米国特許第8,022,223号および同第8,212,045号は、AMG151を含む置換ピリジンのファミリーおよびその薬学的に許容される塩を、糖尿病の治療用薬剤として記載する。新たな形態のAMG151、特に、水性懸濁剤を含む薬学的組成物を調製するのに適した熱力学的に安定した形態の必要性が、存在する。
AMG151遊離塩基は、多形性の傾向があり、非溶媒和遊離塩基、形態Aおよび遊離塩基、形態Fが識別された。遊離塩基、形態Fは、遊離塩基、形態Aと、幾つかの溶媒において類似の融解温度および類似の溶解度を有することが見出された。遊離塩基、形態Aおよび遊離塩基、形態Fは、個別には実現性のある選択肢であるが、多形AおよびFの類似性は、形態を制御するためにシード添加を使用しても、規模拡大の努力の際に位相制御の欠如をもたらした。遊離塩基、形態Aと遊離塩基、形態Fの混合物も有用であり得るが、最適ではない。
代替的には、遊離塩基の水和物、形態Cが識別され、これも実現性のある熱挙動および物理的特性を示した。
遊離塩基の様々な結晶塩が調製され、分析された。他の形態のHCl塩、ビス−HCl塩、リン酸塩形態、硫酸塩形態、メタンスルホン酸塩形態を含む幾つかの塩が、可能性を有する。
加えて、様々な共結晶が発見され、好ましい結晶材料として識別された。酢酸溶媒和物、ならびに一部の高温安定性形態を含む結晶性溶媒和物も識別された。
さらなる代替案として、非晶質AMG151遊離塩基が調製された。
AMG151の結晶遊離塩基形態、AMG151遊離塩基の結晶性水和物、AMG151結晶塩形態、非晶質AMG151遊離塩基、およびAMG151の結晶性溶媒和物を調製するプロセスも提供される。
本発明のAMG151結晶性原薬を調製するプロセスも、提供される。そのようなプロセスにより調製されるAMG151結晶性原薬またはその粉末を更に配合して、薬学的剤形をもたらすことができる。
加えて、AMG151を調製するプロセスが提供される。
用語「H」は、単一の水素原子を示す。このラジカルは、例えば酸素原子に結合して、ヒドロキシルラジカルを形成することができる。
用語「アルキル」が単独で、または「ハロアルキル」および「アルキルアミノ」のように他の用語内で使用される場合、1〜約12個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖ラジカルを包含する。より好ましいアルキルラジカルは、1〜約6個の炭素原子を有する「低級アルキル」ラジカルである。そのようなラジカルの例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソアミル、ヘキシルなどが含まれる。1または2個の炭素原子を有する低級アルキルラジカルが、さらにより好ましい。用語「アルキレニル」は、メチレニルおよびエチレニルのような架橋二価アルキルラジカルを包含する。
用語「アリール」は、単独または組み合わせで、1または2つの環を含有する炭素環式芳香族系を意味し、そのような環は、一緒に縮合的に結合され得る。用語「アリール」は、フェニル、ナフチル、インデニル、テトラヒドロナフチル、およびインダニルのような芳香族ラジカルを包含する。より好ましいアリールはフェニルである。当該「アリール」基は、低級アルキル、ヒドロキシル、ハロ、ハロアルキル、ニトロ、シアノ、アルコキシ、および低級アルキルアミノのような1〜3つの置換基を有し得る。−O−CH2−O−で置換されているフェニルは、アリールベンゾジオキソリル置換基を形成する。
用語「ヘテロシクリル」は、飽和、部分飽和、および不飽和のヘテロ原子含有環ラジカルを包含し、ヘテロ原子は、窒素、硫黄、および酸素から選択され得る。−O−O−、−O−S−または−S−S−部分を含有する環は、含まれない。当該「ヘテロシクリル」基は、ヒドロキシル、Boc、ハロ、ハロアルキル、シアノ、低級アルキル、低級アラルキル、オキソ、低級アルコキシ、アミノ、および低級アルキルアミノのような1〜3つの置換基を有し得る。
飽和複素環ラジカルの例には、1〜4個の窒素原子を含有する飽和3員〜6員ヘテロ単環式基[例えば、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピロリニル、ピペラジニル];1〜2個の酸素原子および1〜3個の窒素原子を含有する飽和3員〜6員ヘテロ単環式基[例えば、モルホリニル];1〜2個の硫黄原子および1〜3個の窒素原子を含有する飽和3員〜6員ヘテロ単環式基[例えば、チアゾリジニル]が含まれる。部分飽和ヘテロシクリルラジカルの例には、ジヒドロチエニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロフリル、およびジヒドロチアゾリルが含まれる。
「ヘテロアリール」ラジカルとも呼ばれる不飽和複素環ラジカルの例には、1〜4個の窒素原子を含有する不飽和5員〜6員ヘテロモノシクリル基、例えば、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾリル[例えば、4H−1,2,4−トリアゾリル、1H−1,2,3−トリアゾリル、2H−1,2,3−トリアゾリル];酸素原子を含有する不飽和5員〜6員ヘテロ単環式基、例えば、ピラニル、2−フリル、3−フリルなど;硫黄原子を含有する不飽和5員〜6員ヘテロ単環式基、例えば、2−チエニル、3−チエニルなど;1〜2個の酸素原子および1〜3個の窒素原子を含有する不飽和5員〜6員ヘテロ単環式基、例えば、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル[例えば、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル];1〜2個の硫黄原子および1〜3個の窒素原子を含有する不飽和5員〜6員ヘテロ単環式基、例えば、チアゾリル、チアジアゾリル[例えば、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル]が含まれる。
用語は、複素環ラジカルがアリールラジカルに縮合(fused/condensed)しているラジカルも包含し、1〜5個の窒素原子を含有する不飽和縮合複素環基、例えば、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンゾイミダゾリル、キノリル、イソキノリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、テトラゾロピリダジニル[例えば、テトラゾロ[1,5−b]ピリダジニル];1〜2個の酸素原子および1〜3個の窒素原子を含有する不飽和縮合複素環基[例えば、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル];1〜2個の硫黄原子および1〜3個の窒素原子を含有する不飽和縮合複素環基[例えば、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル];ならびに1〜2個の酸素または硫黄原子を含有する飽和、部分飽和、および不飽和縮合複素環基[例えば、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル、およびジヒドロベンゾフリル]である。好ましい複素環ラジカルには、5員〜10員縮合または非縮合ラジカルが含まれる。ヘテロアリールラジカルのより好ましい例には、キノリル、イソキノリル、イミダゾリル、ピリジル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、フリル、およびピラジニルが含まれる。他の好ましいヘテロアリールラジカルは、硫黄、窒素、および酸素から選択される1または2個のヘテロ原子を含有する、チエニル、フリル、ピロリル、インダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、トリアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピペリジニル、およびピラジニルから選択される、5員または6員ヘテロアリールである。
非窒素含有ヘテロアリールの特定の例には、ピラニル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、ベンゾフリル、ベンゾチエニルなどが含まれる。
部分不飽和および飽和ヘテロシクリルの特定の例には、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピロリニル、ピラゾリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロピラニル、チアゾリジニル、ジヒドロチエニル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキサニル、インドリニル、イソインドリニル、ジヒドロベンゾチエニル、ジヒドロベンゾフリル、イソクロマニル、クロマニル、1,2−ジヒドロキノリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリル、2,3,4,4a,9,9a−ヘキサヒドロ−1H−3−アザ−フルオレニル、5,6,7−トリヒドロ−1,2,4−トリアゾロ[3,4−a]イソキノリル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジニル、ベンゾ[1,4]ジオキサニル、2,3−ジヒドロ−1H−1λ′−ベンゾ[d]イソチアゾール−6−イル、ジヒドロピラニル、ジヒドロフリル、およびジヒドロチアゾリルなどが含まれる。
「複素環」は、少なくとも1個の炭素原子、ならびに少なくとも1個の、N、O、およびSから選択される他の原子を含む環を意味する。特許請求の範囲において見出され得る複素環の例には、以下が含まれるが、これらに限定されない。
用語「アラルキル」または「アリールアルキル」は、アリール置換アルキルラジカルを包含する。好ましいアラルキルラジカルは、1〜6個の炭素原子を有するアルキルラジカルに結合しているアリールラジカルを有する「低級アラルキル」ラジカルである。1〜3個の炭素原子を有するアルキル部分に結合している「フェニルアルキレニル」が、さらにより好ましい。そのようなラジカルの例には、ベンジル、ジフェニルメチル、およびフェニルエチルが含まれる。当該アラルキルにおけるアリールは、ハロ、アルキル、アルコキシ、ハルコアルキル、およびハロアルコキシで追加的に置換され得る。用語「任意に置換されたフェニルアルキレニル」は、リンカーに使用されるとき、アルキル部分、またはフェニル環およびアルキル部分のいずれかに対して二価であり得る。
用語「ハロ」は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素原子のようなハロゲンを意味する。
用語「ハロアルキル」は、1個以上のアルキル炭素原子のいずれかが、上記に定義されたハロで置換されているラジカルを包含する。ペルハロアルキルを含む、モノハロアルキル、ジハロアルキル、およびポリハロアルキルラジカルが、とりわけ包含される。モノハロアルキルラジカルは、一例として、ヨード、ブロモ、クロロ、またはフルオロ原子のいずれかをラジカル内に有し得る。ジハロおよびポリハロアルキルラジカルは、2個以上の同じハロ原子または異なるハロラジカルの組み合わせを有し得る。「低級ハロアルキル」は、1〜6個の炭素原子を有するラジカルを包含する。1〜3個の炭素原子を有する低級ハロアルキルラジカルが、さらにより好ましい。ハロアルキルラジカルの例には、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ジフルオロクロロメチル、ジクロロフルオロメチル、ジフルオロエチル、ジフルオロプロピル、ジクロロエチル、およびジクロロプロピルが含まれる。「ペルフルオロアルキル」は、全ての水素原子がフッ素原子に代えられているアルキルラジカルを意味する。例には、トリフルオロメチルおよびペンタフルオロエチルが含まれる。
用語「ヒドロキシアルキル」は、いずれか1個が1つ以上のヒドロキシルラジカルで置換され得る1〜約10個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖アルキルラジカルを包含する。より好ましいヒドロキシアルキルラジカルは、1〜6個の炭素原子および1つ以上のヒドロキシルラジカルを有する「低級ヒドロキシアルキル」ラジカルである。そのようなラジカルの例には、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、およびヒドロキシヘキシルが含まれる。1〜3個の炭素原子を有する低級ヒドロキシアルキルラジカルが、さらにより好ましい。
用語「アルコキシ」は、それぞれ1〜約10個の炭素原子のアルキル部分を有する直鎖または分岐鎖オキシ含有ラジカルを包含する。より好ましいアルコキシラジカルは、1〜6個の炭素原子を有する「低級アルコキシ」ラジカルである。そのようなラジカルの例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、およびtert−ブトキシが含まれる。1〜3個の炭素原子を有する低級アルコキシラジカルが、さらにより好ましい。アルコキシラジカルは、フルオロ、クロロ、またはブロモのような1個以上のハロ原子により更に置換されて、「ハロアルコキシ」ラジカルをもたらし得る。1〜3個の炭素原子を有する低級ハロアルコキシラジカルが、さらにより好ましい。そのようなラジカルの例には、フルオロメトキシ、クロロメトキシ、トリフルオロメトキシ、トリフルオロエトキシ、フルオロエトキシ、およびフルオロプロポキシが含まれる。
用語「多形」および「多形形態」は、単一化合物の異なる結晶形態を意味する。すなわち、多形は、同じ分子式を共有する特有の固体であるが、それぞれの多形は、固有の固体状態の物理的特性を有し得る。したがって、単一化合物は、様々な多形形態で生じ得、それぞれの形態は、異なる溶解度プロファイル、溶解速度、融点温度、流動性、および/または異なるX線回折ピークのような、異なる特有の固体状態の物理的特性を有する。物理的特性の差は、貯蔵安定性、圧縮性、および密度(配合および生成物製造において重要であり得る)、ならびに溶解速度(生物学的利用能の重要な要素であり得る)のような、薬学的パラメーターに影響を与え得る。多形形態を特徴決定する技術には、X線粉末回折(XRPD)、示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)、単結晶X線回折(XRD)、振動分光法、例えば、赤外(IR)およびラマン分光法、固体状態および溶液の核磁気共鳴(NMR)分光法、光学顕微鏡法、ホットステージ光学顕微鏡法、走査電子顕微鏡法(SEM)、電子線結晶学および定量分析、粒径分析(PSA)、表面積分析、溶解度測定、溶解測定、元素分析、ならびにカールフィッシャー分析が含まれるが、これらに限定されない。
X線粉末回折パターンの1つ以上のピーク位置に先行する用語「約」は、それが先行する群のピークの全てが、±0.3°の許容可能な変動を伴う角度位置(2シータ)で報告されていることを意味する。±0.3°の変動は、2つの粉末X線回折パターンを比較するときに使用されることが意図される。実際には、1つのパターンの回折パターンピークが、測定ピーク位置±0.3°である角度位置(2シータ)の範囲に指定され、かつこれらのピーク位置の範囲が重複する場合、2つのピークは、同じ角度位置を有すると考慮される。例えば、1つパターンのピークが11.0°の位置を有すると決定されると、比較のため、許容可能な変動は、ピークが10.7°〜11.3°の範囲の位置に指定されることを可能にする。
用語「非晶質」は、非結晶状態である固体状態の固体を意味する。非晶質固体は、分子が不規則配置されており、したがって識別可能な結晶格子または単位セルを有さず、したがって限定可能な長距離規則度を有さない。固体の固体状態の形態は、偏光顕微鏡検査法、X線粉末回折(「XRPD」)、示差走査熱量測定(「DSC」)、または当業者に既知の他の標準的な技術によって決定され得る。
AMG151は、(1S)−1−[5−({3−[(2−メチルピリジン−3−イル)オキシ]−5−(ピリジン−2−イルスルファニル)ピリジン−2−イル}アミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル]エタン−1,2−ジオールである。
明細書の略語は、測定、技術、特性、または化合物の単位に対応し、以下のとおりである。
本明細書において使用される化学式および名称は、基礎となる化学的化合物を正確かつ的確に反映すると考えられる。しかし、本発明の性質および価値は、これらの式の理論的な正確さに全体的または部分的に依存することはない。したがって、本明細書において使用される式、ならびに対応する指示化合物に起因する化学名は、本発明を任意の特定の互変異性形態または任意の特定の光学的もしくは幾何学的異性体に限定することを含むどのような方法によっても、本発明を制限することを意図しないことが理解される。
前記の定義は、本明細書において使用される用語および略語の完全な理解のために提供される。
一般手順
スキームA
本発明は、スキームAに示されているように、保護グリセルアルデヒド3の形成、ならびにチアジアゾールスルフィド7の形成を伴う。本発明は、また、Rが、C1〜3アルキルであるか、または2つのR基が、一緒になってシクロヘキシルを形成し、Rbが、アリール、アルキル、アラルキル、または5員〜6員ヘテロシクリルである、化合物に関する。本発明の別の実施形態において、Rbは、C6〜10員アリール、C1〜6アルキル、C6〜10アリール−C1〜3アルキル、5員〜6員ヘテロアリール、または5員〜6員飽和もしくは部分飽和ヘテロシクリルである。本発明の別の実施形態において、アリール、アルキル、アリールアルキル、または5員〜6員ヘテロシクリル置換基は、低級アルキル、ハロ、ハロアルキルなどから選択される1つ以上の置換基で任意に置換されている。
プロセスの実施形態は、置換ジオール1を酸化的に開裂して、アルデヒド2を得ることを含む。プロセスの実施形態は、NaIO4、クロム酸、またはPb(OAc)4のような酸化開裂剤を含む。本発明のある特定の実施形態では、NaIO4が酸化的開裂に使用される。プロセスの実施形態は、用いられるジオールの1モルあたり少なくとも約1当量の量のNaIO4を含む。本発明は、また、約1.4〜1.5当量のNaIO4の使用に関する。
プロセスの実施形態は、CH2Cl2またはEtOAcのような有機溶媒における酸化開裂を含む。
プロセスの実施形態は、H2Oの存在下での約0.3当量のNaHCO3のような水性緩衝液を含む。好ましくは、酸化的開裂のpHは、0.8より高く、好ましくは3を越えて維持される。
RTを越える温度、好ましくは35℃を越えて、より好ましくは約50℃の温度でNa2S2O5、NaHSO3、またはNa2SO3のようなSO3 −2の塩によるアルコール性アルデヒド溶液の処理は、重亜硫酸塩付加物3のジアステレオマー混合物をもたらす。プロセスの実施形態は、用いられるアルデヒドの1モルあたり約0.5〜2当量の量でのNa2S2O5による処理を含む。本発明は、また、約0.5当量のNa2S2O5の使用に関する。
NH2OH−HClの水溶液およびK2CO3またはNa2CO3のような塩基によるMeTHFのような有機溶媒中での付加物3の処理は、オキシム4を与える。DMAC/MeTHFの混合物のような溶媒中の無水オキシム4に、ジオキサンのような溶媒中の触媒量のHClを加え、続くCl2またはNSCによるようなハロゲン化により、対応するクロロ−オキシム5中間体を得る。クロロ−オキシム5を、DIPEAのような塩基の存在下でMsClと、RT未満の温度、好ましくは約0℃の温度で反応させて、クロロ−メシレート6を得る。クロロ−メシレート6と、NaSCNとの、MeTHFのような溶媒中、約RTの温度による、ピリジンのような有機塩基の存在下での反応は、アシルチオイソシアネート中間体を与える。RT未満の温度、好ましくは約0℃によるMeTHFのような非極性溶媒中の1〜2当量のピリジンのような有機塩基の存在下でのトルエンスルフィドのような置換チオールを用いるアシルチオイソシアネートの処理は、1,2,4−チアジアゾール7を与える。
本発明は、また、N2雰囲気のような最小酸素が存在する雰囲気におけるプロセスに関する。
本発明は、また、重亜硫酸塩付加物3が環化ステップの前に単離されるプロセスに関する。あるいは、重亜硫酸塩付加物3は、チアジアゾールの形成の前に単離されない。
プロセスの実施形態は、非水性溶媒環境における反応を含む。そのような溶媒には、MeTHF、MTBE、IPAC、ヘプタン、ヘキサン、トルエン、ベンゼン、キシレン、IPA、ジオキサン、CH2Cl2、EtOH、MeCN、およびTHFが含まれる。本発明は、また、溶媒の混合物が利用されるプロセスに関する。本発明のある特定の実施形態では、MeTHFが溶媒として使用される。用語「非水性」が使用される場合、それは、水が反応ステップにおいて生じないことを意図しない。
スキームB
本発明は、スキームBに示されているように、3−[(4S)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル]−5−[(4−メチルフェニル)スルファニル]−1,2,4−チアジアゾール9の酸化を記載する。例えば、3−[(4S)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル]−5−[(4−メチルフェニル)スルファニル]−1,2,4−チアジアゾールを酸化剤で処理して、対応するスルホン10[ここで、Rはメチルである]をもたらす。
プロセスの実施形態は、尿素−H2O2、H2O2水溶液のような過酸化物関連薬剤、およびmCPBA、過酢酸、またはMMPPのような過酸に基づいた試薬から選択される酸化剤を含む。本発明は、また、尿素−H2O2の使用に関する。
プロセスの実施形態は、触媒、例えば(NH4)6Mo7O24の存在下での過酸化物関連酸化剤を含む。プロセスの実施形態は、約10wt%未満の触媒が使用される、触媒の存在下での過酸化物関連酸化剤を含む。プロセスの実施形態は、約5wt%未満の触媒が使用される、触媒の存在下での過酸化物関連酸化剤を含む。
プロセスの実施形態は、アセトニトリルまたはスルホランのような溶媒の存在下での酸化を含む。
プロセスの実施形態は、約−15℃を越える温度、かつ溶液の還流温度で実施される酸化を含む。プロセスの実施形態は、約−15℃を越え、約50℃の温度で実施される酸化を含む。本発明は、また、約RTを越える温度で実施される酸化を含む。
プロセスの実施形態は、用いられる硫化物の1モルあたり少なくとも約1当量を越える量の酸化剤を含む。本発明は、また、約2.5当量の酸化剤の使用に関する。
スキームC
本明細書は、スキームCに示されているように、3−((2−メチルピリジン−3−イル)オキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−アミンを、塩基および(S)−3−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−5−トシル−1,2,4−チアジアゾールで処理して、保護ジオール、(S)−3−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−N−(3−((2−メチルピリジン−3−イル)オキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミンを形成することを含む、AMG151の水和物形態の形成プロセスを伴う。プロセスは、THFのような溶媒中、約−20℃から約RTの温度で実施することができる。脱プロトン化に使用される塩基の例には、カリウムtert−ブトキシドが含まれる。好ましくは、過剰量の塩基が使用される。好ましくは、塩基は、スルホンの添加の前にピリジン−2−アミンに添加される。
保護ジオール、(S)−3−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−N−(3−((2−メチルピリジン−3−イル)オキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミンの、酸による脱保護は、ジオールを形成する。酸の例には、HCl、硫酸、メタンスルホン酸、例えば、1N HClのようなHCl水溶液が含まれる。塩基、例えば、KOAc、リン酸塩、炭酸塩、またはアルキルアミンによるようなpHの調整は、所望の化合物(AMG151の水和物)を結晶性材料として単離することを可能にする。好ましくは、脱保護は、過剰量の酸、例えば、3当量のHCl水溶液(1.0N)によって達成される。好ましくは、脱保護は、約周囲温度で達成される。
スキームD
スキームDは、ピリジンN−オキシドを介したAMG151への直接的なアミノ化経路を記載する。3−((2−メチルピリジン−3−イル)オキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン1−オキシドを保護2−アミノチアジアゾール:
[ここで、Rは、アリール、アルキルであるか、または2つのR基は、一緒になってシクロアルキルを形成し、Pは、保護基であり、好ましくは、PはBocである]と、DMCのような溶媒中で合わせる。ピリジンオキシドと保護アミノ−チアジアゾールとの、例えば塩基およびTsClの存在下の適切な溶媒中でのカップリングは、保護ピリジン−2−アミノチアジアゾールを生じる。塩基の例はDIPEAである。プロセスは、THFまたはDCMのような溶媒中、約0℃から約RTの温度で実施することができる。酸による処理のような脱保護は、所望の化合物をもたらす。酸の例には、HCl、例えば2N HClのようなHCl水溶液が含まれる。脱保護は、RTを越える、好ましくは約50℃を越える温度、より好ましくは約65℃で実施することができる。
記載されたカップリング反応は、上記に示されたシクロヘキシルアセタールの他に、ジオール官能基に代替的な保護基を利用することができる。
一般に、NHプロトンの酸性を増加し、かつカップリング反応の後に都合良く開裂され得る、チアジアゾールの任意のアミノ保護基が、本明細書に記載されている手法に受け入れられる。他の例には、ベンジル、CBZ、およびt−ブチルが含まれるが、これらに限定されない。加えて、下記に示されている構造のような他のアミノ−チアジアゾール求核剤が、このカップリングにおいて十分に性能を発揮する可能性があり得る。
本明細書に記載されているカップリング反応における代替的な活性化剤には、N、C、およびOに基づいた求核剤によりピリジンN−オキシドの求核攻撃を活性化することが化学文献により知られている、任意の試薬が含まれ得る。例には、POCl3、塩化スルホニル、スルホニル無水物、塩化オキサリル、無水酢酸、およびトリフリン酸無水物が含まれる。
スキームE
本発明は、スキームEに示されているように、2−クロロ−3−((2−メチルピリジン−3−イル)オキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジンおよび(S)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミンを、炭酸塩またはK3PO4のような塩基、およびDMAC、DMSO、NMPなどのような溶媒の存在下でカップリングすることを含む、AMG151の形成プロセスを伴う。スキームCに示されているように、HClのような酸による続く処理が、AMG151を生じる。
2−クロロ−3−((2−メチルピリジン−3−イル)オキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジンは、3,5−ジブロモピリジンN−オキシドと2−メチルピリジン−3−オールとの、炭酸塩またはK3PO4のような塩基、およびDMAC、DMSO、NMPなどのような溶媒の存在下でのカップリング、続く2−メルカプトピリジンとの、DMACのような溶媒でのカップリングによって調製される。カップリングは、RTを越える、好ましくは約75℃を越える温度、より好ましくは約95℃で実施することができる。POCl3を用いるような続くハロゲン化が、所望の2−クロロピリジンをもたらす。ハロゲン化は、RT未満の温度、好ましくは約10℃で実施することができる。
(S)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミンは、重亜硫酸塩付加物をヒドロキシアミンと反応させてオキシム中間体を得て、それを触媒量のHClの存在下でNCSにより塩素化して、クロロ−オキシムを形成することによって調製される。クロロ−オキシムのメシル化は、シクロヘキシルクロロメシレートを与え、それをNaSCN、ピリジン、およびMeTHFの付加によりアシルチオシアネートに変換する。環化は、バッチにおいて触媒水により活性化されて2−アミノ−チアジアゾールを形成する、アンモニア代替物(HMDS)により達成される。
スキームF
本発明は、スキームFに示されているように、2−アミノ−3−((2−メチルピリジン−3−イル)オキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジンおよび(R,E)−N−((メチルスルホニル)オキシ)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−カルビミドイルクロリドを、イソチオシアン酸ナトリウムおよびピリジンの存在下でカップリングすることを含む、AMG151の形成プロセスを伴う。HClのような酸による続く処理が、AMG151を生じる。
2−アミノ−3−((2−メチルピリジン−3−イル)オキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジンは、5−ブロモ−3−ニトロピコリノニトリルおよび2−メチルピリジン−3−オール、次にピリジン−2−チオールを、塩基、例えばK2CO3の存在下で連続的にカップリングして、3−((2−メチルピリジン−3−イル)オキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピコリノニトリルを生じることによって調製される。カップリングは、約RTの温度、好ましくは約30℃で実施することができる。アミドへのニトリルの加水分解、続くブロモ化および塩基による処理が、アミンを生じる。
(R,E)−N−((メチルスルホニル)オキシ)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−カルビミドイルクロリドは、ヒドロキシルアミン、TMSCl、およびNCS、ならびにMsClによる連続的な処理を介して、(R)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−カルバルデヒドから調製される。
グルコキナーゼ活性化剤による治療が指示される、対象において医学的状態または障害を治療する方法であって、治療有効量の本発明の組成物を例えば経口投与することを含む方法も、提供される。そのような方法は、医学的状態または障害が糖尿病である場合に特に有用である。
本発明は、AMG151の新規の水和物形態、好ましくは一水和物形態を提供する。AMG151の一水和物形態それ自体に加えて、本発明は、AMG151の一水和物形態を含むAMG151原薬を提供する。少なくとも検出可能な量の一水和物形態のAMG151が存在する。本発明のAMG151原薬における、好ましくは約10重量%〜約100重量%、より好ましくは約25重量%〜約100重量%、なおより好ましくは約60重量%〜約100重量%、さらにより好ましくは約80重量%〜約100重量%のAMG151が、AMG151の水和物形態、好ましくは一水和物形態である。特定の実施形態において、実質的に全てのAMG151が水和物形態であり、すなわち、AMG151原薬は、実質的に純粋な一水和物形態のAMG151である。
本発明は、遊離塩基AMG151の新規形態、とりわけ形態Aまたは形態Fを提供する。形態AおよびFのAMG151遊離塩基それ自体に加えて、本発明は、AMG151遊離塩基の形態AおよびFを含むAMG151原薬を提供する。少なくとも検出可能な量の形態AまたはFのいずれかのAMG151遊離塩基のAMG151が存在する。1つの実施形態では、本発明のAMG151原薬における100重量%のAMG151が形態Aである。1つの実施形態では、本発明のAMG151原薬における0.1重量%のAMG151が形態Aであり、99.9%が形態Fである。1つの実施形態では、本発明のAMG151原薬における約10重量%のAMG151が形態Aであり、90%が形態Fである。1つの実施形態では、本発明のAMG151原薬における約20重量%のAMG151が形態Aであり、80%が形態Fである。1つの実施形態では、本発明のAMG151原薬における約25重量%のAMG151が形態Aであり、75%が形態Fである。1つの実施形態では、本発明のAMG151原薬における約30重量%のAMG151が形態Aであり、70%が形態Fである。1つの実施形態では、本発明のAMG151原薬における約40重量%のAMG151が形態Aであり、60%が形態Fである。1つの実施形態では、本発明のAMG151原薬における約50重量%のAMG151が形態Aであり、50%が形態Fである。1つの実施形態では、本発明のAMG151原薬における約60重量%のAMG151が形態Aであり、40%が形態Fである。1つの実施形態では、本発明のAMG151原薬における約75重量%のAMG151が形態Aであり、25%が形態Fである。1つの実施形態では、本発明のAMG151原薬における約80重量%のAMG151が形態Aであり、20%が形態Fである。1つの実施形態では、本発明のAMG151原薬における約90重量%のAMG151が形態Aであり、10%が形態Fである。1つの実施形態では、本発明のAMG151原薬における約99.9重量%のAMG151が形態Aであり、0.1%が形態Fである。1つの実施形態では、本発明のAMG151原薬における100重量%のAMG151が形態Fである。
本発明のAMG151原薬における、通常は約10重量%〜約100重量%、より多くの場合は約25重量%〜約100重量%、なおより多くの場合は約60重量%〜約100重量%、さらにより多くの場合は約80重量%〜約100重量%のAMG151が、AMG151遊離塩基の形態AまたはFのいずれかである。特定の実施形態では、実質的全てのAMG151が、AMG151遊離塩基の形態Aまたは形態Fのいずれかであり、すなわち、AMG151原薬は、実質的にAMG151の形態Aまたは実質的にAMG151の形態Fである。
1つの実施形態では、AMG151遊離塩基の実質的に形態Aの形態の結晶多形が本明細書において提供される。本明細書で使用されるとき、用語「実質的に形態Aの形態」は、多形形態が約15重量%未満の、他の多形形態および非晶質形態を含む他の形態を含むことを意味する。ある特定の実施形態において、実質的に純粋な多形形態は、約10重量%未満の、他の多形形態および非晶質形態を含む他の形態を含む。ある特定の実施形態において、実質的に純粋な多形形態は、約5重量%未満の、他の多形形態および非晶質形態を含む他の形態を含む。ある特定の実施形態において、実質的に純粋な多形形態は、約1重量%未満の、他の多形形態および非晶質形態を含む他の形態を含む。
AMG151遊離塩基の実質的に形態Aの形態の結晶多形を調製するプロセスであって、AMG151塩酸塩を水、エチルアルコール、および37%塩酸水溶液と合わせて、AMG151水和物、形態Cをもたらすことと、K2HPO4、水、およびエチルアルコールを酸性溶液に加えて、pHを調整することと、エタノールを、AMG151水和物、形態Cを含有する溶液に、水:エタノールの比が60:40になるまで加えることと、溶液を約50℃で撹拌して、AMG151遊離塩基の実質的に形態Aの形態をもたらすことと、を含むプロセスも、本明細書において提供される。形態Aは、標準的な方法により単離され得る。
AMG151塩酸塩の実質的に形態Cの形態の結晶多形を調製するプロセスであって、AMG151塩酸塩を水、エチルアルコール、および37%塩酸水溶液と合わせることと、K2HPO4、水、およびエチルアルコールを酸性溶液に加えて、AMG151水和物の実質的に形態Cの形態の結晶多形をもたらすことと、を含むプロセスも、本明細書において提供される。形態Cは、標準的な方法により単離され得る。AMG151水和物の実質的に形態Cの形態の結晶多形は、本明細書に記載されている、AMG151遊離塩基の実質的に形態Aの形態を調製するのに有用である。
本発明は、AMG151の新規の溶媒和物形態、好ましくはフマル酸塩溶媒和物形態を提供する。AMG151のフマル酸塩溶媒和物形態それ自体に加えて、本発明は、AMG151のフマル酸塩溶媒和物形態を含むAMG151原薬を提供する。少なくとも検出可能な量のフマル酸塩溶媒和物形態のAMG151が存在する。本発明のAMG151原薬における、好ましくは約10重量%〜約100重量%、より好ましくは約25重量%〜約100重量%、なおより好ましくは約60重量%〜約100重量%、さらにより好ましくは約80重量%〜約100重量%のAMG151が、フマル酸塩溶媒和物形態である。特定の実施形態において、実質的に全てのAMG151がフマル酸塩溶媒和物形態であり、すなわち、AMG151原薬は、実質的に純粋なフマル酸塩溶媒和物形態のAMG151である。
1つの実施形態において、AMG151原薬におけるフマル酸塩溶媒和物形態のAMG151の量は、糖尿病を治療するのに十分であり、ここで、AMG151の全てまたは実質的に全ての部分は、実質的にフマル酸塩溶媒和物形態である。
1つの実施形態において、AMG151原薬における形態Aまたは形態FのいずれかのAMG151遊離塩基の量は、糖尿病を治療するのに十分であり、ここで、AMG151の全てまたは実質的に全ての部分は、実質的に形態Aまたは形態FのいずれかのAMG151遊離塩基である。
1つの実施形態において、AMG151原薬における一水和物形態のAMG151の量は、糖尿病を治療するのに十分であり、ここで、AMG151の全てまたは実質的に全ての部分は、実質的に一水和物形態のAMG151である。
本発明の水和物形態のAMG151またはAMG151原薬は、本明細書に記載されているプロセスに限定されない任意の適切なプロセスにより調製され得る。AMG151を、アルコール溶液、例えばエタノールを有する溶液を含む水溶液に加えることができる。例えば、約25%未満のエタノールを有する溶液を使用することができる。好ましくは、AMG151は、水溶液に溶解される。水溶液は、約50℃を越える、好ましくは沸騰のような、好ましくは室温を超える温度に加熱される。固体形態の水和物材料は、冷却してから回収することができる。好ましくは、冷却は、3時間かけて生じさせる。
あるいは、本発明のAMG151一水和物、形態CまたはAMG151水和物、形態C原薬の結晶多形形態は、実施例2および3、ならびに実施例22および23のような、下記に記載される一般的なプロセスにより調製され得る。AMG151を酸性水溶液に加えることができる。1つの実施形態において、酸性水溶液は2未満のpHである。水溶液は、約25±5℃の温度で維持される。塩基による、例えばKOAc水溶液のような塩基水溶液による処理のようなpHの変更は、AMG151水和物の結晶化をもたらす。1つの実施形態において、pHは、3を越えるpHを維持するように塩基により調整される。AMG151一水和物、形態CまたはAMG151一水和物、形態C原薬の固体形態の結晶多形形態は、標準的な方法により単離され得る。
一定の粒径分布を有するAMG151一水和物、形態Cの結晶多形の調製プロセスも、本明細書において提供される。AMG151一水和物、形態Cの粒径分布の制御は、pHによりシードポイントを識別すること、および制御結晶化により大型粒子を成長させることによって得られ得ることが発見された。標的粒径分布は、ピン粉砕する(pin milling)ことによって得ることができる。しかし、粉砕ステップの際に一水和形態Cの脱水の危険性がある。
したがって、一定の粒径分布が粉砕することなく達成される、AMG151一水和物、形態Cの結晶多形の調製プロセスも、本明細書において提供される。シードポイントで1.73〜2.15のpHを維持することが、AMG151一水和物、形態Cの強力で再現性のある結晶化を、粒径分布に対するより大きな制御を伴ってもたらしたことが、予想外に発見された。適切な緩衝液系の使用は、pHに関するシード添加範囲を広げることが発見され、複数の反応規模にわたる粒径分布の再現性を改善した。他の酸(例えば、塩酸)ではなく硫酸の使用が、より一定した粒径分布をもたらしたことは、更に予想外の発見であった。シードの粒径およびシード装填量が、粒径分布に対して強く影響を与えることは、更に予想外の発見であった。ピン粉砕AMG151一水和物、形態Cによるシード添加、およびピン粉砕シードの約2〜3重量パーセントの装填量が、より一定した粒径分布をもたらしたことが観察された。
1つの実施形態において、一定の粒径分布を有するAMG151一水和物、形態Cを調製するプロセスであって、AMG151を1N硫酸水溶液と周囲温度で合わせることと、水を当該酸性溶液に加えることと、1.0N酢酸カリウム水溶液を当該酸溶液に周囲温度で加えて、酸性溶液のpHを1.7〜2.1に調整することと、当該酸性溶液に、AMG151一水和物、形態Cを、酸性溶液のpHが1.7〜2.1のときにシード添加することと、当該形態Cを当該溶液から結晶化させることと、を含むプロセスが、本明細書において提供される。1つの実施形態において、約2〜3重量パーセントのシードが添加される。1つの実施形態において、シードは、ピン粉砕されたAMG151一水和物、形態Cである。1つの実施形態において、ピン粉砕された材料の粒径は、d90≦5〜50μmである。1つの実施形態において、ピン粉砕されたシード材料の粒径は、d90≦100μmである。1つの実施形態において、当該プロセスは、20μm未満の粒径d90を有するAMG151一水和物、形態Cをもたらす。1つの実施形態において、当該プロセスは、50μm未満の粒径d90を有するAMG151一水和物、形態Cをもたらす。1つの実施形態において、当該プロセスは、100μm未満の粒径d90を有するAMG151一水和物、形態Cをもたらす。1つの実施形態において、当該プロセスは、200μm未満の粒径d90を有するAMG151一水和物、形態Cをもたらす。1つの実施形態において、当該プロセスは、約3〜6μmのd10、約15〜21μmのd50、および約42〜61μmのd90の粒径分布プロファイルを有する、AMG151一水和物、形態Cをもたらす。
投与および薬学的組成物
一般的に、本発明の形態は、類似した有用性で機能する薬剤に許容される投与様式のいずれかによって、治療有効量が投与され得る。本発明の化合物、すなわち活性成分の実際の量は、治療される疾患の重篤度、対象の年齢および相対的な健康状態、使用される化合物の効力、投与経路および形態、ならびに他の要因のような数多くの要因によって決まる。
AMG151の治療有効量は、1日あたりおよそ0.1〜1000mgの範囲であり得る。
一般に、本発明の形態は、以下の経路:経口、全身(例えば、経皮、経鼻、もしくは坐剤)、または非経口(例えば、筋肉内、静脈内、もしくは皮下)投与のいずれか1つによって、薬学的組成物として投与され得る。好ましい投与方法は、苦痛の程度に従って調整され得る、都合の良い1日投与量レジメンを使用する経口である。組成物は、錠剤、丸剤、カプセル剤、半固形剤、粉末剤、持続放出配合剤、液剤、懸濁剤、エリキシル剤、エアロゾル剤、または任意の他の適切な組成物の形態をとることができる。
上記のプロセスまたは任意の他のプロセスに従って調製されたAMG151原薬または薬剤粉末を、更なる配合なしに、または水もしくは別の薬学的に許容される液体中の簡単な懸濁により、経口、直腸内、または非経口投与することができる。あるいは、AMG151原薬または薬剤粉末を、経口投与用のカプセルに直接充填することができる。しかし、好ましくはAMG151原薬または薬剤粉末を、典型的には1つ以上の賦形剤による更なる加工に付して、薬学的組成物、例えば本明細書下記に記載される経口剤形を調製する。
本明細書において提供されるAMG151の形態またはAMG151原薬を、更に、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と一緒に配合して、薬学的組成物を製造することができる。用語「賦形剤は、本明細書において、対象に治療剤を送達する担体もしくはビヒクルとして使用される、あるいは取り扱いもしくは貯蔵特性を改善するため、または経口投与に適したカプセル剤もしくは錠剤のような別個の物品への組成物の用量単位の配合を許容もしくは促進するために薬学的組成物に添加される、それ自体は治療剤ではない任意の物質を意味する。賦形剤には、希釈剤、崩壊剤、結合剤、接着剤、湿潤剤、潤滑剤、滑剤、結晶化抑制剤、表面改質剤、悪味または不快臭を遮蔽または相殺するために添加される物質、風味料、色素、芳香剤、および組成物の外観を改善するために添加される物質が例示として、限定的ではなく含まれる。
本発明の組成物に用いられる賦形剤は、固体、半固体、液体、またはこれらの組み合わせであり得る。賦形剤を含有する本発明の組成物は、賦形剤を薬剤または治療剤と混合することを含む、薬学の任意の既知の技術により調製され得る。本発明の組成物は、1用量単位あたり所望量のAMG151結晶形態を含有し、経口投与が意図される場合、例えば、錠剤、カプレット剤、丸剤、硬もしくは軟カプセル剤、ロゼンジ剤、カシェ剤、小分け可能な粉末剤、顆粒剤、懸濁剤、エリキシル剤、液剤の形態、またはそのような投与に合理的に適合される任意の他の形態であり得る。非経口投与が意図される場合、例えば懸濁剤の形態であり得る。直腸内投与が意図される場合、例えば坐剤の形態であり得る。錠剤またはカプセル剤のような、それぞれ所定量の薬剤を含有する別個の用量単位である経口剤形が、本発明において好ましい。
本発明の薬学的組成物の調製に使用され得る賦形剤の非限定例が、以下に続く。本発明の組成物は、1つ以上の薬学的に許容される希釈剤を賦形剤として任意に含む。適切な希釈剤には、例示的に、無水ラクトースおよびラクトース一水和物を含むラクトース;直接圧縮可能なデンプンおよび加水分解デンプン(例えば、Celutab(商標)およびEmdex(商標))を含むデンプン;マンニトール;ソルビトール;キシリトール;デキストロース(例えば、Cerelose(商標)2000)およびデキストロース一水和物;第二リン酸カルシウム二水和物;スクロースに基づいた希釈剤;粉糖;第一硫酸カルシウム一水和物;硫酸カルシウム二水和物;粒状乳酸カルシウム三水和物;デキストレート;イノシトール;加水分解穀物固体;アミロース;微晶質セルロース、α−および非晶質セルロースの食品等級源(例えば、Rexcel(商標))、ならびに粉末セルロースを含むセルロース;炭酸カルシウム;グリシン;ベントナイト;ポリビニルピロリドンなどが、個別にまたは組み合わせで含まれる。そのような希釈剤は、存在する場合、合計で、組成物の総重量の約5%〜約99%、好ましくは約10%〜約85%、より好ましくは20%〜約80%を構成する。選択される希釈剤(単数)または希釈剤(複数)は、好ましくは、適切な流動特性を示し、錠剤が望ましい場合には圧縮性を示す。ラクトースおよび微晶質セルロースは、個別にまたは組み合わされて、好ましい希釈剤である。両方の希釈剤は、AMG151と化学的に適合する。顆粒外微晶質セルロース(すなわち、乾燥ステップの後に湿式造粒組成物に添加される微晶質セルロース)の使用を、硬度(錠剤)および/または崩壊時間を改善するために使用することができる。ラクトース、とりわけラクトース一水和物が、特に好ましい。ラクトースは、典型的には、AMG151の適切な放出速度、安定性、圧縮前流動性、および/または乾燥特性を有する組成物を比較的低い希釈費用で提供する。造粒の際に緻密化を助け(湿式造粒が用いられる場合)、したがってブレンド物の流動特性を改善する、高密度物質を提供する。
懸濁剤は、Formulation technology:emulsions,suspensions,solid forms;Hans Mollet and Arnold Grubenmann;Pharmaceutical Emulsions and Suspensions;Fransiose Nielloud,CRC;1st ed.(2000)、またはPharmaceutical Dosage Forms:Disperse Systems,Vol 1 and Vol 2,Ed.:Herbert Lieberman,Martin Rieger,Gilbert Banker,Marcel Dekker,NYに記載されているものと同様に調製され得る。
本発明の組成物は、特に錠剤配合のため、1つ以上の薬学的に許容される崩壊剤を賦形剤として任意に含む。適切な崩壊剤には、デンプングリコール酸ナトリウム(例えば、PenWestのExplotab(商標))およびアルファ化トウモロコシデンプン(例えば、National(商標)1551、National(商標)1550、およびColorcon(商標)1500)を含むデンプン、粘土(例えばVeegum(商標)HV)、精製セルロース、微晶質セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロース、クロスカルメロースナトリウム(例えば、FMCのAc−Di−Sol(商標))、アルギン酸塩、クロスポビドン、ならびに寒天、グアー、イナゴマメ、カラヤ、ペクチン、およびトラガカントガムのようなガムが、個別にまたは組み合わせで含まれる。崩壊剤は、組成物の調製の際の任意の適切なステップにおいて、特に造粒の前に、または圧縮の前の潤滑ステップの際に添加され得る。そのような崩壊剤は、存在する場合、合計で、組成物の総重量の約0.2%〜約30%、好ましくは約0.2%〜約10%、より好ましくは0.2%〜約5%を構成する。クロスカルメロースナトリウムは、錠剤またはカプセル剤崩壊に好ましい崩壊剤であり、存在する場合、好ましくは、組成物の総重量の約0.2%〜約10%、より好ましくは約0.2%〜約7%、なおより好ましくは約0.2%〜約5%を構成する。クロスカルメロースナトリウムは、本発明の造粒組成物に優れた粒内崩壊能を付与する。
配合の選択は、薬剤の投与様式(例えば、経口投与では、錠剤、丸剤、またはカプセル剤の形態の配合が好ましい)、および原薬の生物学的利用能のような様々な要素によって決まる。最近、薬学的配合物が、とりわけ不十分な生物学的利用能を示す薬剤のため、生物学的利用能を表面積の増加、すなわち粒径の減少により増加できるという原則に基づいて開発されている。例えば、米国特許第4,107,288号は、活性材料が巨大分子の架橋されたマトリックスに支持されている、10〜1,000nmの範囲のサイズの粒子を有する薬学的配合物を記載している。米国特許第5,145,684号は、原薬を、表面改質剤の存在下でナノ粒子(平均粒径400nm)に微粉砕し、次に液体媒体に分散して、著しく高い生物学的利用能を示す薬学的配合物を得る、薬学的配合物の製造を記載している。
他の適切な薬学的賦形剤およびそれらの配合物は、Remington′s Pharmaceutical Sciences,Gennaro,A.R.(Mack Publishing Company,18th ed.,1995)に記載されている。
配合物における化合物のレベルは、当業者により用いられる全ての範囲の枠内で変わり得る。典型的には、配合物は、重量パーセント(wt%)に基づいて、配合物全体に対して約0.01〜99.99wt%の本発明の化合物を含有し、残りは1つ以上の適切な薬学的賦形剤である。好ましくは、化合物は、約1〜80wt%のレベルで存在する。
本発明の組成物は、特に錠剤配合のため、1つ以上の薬学的に許容される結合剤または接着剤を賦形剤として任意に含む。そのような結合剤および接着剤は、好ましくは、分粒、潤滑、圧縮、および包装のような通常の加工操作を可能にし、依然として、錠剤が崩壊し、組成物が摂取の際に吸収されることを可能にするのに十分な凝集性を、錠剤化される粉末に与える。適切な結合剤および接着剤には、アカシア、トラガカント、スクロース、ゼラチン、グルコース、アルファ化デンプン(例えば、National(商標)1511およびNational(商標)1500)などであるがこれらに限定されないデンプン、メチルセルロースおよびカルメロースナトリウム(例えば、Tylose(商標))などであるが、これらに限定されないセルロース、アルギン酸およびアルギン酸の塩、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、PEG、グアーガム、多糖酸、ベントナイト、ポビドン、例えばポビドンK−15、K−30、およびK−29/32、ポリメタクリレート、HPMC、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、Klucel(商標))、ならびにエチルセルロース(例えば、Ethocel(商標))が、個別にまたは組み合わせで含まれる。そのような結合剤および/または接着剤は、存在する場合、合計で、組成物の総重量の約0.5%〜約25%、好ましくは約0.75%〜約15%、より好ましくは1%〜約10%を構成する。
本発明の組成物は、1つ以上の薬学的に許容される湿潤剤を賦形剤として任意に含む。そのような湿潤剤は、好ましくは、AMG151結晶形態を、組成物の生物学的利用能を改善すると考えられる状態である、水との密接な関連性を維持するように選択される。本発明の組成物に湿潤剤として使用され得る界面活性剤の非限定例には、第四級アンモニウム化合物、例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、および塩化セチルピリジニウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、例えば、ノノキシノール9、ノノキシノール10、およびオクトキシノール9、ポロクサマー(ポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレンブロックコポリマー)、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリドおよび油、例えば、ポリオキシエチレン(8)カプリル酸/カプリン酸モノ−およびジグリセリド(例えば、GattefosseのLabrasol(商標))、ポリオキシエチレン(35)ヒマシ油およびポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、例えば、ポリオキシエチレン(20)セトステアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン(40)、ポリオキシエチレンソルビタンエステル、例えば、ポリソルベート20およびポリソルベート80(例えば、ICIのTween(商標)80)、プロピレングリコール脂肪酸エステル、例えば、ラウリン酸プロピレングリコール(例えば、GattefosseのLauroglycol(商標))、ラウリル硫酸ナトリウム、脂肪酸およびその塩、例えば、オレイン酸、オレイン酸ナトリウム、およびオレイン酸トリエタノールアミン、グリセリル脂肪酸エステル、例えば、モノステアリン酸グリセリル、ソルビタンエステル、例えば、モノラウリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、およびモノステアリン酸ソルビタン、チロキサポール、ならびにこれらの混合物が含まれる。そのような湿潤剤は、存在する場合、合計で、組成物の総重量の約0.25%〜約15%、好ましくは約0.4%〜約10%、より好ましくは約0.5%〜約5%を構成する。アニオン性界面活性剤である湿潤剤が好ましい。ラウリル硫酸ナトリウムが特に好ましい湿潤剤である。ラウリル硫酸ナトリウムは、存在する場合、組成物の総重量の約0.25%〜約7%、より好ましくは約0.4%〜約4%、なおより好ましくは約0.5%〜約2%を構成する。
本発明の組成物は、1つ以上の薬学的に許容される潤滑剤(抗接着剤および/または滑剤を含む)を賦形剤として任意に含む。適切な潤滑剤には、グリセリルベハペート(glyceryl behapate)(例えば、Compritol(商標)888);ステアリン酸マグネシウム、カルシウム、およびナトリウムを含むステアリン酸およびその塩;硬化植物油(例えば、Sterotex(商標));コロイドシリカ;タルク;ロウ;ホウ酸;安息香酸ナトリウム;酢酸ナトリウム;フマル酸ナトリウム;塩化ナトリウム;DL−ロイシン;PEG(例えば、Carbowax(商標)4000およびCarbowax(商標)6000);オレイン酸ナトリウム;ラウリル硫酸ナトリウム;ならびにラウリル硫酸マグネシウムが、個別にまたは組み合わせで含まれる。そのような潤滑剤は、存在する場合、合計で、組成物の総重量の約0.1%〜約10%、好ましくは約0.2%〜約8%、より好ましくは約0.25%〜約5%を構成する。ステアリン酸マグネシウムは、例えば、錠剤配合物の圧縮の際に器具と造粒混合物との間の摩擦を低減するために使用される、好ましい潤滑剤である。
適切な抗接着剤には、タルク、トウモロコシデンプン、DL−ロイシン、ラウリル硫酸ナトリウム、およびステアリン酸金属塩が含まれる。タルクは、例えば、配合物が器具表面に粘着するのを低減するため、また、ブレンド物の静電気を低減するために使用される、好ましい抗接着剤または滑剤である。タルクは、存在する場合、組成物の総重量の約0.1%〜約10%、より好ましくは約0.25%〜約5%、なおより好ましくは約0.5%〜約2%を構成する。
滑剤は、固体配合物の粉体流を促進するために使用され得る。適切な滑剤には、コロイド二酸化ケイ素、デンプン、タルク、第三リン酸カルシウム、粉末セルロース、および三ケイ酸マグネシウムが含まれる。コロイド二酸化ケイ素が特に好ましい。着色剤、風味料、および甘味料のような他の賦形剤は、薬学技術において知られており、本発明の組成物に使用することができる。錠剤は、例えば、腸溶性被覆により被覆され得る、または非被覆であり得る。本発明の組成物は、例えば緩衝剤を更に含むことができる。任意に1つ以上の発泡剤を、崩壊剤として、および/または本発明の官能特性を増強するために、使用することができる。剤形崩壊を促進するために本発明の組成物に存在するとき、1つ以上の発泡剤は、好ましくは、組成物の約30重量%〜約75重量%、好ましくは約45重量%〜約70重量%、例えば約60重量%の合計量で存在する。
剤形の崩壊を促進するのに有効な量より少ない量で固体剤形に存在する発泡剤は、水性媒体におけるAMG151の改善された分散をもたらす。胃腸内分散を促進するが、崩壊を増強しないように本発明の薬学的組成物に存在するとき、発泡剤は、好ましくは、組成物の約1重量%〜約20重量%、より好ましくは約2.5重量%〜約15重量%、なおより好ましくは約5重量%〜約10重量%の量で存在する。本明細書において「発泡剤」は、水との接触により、一緒に、または個別に作用して、ガスを発生する1つ以上の化合物を含む薬剤である。発生するガスは、一般に酸素、または最も一般的には二酸化炭素である。好ましい発泡剤は、水の存在下で反応して二酸化炭素ガスを生成する酸および塩基を含む。好ましくは、塩基は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩または重炭酸塩を含み、酸は、脂肪族カルボン酸を含む。本発明に有用な発泡剤の成分として適する塩基の非限定例には、炭酸塩(例えば、炭酸カルシウム)、重炭酸塩(例えば、重炭酸ナトリウム)、セスキ炭酸塩、およびこれらの混合物が含まれる。炭酸カルシウムが好ましい塩基である。本発明に有用な発泡剤の成分として適する酸の非限定例には、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、アジピン酸、コハク酸、そのような酸の酸無水物、そのような酸の酸塩、およびこれらの混合物が含まれる。クエン酸が好ましい酸である。本発明の好ましい実施形態において、発泡剤が酸および塩基を含む場合、酸と塩基の重量比は、約1:100〜約100:1、より好ましくは約1:50〜約50:1、なおより好ましくは約1:10〜約10:1である。本発明の更に好ましい実施形態において、発泡剤が酸および塩基を含む場合、酸と塩基の比はおよそ化学量論的である。
投与では、本発明の化合物は、通常、指示される投与経路に適切な1つ以上の補助剤と組み合わされる。化合物は、ラクトース、スクロース、デンプン粉末、アルカン酸のセルロースエステル、ステアリン酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸および硫酸のナトリウムおよびカルシウム塩、アカシア、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、ならびに/またはポリビニルアルコールと混合され、従来の投与のために錠剤化またはカプセル化され得る。あるいは、本発明の化合物は、生理食塩水、水、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エタノール、トウモロコシ油、ピーナッツ油、綿実油、ゴマ油、トラガカントガム、および/または様々な緩衝液に溶解され得る。他の補助剤および投与様式は、薬学技術において良く知られている。担体または希釈剤は、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルのような時間遅延材料を単独で、またはロウもしくは当該技術において周知の他の材料と共に含み得る。
薬学的組成物は、固体形態(顆粒剤、粉末剤、もしくは坐剤を含む)、または液体形態(例えば、液剤、懸濁剤、もしくは乳剤)に作製され得る。薬学的組成物は、滅菌のような従来の薬学的操作に付され得る、および/または防腐剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、緩衝液などのような従来の補助剤を含有し得る。
経口投与用の固体剤形には、カプセル剤、錠剤、丸剤、粉末剤、および顆粒剤が含まれ得る。そのような固体剤形において、活性化合物は、スクロース、ラクトース、またはデンプンのような少なくとも1つの不活性希釈剤と混合され得る。そのような剤形は、通常の実践におけるように、不活性希釈剤以外に追加の物質、例えばステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤を含むこともできる。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合では、剤形は緩衝剤を含むこともできる。錠剤および丸剤は、加えて、腸溶性被覆を用いて調製され得る。
経口投与用の液体剤形には、水のような当該技術において一般的に使用される不活性希釈剤を含有する薬学的に許容される乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、およびエリキシル剤が含まれ得る。そのような組成物は、湿潤剤、甘味剤、風味剤、および芳香剤のような補助剤を含むこともできる。
本発明の固体剤形は、本明細書に記載されているプロセスに限定されない任意の適切なプロセスにより調製され得る。例示的なプロセスは、(a)本発明の結晶形態のAMG151またはAMG151原薬を、1つ以上の賦形剤とブレンドして、ブレンド物を形成するステップと、(b)ブレンド物を錠剤化またはカプセル化して、錠剤またはカプセル剤をそれぞれ形成するステップと、を含む。好ましいプロセスにおいて、固体剤形は、(a)本発明の形態のAMG151またはAMG151原薬を、1つ以上の賦形剤とブレンドして、ブレンド物を形成するステップと、(b)ブレンド物を造粒して、顆粒を形成するステップと、(c)ブレンド物を錠剤化またはカプセル化して、錠剤またはカプセル剤をそれぞれ形成するステップと、を含むプロセスにより調製される。ステップ(b)は、当該技術において既知の任意の乾式または湿式造粒技術により達成され得るが、好ましくは、錠剤化またはカプセル化の前に、湿式造粒ステップに続く乾燥ステップにより顆粒をもたらす。1つ以上の希釈剤、1つ以上の崩壊剤、および1つ以上の結合剤は、例えばブレンドステップにおいて好ましく添加され、湿潤剤は、例えば造粒ステップにおいて任意に添加され得、1つ以上の崩壊剤は、造粒の後であるが錠剤化またはカプセル化の前に好ましく添加される。潤滑剤は、好ましくは錠剤化の前に添加される。ブレンドおよび造粒は、低または高剪断下で独立して実施することができる。プロセスは、薬剤含量が均一であり、容易に崩壊し、重量の変動がカプセル充填または錠剤化の際に容易に制御され得るように十分な容易性を持って流動し、バッチが選択された器具により加工され得、かつ個別の用量が特定のカプセルまたは錠剤のダイス型に適合し得るように、大量でも十分な密度がある、粒状体を形成するように好ましく選択される。
当該技術において既知の従来の錠剤化およびカプセル化技術を用いることができる。被覆錠剤が望ましい場合、従来の被覆技術が適している。取り扱い、製造、貯蔵、および摂取に関して都合の良い任意の錠剤硬度を用いることができる。しかし、錠剤化される材料は、胃液に曝露されたときに水和を達成することが後に困難になるような程度に圧縮されるべきではない。
本発明のAMG151の剤形は、好ましくは約0.1mg〜約500mg、より好ましくは約1mg〜約250mg、最も好ましくは約10mg〜約175mgの1日投与量でAMG151を含む。本発明の組成物は、1つ以上の経口送達可能な用量単位を含む。それぞれの用量単位は、好ましくは約10mg〜約500mgの治療有効量でAMG151を含む。用語「用量単位」は、本明細書において、治療効果をもたらす単回経口投与に適した量の治療または予防剤、本件の場合はAMG151を含有する薬学的組成物の一部分を意味する。典型的には、単回投与における1つの用量単位または少ない複数(約4つまで)の用量単位は、所望の効果をもたらすのに十分な量の薬剤を含む用量を提供する。そのような用量の投与は、必要に応じて繰り返すことができ、典型的には1日あたり1回から約4回の投与頻度である。対象へのAMG151の治療有効量は、とりわけ、対象の体重によって決まることが理解される。本明細書において、治療剤またはその組成物が投与され得る「対象」には、いずれかの性別および任意の年齢のヒト患者が含まれ、また、任意の非ヒト動物、特に温血動物、より特定的には家畜または愛玩動物、例示的にはネコ、イヌ、またはウマが含まれる。対象が小児または小型動物(例えば、イヌ)であるとき、例えば、約10mg〜約500mgの好ましい範囲内で比較的低い量のAMG151が、治療有効性と一致する血清濃度を提供する可能性がある。対象が成人または大型動物(例えば、ウマ)である場合、AMG151のそのような血清濃度の達成は、比較的多くの量のAMG151を含有する用量単位を必要とする可能性がある。本発明の組成物の典型的な用量単位は、約10、20、25、37.5、50、75、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、または500mgのAMG151を含有する。成人では、本発明に組成物における1用量単位あたりのAMG151の治療有効量は、典型的には約50mg〜約400mgである。1用量単位あたりのAMG151のとりわけ好ましい量は、約200mg〜約500mg、例えば約350、約400、または約450mgである。AMG151の特定の量を含有する用量単位が、所望の1日投与量を達成するのに使用される任意の所望の投与頻度に適応させるために選択され得る。1日投与量および投与頻度、したがって適切な用量単位の選択は、対象の年齢、体重、性別、および医学的状態、ならびに状態または障害の性質および重篤度を含む様々な要素によって決まり、したがって非常に広範囲に変わり得る。用語「経口投与」には、本明細書において、治療剤またはその組成物の対象への任意の送達形態が含まれ、薬剤または組成物は、薬剤または組成物が直ぐに嚥下されるかにかかわらず、対象の口の中に配置される。したがって、「経口投与」には、頬側および舌下、ならびに食道投与が含まれる。薬剤の吸収は、口腔、食道、胃、十二指腸、回腸、および結腸を含む胃腸管の任意の部分(単数)または部分(複数)において生じ得る。用語「経口送達可能」は、本明細書において、経口投与に適していることを意味する。
そのような組成物は、対象における糖尿病の治療に有用である。
本発明は、更に、抗糖尿病薬による治療が指示される状態または障害を治療する治療方法であって、本発明の化合物を、それを必要とする対象に経口投与することを含む方法に向けられる。状態または障害を予防する、それらからの軽減を与える、またはそれらを改善する投与レジメンは、好ましくは、1日1回または1日2回の治療に対応するが、様々な要素に従って変更され得る。これらには、対象の種類、年齢、体重、性別、食事、および医学的状態、ならびに障害の性質および重篤度が含まれる。したがって、実際に用いられる投与レジメンは、非常に広範囲に変わり得、したがって、上記に記載された好ましい投与レジメンから逸脱し得る。
初回治療は、上記に示された用量レジメンにより開始することができる。治療は、状態または障害が制御または排除されるまで、一般に、必要に応じて数週間から数か月間または数年間にわたって続けられる。本発明の組成物による治療を受ける対象は、療法の有効性を決定するため、当該技術において周知の方法のいずれかにより日常的にモニターされ得る。そのようなモニタリングからのデータの連続的な分析は、最適な有効用量が任意の時点で投与されるように、および治療の持続期間が決定され得るように、療法中の治療レジメンの変更を可能にする。この方法によって、治療レジメンおよび投与スケジュールは、十分な有効性を示す最低量の組成物が投与されるように、および投与が状態または障害の治療に成功するために必要である間に限って継続されるように、療法の期間にわたって合理的に変更され得る。
本発明の形態は、真性糖尿病、耐糖能障害、IFG(空腹時血糖異常)、およびIFG(空腹時高血糖)、ならびに下記に考察されるような他の疾患および障害が含まれるが、これらに限定されない、不足したレベルのグルコキナーゼ活性により仲介される、またはグルコキナーゼを活性化することにより治療され得る疾患または障害を治療する予防または治療剤として使用され得る。更に、本発明の化合物は、境界型、耐糖能障害、IFG(空腹時血糖異常)、またはIFG(空腹時高血糖)の真性糖尿病への進行の予防にも使用され得る。
1つの実施形態において、本発明の形態は、真性糖尿病、耐糖能障害、IFG(空腹時血糖異常)、およびIFG(空腹時高血糖)、ならびに下記に考察されるような他の疾患および障害が含まれるが、これらに限定されない、不足したレベルのグルコキナーゼ活性により仲介される、またはグルコキナーゼを活性化することにより治療され得る疾患または障害の治療措置のために有用である。
したがって、本発明の別の態様は、治療有効量の結晶形態のAMG151をヒトのような哺乳動物に投与することにより、本明細書に記載されている疾患または状態を治療または予防する方法を提供する。
語句「治療有効量」は、本明細書に記載されている(i)特定の疾患、状態、もしくは障害を治療もしくは予防する、(ii)特定の疾患、状態、もしくは障害の1つ以上の症状を軽減、改善、もしくは排除する、または(iii)特定の疾患、状態、もしくは障害の1つ以上の症状の発症を予防もしくは遅延する、本発明の化合物の量を意味する。
そのような量に対応するAMG151の量は、特定の化合物、疾患の状態およびその重篤度、治療の必要な哺乳動物の個性(例えば、体重)のような要素に応じて変わるが、いずれにしても当業者によって日常的に決定することができる。
用語「治療する」および「治療」は、治療措置および予防手段の両方を意味し、目的は、望ましくない生理学的変化または障害を緩徐する(減らす)ことである。本発明の目的において有益な、または所望の臨床結果には、検出可能または検出不能に関わらず、症状の緩和、疾患の程度の減少、疾患の安定化した(すなわち、悪化していない)状態、疾患の進行の遅延または緩徐、疾患状態の改善または一時的緩和、および寛解(一時的または完全な)が含まれるが、これらに限定されない。「治療」は、治療を受けない場合の予測生存率と比較して延長された生存率も意味し得る。治療の必要なものには、既に状態もしくは障害を有しているもの、ならびに状態もしくは障害を有する傾向のあるもの、または状態もしくは障害が緩徐または緩和されなければならないものが含まれる。
1つの実施形態において、用語「治療する」および「治療」は、治療措置を意味し、目的は、望ましくない生理学的変化または障害を緩徐する(減らす)ことである。本発明の目的において有益な、または所望の臨床結果には、検出可能または検出不能に関わらず、症状の緩和、疾患の程度の減少、疾患の安定化した(すなわち、悪化していない)状態、疾患の進行の遅延または緩徐、疾患状態の改善または一時的緩和、および寛解(一時的または完全な)が含まれるが、これらに限定されない。「治療」は、治療を受けない場合の予測生存率と比較して延長された生存率も意味し得る。治療の必要なものには、既に状態もしくは障害を有しているもの、または状態もしくは障害が緩徐または緩和されなければならないものが含まれる。
用語「予防する」または「予防すること」は、予防措置を意味する。本明細書で使用されるとき、用語「予防する」または「予防すること」は、本明細書に記載されている疾患もしくは状態、またはこれらの症状の全体または一部の発症、再発、または蔓延の防止を意味する。
本明細書で使用されるとき、用語「哺乳動物」は、本明細書に記載されている疾患を有する、または疾患を発生する危険性のある温血動物を意味し、モルモット、イヌ、ネコ、ラット、マウス、ハムスター、およびヒトを含む霊長類が含まれるが、これらに限定されない。
ある特定の実施形態において、本発明の方法は真性糖尿病の治療に有用である。真性糖尿病は、空腹時血漿グルコースレベル(静脈血漿中のグルコース濃度)が、126mg/dL以上(2回に分けて試験した)であり、かつ75g経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)の2時間血漿グルコースレベルが、200mg/dL以上である状態である。追加の伝統的な症状には、多飲症、過食症、および多尿症が含まれる。1つの実施形態において、治療は、治療措置である。
ある特定の実施形態において、本発明の方法は耐糖能障害(IGT)の症候群の治療に有用である。IGTは、126mg/dL未満の空腹時血漿グルコースレベルおよび140mg/dLを越える2時間後経口ブドウ糖負荷レベルを表すことにより診断される。1つの実施形態において、治療は、治療措置である。
本発明の形態は、神経障害、腎症、網膜症、白内障、大血管障害、骨減少症、糖尿病性高浸透圧性昏睡、感染性疾患(例えば、呼吸器感染症、尿路感染症、胃腸管感染症、皮膚軟部組織感染症、下肢感染症など)、糖尿病性壊疽、口内乾燥症、聴覚減少、脳血管疾患、末梢循環障害などであるが、これらに限定されないような糖尿病合併症の予防または治療剤としても使用され得る。
本発明の形態は、肥満症、代謝症候群(X症候群)、高インスリン血症、高インスリン血症誘発性感覚障害、糖尿病性異脂肪血症を含む異リポタンパク質血症(血中の異常なリポタンパク質)、高脂血症、I型、II−a型(高コレステロール血症)、II−b型、III型、IV型(高トリグリセリド血症)、およびV型(高トリグリセリド血症)を含む高リポタンパク質血症(血中の過剰リポタンパク質)、低HDLレベル、高LDLレベル、アテローム動脈硬化症およびその後遺症、血管再狭窄、神経変性疾患、抑うつ病、CNS障害、脂肪肝、骨粗鬆症、高血圧症、腎臓病(例えば、糖尿病性腎症、糸球体腎炎、糸球体硬化症、ネフローゼ症候群、高血圧性腎硬化症、末期腎障害など)、心筋梗塞、狭心症、ならびに脳血管疾患(例えば、脳梗塞、脳卒中)であるが、これらに限定されないような疾患および障害の治療における予防または治療剤としても使用され得る。
本明細書における疾患および障害の治療は、本発明の形態、その薬学的塩、またはいずれかの薬学的組成物の、予防的治療が必要であると考えられる対象(すなわち、動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒト)への予防的投与を含むことも意図される。
本発明の形態および/または本発明の組成物により糖尿病および/または高血糖症を治療する投与レジメンは、疾患の種類、患者の年齢、体重、性別、医学的状態、状態の重篤度、投与経路、および用いられる特定の化合物を含む様々な要素に基づいている。したがって、投与レジメンは、広範囲に変わり得るが、標準的な方法を使用して日常的に決定され得る。1日に体重1キログラムあたり約0.01mg〜30mg、好ましくは約0.1mg〜10mg/kg、より好ましくは約0.25mg〜1mg/kgのオーダーの投与レベルが、本明細書に開示されている全ての使用方法にとって有用である。
本発明の薬学的に活性な形態は、薬学の従来の方法に従って加工されて、ヒトおよび他の哺乳動物を含む患者に投与される薬剤を製造することができる。
経口投与では、薬学的組成物は、例えば、カプセル剤、錠剤、懸濁剤、または液剤の形態であり得る。薬学的組成物は、好ましくは、所定量の活性成分を含有する投与単位の形態に作製される。例えば、これらは、約1〜2000mg、好ましくは約10〜1000mg、より好ましくは約50〜500mgの活性成分の量を含有し得る。ヒトまたは他の哺乳動物に適した1日用量は、患者の状態および他の要素に応じて広範囲に変わり得るが、ここでも、日常的な方法を使用して決定され得る。
組み合わせ
本発明の形態は単一の活性医薬品として投与され得るが、これらを、1つ以上の本発明の形態または他の薬剤と組み合わせて使用することもできる。組み合わせとして投与されるとき、治療剤は、同じ時に、もしくは異なる時点で連続的に投与される別個の組成物として配合され得る、または治療剤を単一の組成物として与えることができる。
本発明の形態および別の医薬品の使用を定義する語句「同時療法」(または「併用療法」)は、薬剤の組み合わせの有益な効果をもたらす、レジメンにおける連続的な方法によるそれぞれの薬剤の投与を包含することが意図され、これらの活性剤の固定比を有する単一カプセル剤、またはそれぞれの薬剤で複数の別々のカプセル剤のような、実質的に同時的な方法によるこれらの薬剤の同時投与を包含することも意図される。
特に、本発明の形態の投与は、糖尿病の治療における当業者に既知の追加の治療薬と一緒であり得る。本発明の形態は、1つ以上の追加の薬剤、例えば、インスリン製剤、インスリン抵抗性を改善する薬剤、アルファ−グルコシダーゼ阻害剤、ビグアナイド薬、インスリン分泌促進物質、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP IV)阻害剤、ベータ3作動薬、アミリン作動薬、ホスホチロシンホスファターゼ阻害剤、糖新生阻害剤、ナトリウム−グルコース共輸送体阻害剤、糖尿病合併症の既知の治療剤、抗高脂血症剤、降圧剤、および抗肥満剤のような同じまたは異なる作用機構により働く化合物と組み合わせて使用され得る。インスリン抵抗性を改善する薬剤の一例は、ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体−ガンマ(PPARガンマ)の作動薬である。
固定用量として配合される場合、そのような組み合わせ生成物は、許容される投与量範囲内で本発明の形態を用いる。本発明の形態を、組み合わせ配合物が不適切であるときには、既知の抗糖尿病剤に連続して投与することもできる。本発明は、投与の順番に制限はなく、本発明の形態は、既知の抗糖尿病剤の投与の前、それと同時に、またはその後のいずれかで投与され得る。
患者が複数の薬学的に活性な化合物を受けるべき、または受けている場合、化合物は、同時に、または連続して投与され得る。例えば、錠剤の場合では、活性化合物は、1つの錠剤または別々の錠剤に見出され得、一度に、または任意の順番で連続して投与され得る。加えて、組成物は異なる形態であり得ることが認識されるべきである。例えば、1つ以上の化合物は、錠剤を介して送達され得、一方、別のものは、注射により、またはシロップ剤として経口的に投与される。全ての組み合わせ、送達方法、および投与の順番が企図される。本発明の形態は、2型糖尿病のような、GKAにより仲介される疾患および/または状態の治療のための医薬の製造に使用され得る。
本発明の形態は、他の薬学的に活性な化合物と組み合わせて使用され得る。用語「薬学的に活性な化合物」には、タンパク質、抗体、およびペプチボディのような生物製剤が含まれ得ることが留意される。他の薬学的に活性な化合物の例には、(a)Vildagliptin(Novartis)、Sitagliptin(Merck&Co.)、Saxagliptin(BMS)、Allogliptin(Takeda)のようなジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)阻害剤;(b)(i)グリタゾン(例えば、トログリタゾン、ピオグリタゾン、エダグリタゾン(edaglitazone)、ロシグリタゾンなど)のようなPPARγ作動薬、ならびにムラグリタザル(BMS)およびテサグリタザル(AstraZeneca)のようなPPARα/γ二重作動薬、およびフェノフィブリン酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブレート、フェノフィブレート、およびベザフィブレート)のようなPPARα作動薬を含む他のPPARリガンド、(ii)メトホルミンおよびフェンホルミンのようなビグアナイド薬、ならびに(iii)プロテインチロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)阻害剤、を含むインスリン増感薬;(c)インスリンまたはインスリン模倣物;(d)(i)Amylin Pharmaceuticalsから入手可能なExenatide、(i)Symlin(登録商標)として入手可能な酢酸プラムリンチドのようなアミリンおよびアミリン模倣物、(iii)GLP−1、GLP−1模倣物、およびGLP−1受容体作動薬、(iv)GIP、GIP模倣物、およびGIP受容体作動薬のような、インクレチンおよびインクレチン模倣物;(e)トルブタミド、グリブリド、グリクラジド、グリピジド、グリメピリド、メグリチニド、およびレパグリニドのような、スルホニル尿素および他のインスリン分泌促進物質;(f)α−グリコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボースおよびミグリトール);(g)グルカゴン受容体拮抗薬;(h)PACAP、PACAP模倣物、およびPACAP受容体作動薬;(i)(i)HMG−CoAレダクターゼ阻害剤(ロバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、イタバスタチン(itavastatin)、およびロスバスタチン、ならびに他のスタチン)、(ii)コレスチラミン、コレスチポール、および架橋デキストランのジアルキルアミノアルキル誘導体のような胆汁酸捕捉剤、(iii)ニコチニルアルコール、ニコチン酸、またはその塩、(iv)フェノフィブリン酸誘導体(ゲムフィブロジル、クロフィブレート、フェノフィブレート、およびベザフィブレート)のようなPPARα作動薬、(v)ムラグリタザル(BMS)およびテサグリタザル(AstraZeneca)のようなPPARα/γ二重作動薬、(vi)ベータ−シトステロールおよびエゼチミブのようなコレステロール吸収の阻害剤、(vii)アバシミブ(avasimibe)のようなアシルCoA:コレステロールアシルトランスフェラーゼ阻害剤、ならびに(viii)プロブコールのような抗酸化薬、のようなコレステロール低下剤;(j)GSKからのGW−501516のようなPPARδ作動薬;(k)フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、フェンテミン(phentemine)、シブトラミン、オルリスタット、ニューロペプチドY1またはY5拮抗薬、MTP阻害剤、スクアレンシンターゼ阻害剤、リポキシゲナーゼ阻害剤、ACAT阻害剤、Neuropeptide Cannabinoid CB−1受容体拮抗薬、CB−1受容体逆作動薬および拮抗薬、脂肪酸酸化阻害剤、食欲抑制剤のような抗肥満化合物;(l)アドレナリン作動性受容体作動薬、メラノコルチン受容体作動薬、特にメラノコルチン−4受容体作動薬、グレリン拮抗薬、およびメラニン凝集ホルモン(MCH)受容体拮抗薬;(m)回腸胆汁酸輸送体阻害剤;(n)アスピリン、非ステロイド性抗炎症薬、グルココルチコイド、アザルフィジン(azalfidine)、および選択的シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤のような炎症性の状態に使用されることが意図される薬剤;(o)ACE阻害剤(エナラプリル、リシノプリル、カプトプリル、キナプリル、ホシノプロル(fosinoprol)、ラミプリル、スピラプリル、タンドラプリル(tandolapril))、アンギオテンシン−II(AT−1)受容体遮断薬(ロサルタン、カンデサルタン、イルベサルタン、バルサルタン、テルミサルタン、エプロサルタン)、ベータ遮断薬、およびカルシウムチャンネル遮断薬のような降圧剤;(p)グルコキナーゼ活性化剤(GKA);(q)神経変性障害、認知障害の予防、進行の遅延、もしくは治療に使用され得る薬剤、または抗炎症薬、酸化防止剤、神経保護剤、グルタミン酸受容体拮抗薬、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤、ブチルコリンエステラーゼ阻害剤、MAO阻害剤、ドーパミン作動薬または拮抗薬、ガンマおよびベータセクレターゼの阻害剤、アミロイド凝集の阻害剤、アミロイドベータペプチド、アミロイドベータペプチドに対する抗体、アセチルコリンエステラーゼの阻害剤、グルコキナーゼ活性化剤、GABA、NMDA、カンナビノイド、AMPA、カイニン酸、ホスホジエステラーゼ(PDE)、PKA、PKC、CREB、もしくは向知性薬系を調節するように向けられる薬物のような、記憶を改善する薬剤;(r)骨髄産生の減少、感染性疾患、ホルモン依存性障害、炎症性疾患、HIV、アレルギー、白血球減少症、およびリウマチの治療および予防が意図される白血球増殖促進物質;(s)SGLT2阻害剤;(t)グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤;(u)aP2阻害剤;(v)アミノペプチダーゼN阻害剤;(w)バソペプチダーゼ阻害剤様ネプリライシン阻害剤および/もしくはACE阻害剤、または二重NEP/ACE阻害剤;(x)成長ホルモンレベルを増強するため、および成長遅滞/小人症もしくは代謝障害を治療するため、または障害が傷害、もしくは治癒の必要な、もしくは手術から回復している哺乳類患者の創傷である場合の、成長ホルモン分泌促進物質;(y)5−HT3または5−HT4受容体調節薬(テガセロッド、シサプリド、ノル−シサプリド、レンザプリド(renzapride)、ザコプリド(zacopride)、モサプリド、プルカロプリド、ブスピロン、ノルシサプリド(norcisapride)、シランセトロン、ラモセトロン、アザセトロン、オンダンセトロンなど);(Za)アルドースレダクターゼ阻害剤;(Zb)ソルビトールデヒドロゲナーゼ阻害剤;(Zc)AGE阻害剤;(Zd)EPO、EPO模倣物、およびEPO受容体作動薬のようなエリスロポエチン作動薬が含まれるが、これらに限定されない。本発明の形態は、GPR40作動薬と組み合わせて使用することもできる。
AMG151と組み合わせて投与される化合物は、AMG151と別個に配合され得る、または本発明の組成物においてAMG151と同時配合され得る。AMG151が第二薬と同時配合される場合、第二薬は、即時放出、急速放出、持続放出、または二重放出形態で配合され得る。
AMG151を調製するプロセスは、本明細書において、ならびに参照として本明細書に組み込まれる米国特許第8,022,223号および同第8,212,045号に記載されている。
X線粉末回折
X線粉末回折データは、固定スリットを備えたPhillipsX線自動粉末回折計(X′Pert)を使用して得た。放射線は、CuKa(1.541837A)であり、電圧および電流は、それぞれ45kVおよび40mAであった。データは、3.000〜40.000度2シータにより室温で収集し、刻み幅は、0.008度であり、カウント時間は、15.240秒であった。5〜40mgの範囲の試料を試料ホルダーにおいて調製し、台を2.000秒の回転時間で回転させた。平均誤差/標準偏差は、0.2〜0.5 2シータである。
熱分析
AMG151試料の熱特性は、DSC Q1000またはDSC Q100,TA Instrumentsの示差走査熱量測定、およびTGA Q500,TA Instrumentsの熱重量分析器を使用して特徴決定した。データ分析は、Universal Analysis 2000,TA Instrumentsを利用して実施した。10℃/minの加熱速度を、示差走査熱量測定および熱重量分析の様々な温度範囲にわたって使用した。<1〜5mgの範囲の試料を、DSC分析のために、圧着した、または開放アルミニウムパンにおいて調製した。
水分バランス
水分バランスデータは、VTI SGA100またはSGA CX対称蒸気吸着分析器を使用して収集した。相対湿度は、5%の相対湿度で出発して増加または5%で変わり、それによって95%の相対湿度に増加し、次に乾燥サイクルを受けて5%の相対湿度に戻った。平衡基準は、1分間で0.01%の重量変化に設定され、最大平衡時間は180分であった。およそ1〜15mgの試料を使用した。
以下の実施例は、本発明の態様を例示するが、制限的であると考慮されるべきではない。
(S)−1−(5−((3−((2−メチルピリジン−3−イル)オキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イル)アミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオールの調製
反応体
1mLのDCM中の3−((2−メチルピリジン−3−イル)オキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン1−オキシドおよび(S)−tert−ブチル(3−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−イル)カルバメート。DIPEAを加え、次に氷浴で0℃に冷却した。塩化トシルを固体で一度に加えた。反応物を氷浴から取り出した。N2流を使用してDCMを蒸発させ、次に2N HCl(10体積、1mL)を加え、60℃に加熱した。2mLの1N KOAcを加えた。白色の非晶質懸濁液が形成した。1mLのn−プロパノールを加え、固体を溶解した。60℃に加熱して、固体を溶解し、次に(AMG151、形態F)をシード添加した。白色のスラリーが形成する。0.1mLの10N NaOHの添加によりpHを5.0に調整した。濾過し、1mlの水で洗浄した。真空の使用によりフリットで固体を乾燥した。67mgの生成物を得た。
AMG151遊離塩基の合成
400Lのジャケット反応器のジャケットを25±5℃に設定する。
3−((2−メチルピリジン−3−イル)オキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−アミンを400Lジャケット反応器に固体で投入する。
真空窒素再充填(3サイクル)により400Lのジャケット反応器の内容物を不活性にする。
400Lのジャケット反応器中でゆっくりと撹拌を開始する。
8.0体積の無水THFを、バッチ温度の35℃未満を維持しながら400Lジャケット反応器に投入する。
カリウムtert−ブトキシドを、バッチ温度の30℃未満を維持しながら400Lジャケット反応器に固体で投入する。溶解は穏やかな発熱性である。
25±5℃で少なくとも15分間撹拌する。均質混合物の形成を確かめる。
400Lのジャケット反応器の内容物を0±5℃に調整する。
3−[(4S)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル]−5−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1,2,4−チアジアゾールを250Lのジャケット反応器に投入する。
1.5体積の無水THFを250Lのジャケット反応器に投入する。
250Lのジャケット反応器中で撹拌を開始する。溶解は素早く、吸熱性である。
真空窒素再充填(3サイクル)により、250Lのジャケット反応器の内容物を不活性にする。
スルホン溶液を、400Lのジャケット反応器の内部温度を0±5℃に維持しながら、250Lのジャケット反応器から400Lのジャケット反応器に移す。添加は、発熱性である。
0.5体積の無水THFを250Lのジャケット反応器の容器に投入する。
250Lのジャケット反応器中ですすぎ液を25±5℃で少なくとも1分間撹拌する。
250Lのジャケット反応器の内容物を、400Lのジャケット反応器の内部温度を0±5℃に維持しながら、400Lのジャケット反応器に移す。
5.0体積の飽和塩化アンモニウム水溶液を400Lのジャケット反応器に投入する。
1.0体積の脱イオン水を400Lのジャケット反応器に投入する。
400Lのジャケット反応器の内容物を25±5℃に調整する。
25±5℃で約5分間撹拌する。400Lのジャケット反応器の内容物を沈降させる。
400Lのジャケット反応器から下側(水)層を排出させる。
5.0体積の飽和塩化アンモニウム水溶液を25±5℃で400Lのジャケット反応器に投入する。
25±5℃でおよそ5分間撹拌する。
400Lのジャケット反応器の内容物を沈降させる。
400Lのジャケット反応器から下側(水)層を排出させる。
5.0体積の飽和塩化アンモニウム水溶液を25±5℃で400Lのジャケット反応器に投入する。
25±5℃で約5分間撹拌する。400Lのジャケット反応器の内容物を沈降させる。
400Lのジャケット反応器から下側(水)層を排出させる。
5.0体積のトルエンを400Lのジャケット反応器に投入する。
25±5℃で約5分間撹拌する。400Lのジャケット反応器の内容物を沈降させる。
400Lのジャケット反応器から下側(水)層を排出させ、廃棄する。
400Lのジャケット反応器のジャケットを50〜80℃に設定する。
400Lのジャケット反応器の内容物を、減圧(≦100トール)下で蒸留する。標的:5〜6体積が400Lのジャケット反応器の中に残る。BHTを留出物に加える。
5体積のトルエンを400Lのジャケット反応器に投入する。
400Lのジャケット反応器の内容物を、減圧(≦100トール)下で蒸留する。標的:5〜6体積が400Lのジャケット反応器の中に残る。BHTを留出物に加える。
5体積のトルエンを400Lのジャケット反応器に投入する。
400Lのジャケット反応器の内容物を50±5℃に調整する。
250Lのジャケット反応器のジャケットを50±5℃に設定する。
400Lのジャケット反応器の内容物を、インライン5μMフィルターを介して、清浄で乾燥した250Lのジャケット反応器に移す。
トルエンすすぎ液を400Lのジャケット反応器に投入する。
すすぎ液を400Lのジャケット反応器の中で50±5℃になるまで撹拌する。
400Lのジャケット反応器の中のすすぎ液を、インライン5μMフィルターを介して250Lのジャケット反応器に移す。
250Lのジャケット反応器の内容物を、減圧(≦100トール)下で蒸留する。標的:5〜6体積が250Lのジャケット反応器の中に残る。
結晶化
250Lのジャケット反応器の内容物を50±3℃に調整する。
(S)−3−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−N−(3−((2−メチルピリジン−3−イル)オキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミン(シードスラリー)をヘプタンに溶解する。
「シードスラリー」を250Lのジャケット反応器に加える。
250Lのジャケット反応器の内部温度を、50±3℃から20±3℃に≧5時間かけて調整する。
250Lのジャケット反応器の内容物を20±3℃で≧1時間かけて調整する。
ヘプタンを、50:50v/vのトルエン:ヘプタンが得られるまで、250Lのジャケット反応器に20±3℃で≧3時間かけて投入する。50:50v/vのトルエン:ヘプタンが望ましい。
250Lのジャケット反応器の内容物を20±3℃で≧1時間かけてねかせる。
250Lのジャケット反応器の内容物をAuroraフィルター(10〜15μmのPTFEクロス)で濾過し、濾液を適切な容器に収集する。
2.5体積のトルエンを清浄な容器に投入する。
2.5体積のヘプタンを同じ容器に投入する。
トルエン:ヘプタンの1:1v/vすすぎ液を250Lのジャケット反応器に投入する。
250Lのジャケット反応器の内容物を20±5℃で≧5分間撹拌する。
250Lのジャケット反応器の内容物をフィルターケーキに移す。
フィルターケーキをN2および真空下で少なくとも4時間乾燥する。
250Lのジャケット反応器のジャケット温度を25℃に設定する。
1N HCl(66.1kg)を250Lのジャケット反応器に投入する。
250Lのジャケット反応器中で撹拌を開始する。
(S)−3−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−N−(3−((2−メチルピリジン−3−イル)オキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミン(10.718kg)を、250Lのジャケット反応器に固体で投入する。溶解は穏やかな発熱性である。
250Lのジャケット反応器の中でN2スイープを開始する。
バッチを、250Lのジャケット反応器中に25±5℃で≧5時間撹拌して、(1S)−1−[5−({3−[(2−メチルピリジン−3−イル)オキシ]−5−(ピリジン−2−イルスルファニル)ピリジン−2−イル}アミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル]エタン−1,2−ジオールを形成する。
(1S)−1−[5−({3−[(2−メチルピリジン−3−イル)オキシ]−5−(ピリジン−2−イルスルファニル)ピリジン−2−イル}アミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル]エタン−1,2−ジオールを、更に加工することなく、次のステップ(実施例3)に使用する。
AMG151水和物の調製
400Lのジャケット反応器のジャケット温度を25℃に設定する。
実施例2の(1S)−1−[5−({3−[(2−メチルピリジン−3−イル)オキシ]−5−(ピリジン−2−イルスルファニル)ピリジン−2−イル}アミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル]エタン−1,2−ジオールの溶液を、ポリエチレン、ポリプロピレン、またはPTFEインライン5μMフィルターを介して、清浄で乾燥した400Lのジャケット反応器に移す。
水(32L)を250Lのジャケット反応器にすすぎ液として投入する。
250Lのジャケット反応器の中ですすぎ液を少なくとも1分間撹拌する。
250Lのジャケット反応器の内容物を、インライン5μMフィルターを介して400Lのジャケット反応器に移す。
400Lのジャケット反応器の中でN2スイープおよび撹拌を開始する。
400Lのジャケット反応器のバッチ温度を25±5℃に調整する。
PE、PTFE、またはナイロンラインフィルター(5μm)を介して1.0N KOAc水溶液(67L)を研磨濾過する。
1.5±0.05当量の濾過した1.0N KOAc水溶液(32.5L)を、バッチ温度の25±5℃を維持しながら、400Lのジャケット反応器に≧40分間かけて加える。
AMG151水和物(0.32kg)を、「シードスラリー」とラベル付けした適切な容器に投入する。
脱イオン水(1L)を「シードスラリー」に投入する。
「シードスラリー」を400Lのジャケット反応器にスラリーで投入する。
バッチを25±5℃で≧120分間撹拌する。
1.6±0.1当量の濾過した1.0N KOAc水溶液(35L)を、バッチ温度の25±5℃を維持しながら、400Lのジャケット反応器に≧8hかけて加えた。pHは、典型的にはおよそ3.1である。
バッチを25±5℃で>2時間撹拌する。
400Lのジャケット反応器の内容物を、10〜15μmのPTFEクロスを取り付けた20″Auroraフィルターで濾過し、濾液を適切な容器に収集する。
脱イオン水(21L)を400Lのジャケット反応器に投入する。
バッチを400Lのジャケット反応器の中で、20±5℃で≧5分間撹拌する。
400Lのジャケット反応器の内容物をフィルターケーキに移し、洗浄液を適切な容器に収集する。
脱イオン水(21L)を400Lのジャケット反応器に投入する。
バッチを400Lのジャケット反応器の中で、20±5℃で≧5分間撹拌する。
400Lのジャケット反応器の内容物をフィルターケーキに移し、洗浄液を適切な容器に収集する。
N2および真空を使用して、フィルターケーキを脱水する。
湿潤ケーキをDouble Cone Dryerに移す。
Double Cone Dryer kを40℃に設定し、ケーキを減圧下で乾燥する。
3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−1−オキシドの調製
試薬:
3,5−ジブロモピリジン(MW252.89):3.496kg(13.82mol、1.0当量)、Astatechから購入(CAS番号625−92−3);
2−メチルピリジン−3−オール(MW109.13):1.509kg(13.83mol、1.0当量)、Irixから購入(CAS番号1121−25−1);
ピリジン−2−チオール(MW111.16):1.690kg(15.20mol、1.40当量)、Irixから購入(CAS番号2637−34−5);
DMAc:4.929kg(5.24mL、1.5当量)、Aldrichから購入(CAS番号127−19−5);
DME:13.690kg(15.74mL、4.50当量)、Aldrichから購入(CAS番号110−71−4);
K3PO4(MW212.27):3.521kg(16.59mol、1.30当量)、Sternから購入(CAS番号7778−53−2);
K3PO4(MW212.27):3.521kg(16.59mol、1.40当量)、Sternから購入(CAS番号7778−53−2)。
プロセス
60Lのジャケット反応器を清浄および検査する。窒素下で乾燥する。
冷却器を5℃に冷却する。
3493g(13.82mol、1.0当量)の3,5−ジブロモピリジンN−オキシドを60Lの反応器に投入する。
1505g(13.82mol、1.0当量)の2−メチルピリジン−3−オールを60Lの反応器に投入する。
13,630g(4.5V)のDMEを60Lの反応器に投入する。
撹拌を開始する。
バッチを0±5℃に冷却する。
3509g(16.59mol、1.2当量)のリン酸カリウムを60Lの反応器に投入する。
4.98kg(1.5V)のDMAcを60Lの反応器に投入する。
60Lの反応器を脱気/不活性化する(3サイクルの真空、続く窒素パージ)。
混合物を95±5℃(還流)の内部温度に加熱する。
反応をこの温度で18h±6h保持する。
バッチを20±5℃に調整する。
0±5℃に冷却する。
1688g(15.21mol、1.1当量)の2−メルカプトピリジンを60Lの反応器に投入する。
3513g(16.59mol、1.2当量)のリン酸カリウムを60Lの反応器に投入する。
60Lの反応器を脱気/不活性化する(3サイクルの真空、続く窒素パージ)。
混合物をまた95±5℃(還流)の内部温度まで加熱する。
反応をこの温度で≧6時間保持する。
14.3gのBHTの溶液を調製して、留出物受液器に入れる。
温度を(必要であれば、より低い圧力を使用して)<100℃の温度に維持しながら、バッチ濃縮して、12.3L(約3.5V)反応体積を低減する。
バッチを50±5℃に下げて調整する。
19.3kgの水(5.5V)を60Lの反応器に投入する。
バッチを50±5℃に調整する。
≧15分間撹拌する。
撹拌を停止し、層を≧5分間かけて分離させる。
下側の水層を取り出し、廃棄物カルボイに廃棄する。
10.4kgの水(3.0V)を60Lの反応器に投入する。
11.7kgのトルエン(3.85V)を60Lの反応器に投入する。
4.72kgの2−メチルプロパノール1.65V)を60Lの反応器に投入する。
撹拌を開始する。
バッチを50±5℃の内部温度に調整する。
≧15分間撹拌する。
撹拌を停止し、層を≧5分間かけて分離させる。
下側の水層を60Lの反応器から取り出し、清浄なカルボイに移す。
上側の有機層を60Lの反応器から50Lの反応器に移す。
水層をカルボイから60Lの反応器に移す。
11.7kgのトルエン(3.85V)を60Lの反応器に投入する。
4.60kgの2−メチルプロパノール(1.65V)を60Lの反応器に投入する。
撹拌を開始する。
バッチを50±5℃の内部温度に調整する。
≧15分間撹拌する。
撹拌を停止し、層を≧5分間かけて分離させる。
下側の水相を取り出し、廃棄物カルボイに移す。
有機層を60Lの反応器から50Lの反応器に移す。
60Lの反応器を、水ですすぐことによって清浄する。
有機混合物を、インライン5μmカートリッジフィルターを介して、50Lの受液器から60Lに移す。
1748mLのトルエンを50Lの受液器に投入する。
すすぎ液を、インライン5μmカートリッジフィルターを介して、50Lの受液器から60Lに移す。
温度を(より低い圧力を使用して)<100℃の温度に維持しながら、60Lの反応器の内容物をバッチ濃縮して、33L(8.5〜9V)反応体積を低減する。この時点の通常の生成物濃度は220mg/mLである。
バッチを40±5℃に調整する。
シードのスラリーを適切な容器の中で調製する。70mLのトルエン+70mLのヘプタン中の34.9gの3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン1−オキシド(2648716)。
シードスラリーを60Lの反応器に投入する。
シード容器を70mLのトルエン+70mLのヘプタンですすぎ、60Lの反応器に投入する。
40±5℃で1hねかせる。
10.74kgのヘプタン(4.5V)を2±1hかけて加える。
20±5℃に冷却する。
≧6h撹拌する。
12μmのPTFEクロスを備えたAuroraフィルターを使用して、60Lの反応器の内容物を濾過する。
3.5Lのヘプタンを適切な容器に投入する。
3.5Lのトルエンを同じ容器に投入する。
容器の内容物を60Lの反応器にすすぎ液として移す。
湿潤ケーキを60Lの反応器の内容物で洗浄する。
4.8Lのヘプタンを適切な容器に投入する。
湿潤ケーキを60Lの反応器の内容物で洗浄する。
生成物ケーキを、LODがTGAにより≦1.0%になるまで、フィルター上で窒素流下、周囲温度で乾燥する。
合計で2.583kgの3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン1−オキシドを単離した。生成物が97.8wt%であることがわかった。調整単離収率=57.9%。反応の総収率は68.8%であった。
分析データ:
mp:130°C(DSC);1H NMR(CDCl3,400 MHz)δ 8.46(dd,J=4.9Hz,J=1.0Hz,1H),8.42(dd,J=4.7Hz,J=1.2Hz,1H),8.07(dd,J=1.4Hz,J=1.4Hz,1H),7.85(dd,J=1.8Hz,J=1.8Hz,1H),7.63(ddd,J=7.8Hz,J=7.8Hz,J=2.0Hz,1H),7.33(dd,J=8.2Hz,J=1.2Hz,1H),7.30(d,J=7.8Hz,1H),7.23−7.17(m,2H),6.94(dd,J=1.7Hz,J=1.7Hz,1H),2.48(s,3H);13C(CDCl3,100MHz)δ 155.49,155.00,151.65,150.42,148.59,146.59,137.41,136.45,133.53,129.11,127.74,124.40,122.53,122.20,118.09,19.33。
2−クロロ−3−((2−メチルピリジン−3−イル)オキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジンp−トルエンスルホネートの調製
1.5−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−3−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−1−オキシド(実施例4、1.0kg、3.2mol)を反応器Iに投入する。
2.ジクロロメタン(8.0L、8v)を反応器Iに投入する。
3.反応器Iの内容物を、溶解が達成されるまで撹拌する。
4.イミダゾール(327.8g、1.5当量)を反応器IIに投入する。
5.容器の内容物を、インラインフィルター(0.45μm)を介して、反応器IIに移す。
6.ジクロロメタン(2.0L、2v)を容器にすすぎ液として投入する。
7.すすぎ液を、同じフィルターを介して容器から反応器IIに移す。
8.反応器IIにおいて撹拌およびN2スイープを開始する(NaOH SCRUBBERが設定される)。
9.反応器IIのバッチ温度を10±5℃に調整する。
10.オキシ塩化リン(449mL、1.5当量)を、バッチ温度の10±5℃を維持しながら反応器IIに投入する。投入は発熱性である。
11.反応器IIのバッチを10±5℃で≧16時間撹拌する。
12.反応器IIのバッチを試料採取し、試料ログに詳細を記録する。
13.バッチを25±5℃に調整する。
14.メタノール(1.0L、1v)を、バッチ温度の25±5℃を維持しながら反応器に投入する。投入は発熱性である。
15.反応器IIのバッチを25±5℃で≧4時間撹拌する。
16.反応器IIのバッチを試料採取し、試料ログに詳細を記録する。
17.二塩基性リン酸カリウム(541.7g、3.11当量)をカルボイに投入する。
18.水(10L)を同じカルボイに投入する(1.0Mの二塩基性リン酸カリウム溶液)。
19.カルボイの内容物を、溶解が達成されるまで撹拌する。
20.二塩基性リン酸カリウム溶液を、バッチ温度の25±5℃を維持しながら、反応器IIに投入して、pHを調整する。
21.反応器中の撹拌を停止し、層を≧5分間かけて分離させる。
22.下側の有機層を排出させる。
23.上側の水層を排出させる。
24.有機層を反応器IIに戻す。
25.水(3v)を反応器IIに投入する。
26.反応器IIのバッチを≧5分間撹拌する。
27.反応器II中の撹拌を停止し、層を≧5分間かけて分離させる。
28.下側の有機層を排出させる。
29.上側の水層を排出させる。
30.反応器IIを水/IPA(1:1)で清浄する。
31.反応器IIを2−プロパノールで清浄する。
32.有機層を、インラインフィルター(5ミクロン)を介して、反応器に戻す。
33.バッチを30±5℃に調整する。
34.バッチ温度の30±5℃を維持しながら、7.0±0.5Vを除去することにより、バッチを濃縮する。
35.2−プロパノール(3v)を反応器IIに投入する。
36.バッチ温度の30±5℃を維持しながら、3.0±1.0Vを除去することにより、バッチを濃縮する。
37.バッチを結晶化反応器に移す。
38.水を反応器に投入して、バッチ濃度の1.0±5wt%のH2Oを達成する。
39.バッチを50±5℃に調整する。
40.p−トルエンスルホン酸一水和物(遊離塩基に対して1.1当量)を適切な容器に投入する。
41.IPAを同じ容器に投入する。
42.容器の内容物を、溶解が達成されるまで撹拌する。
43.p−TSA/IPA(10±5%v/v)溶液の一部を、バッチ温度の50±5℃を維持しながら、反応器に投入する。
44.シード(1%wt)を適切な容器に投入する。
45.IPAを同じシード容器に投入する。
46.シード/IPAスラリーを反応器に投入する。
47.バッチを50±5℃で≧30分間撹拌する。
48.p−TSA/IPA溶液の残部を、バッチ温度の50±5℃を維持しながら、反応器に投入する。
49.バッチを≧1h撹拌する。
50.バッチ温度を20±5℃に、6±1hかけて調整する。
51.バッチを20±5℃で≧10h撹拌する。
52.12μmのPTFEフィルタークロスを備えたAuroraフィルターを使用して、バッチを濾過する。
53.母液を反応器IIにすすぎ液として戻す。
54.ケーキを再生母液で洗浄する。
55.ケーキをIPAで洗浄する。
56.ケーキをIPAで洗浄する。
57.湿潤ケーキを、LODがTGAにより≦2.0%になるまで、フィルター上でN2/真空下、周囲温度で乾燥する。
分析データ:
1H NMR(DMSO,400MHz):δ 8.55(m,1H),8.45(bt,1H),8.42(bd,1H),7.88(m,2H),7.74−7.68(m,2H),7.51(m,2H),7.31(m,1H),7.26(m,1H),7.14(m,2H),2.62(m,3H),2.31(s,3H)ppm;13C(DMSO,100MHz):156.81,151.62,149.71,149.21,147.48,147.41,145.38,141.97,138.91,137.86,137.81,134.1,131.26,128.86,128.11,125.49,125.25,122.27,121.51,20.79,15.92。
(S)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミンの合成
ステップ1:100Lの蛇管反応器に、固体のナトリウムヒドロキシ((R)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−イル)メタンスルホネート(10,000g、36.46mol、1.0当量)、続いて2−MeTHF(40000mL、4V)を反応器に投入し、懸濁液を撹拌した。60Lのジャケット反応器に、水(16300g、1.63V)、続いて炭酸カリウム(6047g、43.75mol、1.2当量)を投入し、撹拌して、炭酸カリウムの溶解を完了した。60L中の炭酸カリウム溶液に、<25℃で、ヒドロキシアミン塩酸塩(2914g、41.93mol、1.15当量)を5つに分けて、バッチ温度を25±5℃に維持しながら投入して、均質なヒドロキシアミン水溶液を得た。100Lに、60L中のヒドロキシアミン溶液を30分間以上かけて投入した。水(1800mL、0.18V)を投入して、60Lをすすぎ、100Lの受液器に投入した。投入が完了した後、100Lの反応器中の濃密な均質混合物を、混合物が、典型的には3〜5hかかる、透明な水性および有機の二相になるまで、激しく撹拌した。反応が完了した後、下側の水層を廃棄し、上部の有機流を60Lの反応器において減圧下(およそ150トール)、40℃で蒸留し、次に2−MeTHF(10000mL)により蒸留することにより共沸乾燥した。オキシム生成物溶液を収集し、60Lの反応器を2−MeTHF(1000mL)ですすぎ、オキシム生成物溶液と合わせて、無色の溶液(12.27kg)を得た。得られたオキシムを、更に精製することなく使用した。1H NMR(安息香酸ベンジル内部標準添加、CDCl3,400MHz)9.15(0.37H,br),8.99(0.63H,br),6.93(0.37H,d,J=4.2Hz),5.12(0.37H,td,Jt=6.9Hz,Jd=4.2Hz),4.65(0.63H,ddd,J=6.9,6.5,6.4Hz),4.35(0.37H,dd,J=8.4,7.0Hz),4.14(0.64H,dd,J=8.5,6.6Hz)。
ステップ2aおよび2b:(R,Z)−2−(クロロ(メチルスルホニルオキシイミノ)メチル)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカンの調製
60Lのジャケット反応器に、2−MeTHF中の(S)−1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−カルバルデヒドオキシム(11280g、53.2wt%、32.39mol、1.00当量)溶液を、≦10μmインラインフィルターを介して投入した。60Lに、2−MeTHF(20800mL)を投入して、総2−MeTHFを4.5Vに調整し、続いてDMAc(2900g、0.5V)を添加した。反応混合物を撹拌し、<15℃(12℃)に冷却した。60L中の反応混合物に、ジオキサン中の4M 塩酸溶液(160mL、0.65mol、0.02当量当量)を11℃で投入した。60Lに、N−クロロスクシンイミド(4541g、34.01mol、1.05当量)を10に分けて、反応混合物を10〜20℃に維持しながら投入した。注意:発熱性。NSC投入の完了後、反応混合物を20±5℃に温め、≧15分間ねかせた。60L中の内容物を0±5℃(1.4℃)に冷却し、塩化メタンスルホニル(3896g、2632mL、34.01mol、1.05当量)を投入した。60L中の反応混合物に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(4602g、6200mL、35.63mol、1.10当量)を1時間以上かけて投入し、その間、投入速度を、バッチ温度が≦10℃になるように制御した(ジャケット温度設定−20℃、Tmax=4.4℃)。均質反応混合物を0±10℃で30分間以上かけてねかせた。60L中の内容物を15℃に温め、水(12000g、2V)を投入し、2分間以上かけて撹拌した。下側の水層を廃棄し、上部の有機層を15%塩化ナトリウム溶液(12000mL)で2回、15%塩化ナトリウム(6000mL、1V)で2回、25%塩化ナトリウム溶液(6000mL、1V)で洗浄した。得られた粗有機流を、60Lにおいて減圧下、<30℃で約15Lになるまで蒸留し、次に2−MeTHFにより減圧下、<30℃で蒸留して、共沸乾燥した。粗生成物流を収集し、60Lを2−MeTHF(1230mL)ですすぎ、合わせて、粗生成物を得た。粗生成物溶液を、≦10μmインラインフィルターで濾過して、清浄な100Lの蛇管反応器に入れ、2−MeTHF(500mL)によりすすいで、総2−MeTHFを14.44Lにし、これに基づいて、結晶化に使用する総ヘプタンは、最終の15/85(v/v)の2−MeTHF/ヘプタンに対して81.2Lになる。2−MeTHF中の100L中の粗溶液に、ヘプタン(10L)を20℃で10分間かけて投入し、ヘプタン(750mL)中の(90.5g)スラリーでシード添加し、5分間以上かけてねかせた。追加のヘプタン(70500mL)を1hかけて投入して、ヘプタンの最終総体積を81.3Lにした。ヘプタン投入が完了した後、スラリーを20℃で15分間ねかせた。100L中のスラリーを0℃に冷却し、更に30分間ねかせた。スラリーを、25μmのポリプロピレンフィルタークロスを取り付けたAuroraフィルターで濾過した。100Lに、95/5(v/v)のヘプタン/2−MeTHF(12000L、2V)の混合溶媒を投入して、反応器をすすぎ、Auroraフィルターに投入して、ケーキを洗浄した。フィルターケーキを、有機溶媒がTGA分析により≦1%になるまで、フリット上で窒素硫下、室温で乾燥して、8246gのクロロオキシムメシレートを得た。白色の結晶質固体の収率84.5%、1からの収率81%。mp:67−69°C;1H NMR(CDCl3,400MHz)δ 4.94(1H,dd,J=6.8,5.1Hz),4.29(1H,dd,J=9.0,6.8Hz),4.19(1H,dd,J=9.1,51Hz),1.81−1.77(2H,m),1.71−1.60(6H,m),1.48−1.42(2H,m)。
ステップ3aおよび3b:(S)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミンの調製
清浄で乾燥した60Lの反応器(反応器1)のジャケット温度を20±5℃に設定する。チオシアン酸ナトリウム(1,195g、1.1当量)を60Lの反応器(反応器1)に投入する。2−MeTHF(28,000mL、24,080g、7.0V)を60Lの反応器(反応器1)に投入する。60Lの反応器(反応器1)中で撹拌を開始する。ピリジン(1,116mL、1,150g)を反応器1に投入する。バッチを0.25h以上撹拌する。バッチ温度を40±5℃に調整する。清浄で乾燥した15Lの反応器(反応器2)のジャケット温度を20±5℃に設定する。クロロメシレート(4,000g、13.4モル)を15Lの反応器(反応器2)に投入する。2−MeTHF(8,000mL、6,880g、2.0V)を15Lの反応器(反応器2)に投入する。15Lの反応器(反応器2)中で撹拌を開始する。バッチを、完全に溶解するまで、0.25h以上撹拌する。クロロメシレート溶液を、バッチ温度の40℃±5℃を維持しながら、15L(反応器2)から60L(反応器1)におよそ1hかけて移す。この添加は発熱性である。バッチを40℃±5℃で1h以上ねかせる。ヘキサメチルジシラザン(2,385g、3,081mL、1.1当量)を、60L(反応器1)に取り付けた4Lの添加漏斗に投入する。内部バッチ温度を40℃±5℃に維持しながら、ヘキサメチルジシラザンを4Lの添加漏斗からおよそ1hかけて添加する。この添加は発熱性である。60L(反応器1)中のバッチを、アシルチオシアネートが消費されるまで、40℃±5℃でねかせる。60Lの反応器(反応器1)中のバッチを5±10℃に冷却する。清浄で乾燥した100Lの反応器(反応器3)の蛇管温度を20±5℃に設定する。水(8,000mL、8,000g、2V)を100Lの反応器(反応器3)に投入する。100L反応器(反応器3)中で撹拌を開始し、蛇管温度を5±10℃に設定する。反応器3の内部温度を10℃未満に維持しながら、バッチを60L(反応器1)から100L(反応器3)におよそ1hかけて移す。この添加は発熱性である。100Lの反応器(反応器3)の内部温度を20±5℃に調整する。NaHSO4水溶液を、NaHSO4(1,440g、0.90当量)を適切な容器中の水(4,000mL、4,000g、1V)に添加することにより調製する。NaHSO4溶液を100Lの反応器(反応器3)に投入する。100Lの反応器(反応器3)を、およそ0.5±0.5h撹拌する。反応器3中のバッチを2分間以上かけて沈降させる。(下側)水層を単離する。水溶液を、重炭酸ナトリウム(1,500g、1.33当量)および塩化ナトリウム(2,250g、2.87当量)を適切な容器中の水(12,000mL、3V)に添加することにより調製する。重炭酸ナトリウム/塩化ナトリウム溶液(12000mL、3V)を100Lの反応器(反応器3)に投入する。100Lの反応器(反応器3)を0.5±0.5h撹拌する。100Lの反応器(反応器3)中のバッチを2分間以上かけて沈降させる。(下側)水層を適切な容器に単離する。60Lの反応器(反応器1)を水およびアセトンまたはメタノールですすぐ。60Lの反応器(反応器1)を2MeTHFですすぐ。清浄で乾燥した60Lの反応器(反応器1)のジャケット温度を20±5℃に設定する。バッチを100L(反応器3)から60L(反応器1)に移す。60Lの反応器(反応器3)中のバッチを、容器の内部温度を55℃未満に維持しながら、9Vからおよそ6Vに濃縮する。2MeHTFを加えて一定体積(24,000mL、6V)を維持し、≦0.5%の水が得られるまで真空圧を調整することにより、容器の内部温度を55℃未満に維持しながら、蒸留する。60Lの反応器(反応器1)中のバッチを20±5℃に冷却する。60Lの反応器(反応器1)を水およびアセトンまたはメタノールですすぐ。60Lの反応器(反応器1)を2MeTHFですすぐ。R55Sカーボンカートリッジを、CUNO出口に取り付けられた5μmインラインフィルターを有するCUNOフィルターに挿入し、フィルターを2−メチルテトラヒドロフランで5分間以上すすぐ。バッチを、CUNOハウジングを介して濾過し、清浄で乾燥した60Lの反応器(反応器1)におよそ750mL/minで入れる。CUNOフィルターを2L以上のMeTHFですすぎ、バッチと合わせて、60Lの反応器に入れる。60L(反応器1)中のバッチを、真空圧を調整することにより容器の内部温度を55℃未満に維持しながら、およそ2.0Vに濃縮する。60Lの反応器(反応器1)中のバッチを20±5℃に冷却する。2−MeTHFを60Lの反応器(反応器1)に加えて、2−MeTHFを2Vに調整する。ヘプタンを60Lの反応器(反応器1)に加えて、60:40のMeTHF:ヘプタン比を達成する。微粉砕シード(100g、2.5wt%)を、最小量のヘプタン中のスラリーとして、60Lの反応器(反応器1)中のバッチに加える。ヘプタンを60Lの反応器(反応器1)に加えて、20:80のMeTHF:ヘプタン比を、3h以上かけて達成する。≦25μmのフィルタークロスを備えたAuroraフィルターを介して、結晶化生成物を濾過する。10%の2−MeTHF:ヘプタンを、2MeTHF(800mL、688g)を適切な容器中のヘプタン(7200mL、4,924g)に添加することにより調製する。反応器を、2に分けた10%の2−MeTHF:ヘプタン(1V、4L)で洗浄する。生成物ケーキを、Auroraフィルター上で窒素流雰囲気下、RTで少なくとも1h乾燥する。
(S)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミンを淡黄色の凝集結晶質固体として単離した。MP(DSC)=117.1°C,121.3°C;1H NMR(CDCl3,400MHz)δ 6.77(br s,2H),5.05(dd,J=6.1,0.7Hz,1H),4.28(ddd,J=20.5,6.4,2.0Hz,2H),1.75−1.31(m,10H);13C NMR(CDCl3,100MHz)δ 184.2,170.9,111.2,73.9,67.8,35.7,34.8,25.0,23.9,23.8。
N−(3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミン
冷却器、機械式攪拌機、および温度プローブを備えた1Lの三つ首RBFに、N2雰囲気下で6−クロロピリジン(実施例5の生成物、50.0g、97.4mmol)、続いてc−Hex−5−ATDZ(実施例6の生成物、1.15当量、112.0mmol、27.03g)、リン酸カリウム(2当量、194.8mmol、41.35g)、およびジメチルアセトアミド(150mL、3体積)を加えた。次にフラスコを、撹拌しながら脱気した(3サイクル、真空<60トール、Arで再充填した)。次にスラリーを、撹拌しながら85℃に加熱した。リン酸カリウムの第2の投入(2当量、194.8mmol、41.35g)を2h後に加え、スラリーを前記のように脱気した。リン酸カリウムの第3の投入(2当量、194.8mmol、41.35g)を4h後に加え、スラリーを前記のように脱気した。リン酸カリウムの第4の投入(2当量、194.8mmol、41.35g)を6h後に加え、スラリーを前記のように脱気した。スラリーを85℃で一晩撹拌した。85℃で21h後、出発材料の完全な変換が観察された。反応混合物をRTに冷却した。水(250mL、5体積)を、T<40℃に維持しながら、ゆっくりと加えた。次にトルエン(200mL、4体積)および2−BuOH(50mL、1体積)を加えた。pHを、5N HCl(155mL)の添加により12から7.7に調整した。混合物を、分液漏斗に移し、相を3相に分離させた。水(250mL、5体積)を、分液漏斗中のトルエン相に加えた。混合物を激しく振とうし、相を分離させた。ブライン(250mL、5体積)を、分液漏斗中のトルエン相に加えた。混合物を激しく振とうし、相を分離させた。トルエン相は、44.4gのN−(3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミン(溶液アッセイ収率85%)を与えた。次に溶媒をトルエンからEtOHに交換した。EtOHを45℃に加熱し、シード(1wt%、444.5mg)を加えた。シードを30分後に保持し、スラリーを一晩かけて周囲温度に冷ました。次に水をスラリーにゆっくりと加えた(300mL、6体積)。上澄みの濃度は、10.0mg/gのN−(3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミンであった。生成物を、真空濾過により単離し、EtOH/水(1/1v/v、150mL)の混合物ですすいだ。生成物を、フィルター上で窒素流下で乾燥した。N−(3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)−3−(1,4−ジオキサスピロ[4.5]デカン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミンを、黄褐色の固体(43.5g、99.6PA%、100wt%、効力調整収率83.5%、母液への損失6.5%、洗浄液への損失1.7%)。
非晶質AMG151
非晶質AMG151を、液体急冷法および特徴決定を介して生成した。データを図1〜2に示す。試料は、ほぼ78℃のガラス転移を有すること、および蒸気吸着を介した吸湿性であることが見出された(相は実験後に変化がなかった)。
AMG151 DiHCl塩の調整
1gの3−((2−メチルピリジン−3−イル)オキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−アミン(3.13mmol、1当量)を、10mlのTHF中の0.807g(7.2mmol、2.3当量)のカリウムt−ブトキシドと合わせ、得られたスラリーを0℃に冷却した。別のフラスコにおいて、スルホン3−[(4S)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル]−5−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−1,2,4−チアジアゾール(1.278g、3.75mmol、1.2当量)を、2mlのTHFに溶解し、得られた溶液を反応混合物に滴加した。1mLの水を使用して停止させ、0.24mLのAcOHで中和した。水層を除去し、有機物を、2mlの50%飽和ブラインを使用して洗浄して、(S)−3−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−N−(3−((2−メチルピリジン−3−イル)オキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミンをもたらした。
DiHCl塩の脱保護/単離:3N HCl(2.5当量、7.825mmol、2.6ml)を、(S)−3−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)−N−(3−((2−メチルピリジン−3−イル)オキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イル)−1,2,4−チアジアゾール−5−アミンに加えた。25mgをシードとして加えた。一晩撹拌した。スラリーを濾過し、4mlのTHFで洗浄した。40℃の真空オーブンに入れる前にフリット上で10分間乾燥して、(S)−1−(5−((3−((2−メチルピリジン−3−イル)オキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イル)アミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオールをもたらした[AMG151のDiHCl塩として計算した1.563g(収率94.7%)]。
AMG151 DiHCl塩の分析
形態Bの代表的なXRPDパターンを図3に示す。試料は、不規則な形態を有する結晶質であると思われる。この相を、DSCおよびTGAを介して更に特徴決定し、形態Bのデータを図4に示す。DSC曲線は、ほぼ157および174℃(脱溶媒和、おそらくは融解に寄因する)に幅広い吸熱を示す。TG曲線は、175℃までに15%の重量損失を示す。データは形態Aについて図5〜6に示されている。
フマル酸塩溶媒和物
AMG151遊離塩基[7.5g]およびフマル酸[2.3g](1.2当量)を、75mLのメタノールに懸濁し、加熱還流した。追加の30mLのメタノールおよび5mLの水をスラリーに投入し、還流を2時間保持した。反応混合物を周囲と還流の加熱サイクルに1回付し、続いて室温に冷却した。スラリーを濾過し、メタノールで洗浄し、風乾し、7.5gのAMG151のフマル酸塩共結晶を得た。フマル酸塩溶媒和物は、図7に示されているように、ほぼ5.2、6.2、10.4、16.7、19.9度2θにおいて独自の反射を有する特有のXRPDパターンを有する。TGデータを図8に示す。吸熱は、187℃および197℃において観察された。
水和物、形態Cの熱分析
熱データを図9に示す。DSC曲線は、脱水に寄因する113℃での吸熱転移、新たな形態の結晶化に寄因する124℃での発熱、および融解に寄因する183〜184℃での吸熱転移[融解]を示す。AMG151・H2O[実施例2]は、50℃を越えて脱溶媒和し始め100℃を越えて完全に脱溶媒和する結晶マトリックスに水の単位を有する。TGA曲線は重量損失(125℃までに3.6%)を示し、溶媒和物を示している。脱溶媒和の後に発熱事象が続く(形態Aへの結晶化)。水和物形態は、KF測定の3.2〜3.6%(理論3.9%)を有する化学量論的水和物であり、重量損失がTGAにより確認される。加えて、水和物は非吸湿性でもあり、5%から95%の相対湿度の変化で<0.5%の重量変化を示す。水和物を100℃に加熱すると、試料は新たな形態に変換する(形態Hと呼ぶ)。試料を100℃から140℃に更に加熱すると、形態Hが形態Aに変換することを示す。
水和物、形態CのXRPD分析
形態C(一水和物)のXRPDパターンを図10に示す。形態Cは、ほぼ6.9、8.2、18.2、19.2、30.2度2θにおいて独自の反射を有する特有のXRPDパターンを有する。XRPDパターンは、鋭角な反射により特徴決定され、結晶化度を示す。DSCにおいて見られる熱事象をより良好に理解するため、可変温度XRPDを水和物に実施した。データを図11に示す。
水和物、形態Cの分析
水和物の水分吸着曲線を図12に示し、形態が非吸湿性であることを示し、95%の高さの相対湿度で0.25%の重量変化のみを示す。相は、XRPDの結果によると、実験後に変化がなかった。
遊離塩基、形態A
形態Aは、純粋な形態Aのシードを使用する3:1の水:EtOHにおける徐冷プロセスによって生成した。形態Aの代表的なXRPD回折パターンを図13に示す。XRPDパターンは、結晶化度を示す鋭角な反射により特徴決定され、形態Fと異なるXRPDパターンを有し、形態Aは、ほぼ9.6、12.4、19.9、20.1、23.4度2θに独自の反射を有する。形態Aは、三角刃状形態を有することが見られた。蒸気吸着は、両方の形態が非吸湿性であったこと、およびそれぞれの形態がXRPDの結果によると実験後に変化がなかったことを示した。形態Aの代表的なDSC曲線を図15に示す。形態Aを、DSC機器に10℃/minで5回別々にかけて(図15)、結果を平均化した。図Aは、180.1±0.2℃の融解開始温度および112.2±2.3J/gの融解熱を有することが見出された。
遊離塩基、形態F
形態Fは、純粋な形態Aのシードを使用するMeOHにおける徐冷プロセスによって生成した。形態Fの代表的なXRPD回折パターンを図13に示す。XRPDパターンは,結晶化度を示す鋭角な反射により特徴決定され、形態Aと異なるXRPDパターンを有し、形態Fは、ほぼ10.8、15.2、15.8、20.4、26.7度2θに独自の反射を有する。形態Fは、板状形態を有することが見出された。蒸気吸着は、両方の形態が非吸湿性であること、およびそれぞれの形態がXRPDの結果によると実験後に変化がなかったことを示した。[図14]。形態Fのロットの一部を、DSC機器に10℃/minで5回別々にかけて(図15)、結果を平均化した。形態Fは、179.7±0.2℃の融解開始温度および113.5±2.3J/gの融解熱を有することが見出された。
形態AとFの熱力学的関係を確立する試みによると、2つの形態は、非常に類似していることが見出され、本発明者らは、室温で熱力学的に安定な相を決定することができなかった。更に、シード添加を介したプロセス化学によりいずれかの相の規模を拡大する試みは、混合物または誤った相をもたらした。したがって、形態を制御できないと結論付けた。
塩の選択
ハイスループット、ベンチトップ塩、および共結晶スクリーンを、AMG151に実施し、実験のまとめを表1〜3に、下記の結果に提示する。H2SO4、H3PO4、L−酒石酸、フマル酸、クエン酸、およびマレイン酸を、メタノール中に調製した。HClの溶液をIPA中に調製した。MeSO3H、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸の溶液を、MeCN中に調製した。コハク酸の溶液を水中に調製した。固体化合物を、96ウエルプレートの各ウエルに分配し、実際の分配重量を記録した(各ウエルのミリグラムの個別の試料重量について、下記の表を参照すること)。HClを除く酸基準溶液の計算体積を、対応するウエルの化合物とのモル比の1.10(H2SO4、H3SO4、およびメタンスルホン酸)、ならびに1.05(TSA、BAS、マレイン酸、L−酒石酸、フマル酸、クエン酸、およびコハク酸)で96ウエルソースプレートに分配し、続いて、96チャンネルブロワーを使用するN2流下で溶媒(MeOH、MeCN、および水)を蒸発させた。続いて、HCl基準溶液の計算体積を、対応するウエルの化合物とのモル比の1.50でソースプレートに手作業により分配した。撹拌ディスクを各ウエルに加え、ソースプレートを封止した。ベンチトップスクリーンの各実験では、AMG151の一部を計量してバイアルに入れおよそ5〜20mLの溶媒を加えた。次に対イオンを水溶液または純粋な固体の化学量論部分として添加し、次に試料を約90分間超音波処理し、次に溶媒を蒸発させた。ライブラリー設計毎に、結晶化溶媒をソースプレートに分配した(960μl/ウエル)。溶媒を加えた後、ソースプレートを30分間超音波処理し、次に撹拌し、50℃で30分間加熱した。連続加熱により、ソースプレートの溶媒を吸引させ、50℃で濾過して、濾過プレートに入れた。続いて濾液を吸引させ、3つの結晶化プレート(蒸発、沈殿、冷却)に分配した。96ウエル濾過が完了した後、ソースプレートを開放し、50℃で8時間撹拌を保持した。蒸発プレート(200μL/ウエルの濾液)を周囲温度で24時間開放放置した。封止沈殿プレート(抗溶媒として予め充填された150μLのnーブチルエーテルに注入された150μL/ウエルの濾液)を、8時間で25℃から5℃に直線的に冷却し、5℃で8時間保持した。封止冷却プレート(300μL/ウエルの濾液)を50℃で開始し、5℃で8時間等軸晶的に冷却し、5℃で更に8時間保持した。結晶化の最後に、沈殿および冷却プレートを1500rpmにより5℃で10分間遠心分離し、両方のプレートの各ウエルの上澄みを吸引し、廃棄した。4つのプレートのそれぞれを隠して、結晶試料を96ウエルガラス基板に収集する前、吸上紙を、各ウエルに浸漬して乾燥を確認するために使用した。ベンチトップ超音波浴共結晶スクリーンでは、AMA151と共結晶形成剤の化学量論的混合物を計量して、遠心分離管に入れ、少量の溶媒を加え、湿潤粉末を超音波浴によりおよそ90分間超音波処理した。
A.HCl塩
HCl塩、形態A材料をアセトンから生成し、代表的なXRPDパターンを図16に示す。試料は、不規則な形態を有する結晶質であると思われる。この相を、DSCおよびTGAを介して更に特徴決定し、データを図17に示す。DSC曲線は、ほぼ39および123℃(脱溶媒和に寄因する)に幅広い吸熱、ならびにほぼ178℃(融解に寄因する)に1つの鋭角な発熱を示す。TG曲線は、200℃までに12.2%の重量損失を示す。蒸気吸着曲線を図18に示し、材料が55%を越える相対湿度で吸湿性であり、95%の高さの相対湿度で9%の重量変化を示す。材料は、5%の相対湿度まで乾燥するとこの重量を失い、試料は、XRPD結果によると実験後に非晶質相に変換することを示した。この相は、複雑な熱挙動を有した。
HCl塩、形態B材料をTHFから生成し、代表的なXRPDパターンを図19に示す。試料は、不規則な形態を有する結晶質であると思われる。この相を、DSCおよびTGAを介して更に特徴決定し、データを図20に示す。DSC曲線は、ほぼ142(脱溶媒和に寄因する)および174℃(融解に寄因する)に幅広い吸熱を示す。TG曲線は、215℃までに15%の重量損失を示す。蒸気吸着曲線を図21に示し、材料が75%を越える相対湿度で吸湿性であり、95%の高さの相対湿度で20%の重量変化を示す。材料は、5%の相対湿度まで乾燥するとこの重量を失い、試料は、XRPD結果によると実験後に非晶質相に変換することを示した。この相は、複雑な熱挙動を有した。
HCl塩、形態C材料をEtOHから生成し、代表的なXRPDパターンは、材料が結晶質であることを示し、図22に示されている。この相を、DSCおよびTGAを介して更に特徴決定し、データを図23に示す。DSC曲線は、ほぼ126および170℃(脱溶媒和に寄因する)に幅広い吸熱、ならびにほぼ177℃(融解に寄因する)に1つの鋭角な吸熱を示す。TG曲線は、175℃までに13.8%の重量損失を示す。この相は、複雑な熱挙動を有した。
HCl塩、形態D材料をMeCNから生成し、代表的なXRPDパターンは、材料が結晶質であることを示し、図24に示されている。この相を、DSCおよびTGAを介して更に特徴決定し、データを図25に示す。DSC曲線は、ほぼ132(脱溶媒和に寄因する)および172℃(融解を伴う脱溶媒和に寄因する)に幅広い吸熱を示す。TG曲線は、175℃までに9.1%の重量損失を示す。この相の複雑な熱挙動に起因して、続行しなかった。
B.リン酸塩
リン酸塩、形態A材料をアセトンから、およびリン酸塩の溶媒和形態を高い相対湿度に曝露することにより生成した。代表的なXRPDパターンを図26に示す。試料は、不規則な形態を有する結晶質であると思われる。この相を、DSCおよびTGAを介して更に特徴決定し、データを図27に示す。DSC曲線は、ほぼ169(形態Dへの変換に寄因する)および196℃(融解に寄因する)に鋭角な吸熱を示す。TG曲線は、135℃までに1.2%の重量損失を示す。カールフィッシャー分析は、1.8%の水を生じ、これがリン酸塩の半水和物であることを示す(理論的半水和物では1.6%)。蒸気吸着曲線を図28に示し、試料は、5%の相対湿度に乾燥されると部分的に脱溶媒和するが、材料は、55%の相対湿度で完全に再水和する。55%を越える相対湿度では、試料は、非吸湿性であり、95%の高さの相対湿度では0.8%の重量変化のみを示す。相は、XRPDの結果によると、実験後に変化がなかった。この相は、結晶質であり、非吸湿性であり、脱溶媒和すると水を容易に再吸収する水和物である。
リン酸塩、形態B材料をTHFから生成し、代表的なXRPDパターンを図29に示す。試料は、不規則な形態を有する結晶質であると思われる。この相を、DSCおよびTGAを介して更に特徴決定し、データを図30に示す。DSC曲線は、ほぼ140℃(脱溶媒和に寄因する)に幅広い吸熱、およびほぼ195℃(融解に寄因する)に1つの鋭角な吸熱を示す。TG曲線は、175℃までに5.6%の重量損失を示す。蒸気吸着曲線を図31に示し、材料が僅かに吸湿性であり、95%の高さの相対湿度で3.5%の重量変化を示すが、5%の相対湿度に乾燥すると、試料が8.5%を失うことを示す。相は、XRPDの結果によると、実験後に形態Aに変換したことが見出された。この相は、周囲相対湿度の関数として不安定であった。
リン酸塩、形態C材料をアセトンから生成し、代表的なXRPDパターンは、材料が結晶質であることを示し、図32に示されている。この相を、DSCおよびTGAを介して更に特徴決定し、データを図33に示す。DSC曲線は、ほぼ150℃(脱溶媒和に寄因する)に幅広い吸熱、およびほぼ193℃(融解に寄因する)に1つの鋭角な吸熱を示す。TG曲線は、175℃までに5.0%の重量損失を示す。この相の一部が95%の相対湿度チャンバーに曝露されたとき、XRPD結果によると、形態Aに変換していることが見出された。この相の一部が175℃に加熱され、次にX線放射を受けたとき、形態Dに変換していることが見出された。この相は、周囲相対湿度の関数として不安定であった。
リン酸塩、形態D材料を、形態Cを溶解することによって生成し、代表的なXRPDパターンを図34に示す。試料は、不規則な形態を有する結晶質であると思われる。この相を、DSCおよびTGAを介して更に特徴決定し、データを図35に示す。DSC曲線は、ほぼ193℃(融解に寄因する)に鋭角な発熱を示す。TG曲線は、150℃までに0.2%の重量損失を示し、この形態が非溶媒和であることを示す。蒸気吸着曲線を図36に示し、材料が55%を越える相対湿度で吸湿性であることを示し、ほぼ75%の相対湿度で一水和物に変換すると思われ、それはこの条件で3.0%の重量変化を示すからである。材料は、15%の相対湿度まで乾燥してもこの吸着水を保持すると思われるが、5%の相対湿度に達すると、材料は全ての吸着水を失い、乾燥重量に戻る。相は、XRPDの結果によると、実験後に変化がなかった。この相の一部が95%の相対湿度ジャーに設置され、次いで外され、直ぐにX線照射を受けたとき、形態Eに変換することが見出された。この相は、周囲相対湿度の関数として不安定であった。
リン酸塩、形態E料を、形態Dを高い相対湿度に曝露することによって生成し、代表的なXRPDパターンを図37に示す。試料は、不規則な形態を有する結晶質であると思われる。この相を、DSCおよびTGAを介して更に特徴決定し、データを図38に示す。DSC曲線は、ほぼ60℃(脱溶媒和に寄因する)に幅広い吸熱、およびほぼ193℃(融解に寄因する)に1つの鋭角な吸熱を示す。TG曲線は、100℃までに2.9%の重量損失を示す。カールフィッシャー分析は、3.0%の水を生じ、これがリン酸塩の一水和物であること示す(理論的半水和物では3.2%)。蒸気吸着曲線を図39に示し、試料は、5%の相対湿度に乾燥されると脱溶媒和するが、材料は、65%の相対湿度で完全に再水和する。65%を越える相対湿度では、試料は僅かに吸湿性である。この相は、周囲相対湿度の関数として不安定であった。
C.硫酸塩
硫酸塩、形態A材料をMeOHから生成し、代表的なXRPDパターンを図40に示す。試料は、不規則な形態を有する結晶質であると思われる。この相を、DSCおよびTGAを介して更に特徴決定し、データを図41に示す。DSC曲線は、ほぼ81、132、および168℃(脱溶媒和およびおそらくは融解に寄因する)に幅広い吸熱を示す。TG曲線は、200℃までに7.3%の重量損失を示す。この相は、複雑な熱挙動を有する。
硫酸塩、形態B材料をTHFから生成し、代表的なXRPDパターンを図42にそれぞれ示す。試料は、不規則な形態を有する結晶質であると思われる。この相を、DSCおよびTGAを介して更に特徴決定し、データを図43に示す。DSC曲線は、ほぼ59℃(脱溶媒和に寄因する)および175℃(融解に寄因する)に幅広い吸熱を示す。TG曲線は、215℃までに9.4%の重量損失を示す。この相は、複雑な熱挙動を有する。
D.メタンスルホン酸塩
メタンスルホン酸(MSA)塩、形態A材料をTHFから生成し、代表的なXRPDパターンを図44に示す。試料は、不規則な形態を有する結晶質であると思われる。この相を、DSCおよびTGAを介して更に特徴決定し、データを図45に示す。DSC曲線は、ほぼ123および165℃(脱溶媒和およびおそらくは融解に寄因する)に幅広い吸熱を示す。TG曲線は、150℃までに2.7%の重量損失を示す。この相は、複雑な熱挙動を有する。
MSA塩、形態B材料を生成し、代表的なXRPDパターンは、材料が結晶質であることを示し、図46に示されている。この相をDSCにより更に特徴決定し(図47)、曲線は、ほぼ178℃(融解に寄因する)に鋭角な吸熱を示す。蒸気吸着曲線を図48に示し、材料が65%を越える相対湿度で吸湿性であり、95%の高さの相対湿度で16.5%の重量変化を示す。周囲相対湿度まで乾燥すると、材料は、およそ2〜3%の吸着水を保持することが見出された。相は、XRPDの結果によると、実験後に形態Cに変換したことが見出された。この相は、周囲相対湿度の関数として不安定に思われた。
MSA塩、形態C材料は、形態Bを上昇した相対湿度に曝露することにより生成し、代表的なXRPDパターンは、材料が結晶質であることを示し、図49に示されている。この相を、DSCおよびTGAを介して更に特徴決定し、データを図50に示す。DSC曲線は、ほぼ131℃(融解を伴う脱溶媒和に寄因する)に幅広い吸熱を示す。蒸気吸着曲線を図51に示し、材料が75%を越える相対湿度で吸湿性であり、95%の高さの相対湿度で18%の重量変化を示す。周囲相対湿度まで乾燥すると、材料は、およそ2〜3%の吸着水を保持することが見出された。相は、XRPDの結果によると、実験後に変化がなかった。この相は、吸湿性であると思われた。
E.コハク酸塩共結晶
コハク酸塩共結晶、形態A材料をアセトンから生成し、代表的なXRPDパターンは、材料が結晶質であることを示し、図52に示されている。この相をDSCにより更に特徴決定し(図53)、曲線は、ほぼ115℃に幅広い吸熱およびほぼ140℃に鋭角な吸熱を示す。DSC曲線における熱事象を理解するために、更なる調査が必要である。
F.フマル酸塩共結晶
フマル酸共結晶、形態A材料をアセトンMeOHおよびTHFから生成し、代表的なXRPDパターンを図7に示す。試料は、針形態を有する結晶質であると思われる。この相を、DSCおよびTGAを介して更に特徴決定し、データを図8に示す。DSC曲線は、ほぼ186および197℃に鋭角な吸熱を示す。TGA曲線は、175℃までに有意な重量損失を示さず、非溶媒和相を示している。蒸気吸着曲線を図54に示し、材料が非吸湿性であることを示し、95%の高さの相対湿度で0.075%の重量変化のみを示す。相は、XRPDの結果によると、実験後に変化がなかった。
DSC曲線における2つの熱事象を理解するために、調査が必要であった。フマル酸塩共結晶の一部がMeOHにおいて室温でスラリー化したとき、得られた固体は、溶液NMRにより確認すると、遊離形態の新たな低融解(174℃)形態(形態G)に変換したことが見出された。新たな遊離形態(形態G)のXRPDパターンおよびDSC曲線を図55および56にそれぞれ示す。形態Gの遊離形態が周囲条件で貯蔵されると、形態Fの遊離形態に容易に変換することも決定された。フマル酸塩の結晶化法の最適化によって、新たなロットの熱特徴決定データは、異なって見えた(図57)。最適化されたロットをDSC曲線により特徴決定し、僅か2つの熱事象を有した(典型的には、ほぼ190および196℃)。更に、第1の吸熱(最初は、おそらく遊離形態F/Aの汚染に起因すると思われた)が、今はほぼ190℃までに示されており、これは、TGA曲線と相関したとき、任意の既知の遊離形態の融解をかなり越えて、十分に分解温度である(190℃の吸熱と関連する温度範囲を介して3.2%の重量損失)。これは、フマル酸塩DSC曲線において見られる熱事象が、試料の分解に起因し、融解に起因し得ないことを示すと思われる。
化学的および物理的安定性がこれらの形態から開始され、試料を、60℃、40℃/75%RH、25℃/60%RH、および5℃で貯蔵した。遊離塩基形態のFおよびフマル酸塩共結晶は、40℃/75%RHおよび60℃で4か月まで化学的に安定しており、形態の変化がないことが見出された(図58および59)。遊離塩基一水和物は、40℃/75%RHで4か月まで化学的に安定しており、形態の変化がないことが見出されたが、60℃での2週間後に形態Aに変換したことが見出された(図60)。リン酸塩は、40℃/75%RHおよび60℃で6か月まで安定しており、形態の変化がないことが見出された(図61)。
遊離形態の形態F、遊離形態水和物、およびフマル酸塩共結晶をそれぞれ3つのプロトタイプ配合物に(それぞれ、配合物1つあたり異なる賦形剤を使用し、湿式または乾式ブレンドのいずれかを利用して)作製し、25℃/60%RHおよび40℃/75%RHで3か月までストレスを掛け、次にアッセイした。
酢酸溶媒和物形態
結晶質AMG151酢酸溶媒和物、形態Jは、AMG151水和物、形態Cを純粋な酢酸中においてRTで一晩スラリー化することによって調製した。結晶質AMG151酢酸溶媒和物、形態Kは、AMG151水和物、形態Cを40%水:60%酢酸中においてRTで一晩スラリー化することによって調製した。代表的なXRPDパターンを図62および64に示し、DSCおよびTGAを図63および65に示す。形態Jを150℃で加熱して酢酸を失わせると、新たな形態Iが形成された。DSC分析を図66に示す。融点は、約186℃で観察された。酢酸溶媒和物(形態I)は、図67に示されているように、ほぼ11.9、12.7、13.3、17.9、および26.0度2θにおいて独自の反射を有する特有のXRPDパターンを有する。
遊離塩基、形態L
遊離塩基の形態を、MEK/ニトロメタン、MEK/MeCN、またはEtOH/シクロヘキサンの二相溶媒のいずれかの溶液から、蒸発条件下で単離した。DSCにより、図69に示されているように、形態は176.9℃で吸熱性融解を有した。代表的なXRPDパターンを図68に示す。
遊離塩基、形態
遊離塩基の形態を、ベンゾニトリル単一溶媒からスラリー条件下で単離した。DSCにより、図70に示されているように、形態は108.2℃で吸熱ピークおよび180.5℃で吸熱性融解を有した。代表的なXRPDパターンを図71に示す。
前記は、本発明の単なる例示であり、本発明を開示されている形態に限定することを意図しない。当業者に明白な変動および変更は、本発明の範囲および性質の範囲内であることが意図され、添付の特許請求の範囲に定義されている。前記の記載から、当業者は、本発明の本質的な特性を容易に確認することができ、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の多様な変更および修正を行って様々な用途および条件に適合させることができる。本発明は、特定の実施形態に関して記載されてきたが、これらの実施形態の詳細は、制限的であると考慮されるべきではない。
一定の粒径分布を有するAMG151一水和物、形態Cの結晶多形の調製
AMG151一水和物、形態Cを調製する成長優性pH駆動反応結晶化法を開発し、生成物粒径に最大の影響を与える要素を決定した。生成物粒径に関する結晶化の強靱性は、代替緩衝液系およびpHモニタリングによって改善した。「成長優性」は、結晶のサイズおよび核生成現象を意味し、ここでは、粒子が、核化して「新たな」結晶を形成するのではなく、互いに成長/核化する。
生成物の粒径分布(「PSD」)に関する硫酸系の強靱性を評価した。この研究において、硫酸の強度は、±5%で変動し、シードポイントで添加されるKOAc塩基の当量は、0.75〜1.25で変動し、シードポイントの1.7でpH2.1へのpHの変動をもたらす。これらの変動結晶化パラメーターを使用する生成物の粒径分布は、湿式分散法を使用したMalvern Mastersizer 2000機器により測定した。凝集粒子が観察された1つの外れ値を除いて、すべて一定のPSDをもたらした(表4を参照すること)。全ての強靱性実験は、3〜5wt%のピン粉砕シードを使用した。硫酸系の成長速度は、塩酸系よりも遅いと思われた(HCl系のデータは示されず)。成長速度が硫酸ではより遅いので、粒径をより小さい粒径分布に制御できることが発見された。核生成事象が、塩基の長時間(16h)添加によっても、硫酸系による全ての実験において集束ビーム反射測定(FBRM)により観察された。粒径の強靱性が、硫酸を使用して観察された。
表4において、d10は、粒子の10%が提示された数値より小さいことを意味し、d50は、粒子の50%が提示された数値より小さいことを意味し、d90は、粒子の90%が提示された数値より小さいことを意味する。
500g規模の実証−一定の粒径分布を有するAMG151一水和物、形態Cの結晶多形の調製
硫酸を使用するAMG151一水和物の結晶化は、以下の一般手順を使用して、10Lの容器において500g規模で実証した。
結晶化をpH1.92で実施し、スラリーを一晩ねかせて、結晶化を完了した。結晶質生成物を濾過により単離し、窒素流下で乾燥した(467g、収率96%)。粒径分布は、湿式分散法を使用するMalvern Mastersizer 2000機器により測定した。得られた粒径データについては図72および表4を参照すること。
AMG151遊離塩基、形態Cの結晶化、続く、シード添加なしでの多形形態Aへの多形転換
AMG151遊離塩基の大規模生産は、増加したレベルの多形形態Fを有する、両方の遊離塩基バッチをもたらすことが観察された。1つのバッチにおいて、水の添加、次に、エタノール、続く濃HClの添加の際に、混合物が均質にならず、結晶質固体が観察された。固体を研磨濾過の後に観察して、いくらか少量の形態Aを有する多形AMG151水和物、形態Cであった(スキームG)。別のバッチでは、水の添加の直後に、エタノールおよび濃HClが続いて均質溶液をもたらしたが、研磨濾過の完了間近に、固体の小さな結晶化が観察され、AMG151水和物、形態Cであると推定された。
スキームG
水和物、形態Cは70:30v/vおよび75:25v/vの水:EtOH溶媒組み合わせの両方において、20mL/gにより、周囲温度で形態Aに変換され得ることが見出された。したがって、水和物、形態Cの結晶化、続く純粋な形態Aへの溶媒仲介多形変換の可能性を探求した。このことは、シード結晶に存在する2つの形態の比に応じて、形態AおよびFの様々な量を製造することが示されている、結晶化へのシード添加の必要性を排除する。
第1の反応容器に、(S)−1−(5−(3−(2−メチルピリジン−3−イルオキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イルアミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオール塩酸塩(AMG151、8.0g、7.0wt%のCl)、続いて水(56mL、7.0mL/gのAMG151)、エチルアルコール(無水、24mL、3.0mL/gのAMG151)、および37%塩酸水溶液(0.16g、AMG151の9−wt%塩化物アッセイ)を投入した。反応混合物を、GFF紙を介した研磨濾過により第2の反応容器に移した。反応を20〜30℃で撹拌した。(注:生成物は、40分後に溶液からゆっくりと結晶化し、3時間かけてねかし続け、濃密な結晶性スラリーをもたらし、これはXRPDにより水和物、形態Cと確認された。)第2の反応容器に、二塩基性リン酸カリウム(4.1g、1.44当量)、続いて水(56mL、AMG151の7.5mL/g)を投入し、均質になるまで撹拌した。次にエチルアルコール(無水、24mL、AMG151の2.5mL/g)を加えた。この混合物をGFF紙により研磨濾過し、AMG151塩酸塩を含有する第1の反応器におよそ50分間かけてゆっくりと移した。XRPD分析は、形態Cを確認した。(注:pH=6.56、T=26.0℃。pH>4.5を選択して、形態Cから形態Aへの多形転換の際にアミノピリジンへの潜在的な分解を回避した)。結晶質混合物を25℃で17時間撹拌した。XRPD分析は、形態Cを確認した。結晶質混合物を50℃に23時間加熱した。XRPD分析は、形態Cを確認した。エチルアルコール(無水、14mL)を加えて、水:EtOHの65:35v/vの溶媒比をもたらした。結晶質混合物を50℃で4時間撹拌した。XRPD分析は、形態Cを確認した。エチルアルコール(無水、14mL)を加えて、水:EtOHの60:40v/vの溶媒比をもたらした。結晶質混合物を50℃で2時間撹拌した。XRPD分析は、形態Aの存在を伴う形態Cを確認した。結晶質混合物を50℃で68時間撹拌した。XRPD分析は、形態Cから所望の結晶多形形態Aへの完全な変換を確認した。結晶質混合物を周囲温度に冷却し、濾過した。湿潤ケーキを、水:EtOHの60:40v/v混合物(10mL、AMG151の水0.75mL/gおよびAMG151のエチルアルコール0.5mL/g)により2回洗浄した。次に湿潤ケーキを真空オーブンにより55℃および-22mmHgの窒素ブリードで乾燥して、所望の生成物(S)−1−(5−((3−((2−メチルピリジン−3−イル)オキシ)−5−(ピリジン−2−イルチオ)ピリジン−2−イル)アミノ)−1,2,4−チアジアゾール−3−イル)エタン−1,2−ジオール多形形態A(5.78g)をもたらした。XRPDパターンを図73に示す。
結論
これは、シード添加の必要がない、AMG151遊離塩基の実質的に形態Aの形態の結晶多形を調製するプロセスを提供する。本プロセスは、形態Aに加えて形態Fの結晶成長をもたらして、高いレベルの形態F多形を有する生成物をもたらし得るシードの品質に関する懸念(形態Aシード結晶における形態Fの存在)を取り去る。
水:EtOHの70:30v/v混合物の初期比から水:EtOHの60:40v/v混合物に調整することは、改善された溶解度を可能にし、したがって、水和物、形態Cから無水物、形態Aへの溶媒仲介多形転換をもたらした。
単離収率は、水:EtOHの溶媒比が、追加の水を単離の前に結晶質スラリーに投入することにより、およそ70:30v/vから75:25v/vに調整されると改善され得る。
全ての記述された参考文献、特許、出願、および公報は、あたかもこれらが記載されているかのように、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。