JP2016002731A - 積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】少なくとも樹脂層と接着層と基板とを備えつつも、光学分析に好適に用いることのできる積層体を提供する。【解決手段】本発明の積層体100は、硬化性樹脂を含む第1の樹脂組成物から形成される、表面が微細加工された樹脂層30と、樹脂層30に密着する、前記第1の樹脂組成物とは異なる硬化性樹脂を含む第2の樹脂組成物から形成される、接着層40と、基板16と、をこの順で備える積層体100であって、樹脂層30と接着層40との界面の中心線平均粗さ(Ra)が0.1nm以上100nm以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、積層体に関する。
近年、表面のパターン化された樹脂を基板に備えたチップが着目されており、DNAチップや糖鎖チップ等の用途展開に関する検討が活発になされている。
このような樹脂のパターン化の形成方法としては、たとえば特許文献1に記載された方法が知られている。当該文献の図2においてはポリマーフィルムに対して、易接着層と光硬化性転写層を積層させた、光硬化性転写シートを得、この光硬化性転写シートをスタンパに対して押圧し、硬化させることで、中間スタンパと称される積層体を得ている。
特開2011−178052号公報
特許文献1においては、図3のように、この中間スタンパからさらに他の光硬化性樹脂層に凹凸パターンの転写する態様が開示されており、このようにして得られる製品が光学部品やバイオ関連材料に有用であることが記載されている。ここで、図3に示されるような製品は、上記の中間スタンパのように、易接着層を備えるものではない。
すなわち、従来、光学分析等に積層体を供する場合については、実際に分析対象となる樹脂層と、基板以外の層を含ませると、層の界面の数が多くなることからノイズ等が発生しやすくなり、分析を阻害するものと考えられていた。そのため、樹脂層を積層させる層の数をできる限り少なくさせる必要があり、基板と光硬化性樹脂層のみからなる積層体が分析に供する試料として、最も好ましい態様と考えられていた。
しかしながら、このように、基板と光硬化性樹脂層のみから積層体を作製する場合は基板と樹脂とが十分に密着する系を選択しなければならないため、自ずと樹脂の種類が制限されてしまう。
このような点を鑑み、本発明は少なくとも樹脂層と接着層と基板とを備えつつも、光学分析に好適に用いることのできる積層体を提供する。
本発明によれば、
硬化性樹脂を含む第1の樹脂組成物から形成される、表面が微細加工された樹脂層と、
前記樹脂層に密着する、前記第1の樹脂組成物とは異なる硬化性樹脂を含む第2の樹脂組成物から形成される、接着層と、
基板と、
をこの順で備える積層体であって、
前記樹脂層と前記接着層との界面の中心線平均粗さ(Ra)が0.1nm以上100nm以下である積層体が提供される。
本発明における積層体は、上述する樹脂層と接着層との界面の中心線平均粗さ(Ra)が低いレベルにある。そのため、たとえば光学分析に当該積層体を供した場合であっても、ノイズの発生を未然に防ぐことができる。
本発明の積層体は少なくとも樹脂層と接着層と基板とを備えつつも、光学分析に好適に用いることができる。また、本発明の積層体は樹脂層と接着層とを備える構成であるため、各々の樹脂組成については種々のバリエーションを持たせることができる。そのため、たとえば、バイオチップ用途として用いる場合に、分析対象となる標的物質に適した積層体の設計が容易となる。
本実施形態における積層体の構造を示す図である。 本実施形態における積層体の製造方法を示す図である。 本実施形態における積層体の製造方法を示す図である。 実施例1によって得られた積層体のSEM写真である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同一符号を付し、その詳細な説明は重複しないように適宜省略される。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは必ずしも一致していない。
本実施形態の積層体は、
硬化性樹脂を含む第1の樹脂組成物から形成される、表面が微細加工された樹脂層と、
前記樹脂層に密着する、前記第1の樹脂組成物とは異なる硬化性樹脂を含む第2の樹脂組成物から形成される、接着層と、
基板と、
をこの順で備える積層体であって、
前記樹脂層と前記接着層との界面の中心線平均粗さ(Ra)が0.1nm以上100nm以下である積層体である。
以下、当該積層体について順を追って説明する。
[積層体100]
まず、本実施形態によって得られる積層体100について、図1を参照しながら説明する。
本実施形態の積層体100は、硬化性樹脂を含む第1の樹脂組成物から形成される、表面が微細加工された樹脂層30と、第1の樹脂組成物とは異なる硬化性樹脂を含む第2の樹脂組成物から形成される接着層40と、基板16とを備えるものである。
本実施形態における樹脂層30は第1の樹脂組成物から形成されるものである。
樹脂層30の厚さは、用途等に合わせて適宜設定することができるが、たとえば0.1μm以上100μm以下とすることができ、より好ましくは、0.5μm以上50μm以下である。なお、本実施形態において、樹脂層30の厚さは、樹脂層30と接着層40との界面から、微細加工されて形成される凸部の頂上部までの距離として定義する(図1におけるTaがこれに相当する)。
ここで、樹脂層30は硬化性樹脂を硬化させることで形成されたものである。具体的な硬化性樹脂としてはたとえば以下のような光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を含ませることができる。
まず、光硬化性樹脂の例としては、たとえば分子内に炭素−炭素の二重結合部位を有する樹脂や、ウレタン系樹脂等が挙げられる。具体的な分子内に炭素−炭素の二重結合部位を有する樹脂としては、たとえば、ウレタンアクリレート、ポリオール(メタ)アクリレート、水酸基を2個以上含むアルキル基を有する(メタ)アクリルポリマーおよび光重合開始剤からなる混合物を挙げることができる。また、分子内にマレイミド構造を有する樹脂等も好適に用いることができる。
上記のような光硬化性樹脂を採用する場合にあっては、ポリマーとして分子内に脂環式構造を有する繰り返し単位を有していることが好ましい。このような脂環式構造を有するポリマーを採用することによって、樹脂層30の透明性を向上させることができ、たとえば光学分析に供する際に、標的化合物の分析精度を向上させることができる。
このような脂環式構造を有するポリマーの具体的な例として、後述する一般式(1)で表される構造単位から選択される1種以上の構造単位と、下記一般式(3)で表される構造単位から選択される1種以上の構造単位とが、ランダムに共重合したポリマーが特に好ましく用いられる。
上記のウレタンアクリレートとしては、好ましくは、(メタ)アクリル酸および/または(メタ)アクリル酸エステル、ポリオール、ならびにジイソシアネートを用いて調製される。例えば、(メタ)アクリル酸および/または(メタ)アクリル酸エステルおよびポリオールから、水酸基を少なくとも1つ有するヒドロキシ(メタ)アクリレートを調製し、これをジイソシアネートと反応させることによってウレタンアクリレートを製造することができる。これら(メタ)アクリル酸および/または(メタ)アクリル酸エステル、ポリオール、ならびにジイソシアネートは、それぞれ1種でもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、目的に応じて各種添加剤を加えてもよい。
上記の(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘプチル(メタ)アクリレート等のシクロアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記のポリオールは、水酸基を少なくとも2つ有する化合物であり、例えば、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、シクロヘキサンジメチロール、1,4−シクロヘキサンジオール、スピログリコール、トリシクロデカンメチロール、レゾルシノール、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、プロピレンオキサイド付加ビスフェノールA、トリメチロールエタン、トリジメチロールプロパン、グリセリン、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、グルコース類を挙げることができる。
上記のジイソシアネートとしては、例えば、芳香族、脂肪族または脂環族の各種のジイソシアネート類を使用することができる。具体例としては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、3,3−ジメチル−4,4−ジフェニルジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、およびこれらの水添物などを挙げることができる。
上記のポリオール(メタ)アクリレートの具体例としては、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオール(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの成分は単独で用いてもよく、組み合わせて用いてもよい。さらに、必要に応じて各種添加剤を加えてもよい。ポリオール(メタ)アクリレートは、好ましくはペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートとを含む。これらは共重合体であってもよく、混合物であってもよい。
上記の水酸基を2個以上含むアルキル基を有する(メタ)アクリルポリマーとしては、例えば、2,3−ジヒドロキシプロピル基を有する(メタ)アクリルポリマーや、2−ヒドロキシエチル基および2,3−ジヒドロキシプロピル基を有する(メタ)アクリルポリマーが挙げられる。
分子内にマレイミド構造を有する樹脂としては、たとえば、マレイミド構造における窒素原子に対し、炭素鎖を介して重合部位を有するような樹脂等が挙げられる。
その重合部位の例として、たとえば、ビニル基、アクリル基、メタクリル基、ノルボルネン官能基などが挙げられる。なお、上述のマレイミド構造自体を光硬化に供することができるので、上記の重合部位を予め重合させてポリマーとし、当該ポリマーの側鎖分岐部にマレイミド構造を有する樹脂もあわせて用いることができる。
より具体的には、分子内にマレイミド構造を有する樹脂として、以下の一般式(1)で表される構造単位から選択される1種以上の構造単位と、下記一般式(3)で表される構造単位から選択される1種以上の構造単位とが、ランダムに共重合したポリマーが好ましく用いられる。
(式中、Xは、−CH−、−CH−CH−又は−O−である。mは、0〜5の整数である。R、R、R及びRのうちの1つが、下記一般式(2):
[式中、Aは、メチレン基;直鎖状又は分岐状の炭素数2〜6のヒドロカルビレン基;直鎖状又は分岐状の炭素数2〜6のハロヒドロカルビレン基;直鎖状又は分岐状の炭素数2〜6のパーハロカルビレン基;置換又は非置換の炭素数5〜12の環状又は多環式のヒドロカルビレン基;置換又は非置換の炭素数5〜12の環状又は多環式のハロヒドロカルビレン基;あるいは置換又は非置換の炭素数5〜12の環状又は多環式のパーハロカルビルレン基である。R及びRは、水素原子又は炭素数1〜4のヒドロカルビル基であり、同一であっても異なってもよく、R及びRで炭素数3〜8の環を形成してもよい。]
で表わされるマレイミド基である。R、R、R及びRの残りは、水素原子;直鎖状又は分岐状の炭素数1〜25のヒドロカルビル基;直鎖状又は分岐状の炭素数1〜25のハロヒドロカルビル基;あるいは直鎖状又は分岐状の炭素数1〜25のパーハロカルビル基であり、同一であっても異なってもよい。)
(式中、Yは、−CH−、−CH−CH−又は−O−である。nは、0〜5の整数である。R、R、R及びR10の少なくとも1つは、1又は2以上の酸素原子、窒素原子、硫黄原子及びケイ素原子から選択されるヘテロ原子を有する直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜25のヒドロカルビル基;1又は2以上の酸素原子、窒素原子、硫黄原子及びケイ素原子から選択されるヘテロ原子を有する直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜25のハロヒドロカルビル基;1又は2以上の酸素原子、窒素原子、硫黄原子及びケイ素原子から選択されるヘテロ原子を有する直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜25のパーハロカルビル基;1又は2以上の酸素原子、窒素原子、硫黄原子及びケイ素原子から選択されるヘテロ原子を有する炭素数1〜25のアリール基;1又は2以上の酸素原子、窒素原子、硫黄原子及びケイ素原子から選択されるヘテロ原子を有する炭素数1〜25のアラルキルペンダント基;直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜25のヒドロカルビル基;直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜25のハロヒドロカルビル基;直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜25のパーハロカルビル基;炭素数1〜25のアリール基;あるいは炭素数1〜25のアラルキルペンダント基である。R、R、R及びR10の残りは、水素原子である。)
なお、一般式(2)で表わされるマレイミド基としては、下記式(2−1)で表される構造が例示される。
上記のような光硬化性樹脂を用いる場合、光重合開始剤を添加することで、重合性を向上させることもできる。光重合開始剤としては、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、キサントン、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、N,N,N',N'−テトラメチル−4,4'−ジアミノベンゾフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、その他チオキサント系化合物を挙げることができる。
また、熱硬化性樹脂の例としては、従来公知のフェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
その他、第1の樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない限り、上記で挙げた成分以外の成分も添加することができる。
具体例としては、離型剤、シリコーンオイル、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、顔料、着色剤、滑剤、触媒、光酸発生剤等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、二種類以上を併用してもよい。
本実施形態の樹脂層30は比誘電率の値を低くすることが好ましい。具体的には樹脂層30の比誘電率の値として、3.0以下とすることが好ましく、2.8以下とすることがさらに好ましい。
このように比誘電率の値を制御することによれば、本実施形態の積層体100を誘電率の変化を伴う物質の変質の観測に供した際であっても、精度高く観測を行うことができる。
なお、比誘電率の測定については、日本エス・エス・エム株式会社製自動水銀プローブCV測定装置SSM495を用いることができ、たとえば温度22℃、湿度45%の雰囲気下においてJIS1660−1、IEC61338−1−4に準じて測定することができる。
本実施形態の樹脂層30のガラス転移温度はたとえば160℃以上220℃以下であり、さらに好ましくは160℃以上200℃以下である。
樹脂層30がこのようなガラス転移温度を有することで、積層体100としての機械的強度を付与することができる。ガラス転移温度の測定は、たとえば、動的粘弾性測定(DMA)で行うことができる。
本実施形態における接着層40は第2の樹脂組成物から形成されるものであり、樹脂層30と基板16との間に介在する。この接着層40の厚さの上限値としては500μm以下であり、好ましくは300μm以下であり、さらに好ましくは100μm以下である。このように接着層40の厚さの上限値を設定することで、積層体100を得る際に用いる全体の樹脂量を抑制することができる。この接着層40の厚さの下限値は特に限定されるものではないが、0.1μm以上であり、好ましくは0.3μm以上であり、より好ましくは0.5μm以上である。
なお、接着層40の厚さは図1において、Tbとして表される距離である。
第2の樹脂組成物として用いる硬化性樹脂は、第1の樹脂組成物に用いられる硬化性樹脂と異なっていれば、発明の目的を損なわない限りで適宜選択することができる。具体的には、前述した第1の樹脂組成物として列挙した硬化性樹脂と同様のもののなかから適宜選択して用いることができる。
そのなかでも、この第2の樹脂組成物に含まれる硬化性樹脂としては、分子内に炭素−炭素の二重結合部位を有する樹脂を含む樹脂組成物を用いることが好ましく、たとえばアクリル系の樹脂を用いることが好ましい。
市販されており、入手容易性の高い材料として、東洋合成工業株式会社製PAK−01等があり、この製品を第2の樹脂組成物に含まれる硬化性樹脂として好ましく用いることができる。
本実施形態において、樹脂層30と接着層40との界面の中心線平均粗さ(Ra)は特定の範囲に制御される。
具体的に、この樹脂層30と接着層40との界面の中心線平均粗さ(Ra)の下限値としては、0.1nm以上であり、好ましくは0.5nm以上であり、さらに好ましくは1.0nm以上である。下限値をこのような値に制御することで、樹脂層30と接着層40とが十分に密着し、各々の層が剥離することを抑制することができる。
樹脂層30と接着層40との界面の中心線平均粗さ(Ra)の上限値としては、100nm以下であり、好ましくは50nm以下であり、さらに好ましくは20nm以下である。このように上限値を設定することで、光学分析に供した際も十分にノイズの発生を抑制することができる。
本実施形態において、樹脂層30と接着層40との界面の中心線平均粗さ(Ra)の測定については、たとえば、以下のようにして行うことができる。
すなわち、共焦点レーザー顕微鏡を用い、界面の水平方向における任意箇所の基準長さ2.5mmの画像を撮影し、画像計測ソフトを用いて中心線平均粗さ(Ra)を測定する。この操作を5回繰り返し、その値を本実施形態の積層体100における樹脂層30と接着層40との界面の中心線平均粗さ(Ra)として採用することができる。
なお、この界面の中心線平均粗さは積層体100の断面から観察することもできるし、積層体100作製過程において、樹脂層30あるいは接着層40のいずれかを硬化した後に、その表面を上記条件にて測定することによっても定義することができる。
また、上記共焦点レーザー顕微鏡としては、たとえば株式会社キーエンス製「VK−9710」、画像計測ソフトとしてはたとえばMedia Cybernetics社製「Image−Pro PLUS」を用いることができる。
本実施形態における基板16の材質は、用途などに合わせて適宜設定することができる。例えば、ガラス、石英、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン、アルミニウム、銅、鉄などの無機材料の他、ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタクリレートなどの(メタ)アクリル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、スチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等の樹脂成分を用いることができる。
本実施形態においては、これらの中でも、ガラスから構成されるガラス基板が好ましく用いられる。
また、本実施形態の積層体100は少なくとも上述の樹脂層30と接着層40と基板16とを備えるものであるが、本発明の目的を損なわない限りにおいて、他の層を介在させることもできる。
[積層体100の製造方法]
続いて、積層体100を製造する方法の例について、図2と図3を参照しながら説明する。
[第1の樹脂組成物の層12を得る工程]
第1の樹脂組成物の層12を得る工程は、第1の樹脂組成物を用い、表面が微細加工されたモールド20の上面を被覆することによって行われる。当該工程については図2(A)を参照しながら説明する。
ここで、表面が微細加工されたモールド20は、後に形成される樹脂層30の表面に微細加工を行う金型である。たとえば連続する凹凸形状を有しており、通常、支持体10の上に設けられて用いられる。このモールド20は凹凸形状の幅にして、数10μm以下、場合によっては1μm未満、すなわちnmオーダーの形状幅を有する。すなわち、ナノインプリント分野において汎用される「光ナノインプリント用モールド」等がこれに該当する。
なお、この凹凸形状を有するモールド20の溝の深さは、適宜選択できるものであるが、たとえば0.1nm以上10μm以下であり、好ましくは1nm以上1μm以下、さらに好ましくは10nm以上500nm以下である。
また、このモールド20の構造は、従来公知のナノインプリント分野に適用できるものを採用することができる。この例として、レンズ構造、ピラー構造、格子構造、ライン・アンド・スペース構造、ハニカム構造、ドット構造、ピラミッド構造のもの等が挙げられる。
なお、本実施形態において、支持体10は、発明の目的を損なわない限りにおいて、公知のもののなかから適宜選択すればよい。支持体10としては、たとえば、シリコンウェハなどを用いることができる。
モールド20の材質としては、従来公知のものを採用することができ、たとえば、ガラス、石英、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂、ポリジメチルシロキサン等を用いることができる。また、熱硬化を行う場合にあっては、金、銀、銅、白金、鉄、ステンレス等の金属材料を用いることもできる。
また、モールド20は後述する剥離工程を安定的に行うことができるように、上記材質に公知の表面処理がなされていてもよい。
ここで、モールド20の表面を構成する材質の表面自由エネルギーは適宜設定することができるが、下限値としては、好ましくは20J/m以上であり、さらに好ましくは25J/m以上である。このように下限値を設定することで、樹脂組成物がモールド20のパターンに流入しやすくなる。また、表面自由エネルギーの上限値は好ましくは50J/m以下であり、さらに好ましくは45J/m以下である。このように上限値を設定することで、第1の樹脂組成物を硬化させて得られる樹脂層30をモールド20から剥離させやすくなる。
「第1の樹脂組成物」は硬化性樹脂を含むものである。第1の樹脂組成物としては、微細加工されたモールドのパターン部分にまで流入が可能であればよいため、室温(たとえば23℃条件)にて液体状であるものを用いるほか、室温(たとえば23℃条件)にて固体状であるものを加熱溶融させて用いることもできる。
本実施形態における「第1の樹脂組成物の層12を得る工程」においては、室温(たとえば23℃)で液状の硬化性樹脂を用いることもできるが、室温(たとえば23℃)で固体状である硬化性樹脂を用い、これに有機溶媒を加えることで液状化させた樹脂組成物を用いることができる。
すなわち、本実施形態の積層体100の製造方法においては、このように室温にて固体状であり、従来微細加工された樹脂層30が作製困難であると考えられていた硬化性樹脂に対しても、適用が可能であるといえる。
このように第1の樹脂組成物として有機溶媒を含む樹脂組成物を用いる場合、用いられる有機溶媒は用いる硬化性樹脂の種類等により適宜設定することができる。具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エチレングリコールモノメチルエーテル、カルビトール、ブチルカルビトール等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルペンチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素類、メトキシエチルアセテート、エトキシエチルアセテート、ブトキシエチルアセテート、酢酸エチル等のエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の含窒素類等の溶媒などが挙げられる。これらの有機溶媒は単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態において用いられる有機溶媒は、20℃における蒸気圧が、好ましくは1.0mmHg以上200.0mmHg以下である。
このような数値範囲に設定することにより、被覆を行う際の作業性を向上させることができる。
本実施形態においては、上記第1の樹脂組成物にてモールド20の上面を被覆し、第1の樹脂組成物の層12を得る。
この被覆方法としては、公知の方法を採用することができるが、中でもスピンコート法、を採用することが好ましい。本実施形態において、積層体100における樹脂層30と接着層40との界面の中心線平均粗さ(Ra)は特定の範囲に制御するものであるが、このスピンコート法を採用することでこの特定の範囲に制御をしやすくなる。
とりわけ、このスピンコート法を用いる場合においては、上述のように有機溶媒を含ませ、スピンコート中に適度に当該有機溶媒を蒸発させながら第1の樹脂組成物の層12を形成することによって、中心線平均粗さ(Ra)は特定の範囲に制御しやすくなる。
ここで、このスピンコート法を採用する場合は、第1の回転速度による回転と、第2の回転速度による回転とを組み合わせることによって行うことが好ましい。
ここで、第1の回転速度による回転を採用すれば、第1の樹脂組成物によってモールド20の上面を確実に被覆することができ、さらに第2の回転速度による回転により、第1の樹脂組成物の層の厚さを所望の厚さに調整することができる。
第1の回転速度の回転における回転数は、たとえば200rpm以上1000rpm以下であり、好ましくは300rpm以上800rpm以下である。
また、第1の回転速度の回転を行う時間としては、たとえば10秒以上30秒以下であり、好ましくは15秒以上25秒以下である。
このように条件を設定することで、第1の樹脂組成物によってモールド20の上面を安定的に被覆することができる。
第2の回転速度の回転における回転数は、たとえば1500rpm以上8000rpm以下であり、好ましくは2000rpm以上6000rpm以下である。
また、第2の回転速度の回転を行う時間としては、たとえば20秒以上40秒以下であり、好ましくは25秒以上35秒以下である。
このように条件を設定することで、第1の樹脂組成物の層12の厚さを所望の厚さに調整しやすくなる。
[樹脂層30を形成する工程]
上述のようにして第1の樹脂組成物の層12を得た後、当該第1の樹脂組成物の層12を硬化させることで、樹脂層30を形成する。本工程は図2(B)に相当する。
この硬化方法としては、硬化性樹脂の種類に応じて硬化方法を設定すればよい。熱硬化性樹脂を用いる場合は、この熱硬化性樹脂が硬化するだけの熱を加え、光硬化性樹脂を用いる場合は、この光硬化性樹脂に対して、光を照射することによって硬化させればよい。
なお、本実施形態においては、樹脂層30を形成した時点において、後述する接着層40と接する表面が特定粗さに固定されるものである。
[第2の樹脂組成物の層15を得る工程]
続いて、上記で得られた樹脂層30の上面を第1の樹脂組成物とは異なる硬化性樹脂を含む第2の樹脂組成物にて被覆し、第2の樹脂組成物の層15を得る。当該工程については図2(C)を参照しながら説明する。
第2の樹脂組成物にて樹脂層30の上面を被覆する方法としては、公知の方法を採用することができ、具体例としてスピンコート法、スプレー法、ロールコート法、バーコート法等が挙げられる。
この中でも、特定の膜厚に調整しやすくする観点から、スピンコート法を採用することが好ましい。ここで、スピンコート法を採用する場合にあっては、前述の第1の樹脂組成物の層12を得る場合と同様の条件を採用することができる。
なお、この第2の樹脂組成物の層15は、硬化することで接着層40となる。
[基板16を配置する工程]
本実施形態において、第2の樹脂組成物の層15を硬化させる前に、当該第2の樹脂組成物の層15の上面に基板16を配置する。本工程は図3(D)に相当する。
ここで、「硬化させる前」とは、第2の樹脂組成物を完全硬化させる前(すなわちCステージ状態とする前)を指す。たとえば、第2の樹脂組成物をいったん半硬化状態(すなわちBステージ状態)とした後に、基板16を配置することも本発明の具体的な態様として挙げることができる。
[積層体100を形成する工程]
本工程においては、第2の樹脂組成物の層15を硬化させることにより、接着層40を形成し、積層体100を形成する。当該工程は図3(E)に相当する。
第2の樹脂組成物の層15を硬化させ、接着層40を形成する際、硬化させる方法は用いる樹脂組成物に応じて適宜設定すればよい。たとえば、上述の東洋合成工業株式会社製PAK−01を用いる場合は、たとえば基板16を介して光を照射することで行われる。
また、第2の樹脂組成物として熱硬化性樹脂を用いる場合は、樹脂の種類に応じた加熱条件を設定すればよい。
このようにして第2の樹脂組成物を硬化させることにより、樹脂層20と基板16とが接着層40を介して積層された積層体100が形成される。
[積層体100をモールド20から剥離する工程]
以上のようにして、本実施形態における積層体100が製造できるので、最後に、この積層体100をモールド20から剥離させる(本工程は図3(F)に相当する。)。この方法は、微細加工された樹脂層30を破壊することがなければ、特に限定されるものではない。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
以下、本発明を実施例等により説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例では、部はとくに特定しない限り、重量部を表す。
(樹脂組成物Aの調製)
下記化学式で表される、分子内にマレイミド部位を有するノルボルネンモノマーBuDMMINB(プロメラス,エルエルシー社製)50重量部と、当該BuDMMINBのノルボルネン部位の内部オレフィン部が重合した重合体(pBuDMMINB;分子量100,000)50重量部を、メチルペンチルケトン200重量部に溶解し、ワニス状の樹脂組成物Aを調製した。
(樹脂組成物Bの調製)
BuDMMINBのノルボルネン部位の内部オレフィン部が重合した重合体(pBuDMMINB);分子量100,000)100重量部をメチルペンチルケトン200重量部に溶解し、ワニス状の樹脂組成物Bを調製した。
(樹脂組成物Cの調製)
exo−NBCHOSiMePh(10.0g;3.1×10−2モル)と、酸化防止剤[Ciba社製Irganox(登録商標)1076(0.1g)]および熱安定剤[Ciba社製Irgafos(登録商標)168(0.03g)]と、触媒[Pd(P(Pr)(OCOCH)(NCCH)]・テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(プロメラス社製Pd−1206)(3.0mg;2.5×10−6モル)と、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(DANFABA)(8.0mg;1.0×10−5モル)と、光酸発生剤[RHODORSIL(登録商標)PHOTOINITIATOR 2074(CAS番号第178233−72−2番)(1.0×10−2g;1.0×10−5モル)]をメチルペンチルケトン20gに溶解し、ワニス状の樹脂組成物Cを調製した。
(樹脂組成物Dの調製)
2−ノルボルネン70重量部と、メチルメタクリレート20重量部と、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10重量部とを、メチルペンチルケトン200重量部に溶解し、ワニス状の樹脂組成物Dを調製した。
(実施例1)
シリコンウェハ上に、PETフィルム上に離型層が設けられた35mm□のフィルムモールドを設け、当該フィルムモールドの上表面に、前述にて得られた樹脂組成物Aを1.0g滴下し、500rpmにて20秒間、4000rpmにて30秒間スピンコートを行った。
フィルムモールドに樹脂組成物をコートした後、HOYA社製EXECURE4000を用いて、紫外線を照射し、樹脂組成物Aを硬化させた。なお、本実施例において、樹脂組成物Aを硬化させる際の積算照射量は10J/cmであった。
紫外線照射後、樹脂組成物Aを硬化させて得られた樹脂層のフィルムモールドとは反対面に、光硬化性樹脂であるPAK−01(アクリル系光硬化性樹脂;東洋合成工業株式会社製)を1.0g滴下し、500rpmにて20秒間、4000rpmにて30秒間の条件にてスピンコートを行った。
PAK−01をスピンコートした後、層状となったPAK−01の層の上にスライドガラス(松浪ガラス工業株式会社製造「S1112」 厚さ:1000μm)を静かに乗せ、続いて、上記スライドガラス越しに紫外線を照射し、PAK−01を硬化させ、接着層とした。なお、この工程における積算照射量は1J/cmであった。
接着層を形成した後、スライドガラスとシリコンウェハとを支持しながら、少しずつ樹脂層とモールドとの剥離を行い、積層体を得た。
得られた積層体SEM写真を図4に示す。樹脂層の厚さは、1.0μmであり、220nmの溝深さを有していた。また、接着層の厚さは1.0μmであった。
(実施例2)
樹脂組成物Aの代わりに樹脂組成物Bを用い、当該樹脂組成物Bを硬化させる条件として、積算照射量を1J/cmとした以外は実施例1と同様に積層体を得た。
(実施例3)
樹脂組成物Aの代わりに樹脂組成物Cを用いた以外は実施例1と同様に積層体を得た。
(実施例4)
樹脂組成物Aの代わりに樹脂組成物Dを用いた以外は実施例1と同様に積層体を得た。
(比較例1)
シリコンウェハ上に、スライドガラスを設け、当該スライドガラスの上表面に、光硬化性樹脂であるPAK−01をスプレーコート法により塗布した。
スライドガラスに接着層としてPAK−01をコートした後、HOYA製EXECURE4000を用いて、紫外線を照射し、PAK−01を硬化させた。なお、本比較例において、PAK−01を硬化させる際の積算照射量は1J/cmであった。
紫外線照射後、PAK−01を硬化させて得られた接着層のスライドガラス積層面とは反対面に、樹脂組成物Dを1.0g滴下し、500rpmにて20秒間、4000rpmにて30秒間の条件にてスピンコートを行った。
樹脂組成物Dをスピンコートした後、層状となった樹脂組成物Dの層の上にフィルムモールドを静かに乗せ、続いて、上記スライドガラス越しに紫外線を照射し、樹脂組成物Dを硬化させた。なお、この工程における積算照射量は10J/cmであった。
樹脂組成物Dを硬化した後、フィルムモールドとシリコンウェハとを支持しながら、少しずつ樹脂層とモールドとの剥離を行い、積層体を得た。
[評価]
各実施例および比較例で得られた積層体について、以下の項目に従って評価を行った。結果は表1にまとめた通りである。
(樹脂層と接着層との界面の中心線平均粗さ(Ra))
樹脂層の界面の中心線平均粗さ(Ra)については、スピンコート後の樹脂層表面を共焦点レーザー顕微鏡((株)キーエンス製「VK−9710」)を用い、水平方向における任意箇所の基準長さが2.5mmの画像を撮影し、得られた画像に基づいて、画像計測ソフト(Media Cybernetics社製「Image−Pro PLUS」)を用いて測定した。
表1に記載されている数値は、上記操作を5回行った際における平均値である。
(比誘電率)
実施例および比較例に用いた各樹脂組成物について、スピンコート法により、シリコンウエハ上に塗布し、厚み1μmの樹脂膜を得た。その後、HOYA社製EXECURE4000を用いて、紫外線を照射し、各樹脂組成物を硬化させた。なお、各樹脂組成物を硬化させる際の積算照射量は10J/cmであった。
日本エス・エス・エム(株)製自動水銀プローブCV測定装置SSM495を用いて、温度22℃、湿度45%の雰囲気下において、サンプルの比誘電率を測定した。
比誘電率の測定方法は、JIS1660−1、IEC61338−1−4に準ずるものである。
(ガラス転移温度)
ガラス転移温度の測定は、動的粘弾性測定(DMA)で行った。
上記比誘電率の測定の際と同様の操作にて得られたサンプルについて、TAインスツルメント製DMA2980を用いて昇温速度5℃/min、周波数1Hzで測定を行った。なお、ガラス転移温度は、周波数1Hzにおいてtanδが最大値を示す温度とした。
(光学分析における精度)
実施例1〜3及び比較例1で得た成型品の表面に、30×70mmで厚さ0.2mmのアクリルもしくは環状ポリオレフィンの平坦なシートを乗せた。得られた製品の板間に水を満たし、その状態で熱レンズ顕微鏡を利用して計測を試みた。熱レンズ顕微鏡の詳細内容については、例えば特開2000−356611号に詳しい。今回の評価においては、アルゴンレーザーを励起光源とし、ヘリウムネオンレーザーを検出光源とし、スポット径1μmとした。流路に流す試料は水とし、励起及び検出のレーザーが焦点を結ぶか否かを今回の判定基準とした。レーザーが焦点を結び計測に問題ない場合は「○」、レーザーが焦点を結ばず計測が困難な場合は「×」とした。
比較例は樹脂層と接着層との界面において周期的凹凸が存在し、その結果熱レンズ顕微鏡による計測が困難であるのに対し、実施例は周期的凹凸が存在しないかあるいは存在しても周期の長さや突起の大きさが小さくその結果熱レンズ顕微鏡による計測が可能であることが確認された。すなわち、実施例と比較例との比較からもわかるように、実施例によって得られた積層体は、樹脂層と接着層との界面の中心線平均粗さ(Ra)が特定範囲内となっており、これにより、光学分析に供した際も、ノイズなどの発生を抑制することができる。そのため、本発明の積層体は各種分析用途への展開が期待できる。
10 支持体
12 第1の樹脂組成物の層
15 第2の樹脂組成物の層
16 基板
20 モールド
30 樹脂層
40 接着層
100 積層体

Claims (9)

  1. 硬化性樹脂を含む第1の樹脂組成物から形成される、表面が微細加工された樹脂層と、
    前記樹脂層に密着する、前記第1の樹脂組成物とは異なる硬化性樹脂を含む第2の樹脂組成物から形成される、接着層と、
    基板と、
    をこの順で備える積層体であって、
    前記樹脂層と前記接着層との界面の中心線平均粗さ(Ra)が0.1nm以上100nm以下である積層体。
  2. 前記樹脂層は、脂環式構造を有する繰り返し単位を含むポリマーを含有する、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記樹脂層を構成する樹脂の比誘電率が3.0以下である、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の積層体。
  4. 前記樹脂層を構成する樹脂のガラス転移温度が160℃以上220℃以下である、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の積層体。
  5. 前記第1の樹脂組成物は、前記硬化性樹脂とともに有機溶媒を含む、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の積層体。
  6. 前記硬化性樹脂は、23℃にて固体状である、請求項5に記載の積層体。
  7. 光学分析に用いられる、請求項1ないし6に記載の積層体。
  8. 前記樹脂層の厚さが0.1μm以上100μm以下である、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の積層体。
  9. 前記基板がガラス基板である、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の積層体。
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