JP2016000639A - エレベータ制御装置とその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】かごを駆動する永久磁石同期モータ等からなるモータの回転センサが故障した場合においても、安全に救出運転ができるエレベータ制御装置等を提供する。【解決手段】指令電流演算器14は、移動検出部6で検出されたかご移動信号によりかご1の移動速度を検出し、移動速度と速度指令を一致させるように電流指令を出力する速度制御を行う。電圧演算部10は、電流指令とモータ5に流れる電流を検出した検出電流とを一致させるようにすると共に位置推定部13が推定するモータ5の推定回転位置に基づいて電圧指令を決定し、モータを駆動する電力変換器8に出力し、電流制御を位置センサレス制御で行う。【選択図】図1

Description

この発明は、永久磁石同期モータ等のモータを動力とするエレベータの制御装置等に関するものである。
従来のエレベータ制御装置では、エレベータのかごを昇降させる永久磁石同期モータの回転を検出する回転センサが故障しモータの磁極位置を検出できなくなったときには、ブレーキにより主軸を固定して電機子インダクタンスからモータの初期磁極位置を推定し、推定した初期磁極位置を基にオープンループでモータを駆動することにより救出運転を実施している(例えば特許文献1)。
また、適応磁束オブザーバを用いて推定したモータの回転速度と回転位置を用いたフィードバック制御を行い、永久磁石同期モータをモータの回転センサレスで駆動するものがある(例えば非特許文献1)。
特開平11−60103号公報(5頁8〜23行、図4)
金原義彦著、「回転座標上の適応オブザーバを用いたPM電動機の位置センサレス制御」、電気学会論文集、123巻5号、600-609頁、2003年 金原義彦、小山正人著、「低速・回生領域を含む誘導電動機の速度センサレスベクトル制御法」、電気学会論文集、120巻2号、223−229頁、2000年
特許文献1に示されたエレベータの制御装置は、モータの回転センサが故障したときは、エレベータの運転前にモータの磁極位置を推定し、その磁極位置に基づいてオープンループによりモータを駆動することで救出運転を実施する。しかし、救出運転中はオープンループ駆動のため救出運転中の磁極位置は分からず、誤った磁極位置に通電した場合には、磁極位置によっては永久磁石同期モータが逆転したり、脱調して暴走したりすることが考えられ、その結果、エレベータが暴走したり逆走したりすることで救出運転が安全に実施できなくなってしまう。
また、非特許文献1に示された適応磁束オブザーバを用いることで磁極位置を常時知ることは可能である。しかし、適応磁束オブザーバは誘起電圧を基にモータの回転速度を推定しているため、誘起電圧の小さい低速領域における推定が不安定なことが知られている。始動直後に荷重アンバランスによるトルクが発生し、モータに大きな負荷トルクが作用することがあるエレベータおいて、適応磁束オブザーバによるセンサレス制御により救出運転を実施すると、低速領域における適応磁束オブザーバの不安定化に起因して、エレベータが暴走したり逆走したりしてしまい救出運転を安全に実施できなくなってしまう。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、モータの回転センサが故障したときの救出運転を、脱調や暴走、逆走をすることなく実施できるエレベータ制御装置等を得ることを目的とする。
この発明は、エレベータのかごを昇降させる永久磁石同期電動機または誘導電動機からなるモータと、前記かごの移動を検出して移動に応じたかご移動信号を発生する移動検出部と、前記モータに印加する電圧の電圧指令、前記モータに流れる電流を検出した検出電流、および、前記モータの物理特性を示すモータ定数から前記モータの推定回転位置を推定する位置推定部と、前記モータへの速度指令を出力する速度指令発生器と、前記速度指令と前記かご移動信号に基づいて電流指令を決定する指令電流演算器と、前記電流指令と前記検出電流と前記推定回転位置から前記電圧指令を決定する電圧演算部と、を備えたエレベータ制御装置等にある。
この発明では、モータの回転センサが故障したときの救出運転を、脱調や暴走、逆走をすることなく実施できるエレベータ制御装置等を提供できる。
この発明の実施の形態1によるエレベータ制御装置の被制御部分も含む構成図である。 この発明の実施の形態1の調速機による移動検出部を示す構成図である。 この発明の実施の形態1の秤装置による移動検出部を示す構成図である。 この発明の実施の形態2によるエレベータ制御装置の被制御部分も含む構成図である。 この発明の実施の形態2によるブレーキ制御部の構成図である。 この発明の実施の形態2によるブレーキ制御部の動作フローチャートである。 この発明の実施の形態3によるエレベータ制御装置の被制御部分も含む構成図である。 この発明の実施の形態3によるブレーキ制御部の構成図である。 この発明の実施の形態3によるブレーキ制御部の動作フローチャートである。 この発明の実施の形態4によるエレベータ制御装置の被制御部分も含む構成図である。 この発明の実施の形態4による速度指令のタイムチャートである。 この発明の実施の形態4による速度指令発生器の動作フローチャートである。 この発明の実施の形態4によるブレーキ制御部の構成図である。
以下、この発明によるエレベータ制御装置を各実施の形態に従って図面を用いて説明する。なお、各実施の形態において、同一もしくは相当部分は同一符号で示し、重複する説明は省略する。
また、この発明のエレベータ制御装置の巻上機であるモータは、永久磁石同期電動機または誘導電動機からなるが、以下ではモータが永久磁石同期電動機(モータ)の場合を主に説明し、誘導電動機(モータ)を使用した場合の動作、構成の異なる部分をこれに付随させて説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるエレベータ制御装置の被制御部分も含む構成図である。エレベータのかご1とカウンターウェイト2は互いに巻上ロープ3で接続され綱車4につるべ式に吊られている。一般的にカウンターウェイト2の重量の方が、かご1の重量よりも大きくなっており、かご1にかご1の定格容量の半分の荷重がかかるときに、釣り合うようになっている。したがって、かご1に定格容量の半分の荷重がかかっていないときには、かご1とカウンターウェイト2の重量アンバランスにより綱車4には負荷トルクが作用する。綱車4はモータ5に連結しており、かご1はモータ5の動力により昇降する。綱車4とモータ5は連結されているため、かご1とカウンターウェイト2の重量アンバランスによる負荷トルクはモータ5にも作用する。かご1を昇降させるモータ5は、例えば永久磁石同期モータ(電動機)である。
かご1には、かご1の移動に応じたかご移動信号を発生させる移動検出部6が取り付けられている。移動検出部6により検出されたかご移動信号は、後述する指令電流演算器14に送られる。図1においては、かご1に移動検出部6が取り付けられている構成を示したが、移動検出部6はかご1の移動に応じた信号を発生できればかご1に取り付けられていなくてもよい。
モータ5に給電される相電流のうちの例えば相電流i、iは、電流検出器7a、7bによって検出され、電流座標変換器9に出力される。電流座標変換器9は、後述する位置推定部13により推定されたモータ5の推定回転位置θ(ハット)の情報をもとに、電流検出器7a、7bから得た相電流(検出電流)i、iの値を角周波数ωで回転する回転二軸座標(d−q軸)上の電流i、iの値に座標変換する。なお、角周波数ωは、推定回転位置θ(ハット)の時間変化率である。また、図1では電流検出器7a、7bをU相、V相に設ける構成を示したが、V相とW相、U相とW相に設けるようにしてもよい。
位置推定部13は、電流座標変換器9から得られた回転二軸座標(d−q軸)上の電流(検出電流)i、iと、後述する回転二軸座標(d−q軸)上の電圧指令v 、v と、モータ5の物理的特性を示すモータ定数に基づいて、モータ5の回転位置(推定回転位置θ(ハット))を推定する。ここで、モータ定数とは、抵抗値、インダクタンス値、極対数のことである。また、*は指令値を示しており、(ハット)は推定値を示している。さらに、実施の形態1においては、モータ5の物理的特性を示すモータ定数は、位置推定部13に予め保存されているものとしているが、外部から入力するようにしてもよい。さらにまた、モータ5の物理特性を示すモータ定数は、オンラインで同定して推定に使用するようにしてもよい。
位置推定部13は、例えば、上記非特許文献1に示された適応磁束オブザーバである。適応磁束オブザーバは、後述する電流制御器11の出力する回転二軸上の電圧指令v 、v と、電流検出器7a、7bで得られた相電流i、iを電流座標変換器9により回転二軸上の電流値に変換した値(検出電流値)i、iを用いて磁極の回転速度を推定するものが一例として挙げられる。なお、図1における位置推定部13の出力である推定回転位置θ(ハット)は、適応磁束オブザーバの推定したモータ5の回転速度を積分することで得られることは自明である。また、非特許文献1に示された適応磁束オブザーバは、低速・回生領域において推定が不安定化しやすいことが知られている。
さらにまた、モータ5が誘導モータの場合には、非特許文献2に示される適応磁束オブザーバを用いることで、永久磁石モータと同様に位置推定が可能である。なお、誘導モータにおいても、低速・回生領域において推定が不安定化し易いことが知られている。
指令電流演算器14は、速度指令発生器15からモータ5の角速度指令(速度指令)ω の情報を受け取り、また、移動検出部6からかご1の移動に応じて発生したかご移動信号を受け取る。かご移動信号は、指令電流演算器14内でかご1の速度情報へと変換される。
移動検出部6がかご1の位置を検出するものである場合、指令電流演算器14はかご1の位置の時間変化率からかご1の移動速度を演算する。また、移動検出部6がかご1の加速度を検出するものである場合、指令電流演算器14はかご1の加速度を時間積分することでかご1の移動速度を演算する。移動検出部6がかご1の速度を直接検出するものである場合、指令電流演算器14は、何も処理をしない。なお、演算方法によっては、指令電流演算器14が演算するかご1の速度が、瞬間的に過大な値となり制御系が不安定化することが考えられるため、フィルタを用いて平滑化するようにしてもよい。
また、指令電流演算器14は、これらの受け取った情報を基に、かご移動信号から求められるがご1の移動速度が、速度指令発生器15が出力する速度指令ω の速度に一致するように、回転二軸座標(d−q軸)上のトルク成分であるq軸電流指令i を計算して、これを出力する。さらに、回転二軸座標(d−q軸)上のd軸電流指令i を出力する。また、指令電流演算器14は、一般的にはPID制御器等のフィードバック制御器であり、速度指令ω に対するがご1の移動速度の誤差を補正する。
永久磁石同期モータにおいては、モータを効率よく駆動するためにd軸電流指令i はゼロに設定することが一般的である。しかし、例えば、d軸電流による同期引き込み制御や、弱め界磁制御を行う場合には、d軸電流指令i はゼロに設定しなくてもよい。
また、モータ5が誘導モータの場合は、d軸電流指令i は正の一定値に設定するこが一般的である。さらに、強め界磁制御や弱め界磁制御を行う場合は、正の一定の値に設定しなくても良い。
電圧演算部10は、指令電流演算器14から回転二軸座標(d−q軸)上の電流指令i 、i を受け取り、電流座標変換器9から回転二軸座標(d−q軸)上の検出電流i、iを受け取り、位置推定部13からモータ5の推定回転位置θ(ハット)を受け取る。そして、電圧演算部10は、これら受け取った情報を基に、電流座標変換器9の回転二軸座標(d−q軸)上の検出電流i、iが、指令電流演算器14が出力する回転二軸座標(d−q軸)上の電流指令i 、i に一致するような、静止座標系の電圧指令v 、v 、v を計算し、これを出力する。
電圧演算部10は、電流制御器11と電圧座標変換器12を備えている。電流制御器11は、指令電流演算器14から回転二軸座標(d−q軸)上の電流指令i 、i を受け取り、電流座標変換器9から回転二軸座標(d−q軸)上の電流(検出電流)i、iの情報を受け取る。また、電流制御器11は、モータ電流(検出電流)iをd軸の電流指令i に一致させ、モータ電流(検出電流)iをq軸の電流指令i に一致させるように、回転二軸座標(d−q軸)上の電圧指令v 、v を計算し、これを出力する。ここで、電流制御器11は、指令電流演算器14と同様、PID制御器等のフィードバック制御器により構成され、電流指令i 、i に対する電流(検出電流)i、iの誤差を補正する。
電圧座標変換器12は、位置推定部13の出力であるモータ5の推定回転位置θ(ハット)の情報をもとに、回転二軸座標(d−q軸)上の電圧指令v 、v を静止座標系の電圧指令v 、v 、v に変換し、これを出力する。
電力変換器8は、電圧演算部10の電圧座標変換器12からの静止座標系の電圧指令v 、v 、v に従って、図示を省略した電源からの電力を3相交流に変換してモータ5に印加して、かご1を昇降させるための駆動力をモータ5に発生させる。
次に、移動検出部6について説明する。図2は、図1におけるかご1と連動して動作する調速機を示す図である。調速機100は、例えば、モータ5や綱車4が設置されているエレベータの機械室(図示せず)に、設置されている。調速機100は、調速機シーブを有している。調速機シーブには、ループ状の調速機ロープ101が巻き掛けられている。昇降路(図示せず)の下部には、張り車102が設けられており、調速機ロープ101に張力を与えている。調速機ロープ101の下端部は、張り車102に巻き掛けられている。
調速機ロープ101は、かご1に接続されており、かご1の昇降に伴って循環移動される。これにより、調速機シーブ100は、かご1の移動速度に応じた速度で回転される。したがって、調速機シーブ100の同軸上に、移動検出部6を設けることで、かご1の移動速度を検出できる。調速機に設けられた移動検出部6は、例えば、ロータリーエンコーダである。
図3は、図1におけるかご1、又は巻上ロープ3に設けられたかご1の荷重を検出する秤装置を示している。
図3の(a)は、かご1の床下に設けられ、かご1の荷重に応じて変化する弾性体の変位によりかご1の荷重を検出する秤装置103を示している。また、図3の(b)はかご1と巻上ロープ3の間に設けられ、かご1の荷重に応じて変化する巻上ロープ3のロープ張力を、弾性体を用いて検出することでかご1の荷重を検出する秤装置104を示している。なお、図3の(b)には、かご1と巻上ロープ3の間に秤装置104が設けられている構成を示したが、かご1の荷重に応じて変化する巻上ロープ3の張力を検出できれば、図示の構成に限らない。
秤装置103は、かご1が加減速したとき、加減速に応じて発生した弾性体の変位を検出する。秤装置103の変位は、かご1が走行中は、かご1の加減速度に依存して発生する。したがって、かご1の加減速度は、かご1の走行中に秤装置103が検出した荷重から、かご1が停止しているときに秤装置103が検出した荷重を減算し、荷重を加減速度に換算することで検出できる。そして、かご1の移動速度は、秤装置103の検出したかご1の加減速度を時間積分することにより算出することができる。
秤装置104は、かご1が加減速したとき、加減速に応じて発生した巻上ロープ3の張力変化を検出する。巻上ロープ3張力の変化は、かご1の走行中は、かご1の加減速度に依存して発生する。したがって、かご1の加減速度は、かご1の走行中に秤装置104が検出した巻上ロープ3のロープ張力から、かご1が停止しているときに秤装置104が検出した巻上ロープ3のロープ張力を減算し、ロープ張力を加減速度に換算することで検出できる。そして、かご1の移動速度は、検出したかご1の加減速度を時間積分することにより算出することができる。
以上のように、この発明は、移動検出部6として、エレベータに設けられている既存の調速機100や秤装置103、104を利用して検出したかご1の移動速度を用いることと、モータの駆動制御S/W(ソフトウェア)に位置推定部13の機能を加えることで実現できる。なお、移動検出部6は、ここまでに示したものでなく、かご1の加速度、速度、位置を連続的に検出できれば構成は限定されない。
ここで、移動検出部6により検出されたかご1の加速度、速度、位置からモータ5の回転位置を計算することを考える。かご1の移動を検出する移動検出部6とモータ5の間には必ず巻上ロープ3が存在している。巻上ロープは、かご1の加減速や積載荷重に応じて伸縮するため、移動検出部6で検出したかご1の加速度、速度から求めた位置や移動検出部6で検出したかご1の位置を、モータ5の回転位置として扱うとロープの伸縮に起因して、正しいモータ5の回転位置と移動検出部6から求めた位置とには誤差が発生する。したがって、移動検出部6から求めたモータ5の回転位置を用いてベクトル制御を行うと、脱調を誘発することになり安全に救出運転を実施できなくなる。
以上説明したように、第1の実施の形態では、かご1の移動を検出する移動検出部6によりかご1の移動速度を入手してかご1の速度を制御するようにした。さらに、移動検出部6は、かご1の移動に応じた信号を発生させることはできるが、モータ5の回転位置を検出することはできないため、モータ5に印加される電圧、入力される電流、モータ定数に基づいて位置推定部13がモータ5の回転位置を推定する構成とし、モータ5のベクトル制御を位置センサレスで実現した。
すなわち、第1の実施の形態では、移動検出部6により検出したかご1の移動速度を用いてモータ5の速度制御することで、低速領域における位置推定部13の不安定化と始動直後に作用するかご1とカウンターウェイト2の重量アンバランスによる負荷トルクに起因する暴走や逆走を防止する効果がある。また、位置推定部13により推定したモータ5の磁極位置(回転位置)を用いてベクトル制御することで、救出運転中の磁極位置(回転位置)を常時知ることができるため、モータが永久磁石同期モータの場合には脱調を防止することが可能となり、誘導モータの場合には誤った回転位置への通電を防止することが可能となる。
なお、かご1の移動速度は1種類の移動検出部6で検出してもよいし、2つ以上の移動検出部6で検出して相互比較することで信頼性を高める構成としてもよい。また、位置推定部13は、適応磁束オブザーバに限らず、モータ5の回転位置、速度を推定するものであればよい。
本実施の形態によれば、モータ5の回転を検出するセンサなしに、暴走や逆走することなくかご1を希望する速度で昇降させることができるようになる。したがって、モータ5に取り付けられた回転センサの故障時における救出運転を安全に実施することができるようになる。さらに、以上のようなエレベータのモータ5の制御方式を用いれば、モータ5に取り付けられる回転センサが不要となりコストダウンも可能となる。
実施の形態2.
図4はこの発明の実施の形態2によるエレベータ制御装置の被制御部分も含む構成図である。実施の形態2では、実施の形態1の図1に比べモータ5を制動するブレーキ16と、ブレーキ16を制御するブレーキ制御部17をさらに備えている。その他の構成は、実施の形態1と基本的に同様である。
実施の形態2では、移動検出部6から得られるかご移動信号と位置推定部13から得られる推定位置(推定回転位置)の時間変化率である推定速度ω(ハット)の偏差に基づいて、エレベータのブレーキ16を制御するものである。
すなわち、ブレーキ制御部17は、移動検出部6から得られるかご移動信号から求められるかご1の移動速度と位置推定部13から得られる推定位置の時間変化率である推定速度ω(ハット)の偏差が所定値以上であれば、かご1の移動速度が異常、又は位置推定部13の推定が不安定化したと判断してエレベータを停止するようにし、移動検出部6の異常、又は位置推定部13の不安定化に起因した暴走や逆走等を防止することで安全性を向上するものである。
図4において、ブレーキ制御部17は、移動検出部6からのかご移動信号と、位置推定部13から推定位置の時間変化率である推定速度を受け取る。なお、推定位置の時間変化率である推定速度は、例えば、位置推定部13が上記非特許文献1、2に示された適応磁束オブザーバである場合は、適応磁束オブザーバの出力として容易に得ることができる。また、位置推定部13がモータ5の回転位置を直接推定するものであれば、推定速度は、推定位置の時間変化率として、加速度を推定するものであれば、推定速度は推定した加速度の時間積分として容易に求めることができる。
図5はブレーキ制御部17の内部構成を機能ブロックで示したものである。かご速度演算部171は、移動検出部6が検出したかご移動信号を受け取る。そして、かご速度演算部171は、受け取ったかご移動信号を基にかご1の移動速度を演算する。
移動検出部6がかご1の位置を検出するものである場合、かご速度演算部171はかご1の位置の時間変化率からかご1の移動速度を演算する。また、移動検出部6がかご1の加速度を検出するものである場合、かご速度演算部171はかご1の加速度を時間積分することでかご1の移動速度を演算する。移動検出部6がかご1の速度を直接検出するものである場合、かご速度演算部171は、何も処理をしない。なお、演算方法によっては、かご速度演算部171が演算するかご1の速度が、瞬間的に過大な値となることが考えられるため、フィルタを用いて平滑化するようにしてもよい。
次に、減算器172は、かご速度演算部171の出力であるかご1の移動速度と、位置推定部13からの出力である推定速度ω(ハット)の偏差を演算する。図5では、かご速度演算部171の出力から推定速度を減算する構成としたが、その逆の位置推定部13からの出力である推定速度からかご速度演算部171の出力であるかご1の移動速度を減算する構成としてもよい。
また、ブレーキ制御部17で位置推定部13から推定回転位置θ(ハット)を得て、ブレーキ制御部17に推定回転位置の時間変化率である推定速度ω(ハット)を求める微分器等からなる推定速度演算部(図示省略)を設けるようにしてもよい。
ブレーキ指令演算部173は、減算器172の出力であるかご速度演算部171の出力する速度と推定速度の偏差速度を受け取る。
図6は実施の形態2におけるブレーキ指令演算部173の動作フローチャートの一例を示している。先ず、ブレーキ指令演算部173は、受け取った偏差速度が、ブレーキ指令演算部173または本制御装置で共有する記憶部(図示省略)に予め記憶された正の所定値以上かどうかを判定する(S170)。ブレーキ指令演算部173は、偏差速度が予め記憶された正の所定値以上であると判断した場合には、直ちにブレーキ作動指令を出力する(S172)。
一方、ブレーキ指令演算部173は、偏差速度が予め記憶された正の所定値未満であると判断した場合には、次の判断ステップS171へ移行する。ブレーキ指令演算部173は、偏差速度が予め記憶された負の所定値以下と判断(S171)した場合には、ブレーキ作動指令を出力する(S172)。ブレーキ指令演算部173は、偏差速度が予め記憶された負の所定値を超えると判断した場合には、何も出力しない。
以上の説明では、ブレーキ指令演算部173は、予め減算器172の出力である偏差速度の閾値(所定値)を記憶していたが、外部から入力するようにしてもよい。さらに、減算器172の出力の絶対値を計算し、正の所定値との比較のみを行う構成としてもよい。
ブレーキ16は、ブレーキ制御部17のブレーキ指令演算部173からブレーキ作動指令を受け取り、モータ5の回転を制動し、かご1を停止させる。図4においては、モータ5を直接制動する構成を示したが、モータ5と連結する綱車4を制動し、かご1を停止させてもよい。また、巻上ロープ3を掴むことにより、かご1の昇降を停止させてもよい。
なお、図6に示した処理は、ブレーキ制御部17の格納されているプログラムの演算周期毎に行われる。また、図6においてブレーキ制御部17は、偏差速度が所定値から1度でも外れたら、ブレーキ作動指令を出力する構成としたが、偏差速度が所定値を複数回外れたときにブレーキ作動指令を出力するようにしてもよい。さらにまた、偏差速度が所定値を超えてからの時限によりブレーキ作動指令を出力するようにしてもよい。
以上説明したように、実施の形態2では、移動検出部6の検出するかご移動信号から求めたかご1の移動速度と位置推定部13が推定する推定速度に乖離が生じた場合には、移動検出部6の故障、又は位置推定部13の不安定化と判定し、ブレーキ16によりモータ5を制動することで安全性を確保することが可能となる。
このような安全設計により、モータ5の回転を検出するセンサが故障した場合の救出運転の安全性を高めることが可能となる。
実施の形態3.
図7はこの発明の実施の形態3によるエレベータ制御装置の被制御部分も含む構成図である。実施の形態3では、実施の形態2の図4に比べ、かご1が移動する昇降路内のドア位置を示すドアゾーンプレート18と、かご1に設けられたドアゾーンプレートを検出するドアゾーンセンサ19をさらに備えている。その他の構成は、実施の形態2と同様である。
実施の形態3では、ドアゾーンセンサ19の(ドアゾーンプレート)検出信号がブレーキ制御部17に入力され、ドアゾーンの信号に基づいてブレーキ16を制御するものである。すなわち、ブレーキ制御部17は、ドアゾーンセンサ19が昇降路内に設けられたドアゾーンプレート18を検出した場合にブレーキ作動指令を出力し、かご1の着床間際において位置推定部13の不安定化による暴走を防止するものである。
図7において、ブレーキ制御部17は移動検出部6からのかご移動信号と、位置推定部13から推定位置の時間変化率である推定速度ω(ハット)に加え、かご1に設けられたドアゾーンセンサ19の検出信号を受け取る。ドアゾーンセンサ19の検出信号は、例えば、ドアゾーンにいるときに「H」(High)となり、ドアゾーン外にいるときは「L」(Low)となるようなものである。
図8はブレーキ制御部17の内部構成を機能ブロックで示したものである。かご速度演算部171は、移動検出部6が検出したかご移動信号を受け取る。そして、かご速度演算部171は、受け取ったかご移動信号を基にかご1の移動速度を演算する。
移動検出部6がかご1の位置を検出するものである場合、かご速度演算部171はかご1の位置の時間変化率からかご1の移動速度を演算する。また、移動検出部6がかご1の加速度を検出するものである場合、かご速度演算部171はかご1の加速度を時間積分することでかご1の移動速度を演算する。移動検出部6がかご1の速度を直接検出するものである場合、かご速度演算部171は、何も処理をしない。なお、演算方法によっては、かご速度演算部171が演算するかご1の速度が、瞬間的に過大な値となることが考えられるため、フィルタを用いて平滑化するようにしてもよい。
次に、減算器172は、かご速度演算部171の出力であるかご1の移動速度と、位置推定部13からの出力である推定速度ω(ハット)の偏差を演算する。図8では、かご速度演算部171の出力から推定速度を減算する構成としたが、その逆の位置推定部13からの出力である推定速度からかご速度演算部171の出力であるかご1の移動速度を減算する構成としてもよい。
また、ブレーキ制御部17で位置推定部13から推定回転位置θ(ハット)を得て、ブレーキ制御部17に推定回転位置の時間変化率である推定速度ω(ハット)を求める微分器等からなる推定速度演算部(図示省略)を設けるようにしてもよい。
ブレーキ指令演算部173は、減算器172から出力される偏差速度以外に、本実施の形態においてはドアゾーンセンサ19からの(ドアゾーンプレート)検出信号とかご速度演算部171が演算したかご速度も受け取る。
図9は実施の形態3におけるブレーキ指令演算部173の動作フローチャートの一例を示している。実施の形態3では、図6の処理に加えて図9の処理を行う。
先ず、ブレーキ指令演算部173は、ドアゾーンセンサ19からの検出信号に基づき、かご1がドアゾーンにいるか否かを判断する(S173)。ドアゾーンセンサ19がドアゾーンプレート18を検出していない場合、ブレーキ指令演算部173はステップS173を繰り返す。ドアゾーンセンサ19がドアゾーンプレート18を検出している場合、ブレーキ指令演算部173は次のステップへ移行する。
次に、ブレーキ指令演算部173は、かご速度演算部171の出力であるかご速度が、所定値以下かどうかを判断する(S174)。かご速度が所定値以下の場合、ブレーキ指令演算部173はブレーキ動作指令を出力する(S175)。S174において、かご速度に基づいた判断を実施するのは、2階床以上走行する時には走行の途中でドアゾーンプレート18を検出するためである。かご速度に基づいた着床間際の判断が行われない場合、ブレーキ制御部17は、ドアゾーンを通過する毎にブレーキ16を作動させるブレーキ作動指令を出力してしまうことになる。
なお、以上の処理は、実施の形態2で示したブレーキ指令演算と並列して行われている。よって、実施の形態3では、図6におけるS172で出力されたブレーキ作動指令と、S175で出力されたブレーキ作動指令の論理和を計算し、論理和の出力を改めてブレーキ作動指令として出力する。
ブレーキ制御部17からブレーキ作動指令が出力された後のブレーキ16の動作は実施の形態2と同様である。
以上のように、ドアゾーンセンサ19がドアゾーンプレート18を検出したときには、ブレーキ16によりモータ5を制動し、かご1の昇降を停止させることで、着床間際の低速領域における位置推定部13の推定精度悪化に起因した制御系の不安定化を防止することが可能となり、救出運転を安全に終了させることができる。
さらに、本実施の形態では、ドアゾーンセンサ19を用いたブレーキ制御と実施の形態2に示した偏差速度の監視とは別のフローで行うようにし、安全監視と着床時のブレーキ制御を独立させて実施できるようにした。なお、安全監視と着床時のブレーキ制御は同じフローで行うようにしてもよい。
なお、実施の形態3では、ブレーキ指令演算部173は、かご速度演算部171が出力するかご速度に基づいてブレーキ作動指令を出力するようにしたが、速度指令発生器15が出力する指令速度(角速度指令ω )(速度指令)や、位置推定部13が出力する推定速度ω(ハット)に基づいてブレーキ作動指令を出力するようにしてもよい。また、ブレーキ指令演算部173は、これら複数の信号に基づいてブレーキ作動指令を出力するようにしてもよい。
さらに、例えば、乗客を追い出すような救出運転に使用するときには、ブレーキ指令演算部173は、図9におけるS174の処理は行わず、ドアゾーンセンサ19がドアゾーンプレート18を検出した時には、直ちにブレーキ作動指令を出力するようにしてもよい。
実施の形態4.
図10はこの発明の実施の形態4によるエレベータ制御装置の被制御部分も含む構成図である。実施の形態4では、ドアゾーンセンサ19の信号が速度指令発生器15に入力される。また、速度指令発生器15からブレーキ制御部17に信号が入力される。
実施の形態4では、ドアゾーンセンサ19の検出信号が速度指令発生器15に入力され、速度指令発生器15はドアゾーンの信号に基づいて速度指令ω を調整し、速度指令に応じてブレーキ作動信号をブレーキ制御部17に出力しブレーキ16を制御するものである。速度指令に基づいてブレーキ作動指令を出力することで、ブレーキ制動による衝撃を緩和することができる。
図11は、実施の形態4におけるドアゾーンセンサ19がドアゾーンプレート18を検出したときの速度指令発生器15が出力する速度指令ω の時間履歴(タイムチャート)を示している。また、図12はドアゾーンセンサ19がドアゾーンプレート18を検出したときの速度指令発生器15の動作フローチャートを示したものである。
図11、12を参照して実施の形態4における速度指令発生器15とブレーキ制御部17の動作を説明する。速度指令発生器15は、目的階への指令速度(速度指令ω )を出力する(S151)。
次に、速度指令発生器15は、ドアゾーンセンサ19がドアゾーンプレート18を検出しているかを判断する(S152)。ドアゾーンセンサ19がドアゾーンプレート18を検出していない場合、速度指令発生器15は、目的階への速度指令出力を継続し、検出している場合には、次のステップへ移行する。
次のステップでは、速度指令発生器15は、現在出力している指令速度が予め記憶された所定値以下かを判断する(S153)。現在出力している指令速度が所定値より大きい場合には、速度指令発生器15は着床間際ではないと判断する。このような手順を踏むのは、2階床以上走行するとき、走行途中にドアゾーンプレート18を検出するためである。指令速度に基づいた判断が行われない場合、速度指令発生器15は、ドアゾーンを通過する毎に速度指令を減少させる動作を行ってしまう。
なお、S153においては、速度指令発生器15は、指令速度に基づいて着床間際の判断を実施する構成としたが、移動検出部6のかご移動信号から求めたかご1の移動速度や位置推定部13の推定回転位置θ(ハット)の時間変化率である推定速度に基づいて着床間際の判断を実施するようにしてもよい。また、速度指令発生器15は、1つの信号に基づいて着床間際の判断をするのではなく、複数の信号に基づいて着床間際の判断を行うようにしてもよい。
一方、指令速度(速度指令)が所定値以下の場合、速度指令発生器15は着床間際と判断し、図11に示したように所定時間t1秒かけて指令速度を減少させる(S154)。なお、ここでは、S153における速度の閾値(所定値)を予め記憶している構成としたが、外部から入力するようにしてもよい。
次に、速度指令発生器15は指令速度が0になっているかを判断する(S155)。指令速度が0でない場合、速度指令発生器15は指令速度を減少させ続ける。指令速度が0となった場合には、速度指令発生器15は指令速度を0でクリップする(S156)。なお、演算方法によっては、指令速度が0よりも小さくなることが考えられるため、指令速度が0以下となったら、速度指令発生器15は指令速度を0にクリップするようにしてもよい。
そして、速度指令発生器15は図11に示すように、指令速度が0になってから所定時間t2秒経過しているかを判断する(S157)。速度指令発生器15は指令速度を0にクリップしてから、t2秒経過したと判断すると、ブレーキ作動信号を出力する(S158)。
図13は、実施の形態4におけるブレーキ制御部17の内部構成を機能ブロックで示したものである。実施の形態4では、ブレーキ制御部17は、移動検出部6の出力と、位置推定部13の出力ωr(ハット)と、速度指令発生器15からブレーキ作動信号を受け取る。かご速度演算部171は、移動検出部6が検出したかご移動信号を受け取る。そして、かご速度演算部171、受け取ったかご移動信号を基にかご1の移動速度を演算する。
移動検出部6がかご1の位置を検出するものである場合、かご速度演算部171はかご1の位置の時間変化率からかご1の移動速度を演算する。また、移動検出部6がかご1の加速度を検出するものである場合、かご速度演算部171はかご1の加速度を時間積分することでかご1の移動速度を演算する。移動検出部6がかご1の速度を直接検出するものである場合、かご速度演算部171は、何も処理をしない。なお、演算方法によっては、かご速度演算部171が演算するかご1の速度が、瞬間的に過大な値となることが考えられるため、フィルタを用いて平滑化するようにしてもよい。
次に、減算器172は、かご速度演算部171の出力であるかご1の移動速度と位置推定部13からの出力である推定速度ω(ハット)の偏差を演算する。図13では、かご速度演算部171の出力から推定速度を減算する構成としたが、その逆の位置推定部13からの出力である推定速度からかご速度演算部171の出力であるかご1の移動速度を減算する構成としてもよい。
また、ブレーキ制御部17で位置推定部13から推定回転位置θ(ハット)を得て、ブレーキ制御部17に推定回転位置の時間変化率である推定速度ω(ハット)を求める微分器等からなる推定速度演算部(図示省略)を設けるようにしてもよい。
ブレーキ指令演算部173は、実施の形態2で示した偏差速度監視によるブレーキ指令演算を行い、また、速度指令発生器15からブレーキ作動信号を受け取る。そして、ブレーキ指令演算部173は、図6の偏差速度監視によるブレーキ作動指令と速度指令発生器15からのブレーキ作動信号との論理和演算をし、論理和の出力を改めてブレーキ作動指令とし、ブレーキ16に対し出力する。ブレーキ作動指令を受け取った後のブレーキ16の動作は実施の形態2と同様である。
以上のように、ドアゾーンセンサ19がドアゾーンプレート18を検出したときに、速度指令発生器15は、速度指令を第1の所定時間で減少させ0に設定する。さらに、速度指令発生器15は、指令速度が0となり第2の所定時間経過した後、ブレーキ作動指令を出力する。このような構成により、実施の形態3と比べドアゾーンに侵入した際にブレーキ16による急激な制動を防止でき、救出運転の終了間際において乗客に与える衝撃を緩和することが可能となる。
また、本実施の形態では、速度指令発生器15は、ドアゾーンセンサ19がドアゾーンプレート18を検出したとき、指令速度をt1秒かけて減少させる構成としたが、ただちに0としてもよい。さらにまた、速度指令発生器15は、指令速度が0になった後t2秒待機した後、ブレーキ作動指令を出力するようにしたが、指令速度が0になった後、ただちにブレーキ作動指令を出力してもよい。
また、以上の説明では、指令速度が正の場合を示したが、指令速度が負の場合も同様の手順で実施可能である。
なお、エレベータ装置全体の機器レイアウト及びローピング方式は、図1、図4、図7、図10の例に限定されるものではない。例えば、この発明は、2:1ローピングのエレベータ装置にも適用できる。また、例えば巻上機の位置及び数等も図1、図4、図7、図10の例に限定されない。
また、この発明は、モータ5を永久磁石同期モータ(電動機)として説明したが、モータ5は誘導電動機であってもよい。
さらにまた、この発明は、例えば機械室レスエレベータ、ダブルデッキエレベータ、ワンシャフトマルチカー方式のエレベータ、又は斜行エレベータなど、種々のタイプのエレベータ装置に適用できる。
1 かご、2 カウンターウェイト、3 巻上ロープ、4 綱車、5 モータ、6 移動検出部、7 電流検出器、8 電力変換器、9 電流座標変換器、10 電圧演算部、11 電流制御器、12 電圧座標変換器、13 位置推定部、14 指令電流演算器、15 速度指令発生器、16 ブレーキ、17 ブレーキ制御部、18 ドアゾーンプレート、19 ドアゾーンセンサ、171 速度演算部、172 減算器、173 ブレーキ指令演算部。

Claims (8)

  1. エレベータのかごを昇降させる永久磁石同期電動機または誘導電動機からなるモータと、
    前記かごの移動を検出して移動に応じたかご移動信号を発生する移動検出部と、
    前記モータに印加する電圧の電圧指令、前記モータに流れる電流を検出した検出電流、および、前記モータの物理特性を示すモータ定数から前記モータの推定回転位置を推定する位置推定部と、
    前記モータへの速度指令を出力する速度指令発生器と、
    前記速度指令と前記かご移動信号に基づいて電流指令を決定する指令電流演算器と、
    前記電流指令と前記検出電流と前記推定回転位置から前記電圧指令を決定する電圧演算部と、
    を備えたエレベータ制御装置。
  2. 前記モータを制動するブレーキと、前記ブレーキを作動させるブレーキ制御部と、をさらに備え、
    前記ブレーキ制御部が、前記かご移動信号と前記推定回転位置の時間変化率である推定速度との偏差が所定値以上のとき前記ブレーキを作動させるブレーキ作動指令を出力する請求項1に記載のエレベータ制御装置。
  3. 昇降路内のドア位置を示すドアゾーンプレートと、前記かごに設けられた前記ドアゾーンプレートを検出するドアゾーンセンサと、をさらに備え、
    前記ブレーキ制御部が、前記ドアゾーンセンサが前記ドアゾーンプレートを検出した場合に、前記ブレーキ作動指令を出力する請求項2に記載のエレベータ制御装置。
  4. 前記速度指令発生器が、前記ドアゾーンセンサが前記ドアゾーンプレートを検出した場合に、前記速度指令を減少させ、0になるとブレーキ作動信号を出力し、
    前記ブレーキ制御部が、前記ブレーキ作動信号を受けると前記ブレーキ作動指令を出力する請求項3に記載のエレベータ制御装置。
  5. 前記移動検出部は、エレベータの調速機に設けられたロータリーエンコーダである請求項1から4までのいずれか1項に記載のエレベータ制御装置。
  6. 前記移動検出部は、前記かごの加減速に応じて生じる力から前記かごの移動を検出する装置を含む請求項1から4までのいずれか1項に記載のエレベータ制御装置。
  7. 前記かごの移動を検出する装置が、前記かごの荷重を計測する秤装置である請求項6に記載のエレベータ制御装置。
  8. 永久磁石同期電動機または誘導電動機からなるモータにより昇降するかごの移動を検出して移動に応じたかご移動信号を発生し、
    前記モータに印加する電圧の電圧指令、検出された前記モータに流れる検出電流、および、前記モータの物理特性を示すモータ定数から前記モータの推定回転位置を推定し、
    前記モータへの速度指令と前記かご移動信号に基づいて電流指令を決定し、
    前記電流指令と前記検出電流と前記推定回転位置から前記電圧指令を決定する、
    エレベータの制御方法。
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