本発明は、ある周波数の範囲で動作する電気構成要素からの熱を除去するための熱伝導素子であって、第一の熱伝導率を有する本体を備え、本体には、第一の熱伝導率より高い第二の熱伝導率を有する熱伝導性タイルのパターンを備えるヒートスプレッダが設けられ、複数のタイルの各々はある面積を有し、ギャップで分離されている、当該素子を提供する。
タイル面積とギャップは、熱伝導素子の所定の電磁波干渉(EMI)特性に適合するために、電気構成要素の周波数の範囲に依存して決定される。EMI特性に適合するため、第一本体の材料は通常、非常に低い電気伝導率を有する。
各々のタイルは、独立したタイルが電気構成要素内の高周波電流から発信される電磁エネルギーを吸収するのを防止するのに十分に小さい面積を有する。同時に、各々のタイルは、熱拡散層、ひいては熱伝導素子の熱伝導特性を向上するため可能な限り大きい面積を有する。各々のギャップは、電気構成要素の周波数の範囲内の電流に対してバリアとして機能するのに十分に大きい、隣接するタイル間の距離を形成する。同時に、各々のギャップは、熱拡散層ひいては熱伝導素子の熱伝導特性を向上することができるように可能な限り小さい。結果として、パターン化されたヒートスプレッダは、熱伝導素子の実効電気伝導率の増加を最小限にしつつ、熱伝導素子の実効熱伝導率の増大を最大にする。
すなわち、本発明は、全面的な層に代えて、高い(電気的および熱的)伝導性の熱拡散材料の複数の「島」を備える、パターン化された熱拡散層を提供する。伝導島間のギャップは、電流に対するバリアであるが、それらが十分に狭ければ、依然としてタイル間で熱を通すことができる。さらに、島の大きさがEM波長より十分に小さければ、伝導島はアンテナとしては機能しないであろうし、そのような小さい大きさは、可能な電流ループの大きさをも限定するであろうし、それにより放射を制限するであろう。
本発明による解決手段の記載の他の方法は下記の通りである。本発明は、ある周波数の範囲で動作する電気構成要素からの熱を除去するための熱伝導素子であって、第一の熱伝導率を有する本体を備える当該素子を提供する。熱伝導素子と電気構成要素との組み合わせは、最大の電磁波干渉の所定の要求に適合する。本発明は、本体に、第一の熱伝導率より高第二の熱伝導率を有する熱伝導性タイルのパターンを備えるヒートスプレッダを設けることを特徴とする。熱伝導素子と電気構成要素との組み合わせが最大の電磁波干渉に対する所定の要求に依然として適合しつつ、パターン化された本体の実効熱伝導率が第一の熱伝導率より高くなるように、好ましくは少なくとも50%または100%より高くなるように、これらのタイルがギャップで分離され、かつ、パターンが設計される。
パターン化されたヒートスプレッダによって引き起こされた見かけ上促進された熱伝導率によって、有利に、より大きな冷却面、例えばより大きなヒートシンクベースを用いることができ、結果的にデバイスのワット損をより高くすることができる。
さらに、非導電性の(熱可塑性)のプラスチックの促進された熱伝導性は、現行ではセラミックでのみ可能な大きさのプラスチックヒートシンクを用いることを可能にする。セラミックをプラスチックで置き換えることで、コストと重量を大きく抑えることができ、例えば搭載するデバイスの集積について、設計の柔軟性をより大きくすることができる。
概して、本発明は、例えばヒートシンクのベースに、高伝導性の(グラファイトまたは他の)パターンを付加することにより、非伝導性の材料(例えばプラスチック)のヒートシンク特性を改善することができる。同時に、本発明は、ある特定の周波数の範囲内(他の法的な限界が適用される製品群に依る)で電気伝導性領域を大きくすることをあきらめることによって、ヒートシンクの電磁両立性(EMC)特性を許容できるようにする。大きさを調整することによって、および、伝導性パターン要素に間隔をあけることによって、当業者が要求された実用上のまたは法的なEMC特性を満たすようにすることができる。
例示的な熱拡散材料(すなわちパターンの島の材料)は、グラフテックSS500グラファイト熱拡散材料である。他の例示的な材料はアルミニウムである。タイルのための材料として、他の金属を用いることもできる。
熱伝導性の本体の上に設けられた均一の層に対するパターンの他の利点は、当該パターンは本体と層との熱膨張率の違いによる応力にさらされないということである。
本発明の一実施形態において、各々のタイルは、電気構成要素の動作周波数の範囲の特性波長の大きくても10%、好ましくは大きくても5%、より好ましくは大きくても1%の主要寸法の面積を有する。これにより、タイルの面積が、実質的な電流ループがタイルに生じえる面積よりも十分に小さくなることが保証される。
本発明の一実施形態において、各々のギャップの大きさは、電気構成要素の動作周波数の範囲の特性波長の少なくとも0.1%、好ましくは少なくとも0.5%、より好ましくは少なくとも1%である。これにより、タイル自体は電気的に伝導性を有しているとしても、有利に、パターンの実効電気伝導率を低く保つことが保証される。
本発明の一実施形態において、パターンは規則的格子である。規則的格子は、製造時に利点を有し、容易にモデル化されうるので、性能の計算をすることができる。
本発明の一実施形態において、タイルの主要寸法は、0.5mmから5mmの間であり、好ましくは1mmから4mmの間であり、より好ましくは1.5mmから2.5mmの間であり、かつ、ギャップは、0.1mmから1.2mmの間であり、好ましくは0.15mmから5mmの間であり、より好ましくは0.15mmから0.25mmの間である。これら大きさは良好な結果を与えることが示された。
本発明の一実施形態において、第一の熱伝導率は少なくとも1W/mKである。一実施形態において、第一の熱伝導率は大きくても50W/mKであり、より好ましくは大きくても25W/mKである。一実施形態において、第二の熱伝導率は少なくとも50W/mKであり、または、少なくとも100W/mKであり、または、少なくとも250W/mKであり、または、少なくとも500W/mKである。
本発明の一実施形態において、タイルまたは島はグラファイトで形成される。
本発明の一実施形態において、本体は、ポリマーまたはセラミックを備える。
本発明は、熱伝導素子の本体に接着するためのフィルムをさらに提供し、当該フィルムは、前出のいずれかのクレイムによる熱伝導性のタイルのパターンを備える。
本発明は、本発明による熱伝導素子と電気構成要素との組立体をも提供する。電気構成要素は、ビデオプロセッサIC、SDRAMモジュール、または他のコンポーネントであってよい。本発明は、例えば、500MHzより高い、1GHzより高い、または、1.5GHzより高い周波数である、動作周波数で電気構成要素が動作する場合に有利に適用できる。一実施形態において、ICは、1600MHzで動作する。
さらに、本発明は、パターン化された熱伝導素子を形成する方法を提供し、当該方法は、第一の熱伝導率を有する本体を有する熱伝導素子を提供する段階を備え、第一の熱伝導率より高い第二の熱伝導率を有する熱伝導性タイルのパターンを前記本体に設け、タイルの各々は面積を有してかつギャップにより分離され、タイル面積とギャップは、熱伝導体の所定の電磁波干渉特性に適合するように、電気構成要素の周波数の範囲に依存して決定されることを特徴とする。
本発明の一実施形態において、パターンは本体の面をレーザエッチングすることによって提供される。 この方法において、熱拡散パターンを、熱拡散素子本体の外面に効果的に形成することができる。
本発明の一実施形態において、パターンは、当該パターンが形成される基板の周りに本体をインジェクションモールディングすることによって提供される。この方法において、パターンを熱拡散素子本体の内側に効率的に形成することができる。
図1aは、本例の集積回路(IC)12における、電気構成要素12との熱的接触が提供された熱伝導素子10を概略的に示す。熱伝導素子10は、プラスチック製の本体13を備える。プラスチックは有利に、電気伝導性が本質的にゼロであり、それゆえ、プラスチックが高周波数ICの上面に設けられても、電磁放射線の放射という問題を起こすことはない。プラスチックに代えて、十分に低い電気伝導性を有する他の材料が用いられてもよい。本体の典型的な厚みは、0.5と5mmとの間で、例えば、1.5mmである。本体13には、図2aおよび2bを参照してその詳細が説明されるヒートスプレッダ14が設けられる。図1aの例において、ヒートスプレッダはIC12と本体13との間に位置する。代替構成において、ヒートスプレッダは、IC12に面しておらず、本体13の上面に設けられてもよい。
図1bはさらに代替配置を示し、そこでは本体13には冷却フィン15が設けられる。フィンは本体13におけるICと面していない側に取り付けられており、ヒートスプレッダ14は本体13とIC12との間に位置している。パターン化されたヒートスプレッダ14は、ICに面しており、熱伝導体の本体13を通してICからの熱を広げるのを効率的に助ける。本体13で吸収された熱は、本体13に設けられた熱フィン15を介して周囲環境に与えられ得る。
図1aおよび1bの例において、本体13およびICに面しているヒートスプレッダ14の面は、ICの上面よりも実質的に大きい面積を有する。結果として、本体およびヒートスプレッダの端部は、ICの端部を超えて伸びている。これがヒートシンクに最も共通する構成である。しかしながら、ICの上面と同一の面積またはより小さい面積を有する本発明による熱伝導素子10が用いられて本発明が実現されてもよい。
図2aは、タイル20の規則的パターンの形をしたヒートスプレッダ14を有する、図1aのIC12の上に搭載された熱伝導素子10の概略底面図である。これらのタイルは熱的に(電気的にも)伝導性の材料により形成され、aおよびbの大きさを有し(図2b参照)、かつ、互いにギャップgによって分離された規則的格子状に配置される。この例において、各々のタイルは2mm×2mmで、0.25mm厚さの四角形の電気伝導性のグラファイトである。特定の方向の最も大きいもの(すなわちサイズaまたはb)はタイルの主要なまたは特徴的な寸法とも呼ばれる。 この例において、ギャップは0.2mm幅である。 適している熱拡散材料は、グラフテックSS500グラファイト熱拡散材料であるが、他の適したグラファイトおよび非グラファイト材料が当業者にとって使用可能である。
熱拡散島(パターンタイル)の大きさは、熱的な観点からできるだけ大きく選択されるが、EMIを拾うのを防ぎ、最終的な電流ループの大きさを限定するように、ICの振動電流の関連波長より十分に小さくされる。島間のギャップの大きさは、見かけ上の熱伝導率を促進するために可能な限り小さいが、電気的な絶縁を保つためには十分大きくされる。
IC12が1.6GHzで機能する場合に(例えばSDRAMメモリ)、ICから発信する放射線の対応波長はほぼ188mmである。2mm×2mm四角形のパターンは、波長の約1%の特徴的な寸法を有し、各々の独立した四角形は、それゆえ、EMIに対して非常に限定された貢献しか有しないであろう。結局、これら四角形は波長に比較して非常に小さいので、単一の四角形内で、IC内の高周波数電流によって実質的には電流ループが導入されない。
図2bは、ヒートスプレッダの詳細を概略的に示す。この例において、タイルは規則的パターンまたはグリッドに配置される。各々のタイルは、第一の大きさaおよび第二の大きさbを有する。 第三の大きさ(高さまたは厚み)はこの平面図には示されていない。上記した通り、例示的に適した厚みは、例えばグラファイト材料に対して、0.25mmである。この例において、a=bであり、これによりタイルは正方形状を有する。図5a−5cを参照し、他のいくつかの例示的なパターンが記載される。
図3a−3cは、モデル計算の結果を概略的に示す。それらの図面の各々において、右下角は除去されるべき熱の発生源と熱的接触している。側面は断熱されており、温度は摂氏0度の環境に対して算出されている。そのようにして、この結果は熱伝導素子10の4分の1のモデリングとみなすことができ、右下角はICと接触した中心の比較的小さい領域を表している。図3aは、熱拡散素子10本体13は、熱伝導率kが8W/mKに等しいプラスチックであり、熱拡散パターンが設けられない、モデル計算を示している。右下角において、温度は摂氏20を超える。デバイスの斜めに沿って、温度はほぼ摂氏9度である。これは熱伝導率が比較的低い例である。
図3bは、図2aのプラスチック本体13に一面の(すなわちパターン化されていない)熱拡散層が設けられている計算に対応する。この熱拡散層は、許容できないEMI特性を有し、それゆえ、比較のためだけに用いられている。このモデルによれば、右下角は摂氏9.3度であり、主対角に沿って温度がほぼ摂氏6度である。
図3cは、パターン化されたヒートスプレッダでの計算の結果を概略的に示す。モデル化された四分の一のヒートスプレッダは、2mm×2mmのタイルを0.2mmのギャップで10個×10個有する。実際の計算において、これら伝導性タイルは単一の温度を有する傾向があるけれども、等温線はタイルの端部におおまかに沿ったリプルを示す。図3cに描き込まれた等温線において、このリプル効果は平滑化されている。図3bの計算と比較すると、右下角の温度は、わずかに摂氏12.5度にまで上がっているが、それでも、図3aのパターン化されていない熱プラスチック本体の摂氏20.6度より十分に低い。斜めにおける温度は、図3bにおいて、ほぼ摂氏6度である。モデル計算によれば、図3cのパターン化されたヒートスプレッダ14を有する本体13は、熱プラスチック本体13だけの8W/mKに比較して、25W/mKの実効熱伝導率を有する。したがって、パターン化されたヒートスプレッダは、実効熱伝導率を3倍以上も増大させつつ、熱伝導素子のEMI特性を許容されるものに保っている。
実効熱伝導率のこの増大は、図4aおよび4bからも明らかである。図4aは、図3cを参照して記載されたモデル化された熱的分布を示す。例えば、k=8W/mKの1.5mm厚の本体で、0.25mm厚でk=500W/mKのグラファイトタイルのパターン化されたヒートスプレッダを用いた場合である。再び、以下に提供される算出結果の描像において、算出されたリプル効果は、描き込まれた等温線において平滑化されている。図4bは、k=25W/mKを有する仮想的な本体の熱的分布を示す。図4bにおいてパターン化されたヒートスプレッダは用いられていないので、リプル効果はこの計算にはない。等温線(リプルは無視)が実質的に同一であるという事実から、k=8W/mKのベースとk=500W/mKのタイルを備えるパターン化された図4aのヒートスプレッダは、25W/mKの実効熱伝導率を有する、という結論が導かれる。
テーブル1は、TV用途内のコアICに対するデータ例を表す。このデータは、ラップトップマザーボードに対するものも表している:その敏感な周波数域は30MHz−2GHzである。将来、技術的および法律的発展によって、敏感な周波数域の上限はより高周波数、例えば6GHzになるであろう。当業者であれは、本願の開示に基づいていかなる周波数の範囲に対しても本発明を適用し得るであろう。
30MHz−2GHz帯に対して、望まない放射および反射ゆえに5mmよりも大きい、特性または主要寸法の電気伝導性の面が浮くことを避けることがベストである、ということを計算が示している。等価電気抵抗は、閾値、例えば100ΩDC、を超えるべきであり、それにより結果として少なくとも0.8mmの間隔という要件をもたらす。熱的には、当該パターンの等価的な伝導率を算出(またはシミュレーション)することができる。多数の結果が、テーブル1(1.6mmギャップに対して)、テーブル2(0.8mmギャップに対して)およびテーブル3(0.4mmギャップに対して)に示されている。パラメータ「t」はベース厚みを表し、「ドット大きさ」はタイルの大きさ(mmで)の省略である。パラメータhは熱伝達係数であり、ファンなし冷却に対して典型的な値はh=10W/m
2Kであり、ファン冷却家電製品に対して典型的にh=20W/m
2Kである。
テーブル1 1.6mmギャップに対する等価熱伝導率の計算例
テーブル2 0.8mmギャップに対する等価熱伝導率の計算例
テーブル3 0.4mmギャップに対する等価熱伝導率の計算例
例示的な動作可能範囲は以下の通りである:3.5mm×3.5mmの寸法のグラファイトグリッドで間隔(ギャップ)が0.9mmから、4.5mm×4.5mmグリッドで間隔が1.1mmより大きいものまで。この概念は、ヒートシンク冷却が要求され、かつ、EMC限界が旧来の金属ヒートシンクを除外しているような、いかなる種類のICまたは電子デバイスにも特に適用し得える。
さらなる例において、出願人は、1mmより大きい間隔で4mm×4mmの寸法のグラファイトグリッドが下記に十分であることを実証によって見出した:(1)ヒートシンクとして作用するのに最低限必要とされる熱伝導率を取得するため;(2)2GHzまでの周波数の範囲で、直接接触(パッチアンテナ効果)によっても、EM波の反射によっても、アンテナとして作用しない十分な小ささの電気伝導性領域を取得するため。
概して、正確な大きさは、求められる熱伝導率およびポテンシャルEM放射の周波数にも依存することに留意されたい。本願の本開示および提供される例に基づいて、当業者は、パターン化された熱伝導素子が熱伝導率およびあらゆる特定の構成のEMIの要求を満たすように、本発明に従ったパターンを設計することができる。
図5a−5cは、可能な熱拡散パターンのいくつかを概略的に示す。図5aは、ギャップgで分離された格子状内の、大きさaおよびbの四角形のタイル50を示す。図5bにおいて、タイル51は矩形であり、ギャップによって分離された、レンガ状に配置されている。図5cは、六角形のタイル52による六角形または蜂の巣パターンを示す。
図6は、接着フィルム上のヒートスプレッダを概略的に示す。フィルムは、本発明のヒートスプレッダの実施形態のいずれかによる、タイルの形式での熱拡散パターンを備える。フィルムは熱拡散素子の本体13に貼り付けることができ、それにより、上で説明したように、EMI特性に不利な影響を与えることなく実効熱伝導率の増大を提供する。そのようなフィルムは現存の熱拡散素子を有利にアップグレードすることを許容する。フィルムは、プラスチック本体、セラミック本体、または、ヒートスプレッダに用いられるいかなる他のタイプの材料に対しても適用できる。
フィルムは、エッチングまたはレーザ刻印された銅の熱拡散パターンを有するカプトンフィルムであってよく、それは、プラスチックヒートシンクベース上に積層される。
図7は、パターン化された熱伝導素子を形成する方法を概略的に示す。この方法は、第一の熱伝導率を有する本体を有する熱伝導素子を設けること71を備える。動作72において、上記本体には、第一の熱伝導率より高い第二の熱伝導率を有する熱伝導性タイルのパターンが設けられる。タイルは各々ある面積を有してギャップにより分離されており、タイル面積およびギャップは、熱伝導体の所定の電磁波干渉特性に適合するように、電気構成要素の周波数の範囲に依存して決定される。
例示的な実施形態において、動作72は、本体の面のレーザエッチングによってパターンを設けることを含む。この方法において、熱拡散パターンが、熱拡散素子本体の外面上に効果的に形成され得る。
さらに例示的な実施形態において、動作72は、パターンが形成される基板の周りに本体をインジェクションモールディングしてパターンが設けられることを含む。この方法において、パターンが熱拡散素子本体の内面に効率的に形成され得る。
さらに例示的な実施形態において、動作72は図6の接着フィルムを本体に設けることによってパターンを設けることを含む。
図8aおよび8bは、従来のプラスチック熱伝導素子(図8a)の動作を、本発明の実施形態による熱伝導素子(図8b)と比較した実験を示す。これらの図面は感熱(赤外線)写真であり、暗い領域は温度が比較的低いことを表し、明るい領域は温度が比較的高いことを示す。両方の画像において、熱伝導素子には加熱された四角形が設けられている。従来の熱伝導素子は伝導率が比較的低いので、熱は効率的には広がってはいない(図8a)。図8bにおいて、ヒートスプレッダの熱伝導タイルによって、熱はより大きく効率的に広がっている。複数のタイルの規則的パターンには、本質的に一定の温度が一定の明るさを与えることが反映されている。
これらの図面の上記説明において、それらの特定の実施形態を参照して本発明が記載されていた。しかしながら、添付の特許請求の範囲に要約された本発明の範囲から離れない程度において、様々な変形や変更が可能であることが明らかであろう。
変形や変更は、以下を含むが、ただしそれらには限られない。熱伝導性かつ電気的に絶縁性の他のベース材料が用いられてもよい。フィンのヒートシンクのベースを含み、冷却面の他の大きさおよび形が用いられてよい。インクジェット印刷されたまたはスクリーン印刷された伝導性インクまたはコーティングを含む、他の熱拡散材料が用いられてよい。ヒートシンクの領域は、インジェクションモールド内に入れられて、それらの周りをプラスチックインジェクションモールドされてもよい。ヒートスプレッダは、冷却面かつレーザまたは他の手段で生成されたパターン上に置かれてもよい。
特に、本発明の様々な態様の特定の特徴が組み合わされてもよい。本発明の態様は、本発明の他の態様に関して記述された特徴を加えることによってさらに有利に促進されてよい。
本発明の特に有利な用途は、ビデオプロセッサICに対してデバイスを冷却することであって、それは典型的には高周波数で動作する。他の有利な用途は、EMIに敏感な用途のLEDの冷却である。
本発明は添付の特許請求の範囲およびそれの技術的な等価物にのみ限定されることが理解されるべきである。この書類およびその特許請求の範囲において、動詞「備える」およびその活用形は、その語に続く事項を含むという意味の非限定的な用法で使われており、特に言及していない事項を排除していない。加えて、不定冠詞「a」または「an」で参照される要素は、要素のうちの一つが文脈上明らかに唯一であることを要求している以外は、その要素が一つより多く存在する可能性を除外しない。よって不定冠詞「a」または「an」は通常、「少なくとも一つ」を意味する。