JP2016007246A - 管クリップ、それを用いた収納具及び長尺医療器具 - Google Patents

管クリップ、それを用いた収納具及び長尺医療器具 Download PDF

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Abstract

【課題】長尺状医療器具を収納する場合であっても、曲率が大きくなることを抑制した長尺状保護管の固定が可能な管クリップ、当該管クリップにより固定された長尺状保護管を含む収納具、及び、当該収納具に収納されている長尺状医療器具を含む長尺医療器具を提供すること。【解決手段】長尺状医療器具を内腔に収納する長尺状保護管を巻き回した状態で固定する管クリップにあって、上記長尺状保護管を保持する複数の保持部と、該保持部を複数箇所に位置変え可能に受け入れて配置させる受容部を有する配置部と、該配置部に上記保持部を固定する固定部と、を含む管クリップ。【選択図】図1

Description

本発明は、管クリップ、それを用いた収納具及び長尺医療器具に関するものである。
従来、医療用のカテーテルやガイドワイヤなどには、長さが60cm程度の比較的長さの短い短尺のものから、1.5m程度の長尺な医療器具が存在し、用途等に応じて適宜選択され、使用されてきた。医療用カテーテルのうち、バルーンカテーテルは、生体内の管腔等に挿入する中空状の医療器具であり、例えば選択的血管造影剤等の液体の注入、血栓の吸引、閉塞状態にある血管の通路確保、血管拡張手術等に用いられるもので、可撓性のある樹脂チューブ等から構成されている。また、ガイドワイヤは、例えば医療用カテーテルを生体内の管腔等の所望の位置に誘導するために、医療用カテーテルに先行して、又は、医療用カテーテルとともに生体内の管腔等に挿入されるもので、可撓性のある金属線等から構成されている。
このようなバルーンカテーテル等の医療用カテーテルやガイドワイヤの一般的な梱包形態としては、その長さによるが、中空状の管(以下、保護管と称する。)を渦巻状やコイル状に巻回し、複数の管クリップを用いてその形状が保持された収納具に収納されていることが多い(例えば、特許文献1、2参照。)。このような収納具を用いることで、長尺状医療用具を小さく梱包することができ、保管場所をとらず、製品の入出庫作業が容易になるためである。
このような収納具で用いられる管クリップは、例えば(i)特許文献1の図1に示されるように、複数の相互に接続したC字形部分を有するもの、(ii)特許文献2の図1、5に示されるように、長尺状保護管を受け入れる所定長さの溝部が複数隣接して並べられた構造を有するもの、(iii)図9に示すように、断面C字形状の所定長さの溝部91が複数隣接して平行する構造を有するもの(管クリップ90)等が、知られている。
近年では、医療用カテーテルを用いた治療方法の適用箇所の拡大に伴い、従来に比べて幅広い範囲の長さの医療用のカテーテルやガイドワイヤの生産がおこなわれるようになっている。例えば、医療用カテーテルやガイドワイヤでは、1.6mを超える長尺の医療器具が生産されるようになっている。そして、このような長尺状医療器具でも、小さく梱包するため、上述のような収納具が用いられる。特に、従来のものより長尺の医療用カテーテルをこのような収納具に入れる場合、梱包形態を従来と同程度の大きさにしようとすると、渦巻き状の場合は巻き数を増やす必要がある。このような場合、渦巻きの内側ほど長尺状保護管の曲率が大きくなり、保護管内に収納される医療用カテーテル等の長尺状医療器具の曲率も大きくなる。そこで、医療用カテーテルの機能部分が一方の端部近傍に設けられている場合は、機能部分が保護管の渦巻きの外側になるように配置することも考えられる。例えばバルーンカテーテルのように先端部近傍にバルーンのような機能部分が配置された場合、曲率を大きくする観点から、機能部分を保護管の渦巻きの外側部分に配置することも考えられる。しかし、保護管から医療用カテーテルを抜去する際には通常機能部分のないもう一端側を引っ張って抜去するため、機能部分を保護管の渦巻きの外側部分に配置すると、渦巻きの内側部分から医療用カテーテルを抜去することになる。そうすると、曲率の大きい側から医療用カテーテルを抜去する必要が生じるため、今度は、医療用カテーテルの抜去時の抵抗が大きく、抜去が困難になるという問題が生じる。
ところで、医療用カテーテルやガイドワイヤは、上述のような収納具に収納された後、滅菌処理を行って医療機関に提供される。この滅菌処理は加熱を伴うことが多い。また、長尺の医療用カテーテルは、上述のような渦巻き状やコイル状に巻回された収納具の中に入れられている。そのため、滅菌処理時の加熱により、収納具を構成する長尺状保護管内に収納された医療用カテーテルは、特に、曲率の大きい長尺状保護管内に収納されている部分ほど、大きな曲げ癖がついてしまうことが多い。その結果、手術時の使用に支障が生じる場合があるという問題があった。特に、医療用カテーテルがバルーンカテーテルの場合に、バルーンが配置されている部分やその近傍部分に大きな曲げ癖がつくと、治療に大きな支障をきたすことがあった。
特開2001−353226号公報 特開2004−290395号公報
前述の問題点に鑑みて、本発明の目的とするところは、長尺状医療器具を収納する場合であっても、曲率が大きくなることを抑制した長尺状保護管の固定が可能な管クリップ、当該管クリップにより固定された長尺状保護管を含む収納具、及び、当該収納具に収納されている長尺状医療器具を含む長尺医療器具を提供することにある。
本発明者が鋭意検討したところ、所定の保持部、配置部及び固定部を含む管クリップにより、前述の課題を解決可能なことを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)長尺状医療器具を内腔に収納する長尺状保護管を巻き回した状態で固定する管クリップにあって、
上記長尺状保護管を保持する複数の保持部と、該保持部を複数箇所に位置変え可能に受け入れて配置させる受容部を有する配置部と、該配置部に上記保持部を固定する固定部と、を含む管クリップ。
(2)上記受容部は、分散状及び/又は線状に上記配置部に設置されている上記(1)に記載の管クリップ。
(3)上記配置部に線状に設置されている上記受容部は、上記保持部が係合しつつ移動可能なレール構造を有する上記(1)または(2)に記載の管クリップ。
(4)上記保持部は、上記長尺状保護管を把持する把持片と、上記受容部に受け入れられてその把持片を支える支軸と、を含み、
上記把持片の向きが、上記支軸を回転中心軸とする回転によって変化可能である上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の管クリップ。
(5)上記保持部は、上記長尺状保護管を把持する把持片と、上記受容部に受け入れられてその把持片を支える支軸と、を含み、上記支軸には、その軸方向に対して交差方向に延びる突起片が形成されるとともに、上記突起片又は上記支軸に支点が形成され、
上記固定部は、上記支点を中心にてこの原理で変位する上記突起片と上記受容部との係合により形成される上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の管クリップ。
(6)上記保持部は、上記長尺状保護管を把持する把持片と、両端部を有し、上記受容部に受け入れられてその一方の端部で把持片を支える支軸と、を含み、該支軸の他方の端部には、上記受容部に係合して上記支軸の軸方向に沿った把持片側への保持部の移動を規制する係止部が形成され、
上記固定部は、上記係合部が上記受容部に当接して係止されることで形成される上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の管クリップ。
(7)上記係止部が、ネジ止め式により上記支軸の他方の端部に固定される突起部である上記(6)記載の管クリップ。
(8)上記係止部が、上記支軸を中心として放射方向に変位可能に支軸の外側に突出した突起部である上記(6)記載の管クリップ。
(9)上記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の管クリップと、該管クリップにて巻き回した状態で固定されている長尺状保護管と、を含む収納具。
(10)上記(9)に記載の収納具に収納されている長尺状医療器具を含む長尺医療器具。
本発明に係る管クリップによれば、曲率が大きくなることを抑制した長尺状保護管の固定が可能である。そのため、本発明に係る管クリップにより巻き回した状態で固定された長尺状保護管を含む収納具を用いれば、滅菌時の加熱による長尺状医療器具の曲げ癖を低減することが可能となる。また、本発明に係る収納具に収納された長尺状医療器具は、滅菌時の加熱による曲げ癖が低減されているため、手術時に支障なく使用することができる。
(a)本発明に係る管クリップの第一実施形態の構造を説明する斜視図である。(b)図1(a)のI−I方向における組立後の断面図である。 図1に示す管クリップを用いて長尺状保護管を固定した本発明に係る収納具の第一実施形態を模式的に示した平面図である。 (a)本発明に係る管クリップの第二実施形態の構造を説明する斜視図である。(b)図3(a)のII−II方向における組立後の断面図である。 図3に示す管クリップを用いて長尺状保護管を固定した本発明に係る収納具の第二実施形態を模式的に示した平面図である。 (a)本発明に係る管クリップの第三実施形態の構造を説明する斜視図である。(b)図5(a)のIII−III方向における組立後の断面図である。 図5に示す管クリップを用いて長尺状保護管を固定した本発明に係る収納具の第三実施形態を模式的に示した平面図である。 (a)本発明に係る管クリップの第四実施形態の構造を説明する切り欠き斜視図である。(b)図7(a)のIV−IV方向の断面図である。(c)第四実施形態における保持部の他の例のIV−IV方向に対応する断面図である。(d)第四実施形態における保持部のさらに他の例のIV−IV方向に対応する断面図である。 図7に示す管クリップを用いて長尺状保護管を固定した本発明に係る収納具の第四実施形態を模式的に示した平面図である。 従来の管クリップの例を模式的に示した斜視図である。
以下、本発明に係る管クリップ及びこの管クリップを用いた収納具の実施形態を図面を参照しつつ説明する。なお、便宜上、図面において符号を省略する場合もあるが、かかる場合、他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、便宜上、見やすいように調整されていることもある。
<管クリップ及び収納具>
本発明に係る管クリップは、長尺状医療器具を内腔に収納する長尺状保護管を巻き回した状態で固定するものであり、長尺状保護管を保持する複数の保持部と、この保持部を複数箇所に位置変え可能に受け入れて配置させる受容部を有する配置部と、この配置部に保持部を固定する固定部と、を含むものである。
このように、本発明の管クリップでは、配置部が保持部を複数箇所に位置変え可能に受け入れて配置させる受容部を有するため、長尺状保護管を保持する保持部の配置部に対する位置を調整することができる。これにより、長尺状保護管を巻き回す時の曲率を容易に調整することができる。特に、長尺状保護管の曲率が一方の端から順次大きく又は小さくなる渦巻き状に巻き回さない長尺状保護管の配置が容易になり(例えば図2、4、6、8参照)、長尺状保護管の配置の調整を含めて、その曲率を容易に調整することができる。このため、長尺状保護管の内腔に収納される長尺状保護管において曲率が大きくなることで使用時の影響が大きくなる部分の曲率を小さくすることが容易になる。これにより、滅菌時の加熱による長尺状医療器具の曲げ癖が低減され、その手術時の使用に支障が生じることがない。また、長尺状医療器具の保護管から抜去する際の抵抗を低減することができる。長尺状医療器具が後述する熱可塑性樹脂製のチューブにより構成される医療用カテーテルの場合に特に好適である。
(第一実施形態)
図1、2に基づき、本発明に係る管クリップ及び収納具の第一実施形態について説明する。
図1(a)は、本発明の管クリップの第一実施形態の構造を説明する斜視図であり、本図は、後述するように複数の例を同時に示している。図1(b)は、図1(a)のI−I方向における組立後の管クリップを模式的に示した断面図である。
図1に示すように、第一実施形態の第1例である管クリップ1は、受容部21を有する配置部20、受容部21に係止する係止部30を有する保持部10を含む。また、同第2例である管クリップ1Aは、配置部20、係止部18を有する保持部10Aを含む。第1例と第2例とは、係止部の構造が異なる。そこで、先ず第1例について説明し、次に、第2例のうち第1例と異なる部分について説明する。
第一実施形態の第1例である管クリップ1は、複数の保持部10を含む。保持部10の数は、長尺状保護管(以下、特に断らない限り単に「保護管」と称する。)5を巻き回した状態を維持可能であれば特に限定はなく、保護管5の長さ、巻き数等に応じて適宜選択可能であり、2個以上であればよい。また、保持部10の数の上限は配置部20の大きさ等に応じて適宜決定すればよい。
本発明を構成する保持部の構造は、保護管を保持することができ、配置部の受容部に受け入れられる構造を有すれば、特に限定はない。図1に示す第一例では、保持部10は、把持片11と、支軸12とを含む。把持片11は長尺状保護管5を把持することが可能な構造を有し、支軸12は把持片11を支え、かつ、配置部20の受容部21に受け入れられる構造を有する。
把持片11は、保護管5の外周側の一部を覆い、それを着脱可能に把持するように構成されている。図1に示す例では、把持片11は、保護管5(図1(b)では仮想線で示している。)の長軸方向に沿うように、その全長に亘る切り欠きを設けた断面C字状の周壁部19を有する。この周壁部19の切り欠き側から保護管5を嵌め込んで、これを着脱可能に把持することができる。周壁部19の保護管5と対面する内周側は、保護管5の長軸方向に直交する方向の断面の外周側の構造に対応する構造を有する。本例では、保護管5の断面が円形状であるのに対応させて、長軸方向に同一の断面円弧形状である。もっとも、保護管5の長軸方向に直交する方向の断面の外周側の構造に対応する構造は、完全に対応する必要はなく、断面楕円弧形状でも良いし、断面折れ線形状であってもよい。また、周壁部19の外周側の構造は、図1に示す例では断面が円弧ではない弧状の形状であるが、これに限らず、断面折れ線形状、断面折れ線と断面弧状の組み合わせでもよいし、その他の断面形状でもよい。また、長軸方向の断面形状は同一でも良いし、異なってもよい。
図1(b)の断面図に示すように、切り欠き部分の開口の方向は、一方の端部19aともう一方の端部19bを結ぶ線の水平方向に対する角度αが90度以下であるのが好ましい。これにより、保護管5を巻き回した状態で安定して固定できる傾向にある。また、周壁部19の内周側の断面構造を円弧にした場合は、切り欠き部分の開口角度β(図1(b)参照)は180度以下が好ましく、175度以下がより好ましい。これにより、保護管5の把持力が向上する。また、保護管5の着脱性の観点から、開口角度βは170度以上が好ましい。開口角度βは、保護管5を把持した時の長軸方向に直交する断面における軸中心を中心点19cとして確定するものとする。また、断面構造が円弧でない場合は、保護管5の嵌め込み易さと把持力の観点から、開口部分の開口幅が保護管5の外径又は幅に対して0.9〜1倍であるとよい。
尚、図1に示す切り欠き部分は、長軸方向に沿って同一幅で直線状に形成されているが、幅を変化させてもよいし、折れ線状、波線状等にしてもよい。
支軸12は、把持片11を支えつつ、配置部20の受容部21に受け入れられる構造を有する。図1に示す例では、支軸12は、一方の端部で把持片11に連結されて、これを支持し、配置部20の受容部21に受け入れられる棒状の構造を有する。支軸12と把持片11の連結は特に限定はなく、両者を一体的に形成してもよいし、両者を別々に形成した後、各部材の構成材料に応じて、接着、溶着、物理的方法による連結等を選択することができる。また、把持片11は、支軸12の軸方向を中心として回動可能に連結されてもよい。この場合は、第三実施形態と同様の機能を有し得る。図1に示す例では、把持片11と支軸12とは一体化され、相対移動はしないものとする。
支軸12は、把持片11を支持する一方の端部から順に、外軸部13、内軸部14、連結軸部16を有する。連結軸部16は、支軸12の他方の端部に位置し、係止部30が固定される。図1に示す第一例では、係止部30は、連結軸部16と、支軸12の長軸方向に対して放射方向に拡径する突起部(30)である。図1に示す例では、連結軸部16の外周部に雄ネジとなるネジ溝が形成され、係止部30には雌ネジとなるネジ溝が設けられた貫通穴31が形成され、連結軸部16を貫通穴31に嵌め合わせて固定される。他の例としては、連結軸部16に雌ネジを設け、係止部30に雄ネジを設けてネジ止め式により係止部30が支軸12に固定されるもの等が挙げられる。このようにネジ止め式により固定できることで、配置部20への保持部10の着脱が容易になり、保持部10の配置部20に対する位置調整が容易になる。
外軸部13と内軸部14との切り替わり部分には段部15が形成される。外軸部13は、軸方向に直交する方向の断面の太さが内軸部14より大きく、その切り替わり部分が段部15になっている。段部15は配置部20の把持片配置部28の外面に係合し、配置部20の底部29側への支軸12の移動を規制する。図示しないが、外軸部13と内軸部14の太さを同一にして、その境界部分の外周に把持片配置部28の外面に係合する突起を設けてもよい。尚、段部15を設けない場合でも、図1に示す構造の場合は、把持片11が内軸受け部22の断面方向の最大幅より大きいため、保持部10が配置部20から脱落することはないが、把持片11の軸方向底部29側への移動を規制することで、保護管5を巻き回した状態で安定して固定することができる。尚、段部15を設ける替わりに、配置部20の底部29側に支持蓋(図示せず)等を設けてもよい。
支軸12は、配置部20の受容部21の形状に対応した形状を有する。図1に示す例では、支軸12の内軸部14が受容部21の内軸受け部22に対応する形状を有し、係止部30が係止受け部23に対応する形状を有する。
外軸部13は、受容部21に収容されないため、その形状は適宜決定すればよい。例えば、配置部20に保持部10を複数設ける場合に、軸方向長さを同一にして把持片の高さを一定にしてもよいし、軸方向長さを変化させて把持片の高さを変化させてもよい。
図1に示すように本例の受容部21は、配置部20に分散状に設置されている。分散状の態様は、本例では一直線上に一列に並べた配置であるが、その他の態様でもよい。受容部21の設置数は複数であればよく、配置部や保持部の大きさ等に応じて適宜決定することができる。また、図2に示すように、保護管5を固定する場合、複数の受容部21のすべてに保持部10が配置されるわけではなく、必要に応じて保持部10の数を調整することができる。
各受容部21は、配置部20の把持片配置部28の外面から底部29に亘る貫通穴により形成され、把持片配置部28の外面から順に内軸受け部22、係止受け部23を有する。
図1に示すように、本例では、支軸12の内軸部14と受容部21の内軸受け部22が対応する形状を有し、内軸部14は断面形状が方形の角柱状又は角筒状の構造であり、内軸受け部22はそれに対応する角柱状の空間構造を有する。内軸部14と内軸受け部22の軸方向長さはほぼ同じである。本例では、内軸部14が内軸受け部22に対して支軸12の軸方向を回転中心として回転しないように各断面の構造を方形としている。図1に示す例では断面形状は四角形であるが、三角形でもよいし、五角形以上であってもよいし、星形等であってもよい。
また、支軸12の係止部30と受容部21の係止受け部23が対応する形状を有し、支軸12の係止部30の断面形状が円形で、係止受け部22はそれに対応する円形の断面空間を有する。もっとも、係止受け部23の空間構造は係止部30を受け入れ可能であればよく、これに限られない。係止部30が係止受け部23に完全に収まることで、配置部20の底部29からの飛び出しがなく、配置部20を安定して置くことでき、保護管5を巻き回した状態で安定して固定することができる。
係止部30は、係止受け部23の係止面26と係合し、支軸12の軸方向に沿った把持片11側への移動を規制する。このように、係止部30が受容部21の係止面26に当接して係止されることで、配置部20に保持部10を固定する固定部が形成される。
次に、第一実施形態の第2例の管クリップ1Aについて説明する。
第2例の管クリップ1Aは、上述のように、第1例の管クリップ1とは、保持部の係止部の構造が異なる。以下では、特に、第2例の保持部10Aの支軸12Aの構造について説明する。両者に共通する構成は、同じ符号を付し、説明は省略する。
図1に示す例では、支軸12Aは、一方の端部で把持片11に連結されて、これを支持し、配置部20の受容部21に受け入れられる棒状の構造を有する。支軸12Aは、把持片11を支持する一方の端部から順に、外軸部13、内軸部14A、係止片17を有する。係止片17は、内軸部14Aから軸方向に延びて、支軸12Aを中心として放射方向に変位可能に設けられ、可動翼として機能する。係止片17は1つ設けても良いし、2つ以上設けてもよい。係止片17の末端部には、支軸12Aの外側に突出した突起部(18)が設けられ、これが係止部18として機能する。内軸部14Aは、配置部20の受容部21の内軸受け部22に対応する方形の断面形状を有し、係止片17は、方形の一辺に概ね対応するように、軸方向に延びる平板状の構造を有する。
第2例の保持部10Aの支軸12Aも、第1例の場合と同様に、収容部21に収められる。図1(a)に示すように、支軸12Aの係止片17を把持片設置部28の外面側から開口部27を介して内軸受け部22に挿入する時には、係止片17が支軸12Aの中心軸側向かって可逆的に曲がることで、係止片17の末端部に突設された係止部18に内軸受け部22を通過させることができる。また、内軸受け部22の底部29側の方形の開口部24から、内軸受け部22より断面方向幅の大きい係止受け部23に係止部18を突出させると、係止片17がもとの状態に戻ることで、係止面26と係止部18とを係合させことができる。このように、係止部18が受容部21の係止面26に当接して係止されることで、配置部20に保持部10Aを固定する固定部が形成される。
管クリップを構成する各部材の材質は、特に限定はなく、各種の樹脂材料や金属材料を用いることができ、各部材の特性に応じて適宜選択すればよい。
第一実施形態の管クリップは、例えば、上述した配置部20と第1例の保持部10及び/又は第2例の保持部10Aを用いて構成することができる。固定部は保持部の構造に応じて形成される。
第一実施形態の管クリップ1、1Aを用いた収納具の第一実施形態の例を図2に基づき説明する。
図2に示す収納具6は、管クリップ1、1Aと、長尺状保護管5とを含む。保護管5は、巻き回した状態で管クリップ1、1Aにより固定される。管クリップ1、1Aの数は、長尺状保護管5の長さ、巻回数により適宜決定することができる。配置部20に対する把持片11の周壁部19の切り欠き部分の向きは、保護管5を巻き回して一つの管クリップ1、1Aの複数の把持片11で保護管5を効率的に把持する観点から、複数の受容部21の並ぶ方向に対して交差方向が好ましい。図1、2に示す例では周壁部19の切り欠き部分の向きは、一列に並んだ受容部21の並び方向に直交している。また、同様の観点から、各把持片11は、切り欠き部が同じ方向を向くように配置されるのが好ましい(図2参照)。そして、巻き回した保護管5を管クリップ1、1Aで固定する場合、周壁部19の切り欠き部分が、巻き回された保護管5の中心側を向くように、管クリップ1、1Aを配置するのが好ましい。これにより、巻き回された保護管5が直線状になろうとするために生じる応力を周壁部19で受け止めることができるため、保護管5を巻き回した状態で安定して固定することが容易になる。
各管クリップ1、1Aに設けられる保持部10、10Aの数は、保護管5の長さ、巻き回し回数に応じて適宜決定することができ、配置部20に設けられた複数の受容部21のうちから、保護管5の巻き回した形状に好適な保持部10、10Aの設置位置を選択することができる。そのため、保護管5の曲率の調整が容易になる。
保護管5を図2に示すように巻き回した時に交差が生じる場合、保護管5の断面中心19cの水平方向の位置(高さ)を1つの管クリップに含まれる把持片11ごとに変化させてもよい(図示せず)。これにより、交差による保護管5の把持片11への応力低減効果が期待できる。
長尺状保護管5の巻き回し方は特に限定はなく、例えば、一方端から他方端に向かい順次曲率が小さくなるように渦巻き状に巻き回したもの(保護管5の交差が生じないもの)、一方端から他方端に向かって曲率が小さくなる部分と大きくなる部分とを含むもの(保護管5の交差が生じ得るもの)が挙げられる。また、後者の場合、曲率が小から大、大から小に代わる部分は、1ヶ所でもよいし、2ヶ所以上であってもよい。図2に示す例では、図の外側から曲率が、順次大きくなって内側に至り、そこから順次小さくなる場合(保護管5の交差が生じている場合)の例である。
保護管5は、長尺状医療器具を収納可能な内腔を有するものであればよく、一方の端部と他方の端部を有し、少なくとも一方端が開口する筒状構造を有する。筒状構造としては、例えば、円筒、楕円筒、角筒等が挙げられる。長尺状保護管5の長さ、径(幅)は、収納する長尺状医療器具の長さ、径(幅)に応じて適宜選択すればよいが、保護管5の長さが1.6m以上となる場合に、本発明の管クリップは特に有効である。
保護管5の両端には、目的に応じたコネクター等が設けられてもよい。
保護管5を構成する材質は、特に限定はなく、各種の樹脂材料を用いることができる。
(第二実施形態)
図3、4に基づき、本発明に係る管クリップ及び収納具の第二実施形態について説明する。
図3(a)は、本発明の管クリップの第二実施形態の構造を説明する斜視図である。図3(b)は、図3(a)のII−II方向における組立後の管クリップを模式的に示した断面図である。第二実施形態に係る管クリップ2は、複数の保持部10、受容部41を有する配置部40、配置部40に係止する係止部30を含む。即ち、第二実施形態は、第一実施形態の第1例の管クリップ1において、配置部20の構造を変更した変形例である。そこで、以下では、第二実施形態に係る管クリップ2のうち、配置部40について説明し、他の構成は同じ符号を付して説明を省略する。
本実施形態の配置部40は、図3に示すように、線状に設置された受容部41を有する。線状の受容部41は、把持片配置部48の外面側から底部49に亘る貫通穴により形成され、把持片配置部48の外面側から順に内軸受け部42、係止受け部43を有する。内軸受け部42は、保持部10の支軸12のうち内軸部14を受け入れ可能な空間構造を有し、係止受け部43は、係止部30を受け入れ可能な空間構造を有する。線状に設置された受容部41の内軸受け部42に沿って内軸部14を移動させることで、保持部10を受容部41の任意の位置に配置させることができる。第一実施形態のように、分散状に受容部が配置されている場合に比べて、保持部の配置部における位置をより細かく調整することが可能になる。
受容部41の線状の構造としては特に限定はなく、直線状、折れ線状、曲線状等を例示できる。位置調整の容易さの観点からは、直線状が好ましい。また、線状受容部41は、保持部10が係合しつつ移動可能なレール構造を有するのが好ましい。図3に示す例では、保持部10の支軸12の内軸部14が、配置部40の内軸受け部42と係合しつつ移動可能なレール構造を有する。内軸受け部42は、内軸部14が摺動可能な程度の幅を有し、内軸部14の軸方向長さと同程度の長さ(深さ)を有しており、保持部10を受容部41に沿って安定して移動させることができ、位置調整を容易に行うことができる。
係止部30は、受容部41の係止受け部43の係止面46と係合し、支軸12の軸方向に沿った把持片11側への移動を規制する。このように、係止部30が受容部41の係止面46に当接して係止されることで、配置部40に保持部10を固定する固定部が形成される。また、段部15は配置部40の把持片配置部48の外面に係合し、配置部40の底部49側への支軸12の移動を規制する。本実施形態では、受容部41の線状方向に沿った移動を規制し、保持部10を所望の位置に固定するのが好ましい。このため、段部15と係止部30の間で内軸受け部42を形成する壁部を挟みその挟持力で固定する観点から、係止部30はネジ止め式により支軸12の端部に固定されるのが好ましい。
第二実施形態の管クリップも、第一実施形態の場合と同様に、上述した配置部40と保持部10を用いて構成することができる。
第二実施形態の管クリップ2を用いた収納具の第二実施形態は図4に示すとおりであり、管クリップ2を用いた以外は、第一実施形態の場合と同様の構造を有する。簡単に説明すると、第二実施形態の収納具7は、管クリップ2と、長尺状保護管5とを含み、保護管5が、交差する部分を生ずるように巻き回された状態で管クリップ2により固定されている。管クリップ2の把持片11の周壁部19の切り欠き部分が、受容部41の線方向に直交する方向で、同じ方向を向くように、保持部10が配置部40に配置されるとともに、巻き回された保護管5の中心側を向くように、管クリップ2が配置される。
上述したように、管クリップ2では、受容部41が線状に配置されているため、保持部10の配置部40に対する位置を線状の受容部41に沿って移動させることにより第一実施形態の場合よりも細かく調整可能である。そのため、保護管5の曲率をより細かく調整可能であり、保護管5の内腔に収納される長尺状医療用具の曲率もより細かく調整可能である。
(第三実施形態)
図5、6に基づき、本発明に係る管クリップ及び収納具の第三実施形態について説明する。
図5(a)は、本発明の管クリップの第三実施形態の構造を説明する斜視図であり、本図は、後述するように複数の例を同時に示している。図5(b)は、図5(a)のIII−III方向における組立後の管クリップを模式的に示した断面図である。図5に示すように、第三実施形態に係る管クリップ3、3Aは、第一実施形態における管クリップ1、1Aにおいて、断面方形の外軸部13及び内軸部14、14A並びに断面方形の空間構造を有する内軸受け部22をそれぞれ断面円形に変更し、管クリップ1Aの平板状の係止片17を湾曲板状の係止片に変更した変形例である。そこで、以下では、第三実施形態に係る管クリップ3、3Aのうち、変更した部分について説明し、他の構成は同じ符号を付して説明を省略する。
第三実施形態の第1例に係る管クリップ3は、複数の保持部50と、配置部60とを含む。
保持部50は、把持片11と、支軸52とを含む。支軸52は、把持片11を支持する一方の端部から順に、外軸部53、内軸部54、連結軸部16を有する。第三実施形態では、外軸部53と内軸部54が断面円形、即ち、円柱状又は円筒状に形成されている。外軸部53は断面円形であるが、断面方形でも良いし、それら以外の断面形状であってもよい。外軸部53と内軸部54との切り替わり部分には段部55が形成され、第一実施形態の段部15と同様の機能を有する。第一実施形態の場合と同様に、外軸部53と内軸部54の断面の外径が同一である場合は、段部55に替えて突起を形成してもよい。
後述するように支軸52の回転により把持片11を回転させる観点からは、把持片11と支軸52とは一体化されているのが好ましい。
配置部60は、分散状に設置された複数の受容部61を有する。分散状の態様は、第一実施形態と同様である。各受容部61は、配置部60の把持片配置部68の外面から底部69に亘る貫通穴により形成され、把持片配置部68の外面から順に内軸受け部62、係止受け部23を有する。内軸受け部62は、内軸部54の形状に対応した空間構造を有し、円柱状の空間構造を有する。
支軸52の連結軸部16には係止部30がネジ止め式で固定され、係止部30が受容部61の係止面26に当接して係止されることで、配置部60に保持部50を固定する固定部が形成される。ネジ止め式で固定される場合は、保持部50の向きを所望の方向に固定することができる。
このように、内軸部54を円柱状又は円筒状とし、内軸受け部62をこれに対応する円柱状の空間構造とすることで、支軸52自体をその軸方向の中心軸を中心として安定して回転させることができる。そのため、支軸52に支持された把持片11を、支軸52を回転中心軸として安定して回転させることができ、把持片11の周壁部19の切り欠き部分の向きを保護管5の巻き回し状態に応じて調整することができる。即ち、保護管5の巻き回し方の選択肢が広がり、保護管5の曲率の調整がより容易になる。
次に、第三実施形態の第2例の管クリップ3Aについて説明する。
図5に示す第2例の管クリップ3Aは、複数の保持部50Aと、配置部60とを含む。保持部50Aは、把持片11と、支軸52Aとを含む。支軸52Aは、把持片11を支持する一方の端部から順に、外軸部53、内軸部54A、係止片57を有する。内軸部54Aは、円柱状又は円筒状に形成されている。係止片57は、円柱状又は円筒状の内軸部54Aから軸方向に延びて、支軸52Aを中心として放射方向に変位可能に設けられ、可動翼として機能する。係止片57は1つ設けても良いし、2つ以上設けてもよい。図5に示す例は3つである。係止片57の末端部には、支軸52Aの外側に突出した突起部(58)が設けられ、これが係止部58として機能する。係止片57は、内軸部54Aの外周面に対応するように軸方向に延びる湾曲板状の構造を有する。係止部58が受容部61の係止面26に当接して係止されることで、配置部60に保持部50Aを固定する固定部が形成される。
第三実施形態の管クリップも、上述した配置部60と第1例の保持部50及び/又は第2例の保持部50Aを用いて構成することができる。固定部は保持部50、50Aの構造に応じて形成される。
第三実施形態の管クリップ3、3Aを用いた収納具8の第三実施形態は図6に示すとおりであり、管クリップ3、3Aを用いた以外は、第一実施形態の場合と同様の構造を有する。
上述したように、管クリップ3、3Aでは、支軸52、52Aの内軸部54、54Aが、断面円形の円柱状又は円筒状で形成され、配置部60の内軸受け部62が内軸部54、54Aに対応する円柱状又は円筒状の空間構造を有するため、支軸52、52Aを配置部60に対して安定して回転させることができる。したがって、支軸52、52Aに支持された把持片11の切り欠き部分の方向も容易に調整することができる。そのため、保護管5の巻き回し方の選択肢が広がり、保護管5の曲率の調整がより容易になる。支軸52、52Aと把持片11が一体化されている場合に特に好適である。
(第四実施形態)
図7、8に基づき、本発明に係る管クリップ及び収納具の第四実施形態について説明する。
図7(a)は、本発明の管クリップの第四実施形態の構造を説明する斜視図である。図7(b)は、図7(a)のIV−IV方向における管クリップを模式的に示した断面図である。
図7に示すように、第四実施形態の第1例である管クリップ4は、受容部81を有する配置部80と、複数の保持部70を含む。保持部70の数は、長尺状保護管5を巻き回した状態を維持可能であれば特に限定はなく、保護管5の長さ、巻き数等に応じて適宜選択可能であり、2個以上であればよい。また、保持部70の数の上限は配置部80の大きさ等に応じて適宜決定すればよい。
保持部70は、把持片71と支軸72とを含む。また、支軸72には、図7(a)、(b)に示す例では、その一方の端部で把持片71を支持し、その一方の端部から直線状に延びて他方の端部に至り、支軸72の軸方向に対して交差方向に延びる突起片73が他方の端部に形成される。
配置部80は、支軸72及び突起片73を受け入れる受容部81を有する。受容部81は、支軸72を受け入れる支軸受け部82と、支軸72及び突起片73を受け入れて、突起片73と係合する係合部83とを有する。
例えば、図7(a)、(b)に示す第四実施形態の第1例では、支軸72の軸方向に対して交差方向に延びる突起片73又は支軸72に支点74が形成され、支点74を中心にてこの原理で変位する突起片73と受容部81とが係合するように構成される。この突起片73と受容部81との係合により、配置部80に対する各保持部70の位置が固定され、固定部が形成される。このようにてこの原理を利用することで、巻き回された保護管5が直線状になろうとするために生じる応力を力点として利用することができ、例えば第二実施形態のようにネジ止め式の係止部を採用する場合に比べて簡便な構造とし得る。
図7に基づき、第四実施形態における保持部(第1〜3例)及び配置部80の構造を詳説する。
保持部70の把持片71は、第一実施形態の把持片11と実質的に同じ構造、機能を有すればよいが、簡易に説明すると次のとおりである。把持片71は、保護管5の外周側の一部を覆い、それを着脱可能に把持するように構成され、保護管5(図7(b)では仮想線で示している。)の長軸方向に沿うように、その全長に亘る切り欠きを設けた断面C字状の周壁部79を有する。周壁部79の保護管5と対面する内周側は、保護管5の長軸方向に直交する方向の断面の外周側の構造に対応する構造を有する。本例では、保護管5の断面が円形状であるのに対応させて、長軸方向に同一の断面円弧形状である。図7(b)の断面図に示すように、切り欠き部分の開口の方向は、一方の端部79aともう一方の端部79bを結ぶ線の水平方向に対する角度αが90度以下であるのが好ましい。また、周壁部79の内周側の断面構造を円弧にした場合は、切り欠き部分の開口角度β(図7(b)参照)は180度以下が好ましく、150度以下がより好ましい。開口角度βは、保護管5を把持した時の長軸方向に直交する断面における軸中心を中心点79cとして確定するものとする。図7に示す切り欠き部分は、長軸方向に沿って同一幅で直線状に形成されているが、幅を変化させてもよいし、折れ線状、波線状等にしてもよい。
支軸72は、把持片71を支えつつ、配置部80の受容部81に受け入れられる構造を有する。図7(a)、(b)に示す例では、支軸72は、一方の端部で把持片71に連結されて、これを支持し、配置部80の受容部81の支軸受け部82及び係合部83に受け入れられる棒状の構造を有する。支軸72と把持片71の連結は特に限定はなく、両者を一体的に形成してもよいし、両者を別々に形成した後、各部材の構成材料に応じて、接着、溶着、物理的方法による連結等を選択することができる。また、把持片71は、保護管5の巻き回し方向に合わせて回動可能に連結されてもよい。この場合は、第三実施形態と同様の機能を有し得る。図7に示す例では、把持片11と支軸12とは一体化され、相対移動はしないものとする。
支軸72の他方の端部には、支軸72の軸方向に対して交差方向に延びる突起片73が形成される。図7(a)、(b)に示す第一例では、突起片73は、支軸72の他方の端部から、支軸72の軸方向に交差する方向で、把持片71の切り欠き部分が形成されている側に向かって延びるように支軸72に形成されている。突起片73は、係合部83に係合可能で、かつ、受容部81の係合部83に受け入れ可能であるが、支軸受け部82には受け入れ不能な構造を有するのが好ましい。また、交差方向は、配置部80と保持部70の大きさ、保持部70の配置数、保護管5が直線状になろうとするために生じる応力等を考慮して、適宜決定することができる。図7(a)、(b)に示す例では、支軸72に直交する平板状の構造を有するが、これに限定されない。
配置部80は、図7(a)、(b)に示すように、線状に設置された受容部81を形成する周壁部を有し、この周壁部は、保持部70の把持片71が配置される側に把持片配置部88と、把持片配置部88に対向する底部89と、把持片配置部88と底部89とをつなぐ側壁部とを有する。把持片配置部88には、支軸受け部82が貫通穴として形成されており、開口部87から係合部83に連通している。保持部70を安定して配置部80に設置する観点から、支軸受け部82の幅は、支軸72の幅に対応しているのが好ましい。同様に、係合部83の幅は、突起片73の幅に対応しているのが好ましい。係合部83を構成する把持片配置部88の内部側には、保持部70の突起片73が係合し、保持部70の支軸受け部82に沿った移動を抑制可能な構造を形成するのが好ましい。第四実施形態では、突起片73の端部が当接し、てこの原理による作用点として作用する応力を受け止めることができる構造が好ましい。図7(a)、(b)に示す例では、突起片73の端部の当接部分に対応した凸部が形成された連続する凹凸85が形成されているが、これに限定されるわけではない。また、係合部83を構成する底部89の内部側(84)は、支点74を安定して支持できる構造が好ましい。図7(a)、(b)に示す例では、平面状であるが、これに限定されない。
図7(c)及び図7(d)は、それぞれ、第四実施形態の保持部の第2例及び第3例の図7(a)のIV−IV方向の断面図として示したものである。第2例及び第3例は、支軸の軸方向に対して交差方向に延びる突起片の形成位置、構造が、第1例と異なる。そこで、第1例とは異なる点について説明する。第2例及び第3例の保持部70A、70Bによれば、保護管5が直線状になろうとするために生じる応力が大きい場合に作用点に負荷される応力を低減する効果が期待できる。
第四実施形態の第2例の管クリップでは、保持部70Aが把持片71と支軸72Aとを含む。支軸72Aは、その一方の端部で把持片71を支持し、その一方の端部から直線状に延びて他方の端部に至り、支軸72Aの軸方向に対して交差方向に延びる突起片73Aが、支軸72の他方の端部以外の部分に形成される。図7(c)に示す例では、他方の端部に近い部分に形成されている。また、突起片73Aは、把持片71の切り欠き部分が形成されている側に向かって延びるように支軸72Aに形成されている。そして、支軸72Aの他方の端部(74A)に支点74Aが形成される。
第四実施形態の第3例の管クリップでは、保持部70Bが把持片71と支軸72Bとを含む。支軸72Bは、その一方の端部で把持片71を支持し、その一方の端部から直線状に延びて他方の端部に至り、支軸72Bの軸方向に対して交差方向に延びる突起片73Bが、支軸72の他方の端部に形成される。突起片73Bは、把持片71の切り欠き部分が形成されている側及びその反対側に向かって延びるように支軸72Bに形成されている。そして、突起片73Bの把持片71の切り欠き部分が形成されている側とは反対側に向かって延びた端部(74B)に支点74Bが形成される。
第四実施形態の管クリップは、上述した配置部80と第1例の保持部70、第2例の保持部70A及び第3例の保持部70Bから選択される少なくとも1種を用いて構成することができる。尚、以下では、図中の符号70、70A、70Bで示す各保持部を用いた各管クリップをそれぞれ符号4、4A、4Bで示すこととする。
第四実施形態の管クリップ4、4A、4Bを用いた収納具の第四実施形態は図8に示すとおりであり、管クリップ4、4A、4Bを用いた以外は、第一実施形態の場合と同様の構造を有する。簡単に説明すると、第四実施形態の収納具9は、管クリップ4、4A、4Bと、長尺状保護管5とを含み、保護管5が、交差する部分を生ずるように巻き回された状態で管クリップ4、4A、4Bにより固定されている。管クリップ4、4A、4Bの把持片71の周壁79の切り欠き部分が、受容部81の線方向に直交する方向で、同じ方向を向くように、保持部70が配置部80に配置されるとともに、巻き回された保護管5の中心側を向くように、管クリップ4、4A、4Bが配置される。
第二実施形態の場合と同様に、管クリップ4、4A、4Bでは、受容部81が線状に配置されているため、保持部70の配置部80に対する位置を線状の受容部81に沿って移動させることにより第一及び三実施形態の場合よりも細かく調整可能である。また、上述したように、てこの原理を利用することで、巻き回された保護管5が直線状になろうとするために生じる応力を力点として利用することができ、例えば第二実施形態の管クリップのようにネジ止め式の係止部を採用する場合に比べて簡便な構造とし得る。そのため、管クリップの部品点数の低減効果等による収納具の製造コストの低減効果も期待できる。
<長尺医療器具>
上述した本発明の収納具は、各種の長尺状医療器具を保護管の内腔に収納するのに好適である。このような長尺状医療器具としては、例えば、ガイドワイヤ、カテーテル等が挙げられる。カテーテルとしては、例えば、バルーンカテーテル、吸引カテーテル等が挙げられる。
長尺状医療器具の長さとしては、巻き回して梱包する必要が生じるものであれば特に限定はないが、巻き回し回数が多くなるほど、本発明に係る管クリップ及びこれを用いた収納具の効果が発揮される。このような観点からは、長尺状医療器具の長さが、1.6m以上の場合に、特に有効である。
また、本発明の管クリップは、保護管の曲率を小さく調整することが容易なため、保護管の曲率が、長尺状医療器具の構造に応じて小さくなるように調整されている。したがって、収納具への長尺状医療器具の出し入れが容易である。また、長尺状医療器具を収納具へ収納して滅菌した後も、滅菌時の加熱による曲げ癖が低減される。
その結果、本発明の収納具に上述の長尺状医療器具が収納された長尺医療器具によれば、術者が使用時に長尺状医療器具を容易に取り出すことができ、また、その長尺状医療器具は曲げ癖が低減されているため、術時に支障なく使用することが可能になる。
また、本発明の長尺医療器具は、本発明の収納具に収納された1種又は2種以上の長尺状医療器具のみであってもよいし、その他の医療器具を含んでいてもよい。
1、1A、2、3、3A、4、4A、4B 管クリップ
5 保護管
6、7、8、9 収納具
10、10A、50、50A、70、70A、70B 保持部
11、71 把持片
12、12A、52、52A、72、72A、72B 支軸
13、53 外軸部
14、14A、54、54A 内軸部
15、55 段部
16 連結軸部
17、57 係止片
18、58 係止部(突起部)
19、79 周壁部
19a、19b、79a、79b 端部
19c、79c 中心点
20、40、60、80 配置部
21、41、61、81 受容部
22、42、62 内軸受け部
23、43 係止受け部
24 開口部
26、46 係止面
27、87 開口部
28、48、68、88 把持片配置部
29、49、69、89 底部
30 係止部
31 貫通穴
73、73A、73B 突起片
74、74A、74B 支点
82 支軸受け部
83 係合部
85 凹凸

Claims (10)

  1. 長尺状医療器具を内腔に収納する長尺状保護管を巻き回した状態で固定する管クリップにあって、
    上記長尺状保護管を保持する複数の保持部と、該保持部を複数箇所に位置変え可能に受け入れて配置させる受容部を有する配置部と、該配置部に上記保持部を固定する固定部と、を含む管クリップ。
  2. 上記受容部は、分散状及び/又は線状に上記配置部に設置されている請求項1に記載の管クリップ。
  3. 上記配置部に線状に設置されている上記受容部は、上記保持部が係合しつつ移動可能なレール構造を有する請求項1または2に記載の管クリップ。
  4. 上記保持部は、上記長尺状保護管を把持する把持片と、上記受容部に受け入れられてその把持片を支える支軸と、を含み、
    上記把持片の向きが、上記支軸を回転中心軸とする回転によって変化可能である請求項1〜3のいずれか1項に記載の管クリップ。
  5. 上記保持部は、上記長尺状保護管を把持する把持片と、上記受容部に受け入れられてその把持片を支える支軸と、を含み、上記支軸には、その軸方向に対して交差方向に延びる突起片が形成されるとともに、上記突起片又は上記支軸に支点が形成され、
    上記固定部は、上記支点を中心にてこの原理で変位する上記突起片と上記受容部との係合により形成される請求項1〜4のいずれか1項に記載の管クリップ。
  6. 上記保持部は、上記長尺状保護管を把持する把持片と、両端部を有し、上記受容部に受け入れられてその一方の端部で把持片を支える支軸と、を含み、該支軸の他方の端部には、上記受容部に係合して上記支軸の軸方向に沿った把持片側への保持部の移動を規制する係止部が形成され、
    上記固定部は、上記係合部が上記受容部に当接して係止されることで形成される請求項1〜4のいずれか1項に記載の管クリップ。
  7. 上記係止部が、ネジ止め式により上記支軸の他方の端部に固定される突起部である請求項6記載の管クリップ。
  8. 上記係止部が、上記支軸を中心として放射方向に変位可能に支軸の外側に突出した突起部である請求項6記載の管クリップ。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の管クリップと、該管クリップにて巻き回した状態で固定されている長尺状保護管と、を含む収納具。
  10. 請求項9に記載の収納具に収納されている長尺状医療器具を含む長尺医療器具。
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