JP2016006043A - 新規キノン誘導体およびそれを有効成分とする抗トリパノソーマ剤 - Google Patents
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Abstract
Description
現在、世界では1億人にシャ−ガス病への感染のリスクがあると言われており、患者数はおよそ800万人、年間12,000人が死亡していると推定されている。また、シャーガス病
による身体への障害などによる失業や収益の低下は社会的かつ経済的に大きな損失を生んでいる。
慢性期は、初期感染の10〜25年後に多く見られ、心臓疾患や消化器疾患、神経系疾患や臓器の肥大化などの深刻な症状に陥る。一般的な症状としては、胸の痛みや動悸、めまいや末梢浮腫が挙げられ、ひどい場合には心筋症をおこすまで悪化し、不整脈や血栓塞栓症、心臓麻痺などにより死に至る。
が挙げられ、ニフルチモックスの場合は、消化障害(上腹部での腹部の痛み、吐き気と嘔吐、食欲不振、体重減少)を、ベンズニダゾールの場合は、血液疾患と過敏性の皮膚炎を引き起こすことがある。他にも、治療に長い期間(30〜90日)を要することや、小児には使用できず、妊娠中は禁忌であるということ、専門的知識を持った医師によるモニタリングの必要性などが問題点として挙げられている。
近年、細胞性粘菌Dictyostelium discoideumの柄細胞分化誘導因子(Differentiation-inducing factor)及びその誘導体がトリパノソーマの感染や増殖を阻害する効果を有す
ることが分かった(特許文献1)。また、本発明者らにより、キノン構造を有するkomaroviquinoneが抗トリパノソーマ活性を有することが発見された(非特許文献1)。
らには、細胞毒性が低いため、既存薬であるベンズニダゾールに比べて副作用の低減効果を奏する。本発明のキノン誘導体は、血液中での形態(トリポマスティゴート)および細胞内に侵入して増殖する形態(アマスティゴート)のいずれに対しても有効であり、抗トリパノソーマ剤及びトリパノソーマ症治療薬としては大変優れた薬剤である。
本発明の化合物は、式(1)で表される化合物又はその薬学的に許容される塩である。
のアルキル基、炭素数1〜10(好ましくは1〜5)のアルコキシ基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキルオキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルケニルオキシ基、炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数2〜5のアルキニルオキシ基、アミノ基、又は炭素数1〜10のアルキルチオ基を表す。好ましくは、R1は炭素数が1〜10のアルコキシ基を表す。
R2は水素原子、ハロゲン、炭素数1〜10(好ましくは1〜5)のアルキル基、炭素
数1〜10(好ましくは1〜5)のアルコキシ基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキルオキシ基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルケニルオキシ基、炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数2〜5のアルキニルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリール基、又はヘテロアリールオキシ基を表す。好ましくは、R2は炭素数1〜10のアルキル基を表す。
R3は水素原子、炭素数1〜10(好ましくは1〜5)のアルキル基、炭素数3〜10
のシクロアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールオキシ基、炭素数1〜10のアルコキシ基、環状アミノ基、環状アミド基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルケニルオキシ基、炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数2〜5のアルキニルオキシ基、式(2)で示されるR31、式(3)で示されるR32、式(4)で示されるR33、式(5)で示されるR34、又は式(6)で示されるR35表す。
R4は水素原子、ハロゲン、又は、炭素数1〜10(好ましくは1〜5)のアルキル基
を表す。好ましくは、R4は水素原子を表す。
ル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、又は、アリール基を表す。R312は炭素数1
〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、又は、アリール基を表し、R311及びR312は結合して環を形成してもよい。
式(3)において、R321は水素原子、炭素数1〜10(好ましくは1〜5)のアルキ
ル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、アリール基、又は、ヘテロアリール基を表す。R322は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基
、アリール基、又は、ヘテロアリール基を表す。
式(4)において、R331は水素原子、炭素数1〜10(好ましくは1〜5)のアルキ
ル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、アリール基、又は、ヘテロアリール基を表す。R332は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基
、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基、アリール基、又は、ヘテロアリール基を表す。
式(5)において、R341は炭素数1〜10(好ましくは1〜5)のアルキル基、アリ
ール基、ヘテロアリール基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基を表す。R342は水素原子、又は炭素数1〜1
0のアルキル基を表す。
式(6)において、R351は、炭素数1〜10(好ましくは1〜5)のアルキル基、炭
素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表す。R352は、水素原子、炭素数1
〜10のアルキル基を表す。
R1で表されるアルキル基は、1又は2以上の置換基を有していてもよく、分岐してい
てもよい。好ましい置換基としては、フッ素原子、アリール基、ヘテロアリール基が挙げ
られる。
R1で表されるアルコキシ基は1又は2以上の置換基を有していてもよく、分岐してい
てもよい。好ましい置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、又は、非芳香族複素環等が挙げられる。R1で表
されるアルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、n‐プロポキシ基、イソプロポキシ基、n‐ブトキシ基等が挙げられる。
R1で表されるアルケニル基、アルケニルオキシ基、アルキニル基、アルキニルオキシ
基、は、置換基として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、又は炭素数3〜6のシクロアルキル基を有していてもよい。
R1で表されるアミノ基は、置換基として、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6
のシクロアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数2〜6のアルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基を有していてもよく、前記置換基としてのアルケニル基は、さらに置換基として、ハロゲン化されていてもよいフェニル基又はピリジル基を有していてもよい。
R1として好ましいものは、水素、ハロゲン、炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素
数1〜10のアルコキシ基が挙げられる。
キシ基である。
R2で表されるアルコキシ基又はアルキル基は、1又は2以上の置換基を有していても
よく、分岐していてもよい。好ましい置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基等が挙げられる。R2で表される
アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、n‐プロポキシ基、イソプロポキシ基、n‐ブトキシ基等が挙げられる。R2で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル
基、n‐プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
R2で表されるアルケニル基、アルケニルオキシ基、アルキニル基、又はアルキニルオ
キシ基は、1又は2以上の置換基を有していてもよく、分岐していてもよい。好ましい置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基が挙げられる。
数1〜10のアルコキシ基が挙げられる。
イソプロピル基である。
よく、分岐していてもよい。好ましい置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数1〜6のアルキル基、環状アミン、環状アミド、アリール基、ヘテロアリール基等が挙げられる。R3で表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n‐プロピル基、
イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。R3で表されるア
ルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n‐プロポキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。
R3で表されるシクロアルキル基は、1又は2以上の置換基を有していてもよい。好ま
しい置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6の
アルコキシ基、炭素数1〜6のアルキル基等が挙げられる。R3で表されるシクロアルキ
ル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
R3で表されるシクロアルキルオキシ基は、1又は2以上の置換基を有していてもよい
。好ましい置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基等が挙げられる。R3で表されるシクロアルキルオキシ基としては、シ
クロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、又はシクロオクチルオキシ基が挙げられる。
R3で表されるアルケニル基、アルケニルオキシ基、アルキニル基、又はアルキニルオ
キシ基は、置換基として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、アリール基又はヘテロアリール基を有していてもよい。
R3で表されるヘテロアリール基としては、ピリジル基、ピリミジル基、イミダゾリル
基、トリアゾリル基等が挙げられる。
置換基R311及びR312で表されるシクロアルキル基は1又は2以上の置換基を有していてもよく、1又は2以上の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキル基等が挙げられる。R311
及びR312で表されるシクロアルキル基としては、それぞれ独立して、シクロプロピル基
、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
置換基R311及びR312で表されるアリール基は1又は2以上の置換基を有していてもよく、1又は2以上の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキル基等が挙げられる。R311及びR312で表されるアリール基としては、それぞれ独立して、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
また、R311及びR312は、結合して環構造を形成していてもよい。
いてもよく、1又は2以上の置換基を有していてもよく、1又は2以上の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキル基等が挙げられる。R321で表されるアルキル基としては、メチル基
、エチル基、n‐プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
置換基R321で表されるシクロアルキル基は、1又は2以上の置換基を有していてもよ
く、1又は2以上の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキル基等が挙げられる。R321で表さ
れるシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
置換基R321で表されるアリール基は、1又は2以上の置換基を有していてもよく、1
又は2以上の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキル基等が挙げられる。R321で表されるア
リール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
置換基R321で表されるヘテロアリール基は、1又は2以上の置換基を有していてもよ
く、1又は2以上の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキル基等が挙げられる。置換基R321
で表されるヘテロアリール基としては、ピリジル基、ピリミジル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基等が挙げられる。
いてもよく、1又は2以上の置換基を有していてもよく、1又は2以上の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキル基等が挙げられる。R322で表されるアルキル基としては、メチル基
、エチル基、n‐プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
置換基R322で表されるシクロアルキル基は、1又は2以上の置換基を有していてもよ
く、1又は2以上の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基等が挙げられる。R322で表されるシクロアルキル基として
は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
置換基R322で表されるアリール基は、1又は2以上の置換基を有していてもよく、1
又は2以上の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキル基等が挙げられる。R322で表されるア
リール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
置換基R322で表されるヘテロアリール基は、1又は2以上の置換基を有していてもよ
く、1又は2以上の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキル基等が挙げられる。置換基R322
で表されるヘテロアリール基としては、ピリジル基、ピリミジル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基等が挙げられる。
ていてもよく、1又は2以上の置換基を有していてもよく、1又は2以上の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキル基等が挙げられる。R331で表されるアルキル基としては、メチル
基、エチル基、n‐プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
置換基R331で表されるシクロアルキル基は、1又は2以上の置換基を有していてもよ
く、1又は2以上の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキル基等が挙げられる。R331で表さ
れるシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
置換基R331で表されるアリール基は、1又は2以上の置換基を有していてもよく、1
又は2以上の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキル基等が挙げられる。R331で表されるア
リール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
置換基R331で表されるヘテロアリール基は、1又は2以上の置換基を有していてもよ
く、1又は2以上の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキル基等が挙げられる。置換基R331
で表されるヘテロアリール基としては、ピリジル基、ピリミジル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基等が挙げられる。
ていてもよく、1又は2以上の置換基を有していてもよく、1又は2以上の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキル基等が挙げられる。R332で表されるアルキル基としては、メチル
基、エチル基、n‐プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
置換基R332で表されるシクロアルキル基は、1又は2以上の置換基を有していてもよ
く、1又は2以上の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、
炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキル基等が挙げられる。R332で表さ
れるシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
置換基R332で表されるアリール基は、1又は2以上の置換基を有していてもよく、1
又は2以上の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキル基等が挙げられる。R332で表されるア
リール基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
置換基R332で表されるヘテロアリール基は、1又は2以上の置換基を有していてもよ
く、1又は2以上の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキル基等が挙げられる。R332で表さ
れるヘテロアリール基としては、ピリジル基、ピリミジル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基等が挙げられる。
ていてもよく、1又は2以上の置換基を有していてもよく、1又は2以上の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキル基等が挙げられる。R341で表されるアルキル基としては、メチル
基、エチル基、n‐プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。
ていてもよく、1又は2以上の置換基を有していてもよく、1又は2以上の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキル基等が挙げられる。R351で表されるアルキル基としては、メチル
基、エチル基、n‐プロピル基、イソプロピル基等が挙げられる。R351で表されるアル
ケニル基又はアルキニル基は、置換基としてアリール基又はヘテロアリール基を有していてもよい。
ポキシ基、又はシクロヘキシルオキシ基が挙げられる。
R4で表されるアルキル基は直鎖であって、1又は2以上の置換基を有していてもよい
。好ましい置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。R4で表
されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n‐プロピル基等が挙げられる。
し、R2は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R3は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキルオキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェノキシ基、ピリジルオキシ基、一般式(2)で示されるR31、一般式(3)で示されるR32、又は、一般式(4)で示されるR33を表し、R4は水素原子を表す。
表し、R2は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R3は一般式(3)で示されるR32(R321はフェニルなどのアリール基、R322はトリアゾリルなどのヘテロアリール基)、又は、一般式(4)で示されるR33(R331はフェニルなどのアリール基、R332はトリアゾリルなどのヘテロアリール基)を表し、R4は水素原子を表す。
酸塩等)、あるいは、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等の金属塩、アンモニウム塩などが挙げられる。なお、式(1)の化合物は水和物であってもよい。
本発明の化合物又はその薬学的に許容できる塩を有効成分として含む本発明の医薬組成物は、静脈内投与、皮下投与、直腸投与などの非経口的投与の他、経口投与、経粘膜投与、又は経皮投与により適用可能である。
本発明の化合物又はその薬理学的に許容できる塩は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法などにより異なり特に制限されないが、例えば、患者(体重60kgとして)に対して一日につき約0.1〜5g、好ましくは約0.1〜1g、より好ましくは約0.1〜0.5gである。
以下、化合物A〜Sの合成方法について記載する。
5‐(シクロヘキシルメチル)‐2‐イソプロピル‐3‐メトキシシクロヘキサ‐2,5‐ジエン‐1,4‐ジオン(化合物A)の合成方法
0mg)のTHF(0.5mL)溶液を氷冷し、シクロヘキシルマグネシウムブロミド(2.0M ジエチルエーテル溶液、0.5mL)を加え、徐々に室温に戻しながら終夜撹拌した。1Mの塩酸水溶液を加えて、酢酸エチルで3回抽出した。合わせた抽出溶液を硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過し、ろ液を濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィーで精製することにより1‐(シクロヘキシルメチル)‐4‐イソプロピル‐2,3,5‐トリメトキシベンゼン(36mg、収率24%)を得た。
1‐(シクロヘキシルメチル)‐4‐イソプロピル‐2,3,5‐トリメトキシベンゼン(30mg)のアセトニトリル(3.9mL)溶液に、氷冷下にて硝酸二アンモニウムセリウム(CAN)水溶液(0.2M,1.15mL)を加え、そのままの温度で1時間撹拌した。水を加えて酢酸エチルで3回抽出し、合わせた抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製することにより5‐(シクロヘキシルメチル)‐2‐イソプロピル‐3‐メトキシシクロヘキサ‐2,5‐ジエン‐1,4‐ジオン(21mg、収率78%)を得た。
1H‐NMR(CDCl3,500MHz)
6.38(1H,s),3.94(3H,s),3.21(sept,J=7.3Hz,1H),2.25(d,J=7.0Hz,2H),1.61‐1.72(m,5H),1.43‐1.53(m,1H),1.25‐1.11(m,3H),1.20(d,J=7.3Hz,6H),0.97‐0.87(m,2H)
13C‐NMR(CDCl3,125MHz)
188.32,184.40,156.30,145.77,137.63,133.90,61.07,37.01,36.47,33.33,26.36,26.20,24.61,20.60
IR(neat,cm-1)
2924,1653,1649,1273
HRMS
C19H28NO3(M+CH3CN+H+)計算値:318.2064,測定値318.20
67
5‐ヘプチル‐2‐イソプロピル‐3‐メトキシシクロヘキサ‐2,5‐ジエン‐1,4‐ジオン(化合物B)の合成方法
1‐ヘプチル‐4‐イソプロピル‐2,3,5‐トリメトキシベンゼン(30mg)のアセトニトリル(2.6mL)溶液に、氷冷下にて硝酸二アンモニウムセリウム(CAN)水溶液(0.2M,0.78mL)を加え、そのままの温度で1時間撹拌した。水を加えて酢酸エチルで3回抽出し、合わせた抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。
ろ液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製することにより5‐ヘプチル‐2‐イソプロピル‐3‐メトキシシクロヘキサ‐2,5‐ジエン‐1,4‐ジオン(14mg、収率76%)を得た。
1H‐NMR(CDCl3,500MHz)
6.40(s,1H),3.94(s,3H),3.21(sept,J=7.3Hz,1H),2.35(t,J=7.8Hz,2H),1.51‐1.44(m,2H),1.37‐1.22(m,8H),1.20(d,J=7.3Hz,6H),0.87(t,J=7.5Hz,3H)
13C‐NMR(CDCl3,125MHz)
188.40,184.31,156.31,147.36,137.66,132.78,61.05,31.78,29.37,29.08,28.54,27.83,24.60,22.70,20.59,14.15
IR(neat,cm-1)
2930,1653,1271
HRMS
C19H30NO3(M+CH3CN+H+)計算値:320.2220,測定値320.22
29
5‐ベンジル‐2‐イソプロピル‐3‐メトキシシクロヘキサ‐2,5‐ジエン‐1,4‐ジオン(化合物C)の合成方法
1‐ベンジル‐4‐イソプロピル‐2,3,5‐トリメトキシベンゼン(11mg)のアセトニトリル(1.5mL)溶液に、氷冷下にて硝酸二アンモニウムセリウム(CAN)水溶液(0.2M,0.44mL)を加え、そのままの温度で1時間撹拌した。水を加えて酢酸エチルで3回抽出し、合わせた抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製することにより5‐ベンジル‐2‐イソプロピル‐3‐メトキシシクロヘキサ‐2,5‐ジエン‐1,4‐ジオン(7mg、収率74%)を得た。
1H‐NMR(CDCl3,500MHz)
7.32(t,J=7.0Hz,2H),7.27‐7.24(m,1H),7.18(d,J=7.0Hz,2H),6.21(s,1H),3.95(s,3H),3.70(s,2H),3.19(sept,J=7.0Hz,1H),1.19(d,J=7.0Hz,6H)
13C‐NMR(CDCl3,125MHz)
188.20,183.99,156.23,146.38,137.82,136.6
9,133.80,129.44,128.91,127.03,61.09,34.81,24.63,20.56
IR(neat,cm-1)
2963,1653,1273
HRMS
C19H22NO3(M+CH3CN+H+)計算値:312.1594,測定値312.15
97
5‐((1‐ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)‐2‐イソプロピル‐3‐メトキシシクロヘキサ‐2,5‐ジエン‐1,4‐ジオン(化合物D)の合成方法
1‐(4‐イソプロピル‐2,3,5‐トリメトキシベンジル)シクロヘキサン‐1‐オール(40mg)のアセトニトリル(5.0mL)溶液に、氷冷下にて硝酸二アンモニウムセリウム(CAN)水溶液(0.2M,1.5mL)を加え、そのままの温度で1時間撹拌した。水を加えて酢酸エチルで3回抽出し、合わせた抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製することにより5‐((1‐ヒドロキシシクロヘキシル)メチル)‐2‐イソプロピル‐3‐メトキシシクロヘキサ‐2,5‐ジエン‐1,4‐ジオン(25mg、収率68%)を得た。
1H‐NMR(CDCl3,500MHz)
6.50(s,1H),3.92(s,3H),3.21(sept,J=7.0Hz,1H),2.57(s,2H),1.62‐1.21(m,11H),1.20(d,J=7.0Hz,6H)
13C‐NMR(CDCl3,125MHz)
187.92,185.33,156.37,143.07,137.97,136.00,71.50,61.06,37.95,25.64,24.67,22.22,20.57
IR(neat,cm-1)
3462,2934,1651,1385,1273
HRMS
C19H28NO4(M+CH3CN+H+)計算値:334.2013,測定値334.20
17
5‐(2‐ヒドロキシ‐2‐メチルプロピル)‐2‐イソプロピル‐3‐メトキシシクロ
ヘキサ‐2,5‐ジエン‐1,4‐ジオン(化合物E)の合成方法
1‐(4‐イソプロピル‐2,3,5‐トリメトキシフェニル)‐2‐メチルプロパン‐2‐オール(36mg)のアセトニトリル(5.1mL)溶液に、氷冷下にて硝酸二アンモニウムセリウム(CAN)水溶液(0.2M、1.5mL)を加え、そのままの温度で1時間撹拌した。水を加えて酢酸エチルで3回抽出し、合わせた抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製することにより5‐(2‐ヒドロキシ‐2‐メチルプロピル)‐2‐イソプロピル‐3‐メトキシシクロヘキサ‐2,5‐ジエン‐1,4‐ジオン(26mg、収率81%)を得た。
1H‐NMR(CDCl3,500MHz)
6.52(s,1H),3.93(s,3H),3.22(sept,J=7.0Hz,1H),2.61(s,2H),1.25(s,6H),1.21(d,J=7.0Hz,6H)
13C‐NMR(CDCl3,125MHz)
187.92,185.26,156.36,143.33,138.09,136.04,70.74,61.07,41.79,29.74,24.69,20.57
IR(neat,cm-1)
3462,2969,1653,1274
HRMS
C16H24NO4(M+CH3CN+H+)計算値:294.1700,測定値294.17
01
5‐(イソプロポキシメチル)‐2‐イソプロピル‐3‐メトキシシクロヘキサ‐2,5‐ジエン‐1,4‐ジオン(化合物F)の合成方法
トリウム(60%、60mg)とジメチルホルムアミド(200μL)を加えて室温で2時間撹拌した。水を加え、酢酸エチルで3回抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過した。ろ液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより1‐(イソプロポキシメチル)‐4‐イソプロピル‐2,3,5‐トリメトキシベンゼン(109mg,収率78%)を得た。
1‐(イソプロポキシメチル)‐4‐イソプロピル‐2,3,5‐トリメトキシベンゼン(61mg)のアセトニトリル(9.0mL)溶液に、氷冷下にて硝酸二アンモニウムセリウム(CAN)水溶液(0.2M、2.6mL)を加え、そのままの温度で1時間半撹拌した。水を加えて酢酸エチルで3回抽出し、合わせた抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製することにより5‐(イソプロポキシメチル)‐2‐イソプロピル‐3‐メトキシシクロヘキサ‐2,5‐ジエン‐1,4‐ジオン(38mg、収率70%)を得た。
1H‐NMR(CDCl3,500MHz)
6.68(t,J=2.0Hz,1H),4.30(d,J=2.0Hz,2H),3.93(s,3H),3.67(sept,J=6.0Hz,1H),3.22(sept,J=7.0Hz,1H),1.20(d,J=7.0Hz,6H),1.19(d,J=6.0Hz,6H)
13C‐NMR(CDCl3,125MHz)
188.12,183.83,156.06,144.18,138.06,132.12,72.56,63.21,61.07,24.66,22.08,20.57
IR(neat,cm-1)
2972,1653,1267
HRMS
C16H24NO4(M+CH3CN+H+)計算値:294.1700,測定値294.16
98
N‐((4‐イソプロピル‐5‐メトキシ‐3,6‐ジオキソシクロヘキサ‐1,4‐ジエン‐1‐イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド(化合物G)の合成方法
N‐(4‐イソプロピル‐2,3,5‐トリメトキシベンジル)シクロヘキサンカルボキシアミド(20mg)のアセトニトリル(2.9mL)溶液に、氷冷下にて硝酸二アンモニウムセリウム(CAN)水溶液(0.2M、0.71mL)を加え、そのままの温度で2時間半撹拌した。水を加えて酢酸エチルで3回抽出し、合わせた抽出液を硫酸ナトリ
ウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製することによりN‐((4‐イソプロピル‐5‐メトキシ‐3,6‐ジオキソシクロヘキサ‐1,4‐ジエン‐1‐イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド(14mg、収率74%)を得た。
1H‐NMR(CDCl3,500MHz)
6.43(t,J=1.8Hz,1H),5.84(brs,1H),4.20(dd,J=1.8Hz,J=6.5Hz,2H),3.94(s,3H),3.20(sept,J=7.3Hz,1H),2.16‐1.99(m,1H),1.91‐1.75(m,4H),1.70‐1.64(m,1H),1.48‐1.38(m,2H),1.32‐1.20(m,3H),1.19(d,J=7.0Hz,6H)
13C‐NMR(CDCl3,125MHz)
187.78,184.17,176.34,156.10,142.32,138.37,132.61,61.10,45.45,37.57,29.76,25.74,24.71,20.53
IR(neat,cm-1)
3293,2932,1653,1647,1635,1269
HRMS
C18H25NNaO4(M+Na+)計算値:342.1676,測定値320.1675
N‐((4‐イソプロピル‐5‐メトキシ‐3,6‐ジオキソシクロヘキサ‐1,4‐ジエン‐1‐イル)メチル)‐N‐メチルシクロヘキサンカルボキシアミド(化合物H)の合成方法
N‐(4‐イソプロピル‐2,3,5‐トリメトキシベンジル)‐N‐メチルシクロヘキサンカルボキシアミド(36mg)のアセトニトリル(5.0mL)溶液に、氷冷下にて硝酸二アンモニウムセリウム(CAN)水溶液(0.2M、1.24mL)を加え、そのままの温度で2時間半撹拌した。水を加えて酢酸エチルで3回抽出し、合わせた抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製することによりN‐((4‐イソプロピル‐5‐メトキシ‐3,6‐ジオキソシクロヘキサ‐1,4‐ジエン‐1‐イル)メチル)‐N‐メチルシクロヘキサンカルボキシアミド(22mg、収率67%)を得た。
1H‐NMR(CDCl3,500MHz)
6.18(t,J=2.0Hz,1H),4.32(d,J=2.0Hz,2H),3.93(s,3H),3.20(sept,J=6.8Hz,1H),3.07(s,3H),2.59‐2.50(m,1H),1.86‐1.61(m,5H),1.58‐1.40(m,2H),1.32‐1.24(m,3H),1.18(d,J=6.8Hz,6H)
13C‐NMR(CDCl3,125MHz)
187.74,184.00,176.68,156.27,141.50,138.07,131.52,61.07,45.98,40.82,36.19,29.28,25.84,24.67,20.52
IR(neat,cm-1)
2932,1653,1647,1635,1267
HRMS
C19H28NO4(M+H+)計算値:334.2013,測定値334.2011
2‐イソプロピル‐3‐メトキシ‐5‐((2‐オキソピロリジン‐1‐イル)メチル)シクロヘキサ‐2,5‐ジエン‐1,4‐ジオン(化合物I)の合成方法
1‐(4‐イソプロピル‐2,3,5‐トリメトキシベンジル)ピロリジン‐2‐オン(49mg)のアセトニトリル(8.0mL)溶液に、4℃にて硝酸二アンモニウムセリウム(CAN)水溶液(0.2M、2.0mL)を加え、そのままの温度で2時間撹拌した。水を加えて酢酸エチルで3回抽出し、合わせた抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製することにより2‐イソプロピル‐3‐メトキシ‐5‐((2‐オキソピロリジン‐1‐イル)メチル)シクロヘキサ‐2,5‐ジエン‐1,4‐ジオン(37mg、収率84%)を得た。
1H‐NMR(CDCl3,500MHz)
6.30(t,J=1.5Hz,1H),4.22(d,J=1.5Hz,2H),3.92(s,3H),3.38(t,J=7.0Hz,2H),3.18(sept,J=6.8Hz,1H),2.42(t,J=8.3Hz,2H),2.11‐2.04(m,2H),1.17(d,J=6.8Hz,6H)
13C‐NMR(CDCl3,125MHz)
187.58,183.71,175.72,156.22,140.74,138.22,132.22,61.10,47.85,40.71,30.48,24.69,20.49,18.10
IR(KBr,cm-1)
2951,1697,1655,1630,1603,1269
HRMS
C15H19NNaO4(M+Na+)計算値:300.1206,測定値300.1206
2‐イソプロピル‐3‐メトキシ‐5‐((4‐ニトロ‐1H‐イミダゾール‐1‐イル)メチル)シクロヘキサ‐2,5‐ジエン‐1,4‐ジオン(化合物J)の合成方法
1‐(4‐イソプロピル‐2,3,5‐トリメトキシベンジル)‐4‐ニトロ‐1H‐イミダゾール(70mg)のアセトニトリル(8.4mL)溶液に、氷冷下にて硝酸二アンモニウムセリウム(CAN)水溶液(0.2M、2.5mL)を加え、そのままの温度で1時間撹拌した。水を加えて酢酸エチルで3回抽出し、合わせた抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製することにより2‐イソプロピル‐3‐メトキシ‐5‐((4‐ニトロ‐1H‐イミダゾール‐1‐イル)メチル)シクロヘキサ‐2,5‐ジエン‐1,4‐ジオン(48mg、収率75%)を得た。
1H‐NMR(CDCl3,500MHz)
7.82(d,J=1.5Hz,1H),7.53(d,J=1.5Hz,1H),6.43(s,1H),4.98(s,2H),3.97(s,3H),3.21(sept,J=7.3Hz,1H),1.19(d,J=6.5Hz,6H)
13C‐NMR(CDCl3,125MHz)
186.56,182.50,155.93,139.15,139.02,136.67,134.70,119.63,61.35,45.84,24.90,20.39
IR(KBr,cm-1)
3142,3107,2960,1654,1631,1606,1284
HRMS
C14H15N3NaO5(M+Na+)計算値:328.0904,測定値328.0903
5‐((1H‐1,2,4‐トリアゾール‐1‐イル)メチル)‐2‐イソプロピル‐3‐メトキシシクロヘキサ‐2,5‐ジエン‐1,4‐ジオン(化合物K)の合成方法
1‐(4‐イソプロピル‐2,3,5‐トリメトキシベンジル)‐1H‐1,2,4‐トリアゾール(50mg)のアセトニトリル(7.0mL)溶液に、氷冷下にて硝酸二アンモニウムセリウム(CAN)水溶液(0.2M、2.05mL)を加え、そのままの温度で1時間半撹拌した。水を加えて酢酸エチルで3回抽出し、合わせた抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製することにより5‐((1H‐1,2,4‐トリアゾール‐1‐イル)メチル)‐2‐イソプロピル‐3‐メトキシシクロヘキサ‐2,5‐ジエン‐1,4‐ジオン(35mg、収率79%)を得た。
1H‐NMR(CDCl3,500MHz)
8.20(s,1H),7.97(s,1H),6.30(s,1H),5.15(s,2H),3.94(s,3H),3.19(sept,J=7.3Hz,1H),1.19(d,J=7.3Hz,6H)
13C‐NMR(CDCl3,125MHz)
186.97,182.78,155.89,152.69,144.37,139.49,138.78,134.46,61.20,46.87,24.80,20.43
IR(neat,cm-1)
2963,1653,1647,1636,1273
HRMS
C14H16N3O3(M+H+)計算値:262.1186,測定値262.1190
5‐[(1‐(2,4‐ジフルオロフェニル)‐2‐(1H‐1,2,4−トリアゾール‐1‐イル)エトキシ)メチル]‐2‐イソプロピル‐3‐メトキシシクロヘキサ‐2,5‐ジエン‐1,4‐ジオン(化合物L)の合成方法
(60%、30mg)を加え、氷冷下で30分撹拌した後、1‐(ブロモメチル)‐4‐イソプロピル‐2,3,5‐トリメトキシベンゼン(150mg)のTHF(1mL)溶液とジメチルホルムアミド(100μL)を加えて、氷冷下で1時間撹拌した。飽和塩化ナトリウム水溶液を加えて、酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過した。ろ液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより1‐[2‐(2,4‐ジフルオロフェニル)‐2‐((4‐イソプロピル‐2,3,5‐トリメトキシベンジル)オキシ)エチル]‐1H‐1,2,4‐トリアゾール(224mg,収率98%)を得た。
1H‐NMR(CDCl3,500MHz)
8.11(s,1H),7.85(s,1H),7.39‐7.34(m,1H),6.90‐6.79(m,2H),6.33(s,1H),5.09(t,J=6.3Hz,1H),4.41(d,J=11.5Hz,1H),4.38(d,J=6.3Hz,2H),4.23(d,J=11.5Hz,1H),3.74(s,3H),3.70(s,3H),3.61(s,3H),3.43(sept,J=7.1Hz,1H),1.24(d,J=7.1Hz,3H),1.24(d,J=7.1Hz,3H)
13C‐NMR(CDCl3,125MHz)
164.02(d,J=11.9Hz),161.87(dd,J=11.9Hz,J=41.8Hz),159.72(d,J=11.9Hz),154.67,151.63(d,J=8.4Hz),145.40,144.21,130.90,129.15(dd,J=6.0Hz,J=9.5Hz),127.55,121.12(d,J=9.5Hz),111.92(d,J=17.9Hz),107.10,104.26(t,J=25.6Hz),73.32,66.61,60.77,60.74,55.75,54.41,25.22,21.14
IR(neat,cm-1)
2960,1502,1384,1263
HRMS
C23H27F2N3NaO4(M+Na+)計算値:470.1862,測定値:470.1866
1H‐NMR(CDCl3,500MHz)
8.08(s,1H),7.91(s,1H),7.31−7.27(m,1H),6.91‐6.82(m,2H),6.47(t,J=1.8Hz,1H),5.09(t,J=6.2Hz,1H),4.42(d,J=6.2Hz,2H),4.20(dd,J=1.8Hz,J=16.0Hz,1H),4.10(dd,J=1.8Hz,J=16.0Hz,1H),3.87(s,3H),3.18(sept,J=7.3Hz,1H),1.16(d,J=7.3Hz,6H)
13C‐NMR(CDCl3,125MHz)
187.57,183.08,163.32(dd,J=11.4Hz,J=250Hz),160.75(dd,J=11.9Hz,J=249Hz)155.92,152.19,144.20,141.91,138.23,132.33,128.86(dd,J=5.9Hz,J=10.8Hz),120.16(dd,3.6Hz,14.4H
z),112.32(d,J=25.0Hz),104.66(t,J=25.1Hz),74.45,64.73,61.09,54.09,24.70,20.51
IR(KBr,cm-1)
2943,1655,1604,1508,1275
HRMS
C21H21F2N3NaO4(M+Na+)計算値:440.1392,測定値:440.1387
5‐[2‐(2,4‐ジフルオロフェニル)‐2‐ヒドロキシ‐3‐(1H‐1,2,4‐トリアゾール‐1‐イル)プロピル]‐2‐イソプロピル‐3‐メトキシシクロヘキサ‐2,5‐ジエン‐1,4‐ジオン(化合物M)の合成方法
1H‐NMR(CDCl3,500MHz)
8.12(s,1H),7.79(s,1H),7.36‐7.29(m,1H),6.80‐6.64(m,2H),6.17(s,1H),4.74(d,J=13.8Hz,1H),4.53(d,J=13.8Hz,1H),3.76(s,3H),3.74(s,3H),3.60(s,3H),3.39(sept,J=7.0Hz,1H),3.20(d,J=14.3Hz,1H),3.15(d,J=14.3Hz,1H),1.22(d,J=7.0Hz,3H),1.21(d,J=7.0Hz,3H)
13C‐NMR(CDCl3,125MHz)
162.64(dd,J=12.5Hz,J=247.4Hz),158.81(dd,J=11.9Hz,J=244.4Hz),154.74,151.54,151.08,144.88,130.77,130.10,130.01(dd,J=6.0Hz,J=9.6Hz),126.04,125.59(d,J=13.1Hz),111.27(dd,J=1.8Hz,J=20.3Hz),109.67,103.80(t,J=26.8Hz),60.96,60.55,55.72,39.58,25.17,21.11,21.14
IR(neat,cm-1)
3393,2958,1499,1273
HRMS
C23H27F2N3NaO4(M+Na+)計算値:470.1862,測定値:470.1863
1H‐NMR(CDCl3,500MHz)
8.08(s,1H),7.83(s,1H),7.42‐7.35(m,1H),6.80‐6.72(m,2H),6.41(s,1H),5.13(brs,1H),4.71(d,J=14.5Hz,1H),4.54(d,J=14.5Hz,1H),3.78(s,3H),3.16‐3.08(m,2H),2.86(d,J=13.5Hz,1H),1.14(d,J=7.5Hz,6H)
13C‐NMR(CDCl3,125MHz)
187.36,185.16,162.96(dd,J=12.6Hz,J=248.6Hz),158.61(dd,J=11.4Hz,J=245.0Hz),156.08,151.80,144.53,141.00,138.43,137.11,129.82(dd,J=5.9Hz,J=9.6Hz),124.12(d,J=13.1Hz),111.73(d,J=17.9Hz),104.36(t,J=26.3Hz),74.97,61.00,57.36,37.48,24.67,20.50,20.44
IR(KBr,cm-1)
3399,2963,1651,1616,1599,1500,1273
HRMS
C21H21F2N3NaO4(M+Na+)計算値:440.1392,測定値:440.1399
5‐((シクロヘキシルオキシ)メチル)‐2‐イソプロピル‐3‐メトキシシクロヘキサ‐2,5‐ジエン‐1,4‐ジオン(化合物N)の合成方法
1‐((シクロヘキシルオキシ)メチル)‐4‐イソプロピル‐2,3,5‐トリメト
キシベンゼン(100mg)のアセトニトリル(12.5mL)溶液に、氷冷下にて硝酸二アンモニウムセリウム(CAN)水溶液(0.2M、3.1mL)を加え、そのままの温度で1時間撹拌した。食塩水を加えて酢酸エチルで3回抽出し、合わせた抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製することにより5‐((シクロヘキシルオキシ)メチル)‐2‐イソプロピル‐3‐メトキシシクロヘキサ‐2,5‐ジエン‐1,4‐ジオン(71mg、収率78%)を得た。1H‐NMR(CDCl3,500MHz)
6.70(t,J=2.0Hz,1H),4.33(d,J=2.0Hz,2H),3.93(s,3H),3.38‐3.31(m,1H),3.22(sept,J=7.0Hz,1H),1.93‐1.86(m,2H),1.77‐1.69(m,2H),1.55‐1.48(m,1H),1.41‐1.22(m,5H),1.20(d,J=7.0Hz,6H)
13C‐NMR(CDCl3,125MHz)
188.16,183.85,156.07,144.36,138.04,132.08,78.21,62.95,61.07,32.11,25.79,24.66,23.91,20.58
IR(neat,cm-1)
2934,1653,1265
HRMS
C19H28F2NO4(M+H+)計算値:334.2013,測定値:334.2019
2‐イソプロピル‐3‐メトキシ‐5‐(フェノキシメチル)シクロヘキサ‐2,5‐ジエン‐1,4‐ジオン(化合物O)の合成方法
2‐イソプロピル‐1,3,4‐トリメトキシ‐5‐(フェノキシメチル)ベンゼン(34mg)のアセトニトリル(4.5mL)溶液に、氷冷下にて硝酸二アンモニウムセリウム(CAN)水溶液(0.2M、1.2mL)を加え、そのままの温度で1時間撹拌した。食塩水を加えて酢酸エチルで3回抽出し、合わせた抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製することにより2‐イソプロピル‐3‐メトキシ‐5‐(フェノキシメチル)シクロヘキサ‐2,5‐ジエン‐1,4‐ジオン(23mg、収率75%)を得た。
1H‐NMR(CDCl3,500MHz)
7.30(t、J=7.5Hz,2H),6.99(t,J=7.5Hz,1H),6.95(d,J=7.5Hz,2H),6.81(t,J=2.2Hz,1H),4.89
(d,J=2.2Hz,2H),3.98(s,3H),3.25(sept,J=7.0Hz,1H),1.22(d,J=7.0Hz,6H)
13C‐NMR(CDCl3,125MHz)
187.73,183.48,157.90,156.02,141.88,138.32,132.55,129.76,121.76,114.74,63.05,61.17,24.74,20.57
IR(KBr,cm-1)
2963,1651,1635,1599,1500,1448,1258
HRMS
C19H22NO4(M+CH3CN+H+)計算値:328.1546,測定値:328.1
543
2‐イソプロピル‐3‐メトキシ‐5‐((ピリジン‐3‐イルオキシ)メチル)シクロヘキサ‐2,5‐ジエン‐1,4‐ジオン(化合物P)の合成方法
3‐((4‐イソプロピル‐2,3,5‐トリメトキシベンジル)オキシ)ピリジン(21mg)のアセトニトリル(2.6mL)溶液に、氷冷下にて硝酸二アンモニウムセリウム(CAN)水溶液(0.2M、0.66mL)を加え、そのままの温度で1時間撹拌した。食塩水を加えて酢酸エチルで3回抽出し、合わせた抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製することにより2‐イソプロピル‐3‐メトキシ‐5‐((ピリジン‐3‐イルオキシ)メチル)シクロヘキサ‐2,5‐ジエン‐1,4‐ジオン(16mg、収率84%)を得た。
1H‐NMR(CDCl3,500MHz)
8.37(s,1H),8.27(t,J=3.0Hz,1H),7.25(s,2H),6.78(t,J=2.2Hz,1H),4.93(d,J=2.2Hz,2H),3.98(s,3H),3.25(sept,J=7.0Hz,1H),1.22(d,J=7.0Hz,6H)
13C‐NMR(CDCl3,125MHz)
187.49,183.23,156.00,154.15,143.22,140.99,138.49,138.09,132.73,124.08,121.51,63.44,61.21,24.78,20.54
IR(KBr,cm-1)
2964,1651,1633,1603,1577,1269
HRMS
C16H18NO4(M+H+)計算値:288.1230,測定値:288.1236
N‐((4‐イソプロピル‐5‐メトキシ‐3,6‐ジオキソシクロヘキサ‐1,4‐ジエン‐1‐イル)メチル)‐N‐メチルベンズアミド(化合物Q)の合成方法
N‐(4‐イソプロピル‐2,3,5‐トリメトキシベンジル)‐N‐メチルベンズアミド(74mg)のアセトニトリル(8.5mL)溶液に、氷冷下にて硝酸二アンモニウムセリウム(CAN)水溶液(0.2M、2.3mL)を加え、そのままの温度で1時間撹拌した。水を加えて酢酸エチルで3回抽出し、合わせた抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製することによりN‐((4‐イソプロピル‐5‐メトキシ‐3,6‐ジオキソシクロヘキサ‐1,4‐ジエン‐1‐イル)メチル)‐N‐メチルベンズアミド(22mg、収率67%)を得た。
1H‐NMR(CDCl3,500MHz)
7.48‐7.32(m,5H),6.40(s,1H),4.50(s,2H),3.95(s,3H),3.22(sept,J=7.0Hz,1H),3.00(s,3H),1.20(d,J=7.0Hz,6H)
13C‐NMR(CDCl3,125MHz)
187.68,183.95,171.99,156.30,140.84,138.25,135.37,131.92,130.19,128.64,127.22,61.14,45.83,38.52,24.74,20.54
IR(neat,cm-1)
2960,1653,1647,1635,1267
HRMS
C19H21NNaO4(M+Na+)計算値:350.1363,測定値:350.1361
N‐シクロヘキシル‐N‐((4‐イソプロピル‐5‐メトキシ‐3,6‐ジオキソシクロヘキサ‐1,4‐ジエン‐1‐イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド(化合物R)の合成方法
N‐シクロヘキシル‐N‐(4‐イソプロピル‐2,3,5‐トリメトキシベンジル)シクロヘキサンカルボキシアミド(120mg)のアセトニトリル(11.0mL)溶液に、氷冷下にて硝酸二アンモニウムセリウム(CAN)水溶液(0.2M、3.0mL)を加え、そのままの温度で1時間撹拌した。水を加えて酢酸エチルで3回抽出し、合わせた抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製することによりN‐シクロヘキシル‐N‐((4‐イソプロピル‐5‐メトキシ‐3,6‐ジオキソシクロヘキサ‐1,4‐ジエン‐1‐イル)メチル)シクロヘキサンカルボキシアミド(69mg、収率62%)を得た。
1H‐NMR(CDCl3,500MHz)
6.09(t,J=1.8Hz,1H),4.19(d,J=1.8Hz,2H),3.19(s,3H),3.17(sept,J=7.2Hz,1H),2.56‐2.48(m,1H),1.85‐1.49(m,10H),1.41‐1.00(m,10H),1.16(d,J=7.2Hz,6H)
13C‐NMR(CDCl3,125MHz)
187.87,183.95,176.27,156.14,143.22,137.79,131.40,61.03,56.96,41.10,39.26,31.94,29.91,25.89,25.84,25.72,25.15,24.63,20.53IR(neat,cm-1)
2932,1653,1647,1635,1269
HRMS
C24H36NO4(M+H+)計算値:402.2639,測定値:402.2635
2‐イソプロピル‐3‐メトキシ‐5‐((2‐オキソ‐3,4‐ジヒドロキノリン‐1(2H)‐イル)メチル)シクロヘキサ‐2,5‐ジエン‐1,4‐ジオン(化合物S)の合成方法
g)と水素化ナトリウム(19mg)を加えて、さらに室温で3時間撹拌した。水を加え、酢酸エチルで3回抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過した。ろ液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより1‐(4‐イソプロピル‐2,3,5‐トリメトキシベンジル)‐3,4‐ジヒドロキノリン‐2(1H)‐オン(83mg,収率68%)を得た。
1‐(4‐イソプロピル‐2,3,5‐トリメトキシベンジル)‐3,4‐ジヒドロキノリン‐2(1H)‐オン(34mg)のアセトニトリル(9.0mL)溶液に、氷冷下にて硝酸二アンモニウムセリウム(CAN)水溶液(0.2M、2.5mL)を加え、そのままの温度で1時間撹拌した。食塩水を加えて酢酸エチルで3回抽出し、合わせた抽出液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーで精製することにより2‐イソプロピル‐3‐メトキシ‐5‐((2‐オキソ‐3,4‐ジヒドロキノリン‐1(2H)‐イル)メチル)シクロヘキサ‐2,5‐ジエン‐1,4‐ジオン(45mg、収率58%)を得た。
1H‐NMR(CDCl3,500MHz)
7.20−7.14(m,2H),7.01(t,J=7.3Hz,1H),6.68(d,J=8.0Hz,1H),6.10(t,J=2.2Hz,1H),4.90(d,J=2.2Hz,2H),3.99(s,3H),3.19(sept,J=7.2Hz,1H),2.97(t,J=7.5Hz,2H),2.74(t,J=7.5Hz,2H),1.18(d,J=7.2Hz,6H)
13C‐NMR(CDCl3,125MHz)
187.36,183.68,170.40,156.24,140.81,139.03,138.16,131.58,128.31,127.83,126.22,123.59,114.71,61.16,40.92,31.72,25.48,24.69,20.56,20.49
IR(KBr,cm-1)
2961,1674,1654,1629,1600,1271
HRMS
C20H22NO4(M+H+)計算値:340.1543,測定値:340.1547
in vitro培養系における血流型T. cruziに対する抗トリパノソーマ活性
ヒト由来培養細胞HT1080に、T. cruziを感染させ、培養上清中の血流型虫体(トリポマスティゴート)を集めた。血流型虫体(5×106細胞)に各濃度のキノン誘導体、コマ
ロビキノン、又は既存薬であるベンズニダゾール(BZL)を添加し、24時間37℃で培養した。顕微鏡下で血流型虫体数を数え、IC50値を算出した。結果を図2および表1に示す。結果として、化合物E、F、G、H、J、K、L、M、Q、Rはベンズニダゾールと同等、もしくはそれ以上の抗トリパノソーマ活性を示した。
ヒト由来線維肉腫細胞HT1080(ホスト細胞)のin vitro培養系におけるT. cruziの感染と増殖に関する各種キノン誘導体の効果
下記方法により、T. cruziとホスト細胞をキノン誘導体又はベンズニダゾール存在下で3日間in vitroで培養し、ホスト細胞へのT. cruziの感染と増殖(原虫の数/ホスト細胞)を調べた。
↓
円形カバーグラスを入れた24穴プレートに播く
↓
37℃、5% CO2存在下で一晩培養する
↓
T. cruzi (1x106 cells) を感染させる
↓
キノン誘導体又はベンズニダゾール(0.1, 1, 10 μM)を添加する
↓
3日間培養する
↓
Diff-Quik (Sysmex社)で染色後、カバーガラスを取出し封入する
↓
光学顕微鏡下で感染率およびホスト細胞1個当たりの原虫数を測定する
培養細胞Swiss3T3を用いた細胞毒性試験
下記方法により、ヒト培養細胞Swiss3T3に対する毒性試験を行った。
培養細胞Swiss3T3(1×104cells/ well)
↓
37℃、5%CO2、1日間培養
↓
化合物E、F、L、M、コマロビキノン又はベンズニダゾールを添加
↓
24時間後にCytoTox-ONE(Promega社)を用いてLDH(乳酸デヒドロゲナーゼ)を測定
↓
LD50(μM)を算出
マウスモデルを用いたin vivoにおける本発明化合物の抗トリパノソーマ活性
さらに、トリパノソーマ感染マウスを用いたin vivoの試験を行った。C57BL/6(5-6週
齢、メス)4匹を1群とし、血流型虫体のT. cruzi(1×104細胞)を腹腔内に感染させ、
同時に化合物L、M及びベンズニダゾール(20mg/kg)を腹腔内に投与した。感染後、10
、12、14日目にマウス尾より採血し、血液中の原虫数を数えた。結果を図3に示す。
T. cruzi血流型虫体における本発明化合物の活性酸素種産生
T. cruzi血流型虫体(2 x 106 cells)に活性酸素検出試薬(DCFH-DA)を添加し、1時間インキュベートした。化合物M、コマロビキノン、ベンズニダゾールを加え、37℃で1
時間インキュベートし、活性酸素種産生を蛍光強度として測定した。結果を図4に示す。
図4に示すとおり、化合物Mは血流型虫体において活性酸素種を産生することが明らかとなった。
新規キノン誘導体は、ミトコンドリア電子伝達系ではたらくユビキノンと共通した化学構造をもつ。そこで、化合物Mによるミトコンドリア膜電位変化を調べた。
ヒト培養細胞HT1080細胞 (2 x 105 cells/ml)を、カバーグラス付シャーレにまき、37
℃で24時間培養した。ミトコンドリア膜電子測定試薬(JC-1:Cayman Chemical)を加え
、室温で30分間インキュベートした。50μMの化合物M、コマロビキノン、ベンズニダゾ
ールを加え、37℃で1時間インキュベートし、蛍光顕微鏡画像を取り込んだ。細胞の蛍光
強度から、画像解析によりミトコンドリア膜電位変化を調べた。結果を図5に示す。
図5に示すとおり、ベンズニダゾール添加ではミトコンドリアの膜電位は変化しなかった。一方、コマロビキノンおよび化合物Mでは、ミトコンドリアの膜電位が減少するという結果が得られた。以上の結果から、化合物Mは既存薬ベンズニダゾールとは異なる作用機構があると推察された。
血流型虫体(5×106細胞)に各濃度のベンズニダゾール、化合物M、ベンズニダゾールと化合物Mを添加し、24時間37℃で培養した。顕微鏡下で血流型虫体数を測定した。その結果を図6に示す。
図6に示すとおり、ベンズニダゾール単独投与に比べ、化合物Mを併用した場合の方が強い抗トリパノソーマ作用が認められた。この結果は、化合物Mとベンズニダゾールを併用することで効果が増加することを示しており、併用によりベンズニダゾールの投与量を減らすことができ、副作用を軽減できる可能性を示している。
Claims (11)
- 一般式(1)で表される化合物又はその薬理学的に許容される塩。
1〜10のアルコキシ基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキルオキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリールオキシ基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルケニルオキシ基、炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数2〜5のアルキニルオキシ基、アミノ基、又は炭素数1〜10のアルキルチオ基を表す。
R2は水素原子、ハロゲン、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキ
シ基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキルオキシ基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルケニルオキシ基、炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数2〜5のアルキニルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリール基、又はヘテロアリールオキシ基を表す。
R3は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、
炭素数3〜10のシクロアルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ヘテロアリール基、ヘテロアリールオキシ基、炭素数1〜10のアルコキシ基、環状アミノ基、環状アミド基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルケニルオキシ基、炭素数2〜10のアルキニル基、炭素数2〜5のアルキニルオキシ基、式(2)で示されるR31、式(3)で示されるR32、式(4)で示されるR33、式(5)で示されるR34、又は式(6)で示されるR35を表す。
R4は水素原子、ハロゲン、又は、炭素数1〜10のアルキル基を表す。
式(2)において、R311は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10
のシクロアルキル基、又は、アリール基を表す。R312は炭素数1〜10のアルキル基、
炭素数3〜10のシクロアルキル基、又は、アリール基を表し、R311及びR312は結合して環を形成してもよい。
式(3)において、R321は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10
のシクロアルキル基、アリール基、又は、ヘテロアリール基を表す。R322は水素原子、
炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、アリール基、又は、ヘテロアリール基を表す。
式(4)において、R331は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10
のシクロアルキル基、アリール基、又は、ヘテロアリール基を表す。R332は水素原子、
炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基、アリール基、又は、ヘテロアリール基を表す。
式(5)において、R341は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、ヘテロアリー
ル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基、又は炭素数3〜10のシクロアルキル基を表す。R342は水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基を
表す。
式(6)において、R351は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜10のシクロ
アルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアルキニル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表す。R352は、水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル
基を表す。 - 一般式(1)において、R1は炭素数が1〜10のアルコキシ基を表し、R2は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R3は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数3〜8のシクロ
アルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキルオキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、フェノキシ基、ピリジルオキシ基、一般式(2)で示されるR31、一般式(3)で示されるR32、又は、一般式(4)で示されるR33を表し、R4は水素原子を表す、請求項1に記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩。 - 一般式(1)において、R1は炭素数が1〜10のアルコキシ基を表し、R2は炭素数1〜10のアルキル基を表し、R3は一般式(3)で示されるR32(R321はアリール
基、R322はヘテロアリール基)、又は、一般式(4)で示されるR33(R331はアリール基、R332はヘテロアリール基)を表し、R4は水素原子を表す、請求項1に
記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩。 - 一般式(1)で表される化合物が下記から選ばれることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩。
- 一般式(1)で表される化合物が化合物MまたはLである、請求項4に記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩。
- 請求項1〜5の何れか一項に記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分
とする抗トリパノソーマ剤。 - 有効成分としてさらにベンズニダゾールを含む、請求項6に記載の抗トリパノソーマ剤。
- 請求項1〜5の何れか一項に記載の化合物又はその薬理学的に許容される塩を有効成分とする医薬組成物。
- 有効成分としてさらにベンズニダゾールを含む、請求項8に記載の医薬組成物。
- 南米シャーガス病の治療または予防用である、請求項8または9に記載の医薬組成物。
- トリパノソーマ虫体に活性酸素産生を惹起する、請求項8〜10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
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JP (1) | JP6586692B2 (ja) |
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WO2021106947A1 (ja) * | 2019-11-26 | 2021-06-03 | 国立大学法人群馬大学 | 新規キノン誘導体およびそれを有効成分とする抗トリパノソーマ剤 |
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