JP2016000009A - 営巣防止具 - Google Patents

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洋徳 浅井
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Abstract

【課題】鳥類が電柱に営巣することをより確実に防止することを可能にした営巣防止具を提供すること。
【解決手段】営巣防止具1は、上下方向に延びるように、電柱に取り付けられる棒状部材10と、棒状部材10の所定部位に配置され、所定部位から斜め上方に向かって延びる複数のロッド24を有する障害部20と、を備え、鳥類が電柱に営巣するために近づいても、斜め上方に向かって延びる複数のロッド24が障害となり、鳥類が電柱における営巣場所に到達することが困難になる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電柱に設置され、鳥類が電柱に営巣することを防止する営巣防止具に関する。
従来、電柱設備にカラスのような鳥類が営巣すると、この巣が原因となって停電が発生する危険性がある。例えば、電柱の上に、鳥類が巣作りのために針金類を運んできた場合には、この針金が電線に接触してショートするおそれがある。
そこで、従来、電柱に障害物等を取り付けることにより、鳥類が営巣できないようにすることが提案されている。例えば、特許文献1によれば、電柱の側面に、複数の枝棒を下向き傾斜状に垂れ下がるように取り付けることにより、巣作りのための針金等が落下するようにして営巣を困難にする、という技術が提案されている。
特開2004−313005号公報
しかしながら、特許文献1に記載された防止具によれば、枝棒は、絶縁性及び剛性の高いガラス繊維からなり、その外周面にポリエチレン樹脂皮膜を施すことによって構成されている。この場合、ポリエチレン樹脂皮膜が部分的に剥がれる等、枝棒の表面に凹凸が形成された場合、鳥類が営巣とために運んできた素材が枝棒から落下しにくくなり、結果として営巣されるおそれがある。特に、防止具の最上部に営巣されると、鳥類がその巣に出入りする際に障害となるものがないため、親鳥が自由に巣作りを行えるようになり、その結果、停電等が発生する可能性が高くなる。
本発明は、このような問題点を解決し、鳥類が電柱に営巣することをより確実に防止することを可能にした営巣防止具を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、次に記載する構成を備えている。
(1) 鉛直上方に延びるように、電柱に固定される棒状部材と、当該棒状部材に挿抜自在な筒状に形成される取付部及び当該取付部から延びる複数のロッドを有する障害部と、を備え、前記ロッドは、前記取付部が取り付けられた前記棒状部材が電柱に固定された場合に、斜め上方に延びることを特徴とする営巣防止具。
(1)によれば、営巣防止具を例えば電柱の腕金に設置した状態においては、ロッドが斜め上方に延びているため、空から電柱に近づく鳥類にロッドの先端が対向する。このため、鳥類が空から電柱に近づいて腕金に営巣しようとしても、鳥類にロッドが刺さるために、鳥類が腕金に到達することが困難になる。このように、鳥類が電柱に営巣することをより確実に防止することが可能になる。
(2) (1)において、前記ロッドは、少なくとも根元部分に弾性を有することを特徴とする営巣防止具。
(3) (1)、(2)において、前記ロッドは、ゴム部材からなることを特徴とする営巣防止具。
(2)、(3)によれば、鳥類がロッドにとまった場合にロッドが折れ曲がってしまうことにより、鳥類がその場にとどまることができなくなる。これにより、鳥類が営巣防止具に営巣することを防止することが可能になる。
(4) (1)〜(3)において、前記棒状部材の上端部に着脱自在に取り付けられ、前記取付部が前記棒状部材の上端を越えて移動することを規制する蓋部を更に備えることを特徴とする営巣防止具。
(4)によれば、蓋部が取付部の移動を規制することによって、取付部が棒状部材から抜けることが防止できる。また、蓋部を外すことによってロッドが劣化した場合等、障害部の交換が必要な場合に、交換作業が容易に可能となる。
本発明によれば、鳥類による電柱への営巣を、より確実に防止することを可能にした営巣防止具を提供することが可能になる。
本発明の一実施形態における営巣防止具1の構成を示す説明図である。 図1に示す営巣防止具1を構成する部品を示す説明図である。 障害部20を上方から軸方向に視認した図である。 本実施形態における営巣防止具1の電柱100への設置例を示す説明図である。 本実施形態における営巣防止具1の変形例を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態における営巣防止具1の構成を示す説明図、図2は、図1に示す営巣防止具1を構成する部品を示す説明図である。営巣防止具1は、棒状部材10と、蓋部12と、鍔部14と、障害部20と、を備えている。
棒状部材10は、ポリエチレン樹脂によって構成された円柱形状の長尺部材である。この棒状部材10は、詳細については後述するが、電柱100の腕金102等に設置される。この時、棒状部材10は、鉛直上方に沿って延びるように設置される。棒状部材10の上端部は筒状に形成されており、上端部の内面にはねじ溝が形成されている。
蓋部12は、ポリエチレン樹脂によって構成されており、円板部12aと、円柱部12bとからなる。蓋部12は、円板部12aの中央に、この円板部12aより小径の円柱部12bが立設してなる部材である。蓋部12の円柱部12bの側面には、棒状部材10の上端部のネジ溝に螺合するねじ山が形成されている。円板部12aの直径は、棒状部材10の直径よりも長く設定されている。このため、蓋部12は棒状部材10の上端部に着脱自在である。
鍔部14は、ポリエチレン樹脂によって構成された円板状の部材からなり、中央に棒状部材10が挿通される孔部が形成されている。鍔部14は、棒状部材10に通されて所定部位に固定される。なお、鍔部14は、棒状部材10と一体成形することによって形成されてもよい。
本実施形態においては、棒状部材10の長さが29cm、太さが1.5cm、上端部の内径が1cmに設定されている。また、蓋部12における円板部の直径が2.0cm、円柱部の直径が1.0cmで長さが2.0cmに設定されている。鍔部14の直径は約3.0cmで中央の孔部の直径が約1.5cmであり、鍔部14は、棒状部材10における下端から5cmの部位に固定されている。
障害部20は、取付部に相当する円筒部22と、ロッド24と、によって構成されている。本実施形態においては円筒部22及びロッド24がともにゴム部材からなる。円筒部22の内径は、棒状部材10よりも若干大きく設定されている。また、円筒部22の長さは15cmに設定されている。このため、円筒部22は、棒状部材10に対して挿入、抜き取り自在である。なお、円筒部22は、棒状部材10の上端に対して下端側から挿入されるものとする。
ロッド24は、棒状部材10よりも細い円柱形の長尺部材であり、基端部は円筒部22に固定され、先端部は斜め上方に向かって延びている。ロッド24は、棒状部材10における長手方向に並ぶ所定の3箇所からそれぞれ4本ずつ延出している。本実施形態によれば、ロッド24の長さは8cmである。また、障害部20を上方から軸方向に視認した場合、図3に示すように、4本のロッド24は、十字状に配置されており、障害部20を側面視した場合、図1に示すように、互いに対向する2本のロッド24によってV字が形成される。なお、ロッド24は、自重によっては撓まないが、鳥類がとまった場合等、所定の重量が加わった場合に大きく撓む若しくは屈曲するような剛性を有するゴム部材からなることが望ましい。
そして、棒状部材10に障害部20を挿入し、円筒部22の下端と鍔部14とを当接させてから、円筒部22の上端部に蓋部12を螺合させることにより、営巣防止具1が組み立てられる。これにより、障害部20が棒状部材10の上端側に移動しても、蓋部12に当接することにより、障害部20のそれ以上の移動が蓋部12によって規制される。
図4は、本実施形態における営巣防止具1の電柱100への設置例を示す説明図である。電柱100は、柱本体101と、腕金102と、足場(図示せず)等と、を備えている。
営巣防止具1は、柱本体101の最上部に配置され、複数のピン碍子104が設置される腕金102や、変圧器106を支持する腕金102等に固定される。
営巣防止具1は、棒状部材10の下端部が固定金具(図示せず)によって腕金102に固定されることにより、棒状部材10が鉛直上方に延びるように電柱100に設置される。この時、互いに対向する2本のロッド24によってV字が形成され、そのV字が鉛直方向に3つ上下方向に並ぶ。
通常、鳥類が電柱上に営巣しようとする場合、空から営巣しようとする場所に近づいていく。この際、ロッド24が斜め上方を向いていることから、ロッド24の先端が鳥類に刺すように接触する。このため、鳥類にとってはロッド24が障害となって、営巣しようとする場所に近づくことが困難になる。また、ロッド24がゴム部材からなり弾性を有するため、鳥類がロッド24にとまっても、ロッド24が下方に屈曲してしまう。このため、鳥類はロッド24にとまることもできなくなる。
図4に示す設置例によれば、柱本体101の上端の腕金102上や、変圧器106の側方に営巣防止具1が設置されているため、その付近に営巣されることが防止できる。
以上説明したように構成された本実施形態によれば、ロッド24が斜め上方に延びているため、空から電柱100に近づく鳥類にロッド24の先端が対向する。このため、鳥類が空から電柱に近づいて腕金に営巣しようとしても、ロッド24が刺さるために腕金に到達することが困難になる。このように、鳥類が電柱に営巣することをより確実に防止することが可能になる。
また本実施形態によれば、鳥類がロッド24にとまった場合に、ロッド24が折れ曲がってしまうことにより、鳥類がその場にとどまることができなくなる。これにより、鳥類が営巣防止具1に営巣することを防止することが可能になる。
また本実施形態によれば、障害部20が棒状部材10に挿入、抜き取り自在であるため、例えば、鳥類がつつくことや風雨等によってロッド24が劣化した場合に、障害部20ごと交換することが可能になる。
また本実施形態によれば、4本のロッド24が十字状に並んでいるため、周方向に隣合うロッド24、24同士の間隔が比較的広い。これにより、隣合うロッド24、24の上に営巣するための素材を載置することが困難になり、鳥類が障害部20におけるロッド24の根元部分に営巣することが困難になる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限るものではない。例えば、上述した実施形態においては、1本の円筒部22における上下方向に並ぶ3箇所から、ロッド24が4本ずつ斜め上方に延在しているが、それに限らず、円筒部22を3つに分割して、1つの円筒部に4本のロッド24を対応させた障害部20を3つ構成する。そして、3つの障害部を順次、棒状部材10に挿入するように構成してもよい。これにより、劣化していない障害部があれば、引き続き再利用することができる。
また、上述した実施形態においては、対向するロッド24、24によるV字の角度が全て同じであるが、それに限るものではない。例えば、図5に示すように、下段のロッド24、24によるV字の角度は大きく、中段のロッド24、24によるV字の角度は45度程度とし、上段のロッド24、24によるV字の角度は小さくなるように設定してもよい。
また、上述した実施形態においては、ロッド24はゴム部材からなるため、全体が弾性を有しているが、それに限らず、ロッド24における少なくとも円筒部22近くの根元部分が弾性を有し、それ以外は硬質部材によって構成されてもよい。これにより、鳥類がロッド24にとまった場合に、ロッド24を下方に屈曲させることが可能になり、鳥類がロッド24にとまることを防止することができる。
また、上述した実施形態においては、蓋部12が取り付けられた棒状部材10の上端は平面状であるため、そこに小型の鳥類がとまる可能性がある。そこで、蓋部12の円板部に鋭利な突起を形成することにより、鳥類が営巣防止具1における棒状部材10の上端にとまることができないようにしてもよい。また、棒状部材10の下端側にコイルばねを設け、営巣防止具1が揺動できるようにしてもよい。これにより、鳥類が営巣防止具1における棒状部材10の上端にとまった場合に棒状部材10が倒れるため、鳥類が棒状部材10にとまることを防止することができる。
1 営巣防止具
10 棒状部材
12 蓋部
14 鍔部
20 障害部
22 円筒部
24 ロッド
100 電柱
101 柱本体
102 腕金
104 ピン碍子
106 変圧器

Claims (4)

  1. 鉛直上方に延びるように、電柱に固定される棒状部材と、
    当該棒状部材に挿抜自在な筒状に形成される取付部及び当該取付部から延びる複数のロッドを有する障害部と、
    を備え、
    前記ロッドは、前記取付部が取り付けられた前記棒状部材が電柱に固定された場合に、斜め上方に延びることを特徴とする営巣防止具。
  2. 前記ロッドは、少なくとも根元部分に弾性を有することを特徴とする請求項1記載の営巣防止具。
  3. 前記ロッドは、ゴム部材からなることを特徴とする請求項1又は2記載の営巣防止具。
  4. 前記棒状部材の上端部に着脱自在に取り付けられ、前記取付部が前記棒状部材の上端を越えて移動することを規制する蓋部を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の営巣防止具。
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