JP2016011236A - ガラス基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガラス基板を傷つけることなく、熱処理する工程においてガラス基板に付着した汚染成分を除去することのできるガラス基板の製造方法を提供する。【解決手段】本発明のガラス基板の製造方法は、ガラス基板のアニール工程を含むガラス基板の製造方法であって、前記アニール工程は、複数のガラス基板をそれぞれ紙の間に挟んだ状態で厚さ方向に積層して、ガラス基板の積層体を作製する工程と、前記積層体を熱処理することにより、前記ガラス基板の熱収縮率を低下させる工程と、前記熱処理する工程において前記ガラス基板に付着した前記紙由来物質を分解し、除去する工程と、を備えることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、ガラス基板の製造方法に関する。
近年、ディスプレイパネルの分野では、画質の向上のために画素の高精細化が進展している。この高精細化の進展に伴って、ディスプレイパネルに用いるガラス基板にも寸法精度が高いことが望まれている。例えば、ディスプレイパネルの製造工程中に、ガラス基板が高温で熱処理されても寸法が変化しにくいように、熱収縮率の小さいガラス基板が好ましい。高精細ディスプレイでは、アモルファスシリコン(a−Si)TFTを用いた一般的なディスプレイパネルと比べて、パネル製造時の温度が高いため、熱収縮率の小さいガラス基板へのニーズが高い。
一般に、ガラス基板の熱収縮率は、ガラスの歪点が高いほど小さくなる。また、ガラス基板の熱収縮率は、ガラス基板の製造工程中の徐冷速度を小さくするほど小さくなることが知られている。しかし、徐冷速度を小さくするとガラス基板の徐冷工程を行う徐冷炉を長くする必要があるが、製造ライン上の徐冷装置を長くすることは困難である。
そこで、製造ラインで作製された複数のガラス基板に対し、オフラインにおいて時間をかけて熱処理を施すことで、熱収縮率をより低くすることが行われる。例えば、複数のガラス基板の間に紙を挟んだ状態で積層した積層体を所定の温度で所要時間保持することで熱収縮率を低減するガラス基板の処理方法が知られている(特許文献1)。
特開平8−151224号公報
特許文献1に記載されるように、複数のガラス基板の間に紙を挟んだ状態で熱処理を行うと、紙に含まれる成分が熱分解して、その熱分解物がガラス基板に付着し、ガラス基板を汚染する場合がある。この熱分解物は、具体的には、紙に含まれる成分であるセルロース、ヘミセルロース、リグニンが、200〜400℃の温度領域で熱分解されて生成するタールであり、粘りけのある褐色の液体である。このため、タールがガラス基板に付着すると、ガラス基板は着色する。ガラス基板に付着したタールの除去には、汚れを物理的に取り除く、ブラシ洗浄等の物理的洗浄が有効であるが、物理的洗浄では、ガラス基板の表面に傷が生じるおそれがある。
そこで、本発明は、ガラス基板を傷つけることなく、熱処理する工程においてガラス基板に付着した汚染成分を除去することのできるガラス基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、ガラス基板のアニール工程を含むガラス基板の製造方法であって、
前記アニール工程は、
複数のガラス基板をそれぞれ紙の間に挟んだ状態で厚さ方向に積層して、ガラス基板の積層体を作製する工程と、
前記積層体を熱処理することにより、前記ガラス基板の熱収縮率を低下させる工程と、
前記熱処理する工程において前記ガラス基板に付着した前記紙由来物質を分解し、除去する工程と、を備えることを特徴とする。
前記除去する工程では、紫外線を照射することにより前記紙由来物質を分解することが好ましい。
前記紙由来物質は、セルロース、ヘミセルロース、リグニンから選ばれた一種、または、それらの組み合わせからなる多糖類の熱分解物であることが好ましい。
前記熱処理における雰囲気の最高温度は、400〜500℃であることが好ましい。
本発明によれば、ガラス基板を傷つけることなく、熱処理する工程においてガラス基板に付着した汚染成分を除去することができる。
本実施形態のガラス板の製造方法の流れを示すフローチャートである。 本実施形態で行なわれる熱処理においてガラス基板の積層体が載せられたパレットを示す側面図である。
以下、本発明のガラス基板の製造方法について詳細に説明する。
図1は、本実施形態のガラス基板の製造方法の流れを示すフローチャートである。製造されるガラス基板は、特に制限されないが、例えば縦寸法及び横寸法のそれぞれが500mm〜3500mmの矩形形状であることが好ましい。ガラス基板の厚さは、0.1〜1.1mmあることが好ましい。
本実施形態における熔融ガラスからシートガラスを成形する方法として、フロート法、フュージョン法(オーバーフローダウンドロー法)等が用いられるが、本実施形態のガラス基板のオフラインにおける熱処理を含むガラス基板の製造方法は、フュージョン法に適している。フュージョン法によって製造されるガラス基板は、フロート法と比べ、短い時間で徐冷が行われ、熱収縮率が十分に小さくならない場合があるため、オフラインで熱処理を施すことが好ましいが、一方で、熱処理においてガラス基板が汚染されやすいため、そのような汚染物質をガラス表面を傷つけることなく除去できる本実施形態の製造方法に適している。
まず、熔融されたガラスが、例えばフュージョン法やフロート法等の公知の方法により、所定の厚さの帯状ガラスであるシートガラスが成形される(ステップS1)。
次に、成形されたシートガラスが所定の長さの素板であるガラス基板に順次採板される(ステップS2)。採板により順次得られる複数のガラス基板をそれぞれ紙の間に挟み、ガラス基板をガラス基板の厚さ方向に積層した構成のガラス基板の積層体を作製する(積層体作製工程:ステップS3)。次に、このガラス基板の積層体に対して作製されたガラス基板の積層体を、加熱する熱処理を行なう(熱処理工程:ステップS4)。次に、熱処理工程においてガラス基板に付着した紙由来物質を分解し、除去する(除去工程:ステップS5)。ステップS3からステップS5までの各処理が、本実施形態のアニール工程である。アニール工程の詳細については後述する。
熱処理後のガラス基板は切断工程に搬送され、製品のサイズに切断され、ガラス基板が得られる(ステップS6)。得られたガラス基板には、端面の研削、研磨およびコーナカットを含む端面加工が行われた後、ガラス基板は洗浄される(ステップS7)。洗浄されたガラス基板はキズ、塵、汚れあるいは光学欠陥を含む傷が無いか、光学的検査が行われる(ステップS8)。検査により品質の適合したガラス基板は、ガラス基板を保護する紙と交互に積層された積層体としてパレットに積載されて梱包される(ステップS9)。梱包されたガラス基板は納入先業者に出荷される。
本実施形態で製造されるガラス基板は、ディスプレイパネルに用いるガラス基板、例えば、液晶ディスプレイ用ガラス基板あるいは、有機ELディスプレイ用のガラス基板として好適である。さらに、本実施形態で製造されるガラス基板は、高精細ディスプレイに用いるLTPS(Low-temperature poly silicon)・TFTディスプレイ用ガラス基板、あるいは、酸化物半導体・TFTディスプレイ用のガラス基板として特に好適である。
本実施形態のガラス基板は、熱収縮率は10ppm以下であることが、高精細なディスプレイパネル用のガラス基板に用いられる点から好ましく、熱収縮率は6ppm以下であることがより好ましい。ガラス基板の歪は、9 kgf/cm2以下であることが反りを発生させず、歪による光学特性の変化、例えば屈折率の変化を抑える点から好ましく、4 kgf/cm2以下であることがより好ましい。歪の下限は特に制限されないが、実質的には2 kgf/cm2である。
ガラス基板の歪点は、高精細ディスプレイ用ガラス基板とするために、600℃〜760℃であることが好ましく、655℃以上であることがより一層好ましい。例えば、歪点は、661℃である。
このようなガラス基板として、以下のガラス組成のガラス基板が例示される。つまり、以下のガラス組成のガラス基板が製造されるように、熔融ガラスの原料が調合される。
SiO2 55〜80モル%、
Al23 8〜20モル%、
23 0〜18モル%、
RO 0〜17モル%(ROはMgO、CaO、SrO及びBaOの合量)、
R’2O 0〜2モル%(R’2OはLi2O、Na2O及びK2Oの合量)。
SiO2は60〜75モル%、さらには、63〜72モル%であることが、熱収縮率を小さくするという観点から好ましい。
ROのうち、MgOが0〜10モル%、CaOが0〜10モル%、SrOが0〜10%、BaOが0〜10%であることが好ましい。
また、SiO2、Al23、B23、及びROを少なくとも含み、モル比((2×SiO2)+Al23)/((2×B23)+RO)は4.5以上であるガラスであってもよい。また、MgO、CaO、SrO、及びBaOの少なくともいずれか含み、モル比(BaO+SrO)/ROは0.1以上であることが好ましい。
また、モル%表示のB23の含有率の2倍とモル%表示のROの含有率の合計は、30モル%以下、好ましくは10〜30モル%であることが好ましい。
さらに、熔融ガラス中で価数変動する金属の酸化物(酸化スズ、酸化鉄)を合計で0.05〜1.5モル%含んでいることが好ましい。
AS23、Sb23、PbOを実質的に含まないことが好ましいが、これらを任意に含んでいてもよい。
また、ガラス中で価数変動する金属の酸化物(酸化スズ、酸化鉄)を合計で0.05〜1.5モル%含み、As23、Sb23及びPbOを実質的に含まないということは必須ではなく任意である。
[積層体作製工程]
図2は、ステップS3の積層体作製工程で用いる、ガラス基板11の積層体10(以下、積層体10という)を載せるパレット20を示す側面図である。ここで、図2の左側をパレット20の前側、図2の右側をパレット20の後側とする。パレット20には、積層体10が積層方向をほぼ前後方向として載置される。ここで、積層体10の積層方向は前後方向と完全に一致している必要はない。例えば、図2に示すように、ガラス基板11を斜めに立てかける場合、積層方向と前後方向とのなす角はガラス基板11の上下方向とのなす角となる。
パレット20は、基台部21と、載置部22と、背面板23と、等を備える。
基台部21、載置部22および背面板23は、例えば鋼鉄等の金属からなり、溶接等により一体に形成されている。
基台部21は略長方形の板状であり、端面にフォークリフトの爪を挿入するための開口21aが設けられている。
載置部22は基台部21の上部に固定されており、載置部22の上部にガラス基板の積層体10が載せられる。ここで、載置部22の上面は完全に水平である必要はない。例えば、図2に示すように、ガラス基板11を斜めに立てかける場合、ガラス基板11の立てかけ角度に応じて載置部22の上面を傾斜させておいてもよい。
背面板23は略長方形の板状であり、基台部21の上部において、載置部22の後端に載置部22とほぼ垂直に固定されている。背面板23は載置部22の上部に載せられる積層体10の積層方向の後端部を支持する。ここで、背面板23は完全に垂直である必要はない。例えば、図2に示すように、ガラス基板11を斜めに立てかける場合、ガラス基板11の立てかけ角度に応じて背面板23を傾斜させておいてもよい。
次に、積層体10について説明する。積層体10は、複数のガラス基板11と、複数の紙12と、を有する。
紙12は、ガラス基板11同士の間に挟まれる。積層体10では、紙12、ガラス基板11、紙12、ガラス基板11、・・・紙12の順番に積まれる。紙12は積層されるガラス基板11同士の密着を防ぐ役割を果たす。紙12には、パルプ紙、再生紙等が用いられる。紙12の厚さは、クッション性をもたせつつ積層体の体積を小さくするために、0.02〜0.2mmであることが好ましい。紙12の面積は、ガラス基板11と同程度またはそれ以上であることが好ましい。
[熱処理工程]
次に、ステップS4の熱処理について説明する。
積層体作製工程で作製された積層体10に対して、製造ラインから外れたオフラインで熱処理が行われる。この熱処理では、ガラス基板11の積層体を所定の温度の雰囲気下に所定時間放置する。
具体的には、熱処理を行う炉に上記の積層体10が載せられたパレット20を搬入し、炉内の空気を加熱して雰囲気の温度を室温から昇温したのち、一定に維持して(最高温度に維持して)所定時間放置した後、雰囲気の温度を降温して室温に戻すことによりガラス基板11を熱処理する。熱処理における雰囲気の温度は、少なくとも、ガラス基板11の歪点−400℃の温度から歪点の温度範囲であることが、熱収縮率を低減させる点から好ましい。雰囲気の温度が一定に維持されるときの温度(最高温度)は、400〜550℃であることが好ましい。LTPS、IGZOから構成される半導体層をガラス基板11に形成する温度は、400℃〜550℃であるため、この温度範囲である400〜550℃で熱処理を行うことにより、この温度領域における熱収縮率を低減させることができる。上記所定時間は、例えば1〜120時間である。1時間未満であると、熱収縮率が十分に低下せず、120時間より長いと、熱収縮率は十分低減するが、ガラス基板11の生産効率が低下する。
なお、歪点はガラスの種類によって異なるが、ガラス基板11は、熱収縮を小さくするために、歪点が高いガラス組成を有することが好ましく、例えばガラス基板11のガラスの歪点は、600℃〜760℃であることが好ましく、655℃以上であることがより一層好ましい。例えば、歪点は、661℃である。歪点が低いガラス基板であっても、熱処理することにより、歪点が高いガラス基板と同程度の熱収縮率を実現することができる。この場合、熱処理温度の最低温度は、200℃(=600℃―400℃)以上である。
ガラス基板11の積層体10が晒される高温の雰囲気は、特に制限されず、酸素含有率が5〜50%である雰囲気であってもよく、例えば空気からなる大気雰囲気であってもよい。
このような熱処理により、ガラス基板11の熱収縮率を0〜12ppmとすることができる。ガラス基板11の熱収縮率は、0〜6ppmとすることが好ましく、0〜3ppmとすることがより好ましい。このような熱収縮率を、ガラス基板のガラス組成と、熱処理の温度と熱処理時間を調整することにより達成することができる。
[除去工程]
次に、ステップS5の除去工程について説明する。
除去工程では、熱処理工程においてガラス基板に付着した紙由来物質を分解し、除去する。
紙由来物質は、紙に含まれる成分の熱分解物を含み、具体的には、紙の主要成分であるセルロース、ヘミセルロース、リグニンから選ばれた一種、または、それらの組み合わせからなる多糖類の熱分解物を含む。セルロース、ヘミセルロース、リグニンはいずれも熱処理工程において熱分解して、粘着性を有するタールを主に含んだ物質となってガラス基板に付着する。
紙由来物質の分解は、紙由来物質の化学構造を変化させることによって行う。これにより、ガラス基板の表面に傷をつけることなく、汚染物質である紙由来物質を除去できる。紙由来物質の分解は、ガラス基板の傷の発生を確実に防止できる点で、ウェット洗浄よりも、ドライ洗浄によって行うのが好ましい。ドライ洗浄は、例えば、紫外線(UV)を照射することによって行う。紙由来物質の主成分であるタールは、有機化合物であり、紫外線照射によって、水、CO2、O2等の単純な分子に分解される。より詳細には、酸素を含む雰囲気中で紫外線が照射されると、ガラス基板に付着した紙由来物質の化学結合が切断されるとともにオゾンおよび酸素ラジカルが生成し、酸素ラジカルが紙由来物質中の結合が切断された箇所と酸化反応することで、水、CO2、O2等が生成し、これらがガラス基板の表面から揮発して、除去(洗浄)される。このため、紫外線の照射は、酸素を含んだ雰囲気中(例えば大気雰囲気中)で行われる。このような紫外線の照射は、市販の紫外線洗浄装置(紫外線照射装置)を用いて行うことができる。
紫外線の照度は、5mW/cm〜100mW/cmであることが好ましい。照度が5mW/cm以上であることで、紙由来物質の分解を効率よく行える。また、照度が100mW/cm以下であることで、紫外線照射に伴うエネルギーコストを抑制できる。この場合に、リグニンに由来する熱分解物のガラス基板上の膜厚は、低温(400℃)で熱処理を行った場合は、高温(500℃)で熱処理を行った場合と比べて大きく、ガラス基板の着色の程度が大きくなることから、高温で熱処理を行う場合よりも照度を高くすることが好ましい。この理由は、低温(400℃)で熱処理した場合の膜厚は、10〜50nm程度であり、高温(500℃)で熱処理した場合の膜厚は、10nm以下である。このような膜厚の差が生じる理由は、450℃以上の温度域だと、リグニンに含まれるメトキシル基の酸素−炭素結合がラジカル開裂し、この反応と、これに付随して起きるメトキシル基のメチル基への転移反応とによって、リグニン由来の熱分解物が分解されるためであると考えられる。
紫外線洗浄装置の光源とガラス基板との距離は、紙由来物質の分解を効率的に行える観点から、例えば1〜30mmである。紫外線の照射時間(UV洗浄時間)は、紙由来物質を確実に分解させる観点から、例えば1〜60分間である。照射時間は、紙由来物質がリグニン由来の熱分解物である場合、低温(400℃)で熱処理した場合のほうがガラス基板に対する固着力が小さいため、高温(500℃)で熱処理した場合よりも短くてもよい。紫外線の光源には、紙由来物質の化学結合の切断と酸素ラジカルの生成を効率良く行える点で、低圧水銀ランプやキセノンエキシマランプが好ましく用いられる。
除去工程では、さらに、UV洗浄の前後に、特開2013−203647号公報に記載されるような、アルカリ洗浄、純水洗浄、酸洗浄の少なくとも1つを行ってもよい。アルカリ洗浄では、水酸化カリウム(KOH)等の無機アルカリ系の洗浄剤を水で希釈した希釈液を用いてガラス基板を洗浄する。純水洗浄では、純水または超純水を用いてガラス基板に付着した洗浄液等をすすぐ。酸洗浄では、例えばフッ化水素(HF)の溶液を用いてガラス基板の洗浄を行う。
例えば、熱処理を低温(400℃)で行った場合と、高温(以降、500℃)で行った場合とでは、紙由来物質のガラス基板に対する固着力は、高温で熱処理を行った場合のほうが強いため、高温で熱処理を行った場合は、アルカリ洗浄をさらに行うことにより、紙由来物質を効果的に除去できる。
アルカリ洗浄、純水洗浄、酸洗浄はそれぞれ、枚葉洗浄またはバッチ洗浄によって行うことができる。また、これらの洗浄は、1種だけまたは2種以上を適宜組み合わせて行うことができ、2種以上組み合わせて行う場合は、純水洗浄と、純水洗浄以外の洗浄とを交互に行うことが好ましい。
なお、紫外線の照射は、上記説明した態様に代えて、EUV(Extreme Ultraviolet)光源にパルス電源を供給してプラズマを生成し、紙由来物質の付着したガラス基板をプラズマに晒すことで行ってもよい。
本実施形態において、紙由来物質の分解は、ウェット洗浄によって行ってもよい。例えば、水中に置かれた針状電極に高電圧を印加して放電を起こし、放電に伴って放射される紫外線を、電極近傍に配したガラス基板に照射することで行ってもよい。
本実施形態のガラス基板の製造方法によれば、ガラス基板に付着した紙由来物質を分解して、除去するので、ガラス基板を傷つけることなくガラス基板に付着した汚染成分を除去できる。
[実験例]
以下に示すガラス組成を有するガラス基板をオーバフローダウンドロー法により複数作製した。ガラス基板の歪点は660℃であった。
(ガラス組成)
SiO2 66.8モル%、
Al23 10.6モル%、
23 11.0モル%、
RO 11.4モル%(ROはMgO、CaO、SrO及びBaOの合量)、
R’O 0.2モル%(R’OはLiO、NaO及びKOの合量)。
実施例及び従来例では、複数のガラス基板をそれぞれ紙で挟んで積層体を形成し、熱処理および除去工程を行なった。積層体の作製および熱処理は、実施例および従来例のいずれも同じ要領、同じ条件で行った。紙には、再生紙(樹脂成分1%以下)を用いた。熱処理は、最高温度500℃、最高温度での放置時間8時間の条件で行った。
除去工程は、実施例では、低圧水銀ランプを備えた紫外線洗浄装置(テクノビジョン社製、モデルUV−312)にガラス基板をセットし、照度10〜30mW/cm、照射時間10分の条件で紫外線を照射した。一方、従来例では、KOH濃度10%溶液を含んだ洗浄液をガラス基板に供給しながら、ブラシをガラス基板に接触させ回転させることで、10分間、ブラシ洗浄を行った。
除去工程後、実施例および従来例で作製されたガラス基板の傷、ガラス基板に付着した紙由来物質の汚染の有無を、レーザ顕微鏡を用いて確認した。実施例及び従来例のガラス基板の傷、汚染箇所の数を、ガラス基板の表面の10箇所以上の任意の箇所で観察したところ、汚染箇所の数は、実施例および従来例のいずれも、4個/cm以下であったが、傷の数は、実施例では、1つも確認されなかったのに対し、従来例では、8個/cmを超えていた。
これより、本実施形態のガラス基板の製造方法の効果は明らかである。
以上、本発明のガラス基板の製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更してもよいのはもちろんである。
10 積層体
11 ガラス基板
12 紙
20 パレット(梱包体)
21 基台部
22 載置部
23 背面板

Claims (4)

  1. ガラス基板のアニール工程を含むガラス基板の製造方法であって、
    前記アニール工程は、
    複数のガラス基板をそれぞれ紙の間に挟んだ状態で厚さ方向に積層して、ガラス基板の積層体を作製する工程と、
    前記積層体を熱処理することにより、前記ガラス基板の熱収縮率を低下させる工程と、
    前記熱処理する工程において前記ガラス基板に付着した前記紙由来物質を分解し、除去する工程と、を備えることを特徴とするガラス基板の製造方法。
  2. 前記除去する工程では、紫外線を照射することにより前記紙由来物質を分解する、請求項1に記載のガラス基板の製造方法。
  3. 前記紙由来物質は、セルロース、ヘミセルロース、リグニンから選ばれた一種、または、それらの組み合わせからなる多糖類の熱分解物である、請求項1または2に記載のガラス基板の製造方法。
  4. 前記熱処理における雰囲気の最高温度は、400〜500℃である、請求項1から3のいずれか1項に記載のガラス基板の製造方法。
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