JP2016004104A - バリフォーカルレンズ鏡筒 - Google Patents

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【課題】小型、簡易な構成でありながら、ズーミングやフォーカシングの際に各部材が干渉し合って損傷する不都合を回避することが可能なバリフォーカルレンズ鏡筒を提供する。【解決手段】フォーカスリング130の一部に、ズームリング160の回動位置に応じたフォーカスリング130の回動範囲を規制する第1溝132を形成し、ズームリング160の一部に、第1溝132に挿入することで、フォーカスリング130の回動範囲を規制するフォーカスリング回動規制部材162を形成し、ズームリング160の回動範囲においてズームリング160が所定位置(中間位置)から一端の間に位置するときに限り、フォーカスリング回動規制部材162と第1溝132とが係合してフォーカスリング130の所定方向への回転が係止される。【選択図】図4

Description

本発明は、レンズのズーミングとフォーカシングとを個別に調整することができるバリフォーカルレンズ鏡筒に関する。
近年、監視カメラにおいて、焦点距離を任意に替えることが可能であり、また撮影状況に合わせて画角等の調整を容易に行えるバリフォーカルレンズが広く用いられている。バリフォーカルレンズを実現するバリフォーカルレンズ鏡筒では、レンズの焦点距離を変化させるズーミングを行うと焦点面が光軸方向に移動する。このためズーミングを行った場合には、同一距離の被写体に合焦させるためのフォーカスレンズの繰出位置を変化させる必要がある。
バリフォーカルレンズ鏡筒では、ズームレンズとフォーカスレンズとを個別に移動させることが可能であるため、必要移動領域がクロスしていると、ズーミングやフォーカシングの際に、ズームレンズとフォーカスレンズ(またはズームレンズを保持するズームレンズ保持機構とフォーカスレンズを保持するフォーカスレンズ保持機構)とが干渉し、レンズやレンズの保持機構が損傷してしまうおそれがある。そこで、かかる不具合を解消するための様々な手段が講じられたレンズ鏡筒が提案されている(たとえば、特許文献1を参照。)。
特開2006−145562号公報
特許文献1に記載のレンズ鏡筒では、ズーミングによりフォーカスレンズも連動して動かすことで上記課題の解決は可能であるが、使用されている部品点数が多いことから十分な構成の簡略化が図られているとは云えない。また、径方向に積層されている枠部材の数も多いことから、十分な小径化(小型化)が図られているとは云いがたい。近年、小型化が著しいバリフォーカルレンズ鏡筒には不適である。
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、小型、簡易な構成でありながら、ズーミングやフォーカシングの際に各部材が干渉し合って損傷する不都合を回避することが可能なバリフォーカルレンズ鏡筒を提供することを目的とする。加えて、フォーカスレンズの移動可能領域を広く確保し、ズームレンズの移動軌跡に合わせた良好なフォーカス調整を行うことが可能なバリフォーカルレンズ鏡筒を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかるバリフォーカルレンズ鏡筒は、同一光軸上に配置されたズームレンズとフォーカスレンズとを備え、前記ズームレンズの外部に設けられたズームリングを回動して前記ズームレンズを光軸に沿う方向へ移動させて画角を調整し、画角調整によって生じたピントのズレを前記フォーカスレンズの外部に設けられたフォーカスリングを回動して前記フォーカスレンズを光軸に沿う方向へ移動させて解消するバリフォーカルレンズ鏡筒であって、光軸に沿う方向において、前記ズームレンズと前記フォーカスレンズが隣り合わせで配置されており、前記フォーカスリングの一部に、前記ズームリングの回動位置に応じた前記フォーカスリングの回動範囲を規制する第1溝を形成し、前記ズームリングの一部に、前記第1溝に挿入することで、前記フォーカスリングの回動範囲を規制するフォーカスリング回動規制部材を形成し、前記ズームリングの回動範囲において前記ズームリングが所定位置から一端の間に位置するときに限り、前記フォーカスリング回動規制部材と前記第1溝とが係合して前記フォーカスリングの所定方向への回転が係止され、前記ズームリングの回動位置に応じて前記フォーカスリングの前記フォーカスレンズを前記ズームレンズ側へ移動させる方向への回動範囲を制限する、ことを特徴とする。
さらに、本発明にかかるバリフォーカルレンズ鏡筒は、前記発明において、前記ズームリングの回動範囲における前記ズームリングの所定位置から一端の間に、前記ズームレンズが最も前記フォーカスレンズ側に位置する第1ズームポジションと、前記フォーカスレンズによるピント位置が最も前記ズームレンズ側に位置する第2ズームポジションと、を有し、前記第1ズームポジションにおける前記フォーカスリングの回動範囲の制限量は、前記第2ズームポジションにおける前記フォーカスリングの回動範囲の制限量より大きいことを特徴とする。
さらに、本発明にかかるバリフォーカルレンズ鏡筒は、前記発明において、前記ズームレンズが最も前記フォーカスレンズ側に位置するときは、前記第1溝および前記フォーカスリング回動規制部材により、前記フォーカスレンズを前記ズームレンズ側へ移動させる方向への前記フォーカスリングの回転が最大制限され、前記ズームレンズを前記フォーカスレンズと反対側に移動させると、前記フォーカスリングの回動範囲制限角度が狭まり、前記ズームレンズの移動量が一定量を超えると、前記第1溝と前記フォーカスリング回動規制部材との接触による前記フォーカスリングの回動範囲の制限が解除されることを特徴とする。
さらに、本発明にかかるバリフォーカルレンズ鏡筒は、前記いずれかの発明において、前記フォーカスレンズは、フォーカスレンズ枠に保持されるとともに、前記フォーカスレンズ枠に形成されたフォーカスカムピンと前記フォーカスリングの内周面に形成されたフォーカスカム溝と係合されることで、前記フォーカスリングの回動により光軸に沿う方向へ移動し、前記ズームレンズは、ズームレンズ枠に保持されるとともに、前記ズームレンズ枠に形成されたズームカムピンと前記ズームリングの内周面に形成されたズームカム溝と係合されることで、前記ズームリングの回動により光軸に沿う方向へ移動し、前記フォーカスリングの最大回転角度をα、前記フォーカスリングの最大回転角度αに対して前記ズームリングの動作により制限される回転角度をβ、前記ズームリングの回転角度をγ、前記フォーカスカム溝の光軸に垂直な面とのなす角度をμ、前記ズームカム溝の光軸に垂直な面とのなす角度をρ、前記フォーカスレンズの必要な移動量をA、前記ズームレンズの必要な移動量をB、前記フォーカスレンズが最もズームレンズ側の位置にある地点以降の前記ズームレンズがtele端に至るまでの移動量をC、INF状態における前記フォーカスレンズの最像位置からtele端合焦状態までの前記フォーカスレンズの移動量をD、Aのnear側に設けられた前記フォーカスレンズの極限移動可能量をa、Aのfar側に設けられた前記フォーカスレンズの極限移動可能量をb、tele端におけるフォーカスレンズ極限移動可能量をc、前記フォーカスリングの動作により狭められる前記ズームレンズの移動領域量をd、ズーム・フォーカス連動カム角度をθとするとき、c>0、D−c<dtanθ(C≧dのとき)、D−c<Ctanθ(C<dのとき)、β=((D−c+b)/(A+a+b))×α、γ=(B×β)/d、μ=arctan((A+a+b)×360)/(前記フォーカスリングの円周の長さ×α)、ρ=arctan(d×360)/(前記ズームリングの円周の長さ×β)が成立することを特徴とする。
さらに、本発明にかかるバリフォーカルレンズ鏡筒は、前記発明において、以下の特徴を備えるとより好ましい。すなわち、前記第1溝に当接する前記フォーカスリング回動規制部材の面、または前記フォーカスリング回動規制部材に当接する前記第1溝の面をテーパ形状に構成するとともに、前記フォーカスカム溝の光軸に垂直な面とのなす角度をμ、前記ズームカム溝の光軸に垂直な面とのなす角度ρとするとき、μ<ρ<60なる条件を満足する。
本発明は、小型、簡易な構成で、ズーミングやフォーカシングの際に各部材が干渉し合って損傷する不都合を回避することが可能なバリフォーカルレンズ鏡筒を実現することができるという効果を奏する。加えて、フォーカスレンズの移動可能領域を広く確保し、ズームレンズの移動軌跡に合わせた良好なフォーカス調整を行うことが可能なバリフォーカルレンズ鏡筒を実現することができるという効果を奏する。
実施の形態1にかかるバリフォーカルレンズ鏡筒においてズームレンズが最物体側に移動した状態を示す光軸に沿う断面図である。 図1に示すア−ア線に沿って切断し矢印方向に見た断面図である。 図1に示した状態におけるバリフォーカルレンズ鏡筒の部分展開図である。 実施の形態1にかかるバリフォーカルレンズ鏡筒においてフォーカスレンズが最像側に移動した状態を示す光軸に沿う断面図である。 図4に示すア−ア線に沿って切断し矢印方向に見た断面図である。 図4に示した状態におけるバリフォーカルレンズ鏡筒の部分展開図である。 実施の形態1にかかるバリフォーカルレンズ鏡筒においてフォーカスレンズが最物体側、ズームレンズが最像側に移動した状態を示す図である。 実施の形態1にかかるバリフォーカルレンズ鏡筒におけるフォーカスレンズとズームレンズの制御について説明するための図である。 実施の形態2にかかるバリフォーカルレンズ鏡筒の部分展開図である。 実施の形態2にかかるバリフォーカルレンズ鏡筒の部分展開図である。 実施の形態3にかかるバリフォーカルレンズ鏡筒の部分展開図である。 実施の形態3にかかるバリフォーカルレンズ鏡筒の部分展開図である。 実施の形態4にかかるバリフォーカルレンズ鏡筒の部分展開図である。 実施の形態4にかかるバリフォーカルレンズ鏡筒の部分展開図である。
以下、添付図面を参照して、本発明にかかるバリフォーカルレンズ鏡筒の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
バリフォーカルレンズ鏡筒では、鏡胴に設けられたズームリングを回動してズームレンズを光軸に沿う方向へ移動させて画角を調整し、画角調整によって生じたピントのズレを鏡胴に設けられたフォーカスリングを回動してフォーカスレンズを光軸に沿う方向へ移動させて解消する。
バリフォーカルレンズ鏡筒においては、レンズのズーミングとフォーカシングとを個別に調整することができるバリフォーカルレンズの特徴を生かしながら、ズーミングやフォーカシングの際に各部材が干渉し合って損傷することを回避するとともに、ズームレンズの移動軌跡に合わせた良好なフォーカス調整を行うことが望まれる。そこで、問題となるのが、バリフォーカルレンズの設計によっては、tele端に至る前のズーミングの過程でフォーカスレンズが最像側に移動した状態になる場合である。この状態でさらなるズーミング動作を行えば、フォーカスレンズとズームレンズとが干渉する危険性が高まる。また、バリフォーカルレンズ鏡筒に用いられる光学、機構部品等や組み立て精度にバラつきもある。
本実施の形態では、かかる問題を考慮しながら、ズーミングやフォーカシングの際に各部材が干渉し合って損傷することを回避するとともに、ズームレンズの移動軌跡に合わせた良好なフォーカス調整を行うことができるバリフォーカルレンズ鏡筒の一例を示す。本実施の形態では、最も物体側に配置される第1レンズにフォーカスレンズとしての機能を、第1レンズに続いてその像側に配置される第2レンズにズームレンズとしての機能を備えたバリフォーカルレンズ鏡筒の例を示す。
図1は、実施の形態1にかかるバリフォーカルレンズ鏡筒においてズームレンズが最物体側に移動した状態(tele端)を示す光軸に沿う断面図である。図2は、図1に示すア−ア線に沿って切断し矢印方向に見た断面図である。図3は、図1に示した状態におけるバリフォーカルレンズ鏡筒の部分展開図である。図4は、実施の形態1にかかるバリフォーカルレンズ鏡筒においてフォーカスレンズが最像側に移動した状態(オーバーINF)を示す光軸に沿う断面図である。図5は、図4に示すア−ア線に沿って切断し矢印方向に見た断面図である。図6は、図4に示した状態におけるバリフォーカルレンズ鏡筒の部分展開図である。以下、本実施の形態にかかるバリフォーカルレンズ鏡筒の構成を説明する。
本実施の形態にかかるバリフォーカルレンズ鏡筒100は、図1、図4に示すように、図示しない物体側から順に、フォーカスレンズ101と、ズームレンズ102と、固定レンズ103と、を備えている。
フォーカスレンズ101は、フォーカスレンズ枠110に保持されている。フォーカスレンズ枠110は、前鏡筒120内に配置されている。前鏡筒120の外周面には、フォーカスリング130が配置されている。フォーカスリング130は、光軸Oを中心に回動自在で光軸O方向には移動しないように前鏡筒120、中間鏡筒150に支持されている。
前鏡筒120には、光軸Oに対して平行に延びる直進溝121が形成されている。直進溝121は、前鏡筒120の側面を貫通する形状で形成されている。直進溝121は、複数形成されている。フォーカスリング130の内周面には、光軸Oに対して垂直な平面に対して所定の角度(フォーカスカム角度)の方向へ延びるフォーカスカム溝131が形成されている。フォーカスカム溝131は、直進溝121と同数形成されている。フォーカスレンズ枠110の外周部には、直進溝121、フォーカスカム溝131と同数のフォーカスカムピン111が設けられている。フォーカスカムピン111は、直進溝121を嵌通し、フォーカスカム溝131に挿入されることによって、直進溝121とフォーカスカム溝131に係合されている。このため、フォーカスリング130を回動させることによって、フォーカスカムピン111が直進溝121内を光軸Oに沿う方向へ摺動し、フォーカスレンズ101を光軸Oに沿う方向へ移動させることが可能になる。
また、フォーカスリング130の像側端面の外周部近傍に、第1溝132と、第2溝133と、が形成されている。第1溝132は、フォーカスリング130の外周部に沿って円弧状に形成され、フォーカスレンズ101およびズームレンズ102の移動範囲を規制する。第2溝133も、フォーカスリング130の外周部に沿って円弧状に形成され、フォーカスレンズ101の移動範囲を規制する(詳細は後述)。
ズームレンズ102は、ズームレンズ枠140に保持されている。ズームレンズ枠140は、中間鏡筒150内に配置されている。中間鏡筒150は前鏡筒120の後方(像側)に取付けられる。中間鏡筒150の外周面には、ズームリング160が配置されている。ズームリング160は、光軸Oを中心に回動自在で光軸O方向には移動しないように中間鏡筒150、後鏡筒170に支持されている。
中間鏡筒150には、光軸Oに対して平行に延びる直進溝151が形成されている。直進溝151は、中間鏡筒150の側面を貫通する形状で形成されている。直進溝151は、複数形成されている。ズームリング160の内周面には、光軸Oに対して垂直な平面に対して所定の角度(ズームカム角度)の方向へ延びるズームカム溝161が形成されている。ズームカム溝161は、直進溝151と同数形成されている。ズームレンズ枠140の外周部には、直進溝151、ズームカム溝161と同数のズームカムピン141が設けられている。ズームカムピン141は、直進溝151を嵌通し、ズームカム溝161に挿入されることによって、直進溝151とズームカム溝161に係合されている。このため、ズームリング160を回動させることによって、ズームカムピン141が直進溝151内を光軸Oに沿う方向へ摺動し、ズームレンズ102を光軸Oに沿う方向へ移動させることが可能になる。
中間鏡筒150の物体側端面には、光軸Oに対して平行に突出した凸部152が形成されている。凸部152は、フォーカスリング130の第2溝133に挿入される。フォーカスリング130が所定量回動すると、凸部152が第2溝133の一端に当接して、フォーカスリング130が所定量以上回動することを防止するための部材である。また、中間鏡筒150の物体側端面の外周部近傍に、ズームリング160の回動範囲を規定するズームリング回動範囲規定穴153が形成されている。ズームリング回動範囲規定穴153は、フォーカスリング130の回動により第1溝132が移動する軌跡に対向する位置に円弧状に形成される。ズームリング回動範囲規定穴153は、中間鏡筒150の物体側端面の一部を貫通する形状で形成され、長さは第1溝132よりも短くなっている。
ズームリング160の物体側端面には、光軸Oに対して平行に突出したフォーカスリング回動規制部材162が形成されている。フォーカスリング回動規制部材162は、ズームリング回動範囲規定穴153を嵌通し、第1溝132に挿入される。このようにすることで、フォーカスリング130と中間鏡筒150とズームリング160とが係合される。フォーカスリング回動規制部材162は、フォーカスレンズ101とズームレンズ102とが近づきすぎないように、フォーカスリング130の回動範囲を規制するための部材である。
固定レンズ103は、光軸Oに沿う方向へ移動しないレンズであり、後鏡筒170に保持されている。後鏡筒170は、中間鏡筒150の後方(像側)に取付けられる。さらに、後鏡筒170には、バリフォーカルレンズ鏡筒100を撮像装置に対して着脱可能にするマウント部180が設けられている。
なお、ズームレンズ枠140のフォーカスレンズ101側にはアイリスユニット190が配置される。アイリスユニット190は公知のものを使用することが可能であるため、説明は省略する。
次に、図2、図3、図5、図6を参照して、バリフォーカルレンズ鏡筒100におけるフォーカスレンズ101とズームレンズ102の移動範囲を規制するための構成について説明する。図2、図5はいずれも物体側から見た状態を示すものである。また、図3、図6は、フォーカスリング130およびズームリング160の回転動作に対応するフォーカスカムピン111およびとズームカムピン141の位置を示している。いずれの図も図1および図4に示した領域イの範囲を光軸Oに沿って切断して鏡筒の外側から見た状態を示している。なお、図3、図6では分かりやすくするため、実際は隠れて見えないフォーカスカム溝131やズームカム溝161などを実線で示してある。
このバリフォーカルレンズ鏡筒100では、フォーカスリング130を時計回りに回転させるとフォーカスレンズ101が像側へ移動し、それを反時計回りに回転させるとフォーカスレンズ101が物体側へ移動する。また、ズームリング160を時計回りに回転させるとズームレンズ102が像側へ移動し、それを反時計回りに回転させるとズームレンズ102が物体側へ移動する。バリフォーカルレンズ鏡筒100において、フォーカスレンズ101が物体側に移動するとnear状態になり、像側に移動するとINF状態になる。また、ズームレンズ102が最物体側に位置するとtele端状態になり、最像側に位置するとwide端状態になる。
ズームリング160を回動させると、ズームレンズ102が光軸Oに沿う方向へ移動しズーミングが行われる。このとき、ズームリング160に形成されたフォーカスリング回動規制部材162も、ズームリング160の回動に伴いズームリング回動範囲規定穴153内を移動する。ズームリング回動範囲規定穴153の長さは、wide端からtele端までのズーム範囲に必要とされるズームリング160の最小限度の回動範囲が確保できれば、不必要な領域までズームレンズ102が移動して他の部材と干渉することが避けられる。したがって、ズームリング回動範囲規定穴153の長さは、ズーム範囲に対応するズームリング160の回動領域に等しくなっている。本実施の形態では、図2、図4において、フォーカスリング回動規制部材162がズームリング回動範囲規定穴153の左端に当接する位置にくるとtele端状態になり、フォーカスリング回動規制部材162がズームリング回動範囲規定穴153の右端に当接する位置にくるとwide端状態になる。
また、フォーカスリング130に形成された第2溝133は、フォーカシングに必要なフォーカスレンズ101の移動量よりも若干広いフォーカスレンズ101を移動させることができるような長さになっている。第1溝132は、ズームリング回動範囲規定穴153と第2溝133+余裕代(x)とを合わせた長さになっている。余裕代(x)は、バリフォーカルレンズ鏡筒100を構成する部品の製造バラつきにより、ズームリング160を時計周りに廻したwide状態において、フォーカスリング130を反時計周りの回転方向端状態にしたときにフォーカスリング回動規制部材162が、第1溝132の右端にぶつからないようにするように設定する。
図2、図3は、ズームレンズ102が最物体側に移動した状態(tele端:図1参照)を示している。特に、図3におけるフォーカスリング130に対するズームリング160の位置は、ズームレンズ102が最もフォーカスレンズ101側に位置する第1ズームポジションを示している。この状態では、第1溝132の左端位置とズームリング回動範囲規定穴153の左端位置とが一致している。まず、フォーカスリング回動規制部材162がズームリング回動範囲規定穴153の左端に当接する位置までズームリング160が反時計回りの方向へ回転することで、ズームレンズ102が最物体側に位置してteleの状態になる。この状態では、ズームリング160のさらなる反時計回り方向への回転が規制され、それ以上ズームレンズ102が物体側へ近づくことを防止する。同時に、フォーカスリング回動規制部材162が第1溝132の左端に当接することにより、フォーカスリング130の時計回り方向への回転も規制される。ズームレンズ102が最もフォーカスレンズ101側に位置するときは、第1溝132およびフォーカスリング回動規制部材162により、フォーカスレンズ101をズームレンズ102側へ移動させる方向へのフォーカスリング130の回転が最大に制限される。
このようにすることにより、フォーカスレンズ101が必要以上にズームレンズ102の方向へ移動することを防止し、フォーカスレンズ101やそれを保持するフォーカスレンズ枠110が他の部材と干渉することを原因とするバリフォーカルレンズ鏡筒100の損傷を防止することができる。
なお、図2、図3に示した状態において、フォーカスリング130の反時計回り方向への回転は規制されないことから、フォーカスレンズ101をnear側へ移動させることは自由にできる。
図5、図6は、フォーカスレンズ101が最像側に移動した状態(オーバーINF:図4参照)を示している。すなわち、中間鏡筒150の凸部152がフォーカスリング130の第2溝133の右端に当接する位置までフォーカスリング130が時計回りの方向へ回転することで、フォーカスレンズ101が最像側に位置してオーバーINFの状態になる。この状態では、フォーカスリング130のさらなる時計回り方向への回転が規制され、それ以上フォーカスレンズ101がズームレンズ102側へ近づくことを防止する。
フォーカスレンズ101が最像側に位置する状態に至るまで、フォーカスリング130が時計回りへ回転することにより、第1溝132の左端がズームリング回動範囲規定穴153を覆うように時計回り方向へ移動する。この結果、ズームリング回動範囲規定穴153が短くなり、フォーカスリング回動規制部材162の移動範囲を狭めることによってズームリング160の回動可能範囲(回動範囲制限角度)を狭め、ズームレンズ102がフォーカスレンズ101に近づくことを防止する。なお、ズームレンズ102の移動量が一定量を超えると、第1溝132とフォーカスリング回動規制部材162との接触によるフォーカスリング130の回動範囲の制限が解除される。
このようにすることで、オーバーINF状態であっても、ズームレンズ102が必要以上にフォーカスレンズ101の方向へ移動することを防止し、ズームレンズ102やそれを保持するズームレンズ枠140が他の部材と干渉することを原因とするバリフォーカルレンズ鏡筒100の損傷を防止することができる。
図5、図6に示した状態においても、フォーカスリング130の反時計回り方向への回転は規制されないことから、フォーカスレンズ101をnear側へ移動させることは自由にできる。
次に、本実施の形態にかかるバリフォーカルレンズ鏡筒においてフォーカスレンズ101が最物体側に移動した状態(wide端におけるオーバーnear状態)を示す。図7は、実施の形態1にかかるバリフォーカルレンズ鏡筒においてフォーカスレンズが最物体側、ズームレンズが最像側に移動した状態を示す図である。図7におけるフォーカスリング130に対するズームリング160の位置は、フォーカスレンズ101によるピント位置が最もズームレンズ102側に位置する第2ズームポジションを示している。図7も、図3、図6と同様、フォーカスリング130およびズームリング160の動作に対応するフォーカスカムピン111およびとズームカムピン141の位置を示している。なお、図7でも分かりやすくするため、実際は隠れて見えないフォーカスカム溝131やズームカム溝161などを実線で示してある。
図7に示す状態では、中間鏡筒150の凸部152がフォーカスリング130の第2溝133の左端に当接する位置までフォーカスリング130が反時計回りの方向へ回転することで、フォーカスレンズ101が最物体像側に位置してオーバーnearの状態になる。この状態では、フォーカスリング130のさらなる反時計回り方向への回転が規制され、それ以上フォーカスレンズ101が物体側へ近づくことを防止する。
また、ズームリング160が時計回りの方向へ回転することで、フォーカスリング回動規制部材162がズームリング回動範囲規定穴153の右端に当接する位置まで移動し、ズームレンズ102が最像側に位置してwide端の状態になる。このとき、フォーカスレンズ101が最物体側に位置する状態に至るまで、フォーカスリング130が反時計回りへ回転したことにより、第1溝132の右端がズームリング回動範囲規定穴153の右端近傍まで移動するが、第1溝132の右端とズームリング回動範囲規定穴153の右端との間には余裕代(x)が形成されるように、第1溝132の長さが設定されている。こ
れは、前述のように、バリフォーカルレンズ鏡筒100に用いられる光学、機構部品等や組み立て精度にバラつきがあることを考慮して、ズームリング160を時計周りに廻したwide状態において、フォーカスリング130を反時計周りの回転方向端状態にしたときにフォーカスリング回動規制部材162が、第1溝132の右端にぶつからないようにするためである。
なお、上述した説明のように、フォーカスリング130の回動範囲が規制されるのは、ズームリング160の回動範囲全体に対してではなく、全ズームポジションの所定位置から一端まで、すなわちズームレンズ102に対してフォーカスレンズ101が近接する位置の近傍領域のみである。当該領域以外は、フォーカスリング130の回動範囲は規制されない。また、前述した第1ズームポジションにおけるフォーカスリング130の回動範囲の制限量は、第2ズームポジションにおけるフォーカスリング130の回動範囲の制限量より大きくなっている。
次に、バリフォーカルレンズ鏡筒100におけるフォーカスレンズ101とズームレンズ102の制御について説明する。図8は、実施の形態1にかかるバリフォーカルレンズ鏡筒におけるフォーカスレンズとズームレンズの制御について説明するための図である。図中、縦軸にフォーカスレンズ101の必要な移動量(A)を、横軸にズームレンズ102の必要な移動量(B)を示している。また、符号(C)は、フォーカスレンズ101が最もズームレンズ102側の位置にある地点以降の、ズームレンズ102がtele端に至るまでの移動量を示す。(D)は、INF状態におけるフォーカスレンズ101の最像位置からtele端合焦状態までのフォーカスレンズ101の移動量を示す。
このバリフォーカルレンズ鏡筒100では、INF(無限遠)、MOD(最至近距離)の各撮影状態においていずれもtele端に至る前のズーミングの過程でフォーカスレンズが最像側に移動した状態になる場合であっても、図8に示した関係を保ってフォーカスレンズ101とズームレンズ102とを移動させることによって、フォーカスレンズ101とズームレンズ102との干渉を回避することができる。INF、MODで示される曲線の最上部が、それぞれの撮影状態においてフォーカスレンズが最も像側(ズームレンズ102側)に移動する位置を示している。
図8に示すように、このバリフォーカルレンズ鏡筒100では、フォーカスレンズ101の移動可能領域を必要とされる以上に確保している。すわわち、フォーカスレンズ101の必要な移動量(A)に加え、(A)のnear側にフォーカスレンズ101の極限移動可能量(a)を、(A)のfar側にフォーカスレンズ101の極限移動可能量(b)を確保している。フォーカスレンズ101の極限移動可能量(b)とはINF状態のピント調整のために必要なフォーカスレンズ101の最像側位置を超え、さらに像側までフォーカスレンズ101を移動させることができるようにする余裕をもたせるためのものである。
さらに、tele端においても、INF状態のピント調整のために必要なフォーカスレンズ101の最像側位置を超え、さらに像側までフォーカスレンズ101を移動させることができるようにする余裕をもたせるためのフォーカスレンズ101の極限移動可能量(tele端におけるフォーカスレンズ極限移動可能量(c))が設定されている。(d)は、フォーカスリング130の動作により狭められるズームレンズ102の移動領域量を示す。また、(θ)は、ズーム・フォーカス連動カム角度を示す。
ここで、ズーム・フォーカス連動カム角度(θ)とは、フォーカスレンズ101の像側(ズームレンズ102側)への移動範囲を制限する範囲が、INF状態におけるフォーカスレンズ101の位置よりも、像側の範囲内となるように、フォーカスレンズ101の像側への移動範囲の制限量を設定するために必要な角度である。
具体的には、(θ)は、フォーカスレンズ101の移動範囲を制限しない範囲の各ズームポジションでのfar側のフォーカスレンズ101の極限移動可能位置(Over INF)の軌跡によって結ばれる線に対して、以下に定義される点Zxと点Zyで結ばれる線Zx−Zyが有する角度である。ただし、線Zx−Zyは、各ズームポジションでのINF状態におけるフォーカスレンズ101の位置よりも、像側(ズームレンズ102側)の範囲で、点Zxと点Zyとが結ばれるように任意に2点を選択することが条件となる。
点Zx:ズームレンズ102をwide端からtele端側へ移動させる方向において、フォーカスリング130の回転角度を制限し始める所定のズームポジションでの、far側のフォーカスレンズ101の極限移動可能位置(Over INF)。
点Zy:tele端での、INF状態におけるフォーカスレンズ101の位置よりも像側(ズームレンズ102側)で、かつ、far側のフォーカスレンズ101の極限移動可能位置(Over INF)よりも物体側の範囲内の位置。
このバリフォーカルレンズ鏡筒100において、ズーミングやフォーカシングの際に各部材が干渉し合って損傷することを回避するとともに、ズームレンズ102の移動軌跡に合わせた良好なフォーカス調整を行うためには、用いられる光学、機構部品等や組み立て精度にバラつきがあるため、まず、図8に示された各パラメータが以下に示す条件を満足することが好ましい。なお、長さの単位はすべて「mm」、角度の単位はすべて「°」である。
(1) c>0
(2a) D−c<dtanθ (C≧dのとき)
(2b) D−c<Ctanθ (C<dのとき)
また、前述のように、フォーカスリング130の内周面には、光軸Oに対して垂直な平面に対して所定の角度(フォーカスカム角度(μ))の方向へ延びるフォーカスカム溝131が形成されている。ズームリング160の内周面には、光軸Oに対して垂直な平面に対して所定の角度(ズームカム角度(ρ))の方向へ延びるズームカム溝161が形成されている(図3、図6を参照)。
そして、フォーカスリング130の最大回転角度を(α)、フォーカスリング130の最大回転角度(α)に対してズームリング160の動作により制限される回転角度を(β)とするとき、ズームリング160の回転角度(γ)、フォーカスカム角度(μ)、ズームカム角度(ρ)は、(α),(β)を用いて以下のように示される。
(3) β=((D−c+b)/(A+a+b))×α
(4) γ=(B×β)/d
(5) μ=arctan((A+a+b)×360)/(フォーカスリング130の円周の長さ×α)
(6) ρ=arctan(d×360)/(ズームリング160の円周の長さ×β)
以上を前提条件として、本実施の形態では、フォーカスリング130の回転角度(α)、ズームリング160の回転角度(γ)は、以下に示す条件を満足することが好ましい。
(7) 0<α+γ<360
条件式(7)は、ズームレンズ102のズームポジションに捉われず、フォーカスリング130の正常な動作を確保するための条件を示している。条件式(7)においてその上限を超えると、フォーカスリング130の第1溝132を形成することができず、フォーカスリング130でズームリング160の回転を規制してフォーカスレンズ101とズームレンズ102との干渉を防止することができなくなる。
なお、条件式(7)は、次に示す範囲が現実的な使用領域となる。
(7a) 30<α+γ<345
この条件式(7a)で規定する範囲を満足することにより、フォーカスリング130やズームリング160のフォーカスリング回動規制部材162、第1溝132を形成することができる。
さらに、フォーカスカム角度(μ)は、以下に示す条件を満足することが好ましい。
(8) 0<μ<60
条件式(8)は、フォーカスリング130の正常な動作を確保するための条件を示している。条件式(8)においてその下限未満の零値の場合、フォーカスリング130を回動させることによってフォーカスレンズ101を移動させることができない。一方、条件式(8)においてその上限を超えると、フォーカスカムピン111とフォーカスカム溝131とにおける摩擦力が過大になってフォーカスリング130の動作が不能になる。
なお、理想的には、条件式(8)は、次に示す範囲を満足するとよい。
(8a) 5<μ<60
この条件式(8a)で規定する範囲を満足すると、フォーカスリング130やズームリング160のフォーカスリング回動規制部材162、第1溝132を形成した上での、移動制限構造を容易に実現できる。0<μ<5の場合、単位角度あたりの移動量が極端に少なくなるため、本実施の形態において不都合が生じる場合がある。
さらに、ズームカム角度(ρ)も、以下に示す条件を満足することが好ましい。
(9) 0<ρ<60
条件式(9)は、ズームリング160の正常な動作を確保するための条件を示している。条件式(9)においてその下限未満の零値の場合、ズームリング160を回動させることによってズームレンズ102を移動させることができない。一方、条件式(9)においてその上限を超えると、ズームカムピン141とフォーカスカム溝131とにおける摩擦力が過大になってズームリング160の動作が不能になる。
なお、理想的には、条件式(9)は、次に示す範囲を満足するとよい。
(9a) 5<ρ<60
この条件式(9a)で規定する範囲を満足すると、フォーカスリング130やズームリング160のフォーカスリング回動規制部材162、第1溝132を形成した上での、移動制限構造を容易に実現できる。0<ρ<5の場合、単位角度あたりの移動量が極端に少なくなるため、本実施の形態において不都合が生じる場合がある。
本実施の形態に示したバリフォーカルレンズ鏡筒100における、上記各パラメータの具体的な値は、次のとおりである。
A:14.685,B:18.35,C:4.2,D:1.9,a:1,b:0.5,c:0.5,d:4,α:100,β:11.739,γ:53.85,μ:24.88,ρ:44.31
以上説明したように、本実施の形態にかかるバリフォーカルレンズ鏡筒100は、上記構成を備えることで、フォーカスレンズ101の移動を制御するフォーカスリング130と、ズームレンズ102の移動を制御するズームリング160とを係合させることで、互いの回動領域を制御しあって、フォーカスレンズ101とズームレンズ102とが必要以上に近づくことを回避し、バリフォーカルレンズ鏡筒100の損傷を防止することができる。しかも、レンズのズーミングとフォーカシングとを個別に調整することができるというバリフォーカルレンズ鏡筒の特性を生かしながら、フォーカスレンズの移動可能領域を広く確保して、ズームレンズの移動軌跡に合わせた良好なフォーカス調整を行うことができるバリフォーカルレンズ鏡筒を簡易な構成で径方向を拡大させることなく実現することができる。
なお、フォーカスレンズ101とズームレンズ102の構成を入れ替えても、本実施の形態にかかるバリフォーカルレンズ鏡筒100によってもたらされる効果は変わらない。また、第1溝132、第2溝133をフォーカスリング130の像側端面に形成することも必要ない。たとえば、第2溝133に代えて凸部を形成し、中間鏡筒150の凸部152に代えて凸部152が形成された位置に第2溝133に相当する溝部を形成することによっても、バリフォーカルレンズ鏡筒100によってもたらされる効果は変わらない。
フォーカスリング回動規制部材162についても、ズームリング160の最大回転角度、指定ズーム域でのフォーカスリング130の回転角度の両方を規制させる構成にしているが、必ずしもそうしなければならない訳ではなく、後者のみに使用し、前者は別形状を設定しても構わない。
(実施の形態2)
実施の形態1では、フォーカスリング130やズームリング160の動作を制御するための第1溝132、第2溝133をフォーカスリング130の像側端面に形成した例を示した。しかしながら、必ずしも第1溝132、第2溝133を2つ形成する必要はない。第1溝132のみを形成したうえでその一端部にフォーカスリング回動規制部材162を当て付けるようにして、フォーカスリング130やズームリング160の動作を制御し、フォーカスレンズ101とズームレンズ102との干渉を防止することができる。本実施の形態では、フォーカスリング130やズームリング160の動作を制御するために、フォーカスリング130に第1溝132のみが形成されている例を示す。
図9、図10は、実施の形態2にかかるバリフォーカルレンズ鏡筒の部分展開図である。図9はズームレンズ102が最物体側に移動した状態(tele端)を示し、図10はフォーカスレンズが最像側に移動した状態(オーバーINF)を示している。いずれの図も、実施の形態1で示した図3、図6に対応する図であり、フォーカスリング130およびズームリング160の動作に対応するフォーカスカムピン111およびズームカムピン141の位置を示している。
図9、図10に示すように、本実施の形態にかかるバリフォーカルレンズ鏡筒では、フォーカスリング130の像側端面に第1溝132のみを形成する。そして、ズームリング160に形成されたフォーカスリング回動規制部材162を、中間鏡筒150に形成されたズームリング回動範囲規定穴153を嵌通させ、第1溝132に挿入する。第1溝132の左端部にフォーカスリング回動規制部材162を当て付けるようにすることで、フォーカスリング130やズームリング160の動作を制御し、フォーカスリング130とズームリング160との干渉を防止する。
第2溝133をなくしたことにより、中間鏡筒150に凸部152を形成する必要がない。これ以外の構成は、実施の形態1に示したバリフォーカルレンズ鏡筒と同様である。このようにすることによっても、実施の形態1の場合と同様の効果が得られる。
なお、本実施の形態において、第1溝132に必要な長さは、α+γ+xである。また
、本実施の形態に示したバリフォーカルレンズ鏡筒における上記各パラメータの具体的な値は、次のとおりである。
A:14.685,B:18.35,C:4.2,D:1.9,a:1,b:0.5,c:0.5,d:4,α:220,β:25.826,γ:118.48,μ:11.9,ρ:23.93
(実施の形態3)
本実施の形態にかかるバリフォーカルレンズ鏡筒も、実施の形態2と同様に、フォーカスリング130やズームリング160の動作を制御するために、フォーカスリング130に第1溝132のみが形成されている例を示す。ただし、本実施の形態では、実施の形態2と同比較して、フォーカスリング130の回転角度(α)およびズームリング160の回転角度(γ)を小さくしている。
図11、図12は、実施の形態3にかかるバリフォーカルレンズ鏡筒の部分展開図である。図11はズームレンズ102が最物体側に移動した状態(tele端)を示し、図12はフォーカスレンズが最像側に移動した状態(オーバーINF)を示している。いずれの図も、実施の形態2で示した図9、図10に対応する図であり、フォーカスリング130およびズームリング160の動作に対応するフォーカスカムピン111およびズームカムピン141の位置を示している。
図11、図12に示すように、本実施の形態にかかるバリフォーカルレンズ鏡筒でも、フォーカスリング130の像側端面に第1溝132のみを形成する。そして、ズームリング160に形成されたフォーカスリング回動規制部材162を、中間鏡筒150に形成されたズームリング回動範囲規定穴153を嵌通させ、第1溝132に挿入する。第1溝132の左端部にフォーカスリング回動規制部材162を当て付けるようにすることで、フォーカスリング130やズームリング160の動作を制御し、フォーカスリング130とズームリング160との干渉を防止する。
なお、本実施の形態においても、第1溝132に必要な長さは、α+γ+xである。ま
た、本実施の形態に示したバリフォーカルレンズ鏡筒における上記各パラメータの具体的な値は、次のとおりである。
A:14.685,B:18.35,C:4.2,D:1.9,a:1,b:0.5,c:0.5,d:4,α:60,β:7.044,γ:32.31,μ:37.7,ρ:58.42
(実施の形態4)
実施の形態2,3では、第1溝132とフォーカスリング回動規制部材162との当接部は、いずれも光軸Oに対して平行な平面が形成されている。しかしながら、第1溝132とフォーカスリング回動規制部材162との当接部は必ずしも光軸Oに対して平行な平面同士である必要はない。たとえば、第1溝132またはフォーカスリング回動規制部材162のいずれか一方に、光軸Oに対して所定の角度を有するテーパ形状の当接面が形成されていてもよい。このようにすることにより、ズームリング160の操作時にフォーカスリング130が連動して動きやすく、フォーカスリング130の操作時はズームリング160が連動しにくくなって、誤操作を抑制することができる。
図13、図14は、実施の形態4にかかるバリフォーカルレンズ鏡筒の部分展開図である。図13はフォーカスリング回動規制部材162側の当接面側をテーパ形状に形成した例を示し、図14は第1溝132の当接面側をテーパ形状に形成した例を示している。いずれも、図11に示した構成を基準にしたものである。
なお、本実施の形態にかかるバリフォーカルレンズ鏡筒において、ズームリング160の操作時にフォーカスリング130が連動して動きやすく、フォーカスリング130の操作時はズームリング160が連動しにくくなって、誤操作を抑制するといった効果を得るためには、フォーカスカム角度(μ)とズームカム角度(ρ)は、以下に示す条件関係を満足することが好ましい。
(10) μ<ρ<60
なお、条件式(10)は、次に示す範囲を満足すると、より好ましい効果が期待できる。
(10a) μ+20<ρ<60
フォーカスカム角度(μ)とズームカム角度(ρ)に大きな差をつけることで、よりズームリング160の操作時にフォーカスリング130が連動して動きやすく、フォーカスリング130の操作時はズームリング160が連動しにくくなって、誤操作を抑制するといった効果が得られる。
以上のように、本発明にかかるバリフォーカルレンズ鏡筒は、小型化が要求される各種撮像装置に有用であり、特に、小型の監視カメラに適している。
100 バリフォーカルレンズ鏡筒
101 フォーカスレンズ
102 ズームレンズ
103 固定レンズ
110 フォーカスレンズ枠
111 フォーカスカムピン
120 前鏡筒
121 直進溝
130 フォーカスリング
131 フォーカスカム溝
132 第1溝
133 第2溝
140 ズームレンズ枠
141 ズームカムピン
150 中間鏡筒
151 直進溝
152 凸部
153 ズームリング回動範囲規定穴
160 ズームリング
161 ズームカム溝
162 フォーカスリング回動規制部材
170 後鏡筒
180 マウント部
190 アイリスユニット
O 光軸

Claims (4)

  1. 同一光軸上に配置されたズームレンズとフォーカスレンズとを備え、前記ズームレンズの外部に設けられたズームリングを回動して前記ズームレンズを光軸に沿う方向へ移動させて画角を調整し、画角調整によって生じたピントのズレを前記フォーカスレンズの外部に設けられたフォーカスリングを回動して前記フォーカスレンズを光軸に沿う方向へ移動させて解消するバリフォーカルレンズ鏡筒であって、
    光軸に沿う方向において、前記ズームレンズと前記フォーカスレンズが隣り合わせで配置されており、
    前記フォーカスリングの一部に、前記ズームリングの回動位置に応じた前記フォーカスリングの回動範囲を規制する第1溝を形成し、
    前記ズームリングの一部に、前記第1溝に挿入することで、前記フォーカスリングの回動範囲を規制するフォーカスリング回動規制部材を形成し、
    前記ズームリングの回動範囲において前記ズームリングが所定位置から一端の間に位置するときに限り、前記フォーカスリング回動規制部材と前記第1溝とが係合して前記フォーカスリングの所定方向への回転が係止され、前記ズームリングの回動位置に応じて前記フォーカスリングの前記フォーカスレンズを前記ズームレンズ側へ移動させる方向への回動範囲を制限する、ことを特徴とするバリフォーカルレンズ鏡筒。
  2. 前記ズームリングの回動範囲における前記ズームリングの所定位置から一端の間に、前記ズームレンズが最も前記フォーカスレンズ側に位置する第1ズームポジションと、前記フォーカスレンズによるピント位置が最も前記ズームレンズ側に位置する第2ズームポジションと、を有し、
    前記第1ズームポジションにおける前記フォーカスリングの回動範囲の制限量は、前記第2ズームポジションにおける前記フォーカスリングの回動範囲の制限量より大きいことを特徴とする、請求項1に記載のバリフォーカルレンズ鏡筒。
  3. 前記ズームレンズが最も前記フォーカスレンズ側に位置するときは、前記第1溝および前記フォーカスリング回動規制部材により、前記フォーカスレンズを前記ズームレンズ側へ移動させる方向への前記フォーカスリングの回転が最大制限され、
    前記ズームレンズを前記フォーカスレンズと反対側に移動させると、前記フォーカスリングの回動範囲制限角度が狭まり、前記ズームレンズの移動量が一定量を超えると、前記第1溝と前記フォーカスリング回動規制部材との接触による前記フォーカスリングの回動範囲の制限が解除されることを特徴とする、請求項2に記載のバリフォーカルレンズ鏡筒。
  4. 前記フォーカスレンズは、フォーカスレンズ枠に保持されるとともに、前記フォーカスレンズ枠に形成されたフォーカスカムピンと前記フォーカスリングの内周面に形成されたフォーカスカム溝と係合されることで、前記フォーカスリングの回動により光軸に沿う方向へ移動し、
    前記ズームレンズは、ズームレンズ枠に保持されるとともに、前記ズームレンズ枠に形成されたズームカムピンと前記ズームリングの内周面に形成されたズームカム溝と係合されることで、前記ズームリングの回動により光軸に沿う方向へ移動し、
    前記フォーカスリングの最大回転角度をα、前記フォーカスリングの最大回転角度αに対して前記ズームリングの動作により制限される回転角度をβ、前記ズームリングの回転角度をγ、前記フォーカスカム溝の光軸に垂直な面とのなす角度をμ、前記ズームカム溝の光軸に垂直な面とのなす角度をρ、前記フォーカスレンズの必要な移動量をA、前記ズームレンズの必要な移動量をB、前記フォーカスレンズが最もズームレンズ側の位置にある地点以降の前記ズームレンズがtele端に至るまでの移動量をC、INF状態における前記フォーカスレンズの最像位置からtele端合焦状態までの前記フォーカスレンズの移動量をD、Aのnear側に設けられた前記フォーカスレンズの極限移動可能量をa、Aのfar側に設けられた前記フォーカスレンズの極限移動可能量をb、tele端におけるフォーカスレンズ極限移動可能量をc、前記フォーカスリングの動作により狭められる前記ズームレンズの移動領域量をd、ズーム・フォーカス連動カム角度をθとするとき、
    c>0、D−c<dtanθ(C≧dのとき)、D−c<Ctanθ(C<dのとき)、β=((D−c+b)/(A+a+b))×α、γ=(B×β)/d、μ=arctan((A+a+b)×360)/(前記フォーカスリングの円周の長さ×α)、ρ=arctan(d×360)/(前記ズームリングの円周の長さ×β)が成立することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載のバリフォーカルレンズ鏡筒。
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