JP2015532021A - データおよび音声並行通信経路を用いたリモートでの受診ならびに状態評価のためのシステムならびに方法 - Google Patents

Abstract

【課題】遠隔地の患者のための医療受診等のリモート受診および状態評価を提供するためのシステムならびに方法を提供する。【解決手段】本システムは、患者のモバイルデバイスと医療提供者のモバイルデバイスとを含み、両デバイス間での音声およびデータの転送を提供するためにいずれのデバイスもネットワークに接続されている。身体パラメータ測定デバイスが、患者のモバイルデバイスに接続可能であり、一つ以上の身体パラメータの測定に応じてデータを生成することができ、このデータは、患者のモバイルデバイスと医療提供者のモバイルデバイスとの間での音声通信中に、ネットワークを通じてストリーミングまたは一時的メッセージデータとして医療提供者のモバイルデバイスに提供可能である。本方法は、身体パラメータ測定デバイスを患者のモバイルデバイスに接続するステップを含み、患者のモバイルデバイスは、医療提供者のモバイルデバイスとの身体パラメータデータ通信経路と音声通信経路とを同時に確立する。【選択図】図１

Description

優先権の主張
本出願は、２０１２年６月１９日に出願の米国特許出願第６１／６６１，６５０号に対する優先権を主張する。

本発明は、一般に無線周波数通信に関し、特に、データおよび音声並行通信経路を実時間情報交換に用いて患者と医療提供者との間などでの受診、モニタおよび／または検討をリモートで実施ならびに誘導するシステムならびに方法に関する。

患者と医師または他の医療提供者との間の典型的な受診には、脈拍、体重、心拍および呼吸等の身体パラメータを検出ならびに測定することと、同時に患者の訴えの説明を得るために患者と医療提供者との間で対話するという、二つのソースからの関連情報の入手が含まれる。両方の情報ソースを検討して、医学診断および治療方針が考えられる。

二つの情報ソースを同時に受け取ることによってのみ正確な診断ができるため、このような医療受診には、従来、直接訪問が必要である。また、対話には、医療提供者が患者から情報を得、その情報に基づいてさらに質問をする、双方向の話し合いが含まれるのが好ましい。医師の場合、これらの受診には、患者が医院もしくは他の指定の場所（例えば診療所）に来ること、または医師もしくは他の医療提供者が（例えば入院中または在宅の）患者を訪問することが必要である。このような訪問は、特に、患者に常時監視あるいはその常時監視に応じた治療および／もしくは投薬の修正が必要である場合、ならびに／または患者が寝たきりの場合に問題がある。さらに、患者が提示する病歴に加えて、生理学的データおよび病理学的データが得られれば、より良い判断をすることができる。

これらの問題を克服するために、ある医療提供者が身体パラメータを測定し、後で医師または別の医療提供者が検討することができる。しかし、患者の現在の健康状態を判断するために患者パラメータと対話とを同時に検討する利益が、患者を遠隔訪問する都合のために犠牲になる。その結果、介護の修正が遅すぎて効果が得られなくなることもあるだろう。

したがって、現行の受診の生理学的および病理学的身体パラメータの測定と双方向対話との両方による情報交換を維持しながら、リモートモニタと、仮想であっても物理的な受診とを可能にする、医療システムおよび方法が必要である。さらに、以下の発明を実施するための形態を添付の図面および本開示の発明の背景とともに考慮することによって、他の望ましい特色および特徴が明らかになるであろう。

発明を実施するための形態によれば、リモートで患者の健康を評価するための方法が提供される。本方法は、身体パラメータ測定デバイスを患者のモバイルデバイスに接続するステップを含む。本方法は、患者のモバイルデバイスから医療提供者のモバイルデバイスとの音声通信経路を確立し、身体パラメータ測定デバイスから医療提供者のモバイルデバイスへのデータトランスポートを提供するために、同時に医療提供者のモバイルデバイスとのデータ通信経路を確立するステップをさらに含む。

別の態様によれば、リモートで患者にヘルスケアを提供するためのシステムが提供される。本システムは、音声通信およびデータ通信を提供するためのネットワークと、ネットワークに接続された患者のモバイルデバイスと、ネットワークに同じく接続された医療提供者のモバイルデバイスと、身体パラメータ測定デバイスとを含む。身体パラメータ測定デバイスは、患者のモバイルデバイスに接続可能であり、一つ以上の身体パラメータの測定に応じてデータを生成することができる。患者のモバイルデバイスと医療提供者のモバイルデバイスとの間での音声通信中に身体パラメータ測定デバイスから医療提供者のモバイルデバイスへのデータトランスポートを提供するために、患者のモバイルデバイスは、医療提供者のモバイルデバイスとの音声通信経路とデータ通信経路とをネットワーク上に同時に確立する。

また、別の態様によれば、状態評価のためのロバストな通信のための方法が提供される。本方法は、パラメータ測定デバイスを第一のモバイル通信デバイスに接続するステップと、第一のモバイル通信デバイスと第二のモバイル通信デバイスとの間に音声通信経路を確立するステップと、第一のモバイル通信デバイスと第二のモバイル通信デバイスとの間での音声通信中にパラメータ測定デバイスから第二のモバイル通信デバイスへの実時間データトランスポートを提供するために、第一のモバイル通信デバイスと第二のモバイル通信デバイスとの間にデータ通信経路を同時に確立するステップとを含む。

さらに別の態様によれば、リモートでの評価およびモニタのための方法が提供される。本方法は、パラメータ測定デバイスをモバイルデバイスに接続するステップと、その後、リモートモバイルデバイスから中央モニタシステムとの音声通信経路を確立するステップとを含む。本方法は、パラメータ測定デバイスから医療提供者のモバイルデバイスへの中央モニタシステムを介したデータトランスポートを提供するために、中央モニタシステムとの音声通信経路を確立するのと同時に中央モニタシステムとのデータ通信経路を確立するステップをさらに含む。

添付の図面において、同様の参照番号は、異なる全ての図面において同一または機能的に類似の要素をさす。これらの図面は、以下の発明を実施するための形態とともに本明細書に組み込まれてその一部を成し、様々な実施形態を示し、本実施形態による様々な原理および利点を説明する役目を果たす。

本実施形態によるモバイル医療システムの概要を示した図であり、図１Ａは、システムの概要を示した図であり、図１Ｂは、システムのフィードバックループの態様を示した図である。 本実施形態による図１のモバイル医療システムで使用するためのブルートゥース対応デバイスのツールボックスを示した図である。 本実施形態による図１のシステムで使用するための血圧用装備を示した図であり、図３Ａは、装備用の血圧カフ、ブルートゥース血圧測定デバイスおよび通信デバイスを示した図であり、図３Ｂは、装備用のＧＳＭ（登録商標）モデムを示した図である。 本実施形態による図１のシステムにおいて動作時の図３Ａの通信デバイスのスクリーンショットを示した図であり、図４Ａは、システムで使用するためのアプリケーションを含むフォルダが開かれてないスクリーンを示した図であり、図４Ｂは、システムで使用するためのアプリケーションを含むフォルダが開かれたスクリーンを示した図である。 本実施形態による図１のシステムにおいて動作中の図３Ａのブルートゥース血圧測定デバイスおよび通信デバイスを示した図である。 本実施形態による図１のシステムにおいて医療提供者に提示される取得した患者の血圧値を示した図であり、図６Ａは、受信した血圧値の視覚化を示した図であり、図６Ｂは、時間に対する患者から受信した血圧値のグラフを示した図である。 本実施形態による図１のシステムで使用するためのオキシメータ装備を示した図である。 本実施形態による図７の装備の中のオキシメータブルートゥースデバイスおよび図１のシステムにおいて送受信される信号を示した図である。 本実施形態による図１のシステムにおける医療提供者へのリマインダの設定を示した図であり、図９Ａは、オーダエントリスクリーンを示した図であり、図９Ｂは、図９Ａのオーダエントリスクリーンで考えられる医療リマインダの選択肢を示した図である。 本実施形態による図１のシステムで使用するための計量用装備を示した図である。 本実施形態による図１のシステムにおいて医療提供者（ｈｅａｌｔｈ ｐｒｏｖｉｄｅｒ）に提示される取得した患者の体重値を示した図であり、図１１Ａは、受信した体重値の視覚化を示した図であり、図１１Ｂは、時間に対する患者から受信した体重値のグラフを示した図である。 本実施形態による図１のシステムにおいて通信デバイスがリモートトリガメッセージを送信するときの通信デバイスのスクリーンショットを示した図であり、図１２Ａは、送信するリモートトリガメッセージの選択肢を示したアプリケーションの第一のスクリーンを示した図であり、図１２Ｂおよび図１２Ｃは、図１２Ａに示した第一のスクリーンから選択を行った時に送信されるリモートトリガメッセージの２つの例を示した図である。 本実施形態による図１のシステムにおいて通信デバイスがリモートトリガメッセージを受信するときの通信デバイスのスクリーンショットを示した図であり、図１３Ａは、メッセージ受信時に現れるスクリーンショットを示した図であり、図１３Ｂは、メッセージ応答時のスクリーンショットを示した図である。 本実施形態による図１のシステムにおいて動作するモバイル医療マネージャプログラムからのスクリーンショットを示した図である。

当業者には当然のことながら、図の要素は簡単および明確のために示されるものであり、必ずしも縮尺通りに描かれてはいない。例えば、ブロックダイアグラムまたは流れ図における一部の要素の寸法は、本実施形態の理解の向上に役立つように他の要素に対して誇張されている場合がある。

以下の発明を実施するための形態は、本質的に例示にすぎず、本発明または本発明の応用もしくは用途を制限することを意図したものではない。さらに、以上の発明の背景または以下の発明を実施するための形態において提示されるいかなる理論にも拘束される意図はない。

患者と医療介護者との間、および現場作業者とオフィス／医療センター人員との間のリモートでの相談およびモニタは非常に制限されている。このようなリモートでの相談には、データ入手用の特別なデバイス、特別な通信リソースが典型的に必要であり、当事者が特製のテレビ会議施設にいることが必要であることが多い。本システムは、先行技術のこれらの欠点を、普及している携帯電話およびＷｉＦｉネットワークを音声およびデータの並行通信に利用することによって克服する。携帯電話技術に組み込まれた音声およびデータの並行チャンネルによって接続された、二当事者（または一当事者とサーバ）間の音声およびデータによる対話は、いずれの当事者の物理的位置とも関係ないため、本発明の実施形態によるリモートでの相談をより普及させることができる。

本発明の実施形態によるシステムおよび方法は、医療従事者による適切に装備された当事者の院内モニタに、患者宅と中央モニタ施設との間をデータが流れる自宅医療モニタに、例えばある場所の病院との間で離れた場所で相談を行うなどのリモート患者モニタに、現場機器の状態をリモートでモニタし、状態を本社に返信するために、現場作業者と本社専門家との間での相談に、および、患者と医療専門家との間でのリモートでの相談に有用である。本発明の実施形態は、医療施設内で、医療従事者が患者と同じ場所にいないときに患者の状態をモニタすることも可能にする。

図１は、図１Ａおよび１Ｂを含み、本実施形態によるモバイル医療システム１００の概要を示している。図１Ａは、モバイル医療システム１００とシステム１００における情報のデータフローとを示したダイアグラム１０２である。データは、ＵＳＢケーブルまたはブルートゥース通信によって取り付けられたトランスデューサまたはセンサ１０４から携帯電話等の通信デバイス１０６に、さらに通信事業者／インターネットバックボーン１０８に流れる。通信事業者／インターネットバックボーン１０８から、データはさらに携帯電話またはサーバ等のターゲット通信デバイス１１０へと流れる。

このように、携帯電話１０６に接続されたトランスデューサ／センサ１０４からデータが取得される。このトランスデューサ／センサ１０４は、計量機に接続されてもよいし、または血中酸素濃度検出のためにオキシメータに接続されてもよい。患者データを入手し、ＵＳＢケーブルまたはブルートゥースにより携帯電話１０６に伝送できる他の任意の診断機器も使用されてよい。ユーザは、携帯電話１０６のソフトウェアアプリケーションを用いて、所望の当事者（例えば、医療提供者または健康モニタサービス）の電話番号を入力しうる。次いでアプリケーションが、所望の当事者のインターネットアドレスを当業者に周知の様式で発見する（ＩＰ発見ステップ）。アプリケーションは、音声呼も開始し、被呼当事者の電話１１０の適切なアプリケーションをトリガする。被呼当事者は、呼に応答すると発呼当事者と音声通信し、同時に、トランスデューサ１０４により発呼当事者が取得したデータを見ることができる。発呼当事者と被呼当事者との間での相談が続く間、音声／データ接続が維持される。

当業者は、図１Ａに示したシステムによって、医師‐患者受診が、従来の医師‐患者直接受診の物理的位置を越えて広がることを認識するであろう。電話ネットワークおよび／またはＷｉＦｉネットワーク等のネットワーク１０８と連動して動作する携帯電話１０６（またはタブレット等の他のモバイルデバイス）は、医師および患者の位置の制約を取り除き、音声およびデータの同時通信のための経路を提供する。システム１００は、（ａ）患者上のまたは患者に隣接したセンサからデータを取得するため、（ｂ）携帯電話１１０または医療提供者もしくはシステムに帰属する他の適切なモバイルデバイスもしくは固定デバイスを位置特定し、識別し、通信をトリガするため、（ｃ）患者の電話１０６または医療提供者の電話１１０上のアプリケーションをトリガするため、および（ｄ）二者以上の当事者間で常時音声通信を維持しながらの、医療提供者の電話１１０と患者の電話１０６との間でのリアルタイムデータの伝達のための、方法、プロトコルおよびツールを含む。

音声通信およびデータ入手／別の当事者へのデータトランスポートは、専門家／医師から離れた場所にデバイスおよび／または患者を持つ多くの企業にとって重要である。電話ネットワークまたはインターネットへのアクセスを有するスマートフォンおよびタブレットコンピュータ等の現代のモバイルデバイスは、音声およびデータの両方の回線を提供するため、これらは、現場作業者と病院もしくはオフィスにいる医療従事者またはそのアシスタントとの間のリモートモニタおよび相談をリンクするための潜在的エンドポイントに位置づけられる。モバイル技術は、数々の利用可能な信号トランスデューサ１０４（例えば、血圧、ＥＥＧおよびＥＣＧ等の電気信号、オキシメトリおよび検眼鏡画像等の光信号、超音波信号、反応時間モニタ）のいずれかを用いてデータを入手するためのインタフェースだけでなく、取り付けられたトランスデューサから取得したデータをデータトランスポートまたはデータの一時的メッセージング等によって伝達しながら同時に相手当事者／サーバと通信することができる、データ分析および他の個人、エンティティまたはサーバとの接続確立の双方のためのプラットホームも提供する。データトランスポートは、ユーザデータグラムプロトコル（ＵＤＰ）によるストリーミング、伝送制御プロトコル（インターネットプトロコル）（ＴＣＰ／ＩＰ）によるデータパケットの転送、またはショートメッセージサービス（ＳＭＳ）による一時的なテキストメッセージングによって達成することができる。

中心的概念は、既存の電話ネットワークまたはインターネットアクセスと合わせたモバイル技術が、二当事者間のフィードバックループを閉じることである。過去には、データを取得することはできたが、次に何をすべきかの診断および／または指示が直接受診または音声通信まで延期された。既存のネットワークを使用して医師またはクリニックとの接続性を確立するモバイルデバイスによって、対象、患者または現場作業者が取得したデータを、本実施形態によりスマートフォンまたは類似のモバイルデバイスを用いて音声コメント／ダイアログと連動して別のエンティティ、専門家または同僚に伝達することが可能になり、直接受診の必要がなくなる。データおよび音声の双方向経路によって、診断および治療法の選択肢について話し合い、または追加の患者データを要求／受信するために使用できる当事者間のフィードバックループが可能になる。

図１Ｂを参照すると、ダイアグラム１５０は、本実施形態によるフィードバックループ１５２の一例を示す。多当事者フィードバックループ１５２において、医療提供者１５６にデータを転送する遠隔地または在宅の患者１５４が、クリニック訪問が必要かどうかを判断するために決定的な情報を提供することができ、または転送されたデータを用いて患者１５４への治療提案が行われることができる。患者１５４または他の発呼者は、トランスデューサ１０４を患者パラメータ測定デバイスおよび通信デバイス１０６に接続することにより、ループエレメント１ １５８を有効化する。医療提供者、オフィス／クリニック／病院アシスタントまたはサーバ１５６に対して呼が開始され、これによりエレメント２ １６０が有効化される。上述の通り、呼は、ループエレメント２ １６０の並行経路の一方により音声通信が行われ、ループエレメント２ １６０の並行経路の他方により患者データがＳＭＳメッセージとして通信されまたはリアルタイムストリーミングされる、並行の通信経路を含む。医療提供者１５６は、患者のデータを受信し、発呼者と通信する。このように、医療提供者は、患者１５４の治療を開始、修正または継続するために一つ以上のＳＭＳメッセージおよび／または音声通話によって発呼者と通信し、これによりループエレメント３ １６２を有効化し、フィードバックループ１５２を完成することができる。

本実施形態によれば、患者１５４が発呼者である必要はない。例えば、医療施設内において、クリニックまたはベッドサイドで患者から取得したデータを適切な医療提供者に、評価および臨床看護師または他の医療提供者へのフィードバックのためにストリーミングすることができる。加えて、医学生と上級医または指導医との間に音声／データダイアログを確立することができる。

当業者は、医療提供者１５６が、一つ以上の患者パラメータを測定するためにループエレメント３ １６２に沿って患者１５４にＳＭＳメッセージを送信することによってフィードバックループ１５２内での通信を開始し、情報送信時に返呼することもできることも認識するであろう。例えば、医師、アシスタント、クリニックまたはサーバが、ループエレメント３ １６２に沿って患者に対し、何らかのアクティビティ（例えば計量）を行うように繰り返しリマインダを（例えば電話またはサーバからのＳＭＳまたは電子メールにより）提供することができる。患者１５４は、リマインダの受信時に、リマインダを受理または拒否することができる。受理した場合、患者のモバイルデバイス上で関連のアプリケーションがトリガされればよい。アクティビティの結果は、ブルートゥースまたはＵＳＢ接続されたデバイスからループエレメント１ １５８に沿ってアプリケーションによって受信され、ループエレメント２ １６０に沿って医師またはクリニックに返送されればよい。固定の制限時間内に結果が受信されないときには、ループエレメント３ １６２に沿ってリマインダが繰り返されればよい。このようにして、医療提供者１５６が推奨される治療への患者１５４のコンプライアンスをリモートモニタし、必要に応じて患者１５４を促すために、医療提供者１５６が定期的な患者データを得ることができる。

開業医、医療提供者または他の医療専門家は、患者の状態を見極めるために多数のデバイスが必要である。図２は、本実施形態によるモバイル医療システム１００で使用するためのブルートゥースまたはＵＳＢ対応デバイスのツールボックス２００を示している。ツールボックス２００は、血圧カフ２０２と、血糖値の測定にも用いることができる血圧ブルートゥースモニタ２０４とを含む。拍動血流および酸素飽和度を検出するためのオキシメータ２０６、体重測定のための秤２０８、呼吸を評価するためのスパイロメータ２１０、および検温のための温度計２１２も、ツールボックス２００内に示されている。

これらは全て、患者通信デバイス１０６（図１）と通信するために、ブルートゥース対応であるかＵＳＢ接続が可能である。例えば、血圧モニタ２０４を使用して高血圧データをモニタすることができ、その測定値がＳＭＳメッセージとして伝送されるのが好ましい。同様に、心拍数の測定に使用できるパルスオキシメータ２０６で、心不整脈（心拍変動）をモニタでき、データをループエレメント２ １６０（図１Ｂ）に沿って、例えば３Ｇセルラ通信またはＷｉＦｉワイヤレスＬＡＮ通信でのＳＭＳメッセージおよび／またはストリーミングデータにより、転送することができる。同様に、本実施形態により、糖尿病のモニタに使用されるグルコースメータ２０４、うっ血性心不全のモニタに使用される計量秤２０８、または喘息または慢性閉塞性肺疾患（ＣＯＰＤ）のモニタに使用されるスパイロメータ２１０等の他のツールを使用してその他の症状をモニタすることもでき、これらは全て、測定値をＳＭＳメッセージによってシステム１００のループエレメント２ １６０に沿って転送することができる。

ツールボックス２００には示されていないが、本実施形態によれば、患者１５４からの音を聞くための聴診器、患者１５４の内部構造を評価するための超音波、ＥＥＧおよびＥＣＧなどの電気信号測定デバイス、ならびに患者の網膜を評価するための検眼鏡等の他のデバイスも使用することができる。

医療専門家は、これらのデバイスからのデータと、患者の現在の身体状態についての様々な質問に対する回答とを用いて診断を考え、患者の現在の医学的状態を判断する。本実施形態によれば、このデータの取得および患者との通信は、患者の位置または状態に関わりなく、都合よく患者に拡張することができる。（カメラもしくはマイクロホン等の内蔵トランスデューサからの、またはオキシメータもしくはスパイロメータ等の外部トランスデューサからの）標準のデータ入手プロセスに基づいて、データが一つのオブジェクト（内蔵カメラからの画像）またはデータストリームとして入手され、外部トランスデューサ（単数または複数）は、デバイス１０６から伝送するデータを提供するためにブルートゥースまたはＵＳＢケーブルで通信デバイス１０６に接続されればよい。

ソフトウェアアプリケーションは、データを処理し、携帯電話のディスプレイに表示し、被呼当事者のインターネットプロトコル（ＩＰ）アドレスを発見し、携帯電話の音声ネットワークを用いた音声リンクおよび携帯電話のＩＰネットワークを用いたデータリンクを確立する。被呼当事者が対応できない場合には、発呼当事者は、呼をサーバにリダイレクトして、被呼当事者が後でアクセスするための音声メールメッセージをデータファイルとともに残すか、またはカバレッジを提供する別の当事者または場所にリダイレクトすることができる。

本実施形態によれば、データは、患者データの秘密を保護するために暗号化される。暗号化は、ハンドシェイクおよび鍵交換、または転送される患者データの高い安全性を維持することを可能にする当業者に周知の他の符合化／復号化により制御されればよい。加えて、通信デバイス１０６の一意識別子および／またはＭＡＣアドレス等、ＵＳＢもしくはブルートゥース対応患者データ測定デバイス２０２、２０４、２０６、２０８、２１０に関連付けられた一意識別子で患者を識別することにより、患者の識別が保護される。この一意識別子は、入手データとともに暗号化することにより、さらに保護される。したがって、通信デバイス１０６は、患者データ測定デバイス２０２、２０４、２０６、２０８、２１０のＭＡＣアドレスを入手し、ＭＡＣアドレスおよび測定データをメッセージに埋め込み、メッセージをＳＭＳ伝送のために暗号化することができる。このように、より完全な患者履歴を医療提供者１５６に提供するために傾向をマッピングし、グラフ化し、観察することができるように、暗号化または非暗号化データを当該患者から受信されるその他の（これも暗号化または非暗号化）データとともにデータベースに記憶することができる。データを暗号化データとして記憶する場合には、医療提供者１５６が安全な認証されたリンクを介してデータにアクセスするときにデータを復号することで、秘密の患者データにさらなる保護を加えるのが好ましい。

通信デバイス１０６（例えば携帯電話）、トランスデューサ１０４、ＳＭＳモニタおよびトリガアプリケーションならびにトランスデューサ固有アプリケーションソフトウェアが、二当事者間でのデータおよび音声の並行搬送を可能にするためのシステム１００を構成する。本実施形態は、ブルートゥースおよび／またはＵＳＢ対応のセンサに対するインタフェースをサポートし、携帯電話またはタブレットを含む類似のデバイス、データを入手し、分析し、取得したデータをそのようなデバイスのディスプレイに表示するソフトウェアアプリケーション、被呼当事者のＩＰアドレスを発見し、携帯電話ネットワークインフラにより音声およびデータの両方を被呼当事者に搬送するソフトウェアアプリケーション、ならびに、後述のようにリマインダを提供し、リモートモバイルデバイス上のアプリケーションをトリガするアプリケーションを含むことにより、システム１００を可能にする。

本実施形態は、上述の機能に対処するために実装される方法も含む。このような方法には、以下のステップの一部または全てが含まれる。

二当事者間の音声／データダイアログを開始するためのトリガ認証
被呼当事者のモバイルデバイスのバックグラウンドアプリケーションが、着信メッセージをモニタし、ローカルアプリケーションをトリガするコマンドを認識する。モニタアプリケーションがイベント要求を認識すると、ユーザは、当事者間の音声／データダイアログを開始する要求を受理または拒否するように促される。

データの取得
ソフトウェアアプリケーションは、ブルートゥースまたはＵＳＢ接続されたトランスデューサとの間でデータ対話を確立し、接続されたデバイスからデータを受け取り、データを復号および分析／ディスプレイに適した形に編成し、ＩＰユーザデータグラムプロトコル（ＵＤＰ）、伝送制御プロトコル（インターネットプロトコル）（ＴＣＰ／ＩＰ）パケットまたはＳＭＳをデータトランスポートに用いて着信データをリモートデバイスに送る。

データの分析
ソフトウェアアプリケーションが、トランスデューサのデータストリームの適切な分析を行う。例えば、ソフトウェアアプリケーションは、ブルートゥース対応オキシメータから心拍数および心拍の規則性を計算する。分析モジュールは、例えば、着信データ（オキシメータのデータ等）を平滑化し、一回の心拍に関連付けられるデータのセグメントを検出し（二つの連続したアップストロークの間のピークピーク値の２５％より大きいデータとして典型的に認識される）、二つの連続したアップストロークの間の時間間隔を識別し、特定の間隔（例えば１分）のデータにつき平均、分散および標準偏差を計算することができる。加えて、ソフトウェアモジュールは、個人にすべきことを自動的に通知し、その後このようなパラメータが満たされたときにモニタ人員に通知するパラメータを設定することができる。

データの表示
ソフトウェアアプリケーションは、発呼当事者および被呼当事者の両者の携帯電話のディスプレイに取得データを連続的に表示するとともに、分析から得られるパラメータを表示する。

ＳＭＳ／インターネットモニタおよびトリガ
被呼当事者のインターネットアドレスが不明の時には、ＩＰアドレス発見ならびに発呼当事者および被呼当事者の電話のアプリケーションのトリガを提供するために、ＳＭＳが用いられる。被呼当事者は、着信ＳＭＳトラフィックをモニタし、アクションコマンドを探索するバックグラウンドアプリケーションが作動している。アプリケーションは、有効なアクションコマンドを検出すると、コマンドを実行する。例えば、アプリケーションは、別のアプリケーションを起動し、システム情報を読み出し、または要求された情報を含むＳＭＳによって発呼当事者に返答する。

インターネットプロトコルアドレスの発見
発呼当事者は、携帯電話ネットワークデータ経路を使用して被呼当事者の携帯電話にデータをストリーミングするために、被呼当事者のＩＰアドレスを知っているか、または自動的に発見しなければならない。発呼当事者および被呼当事者の電話間の自動ＳＭＳダイアログは、自動ＩＰ発見の一例である。発呼当事者は、被呼当事者の電話番号を使用して被呼当事者のＩＰアドレスの要求を開始する。発呼当事者は、任意に自分のＩＰアドレスを含むことができる。発呼当事者の要求を受信すると、被呼当事者のＳＭＳモニタアプリケーションが、被呼当事者の電話情報からＩＰアドレスを読み出し、発呼当事者へのＳＭＳ返答によりＩＰアドレスを返信する。あるいは、ユーザのＩＰアドレスに関連付けられた電話番号および電子メールアドレスからなる参加者ディレクトリへのインターネットアクセスにより発見ダイアログが行われてもよい。

被呼電話アプリケーションのトリガ
発呼当事者は、ＳＭＳを用いて、被呼当事者の電話上のアプリケーションに起動を要求しうる。特定のアプリケーションの開始を要求するＳＭＳを受信すると、被呼当事者のＳＭＳモニタアプリケーションは、発呼当事者の信号トランスデューサからのデータストリーミングではなく（被呼当事者のＩＰアドレスに向けられた）発呼当事者のＵＤＰデータストリームから着信データが取得されることを除いて、発呼当事者が使用するアプリケーションと類似の被呼当事者の電話上のアプリケーションをトリガする。

データストリーミング、相談および介入
発呼当事者が被呼当事者を呼び出した後、音声で話し合いが行われ、その間に発呼当事者のアプリケーションが被呼当事者のＩＰアドレスを発見し、被呼当事者がデータを観察できるようにするために被呼当事者の電話上の適切なアプリケーションをトリガすることができる。被呼当事者がデータを観察できるようになると、データが、発信元デバイスでのストリーミングのために暗号化され、終端デバイスでの表示／分析のために復号される。データトランスポートと並行して、被呼当事者および発呼当事者がデータおよび発呼当事者の状況について話し合う。必要に応じて、被呼当事者は、追加データ（例えば位置サービスからのＧＰＳデータ）を入手するために、ＳＭＳモニタを介して発呼当事者の電話上のアプリケーションをトリガすることができる。

サーバ仲介
発呼当事者は、任意にサーバを呼び出し、データファイルおよび音声メッセージを記録するためにアプリケーションをトリガすることができる。

サーバデータアクセスおよび被呼当事者通知
データの暗号化／復号および発呼当事者からサーバへの音声メッセージ転送の後、サーバ上のアプリケーションソフトウェアが適切な人員に通知を行い、場合によっては別の個人にデータを送ることができる。

サーバからの音声および暗号化データの検索
ソフトウェアがユーザを認証し、被呼当事者または適切な代理人が音声メールメッセージを検索し、発呼当事者からの暗号化データファイルにアクセスできるようにする。

リマインダおよびフィードバック検出
リマインダは、当事者に送信される、アクション（例えば体重を量ること）を要求するメッセージである。メッセージは受信されると表示され、ユーザが受理し、適切なアクションを実施または延期するのを待つ。アクションが終了すると、アクションの完了を指示しデータ（適宜）を含む返答が、要求側主体（例えばサーバまたは医療従事者）に送信される。所定の時間間隔内にアクションが完了されない場合には、（ローカルのまたは開始当事者からの）新たなリマインダがトリガされ、アクションが完了されるかユーザがリマインダを終了させるまで継続的な周期的リマインダがトリガされる。被呼当事者からのフィードバックは、要求されたアクションによるデータまたは被呼当事者による終了として、発呼当事者／主体に返信される。

システム１００のこれらの部分および他の部分は、システム１００の様々な使用例を示した図３〜１４を参照して後述する。図３は、図３Ａおよび３Ｂを含み、本実施形態によるシステム１００で使用するための血圧用装備３００を示している。図３Ａは、装備３００用の血圧カフ２０２と、ブルートゥース血圧測定デバイス２０４と、通信デバイス１０６とを示している。装備３００においては、通信デバイス１０６はスマートフォン３０１であり、本実施形態によれば、装備３００は、スマートフォン３０１のユーザおよびスマートフォン上のアプリケーション（または「アプリ」）の制御下で動作する。

通信デバイス１０６は、携帯電話モデムに接続されたコンピューターシステムであってもよい。同様に、医療提供者１５６側のコンピュータまたはサーバが携帯電話モデムに接続されていてもよい。図３Ｂは、患者１５８との間での無線通信のための携帯電話モデム３０２を示している。モデム３０２は、ＧＳＭ（登録商標）携帯電話モデムであり、ＵＳＢケーブル３０４によりコンピュータに接続され、無線ネットワークに登録するためのＳＩＭカード３０６を含む。携帯電話モデム３０２（ＳＩＭカード３０６を含む）は、ラップトップまたはサーバ等のコンピュータに接続され、コンピュータがＳＭＳ伝送を受け取ることおよび開始することの両方を可能にする。当業者には当然のことながら、コンピュータがＳＭＳメッセージを受け取るためおよび／または開始するために利用しうるいくつかのソフトウェアパッケージが存在する。ソフトウェアパッケージの例は、サーバ／ラップトップのＳＭＳメッセージ管理をサポートできるオープンソースパッケージのｇａｍｍｕである。

したがって、通信デバイス１０６が、スマートフォン３０１であってもＧＳＭ（登録商標）携帯電話モデム３０２に接続されたコンピュータであっても、患者１５４または医療提供者１５６にアラートを提供し、特定のアクション（例えば血圧、体重または血糖値の測定）を行って、携帯電話モデム３０２もしくは医療提供者１５６がアクセスできるその他のモバイルデバイスに接続されたサーバまたはコンピュータに結果を返すように患者１５４に促すリモートアプリケーションをトリガするために用いられる。

図４は、図４Ａおよび４Ｂを含み、本実施形態によるシステム１００において動作しているときの通信デバイス３０１のスクリーンショットを示している。図４Ａは、患者１５４が使用するためのセンサフォルダ４０２が開かれてないスクリーンショット４００を示している。フォルダ４０３は、システム１００で使用するためのアプリケーション（または「アプリ」）を含み、図４Ｂは、フォルダ４０２が開かれ、ブルートゥースオキシメータ用の「アプリ」４１２、ブルートゥース血圧デバイスで使用するための「アプリ」４１４、計量デバイスで使用するための「アプリ」４１６およびＳＭＳトリガ用の「アプリ」４１８等の「アプリ」を例示したスクリーンショット４１０を示している。

図５は、本実施形態によるシステム１００において動作中のブルートゥース血圧測定デバイス２０４およびスマートフォン通信デバイス３０１の具体例５００を提供する。血圧測定デバイス２０４の左上のライト５０２は、スマートフォン３０１とのブルートゥースペアリングおよび通信を示す。スマートフォン３０１のディスプレイ５０４は、血圧測定デバイス２０４から取得した測定値５０６と、測定値５０６をＳＭＳで医療提供者（ｈｅａｌｔｈｃａｒｅ ｐｒｏｖｉｄｅ）１５６のリモートで電話／サーバに転送する準備ができていることを示した情報５０８とを示す。

患者１５４から医療提供者１５６のコンピュータまたはサーバにデータが伝送されると、結果をモバイルデバイスおよびデスクトップシステムでブラウザ表示できるようになる。図６は、図６Ａおよび６Ｂを含み、本実施形態により医療提供者１５６に表示される取得された患者の血圧値を示している。図６Ａには、受信した血圧値に関する情報６０２が、受信した血圧値の視覚化を示すグラフィック６０４とともに表示されている。図６Ｂは、ｘ軸６１４に沿ってプロットされた時間に対する、ｙ軸６１２に沿った患者１５６から受信した血圧値のグラフ６１０を示している。真ん中の許容血圧帯６２０は、正常であると考えられる血圧値をハイライトする。上側許容不可血圧エリア６２２および下側許容不可血圧エリア６２４は、正常範囲外の血圧値をハイライトする。また、上側および下側推移帯６２６、６２８は、要注意血圧値をハイライトする。血圧値をこのように提示することによって、医療提供者１５６が患者１５４の血圧の傾向を速やかに目視し、適切に処理することができる。医療提供者１５６は、患者１５４に対する指示が正しい効果を発揮しているかどうかも速やかに判断できる。

図７は、本実施形態によるシステム１００で使用するためのオキシメータ装備７００を示している。ブルートゥースオキシメータトランスデューサ２０６が、患者１５４の指に接続されている。オキシメータ２０６は、患者の血液中の酸素量に関するデータを脈拍（心拍数）とともに示すストリーミングデータを産出する。オキシメータ２０６で測定されたデータは、ストリーミングデータとして３Ｇセルラ通信信号（無線モデム３０２を介して）またはＷｉＦｉローカルエリアネットワーク信号によって携帯電話７０２に送られる。デスクトップコンピュータ７０６のディスプレイ７０４は、ストリーミングデータのログを示す。携帯電話７０２のディスプレイ７０８は、パルス信号を血液酸素測定値とともに視覚的表示で示す。それから携帯電話７０２は、データ通信経路を通じてデータをセルラネットワークのインターネットバックボーンに送り、携帯電話ディスプレイ７０８の部分７１０にコンピュータ７０６のＩＰアドレスが表示される。

図８は、本実施形態によるブルートゥースオキシメータデバイス２０６を示しており、信号が携帯電話７０２から送信され、第二の通信デバイス（携帯電話８０２）により受信される。オキシメータデバイス２０６から（ブルートゥースシグナリングを介して）携帯電話７０２へデータが流れる。オキシメータデバイス２０６のディスプレイ８０６には、脈拍数および血液酸素値等の静的データも示されている。携帯電話７０２のアプリケーション（すなわち「アプリ」）は、オキシメータデバイス２０６からのデータをディスプレイ７０８に表示し、第二の携帯電話８０２にデータをストリーミングする。携帯電話８０２のアプリケーションは、受信した連続的なストリーミングデータならびに心拍数および酸素飽和度測定値等の離散データをディスプレイに表示する。

以上に特定した本システムおよびステップによれば、患者のリモート健康評価のための一つ以上の方法が可能になる。例示的な方法は、患者または対象１５４が発呼当事者として発呼当事者のモバイルデバイス７０２（例えば携帯電話／タブレット）上のアプリケーションを起動し、トランスデューサ（例えばブルートゥースオキシメータ２０６）をモバイルデバイス７０２に接続することで始まる。それから発呼当事者は、医療提供者１５６（例えば医師、看護師、専門家またはサーバ）の電話番号を選択または入力し、その被呼当事者とのやり取りを開始する。被呼当事者は、アプリケーションの起動を承認し、情報の要求を返す。発呼当事者のアプリケーションは、（例えば発見ＳＭＳを被呼当事者のモバイルデバイス８０２に送信することにより）ＩＰアドレス発見プロセスを開始する。次に、被呼当事者のモバイルデバイス８０２が、そのＩＰアドレスを発呼当事者のモバイルデバイス７０２に送信し、被呼当事者のモバイルデバイス上の受信器アプリケーションを起動して、例えばＩＰアドレスの交換により確立されたインターネットデータ通信経路を通じた着信ＵＤＰ／ＴＣＰデータストリームからデータを受信する。

その後、発呼当事者のモバイルデバイス７０２上でデータ取得が開始され、被呼デバイスへの音声通信経路が開始される。被呼デバイスが医療提供者のモバイルデバイス８０２である場合には、医療提供者１５６が呼を受け取り、データを見ながら対象１５４と話す。他方で、被呼デバイスがサーバである場合には、サーバが着信ＵＤＰまたはＴＣＰ／ＩＰデータストリームを記録する間に発呼当事者１５４がサーバに音声メールメッセージを残す。適時に電話接続が終了される。終了すると、被呼当事者がサーバである場合には、サーバが、データファイルおよび音声メールを相談に利用できることを示して、対応可能な専門家のディレクトリ内の専門家（例えば医療専門家）へのＳＭＳを開始する。

図９は、図９Ａおよび９Ｂを含み、患者リマインダシステムを示している。図９Ａは、システム１００のエントリスクリーンのスクリーンショット９０２を示している。本実施形態によれば、システム１００は、患者を名前９０４およびモバイルデバイス番号９０６で識別することを可能にする。リマインダメッセージは、プルダウンメニュー９０８から選択される標準リマインダメッセージとなる。いくつかの標準リマインダメッセージが図９Ｂのテーブル９１０に示されており、これらのメッセージをプルダウンメニュー９０８からロードすることができる。リマインダの開始時間９１２および停止時間９１４、ならびに繰り返し間隔９１６が入力される。９１８で繰り返しＳＭＳが選択されると、選択肢９１８で回答が期待されることが示される場合には、回答が受信されるまで指定の時間間隔毎にリマインダが送信される。このようにして、医療専門家１５６は、患者１５４にこれらの測定を行うことを想起させることにより、体重増加または血糖値をリモートでモニタすることができる。寝たきりの患者または在宅の患者の場合には、これにより、保健師が物理的に患者を訪問する必要なくして定期的に身体パラメータ情報を得ることによって、より多くの患者にサービスすることが可能になるだろう。

説明として、本実施形態による図９のリマインダシステムを利用したフィードバックリマインダシステム１５０において患者１５４と医療専門家１５６との間に端末間通信を確立するためのイベントシーケンスを記載する。サーバまたはモバイルデバイスリマインダアプリケーションが、入力された情報（例えば図９Ａ）に応じて所定の時刻にトリガされる。サーバは、指定の時刻に患者のモバイルデバイスにリマインダメッセージを送信する。モバイルデバイスは、リマインダを受信し、体重トランスデューサ２０８等の接続されたデバイスからデータを受け取るためにデータ取得アプリケーション等の適切なアプリケーションをトリガする。患者がリマインダプロセスを完了し、リマインダを送った当事者または適切なサーバにデータが返される。所定の時間が過ぎても患者からデータが受信されない場合には、新たなリマインダが開始され、患者に送信される。

図１０は、本実施形態によるシステム１００で使用するための計量用装備１０００を示している。計量秤２０８は、患者１５４の測定体重の一時的メッセージングデータをＳＭＳメッセージとして上述の方法と同様の様式で送信するために、携帯電話３０１にブルートゥース接続されている。また、上述の様式と同様に、図１１Ａ、１１Ｂおよび１１Ｃを含む図１１は、本実施形態によるシステム１００において医療提供者に提示される取得した患者体重値を示している。図１１Ａは、受信体重値についての情報１１０２が、受信体重値の視覚化を示したグラフィック１１０４とともに表示されているのを示す。図１１Ｂは、（ｘ軸１１１４の）時間に対してプロットされたｙ軸１１１２に沿った血圧値のグラフ１１１０を示す。真ん中の許容体重帯１１２０は、患者１５４の正常な体重値をハイライトする。上側許容不可体重エリア１１２２および下側許容不可体重エリア１１２４は、患者１５４の許容不可体重値をハイライトする。上側および下側推移帯１１２６、１１２８は、要注意血圧値をハイライトする。血圧値をこのように提示することによって、医療提供者１５６が患者１５４の体重の傾向を目視し、適切に処理することができる。医療提供者１５６は、患者１５４に対する指示が正しい効果を発揮しているかどうかも速やかに判断できる。また、許容不可体重エリア１１２２、１１２４を利用して、体重値が許容不可体重エリア１１２２、１１２４に入ったことで懸念が生じた可能性のある場合にのみ医療専門家１５６に通知することで、モニタの態様を自動化することもできる。図１１Ｃでは、テーブル１１３０が、この種のリマインダシステムの対象となりうる三つの問題エリアの例を示しており、上限および下限１１３２、１１３４、目標値１１３５、および上側および下側要注意エリア１１３６、１１３８が、患者１１４０およびその他の識別情報によって識別されている。

図１２は、図１２Ａ、１２Ｂおよび１２Ｃを含み、本実施形態によるシステム１００において通信デバイス１１０がリモートトリガメッセージを送信するときの通信デバイスのスクリーンショット１２００、１２２０、１２４０を示している。図１２Ａは、送信するリモートトリガメッセージの選択肢を示したアプリケーションの第一のスクリーン１２００を示している。図１２Ｂは、患者１５４にオキシメータ測定を行わせるためのリモートトリガメッセージを示した第二のスクリーン１２２０を示し、図１２Ｃは、患者１５４に血圧測定を行わせるためのリモートトリガメッセージを示した第三のスクリーン１２４０を示し、第一スクリーン１２００から選択すると両方のリモートトリガメッセージが送信される。

図１３は、図１３Ａおよび１３Ｂを含み、本実施形態によるシステム１００において通信デバイス１０６がリモートトリガメッセージを受信するときの通信デバイス１０６のスクリーンショット１３００、１３２０。通信デバイス１０６の受信アプリケーションは、受信したトリガメッセージの最上行のテキストを探し、認識すると、スクリーンショット１３００（図１３Ａ）のように患者に測定をするかどうかを尋ねるメッセージが生成される。患者１５４がＹＥＳと返答すると、ターゲットアプリケーションが開始され、スクリーン１３２０（図１３Ｂ）が表示されてさらなるアクションが待たれる。患者がＮＯと返答すると、ＮＯアクションメッセージが表示され、測定が延期される。

図１４は、本実施形態によるシステム１００において動作するモバイル医療マネージャプログラムからのスクリーンショット１４００を示している。スクリーンショット１４００は、データの入手および要求側主体（例えば医療提供者（ｈｅａｌｔｈｃａｒｅ ｐｒｏｖｉｄｅ）１５６）への返送のための通信デバイス上の医療アプリケーションをトリガする、患者１５４の通信デバイス１０６へのＳＭＳプロンプトを開始するためのオプションを示す。管理オプションには、ＳＭＳリマインダ（一回または繰り返し）の構成、データの閲覧、およびその他の様々な管理タスクが含まれる。

医療提供者１５６は、医療専門家、看護師もしくは在宅介護者、オフィスもしくはクリニックアシスタント、病院もしくはクリニック、またはこれらの医療提供者のうちの一つ以上により動作するサーバとして択一的に記載されている。当業者には当然のことながら、公共（政府保健局）または民間（例えば介護施設アシスタント）の非直接医療提供者が、電話１１０（図１Ａ）で情報を収集することもできる。加えて、本発明により動作するシステム１００は医学研究所に有益であると考えられ、医学研究所は、診断用試料（例えば血液試料または他の体液試料）の受信を通じて、医療提供者１５６に連絡し、医療提供者１５６から追加データを提供するよう患者１５４に適切な指示を開始することもできるし、患者１５４に直接（患者だけにまたは医療提供者１５６に加えて）連絡し、追加検査を指示し、および／または医療提供者１５６がフォローアップを行うこともできる。このように、システム１００によって、研究所によるウィルス発生のリモートモニタ、遺伝子検査または免疫機能モニタが可能になる。検査システムが進むにしたがって、本実施形態により動作するシステム１００に医療エコシステム内の複数の当事者を関わらせることができるため、より効率的な患者介護のためのリモートデータ取り込みプロセスが改善され、より良いリモートまたは直接の患者／医師受診がもたらされる。

ヘルスケアの提供に関して記載しているが、当業者には当然のことながら、本実施形態によるシステムおよび方法は、当事者間の音声相談を維持しながらリモートの作業者と他の作業者との接続を用いてデバイスが評価／調節される多くの分野（すなわち音声通信およびデータトランスポートが同時に必要な任意の状況）で使用することができる。例えば、油田機器の状態のモニタ、またはデバイス設置／修理中の現場作業者と専門家との間でのリモート相談の提供を、本願明細書に記載の（上述の）ものと類似のシステムおよび方法の実装によって都合よく処理することができる。

こうして、既存の電話ネットワークおよび／または（ＷｉＦｉを介して）インターネットを利用してデータを取得し、取得したデータを地理的および時間的に制限されない様式で適切な当事者に配信する目的で、二当事者間または複数当事者間に必要時または常時アクティブリンクを確立するシステムが提供されることが分かる。このシステムには、（例えばブルートゥースまたはＵＳＢにより）取り付けられた信号トランスデューサからのデータを転送するセンサからデータを取得し、データを分析し、トリガを識別し、別の（例えば医師または医療従事者の）モバイルデバイスまたは固定デバイス（例えばサーバ）へのデータならびに音声接続を確立し、二つのモバイルデバイス間でデータを伝送し、関係当事者にアラートを提供し、二当事者間またはソース当事者とサーバとの間で音声通信ならびにデータトランスポートを並行して提供するための方法、プロトコルおよびツールが含まれる。前述の発明を実施するための形態にいくつかの例示的実施形態を提示しているが、システムの材料、構造および動作に関する変形物を含む多くの変形物が存在することが理解されなければならない。

例示的実施形態は例であるにすぎず、本発明の範囲、適用可能性、寸法、または構成を制限する意図は一切ないことがさらに理解されなければならない。むしろ、前述の発明を実施するための形態は、本発明の例示的実施形態を実装するための便利なロードマップを当業者に提供するものであり、例示的実施形態に記載されるシステムおよびシステムの実装のための方法の要素の機能および設定に、本明細書に記載の本発明の範囲を逸脱することなく様々な変更を加えることができ、本発明の範囲は、以下の請求項によってのみ制限されるものと理解される。

Claims (18)

1. リモートで患者の健康を評価するための方法であって、
   身体パラメータ測定デバイスを患者のモバイルデバイスに接続するステップと、
   前記患者のモバイルデバイスから医療提供者のモバイルデバイスとの音声通信経路を確立するステップと、
   前記身体パラメータ測定デバイスから前記医療提供者のモバイルデバイスへのデータトランスポートを提供するために、前記医療提供者のモバイルデバイスとのデータ通信経路を同時に確立するステップと、
   を含む、方法。
2. 前記データ通信経路を確立するステップは、前記患者のモバイルデバイスが前記医療提供者のモバイルデバイスに関連するインターネットプロトコルアドレスを発見するステップを含む、請求項１記載の方法。
3. 前記データ通信経路を確立するステップは、ユーザデータグラムプロトコル（ＵＤＰ）によるデータのストリーミング、伝送制御プロトコル（インターネットプロトコル）（ＴＣＰ／ＩＰ）によるデータパケットの転送、またはショートメッセージサービス（ＳＭＳ）による一時的なテキストメッセージングを含むデータトランスポート方法の群より選択される、前記身体パラメータ測定デバイスから前記医療提供者のモバイルデバイスへのデータトランスポートを提供するステップを含む、請求項１記載の方法。
4. 前記データ通信経路を確立するステップは、前記患者のモバイルデバイスが、アプリケーショントリガＳＭＳを前記医療提供者のモバイルデバイスに送信するステップを含む、請求項１記載の方法。
5. 前記音声通信経路を確立するステップは、サーバに接続し、音声メッセージを記憶するステップと、前記サーバが、その後、前記音声メッセージの記憶を通知するために前記医療提供者のモバイルデバイスに連絡するステップとを含み、前記データ通信経路を確立するステップは、前記サーバに前記音声メッセージを記憶するのと同時にデータを記憶するために提供するステップを含み、前記データは、前記記憶された音声メッセージとともに前記医療提供者のモバイルデバイスに提供される、請求項１記載の方法。
6. 前記身体パラメータ測定デバイスを患者のモバイルデバイスに接続するステップは、身体パラメータ測定リマインダを受信したことに応じて、前記身体パラメータ測定デバイスを前記患者のモバイルデバイスに接続するステップを含む、請求項１記載の方法。
7. リモートで患者にヘルスケアを提供するシステムであって、
   音声通信とデータ通信とを提供するためのネットワークと、
   前記ネットワークに接続された患者のモバイルデバイスと、
   前記ネットワークに同じく接続された医療提供者のモバイルデバイスと、
   前記患者のモバイルデバイスに接続可能であり、一つ以上の身体パラメータの測定に応じてデータを生成できる、身体パラメータ測定デバイスと、
   を含み、
   前記患者のモバイルデバイスは、前記患者のモバイルデバイスと前記医療提供者のモバイルデバイスとの間での音声通信中に前記身体パラメータ測定デバイスから前記医療提供者のモバイルデバイスへのデータトランスポートを提供するために、前記ネットワークを通じて前記医療提供者のモバイルデバイスとの音声通信経路およびデータ通信経路を同時に確立する、
   システム。
8. 前記医療提供者のモバイルデバイスは、医療専門家のモバイルデバイス、医療アシスタントのモバイルデバイス、クリニックのモバイルデバイス、または研究所のモバイルデバイスより選択されるデバイスを含む、請求項７記載のシステム。
9. 前記ネットワークは、インターネットネットワーク、３Ｇセルラ電話ネットワークおよび４Ｇのセルラ電話ネットワークの一つ以上を含む、請求項７記載のシステム。
10. 前記ネットワークは、前記医療提供者のモバイルデバイスによる後の検索のために、前記患者のモバイルデバイスからの音声メッセージとデータとを記憶するためのサーバを含む、請求項７記載のシステム。
11. 前記医療提供者のモバイルデバイスは、前記身体パラメータ測定デバイスからの前記データを表示するためのディスプレイを含む、請求項７記載のシステム。
12. 前記身体パラメータ測定デバイスは、ブルートゥース接続可能デバイス、ＵＳＢ接続可能デバイスおよび近距離ＲＦ通信接続可能デバイスを含むトランスデューサデバイスの群より選択される一つ以上のデバイスを含む、請求項７記載のシステム。
13. 前記身体パラメータ測定デバイスは、オキシメータ、計量秤、スパイロメータ、温度計、聴診器、超音波、心電図（ＥＣＧ）、および脳電図（ＥＥＧ）を含む診断デバイスの群より選択される一つ以上のデバイスを含む、請求項７記載のシステム。
14. 状態評価のためのロバストな通信のための方法であって、
    パラメータ測定デバイスを第一のモバイル通信デバイスに接続するステップと、
    前記第一のモバイル通信デバイスと第二のモバイル通信デバイスとの間に音声通信経路を確立するステップと、
    前記第一のモバイル通信デバイスと前記第二のモバイル通信デバイスとの間での音声通信中に前記パラメータ測定デバイスから前記第二のモバイル通信デバイスへのリアルタイムデータトランスポートを提供するために、前記第一のモバイル通信デバイスと前記第二のモバイル通信デバイスとの間にデータ通信経路を同時に確立するステップと、
    を含む、方法。
15. リモートで評価およびモニタするための方法であって、
    パラメータ測定デバイスを第一のモバイルデバイスに接続するステップと、
    前記第一のモバイルデバイスから中央モニタシステムとの音声通信経路を確立するステップと、
    前記中央モニタシステムを介した前記パラメータ測定デバイスから第二のモバイルデバイスへのデータトランスポートを提供するために、前記中央モニタシステムとのデータ通信経路を同時に確立するステップと、
    を含む、方法。
16. 前記第二のモバイルデバイスは、前記中央モニタシステムに接続可能な医療提供者のモバイルデバイスである、請求項１５記載の方法。
17. 前記中央モニタシステムは、前記第一のモバイルデバイスと通信して前記パラメータ測定デバイスの接続を要求する、請求項１５記載の方法。
18. 前記中央モニタシステムは、医学研究所に接続され、
    前記中央モニタシステムが前記第一のモバイルデバイスと通信するステップは、
    前記医学研究所が、前記第一のモバイルデバイスを介して、あるデータを要求するように前記中央モニタシステムに指示するステップと、
    前記中央モニタシステムが、前記あるデータを得るために前記第一のモバイルデバイスと通信して前記パラメータ測定デバイスの接続を要求するステップと、
    を含む、請求項１７記載の方法。

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