JP2016007572A - バグフィルタを用いた水銀除去方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】排ガスに含まれる水銀を吸着した水銀吸着粒子を排ガス流れの途中に配されるバグフィルタ5で捕集し、このバグフィルタ5に対し逆洗を行ってそのバグフィルタ5で捕集した水銀吸着粒子を払い落とすことにより、排ガス中の水銀を除去するようにしたバグフィルタ5を用いた水銀除去方法において、バグフィルタ5に対し所定の低サイクルタイムで低速逆洗を行っているときに、バグフィルタ5の排ガス流れ方向下流側の水銀濃度が所定値を超えると、バグフィルタ5に対しその低サイクルタイムよりも短い高サイクルタイムで高速逆洗を行う。
【選択図】図1
Description
(1)排ガスに含まれる水銀を吸着した飛灰粒子を煤塵(ダスト)としてバグフィルタで捕集する。
(2)上記(1)に加えて、水銀を吸着する効果がある粒子状の水銀吸着剤(例えば、活性炭等)をバグフィルタの排ガス流れ方向上流側に定量的に吹き込み、水銀を吸着した水銀吸着剤をバグフィルタで捕集する。
(3)そして、バグフィルタに対し逆洗を行ってそのバグフィルタで捕集したダストや水銀吸着剤を払い落すことにより、排ガス中の水銀を除去する。
このような状態でバグフィルタの排ガス流れ方向上流側に活性炭を吹き込んだ場合、排ガス中の水銀の吸着は可能であるが、上記の水銀の放出に対しては効果を発揮しない。なぜならば、吹き込まれた活性炭は、ろ布の堆積層の上に堆積するため、排ガス流れ方向で下流側となる当該堆積層から放出される水銀を吸着することができないからである。
したがって、特許文献1に記載の技術では、バグフィルタで捕集した水銀吸着粒子からの水銀の放出に起因する水銀濃度の上昇を思うように抑えることができないという問題点がある。
排ガスに含まれる水銀を吸着した水銀吸着粒子を排ガス流れの途中に配されるバグフィルタで捕集し、このバグフィルタに対し逆洗を行ってそのバグフィルタで捕集した水銀吸着粒子を払い落とすことにより、排ガス中の水銀を除去するようにしたバグフィルタを用いた水銀除去方法において、
前記バグフィルタに対し所定の低サイクルタイムで低速逆洗を行っているときに、前記バグフィルタの排ガス流れ方向下流側の水銀濃度が所定値を超えると、前記バグフィルタに対しその低サイクルタイムよりも短い高サイクルタイムで高速逆洗を行うようにしたことを特徴とするものである(第1発明)。
また、バグフィルタに対し所定の低サイクルタイムで低速逆洗を行っているときに、バグフィルタの排ガス流れ方向下流側の水銀濃度が所定値を超えると、バグフィルタに対しその低サイクルタイムよりも短い高サイクルタイムで高速逆洗が行われるので、水銀を吸着した状態を維持することができずに吸着していた水銀を放出してしまう水銀吸着粒子を速やかに払い落とすことができるとともに、たとえ水銀吸着粒子を含むダスト等が再堆積したとしても、高サイクルタイムで高速逆洗が行われる結果、その多くが速やかに系外に排出されることになり、バグフィルタで捕集した水銀吸着粒子からの水銀の放出に起因する水銀濃度の上昇を抑えることができる。
なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「上流」とは、排ガスの流れ方向における上流のことであり、「下流」とは、排ガスの流れ方向における下流のことである。
図1に示される排ガス処理システム1においては、図示されない焼却炉から煙突へ向かう煙道2に沿って上流側から順に活性炭緊急投入装置3、活性炭吹き込み装置4およびバグフィルタ5がそれぞれ配設されている。
活性炭緊急投入装置3は、水銀を吸着する効果がある粒子状の活性炭(水銀吸着剤)を、バグフィルタ5の上流側に大量に一気に投入するもので、活性炭を貯留する活性炭タンク6を備えている。活性炭タンク6と煙道2とは、バルブ7によって管路が開閉される活性炭投入管8によって接続されている。そして、制御装置10からの開指令信号を受けてバルブ7により活性炭投入管8の管路が開かれると、活性炭タンク6から煙道2へ活性炭が投入・供給される一方、制御装置10からの閉指令信号を受けてバルブ7により活性炭投入管8の管路が閉じられると、活性炭タンク6から煙道2への活性炭の供給が止まるようになっている。
なお、本実施形態では、活性炭を水銀吸着剤として用いる例を示したが、水銀吸着剤のその他の例としては、例えば活性炭担体にヨウ化カリウムを担持させたものなど、水銀を吸着し得る機能を持った粒子状物であれば特に限定されるものではない。
活性炭吹き込み装置4は、煙道2に繋がる活性炭吹き込み管11に輸送空気を流すとともに、該活性炭吹き込み管11に活性炭を供給して、活性炭をバグフィルタ5の上流側に定量的に吹き込む役目をする。
バグフィルタ5は、多数の筒状のろ布12がケーシングの内部に所定の配置で組み込まれて構成されており、排ガスがろ布12の例えば外周側から内周側へと順方向に通過するに伴い、排ガス中のダストや、煙道2に吹き込まれた活性炭、その他の消石灰等の排ガス処理剤(以下、これらを纏めて「ダスト等」と称する。)がろ布12の外表面側に付着堆積して堆積層が形成され、この堆積層で排ガス中のダスト等を濾過するようにされている。
ここで、多数のろ布12は、例えば5つのろ布群13a〜13eにグループ分けされている。
バグフィルタ5には、払落し装置15が付設されている。払落し装置15は、エアコンプレッサ16と、このエアコンプレッサ16からの圧縮空気が流通される主供給管17と、この主供給管17から分岐して各ろ布群13a〜13eへと繋がる分岐供給管18a〜18eと、分岐供給管18a〜18eの管路を開閉するバルブ19a〜19eとを備え、制御装置10からの開指令信号を受けてバルブ19a〜19eにより分岐供給管18a〜18eが開かれると、エアコンプレッサ16からの圧縮空気が主供給管17および分岐供給管18a〜18eを介してろ布12の内表面側へと噴射され、圧縮空気をろ布12の内周側から外周側へと通過させることでろ布12の外表面側に付着堆積したダスト等を吹き飛ばすことができるようになっている。
バグフィルタ5の上流側(入口側)における煙道2内の圧力と、バグフィルタ5の下流側(出口側)における煙道2内の圧力との差圧(ΔP)は、差圧計21によって計測され、この差圧計21の計測信号が制御装置10へと送られる。
バグフィルタ5を通過した排ガスに含まれる水銀の濃度は、連続水銀分析計23によって計測され、その計測信号は制御装置10へと送られる。
以上に述べたような排ガス処理システム1において、通常は、バグフィルタ5に対し例えば60分の低サイクルタイムで低速逆洗を行う。すなわち、5つのろ布群13a〜13eに対応する5つのバルブ19a〜19eに対して制御装置10から開指令信号を12分おきに所定の順番で送信する。これにより、5つのろ布群13a〜13eに対して12分おきに所定の順番で圧縮空気が供給され、12分おきに逆洗が行われる。
このようなタイミングで煙道2内に大量に投入された活性炭は、高速逆洗によってダスト等の払落しがされた後のろ布12の外表面に近い側に付着・堆積することになる。
2 煙道
3 活性炭緊急投入装置
4 活性炭吹き込み装置
5 バグフィルタ
6 活性炭タンク
10 制御装置
12 ろ布
15 払落し装置
23 連続水銀分析計
Claims (2)
- 排ガスに含まれる水銀を吸着した水銀吸着粒子を排ガス流れの途中に配されるバグフィルタで捕集し、このバグフィルタに対し逆洗を行ってそのバグフィルタで捕集した水銀吸着粒子を払い落とすことにより、排ガス中の水銀を除去するようにしたバグフィルタを用いた水銀除去方法において、
前記バグフィルタに対し所定の低サイクルタイムで低速逆洗を行っているときに、前記バグフィルタの排ガス流れ方向下流側の水銀濃度が所定値を超えると、前記バグフィルタに対しその低サイクルタイムよりも短い高サイクルタイムで高速逆洗を行うようにしたことを特徴とするバグフィルタを用いた水銀除去方法。 - 前記高速逆洗のタイミングに合わせて前記バグフィルタの排ガス流れ方向上流側に水銀吸着剤を投入することを特徴とする請求項1に記載のバグフィルタを用いた水銀除去方法。
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