JP2016007583A - 豆類外観検査装置、及び豆類外観検査方法 - Google Patents

豆類外観検査装置、及び豆類外観検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】豆類の外観を検査して、商品として不適当な豆類を効率良く選別することが可能な豆類外観検査装置及び豆類外観検査方法を提供する。
【解決手段】検査対象となる豆類の表面の画像を取得し、取得した画像に基づいて不良であると判定された豆類を選別する。ローラの回転により移動させることが可能なベルトで構成された搬送手段と、搬送手段に搭載された複数の豆類を撮像する撮像手段と、撮像された画像に基づいて豆類ごとに良否判定する良否判定手段と、搬送手段の終端から落下する豆類に対して圧縮空気を噴射する噴射手段とを備える。噴射手段は、前記ベルトの終端の前記ローラの頂部から落下する豆類のうち、不良と判定された豆類のみを、自由落下曲線上の所定の位置において圧縮空気の噴射により吹き飛ばして選別する。
【選択図】図3

Description

本発明は、各種豆類の外観を検査して、商品として不適当な豆を効率良く選別することが可能な豆類外観検査装置及び豆類外観検査方法に関する。
黒豆、大豆、金時豆等の豆類を収穫し、脱穀した後乾燥させて出荷する場合、転選機等の粗選機、色彩選別機等により粗選別を実行した後、最終的には人による手選りを実行することで、良質の豆だけを選別して出荷している。手選りは、熟練した作業者を必要とすることから、最近では人材の確保が困難になってきている。
そこで、例えば特許文献1では、豆のひび割れ、はじけ等の有無を検査する選別装置が開示されている。特許文献1に開示されている選別装置では、豆を加熱し、温度分布を赤外線カメラの画像から解析することにより良否判定を行うことで、人手を介することなく、あるいは削減して、低コストで豆類の良否判定を行うことができる。
特開2004−113904号公報
しかし、豆が不良であると判定された原因の多くは、豆の表面というよりも豆の輪郭に表れることが多く、特許文献1のように赤外線カメラによる豆表面の温度分布の画像解析だけでは十二分に不良品を選別することができないという問題点があった。また、不良品をエジェクタにより良品群の中から排除しているが、実際には不良品のみを正確に排除することは困難であり、特許文献1には正確に排除するための工夫については開示も示唆もされていない。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、豆の外観を検査して、商品として不適当な豆を効率良く選別することが可能な豆類外観検査装置及び豆類外観検査方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために第1発明に係る豆類外観検査装置は、検査対象となる豆類の表面の画像を取得し、取得した画像に基づいて不良であると判定された豆類を選別する豆類外観検査装置において、ローラの回転により移動させることが可能なベルトで構成された搬送手段と、該搬送手段に搭載された複数の豆類を撮像する撮像手段と、撮像された画像に基づいて豆類ごとに良否判定する良否判定手段と、前記搬送手段の終端から落下する豆類に対して圧縮空気を噴射する噴射手段とを備え、前記噴射手段は、前記ベルトの終端の前記ローラの頂部から落下する豆類のうち、前記良否判定手段により不良と判定された豆類のみを、自由落下曲線上の所定の位置において圧縮空気の噴射により吹き飛ばして選別することを特徴とする。
また、第2発明に係る豆類外観検査装置は、第1発明において、前記搬送手段は、前記ベルトの終端の前記ローラの頂部から水平方向に飛び出す速度で豆類を搬送することを特徴とする。
また、第3発明に係る豆類外観検査装置は、第1又は第2発明において、撮像された画像から、輪郭線を抽出する手段と、抽出された輪郭線の連続性を解析して、豆類の接触部分の端点を抽出する手段と、抽出された接触部分の端点を結ぶ分割線を特定し、豆類の画像を分割する手段とを備え、前記良否判定手段は、分割された豆類の画像ごとに良否判定することを特徴とする。
また、第4発明に係る豆類外観検査装置は、第1乃至第3発明のいずれか1つにおいて、前記噴射手段は、圧縮空気を噴射するノズルを複数有し、前記良否判定手段で不良と判定された豆類の位置に対応する位置に配置されているノズルのみから圧縮空気を噴射することを特徴とする。
また、第5発明に係る豆類外観検査装置は、第1乃至第4発明のいずれか1つにおいて、前記噴射手段は、前記ベルトの終端の前記ローラの頂部に近接する位置であって、前記良否判定手段で不良と判定された豆類と良品と判定された豆類とを選別可能な位置に配置されていることを特徴とする。
次に、上記目的を達成するために第6発明に係る豆類外観検査方法は、検査対象となる豆類の表面の画像を取得し、取得した画像に基づいて不良であると判定された豆類を選別する豆類外観検査装置で実行することが可能な豆類外観検査方法において、前記豆類外観検査装置は、ローラの回転により移動させることが可能なベルトで構成された搬送手段を備え、該搬送手段に搭載された複数の豆類を撮像し、撮像された画像に基づいて豆類ごとに良否判定し、前記ベルトの終端の前記ローラの頂部から落下する豆類のうち、不良と判定された豆類のみを、自由落下曲線上の所定の位置において圧縮空気の噴射により吹き飛ばして選別することを特徴とする。
また、第7発明に係る豆類外観検査方法は、第6発明において、前記搬送手段は、前記ベルトの終端の前記ローラの頂部から水平方向に飛び出す速度で豆類を搬送することを特徴とする。
また、第8発明に係る豆類外観検査方法は、第6又は第7発明において、前記豆類外観検査装置は、撮像された画像から、輪郭線を抽出し、抽出された輪郭線の連続性を解析して、豆類の接触部分の端点を抽出し、抽出された接触部分の端点を結ぶ分割線を特定し、豆類の画像を分割し、分割された豆類の画像ごとに良否判定することを特徴とする。
また、第9発明に係る豆類外観検査方法は、第6乃至第8発明のいずれか1つにおいて、前記豆類外観検査装置は、圧縮空気を噴射するノズルを複数有し、不良と判定された豆類の位置に対応する位置に配置されているノズルのみから圧縮空気を噴射することを特徴とする。
第1発明及び第6発明では、検査対象となる豆類の表面の画像を取得し、取得した画像に基づいて不良であると判定された豆類を選別する。豆類外観検査装置は、ローラの回転により移動させることが可能なベルトで構成された搬送手段を備えており、搬送手段に搭載された複数の豆類を撮像し、撮像された画像に基づいて豆類ごとに良否判定する。ベルトの終端のローラの頂部から落下する豆類のうち、不良と判定された豆類のみを、自由落下曲線上の所定の位置において圧縮空気の噴射により吹き飛ばして選別する。これにより、豆類がベルトの終端のローラの頂部から自由落下する自由落下曲線は、ベルトの搬送速度により一意に定まるので、不良と判定された豆類の近傍に存在する良品と判定された豆類を誤って吹き飛ばす可能性を抑制することができ、不良と判定された豆類を正しく選別することが可能となる。
第2発明及び第7発明では、ベルトの終端のローラの頂部から水平方向に飛び出す速度で豆類を搬送するので、豆類がベルトの終端のローラの頂部から自由落下する自由落下曲線は、ベルトによる搬送速度により一意に定まり、不良と判定された豆類の近傍に存在する良品と判定された豆類を誤って吹き飛ばす可能性を抑制することができ、不良と判定された豆類を正しく選別することが可能となる。
第3発明及び第8発明では、撮像された画像から、輪郭線を抽出し、抽出された輪郭線の連続性を解析して、豆類の接触部分の端点を抽出し、抽出された接触部分の端点を結ぶ分割線を特定し、豆類の画像を分割し、分割された豆類の画像ごとに良否判定する。これにより、豆類が重なって撮像された場合のように、隣接する豆類の画像が互いに接触している場合であっても、一の豆類ごとに良否判定することができ、不良と判定された豆類を正しく選別することが可能となる。
第4発明及び第9発明では、圧縮空気を噴射するノズルを複数有し、不良と判定された豆類の位置に対応する位置に配置されているノズルのみから圧縮空気を噴射するので、不良と判定された豆類のみを正しく選別することが可能となる。
第5発明では、噴射手段を、ベルトの終端のローラの頂部に近接する位置であって、不良と判定された豆類と良品と判定された豆類とを選別可能な位置に配置するので、豆類の重力加速度による鉛直方向の分速度が小さく、短い噴射時間で確実に豆類に命中させることができる。噴射時間を短くすることで、単位時間当たりの選別処理量を増やすことができ、装置全体として処理量を増大させることが可能となる。
本発明によれば、豆類がベルトの終端のローラの頂部から自由落下する自由落下曲線は、ベルトによる搬送速度により一意に定まるので、不良と判定された豆類の近傍に存在する良品と判定された豆類を誤って吹き飛ばす可能性を抑制することができ、不良と判定された豆類を正しく選別することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る豆類外観検査装置の外観構成を示す正面図である。 本発明の実施の形態に係る豆類外観検査装置の制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る豆類外観検査装置の制御装置の機能ブロック図である。 本発明の実施の形態に係る豆類外観検査装置の制御装置のCPUの豆類画像の分割処理の手順を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る豆類外観検査装置の豆類の画像が互いに接触している場合の候補点の抽出方法を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態に係る豆類外観検査装置の豆類の画像が互いに接触している場合の分割線の特定方法を説明するための模式図である。 本発明の実施の形態に係る豆類外観検査装置の制御装置のCPUの豆類画像の他の分割処理の手順を示すフローチャートである。 豆類の位置座標を決める方法の例示図である。 臨界速度Vを求めるための説明図である。 本発明の実施の形態に係る豆類外観検査装置における噴射装置の位置を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態に係る豆類外観検査装置及び豆類外観検査方法について、図面に基づいて具体的に説明する。以下の実施の形態は、特許請求の範囲に記載された発明を限定するものではなく、実施の形態の中で説明されている特徴的事項の組み合わせの全てが解決手段の必須事項であるとは限らないことは言うまでもない。
また、本発明は多くの異なる態様にて実施することが可能であり、実施の形態の記載内容に限定して解釈されるべきものではない。実施の形態を通じて同じ要素には同一の符号を付している。
図1は、本発明の実施の形態に係る豆類外観検査装置の外観構成を示す正面図である。本発明の実施の形態に係る豆類外観検査装置1は、図示しない供給装置から供給された各種の豆類を、ベルト(搬送手段)20の上面に搭載する。なお、本実施の形態における豆類とは、黒豆、大豆、金時豆等の豆全般を意味しており、以下、「豆」と記載する。
ベルト20は、ローラ21の回転により矢印方向に移動する。それに伴い、上面に搭載された豆も矢印方向に移動する。ローラ21の回転速度を制御装置10で制御することにより、豆の移動速度を制御することができる。
ローラ21に到達するまでの位置で、カメラ(撮像手段)30により豆表面の画像を撮像する。カメラ30は、上側照明装置31により豆の表面を照射し、下側照明装置32により豆の輪郭を浮き上がらせた状態で撮像する。撮像された画像は制御装置10へ送信され、豆ごとに良否判定を実行する。
豆は、ローラ21の頂部まで、すなわちベルト20の終端に到達した場合、手選用コンベア60へ放出される。制御装置10は、噴射装置(噴射手段)40の動作を制御して、良否判定により不良と判定された豆の位置に対応するノズルから圧縮空気を噴射して、不良品排出シューター50へ投げ入れる。
図2は、本発明の実施の形態に係る豆類外観検査装置1の制御装置10の構成を示すブロック図である。本発明の実施の形態に係る豆類外観検査装置1の制御装置10は、少なくともCPU(中央演算装置)11、メモリ12、記憶装置13、I/Oインタフェース14、ビデオインタフェース15、通信インタフェース16、接続インタフェース17及び上述したハードウェアを接続する内部バス18で構成されている。
CPU11は、内部バス18を介して豆類外観検査装置1の上述したようなハードウェア各部と接続されており、上述したハードウェア各部の動作を制御するとともに、記憶装置13に記憶しているコンピュータプログラムに従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。メモリ12は、SRAM、SDRAM等の揮発性メモリで構成され、コンピュータプログラムの実行時にロードモジュールが展開され、コンピュータプログラムの実行時に発生する一時的なデータ等を記憶する。
記憶装置13は、内蔵される固定型記憶装置(ハードディスク)、ROM等で構成されている。記憶装置13に記憶しているコンピュータプログラムは、通信インタフェース16を介して接続されている外部コンピュータからダウンロードされ、実行時には記憶装置13からメモリ12へ展開して実行される。もちろん、プログラム及びデータ等の情報を記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体からダウンロードされたコンピュータプログラムであっても良い。
接続インタフェース16は内部バス18に接続されており、豆類外観検査装置1の各種装置、例えばカメラ(撮像手段)30、ローラ(搬送手段)21、噴射装置(噴射手段)40等と接続されており、それぞれの動作を制御する。不良と判定された豆の搬送位置に応じて噴射装置40による圧縮空気の噴射タイミングを特定する。
通信インタフェース16は内部バス18に接続されており、インターネット、LAN、WAN等の外部のネットワークに接続されることにより、外部コンピュータとデータ送受信を行うことが可能となっている。
I/Oインタフェース14は、キーボード、マウス等を含む入力装置35と接続され、データの入力を受け付ける。また、ビデオインタフェース15は、表示装置36と接続され、所定の画像を表示する。
以下、上述した構成の豆類外観検査装置1の動作について説明する。図3は、本発明の実施の形態に係る豆類外観検査装置1の制御装置10の機能ブロック図である。図3において、制御装置10の画像取得手段301は、カメラを含む撮像手段の動作を制御して、搬送手段であるベルト20に搭載されて運ばれてくる豆を撮像する。
良否判定手段302は、撮像された画像に基づいて豆ごとに良否判定する。豆1つ1つについて良否判定するためには、撮像された画像の中で豆が重なり合う、互いに接触する等により一体となっている部分の画像を、豆ごとの画像に分割することが好ましい。図4は、本発明の実施の形態に係る豆類外観検査装置1の制御装置10のCPU11の豆画像の分割処理の手順を示すフローチャートである。
図4において、制御装置10のCPU11は、豆の表面を撮像した画像を取得する(ステップS401)。CPU11は、取得した画像に対して二値化処理を実行して輪郭線を抽出する(ステップS402)。
具体的には、豆の表面を黒画素に、背景部分を白画素に、それぞれ二値化処理し、豆の画像の内部に点在する白画素部分を黒画素に補正する。これにより、豆の輪郭線をより明確に抽出することができる。
CPU11は、豆の画像の接触部分の端点の候補点を抽出する(ステップS403)。例えばハリスのコーナフィルタ等を用いることで、輪郭線の連続性を解析し、連続性が途切れている点を接触部分の端点の候補点として抽出する。より高い精度で豆の画像の接触部分の端点であるか否かを判断するために、コーナフィルタで抽出した複数の接触部分の端点の候補点が、画像を切断する対象として適当であるか否かを判断する。
判断する方法は、特に限定されるものではないが、例えば候補点の座標を中心とした一定の半径(半径10画素)の円領域における黒画素の割合で判断しても良い。図5は、本発明の実施の形態に係る豆類外観検査装置1の豆の画像が互いに接触している場合の候補点の抽出方法を説明するための模式図である。
図5(a)に示すように、豆の画像51、52が接触している場合、コーナフィルタにより候補点P1、P2が抽出される。また、豆の画像52には、豆の輪郭線に突起等が生じており、候補点P3も抽出されている。
ここで、図5(b)に示すように、候補点P1を中心とした半径10画素の円領域53について、黒画素の割合を算出する。黒画素の割合が所定の閾値の範囲内、例えば60−90%の範囲内である場合には、豆の画像の接触部分の端点の候補点として適当であると判断する。図5(b)の場合は約80%なので、豆の画像の接触部分の端点の候補点として適当であると判断することができる。図5(c)の場合も、候補点P2を中心とした半径10画素の円領域54について、同様の判断をすることができる。
一方、図5(d)の場合、候補点P3を中心とした半径10画素の円領域55について、黒画素の割合が約40%なので、豆の画像の接触部分の候補点としては不適当(何らかの不良発生点)であると判断をすることができる。
図4に戻って、CPU11は、抽出された複数の候補点の中から一の候補点を選択して(ステップS404)、選択された一の候補点に近接する他の候補点が存在するか否かを判断する(ステップS405)。
具体的には、選択された一の候補点から所定の距離の範囲内に候補点が存在するか否かを判断する。CPU11が、選択された一の候補点に近接する他の候補点が存在すると判断した場合(ステップS405:YES)、CPU11は、選択された一の候補点と他の候補点との間を結ぶ線分上で、画素が白→黒→白と変化しているか否かを判断する(ステップS406)。
CPU11が、画素が白→黒→白と変化していると判断した場合(ステップS406:YES)、CPU11は、2つの候補点を結ぶ線分を、接触する豆の画像を分割する分割線として白画素として描画する(ステップS407)。
分割線を特定する方法は特に限定されるものではない。例えば、隣接する候補点間を結ぶ線分について、該線分から一定画素、例えば10画素離れた位置に設けた仮想線分について、黒画素の割合を算出して、一定の閾値以上(90%以上)である場合に分割線として適当であると判断することができる。図6は、本発明の実施の形態に係る外観検査装置1の豆の画像が互いに接触している場合の分割線の特定方法を説明するための模式図である。
図6(a)に示すように隣接する候補点P1、P2を結ぶ線分d1に対して、線分d1から10画素離れた位置に設けられた平行線分d2を想定する。図6(a)の例では、平行線分d2上の黒画素の割合が約100%であるので、分割線として適当であると判断して、線分P1P2を分割線として特定する。
一方、図6(b)に示すように、隣接する候補点P1、P3を結ぶ線分d3に対して、線分d3から10画素離れた位置に設けられた平行線分d4を想定する。図6(b)の例では、平行線分d4上の黒画素の割合が90%を大きく下回るので、分割線として不適当であると判断して、線分P1P3を分割線として特定しない。
図4に戻って、CPU11が、選択された一の候補点に近接する他の候補点が存在しないと判断した場合(ステップS405:NO)、あるいはCPU11が、選択された一の候補点と他の候補点との間を結ぶ線分上で、画素が黒→白→黒と変化していないと判断した場合(ステップS406:NO)、CPU11は、すべての候補点を選択したか否かを判断する(ステップS408)。
CPU11が、まだ選択されていない候補点が存在すると判断した場合(ステップS408:NO)、CPU11は、他の候補点を選択して(ステップS409)、処理をステップS405へ戻して、上述した処理を繰り返す。CPU11が、すべての候補点が選択されたと判断した場合(ステップS408:YES)、CPU11は、処理を終了する。
図4に示す処理で、まだ分割することができなかった豆が存在しているか否かは、例えば以下のような処理で判断することができ、分割することができる。図7は、本発明の実施の形態に係る豆類外観検査装置1の制御装置10のCPU11の豆の画像の他の分割処理の手順を示すフローチャートである。
図7において、制御装置10のCPU11は、図4の処理により分割された豆の二値化画像に対してラベリング処理を実行し(ステップS701)、輪郭線で囲まれているすべての豆の画像の平均面積Saを算出する(ステップS702)。CPU11は、一の豆の画像を選択する(ステップS703)。
CPU11は、選択した一の豆の画像の面積Siを算出し(ステップS704)、算出した平均面積Saに対する面積Siの割合Sa/Siが所定値以上であるか否かを判断する(ステップS705)。CPU11が、割合Sa/Siが所定値以上であると判断した場合(ステップS705:YES)、CPU11は、当該豆の画像は未分割であると判断してメモリ12に一時記憶する(ステップS706)。
CPU11が、算出した平均面積Saに対する面積Siの割合Sa/Siが所定値より小さいと判断した場合(ステップS705:NO)、CPU11は、すべての豆の画像を選択したか否かを判断する(ステップS707)。CPU11が、まだ選択されていない豆の画像が存在すると判断した場合(ステップS707:NO)、CPU11は、他の豆の画像を選択して(ステップS708)、処理をステップS704へ戻して、上述した処理を繰り返す。
CPU11が、すべての豆の画像が選択されたと判断した場合(ステップS707:YES)、CPU11は、メモリ12に一時記憶されている豆の画像の中から一の豆の画像を選択する(ステップS709)。CPU11は、当該豆の画像を包含する疑似楕円画像を特定し(ステップS710)、特定された疑似楕円画像の長軸と直交する方向の線分のうち、白い画素数の最小の線分を特定する(ステップS711)。CPU11は、特定された線分に沿って黒を分割する線分として描画し、メモリ12から当該豆の画像を削除する(ステップS712)。
CPU11は、メモリ12に一時記憶されたすべての豆の画像を選択したか否かを判断する(ステップS713)。CPU11が、まだ選択されていない豆の画像がメモリ12に一時記憶されていると判断した場合(ステップS713:NO)、CPU11は、メモリ12に一時記憶されている他の豆の画像を選択して(ステップS714)、処理をステップS710へ戻して、上述した処理を繰り返す。CPU11が、メモリ12に一時記憶されているすべての豆の画像が選択されたと判断した場合(ステップS713:YES)、CPU11は、処理を終了する。これにより、撮像された画像の中で豆が互いに接触している場合であっても、確実に画像を分割することができ、1つ1つの豆ごとに良否判定を行うことができる。
図3に戻って、良否判定手段302は、撮像された画像に基づいて豆ごとに良否判定を行う。具体的には、1つ1つの豆の画像から輪郭線を抽出し、抽出された輪郭線の連続性を解析することで、輪郭線が所定の連続性を維持しているか否かを判断する。連続性が維持できていない場合には、豆の周囲の近傍において、皮切れ、発芽等の不良が生じている豆、すなわち当該豆は不良であると判定する。
豆類選別手段303は、良否判定手段302において不良であると判定された豆の搬送手段であるベルト20の幅方向の位置に応じて、豆の位置に対応する噴射装置40のノズルの位置を特定する。図8は、豆の位置座標を決める方法の例示図である。ベルト20の幅方向をY軸として、ベルト20の一方の幅の端部を原点とすることにより、ベルト20に搭載された豆61の座標値をY座標値として取得することができる。
制御装置10は、取得したY座標値に搭載されている豆61のうち、不良と判定された豆61の位置を抽出して、噴射装置40に対して、不良と判定された豆61の位置に対応する位置に配置されているノズル41からのみ圧縮空気を噴射するよう指示信号を送信する。
ベルト20の終端、すなわちローラ21の頂部まで移動した豆61は、落下する。ベルト20の移動速度に応じて、落下当初はローラ21に沿って落下する場合もあれば、そのまま自由落下運動する場合も生じる。自由落下運動をする場合には、移動速度に応じて落下軌跡が一意に定まるので、噴射装置40により確実に不良と判定された豆だけに圧縮空気を当てることができる。
そこで、豆が確実に自由落下運動を開始する最低の移動速度を臨界速度Vとして算出する。図9は、臨界速度Vを求めるための説明図である。
まず、臨界速度Vは、ローラ21の頂部Pを通過した直後から自由落下運動に移行する速度であるので、豆61は、ローラ21の頂部Pから水平方向に飛び出す速度とも言える。そこで、頂部Pの直上に豆61が到達した場合、豆61がローラ21の表面に沿って移動したときの重心の軌跡は、豆61のベルト20表面からの重心高さとローラ21の半径Rとの和をrとして、(式1)で表す円運動と考えることができる。なお、(式1)は、原点をローラ21の回転中心とし、上下方向をZ軸(上方が正)、前後方向をX軸(移動方向が正)としている。
実際には、ローラ21の上半分における移動軌跡だけを考えれば良いので、豆61の重心位置は(式2)で表すことができる。
一方、頂部Pから自由落下運動に移行する場合の豆61の重心の軌跡は、ベルト20の移動速度をv、重力加速度をgとして(式3)で表すことができる。
頂部Pからただちに自由落下運動するためには、Xが0以上r以下の範囲で、Z’がZ以上である。例えばr=11.5mmとし、重力加速度g=9800mm/s2 として、臨界速度Vは336mm/秒、すなわち20.1m/分となる。
これにより、豆61の自由落下曲線が一意に定まるので、ベルト20の幅方向の位置さえ特定することができれば、噴射装置40から噴射された圧縮空気により、不良と判定された豆61だけを確実に他の豆と選別することができる。
以上のように本実施の形態によれば、豆61がベルト20の終端のローラ21の頂部から自由落下する自由落下曲線は、ベルト20による搬送速度により一意に定まるので、不良と判定された豆61の近傍に存在する良品と判定された豆が誤って噴射装置40により吹き飛ばされることなく、不良と判定された豆61を正しく選別することが可能となる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内であれば多種の変更、改良等が可能である。例えば、豆の画像の輪郭線の連続性を厳格に評価するためには、接触している豆の画像を分割した線分近傍において連続性が失われていないようにしておく必要がある。
そこで、図4及び図7の処理により豆の画像を1つ1つに分割した場合、分割するために描画した線分の端部については、例えばスプライン関数等により豆61の画像の輪郭線に連続性を持たせるように補正することが好ましい。これにより、豆61の画像の輪郭線における微細な連続性の欠陥に対しても評価することが可能となり、良否判定の精度を高く維持することが可能となる。
また、噴射装置40の取り付け位置によって、不良と判定された豆61の単位時間当たりの最大選別量が変動する。図10は、本発明の実施の形態に係る豆類外観検査装置1における噴射装置40の位置を示す模式図である。
図10に示すように、多くの装置は、自由落下曲線91に沿って落下してくる豆61を迎え撃つように、ベルト20の終端のローラ21の頂部とは離れた位置、例えば自由落下曲線91の下方に噴射装置40bを配置している。この場合、重力加速度による鉛直方向の分速度も大きくなっているので、矢印92の方向で不良と判定された豆を確実にとらえるには、相応の噴射時間を要する。したがって、誤って、良品と判定された豆61に対して圧縮空気を噴射してしまうおそれがあり、それを回避するには豆61の搬送速度を下げる又は豆61の供給量を下げる必要があった。
そこで、噴射装置40aを、ベルト20の終端のローラ21の頂部に近接する位置であって、不良と判定された豆61と良品と判定された豆61とを選別可能な位置に配置する。これにより、重力加速度による鉛直方向の分速度が大きくなる前に、矢印93の方向で不良と判定された豆61を確実にとらえることができるので、噴射時間を短くすることができる。したがって、単位時間当たりの選別処理量を増やすことができるので、豆類外観検査装置1全体として処理量を増大させることが可能となる。
1 豆類外観検査装置
10 制御装置
11 CPU
12 メモリ
13 記憶装置
20 ベルト(搬送手段)
21 ローラ(搬送手段)
30 カメラ(撮像手段)
40、40a、40b 噴射装置(噴射手段)

Claims (9)

  1. 検査対象となる豆類の表面の画像を取得し、取得した画像に基づいて不良であると判定された豆類を選別する豆類外観検査装置において、
    ローラの回転により移動させることが可能なベルトで構成された搬送手段と、
    該搬送手段に搭載された複数の豆類を撮像する撮像手段と、
    撮像された画像に基づいて豆類ごとに良否判定する良否判定手段と、
    前記搬送手段の終端から落下する豆類に対して圧縮空気を噴射する噴射手段と
    を備え、
    前記噴射手段は、前記ベルトの終端の前記ローラの頂部から落下する豆類のうち、前記良否判定手段により不良と判定された豆類のみを、自由落下曲線上の所定の位置において圧縮空気の噴射により吹き飛ばして選別することを特徴とする豆類外観検査装置。
  2. 前記搬送手段は、前記ベルトの終端の前記ローラの頂部から水平方向に飛び出す速度で豆類を搬送することを特徴とする請求項1に記載の豆類外観検査装置。
  3. 撮像された画像から、輪郭線を抽出する手段と、
    抽出された輪郭線の連続性を解析して、豆類の接触部分の端点を抽出する手段と、
    抽出された接触部分の端点を結ぶ分割線を特定し、豆類の画像を分割する手段と
    を備え、
    前記良否判定手段は、分割された豆類の画像ごとに良否判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の豆類外観検査装置。
  4. 前記噴射手段は、圧縮空気を噴射するノズルを複数有し、
    前記良否判定手段で不良と判定された豆類の位置に対応する位置に配置されているノズルのみから圧縮空気を噴射することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の豆類外観検査装置。
  5. 前記噴射手段は、前記ベルトの終端の前記ローラの頂部に近接する位置であって、前記良否判定手段で不良と判定された豆類と良品と判定された豆類とを選別可能な位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の豆類外観検査装置。
  6. 検査対象となる豆類の表面の画像を取得し、取得した画像に基づいて不良であると判定された豆類を選別する豆類外観検査装置で実行することが可能な豆類外観検査方法において、
    前記豆類外観検査装置は、
    ローラの回転により移動させることが可能なベルトで構成された搬送手段を備え、
    該搬送手段に搭載された複数の豆類を撮像し、
    撮像された画像に基づいて豆類ごとに良否判定し、
    前記ベルトの終端の前記ローラの頂部から落下する豆類のうち、不良と判定された豆類のみを、自由落下曲線上の所定の位置において圧縮空気の噴射により吹き飛ばして選別することを特徴とする豆類外観検査方法。
  7. 前記搬送手段は、前記ベルトの終端の前記ローラの頂部から水平方向に飛び出す速度で豆類を搬送することを特徴とする請求項6に記載の豆類外観検査方法。
  8. 前記豆類外観検査装置は、
    撮像された画像から、輪郭線を抽出し、
    抽出された輪郭線の連続性を解析して、豆類の接触部分の端点を抽出し、
    抽出された接触部分の端点を結ぶ分割線を特定し、豆類の画像を分割し、
    分割された豆類の画像ごとに良否判定することを特徴とする請求項6又は7に記載の豆類外観検査方法。
  9. 前記豆類外観検査装置は、圧縮空気を噴射するノズルを複数有し、不良と判定された豆類の位置に対応する位置に配置されているノズルのみから圧縮空気を噴射することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載の豆類外観検査方法。
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