25%(w/v)、あるいは、好ましくは3〜8%(w/v)、さらに好ましくは5%(w/v)である。本発明のドライマウスの治療、改善又は予防剤として、市販の5%(w/v)〜25%(w/v)のアルブミン製剤、例えば、5%(w/v)、20%(w/v)又は25%(w/v)のアルブミン製剤を用いることができる。市販のアルブミン製剤として、赤十字アルブミン20%静注(日本赤十字社)、アルブミン‐ベーリング20%静注(CSLベーリング株式会社)、献血アルブミン25%静注(一般社団法人 日本血液製剤機構)等が挙げられる。
本発明のドライマウスの治療、改善又は予防剤において、アルブミンは、水、生理的食塩水、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)等の緩衝液中に溶解させればよい。pHは6〜8の中性付近が好ましい。
本発明のドライマウスの治療、改善又は予防剤は、キシリトールやメントールなどの清涼剤、サポニンなどの生薬、ヒアルロン酸などの保湿剤等を併用してもよい。また、その他、界面活性剤、乳化剤、安定化剤、増粘剤、保湿剤、防腐剤、分散剤、抗酸化剤、着色剤、香料、甘味料等の添加剤が配合されていてもよい。
剤型は限定されないが、水溶液、スプレー、液滴、ミスト、ゲル、ゾル、ペーストなどが挙げられる。例えば、本発明のドライマウスの治療、改善又は予防剤を入れた容器に噴霧器を取りつけ、ノズルの先端を口腔内に入れてスプレーすればよい。あるいは、口腔内洗浄液に含ませて口腔内に投与することもできる。さらに、舌下錠、トローチ等の錠剤やチューインガムなどに成型し口腔内に含ませてもよい。また、本発明の剤を口腔洗浄液等の化粧用組成物として用いることもできる。
投与量も限定されないが、1日1〜数回、例えば5〜6回に分けて投与すればよい。例えば、1日1〜数回、口腔内に本発明のドライマウスの治療、改善又は予防剤を1〜50mL、好ましくは1〜10mL投与すればよい。投与は1週間以上、好ましくは2週間以上、さらに好ましくは4週間以上続ける。
ドライマウスが治療、改善されたか否かは、口腔粘膜の湿潤度及び被験者の使用感に基づく官能試験により判断することができる。口腔粘膜の湿潤度は、口腔粘膜水分計により測定することができる。口腔粘膜水分計としては、例えば、口腔水分計ムーカス(登録商標)等が挙げられる。
<実施例1>
方法:ドライマウスに対するアルブミン溶液の口腔粘膜への効果の検討を倫理委員会ならびに利益相反委員会の承諾を得た後に行った。
対象はシェーグレン症候群(SS)罹患者5名に対し、5%(w/v)アルブミン溶液又は25%(w/v)アルブミン溶液(ヒト血清アルブミン製剤)を各1週間、1日に5〜6回口腔内へ適宜噴霧投与した際の、頬と舌の口腔粘膜の湿潤度を口腔粘膜水分計(ムーカス社製、モイスチャーチェッカ)で測定した結果と、乾燥に関する日誌の記入ならびに使用後の聞き取り調査を毎日実施した。
なおシェーグレン症候群は、口や目をはじめ体の多部位が乾燥する疾患であり、ドライマウス、ドライアイ、ドライスキンなどの諸症状を呈する原因不明の疾患である。
結果:図1にシェーグレン症候群罹患者にアルブミン溶液を1週間投与した際の、口腔粘膜の湿潤度を示す。図1Aは頬の結果を、図1Bは舌の結果を示す。図1に示すように、5%アルブミン溶液を使用することにより舌の湿潤度に改善傾向を認めた。表1に日誌項目(乾燥、痛み)の統計学的解析結果を、表2に5%、25%アルブミン溶液の使用感に関する問診の結果を示す。日誌では25%溶液を使用で乾燥と痛みが有意に改善を示したが、問診による使用感では5%溶液の方が25%溶液に比較して使用感(口腔内サラサラ感)が良いとの結果が得られた。
Figure 2016011267
Figure 2016011267

Claims (7)

  1. アルブミンを有効成分とする、ドライマウス治療、改善又は予防剤。
  2. 水溶液である、請求項1記載の剤。
  3. 口腔内に噴霧される、請求項2記載の剤。
  4. アルブミンが非遺伝子組換えヒト血清アルブミンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の剤。
  5. アルブミン濃度が5〜25%(w/v)である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の剤。
  6. アルブミン濃度が5%(w/v)である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の剤。
  7. シェーグレン症候群患者に投与するための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の剤。
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