JP2015536152A - トリコーム特異的プロモーター - Google Patents

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    • C12N15/8216Methods for controlling, regulating or enhancing expression of transgenes in plant cells
    • C12N15/8222Developmentally regulated expression systems, tissue, organ specific, temporal or spatial regulation
    • C12N15/8223Vegetative tissue-specific promoters

Abstract

本明細書において、トリコーム特異的植物プロモーターが提供される。斯かるトリコーム特異的プロモーターまたは斯かるトリコーム特異的プロモーターを含むキメラもしくはベクターを含む、トランスジェニック細胞および生物、特に、植物細胞および植物も提供される。本発明は、トリコーム特異的プロモーターを用いて、細胞および生物において核酸配列を発現させるための方法をさらに提供する。

Description

本発明は、トリコーム特異的植物プロモーターおよびその使用に関する。本プロモーターは、トリコーム細胞における相同または異種タンパク質の発現に、あるいはセンスおよび/またはアンチセンスRNA等、活性核酸分子の発現に用いることができる。プロモーター活性を有する核酸配列だけでなく、これらを含むキメラ遺伝子、ベクターならびに組換え(トランスジェニック)細胞および生物が提供される。本プロモーターを含むトランスジェニック細胞および生物、特に、植物および植物細胞を作製するための方法も提供される。本プロモーターは、農薬、揮発油、香味剤または芳香剤、医薬品成分、細胞毒性タンパク質その他等、トリコームにおける様々な化合物の産生に有用である。
トリコームは、枝分かれしたおよび枝分かれしていない毛、小胞、鉤状突起、棘ならびに刺毛を含む、植物における表皮の様々な突起(outgrowth)である。トリコームは、草食動物から、また蒸散による水分喪失やUV照射から植物を保護することにおいて(Mauricio & Rausher、1997、Evolution 51、1435 Wagnerら、2004、Ann Bot 93、3)、有毒重金属や生体異物のシンクとして(Saltら、1995、Plant Phys 109、1427;Dominguez-Solisら、2001、J Biol Chem 276、9297;Gutierrez-Alcalaら、2000、PNAS 97、11108)重要であると考えられる、柱状の(staked)多細胞突出構造である。
様々な二次化合物を含有する腺トリコームは多くのナス科(solanaceous)種の茎葉に存在し、それらの様々な有害生物に対する抵抗性における役割については十分に記録に残されている。トマトにおける腺トリコームは、多量のテルペン[van der Hoevenら、Plant Cell. 2000、12巻(11):2283〜2294]およびメチルケトン[Fridmanら、Plant Cell 2005、17巻(4):1252〜1267]を含有する。トリコームは、I〜VII型にカテゴリー化されており(Luckwill、1943、Aberdeen University Press、UK)、腺トリコーム型としてI、IV、VIおよびVII型ならびに非腺型としてII、IIIおよびV型がある。IV、VおよびVI型は、野生種トマトS.ハブロカイテス(S. habrochaites)において広く認められるトリコームである(SimmonsおよびGurr、2005、Agricultural and Forest Entomol 7、265)。S.ペンネリ(S. pennelli)において、有害生物に対する抵抗性は、主に、この植物のあらゆる部分を覆うIV型腺トリコームの化学的性質および密度に関係する(Simmonsら、2003 Aus J Entomol 43、196;2004、Entomol Exp App 113、95)。腺トリコームの滲出物が物理的に除去されると、有害生物の生存および寿命延長が増加し、一方で死亡率および捕集が減少する(SimmonsおよびGurr、2005、Agricultural and Forest Entomol 7、265)。トリコームIVおよびVI型は、有害生物の制御(pest control)と正の相関を示した。
ワタ胚珠の非腺トリコームは、高い経済的重要性を有するバイオテクノロジーの標的として調査されてきた(KimおよびTriplett、2001、Plant Physiol 127、1361)。S.ペンネリにおけるアシル糖ならびにS.ハブロカイテスにおけるメチルケトンおよびテルペン等、様々な植物化学物質を分泌する能力を腺トリコームが有することにより、このような構造がバイオテクノロジー応用に潜在的に適したものとされ、トリコームに基づく有害生物管理についての機会が提供される。
トリコームにおけるタンパク質発現は、農薬、医薬品成分、揮発油、香味剤および芳香剤等、有用な化合物の産生に利用することができる(Callow、2000 Advances in botanical research eds. Hallahan and Gray、San Diego Academic Press;Wagner 2004 Ann Bot 93、3)。成分をトリコームにおいて特異的に作製するために、植物トリコームにおける遺伝子発現の調節が必要である。特殊化した構造または細胞にタンパク質発現を方向づける可能性は、植物代謝経路および結果的に植物の性能における干渉を回避する。
周知のカリフラワーモザイクウイルスプロモーター(CaMV 35S)のプロモーター等、構成的で強力なプロモーターは、一般に、異所性発現研究において用いられる。しかし、この種類のプロモーターは、テルペン等、特異的でおそらくは植物毒性の化合物の発現に非常に適しているという訳ではない。さらに、代謝プールの消耗が問題となり得る。
Gutierrez-Alcala(2005、J Exp Bot 56、2487)は、タバコの腺および非腺トリコームの両方において活性を有する、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)OASA1遺伝子のプロモーターについて記載する。
Wangら(2002、J Exp Bot 53、1891)は、全発生ステージのタバコ腺トリコームにおける発現を示す、タバコP450遺伝子、CYP71D16由来のトリコーム特異的プロモーターについて記載する。
WO2004/111183は、トマトおよびタバコ葉由来のトリコーム特異的プロモーターについて記載する。しかし、WO2004/111183に記載されているトランスジェニックを検査してみると、発現がトリコーム特異的ではなく(例えば、葉脈における追加的な発現)、発現が弱いという意味において、満足な結果は得られなかった。
WO2009/082208は、トマト由来のトリコーム特異的プロモーターについて記載する。これらのプロモーターは、厳密にトリコーム特異的であることが示されたが、その活性は相対的に低い。
これまでに単離されたトリコーム特異的プロモーターにもかかわらず、そのいずれも、トリコーム特異性および高いプロモーター活性の組合せを示さない。高度に活性を有するトリコーム特異的またはトリコーム優先的プロモーターの明らかな必要がある。さらに、理想的には、トリコームにおける有用な化合物の産生の操作を成功させるために、数種類の斯かるプロモーターが同定されるべきである。これらの化合物の生合成は、多くの場合、複数の遺伝子の使用を必要とし、したがって、理想的には、これらの複数の遺伝子は、好ましくは、様々なプロモーターを用いてトリコームにおいて発現される。
斯かる新たな植物プロモーターは、理想的には、次の要件を有するべきである:i.器官/組織特異性、他の組織(例えば、可食部)における潜在的に望まれない化合物産生を回避するために、プロモーターは、厳密にトリコーム特異的となるべきである;ii.高いプロモーター活性。
本発明は、腺および非腺トリコーム、特に、様々な植物表面(葉、茎、花器等の地上部)に存在するが、一部の種において、果実および種子等の特定の植物表面に見出されない腺トリコームにおける、作動可能に連結された核酸分子の発現の方向づけに適したトリコーム特異的転写調節配列を提供する。単純トリコームは、大部分の被子植物ならびに一部の裸子植物および蘚苔類の地上部表面に存在する(Wagnerら、2004、Ann Bot 93、3)。被子植物において、トリコームは、種に応じて葉、花弁、葉柄、花柄、茎および種皮において生じ得る。腺トリコームは、維管束植物のおそらく30%に見出される(DellおよびMcComb、1978、Adv Bot Res 6、227;Fahn、2000、Adv Bot Res 31、37)。
WO2004/111183 WO2009/082208 US5,591,616 US2002138879 WO95/06722 US5,693,507 EP0116718 EP0270822 PCT公開WO84/02913 欧州特許出願公開EP0242246 EP0120561 EP0120515 EP0116718 EP0223247 US2005/055740 WO2004/092345 EP0270356 WO85/01856 US4,684,611 US4,536,475 US6,140,553 WO92/09696 WO00/71733 WO94/00977 WO95/06722 WO01/41558 EP0242236 WO90/06999 US5,859,347 EP0140308(B1) EP0240208(B1) EP0223399(B1) EP0465572(B1) EP1068311 EP983370(A1) EP1042462(A1) EP1071762(A1) EP1080208(A1)
Mauricio & Rausher、1997、Evolution 51、1435 Wagnerら、2004、Ann Bot 93、3 Saltら、1995、Plant Phys 109、1427 Dominguez-Solisら、2001、J Biol Chem 276、9297 Gutierrez-Alcalaら、2000、PNAS 97、11108 van der Hoevenら、Plant Cell. 2000、12巻(11):2283〜2294 Fridmanら、Plant Cell 2005、17巻(4):1252〜1267 Luckwill、1943、Aberdeen University Press、UK SimmonsおよびGurr、2005、Agricultural and Forest Entomol 7、265 Simmonsら、2003 Aus J Entomol 43、196;2004、Entomol Exp App 113、95 KimおよびTriplett、2001、Plant Physiol 127、1361 Callow、2000 Advances in botanical research eds. Hallahan and Gray、San Diego Academic Press Gutierrez-Alcala(2005、J Exp Bot 56、2487) Wangら(2002、J Exp Bot 53、1891) DellおよびMcComb、1978、Adv Bot Res 6、227 Fahn、2000、Adv Bot Res 31、37 Henikoff&Henikoff、1992、PNAS 89、915〜919 Franckら、1980、Cell 21、285〜294 Sol Genomics NetworkエントリーSolyc01g108780.2 Liuら、1995、Genomics 25(3):674〜81 Liuら、2005、Methods Mol Biol.286:341〜8 Sallaudら、2009 - Plant Cell Gonzalezs-Vigilら、2012 - Plant Journal Bleekerら、2011 - Plant Mol. Biol.77(4〜5):323〜336 Hookerら、2002、Plant Phys 129、1568 Mc Brideら、1995 Bio/Technology 13、362 Gouldら(1991、Plant Physiol. 95、426〜434) Gielenら(1984、EMBO J 3、835〜845) Frommら、1990、Bio/Technology 8、833〜839 Gordon-Kammら、1990、The Plant Cell 2、603〜618 Shimamotoら、1989、Nature 338、274〜276 Dattaら、1990、Bio/Technology 8、736〜740 Jeoung JMら、2002、Hereditas 137:20〜8 Zhao ZYら、2000、Plant Mol Biol. 44:789〜98 An G.ら、1986、Plant Physiol. 81:301〜305 Horsch R.B.ら、1988、In: Plant Molecular Biology Manual A5、Dordrecht、Netherlands、Kluwer Academic Publishers. 1〜9頁 Koornneef M.ら、1986、In: Nevins D.J.およびR.A. Jones編、Tomato Biotechnology、New York、NY、USA、Alan R. Liss, Inc. 169〜178頁 Sidorov VAら、1999、Plant J.19:209〜216 Lutz KAら、2004、Plant J. 37(6):906〜13 Depickerら、1982 J. Molec. Appl. Genetics 1、561〜573 Gielenら、1984、EMBO J 3、835〜845 VeltenおよびSchell、1985、Nucleic Acids Research 13、6981〜6998 Psarasら、2000、Ann Bot 86、73 Maillonら(1989、FEMS Microbiol. Letters 60、205) Callisら、1987、Genes Develop. 1:1183 Baulcombe、1996、Plant Cell 8:1833〜1844 Stamら、1997、Plant Journal 12:63〜82 DepickerおよびVan Montagu、1997、Curr. Opinion Cell Biol. 9:373〜382 Wesleyら、2004、Methods Mol Biol. 265:117〜30 Wesleyら、2003、Methods Mol Biol. 236:273〜86 Helliwell & Waterhouse 2003、Methods 30(4):289〜95 Allard、R.W.、Principles of Plant Breeding(1960)New York、NY、Wiley、485頁 Simmonds、N.W.、Principles of Crop Improvement(1979)、London、UK、Longman、408頁 Sneep, J.ら(1979)Tomato Breeding(135〜171頁)in:Breeding of Vegetable Crops Mark J. Basset(1986、編)、The Tomato crop: a scientific basis for improvement Atherton, J.G. & J. Rudich(編)、Plant Breeding Perspectives(1986) Fehr、Principles of Cultivar Development - Theory and Technique(1987)New York、NY、MacMillan Sambrookら(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press SambrookおよびRussell(2001)Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第3版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、NY Ausubelら(1994)Current Protocols in Molecular Biology、Current Protocols、USAの第1および2巻 Plant Molecular Biology Labfax(1993)、R.D.D. Croy、BIOS Scientific Publications Ltd(UK)およびBlackwell Scientific Publications、UKによる共同出版 Van Engelenら、1995、Transgenic Res、288 Koornneefら(1986. Transformation of tomato. In: Nevins D.J.およびR.A. Jones編、Tomato Biotechnology. New York、NY、USA、Alan R. Liss, Inc. 169〜178頁) Ben-Israelら(Plant Physiol. 2009、151巻(4):1952〜1964) Yuら(Plant Physiol. 2010、154巻(1):67〜77.)
ShzFPS、ShZISおよびShTPS9のプロモーターの核酸配列、核酸配列の断片、使用および適用が提供される。
そのゲノムに組み込まれたキメラ遺伝子を含むトランスジェニック植物または植物細胞または植物組織または器官において、前記キメラ遺伝子が、相同または異種核酸配列に作動可能に連結されたトリコーム特異的プロモーターを含むことを特徴とし、プロモーターが、
(a)配列番号4、配列番号3、配列番号1または配列番号2の核酸配列(またはその相補体)、
(b)配列番号4、配列番号3、配列番号1または配列番号2の核酸配列の機能的断片(またはその相補体)、
(c)配列番号4、配列番号3、配列番号1または配列番号2の核酸配列と少なくとも70%の配列同一性を含む核酸配列(またはその相補体)、
(d)転写調節活性を含む(c)の核酸配列の機能的断片
の群から選択される、トランスジェニック植物または植物細胞または植物組織または器官が提供される。
植物細胞に導入されるとプロモーター活性を有する単離された核酸配列であって、
(a)配列番号4、配列番号3、配列番号1または配列番号2の核酸配列(またはその相補体)、
(b)配列番号4、配列番号3、配列番号1または配列番号2の核酸配列の機能的断片(またはその相補体)、
(c)配列番号4、配列番号3、配列番号1または配列番号2の核酸配列と少なくとも70%の配列同一性を含む核酸配列(またはその相補体)、
(d)転写調節活性を含む(c)の核酸配列の機能的断片
から選択される配列を含む核酸配列も提供される。
上述の配列を含むベクター、キメラ遺伝子および宿主細胞もまた、本発明の実施形態である。
さらに、
(a)転写しようとする核酸配列に作動可能に連結され、3'UTR核酸配列に必要に応じてさらに連結された上述のプロモーターを含むキメラ遺伝子、または上述のプロモーターもしくは上述のキメラ遺伝子を含むベクターを作製する工程と、
(b)前記キメラ遺伝子またはベクターで植物または植物細胞を形質転換する工程と、必要に応じて、
(c)トランスジェニック植物または植物細胞を再生する工程と
を含む、トランスジェニック植物または植物細胞を作製するための方法が提供される。
本方法は、トランスジェニック植物(またはキメラ遺伝子を保持する、交雑もしくは自家生殖(selfing)等に由来するその派生体)を生育する工程と、さらなる使用のためにトリコームまたはその部分(トリコーム滲出物)を収穫する工程と(分子農業)をさらに含むことができる。
あるいは、例えば、キメラ遺伝子が、植物の有害生物および/または病原体抵抗性を増加させる場合、本方法は、トランスジェニック植物(またはキメラ遺伝子を保持する、交雑もしくは自家生殖等に由来するその派生体)を生育する工程と、さらなる使用のために葉、果実、種子等、植物の全体または部分を収穫する工程とをさらに含むことができる。
本明細書に提供されるプロモーター配列は、高い活性およびトリコーム特異的、好ましくは、腺トリコーム特異的発現を提示する。前に報告されたトリコーム特異的プロモーターとは対照的に、本明細書に提供されるプロモーター配列は、高度にトリコーム特異的であり、それが駆動する遺伝子の高発現をもたらす。その上、本明細書において、野生種トマト由来のプロモーター配列が、栽培種トマトおよび他のトリコーム保有植物種のトリコームにおいて活性を有することが示される。
最後に、トリコーム、好ましくは、腺トリコームにおけるzFPSおよびZISの高発現と、同様に、トリコームにおける7-エピジンギベレン(epizingiberene)またはテルペノイドの高レベルの蓄積を示す植物、植物細胞または植物器官を用意するための、それらそれぞれのコード配列と組み合わせた、ShzFPSおよびShZISのプロモーターの配列または核酸配列の断片の使用および適用が提供される。
pTPS9:GUSで形質転換されたソラナム・リコペルシカム(Solanum lycopersicum)植物のトリコーム特異的GUS染色を示す図である。本図は、TPS9プロモーターが、S.リコペルシカムのトリコームにおいて特異的に活性を有したことを示す。 pzFPS:GUSで形質転換されたソラナム・リコペルシカム植物のトリコーム特異的GUS染色を示す図である。本図は、zFPSプロモーターが、S.リコペルシカムのトリコームにおいて特異的に活性を有したことを示す。 GUSのトリコーム特異的発現を示す図である。2組の独立的プライマーセットを用いてQ-PCRを行って、ShTPS9プロモーター(配列番号4)により駆動されるGUSで形質転換した3体の独立的トランスジェニック植物のトリコームにおけるGUSの発現を決定した。内在性トリコーム特異的トマト遺伝子MKS1の発現を100%に設定した。明らかに、ShTPS9プロモーターの活性は、SlMKS1プロモーターの活性をはるかに超えた(10〜100倍)。 GUSのトリコーム特異的発現を示す図である。2組の独立的プライマーセットを用いてQ-PCRを行って、zFPSプロモーター(配列番号1)により駆動されるGUSで形質転換した2体の独立的トランスジェニック植物のトリコームにおけるGUSの発現を決定した。内在性トリコーム特異的ソラナム・リコペルシカム遺伝子MKS1の発現を100%に設定した。明らかに、ShzFPSプロモーターの活性は、SlMKS1プロモーターの活性をはるかに超えた(8〜65倍)。
一般定義
「トリコーム」は、本明細書において、様々な型のトリコーム、腺トリコームおよび/または非腺トリコームの両方を包含する。
「トリコーム細胞」は、腺または分泌細胞、基底(base)細胞および柄(stalk)または有柄(stipe)細胞、細胞外腔ならびにクチクラ(cuticle)細胞等、トリコーム構造を構成する細胞を指す。トリコームは、単一細胞からなることもできる。
「分子農業」は、本明細書において、トリコームにおいて1種または複数のキメラ遺伝子を発現するトランスジェニック植物のトリコームからの有用な化合物の産生および/または回収を指し、これにより、例えば、二次代謝物、医薬品化合物、芳香剤または香味剤がトリコームにおいて産生される。
用語「核酸配列」(または核酸分子)は、一本または二本鎖型のDNAまたはRNA分子、特に、本発明によるプロモーター活性を有するDNAまたはタンパク質もしくはタンパク質断片をコードするDNAを指す。「単離された核酸配列」は、もはやそれがかつて単離された自然環境にない核酸配列、例えば、細菌宿主細胞または植物核もしくは色素体ゲノムにおける核酸配列を指す。
用語「タンパク質」または「ポリペプチド」は、互換的に用いられ、特異的な作用機序、サイズ、3次元構造または起源に関係なく、アミノ酸の鎖からなる分子を指す。したがって、タンパク質の「断片」または「一部」も、依然として「タンパク質」と称され得る。「単離されたタンパク質」は、もはやその自然環境にない、例えば、in vitroにまたは組換え細菌もしくは植物宿主細胞におけるタンパク質を指すよう用いられる。
用語「遺伝子」は、適した転写調節領域(例えば、プロモーター)に作動可能に連結された、細胞においてRNA分子(例えば、mRNA)に転写される領域(転写領域)を含むDNA配列を意味する。したがって、遺伝子は、プロモーター、例えば翻訳開始に関与する配列を含む5'非翻訳リーダー配列(5'UTRとも称され、翻訳開始コドン上流の転写されるmRNA配列に相当する)、(タンパク質)コード領域(cDNAまたはゲノムDNA)、ならびに例えば転写終止部位およびポリアデニル化部位(例えば、AAUAAAまたはそのバリアント等)を含む3'非翻訳配列(3'非翻訳領域または3'UTRとも称される)等、いくつかの作動可能に連結された配列を含むことができる。
「キメラ遺伝子」(または組換え遺伝子)は、ある種において通常天然には見出されないいずれかの遺伝子、特に、天然において互いに関連しない核酸配列の1個または複数の部分が存在する遺伝子を指す。例えば、プロモーターは、転写領域の部分もしくは全体または別の調節領域と天然において関連しない。用語「キメラ遺伝子」は、プロモーターまたは転写調節配列が、1種もしくは複数のセンス配列(例えば、コード配列)またはアンチセンス(センス鎖の逆向きの相補体)もしくは逆方向反復配列(転写されるとRNA転写物が二本鎖RNAを形成する、センスおよびアンチセンス)に作動可能に連結された発現構築物を含むと理解される。
「3'UTR」または「3'非翻訳配列」(多くの場合、3'非翻訳領域または3'端とも称される)は、例えば、転写終止部位および(全てではないが大部分の真核生物mRNAにおいて)ポリアデニル化シグナル(例えば、AAUAAAまたはそのバリアント等)を含む、遺伝子のコード配列の下流に見出される核酸配列を指す。転写終止後に、mRNA転写物をポリアデニル化シグナルの下流で開裂し、ポリ(A)テイルを付加することができ、これは細胞質(翻訳が行われる)へのmRNAの輸送に関与する。
「遺伝子の発現」は、適切な調節領域、特にプロモーターに作動可能に連結されたDNA領域が、生物学的活性を有する、即ち、生物学的活性タンパク質またはペプチド(または活性ペプチド断片)に翻訳され得る、あるいはそれ自体が活性を有する(例えば、転写後遺伝子サイレンシングまたはRNAiまたはmiRNAによるサイレンシングにおいて)RNAに転写されるプロセスを指す。活性タンパク質は、ある特定の実施形態において、存在するリプレッサードメインによるドミナントネガティブ機能を有するタンパク質を指す。コード配列は、好ましくは、センス配向性であり、所望の生物学的活性タンパク質またはペプチドまたは活性ペプチド断片をコードする。遺伝子サイレンシングアプローチにおいて、DNA配列は、好ましくは、アンチセンスまたはセンスおよびアンチセンス配向性における標的遺伝子の短い配列を含む、アンチセンスDNAまたは逆方向反復DNAの形態で存在する。遺伝子発現の下方調節は、ステムループRNA前駆体(プレmiRNA)からプロセシングされた内在性21〜24ヌクレオチド小分子RNAである、マイクロRNA(miRNA)の作用により行うこともできる。RNA誘導サイレンシング複合体(RISC)に組み入れられると、miRNAは、mRNA開裂または翻訳抑圧により遺伝子発現を下方調節する。
「異所性発現」は、その遺伝子が正常には発現されない組織における発現を指す。
「転写調節配列」は、本明細書において、斯かる転写調節配列に作動可能に連結された核酸配列の転写速度を調節することができる核酸配列として定義される。したがって、本明細書に定義されている転写調節配列は、例えば、アテニュエータまたはエンハンサー、さらにはサイレンサーも含む、転写開始(プロモーターエレメント)、維持および転写調節に必要な配列エレメントの全てを含むであろう。大部分はコード配列の上流(5')転写調節配列が言及されるが、コード配列の下流(3')に見出される調節配列もこの定義に包含される。
本明細書において、用語「プロモーター」は、1種または複数の遺伝子の転写を制御するよう機能し、遺伝子転写開始部位の転写方向に対して上流(5')に位置し(転写開始は配列のポジション+1と称され、それと比べていずれの上流ヌクレオチドも負の数を用いて参照される)、転写因子結合部位、リプレッサーおよびアクチベータータンパク質結合部位ならびに直接的または間接的に作用してプロモーターからの転写量を調節することが当業者に公知の他のいずれかのヌクレオチド配列等が挙げられるがこれらに限定されない、DNA依存性RNAポリメラーゼの結合部位、転写開始部位および他のいずれかのDNAドメイン(シス作用性配列)の存在により構造的に同定される核酸断片を指す。転写開始(+1)上流の真核生物シス作用性配列の例として、TATAボックス(通常、転写開始のおよそポジション-20〜-30に存在)、CAATボックス(通常、転写開始に対しておよそポジション-75に存在)、5'エンハンサーまたはサイレンサーエレメント等が挙げられる。
「構成的」プロモーター(CaMV 35Sプロモーター等)は、大部分の生理および/または発生条件下の基本的にあらゆる組織および器官において活性を有するプロモーターである。より好ましくは、構成的プロモーターは、少なくとも葉、茎、根、種子、果実および花等、あらゆる主要器官において基本的にあらゆる生理および発生条件下で活性を有する。最も好ましくは、このプロモーターは、大部分の(好ましくはあらゆる)生理および発生条件下のあらゆる器官において活性を有する。
しかし、組織特異的または組織優先的プロモーター(本発明によるプロモーター等)は、「構成的に活性を有する」と称することもできる。したがって、このプロモーターは、特異的組織のみまたは主に特異的組織における活性ではあるが、大部分の発生および/または生理条件下で活性を有する。したがって、植物または植物細胞における「構成的活性を有するプロモーター」または「構成的」なプロモーターは、大部分の生理および発生条件下の植物または特異的組織における植物細胞における転写を付与する核酸配列を指す。
「誘導性」プロモーターは、生理的(例えば、ある特定の化合物の外部適用により)または発生的に調節されたプロモーターである。
「組織特異的」プロモーターは、トリコーム細胞等、特異的な型の組織または細胞においてのみ活性を有する。したがって、このプロモーター活性は、プロモーターが、該プロモーターの下流(3')に作動可能に連結された核酸配列の転写を付与する状況を言及することにより説明することができる。
「組織優先的」プロモーターは、排他的にではなく優先的に、例えば、トリコーム細胞および表皮細胞等、ある特定の組織または細胞において活性を有する。
「1種または複数の生物的および/または非生物的ストレスに対し非感受性」な、またはその活性が「1種または複数の生物的および/または非生物的ストレス条件に曝露されたときに低下しない」プロモーターは、正常な生理および発生条件下でプロモーター活性を有し、これにより、生物的および/または非生物的ストレスが、該プロモーターを含む生物(例えば、植物)または細胞または組織または器官に影響しても、活性が量的に低下しないまたは少なくとも有意には低下しない核酸配列を指す。
「ストレス」は、植物の収量損失および/または品質損失を生じ得るが、植物にとって致死的ではない、植物または植物細胞に作用する物理的、化学的または生物学的起源の条件または圧力を指す。「非ストレス条件」は、本明細書において、生理および発生が正常または最適になる条件を指す。「生物的ストレス」は、真菌、ウイルス、マイコプラズマ様生物、昆虫、節足動物、細菌、線形動物等(即ち、特に、植物有害生物および病原体)等、生物的(生きた)因子(agent)に起因するストレスを指す。「非生物的ストレス」は、温度ストレス(低温/凍結、熱)、塩分(塩)、風、金属、日長(光周期)、水ストレス(少なすぎるまたは多すぎる水利用能、即ち、乾燥、脱水、浸水等)等、非生物的(生きていない)因子に起因するストレスを指す。
本明細書において、用語「作動可能に連結される」は、機能的な関係性におけるポリヌクレオチドエレメントの連結を指す。核酸は、別の核酸配列と機能的な関係性に置かれるのであれば、「作動可能に連結される」。例えば、プロモーターまたは転写調節配列は、コード配列の転写に影響を及ぼすのであれば、コード配列に作動可能に連結される。作動可能に連結されるは、連結されているDNA配列同士が、典型的に近接しており、2個のタンパク質コード領域を連接することが必要な場合、「キメラタンパク質」を産生できるように、近接して読み枠にあることを意味する。「キメラタンパク質」または「ハイブリッドタンパク質」は、天然にそのようには見出されないが、連接されて、連接されたドメイン(例えば、DNA結合ドメイン、ドミナントネガティブ機能をもたらすまたは機能ドメインの抑圧)の機能性を呈する機能タンパク質を形成した、様々なタンパク質「ドメイン」(またはモチーフ)で構成されたタンパク質である。キメラタンパク質は、2種以上の天然起源のタンパク質の融合タンパク質となることもできる。用語「ドメイン」は、本明細書において、ドメインの少なくとも機能的特徴を有する新たなハイブリッドタンパク質を提供するために別のタンパク質に移すことができる、特異的構造または機能を有するタンパク質のいずれかの部分またはドメインを意味する。
用語「標的ペプチド」は、色素体、好ましくは、葉緑体、ミトコンドリア等、細胞内小器官にまたは細胞外空間(分泌シグナルペプチド)にタンパク質を標的化させるアミノ酸配列を指す。標的ペプチドをコードする核酸配列は、タンパク質のアミノ末端(N末端)をコードする核酸配列に融合(インフレーム)することができる。例えば、トリコーム細胞の標的ペプチドは、トリコーム細胞の白色体(leucoplast)、葉緑体、ミトコンドリア、核、ペルオキシソーム、小胞体、色素体、細胞外腔または液胞を標的とするペプチドを含む。
「核酸構築物」または「ベクター」は、本明細書において、組換えDNA技術の使用によって生じる人造の核酸分子を意味することが理解されており、これは、宿主細胞への外来性DNAの送達に使用される。ベクター骨格は、例えば、本技術分野において公知であり、本明細書の他の箇所に記載されている通り、バイナリーもしくはスーパーバイナリー(superbinary)ベクター(例えば、US5,591,616、US2002138879およびWO95/06722を参照)、共組み込みベクターまたはT-DNAベクターとなることができ、その中にキメラ遺伝子が組み込まれる、あるいは、適した転写調節配列/プロモーターが既に存在する場合、所望の核酸配列(例えば、コード配列、アンチセンスまたは逆方向反復配列)のみが、転写調節配列/プロモーターの下流に組み込まれる。ベクターは通常、例えば、選択可能マーカー、多重クローニング部位その他(後述を参照)等、分子クローニングにおけるその使用を容易にするためのさらに別の遺伝的エレメントを含む。
「宿主細胞」または「組換え宿主細胞」または「形質転換細胞」は、前記細胞への、特に、所望のタンパク質をコードするキメラ遺伝子または転写されると標的遺伝子/遺伝子ファミリーをサイレンシングするためのアンチセンスRNAもしくは逆方向反復RNA(またはヘアピンRNA)を生じる核酸配列を含む少なくとも1種の核酸分子の導入の結果生じる、新たな個々の細胞(または生物)を指す用語である。宿主細胞は、好ましくは、植物細胞であるが、細菌細胞、真菌細胞(酵母細胞を含む)等となることもできる。宿主細胞は、染色体外で(エピソームで)複製する分子として核酸構築物を含有することができる、あるいは、より好ましくは、宿主細胞の核または色素体ゲノムに組み込まれたキメラ遺伝子を含む。
用語「選択可能マーカー」は、当業者に馴染みのある用語であり、本明細書において、発現されると、細胞または該選択可能マーカーを含有する細胞の選択に用いることができるいずれかの遺伝的実体を説明するよう用いられている。選択可能マーカー遺伝子産物は、例えば、抗生物質抵抗性またはより好ましくは、除草剤抵抗性または表現型形質(例えば、色素沈着の変化)もしくは栄養要求性等の別の選択可能な形質を付与する。用語「レポーター」は、主に、緑色蛍光タンパク質(GFP)、eGFP、ルシフェラーゼ、GUSその他等、可視マーカーと共にnptIIマーカーその他を指すよう用いられる。
遺伝子またはタンパク質の用語「オルソログ」は、本明細書において、該遺伝子またはタンパク質と同じ機能を有するが、該遺伝子を保持する種が分岐した時点より配列が(通常)分岐した、別の種に見出される相同遺伝子またはタンパク質を指す(即ち、種分化により共通祖先から進化した遺伝子)。したがって、ある1植物種由来の遺伝子のオルソログは、配列比較(例えば、配列全体または特異的ドメインにわたるパーセンテージ配列同一性に基づく)および機能解析の両方に基づき他の植物種において同定することができる。
用語「相同」および「異種」は、特に、トランスジェニック生物の状況における核酸またはアミノ酸配列およびその宿主細胞または生物間の関係性を指す。したがって、相同配列は、宿主種において天然に見出される(例えば、トマト遺伝子で形質転換したトマト植物)が、一方異種配列は、宿主細胞において天然には見出されない(例えば、ジャガイモ植物由来の配列で形質転換したトマト植物)。状況に応じて、用語「ホモログ」または「相同」は、あるいは、共通祖先配列の子孫である配列を指すことができる(例えば、オルソログとなり得る)。
「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」は、所定のヌクレオチド配列と実質的に同一のヌクレオチド配列の同定に用いることができる。ハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーは、配列依存性であり、異なる状況において異なるであろう。一般に、ストリンジェントな条件は、定義されたイオン強度およびpHにおいて、特異的配列の熱融点(Tm)よりも約5℃低くなるよう選択される。Tmは、標的配列の50%が、完全にマッチしたプローブにハイブリダイズする温度(定義されたイオン強度およびpH下で)である。典型的には、pH7において塩(NaCl)濃度が約0.02モル濃度で、温度が少なくとも60℃のストリンジェントな条件が選ばれるであろう。塩濃度の低下および/または温度の増加は、ストリンジェンシーを増加させる。RNA-DNAハイブリダイゼーション(例えば100ntのプローブを用いたノーザンブロット)のためのストリンジェントな条件は、例えば、0.2×SSCにおける63℃20分間の少なくとも1回の洗浄を含む条件または等価条件である。DNA-DNAハイブリダイゼーション(例えば100ntのプローブを用いたサザンブロット)のためのストリンジェントな条件は、例えば、0.2×SSCにおける少なくとも50℃、通常約55℃の温度で20分間の少なくとも1回の洗浄(通常2回)を含む条件または等価条件である。Sambrookら(1989)ならびにSambrookおよびRussell(2001)も参照されたい。
「高ストリンジェンシー」条件は、例えば、6×SSC(20×SSCは、3.0M NaCl、0.3M Na-クエン酸、pH7.0を含有する)、5×デンハルト液(100×デンハルト液は、2%フィコール、2%ポリビニルピロリドン(Polyvinyl pyrollidone)、2%ウシ血清アルブミンを含有する)、0.5%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)および非特異的競合者として20μg/ml変性担体DNA(一本鎖の魚精子DNA、平均長120〜3000ヌクレオチド)を含有する水溶液における65℃のハイブリダイゼーションによりもたらすことができる。ハイブリダイゼーション後に、高ストリンジェンシー洗浄を数回の工程において行うことができ、最終洗浄(約30分間)は、ハイブリダイゼーション温度で0.2〜0.1×SSC、0.1%SDSにおいて行う。
「中等度ストリンジェンシー」は、上述の溶液における、但し約60〜62℃のハイブリダイゼーションに等しい条件を指す。この場合、最終洗浄は、ハイブリダイゼーション温度で1×SSC、0.1%SDSにおいて行われる。
「低ストリンジェンシー」は、上述の溶液における約50〜52℃のハイブリダイゼーションに等しい条件を指す。この場合、最終洗浄は、ハイブリダイゼーション温度で2×SSC、0.1%SDSにおいて行われる。Sambrookら(1989)ならびにSambrookおよびRussell(2001)も参照されたい。
「配列同一性」および「配列類似性」は、2種の配列の長さに応じて、グローバルまたはローカルアライメントアルゴリズムを用いた2種のペプチドまたは2種のヌクレオチド配列のアライメントにより決定することができる。類似の長さの配列は、好ましくは、全長にわたり配列を最適に整列するグローバルアライメントアルゴリズム(例えば、Needleman Wunsch)を用いて整列されるが、一方、実質的に異なる長さの配列は、好ましくは、ローカルアライメントアルゴリズム(例えば、Smith Waterman)を用いて整列される。続いて、配列は、(例えば、プログラムGAPまたはBESTFITによりデフォルトパラメータを用いて最適に整列されたときに)少なくともある一定の最小パーセンテージの配列同一性(下に定義)を共有する場合、「実質的に同一」または「基本的に類似」と称され得る。GAPは、NeedlemanおよびWunschのグローバルアライメントアルゴリズムを用いて、2種の配列をその全長(完全長)にわたり整列し、マッチの数を最大化し、ギャップの数を最小化する。2種の配列が類似の長さを有する場合、グローバルアライメントを適宜用いて、配列同一性を決定する。一般に、GAPデフォルトパラメータが用いられ、ギャップクリエーションペナルティ=50(ヌクレオチド)/8(タンパク質)およびギャップエクステンションペナルティ=3(ヌクレオチド)/2(タンパク質)である。ヌクレオチドに関して、用いるデフォルトスコア化マトリクスはnwsgapdnaであり、タンパク質に関して、デフォルトスコア化マトリクスはBlosum62(Henikoff&Henikoff、1992、PNAS 89、915〜919)である。パーセンテージ配列同一性のための配列アライメントおよびスコアは、Accelrys Inc.社、9685 Scranton Road、San Diego、CA 92121-3752 USAから入手できるGCG Wisconsin Package、バージョン10.3等、コンピュータプログラムを用いて、あるいは、上述のGAPと同じパラメータまたはデフォルト設定(「needle」および「water」の両方ならびにタンパク質およびDNAアライメントの両方に関して、デフォルトギャップオープニングペナルティは10.0で、デフォルトギャップエクステンションペナルティは0.5である;デフォルトスコア化マトリクスはタンパク質についてBlossum62であり、DNAについてDNAFullである)を用いたEmbossWINバージョン2.10.0におけるプログラム「needle」(グローバルNeedleman Wunschアルゴリズムを使用)または「water」(ローカルSmith Watermanアルゴリズムを使用)等、オープンソースソフトウェアを用いて決定することができる。配列が、実質的に異なる全体的な長さを有する場合、Smith Watermanアルゴリズムの使用等、ローカルアライメントが好ましい。あるいは、パーセンテージ類似性または同一性は、FASTA、BLAST等のアルゴリズムを用いて公開データベースに対して検索することにより決定することができる。
遺伝子名に先行する略語「Sh」は、この遺伝子が、ソラナム・ハブロカイテス(Solanum habrochaites)に由来することを示す一方、遺伝子名に先行する略語「Sl」は、この遺伝子が、ソラナム・リコペルシカムに由来することを表示する。略語「FPS」は、ファルネシルピロリン酸合成酵素を指し、略語「ZIS」は、ジンギベレン(zingiberene)合成酵素を指し、略語「TPS9」は、ゲルマクレン合成酵素であるテルペン合成酵素9を指す。略語「zFPS」は、Z,Z-ファルネシルピロリン酸合成酵素(「Z,Z-ファルネシル二リン酸合成酵素」とも称される)を指す。
本文書およびその特許請求の範囲において、動詞「を含む(to comprise)」およびその活用は、この単語に続く項目が包含されるが、特に言及されていない項目が除外されないことを意味するよう、その非限定な意義で用いられる。加えて、文脈が唯一の要素の存在を明らかに要求しない限り、不定冠詞「a」または「an」による要素の言及は、2個以上の要素が存在する可能性を除外しない。したがって、不定冠詞「a」または「an」は通常、「少なくとも1個」を意味する。本明細書において「配列」を言及する場合、一般に、サブユニット(例えば、アミノ酸)のある特定の配列を有する実際の物理的な分子が言及されることがさらに理解される。
本発明による「植物(単数または複数)」(または複数の植物)が言及される場合は常に、他に断りがなければ、本明細書において、植物部分(細胞、組織または器官、種子、切断または収穫された部分、葉、実生、花、花粉、果実、茎、根、カルス、プロトプラスト等)、自家生殖または交雑により得られる種子等、親の区別できる特徴(例えば、導入遺伝子の存在)を保持する植物の後代またはクローン増殖、例えば、雑種種子(2種の純系親系統を交雑することにより得られる)、雑種植物およびそれに由来する植物部分が同様に包含されることが理解される。
詳細な説明
CaMV 35Sプロモーター(単一35Sプロモーター、Franckら、1980、Cell 21、285〜294により記載)等、構成的プロモーターは、特異的組織レベルで、例えば、師部またはトリコームにおいて、あるいは特異的条件下、例えば、ストレス誘導性条件下のみにおいて調節される必要がある遺伝子の発現に有用と考慮されない。
本発明において、トリコームにおいて構成的に高いが組織特異的な活性を提示し、必要に応じて、1種または複数の生物的および/または非生物的ストレスに対し基本的に非感受性である、数種類の植物プロモーターが提供される。斯かるプロモーターは、トランスジェニック植物における核酸配列の制御された発現に望まれる。
一実施形態において、本発明は、栽培種トマト(ソラナム・リコペルシカム)、他のナス科(Solanaceae)ならびに他の植物の科および種等、宿主植物における高いトリコーム特異的、好ましくは腺トリコーム特異的発現を付与する、トマト遺伝子(トマトテルペン合成酵素ならびにそのオルソログおよびホモログ)のプロモーター領域を提供する。
核酸配列、キメラ遺伝子およびベクター
一実施形態において、葉、茎および花器官に見出されるトリコーム等、植物トリコームにおける強力な高い、好ましくは構成的な転写トリコーム特異的活性を示す、植物細胞においてプロモーター活性を有する単離された核酸配列(好ましくは、ゲノムまたは合成DNA配列)が提供される。好ましくは、プロモーターは、1種または複数の腺トリコーム(I、IV、VIおよび/またはVII型)において活性を有する。
好ましくは、トランスジェニック植物または植物組織もしくは器官が、1種または複数の非生物的および/または生物的ストレスに曝されても、本発明による核酸配列のプロモーター活性は、低下しない、あるいは少なくとも有意には低下しない。この点における有意な低下とは、非ストレス条件下の同じ組織または器官における活性と比較した、プロモーター活性の1%以上(例えば、2%、3%、5%、10%等、最大100%)の統計的に有意な(定量的)低下を指す。したがって、好ましくは、プロモーターは、1種または複数のストレス条件下において依然として強力かつ構成的(トリコーム細胞において)である。
一実施形態において、配列番号4、配列番号3、配列番号1もしくは配列番号2またはこれらと基本的に類似のヌクレオチド配列(「バリアント」と称される、後述する定義を参照)、あるいは配列番号4、3、1もしくは2またはこれらのバリアントの少なくとも200、300、400、500、600、800、900、1000、1200、1500、2000、2400以上の連続したヌクレオチドの断片等、1種または複数のトリコーム型および/またはトリコーム細胞においてプロモーター活性を有する配列のうちいずれかの活性(機能)断片を含むまたはこれからなる、トリコーム特異的プロモーターが提供される。
「活性断片」または「機能的断片」または「プロモーター活性を有する断片」は、1種または複数の異なる型の植物組織および器官(例えば、茎、葉、花蕾または花部)に見出される1種もしくは複数のトリコーム型および/または1種もしくは複数のトリコーム細胞における転写を付与することができる核酸断片を指す。好ましくは、活性断片は、トリコーム特異的および/または少なくともトリコーム優先的発現を付与し、好ましくは、配列番号4、3、1または2のプロモーターと少なくとも類似の強度(またはより高い強度)を有する。これは、好ましくは、レポーター遺伝子に作動可能に連結された斯かる断片で植物を形質転換し、トリコームにおけるプロモーター活性を定性的に(時空間転写)および/または好ましくは定量的にアッセイすることにより、後述する通り検査することができる。明らかに、DNA断片は、多数の仕方で、例えば、de novo DNA合成または制限酵素または末端ヌクレアーゼ等を用いて作製することができる。例えば、様々なサイズの5'欠失を含む断片が作製される欠失解析を用いて、より強いおよび/またはより特異的な転写活性を生じることができる。
一実施形態において、プロモーターおよび/またはプロモーター断片の強度は、腺トリコームにおいて測定した場合、35Sプロモーターの強度と定量的に基本的に同一である、あるいはこれよりも高い。好ましくは、プロモーターおよび/またはプロモーター断片の強度は、腺トリコームにおいて測定した場合、ソラナム・リコペルシカムメチルケトン合成酵素1(MKS1)プロモーター(MKS1のプロモーター;Sol Genomics NetworkエントリーSolyc01g108780.2)の強度と定量的にまた基本的に同一である、あるいはこれよりも高い。
配列番号4、3、1もしくは2、そのバリアントまたはこれらのいずれかの機能的断片を含むまたはこれからなるプロモーターは、好ましくは、該プロモーターを含む植物または植物細胞、組織もしくは器官が曝露され得る少なくとも1種の(但し、好ましくはそれ以上、最も好ましくはいずれかの)生物的および/または非生物的ストレスに対し非感受性である(後述を参照)。したがって、活性は、1種または複数のストレス条件への曝露の際に、トリコームにおいて依然として構成的かつ強い。
上述のトリコーム特異的プロモーターの「バリアント」および斯かるバリアントの機能的断片も提供される。これらのバリアントは、配列番号4および/または配列番号3および/または配列番号1および/または配列番号2(ならびに上述の通り、これらのバリアント配列の機能的断片)と基本的に類似であり、プロモーター活性を有する、即ち、植物トリコームにおいて(好ましくは構成的な、より好ましくは、構成的に高い)転写をもたらすことができる核酸配列を含む。配列番号4および/または3および/または1および/または配列番号2と「基本的に類似の」配列は、NeedlemanおよびWunschまたはSmith Watermanペアワイズアライメント(例えば、Embosswinにおける、例えば、バージョン2.10.0の、デフォルトギャップ作成およびギャップエクステンションペナルティによるプログラム「needle」または「water」)を用いると、配列番号4および/または配列番号3および/または配列番号1および/または配列番号2に対し少なくとも約50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98、99%以上の核酸配列同一性を含む核酸配列であり、その活性はトリコーム特異的である。好ましい実施形態において、バリアント(および機能的断片)の活性は、トリコームにおいて強い、即ち、配列番号4、3、2または1によりもたらされる活性と定量的に少なくとも同じほど強い(またはそれよりも強い)。また、細胞型特異性は、配列番号4、3、2もしくは1の特異性と少なくとも同じ程度であるまたはより特異的である。さらなる実施形態において、これらのバリアント(およびその機能的断片)の活性は、1種または複数の生物的および/または非生物的ストレスに対し非感受性である。
核酸ハイブリダイゼーション、PCR技術、in silico解析および核酸合成その他等、多くの方法を用いて、本明細書に提供されている核酸配列のバリアントまたは機能的断片を同定、合成または単離できることが明らかである。例えば、核酸ハイブリダイゼーションを用いて、ストリンジェントなまたは中等度にストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で配列番号4、3、1もしくは2またはこれらの断片にハイブリダイズする、他の植物種または変種におけるDNA配列を同定することができる。
あるいは、BLAST、FASTA等、公知のアルゴリズムを用いて、バリアント配列に対し配列データベースをin silicoでスクリーニングすることができる。このようにして、他の植物種または他のトマト変種からバリアント配列を単離することが実行可能となる。本明細書において、他のトマト変種または他の植物種、特に、後述するソラナム属の種に見出される同じ遺伝子(ShzFPS、ShZISおよびShTPS9)の他の対立遺伝子のプロモーターが特に含まれる。例えば、1もしくは複数の植物種、1もしくは複数の変種またはある1種もしくは1変種の異なる組織から、cDNAライブラリーを構築することができる。モノテルペン合成酵素1またはセスキテルペン合成酵素1 cDNAに対し、cDNAライブラリーをスクリーニングすることができる(例えば、配列番号4、3、1、2またはこれらの断片もしくはバリアントに由来するプローブまたはプライマーを用いる)。同様に、ディファレンシャルディスプレイ方法(cDNA-AFLP等)を用いて、斯かる転写物を同定することができる。TAIL-PCR(Liuら、1995、Genomics 25(3):674〜81;Liuら、2005、Methods Mol Biol.286:341〜8)、リンカー-PCRまたはインバースPCR(IPCR)等の方法を用いて、遺伝子の上流転写調節領域を単離することができる。
同じ遺伝子のバリアント、即ち、それぞれファルネシル二リン酸合成酵素(ShzFPS)、ジンギベレン合成酵素(ShZIS)およびゲルマクレン合成酵素(ShTPS9)をコードする遺伝子のオルソログおよび/またはホモログは、例えば、GenBank受託番号FJ194969(S.ハブロカイテスzFPS cDNAおよびタンパク質;Sallaudら、2009 - Plant Cell)、JN990661(S.ハブロカイテスZIS;Gonzalezs-Vigilら、2012 - Plant Journal cDNAおよびタンパク質)およびJN402388(S.ハブロカイテスTPS9 cDNA;Bleekerら、2011 - Plant Mol. Biol.77(4〜5):323〜336)のヌクレオチド配列またはアミノ酸配列に対し少なくとも50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、96、97、98、99%以上の核酸またはアミノ酸配列同一性を含む核酸配列(DNAまたはRNA)またはアミノ酸配列を含む。好ましくは、配列同一性は、NeedlemanおよびWunschまたはSmith Watermanペアワイズアライメント(例えば、Embosswinにおける、例えば、バージョン2.10.0の、デフォルトギャップ作成およびギャップエクステンションペナルティによる、プログラム「needle」または「water」)を用いたペアワイズアライメントにより決定される。これらのバリアントのプロモーターは、好ましくは、その活性が同様にトリコーム特異的である。cDNA-AFLP、他のPCRに基づく方法またはノーザンハイブリダイゼーション等の方法を用いて、斯かる遺伝子を単離または同定することができる。そのプロモーターは、公知の方法を用いてクローニングすることができる。好ましい実施形態において、プロモーターは、ソラナム属(再分類されたリコペルシコン属(Lycopersicon)の種を含む)、ニコチアナ属(Nicotiana)、カプシクム属(Capsicum)、ペチュニア属(Petunia)、コフィア属(Coffea)等の種等、ナス科に属する植物由来のShzFPS、ShZISまたはShTPS9 遺伝子から得られる。特に、野生種由来のオルソログが望ましい。
核酸配列(または断片もしくはバリアント)が、構成的プロモーター活性を有するか、即ち、トリコームにおいて特異的に転写を付与することができるか、活性が、「強い」か、核酸配列の活性が、トランスジェニック細胞、組織、器官または生物(特に、植物または植物細胞)が曝露され得る少なくとも1種の(但し、好ましくはそれ以上、最も好ましくは任意の)生物的および/または非生物的ストレスに対し非感受性であるか否かは、様々な方法を用いて決定することができる。一般に、定性的方法および定量的方法を区別することができる。定性的方法(組織学的GUS染色等)は、プロモーターの時空間活性(ある特定の組織もしくは器官においてまたはある特定の環境/発生条件下で活性があるまたはないプロモーター)を決定するために用いられるが、定量的方法(蛍光定量的GUSアッセイ等)は、対照と比較して活性のレベルも定量化する。適した対照は、例えば、空ベクターで形質転換した(陰性対照)、またはN.タバカム(N. tabacum)もしくは非トランスジェニックシロイヌナズナ植物の表皮およびトリコームにおいて活性を有するシロイヌナズナCER6プロモーター(Hookerら、2002、Plant Phys 129、1568)等、他のプロモーターを含む構築物で形質転換した植物である。
相対的または絶対的な活性を検査し必要に応じて定量化するために、配列番号4、3、1もしくは2またはこれらのバリアントあるいはこれらのいずれかの断片等、クローニングされたまたは合成核酸分子を、公知の核酸配列(例えば、gusA等、レポーター遺伝子または特異的タンパク質をコードするいずれかの遺伝子)に作動可能に連結し、これを用いて植物細胞を公知の方法により形質転換し、それから植物体を再生することができる。
プロモーターの活性は、例えば、特にトリコーム細胞における、下流の核酸配列のRNA転写物のレベルを検出することにより、アッセイ(および必要に応じて定量化)することができる。これは、例えば、定量的RT-PCRまたは他のPCRに基づく方法その他等、定量的方法を用いて行うことができる。あるいは、レポータータンパク質またはレポータータンパク質の活性をアッセイおよび定量化することができる。例えば、レポーター遺伝子が、gus遺伝子である場合、実施例に記載されている通り、蛍光定量的GUSアッセイを用いることができる。このようにして、正常生理(非ストレス)条件下で維持されている形質転換された植物または植物細胞の定量的プロモーター活性レベルは、1種または複数の生物的または非生物的ストレスに曝露されている植物または植物細胞のレベルと比較することができる。また、トリコーム細胞における相対的または絶対的活性レベルは、35Sプロモーター、二重35Sプロモーター等、構成的対照プロモーターまたはMKS1プロモーター、CYP71D16プロモーターもしくはOASA1プロモーター等、トリコームにおいて活性を有する他のプロモーターと比較することができる。好ましくは、統計的方法を用いて平均プロモーター活性レベルが決定および比較されることが理解される。
したがって、活性が、ある特定の時点のトリコーム細胞において見出されるか否か(時空間活性)は、例えば、植物または植物細胞をプロモーター-レポーター遺伝子構築物で形質転換し、様々な発生ステージにおけるトリコームをRNA転写物またはレポータータンパク質(またはその活性)に関して解析することにより検査することができる。単純な一検査は、例えば、組織化学的GUS染色を用いる、この検査では、トリコームにおけるおよびトリコームの様々な発生ステージにおける活性が青色の目視評価によって示される。
既に言及した通り、プロモーター活性が、特に、配列が導入された宿主種または変種におけるトリコーム細胞において構成的で、好ましくは、同様に強いことが好ましい。構成的活性は、プロモーターに作動可能に連結されたいずれかの核酸配列の転写物が、好ましくは、大部分の(正常、非ストレス)生理および発生条件下のトリコーム細胞において産生されることを意味する。一実施形態において、本発明によるプロモーターは、好ましくは、表皮細胞において活性を持たない。好ましくは、プロモーターは、茎、花および/または(若い)葉に見出されるあらゆる腺トリコームにおいて活性を有する。
好ましくは、本発明によるプロモーターは、後述等、双子葉種および単子葉種両方のあらゆる植物種(例えば、トマト、タバコ、ブラシカ属(Brassica)、メロンおよびレタスその他)のトリコームにおける強い構成的活性をもたらす。
下流(3')に連結された核酸配列の発現を駆動するその能力の観点における、本発明によるプロモーター(断片またはバリアントを含む)の強度(定量的活性)は、様々な公知の方法を用いて定量的に決定することができる。例えば、転写された転写物(mRNA)の量は、ノーザンブロッティングまたは定量的RT-PCRまたは次世代配列決定を用いて定量化することができる。好ましくは、プロモーター強度は、正常(非ストレス)条件下でCaMV 35S(Franckら、上記参照)のトリコームにおける活性と少なくとも基本的に等しい。したがって、「強い」は、プロモーター強度が、好ましくは、少なくともほぼ同一であるが、より好ましくは、正常非ストレス条件下でトリコームにおける35Sプロモーターの強度よりも強いことを意味する。最も好ましくは、トリコームにおける平均定量的プロモーター活性は、CaMV 35Sプロモーターの活性と少なくとも等しい、あるいは、トリコームにおけるCaMV 35Sプロモーターの平均活性よりも少なくとも5%、10%、20%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、70%、75%以上高い。同じコピー数および接合状態レベル、例えば、導入遺伝子のヘミ接合性またはホモ接合性の形質転換体を比較するべきであることが理解される。好ましくは、単一コピー形質転換体が同定および比較される。宿主植物のトリコームにおける35Sプロモーターの強度は、例えば、p35S-GUS植物におけるGUS遺伝子発現を解析および好ましくは定量化し、これを本発明によるプロモーターの発現と比較することにより検査することができる。
好ましくは、プロモーター強度は、生理(非ストレス)条件下でソラナム・リコペルシカムメチルケトン合成酵素1(SlMKS1)プロモーター(Fridmanら、上記参照)のトリコームにおける活性と少なくとも基本的に等しい。したがって、「強い」は、プロモーター強度が、好ましくは、少なくともほぼ同一であるが、より好ましくは、生理的非ストレス条件下でトリコームにおけるSlMKS1プロモーターの強度よりも強いことを意味する。最も好ましくは、トリコームにおける平均定量的プロモーター活性は、SlMKS1プロモーターの活性と少なくとも等しい、あるいは、トリコームにおけるSlMKS1プロモーターの平均活性よりも少なくとも2倍、4倍、6倍、8倍、10倍以上高い。同じコピー数および接合状態レベル、例えば、導入遺伝子のヘミ接合性またはホモ接合性の形質転換体を比較するべきであることが理解される。好ましくは、単一コピー形質転換体が同定および比較される。宿主植物のトリコームにおけるSlMKS1プロモーターの強度は、例えば、pSlMKS1-GUS植物におけるGUS遺伝子発現を解析および好ましくは定量化し、これを本発明によるプロモーターの発現と比較することにより検査することができる。
したがって、本発明によるプロモーターの強度は、好ましくは、該プロモーターを含む植物組織または器官または植物が、乾燥ストレス、熱ストレス、水ストレス(多すぎるおよび少なすぎる水の両方)、病原体ストレス(例えば、CMV等のウイルス感染、真菌感染、細菌感染等)、有害生物ストレス(例えば、昆虫摂食)、損傷、塩ストレス、放射線ストレス等のうち1種または好ましくは数種から少なくとも選択されるストレス条件に曝露されたときに、基本的に未変化のままである、あるいは、少なくとも低下しない(または有意に低下しない)。この場合も、定量的検査を用いて、これを決定することができる。例えば、プロモーターを含む組換え植物を、正常温度環境から温暖な環境(約27℃〜最大約50℃等)に移し、様々な組織におけるプロモーター活性を、正常および温暖な温度条件下の同じ組織における活性と比較することができる。
一実施形態において、組換え細胞または生物、特に、植物細胞または植物における相同または異種核酸配列の発現のための上述のプロモーターのいずれかの使用が提供される。この使用は、さらに後述する通り、相同または異種核酸配列へのプロモーターの作動可能な連結と、植物または植物細胞の形質転換を含む。
上述の焦点は、植物および植物細胞における本発明によるプロモーターの使用に集中するが、任意の原核または真核細胞または生物、例えば、細菌、真菌(ピキア属(Pichia)、ハンゼヌラ等、酵母を含む)、哺乳類、ヒト細胞または細胞株等、他の細胞および生物における相同または異種核酸配列の発現にプロモーターを使用することも、本発明の実施形態である。
本発明によるキメラ遺伝子およびベクター
本発明の一実施形態において、プロモーター活性を有する上述の核酸配列のいずれかは、キメラ遺伝子と、宿主細胞にキメラ遺伝子を移入し、形質転換細胞に由来する細胞、組織、器官または生物全体等、宿主細胞において作動可能に連結された相同または異種核酸配列を発現させるためのキメラ遺伝子を含むベクターの作製に用いられる。
宿主細胞は、好ましくは、植物細胞である。単子葉植物または双子葉植物、例えば、トウモロコシ/コーン[ゼア属(Zea)の種、例えば、Z.マイス(Z. mays)、Z.ディプロペレンニス(Z. diploperennis){チャプール(chapule)}、ゼア・ルクシュリアンス(Zea luxurians)(グアテマラテオシント)、ゼア・マイス(Zea mays)亜種huehuetenangensis(サンアントニオウイスタテオシント)、Z.マイス亜種mexicana(メキシコテオシント)、Z.マイス亜種parviglumis(バルサステオシント)、Z.ペレンニス(Z. perennis)(多年生テオシント)およびZ.ラモサ(Z. ramosa)]、コムギ[トリチカム属(Triticum)の種]、オオムギ[例えば、ホルデウム・ウルガレ(Hordeum vulgare)]、カラスムギ[例えば、アベナ・サティバ(Avena sativa)]、ソルガム[ソルガム・バイカラー(Sorghum bicolor)]、ライムギ[セカレ・ケレアレ(Secale cereale)]、ダイズ[グリシン属(Glycine)spp、例えば、G.マックス(G. max)]、ワタ[ゴシッピウム属(Gossypium)の種、例えば、G.ヒルスツム(G. hirsutum)、G.バルバデンセ(G. barbadense)]、ブラシカ属spp.[例えば、B.ナプス(B. napus)、B.ジュンセア(B. juncea)、B.オレラセア(B. oleracea)、B.ラパ(B. rapa)等]、ヒマワリ[ヘリアンタス・アヌス(Helianthus annus)]、タバコ(ニコチアナ属の種)、アルファルファ[メディカゴ・サティバ(Medicago sativa)]、イネ[オリザ属(Oryza)の種、例えば、O.サティバ(O. sativa)インディカ栽培品種群またはジャポニカ栽培品種群]、飼料草、トウジンビエ[ペニセタム属(Pennisetum)の種、例えば、P.グラウカム(P. glaucum)]、樹木種、リコペルシコン属ssp(ソラナム属に属すると近年再分類された)、例えば、チェリートマト、var.cerasiformeまたは最新の(current)トマト、var.pimpinellifoliumまたはツリートマト[S.ベタセウム(S. betaceum)、syn.サイフォマンドラ・ベタセア(Cyphomandra betaceae)]等のトマト[ソラナム・リコペルシカム、syn.L.エスクレンタム(L. esculentum)]、ジャガイモ[ソラナム・ツベロサム(Solanum tuberosum)]、ならびにナス[ソラナム・メロンゲナ(Solanum melongena)]、ペピーノ[S.ムリカツム(S. muricatum)]、ココナ(cocona)[S.セシリフロラム(S. sessiliflorum)]およびナランジラ[S.キトエンセ(S. quitoense)];トウガラシ(pepper)[カプシクム・アンヌウム、カプシクム・フルテッセンス(Capsicum frutescens)]等の他のソラナム属の種、エンドウマメ[例えば、ピスム・サティブム(Pisum sativum)]、マメ[例えば、ファセオルス属(Phaseolus)の種]、ニンジン[ダウクス・カロータ(Daucus carota)]、ラクツカ属(Lactuca)の種[ラクツカ・サティバ(Lactuca sativa)、ラクツカ・インディカ(Lactuca indica)、ラクツカ・ペレンニス(Lactuca perennis)等]、キュウリ[ククミス・サティブス(Cucumis sativus)]、メロン[ククミス・メロ(Cucumis melo)]、ズッキーニ[ククルビタ・ペポ(Cucurbita pepo)]、カボチャ(squash)[ククルビタ・マキシマ(Cucurbita maxima)、ククルビタ・ペポ、ククルビタ・ミキシタ(Cucurbita mixta)]、パンプキン(pumpkin)(ククルビタ・ペポ)、スイカ[キトルルス・ラナツス(Citrullus lanatus)syn.キトルルス・ウルガリス(Citrullus vulgaris)]等、野菜種、多肉果実種(ブドウ、モモ、セイヨウスモモ、イチゴ、マンゴー、メロン)、観賞植物種(例えば、バラ、ペチュニア、キク、ユリ、チューリップ、ガーベラ種)、木材樹木(woody tree)[例えば、ポプルス属(Populus)、サリクス属(Salix)、ケルクス属(Quercus)、ユーカリプタス属(Eucalyptus)の種]、繊維種、例えば、アマ[リナム・ウシタティスシムム(Linum usitatissimum)]およびアサ[カンナビス・サティバ(Cannabis sativa)]等、いかなる植物も適した宿主となり得る。一実施形態において、野菜種、特に、ソラナム属の種(S.リコペルシカム種を含む)が好ましい。
したがって、例えば、次の属の種を形質転換することができる:ククルビタ属、ローザ属(Rosa)、ビティス属(Vitis)、ジャグランス属(Juglans)、フラガリア属(Fragaria)、ロータス属(Lotus)、メディカゴ属、オノブリキス属(Onobrychis)、トリフォリウム属(Trifolium)、トリゴネラ属(Trigonella)、ビグナ属(Vigna)、シトラス属(Citrus)、リナム属、ゲラニウム属(Geranium)、マニホット属(Manihot)、ダウクス属、シロイヌナズナ属、ブラシカ属、ラファヌス属(Raphanus)、シナピス属(Sinapis)、アトローパ属(Atropa)、カプシクム属、ダチュラ属(Datura)、ククミス属、ヒヨスチアムス属(Hyoscyamus)、リコペルシコン属、ソラナム属、ニコチアナ属、マルス属(Malus)、ペチュニア属、ジギタリス属(Digitalis)、マジョラナ属(Majorana)、シアホリウム属(Ciahorium)、ヘリアンタス属、ラクツカ属、ブロムス属(Bromus)、キトルルス属、アスパラガス属(Asparagus)、アンチリナム属(Antirrhinum)、ヘテロカリス属(Heterocallis)、ネメシス属(Nemesis)、ペラルゴニウム属(Pelargonium)、パニエム属(Panieum)、ペニセタム属、ラナンキュラス属(Ranunculus)、セネキオ属(Senecio)、サルピグロシス属(Salpiglossis)、ブロワアリア属(Browaalia)、グリシン属、ピスム属、ファセオルス属、ゴシッピウム属、グリシン属、ロリウム属(Lolium)、フェスツカ属(Festuca)、アグロスチス属(Agrostis)。ククルビタ属、ブラシカ属、リコペルシコン属、ソラナム属、オリザ属およびゼア属のそれぞれがさらに優先される。アベナ属、メディカゴ属、カプシクム属、ニコチアナ属、ラクツカ属、ピスム属、ククミス属、ククルビタ属、ブラシカ属、ソラナム属(リコペルシコン属を含む)、オリザ属およびゼア属のそれぞれが優先される。
キメラ遺伝子と、キメラ遺伝子を宿主細胞のゲノムに導入するためのベクターの構築は、一般に、本技術分野において公知である。キメラ遺伝子を作製するために、標準分子生物学技法を用いて、トリコーム特異的プロモーター配列は、宿主細胞において転写しようとする別の核酸配列に作動可能に連結される。転写しようとする核酸配列を、ベクターのプロモーター配列の下流に単純に挿入することができるように、プロモーター配列は、ベクターに既に存在していてもよい。次に、ベクターを用いて宿主細胞を形質転換し、プロモーターの活性により下流の核酸配列が発現されるように、キメラ遺伝子は、好ましくは、核ゲノムまたは色素体、ミトコンドリアもしくは葉緑体ゲノムに挿入される(例えば、Mc Brideら、1995 Bio/Technology 13、362;US5,693,507)。
したがって、キメラ遺伝子は、好ましくは、相同または異種核酸配列および必要に応じてそれに続く3'非翻訳核酸配列(3'UTR)に作動可能に連結された、上述のトリコーム特異的プロモーターを含む。相同または異種核酸配列は、タンパク質またはペプチドをコードする配列となり得る、あるいは、宿主細胞または生物における遺伝子または遺伝子ファミリーのサイレンシングに適した、センスおよび/またはアンチセンスRNA(センスおよびアンチセンスRNAは、例えば、dsRNAまたはステムループRNA構造を含む)等、活性RNA分子に転写される配列となり得る。
トリコーム特異的プロモーターを含むキメラ遺伝子は、従来の様式で、単一植物細胞の核ゲノムに安定的に挿入することができ、このように形質転換された植物細胞を従来の様式で用いて、キメラ遺伝子の発現により変更された表現型を有する形質転換植物を産生することができる。
この点において、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)における、さらに別の核酸配列に作動可能に連結されたトリコーム特異的プロモーター(または上述のバリアントもしくは断片)を含むT-DNAベクターを用いて、植物細胞を形質転換することができ、その後、例えば、EP0116 718、EP0270822、PCT公開WO84/02913および欧州特許出願公開EP0242246ならびにGouldら(1991、Plant Physiol. 95、426〜434)に記載されている手順を用いて、形質転換された植物細胞から形質転換された植物を再生することができる。アグロバクテリウム媒介性植物形質転換のためのT-DNAベクターの構築は、本技術分野において周知のものである。T-DNAベクターは、EP0120561およびEP0120515に記載されているバイナリーベクターであっても、EP0116718に記載されている相同組換えによりアグロバクテリウムTi-プラスミドに組み込むことができる共組み込みベクター(co-integrate vector)であってもよい。
好ましいT-DNAベクターはそれぞれ、転写しようとする核酸配列に作動可能に連結されたトリコーム特異的プロモーターをT-DNA境界配列の間に含有する、あるいは少なくとも右境界配列の左側に配置する。境界配列は、Gielenら(1984、EMBO J 3、835〜845)に記載されている。当然ながら、直接遺伝子移入(例えば、EP0223247に記載、あるいはUS2005/055740およびWO2004/092345に記載の粒子または微粒子銃)、花粉媒介性形質転換(例えば、EP0270356およびWO85/01856に記載)、例えば、US4,684,611に記載のプロトプラスト形質転換、植物ウイルス媒介性形質転換、リポソーム媒介性形質転換(例えば、US4,536,475に記載)、ならびにトウモロコシ(例えば、US6,140,553;Frommら、1990、Bio/Technology 8、833〜839;Gordon-Kammら、1990、The Plant Cell 2、603〜618)およびイネ(Shimamotoら、1989、Nature 338、274〜276;Dattaら、1990、Bio/Technology 8、736〜740)のある特定の系統を形質転換するための方法等の他の方法、ならびに単子葉一般を形質転換するための方法(WO92/09696)等の手順を用いて、他の種類のベクターを用いて植物細胞を形質転換することができる。ワタの形質転換に関しては、WO00/71733も参照し、イネの形質転換に関しては、WO92/09696、WO94/00977およびWO95/06722に記載されている方法も参照されたい。ソルガムの形質転換に関しては、例えば、Jeoung JMら、2002、Hereditas 137:20〜8またはZhao ZYら、2000、Plant Mol Biol. 44:789〜98)を参照されたい。トマトまたはタバコの形質転換に関しては、An G.ら、1986、Plant Physiol. 81:301〜305;Horsch R.B.ら、1988、In: Plant Molecular Biology Manual A5、Dordrecht、Netherlands、Kluwer Academic Publishers. 1〜9頁; Koornneef M.ら、1986、In: Nevins D.J.およびR.A. Jones編、Tomato Biotechnology、New York、NY、USA、Alan R. Liss, Inc. 169〜178頁)も参照されたい。同様に、形質転換細胞からの形質転換植物の選択および再生は、本技術分野において周知のものである。明らかに、異なる種、さらには単一種の異なる変種または栽培品種に対し、プロトコールは、形質転換体を高頻度で再生するために特異的に適応される。
核ゲノムの形質転換に加えて、色素体ゲノム、好ましくは、葉緑体ゲノムの形質転換も本発明に含まれる。色素体ゲノム形質転換の一利点は、導入遺伝子の拡散リスクが低下され得ることである。色素体ゲノム形質転換は、本技術分野において公知の通り行うことができ、例えば、Sidorov VAら、1999、Plant J.19:209〜216またはLutz KAら、2004、Plant J. 37(6):906〜13を参照されたい。
得られた形質転換植物を従来の植物育種スキームにおいて用いて、導入遺伝子を含有するさらに多くの形質転換植物を産生することができる。単一コピー形質転換体は、例えば、サザンブロット解析またはPCRに基づく方法またはInvader(登録商標)技術アッセイ(Third Wave Technologies、Inc.社)を用いて選択することができる。形質転換細胞および植物は、キメラ遺伝子の存在により、非形質転換体から容易に区別することができる。導入遺伝子の挿入部位に隣接する植物DNAの配列を配列決定することもでき、これにより、ルーチン使用のための「事象特異的」検出方法を開発することができる。例えば、組み込まれた配列および隣接する(ゲノム)配列に例えば基づく、エリート(elite)事象検出キット(PCR検出キット等)について記載するWO01/41558を参照されたい。
一実施形態において、転写および必要に応じて翻訳(コード配列の場合)しようとする核酸配列は、転写しようとする配列が、適した3'端転写調節シグナル(「3'端」)(即ち、転写物生成およびポリアデニル化シグナル)の上流(即ち、5')になるよう、植物ゲノムに挿入される。ポリアデニル化および転写物生成シグナルは、形質転換植物細胞その他において3'非翻訳DNA配列として作用する、ノパリン合成酵素遺伝子(「3'nos」)(Depickerら、1982 J. Molec. Appl. Genetics 1、561〜573.)、オクトピン合成酵素遺伝子(「3'ocs」)(Gielenら、1984、EMBO J 3、835〜845)およびT-DNA遺伝子7(「3'遺伝子7」)(VeltenおよびSchell、1985、Nucleic Acids Research 13、6981〜6998)のものを含む。
一実施形態において、用いられている3'端配列(または3'UTR)は、配列番号4、3、1もしくは2またはこれらのバリアントに関連する遺伝子の3'端等、ShzFPS、ShZISまたはShTPS9の3'端配列である。
発現させようとする核酸配列は、一実施形態において、ハイブリッドタンパク質もしくはペプチドまたは融合タンパク質を含む、タンパク質またはペプチドをコードする配列である。コード配列は、いかなる起源、即ち、植物、真菌(酵母を含む)、動物、細菌、合成、ウイルス、ヒト等のものであってもよい。これは、分泌シグナルペプチドまたは色素体標的化シグナル等、標的化ペプチドをコードする配列を含むこともできる。細胞が、容易に検出可能な融合タンパク質を発現できるように、コード配列は、例えば、カナマイシン抵抗性を付与するneo(またはnptII)遺伝子(EP0242236)等、選択可能またはスコア化可能(scorable)マーカーをコードする遺伝子にインフレームで連結することもできる。いかなる遺伝子のコード領域(cDNAまたはゲノムDNA)を用いてもよいが、次の遺伝子のコード領域の例が、好ましくは、本発明によるプロモーターに作動可能に連結される。
1.有害生物または病原体病害シグナル伝達経路遺伝子もしくは経路、または病害抵抗性遺伝子もしくは経路;例えば、抗真菌または抗ウイルスタンパク質、殺虫性タンパク質その他。
2.草食動物忌避物質遺伝子または経路。
3.有害生物、病原体または草食動物誘引物質遺伝子または経路(捕獲またはトラップ作物を作製するため)。
4.エピジンギベレン等の(セスキ)テルペン、フラボノイドもしくは油、治療用および/または薬理学的および化粧品的に重要な産物または産業的に価値ある化合物の産生のための遺伝子、栄養的または栄養補助食品化合物、香味剤または香気剤(scents)、アロマ(ハーブ)をもたらす遺伝子、花粉媒介者誘引因子(attractor)遺伝子を含む、二次代謝物生合成遺伝子または経路。
5.ファイトレメディエーション適用、例えば、イオンおよび汚染物質金属分泌遺伝子(Psarasら、2000、Ann Bot 86、73)。
本発明によるキメラ遺伝子またはベクターを用いて、細菌(例えば、大腸菌(Escherichia coli)、シュードモナス、アグロバクテリウム、バチルス等)もしくは真菌等、微生物または藻類または昆虫を形質転換することもできる、あるいは遺伝子またはベクターを用いて、ウイルスを操作することができる。適したクローニング媒体に組み入れた本発明の核酸配列による細菌の形質転換は、従来の様式で、好ましくは、Maillonら(1989、FEMS Microbiol. Letters 60、205)およびWO90/06999に記載されている従来のエレクトロポレーション技法を用いて行うことができる。原核生物宿主細胞におけるコード配列の発現のため、核酸配列のコドン使用を、それに応じて最適化することができる(同様に、植物細胞におけるコード配列の発現のため、公知の通り核酸配列のコドン使用を最適化することができる)。イントロン配列は除去するべきであり、公知の通り最適発現のための他の適応を為すことができる。
イネ科草本(grass)種、例えば、トウモロコシまたはイネ等、単子葉植物における核酸配列の増強された発現を得るために、イントロン、好ましくは、単子葉イントロンをキメラ遺伝子に付加することができる。例えば、5'調節領域へのトウモロコシAdh1遺伝子のイントロンの挿入は、トウモロコシにおける発現を増強することが示された(Callisら、1987、Genes Develop. 1:1183)。同様に、US5,859,347に記載されているHSP70イントロンを用いて、発現を増強することができる。したがって、1種または複数のイントロンを、必要に応じて、本発明によるプロモーター配列のいずれかにまたは5'UTRもしくはコード配列に挿入することができる。
本明細書において、さらに後述する通り、タンパク質またはポリペプチドコード核酸配列に作動可能に連結されたトリコーム特異的プロモーターを含む、トランスジェニック植物(およびその部分)も包含される。
異なる実施形態において、本発明によるプロモーターは、遺伝子サイレンシングのためのキメラ遺伝子およびベクターの作製に用いられ、これにより、プロモーターは、標的遺伝子(トリコーム細胞において特異的にサイレンスしようとする内在性遺伝子または遺伝子ファミリー)のセンスおよび/またはアンチセンス核酸配列に作動可能に連結される。
「遺伝子サイレンシング」は、1種または複数の標的遺伝子の遺伝子発現の下方調節または完全な阻害を指す。遺伝子発現を低下または消失させるための阻害性RNAの使用は、本技術分野において十分に確立されており、いくつかの総説の主題である(例えば、Baulcombe、1996、Plant Cell 8:1833〜1844;Stamら、1997、Plant Journal 12:63〜82;DepickerおよびVan Montagu、1997、Curr. Opinion Cell Biol. 9:373〜382)。標的遺伝子の全体もしくは部分のアンチセンスRNAを産生する[例えば、EP0140308(B1)、EP0240208(B1)およびEP0223399(B1)を参照]またはセンスRNAを産生する[同時抑制(co-suppression)とも称される、EP0465572(B1)を参照]キメラ遺伝子等、植物における遺伝子サイレンシングの達成に利用できる多数の技術が存在する。
しかし、これまでのところ最も成功したアプローチは、細胞において二本鎖RNA(dsRNA)を形成し、標的遺伝子をサイレンスする、標的遺伝子のセンスおよびアンチセンスRNA両方の産生であった(「逆方向反復」)。dsRNA産生および遺伝子サイレンシングのための方法およびベクターは、EP1068311、EP983370(A1)、EP1042462(A1)、EP1071762(A1)およびEP1080208(A1)に記載されている。
したがって、本発明によるベクターは、標的遺伝子のセンスおよび/またはアンチセンスDNA断片に作動可能に連結されたトリコーム特異的プロモーターを含むことができる。少なくとも約17、18、19、20、21、22、23、24または25ヌクレオチドのコードまたは非コード配列等、短い(センスおよびアンチセンス)ストレッチの標的遺伝子配列が十分となり得る。少なくとも約100、200、250、300、400、500、1000、1500ヌクレオチド等、より長い配列も頻繁に用いられる、あるいはより好ましくは、センスおよびアンチセンス断片は、イントロン等、スペーサー配列により離間し、これは、dsRNA生成によりループ(またはヘアピン)を形成する。標的遺伝子の任意のストレッチを用いて、遺伝子サイレンシングベクターと、標的遺伝子または遺伝子ファミリーがサイレンスされたトランスジェニック植物を作製してもよい。ヘアピン構築物を作製する簡便な仕方は、pHANNIBALおよびpHELLSGATE等、ジェネリック(generic)ベクター、Gateway(登録商標)技術に基づくベクターを使用することである[Wesleyら、2004、Methods Mol Biol. 265:117〜30;Wesleyら、2003、Methods Mol Biol. 236:273〜86およびHelliwell & Waterhouse 2003、Methods 30(4):289〜95を参照]、これら全ては参照により本明細書に組み込まれる。
標的遺伝子の保存された核酸配列を選ぶことにより、宿主植物におけるファミリーメンバーをトリコーム細胞においてサイレンスすることができる。
本明細書において、標的遺伝子核酸配列のセンスおよび/またはアンチセンスDNA断片に作動可能に連結されたトリコーム特異的プロモーターを含み、標的遺伝子サイレンシング表現型を提示するトランスジェニック植物も包含される。表現型は、遺伝子の機能に依存し、巨視的に可視または不可視の化学的または分子的変化となり得る。斯かるキメラ遺伝子およびベクターは、したがって、トリコームにおける遺伝子の機能の決定または検証に用いることもできる。
本発明によるキメラ遺伝子は、宿主ゲノムに安定的に導入することができる、あるいはエピソーム単位として存在することができる。
本発明によるトランスジェニック細胞および生物
上述の方法により得ることができる、トランスジェニック細胞および生物、特に、植物、植物細胞、組織または器官が提供される。これらの細胞および生物は、本発明によるプロモーターの存在により、その細胞またはゲノムにおけるキメラ遺伝子の存在により特徴づけられる。加えて、mRNA転写物または翻訳されたタンパク質は、細胞または生物、例えば、植物トリコーム、特に、腺トリコームの表現型を変更することができる。
一実施形態において、植物に導入されたキメラ遺伝子は、全て宿主属または種における天然起源の部分で構成される、例えば、ソラナム属の宿主植物を形質転換する場合、好ましくは、ソラナム属由来の本発明によるプロモーターを用いて、同様にソラナム属由来の核酸配列と、必要に応じて、ソラナム属由来の3'UTRに作動可能に連結される。同じことを宿主の種に適用することができる。植物は、導入遺伝子を保有するが、そのあらゆるヌクレオチドエレメントは、宿主属または種に天然に見出され(この組合せではないが)、規制問題を減じ、世間的な受容を改善する。
ゲノムにおけるキメラ遺伝子のポジションは、プロモーターの活性およびキメラ遺伝子の発現レベルに影響を与え得る。したがって、高い構成的レベルのタンパク質、またはセンスおよび/またはアンチセンス転写物(サイレンシング構築物が用いられる場合)を発現する形質転換体(「事象」または「形質転換事象」)は、例えば、コピー数(サザンブロット解析)、mRNA転写物レベル(例えば、ノーザンブロット解析またはRT-PCR)を解析することにより、あるいは核酸配列にコードされるタンパク質の存在およびレベルを解析することにより(例えば、SDS-PAGEと、続くウエスタンブロット解析;ELISAアッセイ、免疫細胞学的アッセイ等)選択することができる。形質転換体は、1種または複数の生物的および/または非生物的ストレス条件下における発現の安定性に関して検査されてもよく、所望の条件のうち1種または複数の下で高い構成的発現を保持する事象をさらなる使用のために同定および選択されてよい。
トランスジェニック植物は、交雑、自家生殖、戻し交雑等、伝統的育種方法において用いることができる。形質転換体を自家生殖させることにより、導入遺伝子がホモ接合性の植物を作製することができる。育種手順は、本技術分野において公知のものであり、植物育種の標準教科書、例えば、Allard、R.W.、Principles of Plant Breeding(1960)New York、NY、Wiley、485頁;Simmonds、N.W.、Principles of Crop Improvement(1979)、London、UK、Longman、408頁;Sneep, J.ら(1979)Tomato Breeding(135〜171頁)in:Breeding of Vegetable Crops、Mark J. Basset(1986、編)、The Tomato crop: a scientific basis for improvement、by Atherton, J.G. & J. Rudich(編)、Plant Breeding Perspectives(1986);Fehr、Principles of Cultivar Development - Theory and Technique(1987)New York、NY、MacMillanに記載されている。
トランスジェニック細胞または生物は、例えば、組換えタンパク質の大規模産生のために、細胞培養(植物細胞培養、細菌または酵母培養等の真菌細胞培養、ヒトまたは哺乳類細胞培養、昆虫細胞培養)において用いることもできる。一実施形態において、本発明によるプロモーターを含む細胞を含む細胞培養物が提供される。
本発明による方法および使用
(a)発現させようとする核酸配列に作動可能に連結された本発明によるプロモーターを含むキメラ遺伝子またはベクターを作製する工程と、
(b)前記キメラ遺伝子またはベクターで植物または植物細胞を形質転換する工程と、必要に応じて、
(c)トランスジェニック植物を再生する工程と
を含む、トランスジェニック植物または植物細胞を作製するための方法も提供される。
本方法の実施形態において、本発明のプロモーターを含むベクターが、工程a)において用いられ、前記ベクターは、配列番号5(ShzFPS)のアミノ酸配列または配列番号5のアミノ酸配列に対し少なくとも80%の同一性を有するそのバリアントをコードする核酸配列に作動可能に連結された配列番号1の核酸配列を含み、前記アミノ酸配列は、ファルネシル二リン酸合成酵素活性を有する。配列番号5の前記バリアントは、好ましくは完全長にわたり、配列番号5のアミノ酸配列に対し少なくとも80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性を有することができる。
実施形態において、本発明の第2のプロモーターを含む第2のベクターが、工程a)において用いられ、前記第2のベクターは、配列番号6のアミノ酸配列または配列番号6のアミノ酸配列に対し少なくとも92%の同一性を有するそのバリアントをコードする核酸配列に作動可能に連結された配列番号2の核酸配列を含み、前記アミノ酸配列は、ジンギベレン合成酵素活性を有する。7-エピジンギベレン合成酵素(配列番号6)のバリアントは、好ましくは配列番号6の全長にわたり、例えば、少なくとも92%、92.5%、93%、93.5%、94%、94.5%、95%、95.5%、96%、96.5%、97%、97.5%、98%、98.5%、99%、99.5%以上、例えば、100%のアミノ酸配列同一性を有するタンパク質を含む。
ベクターおよび第2のベクターは、本発明の目的のために単一のベクターに組み合わせることができることに注意されたい。
したがって、ShzFPS遺伝子およびShZIS遺伝子の両方は、好ましくは、それ自身のプロモーターの制御下で、トランスジェニック植物または植物細胞において発現される。実施形態において、配列番号5および/または配列番号6のアミノ酸配列は、例えば、Z,Z-ファルネシルピロリン酸合成酵素および/または7-エピジンギベレン合成酵素を色素体、好ましくは葉緑体またはミトコンドリア等の細胞内小器官に標的化するための、あるいは細胞からの分泌のための標的化配列(targeting sequence)に先行される。サイトゾルにおけるセスキテルペンの過剰産生は通常、細胞にとって有毒であるが、色素体におけるセスキテルペンの過剰産生は、この問題をこうむらないため、色素体への標的化が特に魅力的である。標的化配列は、前記Z,Z-ファルネシルピロリン酸合成酵素(配列番号7に表記)の天然の標的化配列および/または7-エピジンギベレン合成酵素(配列番号8に表記)の天然の標的化配列となり得る。あるいは、他の標的化配列を用いることができる。当業者であれば、必要に応じて適した標的化配列を選択することができよう。
好ましくは、前記植物または植物細胞は、ソラナム・ハブロカイテス植物または植物細胞ではない。
本発明は、本明細書に示されている方法により得ることができるトランスジェニック植物または植物細胞にも関係する。実施形態において、前記植物または植物細胞は、ソラナム・ハブロカイテス植物または植物細胞ではない。好ましくは、前記植物または植物細胞は、ソラナム・リコペルシカム植物または植物細胞である。
再生された植物(または導入遺伝子を保持するその後代)またはその部分は、分子農業等の農業等、様々な目的に用いることができる。さらなる使用は、導入遺伝子によって付与される表現型に依存する。例えば、トランスジェニック植物が、トリコームにおいて高レベルの二次代謝物を産生する場合、植物を生育し、代謝物を収穫する。したがって、植物の全体または部分は、導入遺伝子に応じて、ヒトもしくは動物消費または産業目的のいずれかのために収穫することができる。また、植物の異なる部分は、異なる目的のために収穫することができ、例えば、果実または種子は、消費のために収穫することができ、一方、葉、茎および/または花は、産業目的に収穫することができる。
明らかに、導入遺伝子により付与される表現型は、例えば、野外試験において検査することができる(例えば、病害または有害生物抵抗性検査は、従来の方法を用いて行うことができる)。
非ストレス条件下でトリコームにおいて構成的に高いプロモーター活性をもたらすトランスジェニック植物を同定することができ、これにより、植物が、1種または複数の生物的および/または非生物的ストレスに曝露されたときに、プロモーター活性は、基本的に未変化のままである(少なくとも低下しない、あるいは有意に低下しない)。
植物は、従来の農業および育種方法において用いることができる。
次の非限定な実施例は、本発明によるプロモーターの使用を説明する。実施例において他に特段の記述がなければ、あらゆる組換えDNA技法は、Sambrookら(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory PressおよびSambrookおよびRussell(2001)Molecular Cloning:A Laboratory Manual、第3版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、NY;ならびにAusubelら(1994)Current Protocols in Molecular Biology、Current Protocols、USAの第1および2巻に記載されている標準プロトコールに従って行われる。植物分子実験のための標準的な材料と方法は、Plant Molecular Biology Labfax(1993)、R.D.D. Croy、BIOS Scientific Publications Ltd(UK)およびBlackwell Scientific Publications、UKによる共同出版に記載されている。本明細書に引用されているあらゆる文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
配列表
配列番号1:ShzFPSプロモーター配列
TGGCCATTACGTGGACTAATTTTTTTACAATAAATGATCACTTTATTTTTAACAAGTATGATTAATAATTAATTGAAATTAGTGAGTTTGAAATTTGACTTTTGTTTAGCCTATGAGCAAACCTTTAAAGTTAATTCAAAATTAAAAGTTATTGATTTTTAATCATGTTTATGAATCAAATGTGATCAAAAGGTCAAAATCAACTGTCTCCCAAATAATTTTTTTAAACTCGAGATGATTTGAAATTTTTTTCAACCAATAGTTATATTTTCCAATGTCATATTATTAAAAACTTGAGGCTAATTCCATCCTGGAATTTATGACTATAGTTATAGTTATCTTAGACTCTTAGCTGCGTTATAGTCAGACTTGATAATTATTAAAAAGTGTGTGACTCTGATTTTTCACATATGACGATTTGAGAAATTGATAATCTAGAAAGCTATATCATGAAAAATTCTAAGAATGATTGAAGATAATAAGAATATTTTGAAATATCGCAACCCTACCACAAAGTTTTACCAACCTATTTTCTTTTATATAGATATGAGCTATATGACACATGGAAATACAATTATAAAGCAGTAGTTAGAGGTGAATTAATATTGAATTTTAAAGGGAATAATCAATGGATGATATCTTTTTTACTTTTTTTTCTTTTATCACTAAAAGTGCATTCATTGTAGACTAAAACACATTAAATAGAGTTTTATATCCTTTTCTCATACATGGTCCCTCATTTTCTTCTTAGTCTTGTATTATAAGTCACCTCTTTTTAAAAATAATTGGATCATAATATATGTTATTTTATAAAATTTATGCATAAAATATCATATTTTGCTCATTATATTTTTATTGATTAATTAATAATCTTAAAATATATTTATTTTGACTGATCTTGAAAATCAATAACTAATTAAATAAGGGCATAGAAATAAAATTATCTTATTTCTTGTTACAAGTACAAATACAAAAAGTGACTTATAATATGGGACGGGGGGAGTAATTAAGTGAAAGGTTATTCGTTCTTTATTGGTATTATCAGTTATTTAGGAGATAACTGATTTAGCAATTTTTAGTCTTTATTTATTTTATACACAGTTTATAAAACATACTTACATTTTTGAACTTGGTGATGGCGTAGCCCAGGGGTGTTAAATGGGCGGGTTGGGTTGAAATTGGAAATATTACTATGGGTGAATAGAAATTGGGTTGGGTTTGACCCGCCCAAATTTACTTTGGGCTCAAATGAGCTAAAATATGGGTTGGGTCTTGACCCGCTCAATTTGACCCGCTTAATCTTAGTTATTTAACATATTGATATTTAATTTTTATAATCACAATTTGAATCTCCGTTCAAGAATTTTTTTTTTATAATAAAAGTAACAAATGGATAGATAAATCATAAAAAAAAAGCAACAAATCGATAATAATTCATACTGTAAATATAGGAACATATCTTAATACTAAGTTATAAAACAGGTTGAAATTAGTAATTGAATTGGGCTCAATTGAGAATTCTCTTCAAATAGGTTAAGCTTGAATGGGTTGAGGTTGAACCCAACTCAAATTATCTTGAGCTCAATCCTTAAAATTCTGAGCGTATTGGGCATGTTACCATGTTTGGGTTCATTTTTAACGCCCCTAGCGTAGTCGAAAGAAGTCAATCCATGAGGTTTGTAAAACAAATGCGAATAATTTACTCTACCATTGAGCTTGTTAGTCATATGGTGTAGCAAAATGGTAGATTATCGAAAAAATATCTTAATTATGCTTCATAGTTATAATTTGTTAATTACAATTAGTAGCTACATGTTATATGGAGGAGAGTGGCGAGCGAGATTGGGAGAGGAAAGAGAGAAGTGAGTGAGACAAGGTAGAGAGTGGGAGAGAGGCGAACTGCATATGCATATTTGTCAAAATAATTGTATATATGTAACTGGTATACATACGTATTCGTATATCTGGTGAGTGAGGAGAGAAAAGAGAGAAGCGAGCGAGATTGGAAGAGGAAAGAGAGAGCCGAGCGAGAGAGGACAATAATTTATGTAATTCGCATCTCATTTGTATAATTAATTTTGTTCGAAATGCGGTTCAATATAATTTTTTAACCATAAGCATAAACAACCCTATATAGAACTATTGATCAATATAGAACTATTGATCTATTGATCAAAAGAGTCATACCATAATTCTATTTAAACACCACCTCCCTTGTTTCACTTCACAATAAAATAAATTTGAGTAATAAAGC
配列番号2:ShZISプロモーター配列
CTCTCTCTAAAGAAGTTGAAGATACCTTCTTCCAGTAAGTGGGACTGGAGGGGGAGATTTGTTGAATCCATCCCATTTTTTTTGGTCAACTTTAGCTACTCAATTGGTACAAGCAATTGTTAAAAAGGAATAGTAATTGGAGTTGAAAAGAAAAGATTTGGTAGTTGGCAAATTGGTAAGATTTGCAACCATTTTTGACTTTGCTATGTTTACATATGTCATTAGTGACATAGGTATGGTTTTATCCTTCTATAAATAGCGCACTCTTGCTCATTTGTAGAACACACCAAGTTAGAGAGAAAAACAATTTTGAGAGCAAAGTGAGGTATTCCATAGACTATATAAGAAAATAGTCTGTGAAGAAAAATAGAGTGTGAGCGATATTTTAGTAAGACGGAAACCAAAAGAGTGTTGTTCCTTTTGAGTGTGTAGTAGTCACTTTGAGTATTGTATTCGTGACTACACAGTGTAAAATTCCTTACTATAGTAATATCAATTGCTCCTCTTAGTCCGCGGTTTTTTCCCTTATTCAGAAGGGTTTCCACGTAAAATTCTTGGTGTCATTATTTTCCCATTTTATTTCCATTACTTTTACCATATATACTTTtGTGCTTGTCCGCGTTTTCCCAACAAGATGGTGTTTAAATAGAATTATGGTATGACTCTTTTGATCAATAGTTCTATATAGGGTTGTTCATGCTTATGGTTAAAAAATCATATTGAATCGCATTTCGAATCAAAATTGATAATACAAATGAGATGCGAAGCTTGCATGAGTTCCAAAAAATATAAATAACGGTAAAATGGTAAAGTTACATCATTTTTTAATGCAACTGCAAAGTAAAAATATAACATATAAAATGAGACAGAGGAAGTATGTAAAATCAATAATGAATATGTATTACTCCCTCTATTTCATAATAACTTAAGCTTTGAAGTGTTTCACACCCTTTAAAAAAAGTAGGTTAGGACATAAATGAACATAATTTTTCATTTTTGTCCTTATTAATTATTGTCAAAAATAACTAAACATTAATTATAATAACTAATtCCAATACTAACTTAATGGGTAAAATTAGAAGAAATTTTTTAAAATAGTCTTGAAAATTTAAAACATAAGTTAATTGAAAAATGGAAAGAAAAAAAAGCTCAAATCTTGTTATTATGTAATGGAGGGAGTATTAGACAGAGAAATTATTAATTRCTCCCTCCGTCCCATATTATAAGTCACTTTTTTCATTTGTACTTGCAACAAGAAATAAGATAATTTTATTTCTATGCCCTTTGTTATAGATTTTCAAAATTAGTCAAAGTAAATATATTTTCAAAAYTAATTAATTAATCAATAAGGATATAATGAGCAAAATATGGTATTTAGTATAAATTTATAAATACATATATTATGATCAATATTTAGAGAAGGTGACCTATAATATGAAGGAAGAAATGAGGACCATATATGAGAAAGGATATAAACTCTATTTAATGTGTTTAGTGTACAATGAATGCACTTTAGTGATAAAGAAAAAAGTTAAAAAAATATCATCCATGATTATTCCCTTTAAAATTCGATATTAGTTCACCTCTAACTACTTACAATAATTGTATTTCCATGTGTCATATAGCTCATATTTATATAAAGAAAATAGGTTGGTAAAACTTTGTGGTAGGTTTGAGATATTTCAAAATATTCTTATAATTTTTCAATTATTCTTCCAATTTTTTCATGATATAGCTTTCTAGATCATCAATTTTCTTAAATCGTCATATGTGAAAATTGGAGTCACACACTTTTTAATAGTTATCAAGTTTGACTATAGCGCAGCTAAGAGTCTAAGATAACTATAACAATAATCATAAATTACAGGATGGAATTAGCCTCAAGTTTGTAATAACATGACATTCGAAAATATAACCATTGGATAAAAAAAATTTCAAATCATCTCGAGTTTATAAAAATTATTTGAGAGACAGTTGATTTTGACCTTTTGATCACGTGTGATTCATAAACATGATCAAAAATCAACAATTTTTAATTTTTAATTGACTTTAAAGGTTTGCTAATAGGCTAAACGGAAGTCAAATTTCAAACTCACTATTTCAATTAATTATTAATCATACTATGTTAAAAATAGTCCACGTAATGGCCAACAACTAGCAAAACTTATCACGAGATTCTATATGATACTATATATGCTTTGTTTTTTCGATATTCATTTTATTTAAAGTTTGATATTTATATTAAAATTAAAATAGATTTTAAATTTGTATTAAGAAAATTCATTATAAAAGGTTGAAACATTTTCTAACAAAAAGATATGATGTCCACTTGAATCAAAGAGTAATAATGCTCATATACTTTTTCTGCTTTGAAATAAGATATGCGATAATGATTGACTAATAAAAATTAAAGACTAGTCATTTATAGGGCAAAACGTGCATTTTTACATTTAATTACACATCAAGKTTATACCAAAGTGAGATATTATAAGGAAAAATCTTTGTGGCCAAAATTTTTGGACAGAACGATATTTTATTTATGTTATTTTAATTTTAATACATTTTAACTACAAAATGGAAAAAATAACAGTTTATTATAAAATAAAAAAATATTTTAGTTTTTTTTATTTTTTTAGTCAATTTTTCTAGCCATTTAGCTCTTTCCATATTATAATATAAAGAGAAAAGTATTTAAAATATCTCTAAATTTGGTGTGAATTAATAGGTTTGTCTCCGAATTATTGACAACATTAAAACTACTCTCTACTTGACAAATTGAACTTAAACATATATACCCTTGATCTTGTCACATCAGTGATATACAATCCCAAATTCTCGTCAACTTTAGGGGTATTTTGAACACTTCTTTTGACATTTTATTAAGAGTCTCACGTTCCTACAAGAGTTTGAGACTACTTGATATGCCATGTGGCAGACTGGAGTGTATTTTAAGTTCAGTTAGTCAACTAAACAATTTTTTTAGAGTAAATTTTAGGTTTAACAAACATAAAAATCATATATGTATGTTAATAATTATAGTTGGTATAATTGCGCTTCATAGCAAACTTTATGTTTGCTATGACTATTAATTTGTATATTTTGATATACATATACAAAAGAATGAATTGTATAATCTCTATTTGTATAAAGCGAGAACGAGAGAAGACAAATGAAAACTGGTAGCGAGAAATGGAGAGTGACGAAAGACAACTGTTTAATTTGAATCAATGATTTGCTATTTTATACATTTTTTCCTTATTTTTAAGACTATCAATAATTGAGTGACGAAATTAATAATTTGCATTAAATTTAATTAAAAATATTTTCAACATTTCTCTCCGCTAAATATTTATTTATAACGAGGAAACAAAATCAAAGACAAACACAAAATAGGAGAAATTTCTTCATTTTTGACCCCTCCACTCCCAAAAACAACACACAATATTCAAGG
配列番号3:ShTPS9プロモーター配列
TTATTTCACTAATTAAATTTATTCTTAAATATTTATATATATTTATTTTGCTATGCTAATTTATTTTTTTTATAATAAAATTAGTTGAGTGATTTGATGGATACAAAGTCATAAATTGAATGACTTAACTAAATAAATTATTAAAGTTGAATGATATTATTGATAAAAAGACATAAATTGAATAATTTTTTTGATATAAAATAAAGTTCAGATATTGTTACACAATTAACCATCCTTTTCAATTTTAATAAATAAACTCCTCTTTAATATCGTTCTAATGAAAATTTCTTCCAAACAACATAAATAATAAGTTCATCATTTATCGACTAATTCATAAATATTATTTGAGTAATATCTATGCAATTTTTTACAATGTTTATATTATGTCATTTAAAAGATAAGGACAGATGCCGGTAAGCATTACAATAAGTGGTAGTAACTACATTATAAATAGGCCCATCCAATTAGCATAACTTAAACCCACAAATTAAGCTTGAAAAAAAAAGAGCAAACCTTAGAACAAACAAGCA
配列番号4:ShTPS9プロモーター配列(長)
TTTAAATTTTATATTTATATTAAACATTTTATTAATATATATATATATATAGCTATAAACTCAATAATTACGATGACTTACTATAAATTCGATTTTAAGTTTGAACTCAAAAATTCTTAAAACTCTAATTCTACTTGTGTATTCATCTAGCCTCTTATGACACGTaAAAAAAAATACAATAAATAAATTGCAATAACTCAAATTATTTATATGTGACATAAAGAATCGTGTGGCTCTAAAATTTTATTTCTCTGCGGTCCAATTAAAGTTTTGATAATCCACCAAATTGAAGACTTAAAATGCCTTATTGAGGTGCCAAATACTAATGAAGAAGAAAACAAAACAAAATAAAAACACCTACTCATAAATTATAATATAACTGTATCTCATTGCTAATATGACATTTAATAGGAGAGTATGAAAATCGATAATTAGGATATATTGTTAATATATAATCAAACGTTTTATTTCTTCCTAGTGGTAGAGTAAGGTTCTAATCTAGAGCCCCTATCCCCTTACCATTACTGTTTAGTATTATGCAAGTTATTTTTTTACTTTGATTATCTCTAATATTTTTACTGTCGTTATTTTTGTTTTTTTAATATAATTTTTGTCATATTTTTTGCTGTTACAATACTTTCAAATCATGTTTTGAAGAATGATTTCTTGATCCGAGGATCTATAGTAAACATTCTTTCTATCAAATAAAGATACATATAACTTATAAGGTCTGCATACATAATACTATCCTTCTCAAACCCCACTTATATGAAATGATACCAGATGACTGAGTCAATATCTCAAAAGGTCACTCAAGTTTAAGAATATATCTAGTAAAGTTATTAAACTTTCTTTACTATCAATAAAATCACTTAACTTAGATACGTGGATCAATAAAATCACTCAACTCAATTTATCATTAAAAAAATTATCATAGATAAATAATTTTTTATGCCATGTAAATATGAACTCCATAAATTAATAAAATTAAAAAAAATCCATCAAGACTTTTTTATGAATAAACTTAATAATTTATTAGGATATTATTATATAATTCTAATGTATTATTACGAGCTTTATTAAGAAAAAGTTAGGGTATTGTATGGTAAATAATTGGGGGTACATGATTTTTATCATATAAAAATATATAGACATTGGCTTAATAACTCTAACTCTGCAAATATTACTCTGTTACGATCATTAAATTATAAAAATAAATTGACGTCTTATAATTATTTTTCGTTGCAATCATTAAGCCCTATGACAATATCAGTATATAGTAATTGGTAATGTAACATTCATTCTGATACCAATTTTAAGTGCATAATAATATTATATTAATATTTATTTCACTAATTAAATTTATTCTTAAATATTTATATATATTTATTTTGCTATGCTAATTTATTTTTTTTATAATAAAATTAGTTGAGTGATTTGATGGATACAAAGTCATAAATTGAATGACTTAACTAAATAAATTATTAAAGTTGAATGATATTATTGATAAAAAGACATAAATTGAATAATTTTTTTGATATAAAATAAAGTTCAGATATTGTTACACAATTAACCATCCTTTTCAATTTTAATAAATAAACTCCTCTTTAATATCGTTCTAATGAAAATTTCTTCCAAACAACATAAATAATAAGTTCATCATTTATCGACTAATTCATAAATATTATTTGAGTAATATCTATGCAATTTTTTACAATGTTTATATTATGTCATTTAAAAGATAAGGACAGATGCCGGTAAGCATTACAATAAGTGGTAGTAACTACATTATAAATAGGCCCATCCAATTAGCATAACTTAAACCCACAAATTAAGCTTGAAAAAAAAAAGAGCAAACCTTAGAACAAACAAGCA
配列番号5:ソラナム・ハブロカイテスZ,Z-ファルネシル二リン酸合成酵素(zFPS)アミノ酸配列
ARGLNKISCSLSLQTEKLCYEDNDNDLDEELMPKHIALIMDGNRRWAKDKGLDVSEGHKHLFPKLKEICDISSKLGIQVITAFAFSTENWKRAKGEVDFLMQMFEELYDEFSRSGVRVSIIGCKTDLPMTLQKCIALTEETTKGNKGLHLVIALNYGGYYDILQATKSIVNKAMNGLLDVENINKNLFDQELESKCPNPDLLIRTGGVQRVSNFLLWQLAYTEFYFTKTLFPDFGEEDLKEAIINFQQRHRRFGGHTY
配列番号6:ソラナム・ハブロカイテス7-エピジンギベレン(ZIS)アミノ酸配列
CSHSTPSSMNGFEDARDRIRESFGKVELSPSSYDTAWVAMVPSKHSLNEPCFPQCLDWIIENQREDGSWGLNPSHPLLLKDSLSSTLACLLALTKWRVGDEQIKRGLGFIETQSWAIDNKDQISPLGFEIIFPSMIKSAEKLNLNLAINKRDSTIKRALQNEFTRNIEYMSEGFGELCDWKEIIKLHQRQNGSLFDSPATTAAALIYHQHDKKCYEYLNSILQQHKNWVPTMYPTKIHSLLCLVDTLQNLGVHRHFKSEIKKALDEIYRLWQQKNEEIFSNVTHCAMAFRLLRISYYDVSSDELAEFVDEEHFFATSGKYTSHVEILELHKASQLAIDHEKDDILDKINNWTRTFMEQKLLNNGFIDRMSKKEVELALRNFYIISDLAENRRYIKSYEENNFKILKAAYRSPNINNKDLFIFSIRDFELCQAQHQEELQQLKRWFEDCRLDQLGLSEQFISASYLCAIPIVPGPELSDARLVYAKYVMLLTIVDDHFESFASTDECLNIIELVERWDDYASVGYKSERVKVLFSMFYKSIEEIATIAEIKQGRSVKNHLINLWLKVMKLMLMERVEWCSGKTIPRIEEYLYVSSITFGSRLIPLTTQYFIGIKISKDLLESDEIYGLCNFTGIVLRLLNDLQDSKREQKEGSINLVTLLMKSISEEEAIMKMKEILEMKRRELFKMVLVQKKGSQLPQLCKEIFWRTCKWAHFTYSQTDRYRFPEEMENHIDEVFYKPLNH
配列番号7:ソラナム・ハブロカイテスZ,Z-ファルネシル二リン酸合成酵素(zFPS)標的化配列(アミノ酸配列)
MSSLVLQCWKLSSPSLILQQNTSISMGAFKGIHKLQIPNSPLTVS
配列番号8:ソラナム・ハブロカイテス7-エピジンギベレン(ZIS)標的化配列(アミノ酸配列)
MIVGYRSTIITLSHPKLGNGKTISSNAIFRRSCRVR
プロモーター単離のための遺伝子の選択
次世代配列決定技術(Illumina HiSeq 2000)を用いて、S.リコペルシカムおよび野生種トマトS.ハブロカイテスのトリコーム特異的cDNAライブラリーを配列決定した。TruSeqキット(Illunima社)を用いて、cDNAライブラリーを調製した。配列決定したところ、データ解析は、S.ハブロカイテスファルネシル二リン酸合成酵素(ShzFPS;FJ194969)、S.ハブロカイテスジンギベレン合成酵素(ShZIS;JN990661)およびS.ハブロカイテスゲルマクレン合成酵素(ShTPS9;JN402388)の読み取りデータの頻度が、S.ハブロカイテス(LA1777およびPI127826)およびS.リコペルシカム(例えば、ShMKS1およびSlMTS1;Table 1(表1)を参照)のトリコームにおいて発現される他の公知のトリコーム特異的遺伝子と比較して非常に高かったことを示した。その後、S.リコペルシカムcv Moneymakerおよび野生種トマトS.ハブロカイテスの異なる組織のRNAを単離した。トリコームを含む数種類の異なる植物器官において、ShzFPS、ShZISおよびShTPS9の組織特異的発現レベルを検査した。ShzFPS、ShZISおよびShTPS9遺伝子の発現は、他の周知のトリコーム特異的遺伝子(例えば、ShMKS1およびSlMTS1;Table 1(表1))の発現よりもはるかに高かった。さらに、ShzFPSおよびShTPS9の発現がトリコーム特異的であることが示された(図1および図2)。
Figure 2015536152
プロモーター配列単離
プロモーター配列を得るために、Clontech社GenomeWalkerUniversalキットに従ってゲノムDNAにおけるゲノムウォーキングを行った。S.ハブロカイテスPI127826から全ゲノムDNAを単離した。2μgのgDNAを、数種類の6塩基認識平滑切断制限酵素で別々に消化し、続いてアダプターライゲーションおよび希釈を行った。アダプタープライマー1および遺伝子特異的プライマーを用いて第1ラウンドの増幅を行った。その後、アダプタープライマー2およびネステッド遺伝子特異的プライマーを用いて二次ネステッド増幅を行った。追加的なラウンドのネステッド増幅を行った。増幅されたPCR断片をクローニングし、サンガー(Sanger)配列決定した。
アダプターおよび特異的プライマーによる異なるゲノムDNA断片におけるネステッドPCRは、新規プロモーター配列断片をもたらした。PCR産物のクローニングは、Invitrogen社製Original TA Cloning(登録商標)キットによりプラスミドpCR(登録商標)2.1を用いて行った。配列決定後に、新規プロモーター断片配列において新たなリバースプライマーを設計することができる。クローニングのための適切な制限部位を含有するプライマーによるゲノムDNAにおけるPCRは、最終DNA調節核酸断片をもたらした。
GenBank受託番号FJ194969(ShzFPS)、JN990661(ShZIS)およびJN402388(ShTPS9)に示す核酸配列の5'配列情報に基づき、特異的リバースプライマーを設計した。
プライマーキット:
アダプタープライマー1(AP1;22-mer)
5'-GTAATACGACTCACTATAGGGC-3'
ネステッドアダプタープライマー2(AP2;19-mer)
5'-ACTATAGGGCACGCGTGGT-3'
Figure 2015536152
Figure 2015536152
Figure 2015536152
Figure 2015536152
得られたプロモーター配列を下に表記する。
トリコーム特異的プロモーター配列
配列番号1:2254bp ShzFPSプロモーター
配列番号2:3451bp ShZISプロモーター
配列番号3:530bp ShTPS9プロモーター
配列番号4:1875bp ShTPS9プロモーター(長)
形質転換構築物
最終ShzFPSおよびShTPS9プロモーター配列(それぞれ配列番号1および4)を、pKG1662ベクターにおけるGUS-Aマーカー遺伝子の前に置いた。プロモーターおよびマーカー遺伝子をその後、バイナリーpBIN-plusベクター(Van Engelenら、1995、Transgenic Res、288)の多重クローニング部位にシャトルした(shuttled)。これらの構築物をアグロバクテリウム・ツメファシエンスGV3101に組み入れ、Koornneefら(1986. Transformation of tomato. In: Nevins D.J.およびR.A. Jones編、Tomato Biotechnology. New York、NY、USA、Alan R. Liss, Inc. 169〜178頁)に記載された方法に従って、トマトS.リコペルシカムvar.Moneymakerの形質転換に用いた。植物を形質転換し、カナマイシン選択下で再生させ、一次再生体(regenerant)(T0)を生育して種子を得た。
形質転換体の発現解析
T0植物において、定量的および定性的β-グルクロニダーゼ(GUS)活性解析を行った。
組織学的GUSアッセイを用いてプロモーター活性の定性的解析を行った。様々な植物部分を一晩37℃で大気酸素の存在下、リン酸緩衝液(1mg/ml、K2HPO4、40mM、KH2PO4、10mM、pH7.2、0.2%Triton X-100)におけるXgluc(5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリルβ-D-グルクロニドシクロヘキシルアミン塩)基質と共にインキュベートした。エタノールで反復的に洗浄することにより、試料を脱染した。陰性対照として非トランスジェニック植物を用いた。ShzFPSp:GUSおよびShTPS9p:GUSによるトランスジェニック植物のトリコームは、鮮やかな青色のトリコームを示したが、これらトランスジェニック植物の非トリコーム組織および非トランスジェニック対照植物のトリコームは、染色されていなかった(図1および図2)。
Q-PCRを用いてトランスジェニックトマト植物のトリコームにおけるプロモーター活性の定量的解析を行って、周知のトリコーム特異的遺伝子、即ち、S.リコペルシカムMKS1(Uniprot E0YCS4_SOLLC;Sol Genomics NetworkエントリーSolyc01g108780.2)の発現と比較してGUSの発現を決定した。トリコームを単離するために、トランスジェニックおよび非トランスジェニックS.リコペルシカム植物から葉の葉柄および4cm片の茎を切り取り、液体窒素中で直ちに凍結した。ボルテックスすることにより凍結した茎片からトリコームを収集し、さらなる解析までこれを液体窒素中に維持または-80℃で貯蔵した。試料毎に3回の独立的生物学的複製を採取した。その後、メーカーの説明書に従ってQiagen RNeasy(登録商標)Plant Miniキットを用いて全RNAを単離した。簡潔に説明すると、50mgのトリコームを液体窒素中で粉砕し、予め凍結したエッペンドルフチューブに微粉を移した。トリコームを破壊し、細胞ライセートを大型のデブリから清澄化し、全RNAをカラムに結合させ、精製および溶出させた。供給された緩衝液を記載の容量で用いた。250ng/μl全RNAの平均収量を達成した。
cDNA合成:全RNAを先ずPromega RQ1 RNaseフリーDNaseキットで処理して、メーカーに従って残るゲノムDNAを全て除去した。その後、500ngの全RNAから、Invitrogen Superscript(商標)II逆転写酵素キットを利用して、アンカーオリゴdTプライマーを用いて一本鎖cDNAを合成した。さらなる反応に先立ちcDNAを3倍希釈した。
ShzFPSおよびShTPS9プロモーター(それぞれ配列番号1および4)の活性を決定し、トマトにおける周知のトリコーム特異的プロモーターの活性(MKS1)と比較するために、本発明者らは、qPCR解析を行った。Roche Applied Science LightCycler(登録商標)480 DNA SYBR Green I Masterキットを一本鎖cDNAのqPCR増幅に用いた。反応は、基本的にメーカーのプロトコールに従って構成され、最終容量15μlにおいてインプット材料として2μl cDNAを用いた。反応を3回行った。最終濃度0.5pmol/μlでプライマー(Table 2(表6)に収載)を用いて、線形および単一産物増幅特徴を事前に検査した。LightCycler(登録商標)480装置を増幅反応に利用した。増幅プロファイル:5分間95℃;10秒間95℃、20秒間58℃、30秒間72℃;32サイクル。SYBR Green蛍光シグナルをスコア化し、LightCycler(登録商標)480ソフトウェアによりCp値を計算した。バックグラウンド補正およびカットオフの自動設定を用いた。デルタデルタCt方法を用いて、内在性S.リコペルシカムMKS1遺伝子(公知のトリコーム特異的遺伝子)の発現と比較して濃度独立的平均プロモーター活性を計算した。
数体の独立的形質転換トマト植物(pShTPS9:GUSまたはpShzFPS:GUSを発現)のqPCRデータは、GUSの高レベルのmRNAがトリコームに見出され得ることを示し、本発明者らの発明のプロモーターが高度に活性でトリコーム特異的であることを示す(図3および図4)。さらに、プロモーター活性は、Fridmanら(2005;上記参照)、Ben-Israelら(Plant Physiol. 2009、151巻(4):1952〜1964)およびYuら(Plant Physiol. 2010、154巻(1):67〜77.)による文献に記載されている、以前に記載されたトマトトリコーム特異的プロモーターMKS1よりも数桁高かった(図3および図4)。加えて、ShTPS9およびShzFPSプロモーターが、これが本来同定/単離された種、即ち、S.ハブロカイテス以外の植物種においてトリコーム特異的活性を有することが明らかに示された。この結果は、これらのプロモーターが、高度に活性であることに加えて、他の植物種のトリコームにおいて一般に有用であることを示す。
Figure 2015536152
ShZISの形質転換およびトリコーム特異的発現
ShZISプロモーター配列(配列番号2)は、pKG1662ベクターにおけるGUS-Aマーカー遺伝子の前に置かれる。プロモーターおよびマーカー遺伝子はその後、バイナリーpBIN-plusベクター(Van Engelenら、1995、Transgenic Res、288)の多重クローニング部位において左右に配置される。この構築物をアグロバクテリウム・ツメファシエンスGV3101に組み入れ、Koornneefら(1986. Transformation of tomato. In: Nevins D.J.およびR.A. Jones編、Tomato Biotechnology. New York、NY、USA、Alan R. Liss, Inc. 169〜178頁)により記載された方法に従った、トマトS.リコペルシカムvar.Moneymakerの形質転換に用いる。植物を形質転換し、カナマイシン選択下で再生し、一次再生体(T0)を生育して種子を得る。
GUS発現解析を行い、S.リコペルシカムにおける高度に特異的なトリコーム発現を示す。GUSの発現、したがって、ShZISプロモーターの活性は、文献に記載されている公知のトリコーム特異的プロモーター(例えば、ShMKS1)の活性よりも有意に高い。さらに、これは、ShZISプロモーターが、それが単離された種以外の別の植物種のトリコームにおいて活性を有することを示す。
本発明のプロモーターを用いた代謝操作による代謝物産生の増加
代謝経路操作を用いて、ShzPFS、ShZISおよびShTPS9プロモーターの高い活性が示される。それぞれ2種の公知のプロモーターSlMTS1およびShMKS1(それぞれWO2009/082208およびFridmanら、2005、上記参照)ならびに配列番号1、配列番号2または配列番号4のプロモーターにより駆動されたShzFPS(配列番号5のアミノ酸配列をコードする核酸配列)およびShZIS(配列番号6のアミノ酸配列をコードする核酸配列)のCDSで、トマト植物を形質転換する。プロモーター活性を評価するために、Q-PCRを用いてShzFPSおよびShZISの転写物レベルを決定する。さらに、これらのセットのトランスジェニック植物におけるGC-MSにより、ShzFPSおよびShZISの活性により産生される代謝最終産物であるジンギベレンを決定する。両方のアッセイは、ShzFPS、ShZISおよびShTPS9プロモーターの活性が、以前に記載されたトリコーム特異的プロモーターの活性よりも強いことを示す。

Claims (16)

  1. そのゲノムに組み込まれたキメラ遺伝子を含むトランスジェニック植物または植物細胞または植物組織または器官において、前記キメラ遺伝子が、相同または異種核酸配列に作動可能に連結されたトリコーム特異的プロモーターを含み、前記相同または異種核酸配列が、必要に応じて、相同または異種3'UTR配列にさらに作動可能に連結されることを特徴とし、プロモーターが、
    (a)配列番号4、配列番号3、配列番号1または配列番号2の核酸配列、
    (b)配列番号4、配列番号3、配列番号1または配列番号2の核酸配列の機能的断片、
    (c)配列番号4、配列番号3、配列番号1または配列番号2の核酸配列と少なくとも70%の配列同一性を含む核酸配列、
    (d)(c)の核酸配列の機能的断片
    の群から選択される、トランスジェニック植物または植物細胞または植物組織または器官。
  2. プロモーターが、腺トリコームにおいて特異的に活性を有する、請求項1に記載の植物、植物細胞、組織または器官。
  3. プロモーターが、構成的活性を有する、請求項1または2に記載の植物、植物細胞、組織または器官。
  4. 植物、植物細胞、組織または器官が、1種または複数の生物的および/または非生物的ストレスに曝露されたときに、プロモーター活性が有意には低下しない、請求項1から3のいずれか一項に記載の植物、植物細胞、組織または器官。
  5. 植物がナス科に属する、請求項1から4のいずれか一項に記載のトランスジェニック植物、植物細胞、組織または器官。
  6. 植物細胞に導入されるとトリコーム特異的プロモーター活性を有する単離された核酸配列であって、前記核酸配列が、
    (a)配列番号4、配列番号3、配列番号1または配列番号2の核酸配列、
    (b)配列番号4、配列番号3、配列番号1または配列番号2の核酸配列の断片、
    (c)配列番号4、配列番号3、配列番号1または配列番号2の核酸配列と少なくとも70%の配列同一性を含む核酸配列、
    (d)(c)の核酸配列の機能的断片
    から選択される配列を含む、単離された核酸配列。
  7. 配列番号4、配列番号3、配列番号1または配列番号2の核酸配列の少なくとも200の連続したヌクレオチドを含む、請求項1(d)または5(d)に規定の断片。
  8. 請求項6に記載の核酸配列または請求項7に記載の断片を含むキメラ遺伝子。
  9. 請求項6に記載の前記核酸配列または請求項7に記載の前記断片が、相同または異種核酸配列および必要に応じて3'UTR配列に作動可能に連結されている、請求項8に記載のキメラ遺伝子。
  10. 請求項6に記載の核酸配列、請求項7に記載の断片または請求項8もしくは9に記載のキメラ遺伝子を含むベクター。
  11. 請求項8に記載のキメラ遺伝子または請求項10に記載のベクターを含むトランスジェニック植物または植物細胞。
  12. (a)請求項8に記載のキメラ遺伝子または請求項10に記載のベクターを作製する工程と、
    (b)前記キメラ遺伝子またはベクターで植物または植物細胞を形質転換する工程と、必要に応じて
    (c)トランスジェニック植物を再生する工程と
    を含む、トランスジェニック植物または植物細胞を作製するための方法。
  13. 請求項10に記載のベクターが、工程a)において用いられ、前記ベクターが、配列番号5のアミノ酸配列または配列番号5のアミノ酸配列に対し少なくとも80%同一性を有するそのバリアントをコードする核酸配列に作動可能に連結された配列番号1の核酸配列を含み、前記アミノ酸配列が、ファルネシル二リン酸合成酵素活性を有する、請求項12に記載の方法。
  14. 請求項10に記載の第2のベクターが、工程a)において用いられ、前記第2のベクターが、配列番号6のアミノ酸配列または配列番号6のアミノ酸配列に対し少なくとも92%の同一性を有するそのバリアントをコードする核酸配列に作動可能に連結された配列番号2の核酸配列を含み、前記アミノ酸配列が、ジンギベレン合成酵素活性を有する、請求項13に記載の方法。
  15. 請求項12から14のいずれか一項に記載の方法により得ることができるまたは得られるトランスジェニック植物または植物細胞。
  16. ソラナム・リコペルシカム植物または植物細胞である、請求項15に記載のトランスジェニック植物または植物細胞。
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