JP2016009766A - インプリント装置および物品製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 パターンの歪みの発生を抑えたインプリント装置を提供すること。【解決手段】 インプリント装置は、樹脂とモールドとの間にガスを供給するガス供給部と、気圧の変動に応じて前記ガスの供給量および組成の少なくともいずれかを変更するように前記ガスの供給を制御する制御部と、を備える。【選択図】 図2
Description
本発明は、インプリント装置および物品製造方法に関する。
半導体デバイスの微細化の要求が進み、従来のフォトリソグラフィ技術に加え、基板上の未硬化樹脂をモールド(型)で成形し、樹脂のパターンを基板上に形成する微細加工技術が注目を集めている。この技術は、インプリント技術とも呼ばれ、基板上に数ナノメートルオーダーの微細な構造を形成することができる。例えば、インプリント技術の一つとして、光硬化法がある。この光硬化法を採用したインプリント装置では、まず、基板(ウエハ)上のショット領域(インプリント領域)に樹脂(紫外線硬化樹脂)を塗布する。次に、塗布された樹脂(未硬化樹脂)をモールドにより成形する。そして、紫外線を照射して樹脂を硬化させたうえで離型することにより、樹脂のパターンが基板上に形成される。
インプリント装置では、一般に装置内の雰囲気が大気である。そのため、モールドと樹脂とを互いに押し付けるとその間に大気が留まり、留まった大気が残留ガスとなって樹脂に気泡が混入するなど転写されるパターンに不具合が生じ、パターン形成が正確にできない場合がある。このような状況を避けるために、残留ガスが樹脂やモールドに溶解、拡散、または透過して消滅するまで待機する方法もあるが、インプリント処理に多大な時間を要する。
特許文献1は、インプリント雰囲気において未硬化樹脂に対する溶解性または拡散性が高いガスを供給して残留ガスを樹脂に溶解または拡散させることで、残留ガスを素早く減少させるインプリント装置を開示している。一方、特許文献2は、モールドと樹脂とを押し付けた際の圧力上昇により凝縮する凝縮性ガスをインプリント雰囲気に使用したインプリント装置を開示している。この凝縮性ガスは、残留時には液化して、気体時に比べて体積が数百分の1にまで小さくなるので、残留ガスのパターン形成への影響を抑えることができる。
しかし、特許文献1のインプリント装置では、インプリント雰囲気の気圧が想定した気圧から変化した場合、樹脂とモールドとの間に満たしたガスの密度や組成、及び、樹脂内部の溶存ガス量や組成もまた変化し、形成されるパターンに歪みが発生することがある。特許文献2のインプリント装置では、チャンバ内を所定の圧力に調整するようにガスを供給するのでインプリント雰囲気の気圧の変化による影響を低減できるが、装置の大型化、および、ガスの使用量が特許文献1のインプリント装置に比べ増加してしまう。
そこで、本発明は、パターンの歪みの発生を抑えたインプリント装置を提供することを目的とする。
本発明の1つの側面は、基板の上に塗布された樹脂をモールドと接触させて前記を硬化させるインプリント処理を行うインプリント装置であって、前記樹脂と前記モールドとの間にガスを供給するガス供給部と、気圧の変動に応じて前記ガスの供給量および組成の少なくともいずれかを変更するように前記ガスの供給を制御する制御部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、例えば、パターンの歪みの発生を抑えたインプリント装置を提供することができる。
各図において、同一の部材については、同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
[インプリント装置の共通構成]
図8は、基板の上に塗布された樹脂(インプリント材)をモールドと接触させて樹脂を硬化させるインプリント処理を行うインプリント装置の構成図である。インプリント装置は、半導体デバイス製造工程に使用される、被処理基板である基板(ウエハ)に対してモールド(型)の凹凸パターンを転写する。図8のインプリント装置は、モールドの凹凸パターンを転写する際に光硬化性樹脂を光によって硬化する手法を採用した装置である。図8に示すように、モールド11に対して光(紫外線)を照射する方向に平行な軸をZ軸とし、Z軸に対して直交する方向にX軸及びY軸を定める。
図8は、基板の上に塗布された樹脂(インプリント材)をモールドと接触させて樹脂を硬化させるインプリント処理を行うインプリント装置の構成図である。インプリント装置は、半導体デバイス製造工程に使用される、被処理基板である基板(ウエハ)に対してモールド(型)の凹凸パターンを転写する。図8のインプリント装置は、モールドの凹凸パターンを転写する際に光硬化性樹脂を光によって硬化する手法を採用した装置である。図8に示すように、モールド11に対して光(紫外線)を照射する方向に平行な軸をZ軸とし、Z軸に対して直交する方向にX軸及びY軸を定める。
インプリント装置は、基板8を保持する基板保持部2、モールド11を保持するモールド保持部3、アライメント計測部4、紫外線を照射する照射部(硬化部)5、制御部6、塗布部(ディスペンサ)7、ガス供給部25を含む。基板8は、被処理基板であり、例えば、単結晶シリコンウエハやSOI(Silicon on Insulator)ウエハなどが用いられる。基板8の被処理面には、樹脂が塗布される。樹脂としては、紫外線硬化樹脂が使用される。本実施形態では、光硬化法のインプリント装置を使用する。しかし、本発明は、例えば樹脂を加熱することによって硬化させるインプリント装置等、光硬化法以外のインプリント装置にも適用可能である。
モールド11は、外周部が矩形で基板8に対する対向面に、基板8上へ塗布された樹脂に転写する凹凸のパターンが3次元形状に形成された型である。モールド11には石英などの紫外線を透過させる素材が用いられる。照射部5は、インプリント処理の際に、モールド11に対して紫外線を照射する。この照射部5は、光源16と、光源16から照射された紫外線をインプリント処理に適切な光に調整するための複数の光学系17と紫外線が基板表面を走査するための走査機構18から構成される。
モールド保持部3は、モールド11を保持及び固定し、基板8にモールド11の凹凸パターンをインプリントするためのユニットである。モールド保持部3は、モールド保持機構12、モールド形状補正機構13、モールドステージ23からなる。モールド保持機構12は、不図示の真空吸着パットによってモールド11を機械的に保持及び固定する。また、モールド保持機構12は、モールドステージ23に機械的に保持される。モールドステージ23は、モールド11の凹凸パターンを基板8に転写する際に基板8とモールド11の間隔を位置決めするための駆動系であり、Z軸方向に駆動する。また、凹凸パターンの転写時には高精度な位置決めが要求されるため、モールドステージ23は、粗動駆動系と微動駆動系など複数の駆動系から構成されていても良い。さらに、モールドステージ23は、Z軸方向だけでなく、X軸方向、Y軸方向、またはθ(Z軸周りの回転)方向位置調整機能、モールド11の傾きを補正するためのチルト機能を有していても良い。モールド保持機構12には、モールド11の形状を補正するためのモールド形状補正機構13が配置されており、モールド11の側面に力もしくは変位を与えることによってモールド11の形状を補正することができる。
基板保持部2は、基板8を保持し、インプリント時に基板8とモールド11の並進シフトの補正(位置合わせ)をする。基板保持部2は、基板保持機構9、基板ステージ10からなる。基板保持機構9は、真空吸着パッドによって基板8を機械的に保持する。また、基板保持機構9は、不図示の真空吸着パットによって基板ステージ10に機械的に保持される。基板ステージ10は、基板8とモールド11の並進シフトの補正(位置合わせ)をするためのX軸方向及びY軸方向に駆動する駆動系である。基板ステージ10は、また、X軸方向とY軸方向の駆動系は、粗動駆動系と微動駆動系など複数の駆動系から構成されていてもよい。さらに、基板ステージ10は、Z軸方向の位置調整のための駆動系や、基板8のθ(Z軸周りの回転)方向位置調整機能、基板8の傾きを補正するためのチルト機能を有していても良い。
塗布部7は、基板8に樹脂を塗布する。塗布部7は、吐出ノズル(不図示)を有しており、吐出ノズルから基板8に樹脂を滴下する。なお、樹脂は紫外線を照射することによって硬化する性質を持つ樹脂を利用する。また、吐出する樹脂の量は、必要となる樹脂厚さや転写するパターン密度などによって決めれば良い。アライメント計測部4は、基板8、及び、モールド11に形成されたアライメントマークを用いて、基板パターン(不図示)とモールドパターン(不図示)のX軸方向及びY軸方向への位置ずれと、形状差を計測する。
ガス供給部25は、塗布部7により基板8上に滴下された樹脂と、モールド11との間にガスをガス供給ノズル26a、26bから供給する。ガス供給ノズル26a、26bは、基板8上に滴下された樹脂とモールド11との間の大気とガスの置換を行う。ガスには拡散性の高いヘリウムガスなどを用いることが出来る。ヘリウムガスは高価なため、経済性を高めるためには使用量を減らすことが有効である。そのため、ガス供給部25にはマスフローコントローラ(不図示)を利用することが出来る。ガス供給部25は、モールド11と基板8上の樹脂が接液する直前から、次に塗布部7により基板8上に樹脂の塗布が終了するまでの間、ガスの供給を停止するとよい。制御部6は、インプリント装置の各構成要素の動作、及び調整等を制御する。特に、本実施形態では、制御部6はモールド保持部3を構成するモールドステージ23やモールド形状補正機構13の制御、走査機構18の制御、ガス供給部25の制御を行う。
インプリント装置は、チャンバ19に収容される。チャンバ19は、送風機(不図示)、ケミカルフィルタ(不図示)やパーティクルフィルタ(不図示)を含む。送風機によりチャンバ19が設置される雰囲気の大気を取り込み、取り込んだ大気に僅かに含まれる化学物質や塵をケミカルフィルタやパーティクルフィルタで取り除き、送風口20からブース空間22へ清浄な大気を供給する。排気口21からはインプリント装置から発生した熱や塵などを排気する。ブース空間22の圧力は、チャンバ19が設置される雰囲気よりも僅かに高く調整し、チャンバ19の隙間からケミカルフィルタやパーティクルフィルタを通過していない大気が入り込むことを防ぐ。ブース空間22と雰囲気の圧力差は、0.3Pa以上5.0Pa以下とすることができる。
インプリント装置は、基板8を基板保持部2へ搬送するための基板搬送ユニット(不図示)、モールド11をモールド保持部3へ搬送するためのモールド搬送ユニット(不図示)を有する。また、インプリント装置は、基板保持部2を保持するためのベース定盤24、モールド保持部3を保持するためのブリッジ定盤14、ブリッジ定盤14を支えるための支柱15を有する。また、基板保持機構9はモールド11をアライメントする際に利用する基準マーク(不図示)を有している。
以下に、本発明の実施形態を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1は第1実施形態のインプリント装置の図である。図8と共通する部分の説明は省略する。第1実施形態のインプリント装置は、図1に示すように、制御部6へ気圧情報31を入力する。気圧情報31として、インプリント装置が設置されるクリーンルームの気圧情報が利用できる。チャンバ19内のブース空間22の気圧は、クリーンルームの気圧よりも高いが、その差は、僅か5.0Pa以下である。本発明で問題とする気圧の変動は、ブース空間22とクリーンルームとの気圧差より遥かに大きな変動であり、10Pa(0.1hPa)以下の変動は無視して構わない。ブース空間22は、ガス供給ノズル26a、26b、基板8、基板8上に滴下された樹脂、モールド11を内包する空間である。よって、基板8の少なくとも一部が接する大気の気圧とクリーンルームの気圧は等価と見なすことができる。
図1は第1実施形態のインプリント装置の図である。図8と共通する部分の説明は省略する。第1実施形態のインプリント装置は、図1に示すように、制御部6へ気圧情報31を入力する。気圧情報31として、インプリント装置が設置されるクリーンルームの気圧情報が利用できる。チャンバ19内のブース空間22の気圧は、クリーンルームの気圧よりも高いが、その差は、僅か5.0Pa以下である。本発明で問題とする気圧の変動は、ブース空間22とクリーンルームとの気圧差より遥かに大きな変動であり、10Pa(0.1hPa)以下の変動は無視して構わない。ブース空間22は、ガス供給ノズル26a、26b、基板8、基板8上に滴下された樹脂、モールド11を内包する空間である。よって、基板8の少なくとも一部が接する大気の気圧とクリーンルームの気圧は等価と見なすことができる。
クリーンルームの気圧を測定する気圧センサ(不図示)の情報を、ネットワークを介してインプリント装置の制御部6へ一定間隔で気圧情報31として入力させるとよい。複数の気圧センサ(不図示)がクリーンルームに設置されている場合、もっともインプリント装置に近い場所に設置された気圧センサの気圧情報を利用しうる。また、気圧情報31は、気圧センサによる測定値に変化があったときのみ制御部6へ入力することとしても構わない。ガス供給部25から供給されたガスは、塗布部7により基板8上に滴下された樹脂とモールド11との間に、ガス供給ノズル26aとガス供給ノズル26bを介して供給される。図1では、ガス供給ノズル26a,26bを2つ配置しているが、ガス供給ノズルの数、ガス供給ノズルの位置、および、ガス供給ノズルの形状を特定してはいない。以後、特に定めない限りガス供給ノズル26aと26bを総じてガス供給ノズル26と称する。
ガス供給部25から供給されるガスは、拡散性の高いヘリウムガスが利用できる。その他、凝縮性ガスのPFP(ペンタフルオロプロパン)を利用することも有効である。また、これら拡散性の高いヘリウムガスと凝縮性ガスのPFPを混合した気体を利用することも可能である。さらに、窒素ガスを混合してもよい。ここに記したガスの種類は一例であり、パターン凹部へのインプリント材の充填を促進させるためのガスであれば、ガスの種類を制限するものではない。
つぎに、図2に基づいて第1実施形態の流量変更方法について説明する。図2は第1実施形態の流量変更方法のフローチャートである。気圧情報31は、制御部6へ入力される。制御部6は、気圧情報31に応じてガス供給部25からガス供給ノズル26へ供給するガスの流量指令値fを算出する。制御部6は、気圧の上昇に従ってガスの供給量を増加させ、気圧の下降に従ってガスの供給量を減少させる。次に、制御部6は、算出したガス流量指令値fをガス供給部25へ出力する。ガス供給部25は、流量指令値fに一致するようにガス流量を調整する。よって、ガス供給ノズル26から吹き出されるガス流量は気圧情報31に応じて変更されうる。
供給するガスは2種類以上のガスを混合し供給することも可能である。2種類以上のガスを混合して供給する場合には、制御部6は、ガス種毎に流量指令値をガス供給部25に出力し、ガス供給部25は、流量指令値に応じてガス種毎に流量を調整する。または、制御部6は、1つの流量指令値fをガス供給部に出力し、ガス供給部が、受け取った1つの流量指令値fに応じて、予め設定した混合比率に応じてガス種毎の流量を変更するようにしてもよい。さらには、インプリント装置外のホストコンピュータ(不図示)により、気圧情報31に応じてガス供給部25から供給するガス流量を算出し、算出したガス流量の指令値fを制御部6へ送信するようにしても構わない。
[第2実施形態〕
つぎに、図3に基づいて第2実施形態の流量変更方法について説明する。図3は第2実施形態の流量変更方法のフローチャートである。まず、図1を使ってブース空間22の気体密度について説明する。インプリント装置のブース空間22の気圧は、クリーンルームの気圧にくらべ、僅か5.0Pa以下だけ圧力が高い。クリーンルームの気圧が低下すると、ブース空間22の気圧もまた、同じ圧力だけ低下する。厳密には、クリーンチャンバ19に構成される送風機(不図示)が送り出す質量風量が低下するため、ブース空間22の気圧とクリーンルームの気圧とは僅かに近づくが、ここでは無視できる。
つぎに、図3に基づいて第2実施形態の流量変更方法について説明する。図3は第2実施形態の流量変更方法のフローチャートである。まず、図1を使ってブース空間22の気体密度について説明する。インプリント装置のブース空間22の気圧は、クリーンルームの気圧にくらべ、僅か5.0Pa以下だけ圧力が高い。クリーンルームの気圧が低下すると、ブース空間22の気圧もまた、同じ圧力だけ低下する。厳密には、クリーンチャンバ19に構成される送風機(不図示)が送り出す質量風量が低下するため、ブース空間22の気圧とクリーンルームの気圧とは僅かに近づくが、ここでは無視できる。
インプリント装置のブース空間22の大気は、クリーンルームと同じ大気が利用される。但し、クリーンルームの大気に含まれる小さな塵や、有機質と無機質のケミカル汚染物質を取り除くフィルタ(不図示)を通した大気を、送風口20からブース空間22へ供給する。低気圧等の気候変動などにより、クリーンルームの大気やブース空間22の大気は、圧力低下に伴い式1に従い密度が低下することが知られている。ただし、ρは、大気の密度(kg/m3)、Pは、クリーンルーム又はブース空間の気圧(hPa)、Rは、気体定数(2.87)、Tは気温(℃)である。
ρ=P/{R(T+273.15)}・・・(1)
式1によると、1気圧、23℃における大気の密度ρ0は、以下のようになる。ここで、P0=1013.25hPa(1気圧)、T23=23℃である。
式1によると、1気圧、23℃における大気の密度ρ0は、以下のようになる。ここで、P0=1013.25hPa(1気圧)、T23=23℃である。
ρ0=P0/{R(T23+273.15)}=1.19(kg/m3)・・・条件1
0.95気圧、23℃における大気の密度ρ2は、以下のようになる。ここで、P2=962.59hPa(0.95気圧)である。
0.95気圧、23℃における大気の密度ρ2は、以下のようになる。ここで、P2=962.59hPa(0.95気圧)である。
ρ2=P2/{R(T23+273.15)}=1.13(kg/m3)・・・条件2
大気の密度は条件1と条件2の結果によると、大気圧で0.05気圧(5%)の気圧変化にて、密度もまたほぼ5%低下することがわかる。要するに、ブース空間22の大気は天候の変化に応じ、常に密度が変化している。ガス供給部25が供給するガスもまた圧力により体積変化する圧縮性を示す。ガスの流量は、圧力と温度により変化してしまうため、ある基準状態における流量として扱われる。ガスを扱う機器で広く利用されているガスの流量の単位にSLM(Standard Liters per Minute)がある。SLM単位は、多くのガスを測定する流量計や、ガスの流量を制御するマスフローコントローラに広く利用されている。SLM単位とは、1気圧(1013.25hPa)、0℃(273.15K)における1分間当たりの流量を意味する。図1に示すガス供給部25には、ガス流量を測定する流量計(不図示)が含まれる。
大気の密度は条件1と条件2の結果によると、大気圧で0.05気圧(5%)の気圧変化にて、密度もまたほぼ5%低下することがわかる。要するに、ブース空間22の大気は天候の変化に応じ、常に密度が変化している。ガス供給部25が供給するガスもまた圧力により体積変化する圧縮性を示す。ガスの流量は、圧力と温度により変化してしまうため、ある基準状態における流量として扱われる。ガスを扱う機器で広く利用されているガスの流量の単位にSLM(Standard Liters per Minute)がある。SLM単位は、多くのガスを測定する流量計や、ガスの流量を制御するマスフローコントローラに広く利用されている。SLM単位とは、1気圧(1013.25hPa)、0℃(273.15K)における1分間当たりの流量を意味する。図1に示すガス供給部25には、ガス流量を測定する流量計(不図示)が含まれる。
制御部6からの流量指令値に応じ、ガス流量を調整するバルブ(不図示)の開度を調整し、流量計が出力する流量情報が、流量指令値に一致するようにフィードバック制御を行う。マスフローコントローラは、前記のガス流量計とガス流量を調整するバルブとフィードバック制御を行う制御部を含む。従来のインプリント装置では、インプリント装置が設置されるクリーンルームの気圧とは関係なく、制御部6に予め設定された流量指令値に応じて、基準状態(1気圧、0℃)に換算したガス流量(質量流量)をガス供給ノズル26a、26bから供給していた。前述したようにガス供給部25から供給されたガスは、基板8上の樹脂とモールド11との間に、ガス供給ノズル26aとガス供給ノズル26bを介して供給される。ガス供給ノズル26aと26bの周囲や、基板8上の樹脂とモールド11との間にはブース空間22と同じ成分の大気が存在する。
基板8上の樹脂とモールド11との間に、ガス供給ノズル26a、26bからガスを供給することで、局所的にガス濃度が高い局所パージ空間が形成される。局所パージ空間は、ブース空間22に開放した空間である。そのため、局所パージ空間は、ガスと僅かにブース空間22の大気とが混合した混合ガスにより満たされる。前述したように、ブース空間22の大気の密度は、大気圧の変動に応じて変化する。これ対して、ガス供給部25から供給するガス流量(質量流量)は一定である。このため、局所パージ空間のガスの濃度は、大気圧が下がった場合には上昇し、大気圧が上昇した場合はガスの濃度が低下する。すなわち、大気の気圧変化によって局所パージ空間内のガスの濃度が変化してしまい、パターンに歪みを発生させてしまう問題があった。
図3について説明する。図3のフローチャートは前述した大気圧の変動による局所パージ空間のガスの濃度変化を抑える方法である。詳細を説明する。図1のインプリント装置では、気圧情報31に応じて制御部6が流量指令値fを算出する。例えば基準状態Aを1気圧、かつ、23℃としたときの流量を基準流量指令値f0とする。大気圧の変化による大気の密度変化に比例して、ガス供給部25から供給するガスの質量流量の指令値fは、式2を元に算出できる。ここで、ρは大気密度、ρ0は基準状態Aの基準大気密度である。
f=f0(ρ/ρ0)・・・(2)
図3のフローチャートによれば、制御部6は式2を用いて、気圧情報31に応じた流量指令値fを算出し、算出した流量指令値fをガス供給部25に出力する。ガス供給部25は、受け取った流量指令値fに応じてガスの流量制御を行い、ガス供給ノズル26から、基板8上の樹脂とモールド11との間にガスを供給する。第2実施形態では、大気の密度変化に応じてガス流量を変化させることにより、局所パージ空間のガス濃度の変化を抑制することが可能である。また、供給するガスは2種類以上の混合ガスでもよい。例えば2種類の混合ガスの場合、図3の基準状態A(1気圧、かつ、23℃)の基準流量指令値f0には式3と条件3が与えられる。ここで、f1は第1のガスの流量、f2は第2のガスの流量である。
図3のフローチャートによれば、制御部6は式2を用いて、気圧情報31に応じた流量指令値fを算出し、算出した流量指令値fをガス供給部25に出力する。ガス供給部25は、受け取った流量指令値fに応じてガスの流量制御を行い、ガス供給ノズル26から、基板8上の樹脂とモールド11との間にガスを供給する。第2実施形態では、大気の密度変化に応じてガス流量を変化させることにより、局所パージ空間のガス濃度の変化を抑制することが可能である。また、供給するガスは2種類以上の混合ガスでもよい。例えば2種類の混合ガスの場合、図3の基準状態A(1気圧、かつ、23℃)の基準流量指令値f0には式3と条件3が与えられる。ここで、f1は第1のガスの流量、f2は第2のガスの流量である。
f0=f1+f2・・・(3)
f1∝f2・・・条件3
図3のフローチャートの場合、第1のガスと第2のガスの供給量の割合、すなわち混合ガスの組成は、条件3に示されるように、常に一定である。第2実施形態では、気圧情報31に応じて、質量流量比一定で流量を変更する。例えば第1のガスにヘリウムガスを、第2のガスに窒素ガスを利用することが出来る。ガス供給ノズル26から供給したガスにより局所的にガス濃度を高めた局所パージ空間を効率的に形成するには、ガス供給ノズルから噴出すガスの流速を高めると効率良く雰囲気の大気と置換することが出来る。ヘリウムガスのみを使用すると、高価なヘリウムガスの消費量を増大させてしまう問題がある。そこで、ガス供給ノズルから噴出すガスの流速を高め、且つ、ヘリウムガスの消費量を抑えるために、安価な窒素ガスを混合させ流速を上げるとよい。なお、式2の補正式は一例であり、この算出方法に限定されるものではない。ガスの種類もヘリウムガス、窒素ガスに限定されるものではない。
f1∝f2・・・条件3
図3のフローチャートの場合、第1のガスと第2のガスの供給量の割合、すなわち混合ガスの組成は、条件3に示されるように、常に一定である。第2実施形態では、気圧情報31に応じて、質量流量比一定で流量を変更する。例えば第1のガスにヘリウムガスを、第2のガスに窒素ガスを利用することが出来る。ガス供給ノズル26から供給したガスにより局所的にガス濃度を高めた局所パージ空間を効率的に形成するには、ガス供給ノズルから噴出すガスの流速を高めると効率良く雰囲気の大気と置換することが出来る。ヘリウムガスのみを使用すると、高価なヘリウムガスの消費量を増大させてしまう問題がある。そこで、ガス供給ノズルから噴出すガスの流速を高め、且つ、ヘリウムガスの消費量を抑えるために、安価な窒素ガスを混合させ流速を上げるとよい。なお、式2の補正式は一例であり、この算出方法に限定されるものではない。ガスの種類もヘリウムガス、窒素ガスに限定されるものではない。
〔第3実施形態〕
つぎに、図4に基づいて第3実施形態の流量および組成変更方法について説明する。図4は第3実施形態の流量および組成変更方法のフローチャートである。図4の制御部6では、2種類以上の流量指令値を出力する。制御部6は、気圧情報31とは無関係に、予め設定された流量指令値(第1の流量指令値)fcを出力する系統と、気圧情報31に応じて可変の流量指令値(第2の流量指令値)fvを算出し流量指令値fvを出力する系統とを有する。流量指令値fcは複数のガス種類で構成されてもよい。ただし、複数のガス種類間での供給量の割合は一定である。流量指令値fvは、式2を元に式4により与えられる。なお、基準流量指令値fv0の大気圧と温度の条件は前述の基準状態Aと同じ1気圧、かつ、23℃とする。ρは大気密度、ρ0は基準状態Aの基準大気密度である。
つぎに、図4に基づいて第3実施形態の流量および組成変更方法について説明する。図4は第3実施形態の流量および組成変更方法のフローチャートである。図4の制御部6では、2種類以上の流量指令値を出力する。制御部6は、気圧情報31とは無関係に、予め設定された流量指令値(第1の流量指令値)fcを出力する系統と、気圧情報31に応じて可変の流量指令値(第2の流量指令値)fvを算出し流量指令値fvを出力する系統とを有する。流量指令値fcは複数のガス種類で構成されてもよい。ただし、複数のガス種類間での供給量の割合は一定である。流量指令値fvは、式2を元に式4により与えられる。なお、基準流量指令値fv0の大気圧と温度の条件は前述の基準状態Aと同じ1気圧、かつ、23℃とする。ρは大気密度、ρ0は基準状態Aの基準大気密度である。
fv=fv0(ρ/ρ0)・・・(4)
ガス供給部25には、流量指令値fvに応じた流量制御を行う系統と、流量指令値fcに応じた流量制御を行う複数の流量制御機構を有する。流量制御機構は例えばマスフローコントローラが利用可能である。複数種類のガスはガス供給部25内で混合され、ガス供給ノズル26から基板8上の樹脂とモールド11との間に混合ガスを供給する。本手法では、式3と条件3は適用されない。流量指令値fvと基準状態Aの基準流量指令値fv0に差が生じた場合は、ガスの流量が変更されるのと同時に、ガスの組成も変更される。また、流量指令値fvは2種類以上(2系統以上)であってもよい。気圧情報31に応じてガスの流量を変化させる方法は式4に限らず、異なる補正式を用いてもよく、さらに、異なる補正式を併用しても良い。
ガス供給部25には、流量指令値fvに応じた流量制御を行う系統と、流量指令値fcに応じた流量制御を行う複数の流量制御機構を有する。流量制御機構は例えばマスフローコントローラが利用可能である。複数種類のガスはガス供給部25内で混合され、ガス供給ノズル26から基板8上の樹脂とモールド11との間に混合ガスを供給する。本手法では、式3と条件3は適用されない。流量指令値fvと基準状態Aの基準流量指令値fv0に差が生じた場合は、ガスの流量が変更されるのと同時に、ガスの組成も変更される。また、流量指令値fvは2種類以上(2系統以上)であってもよい。気圧情報31に応じてガスの流量を変化させる方法は式4に限らず、異なる補正式を用いてもよく、さらに、異なる補正式を併用しても良い。
〔第4実施形態〕
つぎに、図5に基づいて第4実施形態の組成変更方法について説明する。図5は第4実施形態の組成変更方法のフローチャートである。図5のフローチャートでは、気圧情報31に応じて、混合ガスの供給流量(総供給量)は変更せずに、組成(混合比)を変更した場合の一例である。制御部6は、気圧情報31に応じてガスA及びガスBそれぞれの流量指令値faとfbを算出し、流量指令値faとfbを出力する系統を有する。第4実施形態における混合ガスの総流量fv0(=fa+fb)は一定である。基準状態A(1気圧、且つ、23℃)におけるガスAとガスBとの混合比率をαとおくと、気圧情報31に応じて、制御部6は、式5と式6を元に流量指令値faとfbを算出できる。ここで、ρ0は基準状態Aの基準大気密度である。
つぎに、図5に基づいて第4実施形態の組成変更方法について説明する。図5は第4実施形態の組成変更方法のフローチャートである。図5のフローチャートでは、気圧情報31に応じて、混合ガスの供給流量(総供給量)は変更せずに、組成(混合比)を変更した場合の一例である。制御部6は、気圧情報31に応じてガスA及びガスBそれぞれの流量指令値faとfbを算出し、流量指令値faとfbを出力する系統を有する。第4実施形態における混合ガスの総流量fv0(=fa+fb)は一定である。基準状態A(1気圧、且つ、23℃)におけるガスAとガスBとの混合比率をαとおくと、気圧情報31に応じて、制御部6は、式5と式6を元に流量指令値faとfbを算出できる。ここで、ρ0は基準状態Aの基準大気密度である。
fa=fv0・α(ρ/ρ0)・・・(5)
fb=fv0−fa=fv0{1−α(ρ/ρ0)}・・・(6)
ガスAは例えばヘリウムガスが利用可能である。ガスBは例えば窒素ガスが利用可能である。このとき、混合比率αは、0.7以上1.0未満であることが望ましい。流量制御機構は第3実施形態で紹介した仕組みが利用できる。複数種類のガスはガス供給部25内で混合され、ガス供給ノズル26から基板8上の樹脂とモールド11との間に混合ガスを供給する。図5では、2種類の混合ガスについて説明しているが、2種類以上のガスであってもよく、混合比率を求める式は、式5と式6によらず他の方法でも構わない。
fb=fv0−fa=fv0{1−α(ρ/ρ0)}・・・(6)
ガスAは例えばヘリウムガスが利用可能である。ガスBは例えば窒素ガスが利用可能である。このとき、混合比率αは、0.7以上1.0未満であることが望ましい。流量制御機構は第3実施形態で紹介した仕組みが利用できる。複数種類のガスはガス供給部25内で混合され、ガス供給ノズル26から基板8上の樹脂とモールド11との間に混合ガスを供給する。図5では、2種類の混合ガスについて説明しているが、2種類以上のガスであってもよく、混合比率を求める式は、式5と式6によらず他の方法でも構わない。
〔第5実施形態〕
つぎに、図6に基づいて第5実施形態のインプリント装置について説明する。図6は、図1から、気圧情報のインプット方法を変更したインプリント装置である。図1ではインプリント装置外から気圧情報31を制御部6へ入力した。第5実施形態では、図6に示すように、インプリント装置は、ブース空間22の気圧を測定する気圧センサ33を有する。気圧センサ33から出力される気圧情報31は、制御部6へ入力される。気圧センサ33をインプリント装置に構成することで、気圧変動に応じたガスの供給量、または、ガスの組成変更をインプリント装置単独で行うことが可能となる。
つぎに、図6に基づいて第5実施形態のインプリント装置について説明する。図6は、図1から、気圧情報のインプット方法を変更したインプリント装置である。図1ではインプリント装置外から気圧情報31を制御部6へ入力した。第5実施形態では、図6に示すように、インプリント装置は、ブース空間22の気圧を測定する気圧センサ33を有する。気圧センサ33から出力される気圧情報31は、制御部6へ入力される。気圧センサ33をインプリント装置に構成することで、気圧変動に応じたガスの供給量、または、ガスの組成変更をインプリント装置単独で行うことが可能となる。
第5実施形態では、第1実施形態等と比べて、制御部6に入力する気圧情報31の取得源に違いがあるが、制御部6に気圧情報31を入力した後のフローに変わりない。そのため、図2から図5に示したフローチャートの仕組みは図6のインプリント装置でも有効である。図6では、気圧センサ33は、ブース空間22内に配置されブース空間22の気圧を測定している。しかし、気圧センサ33を、チャンバ19の外部(クリーンルーム)に配置し、クリーンルーム雰囲気の気圧を測定しても構わない。
これまで気圧情報に着目し、例えば式2、式4、式5、式6を利用して、ガスの流量指令値を変更する手法について説明してきたが、式1から密度ρは、圧力P以外にも温度Tによっても変化することは明白である。温度Tの変化も含めガスの流量指令値を変更することも有効である。
〔第6実施形態〕
つぎに、図7に基づいて第6実施形態のインンプリント方法について説明する。図7は、図1または図6のインプリント装置にて塗布部7により基板8上に樹脂を滴下してから、樹脂を光によって硬化し、モールド11を離型するまでの一連のフローを示したものである。基板ステージ10は樹脂塗布位置へ移動する(S1)。次に塗布部7により基板8上へ樹脂を滴下する(S2)。ガス供給部25はガス供給ノズル26からガスの供給を開始する(S3)。基板ステージ10は、基板8上に塗布した樹脂領域が、モールド11の凹凸パターン直下に位置するように移動する(S4)。ガス供給ノズル26から供給されたガスにより、基板8上に塗布され樹脂とモールド11との間にガス濃度が高い局所パージ空間が形成される。並行して、制御部6は気圧情報31を取得する(S10)。
つぎに、図7に基づいて第6実施形態のインンプリント方法について説明する。図7は、図1または図6のインプリント装置にて塗布部7により基板8上に樹脂を滴下してから、樹脂を光によって硬化し、モールド11を離型するまでの一連のフローを示したものである。基板ステージ10は樹脂塗布位置へ移動する(S1)。次に塗布部7により基板8上へ樹脂を滴下する(S2)。ガス供給部25はガス供給ノズル26からガスの供給を開始する(S3)。基板ステージ10は、基板8上に塗布した樹脂領域が、モールド11の凹凸パターン直下に位置するように移動する(S4)。ガス供給ノズル26から供給されたガスにより、基板8上に塗布され樹脂とモールド11との間にガス濃度が高い局所パージ空間が形成される。並行して、制御部6は気圧情報31を取得する(S10)。
制御部6は、基板8上に塗布された樹脂をモールド11と接触させてから紫外光の照射を開始するまでの待機時間tの算出を行い(S11)、待機時間tを設定する(S12)。局所パージ空間が形成されたら、ガス供給を停止し(S5)、押印する(S6)。押印とは、モールドステージ23をZ駆動し、モールド11と基板8上の未硬化樹脂を密着させることをいう。モールド11と樹脂との界面には、局所パージ領域の混合ガス(ガス供給ノズル26から供給されたガスと大気との混合ガス)が残留ガスとして一部残る。残留ガスが、樹脂に溶解したり、拡散したり、モールド11を透過して消滅するように、紫外光の照射を、先に設定した待機時間tだけ待機する。図1および図6のインプリント装置の基準状態を、例えば前述の基準状態Aと同じ、気圧が1気圧、かつ、気温が23℃とする。基準状態Aの待機時間をt0とすると、式7により算出した待機時間tを利用することができる。ここで、ρは大気密度、ρ0は基準状態Aの基準大気密度である。
t=t0(ρ/ρ0)・・・(7)
インプリント装置が設置されたクリーンルームの気圧が低下した場合は、より短い待機時間で紫外光の照射を開始できる。気圧が上昇した場合は、基準待機時間t0よりも長く待機時間を取ることで、残留ガスが消滅する前に紫外光の照射を開始してしまうことを防ぐことが可能となる。なお、待機時間の補正式は式7に限らず、他の補正方法を利用しても構わない。待機時間tの経過後(S7)、光源16から照射された紫外線を基板8上の未硬化樹脂に照射する(S8)。樹脂が硬化後、離型する(S9)。離型とはモールドステージ23をZ駆動し、モールド11と基板8上の硬化した樹脂とを引き離す工程を示す。
インプリント装置が設置されたクリーンルームの気圧が低下した場合は、より短い待機時間で紫外光の照射を開始できる。気圧が上昇した場合は、基準待機時間t0よりも長く待機時間を取ることで、残留ガスが消滅する前に紫外光の照射を開始してしまうことを防ぐことが可能となる。なお、待機時間の補正式は式7に限らず、他の補正方法を利用しても構わない。待機時間tの経過後(S7)、光源16から照射された紫外線を基板8上の未硬化樹脂に照射する(S8)。樹脂が硬化後、離型する(S9)。離型とはモールドステージ23をZ駆動し、モールド11と基板8上の硬化した樹脂とを引き離す工程を示す。
図7では、気圧情報31に応じて、基板8上の樹脂をモールド11と接触させてから紫外線を樹脂に照射するまでの待機時間tを変更する手法について記した。しかし、そのような待機時間tに代えて、例えば、押印(S6)から離型(S9)までの時間を、気圧情報31に応じて変更することとしても構わない。式7を利用して、待機時間tを変更する手法について示したが、式1から密度ρは、気圧P以外にも気温Tによっても変化することがわかる。温度Tの変化も含め待機時間tを変更することも有効である。
[物品の製造方法]
本発明の実施形態に係る物品の製造方法は、例えば、半導体デバイス等のマイクロデバイスや微細構造を有する素子等の物品を製造するのに好適である。該製造方法は、インプリント装置を用いて基板上にパターンを形成する工程を含む。さらに、該製造方法は、パターンが形成された基板を加工する他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含みうる。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
本発明の実施形態に係る物品の製造方法は、例えば、半導体デバイス等のマイクロデバイスや微細構造を有する素子等の物品を製造するのに好適である。該製造方法は、インプリント装置を用いて基板上にパターンを形成する工程を含む。さらに、該製造方法は、パターンが形成された基板を加工する他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含みうる。本実施形態の物品の製造方法は、従来の方法に比べて、物品の性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
2:基板保持部。3:モールド保持部。6:制御部。7:塗布部。8:基板。11:モールド。19:チャンバ。20:送風口。21:排気口。22:ブース空間。25:ガス供給部。26、26a、26b:ガス供給ノズル。31:気圧情報。
Claims (14)
- 基板の上に塗布された樹脂をモールドと接触させて前記樹脂を硬化させるインプリント処理を行うインプリント装置であって、
前記樹脂と前記モールドとの間にガスを供給するガス供給部と、
気圧の変動に応じて前記ガスの供給量および組成の少なくともいずれかを変更するように前記ガスの供給を制御する制御部と、
を備えることを特徴とするインプリント装置。 - 前記ガスは、ヘリウム、ペンタフルオロプロパンおよび窒素ガスの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載のインプリント装置。
- 前記制御部は、前記気圧の変動に応じて前記ガスの供給量を変更するように前記ガスの供給を制御することを特徴とする請求項1または2に記載のインプリント装置。
- 前記制御部は、前記気圧の上昇に従って前記ガスの供給量を増加させ、前記気圧の下降に従って前記ガスの供給量を減少させるように前記ガスの供給を制御することを特徴とする請求項3に記載のインプリント装置。
- 前記ガス供給部は、複数種類のガスを供給し、
前記制御部は、前記複数種類のガスの供給量の割合を一定に保持しつつ、前記気圧の変動に応じて前記複数種類のガスの総供給量を変更するように前記複数種類のガスの供給を制御することを特徴とする請求項1または2に記載のインプリント装置。 - 前記ガス供給部は、複数種類のガスを供給し、
前記制御部は、前記複数種類のガスの総供給量を一定に保持しつつ、前記気圧の変動に応じて前記複数種類のガスの供給量の割合を変更するように前記複数種類のガスの供給を制御することを特徴とする請求項1または2に記載のインプリント装置。 - 前記ガス供給部は、複数種類のガスを供給し、
前記制御部は、前記気圧の変動に応じて前記複数種類のガスの総供給量および前記複数種類のガスの供給量の割合を変更するように前記複数種類のガスの供給を制御することを特徴とする請求項1または2に記載のインプリント装置。 - 基板の上に塗布された樹脂をモールドと接触させて前記樹脂を硬化させるインプリント処理を行うインプリント装置であって、
前記樹脂を硬化する硬化部と、
気圧の変動に応じて前記樹脂を前記モールドと接触させてから前記硬化部が前記樹脂の硬化を開始するまでの時間を制御する制御部と、
を備えることを特徴とするインプリント装置。 - 前記樹脂は、光硬化性樹脂であり、前記硬化部は、前記光硬化性樹脂に光を照射する照射部であり、
前記制御部は、前記基板に塗布された前記光硬化性樹脂を前記モールドと接触させてから前記照射部による前記光硬化性樹脂に対する光の照射を開始するまでの時間を制御することを特徴とする請求項8に記載のインプリント装置。 - 前記制御部は、前記気圧が上昇するに従って前記時間を増加させ、前記気圧が下降するに従って前記時間を減少させるように前記時間を制御することを特徴とする請求項8または9に記載のインプリント装置。
- 前記制御部は、前記気圧の変動に加えて気温の変動にも応じて前記時間を調整することを特徴とする請求項8ないし10のいずれか1項に記載のインプリント装置。
- 前記インプリント装置は、気圧センサをさらに備え、
前記インプリント装置は、チャンバの中に収容され、
前記制御部は、前記気圧センサから前記気圧の変動の情報を取得することを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載のインプリント装置。 - 前記インプリント装置は、チャンバの中に収容され、
前記制御部は、前記チャンバの外に配置された気圧センサから前記気圧の変動の情報を取得することを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載のインプリント装置。 - 請求項1ないし13のいずれか1項に記載のインプリント装置を用いて基板にパターンを形成する工程と、
前記パターンが形成された前記基板を加工する工程と、
を含むことを特徴とする物品製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014129704A JP2016009766A (ja) | 2014-06-24 | 2014-06-24 | インプリント装置および物品製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014129704A JP2016009766A (ja) | 2014-06-24 | 2014-06-24 | インプリント装置および物品製造方法 |
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JP2016009766A true JP2016009766A (ja) | 2016-01-18 |
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Family Applications (1)
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JP2014129704A Pending JP2016009766A (ja) | 2014-06-24 | 2014-06-24 | インプリント装置および物品製造方法 |
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JP (1) | JP2016009766A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019071386A (ja) * | 2017-10-11 | 2019-05-09 | キヤノン株式会社 | インプリント装置および物品製造方法 |
-
2014
- 2014-06-24 JP JP2014129704A patent/JP2016009766A/ja active Pending
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