JP2016008838A - 形状測定装置、構造物製造システム、形状測定方法、及び構造物製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ぶれが生じた場合においても精度の高い3次元形状を得る形状測定装置を提供する。
【解決手段】異なる複数のパターンを被測定物2に順次投影するパターン投影部10と、パターンとは異なる指標を投影する指標投影部51と、パターン投影部10の姿勢に関わりなく指標投影部の姿勢を保つ指標安定部50と、複数のパターンが投影された被測定物2をそれぞれ撮像する撮像部60と、撮像された像に基づいて投影されたパターンのぶれを検出するぶれ検出部75とを備える。
【選択図】図3
【解決手段】異なる複数のパターンを被測定物2に順次投影するパターン投影部10と、パターンとは異なる指標を投影する指標投影部51と、パターン投影部10の姿勢に関わりなく指標投影部の姿勢を保つ指標安定部50と、複数のパターンが投影された被測定物2をそれぞれ撮像する撮像部60と、撮像された像に基づいて投影されたパターンのぶれを検出するぶれ検出部75とを備える。
【選択図】図3
Description
本発明は、形状測定装置、構造物製造システム、形状測定方法、及び構造物製造方法に関する。
被測定物の3次元形状を測定する手法として位相シフト法が知られている。この位相シフト法を用いた形状測定装置は、投影部、撮像部、及び演算部を備えている。この投影部は、正弦波状の光強度の分布を有する縞状の光(以下、パターン光という。)を被測定物に投影するとともに、初期位相を例えばπ/2ずつ3回シフトさせる。撮像部は投影部の位置と異なる位置に配置されている。この撮像部は、縞の初期位相が0、π/2、π、3π/2のパターン光が投影された状態で、それぞれ被測定物を撮像する。演算部は、撮像部が撮像した4つの画像における各画素の輝度データを所定の演算式に当てはめ、被測定物の面形状に応じた各画素における初期位相0の縞の位相を求める。そして、演算部は、三角測量の原理を利用して、各画素における縞の位相から被測定物の3次元座標データを算出する。
この位相シフト法を利用した装置は、例えば、特許文献1に開示されている。この装置は、位相シフト法を用いて被測定物の3次元形状を測定する。そして、この装置は、被測定物の3次元形状に基づいて被測定物の欠陥検査を行う。
撮像部が被測定物を撮像している間に、投影部の投影方向がぶれにより変化した場合、演算部により算出される被測定物の3次元座標データの精度が低下する。
本発明の態様では、ぶれが生じた場合においても精度の高い3次元形状を得ることを目的とする。
本発明の第1態様によれば、異なる複数のパターンを被測定物に順次投影するパターン投影部と、パターンとは異なる指標を投影する指標投影部と、パターン投影部の姿勢に関わりなく指標投影部の姿勢を保つ指標安定部と、複数のパターンが投影された被測定物をそれぞれ撮像する撮像部と、撮像された像に基づいて投影されたパターンのぶれを検出するぶれ検出部と、を備える形状測定装置が提供される。
本発明の第2態様によれば、構造物の形状に関する設計情報を作製する設計装置と、設計情報に基づいて構造物を作製する成形装置と、作製された構造物の形状を測定する請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の形状測定装置と、形状測定装置によって得られた構造物の形状に関する形状情報と設計情報とを比較する検査装置とを含む構造物製造システムが提供される。
本発明の第3態様によれば、パターン投影部が異なる複数のパターンを被測定物に順次投影することと、指標投影部がパターンとは異なる指標を投影することと、パターン投影部の姿勢に関わりなく指標投影部の姿勢を保つことと、複数のパターンが投影された被測定物をそれぞれ撮像することと、撮像された像に基づいて投影されたパターンのぶれを検出することと、を含む形状測定方法が提供される。
本発明の第4態様によれば、構造物の形状に関する設計情報を作製することと、設計情報に基づいて構造物を作製することと、作製された構造物の形状を請求項10に記載の形状測定方法で測定することと、形状測定方法によって得られた構造物の形状に関する形状情報と設計情報とを比較すること、とを含む構造物製造方法が提供される。
本発明の態様によれば、ぶれが生じた場合においても精度の高い3次元形状を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。また、図面においては、実施形態を説明するため、一部分を大きく又は強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現している。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る形状測定装置1の一例を示す図である。また、図2は、投影領域300における縞パターンの強度分布を示す図である。なお、図1において、紙面の右方向をX1軸(第2軸)とし、X1軸と直交するある方向をY1軸(第1軸)とし、X1軸及びY1軸と直交する方向をZ1軸としている。また、図1に示すように3軸座標系を設定した場合、図2においては、紙面の右方向がY1軸となり、紙面の上方向がX1軸となり、紙面の裏から表に向かう方向がZ1軸となる。
図1は、第1実施形態に係る形状測定装置1の一例を示す図である。また、図2は、投影領域300における縞パターンの強度分布を示す図である。なお、図1において、紙面の右方向をX1軸(第2軸)とし、X1軸と直交するある方向をY1軸(第1軸)とし、X1軸及びY1軸と直交する方向をZ1軸としている。また、図1に示すように3軸座標系を設定した場合、図2においては、紙面の右方向がY1軸となり、紙面の上方向がX1軸となり、紙面の裏から表に向かう方向がZ1軸となる。
形状測定装置1は、位相シフト法を用いて被測定物(測定対象、被検物)2の三次元形状を測定する装置である。形状測定装置1は、図1に示すように、パターン投影部10と、指標安定部50と、指標投影部51と、撮像部60と、演算処理部70とを備える。
パターン投影部10は、ライン状の光、すなわち、X1軸方向において無変調な一次元の光(以下、ライン光100という。)を投影領域300に対して投影(投光)する。このパターン投影部10は、光軸101方向にライン光100を投影する。このパターン投影部10は、図1に示すように、光生成部20と、投影光学系30と、走査部40とを有する。光生成部20は、レーザ光源・集光レンズ・シリンドリカルレンズなどを備え、無変調なライン光100を生成する。投影光学系30は、光生成部20で生成されたライン光100の1次像を測定領域の所定の位置に結像させる。投影光学系30は、一つ又は複数の集光レンズなどの透過光学素子又は反射光学素子によって構成される。投影光学系30から出射されたライン光100は、走査部40を介して投影領域300に対して投影される。投影領域300において、ライン光100の一次元の方向が第2の方向D2(図1のY1軸方向)である。投影領域300における第2の方向D2の長さは、パターン投影部10がライン光100を投影する際の視野角θと、パターン投影部10(つまり走査部40)から被測定物2までの距離とによって決定される。図1に示す例では、被測定物2は投影領域300内に配置されている。
走査部40は、投影領域300においてライン光100を第1の方向D1(図1のX1軸方向)に走査(スキャン)する。走査部40は、例えばMEMSミラーで構成される。MEMSミラーは、一定の回動周期で振動する微小反射鏡である。このMEMSミラーは、所定の振幅角及び所定の振動周波数で振動しつつ一次元のライン光100を反射する。これにより、一次元のライン光100は、投影領域300においてMEMSミラーの振動周期(振動周期=1/振動周波数)で走査される。走査方向である第1の方向D1は、図1に示すように、第2の方向D2と直交する方向である。走査方向が第1の方向D1となるように、MEMSミラーの振動方向が設定される。また、投影領域300における第1の方向D1の長さは、MEMSミラーの振幅角と、パターン投影部10(つまり走査部40)から被測定物2までの距離とによって決定される。
図2に示すように、光生成部20からのライン光100は走査に応じて光強度が正弦波状に変化する。従って、走査部40がライン光100を第1の方向D1に走査することにより、投影領域300において、第1の方向D1に沿って正弦波状の周期的な光強度の分布を有する縞パターンが現れる。この縞パターンのことを「パターン光」という。位相シフト法では、このような縞パターンが3次元形状の測定に用いられる。縞パターンは、明るい部分(図2の白い部分)と暗い部分(図2の黒い部分)とに徐々に変化する明暗パターンを有する。また、第1の方向D1を明暗の方向又は濃淡の方向ともいう。図2に示す縞パターンは、第2の方向D2に所定の長さを有しており、第1の方向D1に所定の長さにわたって走査されることで、矩形状の投影領域300が空間上に形成される。
投影領域300において、縞パターンの各部分における縞の位相は所定時間毎にπ/2ずつ3回シフトされる。パターン投影部10は、演算処理部70からの指令信号に基づいて、ライン光100の正弦波の周期と走査部40の振動とを同期させるタイミングを変化させることにより、縞パターンの位相をシフトさせる。ここで、同期とは例えば走査部40の振動の角速度が変化する場合は、その角速度の変化にライン光100の正弦波の位相を合わせることを含む。
指標投影部51はパターン投影部10の位置と異なる位置に配置されている。この指標投影部51は、点状の光(以下、点光200という。)を投影領域300の所定位置(図1に示す例では投影領域300の中心付近の位置)に対して投影(投光)する。本実施形態では、指標投影部51による点光200の投影方向は図1に示すZ1軸方向(撮像部60の光軸102方向)である。指標安定部50は、パターン投影部10のライン光100の投影方向がぶれにより変化した場合において指標投影部51の点光200の投影方向が変化しないように指標投影部51の姿勢を維持する。なお、指標安定部50の構成の詳細については後述する。
撮像部60はパターン投影部10及び指標投影部51の位置と異なる位置に配置されている。この撮像部60は、ライン光100及び点光200が投影された被測定物2を撮像する。撮像部60は、Z1軸を光軸102として撮像を行う。不図示の撮像領域(撮像視野)は、撮像部60により1回に撮像される範囲である。この撮像領域は、投影領域300の領域内であって、この投影領域300よりも狭い領域とされている。ただし、撮像領域は、少なくとも投影領域300の領域外にはみ出さなければよい。例えば、撮像領域は投影領域300と同じ領域であってもよい。なお、撮像領域とは後述の処理に用いる領域であり、撮像部60により実際に撮像される領域は投影領域300より大きくてもよい。
撮像部60は、受光光学系(撮影レンズ)61及び撮像装置62を有している。受光光学系61は、撮像領域上の被測定物2の表面より反射された縞パターンを受光し、受光した縞パターンを撮像装置62に導く。撮像装置62は、受光光学系61からの縞パターンに基づいて被測定物2の画像データを生成するとともに、生成した画像データを記憶する。上述したように、投影領域300における縞パターンの位相は所定時間毎にπ/2ずつ3回シフトされる。撮像装置62は、縞パターンの初期位相が0、π/2、π、3π/2のタイミングにおいて、それぞれ被測定物2を撮像して画像データを生成する。ここで初期位相とは、左から右へ走査される縞パターンの左端の位相を意味する。
演算処理部70は、光生成部20によるライン光100の生成を制御する。また、演算処理部70は、光生成部20で生成されるライン光100の正弦波の周期と走査部40の振動周期とを同期させるように、光生成部20と走査部40とを制御する。また、演算処理部70は、指標投影部51からの点光200の照射を制御する。
また、演算処理部70は、縞パターンの初期位相が0、π/2、π、3π/2のタイミングにおいて撮像部60に被測定物2を撮像させるように、撮像部60の撮像タイミングを制御する。また、演算処理部70は、撮像部60が撮像した4つの画像データ(縞パターンの初期位相が0、π/2、π、3π/2のときの画像データ)における点像(指標投影部51からの点光200によって撮像領域310内に形成される点状の像)の位置に基づいて、形状測定装置1のぶれ量を検出する。また、演算処理部70は、撮像部60が撮像した4つの画像データにおける各画素の輝度データ(信号強度)と、上記のように検出した形状測定装置1のぶれ量とに基づいて、被測定物2の3次元形状を算出する。
なお、図1においては、縮尺などの関係上、指標投影部51の投影方向(光軸)と撮像部60の光軸102とがZ1軸と平行となっていないが、以下の説明においては、指標投影部51の投影方向と撮像部60の光軸102とがZ1軸と平行なものとして説明する。
次に、図3を参照して形状測定装置1に含まれる投影部10、指標安定部50、指標投影部51、撮像部60、及び演算処理部70の詳細な構成について説明する。図3は、図1に示す形状測定装置1の構成を示すブロック図である。図3に示すように、パターン投影部10は、レーザコントローラ21、レーザダイオード(光源)22、ライン生成部23、投影光学系30、及び走査部40を有している。すなわち、図1に示す光生成部20は、レーザコントローラ21、レーザダイオード22、及びライン生成部23を有している。
レーザコントローラ21は、制御部72からの指令信号に基づいてレーザダイオード22によるレーザ光の照射を制御する。レーザダイオード22は、レーザコントローラ21からの制御信号に基づいてライン生成部23に対してレーザ光を照射する光源である。このレーザダイオード22は、走査部40の動きに応じた電圧信号が入力されることにより、時間の経過とともに光強度が正弦波状に変化するレーザ光を照射する。ライン生成部23は、レーザダイオード22が照射したレーザ光から一次元のライン光100を生成する。
投影光学系30は、図1において説明したように、ライン生成部23が生成したライン光100を投影する。走査部40は、図1において説明したように、ライン生成部23が生成した一次元のライン光100を走査方向(投影領域300における第1の方向D1)に沿って走査する。なお、図3において、第1の方向D1は紙面と垂直な方向とし、第2の方向D2は紙面内における左右方向(横方向)としている。
指標投影部51は、例えば、レーザダイオード(光源)・コリメートレンズ・投影光学系などを備えた構成である。すなわち、レーザダイオードは、制御部72からの指令信号に基づいて所定の光強度のレーザ光を出力する。コリメートレンズは、レーザダイオードから出力されたレーザ光を平行光又は略平行光に変換する。そして、コリメートレンズで平行光又は略平行光に変換された光束は、一つ又は複数のレンズで構成された投影光学系を介して点光200として投影領域300に投影(照射)される。指標投影部51は、点光200を投影方向(Z1軸方向)に投影することにより、投影領域300の所定位置に円形の点像を形成させる。本実施形態では、指標投影部51は、点光200の径(つまりレーザスポット径)が遠距離においても変化しない(又はほとんど変化しない)ように構成されている。なお、指標投影部51は、円形以外の形状の点像を投影領域300の所定位置に形成させる構成でもよい。なお、コリメートレンズで十分に小さいスポット光が形成できれば投影光学系を省略することもできる。
指標安定部50は、所定方向のぶれが発生した場合においてジャイロ効果(物体が自転運動すると物体の姿勢が乱されにくくなる現象)により指標投影部51の投影方向を維持するジャイロ機構(ぶれ補正機構)で構成される。本実施形態においては、指標安定部50は、指標投影部51の投影方向(Z1軸方向)と直交するX1軸回り(Yaw方向)の回転ぶれと、指標投影部51の投影方向(Z1軸方向)及びX1軸と直交するY2軸回り(Pitch方向)の回転ぶれとに対して、指標投影部51の投影方向を維持する(図4参照)。
撮像部60は、受光光学系61、CCD撮像装置62a(電荷結合素子(Charge Coupled Device)を用いた撮像装置)、及び画像メモリ62bを有している。すなわち、図1に示す撮像装置62は、CCD撮像装置62a及び画像メモリ62bを有している。受光光学系61は、図1において説明したように、撮像領域310上の被測定物2の表面より反射された縞パターンを受光し、被測定物2の表面に投影された縞パターンをCCD撮像装置62aの受光面に結像させる。
CCD撮像装置62aは、受光面における像の光の強度を強度に応じた電荷量に光電変換し、その電荷量を順次読み出して電気信号に変換する。これにより、縞パターンが投光された被測定物2の画像データが生成される。画像データは画素毎の輝度データによって構成される。例えば、画像データは512×512=262144画素とされている。また、1枚の撮像範囲は23cm角とされている。CCD撮像装置62aは、縞パターンの初期位相が0、π/2、π、3π/2のタイミングにおいて、それぞれ被測定物2を撮像して画像データを生成する。画像メモリ62bは、CCD撮像装置62aが生成した画像データを記憶する。
演算処理部70は、操作部71、制御部72、設定情報記憶部73、取込メモリ74、演算部(ぶれ検出部、算出部)75、画像記憶部76、及び表示制御部77を有している。なお、演算処理部70における制御部72、演算部75、及び表示制御部77は、CPU(Central Processing Unit)などの演算処理装置が制御プログラムに従って実行する処理に相当する。
操作部71は、使用者の操作に応じた操作信号を制御部72に出力する。この操作部71は、例えば、使用者によって操作されるボタン、スイッチ、表示装置80の表示画面上のタッチパネルなどにより構成される。
制御部72は、設定情報記憶部73に記憶されている制御プログラムに従って以下の制御を実行する。制御部72は、レーザコントローラ21に指令信号を出力することにより、レーザダイオード22からレーザ光を照射させる。このとき、制御部72は、指令信号において、レーザ光の照射の開始及び終了だけでなく、レーザ光の光強度(レーザ出力)についても指令する。レーザコントローラ21は、制御部72からの指令信号で指令された光強度のレーザ光を照射させるように、レーザダイオード22を制御する。また、制御部72は、指標投影部51に指令信号を出力することにより、指標投影部51のレーザダイオードからレーザ光を照射させる。
また、制御部72は、レーザコントローラ21及び走査部40に指令信号を出力することにより、レーザダイオード22における光強度と走査部(MEMSミラー)40の振動とを投影される縞パターンの強度変化が正弦波となるように、レーザコントローラ21及び走査部40を制御する。なお、レーザダイオード22における光強度の正弦波の周期と走査部40の振動との同期がとれていない場合、走査部40が往復振動する毎に縞パターンにおける縞の位置がずれてしまう。また、制御部72は、レーザコントローラ21及び走査部40に指令信号を出力することにより、縞パターンの位相が所定時間毎にπ/2ずつ順にシフトしていくように、レーザコントローラ21及び走査部40を制御する。なお、走査部40が左から右に走査する場合の左端の位相を初期位相と呼ぶ。なお、縞パターンの位相の切替は撮像の終了に基づいて行うこともできる。
また、制御部72は、走査部40及びCCD撮像装置62aに指令信号を出力することにより、CCD撮像装置62aによる被測定物2の撮像を、走査部40による縞パターンの複数回の走査に同期するように制御する。具体的には、走査部40の振動周波数は500Hz(すなわち、走査部40の振動周期は往復2ms)とされ、CCD撮像装置62aのシャッター速度(すなわち、CCD撮像装置62aの撮像時間)は40msとされているものとする。この場合、CCD撮像装置62aが1枚の画像を撮像する間に、走査部40はライン光100を20往復走査する。このように、制御部72は、CCD撮像装置62aによる1回の被測定物2の撮像を、走査部40によるライン光100の20往復の走査に同期させる。また、制御部72は、CCD撮像装置62aに指令信号を出力することにより、CCD撮像装置62aによる被測定物2の撮像を、縞パターンの位相がシフトされるタイミングと同期させる。
設定情報記憶部73は、制御部72に制御を実行させるための制御プログラムを記憶する。また、設定情報記憶部73は、演算部75に3次元形状の演算処理を実行させるための制御プログラムを記憶する。また、設定情報記憶部73は、演算部75の演算処理において縞パターンの位相から被測定物2の実座標値を算出する際に用いるキャリブレーション情報なども記憶する。
取込メモリ74は、画像メモリ62bに記憶された画像データを取り込んで記憶する。この取込メモリ74は、縞パターンの初期位相が0、π/2、π、3π/2のときの4つの画像データそれぞれに対応した記憶領域が設けられている。例えば、縞パターンの初期位相が0のときの画像データが画像メモリ62bに記憶され、その画像データが取込メモリ74の第1記憶領域に記憶される。また、縞パターンの初期位相がπ/2のときの画像データが画像メモリ62bに記憶され、その画像データが取込メモリ74の第2記憶領域に記憶される。また、縞パターンの初期位相がπのときの画像データが画像メモリ62bに記憶され、その画像データが取込メモリ74の第3記憶領域に記憶される。また、縞パターンの初期位相が3π/2のときの画像データが画像メモリ62bに記憶され、その画像データが取込メモリ74の第4記憶領域に記憶される。
演算部75は、設定情報記憶部73に記憶されている制御プログラムやキャリブレーション情報に従って、取込メモリ74の4つの記憶領域に記憶された画像データから被測定物2の3次元形状データ(3次元形状の座標データ)を算出する。画像記憶部76は、演算部75が算出した被測定物2の3次元形状データを記憶する。表示制御部77は、使用者による操作部71の操作に応じて、又は自動的に、画像記憶部76に記憶された3次元形状データを読み出す。そして、表示制御部77は、読み出した3次元形状データに基づいて表示装置80の表示画面に被測定物2の3次元形状の疑似画像を表示させる制御を実行する。
表示装置80は、被測定物2の3次元形状の疑似画像を表示する装置である。この表示装置80は、例えば液晶ディスプレイなどで構成される。なお、図1においては、表示装置80は形状測定装置1に含まれていなかったが、形状測定装置1に含まれてもよい。
本実施形態において、形状測定装置1は、例えば持ち運び可能な小型の装置として構成される。このような装置の場合、パターン投影部10、指標安定部50、指標投影部51、撮像部60、演算処理部70、及び表示装置80は、持ち運び可能な大きさの筐体内に収容される。かかる構成によれば、測定者は、形状測定装置1を被測定物2がある現場まで容易に持ち運ぶことができる。また、例えば大型装置の裏面や背面など、定置型の形状測定装置では測定が難しい被測定物2に対して、容易に形状を測定することができる。反面、測定者が形状測定装置1を用いて測定を行う際に手ぶれが生じやすくなる。
図4は、図1に示す指標安定部50及び指標投影部51の構成を示す断面図である。図4において、図1に示すように3軸座標系を設定した場合、紙面の右方向がX1軸となり、紙面の上方向がY1軸となり、紙面の表から裏に向かう方向がZ1軸となる。図4に示す指標安定部50は、X支持枠(第2支持枠)52a、X支持軸(第2支持軸)52b、Y支持枠(第1支持枠)52c、Y支持軸(第1支持軸)52d、ジャイロ枠(支持部)52e、バランサ52f、ロータ支持軸52g、及びロータ(回転体)52hを備えている。図4に示すように、X支持枠52aは内部が中空の立方体又は直方体の形状であり、そのX支持枠52aの底面が形状測定装置1の外観を構成する筐体1cの内面に固定されている。X支持枠52aの内部にはY支持枠52cが内装されている。このY支持枠52cは、X支持枠52aにおけるX1軸方向において対向する一対の内面に設けられた一対のX支持軸52bにより、X1軸回りに回動自在に支持されている。
Y支持枠52cも内部が中空の立方体又は直方体の形状である。Y支持枠52cの内部にはリング状のジャイロ枠52eが内装されている。このジャイロ枠52eは、Y支持枠52cにおけるY1軸方向において対向する一対の内面に設けられた一対のY支持軸52dにより、Y1軸回りに回動自在に支持されている。ジャイロ枠52eの内側に指標投影部51が取り付けられている。また、ジャイロ枠52eにおける指標投影部51の取付箇所と対向する箇所の内側に、指標投影部51とつり合いを取るためのバランサ52fが取り付けられている。また、ジャイロ枠52eの内側であって、Y支持軸52dと同軸上にロータ支持軸52gが設けられている。このロータ支持軸52gは、その中心(又は中心付近)において円板状のロータ52hをY1軸回りに回転自在に支持する。
ジャイロ枠52eに支持されたロータ52hは、不図示の駆動機構によりロータ支持軸52gを回転中心に高速で回転する。ジャイロ枠52eは、Y支持枠52c及びY支持軸52dによりY1軸回りに回動自在となっており、X支持枠52a及びX支持軸52bによりX1軸回りに回動自在となっている。このため、ジャイロ枠52eは、形状測定装置1のX1軸回りの回転ぶれとY1軸回りの回転ぶれとの影響を受けない構造となっている。ジャイロ枠52eに取り付けられた指標投影部51は、形状測定装置1のX1軸回りの回転ぶれやY1軸回りの回転ぶれが生じた場合においても、常に一定方向(投影領域300内のある点に向けた方向、例えばZ1軸方向)に点光200を照射(投影)する。なお、形状測定装置1の筐体1c、X支持枠52a、及びY支持枠52cには、指標投影部51からの点光200を投影方向に投影させるための開口部(不図示)が形成されている。
次に、位相シフト法の原理について説明する。位相シフト法は、三角測量の原理を利用して距離を計測する方法である。
位相シフト法においては、正弦波状の縞パターンの位相をシフトさせて撮像した縞パターン画像を解析することにより距離を計測する。このときに投影部から投影される縞パターンは、上述したように、位相をπ/2ずつシフトさせた4種類の画像となる。
縞パターンの初期位相が0、π/2、π、3π/2とシフトする毎に、縞の濃淡が位相差に対応する分だけずれて投影される。被測定物2が撮像領域内に位置している場合は、被測定物2の表面に縞パターンが現れる。撮像部60(すなわちCCD撮像装置62a)は、表面に縞パターンが現れた被測定物2を、縞パターンの初期位相が0、π/2、π、3π/2のタイミングにおいてそれぞれ撮像する。これにより、縞パターンの初期位相が0、π/2、π、3π/2のときの4つの画像が得られる。これらの画像を「縞パターン画像」という。
輝度値In(x,y)(n=0,1,2,3)は各位相の縞パターンが投影されたときに撮像された各画像の所定画素(x,y)の輝度値である。すなわち、I0は初期位相0の縞パターンが投影されたときに撮像された画像の輝度値である。I1は初期位相π/2の縞パターンが投影されたときに撮像された画像の輝度値である。I2は初期位相πの縞パターンが投影されたときに撮像された画像の輝度値である。I3は初期位相3π/2の縞パターンが投影されたときに撮像された画像の輝度値である。この輝度値In(x,y)(n=0,1,2,3)は下記の式(1)で表される。
In(x,y)=A(x,y)cos(φ(x,y)+nπ/2)+B(x,y)・・・(1)
式(1)において、B(x,y)はバイアス成分を示す。また、A(x,y)は撮像時の正弦波のコントラストの強さを示す。また、φ(x,y)は所定画素(x,y)における正弦波の位相である。4つの画像上の同一画素(同一位置)での輝度値I0〜I3は、物体の表面性状や色などにより絶対的な値は変化する。しかし、相対的な輝度値の差は、常に縞パターンの位相差分だけの変化を示す。従って、所定画素(x,y)おける縞パターンの位相φ(x,y)は、4つの画像の同一画素における輝度値から下記の式(2)で求められる。
φ(x,y)=tan−1{(I3(x,y)−I1(x,y))/(I0(x,y)−I2(x,y))}・・・(2)
このように、画像の画素毎に正弦波の初期位相0の時の位相を求めることができる。この位相φ(x,y)から投影角度が求まり、撮像された画素から受光角度が求まるため三角測量の原理により3次元形状(画像の各点での高さ情報)が求められる。
上述したように、各画素(i,j)の位相φは、輝度値In(x,y)を上記した式(1)に当てはめることにより求められる。このような処理を位相回復又は位相復元という。
位相回復された各画素の位相は、縞パターンの縞ごとの位相、すなわち−π〜πの間の値となる。このため、物体の連続した3次元形状を導出するためには、複数の縞の絶対位相を求める必要がある。すなわち、一番左端の縞を基準として−π〜π〜3π〜5π・・・と表される絶対的な位相を求める必要がある。各縞の位相をつなぎ合わせることで、絶対位相を求めることができる。このような処理を位相接続(アンラッピング)という。
上記した位相シフト法における位相接続において、被測定物2の面形状が滑らかに変化する連続的な面形状であるときは、1本の縞に相当する2πの位相を−π〜π〜3π〜5π・・・と単純につなげることが可能である。しかし、被測定物2の面形状が急な段差変化があるような不連続な面形状であるときは、その位相がどの縞の位相であるかがわからなくなる。例えば、ある縞の位相が−π〜πの位相であるか、π〜3πの位相であるかがわからなくなる。この場合、位相が連続して接続されない、いわゆる位相飛び現象が生じる。このような位相飛び現象を防止するため、本実施形態では、位相シフト法と公知の空間コード法を組み合わせて被測定物2の3次元形状を測定する。
次に、第1実施形態に係る形状測定装置1の動作について説明する。
図5は、第1実施形態に係る形状測定方法の一例を説明するフローチャートである。図5に示すように、制御部72は、パターン投影部10のレーザダイオード22をオンにするようにレーザコントローラ21に指令信号を出力する。レーザコントローラ21は、制御部72からの指令信号に基づいてレーザダイオード22をオンにする。また、制御部72は、指標投影部51のレーザダイオードをオンにするように指標投影部51に指令信号を出力する。指標投影部51は、制御部72からの指令信号に基づいてレーザダイオードをオンにする(ステップS1)。これにより、パターン投影部10からライン光100が投影領域300に投影されるとともに、指標投影部51から点光200が投影領域300に投影される。このとき、指標投影部51は、不図示の駆動機構を駆動させることにより、ロータ52hを高速に回転させる制御も行う。
また、制御部72は、走査部40に指令信号を出力することにより、走査部40による走査を開始させる(ステップS2)。そして、制御部72は、使用者によるシャッター操作が行われたか否かを判定する(ステップS3)。
使用者によりシャッター操作が行われると(ステップS3:YES)、すなわち、制御部72は操作部71からシャッター操作が行われたことを表す信号を入力すると、制御部72は標準パターンを撮像する(ステップS4)。この処理において、レーザダイオード22は、無変調の光強度(ハイレベル一定の光強度)のレーザ光を出力する。ライン生成部23が、レーザダイオード22から出力されたレーザ光から一次元のライン光100を生成する。そして、走査部40が一次元のライン光100を走査することにより、標準パターンが投影領域300に投光される。CCD撮像装置62aは、標準パターンを撮像して標準画像の画像データを生成する。標準画像の画像データは、一旦、画像メモリ62bに格納された後、取込メモリ74に設けられた記憶領域(標準画像領域)に記憶される。
次に、制御部72は、空間コードパターンを撮像する(ステップS5)。空間コード画像の画像データは、一旦、画像メモリ62bに格納された後、それぞれ、取込メモリ74に設けられた各記憶領域(第1空間コード領域、第2空間コード領域、第3空間コード領域、第4空間コード領域)に順に記憶される。
次に、制御部72は、白黒参照パターンを撮像する(ステップS6)。この処理において、縞パターンや空間コードの最も明るい部分と同じ明るさの無変調の光強度(ハイレベル一定の光強度)のレーザ光を出力する。ライン生成部23が、レーザダイオード22から出力されたレーザ光から一次元のライン光100を生成する。そして、走査部40が一次元のライン光100を走査することにより、白黒参照パターンの白パターンが投影領域300に投光される。また、レーザダイオード22は、縞パターンや空間コードの最も暗い部分と同じ明るさの無変調の光強度(ロウレベル一定の光強度)のレーザ光を出力する。ライン生成部23が、レーザダイオード22から出力されたレーザ光から一次元のライン光100を生成する。そして、走査部40が一次元のライン光100を走査することにより、白黒参照パターンの黒パターンが投影領域300に投光される。CCD撮像装置62aは、白黒参照パターンをそれぞれ撮像して白黒参照画像の画像データを生成する。白黒参照画像の画像データは、一旦、画像メモリ62bに格納された後、それぞれ、取込メモリ74に設けられた各記憶領域(白画像領域、黒画像領域)に順に記憶される。
次に、制御部72は、縞の位相がπ/2ずつシフトされた4つの縞パターンを撮像する(ステップS7)。CCD撮像装置62aは、制御部72からの指令信号に基づいて、縞パターンの初期位相が0、π/2、π、3π/2のタイミングにおいて、それぞれ被測定物2を撮像して4つの縞パターン画像の画像データを生成する。CCD撮像装置62aが撮像した各位相の縞パターン画像の画像データは、一旦、画像メモリ62bに格納された後、それぞれ、取込メモリ74に設けられた各記憶領域(第1記憶領域、第2記憶領域、第3記憶領域、第4記憶領域)に順に記憶される。
次に、演算部75は、取込メモリ74の記憶領域に記憶された4つの縞パターン画像の画像データを読み出す。そして、演算部75は、読み出した4つの縞パターン画像における点像の位置(画素)のずれ量に基づいて、測定者の手ぶれに基づくぶれ量を検出する(ステップS8)。
図6は、ぶれのない状態の画像600,610とぶれのある状態の画像620とを示す図である。図6において、図1に示すように3軸座標系を設定した場合、紙面の左方向がX1軸となり、紙面の上方向がY1軸となり、紙面の裏から表に向かう方向がZ1軸となる。
図6(a)の画像600は、縞の初期位相が0度のときの画像である。この画像600において、「A」はライン光(パターン光)100による被測定物2の像601を示し、「・」は点光200による点像602を示している。図6(a)に示す例では、被測定物2の像601(「A」)は画像600の中心よりも若干左方に位置し、点像602(「・」)は画像600の中心よりも若干上方に位置している。また、図6(a)の画像600の下に示す正弦波は、縞パターンの明るさ(光強度)の分布を示している。
図6(b)の画像610は、縞パターンの初期位相が90度(π/2)のときの画像であって、ぶれが生じていないときの画像である。この画像610における被測定物2の像601(「A」)及び点像602(「・」)の位置は、それぞれ、画像600における被測定物2の像601及び点像602の位置と同じ位置になっている。また、図6(b)に示す正弦波状は、図6(a)に示す正弦波よりも左側に90度シフトされている。
図6(c)の画像620は、縞パターンの初期位相が90度(π/2)のときの画像であって、形状測定装置1のY1軸回りの回転ぶれが生じているときの画像である。この画像620における被測定物2の像601(「A」)の位置は、形状測定装置1のY1軸回りの回転ぶれにより、画像600における被測定物2の像601の位置よりもずれ量αだけ左側にずれている。
また、画像620における点像602(「・」)の位置も、形状測定装置1のY1軸回りの回転ぶれにより、画像600における点像602の位置よりもずれ量αだけ左側にずれている。図4において説明したように、指標投影部51の姿勢が指標安定部50によって維持されているので、形状測定装置1の回転ぶれが生じた場合においても、指標投影部51による点光200の投影方向は常に一定方向となっている。従って、形状測定装置1のY1軸回りの回転ぶれが生じた場合においても、被測定物2の像601と点像602との位置関係は変化しない。つまり、形状測定装置1のY1軸回りの回転ぶれが生じた場合、画像620における点像602の位置は、画像620における被測定物2の像601とともにずれ量αだけ左側にずれる。このずれ量αは、測定者の手ぶれによって投影領域300(及び撮像領域310)がずれた量に相当する。
一方、パターン投影部10によるライン光100の投影方向は、形状測定装置1のY1軸回りの回転ぶれによって変化している。この場合、縞パターンの位相は、被測定物2に対して、投影領域300(及び撮像領域310)とともにずれ量αだけずれてしまう。従って、被測定物2の像601及び点像602と縞パターンの位相との位置関係は、画像610と画像620との間で変化している。
図6(d)の画像630は、図6(a)の画像600と図6(c)の画像620とを重ね合わせた画像である。この画像630において、ぶれのある状態の被測定物2の像601及び点像602は黒色で表し、ぶれのない状態の被測定物2の像601及び点像602は灰色で表している。ぶれのない状態では点像602の位置(つまり画素)は縞パターンの初期位相にかからわらず同じ位置になるはずである。このため、演算部75は、画像600における点像602の位置(画素)と画像620における点像602の位置(画素)とのずれ量αを、測定者の手ぶれに基づくぶれ量として検出する。
演算部75は、図6で説明したぶれ量の検出を、初期位相が90度(π/2)のときの縞パターン画像と初期位相が180度(π)のときの縞パターン画像との間においても行う。また、演算部75は、図6で説明したぶれ量の検出を、初期位相が180度(π)のときの縞パターン画像と初期位相が270度(3π/2)のときの縞パターン画像との間においても行う。また、演算部75は、図6で説明したぶれ量の検出と同様に、縞パターン画像中の点像602の上下方向(Y1軸方向)のずれ量に基づいてX1軸回りの回転ぶれに応じたぶれ量の検出を行う。
図5の説明に戻り、演算部75は、ステップS8で検出したぶれ量に基づいて、被測定物の位置ズレを補正し補正画像とぶれ量に応じた位相ずれからなる補正データを生成する(ステップS9)。ここで、補正画像は初期位相0度の画像中の像601の位置と初期位相90度の画像中の像601の位置が画素単位で一致するよう縞パターン画像を切り出す。図6(d)に示した例ではY1方向にαずれているのでαだけずらした範囲を切り出す。同様にX1方向においてもずれ量分ずらした範囲を切り出す。切り出した結果の縞パターン画像630の縞画像620よりも左の部分は画像情報がないので、実際には測定範囲が狭くなることになる。しかし、ぶれ量は測定範囲に対してわずかなので実質的には問題とはならない。一方、位相ずれはぶれ量αに対応する位相となる。なお、本実施例ではX1方向に無変調なライン光を用いているため、位相ずれはY1方向だけ考慮すればよい。
その後、演算部75は、ステップS9で生成した4つの縞パターン画像の補正データに基づいて、各画素の初期位相0における位相分布φ(i,j)を求める。すなわち、位相回復処理を実行する(ステップS10)。ここで4つの縞パターンの初期位相のシフト量はそれぞれ90度ではなくなるので、式(2)では位相は求まらないが、前述のようにぶれ量αから位相のずれを求め公知の方法によって初期位相0の時の位相を求めている。そして、演算部75は、取込メモリ74の空間コード領域に記憶された4つの空間コード画像の画像データに基づいて、投影領域300において空間コードを認識する。次に、演算部75は、認識した各領域の空間コードに基づいて縞パターン画像の縞の次数を検出する(ステップS11)。
演算部75は、ステップS11の処理において特定した各縞の次数を用いて位相接続処理(アンラッピング処理)を行う(ステップS12)。すなわち、演算部75は、縞の次数に基づいて、n本目の縞が画像上においてどの位置にあるのかを特定する。そして、演算部75は、−π〜πの間で求めたn本目の縞の位相回復値を正しく接続する。これにより、連続した初期位相分布φ’(i,j)が求められる。その後、演算部75は、上述した三角測量の原理を用いて、ステップS12において求めた初期位相0における位相分布φ’(i,j)から、被測定物2の3次元形状の座標データX(x,y,z)を算出する(ステップS13)。なお、座標データXはCCDカメラ52を基準とする座標として求められる。
その後、3次元形状算出部65は、算出した被測定物2の3次元形状の座標データを画像記憶部76に記憶する。そして、表示制御部77は、使用者による操作部71の操作に応じて、又は自動的に、画像記憶部76に記憶された3次元形状の座標データを読み出す。表示制御部77は、読み出した3次元形状の座標データに基づいて表示装置80の表示画面に被測定物2の3次元形状を表示させる。3次元形状は、3次元空間内の点の集合である点群を疑似的な立体画像として表示される。なお、点群データである3次元座標を、例えば(x、y、z)の形式で表示することもできる。
表示装置80は、被測定物2の3次元形状を表示するだけでなく、撮像部60により撮像された画像を表示する。すなわち、表示制御部77は、取込メモリ74に記憶された画像データに基づいて、撮像部60が撮像した画像を表示装置80に表示させる。このような構成によれば、使用者が撮像部60により撮像された画像に基づいて、撮像現場で被測定物2が正確に撮像されたか否かを確認することができる。
また、表示装置80は、撮像部60により撮像された画像、及び3次元形状算出部(演算部)65により算出された3次元形状、のうち少なくとも一方を表示する構成であってもよい。この場合、撮像部60により撮像された画像、及び3次元形状算出部65により算出された3次元形状、のうち少なくとも一方に基づいて、使用者は撮像現場で被測定物2が正確に撮像されたか否かを確認することができる。その後、使用者は、形状測定装置1をコンピュータなどに接続して、画像や3次元形状をコンピュータなどに取り込む。そして、使用者は、コンピュータなどの表示部に画像や3次元形状を表示させる。
なお、演算部75が3次元形状の点群データの算出に失敗した失敗部分や、被測定物2の形状によって影となったオルクージョン部分については、使用者が確認可能な態様で表示する。例えば、表示制御部77は、失敗部分を赤色で点滅表示し、オルクージョン部分を青色で点滅表示する。また、演算部75が算出した3次元形状の点群データは、使用者が持ち運び可能なSDカードなどの不揮発性の記憶媒体に記憶されてもよい。
上記の図4に示した指標安定部50は、X1軸回り及びY1軸回りの回転ぶれに対して指標投影部51の投影方向を維持するように構成されているが、X1軸回り及びY1軸回りの回転ぶれの少なくとも一方に対して指標投影部51の投影方向を維持する構成でもよい。この場合、演算部75は、X1軸回り及びY1軸回りの回転ぶれの少なくとも一方に対するぶれ量を求め、そのぶれ量に基づいて補正データを生成する。
なお、上記した第1実施形態では、指標投影部51の投影方向と撮像部60の光軸102とがZ1軸と平行なものとしていたが、指標投影部51の投影方向(光軸)とパターン投影部10の投影方向(光軸101)とがZ1軸と平行なものであってもよい。
以上に説明したように、第1実施形態によれば、パターン光100を被測定物2に投影するパターン投影部10と、パターン光とは異なる光200を被測定物2に投影する指標投影部51と、パターン投影部10の投影方向がぶれにより所定方向に変化した場合において指標投影部51の投影方向が変化しないように維持する指標安定部50と、パターン光100及び光200が投影された被測定物2を撮像する撮像部60と、撮像部60で得られた光200による像602に基づいてぶれを求めるぶれ検出部75と、撮像部60で得られたパターン光100による被測定物2の像601及びぶれ検出部75で求められたぶれに基づいて被測定物2の3次元形状を求める算出部75とを備える。このような構成によれば、ぶれ検出部75が光200による像602を被測定物2に対して変化しない基準点(又は不動点)として複数の縞パターン画像間におけるぶれを求めることができる。従って、撮像部60による撮像中にぶれが生じた場合においても精度の高い3次元形状を得ることができる。
また、第1実施形態では、指標投影部51は、被測定物2に点光200を投影し、ぶれ検出部75は、点光200による点像602に基づいてぶれを求める。このような構成によれば、レーザスポット光を照射するレーザポインタのような構成で指標投影部51を実現することができる。また、ぶれ検出部75は縞パターン画像における暗い部分においても基準点となる点像602を発見しやすくなり、確実に複数の縞パターン画像間におけるぶれを求めることができる。
また、第1実施形態では、指標安定部50は、ジャイロ効果により指標投影部51の投影方向を維持するジャイロ機構で構成される。このような構成によれば、指標安定部50は複雑な制御を行うことなく指標投影部51の投影方向を一定方向に維持することができる。また、第1実施形態では、ジャイロ機構は、指標投影部51の投影方向(例えばZ1軸方向)と直交する第1軸(例えばY1軸)回りの回転ぶれと、指標投影部51の投影方向及び第1軸と直交する第2軸(例えばX1軸)回りの回転ぶれとの少なくとも1つの回転ぶれに対して、指標投影部51の投影方向を維持する。このような構成によれば、指標安定部50は、ぶれを検出するセンサなどを用いることなく、少なくとも1つの回転ぶれに対して指標投影部51の投影方向を一定方向に維持することができる。
<第2実施形態>
上記した第1実施形態では、指標安定部50は、X1軸回りの回転ぶれ及びY1軸回りの回転ぶれに対して指標投影部51の姿勢を維持する。これに対して、第2実施形態では、指標投影部は、X1軸回りの回転ぶれ及びY1軸回りの回転ぶれに加えて、X1軸方向の並進ぶれ及びY1軸方向の並進ぶれに対しても指標投影部51の姿勢を維持する。
上記した第1実施形態では、指標安定部50は、X1軸回りの回転ぶれ及びY1軸回りの回転ぶれに対して指標投影部51の姿勢を維持する。これに対して、第2実施形態では、指標投影部は、X1軸回りの回転ぶれ及びY1軸回りの回転ぶれに加えて、X1軸方向の並進ぶれ及びY1軸方向の並進ぶれに対しても指標投影部51の姿勢を維持する。
図7は、第2実施形態に係る形状測定装置1Aの構成を示すブロック図である。第2実施形態に係る形状測定装置1Aは、図7に示すように、パターン投影部10と、指標安定部50Aと、指標投影部51と、撮像部60と、演算処理部70と、検出部90とを備える。すなわち、第2実施形態に係る形状測定装置1Aは、第1実施形態に係る指標安定部50に代えて指標安定部50Aを備えている。また、第2実施形態に係る形状測定装置1Aは、第1実施形態に係る形状測定装置1の構成に加えて検出部90を備えている。なお、図7において、図3に示す構成と同一構成には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
指標安定部50Aは、X1軸回りの回転ぶれ及びY1軸回りの回転ぶれに加えて、X1軸方向の並進ぶれ及びY1軸方向の並進ぶれに対しても指標投影部51の姿勢を維持する構造となっている。なお、指標安定部50Aの構成の詳細については後述する(図8参照)。
検出部90は、3軸回り(X1軸回り、Y1軸回り、Z1軸回り)の回転ぶれと、3軸方向(X1軸方向、Y1軸方向、Z1軸方向)の並進ぶれとを検出するセンサである。例えば、検出部90は、センサ自体の3軸回り(X1軸回り、Y1軸回り、Z1軸回り)の角加速度を検出する3軸ジャイロセンサと、センサ自体の3軸方向(X1軸方向、Y1軸方向、Z1軸方向)の並進加速度を検出する3軸加速度センサとで構成される。検出部90は、検出した加速度(角加速度、直線加速度)を示す加速度情報を演算処理部70に出力する。第2実施形態においては、検出部90は第1検出部を構成する。
図8は、図7に示す指標安定部50Aの構成を示す断面図である。図8において、図1に示すように3軸座標系を設定した場合、紙面の右方向がX1軸となり、紙面の上方向がY1軸となり、紙面の表から裏に向かう方向がZ1軸となる。図8に示す指標安定部50Aは、Y摺動枠53a、Y駆動体(第1駆動部)53b、Y摺動ガイド53c、X摺動枠53d、X駆動体(第1駆動部)53e、X摺動ガイド53f、及び図4に示した指標安定部50を備えている。
Y摺動枠53aは板が直角(又は略直角)に折れ曲がった形状であり、そのY摺動枠53aの1つの外面が形状測定装置1の外観を構成する筐体1cの内面に固定されている。Y摺動枠53aの2つの内面のうちのY1軸方向と直交する内面上にはY駆動体53bが設けられている。このY駆動体53bは、例えばピエゾ素子などの圧電素子とリンク機構とを備えるアクチュエータで構成されている。このY駆動体53bは、圧電素子に対する電圧の印加に応じて圧電素子を変形させることでX摺動枠53dをY1軸方向に移動させる。Y摺動枠53aの2つの内面のうちのX1軸方向と直交する内面上にはY摺動ガイド53cが設けられている。このY摺動ガイド53cは、Y駆動体53bがX摺動枠53dを移動させる際に、X摺動枠53dをY1軸方向にガイドする部材である。例えば、Y摺動ガイド53cはY1軸方向に延びたレールで構成される。
X摺動枠53dも板が直角(又は略直角)に折れ曲がった形状である。このX摺動枠53dの1つの外面がY駆動体53bと接し、もう1つの外面がY摺動ガイド53cと接している。X摺動枠53dの2つの内面のうちのX1軸方向と直交する内面上にはX駆動体53eが設けられている。このX駆動体53eも、例えばピエゾ素子などの圧電素子とリンク機構とを備えるアクチュエータとして構成されている。このX駆動体53eは、圧電素子に対する電圧の印加に応じて圧電素子を変形させることで指標安定部50(図4参照)をX1軸方向に移動させる。X摺動枠53dの2つの内面のうちのY1軸方向と直交する内面上にはX摺動ガイド53fが設けられている。このX摺動ガイド53fは、X駆動体53eが指標安定部50を移動させる際に、指標安定部50をX1軸方向に摺動させる部材である。例えば、X摺動ガイド53fはX1軸方向に延びたレールで構成される。指標安定部50は図4に示したジャイロ機構である。指標安定部50の内部(ジャイロ枠52e)には指標投影部51が取り付けられている。なお、指標安定部50の構成は図4に示した構成と同様であるため、重複する説明を省略する。
次に、指標安定部50Aが指標投影部51の姿勢を維持する方法について説明する。形状測定装置1のX1軸方向の並進ぶれが生じた場合、検出部90はX1軸方向の直線加速度を検出し、その直線加速度を示す加速度情報を演算処理部70に出力する。演算処理部70の制御部72は、検出部90からの加速度情報が示す加速度に応じた制御信号を指標安定部50AのX駆動体53eに出力する。X駆動体53eは、制御部72からの制御信号に応じた電圧を圧電素子に印加することにより、X1軸方向の並進ぶれを打ち消すように指標安定部50を移動させる。このような構成により、指標安定部50内の指標投影部51は、X1軸方向の並進ぶれに対して姿勢が維持される。
また、形状測定装置1のY1軸方向の並進ぶれが生じた場合、検出部90はY1軸方向の直線加速度を検出し、その直線加速度を示す加速度情報を演算処理部70に出力する。演算処理部70の制御部72は、検出部90からの加速度情報が示す加速度に応じた制御信号を指標安定部50AのY駆動体53bに出力する。Y駆動体53bは、制御部72からの制御信号に応じた電圧を圧電素子に印加することにより、Y1軸方向の並進ぶれを打ち消すように指標安定部50を移動させる。このような構成により、指標安定部50内の指標投影部51は、Y1軸方向の並進ぶれに対して姿勢が維持される。
なお、指標安定部50AがX1軸回りの回転ぶれ及びY1軸回りの回転ぶれに対して姿勢を維持する方法については、図4で説明した方法と同様であるため、重複する説明を省略する。また、演算部75がX1軸方向の並進ぶれ及びY1軸方向の並進ぶれに対するぶれ量を求め、そのぶれ量に基づいて補正データを生成する。この処理は図5のステップS8,S9と同様であるため、説明を省略する。
上記の図8に示した指標安定部50Aは、X1軸方向及びY1軸方向の並進ぶれに対して指標投影部51の投影方向を維持するように構成されているが、X1軸方向及びY1軸方向の並進ぶれの少なくとも一方に対して指標投影部51の投影方向を維持する構成でもよい。この場合、演算部75は、X1軸方向及びY1軸方向の並進ぶれの少なくとも一方に対するぶれ量を求め、そのぶれ量に基づいて補正データを生成する。
以上に説明したように、第2実施形態によれば、指標安定部50Aは、第1軸方向(例えばY1軸方向)の並進ぶれと、第2軸方向(例えばX1軸方向)の並進ぶれとのうちの少なくとも1つの並進ぶれを検出する第1検出部90と、第1検出部90により検出される並進ぶれに応じて、該並進ぶれを打ち消すようにジャイロ機構を移動させる第1駆動部53b,53eとを含む。このような構成によれば、指標安定部50Aは、第1軸回りの回転ぶれ及び第2軸回りの回転ぶれに加えて、第1軸方向の並進ぶれ及び第2軸方向の並進ぶれに対しても指標投影部51の姿勢を維持することができる。よって、演算部75が第1実施形態の場合よりも多くの軸方向に対するぶれ量を求め、そのぶれ量に基づいて補正データを生成することができる。その結果、より一層、精度の高い3次元形状データを得ることができる。
なお、図8に示す指標安定部50Aにおいて、指標安定部50に代えて指標投影部51を設置してもよい。この場合、指標投影部は、第1軸回り(例えばY1軸回り)の回転ぶれ及び第2軸回り(例えばX1軸回り)の回転ぶれに対して指標投影部51の姿勢を維持することができず、第1軸方向の並進ぶれ及び第2軸方向の並進ぶれに対してだけ指標投影部51の姿勢を維持する。また、図8に示す指標安定部50Aにおいて、指標安定部50に代えて、Y1軸回りの回転ぶれに対してだけ姿勢を維持する構成(図4に示すロータ(回転体)とジャイロ枠(支持部)とを有する構成)を設置してもよい。
<第3実施形態>
上記した第2実施形態では、指標安定部50Aは、ジャイロ機構(指標安定部50)を用いてX1軸回りの回転ぶれ及びY1軸回りの回転ぶれを対して指標投影部51の姿勢を維持していた。これに対して、第3実施形態では、指標投影部は、ジャイロ機構を用いずにX1軸回りの回転ぶれ及びY1軸回りの回転ぶれを対して指標投影部51の姿勢を維持する。なお、第3実施形態に係る形状測定装置においても、検出部90が設けられている。第3実施形態においては、検出部90は第2検出部を構成する。
上記した第2実施形態では、指標安定部50Aは、ジャイロ機構(指標安定部50)を用いてX1軸回りの回転ぶれ及びY1軸回りの回転ぶれを対して指標投影部51の姿勢を維持していた。これに対して、第3実施形態では、指標投影部は、ジャイロ機構を用いずにX1軸回りの回転ぶれ及びY1軸回りの回転ぶれを対して指標投影部51の姿勢を維持する。なお、第3実施形態に係る形状測定装置においても、検出部90が設けられている。第3実施形態においては、検出部90は第2検出部を構成する。
図9は、第3実施形態の指標安定部50Bの構成を示す断面図である。図9において、図1に示すように3軸座標系を設定した場合、紙面の右方向がX1軸となり、紙面の上方向がY1軸となり、紙面の表から裏に向かう方向がZ1軸となる。図9に示す指標安定部50Bは、X支持枠54a、X支持軸54b、Y支持枠54c、X回動部(第2駆動部)54d、Y支持軸54e、並進補正枠54f、Y回動部(第2駆動部)54g、Y駆動体(第1駆動部)54h、Y摺動ガイド54i、X摺動枠54j、X駆動体(第1駆動部)54k、及びX摺動ガイド54lを備えている。
図9に示すように、X支持枠54aは内部が中空の立方体又は直方体の形状であり、そのX支持枠54aの底面が形状測定装置1の外観を構成する筐体1cの内面に固定されている。X支持枠54aの内部にはY支持枠54cが内装されている。このY支持枠54cは、X支持枠54aにおけるX1軸方向において対向する一対の内面に設けられた一対のX支持軸54bにより、X1軸回りに回動自在に支持されている。X支持枠54aにおけるX1軸方向において対向する一対の内面のうちのいずれかの面にはX回動部54dが設けられている。このX回動部54dは、例えばモータに駆動電圧を印加することによりY支持枠54cをX1軸回りに回動させる。
Y支持枠54cも内部が中空の立方体又は直方体の形状である。Y支持枠54cの内部には並進補正枠54fが内装されている。この並進補正枠54fも内部が中空の立方体又は直方体の形状である。この並進補正枠54fは、Y支持枠54cにおけるY1軸方向において対向する一対の内面に設けられた一対のY支持軸54eにより、Y1軸回りに回動自在に支持されている。Y支持枠54cにおけるY1軸方向において対向する一対の内面のうちのいずれかの面にはY回動部54gが設けられている。このY回動部54gは、例えばモータに駆動電圧を印加することにより並進補正枠54fをY1軸回りに回動させる。
並進補正枠54fにおけるY1軸方向において対向する一対の内面のうちの一方の面にはY駆動体54hが設けられている。このY駆動体54hは、例えばピエゾ素子などの圧電素子とリンク機構とを備えるアクチュエータで構成されている。このY駆動体54hは、圧電素子に対する電圧の印加に応じて圧電素子を変形させることでX摺動枠54jをY1軸方向に移動させる。並進補正枠54fにおけるX1軸方向において対向する一対の内面のうちの一方の面にはY摺動ガイド54iが設けられている。このY摺動ガイド54iは、Y駆動体54hがX摺動枠54jを移動させる際に、X摺動枠54jをY1軸方向に摺動させる部材である。例えば、Y摺動ガイド54iはY1軸方向に延びたレールで構成される。
X摺動枠54jは板が直角(又は略直角)に折れ曲がった形状である。このX摺動枠54jの1つの外面がY駆動体54hと接し、もう1つの外面がY摺動ガイド54iと接している。X摺動枠54jの2つの内面のうちのX1軸方向と直交する内面上にはX駆動体54kが設けられている。このX駆動体54kも、例えばピエゾ素子などの圧電素子とリンク機構とを備えるアクチュエータとして構成されている。このX駆動体54kは、圧電素子に対する電圧の印加に応じて圧電素子を変形させることで指標投影部51をX1軸方向に移動させる。X摺動枠54jの2つの内面のうちのY1軸方向と直交する内面上にはX摺動ガイド54lが設けられている。このX摺動ガイド54lは、X駆動体54kが指標投影部51を移動させる際に、指標投影部51をX1軸方向に摺動させる部材である。例えば、X摺動ガイド54lはX1軸方向に延びたレールで構成される。
次に、指標安定部50Bが指標投影部51の姿勢を維持する方法について説明する。形状測定装置1のX1軸回りの回転ぶれが生じた場合、検出部90はX1軸回りの角加速度を検出し、その角加速度を示す加速度情報を演算処理部70に出力する。演算処理部70の制御部72は、検出部90からの加速度情報が示す加速度に応じた制御信号を指標安定部50BのX回動部54dに出力する。X回動部54dは、制御部72からの制御信号に応じた駆動電圧をモータに印加することにより、X1軸回りの回転ぶれを打ち消すようにY支持枠54cを回動させる。このような構成により、Y支持枠54c内の指標投影部51は、X1軸回りの回転ぶれに対して姿勢が維持される。
また、形状測定装置1のY1軸回りの回転ぶれが生じた場合、検出部90はY1軸回りの角加速度を検出し、その角加速度を示す加速度情報を演算処理部70に出力する。演算処理部70の制御部72は、検出部90からの加速度情報が示す加速度に応じた制御信号を指標安定部50BのY回動部54gに出力する。Y回動部54gは、制御部72からの制御信号に応じた駆動電圧をモータに印加することにより、Y1軸回りの回転ぶれを打ち消すように並進補正枠54fを回動させる。このような構成により、並進補正枠54f内の指標投影部51は、Y1軸回りの回転ぶれに対して姿勢が維持される。
また、形状測定装置1のX1軸方向の並進ぶれが生じた場合、検出部90はX1軸方向の並進加速度を検出し、その並進加速度を示す加速度情報を演算処理部70に出力する。演算処理部70の制御部72は、検出部90からの加速度情報が示す加速度に応じた制御信号を指標安定部50BのX駆動体54kに出力する。X駆動体54kは、制御部72からの制御信号に応じた電圧を圧電素子に印加することにより、X1軸方向の並進ぶれを打ち消すように指標投影部51を移動させる。このような構成により、指標投影部51は、X1軸方向の並進ぶれに対して姿勢が維持される。
また、形状測定装置1のY1軸方向の並進ぶれが生じた場合、検出部90はY1軸方向の並進加速度を検出し、その並進加速度を示す加速度情報を演算処理部70に出力する。演算処理部70の制御部72は、検出部90からの加速度情報が示す加速度に応じた制御信号を指標安定部50BのY駆動体54hに出力する。Y駆動体54hは、制御部72からの制御信号に応じた電圧を圧電素子に印加することにより、Y1軸方向の並進ぶれを打ち消すように指標投影部51を移動させる。このような構成により、指標投影部51は、Y1軸方向の並進ぶれに対して姿勢が維持される。
なお、演算部75が並進ぶれ及び回転ぶれに対するぶれ量を求め、そのぶれ量に基づいて補正データを生成する。この処理は図5のステップS8,S9と同様であるため、説明を省略する。
上記の図9に示した指標安定部50Bは、X1軸方向及びY1軸方向の並進ぶれに対して指標投影部51の投影方向を維持するように構成されているが、X1軸方向及びY1軸方向の並進ぶれの少なくとも一方に対して指標投影部51の投影方向を維持する構成でもよい。また、上記の図9に示した指標安定部50Bは、X1軸回り及びY1軸回りの回転ぶれに対して指標投影部51の投影方向を維持するように構成されているが、X1軸回り及びY1軸回りの回転ぶれの少なくとも一方に対して指標投影部51の投影方向を維持する構成でもよい。
以上に説明したように、第3実施形態によれば、指標安定部50Bは、指標投影部51の投影方向(例えばZ1軸方向)と直交する第1軸回り(例えばY1軸回り)の回転ぶれと、指標投影部51の投影方向及び第1軸と直交する第2軸回り(例えばX1軸回り)の回転ぶれとのうちの少なくとも1つの回転ぶれを検出する検出部90と、検出部90により検出される回転ぶれに応じて、該回転ぶれを打ち消すように指標投影部51を移動させる第2駆動部54d,54gとを含む。このような構成によれば、指標安定部50Bは、ジャイロ機構を用いずに、第1軸回りの回転ぶれ及び第2軸回りの回転ぶれに対して指標投影部51の姿勢を維持することができる。
<構造物製造システム及び構造物製造方法>
図10は、構造物製造システムの実施形態の一例を示すブロック図である。図10に示す構造物製造システムSYSは、上記した形状測定装置1、設計装置710、成形装置720、制御装置(検査装置)730、及びリペア装置740を有している。なお、構造物製造システムSYSは、第1実施形態の形状測定装置1に代えて、第2実施形態の形状測定装置1A又は第3実施形態の形状測定装置を有する構成でもよい。
図10は、構造物製造システムの実施形態の一例を示すブロック図である。図10に示す構造物製造システムSYSは、上記した形状測定装置1、設計装置710、成形装置720、制御装置(検査装置)730、及びリペア装置740を有している。なお、構造物製造システムSYSは、第1実施形態の形状測定装置1に代えて、第2実施形態の形状測定装置1A又は第3実施形態の形状測定装置を有する構成でもよい。
設計装置710は、構造物の形状に関する設計情報を作製する。そして、設計装置710は、作製した設計情報を成形装置720及び制御装置730に送信する。ここで、設計情報とは、例えば複数の2次元設計情報から求められた構造物の各位置の座標を示す情報である。また、被測定物は、構造物である。
成形装置720は、設計装置710から送信された設計情報に基づいて構造物を成形する。この成形装置720の成形工程は、鋳造、鍛造、又は切削などが含まれる。形状測定装置1は、成形装置720により作製された構造物(被測定物2)の3次元形状、すなわち構造物の座標を測定する。そして、形状測定装置1は、測定した座標を示す情報(以下、形状情報という。)を制御装置730に送信する。
制御装置730は、座標記憶部731及び検査部732を有している。座標記憶部731は、設計装置710から送信される設計情報を記憶する。検査部732は、座標記憶部731から設計情報を読み出す。また、検査部732は、座標記憶部731から読み出した設計情報と、形状測定装置1から送信される形状情報とを比較する。そして、検査部732は、比較結果に基づき、構造物が設計情報の通りに成形されたか否かを検査する。
また、検査部732は、成形装置720により成形された構造物が良品であるか否かを判定する。構造物が良品であるか否かは、例えば、設計情報と形状情報との誤差が所定の閾値の範囲内であるか否かにより判定する。そして、検査部732は、構造物が設計情報の通りに成形されていない場合は、その構造物を設計情報の通りに修復することができるか否かを判定する。修復することができると判定した場合は、検査部732は、比較結果に基づき、不良部位と修復量を算出する。そして、検査部732は、不良部位を示す情報(以下、不良部位情報という。)と、修復量を示す情報(以下、修復量情報という。)と、をリペア装置740に送信する。
リペア装置740は、制御装置730から送信された不良部位情報と修復量情報とに基づいて、構造物の不良部位を加工する。
図11は、構造物製造システムSYSによる処理を示すフローチャートであり、構造物製造方法の実施形態の一例を示している。図11に示すように、設計装置710は、構造物の形状に関する設計情報を作製する(ステップS31)。設計装置710は、作製した設計情報を成形装置720及び制御装置730に送信する。制御装置730は、設計装置710から送信された設計情報を受信する。そして、制御装置730は、受信した設計情報を座標記憶部731に記憶する。
次に、成形装置720は、設計装置710が作製した設計情報に基づいて構造物を成形する(ステップS32)。そして、形状測定装置1は、成形装置720が成形した構造物の3次元形状を測定する(ステップS33)。その後、形状測定装置1は、構造物の測定結果である形状情報を制御装置730に送信する。次に、検査部732は、形状測定装置1から送信された形状情報と、座標記憶部731に記憶されている設計情報とを比較して、構造物が設計情報の通りに成形されたか否か検査する(ステップS34)。
次に、検査部732は、構造物が良品であるか否かを判定する(ステップS35)。構造物が良品であると判定した場合は(ステップS35:YES)、構造物製造システムSYSによる処理を終了する。一方、検査部732は、構造物が良品でないと判定した場合は(ステップS35:NO)、検査部732は、構造物を修復することができるか否かを判定する(ステップS36)。
検査部732が構造物を修復することができると判定した場合は(ステップS36:YES)、検査部732は、ステップS34の比較結果に基づいて、構造物の不良部位と修復量を算出する。そして、検査部732は、不良部位情報と修復量情報とをリペア装置740に送信する。リペア装置740は、不良部位情報と修復量情報とに基づいて構造物のリペア(再加工)を実行する(ステップS37)。そして、ステップS33の処理に移行する。すなわち、リペア装置740がリペアを実行した構造物に対してステップS33以降の処理が再度実行される。一方、検査部732が構造物を修復することができないと判定した場合は(ステップS36:NO)、構造物製造システムSYSによる処理を終了する。
このように、構造物製造システムSYS及び構造物製造方法では、形状測定装置1による構造物の測定結果に基づいて、検査部732が設計情報の通りに構造物が作製されたか否かを判定する。これにより、成形装置720により作製された構造物が良品であるか否か精度よく判定することができるとともに、その判定の時間を短縮することができる。また、上記した構造物製造システムSYSでは、検査部732により構造物が良品でないと判定された場合に、直ちに構造物のリペアを実行することができる。
なお、上記した構造物製造システムSYS及び構造物製造方法において、リペア装置740が加工を実行することに代えて、成形装置720が再度加工を実行するように構成してもよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は、上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能である。また、上記の実施形態で説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。そのような変更又は改良、省略した形態も本発明の技術的範囲に含まれる。また、上記した実施形態を適宜組み合わせて適用することも可能である。
また、上記した各実施形態において、指標投影部51が投影される点光200の色は、白色、赤色、緑色などのいずれの色であってもよい。ただし、点光200の色がライン光100の色と異なる色であれば、演算部75は点光200による点像を検出しやすくなる。点光200の色の変更は、指標投影部51内のレーザダイオードの種類を変更することにより可能である。
また、指標投影部51による点像が投影されている部分については縞パターンが見えないため3次元データが得られない。しかし、点像は非常に小さいため点像が投影されている部分を周囲の3次元データから補完することで欠落のない3次元データを得ることができる。また、点像が投影される部分についても位相情報が必要な場合は、4つの位相の異なる縞パターンを投影する時には点像を投影せず、初期位相0度の縞パターン投影・撮像前と初期位相3/2πの縞パターン投影・撮像後にそれぞれ点像を投影・撮像し4つの縞パターン投影・撮像中のぶれを求め内挿処理により補正することができる。
また、上記した各実施形態において、第1の方向D1と第2の方向D2とが直交していたが、第1の方向D1と第2の方向D2とが異なる方向であれば直交していなくてもよい。例えば、第2の方向D2は、第1の方向D1に対して60度や80度の角度に設定されてもよい。
また、上記した各実施形態において、各図面では光学素子を一つ又は複数で表しているが、特に使用する数を指定しない限り、同様の光学性能を発揮させるものであれば、使用する光学素子の数は任意である。
また、上記した各実施形態において、走査部40は、パターン光を反射又は回折する光学素子を用いているがこれに限定されない。例えば、屈折光学素子や、平行平板ガラス等が用いられてもよい。レンズ等の屈折光学素子を光軸に対して振動させることでパターン光を走査させてもよい。なお、この屈折光学素子としては、投影光学系30の一部の光学素子が用いられてもよい。
また、上記した各実施形態において、撮像部60としてCCD撮像装置62aが用いられるがこれに限定されない。例えば、CCD撮像装置に代えて、CMOSイメージセンサ(CMOS:Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補性金属酸化膜半導体)などのイメージセンサが用いられてもよい。
また、上記した各実施形態において、位相シフト法に用いる縞パターンの位相を一周期の間に4回シフトさせる4バケット法が用いられるが、これに限定されない。例えば、0・π/2・π・3π/2の縞パターンを投影した後に再び0位相の縞パターンを投影する5バケット法や、さらにπ/2位相の縞パターンを投影する6バケット法などが用いられてもよい。
また、上記した各実施形態において、いずれも位相シフト法が用いられているが、空間コード法のみを用いて被測定物2の3次元形状を測定するものでもよい。
また、上記した第1実施形態においては、縞パターンの撮像前に空間コードパターンを撮像していれば、その他のパターンの撮像の順序は問わない。また、上記した第2実施形態においては、縞パターンの撮像前に白黒参照パターンを撮像していれば、その他のパターンの撮像の順序は問わない。
また、上記した各実施形態において、縞パターンや空間コードパターンを白色及び黒色で表していたが、これに限定されず、いずれか一方又は双方が着色されたものでもよい。例えば、縞パターンや空間コードパターンは、白色と赤色とで生成されるものでもよい。
また、上記した各実施形態において、空間コードはバイナリコードを用いているが、グレイコードが用いられてもよい。グレイコードは、バイナリコードと符号の付け方が異なる。このため、空間コードパターンのストライプのパターンも異なるパターンが用いられる。
また、上記した各実施形態において、標準画像を取得しているが、この標準画像は取得しなくてもよい。
また、走査部40としてMEMSミラー等の振動ミラーが用いられる場合、角速度の不均一に対応して、レーザダイオードからの光の強度を変更させてもよい。例えば、投影領域300における走査方向の端部付近では光強度を強くし、中央付近では光強度を低下させるように、レーザダイオードを制御してもよい。これにより、投影領域300の端部と中央部とで生じる明るさの不均一を抑制できる。
また、形状測定装置1の一部の構成をコンピュータにより実現してもよい。例えば、演算部処理部60をコンピュータにより実現してもよい。この場合、コンピュータは、記憶部に記憶された形状測定プログラムに従って、第1の方向D1に沿って異なる強度の分布を有するパターン光を生成する光生成処理と、パターン光を第1の方向D1とは異なる被測定物2上の第2の方向D2に沿って走査する走査処理と、パターン光が投光された被測定物2を撮像する撮像処理と、撮像処理で得られた被測定物2の像に応じた信号強度に基づいて、被測定物2の形状を算出する演算処理と、を実行する。なお、上述の各実施形態の要件は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。また、法令で許容される限りにおいて、上述の各実施形態及び変形例で引用した装置などに関する全ての公開公報及び米国特許の開示を援用して本文の記載の一部とする。
SYS…構造物製造システム、1,1A…形状測定装置、2…被測定物、10…パターン投影部、20…光生成部、40…走査部、50,50A,50B…指標安定部、51…指標投影部、52a…X支持枠(第2支持枠)、52b…X支持軸(第2支持軸)、52c…Y支持枠(第1支持枠)、52d…Y支持軸(第1支持軸)、52e…ジャイロ枠(支持部)、52h…ロータ(回転体)、53b,54h…Y駆動体(第1駆動部)、53e,54k…X駆動体(第1駆動部)、54d…X回動部(第2駆動部)、54g…Y回動部(第2駆動部)、60…撮像部、70…演算処理部、75…演算部(ぶれ検出部、算出部)、90…検出部(第1検出部、第2検出部)、100…ライン光(パターン光)、200…点光(光)、300…投影領域、601…像、602…点像
Claims (11)
- 異なる複数のパターンを被測定物に順次投影するパターン投影部と、
前記パターンとは異なる指標を投影する指標投影部と、
前記パターン投影部の姿勢に関わりなく前記指標投影部の姿勢を保つ指標安定部と、
前記複数のパターンが投影された前記被測定物をそれぞれ撮像する撮像部と、
前記撮像された像に基づいて投影されたパターンのぶれを検出するぶれ検出部と、を備える形状測定装置。 - 前記ぶれ検出部で検出されたぶれに基づいて前記パターン情報を補正して前記被測定物の形状を求める演算部を備える請求項1に記載の形状測定装置。
- 前記指標安定部は、回転体と前記指標投影部を支持する支持部とを有する請求項1または請求項2に記載の形状測定装置。
- 前記回転体は、前記撮像部の光軸または前記パターン投影部の光軸と直交する第1軸回りに回転する請求項3に記載の形状測定装置。
- 前記支持部は、前記第1軸方向の第1支持軸により、前記支持部を内装する第1支持枠に対して前記第1軸回りに回動自在に支持され、
前記第1支持枠は、前記光軸及び前記第1軸方向と直交する第2軸方向の第2支持軸により、前記第1支持枠を内装する第2支持枠に対して前記第2支持軸回りに回動自在に支持される請求項4に記載の形状測定装置。 - 前記指標安定部は、
前記撮像部の光軸または前記パターン投影部の光軸と直交する第1軸方向の並進ぶれと、前記光軸及び前記第1軸と直交する第2軸方向の並進ぶれとのうちの少なくとも1つの並進ぶれを検出する第1検出部と、
前記第1検出部により検出される前記並進ぶれに応じて、該並進ぶれを打ち消すように前記指標投影部、前記支持部、または前記第2支持枠を移動させる第1駆動部と、を含む請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の形状測定装置。 - 前記指標安定部は、
前記撮像部の光軸または前記パターン投影部の光軸と直交する第1軸回りの回転ぶれと、前記光軸及び前記第1軸と直交する第2軸回りの回転ぶれとのうちの少なくとも1つの回転ぶれを検出する第2検出部と、
前記第2検出部により検出される前記回転ぶれに応じて、該回転ぶれを打ち消すように前記指標投影部を移動させる第2駆動部と、を含む請求項1または請求項2に記載の形状測定装置。 - 前記指標安定部は、
前記第1軸方向の並進ぶれと、前記第2軸方向の並進ぶれとのうちの少なくとも1つの並進ぶれを検出する第1検出部と、
前記第1検出部により検出される前記並進ぶれに応じて、該並進ぶれを打ち消すように前記指標投影部を移動させる第1駆動部と、を含む請求項7に記載の形状測定装置。 - 構造物の形状に関する設計情報を作製する設計装置と、
前記設計情報に基づいて前記構造物を作製する成形装置と、
作製された前記構造物の形状を測定する請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の形状測定装置と、
前記形状測定装置によって得られた前記構造物の形状に関する形状情報と前記設計情報とを比較する検査装置とを含む構造物製造システム。 - パターン投影部が異なる複数のパターンを被測定物に順次投影することと、
指標投影部が前記パターンとは異なる指標を投影することと、
前記パターン投影部の姿勢に関わりなく前記指標投影部の姿勢を保つことと、
前記複数のパターンが投影された前記被測定物をそれぞれ撮像することと、
前記撮像された像に基づいて投影されたパターンのぶれを検出することと、を含む形状測定方法。 - 構造物の形状に関する設計情報を作製することと、
前記設計情報に基づいて前記構造物を作製することと、
作製された前記構造物の形状を請求項10に記載の形状測定方法で測定することと、
前記形状測定方法によって得られた前記構造物の形状に関する形状情報と前記設計情報とを比較すること、とを含む構造物製造方法。
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JP2014128145A Pending JP2016008838A (ja) | 2014-06-23 | 2014-06-23 | 形状測定装置、構造物製造システム、形状測定方法、及び構造物製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016008838A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11263768B2 (en) | 2018-12-20 | 2022-03-01 | Samsung Electronics Co., Ltd. | 3D information calculation apparatuses, 3D measurement apparatuses, 3D information calculation methods, and 3D information calculation programs |
JP7406695B2 (ja) | 2019-12-17 | 2023-12-28 | 株式会社竹中工務店 | 画像処理装置及び画像処理プログラム |
-
2014
- 2014-06-23 JP JP2014128145A patent/JP2016008838A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11263768B2 (en) | 2018-12-20 | 2022-03-01 | Samsung Electronics Co., Ltd. | 3D information calculation apparatuses, 3D measurement apparatuses, 3D information calculation methods, and 3D information calculation programs |
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