以下、図面に基づいて、本発明の一実施の形態例を説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明による画像処理方法が適用される画像読取装置1の構成を示した構成図である。画像読取装置1は、カラーフィルタ(21,22,23)、イメージセンサ13、振動機構制御部17及び信号処理部16を備える。また、画像読取装置1は、さらに読取光学系12、基板14、又はA/D変換部15を備えることができる。画像読取装置1は、固定された原稿20に対してイメージセンサ13を移動させることで原稿20に記載された画像を読み取る。または、画像読取装置1は、固定されたイメージセンサ13に対して原稿20を移動させることで原稿20に記載された画像を読み取る。
以下において、図の説明を容易にするためにXYZ座標を用いる。X軸方向は、主走査方向である。Y軸方向は、副走査方向である。Z軸方向は、X−Y平面に垂直な方向である。
画像読取装置1は、原稿20に対して+Z軸方向に位置する。イメージセンサ13は、−Y軸方向から+Y軸方向に移動する。つまり、原稿20は、相対的に、+Y軸方向から−Y軸方向に移動する。画像読取装置1に対して原稿20を上側(−Z軸側)に配置した場合に、−Z軸側を上側として、+Y軸方向を見て右側の方向が+X軸方向である。
イメージセンサ13は、主走査方向にある全画素に対応するデータを一括で読み取る。次に、移動したラインにおいて主走査方向にある全画素に対応するデータを一括で読み取る。
図1は、画像読取装置1の構成図である。画像読取装置1が原稿20を読み取る際には、照明光24が原稿20を照明する。照明光24は、画像読取装置1の内部に配置された図示しない光源から発せられる。光源は、ハロゲンランプ又はLEDなどである。原稿20で反射及び散乱された光は、読取光学系12を通って、イメージセンサ13上に結像される。読取光学系12は、レンズ等の光学素子を有する。結像された光は、イメージセンサ13の受光素子によって、電気信号に変換される。イメージセンサ13は、電気信号をアナログ画像データAIDとしてA/D変換部15に出力する。A/D変換部15は、入力されたアナログの画像データAIDをデジタル画像データDIDへ変換する。また、A/D変換部15は、デジタル画像データDIDを信号処理部16へ出力する。信号処理部16は、画像処理を行い、処理を行った後の信号を出力画像データOIDとして出力する。また、本発明の画像読取装置1は、イメージセンサ13を主走査方向に移動(振動)させるため、図示しない振動機構を有している。本発明の画像読取装置1は、信号処理部16から制御用信号FCSを出力し、振動機構制御部17に入力させる。振動機構制御部17は、イメージセンサ13を主走査方向に移動(振動)させるための振動制御信号VCSを、図示しない振動機構へ出力する。
図1では、固定された原稿20に対してイメージセンサ13が副走査方向に移動する構成を示している。つまり、イメージセンサ13が副走査方向に移動して画像を読み取る構成である。なお、画像読取装置1が固定されており、原稿20が+Y軸方向から−Y軸方向に搬送される場合も、原稿20と画像読取装置1の相対的な関係は同様であるため、本発明に含まれる。
図1では、イメージセンサ13の副走査方向の移動方向を方向Fで示す。方向Fは、+Y軸方向と同じである。アナログ画像データAIDは、デジタル画像データDIDに変換されて、イメージセンサ13の副走査方向の移動と共に順次時系列で信号処理部16に取り込まれる。アナログ画像データAIDは、イメージセンサ13から出力される。そして、イメージセンサ13の副走査方向の移動が終了すると、原稿20の全体についてのアナログ画像データAIDが、A/D変換部15でデジタル画像データDIDに変換される。デジタル画像データDIDは、信号処理部16内のメモリに格納される。「時系列」とは、ある現象の時間的な変化を、連続的に観測して得られた値の系列のことである。「連続的に観測」には、一定間隔をおいた観測又は不連続に行われる観測が含まれる。また、「系列」とは、一連の値のことである。
次に、図2を用いて本発明のイメージセンサ13に実装されているカラーフィルタについて説明する。図2は、カラーフィルタ21,22,23の構成図である。実施の形態1では、イメージセンサ13は、主走査方向に複数配列されてラインセンサを形成している。イメージセンサ13は、基板14上に実装されている。つまり、ラインセンサは、基板14に複数のイメージセンサ13が実装されている形態をいう。イメージセンサ13間の隙間は、可能な限り小さくなるように実装されている。なお、小さなラインセンサの場合には、1つのイメージセンサ13でラインセンサを形成する場合もある。
そして、各々のイメージセンサ13には受光素子ごとにカラーフィルタが実装されている。本発明のイメージセンサ13に実装されているカラーフィルタは、赤色の光を透過する赤色フィルタであるカラーフィルタ21、緑色の光を透過する緑色フィルタであるカラーフィルタ22及び青色の光を透過する青色フィルタであるカラーフィルタ23の3色である。以下の説明又は図面において、赤色を「赤」又は「R」と省略して表す場合がある。また、緑色を「緑」又は「G」と省略して表す場合がある。また、青色を「青」又は「B」と省略して表す場合がある。また、以下において、受光素子1個ごとを1画素として説明する。そして、1つのカラーフィルタ21,22,23は、それぞれ受光素子の1画素に対応している。
図2に示すように、3色のカラーフィルタ21,22,23は、隣接する2画素に同色のフィルタを並べて、主走査方向に順次色が変わるよう実装される。言い換えれば、カラーフィルタは、前記赤色フィルタが隣接して2つ配置された赤色のフィルタ対、前記緑色フィルタが隣接して2つ配置された緑色のフィルタ対、又は前記青色フィルタが隣接して2つ配置された青色のフィルタ対が周期的に配置される。例えば、図3では、色の配列の順番は、「赤(R),赤(R),緑(G),緑(G),青(B),青(B)」である。しかし、色の配列の順番は、これに限られない。例えば、色の配列の順番は、「赤(R),赤(R),青(B),青(B),緑(G),緑(G)」であっても良い。また、色の配列の順番は、「緑(G),緑(G),赤(R),赤(R),青(B),青(B)」であっても良い。また、色の配列の順番は、「緑(G),緑(G),青(B),青(B),赤(R),赤(R)」であっても良い。また、色の配列の順番は、「青(B),青(B),緑(G),緑(G),赤(R),赤(R)」であっても良い。また、色の配列の順番は、「青(B),青(B),赤(R),赤(R),緑(G),緑(G)」であっても良い。以下においては、色の配列の順番は、「赤(R),赤(R),緑(G),緑(G),青(B),青(B)」として説明する。
次に、図3及び図4を用いて、1本のラインセンサによる画像の読取について説明する。1本のラインセンサは、複数のイメージセンサ13が主走査方向に並べて基板14上に配置されたものである。図3は、ラインセンサの副走査方向の位置と主走査方向の移動との関係を示す模式図である。図4は、ラインセンサの副走査方向及び主走査方向の位置と読み取られる画像データ上の各画素の座標との関係を示す模式図である。
図3に示すように、位置Hは、ラインセンサのX軸方向(主走査方向)における基準位置を示している。位置Hは、例えば、第一の位置である。位置Iは、ラインセンサが位置Hから―X軸方向へ1画素分だけ移動した位置である。位置Iは、例えば、第二の位置である。位置Jは、ラインセンサが位置Hから+X軸方向へ1画素分だけ移動した位置である。位置Jは、例えば、第三の位置である。原稿20の読取りを開始する直前におけるラインセンサの位置を、ホームポジションと呼ぶこととする。図3は、ラインセンサが副走査方向のホームポジションで主走査方向に振動している図である。図3では、基準位置である位置Hから、X軸方向における位置の移動を図3の上から順に示している。なお、図3の各位置H,I,Jは、時系列的に示したもので、Y軸方向に移動しているものではない。
本発明の画像読取装置1は、イメージセンサ13を備えた基板14を有する。また、画像読取装置1は、基板14を主走査方向に2画素以上の幅で振動させる図示しない振動機構を有する。具体的には、図1において、基板14が、静止している基準位置(位置H)から+X方向に1画素移動(位置J)し、−X方向に1画素移動(位置I)する機能を有する。
図3における位置Hは、ラインセンサのX軸方向における基準位置を示している。原稿20の読取りを開始する直前におけるラインセンサのX軸方向における位置は、位置Hである。位置Iは、ラインセンサが位置Hから―X軸方向へ1画素分だけ移動した位置である。位置Jは、ラインセンサが位置Hから+X軸方向へ1画素分だけ移動した位置である。
前述のように、原稿20の読取りを開始する直前のラインセンサの主走査方向の位置は、位置Hである。原稿20の読取りを開始してラインセンサが副走査方向に1ライン移動すると、ラインセンサは位置Iに移動する。次にラインセンサが副走査方向に1ライン移動すると、ラインセンサは基準位置である位置Hへ移動する。そして、次にラインセンサが副走査方向に1ライン移動すると、ラインセンサは位置Jに移動する。次にラインセンサが副走査方向に1ライン移動すると、ラインセンサは基準位置である位置Hへ移動する。原稿20の読取りが終了するまで、ラインセンサは副走査方向に1ライン移動するたびに、上記の主走査方向の移動を繰り返す。ラインセンサが上記の主走査方向の移動を繰り返すことは、ラインセンサが主走査方向に振動することである。原稿20の読取りが終了すると、ラインセンサは、主走査方向の移動、すなわち主走査方向の振動を終了する。なお、ラインセンサは、原稿20の読取りを開始する前にホームポジションで主走査方向の移動(振動)をしていても良い。つまり、ラインセンサは、原稿20の読み取り前にホームポジションで主走査方向に振動していて、読み取り開始とともに副走査方向に移動しても良い。イメージセンサ13を備えた基板14が振動する幅は2画素又は2画素以上あれば良い。
本ラインセンサにより読み取られる画像データについて、図4を用いて説明する。図4の各カラーフィルタ21,22,23の下に付した座標は、読み取られる画像データ上の画素の位置を示している。位置(x)は、主走査方向の画素の位置である。位置(y)は、副走査方向の画素の位置である。つまり、座標(y,x)は、ラインセンサで読み取られた画像データ上の画素の座標を示している。副走査方向の画素の位置は、画像を読み取るラインセンサとしては「ライン」として表わされる。なお、この座標は、(y,x)で表されている。つまり、yライン目及びx画素目の画素であることを(y,x)と表記している。ラインセンサの各画素には、1つのカラーフィルタ21,22,23が実装されているので、画素の位置とカラーフィルタ21,22,23の位置とは同じである。図4では、カラーフィルタ21,22,23はR、G又はBで表されている。
図4は、y=0のとき、ラインセンサが位置Iである場合のラインセンサの副走査方向及び主走査方向の位置と読み取られる画像データ上の各画素の座標との関係を示す。y=1のとき、ラインセンサは位置Hに移動する。y=2のとき、ラインセンサは位置Jに移動する。y=3のとき、ラインセンサは位置Hに移動する。この後は、ラインセンサは上記の4つの主走査方向の位置を移動する動作を繰り返す。
いま、副走査方向のyライン目及び主走査方向のx画素目におけるデジタル画像データDIDの赤色、緑色及び青色に相当する画像データを、それぞれ、Ry(x)、Gy(x)及びBy(x)として表現する。つまり、副走査方向のyライン目及び主走査方向のx画素目におけるデジタル画像データDIDの赤色に相当する画像データを、Ry(x)として表現する。副走査方向のyライン目及び主走査方向のx画素目におけるデジタル画像データDIDの緑色に相当する画像データを、Gy(x)として表現する。副走査方向のyライン目及び主走査方向のx画素目におけるデジタル画像データDIDの青色に相当する画像データを、By(x)として表現する。この場合には、0ライン目かつラインセンサが位置Iの場合に得られた、0画素から(N−1)画素までのデジタル画像データDIDは、図4に示すように、次のようになる。
R0(0),R0(1),G0(2),G0(3),B0(4),B0(5),
・・・,R0(N−6),R0(N−5),G0(N−4),G0(N−3),
B0(N−2),B0(N−1)
なお、上記の「・・・」は、画像データが整数単位で続くことを示している。Nは、ひとつのラインセンサにおけるイメージセンサの数である。
同様に、1ライン目かつラインセンサが位置Hの場合に得られた、1画素からN画素までのデジタル画像データDIDは、図4に示すように、次のようになる。
R1(1),R1(2),G1(3),G1(4),B1(5),B1(6),
・・・,R1(N−5),R1(N−4),G1(N−3),G1(N−2),
B1(N−1),B1(N)
同様に、2ライン目かつラインセンサが位置Jの場合に得られた、2画素から(N+1)画素までのデジタル画像データDIDは、図4に示すように、次のようになる。
R2(2),R2(3),G2(4),G2(5),B2(6),B2(7),
・・・,R2(N−4),R2(N−3),G2(N−2),G2(N−1),
B2(N),B2(N+1)
上記のように、原稿20の読取りが終わるまで、1ライン毎にラインセンサが主走査方向に位置を変えて、原稿20の読取りを続ける。本来、カラー画像を生成するためには、画像データ1単位に対し1ライン毎に赤、緑及び青の3つ色要素が必要である。しかし、本発明では、読取りの画像データ1単位に対して1ライン毎に1つの色要素のみ読み取られる。つまり、色要素が間引かれて読み取られる。
図4では、例えば、0ライン目の4画素目は、青色(B)要素のみ読み取られている。位置Iの座標(0,4)の位置である。また、2ライン目の3画素目は、赤色(R)要素のみ読み取られている。位置Jの座標(2,3)の位置である。
次に、図5を用いて、信号処理部16を説明する。図5は、画像読取装置1の信号処理部16のブロック図である。信号処理部16は、画像生成部161及び振動制御信号生成部165を備える。画像生成部161は、色要素計算部162、メモリ制御部163及びラインメモリ164を備える。ラインメモリ164は、ラインメモリLM1及びラインメモリLM2を備える。
画像生成部161は、デジタル画像データDID及び制御用信号FCSを入力し、出力画像データOIDを出力する。振動制御信号生成部165は、制御用信号FCSを画像生成部161へ出力する。また、前述のように、振動制御信号生成部165は、制御用信号FCSを振動機構制御部17へ出力する。色要素計算部162は、デジタル画像データDID及び制御用信号FCSを入力し、計算後画像データMIDを出力する。メモリ制御部163は、計算後画像データMID及び制御用信号FCSを入力し、出力画像データOIDを出力する。また、メモリ制御部163は、ラインメモリ164から読出画像データRIDを入力し、ラインメモリ164へ書込画像データWIDを出力する。
前述したように、読み取られた原稿20の画像データRy(x),Gy(x),By(x)は、デジタル信号に変換されて、順次信号処理部16に入力される。信号処理部16では、A/D変換部15からのデジタル画像データDIDは画像生成部161に入力される。画像生成部161は、色要素が間引かれて読み取られたデジタル画像データDIDを信号処理した計算後画像データMIDにして、その後、外部へ出力画像データOIDとして出力する。
振動制御信号生成部165は、ラインセンサを主走査方向に移動(振動)させるための制御用信号FCSを、ライン毎に生成して出力する。つまり、振動制御信号生成部165は、ラインセンサがライン毎に位置H、位置I及び位置Jのいずれとするかの信号を出力する。制御用信号FCSは、振動機構制御部17に向けて出力される。また、制御用信号FCSは、画像生成部161へも出力される。制御用信号FCSは、画像生成部161の色要素計算部162において、計算後画像データMIDにするための制御信号とする。
次に画像生成部161の色要素計算部162、メモリ制御部163及びラインメモリ164について説明する。入力されたデジタルの読取りデータであるデジタル画像データDIDが、Mラインで原稿20の読取りが完了した場合には、以下の説明におけるyは、y=0からy=(M−1)までとする。ここで、Mはゼロ及び正の整数である。
y=0のとき振動制御信号生成部165で生成した制御用信号FCSによりラインセンサが位置Iであった場合を図4に示す。このとき、色要素計算部162は、以下の画像データRy(x),Gy(x),By(x)に対応する計算後画像データMIDを順次メモリ制御部163へ出力する。
次に、図4を用いて、ラインセンサで読み取られた画像データから計算後画像データMIDを作成する方法を説明する。上述のように、座標(y,x)は、ラインセンサで読み取られた画像データ上の座標である。また、以下の説明において、例えば、計算後画像データMIDの座標(0,1)は、副走査方向が0ライン目で主走査方向が1画素目を示している。
まず、計算後画像データMIDの0ライン目について説明する。計算後画像データMIDの座標(0,0)は、画素B0(4)、画素G1(3)と画素G1(4)との平均値及び画素R2(3)で構成される。計算後画像データMIDの座標(0,1)は、画素R0(6)、画素B1(5)と画素B1(6)との平均値及び画素G2(5)で構成される。計算後画像データMIDの座標(0,2)は、画素G0(8)、画素R1(7)と画素R1(8)との平均値及び画素B2(7)で構成される。
次に、計算後画像データMIDの1ライン目について説明する。計算後画像データMIDの座標(1,0)は、画素R2(3)、画素G3(3)と画素G3(4)との平均値及び画素B4(4)で構成される。計算後画像データMIDの座標(1,1)は、画素G2(5)、画素B3(5)と画素B3(6)との平均値及び画素R4(6)で構成される。計算後画像データMIDの座標(1,2)は、画素B2(7)、画素R3(7)と画素R3(8)との平均値及び画素G4(8)で構成される。
このように、計算後画像データMIDの1ラインは、ラインセンサで読み取られた画像データの3ラインから作成される。図4では、位置Hを中心として、副走査方向の位置Hの前後の位置I及び位置Jの3ラインで作成されている。
また、計算後画像データMIDの主走査方向の1画素は、ラインセンサで読み取られた画像データの主走査方向の2画素から作成される。このため、計算後画像データMIDの1画素は、ラインセンサで読み取られた画像データの6画素から4画素を選択して作成される。なお、位置Hの画素は、2つの画素の平均値として説明したが、2つの画素の内、どちらかを選択しても良い。
以上のように、計算後画像データMIDの1画素は、ラインセンサで読み取られた画像データの6画素から4画素を選択して作成されている。そのため、ラインセンサで読み取られた画像データが、色要素を間引かれて読み取られた画像データであっても、計算後画像データMIDをカラー画像とすることができる。
各位置H,I,Jで、ラインセンサで読み取られた画像データの内、計算後画像データMIDで使用される画素を記載する。以下に使用する符合p,q,nは、0を含む正の整数である。
まず、y=0のとき振動制御信号生成部165で生成した制御用信号FCSによりラインセンサが位置Iであった場合を図4に示す。このとき、色要素計算部162は、以下の画像データRy(x),Gy(x),By(x)に対応する計算後画像データMIDを順次メモリ制御部163へ出力する。
位置Iの場合には、R、G及びBの画像データRy(x),Gy(x),By(x)は、それぞれq=0,・・・,(M−4)/4において、次のようになる。上述のようにラインセンサが4つの位置を移動する動作を繰り返すため、yの値は、4回ごとに繰り返される。つまり、図4では、位置Iは、0ライン目の次は、4ライン目となっている。
R4q(6n+6),n=0,・・・,(N−12)/6
G4q(6n+8),n=0,・・・,(N−12)/6
B4q(6n+4),n=0,・・・,(N−6)/6
図4では、例えば、q=0でn=0の場合には、画像データRy(x)はR0(6)である。画像データGy(x)はG0(8)である。画像データBy(x)はB0(4)である。
上記のように、画像データR4q(6n+6),G4q(6n+8),B4q(6n+4)は、順次、メモリ制御部163へ出力される。
位置Hの場合には、R、G及びBの画像データRy(x),Gy(x),By(x)は、それぞれp=0,・・・,(M−2)/2において、次のようになる。上述のようにラインセンサが4つの位置を移動する動作を繰り返すうち、2ライン毎に位置Hの位置に移動するため、yの値は、2回ごとに繰り返される。つまり、図4では、位置Hは、1ライン目の次は、3ライン目となっている。上述のように、位置Hでは、隣接する2つの同色の画素値の平均値を使用している。
{R2p+1(6n+7)+R2p+1(6n+8)}/2,
n=0,・・・,(N−12)/6
{G2p+1(6n+3)+G2p+1(6n+4)}/2,
n=0,・・・,(N−6)/6
{B2p+1(6n+5)+B2p+1(6n+6)}/2,
n=0,・・・,(N−12)/6
図4では、例えば、p=0でn=0の場合には、画像データRy(x)はR1(7)とR1(8)との平均値である。画像データGy(x)はG1(3)とG1(4)との平均値である。画像データBy(x)はB1(5)とB1(6)との平均値である。
つまり、位置Hの場合には、R、G及びBの画像データは、隣り合う同じ色の画像データを平均化した値となる。
位置Jの場合には、R、G及びBの画像データRy(x),Gy(x),By(x)は、それぞれq=0,・・・,(M−4)/4において、次のようになる。上述のようにラインセンサが4つの位置を移動する動作を繰り返すため、yの値は、4回ごとに繰り返される。つまり、図4では記載されていないが、位置Jは、2ライン目の次は、6ライン目となっている。
R4q+2(6n+3),n=0,・・・,(N−6)/6
G4q+2(6n+5),n=0,・・・,(N−12)/6
B4q+2(6n+7),n=0,・・・,(N−12)/6
図4では、例えば、q=0でn=0の場合には、画像データRy(x)はR2(3)である。画像データGy(x)はG2(5)である。画像データBy(x)はB2(7)である。
メモリ制御部163は、位置I又は位置Jの場合には、ラインメモリ164のラインメモリLM1へ、色要素計算部162の出力である計算後画像データMIDを書き込む。メモリ制御部163は、位置Hの場合には、ラインメモリ164のラインメモリLM2へ色要素計算部162の出力である計算後画像データMIDを書き込む。この場合には、ラインメモリLM1及びラインメモリLM2の書き込み結果は、図6のようになる。
なお、図6のようなラインメモリLM1,LM2を用いたのは、ラインメモリLM1,LM2に交互に読み取られたラインデータを新たに記憶させるためである。このため、1つの画像データを記憶できるメモリがある場合には、ラインセンサで読み取られた2次元の画像データ全体を記憶して、計算後画像データMIDを作成することもできる。
図6は、ラインメモリ164の書き込み結果を示す模式図である。図6においては、ラインメモリLM1のR、G又はBの画像データの下には、ラインメモリLM1に記憶されるラインセンサで読み取られた画像データの座標を記載している。ラインセンサで読み取られた画像データの座標は、yライン目及びx画素目の画素であることを(y,x)と表記している。
また、図6においては、ラインメモリLM2のR、G又はBの画像データの下には、ラインメモリLM2に記憶されるラインセンサで読み取られた画像データの座標を記載している。ラインメモリLM2には、ラインセンサで読み取られた画像データの隣接する同色の画素データの平均値が記憶される。このため、yライン目のx画素目の画素とyライン目のx+1画素目の画素とを加算(平均)した値であることを示すために(y,x)+(y,x+1)と表記している。
図6では、例えば、位置Iの場合にラインメモリLM1に書き込まれた計算後画像データMIDは、最初の画素から順に、B0(4),R0(6),G0(8)である。位置Hの場合にラインメモリLM2に書き込まれた計算後画像データMIDは、最初の画素から順に、G1(3)とG1(4)との平均値,B1(5)とB1(6)との平均値,R1(7)とR1(8)との平均値である。位置Jの場合にラインメモリLM1に書き込まれた計算後画像データMIDは、最初の画素から順に、R2(3),G2(5),B2(7)である。
y=0のとき振動制御信号生成部165で生成した制御用信号FCSによりラインセンサが位置Jであった場合を図7に示す。このとき、色要素計算部162は、以下の画像データRy(x),Gy(x),By(x)に対応する計算後画像データMIDを順次メモリ制御部163へ出力する。
位置Jの場合には、R、G及びBの画像データRy(x),Gy(x),By(x)は、それぞれq=0,・・・,(M−4)/4において、次のようになる。
R4q(6n+3),n=0,・・・,(N−6)/6
G4q(6n+5),n=0,・・・,(N−12)/6
B4q(6n+7),n=0,・・・,(N−12)/6
図7では、例えば、q=0でn=0の場合には、画像データRy(x)はR0(3)である。画像データGy(x)はG0(5)である。画像データBy(x)はB0(7)である。
位置Hの場合には、R、G及びBの画像データRy(x),Gy(x),By(x)は、それぞれp=0,・・・,(M−2)/2において、次のようになる。
{R2p+1(6n+7)+R2p+1(6n+8)}/2,n=0,・・・,(N−12)/6
{G2p+1(6n+3)+G2p+1(6n+4)}/2,n=0,・・・,(N−6)/6
{B2p+1(6n+5)+B2p+1(6n+6)}/2,n=0,・・・,(N−12)/6
図7では、例えば、p=0でn=0の場合には、画像データRy(x)はR1(7)とR1(8)との平均値である。画像データGy(x)はG1(3)とG1(4)との平均値である。画像データBy(x)はB1(5)とB1(6)との平均値である。
位置Iの場合には、R、G及びBの画像データRy(x),Gy(x),By(x)は、それぞれq=0,・・・,(M−4)/4において、次のようになる。
R4q+2(6n+6),n=0,・・・,(N−12)/6
G4q+2(6n+8),n=0,・・・,(N−12)/6
B4q+2(6n+4),n=0,・・・,(N−6)/6
図7では、例えば、q=0でn=0の場合には、画像データRy(x)はR2(6)である。画像データGy(x)はG2(8)である。画像データBy(x)はB2(4)である。
メモリ制御部163は、位置I又は位置Jの場合には、ラインメモリ164のラインメモリLM1へ、色要素計算部162の出力である計算後画像データMIDを書き込む。メモリ制御部163は、位置Hの場合には、ラインメモリ164のラインメモリLM2へ色要素計算部162の出力である計算後画像データMIDを書き込む。この場合には、ラインメモリLM1及びラインメモリLM2の書き込み結果は、図8のようになる。
図8は、ラインメモリ164の書き込み結果を示す模式図である。図8においては、ラインメモリLM1のR、G又はBの画像データの下には、ラインメモリLM1に記憶されるラインセンサで読み取られた画像データの座標を記載している。ラインセンサで読み取られた画像データの座標は、yライン目及びx画素目の画素であることを(y,x)と表記している。
また、図8においては、ラインメモリLM2のR、G又はBの画像データの下には、ラインメモリLM2に記憶されるラインセンサで読み取られた画像データの座標を記載している。ラインメモリLM2には、ラインセンサで読み取られた画像データの隣接する同色の画素データの平均値が記憶される。このため、yライン目のx画素目の画素とyライン目のx+1画素目の画素とを加算(平均)した値であることを示すために(y,x)+(y,x+1)と表記している。
図8では、例えば、位置Jの場合にラインメモリLM1に書き込まれた計算後画像データMIDは、最初の画素から順に、R0(3),G0(5),B0(7)である。位置Hの場合にラインメモリLM2に書き込まれた計算後画像データMIDは、最初の画素から順に、G1(3)とG1(4)との平均値,B1(5)とB1(6)との平均値,R1(7)とR1(8)との平均値である。位置Iの場合にラインメモリLM1に書き込まれた計算後画像データMIDは、最初の画素から順に、B2(4),R2(6),G2(8)である。
y=0のとき振動制御信号生成部165で生成した制御用信号FCSによりラインセンサが位置Hであり、かつ次の位置が位置Iの場合を図9に示す。このとき、色要素計算部162は、以下の画像データRy(x),Gy(x),By(x)に対応する計算後画像データMIDを順次メモリ制御部163へ出力する。
位置Hの場合には、R、G及びBの画像データRy(x),Gy(x),By(x)は、それぞれp=0,・・・,(M−2)/2において、次のようになる。
{R2p(6n+7)+R2p(6n+8)}/2,n=0,・・・,(N−12)/6
{G2p(6n+3)+G2p(6n+4)}/2,n=0,・・・,(N−6)/6
{B2p(6n+5)+B2p(6n+6)}/2,n=0,・・・,(N−12)/6
図9では、例えば、p=0でn=0の場合には、画像データRy(x)はR0(7)とR0(8)との平均値である。画像データGy(x)はG0(3)とG0(4)との平均値である。画像データBy(x)はB0(5)とB0(6)との平均値である。
位置Iの場合には、R、G及びBの画像データRy(x),Gy(x),By(x)は、それぞれq=0,・・・,(M−4)/4において、次のようになる。
R4q+1(6n+6),n=0,・・・,(N−12)/6
G4q+1(6n+8),n=0,・・・,(N−12)/6
B4q+1(6n+4),n=0,・・・,(N−6)/6
図9では、例えば、p=0でn=0の場合には、画像データRy(x)はR1(6)である。画像データGy(x)はG1(8)である。画像データBy(x)はB1(4)である。
位置Jの場合には、R、G及びBの画像データRy(x),Gy(x),By(x)は、それぞれq=0,・・・,(M−4)/4において、次のようになる。
R4q+3(6n+3),n=0,・・・,(N−6)/6
G4q+3(6n+5),n=0,・・・,(N−12)/6
B4q+3(6n+7),n=0,・・・,(N−12)/6
図9では、例えば、q=0でn=0の場合には、画像データRy(x)はR3(3)である。画像データGy(x)はG3(5)である。画像データBy(x)はB3(7)である。
メモリ制御部163は、位置I又は位置Jの場合には、ラインメモリ164のラインメモリLM1へ、色要素計算部162の出力である計算後画像データMIDを書き込む。メモリ制御部163は、位置Hの場合には、ラインメモリ164のラインメモリLM2へ色要素計算部162の出力である計算後画像データMIDを書き込む。この場合には、ラインメモリLM1及びラインメモリLM2の書き込み結果は、図10のようになる。
図10は、ラインメモリ164の書き込み結果を示す模式図である。図10においては、ラインメモリLM1のR、G又はBの画像データの下には、ラインメモリLM1に記憶されるラインセンサで読み取られた画像データの座標を記載している。ラインセンサで読み取られた画像データの座標は、yライン目及びx画素目の画素であることを(y,x)と表記している。
また、図10においては、ラインメモリLM2のR、G又はBの画像データの下には、ラインメモリLM2に記憶されるラインセンサで読み取られた画像データの座標を記載している。ラインメモリLM2には、ラインセンサで読み取られた画像データの隣接する同色の画素データの平均値が記憶される。このため、yライン目のx画素目の画素とyライン目のx+1画素目の画素とを加算(平均)した値であることを示すために(y,x)+(y,x+1)と表記している。
図10では、例えば、位置Iの場合にラインメモリLM1に書き込まれた計算後画像データMIDは、最初の画素から順に、B1(4),R1(6),G1(8)である。位置Hの場合にラインメモリLM2に書き込まれた計算後画像データMIDは、最初の画素から順に、G2(3)とG2(4)との平均値,B2(5)とB2(6)との平均値,R2(7)とR2(8)との平均値である。位置Jの場合にラインメモリLM1に書き込まれた計算後画像データMIDは、最初の画素から順に、R3(3),G3(5),B3(7)である。
y=0のとき振動制御信号生成部165で生成した制御用信号FCSによりラインセンサが位置Hであり、かつ次の位置が位置Jの場合を図11に示す。このとき、色要素計算部162は、以下の画像データRy(x),Gy(x),By(x)に対応する計算後画像データMIDを順次メモリ制御部163へ出力する。
位置Hの場合には、R、G及びBの画像データRy(x),Gy(x),By(x)は、それぞれp=0,・・・,(M−2)/2において、次のようになる。
{R2p(6n+7)+R2p(6n+8)}/2,n=0,・・・,(N−12)/6
{G2p(6n+3)+G2p(6n+4)}/2,n=0,・・・,(N−6)/6
{B2p(6n+5)+B2p(6n+6)}/2,n=0,・・・,(N−12)/6
図11では、例えば、p=0でn=0の場合には、画像データRy(x)はR0(7)とR0(8)との平均値である。画像データGy(x)はG0(3)とG0(4)との平均値である。画像データBy(x)はB0(5)とB0(6)との平均値である。
位置Jの場合には、R、G及びBの画像データRy(x),Gy(x),By(x)は、それぞれq=0,・・・,(M−4)/4において、次のようになる。
R4q+1(6n+3),n=0,・・・,(N−6)/6
G4q+1(6n+5),n=0,・・・,(N−12)/6
B4q+1(6n+7),n=0,・・・,(N−12)/6
図11では、例えば、p=0でn=0の場合には、画像データRy(x)はR1(3)である。画像データGy(x)はG1(5)である。画像データBy(x)はB1(7)である。
位置Iの場合には、R、G及びBの画像データRy(x),Gy(x),By(x)は、それぞれq=0,・・・,(M−4)/4において、次のようになる。
R4q+3(6n+6),n=0,・・・,(N−12)/6
G4q+3(6n+8),n=0,・・・,(N−12)/6
B4q+3(6n+4),n=0,・・・,(N−6)/6
図11では、例えば、q=0でn=0の場合には、画像データRy(x)はR3(6)である。画像データGy(x)はG3(8)である。画像データBy(x)はB3(4)である。
メモリ制御部163は、位置I又は位置Jの場合には、ラインメモリ164のラインメモリLM1へ、色要素計算部162の出力である計算後画像データMIDを書き込む。メモリ制御部163は、位置Hの場合には、ラインメモリ164のラインメモリLM2へ色要素計算部162の出力である計算後画像データMIDを書き込む。この場合には、ラインメモリLM1及びラインメモリLM2の書き込み結果は、図12のようになる。
図12は、ラインメモリ164の書き込み結果を示す模式図である。図12においては、ラインメモリLM1のR、G又はBの画像データの下には、ラインメモリLM1に記憶されるラインセンサで読み取られた画像データの座標を記載している。ラインセンサで読み取られた画像データの座標は、yライン目及びx画素目の画素であることを(y,x)と表記している。
また、図12においては、ラインメモリLM2のR、G又はBの画像データの下には、ラインメモリLM2に記憶されるラインセンサで読み取られた画像データの座標を記載している。ラインメモリLM2には、ラインセンサで読み取られた画像データの隣接する同色の画素データの平均値が記憶される。このため、yライン目のx画素目の画素とyライン目のx+1画素目の画素とを加算(平均)した値であることを示すために(y,x)+(y,x+1)と表記している。
図12では、例えば、位置Jの場合にラインメモリLM1に書き込まれた計算後画像データMIDは、最初の画素から順に、R1(3),G1(5),B1(7)である。位置Hの場合にラインメモリLM2に書き込まれた計算後画像データMIDは、最初の画素から順に、G2(3)とG2(4)との平均値,B2(5)とB2(6)との平均値,R2(7)とR2(8)との平均値である。位置Iの場合にラインメモリLM1に書き込まれた計算後画像データMIDは、最初の画素から順に、B3(4),R3(6),G3(8)である。
メモリ制御部163は、色要素計算部162から入力する計算後画像データMIDをラインメモリ164へ書込画像データWIDとして出力する。書込画像データWIDは、ラインメモリ164のメモリアドレス0,・・・,(N−4)/2−1へと順次格納されて行く。ラインメモリLM2は、ラインセンサが位置Hにある場合、色要素計算部162から入力する書込画像データWIDを書き込む。また、ラインメモリLM2は、ラインセンサが位置I又は位置Jにある場合、読出画像データRIDを読み出す。ラインメモリLM1は、ラインセンサが位置I又は位置Jにある場合、先に読出画像データRIDを読み出してから色要素計算部162から入力する書込画像データWIDを書き込む。
色要素計算部162から出力された計算後画像データMIDと、ラインメモリ164のラインメモリLM1及びラインメモリLM2から読み出された読出画像データRIDとは、メモリ制御部163を介して画像生成部161から出力される。
なお、図12を例とした場合、R1(3)、G2(3)とG2(4)との平均値及びB3(4)が出力画像データの赤、緑及び青の3つ色要素からなる1単位にあたる。副走査方向における次の出力画像データの1単位は、B3(4)、G4(3)とG4(4)との平均値及びR5(3)である。R5(3)は、図12において表されている最も下のラインのその直下の図示されないラインのデータである。上記のように本発明は、2画素以上の幅で振動し、主走査方向に1画素おきに間引いた画像データと、隣り合う2画素の平均を取った画像データと、主走査方向に1画素おきに間引いた画像データとを出力画像データの1単位としている。出力画像データの1単位は、ラインメモリ164のラインメモリLM1及びラインメモリLM2から読み出す動作を2回行うことにより得られる。
画像生成部161から出力された画像データは、信号処理部16から出力画像データOIDとして外部へ出力される。
色要素計算部162から出力された書込画像データWIDと、ラインメモリ164のラインメモリLM1及びラインメモリLM2から読み出された読出画像データRIDとは、メモリ制御部163を介して画像生成部161から出力される。画像生成部161から出力された画像データは、信号処理部16から出力画像データOIDとして外部へ出力される。
前述した本発明は、(N−4)/2ワードのラインメモリを2本要する構成としたが、Nワードのラインメモリを3本使用し、色要素計算部162の処理をラインメモリから読出した後の処理としても良い。ただし、必要とするメモリの容量が増加する。また、ラインメモリをフレームメモリに置き換えても良い。
本発明は、カラーフィルタを3色としたものであるが、高画質・色再現性を高めるため、4色以上用いた構成としても良い。
上記のような構成とすることで、3ラインセンサ読取装置のように補間処理を読取装置に実装する必要が無い。このため、読取装置制御のための信号処理回路の規模を軽減することが出来る。
また、各LEDの点灯タイミングを制御する信号処理を読取装置に実装する必要が無いため、読取装置制御のための信号処理回路の規模を軽減することが出来る。
さらなる利点として、1ラインセンサのみで構成できることにより、3ラインセンサの3分の1の大きさで画像読取装置1が実現できる。これにより、読取装置の規模を軽減することが出来る。
なお、本発明の実施の形態においては、イメージセンサの位置によっては画像データRyの平均値を用いていたが、平均値を取らずに平均値の計算に用いた2つの画像データのどちらかとしてもよい。
実施の形態2.
次に、この発明の実施の形態2を図に基づいて説明する。実施の形態2における画像読取装置1は、基板14を主走査方向に3画素以上の幅で振動させる点が、基板14を主走査方向に2画素以上の幅で振動させる実施の形態1とは異なる。
本発明による画像処理方法が適用される画像読取装置1の構成は、実施の形態1と同じ図1により示される。また、カラーフィルタ21,22,23は、実施の形態1と同じ図2のように実装される。実施の形態1と同じ動作を行う部分については、説明を省略する。
図13は、ラインセンサの副走査方向の位置と主走査方向の移動との関係を示す模式図である。図14は、ラインセンサの副走査方向及び主走査方向の位置と読み取られる画像データ上の各画素の座標との関係を示す模式図である。図13は、実施の形態1における図3に対して、主走査方向に移動する位置が異なる。同様に、図14は、実施の形態1における図4に対して、主走査方向に移動する位置が異なる。図13及び図14を用いて、1本のラインセンサによる画像の読取について説明する。
図13に示すように、位置Hは、ラインセンサのX軸方向(主走査方向)における基準位置を示している。位置Hは、例えば、第一の位置である。位置Iは、ラインセンサが位置Hから―X軸方向へ1.5画素分だけ移動した位置である。位置Iは、例えば、第二の位置である。位置Jは、ラインセンサが位置Hから+X軸方向へ1.5画素分だけ移動した位置である。位置Jは、例えば、第三の位置である。図13は、実施の形態1において図3が主走査方向に2画素以上の幅でラインセンサを振動させていることに対して、主走査方向に3画素以上の幅でラインセンサを振動させた場合の例である。
本発明の画像読取装置1は、イメージセンサ13を備えた基板14を有する。また、画像読取装置1は、基板14を主走査方向に3画素以上の幅で振動させる図示しない振動機構を有する。具体的には、図1において、基板14が、静止している基準位置(位置H)から+X方向に1.5画素移動(位置J)し、−X方向に1.5画素移動(位置I)する機能を有する。
図13における位置Hは、図3と同様に、ラインセンサのX軸方向における基準位置を示している。原稿20の読取りを開始する直前におけるラインセンサのX軸方向における位置は、位置Hである。位置Iは、ラインセンサが位置Hから―X軸方向へ1.5画素分だけ移動した位置である。位置Jは、ラインセンサが位置Hから+X軸方向へ1.5画素分だけ移動した位置である。
以下、原稿20の読取りを開始する直前のラインセンサの主走査方向の位置は、位置Hであり、ラインセンサが副走査方向に1ライン移動する毎に、実施の形態1と同様に、主走査方向の位置が位置I、位置H、位置J、そして位置Hの順に移動する。そして、原稿20の読取りが終了するまで、ラインセンサは副走査方向に1ライン移動するたびに、上記の主走査方向の移動を繰り返す。
本ラインセンサにより読み取られる画像データについて、図14を用いて説明する。図14は、y=0のとき、ラインセンサが位置Iである場合のラインセンサの副走査方向及び主走査方向の位置と読み取られる画像データ上の各画素の座標との関係を示す。また、図14は、実施の形態1においてラインセンサが副走査方向に1ライン移動する毎に、主走査方向に1画素分移動することを示した図4に対して、ラインセンサが副走査方向に1ライン移動する毎に、主走査方向に1.5画素分移動することを示している。図14の各カラーフィルタ21,22,23の下に付した座標は、図4と同様に、読み取られる画像データ上の画素の位置を示している。位置Hにおける最初の画素の座標は、図4と同様に、x=1、つまり1番目の画素であるとする。位置Iにおける最初の画素の座標は、図4においては、x=0、つまり0番目の画素であることに対し、図14においては、x=−0.5、つまり−0.5番目の画素である。また、位置Iにおける最初の画素の次の画素の座標は、図4においては、x=1、つまり1番目の画素であることに対し、図14においては、x=0.5、つまり0.5番目の画素である。
実施の形態1と同様に、副走査方向のyライン目及び主走査方向のx画素目におけるデジタル画像データDIDの赤色、緑色及び青色に相当する画像データを、それぞれ、Ry(x)、Gy(x)及びBy(x)として表現する。実施の形態2において、0ライン目かつラインセンサが位置Iの場合に得られた、―0.5画素から(N−1.5)画素までのデジタル画像データDIDは、図14に示すように、次のようになる。
R0(−0.5),R0(0.5),G0(1.5),G0(2.5),B0(3.5),B0(4.5),
・・・,R0(N−6.5),R0(N−5.5),G0(N−4.5),G0(N−3.5),B0(N−2.5),B0(N−1.5)
同様に、1ライン目かつラインセンサが位置Hの場合に得られた、1画素からN画素までのデジタル画像データDIDは、図14に示すように、次のようになる。
R1(1),R1(2),G1(3),G1(4),B1(5),B1(6),
・・・,R1(N−5),R1(N−4),G1(N−3),G1(N−2),
B1(N−1),B1(N)
同様に、2ライン目かつラインセンサが位置Jの場合に得られた、2.5画素から(N+1.5)画素までのデジタル画像データDIDは、図14に示すように、次のようになる。
R2(2.5),R2(3.5),G2(4.5),G2(5.5),B2(6.5),B2(7.5),
・・・,R2(N−3.5),R2(N−2.5),G2(N−1.5),G2(N−0.5),B2(N+0.5),B2(N+1.5)
上記のように、原稿20の読取りが終わるまで、1ライン毎にラインセンサが主走査方向に位置を変えて、原稿20の読取りを続ける。実施の形態1と同様に、読取りの画像データ1単位に対して1ライン毎に1つの色要素のみ読み取られる。
図14では、例えば、0ライン目の3.5画素目は、青色(B)要素のみ読み取られている。位置Iの座標(0,3.5)の位置である。また、2ライン目の3.5画素目は、赤色(R)要素のみ読み取られている。位置Jの座標(2,3.5)の位置である。
本発明における信号処理部16の構成は、実施の形態1と同じ図5により示される。
画像生成部161の色要素計算部162は、以下の画像データRy(x),Gy(x),By(x)に対応する計算後画像データMIDを順次メモリ制御部163へ出力する。図14を用いて、ラインセンサで読み取られた画像データから計算後画像データMIDを作成する方法を説明する。上述のように、座標(y,x)は、ラインセンサで読み取られた画像データ上の座標である。また、以下の説明において、例えば、計算後画像データMIDの座標(0,1)は、副走査方向が0ライン目で主走査方向が1画素目を示している。
まず、計算後画像データMIDの0ライン目について説明する。計算後画像データMIDの座標(0,0)は、画素B0(3.5)、画素G1(3)と画素G1(4)との平均値及び画素R2(3.5)で構成される。計算後画像データMIDの座標(0,1)は、画素R0(5.5)、画素B1(5)と画素B1(6)との平均値及び画素G2(5.5)で構成される。計算後画像データMIDの座標(0,2)は、画素G0(7.5)、画素R1(7)と画素R1(8)との平均値及び画素B2(7.5)で構成される。
次に、計算後画像データMIDの1ライン目について説明する。計算後画像データMIDの座標(1,0)は、画素R2(3.5)、画素G3(3)と画素G3(4)との平均値及び画素B4(3.5)で構成される。計算後画像データMIDの座標(1,1)は、画素G2(5.5)、画素B3(5)と画素B3(6)との平均値及び画素R4(5.5)で構成される。計算後画像データMIDの座標(1,2)は、画素B2(7.5)、画素R3(7)と画素R3(8)との平均値及び画素G4(7.5)で構成される。
このように、計算後画像データMIDの1ラインは、ラインセンサで読み取られた画像データの3ラインから作成される。図14では、位置Hを中心として、副走査方向の位置Hの前後の位置I及び位置Jの3ラインで作成されている。
位置Iの場合には、R、G及びBの画像データRy(x),Gy(x),By(x)は、それぞれq=0,・・・,(M−4)/4において、次のようになる。上述のようにラインセンサが4つの位置を移動する動作を繰り返すため、yの値は、4回ごとに繰り返される。つまり、図14では、位置Iは、0ライン目の次は、4ライン目となっている。
R4q(6n+5.5),n=0,・・・,(N−12)/6
G4q(6n+7.5),n=0,・・・,(N−12)/6
B4q(6n+3.5),n=0,・・・,(N−6)/6
図14では、例えば、q=0でn=0の場合には、画像データRy(x)はR0(5.5)である。画像データGy(x)はG0(7.5)である。画像データBy(x)はB0(3.5)である。
上記のように、画像データR4q(6n+5.5),G4q(6n+7.5),B4q(6n+3.5)は、順次、メモリ制御部163へ出力される。
位置Hの場合には、R、G及びBの画像データRy(x),Gy(x),By(x)は、それぞれp=0,・・・,(M−2)/2において、次のようになる。上述のようにラインセンサが4つの位置を移動する動作を繰り返すうち、2ライン毎に位置Hの位置に移動するため、yの値は、2回ごとに繰り返される。つまり、図14では、位置Hは、1ライン目の次は、3ライン目となっている。上述のように、位置Hでは、隣接する2つの同色の画素値の平均値を使用している。
{R2p+1(6n+7)+R2p+1(6n+8)}/2,
n=0,・・・,(N−12)/6
{G2p+1(6n+3)+G2p+1(6n+4)}/2,
n=0,・・・,(N−6)/6
{B2p+1(6n+5)+B2p+1(6n+6)}/2,
n=0,・・・,(N−12)/6
図14では、例えば、p=0でn=0の場合には、画像データRy(x)はR1(7)とR1(8)との平均値である。画像データGy(x)はG1(3)とG1(4)との平均値である。画像データBy(x)はB1(5)とB1(6)との平均値である。
つまり、位置Hの場合には、R、G及びBの画像データは、隣り合う同じ色の画像データを平均化した値となる。
位置Jの場合には、R、G及びBの画像データRy(x),Gy(x),By(x)は、それぞれq=0,・・・,(M−4)/4において、次のようになる。上述のようにラインセンサが4つの位置を移動する動作を繰り返すため、yの値は、4回ごとに繰り返される。つまり、図14では記載されていないが、位置Jは、2ライン目の次は、6ライン目となっている。
R4q+2(6n+3.5),n=0,・・・,(N−6)/6
G4q+2(6n+5.5),n=0,・・・,(N−12)/6
B4q+2(6n+7.5),n=0,・・・,(N−12)/6
図14では、例えば、q=0でn=0の場合には、画像データRy(x)はR2(3.5)である。画像データGy(x)はG2(5.5)である。画像データBy(x)はB2(7.5)である。
メモリ制御部163は、位置I又は位置Jの場合には、ラインメモリ164のラインメモリLM1へ、色要素計算部162の出力である計算後画像データMIDを書き込む。メモリ制御部163は、位置Hの場合には、ラインメモリ164のラインメモリLM2へ色要素計算部162の出力である計算後画像データMIDを書き込む。この場合には、ラインメモリLM1及びラインメモリLM2の書き込み結果は、図15のようになる。
図15は、ラインメモリ164の書き込み結果を示す模式図である。実施の形態2における図15は、実施の形態1における図6に対応した図である。図15における画像データの下の座標の表記の方法も図6と同様である。
図15では、例えば、位置Iの場合にラインメモリLM1に書き込まれた計算後画像データMIDは、最初の画素から順に、B0(3.5),R0(5.5),G0(7.5)である。位置Hの場合にラインメモリLM2に書き込まれた計算後画像データMIDは、最初の画素から順に、G1(3)とG1(4)との平均値,B1(5)とB1(6)との平均値,R1(7)とR1(8)との平均値である。位置Jの場合にラインメモリLM1に書き込まれた計算後画像データMIDは、最初の画素から順に、R2(3.5),G2(5.5),B2(7.5)である。
上述の通り、図13は、実施の形態1における図3に対して、主走査方向に移動する位置が異なり、同様に、図14は、実施の形態1における図4に対して、主走査方向に移動する位置が異なる。基板14が、静止している基準位置(位置H)から+X方向に1.5画素移動(位置J)し、−X方向に1.5画素移動(位置I)することにより、計算後画像データMIDを構成する画素、または画素と画素との平均値で計算後画像データMIDを構成する場合は、2つの画素の中心の位置とが一直線上に並ぶ。振動の幅の単位が0.5画素となり振動の制御が実施の形態1の場合に比べて、振動の精度が必要になるが、主走査方向の画素位置、又は二画素の中心位置が、一直線上に並ぶ。主走査方向におけるR、G及びBの画像データを読み取る位置がより近いことにより、R、G及びBの画像データを読み取る位置が離れている場合に比べて、読み取られる画像データがより正確である。
実施の形態3.
図16は、本発明による画像処理方法が適用される画像読取装置1の構成を示した構成図である。図16においては、イメージセンサ13がフィルタ部13aと検出部13bとを有する。実施の形態1における図1では、イメージセンサ13が主走査方向に移動(振動)することに対して、図16では、フィルタ部13aが主走査方向に移動(振動)する点が異なる。実施の形態1と同じ動作を行う部分については、説明を省略する。
図16におけるフィルタ部13aとは、検出部13bの上部に実装されるカラーフィルタ21,22,23である。実施の形態1において説明したカラーフィルタ21,22,23と、実施の形態3におけるフィルタ部13aのカラーフィルタ21,22,23とでは、イメージセンサ13全体が移動(振動)するか、フィルタ部13aが移動(振動)し検出部13bが移動(振動)しない点を除き、カラーフィルタ21,22,23の色の配列の順番等の説明は同様である。また、本発明の画像読取装置1は、イメージセンサ13上に実装されるフィルタ部13aを主走査方向に移動(振動)させるため、図示しない振動機構を有している。本発明の画像読取装置1は、信号処理部16から制御用信号FCSを出力し、振動機構制御部17に入力させる。振動機構制御部17は、イメージセンサ13を主走査方向に移動(振動)させるための振動制御信号VCSを、図示しない振動機構へ出力する。
図16では、固定された原稿20に対してイメージセンサ13が副走査方向に移動する構成を示している。つまり、イメージセンサ13が副走査方向に移動して画像を読み取る構成である。なお、画像読取装置1が固定されており、原稿20が+Y軸方向から−Y軸方向に搬送される場合も、原稿20と画像読取装置1の相対的な関係は同様であるため、本発明に含まれる。
図16では、イメージセンサ13の副走査方向の移動方向を方向Fで示す。方向Fは、+Y軸方向と同じである。また、図16では、フィルタ部13aの主走査方向の移動(振動)方向を方向Vで示す。方向Vは、+X軸方向と同じである。
本発明のイメージセンサ13に実装されているフィルタ部13aであるカラーフィルタの構成は、実施の形態1と同じ図2により示される。カラーフィルタ21,22,23は、図2のように配列される。図2のように配列されたカラーフィルタ21,22,23を有するフィルタ部13aは、検出部13bの上に実装されている。フィルタ部13a及び検出部13bは、イメージセンサ13を構成している。イメージセンサ13は、主走査方向に複数配列されてラインセンサを形成している。イメージセンサ13は、基板14上に実装されている。
実施の形態1における図3は、実施の形態3におけるカラーフィルタの副走査方向の位置と主走査方向の移動との関係も示す模式図である。実施の形態1における図4は、実施の形態3におけるカラーフィルタの副走査方向及び主走査方向の位置と読み取られる画像データ上の各画素の座標との関係も示す模式図である。図3及び図4は、実施の形態1においては、移動(振動)する対象であるイメージセンサ13全体(ラインセンサ)の位置関係を示していたが、実施の形態3においては、移動(振動)する対象であるフィルタ部13a(カラーフィルタ21,22,23)の位置関係を示している。実施の形態1において説明したカラーフィルタ21,22,23と、実施の形態3におけるフィルタ部13aのカラーフィルタ21,22,23とでは、イメージセンサ13全体が移動(振動)するか、フィルタ部13aが移動(振動)し検出部13bが移動(振動)しない点を除き、カラーフィルタ21,22,23の色の配列の順番等の説明は同様である。
実施の形態1においては、イメージセンサ13全体が移動(振動)していたが、上記のように本実施の形態においては、フィルタ部13aが移動(振動)し検出部13bが移動(振動)しない構成とすることで、センサの水平方向へのぶれがなくなり、読取る画像データの水平解像度を向上することが出来る。
また、移動(振動)する対象が、イメージセンサ13全体ではなくフィルタ部13aのみとなるため、省電力化を図ることが出来る。
実施の形態4.
次に、この発明の実施の形態4を図に基づいて説明する。実施の形態4における画像読取装置1は、1画素ごとにカラーフィルタ21,22,23の色が置き換わる構成である点が、隣接する2画素に同色のフィルタを並べた実施の形態1とは異なる。
本発明による画像処理方法が適用される画像読取装置1の構成は、実施の形態1と同じ図1により示される。実施の形態1と同じ動作を行う部分については、説明を省略する。
図17を用いて本発明のイメージセンサ13に実装されているカラーフィルタについて説明する。図17は、カラーフィルタ21,22,23の構成図である。実施の形態4においても実施の形態1と同様に、イメージセンサ13は、主走査方向に複数配列されてラインセンサを形成している。また、イメージセンサ13は、基板14上に実装されている。
図17は、実施の形態1における図2と同様に、各々のイメージセンサ13に実装されたカラーフィルタの構成を示し、図17と図2とは、色の配列の順番が異なる。
図17に示すように、3色のカラーフィルタ21,22,23は、主走査方向に順次色が変わるよう実装される。例えば、図18では、色の配列の順番は、「赤(R),緑(G),青(B)」である。しかし、色の配列の順番は、これに限られない。例えば、色の配列の順番は、「赤(R),青(B),緑(G)」であっても良い。また、色の配列の順番は、「緑(G),赤(R),青(B)」であっても良い。また、色の配列の順番は、「緑(G),青(B),赤(R)」であっても良い。また、色の配列の順番は、「青(B),緑(G),赤(R)」であっても良い。また、色の配列の順番は、「青(B),赤(R),緑(G)」であっても良い。以下においては、色の配列の順番は、「赤(R),緑(G),青(B)」として説明する。
次に、図18及び図19を用いて、1本のラインセンサによる画像の読取について説明する。1本のラインセンサは、複数のイメージセンサ13が主走査方向に並べて基板14上に配置されたものである。図18は、実施の形態1における図3と同様に、ラインセンサの副走査方向の位置と主走査方向の移動との関係を示す模式図である。図19は、実施の形態1における図4と同様に、ラインセンサの副走査方向及び主走査方向の位置と読み取られる画像データ上の各画素の座標との関係を示す模式図である。
図18に示すように、位置Hは、ラインセンサのX軸方向(主走査方向)における基準位置を示している。位置Hは、例えば、第一の位置である。位置Iは、ラインセンサが位置Hから―X軸方向へ1画素分だけ移動した位置である。位置Iは、例えば、第二の位置である。位置Jは、ラインセンサが位置Hから+X軸方向へ1画素分だけ移動した位置である。位置Jは、例えば、第三の位置である。
本発明の画像読取装置1は、イメージセンサ13を備えた基板14を有する。また、画像読取装置1は、基板14を主走査方向に2画素以上の幅で振動させる図示しない振動機構を有する。具体的には、図1において、基板14が、静止している基準位置(位置H)から+X方向に1画素移動(位置J)し、−X方向に1画素移動(位置I)する機能を有する。
本ラインセンサにより読み取られる画像データについて、図19を用いて説明する。図19の各カラーフィルタ21,22,23の下に付した座標は、読み取られる画像データ上の画素の位置を示している。位置(x)は、主走査方向の画素の位置である。位置(y)は、副走査方向の画素の位置である。つまり、座標(y,x)は、ラインセンサで読み取られた画像データ上の画素の座標を示している。副走査方向の画素の位置は、画像を読み取るラインセンサとしては「ライン」として表わされる。なお、この座標は、(y,x)で表されている。つまり、yライン目及びx画素目の画素であることを(y,x)と表記している。ラインセンサの各画素には、1つのカラーフィルタ21,22,23が実装されているので、画素の位置とカラーフィルタ21,22,23の位置とは同じである。図19では、カラーフィルタ21,22,23はR、G又はBで表されている。
図19は、y=0のとき、ラインセンサが位置Iである場合のラインセンサの副走査方向及び主走査方向の位置と読み取られる画像データ上の各画素の座標との関係を示す。y=1のとき、ラインセンサは位置Hに移動する。y=2のとき、ラインセンサは位置Jに移動する。y=3のとき、ラインセンサは位置Hに移動する。この後は、ラインセンサは上記の4つの主走査方向の位置を移動する動作を繰り返す。
いま、副走査方向のyライン目及び主走査方向のx画素目におけるデジタル画像データDIDの赤色、緑色及び青色に相当する画像データを、それぞれ、Ry(x)、Gy(x)及びBy(x)として表現する。つまり、副走査方向のyライン目及び主走査方向のx画素目におけるデジタル画像データDIDの赤色に相当する画像データを、Ry(x)として表現する。副走査方向のyライン目及び主走査方向のx画素目におけるデジタル画像データDIDの緑色に相当する画像データを、Gy(x)として表現する。副走査方向のyライン目及び主走査方向のx画素目におけるデジタル画像データDIDの青色に相当する画像データを、By(x)として表現する。この場合には、0ライン目かつラインセンサが位置Iの場合に得られた、0画素から(N−1)画素までのデジタル画像データDIDは、図19に示すように、次のようになる。
R0(0),G0(1),B0(2),R0(3),G0(4),B0(5),
・・・,R0(N−3),G0(N−2),B0(N−1)
同様に、1ライン目かつラインセンサが位置Hの場合に得られた、1画素からN画素までのデジタル画像データDIDは、図19に示すように、次のようになる。
R1(1),G1(2),B1(3),R1(4),G1(5),B1(6),
・・・,R1(N−2),G1(N−1),B1(N)
同様に、2ライン目かつラインセンサが位置Jの場合に得られた、2画素から(N+1)画素までのデジタル画像データDIDは、図19に示すように、次のようになる。
R2(2),G2(3),B2(4),R2(5),G2(6),B2(7),
・・・,R2(N−1),G2(N),B2(N+1)
上記のように、原稿20の読取りが終わるまで、1ライン毎にラインセンサが主走査方向に位置を変えて、原稿20の読取りを続ける。本来、カラー画像を生成するためには、画像データ1単位に対し1ライン毎に赤、緑及び青の3つ色要素が必要である。しかし、本発明では、読取りの画像データ1単位に対して1ライン毎に1つの色要素のみ読み取られる。つまり、色要素が間引かれて読み取られる。
図19では、例えば、0ライン目の2画素目は、青色(B)要素のみ読み取られている。位置Iの座標(0,2)の位置である。また、2ライン目の2画素目は、赤色(R)要素のみ読み取られている。位置Jの座標(2,2)の位置である。
信号処理部16の構成は、実施の形態1における図5と同じ構成である。信号処理部16は、画像生成部161及び振動制御信号生成部165を備える。画像生成部161は、色要素計算部162、メモリ制御部163及びラインメモリ164を備える。ラインメモリ164は、ラインメモリLM1及びラインメモリLM2を備える。
y=0のとき振動制御信号生成部165で生成した制御用信号FCSによりラインセンサが位置Iであった場合を図19に示す。このとき、色要素計算部162は、以下の画像データRy(x),Gy(x),By(x)に対応する計算後画像データMIDを順次メモリ制御部163へ出力する。
次に、図19を用いて、ラインセンサで読み取られた画像データから計算後画像データMIDを作成する方法を説明する。上述のように、座標(y,x)は、ラインセンサで読み取られた画像データ上の座標である。また、以下の説明において、例えば、計算後画像データMIDの座標(0,1)は、副走査方向が0ライン目で主走査方向が1画素目を示している。
まず、計算後画像データMIDの0ライン目について説明する。計算後画像データMIDの座標(0,0)は、画素B0(2)、画素G1(2)及び画素R2(2)で構成される。計算後画像データMIDの座標(0,1)は、画素R0(3)、画素B1(3)及び画素G2(3)で構成される。計算後画像データMIDの座標(0,2)は、画素G0(4)、画素R1(4)及び画素B2(4)で構成される。
次に、計算後画像データMIDの1ライン目について説明する。計算後画像データMIDの座標(1,0)は、画素R2(2)、画素G3(2)及び画素B4(2)で構成される。計算後画像データMIDの座標(1,1)は、画素G2(3)、画素B3(3)及び画素R4(3)で構成される。計算後画像データMIDの座標(1,2)は、画素B2(4)、画素R3(4)及び画素G4(4)で構成される。
このように、計算後画像データMIDの1ラインは、ラインセンサで読み取られた画像データの3ラインから作成される。図19では、位置Hを中心として、副走査方向の位置Hの前後の位置I及び位置Jの3ラインで作成されている。そのため、ラインセンサで読み取られた画像データが、色要素を間引かれて読み取られた画像データであっても、計算後画像データMIDをカラー画像とすることができる。
各位置H,I,Jで、ラインセンサで読み取られた画像データの内、計算後画像データMIDで使用される画素を記載する。以下に使用する符合p,q,nは、0を含む正の整数である。
まず、y=0のとき振動制御信号生成部165で生成した制御用信号FCSによりラインセンサが位置Iであった場合を図19に示す。このとき、色要素計算部162は、以下の画像データRy(x),Gy(x),By(x)に対応する計算後画像データMIDを順次メモリ制御部163へ出力する。
位置Iの場合には、R、G及びBの画像データRy(x),Gy(x),By(x)は、それぞれq=0,・・・,(M−4)/4において、次のようになる。上述のようにラインセンサが4つの位置を移動する動作を繰り返すため、yの値は、4回ごとに繰り返される。つまり、図19では、位置Iは、0ライン目の次は、4ライン目となっている。
R4q(3n+3),n=0,・・・,(N−6)/3
G4q(3n+4),n=0,・・・,(N−6)/3
B4q(3n+2),n=0,・・・,(N−3)/3
図19では、例えば、q=0でn=0の場合には、画像データRy(x)はR0(3)である。画像データGy(x)はG0(4)である。画像データBy(x)はB0(2)である。
上記のように、画像データR4q(3n+3),G4q(3n+4),B4q(3n+2)は、順次、メモリ制御部163へ出力される。
位置Hの場合には、R、G及びBの画像データRy(x),Gy(x),By(x)は、それぞれp=0,・・・,(M−2)/2において、次のようになる。上述のようにラインセンサが4つの位置を移動する動作を繰り返すうち、2ライン毎に位置Hの位置に移動するため、yの値は、2回ごとに繰り返される。つまり、図19では、位置Hは、1ライン目の次は、3ライン目となっている。
R2q+1(3n+4),n=0,・・・,(N−6)/3
G2q+1(3n+2),n=0,・・・,(N−3)/3
B2q+1(3n+3),n=0,・・・,(N−6)/3
図19では、例えば、p=0でn=0の場合には、画像データRy(x)はR1(4)である。画像データGy(x)はG1(2)である。画像データBy(x)はB1(3)である。
位置Jの場合には、R、G及びBの画像データRy(x),Gy(x),By(x)は、それぞれq=0,・・・,(M−4)/4において、次のようになる。上述のようにラインセンサが4つの位置を移動する動作を繰り返すため、yの値は、4回ごとに繰り返される。つまり、図19では記載されていないが、位置Jは、2ライン目の次は、6ライン目となっている。
R4q+2(3n+2),n=0,・・・,(N−3)/3
G4q+2(3n+3),n=0,・・・,(N−6)/3
B4q+2(3n+4),n=0,・・・,(N−6)/3
図19では、例えば、q=0でn=0の場合には、画像データRy(x)はR2(2)である。画像データGy(x)はG2(3)である。画像データBy(x)はB2(4)である。
メモリ制御部163は、位置I又は位置Jの場合には、ラインメモリ164のラインメモリLM1へ、色要素計算部162の出力である計算後画像データMIDを書き込む。メモリ制御部163は、位置Hの場合には、ラインメモリ164のラインメモリLM2へ色要素計算部162の出力である計算後画像データMIDを書き込む。この場合には、ラインメモリLM1及びラインメモリLM2の書き込み結果は、図20のようになる。
なお、図20のようなラインメモリLM1,LM2を用いたのは、ラインメモリLM1,LM2に交互に読み取られたラインデータを新たに記憶させるためである。このため、1つの画像データを記憶できるメモリがある場合には、ラインセンサで読み取られた2次元の画像データ全体を記憶して、計算後画像データMIDを作成することもできる。
図20は、ラインメモリ164の書き込み結果を示す模式図である。図20においては、ラインメモリLM1のR、G又はBの画像データの下には、ラインメモリLM1に記憶されるラインセンサで読み取られた画像データの座標を記載している。ラインセンサで読み取られた画像データの座標は、yライン目及びx画素目の画素であることを(y,x)と表記している。
また、図20においては、ラインメモリLM2のR、G又はBの画像データの下には、ラインメモリLM2に記憶されるラインセンサで読み取られた画像データの座標を記載している。
図20では、例えば、位置Iの場合にラインメモリLM1に書き込まれた計算後画像データMIDは、最初の画素から順に、B0(2),R0(3),G0(4)である。位置Hの場合にラインメモリLM2に書き込まれた計算後画像データMIDは、最初の画素から順に、G1(2),B1(3),R1(4)である。位置Jの場合にラインメモリLM1に書き込まれた計算後画像データMIDは、最初の画素から順に、R2(2),G2(3),B2(4)である。
画像生成部161から出力された画像データは、信号処理部16から出力画像データOIDとして外部へ出力される。
色要素計算部162から出力された書込画像データWIDと、ラインメモリ164のラインメモリLM1及びラインメモリLM2から読み出された読出画像データRIDとは、メモリ制御部163を介して画像生成部161から出力される。画像生成部161から出力された画像データは、信号処理部16から出力画像データOIDとして外部へ出力される。
実施の形態1においては、計算後画像データMIDの座標(0,0)は、画素B0(4)、画素G1(3)と画素G1(4)との平均値及び画素R2(3)で構成される。計算後画像データMIDの座標(0,1)は、画素R0(6)、画素B1(5)と画素B1(6)との平均値及び画素G2(5)で構成される。つまり、実施の形態1においては、主走査方向の2画素毎に、計算後画像データMIDの1画素が出力された。これに対し、実施の形態4においては、計算後画像データMIDの座標(0,0)は、画素B0(2)、画素G1(2)及び画素R2(2)で構成される。計算後画像データMIDの座標(0,1)は、画素R0(3)、画素B1(3)及び画素G2(3)で構成される。つまり、実施の形態4においては、主走査方向の1画素毎に、計算後画像データMIDの1画素が出力された。
本実施の形態では、カラーフィルタ21,22,23の構成を図17のようにすることによって、実施の形態1の場合に対して主走査方向の解像度を2倍に向上させることが出来る。実施の形態1の場合に対してデータ量が多いのでより正確な信号処理が可能である。表示の際には、副走査方向との解像度に差があるため、フィルタ処理などにより主走査方向と副走査方向との解像感を調整するなどの後処理をすることが望ましい。
なお、以上のように本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限るものではない。