JP2016006044A - 水性製剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、プラノプロフェン及び/又はその塩とビタミンB12類を含む水性製剤において、ビタミンB12類の光安定性を向上させる製剤技術を提供することである。【解決手段】プラノプロフェン及び/又はその塩とビタミンB12類を含む水性製剤において、マクロゴール及び/又はキサンタンガムを含有させることによって、ビタミンB12類の光曝露による分解が抑制され、光安定性が向上する。【選択図】なし

Description

本発明は、プラノプロフェン及び/又はその塩とビタミンB12類を含みながらも、ビタミンB12類の光安定性を向上させた水性製剤に関する。また、本発明は、プラノプロフェン及び/又はその塩とビタミンB12類を含む水性製剤において、ビタミンB12類を光安定化させる方法に関する。
プラノプロフェン及び/又はその塩は、炎症や痛みの原因となるプロスタグランジンの生合成を抑制する作用があり、眼科分野では、眼の充血や痒み等の症状の緩和や、眼瞼炎、結膜炎、上強膜炎を含む強膜炎、術後の炎症、前眼部ブドウ膜炎等の予防又は治療の目的で広く使用されている。一方、プラノプロフェン及び/又はその塩は、水性製剤中で光曝露を受けると、分解され易いという欠点がある。そのため、プラノプロフェン及び/又はその塩を含む水性製剤には、プラノプロフェン及び/又はその塩の光に対する安定性を改善することが求められている。
従来、水性製剤中でプラノプロフェン及び/又はその塩に光安定性を付与する製剤技術が種々提案されている。例えば、特許文献1には、ビタミンB12類によってプラノプロフェン/又はその塩の光安定化が図られることが開示されている。特許文献2には、眼科用剤において、プラノプロフェンと共に、ビタミンB2、ビタミンB12又はビタミンEを配合することによって、プラノプロフェンの光劣化による沈殿を抑制できることが開示されている。また、特許文献3には、点眼剤において、プラノプロフェンと共に、シアノコバラミンを配合することによって、プラノプロフェンの光安定化が図られることが開示されている。更に、特許文献4には、水性液剤において、プラノプロフェンと共に、亜硫酸水素塩類、ベルベリン類、シアノコバラミン、又はアズレンスルホン酸ナトリウムを配合することによって、プラノプロフェンの光安定化が図られることが開示されている。
一方、ビタミンB12類には疲れ目や眼精疲労の改善等の薬理作用も知られており、水性製剤にプラノプロフェン及び/又はその塩とビタミンB12類を配合することによって、プラノプロフェン及び/又はその塩の光安定性の向上と共に、プラノプロフェン及び/又はその塩とビタミンB12類による複合的な薬理作用も期待され、有益な製剤の提供が可能になる。しかしながら、従来、水性製剤にプラノプロフェン及び/又はその塩とビタミンB12類を共存させた際のビタミンB12類の安定性については検討されていない。
特開2005-314353号公報 特開2005-247799号公報 特開2005-247777号公報 特開2005-15368号公報
本発明者は、プラノプロフェン及び/又はその塩とビタミンB12類を含む水性製剤の実用化に向けて検討を行ったところ、水性製剤中で、ビタミンB12類はプラノプロフェン及び/又はその塩と共存すると、光曝露を受けて分解され易く、光安定性が著しく低下するという新たな課題に直面した。プラノプロフェン及び/又はその塩とビタミンB12類を含む水性製剤中で、ビタミンB12類が光不安定化されて分解すると、ビタミンB12類に基づく薬理作用が減弱されるばかりか、プラノプロフェン及び/又はその塩の光安定性の低下を引き起こすことにもなる。
このようなビタミンB12類の光不安定化という課題は、従来技術では把握されておらず、その解決手段についても一切明らかにされていない。そこで、本発明は、プラノプロフェン及び/又はその塩とビタミンB12類を含む水性製剤において、ビタミンB12類の光安定性を向上させる製剤技術を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、プラノプロフェン及び/又はその塩とビタミンB12類を含む水性製剤において、マクロゴール及び/又はキサンタンガムを含有させることによって、ビタミンB12類の光曝露による分解が抑制され、光安定性が向上することを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて更に検討を重ねることによって完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. (A)プラノプロフェン及び/又はその塩と、(B)ビタミンB12類と、(C)マクロゴール及び/又はキサンタンガムとを含有することを特徴とする、水性製剤。
項2. 前記(B)成分が、シアノコバラミンである、項1に記載の水性製剤。
項3. 前記(C)成分が、マクロゴールである、項1又は2に記載の水性製剤。
項4. 前記(C)成分が、マクロゴール4000である、項1〜3のいずれかに記載の水性製剤。
項5. 前記(C)成分が、キサンタンガムである、項1又は2に記載の水性製剤。
項6. 前記(C)成分の濃度が、0.001〜10w/v%である、項1〜5のいずれかに記載の水性製剤。
項7.pHが、5.0〜9.0である、項1〜6のいずれかに記載の水性製剤。
項8. 点眼剤である、項1〜7のいずれかに記載の水性製剤。
項9. (A)プラノプロフェン及び/又はその塩と、(B)ビタミンB12類とを含む水性製剤において、(C)マクロゴール及び/又はキサンタンガムを配合することを特徴とする、ビタミンB12類の光安定化方法。
項10.(A)プラノプロフェン及び/又はその塩と、(B)ビタミンB12類と、(C)マクロゴール及び/又はキサンタンガムとを配合する工程を含む、水性製剤の製造方法。
本発明によれば、プラノプロフェン及び/又はその塩とビタミンB12類を含んでいながら、ビタミンB12類の光安定性を向上させ、ビタミンB12類の含有量を経時的に安定に維持することができる。また、本発明によれば、ビタミンB12類の光安定性が向上しているので、プラノプロフェン及び/又はその塩の光による分解も抑制でき、プラノプロフェン及び/又はその塩とビタミンB12類による複合的な薬理作用を発揮することができる。
1.水性製剤
本発明の水性製剤は、(A)プラノプロフェン及び/又はその塩と、(B)ビタミンB12類と、(C)マクロゴール及び/又はキサンタンガムとを含有することを特徴とする。以下に、本発明の水性製剤について詳述する。
本発明において、水性製剤とは、水を基剤として含む製剤である。また、本明細書において、各成分の濃度の単位「w/v%」は、第十六改正日本薬局方における質量対容量百分率を示し、g/100mLと同義である。また、本発明において、ビタミンB12類の光安定化又は光安定性の向上とは、水性製剤中で、プラノプロフェン及び/又はその塩の存在下で光曝露を受けることによるビタミンB12類の分解が抑制されることを意味する。
本発明の水性製剤は、プラノプロフェン及び/又はその塩(以下、(A)成分と表記することもある)を含有する。プラノプロフェンとは、α−メチル−5H−[1]ベンゾピラノ[2,3−b]ピリジン−7−酢酸とも称され、眼科分野では消炎作用を有することが知られている公知の化合物である。
プラノプロフェンの塩としては、薬学的に許容されることを限度として特に制限されないが、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩等の金属塩;トリエチルアミン塩、ジエチルアミン塩、モルホリン塩、ピペラジン塩等の有機塩基塩等が挙げられる。これらのプラノプロフェンの塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の水性製剤において、プラノプロフェン及びその塩の中から、1種を選択して単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。プラノプロフェン及びその塩の中でも、好ましくはプラノプロフェンが挙げられる。
本発明の水性製剤において、(A)成分の濃度については、該水性製剤の用途等に応じて適宜設定されるが、例えば、0.001〜0.5w/v%、好ましくは0.01〜0.2w/v%、更に好ましくは0.01〜0.1w/v%が挙げられる。
また、本発明の水性製剤は、ビタミンB12類(以下、(B)成分と表記することもある)を含有する。本発明の水性製剤において、ビタミンB12類は、プラノプロフェン及び/又はその塩の光安定性の向上に寄与すると共に、疲れ眼や眼精疲労の改善作用を発揮する。
ビタミンB12類とは、コリン環にコバルトが配位した構造を有する化合物であり、具体的には、シアノコバラミン、メコバラミン、ヒドロキソコバラミン、アデノシルコバラミン、塩酸ヒドロキソコバラミン、酢酸ヒドロキソコバラミン等が挙げられる。
本発明の水性製剤において、ビタミンB12類は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。ビタミンB12類の中でも、より一層効果的に光安定性を向上させるという観点から、好ましくはシアノコバラミン、メコバラミン、酢酸ヒドロキソコバラミン、更に好ましくはシアノコバラミンが挙げられる。
本発明の水性製剤において、(B)成分の濃度については、該水性製剤の用途等に応じて適宜設定されるが、例えば、0.0002〜0.1w/v%、好ましくは0.002〜0.05w/v%、更に好ましくは0.004〜0.02w/v%が挙げられる。
また、本発明の水性製剤は、前記プラノプロフェン及び/又はその塩とビタミンB12類に加えて、マクロゴール及び/又はキサンタンガム(以下、(C)成分と表記することもある)を含有する。このように、マクロゴール及び/又はキサンタンガムを含有させることによって、プラノプロフェン及び/又はその塩の存在下で引き起こされるビタミンB12類の光曝露による分解を抑制でき、ビタミンB12類の光安定性を向上させることが可能になる。
マクロゴールは、ポリエチレングリコールとも称される化合物である。マクロゴールは、平均分子量によって、マクロゴール200、マクロゴール300、マクロゴール400、マクロゴール600、マクロゴール1000、マクロゴール1500、マクロゴール1540、マクロゴール4000、マクロゴール6000、マクロゴール20000、マクロゴール35000等が知られている。本発明の水性製剤では、これらのマクロゴールのいずれを使用してもよく、これらのマクロゴールの中から1種単独で使用しても、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのマクロゴールの中でも、ビタミンB12類の光安定性をより一層効果的に向上させるという観点から、好ましくはマクロゴール4000、マクロゴール6000、更に好ましくはマクロゴール4000が挙げられる。
また、キサンタンガムは、グルコース、マンノース、及びグルクロン酸を構成単糖として含む多糖類であり、キサントモナス属の微生物を用いて炭水化物を発酵させることによって得られることが知られている。
本発明の水性製剤において、(C)成分として、マクロゴール又はキサンタンガムのいずれかを使用してもよく、これらを組み合わせて使用してもよい。(C)成分の中でも、ビタミンB12類の光安定性をより一層効果的に向上させるという観点から、好ましくはマクロゴール単独、又はマクロゴールとキサンタンガムの組み合わせが挙げられる。
本発明の水性製剤において、(C)成分の濃度については、特に制限されず、(C)成分の種類等に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.001〜10w/v%、好ましくは0.005〜5w/v%が挙げられる。ビタミンB12類の光安定性をより一層効果的に向上させるという観点から、(C)成分の種類毎の濃度の好ましい範囲として範囲が挙げられる。
マクロゴールを使用する場合:好ましくは0.005〜5w/v%、更に好ましくは0.01〜2w/v%、特に好ましくは0.05〜1w/v%。
キサンタンガムを使用する場合:好ましくは0.005〜1w/v%、更に好ましくは0.02〜0.5w/v%、特に好ましくは0.05〜0.3w/v%。
また、本発明の水性製剤には、前記(A)〜(C)成分の他に、緩衝作用を備えさせるために緩衝剤が含まれていてもよい。緩衝剤としては、特に制限されないが、例えば、ホウ酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酒石酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、Tris緩衝剤、アミノ酸(グルタミン酸等)等が挙げられる。これらの緩衝剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの緩衝剤の中でも、ホウ酸緩衝剤(ホウ酸及びホウ砂)は、プラノプロフェン及び/又はその塩を溶解可能なpH域で緩衝能を有しており、本発明において好適に使用される。
本発明の水性製剤において、緩衝剤の濃度については、使用する緩衝剤の種類に応じて所望の緩衝作用を付与できる範囲で適宜設定すればよいが、例えば、0.001〜5w/v%、好ましくは0.05〜3w/v%、更に好ましくは0.1〜2w/v%が挙げられる。
本発明の水性製剤には、上記成分の他に、当該水性製剤の用途に応じて、薬理成分を含有することができる。使用される薬理成分については、特に制限されないが、例えば、血管収縮剤、抗コリンエステラーゼ剤、抗炎症薬、角膜上皮障害治療薬、消炎鎮痛薬、化学療法薬、抗菌薬、抗ウイルス薬、ホルモン薬、ビタミン薬、アミノ酸類、抗白内障薬、血管新生抑制薬、免疫抑制薬、プロテアーゼ阻害薬、アルドース還元酵素阻害薬、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤、不安薬、抗精神薬、抗生物質、抗腫瘍薬、抗高脂血症薬、鎮咳・去痰薬、筋弛緩薬、抗てんかん薬、抗潰瘍薬、抗うつ薬、強心薬、不整脈治療薬、血管拡張薬、高圧利尿薬、糖尿病治療薬、抗結核薬、麻酔拮抗薬、皮膚疾患用薬、歯科口腔用薬、診断用薬、公衆衛生用薬等の従来公知の薬理成分から適宜選択して用いることができる。
これらの薬理成分の中でも、点眼剤、洗眼剤、点鼻剤、点耳剤等の眼科又は耳鼻科分野で使用される製剤である場合、具体的には、イプシロンアミノカプロン酸、ブロムフェナク、ケトロラクトロメタミン、ネパフェナク、ベルベリン塩化物、硫酸ベルベリン、アズレンスルホン酸ナトリウム、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、リゾチーム塩酸塩等の消炎剤;ジフェンヒドラミン塩酸塩等の抗ヒスタミン剤;ケトチフェンフマル酸塩、アシタザノラスト、アンレキサノクス、ペミロラストカリウム、トラニラスト、イブジラスト等の抗アレルギー剤;ノルフロキサシン、オフロキサシン、ロメフロキサシン、レボフロキサシン、ゲンタマイシン、ガチフロキサシン等の抗菌剤;アスコルビン酸、フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、ピリドキシン塩酸塩、トコフェロール酢酸エステル、レチノール酢酸エステル、レチノールパルミチン酸エステル、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム等のビタミン類;アスパラギン酸、タウリン、コンドロイチン硫酸エステルナトリウム等のアミノ酸類;ネオスチグミンメチル硫酸塩等の抗コリンエステラーゼ剤;ナファゾリン、テトラヒドロゾリン、エピネフリン、エフェドリン、フェニレフリン、dl−メチルエフェドリン等の血管収縮剤;ヒアルロン酸ナトリウム等の角結膜上皮障害治療薬;スルファジアジン、スルフィソキサゾール、スルフィソミジン、スルファジメトキシン、スルファメトキシピリダジン、スルファメトキサゾール、スルファエチドール、スルファメトミジン、スルファフェナゾール、スルファグアニジン、フタリルスルファチアゾール、スクシニルスルファチアゾール等のサルファ剤等が挙げられる。ここで例示する化合物は、薬学的に許容されることを限度として、塩の形態であっても、他の塩の形態であってもよい。
これらの薬理成分の含有量については、薬理成分の種類や液剤の用途等に応じて適宜設定される。
また、本発明で使用される液剤には、前記成分の他に、必要に応じて、等張化剤、溶解補助剤、粘性基剤、キレート剤、清涼化剤、pH調整剤、防腐剤、安定化剤、界面活性剤等の添加剤を含有してもよい。
等張化剤としては、ソルビトール、グルコース、マンニトール等の糖類;グリセリン、プロピレングリコール等の多価アルコール類;塩化ナトリウム等の塩類;ホウ酸等が挙げられる。これらの等張化剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
溶解補助剤としては、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、チロキサポール、プルロニック等の非イオン性界面活性剤;グリセリン等の多価アルコール等が挙げられる。これらの溶解補助剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
粘性基剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、コンドロイチン硫酸エステルナトリウム、アルギン酸又はその塩、ヒアルロン酸ナトリウム等の水溶性高分子;ヒプロメロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム等のセルロース類等が挙げられる。これらの粘性基剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
キレート剤としては、例えば、エデト酸塩、クエン酸又はその塩等が挙げられる。これらのキレート剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
清涼化剤としては、例えば、l−メントール、ボルネオール、カンフル、ユーカリ油等が挙げられる。これらの清涼化剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
pH調整剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ホウ砂等のアルカリ;酢酸、クエン酸、塩酸、リン酸、酒石酸、ホウ酸等の酸が挙げられる。
防腐剤としては、例えば、ソルビン酸又はその塩、安息香酸又はその塩、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、クロロブタノール、クロルヘキシジングルコン酸塩、ホウ酸、デヒドロ酢酸又はその塩、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、塩化亜鉛、パラクロルメタキシレノール、クロルクレゾール、フェネチルアルコール、塩化ポリドロニウム、チメロサール、ポリヘキサメチレンビグアニド等が挙げられる。これらの防腐剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
安定化剤としては、例えば、ポリビニルピロリドン、亜硫酸塩、モノエタノールアミン、グリセリン、プロピレングリコール、シクロデキストリン、デキストラン、アスコルビン酸、エデト酸塩、タウリン、トコフェロール等が挙げられる。これらの安定化剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
界面活性剤としては、例えば、チロキサポール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、オクトキシノール等の非イオン性界面活性剤;アルキルジアミノエチルグリシン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等の両性界面活性剤;アルキル硫酸塩、N−アシルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩等の陰イオン界面活性剤;アルキルピリジニウム塩、アルキルアミン塩等の陽イオン界面活性剤等が挙げられる。これらの界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの添加剤の濃度については、添加剤の種類や水性製剤の用途等に応じて適宜設定される。
本発明で使用される液剤の用途についても、特に制限されず、例えば、医薬、コンタクトレンズケア用品等が挙げられる。医薬としては、具体的には、点眼剤(コンタクトレンズ装用時でも点眼可能なコンタクトレンズ用点眼剤を含む)、洗眼剤等の眼科用液剤;点鼻剤、点耳剤等の耳鼻科用液剤;内服剤、注射剤、外用剤等が挙げられる。また、コンタクトレンズケア用品としては、具体的には、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズ用マルチパーパスソリューション等が挙げられる。これらの液剤の用途の中でも、好ましくは、眼科用液剤、耳鼻科用液剤、及びコンタクトレンズケア用品、更に好ましくは点眼剤が挙げられる。
本発明の水性製剤の形態としては、水を基剤として含むものであればよく、例えば、水溶液状、懸濁液状、乳液状等のいずれであってもよいが、好ましくは水溶液状が挙げられる。
また、本発明の水性製剤のpHについては、特に制限されず、当該水性製剤の用途等に応じて適宜設定すればよいが、例えば5.0〜9.0、好ましくは5.5〜8.5、より好ましくは6.5〜8.5、更に好ましくは7.0〜8.0が挙げられる。
本発明の水性製剤の用途についても、特に制限されず、例えば、医薬、コンタクトレンズケア用品等が挙げられる。医薬としては、具体的には、点眼剤(コンタクトレンズ装用時でも点眼可能なコンタクトレンズ用点眼剤を含む)、洗眼剤等の眼科用液剤;点鼻剤、点耳剤等の耳鼻科用液剤;内服剤、注射剤、外用剤等が挙げられる。また、コンタクトレンズケア用品としては、具体的には、コンタクトレンズ装着液、コンタクトレンズ用マルチパーパスソリューション等が挙げられる。これらの水性製剤の用途の中でも、好ましくは、眼科用液剤、耳鼻科用液剤、及びコンタクトレンズケア用品、更に好ましくは点眼剤が挙げられる。
本発明の水性製剤は、その形態や用途等に応じて、自体公知の調製法に従って製造すればよく、例えば、水、生理食塩水等の水性基剤に各成分を配合することによって調製できる。例えば、医薬である場合には、第十六改正日本薬局方 製剤総則に記載された方法を用いて製造することができる。
2.光安定化方法
また、本発明は、(A)プラノプロフェン及び/又はその塩と、(B)ビタミンB12類とを含む水性製剤において、(C)マクロゴール及び/又はキサンタンガムを配合することを特徴とする、ビタミンB12類の光安定化方法を提供する。当該光安定化方法は、(A)プラノプロフェン及び/又はその塩と(B)ビタミンB12類とを含む水性製剤におけるビタミンB12類の光安定性を向上させる上で有用である。
本発明の光安定化方法において、使用されるプラノプロフェン及び/又はその薬学的に許容される塩の種類や濃度ビタミンB12類の種類や濃度、マクロゴール及び/又はキサンタンガムの種類や濃度、水性製剤に配合される薬理成分や添加剤の種類、水性製剤のpH、水性製剤の製剤形態や用途等については、前記「1.水性製剤」の欄に記載の通りである。
以下に、実施例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。以下の試験例において、プラノプロフェンはエーピーアイコーポレーション製、シアノコバラミンはDMSニュートリションジャパン製、マクロゴールは日油製のマクロゴール4000、及びキサンタンガムはDSP五協フード&ケミカル製のエコーガムTを使用した。なお、試験例3は、参考試験例1と試験例1及び2とは異なる日に試験を実施した。
参考試験例1
表1に示す各成分を常法により混合することによって、水性製剤を調製した。得られた水性製剤5mlを5ml容量の無色透明ガラスアンプルに充填して、照度を3,000lxに設定した光安定性試験装置(LT−120A−WCD、ナガノサイエンス株式会社製)内に入れて、総照度が600,000lx・hrになるまで保存した。保存前後の水性製剤中のビタミン類濃度を液体クロマトグラフィーにて測定し、下記式に従って、ビタミン類の残存率(%)を算出した。
Figure 2016006044
得られた結果を表1に示す。フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム、ピリドキシン塩酸塩、及びパンテノールについては、プラノプロフェンの有無が残存率に大きく影響していなかった(参考例1〜6)。一方、シアノコバラミンは、プラノプロフェンの非存在下では、光安定性が極めて優れていたが、プラノプロフェンとの共存下では、保存後の残存率が大幅に低下していた(参考例7及び比較例1)。これらの結果から、ビタミンB12類は、他のビタミン類と異なり、プラノプロフェンとの共存下で、光安定性が著しく低下して分解され易くなるという特性があることが明らかとなった。
Figure 2016006044
試験例1
表2に示す各成分を常法により混合することによって、水性製剤を調製した。得られた水性製剤について、総照度を400,000lx・hrに変更したこと以外は、前記参考試験例1と同様の方法で、保存後のシアノコバラミンの残存率を求めた。
得られた結果を表2に示す。この結果から、プラノプロフェンとシアノコバラミンを含む水性製剤において、マクロゴール又はキサンタンガムを含有させた場合には、シアノコバラミンの残存率が大幅に高くなり、シアノコバラミンの光安定性が格段に向上することが明らかになった(実施例1及び2)。とりわけ、マクロゴールを使用した場合には、プラノプロフェン存在下でのシアノコバラミンの光安定性が飛躍的に向上することが明らかとなった(実施例1)。一方、ヒドロキシエチルセルロースを使用した場合には、プラノプロフェン存在下でのシアノコバラミンの光安定性に殆ど影響を与えなかった(比較例2)。また、ヒアルロン酸ナトリウム、ネオスチグミンメチル硫酸塩、又はタウリンを使用した場合には、プラノプロフェン存在下でのシアノコバラミンの光安定性が低下していた(比較例3〜5)。
Figure 2016006044
試験例2
表3に示す各成分を常法により混合することによって、水性製剤を調製した。得られた水性製剤について、総照度を400,000lx・hrに変更したこと以外は、前記参考試験例1と同様の方法で、保存後のシアノコバラミンの残存率を求めた。
得られた結果を表3に示す。この結果から、0.05〜1w/v%のマクロゴール、又は0.05〜0.3w/v%のキサンタンガムによって、プラノプロフェン存在下でのシアノコバラミンの光安定性を効果的に向上させ得ることが確認された(実施例1〜9)。
Figure 2016006044
試験例3
表4に示す各成分を常法により混合することによって、水性製剤を調製した。得られた水性製剤について、総照度を400,000lx・hrに変更したこと以外は、前記参考試験例1と同様の方法で、保存後のシアノコバラミンの残存率を求めた。
得られた結果を表4に示す。この結果から、眼科用液剤やコンタクトレンズケア用品等で通常採用されているpH範囲内であれば、マクロゴール及び/又はキサンタンガムによってシアノコバラミンの光安定性が向上することが確認された(実施例10〜22)。更に、マクロゴールとキサンタンガムを併用することによって、シアノコバラミンの光安定性が格段に向上することも確認された(実施例22)。

Figure 2016006044

Claims (7)

  1. (A)プラノプロフェン及び/又はその塩と、(B)ビタミンB12類と、(C)マクロゴール及び/又はキサンタンガムとを含有することを特徴とする、水性製剤。
  2. 前記(B)成分が、シアノコバラミンである、請求項1に記載の水性製剤。
  3. 前記(C)成分が、マクロゴールである、請求項1又は2に記載の水性製剤。
  4. 前記(C)成分が、マクロゴール4000である、請求項1〜3のいずれかに記載の水性製剤。
  5. 前記(C)成分の濃度が、0.001〜10w/v%である、請求項1〜4のいずれかに記載の水性製剤。
  6. 点眼剤である、請求項1〜5のいずれかに記載の水性製剤。
  7. (A)プラノプロフェン及び/又はその塩と、(B)ビタミンB12類とを含む水性製剤において、(C)マクロゴール及び/又はキサンタンガムを配合することを特徴とする、ビタミンB12類の光安定化方法。
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