JP2015530099A - 酵素ヒアルロナン‐リアーゼ,その生成方法及び使用,並びに低分子ヒアルロナンの調製方法 - Google Patents

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Abstract

本発明はヒアルロン酸が分解可能であり,カンゾウタケ属の真菌(特にカンゾウタケ)により生成される酵素に関する。グルクロン酸のC4とC5との間に二重結合が形成されるリアーゼのメカニズムにより分解が進行する。本発明には酵素の調製及び精製のプロセス,並びに低分子ヒアルロナン若しくは化粧品の調製又は調剤装置のためのその可能な実用的用途も含まれる。更に本発明は低分子ヒアルロナンの調整方法に関する。【選択図】図1

Description

本発明は,ヒアルロン酸(ヒアルロナン)を分解できる酵素,場合により酵素製剤に関するものである。カンゾウタケ属に属する真菌の培養による酵素生成方法,その使用及び低分子ヒアルロナンの調製方法も開示されている。
ヒアルロン酸は,グルクロン酸及びN‐アセチルグルコサミンから成る二糖単位で構成される直鎖多糖である。この構造を有すると,グリコサミノグリカンに分類される。ヒアルロン酸は軟結合組織の細胞外マトリックスにおいて見られ,ここで安定化及び水和機能を発揮する。現在,ヒアルロン酸は生物学的手法で得ることが最も多い。
ヒアルロニダーゼは,ヒアルロン酸又はその塩を低分子断片へと分解できる酵素である。ヒアルロニダーゼという用語は,ヒアルロナンに対して分解活性を有する酵素類の個々の群を指定する用語の総称である。多糖に対する影響のメカニズムに従って,ヒアルロニダーゼは数種に分類し得る。第1の群としては,ヒアルロン酸のβ‐1‐4結合を分解する哺乳動物酵素群(EC3.2.1.35)が挙げられ,これらは四糖類を形成する。これらの酵素の切断メカニズムは,加水分解によるものである。別の群は,四糖類及び六糖類を形成するヒルのヒアルロナート‐3‐グリカノヒドロラーゼ(EC3.2.1.36)から構成される。この場合,ヒアルロン酸も加水分解される。第3の群には細菌性ヒアルロニダーゼ(EC4.2.1.1)が挙げられる。これらの酵素はヒアルロナン‐リアーゼと呼ばれ,β脱離のメカニズムによりヒアルロン酸を分解し,グルクロン酸のC4とC5の間に二重結合を形成する。現在まで,このタイプの切断(分解)は細菌におけるものしか報告されていない。この特許出願は,新たな(非細菌性)供給源のヒアルロナン‐リアーゼを開示している。
下記の特許文献は,細菌性ヒアルロナンリアーゼに関するものである。すべての場合で,発酵による酵素の生成法しか保護されていない。使用されているのは常にストレプトコッカス属又はストレプトマイセス属の細菌である。全てのヒアルロニダーゼは,細胞外の手技で生成されている。特定の組成物中の酵素の医薬,化粧品又は製剤の直接的使用例として通常,塗布剤が開示されている。それは局所塗布で表皮への薬剤の浸透を補助するアジュバントであることが最も多い。加水分解切断メカニズムを有するヒアルロニダーゼと比較して,リアーゼはヒアルロン酸に対して非常に特異的であることが多い。
スイス特許第628088号は,連鎖球菌により生成される数種の生成物の製剤に関する。これらの生成物の1つもヒアルロナンリアーゼである。
特開昭63−044883号は,ストレプトコッカス・ディスガラクティエ(Streptococcus dysgalactiae)種により生成されるヒアルロナン‐リアーゼSD‐678に関する。該酵素は,温度37℃,pH5.8〜6.6以内で最適な活性を示す。ヒアルロニダーゼ活性を阻害するイオンとしては,例えばFe2+又はCu2+が挙げられる。
特開昭62−104579号は,ストレプトコッカス・ディスガラクティエも属するC群ストレプトコッカス属により生成されるヒアルロナン‐リアーゼを開示している。酵素の分子量は80kDaである。前記酵素はヒアルロン酸に対して高度に特異的である。最適な活性は温度35〜45℃,pH6〜7で見られた。更に,40℃,pH6.0で15分間,安定性が見られた。
米国特許第3728223号は,ストレプトマイセス・ヒアルロリテイクス(Streptomyces hyalurolyticus)種によるヒアルロナン‐リアーゼの生成に関する。この酵素はヒアルロン酸を選択的に切断することが可能である。最適pHは5.0であり,最適温度は60℃である。しかし,活性は70℃の加熱後でさえ維持される。
米国特許第6902548号は,ストレプトマイセス・ヒアルロリテイクス種により生成されるヒアルロナン‐リアーゼの眼科での使用に関する。精製工程において,酵素製剤には,それまでこのような用途の障害であったプロテアーゼはもはや含まれていない。
米国特許第4258134号は,ヒアルロナン‐リアーゼBMP‐8231に関する。この酵素はストレプトマイセス・コガニエンシス(Streptomyces koganiensis)により生成され,ヒアルロン酸に特異的である。最適pHは4.0であるが,安定性はpH4.0〜11.3で見られる。切断に最適な温度は60℃である。更に,該酵素はプロテアーゼに対して安定的である。
国際公開第2010/130810号は,ストレプトマイセス・コガニエンシス種ATCC31394により生成されるヒアルロニダーゼを開示している。分子量は21.6kDaである。等電点は4.4〜4.8の範囲内である。酵素活性は40000I.U./mg以上である。単離及び精製工程の他に,本発明は医薬組成物又は分析薬の調製用酵素の使用を開示している。
米国特許第6719986号は,表皮への薬剤の浸透を補助するヒアルロナンリアーゼを含有する製剤を保護している。ここではリアーゼの生成は詳細には開示されていない。ストレプトコッカス・アガラクティエ(Streptococcus agalactiae)種による生成しか記載されていない。酵素の分子量は116kDaであり,等電点は8.6である。
米国特許出願公開第2010/0172892号は,ストレプトマイセス・アクチノシダス(Streptomyces actinocidus)77により生成されるヒアルロナン‐リアーゼを開示している。ここでは該酵素の構造を非常に詳細に記述しており,請求項により請求している。好ましくは,局所塗布用の化粧品,医薬又は製剤において有用な組成物を調製するための酵素の使用が請求されている。最適な切断条件は:pH6.5〜7.0,温度50〜60℃である。該酵素はpH4.4で等電点を有し,分子量は44kDaである。それはコンドロイチン硫酸又はヘパリンに対して低活性であるか,或いは全く活性を示さない。酵素活性は鉄及び銅イオンにより阻害される。同一の酵素が国際公開第2009/037566号にも開示されている。
細菌性リアーゼ(ストレプトマイセス・ヒアルロリテイクス)による低分子ヒアルロナンの製剤が,米国特許第6613897号の文献に記述されている。しかし,その記述は更なる化学修飾前のオリゴ糖の製剤のみである。
現在まで,専門家による文献も特許文献も,切断の除去(リアーゼ)メカニズムを有し,細菌以外の生物により生成されるヒアルロニダーゼを開示していない。
発明の対象
本発明は,リアーゼ(除去)切断メカニズムを有する真菌により生成される新規なヒアルロニダーゼに関する。この酵素は,カンゾウタケ属の真菌,特にカンゾウタケにより生成し得る。
提示された発明は更に,該酵素を得る方法及び該酵素の可能な用途に関する。真菌の培養及び該酵素の単離の方法は厳密には提供されていない。基本的なパラメータは酵素の供給源,すなわちヒアルロナン‐リアーゼを生成するカンゾウタケ属の真菌である。酵素が生成可能な方法の1つには,例えば真菌の浸水培養が挙げられる。培養は20〜30℃で5〜11日間かけて進行させることが最適である。培養は振盪三角フラスコでも発酵槽内でも行ってよい。培地は,ショ糖などの炭素源,更に酵母自己消化物などの窒素源,並びにNaHPO.12HO及びMgSO.7HOなどの無機塩を含有している。酵素は,菌糸体除去後の培地からの単離,及び/又は破壊後の菌糸体からの抽出により単離してもよい。遠心分離後,当技術分野で公知の方法,例えばpH7.0の緩衝液での洗浄により酵素を更に精製する。クロマトグラフィー分離に先立って,それを良好に進行させるのに必要な,好適な緩衝液に酵素含有溶液を交換する。アニオン交換吸収剤での分離が,最も好適な方法であるように思われた。しかし,他のタイプのクロマトグラフィーも使用できる。高純度製剤を満たす条件の場合では,ゲル浸透クロマトグラフィーが使用できる。
真菌により生成されるリアーゼは,広範なpH(3.5〜8.0),好適にはpH4.0で,広範な温度(5〜50℃),好適には20℃で活性することを特徴とする。該酵素は7週目まで前記切断条件において安定的である。酵素の活性は,酸の溶液に対して5mM〜20mMの量のMgSO,MnCl,KCl又はCuSOの添加により10〜30%増加し得る。他の酵素では(特開昭63−044883号,国際公開第2009/037566号),Cu2+が阻害剤として作用することが多い。
木材腐朽菌である所謂褐色腐敗病菌であることから,カンゾウタケからのヒアルロナン‐リアーゼの生成は有利である。この真菌の生成物は,細菌の場合に生じ得る毒性代謝産物も内毒素も生成しない。
該酵素は,低分子ヒアルロナン又はその誘導体の製剤に使用してもよい。最終産物の分子量は時間,温度,溶液中のヒアルロン酸濃度又は酸に対する酵素の割合などの分解条件に影響される。分解は水溶液中,pH3.5〜8.0以内,5〜50℃で1分〜30日間かけて行われる。分解はpH4.0,温度20℃で24〜168時間かけて進行することが好ましい。
使用するヒアルロン酸は,様々な供給源(ニワトリのトサカ,ストレプトコッカス・ズーエピデミクス(Streptococcus zooepidermicus),ストレプトコッカス・エクイシミリス(Streptococcus equismilis)から生成することも可能であり,その分子量は,例えば1.5〜2.2MDaの範囲内であるが,高分子HAという用語は,重量平均分子量が0.8MDa以上のHAを意味する。酸の溶液は,濃度0.1〜10重量%の範囲内で調製することもできる。天然ヒアルロン酸以外に,その塩,例えばNa又はK,若しくはそれらの誘導体,例えばアシル誘導体などを使用してもよく,それにより,機能特異的なオリゴ糖又は他の低分子生成物が調製可能になる。
更に,調製した酵素は,物質が組織に浸透することを促すアジュバントとして,医薬組成物又は化粧用組成物の製剤にも使用できる。
本発明に従ったヒアルロナン‐リアーゼを使用したヒアルロン酸の切断メカニズムを示す。 ヒアルロン酸の切断により形成されたオリゴ糖のクロマトグラムを示す。210nm及び232nmでの検出。 相対的酵素活性のpHへの依存度を示し,ここでは相対的酵素活性とは,最大酵素活性に対する所与のpHでの酵素活性の割合であり,すなわち,最適pH4.0で,×100%とする。 相対的酵素活性の温度への依存度を示し,ここでは相対的酵素活性とは,最大酵素活性に対する所与の温度での酵素活性の割合であり,すなわち,最適温度20℃で,×100%とする。 塩の添加後の酵素活性の増加を示し,特定量の特定の塩の添加に対する相対的酵素活性の依存度をプロットしており,ここでは相対的酵素活性とは,塩を添加しない酵素活性に対する塩添加の場合での酵素活性の割合であり,×100%とする。
本発明を実際的な態様の以下の実施例により説明するが,これらに限定されるものではない。
例えばヒアルロナンの分子量など,分子量(Mr)が説明全体を通じて記述されている場合,重量平均分子量を意味している。用語「高分子」ヒアルロナンには,Mrが0.8MDa以上のヒアルロナンが含まれる。用語「低分子」ヒアルロナンには,Mrが約0.3〜500kDaの範囲内のヒアルロナンが含まれる。用語「ヒアルロナン」にはヒアルロン酸及びその塩(NaやKなど)の両方が含まれる。
実施例1
酵素又は酵素製剤の生成を目的とする真菌(カンゾウタケ)の培養は,35g/lのショ糖,3g/lの酵母自己消化物,2.5g/lのNaHPO・12HO及び0.5g/lのMgSO・7HOから成る液体培地で行い,前記量は培地1Lに対する量である。培養は25℃で6日間行った。容積1Lの三角フラスコを使用し,500mlの培地を入れた。フラスコの植菌には,1L培地用の直径9cmの培養用ペトリ皿を1つ使用した。フラスコは酵素の単離に直接使用するか,或いは発酵槽の植菌に使用した。
培養後,例えば遠心分離又はポリアミドフィルター布での濾過により培地から菌糸体を取り除いた。該酵素は菌糸体からも得られるがごく少量である為,培地からの酵素の回収だけを更に開示することとする。菌糸体から酵素を回収する場合,例えば,急激な冷凍やモルタルでの破砕,超音波又は他の方法により菌糸体の破壊を行う。
精製するために,最初に膜を使用して媒体を濾過して培地をpH7.0の緩衝液と交換し,次いで,緩衝液(2L),例えばリン酸緩衝液で少なくとも1回試料を洗浄した。その後,クロマトグラフィー分離により更に精製する場合は,酵素を直後に使用してもよい。酵素を更に精製しない場合は,本明細書ではこれを「酵素製剤」と呼ぶ。このような粗酵素製剤はヒアルロン酸の切断にも使用できる。
実施例2
純度を高めるため,実施例1に従って調製した酵素製剤をクロマトグラフィー技術により更に分離した。好ましくはアニオン交換クロマトグラフィーを使用した。0〜1mol/lの範囲内でNaClの直線勾配で溶出を行った。最高純度にするため,ゲル浸透クロマトグラフィーにより画分を更に分離した。
クロマトグラフィー後に生成された酵素の量は,600±200μg/mlの範囲内であり,この量で培地1L中に純粋酵素が約1mg形成される。
実施例3
ヒアルロン酸の切断はpH4.0の0.1M酢酸塩緩衝液中で行った。このため,高分子ヒアルロン酸(2MDa)1%溶液を調製した。バイオテクノロジーにより基質を調製した。クロマトグラフィー後に,高分子ヒアルロン酸溶液4mlと,pH7.0の0.02Mリン酸緩衝液中の酵素濃度600μg/mlの酵素溶液200μlとを混合した。切断は20℃で3日間かけて進行させた。得られた生成物はヒアルロナンオリゴ糖であり,ほとんどが末端グルクロン酸のC4とC5の間に二重結合を有する二〜十二糖の混合物であった。ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定されたオリゴ糖の平均分子量は0.3〜300kDaの範囲内であり,末端グルクロン酸はC4とC5の間に二重結合を有していた。
実施例4
得られた低分子ヒアルロン酸断片を,RP‐HPLCにより定量化した。検出はUV検出器により210nm及び232nmで行った。得られた生成物の分析から,リアーゼの切断メカニズムが分かった。形成される不飽和結合は232nmで吸光度の増加を示すことが知られている。更に,反応混合液に投入した酸すべてがオリゴ糖に分解されることが判明した。
実施例5
ヒアルロン酸誘導体の切断は,pH4.0の0.1M酢酸塩緩衝液中で行った。このため,パルミトイルヒアルロナン(2MDa)1%溶液を調製した。クロマトグラフィー後に,前記溶液4mlと,pH7.0の0.02Mリン酸緩衝液中の酵素濃度600μg/mlの酵素溶液200μlとを混合した。バイオテクノロジーにより生成されたヒアルロン酸から,化学合成により基質を調製した。切断は20℃で3日間かけて進行させた。得られた生成物はアシル化ヒアルロナンオリゴ糖であり,より具体的には末端グルクロン酸のC4とC5の間に二重結合を有する二〜十二糖の混合物であった。ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定されたオリゴ糖の平均分子量は,この場合でも0.3〜300kDaの範囲内であり,末端グルクロン酸はC4とC5の間に二重結合を有していた。
実施例6
温度,pH及び添加した塩に依存した酵素活性をレオメーターにより観察した。経時的な粘度の低下を監視した。実験ではあるが,個々の緩衝液(pH)中の1%HA溶液を調製し,ここにクロマトグラフィー分離後の酵素溶液をピペットで添加した(0.02Mのリン酸緩衝液,600μg/mlの酵素)。ヒアルロン酸溶液の体積は460μlであり,酵素の体積は40μlであった。酵素活性の温度依存性を試験し,最適な切断温度を測定する場合,pH4.0の緩衝液を使用した。酵素活性のpH依存性を37℃で試験した。ヒアルロン酸溶液に各塩を添加して,塩類の影響について試験した。検出結果をグラフにプロットした ― 図3,図4及び図5を参照されたい。グラフから,切断の最適温度は約20℃,最適pHは約4.0であることが明らかに分かる。
実施例7
ヒアルロン酸の切断はpH4.0の0.1M酢酸塩緩衝液中で行い,ここに塩類のうちの1種類を濃度が20mMになるまで添加した。塩類はMgSO,MnCl,KCl及びCuSOであった。切断のために,このような修飾した緩衝液中の高分子ヒアルロン酸1%溶液を調製した。バイオテクノロジーにより基質を調製した。クロマトグラフィー後に,高分子ヒアルロン酸溶液4mlと,pH7.0の0.02Mリン酸緩衝液中の酵素濃度600μg/mlの酵素溶液200μlとを混合した。切断は20℃で3日間かけて進行させた。得られた生成物はヒアルロナンオリゴ糖であり,ほとんどが末端グルクロン酸のC4とC5の間に二重結合を有する二〜十二糖の混合物であった。ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定されたオリゴ糖の平均分子量は0.3〜300kDaの範囲内であり,末端グルクロン酸はC4とC5の間に二重結合を有していた。

Claims (17)

  1. カンゾウタケ属に属する真菌を,温度20〜30℃で5〜11日間浸水培養することにより得られることを特徴とするヒアルロナン‐リアーゼの調整方法。
  2. 前記カンゾウタケ属に属する真菌が,カンゾウタケ種であることを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 培地が炭素源,窒素源及び無機塩を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記炭素源がショ糖であり,前記窒素源が酵母自己消化物であり,前記無機塩がNaHPO.12HO及びMgSO.7HOであることを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 前記酵素を,菌糸体除去後の培地から及び/又は破壊後の菌糸体からの抽出により単離することを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の方法。
  6. 前記酵素を更にpH7.0の緩衝液で少なくとも1回洗浄することを特徴とする請求項5記載の方法。
  7. 前記酵素を更にクロマトグラフィー分離により精製することを特徴とする請求項6記載の方法。
  8. カンゾウタケ属に属する真菌を培地中で浸水培養することによる請求項1記載の方法で調製可能なヒアルロナン‐リアーゼ。
  9. 前記カンゾウタケ属の真菌がカンゾウタケであることを特徴とする請求項8記載のヒアルロナン‐リアーゼ。
  10. 温度20℃,pH4.0で最適な活性を示すことを特徴とする請求項8又は9記載のヒアルロナン‐リアーゼ。
  11. カンゾウタケ属に属する真菌を培養することによる請求項1記載の方法で調製され,ヒアルロナン又はその誘導体を分解するための酵素ヒアルロナン‐リアーゼの使用。
  12. カンゾウタケ属に属する真菌を培養することによる請求項1記載の方法で調製され,組織への物質の浸透を補助する物質としての医薬又は化粧品組成物を調製するための酵素ヒアルロナン‐リアーゼの使用。
  13. 高分子ヒアルロン酸,その塩又はその誘導体の0.1〜10重量%水溶液をpHが3.5〜8の範囲内になるように調製し,カンゾウタケ属に属する真菌の培養による請求項1記載の方法で調製した酵素ヒアルロナン‐リアーゼの水溶液を添加し,温度5〜50℃で1分〜30日間反応を進行させることを特徴とする低分子ヒアルロナンの調整方法。
  14. 前記反応をpH4.0,温度20℃で24〜168時間かけて進行させることを特徴とする請求項13記載の方法。
  15. 前記高分子ヒアルロン酸,その塩又はその誘導体の分子量が1.5〜2.2MDaの範囲内であることを特徴とする請求項13又は14記載の方法。
  16. 前記ヒアルロン酸の塩がナトリウム又はカリウム塩であり,ヒアルロナンの誘導体がアシル化ヒアルロナンであることを特徴とする請求項13〜15いずれか1項記載の方法。
  17. 高分子ヒアルロン酸,その塩又はその誘導体及び酵素ヒアルロナン‐リアーゼの0.1〜10重量%溶液に,MgSO,MnCl,KCl,CuSOを含む群から選択される塩5〜20mMを添加することを特徴とする請求項13〜16いずれか1項記載の方法。
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