JP2016010977A - 液体噴射装置、及び液体噴射装置の制御方法 - Google Patents

液体噴射装置、及び液体噴射装置の制御方法 Download PDF

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Kinya Ozawa
欣也 小澤
博幸 倉本
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Abstract

【課題】温度変化に伴う噴射特性の変動を抑制することが可能な液体噴射装置、及び、液体噴射装置の制御方法を提供する。【解決手段】記録ヘッドに設けられた温度センサーは、プラテンヒーターに対向する対向領域よりも外側に記録ヘッドが相対移動したときに温度を検出する。駆動信号生成回路は、検出された温度に応じて噴射パルスを補正する。【選択図】図7

Description

本発明は、インクジェット式プリンター等の液体噴射装置、及び、その制御方法に関するものであり、特に、噴射した液体の着弾対象を加熱する加熱手段を有する液体噴射装置、及び、その制御方法に関するものである。
液体噴射装置は、ノズルから液体を噴射可能な液体噴射ヘッドを備え、この液体噴射ヘッドから各種の液体を噴射する装置である。この液体噴射装置の代表的なものとして、例えば、インクジェット式記録ヘッド(以下、「記録ヘッド」という。液体状のインクを噴射する液体噴射ヘッドとも言える。)を備え、この記録ヘッドのノズルから液体状のインクを記録紙等の記録媒体に対して噴射・着弾させることで画像等の記録を行うインクジェット式プリンター(以下、「プリンター」という。)等の画像記録装置を挙げることができる。また、近年においては、この画像記録装置に限らず、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造装置等、各種の製造装置にも液体噴射装置が応用されている。
ここで、上記プリンターは、近年では、一般的な家庭用のプリンターで用いられる印刷用紙等の記録媒体よりも大きな記録媒体、例えば、野外広告等に印刷する用途に用いられる場合がある。この場合の記録媒体としては、耐候性を重視して、例えば塩化ビニールから成る樹脂フィルムが好適に用いられる。この樹脂フィルムに対する印刷に用いられるインクとしては、有機溶剤を主成分とするソルベントインクと呼ばれるものがある。このソルベントインクは、水系のインクと比較して耐擦過性・耐候性に優れている。
ところで、上記の樹脂フィルムは、インクを吸収しにくいため、記録画像が滲んでしまう虞がある。このような問題に対応すべく、プラテン上の記録媒体を加熱する加熱手段(プラテンヒーター)を設け、この加熱手段による記録紙の加熱により、記録紙に着弾したインクの乾燥・定着を促す構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−30313号公報
しかしながら、上記の加熱手段で記録媒体を加熱する構成では、加熱手段からの熱が記録ヘッドに伝わることで、時間の経過と共にインクの粘度が変化する。一般的には、記録ヘッド内部の温度が上昇すると共にインクの粘度が低下する。インクの粘度が低下すると、同じ圧力で噴射したときのインクの量(重量・体積)が増加する。即ち、噴射特性が温度に応じて変動する。これにより、フィルムに印刷する画像の濃度が濃くなってしまう虞があった。
また、例えば、プリンターで印刷可能な最大サイズの記録媒体よりもさらに大きい広告等を印刷する場合には、ロール状のフィルムに対して完成予定の広告を部分的に印刷していき、印刷後のフィルムを裁断して各部位に分割し、分割した各部位をつなぎ合わせて連続した1枚の完成品にすることがある。このように部分的に印刷したものを一枚につなぎ合わせる構成では、境界部分で濃度差が目立ってしまい、画質の低下に繋がってしまう問題となっていた。特に、記録ヘッドの温度が低い状態で印刷を開始してから当該ヘッドの温度が定常状態に至るまでの間のヘッド内部の温度変化が著しいため上記の問題が生じやすい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、温度変化に伴う噴射特性の変動を抑制することが可能な液体噴射装置、及び液体噴射装置の制御方法を提供することにある。
本発明の液体噴射装置は、液体を噴射するノズルが設けられた記録ヘッドと、前記記録ヘッドに対向して設けられ、前記記録ヘッドを相対的に移動させる移動手段と、前記噴射した液体の着弾対象を加熱する加熱手段と、前記記録ヘッドの温度を検出する温度検出手段と、前記記録ヘッドを駆動する駆動波形を生成する駆動波形生成手段と、前記記録ヘッドに前記駆動波形を供給して液体を噴射させる液体噴射制御手段と、を備えた液体噴射装置であって、前記温度検出手段は、前記記録ヘッドが移動する範囲において、前記加熱手段に対向する対向領域より外側に前記記録ヘッドがあるときに、前記記録ヘッドの温度を検出し、前記駆動波形生成手段は、前記検出された温度に応じた駆動波形を生成することを特徴とする。
この構成によれば、記録ヘッドが対向領域より外の領域にあるときに温度が検出され、この温度に応じて駆動波形が補正されるので、温度検出時に加熱手段の加熱から受ける熱の影響が低減する。これにより、例えば、液滴の吐出量、吐出速度、サテライト滴の形成状況等、温度変化に伴う吐出特性の変動を抑制し、着弾対象に記録される画像等の濃度が変動することを抑制できる。特に、加熱手段による加熱を開始後、記録ヘッドの温度が上昇し、検出温度が急激に変化した後で、定常状態又はそれに近い状態になるまでの温度の急激な変化にも拘わらず画像等の色調の変動を防止することができる。
また、記録ヘッドが対向領域内にあると、加熱手段によって支持部材が温度上昇中のような場合、支持部材に対向する記録ヘッドの温度も上昇するため、検出される温度が一定せず、不安定な検出となるが、対向領域外で温度を検出するとかかる不具合がない。
上記液体噴射装置において、着弾対象を支持する支持部材をさらに備え、前記加熱手段は、前記支持部材を加熱し、前記温度検出手段は、前記記録ヘッドが移動する範囲において、前記対向領域より外側且つ支持部材に対向する領域より外側に前記記録ヘッドがあるときに、前記記録ヘッドの温度を検出することが望ましい。
このようにすれば、支持部材を加熱する構成をもつ液体噴射装置において、対向領域より外側で、さらに支持部材に対向する領域より外の領域にあるときに温度が検出されるので、吐出特性の変動をより確実に抑制することができる。
上記液体噴射装置において、前記温度検出手段は、前記記録ヘッドに設けられた温度検出手段が前記対向領域より外側にあるときに、前記記録ヘッドの温度を検出することが望ましい。
このようにすれば、温度検出手段が受ける熱の影響を抑制し、吐出特性の変動をより確実に抑制することができる。
上記液体噴射装置において、液体噴射装置の使用温度範囲内で、前記液体は低温で粘度が高く、高温で粘度が低い傾向のある液体であり、前記駆動波形生成手段は、前記温度検出手段によって検出される温度が高いとき、検出温度が低い場合の駆動電圧に比べて駆動電圧の振幅を小さくすることが望ましい。
このようにすれば、低温で粘度が高く、高温で粘度が低い傾向のある液体の噴射を好適におこなうことができる。
上記液体噴射装置において、前記温度検出手段は、前記記録ヘッドが前記対向領域の外側に相対的に移動する毎のタイミングで温度を検出することが望ましい。
このようにすれば、対向領域の外側に相対的に移動する毎に駆動波形の補正が行われるので、温度変化に伴う噴射特性の変動をより効果的に抑制することができる。
上記液体噴射装置において、前記駆動波形生成手段は、前記温度検出手段によって検出された温度と、前回のタイミングで検出された温度との温度差に基づいて、駆動波形を生成することが望ましい。
このようにすれば、ヘッドの温度変化に応じて、温度変化に伴う噴射特性の変動をより効果的に抑制することができる。
また、本発明は、液体噴射装置の制御方法とすることもできる。すわなち、本発明の液体噴射装置の制御方法は、液体を噴射するノズルが設けられた記録ヘッドと、前記記録ヘッドに対向して設けられ、前記記録ヘッドを相対的に移動させる手段と、前記噴射した液体の着弾対象を加熱する加熱手段と、前記記録ヘッドに前記駆動波形を供給して液体を噴射させる液体噴射制御手段と、を備えた液体噴射装置の制御方法であって、前記記録ヘッドが移動する範囲において、前記加熱手段に対向する対向領域より外側に前記記録ヘッドがあるときに、前記記録ヘッドに搭載された温度検出手段により前記記録ヘッドの温度を検出し、前記検出された温度に応じた駆動波形を生成することを特徴とする。
このようにすれば、記録ヘッドが対向領域より外の領域にあるときに検出された温度に応じて駆動波形が補正されるので、温度検出時に加熱手段から受ける熱の影響が低減し、例えば、液滴の吐出量、吐出速度、サテライト滴の形成状況等、温度変化に伴う吐出特性の変動を抑制することができる。
プリンターの電気的な構成を説明するブロック図である。 プリンターの内部構成を説明する図であり、(a)は斜視図、(b)は横断面図、(c)は(b)におけるプラテンの周辺の拡大図である。 記録ヘッドの要部断面図である。 駆動信号COMに含まれる噴射パルスPSの波形例を説明する図である。 プラテンヒーターの温度、記録ヘッドのノズル近傍の温度、及び、温度センサーによって検出される温度の変化を示すグラフである。 記録ヘッドとプラテンヒーターとの位置関係を示す図である。 ヘッド移動速度に対し、駆動信号COMの生成、温度検出、及びパルス補正の各処理のタイミングを対応付けたタイミングチャートである。 第2の実施形態のプリンターにおけるプラテン周辺の構成を示した図である。 記録ヘッドとヒーターとの位置関係を示す図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、本発明の液体噴射装置として、インクジェット式記録装置(以下、「プリンター」という)を例に挙げて説明する。以下の例では、圧電振動子でインクを噴射するインクジェットプリンターを例に挙げるが、液体に熱を与えて沸騰させ、その力でインクを噴射する液体噴射装置であってもよい。また、記録ヘッドがプラテンに対して移動するのではなく、プラテン側が記録ヘッドに対して移動するようなものであってもよい。
図1は、プリンター1の電気的な構成を説明するブロック図である。また、図2は、プリンター1の内部構成を説明する図であり、(a)は斜視図、(b)は横断面図、(c)は(b)におけるプラテン16の周辺の拡大図である。
例示したプリンター1は、記録用紙、布、樹脂フィルム等の記録媒体Sに向けて、液体の一種であるインクを噴射する。記録媒体Sは、液体が噴射されて着弾する対象となる着弾対象である。外部装置としてのコンピューターCPは、プリンター1と通信可能に接続されている。プリンター1に画像を印刷させるため、コンピューターCPは、その画像に応じた印刷データをプリンター1に送信する。
プリンター1は、搬送機構2、キャリッジ用移動機構3(移動手段)、駆動信号生成回路4(駆動波形生成手段)、ヘッドユニット5、検出器群6、プラテンヒーター10、及び、プリンタコントローラー(液体噴射制御手段)7を有する。搬送機構2は、記録媒体Sを搬送方向に搬送させる。キャリッジ用移動機構3は、ヘッドユニット5が取り付けられたキャリッジを所定の移動方向(例えば紙幅方向)に移動させる。駆動信号生成回路4は、図示しないDAC(Digital Analog Converter、ディジタルアナログ変換器)を含む。そして、プリンタコントローラー7から送られた駆動信号の波形に関する波形データに基づいて、アナログの電圧信号を生成する。また、駆動信号生成回路4は、駆動信号生成回路4は図示しない増幅回路も含んでおり、DACからの電圧信号を電力増幅し、駆動信号COMを生成する。この駆動信号COM(駆動波形)は、記録媒体に対する印刷処理(記録処理或いは噴射処理)時に記録ヘッド8の圧電振動子32(図3参照)に印加されるものであり、図4に一例を示すように、駆動信号COMの繰り返し周期である単位期間内に噴射パルスPSを少なくとも1つ以上含む一連の信号である。ここで、噴射パルスPSとは、記録ヘッド8から液滴状のインクを噴射させるために、圧電振動子32に所定の動作を行わせるものである。なお、噴射パルスPSの詳細については後述する。
ヘッドユニット5は、記録ヘッド8と、ヘッド制御部11と、温度センサー(温度検出手段)9と、を有する。記録ヘッド8は、液体噴射ヘッドの一種であり、インクを記録媒体に向けて噴射させて、当該記録媒体に着弾させてドットを形成する。この記録ヘッド8は、ドットがマトリクス状に並ぶようインクを選択的に噴射することで、記録媒体Sに画像等が記録される。ヘッド制御部11は、プリンタコントローラー7からのヘッド制御信号に基づき、記録ヘッド8を制御する。温度センサー9は、サーミスター、熱電対などの温度検出センサーであり、図3に示すように、記録ヘッド8のケース28の収納空部31内に設けられている。この温度センサー9は、記録ヘッド8内部の温度を検出し、検出信号を温度情報としてプリンタコントローラー7のCPU25側に出力する。なお、記録ヘッド8の構成については後で説明する。検出器群6は、プリンター1の状況を監視する複数の検出器によって構成される。これらの検出器による検出結果は、プリンタコントローラー7に出力される。プリンタコントローラー7は、プリンター1における全体的な制御を行う。
搬送機構2は、記録ヘッド8の走査方向に直交する方向(以下、「搬送方向」という)に記録媒体Sを搬送させるための機構である。この搬送機構2は、給紙ローラー13と、搬送モーター14と、搬送ローラー15と、プラテン(支持部材)16と、排紙ローラー17と、を有する。給紙ローラー13は、記録媒体Sをプリンター内に給紙するためのローラーである。搬送ローラー15は、給紙ローラー13によって給紙された記録媒体Sを印刷可能な領域であるプラテン16上まで搬送するローラーであり、搬送モーター14によって駆動される。プラテン16は、印刷中の記録媒体Sを支持する。このプラテン16は、その内部にプラテンヒーター10を備えている。排紙ローラー17は、記録媒体Sをプリンターの外部に排出するローラーであり、印刷可能な領域に対して搬送方向下流側に設けられている。この排紙ローラー17は、搬送ローラー15と同期して回転する。
プリンタコントローラー7は、プリンターの制御を行うための制御ユニットである。プリンタコントローラー7は、インターフェース部24と、CPU25と、メモリー26とを有する。インターフェース部24は、外部装置であるコンピューターCPとプリンター1との間で、コンピューターCPからプリンター1に送信された印刷データや印刷命令の受信およびコンピューターCPへのプリンター1の状態情報等の送信等を行う。CPU25は、プリンター全体の制御を行うための演算処理装置である。メモリー26は、CPU25のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものであり、RAM、EEPROM等の記憶素子を有する。CPU25は、メモリー26に格納されているプログラムに従って、各ユニットを制御する。
プラテンヒーター10は、プラテン16上を通過する記録媒体Sを加熱するための装置である。プラテンヒーター10は、プリンタコントローラー7に接続されており、プリンター1の電源の投入と共に加熱を開始し、所定の温度(例えば40〜50℃)になるように制御される。プラテンヒーター10は、後述する記録ヘッド8に対向する位置に設けられており、プラテン16を加熱することで、プラテン16上を通過する記録媒体Sを加熱することができるようになっている。なお、プラテンヒーター10は、本発明における加熱手段に相当する。
図2に示すように、キャリッジ12は、主走査方向に架設されたガイドロッド19に軸支された状態で取り付けられており、キャリッジ用移動機構3の作動により、ガイドロッド19に沿って記録媒体Sの搬送方向に直交する主走査方向に往復移動するように構成されている。キャリッジ12の主走査方向の位置は、リニアーエンコーダー20を利用して検出され、その検出信号、即ち、エンコーダーパルス(位置情報の一種)がプリンタコントローラー7のCPU25に送信される。リニアーエンコーダー20は位置情報出力手段の一種であり、記録ヘッド8の走査位置に応じたエンコーダーパルスを、主走査方向における位置情報として出力する。本実施形態におけるリニアーエンコーダー20は、プリンター1の筐体内側に主走査方向へ張設されたスケール20a(エンコーダフィルム)と、キャリッジ12の背面に取り付けられたフォトインタラプタ(図示せず)とを備えている。スケール20aは透明な樹脂製フィルムによって作製された帯状(バンド状)部材であり、例えば、透明なベースフィルムの表面に帯幅方向を横断する不透明なストライプが複数印刷されたものである。各ストライプは、同じ幅とされ、帯長手方向に一定ピッチ、例えば180dpiに相当するピッチで形成されている。また、フォトインタラプタは、互いに対向配置された一対の発光素子と受光素子とによって構成され、スケール20aの透明部分での受光状態とストライプ部分での受光状態の差異に応じてエンコーダーパルスを出力するようになっている。
ストライプは同じ幅のものが一定ピッチで形成されているため、キャリッジ12の移動速度が一定であれば、エンコーダーパルスは一定間隔で出力される一方、キャリッジ12の移動速度が一定でない場合(加速中又は減速中)では、エンコーダーパルスの間隔はキャリッジの移動速度に応じて変化する。そして、このエンコーダーパルスはCPU25に入力されている。このため、CPU25は、受信したエンコーダーパルスに基づいてキャリッジ12に搭載された記録ヘッド8の走査位置を認識できる。即ち、例えば、受信したエンコーダーパルスをカウントすることで、キャリッジ12の位置を認識することができる。これにより、CPU25はこのリニアーエンコーダー20からのエンコーダーパルスに基づいてキャリッジ12(記録ヘッド8)の走査位置を認識しながら、記録ヘッド8による記録動作を制御することができる。
キャリッジ12の移動範囲内における記録領域よりも外側の端部領域(図2(a)における右手前の領域)には、キャリッジの走査の基点となるホームポジションが設定されている。本実施形態におけるホームポジションには、記録ヘッド8のノズル形成面(ノズルプレート37の噴射側の面:図3参照)を封止するキャッピング部材21と、ノズル形成面を払拭するためのワイパー部材22とが配置されている。そして、プリンター1は、このホームポジションから反対側の端部(以下、フルポジション)へ向けてキャリッジ12が移動する往動時と、フルポジションからホームポジション側にキャリッジ12が戻る復動時との双方向で記録媒体S上に文字や画像等を記録する所謂双方向記録処理(印刷処理・噴射処理)が可能に構成されている。
また、本実施形態におけるプリンター1は、印刷中において記録ヘッド8をホームポジションのキャッピング部材21や、ホームポジションとは反対側のフルポジションのプラテン16上に設けられたインク受部23の上方まで移動させてキャッピング部材21やインク受部23にノズル面を相対させた状態でこれらの液体受部に向けてフラッシングを実行する。このフラッシングでは、インクの増粘や気泡の滞留によって低下した、インクの噴射量や飛翔速度等の噴射特性を設計上の目標値に回復させることを目的として、増粘したインクや気泡をノズルから強制的に噴射させて除去する。したがって、このフラッシングは、噴射能力回復処理に相当する。
次に、図3を参照しながら記録ヘッド8の構成について説明する。
記録ヘッド8は、ケース28と、このケース28内に収納される振動子ユニット29と、ケース28の底面(先端面)に接合される流路ユニット30等を備えている。上記のケース28は、例えば、エポキシ系樹脂により作製され、その内部には振動子ユニット29を収納するための収納空部31が形成されている。振動子ユニット29は、圧力発生手段として機能する圧電振動子32と、この圧電振動子32が接合される固定板33と、圧電振動子32に駆動信号等を供給するためのフレキシブルケーブル34とを備えている。圧電振動子32は、圧電体層と電極層とを交互に積層した圧電板を櫛歯状に切り分けることで作製された積層型であって、積層方向(電界方向)に直交する方向に伸縮可能(電界横効果型)な縦振動モードの圧電振動子である。また、収納空部31内において、固定板33と振動板38との間のケース28の内壁面に温度センサー9が取り付けられている。
流路ユニット30は、流路基板36の一方の面にノズルプレート37を、流路基板36の他方の面に振動板38をそれぞれ接合して構成されている。この流路ユニット30には、リザーバー39(共通液体室)と、インク供給口40と、圧力室41と、ノズル連通口42と、ノズル43と、が設けられている。そして、インク供給口40から圧力室41及びノズル連通口42を経てノズル43に至る一連のインク流路が、各ノズル43に対応して形成されている。
上記ノズルプレート37は、ドット形成密度に対応したピッチ(例えば180dpi)で複数のノズル43が列状に穿設された部材であり、本実施形態では、例えば、ステンレス鋼によって作製されている。また、ノズルプレート37は、シリコン単結晶基板によって作製される場合もある。上記振動板38は、支持板45の表面に弾性体膜46を積層した二重構造である。本実施形態では、金属板の一種であるステンレス板を支持板45とし、この支持板45の表面に樹脂フィルムを弾性体膜46としてラミネートした複合板材を用いて振動板38を作製している。この振動板38には、圧力室41の容積を変化させるダイヤフラム部47が設けられている。また、この振動板38には、リザーバー39の一部を封止するコンプライアンス部48が設けられている。
上記のダイヤフラム部47は、エッチング加工等によって支持板45を部分的に除去することで作製される。即ち、このダイヤフラム部47は、圧電振動子32の自由端部の先端面が接合される島部49と、この島部49を囲む薄肉弾性部50と、を有している。上記のコンプライアンス部48は、リザーバー39の開口面に対向する領域の支持板45を、ダイヤフラム部47と同様にエッチング加工等によって除去することにより作製され、リザーバー39に貯留された液体の圧力変動を吸収するダンパーとして機能する。
そして、上記の島部49には圧電振動子32の先端面が接合されているので、この圧電振動子32の自由端部を伸縮させることで圧力室41の容積が変動する。この容積変動に伴って圧力室41内のインクに圧力変動が生じ、記録ヘッド8は、この圧力変動を利用してノズル43からインク滴を噴射させるようになっている。
図4は、駆動信号生成回路4によって生成される駆動信号COMに含まれる噴射パルスPSの波形例を説明する図である。駆動信号COMは、繰り返し周期である単位期間ごとに駆動信号生成回路4によって繰り返し生成される。単位期間は、記録媒体Sに印刷する画像等の1画素分に対応する距離だけノズル43が移動する間の期間に対応する。例えば、印刷解像度が720dpiの場合、単位期間Tは、ノズル43が記録媒体Sに対して1/720インチ移動するための期間に相当する。そして、この単位期間内には、噴射パルスPSが発生する期間Tpが少なくとも1つ以上含まれている。即ち、駆動信号COMには、噴射パルスPSが少なくとも1つ以上含まれている。なお、噴射パルスPSの形状は例示したものには限られず、ノズル43から噴射するインクの量等に応じて種々の波形のものが採用される。
図4(a)において、噴射パルスPSの波形の各点における座標e0〜e7が示されている。駆動信号COMが生成される際、プリンタコントローラー7からは、このような駆動信号の波形を時間と電圧の座標で規定した座標データ(時間、電圧)が送られる。即ち、座標データにおけるXは、e0を原点としたときの経過時間を示し、Yはその時間における電圧を示している。駆動信号生成回路4は、送られた座標データに基づいて座標点間を補間し、各座標データの座標がつなぎ合わされた波形の駆動信号を生成する。つまり、プリンタコントローラー7から送られる各座標データが変化させられると、これに応じて噴射パルスの波形も変化する。
例えば、噴射パルスの振幅を大きくしたいときには、e2における電圧Y2及びe3における電圧Y3の値を高くし、e4における電圧Y4及びe5における電圧Y5の値を低くする。このようにすることで、噴射パルスの振幅が大きくなるので、印加される圧電振動子32の変位はより大きなものとなる。また、噴射パルスの振幅を小さくしたいときには、e2における電圧Y2及びe3における電圧Y3の値を小さくし、e4における電圧Y4及びe5における電圧Y5の値を高くする。このようにすることで、噴射パルスの振幅が小さくなるので、印加される圧電振動子32の変位はより小さなものとなる。そして、所望の噴射パルスを生成することができる。また、電圧を変えることなく電位変化の傾きを変えることもできる。例えば、e1における時間X1の値を大きくしたり、e4における時間X4の値を小さくしたりすることで、電位変化の傾きを急峻にすることができる。これにより、印加される圧電振動子32の変位がより急激になる。逆に、e1における時間X1の値を小さくしたり、e4における時間X4の値を大きくしたりすることで、電位変化の傾きを緩やかにすることができる。これにより、印加される圧電振動子32の変位がより緩やかになる。
ところで、本実施形態において使用されるインクは、温度によって粘度が変化する。そして、インクの粘度が低いとノズルからインク滴を噴射しやすくなる一方、インクの粘度が高くなるとノズルからインク滴を噴射しにくくなる。そのため、インクの温度が異なると、同じ駆動信号(噴射パルス)を圧電振動子32に印加した場合においてもインク滴の噴射量は異なることになる。具体的には、同一波形の噴射パルスを圧電振動子32に印加した場合であっても、温度が高いと温度が低いときより大きなサイズのインク滴が噴射されることとなる。このように、温度によってインク滴の噴射量が異なると、温度によって記録媒体Sに形成される画像の濃度が変わってしまう。本実施形態におけるプリンター1では、電源が投入されると共にプラテンヒーター10の加熱が開始されるため、このプラテンヒーター10からの熱が記録ヘッド8に伝わってインクの粘度が変化し、具体的には粘度が低下していく。
図5は、プリンター1の電源が投入されてからのプラテンヒーター10の温度、記録ヘッド8のノズル近傍の温度、及び、温度センサー9によって検出される温度の変化を示すグラフである。同図に示すように、プラテンヒーター10からの熱により、記録ヘッド8内部の温度が電源投入時の比較的低い状態から時間の経過と共に上昇していく。なお、温度センサー9の配置位置がノズル43から遠い位置にある構成では、ノズル43の近傍のインクの温度は、温度センサー9によって検出される温度よりも高い傾向となる。記録ヘッド8内部の温度(温度センサー9による検出温度)が定常状態になるまでの間、インクの粘度が著しく変化するため、画像の濃度変化が生じやすい。
上述したように、プラテンヒーター10からの熱によって画像の濃度変化が生じ易くなってしまうという問題を防止するために、本実施形態のプリンター1では、記録ヘッド8の走査範囲内において、プラテンヒーター10に対向する領域(以下、「対向領域」という)よりも外側に記録ヘッド8が移動したときに温度センサー9によりヘッド内部の温度を検出し、検出された温度に応じて駆動信号生成回路4から発生する駆動信号COMに含まれる噴射パルスPSを補正するように構成されている。
図6は、記録ヘッド8の副走査方向(紙幅方向)について、記録ヘッド8とプラテンヒーター10との位置関係を示している。図6に示すように、記録ヘッド8の走査範囲内において、プラテンヒーター10が設けられた範囲に対向する対向領域に記録ヘッド8がある場合、プラテンヒーター10による熱の影響を受けて加熱されやすい。すなわち、記録ヘッド8がこの対向領域内にあるときには、プラテンヒーター10からの熱の一部が記録ヘッド8にも伝達し、記録ヘッド8に設けられた温度センサー9による温度検出に影響を与えてしまうことになる。特に、記録ヘッド8に設けられた温度センサー9の配置位置が対向領域の範囲内にあるときには、温度センサー9による温度検出は、プラテンヒーター10の熱による影響を受け易い。
図7は、記録ヘッド8の移動速度に対応させて、駆動信号COMの生成、温度検出、及びパルス補正の各処理のタイミングを示したタイミングチャートであり、記録ヘッド8の片道の走査分を示している。なお、温度検出処理とパルス補正処理のタイミングについては矩形パルスで示している。印刷処理が開始されると、ホームポジションで待機していた記録ヘッド8は、フルポジション側に向けて移動を開始する。記録ヘッド8が一定の速度になるまでの加速は対向領域外で完了する。対向領域内、即ち、プラテンヒーター10に対向する領域では、記録ヘッド8は定速移動をしつつ、印刷データに基づいて駆動信号COMに含まれる噴射パルスPSを圧電振動子32に印加することでノズル43からインクを噴射して、記録媒体S上に画像等を印刷する。そして、記録ヘッド8は、対向領域よりも外側に移動すると噴射動作を一旦停止して減速し、移動方向を反対方向に切り替わる際に一時的に移動速度が0となり、移動を停止する。
温度センサー9による温度の検出は、当該検出温度が定常状態になるまでの間においては、記録ヘッド8が対向領域外に移動する毎(即ち、主走査方向の端から端に移動する毎)に行われる。本実施形態においては、対向領域外であって、記録ヘッド8が移動方向を変えるために停止した時点(あるいは停止したように見える時点)で温度センサー9による温度の検出が行われる。記録ヘッド8の移動が停止したタイミングで温度検出を行うことで、検出信号にノイズが重畳することが防止される。これにより、より正確な温度を検出することができる。なお、温度センサー9の検出信号に重畳するノイズとしては、記録ヘッド8の移動時(記録ヘッド8の位置を固定してプラテン16を移動させる構成の場合、プラテン16の移動時)の振動に伴うノイズや、キャリッジ用移動機構3のモーターからのノイズが考えられる。したがって、記録ヘッド8が対向領域外において停止した時点で温度検出を行うことで、これらの影響を防止することができる。また、記録ヘッド8が対向領域内にあると、プラテンヒーター10で熱せられるプラテン16が温度上昇中のような場合、プラテン16に対向する記録ヘッド8の温度も上昇をしているため、検出される温度が一定せず、不安定な検出となるが、対向領域外(更にプラテン16に対向しない場所)であるとこのような不具合が防止される。もっとも、温度検出は、記録ヘッド8が移動を停止した時点には限られず、記録ヘッド8が対向領域外で方向を変えるために減速・停止・加速して再度対向領域に入るまでの、対向領域内での移動速度に比べて低速な状態でのタイミングで温度を検出することもできる。
温度センサー9による温度検出に伴い、記録ヘッド8が再び印刷領域に入るまでの間に、検出された温度に応じて噴射パルスPSの補正(或いは印刷開始時の初期設定)が行われる。プリンタコントローラー7のメモリー26には、温度センサー9の検出温度に対して噴射パルスPSを構成する波形要素の各点における座標e0〜e7の変化量を規定する補正式が記憶されている。即ち、検出された温度と当該補正式に基づいて、その後の印刷処理で駆動信号生成回路4が発生する噴射パルスPSが補正され、駆動信号生成回路4は、その後の印刷処理では、補正された噴射パルスPSを含む駆動信号を生成する。
図4(b)は、温度センサー9の検出温度に応じて変化させられた噴射パルスPSを説明するための図である。同図には、検出温度が15℃のときにおいて生成される噴射パルスPSと、検出温度が25℃のときにおいて生成される噴射パルスPSと、検出温度が40℃のときにおいて生成される噴射パルスPSとが示されている。プリンター1の使用温度範囲は5℃〜45℃である。図に示されるように、温度が低い(15℃)の場合の噴射パルスPSの振幅に比べて、それより温度が高い(25℃)のときの噴射パルスPSの振幅は小さく、40℃では更に振幅は小さくしている。溶剤系のインクでは使用温度範囲において温度が高くなると粘度が小さくなるため、それに応じて駆動電圧の振幅を小さくするとよい。即ち、駆動波形生成手段として機能する駆動信号生成回路4は温度センサー9によって検出される温度が高いほど、噴射パルスPSの駆動電圧を低下させて振幅を小さくする。そして、駆動信号生成回路4は、検出温度に応じた噴射パルスを含む駆動信号COMを生成する。
以上に説明したように、温度センサー9の検出温度が定常状態(又はそれに近い状態)となるまでの間においては、記録ヘッド8が対向領域外に移動する毎に、温度検出および噴射パルスの補正が行われる。これにより、温度変化に伴って液体の粘性が変化し、同じ駆動波形であると液体の噴射量が変わってしまうことを抑制でき、その結果、記録媒体Sに印刷される画像等の濃度が変動することが抑制される。特に、プリンター1に電源が入った後で、プラテンヒーター10が加熱を開始し、プラテンヒーター10や記録ヘッド8の温度が定常状態に達する前に急激な温度変化が生じている時点であっても検出温度が定常状態になるまでの温度の急激な変化にも拘わらず画像等の色調の変動を防止することができる。例えば、樹脂フィルムなどの記録媒体に対して広告等を部分的に印刷していき、最終的に各部位をつなぎ合わせて連続した1枚の広告等にする場合では、各部位の境界部分での画像の濃度差を低減することができる。
また、対向領域外で温度検出を行うため、温度検出やそれに応じた駆動信号(駆動波形)の変更を迅速に行うことができ、印刷ムラが低減される。そして、温度センサー9の検出温度が定常状態又は定常状態に近い状態となった後は、引き続き記録ヘッド8が対向領域外に移動する毎に温度検出および噴射パルスの補正を行うようにしても良いし、例えば、ホームポジション側の対向領域外に記録ヘッド8が移動したときだけ温度検出及びパルス補正を行う等のように間隔を間引いても良い。なお、温度センサー9の検出温度に基づく噴射パルスPSの補正に関し、温度センサー9の検出温度からノズル近傍の温度を推定し、当該推定された温度に基づいて噴射パルスPSを補正しても良い。
さらに、新たな駆動波形の生成は、対向領域外で検出した温度と、前回のタイミングで検出した温度との温度差が所定の値(例えば、1℃)より大きくなった場合におこなうようにし、温度差が所定の値より小さい場合には、前回と同じ駆動波形を使い続けるようにしてもよい。このようにすれば、好適な吐出特性を得るとともに、駆動波形を変更する回数を抑制できるので駆動回路への負担や回路から発生するノイズを低減することができる。
次に、第2の実施形態について説明する。上述した第1の実施形態では、記録ヘッド8が、プラテンヒーター10に対向する対向領域の外にあるときに、ヘッドの温度を検出して駆動波形を補正するようにしたが、第2の実施形態では、記録媒体に着弾したインクを乾燥させるための乾燥用ヒーターに対向する領域を対向領域として、記録ヘッド8が対向領域の外にあるときに、ヘッドの温度を検出して駆動波形を補正する。なお、第2の実施形態については、第1の実施形態と同様の構成の説明は省略することとする。
図8は、第2の実施形態のプリンターにおけるプラテン周辺の構成を示した図である。図8に示すように、プリンター100には、記録媒体の搬送方向において記録ヘッド8より下流側且つ記録媒体より記録ヘッド8側に、記録媒体に着弾されたインクを乾燥させるための乾燥用ヒーター60が設けられている。この構成においては、図9に示すように、乾燥用ヒーター60により加熱される領域に対向する領域が対向領域となる。第2の実施形態では、記録ヘッド8がこの対向領域よりも外側に移動したときに温度センサー9によってヘッド内部の温度を検出し、検出された温度に応じて駆動信号生成回路4から発生する駆動信号COMに含まれる噴射パルスPSを補正する。これにより、ヒーター60からの熱の影響による温度変化に伴って液体の粘性が変化し、同じ駆動波形であると液体の噴射量が変わってしまうことを抑制することができる。その結果、記録媒体Sに印刷される画像等の濃度が変動することが抑制される。
なお、本発明は、上記した各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
上記第1の実施形態では、プラテンヒーター10に対向する領域を対向領域として、対向領域の外で温度を検出するようにしたが、プラテン16に対向する領域の外で温度を検出するようにしてもよい。このようにすれば、プラテンヒーター10からプラテン16に伝わった熱が、さらに記録ヘッド8に伝達することによる、吐出特性への影響を抑制できる。
上記各実施形態では、記録ヘッド8に温度センサー9が設けられた構造のプリンターについて説明したが、温度センサー9が設けられる位置についてはこれに限られない。例えば、記録ヘッド8を搭載するキャリッジに温度センサーを設けた構成としてもよい。
上記各実施形態では、温度検出およびパルス補正を対向領域内で記録ヘッド8の移動が停止したタイミングで行う例を示したが、これには限られず、記録ヘッド8が移動している状態で温度検出等を行うこともできる。この場合、検出信号にノイズが重畳することを抑制するべく、なるべく低速な状態で行うことが望ましい。
また、上記実施形態では、圧力発生手段として、所謂縦振動型の圧電振動子32を例示したが、これには限られず、例えば、所謂撓み振動型の圧電素子を採用することも可能である。この場合、上記実施形態で例示した噴射パルスPSに関し、電位の変化方向、つまり上下が反転した波形となる。
さらに、圧力発生手段としては圧力発生手段には限らず、圧力室内に気泡を発生させる発熱素子や静電気力を利用して圧力室の容積を変動させる静電アクチュエーター等の各種圧力発生手段を用いる場合にも本発明を適用することができる。
そして、以上では、液体噴射装置の一種であるインクジェット式プリンター1を例に挙げて説明したが、本発明は、着弾対象を加熱する加熱手段を備え、記録ヘッドを着弾対象に対して移動させながら液体の噴射を行う液体噴射装置にも適用することができる。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターを製造するディスプレイ製造装置,有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイやFED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極製造装置,バイオチップ(生物化学素子)を製造するチップ製造装置,ごく少量の試料溶液を正確な量供給するマイクロピペットにも適用することができる。
1…プリンター,2…搬送機構,3…キャリッジ用移動機構,4…駆動信号生成回路,7…プリンタコントローラー,8…記録ヘッド,9…温度センサー,10…プラテンヒーター,16…プラテン,32…圧電振動子,41…圧力室,43…ノズル。
上記各実施形態では、温度検出およびパルス補正を対向領域で記録ヘッド8の移動が
停止したタイミングで行う例を示したが、これには限られず、記録ヘッド8が移動してい
る状態で温度検出等を行うこともできる。この場合、検出信号にノイズが重畳することを
抑制するべく、なるべく低速な状態で行うことが望ましい。

Claims (7)

  1. 液体を噴射するノズルが設けられた記録ヘッドと、前記記録ヘッドに対向して設けられ、前記記録ヘッドを相対的に移動させる移動手段と、前記噴射した液体の着弾対象を加熱する加熱手段と、前記記録ヘッドの温度を検出する温度検出手段と、前記記録ヘッドを駆動する駆動波形を生成する駆動波形生成手段と、前記記録ヘッドに前記駆動波形を供給して液体を噴射させる液体噴射制御手段と、を備えた液体噴射装置であって、
    前記温度検出手段は、前記記録ヘッドが移動する範囲において、前記加熱手段に対向する対向領域より外側に前記記録ヘッドがあるときに、前記記録ヘッドの温度を検出し、
    前記駆動波形生成手段は、前記検出された温度に応じた駆動波形を生成することを特徴とする液体噴射装置。
  2. 着弾対象を支持する支持部材をさらに備え、
    前記加熱手段は、前記支持部材を加熱し、
    前記温度検出手段は、前記記録ヘッドが移動する範囲において、前記対向領域より外側且つ支持部材に対向する領域より外側に前記記録ヘッドがあるときに、前記記録ヘッドの温度を検出する請求項1記載の液体噴射装置。
  3. 前記温度検出手段は、前記記録ヘッドに設けられた温度検出手段が前記対向領域より外側にあるときに、前記記録ヘッドの温度を検出する請求項1または2に記載の液体噴射装置。
  4. 前記液体噴射装置の使用温度範囲内で、前記液体は低温で粘度が高く、高温で粘度が低い傾向のある液体であり、前記駆動波形生成手段は、前記温度検出手段によって検出される温度が高いとき、検出温度が低い場合の駆動電圧に比べて駆動電圧の振幅を小さくすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の液体噴射装置。
  5. 前記温度検出手段は、前記記録ヘッドが前記対向領域の外側に相対的に移動する毎のタイミングで温度を検出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の液体噴射装置。
  6. 前記駆動波形生成手段は、前記温度検出手段によって検出された温度と、前回のタイミングで検出された温度との温度差に基づいて、駆動波形を生成することを特徴とする請求項5に記載の液体噴射装置。
  7. 液体を噴射するノズルが設けられた記録ヘッドと、前記記録ヘッドに対向して設けられ、前記記録ヘッドを相対的に移動させる手段と、前記噴射した液体の着弾対象を加熱する加熱手段と、前記記録ヘッドに前記駆動波形を供給して液体を噴射させる液体噴射制御手段と、を備えた液体噴射装置の制御方法であって、
    前記記録ヘッドが移動する範囲において、前記加熱手段に対向する対向領域より外側に前記記録ヘッドがあるときに、前記記録ヘッドに搭載された温度検出手段により前記記録ヘッドの温度を検出し、
    前記検出された温度に応じた駆動波形を生成することを特徴とする液体噴射装置の制御方法。
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