JP2015529284A - ディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子の製造のための芳香族ポリアミド溶液 - Google Patents

ディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子の製造のための芳香族ポリアミド溶液 Download PDF

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学 内藤
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アクロン ポリマー システムズ,インク.
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Abstract

本開示は、芳香族コポリアミドから作製された溶液及び透明フィルム、並びに当該溶液及び/又はフィルムを用いるディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子に関する。ペンダントカルボキシル基を含む前記コポリアミドは、クレゾール、キシレン、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ブチルセロソルブ、又は他の溶媒、又は2より多い溶媒を有する混合溶媒を用いて溶液キャスト法によりフィルムとなる。ポリマーフィルムをコポリマーのガラス転移温度付近で熱硬化させた場合、同フィルムは硬化後に400〜750nmで>80%の透過率、20ppm未満の熱膨張係数、及び耐溶剤性を示す。

Description

関連出願のクロスリファレンス
本出願は、2012年9月24日に出願された米国仮出願61/704,846を基礎として35U.S.C.119の優先権を主張するものであり、その内容全体が、この引用により本明細書に含まれる。
本開示は、一態様において、芳香族コポリアミド及び溶媒を含むポリアミド溶液に関する。本開示は、他の態様において、前記ポリアミド溶液の製造方法に関する。本開示は、他の態様において、前記ポリアミド溶液を用いたポリアミドフィルムを形成する工程を含む、ディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子の製造方法に関する。
有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイの市場規模は2010年に12.5億ドルであったが、毎年25%の割合で増加すると予測されている。OLEDディスプレイは、その高効率性及び高コントラスト比から、携帯電話ディスプレイ、デジタルカメラ、及び世界測位システム(GPS)の市場分野で液晶ディスプレイ(LCD)の適切な代用品になっている。これらの用途では、高電力効率、小型、及び堅牢性が重要視される。そのため、電力消費が少なく、応答時間がより速く、且つ解像度がより高いアクティブマトリクス型OLED(AMOLED)への需要が高まっている。これらの特性を向上させるAMOLEDの技術革新によって、携帯用機器へのAMOLEDの採用がさらに促進され、AMOLEDを用いる機器の幅が広がることになる。これらの成績係数は、電気機器の処理温度に大きく左右される。AMOLEDは、透明基板に堆積された薄膜トランジスタ(TFT)アレイ構造を有する。TFTの堆積温度をより高くすることによって、同ディスプレイの電力効率を大幅に改善することができる。現在、AMOLED基板としてはガラス板が用いられている。ガラス板は高い処理温度(>500℃)と良好なバリア特性を示すものの、比較的厚く、重く、硬質で、且つ壊れ易いため、製品設計の自由度やディスプレイ剛性が低下する。そのため、携帯用機器製造業者からは、より軽量で、より薄く、且つより剛性のある代用品に対する要望がある。フレキシブル基板材料は、製品設計の新たな可能性も切り開き、低コストでのロールツーロール製造を可能にするものと考えられる。
多くのポリマー薄膜は、可撓性及び透明性に優れ、比較的安価で、且つ軽量である。ポリマーフィルムは、現在進展中のフレキシブルディスプレイやフレキシブル太陽電池パネルを含むフレキシブル電子機器用の基板としての優れた候補である。ガラス等の硬質な基板と比較した場合、フレキシブル基板は、電子機器に対して、下記の点を含む潜在的に大きないくつかのメリットをもたらす。
a.軽量(ガラス基板は、薄膜太陽電池の全重量の約98%を占める)
b.可撓性(取り扱い易く、運送コストが安価で、及び/又は原料及び製品の双方により多くの用途がある)
c.ロールツーロール製造に適しているため、製造コストを大きく低減し得る。
フレキシブルディスプレイ用途に対するポリマー基板のこのような潜在的メリットを促進させるには、下記の点を含むいくつかの問題に対処する必要がある。
a.熱安定性の向上
b.熱膨張係数(CTE)の低減
c.高温処理中における高い透明性の維持
d.酸素バリア特性及び水分バリア特性の向上。現在、純粋なポリマーフィルムでは十分なバリア特性を提供することができない。目標とするバリア特性を得るためには、付加的なバリア層を設ける必要がある。
ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルスルホン(PES)、環状オレフィンポリマー(COP)、ポリアリーレート(PAR)、ポリイミド(PI)等を含むいくつかのポリマーフィルムがフレキシブル透明基板として評価されてきた。しかしながら、どのフィルムも上記の要件の全てを満たすことはできない。現在、この用途で業界標準となっているのは、上記の要件を部分的に満たすPENフィルム(透過性:400nm〜750nmで>80%、CTE:<20ppm/℃)であるが、その使用温度は限られている(<200℃)。熱安定性が高く(Tg:>300℃)、CTEの小さい(<20ppm/℃)透明ポリマーフィルムが求められている。
従来の芳香族ポリアミドは、優れた熱特性及び機械特性を有していることがよく知られているが、芳香族ポリアミドのフィルムは、ポリアミド酸前駆体から製膜する必要があり、また通例暗い黄色〜橙色をしている。可視領域では無色なフィルムを溶液キャスト法により作製可能な芳香族ポリイミドがいくつか調製されてきたが、そのようなフィルムは、要求される低CTEを呈さない(例えば、F.Li.F.W.Harris、S.Z.D.Cheng、Polymer、37、23、pp5321、1996年)。これらのフィルムは耐溶剤性も有してない。JP2007−063417やJP2007−231224等の特許文献や、A.S.Mathewsらの文献(J.Appl.Polym.Sci.、Vol.102、3316−3326、2006年)に記載のポリイミドフィルム等の、脂環式モノマーに部分的に又は全体的に基づくポリイミドフィルムは、向上した透明性を示す。これらのポリマーは300℃よりも高いガラス転移温度を有し得るものの、同ポリマーは、その脂肪族単位のせいでそのような温度で十分な熱安定性を示すことができない。
また、熱安定性については様々な指標があるが、製造時の加熱及び真空プロセスにおいて、雰囲気を汚染しないようにするため製造時の熱による熱分解温度が高いことも重要である。
本開示は、一態様において、芳香族コポリアミド及び溶媒を含むポリアミド溶液に関する。本開示の一実施形態によれば、前記芳香族コポリアミド溶液は、
a)芳香族コポリアミド溶液を支持材へ塗布する工程と、
b)前記塗布工程(a)後に、ポリアミドフィルムを前記支持材上に形成する工程と、
c)ディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子を前記ポリアミドフィルムの表面上に形成する工程とを含むディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子の製造方法に用いるためのものである。
さらに、本開示は、他の態様において、本開示に係るポリアミド溶液の製造方法に関する。本開示の一実施形態によれば、芳香族コポリアミド溶液の製造のために提供される方法は、
a) ポリアミド中のフリーカルボン酸含有ジアミンの量がポリアミド全体の約1モル%よりも少なくなるように芳香族ジアミン混合物を形成する工程と、
b)前記芳香族ジアミン混合物を溶媒に溶解させる工程と、
c)前記ジアミン混合物を少なくとも1つの芳香族二酸ジクロリドと反応させて、塩酸及びポリアミド溶液を生成する工程と、
d)試薬を用いて前記塩酸を取り除く工程とを含む。
さらに、本開示は、他の態様において、ディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子の製造方法に関する。本開示の一実施形態によれば、ディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子の製造のために提供される方法は、
a) ポリアミド中のフリーカルボン酸含有ジアミンの量がポリアミド全体の約1モル%よりも少なくなるように芳香族ジアミン混合物を形成する工程と、
b)前記芳香族ジアミン混合物を溶媒に溶解させる工程と、
c)前記ジアミン混合物を少なくとも1つの芳香族二酸ジクロリドと反応させて、塩酸及びポリアミド溶液を生成する工程と、
d)試薬を用いて前記塩酸を取り除いてポリアミド溶液を得る工程と、
e)芳香族コポリアミド溶液を支持材へ塗布する工程と、
f)前記塗布工程(e)後にポリアミドフィルムを前記支持材上に形成する工程と、
g)ディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子を前記ポリアミドフィルムの表面上に形成する工程とを含む。
「取り除く」という用語は、前記塩酸を物理的に捕捉する、中和させる、及び/又は化学的に反応させることを意味する。
図1は、一実施形態に係る有機EL素子1を示す概略断面図である。
本開示は、一態様において、芳香族コポリアミド及び溶媒を含むポリアミド溶液に関する。本開示の一実施形態によれば、前記芳香族コポリアミド溶液は、
a)芳香族コポリアミド溶液を支持材へ塗布する工程と、
b)前記塗布工程(a)後に、ポリアミドフィルムを前記支持材上に形成する工程と、
c)ディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子を前記ポリアミドフィルムの表面上に形成する工程とを含むディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子の製造方法に用いるためのものである。
本開示の一実施形態によれば、ポリアミドの溶媒への溶解性を高める観点から、前記溶媒は極性溶媒又は1つ以上の極性溶媒を含む混合溶媒である。一実施形態において、ポリアミドの溶媒への溶解性を高める観点から、前記極性溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール(IPA)、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、トルエン、クレゾール、キシレン、プロピレングリコールモノメチルエーテルエセテート(PGMEA)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)又はN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、N,N−ジメチルアセタミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO),N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、それらの組み合わせ、又はそれらの極性溶媒を少なくとも1つ含む混合溶媒である。
本開示の一実施形態によれば、前記極性溶媒は有機溶媒及び/又は無機溶媒である。
本開示の一実施形態によれば、前記芳香族ポリアミドの末端の−COOH基及び−NH2基の一方又は双方はエンドキャップされている。ポリアミドフィルムの耐熱特性を高める観点から、末端がエンドキャップされていることが好ましい。ポリアミドの末端が−NH2の場合は、重合化ポリアミドを塩化ベンゾイルと反応させることによって、またポリアミドの末端が−COOHの場合は、重合化ポリアミドをアニリンと反応させることによって、ポリアミドの末端をエンドキャップすることができるが、エンドキャップの方法はこの方法に限定されない。
本開示の一実施形態によれば、前記芳香族コポリアミドは、少なくとも2つの繰り返し単位を含み、前記繰り返し単位の少なくとも1つは、2,2’−ビストリフルオロメチルベンジジン、9,9−ビス(4アミノフェニル)フルオリン、9,9−ビス(3−フルオロ−4−アミノフェニル)フルオリン、2,2’−ビストリフルオロメトキシルベンジジン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビストリフルオロメチルジフェニルエーテル、ビス−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェニルオキシル)ベンゼン、及びビス−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェニルオキシル)ビフェニルからなる群から選択される芳香族ジアミンを少なくとも1つの芳香族二酸ジクロリドと反応させることにより形成される。
本開示の一実施形態によれば、前記極性溶媒は、N,N−ジメチルアセトアミド又はN−メチル−2−ピロリドンである。
本開示の一実施形態によれば、前記少なくとも1つの芳香族二酸ジクロリドは、テレフタル酸ジクロリド、イソフタル酸ジクロリド、2,6−ナフタル酸ジクロリド、及び4,4,−ビフェニルジカルボニルジクロリドからなる群から選択される。
さらに、本開示は、他の態様において、本開示に係るポリアミド溶液の製造方法に関する。本開示の一実施形態によれば、芳香族コポリアミド溶液の製造のために提供される方法は、
a)ポリアミド中のフリーカルボン酸含有ジアミンの量がポリアミド全体の約1モル%よりも少なくなるように芳香族ジアミン混合物を形成する工程と、
b)前記芳香族ジアミン混合物を溶媒に溶解させる工程と、
c)前記ジアミン混合物を少なくとも1つの芳香族二酸ジクロリドと反応させて、塩酸及びポリアミド溶液を生成する工程と、
d)試薬を用いて前記塩酸を取り除く工程とを含む。
「取り除く」という用語は、前記塩酸を物理的に捕捉する、中和させる、及び/又は化学的に反応させることを意味する。
本開示の一実施形態によれば、ポリアミドの溶媒への溶解性を高める観点から、前記溶媒は極性溶媒又は1つ以上の極性溶媒を含む混合溶媒である。一実施形態において、ポリアミドの溶媒への溶解性を高める観点から、前記極性溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール(IPA)、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、トルエン、クレゾール、キシレン、プロピレングリコールモノメチルエーテルエセテート(PGMEA)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)又はN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、N,N−ジメチルアセタミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO),N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、それらの組み合わせ、又はそれらの極性溶媒を少なくとも1つ含む混合溶媒である。
本開示の一実施形態によれば、前記極性溶媒は有機溶媒及び/又は無機溶媒である。
本開示の一実施形態によれば、前記芳香族ポリアミドの末端の−COOH基及び−NH2基の一方又は双方はエンドキャップされている。ポリアミドフィルムの耐熱特性を高める観点から、末端がエンドキャップされていることが好ましい。ポリアミドの末端が−NH2の場合は、重合化ポリアミドを塩化ベンゾイルと反応させることによって、またポリアミドの末端が−COOHの場合は、重合化ポリアミドをアニリンと反応させることによって、ポリアミドの末端をエンドキャップすることができるが、エンドキャップの方法はこの方法に限定されない。
本開示の一実施形態によれば、前記反応工程(c)の前に又は最中に前記試薬が前記混合物に添加される。反応工程(c)の前に又は最中に前記試薬を添加することにより、反応工程(c)後の粘度の程度及び混合物における塊の生成を低減することができるため、ポリアミド溶液の生産性を向上させることができる。前記試薬が酸化プロピレン等の有機試薬である場合に、これらの効果が特に大きくなる。
本開示の一実施形態によれば、前記試薬と前記塩酸との反応によって揮発性生成物が形成される。
本開示の一実施形態によれば、前記試薬は有機中和試薬である。
本開示の一実施形態によれば、前記試薬は酸化プロピレンである。
本開示の一実施形態によれば、前記芳香族コポリアミド溶液は、無機塩の存在なしに製造される。
本開示の一実施形態によれば、ポリアミド中のフリーカルボン酸含有ジアミンの量がポリアミド全体の約1モル%よりも少ない。
本開示の一実施形態によれば、前記カルボン酸基を含むジアミンは、4,4’−ジアミノジフェン酸又は3,5―ジアミノ安息香酸である。
本開示の一実施形態によれば、前記芳香族ジアミンは、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビストリフルオロメチルベンジジン、9,9−ビス(4アミノフェニル)フルオリン、9,9−ビス(3−フルオロ−4−アミノフェニル)フルオリン、4,4’−ジアミノ−2,2’ビストリフルオロメトキシルベンジジン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビストリフルオロメチルジフェニルエーテル、ビス−(4アミノ−2−トリフルオロメチルフェニルオキシル)ベンゼン、及びビス−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェニルオキシル)ビフェニルからなる群から選択される。
本開示の一実施形態によれば、前記極性溶媒は、N,N−ジメチルアセトアミド又はN−メチル−2−ピロリドンであ
本開示の一実施形態によれば、前記少なくとも1つの芳香族二酸ジクロリドは、テレフタル酸ジクロリド、イソフタル酸ジクロリド、2,6−ナフタル酸ジクロリド、及び4,4,−ビフェニルジカルボニルジクロリドからなる群から選択される。
本開示の一実施形態によれば、前記芳香族コポリアミド溶液は、
a)芳香族コポリアミド溶液を支持材へ塗布する工程と、
b)前記塗布工程(a)後にポリアミドフィルムを前記支持材上に形成する工程と、
c)ディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子を前記ポリアミドフィルムの表面上に形成する工程とを含むディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子の製造方法に用いるためのものである。
さらに、本開示は、他の態様において、ディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子の製造方法に関する。本開示の一実施形態によれば、ディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子の製造のために提供される方法は、
a)少なくとも1つが1つ以上のフリーカルボン酸基を含む2つ以上の芳香族ジアミンの混合物を、カルボン酸含有ジアミンの量がジアミン混合物全体の約1モル%よりも多く、約30モル%よりも少なくなるように形成する工程と、
b)前記芳香族ジアミン混合物を溶媒に溶解させる工程と、
c)前記ジアミン混合物を少なくとも1つの芳香族二酸ジクロリドと反応させて、塩酸及びポリアミド溶液を生成する工程と、
d)試薬を用いて前記塩酸を取り除いてポリアミド溶液を得る工程と、
e)芳香族コポリアミド溶液を支持材へ塗布する工程と、
f)前記塗布工程(e)後にポリアミドフィルムを前記支持材上に形成する工程と、
g)ディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子を前記ポリアミドフィルムの表面上に形成する工程とを含む。
「取り除く」という用語は、前記塩酸を物理的に捕捉する、中和させる、及び/又は化学的に反応させることを意味する。
本開示の一実施形態によれば、ポリアミドの溶媒への溶解性を高める観点から、前記溶媒は極性溶媒又は1つ以上の極性溶媒を含む混合溶媒である。一実施形態において、ポリアミドの溶媒への溶解性を高める観点から、前記極性溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール(IPA)、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、トルエン、クレゾール、キシレン、プロピレングリコールモノメチルエーテルエセテート(PGMEA)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)又はN−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、N,N−ジメチルアセタミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO),N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、それらの組み合わせ、又はそれらの極性溶媒を少なくとも1つ含む混合溶媒である。
本開示の一実施形態によれば、前記極性溶媒は有機溶媒及び/又は無機溶媒である。
本開示の一実施形態によれば、前記芳香族ポリアミドの末端の−COOH基及び−NH2基の一方又は双方はエンドキャップされている。ポリアミドフィルムの耐熱特性を高める観点から、末端がエンドキャップされていることが好ましい。ポリアミドの末端が−NH2の場合は、重合化ポリアミドを塩化ベンゾイルと反応させることによって、またポリアミドの末端が−COOHの場合は、重合化ポリアミドをアニリンと反応させることによって、ポリアミドの末端をエンドキャップすることができるが、エンドキャップの方法はこの方法に限定されない。
本開示の一実施形態によれば、前記反応工程(c)の前に又は最中に前記試薬が前記混合物に添加される。反応工程(c)の前に又は最中に前記試薬を添加することにより、反応工程(c)後の粘度の程度及び混合物における塊の生成を低減することができるため、ポリアミド溶液の生産性を向上させることができる。前記試薬が酸化プロピレン等の有機試薬である場合に、これらの効果が特に大きくなる。
本開示の一実施形態によれば、前記試薬と前記塩酸との反応によって揮発性生成物が形成される。
本開示の一実施形態によれば、前記試薬は有機中和試薬である。
本開示の一実施形態によれば、前記芳香族コポリアミド溶液は、無機塩の存在なしに製造される。
本開示の一実施形態によれば、前記試薬は酸化プロピレンである。
本開示の一実施形態によれば、前記方法は、前記支持材上に形成された前記表示用素子、前記光学用素子、又は前記照明用素子を前記支持材から剥離する工程(h)をさらに含む。
本開示の一実施形態によれば、コポリアミドの重合に使用される芳香族二酸ジクロリドは、下記一般構造で示される。
Figure 2015529284
[p=4、q=3、R1、R2、R3、R4、R5は、水素、ハロゲン(フッ化物、塩化物、臭化物、及びヨウ化物)、アルキル、ハロゲン化アルキル等の置換アルキル、ニトロ、シアノ、チオアルキル、アルコキシ、ハロゲン化アルコキシ等の置換アルコキシ、アリール又はハロゲン化アリール等の置換アリール、アルキルエステル、及び置換アルキルエステル、並びにその組み合せからなる群から選択される。なお、R1はそれぞれ異なり、R2はそれぞれ異なり、R3はそれぞれ異なり、R4はそれぞれ異なり、R5はそれぞれ異なっていてもよい。G1は、共有結合、CH2基、C(CH32基、C(CF32基、C(CX32基(但しXはハロゲン)、CO基、O原子、S原子、SO2基、Si(CH32基、9,9−フルオレン基、置換9,9−フルオレン、及びOZO基からなる群から選択され、Zは、フェニル基、ビフェニル基、パーフルオロビフェニル基、9,9−ビスフェニルフルオレン基、及び置換9,9−ビスフェニルフルオレン等のアリール基又は置換アリール基である。]
で示す1つ以上の芳香族二酸ジクロリドと、
本開示の一実施形態によれば、2以上の芳香族ジアミンは、下記一般構造で示される。
下記一般構造:
Figure 2015529284
[p=4、m=1又は2、t=1〜3、R6、R7、R8、R9、R10、R11は、水素、ハロゲン(フッ化物、塩化物、臭化物、及びヨウ化物)、アルキル、ハロゲン化アルキル等の置換アルキル、ニトロ、シアノ、チオアルキル、アルコキシ、ハロゲン化アルコキシ等の置換アルコキシ、アリール、ハロゲン化アリール等の置換アリール、アルキルエステル、及び置換アルキルエステル、並びにその組み合せからなる群から選択される。なお、R6はそれぞれ異なり、R7はそれぞれ異なり、R8はそれぞれ異なり、R9はそれぞれ異なり、R10はそれぞれ異なり、R11はそれぞれ異なっていてもよい。G2及びG3は、共有結合、CH2基、C(CH32基、C(CF32基、C(CX32基(但しXはハロゲン)、CO基、O原子、S原子、SO2基、Si(CH32基、9,9−フルオレン基、置換9,9−フルオレン、及びOZO基からなる群から選択され、Zは、フェニル基、ビフェニル基、パーフルオロビフェニル基、9,9−ビスフェニルフルオレン基、及び置換9,9−ビスフェニルフルオレン等のアリール基又は置換アリール基である。]
本開示は、芳香族コポリアミドから作製した溶液及び透明フィルム、並びに前記溶液及び/又はフィルムを用いるディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子に関する。ポリアミドは、溶媒中での縮合重合によって作製され、反応の際に生成される塩酸は、酸化プロピレン(PrO)等の試薬によって捕捉される。前記フィルムは、ポリアミドの分離や再溶解を必要とすることなく、反応混合物から直接作製することができる。無色のフィルムを、重合溶液から直接キャストすることができる。塩酸とPrOとの反応生成物は、溶媒を除去する際に取り除くことができる。これらのフィルムは成形品として低CTEを示し、且つ引き伸ばす必要はない。コポリアミドの作製に用いるモノマーの比を慎重に操作することによって、得られるコポリマーのCTE及びTg、並びにそれらの溶液キャストフィルムの光学特性を制御することができる。試薬と塩酸との反応によって揮発性生成物が形成されない場合、ポリマーは、極性溶媒による析出及び再溶解によって重合混合物から分離されて、フィルムをキャストすることとなる。試薬と塩酸との反応によって揮発性生成物が形成される場合、フィルムを直接キャストすることができる。揮発性生成物を形成する試薬の一例としてはPrOが挙げられる。
本開示において有用な芳香族二酸ジクロリドの代表例としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2015529284
本開示において有用な芳香族ジアミンの典型的な一例としては、下記のものが挙げられる。
Figure 2015529284
[ディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子]
本開示において、「ディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子」とは、表示体(表示装置)、光学装置、又は照明装置を構成する素子をいい、例えば有機EL素子、液晶素子、有機EL照明等をいう。また、それらの一部を構成する薄膜トランジスタ(TFT)素子、カラーフィルタ素子等も含む。本開示にかかるディスプレイ用素子、光学用素子、又は、照明用素子は、一又は複数の実施形態において、本開示に係るポリマー溶液を用いて製造されるもの、ディスプレイ用素子、光学用素子、又は、照明用素子の基板として本開示に係るポリマーフィルムを用いているものを含みうる。
<有機EL素子の限定されない一実施形態>
以下に図を用いて本開示にかかるディスプレイ用素子の一実施形態である有機EL素子の一実施形態を説明する。
図1は、一実施形態に係る有機EL素子1を示す概略断面図である。有機EL素子1は、基板A上に形成される薄膜トランジスタB及び有機EL層Cを備える。なお、有機EL素子1全体は封止部材400で覆われている。有機EL素子1は、支持材500から剥離されたものであってもよく、支持材500を含むものであってもよい。以下、各構成につき詳細に説明する。
1.基板A
基板Aは、透明樹脂基板100及び透明樹脂基板100の上面に形成されるガスバリア層101を備える。ここで、透明樹脂基板100は、本開示に係るポリマーフィルムである。
なお、透明樹脂基板100に対して、熱によるアニール処理を行っても良い。これにより、歪みを取り除くことができたり、環境変化に対する寸法の安定化を強化したりできる等の効果がある。
ガスバリア層101は、SiOx、SiNxなどからなる薄膜であり、スパッタ法、CVD法、真空蒸着法等の真空成膜法により形成される。ガスバリア層101の厚みとしては、通常10nm〜100nm程度であるが、この厚みに限定されるものではない。ここで、ガスバリア層101は図1のガスバリア層101と対向する面に形成しても良く、両面に形成しても良い。
2.薄膜トランジスタ
薄膜トランジスタBは、ゲート電極200、ゲート絶縁層201、ソース電極202、活性層203、及びドレイン電極204を備える。薄膜トランジスタBは、ガスバリア層101上に形成される。
ゲート電極200、ソース電極202、及びドレイン電極204は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛(ZnO)等からなる透明薄膜である。透明薄膜を形成する方法としては、スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等が挙げられる。これらの電極の膜厚は、通常50nm〜200nm程度であるが、この厚さに限定されるものではない。
ゲート絶縁膜201は、SiO2、Al23等からなる透明な絶縁薄膜であり、スパッタ法、CVD法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等により形成される。ゲート絶縁膜201の膜厚は、通常10nm〜1μm程度であるが、この厚さに限定されるものではない。
活性層203は、例えば、単結晶シリコン、低温ポリシリコン、アモルファスシリコン、酸化物半導体等であり、適時最適なものが使用される。活性層はスパッタ法等により形成される。
3.有機EL層
有機EL層Cは、導電性の接続部300、絶縁性の平坦化層301、有機EL素子Aの陽極である下部電極302、正孔輸送層303、発光層304、電子輸送層305、及び有機EL素子Aの陰極である上部電極306を備える。有機EL層Cは、少なくともガスバリア層101上又は薄膜トランジスタB上に形成され、下部電極302と薄膜トランジスタBのドレイン電極204は接続部300により電気的に接続されている。なお、これに替えて、薄膜トランジスタBの下部電極302とソース電極202が接続部300により接続されるようにしてもよい。
下部電極302は、有機EL素子1aの陽極であり、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)、酸化亜鉛(ZnO)等の透明薄膜である。なお、高透明性、高電導性等が得られるので、ITOが好ましい。
正孔輸送層303、発光層304及び電子輸送層305としては、従来公知の有機EL素子用材料をそのまま用いることができる。
上部電極305は、例えばフッ化リチウム(LiF)とアルミニウム(Al)をそれぞれ5nm〜20nm、50nm〜200nmの膜厚に成膜した膜よりなる。膜を形成する方法としては、例えば真空蒸着法が挙げられる。
また、ボトムエミッション型の有機EL素子を作製する場合、有機EL素子1aの上部電極306は光反射性の電極にしても良い。これにより、有機EL素子Aで発生して表示側と逆方向の上部側に進んだ光が上部電極306により表示側方向に反射される。したがって、反射光も表示に利用されるので、有機EL素子の発光の利用効率を高めることができる。
[ディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子の製造方法]
本開示は、その他の態様において、ディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子の製造方法に関する。本開示にかかる製造方法は、一又は複数の実施形態において、本開示にかかるディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子を製造する方法である。また、本開示にかかる製造方法は、一又は複数の実施形態において、本開示に係るポリアミド樹脂溶液を支持材へ塗布する工程と、前記塗布工程後に、ポリアミドフィルムを形成する工程と、前記ポリアミドフィルムの前記支持材と接していない面にディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子を形成する工程とを含む製造方法である。本開示にかかる製造方法は、さらに、前記支持材上に形成されたディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子を前記支持材から剥離する工程を含んでもよい。
<有機EL素子の作製方法の限定されない一実施形態>
次に、以下に図を用いて本開示にかかるディスプレイ用素子の製造方法の一実施形態である有機EL素子の製造方法の一実施形態を説明する。
図1の有機EL素子1の作製方法は、固定工程、ガスバリア層作製工程、薄膜トランジスタ作製工程、有機EL層作製工程、封止工程及び剥離工程を備える。以下、各工程につき詳細に説明する。
1.固定工程
固定工程では、支持材500上に透明樹脂基板100が固定される。固定する方法は特に限定されるものではないが、支持材500と透明基板の間に粘着剤を塗布する方法や、透明樹脂基板100の一部を支持材500に融着させる方法等が挙げられる。また、支持の材料としては、例えば、ガラス、金属、シリコン、又は樹脂等が用いられる。これらは単独で用いられてもよいし、2以上の材料を適時組み合わせて使用してもよい。さらに、支持材500に離型剤等を塗布し、その上に透明樹脂基板100を張り付けて固定してもよい。一又は複数の実施形態において、支持材500上に本開示に係るポリアミド樹脂組成物を塗布し、乾燥等によりポリアミドフィルム100を形成する。
2.ガスバリア層作製工程
ガスバリア層作製工程では、透明樹脂基板100上にガスバリア層101が作製される。作製する方法は特に限定することなく、公知の方法を用いることができる。
3.薄膜トランジスタ作製工程
薄膜トランジスタ作製工程では、ガスバリア層上に薄膜トランジスタBが作製される。作製する方法は特に限定することなく、公知の方法を用いることができる。
4.有機EL層作製工程
有機EL層作製工程は、第1工程と第2工程を備える。第1工程では、平坦化層301が形成される。平坦化層301を形成する方法としては、感光性透明樹脂をスピンコート法、スリットコート法、インクジェット法等が挙げられる。この際、第2工程で接続部300を形成できるよう、平坦化層301には開口部を設けておく必要がある。平坦化層の膜厚は、通常100nm〜2μm程度であるが、これに限定されるものではない。
第2工程では、まず接続部300及び下部電極302が同時に形成される。これらを形成する方法としては、スパッタ法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等が挙げられる。これらの電極の膜厚は、通常50nm〜200nm程度であるが、これに限定されるものではない。その後、正孔輸送層303、発光層304、電子輸送層305、及び有機EL素子Aの陰極である上部電極306が形成される。これらを形成する方法としては真空蒸着法や塗布法など、用いる材料及び積層構成に適切な方法を用いることができる。また、有機EL素子Aの有機層の構成は、本実施例の記載に関わらず、その他正孔注入層や電子輸送層、正孔ブロック層、電子ブロック層など、公知の有機層を取捨選択して構成してもよい。
5.封止工程
封止工程では、有機EL層Aが封止部材307によって上部電極306の上から封止される。封止部材307としては、ガラス、樹脂、セラミック、金属、金属化合物、又はこれらの複合体等で形成することができ、適時最適な材料を選択可能である。
6.剥離工程
剥離工程では作製された有機EL素子1が支持材500から剥離される。剥離工程を実現する方法としては、例えば、物理的に支持材500から剥離する方法が挙げられる。この際、支持材500に剥離層を設けても良いし、支持材500と表示素子の間にワイヤを挿入して剥離しても良い。また、その他の方法としては支持材500の端部のみ剥離層を設けず、素子作製後端部より内側を切断して素子を取り出す方法、支持材500と素子の間にシリコン層等からなる層を設け、レーザー照射により剥離する方法、支持材500に対して熱を加え、支持材500と透明基板を分離する方法、支持材500を溶媒により除去する方法等が挙げられる。これらの方法は単独で用いてもよく、任意の複数の方法を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態にかかるディスプレイ用、光学用、又は照明用の素子の製造方法によって得られた有機EL素子は、一又は複数の実施形態において、透明性、耐熱性、低線膨張性、低光学異方性等に優れている。
[表示装置、光学装置、照明装置]
本開示は、その態様において、本開示にかかるディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子を用いた表示装置、光学装置、又は照明装置に関し、また、それらの製造方法に関する。これらに限定されないが、前記表示装置としては、撮像素子などが挙げられ、光学装置としては、光/電気複合回路などが挙げられ、照明装置としては、TFT−LCD、OEL照明などが挙げられる。
[実施例1]
本実施例では、溶液縮合法によりTPC、IPC、及びPFMB(70モル%/30モル%/100モル%)からコポリマーを作製するための一般手順を示す。
機械式撹拌機、窒素導入口、及び排出口を備えた250mlの三つ口丸底フラスコに、PFMB(3.2024g、0.01mol)及び乾燥DMAc(45ml)を加えた。PFMBが完全に溶解した後に、溶液にIPC(0.6395g、0.003モル)を窒素下、室温にて加え、フラスコの壁部をDMAc(1.5ml)で洗い流した。15分後、TPC(1.4211g、0.007mol)を溶液に加え、フラスコの壁部を再度DMAc(1.5ml)で洗い流した。混合物がゲルを形成するまで溶液の粘度は増加する。PrO(1.4g、0.024モル)を添加した後、ゲルを撹拌して分解し、均一な粘質の溶液を形成する。さらに4時間室温にて撹拌した後、得られたコポリマー溶液をキャストして直接フィルムにすることができる。
[実施例2]
本実施例では、溶液縮合法によりTPC、PFMB、及びFDA(100モル%/80モル%/20モル%)からコポリマーを作製するための一般手順を示す。
機械式撹拌機、窒素導入口、及び窒素排出口を備えた100mlの四つ口丸底フラスコに、PFMB(1.0247g、3.2mmol)、FDA(0.02788g、0.8mmol)及び乾燥DMAc(20ml)を窒素下、室温にて加えた。PFMBが完全に溶解した後に、溶液にTPC(0.8201g、4.04mmol)を加え、フラスコの壁部をDMAc(5.0ml)で洗い流す。混合物がゲルを形成するまで溶液の粘度は増加する。PrO(0.5g、8.5mmol)を添加した後、ゲルを撹拌して分解し、均一な粘質の溶液を形成する。さらに4時間室温にて撹拌した後、得られたコポリマー溶液をキャストして直接フィルムにすることができる。
[実施例3]
本実施例では、溶液縮合法によりTPC、IPC、DADP、及びPFMB(70モル%/30モル%/3モル%/97モル%)からコポリマーを作製するための一般手順を示す。
機械式撹拌機、窒素導入口、及び窒素排出口を備えた250mlの三つ口丸底フラスコに、PFMB(3.1060g、0.0097mol)、DADP(0.0817g、0.0003mol)及び乾燥DMAc(45ml)を窒素下、室温にて加えた。PFMBが完全に溶解した後に、溶液にIPC(0.6091g、0.003mol)を加え、フラスコの壁部をDMAc(1.5ml)で洗い流した。15分後、TPC(1.4211g、0.007mol)を加え、フラスコの壁部を再度DMAc(1.5ml)で洗い流した。混合物がゲルを形成するまで溶液の粘度は増加する。PrO(1.4g、0.024mol)を添加した後、ゲルを撹拌して分解し、均一な粘質の溶液を形成する。さらに4時間室温にて撹拌した後、得られたコポリマー溶液を直接キャストしてフィルムにすることができる。
[実施例4]
本実施例では、溶液縮合法によりTPC、IPC、DAB、及びPFMB(75モル%/25モル%/5モル%/95モル%)からコポリマーを作製するための一般手順を示す。
機械式撹拌機、窒素導入口、及び窒素排出口を備えた250mlの三つ口丸底フラスコに、PFMB(3.0423g、0.0095mol)、DAB(0.0761g、0.0005mol)及び乾燥DMAc(45ml)を窒素下、室温にて加えた。PFMBが完全に溶解した後に、溶液にIPC(0.5076g、0.0025mol)を加え、フラスコの壁部をDMAc(1.5ml)で洗い流した。15分後、TPC(1.5227g、0.0075mol)を加え、フラスコの壁部を再度DMAc(1.5ml)で洗い流した。混合物がゲルを形成するまで溶液の粘度は増加する。PrO(1.4g、0.024mol)を添加した後、ゲルを撹拌して分解し、均一な粘質の溶液を形成する。さらに4時間室温にて撹拌した後、得られたコポリマー溶液を直接キャストしてフィルムにすることができる。
[実施例5]
本実施例では、溶液縮合法によりTPC、IPC、DAB、及びPFMB(25モル%/25モル%/2.53モル%/47.7モル%)からコポリマーを作製するための一般手順を示す。
機械式撹拌機、窒素導入口、及び窒素排出口を備えた250mlの三つ口丸底フラスコに、PFMB(3.2024g、10.000mol)、DAB(0.080g、0.53mol)及び乾燥DMAc(35ml)を加えた。PFMB及びDABが完全に溶解した後に、PrO(1.345g、23.159mmol)を溶液に加えた。溶液を0℃に冷却する。撹拌しながら、溶液にIPC(1.058g、5.211mmol)を加え、フラスコの壁部をDMAc(1.0ml)で洗い流した。15分後、溶液にTPC(1.058g、5.211mmol)を加え、フラスコの壁部を再度DMAc(1.0ml)で洗い流した。2時間後、塩化ベンゾイル(0.030g、0.216mmol)を溶液に加え、さらに2時間撹拌した。
なお、実施例での温度は室温であるが、当該温度は約−20℃〜約50℃であってもよく、いくつかの実施形態では約0℃〜約30℃であってもよい。
[ポリマーフィルムの作製及びキャラクタリゼーション]
ポリマー溶液は、重合後にフィルムのキャスティングに直接用いることができる。小型のフィルムをバッチ処理で作製する場合、平らなガラス板又は他の基板上に溶液を注ぎ、ドクターブレードにより膜圧を調整する。フィルムを基板上で減圧下、60℃で数時間乾燥させた後、乾燥窒素流で保護しながらフィルムを200℃で1時間さらに乾燥させる。減圧下又は不活雰囲気下にて、フィルムをポリマーのガラス転移温度又は同ガラス転移温度付近で数分間加熱して硬化させる。基板から機械的に取り除くことにより、厚みが約10μmよりも大きい独立フィルムが得られる。独立フィルムの厚みは、ポリマー溶液の固形分量及び粘度を調整することによって調整可能である。なお、前記ガラス転移温度の約90%〜約110%の間のどの温度でフィルムを硬化させてもよい。また、当業者に公知な方法によりロールツーロール法で連続して行えるように、バッチ処理に変更を加えてもよい。
本開示の一実施形態において、薄いガラス、シリカ、又はマイクロエレクトロニクス装置等の補強基板上にポリマー溶液を溶液キャストする。この場合、最終的なポリアミドフィルムの厚みが約5μmよりも大きくなるように方法を調整する。
機械式熱解析計(TAQ400TMA)を用いてCTE及びTgを測定する。試料フィルムの厚みは約20μmであり、負荷ひずみは0.05Nである。一実施形態において、独立フィルムの厚みは約20μm〜約125μmである。一実施形態において、フィルムは補強基板に接着されており、その厚みは<20μmである。一実施形態において、CTEは約20ppm/℃未満であるが、他の実施形態においては、CTEは約15ppm/℃未満、約10ppm/℃未満、及び約5ppm/℃未満である。これらの実施形態において、CTEは約19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、又は5ppm/℃未満であってもよい。実験により得られたCTEは室温〜約250℃で得られたCTEの平均値である。
フィルムの透明性は、10μm厚のフィルムの400〜500nmでの透過率をUV可視分光光度計(Shimazu UV2450)を用いて求めて測定する。
フィルムの熱分解温度は、TG−DTA(,SIIナノテクノロジー社製 、(TG/DTA6200)で昇温速度10℃/min の条件で25℃から500℃へ加熱し、質量減少率が1%になる温度(Td1%)を測定した。
溶液キャスト法によりTgが>300℃、CTEが<20ppm、透過率が>80%の透明フィルムにすることが可能な可溶性コポリアミドを得るのに必要な反応物質の比を求めるために、フリーカルボキシル基を含まない反応物質の量を系統的に変化させる事前調査を行ってもよい。フリーカルボキシル基を含めるのに適したコポリマーの候補(ベースポリマー)を特定するために、得られたコポリマーのフィルムの特性を測定する。そのような調査は当業者によく理解されている。本開示で用いたベースポリマーを特定するのに用いたそのような調査の比較例を下記の表に示す。
Figure 2015529284
Figure 2015529284
特性を大幅に変化させることなくコポリマーを熱架橋するのに最低限必要なカルボキシル基の量を求めるために、フリーカルボキシル基を含有する反応物質を様々な量でベースポリマーの作製に用いた反応物質の混合物と共重合させる第2の事前調査を行ってもよい。コポリマーのフィルムを得て、それらの特性を測定した。例えば、様々な量のDADPを、TPC、IPC、及びPFMBの比が70/30/100の混合物からなるベースポリマーの作製に用いた反応物質と共重合させた(実施例1)。得られたDADPを含むコポリマーのフィルムを、330℃で5分間熱処理した。硬化後、フィルムの耐NMP性を評価した。その結果を表3に示す。
Figure 2015529284
硬化後の実施例3のポリマーフィルムの特性を表4に示す。同様の方法で求めた、DABを含むコポリマーの組成(実験例)を、このポリマーの硬化フィルムの特性と共に表4に示す。
Figure 2015529284
本開示の硬化フィルムは有機溶剤及び無機溶剤の双方に対して耐性を有する。一般的に使用される強力な溶剤であるNMPへの耐性を分析することで、フィルムの耐溶剤性を素早く評価することができる。この溶剤への耐性を有するフィルムは他の極性溶剤にも耐性があることが分かっている。
以下は本開示において使用可能な例示のポリマーである。1)TPC:約50〜約70モル%、IPC:約30〜約50モル%、PFMB:約90〜約99モル%、4,4’−ジアミノジフェン酸(DADP):約1〜約10モル%、2)TPC:約50〜約70モル%、IPC:約25〜約50モル%、PFMB:約90〜約96モル%、3,5−ジアミノ安息香酸(DAB):約4〜約10モル%、3)TPC:約100モル%、PFMB:約25〜約85モル%、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオリン(FDA):約15〜約50モル%、DADP:約1〜約10モル%、4)TPC:約100モル%、PFMB:約50〜約85モル%、FDA:約15〜約50モル%、DAB:約4〜約10モル%
上記で実施形態を説明したが、本開示の全体的な範囲から逸脱することなく上記の方法及び装置に変更及び改変を加え得ることは当業者には明らかだろう。添付の請求項又はその同等物の範囲内に含まれる限り、そのような変更及び改変の全てを含むものとする。上記の説明には具体性が多く含まれているが、これは本開示の範囲を限定するものではなく、本開示のいくつかの実施形態を説明するものに過ぎないと考えるべきである。本開示の範囲内で様々な他の実施形態や派生物が可能である。
さらに、本開示の広い範囲を規定する数値範囲及びパラメータは近似値であるにも関わらず、具体的な実施例に記載の数値は可能な限り正確なものが記載されている。しかしながら、その数値には、それぞれの試験測定値にある標準偏差から必然的に生じる所定の誤差が潜在的に含まれている。
本開示を説明してきたが、次に請求の範囲を示す。

Claims (27)

  1. 芳香族コポリアミド及び溶媒を含むポリアミド溶液。
  2. 前記溶媒は極性溶媒又は1つ以上の極性溶媒を含む混合溶媒である、請求項1に記載の溶液。
  3. 前記芳香族ポリアミドの末端の−COOH基及び−NH2基の一方又は双方はエンドキャップされている、請求項1又は2に記載の溶液。
  4. ポリアミド中のフリーカルボン酸含有ジアミンの量がポリアミド全体の約1モル%よりも少ない、請求項1から3のいずれかに記載の溶液。
  5. 前記芳香族コポリアミドは、少なくとも2つの繰り返し単位を含み、前記繰り返し単位の少なくとも1つは、2,2’−ビストリフルオロメチルベンジジン、9,9−ビス(4アミノフェニル)フルオリン、9,9−ビス(3−フルオロ−4−アミノフェニル)フルオリン、2,2’−ビストリフルオロメトキシルベンジジン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビストリフルオロメチルジフェニルエーテル、ビス−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェニルオキシル)ベンゼン、及びビス−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェニルオキシル)ビフェニルからなる群から選択される芳香族ジアミンを少なくとも1つの芳香族二酸ジクロリドと反応させることにより形成される、請求項1から4のいずれかに記載の溶液。
  6. 前記溶媒は、クレゾール、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ブチルセロソルブ、又は、クレゾール、キシレン、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、N,N−ジメチルアセタミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)又はN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を少なくとも1つ含む混合溶媒、それらの組み合わせ、又はそれらの極性溶媒を少なくとも1つ含む混合溶媒である、請求項1から5のいずれかに記載の溶液。
  7. 前記少なくとも1つの芳香族二酸ジクロリドは、テレフタル酸ジクロリド、イソフタル酸ジクロリド、2,6−ナフタル酸ジクロリド、及び4,4’−ビフェニルジカルボニルジクロリドからなる群から選択される、請求項5又は6に記載の溶液。
  8. a)芳香族コポリアミド溶液を支持材へ塗布する工程と、
    b)前記塗布工程(a)後に、ポリアミドフィルムを前記支持材上に形成する工程と、
    c)ディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子を前記ポリアミドフィルムの表面上に形成する工程とを含むディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子の製造方法に用いるためのものである、請求項1から7のいずれかに記載の溶液。
  9. 芳香族コポリアミド溶液の製造方法であって、
    a)2つ以上の芳香族ジアミンの混合物を形成する工程と、
    b)前記芳香族ジアミン混合物を溶媒に溶解させる工程と、
    c)前記ジアミン混合物を少なくとも1つの芳香族二酸ジクロリドと反応させて、塩酸及びポリアミド溶液を生成する工程と、
    d)試薬を用いて前記塩酸を取り除く工程とを含む方法。
  10. 前記溶媒は極性溶媒又は1つ以上の極性溶媒を含む混合溶媒である、請求項1に記載の方法。
  11. 前記反応工程(c)の前に又は最中に前記試薬を前記混合物に添加する、請求項9又は10に記載の方法。
  12. 前記試薬と前記塩酸との反応によって揮発性生成物が形成される、請求項9から11のいずれかに記載の方法。
  13. 前記試薬は有機中和試薬である、請求項9から12のいずれかに記載の方法。
  14. 前記試薬は酸化プロピレンである、請求項9から13のいずれかに記載の方法。
  15. 前記ポリアミドの末端の−COOH基及び−NH2基の一方又は双方をエンドキャップする工程をさらに含む、請求項9から14のいずれかに記載の方法。
  16. 前記フィルムは、無機塩の存在なしに製造される、請求項9から15のいずれかに記載の方法。
  17. ポリアミド中のフリーカルボン酸含有ジアミンの量がポリアミド全体の約1モル%よりも少ない、請求項9から16のいずれかに記載の方法。
  18. 前記カルボン酸基を含むジアミンは、4,4’−ジアミノジフェン酸又は3,5―ジアミノ安息香酸である、請求項9から17のいずれかに記載の方法。
  19. 前記芳香族ジアミンは、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビストリフルオロメチルベンジジン、9,9−ビス(4アミノフェニル)フルオリン、9,9−ビス(3−フルオロ−4−アミノフェニル)フルオリン、4,4’−ジアミノ−2,2’ビストリフルオロメトキシルベンジジン、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビストリフルオロメチルジフェニルエーテル、ビス−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェニルオキシル)ベンゼン、及びビス−(4−アミノ−2−トリフルオロメチルフェニルオキシル)ビフェニルからなる群から選択される、請求項9から18のいずれかに記載の方法。
  20. 前記少なくとも1つの芳香族二酸ジクロリドは、テレフタル酸ジクロリド、イソフタル酸ジクロリド、2,6−ナフタル酸ジクロリド、及び4,4,−ビフェニルジカルボニルジクロリドからなる群から選択される、請求項9から19のいずれかに記載の方法。
  21. 前記溶媒は、クレゾール、キシレン、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ブチルセロソルブ、又は、クレゾール、キシレン、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、N,N−ジメチルアセタミド(DMAc)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)又はN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を少なくとも1つ含む混合溶媒、それらの組み合わせ、又はそれらの極性溶媒を少なくとも1つ含む混合溶媒である、請求項9から20のいずれかに記載の方法。
  22. 前記溶媒は有機溶媒及び/又は無機溶媒である、請求項9から21のいずれかに記載の方法。
  23. 前記芳香族コポリアミド溶液は、
    a)芳香族コポリアミド溶液を支持材へ塗布する工程と、
    b)前記塗布工程(a)後にポリアミドフィルムを前記支持材上に形成する工程と、
    c)ディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子を前記ポリアミドフィルムの表面上に形成する工程とを含むディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子の製造方法に用いるためのものである、請求項9から22のいずれかに記載の方法。
  24. ディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子の製造方法であって、
    a)少なくとも1つが1つ以上のフリーカルボン酸基を含む2つ以上の芳香族ジアミンの混合物を、カルボン酸含有ジアミンの量がジアミン混合物全体の約1モル%よりも多く、約30モル%よりも少なくなるように形成する工程と、
    b)前記芳香族ジアミン混合物を溶媒に溶解させる工程と、
    c)前記ジアミン混合物を少なくとも1つの芳香族二酸ジクロリドと反応させて、塩酸及びポリアミド溶液を生成する工程と、
    d)試薬を用いて前記塩酸を取り除いてポリアミド溶液を得る工程と、
    e)芳香族コポリアミド溶液を支持材へ塗布する工程と、
    f)前記塗布工程(e)後にポリアミドフィルムを前記支持材上に形成する工程と、
    g)ディスプレイ用素子、光学用素子、又は照明用素子を前記ポリアミドフィルムの表面上に形成する工程とを含む、方法。
  25. ポリアミド中のフリーカルボン酸含有ジアミンの量がポリアミド全体の約1モル%よりも少ない、請求項24に記載の方法。
  26. 前記反応工程(c)の前に又は最中に前記試薬を前記混合物に添加する、請求項24又は25に記載の方法。
  27. 前記支持材上に形成された前記表示用素子、前記光学用素子、又は前記照明用素子を前記支持材から剥離する工程(h)をさらに含む、請求項24から26のいずれかに記載の方法。
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