JP2016004096A - 光学素子及びそれを備えた撮像装置 - Google Patents

光学素子及びそれを備えた撮像装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016004096A
JP2016004096A JP2014123025A JP2014123025A JP2016004096A JP 2016004096 A JP2016004096 A JP 2016004096A JP 2014123025 A JP2014123025 A JP 2014123025A JP 2014123025 A JP2014123025 A JP 2014123025A JP 2016004096 A JP2016004096 A JP 2016004096A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
optical element
shape
antireflection
gate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014123025A
Other languages
English (en)
Inventor
村田 淳
Atsushi Murata
淳 村田
隆正 田村
Takamasa Tamura
隆正 田村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority to JP2014123025A priority Critical patent/JP2016004096A/ja
Publication of JP2016004096A publication Critical patent/JP2016004096A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)

Abstract

【課題】表面に微細構造からなる反射防止構造体が形成された光学素子において、従来よりも優れた反射防止機能を実現することを目的とする。
【解決手段】成形材料を加熱溶融し、ゲートを介して成形型内に射出充填して得られた光学素子であって、光軸を含む光学機能面を有する光学部11と、光学部11に設けられ、所定の波長以下の周期で形成された微細構造単位からなる反射防止凹凸構造13と、光学部11の外周に設けられ、ゲート跡部16を有するコバ部12とを備え、光学部11は、ゲート跡部16近傍の領域における微細構造単位の形状がゲート跡部16から離れた領域における微細構造単位の形状とは異なるように構成した。
【選択図】図1

Description

本技術は、入射光の反射を抑制する反射防止凹凸構造が表面に形成された光学素子及びそれを備えた撮像装置に関する。
近年、光の反射を抑制する反射防止処理が表面に施された種々の光学素子が提案されている。反射防止処理の1つとして、光学部材の表面に入射光の波長以下のピッチで微細構造を形成する技術が提案されている。例えば、規則的に配列された線条凹部、又は線条凸部からなる微細構造や、規則的に配列された錐体状又は柱状の凹部、又は凸部からなる微細構造等を形成する技術が提案されている。このような微細構造が複数配列されてなる構造を「反射防止凹凸構造(SWS:Subwavelength Structured Surface)」と称することがある。
例えば、特許文献1は、部材を形成する仮想の曲面の少なくとも一部に、反射防止対象となる光線の波長以下のピッチで形成した微細周期凹凸構造からなる反射防止部を有した光学素子を開示している。
特開2006−053220号公報
特許文献1では、光学有効面とその延長部の曲面の領域に反射防止部を設けた構成となっている。一般的に、樹脂からなる光学素子は射出成形により製造される。この場合、溶融樹脂の通り道であるゲートを介して、光学素子を成形するキャビティ内に溶融樹脂を流し込み、溶融樹脂を固化させる方法が一般的である。
本技術は、表面に微細構造からなる反射防止構造体が形成された光学素子において、従来よりも優れた反射防止機能を実現することを目的とする。
本技術は、成形材料を加熱溶融し、ゲートを介して成形型内に射出充填して得られた光学素子であって、光軸を含む光学機能面を有する光学部と、光学部に設けられ、所定の波長以下の周期で形成された微細構造単位からなる反射防止凹凸構造と、前記光学部の外周に設けられ、ゲート跡部を有するコバ部とを備え、前記光学部は、前記ゲート跡部近傍の領域における微細構造単位の形状が前記ゲート跡部から離れた領域における微細構造単位の形状とは異なるように構成したことを特徴とする。
本技術によれば、従来よりも優れた反射防止機能を有する光学素子を実現することができる。
本技術の一実施の形態による光学素子の構成を示す断面図である。 光学素子のゲート跡部近傍を拡大して示す部分拡大図及び説明図である。 光学素子を光軸方向から見たときの概略図である。 本実施の形態による光学素子の製造に用いる射出成形装置の一例を示す概略断面図である。 本実施の形態による光学素子を成形するための成形型の一例を示す断面図である。 成形型の反射防止凹凸構造を形成する部分の断面形状と、成形後の反射防止凹凸構造形状の断面形状を示す拡大図である。 光学素子を成形するための第1成形型を作製するための工程を示す概略図である。 本技術による光学素子において、反射防止構造の他の例を示す概略図である。 本技術による光学素子を備えたカメラの概略図である。
以下、本技術の一実施の形態による光学素子について、図面を用いて説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、発明者らは、当業者が本技術を十分に理解するために添付図面及び以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
[1.光学素子の構成]
図1は、本技術の一実施の形態による光学素子の構成を示す断面図である。図1に示すように、光学素子10は、光軸Xを含む光学機能面を有する光学部11と、光学部11の外周に設けられたコバ部12とを備える。
光学部11は、SWS(Subwavelength Structured Surface)からなる反射防止凹凸構造13が形成された第1光学面14及び第2光学面15を備えている。本実施の形態においては、第1光学面14及び第2光学面15は、曲面形状に形成されている。なお、第1光学面14及び第2光学面15の形状は、非球面形状であってもよく、平面であってもよく、自由曲面であってもよい。また、反射防止凹凸構造13は、微細構造単位が規則的に複数配列されることにより構成されている。反射防止凹凸構造13は、微細構造単位の周期以上の波長の光の反射を抑制することができる。
また、コバ部12は、ゲート跡部16を有している。射出成形の場合、成形後、ゲート部は刃物等で切断除去するが、その一部が残っている。この残った部分がゲート跡部16である。
図2(a)は、光学素子のゲート跡部近傍を拡大して示す部分拡大図である。図2(b)は、図2(a)のベース面Lの球面を平面状態にして表示した説明図である。
図2(a)に示すように、反射防止凹凸構造13は、反射防止凹凸構造13aと、反射防止凹凸構造13bとで構成される。反射防止凹凸構造13bは、ゲート跡部16近傍の光学面上に形成されている。反射防止凹凸構造13aは、ゲート跡部16から離れた位置の光学面上に形成されている。詳細には、反射防止凹凸構造13は、光軸Xを含む領域に形成されている。
反射防止凹凸構造13は、ベース面Lを基準として光軸方向に向かって伸びて形成されている。ベース面Lは、反射防止凹凸構造13を形成する凸部と凸部とが交わる点を結んで形成される仮想的な面である。ベース面Lは、光学素子10に求められる光学特性を実現するために必要な形状に設計されている。
反射防止凹凸構造13の高さは、次のように定義される。反射防止凹凸構造13を構成する凸部の頂点を頂点Aとする。この頂点Aから光学部11方向に伸び、光軸Xに平行な線分を線分Mとする。この線分Mとベース面Lとの交点を交点Bとする。この頂点Aから交点Bまでの長さを、反射防止凹凸構造13の高さhとして定義する。
図2(b)に示すように、ベース面Lの球面成分を除去した状態では、反射防止凹凸構造13aの高さ及び反射防止凹凸構造13bの高さは、略同一の高さとなる。また、反射防止凹凸構造13aと反射防止凹凸構造13bの形状は、互いに異なる形状となっている。
具体的には、反射防止凹凸構造13aは、軸対称な形状であり、反射防止凹凸構造13bは、軸非対称な形状である。軸対称な形状とは、以下のように定義される。
まず、反射防止凹凸構造13を構成する各凸部のうち、隣り合う凸部が交わる点をCとする。この交点Cを通り、かつ、光軸Xに垂直な方向に伸びた線分を線分Nとする。交点Cを含む凸部のうち、この線分Mと交わる点を交点Dとする。このとき、頂点A、交点C、交点Dで形成される形状は、線分Mを中心軸とした軸対称の形状となる。本実施の形態では、上述のような定義に含まれる形状を軸対称の形状とする。なお、図2(a)では、凸部の先端形状は鋭角として図示しているが、実際に成形した反射防止凹凸構造13の頂点がこのように鋭角になるとは限らない。厳密に見れば、頂点Aは微少な曲率Rを有することになる。このような場合は、凸部の最も先端の部分を頂点Aとして定義すればよい。
図3は、光学素子を光軸方向から見たときの概略図である。図3を用いて、ゲート跡部16近傍の領域について説明する。
図3に示すように、光学素子10の外径を外径Yとする。外径Yは、線分Yとして図示されている。光軸Xを通り、かつ線分Yに対して垂直な線分を線分Zとする。線分Zは、線分Yの中点を通ることになる。すなわち、線分Zは、光学素子10を2分割する線分となる。さらに、図3に示すように、光軸Xからコバ部12の端部までを線分Sで半分に区切る。すなわち、コバ部12の端部から線分Sまでの長さは、外径Lの1/4の長さとなる。本実施の形態では、コバ部12の端部から外径Lの1/4の範囲に含まれる領域を、ゲート跡部16近傍領域として定義する。このゲート跡部16近傍領域に、反射防止凹凸構造13bが形成される。
なお、詳細は後述するが、ゲート跡部16近傍領域は、小さい方が好ましい。従って、ゲート跡部16近傍領域は、コバ部12の端部から外径Lの1/5の範囲に含まれる領域であることが好ましい。
[2.光学素子の製造方法]
図4は、本実施の形態による光学素子の製造に用いる射出成形装置の一例を示す概略断面図である。図4に示すように、射出成形装置20は、ペレット材などの樹脂材料21が投入されるホッパー22と、スクリュー23と、スプルー24と、ランナー25と、ゲート26と、第1成形型27と、第2成形型28と、温度調整部29とで構成される。以下、図4を用いて、光学素子10の製造方法について説明する。
まず、ホッパー22に樹脂材料21を投入する。投入された樹脂材料21は、スクリュー23で計量されながら加熱される。加熱された樹脂材料21は、可塑化し溶融される。溶融した樹脂材料21は、スプルー24、ランナー25、ゲート26を通って、第1成形型27と第2成形型28とで囲まれた空間(キャビティ)に射出充填される。その後、温度調整部29により冷却されることで、キャビティに充填された樹脂材料21は固化する。その後、第1成形型27及び第2成形型28を開き、光学素子10を取り出す。光学素子10を取り出す際、光学素子10には、ゲート26、ランナー25、スプルー24の形状に固まった樹脂材料も一体として取り出されるので、ゲート26の位置を刃物等で切断する。このとき、光学素子10にゲート跡部16が形成される。
樹脂材料21は、光学素子10に要求される屈折率と分散値を満足するものであればいずれの種類でも選択可能である。
射出成形して得た光学素子10は、冷却固化する過程で収縮するが、ゲート跡部16近傍とゲート跡部16近傍以外の部分で収縮量が異なる。また、内部歪の大きさも同様にゲート跡部16近傍とその他の部分で異なる。以下、収縮量が異なる理由及び内部歪が異なる理由について説明する。
まず、収縮量が異なる理由について説明する。加熱され溶融された樹脂材料21(以下単に、溶融樹脂と称する)は、ランナー25からゲート26に進入する。溶融樹脂がゲート26を通過する際に、キャビティ内のゲート26近傍の領域で、溶融樹脂にせん断力が発生する。以下、溶融樹脂に発生するせん断力について説明する。
溶融樹脂がキャビティ内に充填されるときの溶融樹脂の流れ方には以下の2種類がある。
1つは、キャビティ内に入った溶融樹脂が、キャビティ内のゲート26側とは反対側の部分に到達し、その後、第1成形型27の成形面及び第2成形型28の成形面へ流れ込む場合である。第1成形型27及び第2成形型28は、溶融樹脂よりも低い温度に設定されている。そのため、第1成形型27及び第2成形型28の成形面に接触した溶融樹脂は、それぞれの成形型により冷却される。このとき、溶融樹脂の表面にスキン層と呼ばれる薄く固化した層が形成される。しかし、スキン層の内部では溶融樹脂が流れているので、溶融樹脂とスキン層との間でせん断力が発生する。
2つ目は、溶融樹脂がゲート26からゲート26の反対側まで徐々に充填される場合である。このときも、成形面に接触した溶融樹脂にはスキン層が形成される。ゲート26近傍にスキン層が形成された後も、溶融樹脂は流れ込み続けるので、スキン層と溶融樹脂との間にせん断力が発生する。
また、図4に示すように、ランナー25の径は、ゲート26の径よりも大きい。したがって、溶融樹脂は、径の大きなランナー25から径の小さなゲート26に進入することになる。すなわち、ランナー25からゲート26に進入する際に、溶融樹脂の流速が速くなる。これにより、上述したせん断力はさらに発生しやすくなる。
このせん断力は、溶融樹脂が冷却固化する過程で内部歪として残留する。
また、射出成形では、キャビティの奥の方が樹脂の充填率が高い。そのため、ゲート26近傍に充填された樹脂の密度は、その他の部分の樹脂の密度に比べて小さくなっている。このため、ゲート26近傍に充填された樹脂の冷却固化時の収縮量が、ゲート26近傍以外の部分に比べて大きくなる。その結果、反射防止凹凸構造13bの形状は、変形しやすくなる。したがって、反射防止凹凸構造の形状13bは、軸非対称でかつ高さ寸法も小さくなる。
一方、ゲート26近傍以外の部分の反射防止凹凸構造13aは、軸対称で高さ寸法も所望の寸法が得られる。
図5は、本実施の形態による光学素子を成形するための成形型の一例を示す断面図である。第1成形型27及び第2成形型28の成形面には、反射防止凹凸構造13を成形するための微細加工が施されている。
図5に示すように、反射防止凹凸構造13aに対応する領域には、反射防止凹凸構造13aの反転形状13Aが形成されている。そして、反射防止凹凸構造13bに対応する領域には、反射防止凹凸構造13aの反転形状13Aよりも光軸方向の高さ(深さ)が大きい、反転形状13Bが形成されている。以下、金型の形状をこのように形成した理由について説明する。
図6は、成形型の反射防止凹凸構造を形成する部分の断面形状と、成形後の反射防止凹凸構造形状の断面形状を示す拡大図である。なお、図6は、離型後の状態を示す図であり、図6(a)は、ゲート跡部16近傍以外の部分の反射防止凹凸構造13aの形状を示し、図6(b)、(c)は、ゲート跡部16近傍の反射防止凹凸構造13bの形状を示す。
図6(a)、(b)に示すように、第1成形型27の反射防止凹凸構造の形成部の高さ(深さ)が同じ高さの場合、ゲート跡部16以外の領域では、反射防止凹凸構造の形成部の形状が精度よく転写される。しかし、ゲート跡部16近傍の領域では、上述した内部歪みや収縮量の差により、収縮時に形状が変形する。具体的には、反ゲート方向に引っ張られたような軸非対称な形状になる。また、収縮量も大きいので、収縮後の高さも小さくなる。
そこで、本実施の形態においては、図6(c)に示すように、ゲート26近傍の反射防止凹凸構造の形成部の高さ(深さ)を、その他の領域よりも大きくしている。
このような構成により、ゲート26近傍の反射防止凹凸構造の形成部には、より多くの溶融樹脂が充填される。その結果、冷却時に収縮しても、反射防止凹凸構造13bは十分な高さを確保することができる。
ところで、反射防止凹凸構造13は、光学素子10に入射する光の波長を、光学素子11の屈折率で除した解以下の周期を有し、かつ入射する光の波長の0.3倍以上の高さを有していれば、反射防止効果を発現すると言われている。本実施の形態の光学素子10において、撮像装置の光学系で使用する場合、可視光400nm〜700nmの波長に対して、反射率を0.5%以下とすることが望ましく、反射防止凹凸構造の高さは210nm以上の高さを確保することが望ましい。反射防止凹凸構造13の高さは、より望ましくは使用する波長の0.4倍以上が良い。このときの反射防止凹凸構造13の高さは280nm以上であることが望ましい。高さと反射率の関係は、反射防止凹凸構造13の単位構造の形状が円錐の場合の一般的な理論から導かれるが、単位構造の形状によっては、同じ高さでも反射率が異なってくる場合がある。一般的に光学素子用樹脂材料の成形収縮率は0.1〜1.0%であり、樹脂の種類、成形条件、成形品の形状によっても異なってくる。ここで、成形収縮率とは、成形型の寸法に対する成形後の光学素子の寸法の割合を意味する。
次に、第1成形型27及び第2成形型28の加工方法について説明する。
図7は、光学素子を成形するための第1成形型を作製するための工程を示す概略図である。なお、ここでは第1成形型27を例に挙げて説明するが、第2成形型28も同様の工程で得ることができる。
まず、金型母材31を用意する。そして、図7(a)に示すように、機械加工により金型母材31に光学素子形状を形成する。次に、図7(b)に示すように、金型母材31表面に金属マスク32を形成する。金属マスク32の形成方法としては、スパッタリング法・蒸着法などが好ましい。
次に、図7(c)に示すように、金属マスク32の上にレジストマスク33を形成する。レジストマスク33の形成方法としてはスピンコート法、スプレーコート法が好ましい。
次に、図7(d)に示すように、レジストマスク33に反射防止凹凸構造13に対応したレジストドットパターン34を形成する。レジストドットパターン34の形成方法としては、電子ビーム描画法や干渉露光(ホログラム露光)法などが好ましい。
次に、図7(e)に示すように、ドライエッチングによりレジストドットパターン34を金属マスク32に転写する。それにより、金属マスクドットパターン35が形成される。なお、金属マスクドットパターン35の形成方法としては、ウェットエッチングでもよい。
次に、図7(f)に示すように、ドライエッチングにより金属マスクドットパターン35を金型母材31に転写する。このとき、レジストドットパターン34の穴径を大きくすることで、反射防止凹凸構造13の反転形状を深くすることができる。これにより、金型母材31表面に反射防止凹凸構造13の反転形状36が形成される。
次に、本技術による具体的な実施例と比較例について説明する。
(実施例)
実施例の光学素子は、図1に示すような両凸形状の光学素子である。光学素子の外径は10mmであり、厚さは中心厚3mm、コバ厚1mmである。また、光学有効径は6mmとした。樹脂材料として、三井化学株式会社製のポリオレフィン系の樹脂APL5014を使用した。
成形型母材31としてシリコンカーバイド(SiC)を用意した。機械加工により、成形型母材31に光学素子形状を形成し、スパッタリング法によりタングステンシリサイド(WSi)を形成した後、スピンコート法により電子ビーム用レジスト(ポジ型)を塗布した。その後、電子ビーム描画によりドット形状を描画した。
レジストドットパターンをマスクとして、アルゴンガスを用いたドライエッチングによりWSiマスクにドットパターンを形成した。引き続き、フルオロカーボン系ガスを用いたドライエッチングにより、成形型母材31のSiC表面に反射防止凹凸構造の反転形状を形成した。このとき、ゲート26近傍の反射防止凹凸構造の形成部の深さは他の領域よりも深くして形成した。
反射防止凹凸構造の反転形状を微細加工した成形型を、フッ素系離型剤に浸漬して離型処理した。離型処理した金型を用いて、ポリオレフィン系の樹脂を射出成形して光学素子を作製した。
成形条件は、樹脂温度を260℃、成形型温度を135℃とし、タクトは90秒とした。また、射出成形機には、8個取りの成形型を設置して射出成形した。成形型の保圧力は100MPaとした。
成形後、光学素子表面の反射防止凹凸構造の形状を計測した。得られた光学素子の反射防止凹凸構造13bの形状は、図6(c)のように、断面形状は軸非対称であったが、高さはゲート跡部16から離れた部分の反射防止凹凸構造13aの高さとほぼ同等の高さが得られた。反射防止凹凸構造13の周期は光学素子全面にわたって250nmであった。反射防止凹凸構造13の高さは、光学有効面全域で280nm以上となっており所望の形状となっていることが確認できた。
得られた光学素子の反射率を測定した結果、光学有効面内の全域において反射率は0.3%以下であり、良好な反射率特性が得られた
(比較例)
次に、同じ射出成形装置を使用して、反射防止凹凸構造の形成部の深さを全て均一にした成形型を用いて成形を行った。
得られた光学素子の反射率特性を測定した結果、ゲート跡部16から離れた部分の反射率は0.3%で良好であったが、ゲート跡部16近傍の反射率は1.2%であり、所望の特性を満たさなかった。
以上説明したように、本技術によれば、表面に微細構造からなる反射防止構造体が形成された光学素子において、従来よりも優れた反射防止機能を実現することが可能となる。
なお、本実施の形態においては、反射防止凹凸構造13は第1光学面14及び第2光学面15上にのみ設けられているが、反射防止凹凸構造13が形成される面はこれに限らない。反射防止凹凸構造13は、第1光学面のみに設けられてもよい。また、反射防止凹凸構造13は、第2光学面15のみに設けられてもよい。
また、本実施の形態の光学素子10は、両凸形状であったが本技術はこれには限らない。例えば、光学素子は、両凹形状でもよく、凸メニスカス形状でもよく、凹メニスカス形状でもよい。
また、本実施の形態においては、反射防止凹凸構造13として、微細構造単位が円錐形状(図8(a)参照)の反射防止構造体を例に挙げて説明しているが、必ずしもこのような構成に限定されるものではない。例えば、微細構造単位が正六角錐形状や、四角錐形状などの角錐形状(図8(b)参照)であってもよい。また、反射防止構造体の微細構造単位の形状は、必ずしも円錐又は角錐状に限定されるものではなく、円柱状(図8(c)参照)や角柱状(図8(d)参照)などの柱状であってもよい。さらに、先端が丸くなっている釣鐘状(図8(e)及び図8(f)参照)であっても、円錐台状(図8(g)参照)や角錐台状(図8(h)参照)などの円錐台又は角錐台状であってもいずれでもよい。また、各微細構造単位は、厳密な幾何学的な形状である必要はなく、実質的に円錐又は角錐状、柱状、釣鐘状、円錐台又は角錐台状であればよい。要するに、反射防止凹凸構造13は、少なくとも、各微細構造単位が反射を低減すべき光の波長よりも小さいピッチで配列されていればよい。
次に、本技術による光学素子を備えた撮像装置の一例として、カメラの構成について説明する。図9には、本技術による光学素子を備えたカメラの概略図である。
図9に示すように、カメラ100は、カメラ本体110と、カメラ本体110に取り付けられた交換レンズ120とを備えている。
カメラ本体110は、撮像素子130を有し、交換レンズ120は、カメラ本体110に着脱可能に構成されている。交換レンズ120は、例えば、望遠ズームレンズである。交換レンズ120は、光束をカメラ本体110の撮像素子130上に合焦させるための結像光学系140を有している。結像光学系140は、レンズ素子として機能する本技術による光学素子10と、屈折型レンズ150、160とで構成されている。
このような構成とすることにより、優れた光の反射防止機能を有するカメラを実現することが可能となる。
以上のように、本技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面及び詳細な説明を提供した。したがって、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施の形態は、本技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
以上のように本技術によれば、高品位な結像光学系、対物光学系、走査光学系、ピックアップ光学系等の各種光学系、光学素子鏡筒ユニット、光ピックアップユニット、撮像ユニット等の各種光学ユニット、及び撮像装置、光ピックアップ装置、光走査装置等を実現することが可能となる。
10 光学素子
11 光学部
12 コバ部
13、13a、13b 反射防止凹凸構造
13A、13B 反転形状
14 第1光学面
15 第2光学面
16 ゲート跡部
20 射出成形装置
21 樹脂材料
22 ホッパー
23 スクリュー
24 スプルー
25 ランナー
26 ゲート
27 第1成形型
28 第2成形型
29 温度調整部
31 金型母材
32 金属マスク
33 レジストマスク
34 レジストドットパターン
35 金属マスクドットパターン
36 反転形状
100 カメラ
110 カメラ本体
120 交換レンズ
130 撮像素子
140 結像光学系
150、160 屈折型レンズ

Claims (5)

  1. 成形材料を加熱溶融し、ゲートを介して成形型内に射出充填して得られた光学素子であって、
    光軸を含む光学機能面を有する光学部と、光学部に設けられ、所定の波長以下の周期で形成された微細構造単位からなる反射防止凹凸構造と、前記光学部の外周に設けられ、ゲート跡部を有するコバ部とを備え、
    前記光学部は、前記ゲート跡部近傍の領域における微細構造単位の形状が前記ゲート跡部から離れた領域における微細構造単位の形状とは異なるように構成したことを特徴とする光学素子。
  2. 前記光学部に設けられた微細構造単位は、ゲート跡部から離れた領域の形状が軸対称の形状であり、ゲート跡部近傍の領域の形状が軸非対称の形状である請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記ゲート跡部近傍の領域は、コバ部の端部から光学素子の外径の1/4の範囲に含まれる領域である請求項1に記載の光学素子。
  4. 前記光学部に設けられた微細構造単位は、ゲート跡部近傍の領域の光軸方向の高さと、前記ゲート跡部から離れた領域の光軸方向の高さとが略同一の高さとなるように設けられている請求項1に記載の光学素子。
  5. 結像光学系に請求項1に記載の光学素子を備えたことを特徴とする撮像装置。
JP2014123025A 2014-06-16 2014-06-16 光学素子及びそれを備えた撮像装置 Pending JP2016004096A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014123025A JP2016004096A (ja) 2014-06-16 2014-06-16 光学素子及びそれを備えた撮像装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014123025A JP2016004096A (ja) 2014-06-16 2014-06-16 光学素子及びそれを備えた撮像装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016004096A true JP2016004096A (ja) 2016-01-12

Family

ID=55223421

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014123025A Pending JP2016004096A (ja) 2014-06-16 2014-06-16 光学素子及びそれを備えた撮像装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016004096A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20200132885A1 (en) * 2018-10-31 2020-04-30 Tamron Co., Ltd. Optical element with antireflection structure, mold for manufacturing, method of manufacturing optical element with antireflection structure, and imaging apparatus
JP2020106628A (ja) * 2018-12-27 2020-07-09 株式会社タムロン 反射防止構造体付き光学素子、その製造方法、製造用金型の製造方法及び撮像装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20200132885A1 (en) * 2018-10-31 2020-04-30 Tamron Co., Ltd. Optical element with antireflection structure, mold for manufacturing, method of manufacturing optical element with antireflection structure, and imaging apparatus
JP2020106628A (ja) * 2018-12-27 2020-07-09 株式会社タムロン 反射防止構造体付き光学素子、その製造方法、製造用金型の製造方法及び撮像装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9268067B2 (en) Optical component having antireflection structure
JP7216666B2 (ja) 眼鏡レンズ成形型の製造方法及び眼鏡レンズの製造方法
JP5555817B2 (ja) 光学素子、それを備えた撮像装置及び光学素子の製造方法
JP5555816B2 (ja) 光学素子、それを備えた撮像装置及び光学素子の製造方法
EP2922692B1 (de) Erzeugung mikrostrukturierter brillengläser mittels transferschicht
JP2016004096A (ja) 光学素子及びそれを備えた撮像装置
JP5315484B1 (ja) 光学素子、それを備えた撮像装置及び光学素子の製造方法
JP6661164B2 (ja) 微細な溝を形成した金型、及びその製造方法
JP2016004098A (ja) 光学素子及びそれを備えた撮像装置
JP2016004097A (ja) 光学素子及びそれを備えた撮像装置
JP2006053220A (ja) 反射防止部を有する部材、その成形型及び該成形型の製造方法
JP2011017781A (ja) 光学素子及び光学系
JP4820871B2 (ja) 反射防止構造体及びその製造方法
JP4457589B2 (ja) 透過型光学素子を有する光学装置
JP2010072350A (ja) 光学面に微細パターンを有するプラスチック光学素子
US20140240840A1 (en) Optical member
JP2020064157A (ja) トーリックレンズ、光学素子、電子写真装置及びトーリックレンズの製造方法
JP4814938B2 (ja) 反射防止構造体及びその製造方法
JP2018040859A (ja) ホルダー付きレンズ、およびホルダー付きレンズの製造方法
JP2022026394A (ja) 射出成形用金型、樹脂成形体の製造方法、および、樹脂成形体
JP5086852B2 (ja) 回折光学素子および方法
JP2007333882A (ja) 反射防止構造体の製造方法、及びその反射防止構造体を用いた成形型、ガラス被成形物、又は樹脂被成形物の製造方法
JP2020100082A (ja) トーリックレンズの製造方法、トーリックレンズ及び電子写真装置
JP2022038039A (ja) 光学素子用微細突起
JP2009128542A (ja) 反射防止構造体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20160520