JP2015529191A - オレフィン化合物の異性化 - Google Patents

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Abstract

本発明は、少なくとも2のオレフィン二重結合を有し、その1の二重結合がZ又はcis立体配置を有し、第2又は別の二重結合がE立体配置を有する、オレフィン系不飽和ホスホニウム塩を、目的化合物と比較して異なる立体配置である、特に両方がall-E又はall-trans立体配置を有する、少なくとも2のオレフィン二重結合を有するオレフィン系不飽和ホスホニウム塩から製造する方法に関する。加えて、本発明は、医薬品としてのテルぺノイド物質の提供のための本方法により得られる化合物の使用を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、少なくとも2の二重結合を有しており、1の二重結合に関してZ立体配置を有し、少なくとも1の他の二重結合に関してE立体配置を有するオレフィン系不飽和ホスホニウム塩1の製造方法に関する。本発明はさらに、本発明の方法によって製造されたホスホニウム塩1の幅広い種類の異なる使用を含む。
[(2Z,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム塩1は、9Z-カロテノイド及び9Z-レチノイドの製造に関して価値のある合成単位である。例えば、9Z-β-カロテンは、作物保護において将来的に有益な用途を有する異なるシグナル伝達作用のある様々な植物ホルモンの生合成における中間体である。重要な例は、カーラクトン(Science 335 (2012) 1348)である。9Z-レチノイン酸は生理学的に重要な化合物(Nature 355 (1992) 359)であり、これはまた、手湿疹やカポジ肉腫などの様々な皮膚疾患の治療のための活性医薬成分として使用され得る(WO 99/09 969 A1)。
9Z-レチノイン酸の製造における工業的に使用可能な合成は、1994年に初めて記載された(EP 0 659 739 A1)。この明細書において開示された方法では、C15-トリアリールホスホニウム塩混合物の母液(前記塩の2Z,4E-異性体1を濃縮形態で含む)を使用し、これをβ-ホルミルクロトン酸エステルとウィティッヒ(Wittig)反応で反応させる。
しかしながら、母液、及び濃縮母液中には、C15-トリアリールホスホニウム塩の2Z,4E異性体1だけでなく、2E,4E異性体(all-E異性体又はall-trans異性体ともいう)、2Z,4Z異性体及び2E,4Z異性体を含む別の異性体も存在する。さらに、9Z-レチノイン酸の合成には母液又は濃縮母液のみが使用され、両方とも定義上C15-トリアリールホスホニウム塩の異性体混合物の結晶化プロセスにより又は結晶化プロセスで得られるものである。したがって、それぞれの結晶化プロセスで結晶性固体として得られるC15-トリアリールホスホニウム塩の異性体は、9Z-レチノイン酸へのさらなる変換において、同じように利用することができない。
ホスホニウム塩の製造で9Z-レチノイン酸を得るためのさらなるプロセスに送ることができないC15-トリアリールホスホニウム硫酸水素塩の望ましくない異性体が生じる程度は、’739明細書の実施例1により明らかである。
まず、既に述べたように、母液のみが使用されるので、結晶は価値ある生成物として利用することができない。91.8 gのオイルが得られ、これから沈殿した結晶の除去後に、42.2 gの濃縮オイル(28.03 g(65.8重量%)の式1の[(2Z,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム塩、8.01 g(19重量%)の一般式2の[(2E,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム塩を含む)が得られる。母液から得られた91.8 gのオイルから30.5重量%の収率に相当する28.03 gの2Z,4E-異性体しか得られなかったことが分かる。したがって、オイルのほぼ70重量%が、母液から得られた91.8 gのオイルから利用されないままである。
得られた式1のC15-トリアリールホスホニウム塩の重量を、母液から得られたオイルだけを基準にするのではなく、代わりに、母液から得られたオイル及びワークアップの前に反応混合物から結晶化により除去された結晶の総重量を考えると、上記の損失は数倍に大きくなる。
’739明細書の実施例2は、対応するC15-トリアリールホスホニウム塩化物の変換における同様の結果を示している。
これらの結果にもかかわらず、WO 2004/089887 A1でも、[(2Z,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム塩、特に塩化物の供給源として専ら母液が使用され(2頁16行目から3頁9行目参照)、それによって同様に低い収率が得られている。例えば、実施例1は、母液から得られた200 gのオイルから、使用したオイルの量に対して31.0重量%に相当する62.06 gのみが得られたことを示している。したがって、ここでもまた、使用した200 gのオイルのうちほぼ70重量%のオイルが利用されないままである。また、式1のC15-トリアリールホスホニウム塩の重量を、母液から得られたオイルに基づくだけでなく、母液から得られたオイル及びワークアップの前に反応混合物から結晶化により除去された結晶の総重量に基づく場合、ここでの損失もまた数倍に大きくなる。
'739の特許出願がされてから14年たった後でも、すでに言及されている文書中において使用されている母液がいまだに[(2Z,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム塩1の供給源として使用されている。例えば、WO 2008/037465 A1の実施例1は、その300 gがこの目的のために使用され、抽出及び結晶化されるべきことを記載する。最終的に、69 gの[(2Z,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム塩1が>97%の純度で得られている。これは、使用された母液の量に基づいて23%の収率に相当し、反応の経済的妥当性に関して満足することはできない。収率が使用された母液の量に基づくものではなく、母液及び前記の得られた結晶の量の総量に基づくものとして計算される場合、ここでの収率はまた、さらに悪くなる。
専ら母液から、さらにはこのような小さな収率で[(2Z,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム塩1を得ることは、9Z-レチノイド又はZ-若しくはジ-Z-カロテノイドからの9Z-レチノイン酸の生成を著しく高価なものとする。加えて、過剰に残留する利用されない母液は廃棄する必要がある。
全ての既存プロセスのさらなる欠点は、使用される母液の組成が十分に明らかでなく、そこに適切な形態で数パーセント存在する(2Z,4E)-C15-トリアリールホスホニウム塩を利用するために、大容量を処理する必要があることである。
しかしながら、現存する専門的知識では、すでに何年間も存在するこれらの欠点を解消する解決法がいまだに見つかっていない。
WO 99/09 969 A1 EP 0 659 739 A1 WO 2004/089887 A1 WO 2008/037465 A1
Science 335 (2012) 1348 Nature 355 (1992) 359
この欠点に鑑みて、本発明の目的は、従来技術の不利益を除去すること、及び少なくとも2のオレフィン二重結合を有しており、1のオレフィン二重結合に関してZ立体配置を有し、少なくとも1の他のオレフィン二重結合に関してE立体配置を有するオレフィン系不飽和ホスホニウム塩を従来技術と比較して高い収率で得る方法を提供することである。特に、1のオレフィン二重結合がZ立体配置を有し、少なくとも1の他のオレフィン二重結合がE立体配置で存在するC15-トリアリールホスホニウム塩、特に、構造式又は一般式1を有するものを提供することが目的である。本方法は、その実施が簡単かつ迅速であり、困難なく工業規模のプラントに適用可能であるが、同時に安価であり、エネルギー効率が良く、最小レベルの副生成物を生成し、可能であれば全く副生成物を生成しないものであるべきである。生じる副生成物はいずれも、その廃棄処理又は埋め立て廃棄を回避できるようなものであるべきである。本発明のさらなる目的は、本発明による方法によって製造された化合物の適切な使用を示すことである。
本目的は、一般式(1)
Figure 2015529191
(式中、陰イオンX-のモル質量は200 g/mol以下である)
の[(2Z,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム塩を、一般式(2)
Figure 2015529191
(式中、陰イオンX-のモル質量は200 g/mol以下である)
の[(2E,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム塩を異性化することにより製造する方法
によって極めて簡単に達成される。
本方法では、非常に複雑で費用のかかる従来の方法と対照的に、従来頻繁に使用されていて、低濃度の一般式1の化合物を有し、大容量であり、既に述べたように特性がほとんど明らかにされていない混合成分を付加的に含む母液をもはや使用しない。その代わりに、使用される反応物質は、(2E,4E)-C15-トリアリールホスホニウム塩、特に一般式又は構造式2のものである。本方法によって初めて、ホスホニウム塩の合成の反応混合物から得られる結晶、特に一般式2のものが、一般式1の化合物の製造においても直接使用することができ、そのため化合物1の収率の顕著な増大が得られる。これは、続いて起こるウィティッヒ反応に利用可能な化合物1の量が、母液から得られる部分から生ずるものだけではなく、母液からの部分に、本発明による方法によって得られる一般式1の化合物の部分を加えた総量から生じるためである。
一般に、特に50℃より高い温度では、次式に示される不飽和ホスホニウム塩の反応が起こるため、当業者は、一般式2の化合物が一般式1の化合物へと異性化することができるとは予期しないであろう。
Figure 2015529191
様々な求核試薬の存在下、又は硫酸ナトリウムの存在下で、プロトンが脱離又は移動し、続いてトリフェニルホスフィンオキシドが放出されることが分かる。本発明に従って使用される一般式2の化合物も例外ではなく、上記式に示されるように反応するはずである。
しかしながら、実験的には異なる状況、すなわち、実験式の予想外の維持が起こり、(2E,4E)-C15-トリアリールホスホニウム塩から(2Z,4E)-C15-トリアリールホスホニウム塩への異性化が起こった。130℃、145℃、そして180℃の温度でさえも、不飽和ホスホニウム塩の予期された分解はない。
実質的に非常に純粋でさらに高い割合の一般式1の化合物を得ることを目的とする場合、本発明の別の構成において、一般式1
Figure 2015529191
の[(2Z,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム塩を、純粋で十分に特徴づけられた固体である一般式2
Figure 2015529191
の[(2E,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム塩を異性化することにより、本方法に従って製造することが考えられる(式中、陰イオンX-のモル質量は200 g/mol以下である)。
本発明において、用語「純粋で十分に特徴づけられた固体」とは、結晶化その他の精製プロセスにより精製された一般式2の化合物の一形態、特に好適な実施形態では、一般式2の化合物の一結晶形を専ら意味すると理解される。
一般式1の化合物を高い収率で得ることを目的とする別の実施形態において、本発明による方法では、一般式1
Figure 2015529191
(式中、陰イオンX-のモル質量は200 g/mol以下である)
の[(2Z,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム塩を、一般式2
Figure 2015529191
(式中、陰イオンX-のモル質量は200 g/mol以下である)
の[(2E,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム塩を異性化することにより製造し、前記化合物2の製造反応の反応混合物からの結晶化によって、さらに、本発明の方法、すなわち異性化により生じる反応混合物からの結晶化によって、一般式2の化合物を得ることが考えられる。
一般式2の化合物が本発明による方法によって完全には異性化されないこの実施形態では、一般式2の未反応化合物を、一般式2の新たに使用される化合物(化合物2の製造のための反応の母液から結晶化により及び/又は直接得られる)と再度混合する。すると、一般式1の化合物の全体の収率が増大し、それと共に一般式2の未変換化合物の割合が低下する。一般式2の未変換化合物を再利用するこの方法は、連続的に、すなわち、循環プロセスで、又は、不連続的に実施され得る。
本発明によれば、「連続的に」又は「循環プロセスで」は、反応溶液又は反応混合物をポンプにより連続的に加熱管に通し、加熱管を越えた所で反応混合物を絶えず取出し、加熱管の上流の別の所で一般式2の化合物を絶えず供給することを意味する。
本明細書において「不連続的に」は、反応容器又は反応器を充填し、本発明の反応を実施し、反応混合物を冷却し、反応器又は反応容器を空にして、再度始めから開始することを意味する。
本発明において用語「オレフィン二重結合」とは、芳香族環若しくは炭素環又は他の炭素ヘテロ環の一部ではない2の炭素原子の間の二重結合を意味する。
用語「少なくとも2のオレフィン二重結合を有するオレフィン系不飽和ホスホニウム塩」は、芳香族環若しくは炭素環系又は炭素ヘテロ環に帰するとすることができない少なくとも2の炭素-炭素二重結合を含むホスホニウム塩を意味するものと理解される。
本明細書において「C15-トリアリールホスホニウム塩」は、15の炭素原子から構成される1の炭素基及び3の芳香族基をリン原子上に有するオレフィン系不飽和ホスホニウム塩である。この15の炭素原子から構成される炭素基は、少なくとも2のオレフィン二重結合をそれぞれ任意の立体配置で含む。
「(2E,4E)-C15-トリアリールホスホニウム塩」では、15の炭素原子から構成される炭素基におけるリンからみて2位の二重結合はEの立体配置を有し、同様に、4位のものもEの立体配置を有する。
「(2Z,4E)-C15-トリアリールホスホニウム塩」は、相当する2E,4E異性体と、リンからみて2位の二重結合がZ配置である点で異なる。
本発明による方法は、少なくとも2のオレフィン二重結合を有する多数のオレフィン系不飽和ホスホニウム塩に適用可能である。例えば、陰イオンX-がハライド(ハロゲン化物、ハロゲン)、リン酸二水素、リン酸水素、リン酸、硝酸、硫酸水素、硫酸、塩素酸、過塩素酸、テトラフルオロホウ酸、C1〜C4-アルカン酸、特に酢酸、C1〜C7-スルホン酸、特にメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びトルエンスルホン酸イオンからなる群から選択される種類の全ての塩を使用することが可能である。したがって、対イオンX-又は陰イオンX-の性質によって本発明による方法は制限されない。
時間のかかる実験により、良好な収率及び適切な反応時間は、X-がフルオライド(フッ素イオン)、クロライド(塩素イオン)、ブロマイド(臭素イオン)、ヨージド(ヨウ素イオン)、硫酸イオン、硫酸水素イオン、メタンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン及びトルエンスルホン酸イオンからなる群から選択される場合に達成されることが判明した。
本発明のC1〜C4-アルカン酸イオンは、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、すなわち、対応するカルボン酸の陰イオンを含む。本明細書において、C1〜C7-スルホン酸イオンは、メシレートと同義であるメタンスルホン酸イオン、トリフレートと同義であるトリフルオロメタンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン及びトルエンスルホン酸イオンを含む。
本発明の方法の安価な実施形態では、異性化は、熱異性化である。特に、工業的規模において、連続プロセス、さらに不連続プロセスにおいてはなおさら、反応混合物の加熱又は冷却は、光異性化のために必要な光源の設置及びそれらのオンとオフの切り替えを選択的に行うことよりも達成するのがずっと容易であるので、熱異性化の実施形態は重要である。光異性化の光源は、通常入手するのに高価であり、特に頻繁にオンとオフの切り替えをする場合に故障が生じやすいUV光源である。
本発明による異性化は、高温で生じる。一般に、少なくとも2のオレフィン二重結合を有するオレフィン系不飽和ホスホニウム塩は、50℃〜200℃、好適には100℃〜180℃の温度範囲内で、より好適には120℃〜180℃の温度範囲内で異性化される。異性化に関して特に好適な温度範囲は130℃〜180℃の温度範囲である。使用温度領域内で処理する場合、実行可能な収率が過剰のエネルギー消費をすることなく得られる。これは、特に一般式2の未反応化合物が本発明による異性化プロセスに戻される場合もまた同様である。これは特に、本発明に従って、[(2Z,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム硫酸水素塩を、50〜200℃、好適には100℃〜180℃の温度範囲内で、より好適には120〜180℃の範囲内で、[(2E,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム硫酸水素塩を反応させることにより熱異性化によって製造する実施形態に当てはまる。後者の実施形態でもまた、130℃〜180℃の温度範囲内で処理することが特に好ましい。
特に50℃以上の温度で観測される、C15-トリアリールホスホニウム塩、特に請求項1において使用される化合物の酸化感受性の増大に起因して、本発明による方法は、不活性ガス下、費用の面から好適には窒素又はアルゴン下で実施される。
本発明において、「不活性ガス」は反応するのが遅く、ネオン、アルゴン、クリプトン及び窒素化合物の少なくとも1種から選択される任意のガス又はガス混合物を意味するものと理解される。
本発明の方法のさらなる構成では、異性化は、1〜100 bar、好適には5〜80 barの圧力範囲内で、より好適には8〜50 barの圧力範囲内で、もっとも好適には10〜25 barの圧力範囲内で実施される。高圧下での処理は、比較的低い温度での本発明による異性化反応の操作を可能にする。これは、使用する化合物に対する熱的ストレスを減少し、収率増大の効果を有する。低沸点の溶媒を使用する場合、反応中に溶媒が部分的又は完全に気相に変換されて、反応時間を延長すると共に(2Z,4E)-C15-トリアリールホスホニウム塩の収率を減少させることとならないように、高圧下で処理することが有利であり、時には避けられない。
短い時間内に高収率を与える実施形態では、本発明の方法は、50℃〜200℃の温度範囲内、1〜100 barの圧力で、好適には100℃〜180℃の温度範囲内、8〜50 barの圧力で、もっとも好適には、120℃〜180℃の温度範囲内、10〜25 barの圧力で実施される。
本発明のさらなる変更の主題は、溶媒又は溶媒混合物中で異性化を実施することである。少なくとも2のオレフィン二重結合をE立体配置で有するオレフィン系不飽和ホスホニウム塩の多く、特に、(2E,4E)-C15-トリアリールホスホニウム塩の大部分が、実質上液体形態に変換することができず、本発明の方法により反応させることができない。同様に、それらは少なくとも部分的に分解するので、それらを固体形態で前記方法に付すことは不可能である。したがって、このような物は、溶媒中でのみ本方法により変換することができる。
前記理由のために、本発明による異性化は、一般式2のC15-トリアリールホスホニウム塩が適切な溶媒中に溶解又は懸濁され、加熱されるように実施することが好ましい。当該化合物に対して非常に短時間の熱的ストレスを伴う非常に迅速な反応を達成するために、溶解状態における異性化が好適な操作方式である。
本発明による方法に特に適した溶媒又は溶媒混合物は、トルエン、キシレン、ジオキサン、THF、DMF、DMSO、C1〜C6-アルコール、C3〜C7-ケトン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチルからなる群又はこれらの化合物の少なくとも2の混合物から選択されるものである。これらは、いろいろなプロセスで、それでも容易に、本方法により得られる生成物から再び分離することができ、副生成物が得られないのと同然か、又は副生成物のスペクトルが非常に狭いことを保証する。これに関して、メタノール、酢酸エチル、酢酸プロピルからなる群又はこれらの化合物の少なくとも2の混合物から溶媒又は溶媒混合物を選択することが特に効率的であることが判明している。
本発明において、C1〜C6-アルコールは、少なくとも1の、多くとも6の炭素原子を含む全てのアルコールを意味するものと理解される。第1級、第2級及び第3級アルコールは、全て包含され、第2級アルコールより第1級アルコールが好ましく、同様に第3級アルコールより第2級アルコールが好ましい。事実上、C1〜C6-アルコールは、一価、二価及び三価のアルコールを含む。ここではまた、一価アルコールは二価アルコールよりもより良い適合性を有しており、同様に二価アルコールは三価アルコールよりもより良い適合性を有していることが判明している。本発明によるC1〜C6-アルコールは、メタノール、エタノール、2-メトキシエタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、2-メトキシ-1-プロパノール、n-ブタノール、イソブタノール又はイソブチルアルコール又はsec-ブチルアルコール、tert-ブタノール又はtert-ブチルアルコール、n-ペンタノール、2-ペンタノール、イソペンチルアルコール、イソアミルアルコール又は3-ペンタノール、2-メチル-1-ブタノール、ネオペンチルアルコール、tert-ペンチルアルコール、n-ヘキサノール、1,3-ジメチルブタノール又はアミルメチルアルコール、ジアセトンアルコール、メチルイソブチルカルビノール、tert-ヘキシルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、ジエチレングリコール、2-メチル-2,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,2-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、1,4-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、ピナコール又は2,3-ジメチル-2,3-ブタンジオール、グリセロール、1,2,3-ブタントリオール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ヘキサントリオール、1,2,6-ヘキサントリオール、トリメチロールプロパンからなる群から選択される少なくとも1の例示化合物を含む。
本発明において、C3〜C7-ケトンは、アセトン、メチルエチルケトン又はブタノン、メチルn-プロピルケトン、メチルイソプロピルケトン、ジエチルケトン、ガンマ-ブチロラクトン、メチルn-ブチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチル-2-ピロリドン、ジ-n-プロピルケトン、ジイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、エチルn-ブチルケトン、ジアセトンアルコール、アセトニルアセトン、メチルn-アミルケトン又は2-ヘプタノン、メチルイソアミルケトン、メチルシクロヘキサノンからなる群から選択される少なくとも1の化合物を含む。同様に、前記化合物の2以上の混合物もまた、用語C3〜C7-ケトンに含まれる。
費用の面から、さらには、反応混合物から容易に分離することができることから、本発明の方法では、特に好適な実施形態において、溶媒としてメタノールを使用することが考えられる。
この実施形態はまた、本発明の異性化を溶媒としてのメタノール中、10〜30 bar、好適には13〜20 bar、より好適には13〜16 barで実施することにより改善される。この方法は、再度除去することが容易である安価な溶媒から利益を得るだけでなく、圧力下での反応がそれ相応に低い温度での処理を可能とするので副生成物又は分解生成物の形成も妨害する。結果として、局所加熱、従って前記副生成物又は分解生成物は極少量のみ生ずる。
本発明の一般式1
Figure 2015529191
(式中、陰イオンX-のモル質量は200 g/mol以下である)
の[(2Z,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム塩の製造方法のさらなる最適化は、メタノール中、50℃〜200℃の温度範囲内、1〜100 barの圧力で、好適には100℃〜180℃の温度範囲内、8〜50 barの圧力で、最も好適には120℃〜180℃の温度範囲内、10〜25 barの圧力での、一般式2
Figure 2015529191
(式中、陰イオンX-のモル質量は200 g/mol以下である)
の[(2E,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム塩の異性化により可能である。
特に、少なくとも2のオレフィン二重結合をそれぞれE立体配置で有するオレフィン系不飽和ホスホニウム塩は、非常に時間がかかる方法でのみ変換することができ、請求項1に記載の方法により非常にゆっくりと変換することができる。これは、2のオレフィン二重結合をE立体配置で有し、対イオンとして硫酸水素イオンを有するオレフィン系不飽和ホスホニウム塩を含む化合物の場合である。しかしながら、これらの化合物でも、特に[(2E,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム硫酸水素塩でも、異性化を塩基の存在下で実施すると、当業者にとって予測できない全く予期しない方法で、本発明の方法により適正な時間内に高収率を達成することが可能である。
本方法による異性化において、形成される陰イオンが化合物2に対して0.1〜1モル当量、好適には0.2〜0.7モル当量、より好適には0.25〜0.5モル当量となるような量で塩基を加えたとき、反応速度の最適化が達成された。モル当量は、化合物2のモル量に相当する、形成される陰イオンのモル量を意味すると理解される。この反応において、使用される塩基の硫酸塩は、一般に固体形態で得られる。
開示される本方法における塩基は:
1-アミノ-2-プロパノール、アミノグアニジン、アルギニン、ベンジルアミン、ベンジルジメチルアミン、N,N'-ビス(2-アミノエチル)-1,2-ジアミノエタン、ビス(2-アミノエチル)アミン、ビス(2-フルオロ-2,2-ジニトロエチル)アミン、1,2-ビス(ジメチルアミノ)エタン、ブチルアミン、2-ブチルアミン、ブチルエチルアミン、カルシウムメトキシド、シクロヘキシルアミン、シクロペンチルアミン、ジ-2-ブチルアミン、1,4-ジアミノベンゼン、1,2-ジアミノエタン、1,2-ジアミノプロパン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ジブチルアミン、3-ジブチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミン、3-ジエチルアミノプロピルアミン、ジエチレントリアミン、ジイソブチルアミン、ジイソプロピルアミン、3,3'-ジメトキシ-4,4'-ジアミノビフェニル、ジメチルアミン、2-ジメチルアミノエチルアミン、N,N-ジメチルアニリン及びその誘導体、1,3-ジメチルブチルアミン、2,6-ジメチルピペリジン及びその誘導体、2,2-ジメチルプロピルアミン、1,2-ジメチルプロピルアミン、1,1-ジメチルプロピルアミン、N,N-ジメチルプロピルアミン、ジプロピルアミン、5-エチル-2-メチルピリジン、エチルアミン、エチルジメチルアミン、エチレンジアミン、1-エチルピペリジン、2-エチルピペリジン、尿素、ヘキサメチレンテトラミン、ヒスチジン、N-2-ヒドロキシエチル-1,2-ジアミノエタン、2-ヒドロキシエチルアミン、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムイソプロポキシド、N-2-ヒドロキシエチルジメチルアミン、イソブチルアミン、イソペンチルアミン、イソプロピルアミン、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムプロポキシド、カリウムイソプロポキシド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムメトキシド、リチウムエトキシド、リチウムプロポキシド、リチウムイソプロポキシド、リジン、マグネシウムメトキシド、メラミン、メチルアミン、N-メチルブチルアミン、4-メチルモルホリン、1-メチルピペリジン、2-メチルピペリジン、3-メチルピペリジン、4-メチルピペリジン、2-メチルピリジン、N-メチルピロリジン、モルホリン及びその誘導体、ペンチルアミン、N-フェニルヒドロキシルアミン、ピペラジン及びその誘導体、ピペリジン及びその誘導体、プロピルアミン、ピリジン及びその誘導体、キノリン及びその誘導体、1,2,3,6-テトラヒドロピリジン及びその誘導体、1,3,4,7-テトラメチルイソインドール、1,2,4,5-テトラジン、チオ尿素、3,6,9-トリアザ-11-アミノウンデカノール、1,3,5-トリアジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、2,4,6-トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、ビニルピリジン又はこれらの化合物の混合物からなる群から選択される少なくとも1の有機塩基である。
開示される本方法における塩基はさらに:
アンモニア、水酸化アンモニウム、水酸化バリウム、酸化バリウム、炭酸鉛、水酸化鉛、セシウムアミド、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、炭酸カリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、水酸化リチウム、酸化ジリチウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、酸化ジナトリウム、酸化銀、水酸化ストロンチウム、酸化ストロンチウム又はそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1の無機塩基である。
発展した実施形態では、本発明の方法は、少なくとも1の有機塩基及び少なくとも1の無機塩基から選択される塩基の存在下で実施される。
塩基にはそれらが反応したときに溶媒を形成するような塩基を使用することがプロセス経済的に有利であることが判明している。したがって、好適な実施形態の方法では、異性化は、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、マグネシウムメトキシド、カルシウムメトキシド、リチウムメトキシドからなる群から選択される塩基の存在下で実施される。
本発明による方法の非常に好適な構成では、
一般式1
Figure 2015529191
(式中、陰イオンX-のモル質量は200 g/mol以下である)
の[(2Z,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム塩は、式2’
Figure 2015529191
の[(2E,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム硫酸水素塩の異性化により、その異性化をナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、マグネシウムメトキシド、カルシウムメトキシド、リチウムメトキシドからなる群から選択される塩基の存在下で実施することによって製造される。
塩基を加える時期が反応速度及び収率に影響を与えるか否かについて検討した。実際、本発明の方法のさらなる発展形態において、異性化を塩基の存在下で実施し、後者を異性化の開始前の初期段階で加える場合に、両者が正の影響を受けた。
本発明の方法の特定の発展形態では、一般式1
Figure 2015529191
(式中、陰イオンX-のモル質量は200 g/mol以下である)
の[(2Z,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム塩は、式2’
Figure 2015529191
の[(2E,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム硫酸水素塩の異性化により、その異性化を塩基の存在下で実施し、後者を異性化の開始前の初期段階で加えることによって製造される。
本方法の前記実施形態における塩基がナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、マグネシウムメトキシド、カルシウムメトキシド、リチウムメトキシドからなる群から選択される場合が特に資源に対してフレンドリーである。
少なくとも2のオレフィン二重結合を有するオレフィン系不飽和ホスホニウム塩は異性化条件下で絶大な安定性を有するものではないので、固定操作方式、特に等温操作方式に基づいており、正確に規定された滞留時間、反応混合物が反応条件にさらされるような反応器の設計を選択することが有利である。こうすることによって初めて、前記塩の早期分解又は副反応の発生を避けること又は少なくともある程度抑制することができる。したがって、本発明では、さらなる構成において、固定温度プロファイルを有する、特に等温温度プロファイルを有する反応器において正確に規定された滞留時間で異性化を実施することが考えられる。
本明細書において「固定温度プロファイル」とは、本発明の異性化方法において、本発明の異性化の開始温度、加熱速度、中間温度、温度勾配及び一定温度の時間並びに終了温度を正確に固定することを意味する。この正確な固定により、収率増加及び反応促進効果が得られる。
本発明による方法における「等温温度プロファイル」とは、異性化に必要とされる全体の反応時間、すなわち、正確に規定された滞留時間にわたって、特定の温度で、一般式2の化合物を置くことを意味する。この温度は、50℃〜200℃、好適には100℃〜180℃、さらに好適には120℃〜180℃、より好適には130℃〜180℃の既に上記で特定した温度範囲から選択される値である。その好適な範囲の結果として、これらの温度が反応時間の短さ及び収率と副生成物スペクトルの関係の両方に関して良好な効果をもたらすことが判明している。
本発明による用語「正確に規定された滞留時間」とは、一般式2の化合物が特定の温度又は固定温度プロファイルにさらされる、すなわち等温温度プロファイルの範囲内である時間又は持続時間を意味するものと理解される。
収率及び反応時間をさらに最適化する本発明の方法のさらなる発展形態では、固定温度プロファイルを有する、特に等温温度プロファイルを有する反応器において、5〜35分、好適には5〜25分、特に好適な実施形態では、10〜25分の時間内で選択される値である、正確に規定された滞留時間で異性化を実施する。
したがって、上記を考慮に入れた発展的方法では、
一般式1
Figure 2015529191
(式中、陰イオンX-のモル質量は200 g/mol以下である)
の[(2Z,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム塩を、一般式2
Figure 2015529191
(式中、陰イオンX-のモル質量は200 g/mol以下である)
の[(2E,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム塩を異性化することにより、その異性化を等温温度プロファイルを有する反応器において、120℃〜180℃、好適には130℃〜160℃の温度で、10〜25分の時間内、好適には15〜25分の時間内で選択される値である正確に規定された滞留時間で実施することにより製造することが考えられる。
この発展的方法は、陰イオンX-が硫酸水素イオンである一般式2の化合物の変換に特に適切であることが判明している。異性化を塩基の存在下で実施する場合、硫酸水素イオンを陰イオンX-とすることによって、特に時間節約的に操作することができる。
一般式1
Figure 2015529191
(式中、陰イオンX-のモル質量は200 g/mol以下である)
の[(2Z,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム塩を、一般式2
Figure 2015529191
(式中、陰イオンX-のモル質量は200 g/mol以下である)
の[(2E,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム塩を異性化することにより製造する本発明方法の別の実施形態では、異性化は、等温温度プロファイルを有する反応器において、120℃〜180℃、好適には130℃〜170℃の温度で、5〜15分の時間内、好適には10〜15分の時間内で選択される値である正確に規定された滞留時間で実施される。
本発明の方法のこの実施形態は、陰イオンX-が塩素イオンである一般式2の化合物に特に適切である。一般式1の[(2Z,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム塩の特に良好な収率は10分の正確に規定された滞留時間で達成される。
本発明の方法のさらなる実施形態では、
一般式1
Figure 2015529191
(式中、陰イオンX-のモル質量は200 g/mol以下である)
の[(2Z,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム塩を、一般式2
Figure 2015529191
(式中、陰イオンX-のモル質量は200 g/mol以下である)
の[(2E,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム塩を異性化することにより、その異性化を等温温度プロファイルを有する反応器において、150℃〜190℃、好適には160℃〜180℃の温度で、5〜15分の時間内、好適には10〜15分の時間内で選択される値である正確に規定された滞留時間で実施することにより製造することが考えられる。
本発明の方法のこの実施形態では、特に、一般式2の化合物の陰イオンX-がトシレート陰イオンである場合に、適時に良好な収率が得られる。
本発明の方法では、固定温度プロファイル、特に等温温度プロファイルを正確に規定された滞留時間で使用する場合、収率、減少した副生成物スペクトル及び反応速度に関して有利である。同時に、反応物質又は反応混合物の迅速で均一な混合もまたそれらに寄与する。これらの要件は、本発明の継続中使用される反応器がマイクロ波反応器又は流通管式反応器である場合印象的に満足される。
本発明における流通管式反応器は、入口及び出口を有する容器であり、そこを通って反応混合物が連続的又は不連続的にポンプで送られる。ポンプ流量は、反応混合物が流通管式反応器内に正確に規定された滞留時間存在するように調節することができる。この滞留時間の間、固定温度プロファイル、特定の温度又は温度範囲が流通管式反応器の容量全体にわたって常に分配されるように流通管式反応器を加熱する。したがって、反応混合物は流通管式反応器に沿って収率を増大させる均一な熱処理を受け、これは、特に本発明の反応の開始時に、前記反応器中に存在する撹拌装置の作動によって、より迅速に達成可能である。
本発明のマイクロ波反応器は、反応混合物をマイクロ波により固定温度プロファイル、特定の温度又は温度範囲に加熱する容器である。マイクロ波による加熱は、熱が非常に均一に分配されるという利点を有する。加熱は反応空間の内側から外に向かって起こるので、反応混合物の(場合によっては撹拌作動される)均一な混合が、従来の熱源の場合よりもずっと容易に可能である。
本発明の方法による異性化で、少なくとも2のオレフィン二重結合を有するオレフィン系不飽和ホスホニウム塩の混合物、特に一般式1の化合物及び一般式2の化合物の混合物が得られる場合には、これらの化合物をお互いに分離する必要がある。したがって、前記方法の継続は、異性化後、固体形態の一般式2の未反応化合物を取り出して除去するステップ及び得られたろ液を分離するステップを含む。さらなる加工処理は、直接連続する反応ステップで可能である。
また、増大した収率も、異性化後一般式2の未反応出発原料を取り出し除去し、再利用(リサイクル)する本発明方法の延長により達成される。
「異性化後」とは、正確に規定された滞留時間、固定温度プロファイル、特に等温温度プロファイルで、又は特定の温度又は温度範囲内で反応容器又は反応器内に存在していた反応混合物をそこから案内(移動)するときを意味する。
出発原料は、溶媒の存在下、又は溶媒のない形態の、少なくとも2のオレフィン系不飽和二重結合を有するオレフィン系不飽和ホスホニウム塩、特に、C15-トリアリールホスホニウム塩、より特定的には一般式2の(2E,4E)-C15-トリアリールホスホニウム塩である。出発原料の化合物の全て又は主要部分の環外の二重結合は、all-E又はall-trans立体配置を有する。
用語未反応出発原料の「除去(取り出し)」は、反応混合物からの前記出発原料の除去を意味するものと理解される。これは、抽出法及びあらゆる種類のクロマトグラフ分離法を含む。
出発原料、特に一般式2の化合物は固体として溶液から分離することができるが、少なくとも2のオレフィン二重結合を有し、その一方がZ立体配置を有し、もう一方がE立体配置を有する、オレフィン系不飽和ホスホニウム塩、特にこのような立体配置を有するC15-トリアリールホスホニウム塩、より特定的には一般式1の化合物は溶液中に残ることが判明している。したがって、安価であり、時間節約的な発展形態における本発明の方法では、異性化後に一般式2の未反応出発原料を結晶化により除去し、それを再利用することが考えられる。
少なくとも2のオレフィン二重結合を有し、その両方がE立体配置であるいくつかのオレフィン系不飽和ホスホニウム塩、特にこの種のいくつかのC15-トリアリールホスホニウム塩、特に一般式2のいくつかの(2E,4E)-C15-トリアリールホスホニウム塩は、異性化の終了後、それに相当する少なくとも2のオレフィン二重結合を有し、その一方がZ立体配置を有し、もう一方がE立体配置を有するホスホニウム塩に完全に変換され得ないだけでなく、反応混合物から直接沈殿しない。この問題に対処するべく、1の構成における本発明の方法では、異性化後に一般式2の未反応出発原料を溶媒から取り除き、それを、[(2E,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム塩の結晶化を促進する溶媒又は溶媒混合物、好適には分岐アルコール、より好適にはイソプロパノールに溶解させ、それを結晶化により除去し、再利用する。
本発明による用語「再利用(リサイクル)」は、広く解釈されるべきであり、別の装置又は分離した装置において、反応混合物から取り出した出発原料を異性化に戻すことを意味する。しかしながら、本発明による方法を循環式で実施し、循環回路中のある場所で残っている出発原料を取り出し、それを別の場所で循環回路に戻すことも同様に意味する。
好適には結晶化により除去された出発原料は、再度、固体形態で再利用することができる。しかしながら、これは反応混合液中での不十分な混合及び不均一につながり、収率低下を伴うことが判明している。したがって、本発明による方法の発展的な実施形態では、異性化後に一般式2の未反応出発原料を結晶化により除去し、得られた固体を異性化の溶媒中又は溶媒混合物中に再溶解し、それを再利用することが考えられる。より特定的には、この発展的な実施形態では、異性化後に一般式2の未反応出発原料から溶媒を取り除き、それを、[(2E,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム塩の結晶化を促進する溶媒又は溶媒混合物中、好適には分岐アルコール、より好適にはイソプロパノール中に溶解させ、それを結晶化により除去し、得られた固体を異性化の溶媒中又は溶媒混合物中に再溶解させ、それを再利用することが考えられる。
[(2E,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム塩の結晶化を促進する溶媒又は溶媒混合物は、イソプロパノールと同様に、少量の炭化水素、好適にはヘプタンを加えたイソプロパノールもまた含む。
このような炭化水素は少なくとも5の炭素原子、多くとも10の炭素原子を含む炭化水素からなる群から選択される。より特定的には、n-ペンタン、イソ-及びtert-ペンタン、その全ての異性体、n-ヘキサン及び全てのヘキサン異性体、n-ヘプタン及び全てのヘプタン異性体、n-オクタン及び全てのオクタン異性体、n-ノナン及び全てのノナン異性体、n-デカン及び全てのデカン異性体、トルエン、アルキル置換ベンゼン(アルキルは1〜5の炭素原子を含む)を含む群から、並びに前記個々の化合物の少なくとも2の混合物から選択される。これらの個々の化合物は、特にペンタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン、n-オクタン、2-メチルヘプタン、3-メチルヘプタン、4-メチルヘプタン、2,2-ジメチルヘキサン、2,3-ジメチルヘキサン、2,4-ジメチルヘキサン、2,5-ジメチルヘキサン、3,3-ジメチルヘキサン、3,4-ジメチルヘキサン、3-エチルヘキサン、2,2,3-トリメチルペンタン、2,2,4-トリメチルペンタン(イソオクタン)、2,3,3-トリメチルペンタン、2,3,4-トリメチルペンタン、3-エチル-2-メチルペンタン、3-エチル-3-メチルペンタン、2,2,3,3-テトラメチルブタンを含む。
出発原料を上記のように除去した後残るものは通常、一般にベージュから茶色のオイルであり、すなわち、対応する溶媒中に溶解した(2Z,4E)-C15-トリアリールホスホニウム塩、特に、未だに存在する不純物に基づいて90%より高い純度を有する、好適には95%より高い純度を有する、より好適には98%より高い純度を有する一般式1の[(2Z,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム塩のオイルである。
特定の発展形態において、本発明による方法では、異性化後、存在する溶媒又は溶媒混合物をアルコール、好適には分岐アルコール、より好適にはイソプロパノールに交換し、室温で液体である炭化水素を加え、温度を-30℃〜20℃の範囲の温度、好適には-30℃〜10℃の範囲の温度に下げ、この温度でインキュベートし、得られた固体を除去する。本発明の方法のこの構成は、本方法において使用される少なくとも2のオレフィン二重結合を有する全てのオレフィン系不飽和ホスホニウム塩に適用可能である。これは、実施するのに安価且つ簡単であり、非常に純粋な(2Z,4E)-C15-トリアリールホスホニウム塩となる。
別の構成において、本発明の方法は、塩基の存在下での異性化後、存在する溶媒又は溶媒混合物をアルコール、好適には分岐アルコール、より好適にはイソプロパノールに交換し、酸により0〜2のpHに酸性化し、室温で液体である炭化水素を加え、混合物を-30℃〜20℃の範囲の温度、好適には-30℃〜10℃の範囲の温度に冷却し、この温度でインキュベートし、得られた固体を除去することが必要である。
本発明の方法のこの構成は、本方法において使用される少なくとも2のオレフィン二重結合を有する全てのオレフィン系不飽和ホスホニウム塩に適用可能である。絶対に必要というわけではないが、少なくとも2のオレフィン二重結合を有し、陰イオンX-として硫酸水素塩イオンを有するオレフィン系不飽和ホスホニウム塩の場合、特に、(2E,4E)-C15-トリアリールホスホニウム硫酸水素塩の場合、特に、[(2E,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]-トリフェニルホスホニウム硫酸水素塩の場合、収率及び反応時間に関して特に有用であることが判明している。また、実施するのに安価且つ簡単であり、非常に純粋な[(2Z,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム硫酸水素塩が得られる。
上記発展的方法において、「アルコール」又は「分岐アルコール」とは、既に上記したアルコール又は分岐アルコールである。
本発明で「交換」とは、使用される溶媒又は溶媒混合物を別の溶媒又は溶媒混合物と完全に置き換えることを意味する。
本発明で使用される酸は、0〜2のpHを達成することができる全ての酸から選択される。特に好適な代表例は、塩化水素酸、硝酸、硫酸、過塩素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸、リン酸、塩素酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、スルホン酸からなる群から選択される。
本発明において、室温で液体である炭化水素は既に上記したもの、特に、ペンタン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、メチルシクロヘキサン、n-オクタン、2-メチルヘプタン、3-メチルヘプタン、4-メチルヘプタン、2,2-ジメチルヘキサン、2,3-ジメチルヘキサン、2,4-ジメチルヘキサン、2,5-ジメチルヘキサン、3,3-ジメチルヘキサン、3,4-ジメチルヘキサン、3-エチルヘキサン、2,2,3-トリメチルペンタン、2,2,4-トリメチルペンタン(イソオクタン)、2,3,3-トリメチルペンタン、2,3,4-トリメチルペンタン、3-エチル-2-メチルペンタン、3-エチル-3-メチルペンタン、2,2,3,3-テトラメチルブタンからなる群から選択されるものである。
「インキュベートする」とは、反応混合物を一定の温度で2〜18時間、好適には4〜15時間、より好適には8〜12時間静置することを意味するものと理解される。
異性化後の反応混合物のワークアップのためのいろいろな方法のうちの1つでは、一般式2の未反応出発原料はそこから除去されないが、代わりに本発明の方法による生成物、すなわち(2Z,4E)-C15-トリアリールホスホニウム塩、特に一般式1の(2Z,4E)-C15-トリアリールホスホニウム塩を直接濃縮する。
この工程は、反応混合物のワークアップの手段を拡張する。すなわち、一般式1
Figure 2015529191
(式中、陰イオンX-のモル質量は200 g/mol以下である)
の[(2Z,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム塩を、一般式2
Figure 2015529191
(式中、陰イオンX-のモル質量は200 g/mol以下である)
の[(2E,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム塩を異性化し、続いて、一般式1の化合物をこの化合物1の種結晶を加えることにより結晶化することによって製造する本発明の発展的方法となる。
本発明は9Z-レチノイドの製造及び少なくとも1のcis二重結合を有するカロテノイドの製造のための本方法により得られた化合物1の使用をさらに提供する。
本明細書における9Z-レチノイドは、9Z-レチノール、9Z-レチナール、9Z-レチノイン酸、9Z-レチノイン酸アルカリ金属塩、9Z-レチノイン酸アルカリ土類金属塩、9Z-レチノイン酸エステル、例えば9Z-レチノイン酸フルオレニルメチルエステル及び9Z-レチノイン酸ベンジルエステル、さらに9Z-レチノイン酸の低級アルキルエステル(「低級アルキル」はメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル及びtert-ブチルを示す)を含む。これらの化合物中の9位にあるcis又はZ二重結合は、本発明の[(2Z,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム塩中の2位から3位にまで達する二重結合に関連する。
本明細書においてカロテノイドは、広範な種類の天然の染料であり、これは、黄色〜赤味がかった色、時折青色をもたらし、イソプレン単位から形成される不飽和炭化水素から本質的に形成され、二重結合の共役π-電子系を有し、二重結合の少なくとも1はcis又はZ立体配置である。
特に、9Z-β-カロテンの製造のための本方法により得られた一般式1の化合物の使用が考えられる。本発明は、植物ホルモンの製造のための前記化合物1の使用をさらに提供する。特に、本発明では、カーラクトンの製造のための化合物1の使用が好ましい。
本発明のさらに重要な部分は、有効医薬成分(薬学的に許容される物質ともいう)の9Z-レチノイン酸の製造のための一般式1の化合物の使用である。この有効医薬成分は、現在のヨーロッパ薬局方、第7版及び医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準(GMP)による特定の生体適合性及び純度要求を満たす必要がある。本発明は、9Z-レチノイン酸の薬学的に許容される塩の製造及び9Z-レチノイン酸の薬学的に許容される加水分解性エステルの製造のための一般式1の化合物の使用をさらに提供する。さらなる継続は、有効医薬成分としての9Z-レチノイン酸の代謝物の製造のための一般式1の化合物の使用を含む。
本発明は、タブレット、カプセル、ピル、サッシェ(sachet)、軟膏、クリーム及びローションからなる群から選択される製剤用のレチノイドの製造のための一般式1の化合物の使用をさらに提供する。
本発明のさらに別の側面は、特に好適には手湿疹又はカポジ肉腫(Karposi's sarcoma)を含む皮膚疾患の治療のための局所用又は経口用製剤用のレチノイドの製造のための一般式1の化合物の使用を最終的に含む。
本発明のさらなる特徴、詳細及び利点は、特許請求の範囲の記載及び以下に示す実施例の記載により明らかになる。
実施例1
[(2E,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]-トリフェニルホスホニウム硫酸水素塩の異性化
まず、4000 mlの丸底フラスコに、37.2重量%の[(2E,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム硫酸水素塩メタノール溶液2535 g (1.67 mol)を窒素下で装填し、それを30重量%のナトリウムメトキシドメタノール溶液111.30 g (0.618 mol)の添加によりアルカリ化し、沈殿した硫酸ナトリウムをろ過して除去する。ろ液を145℃に加熱された流通管式反応器にポンプで送り込み、25分の正確に規定された滞留時間で通す。続いて、溶媒を蒸留除去し、残差をイソプロパノール中に取り、硫酸により0.3のpHへと酸性化し、異性化されていない一般式2の[(2E,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム塩を823 gのヘプタンを加え、-10℃に冷却することにより結晶化する。結晶をろ過して除去した後、11.2重量%の[(2Z,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム硫酸水素塩溶液1648 g (0.327 mol)が、純度95%、収率20%で得られる。
実施例2〜5
様々な温度における[(2E,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム塩化物の異性化
前記ホスホニウム塩1 gを10 mlの酢酸プロピル中に20℃で懸濁させ、マイクロ波反応器において表1に記載されている温度で15分間加熱する。続いて、得られた溶液から試料を取出し、HPLCクロマトグラフィーにより当該技術分野において従来知られている方法で分離し、クロマトグラフから得られる個々のピークに対して決定された面積を、異性体比率を決定するために使用する。
Figure 2015529191
最良の収率は150℃の温度で達成されることがわかる。
実施例6〜8
様々な正確に規定された滞留時間における160℃での[(2E,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム塩化物の異性化
前記ホスホニウム塩1 gを10 mlの酢酸プロピル中に20℃で懸濁させ、マイクロ波反応器において160℃で表2に記載されている異なる正確に規定された滞留時間加熱する。続いて、得られた溶液から試料を取出し、HPLCクロマトグラフィーにより当業者により知られている方法で分離し、クロマトグラムから得られる個々のピークに対して決定された面積を、異性体比率を決定するために使用する。
Figure 2015529191
最良の収率は10分の正確に規定された滞留時間で達成されることがわかる。
実施例9〜10
160及び180℃での[(2E,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウムトシレートの異性化
前記ホスホニウム塩1 gを10 mlの酢酸エチル中に20℃で懸濁させ、マイクロ波反応器において表3に記載されている温度に10分間加熱する。続いて、得られた溶液の異性体比率を、HPLCにより前記実施例に記載された方法で決定する。
Figure 2015529191
陰イオンとしてトシレートを有する一般式1の化合物は、対応するクロライド(塩化物)よりも高い温度で変換され得るが、高温での対応するクロライドと比較してより高い収率を与える。
本発明の異性化方法に使用される全ての化合物が100℃よりも高い温度で分解しないことはそれらに共通する特徴である。180℃でも分解は観測されなかった。
本発明は実施例を含む明細書及び特許請求の範囲において与えられる実施形態に限定されず、様々に変更することができる。したがって、少なくとも2のオレフィン二重結合を有し、大きな有機陰イオンを有するall-E立体配置のオレフィン系不飽和ホスホニウム塩を、本発明の方法によって、対応するZ,E化合物に異性化することも可能である。少なくとも2のオレフィン二重結合を有するall-E立体配置オレフィン系不飽和ホスフィン化合物についても同様である。加えて、異性化反応中又は異性化反応後、必要であれば目的化合物の適切な種結晶を添加して、少なくとも2のオレフィン二重結合をそれぞれZ立体配置で有するオレフィン系不飽和ホスホニウム塩、又は2E,4Z立体配置を有するものが、本発明の方法によって、対応する2Z,4E-ホスホニウム塩に異性化可能である。
本発明が、少なくとも2のオレフィン二重結合を有し、その1の二重結合がZ又はcis立体配置を有し、第2又は別の二重結合がE立体配置を有する、オレフィン系不飽和ホスホニウム塩を、目的化合物と比較して異なる立体配置である、特に両方がall-E又はall-trans立体配置を有する、少なくとも2のオレフィン二重結合を有するオレフィン系不飽和ホスホニウム塩から製造する方法に関するものであることはこの全てから理解することができる。本発明は、医薬品としてのテルぺノイド物質の提供のための本発明により得られる化合物の使用をさらに提供する。

Claims (15)

  1. 一般式(1)
    Figure 2015529191
    (式中、陰イオンX-のモル質量は200 g/mol以下である)
    の[(2Z,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム塩を、一般式(2)
    Figure 2015529191
    (式中、陰イオンX-のモル質量は200 g/mol以下である)
    の[(2E,4E)-3-メチル-5-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ペンタ-2,4-ジエニル]トリフェニルホスホニウム塩を異性化することにより製造する方法。
  2. X-がハライド、リン酸二水素、硝酸、硫酸水素、硫酸、塩素酸、過塩素酸、テトラフルオロホウ酸、C1〜C4-アルカン酸、特に酢酸、C1〜C7-スルホン酸、特にメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びトルエンスルホン酸イオンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 異性化が熱異性化である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 熱異性化が50℃〜200℃、好適には100℃〜180℃の温度範囲内で、より好適には120℃〜180℃の範囲内で実施される、請求項3に記載の方法。
  5. 異性化が1〜100 bar、好適には5〜80 barの圧力範囲内で、さらにより好適には8〜50 barの圧力範囲内で、もっとも好適には10〜25 barの圧力範囲内で実施される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 異性化が溶媒又は溶媒混合物中で実施される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 溶媒又は溶媒混合物がトルエン、キシレン、ジオキサン、THF、DMF、DMSO、C1〜C6-アルコール、C3〜C7-ケトン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチルからなる群又はこれらの化合物の少なくとも2の混合物から選択される、請求項6に記載の方法。
  8. 使用される溶媒がメタノールである、請求項6又は7に記載の方法。
  9. 異性化が塩基の存在下で実施される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 塩基を、形成される陰イオンが化合物(2)に基づいて0.1〜1モル当量、好適には0.2〜0.7モル当量、より好適には0.25〜0.5モル当量となるような量で加える、請求項9に記載の方法。
  11. 異性化が固定温度プロファイルを有する、特に等温温度プロファイルを有する反応器において正確に規定された滞留時間で実施される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 使用される反応器がマイクロ波反応器又は流通管式反応器である、請求項11に記載の方法。
  13. 異性化後に、一般式(2)の未反応出発原料を除去し、再利用する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 塩基の存在下の異性化後に、
    ・存在する溶媒又は溶媒混合物をアルコール、好適には分岐アルコール、より好適にはイソプロパノールに交換し、
    ・酸により0〜2のpHへと酸性化し、
    ・室温で液体である炭化水素を加え、
    ・温度を-30℃〜20℃の範囲の温度、好適には-30℃〜10℃の範囲の温度に冷却し、
    ・前記温度でインキュベートし、
    ・及び得られる固体を除去する
    ことを行う、請求項9〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 9Z-レチノイドの製造及び少なくとも1のcis二重結合を有するカロテノイドの製造のための請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法により製造された化合物(1)の使用。
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