JP2015527630A - ヘア/頭皮ケア組成物向け化粧剤の同定システム及び方法 - Google Patents
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Abstract
化粧剤と対象となる毛髪生物学的状態との間の機能的関係を決定する方法及びシステムが提供される。また、毛髪生物学的状態に影響を及ぼす化粧剤を同定するための方法及びシステム、並びに化粧組成物、パーソナルケア製品、又は両方の調製のための、かかる方法及びシステムによって同定される薬剤の使用が提供される。
Description
関連性マッピングは、オペレーションズリサーチ、コンピュータネットワーク、及び電気通信の分野においてうまく適用される、よく知られている仮説生成及び検定ツールである。ヒトゲノムプロジェクトの着手及び完了、並びに細胞mRNA発現レベルの迅速かつ同時の量子化を可能にする、非常にハイスループットな高密度DNAマイクロアレイ技術の並行開発は、大量の遺伝子データベースの生成をもたらした。同時に、分子モデリング及び分子ドッキングの研究等、コンピュータを用いる方法による新しい医薬活性剤の模索は、潜在的小分子活性剤の巨大ライブラリーの生成を促進した。疾病を遺伝子プロファイルと、遺伝子プロファイルを薬物と、及び疾病を薬物と関連付ける情報量は、飛躍的に増加し、創薬科学における関連性マッピングの仮説検定ツールとしての用途は成熟した。
これまで未同定の遺伝子について機能が正確に決定され得ること、及び薬物の潜在的標的が薬物処理細胞における遺伝子発現プロファイルデータベースでのマッピング関連性によって同定され得ることといった一般概念は、2000年、T.R.Hughesらが重要な論文[「Functional discovery via a compendium of expression profiles」Cell 102,109〜126(2000)]の発表と、そのすぐ後の関連性マップ(Justin Lamb及びMITの研究者らによるCマッププロジェクト(「Connectivity Map:Gene Expression Signatures to Connect Small Molecules,Genes,and Disease」,Science,Vol.313,2006))の立ち上げによって先陣を切った。2006年、Lambのグループは、Cマップ構築の方法の詳細な概要及び第一世代Cマップの作成に使用した遺伝子発現プロファイルの参照コレクションの連載、並びに現在進行中の大規模コミュニティCマッププロジェクトの始動の発表を開始した。
疾患と、疾患表現型と、その疾患表現型を変更するために使用する薬物との間の新規の関係を、既知の関係との比較により予測する基本的パラダイムは、臨床医により直感科学として何世紀もにわたり実践されている。現代の関連性マッピングは、その厳密な数学的土台、及び現代の計算能力の支えにより、癌を含む様々な疾患の治療用の新規薬剤を同定することの確定された医学的成功をもたらした。それにもかかわらず、一部の制限的な推測が、多種多様であり、しばしば明らかに関連のない細胞表現型発現を特徴とする多遺伝子起源の疾患又は症候性状態に関して、Cマップの応用を困難にしている。Lambによると、有用なCマップを構築することの課題は、問い合わせ時に臨床的に顕著かつ有用な出力の生成を可能にする入力参照データを選択する過程であった。Lambの薬物に関連するCマップでは、強い関連付けは参照関連付けを含み、強い関連付けは、ヒットとして認識される所望の出力である。
自動増幅、ラベリングハイブリダイゼーション、及び1日に並行して96のサンプルのスキャニングを可能にする、ハイスループットの効果、高密度のプロファイリングプラットフォームは認めるが、Lambは、それにもかかわらず、「これだけの火力でさえ、可能なすべての持続時間にわたって、可能なすべての濃度で、あらゆる既知の撹乱因子(perturbagen)に曝露される、推定200の異なる細胞型の1つ1つの分析を可能にするには不十分である・・・したがって、妥協案が必要とされる」(54ページ、第3欄、最終段落)と警告した。したがって、Lambは、彼のCマップを非常に少数の樹立細胞株からのデータに限定した。これは、インビトロ/インビボの不一致の可能性の増大をもたらし、情報を特定の細胞株の文脈に制限する。したがって、細胞株の選択は、結果として生じるCマップの有用性に極めて重要であり得る。
Lambは、参照関連性が極めて慎重を期し、同時に、検出が困難である(弱い)場合に特に困難に直面すると強調し、Lambは、多数の拡散した関連性を最小限に抑えることを目的とする妥協案を採用した。薬物製品に対する規制方針が、意図される薬剤と病状との間の高度の特異性を必要とし、かつ関係のない関連性を最小限に抑えて、単一のタンパク質に影響を及ぼすことによる、疾患の調節が、薬学的活性剤の開発において所望であるため、LambのCマップは、Lambの妥協案にもかかわらず、潜在的な医薬剤のスクリーニングによく適している。
したがって、Lambの関連性マッピングプロトコルは、化粧品の分野で仮説検証/生成に有用であることは予測されなかったであろう。化粧品考案者は、複数の標的を調節することができ、複雑な表現型及び状態にわたって効果を有する薬剤又は薬剤の組成物を模索している。更に、化粧剤が医薬活性剤の規制政策の対象となることを避けるように、化粧剤の表現型影響は本質的に比較的低くなくてはならない。それにもかかわらず、影響は消費者にとって知覚可能でなければならず、好ましくは、科学的方法によって実験的に確認可能でなければならない。美容上の状態の遺伝子転写/発現プロファイルは、低い倍数から中程度の倍数の差を有する多くの遺伝子を含み、一般に冗長である。したがって、化粧剤は、細胞表現型により多様であまり急性ではない効果を与え、確信のある仮説検証に有用な関連性マップの生成に適さない、Lambにより明示的に教示された種類の関連を生成する。
本発明者らは、驚くべきことに、特にヘアケア化粧品に関して、有用な関連性マップが、化粧用活性剤−細胞表現型−遺伝子発現データの関連性から作成され得ることを発見した。具体的には、本発明の特定の態様は、線維芽細胞、ケラチノサイト、メラニン細胞、又は真皮乳頭細胞等のヒト細胞の選択は、関連する細胞株であり、このような細胞のデータから、特定の毛髪生物学的状態、例えば白髪の出現、時間遺伝学的脱毛症、老人性脱毛症、男性型脱毛症、毛髪径の減少、又は切れ毛/傷みやすい毛髪を処置する化粧剤に関して、仮説を立て、検証するのに有用な関連性マップが構築されたという驚くべき発見に基づいており、例えば、BJ線維芽細胞は、育毛を改善するモノアミンオキシダーゼB(MAOB)阻害因子の同定に関してtert−ケラチノサイトより良い細胞株である。メラニン細胞は、白髪の出現を遅らせる物質を評価するのに良い細胞株であり、一方、細胞の組み合わせは、その他特定の毛髪生物学的状態に最も適すると思われた。例えば、一組の生物学的シグネチャは、異なる細胞株から得られて組み合わされ、臨床データは複数の細胞型を伴うサンプルから生じ、育毛及び健康な繊維品質について異なる態様を捉えた。したがって、1つの細胞型(例えば線維芽細胞又はケラチノサイト細胞)、又はこれらの任意の組み合わせのデータを用いて、特定の毛髪生物学的状態に関連する化粧用活性剤及び遺伝子に関する仮説を立て、検証するのに有効な関連性マップを構築できることを、正確に予測できなかった。
毛髪は、要素を保護的に被覆し、生体と環境との間の相互作用的境界として作用する腺から産生物を分散するように働く、複雑な多層状かつ動的なシステムである。毛髪は、個人の健康と自己像の両方に対しても極めて重要である。例えば、抜け毛(脱毛症)症状の人のサポート、並びに過度の育毛への取り組みを行う、重要な産業が発展している。実際に、脱毛症、男性型脱毛症、円形脱毛症、永久脱毛症、成長期障害、成長期脱毛、毛球障害、毛隆起障害、退行期障害、棍毛、男性型多毛症、多毛症、うぶ毛、小型化、休止期障害、休止期脱毛、終毛、及び軟毛等を非限定例として含む、様々な毛髪症状及び疾患の特徴が明らかになっている。図1は、基本的な毛髪構造を示す。
毛髪の複雑さと皮膚との相互作用から、本明細書ではそれぞれの基本的な考察を含める。毛髪生物学的状態への様々な処置が、毛髪自体又は毛髪若しくは毛髪の一部の周囲の皮膚に対する製品や方法の適用を含むことから、この考察は必要である。例えば、様々な毛髪処置として、Rogaine(登録商標)、Propecia(登録商標)等の製品による方法及び使用、植毛、電気脱毛、及びレーザー脱毛が挙げられる。
複雑な育毛障害は込み入っており、更なる研究や大きな進歩を要するが、基本的な毛髪構造は周知であり、これまでに説明されている。例えば、毛髪生物学に関する総説が、Ralf Paus及びGeorge Cotsarelisによって書かれている(特に、Paus R及びCotsarelis G.、The Biology of Hair Follicles(総説)、Mechanisms of Disease,Vol.341(7),1999,pp.491〜497を参照されたい)。
毛髪は、皮膚の表皮内にくぼみを作る遠位部分を有する、ヒト皮膚表面から主に出て延びる毛幹を含む。構造を簡単に述べると、皮膚内には毛包、毛球、及び毛乳頭がある。毛幹はケラチンを含む。皮膚内において、血管が毛球内の細胞に栄養を与え、脈管構造のネットワークを介してホルモンを含む細胞物質を運ぶことができる。毛髪色も、毛包内でメラニンを産生する色素細胞によって主に制御される。
より一般的には、毛包は体表面の大部分を覆う。身体にはおよそ5百万個の毛包があり、そのうち100,000個が頭皮上にあり、その密度は、頭皮上1平方センチメートルあたり最大約300〜500本の毛髪である。毛包の重要な意義には、更に毛包の詳細について概要を示すことが欠かせない。毛包は、真皮乳頭とマトリックスからなる毛球、マトリックスから立毛筋挿入部までの毛球上部、立毛筋挿入部から脂腺まで延びる峡部、及び脂腺から毛包口まで延びる漏斗部を含む、複数の部分に解剖学的に分けることができる。毛包の下部は、複数の部分、すなわち、真皮乳頭、マトリックス、毛幹(内側から外側に、毛髄、毛皮質、及び毛角皮質からなる)、内毛根鞘小皮、Huxley層、Henle層からなる内毛根鞘(IRS)、並びに外毛根鞘からなる。毛包の基部は真皮乳頭によって陥入されており、乳頭を通過するループ状毛細血管を有する。真皮乳頭とマトリックス細胞との間のシグナル伝達及び通信は、毛幹が成長する期間と濃さに影響を及ぼす。マトリックス内のメラニン細胞は、毛幹内で色素も産生する。
上記のように、毛幹はケラチンを含む。毛髄では、部分的にのみ角質化されているため、外観は無定形であり、常に存在することはない。毛皮質細胞は、上向きに成長している間に核を失い、いかなるケラトヒアリン又はトリコヒアリン顆粒も含まない。柔らかいIRS及び表皮とは対照的に、毛皮質のケラチンは硬い。毛角皮質は、IRS小皮にしっかりと固定されている。IRS小皮は、下方向を向き、毛幹小皮の上向きに角度が付いた細胞と緊密に連結する、単一層の平坦で重なっている細胞からなる。Huxley層は2層の細胞層からなり、一方外側のHenle層は1つの細胞層のみの厚さである。峡部の直前で、IRSは完全に角質化されるが、峡部の段階で分解される。IRSは出現する毛幹内には存在しないが、IRSは毛包の下部で強固なスカフォールドとして働く。
再度毛包に戻ると、毛包は毛髪発生において重要であり、毛包のサイクルは3つの主要段階、成長期、退行期、及び休止期を伴う。成長期相は、増殖期としても知られ、毛髪はこの相で数年を費やし得る。退行期相は、数週間にわたって起こる移行期であり、毛髪の成長が遅くなり、毛包が縮む。休止期相は、静止期であり、数か月にわたって毛髪の成長が止まり、古い毛髪が毛包から離れ、新たな毛髪が増殖期を開始して古い毛髪を押し出す。
示されるように、毛髪と皮膚との間には複雑な関係が存在する。皮膚に関して、皮膚は、3つの主要な層、表皮、真皮、及び皮下脂肪層を含む。表皮中の細胞の大部分は、ケラチンと呼ばれるタンパク質ファミリーを産生するケラチノサイトである。ケラチンは、表皮の強度に寄与する。表皮自体は、角質層と称される最外層と、基底層と称される最内層を有する、複数の層に分けられ得る。すべての表皮細胞は、基底層から生じ、それらが徐々に角質層に向かって外側に移動するにつれて、分化として既知のプロセスを経るが、ここで、それらは、融合して扁平上皮層になり、最終的に脱落する。健康で正常な皮膚において、産生速度は、脱落(落屑)速度に等しい。
分化表皮細胞は、異なるが自然に混合された層を形成する。細胞が外側に移動するにつれて、それらは扁平になり、有棘層又は棘層を形成する有棘プロセスによって結合される。細胞は、スフィンゴリピドと呼ばれる特殊脂肪を製造し、最終分化と関連するケラチンを発現し始める。ケラチンが産生されると、それは、細胞マトリックスに組み込まれ、皮膚を強化し、外層に対する構造的支持体を提供する。細胞が更に外側に移動し、ケラチンの凝集に寄与するタンパク質を含有する特有の顆粒を発生させると、それらはこの時点で、顆粒層の一部を形成する。細胞は、この層の外側部分においてそれらの細胞核を失い、顆粒は、角質化に寄与するそれらの含有物を放出する。脂質を含有する小胞は、細胞間の空間に排出され、れんが(細胞)及びモルタル(脂質)のように機能することが示唆されているバリア構造を作る。細胞が表皮の最外層である角質層(時に角質層(horny layer又はcornified layer)と呼ばれる)まで上がると、それらは、密集された扁平な円盤の形態を成す。角質細胞と呼ばれるこれらの扁平な細胞は、事実上死んでいる。表皮の脂質は、それらが、角質層が水分損失を調節するのを助け、一方で、環境に対する実質的に不透水性の疎水性バリアを提供するため、皮膚の健康の維持において重要な役割を果たす。完全に成熟したケラチノサイトは、皮膚を紫外線によるダメージから保護する働きをし、環境刺激への免疫反応をもたらすのを助ける。
真皮は、表皮のすぐ下にあるが、主にタンパク質コラーゲンで構成される。コラーゲンの大部分は、真皮に水平に広がり、基質と呼ばれるゼリー状物質に埋もれる束にまとめられる。コラーゲンは、真皮の重量の最大で75%を占め、皮膚の回復力及び弾性に関与する。コラーゲン束は、真皮に広がる弾性線維によって結合される。線維は、エラスチンと呼ばれるタンパク質から構成され、真皮の重量の5%未満を占める。線維芽細胞は、コラーゲン及び真皮基質を合成する働きをし、成分である糖タンパク質及びグリコサミノグリカン、例えば、ヒアルロン酸(水と結合することが可能である)等を含む。表皮と真皮との間の接合部はまっすぐではなく波状であり、体のある領域においては他の領域よりも著しく波状である。釘脚と呼ばれる一連の指状の構造は、真皮から上方に突出し、同様の構造が、表皮から下方に突出する。これらの突出は、皮膚層間の接触領域を増加させ、表皮が剥がれることを防止するのに役立つ。皮膚が老化するにつれて、突出はより小さく、かつより扁平になる。表皮自体には血管がなく、釘脚からの拡散によって栄養が与えられるが、小血管の組織網が釘脚に広がり、栄養素、ビタミン、及び酸素を表皮に届ける。真皮はまた、毛包及び皮脂腺を含む毛包脂腺単位、アポクリン及びエクリン汗腺、リンパ管、神経、並びに機械感受性パチーニ小体及びマイスナー小体を含む、種々の感覚構造を含有する。
真皮の下には皮下組織があり、それは、筋肉及び骨等の下層組織からの真皮の衝撃を和らげる、皮下脂肪を含む。脂肪は、結合組織マトリックス中に組み込まれる脂肪細胞中に含有される。この層はまた、毛包が成長段階にある時に、それらを収納し得る。
したがって、皮膚は、多種多様な細胞型及び構造を含む、多層の複雑な器官であり、血管及びリンパ管、毛包脂腺単位、腺、神経、種々の感覚構造、皮下脂肪組織、及び皮下組織の下の弾性筋膜を有する表皮及び真皮結合組織を含む。次に、これらの構造は、多くの異なる細胞型で構成され、ケラチノサイト、メラニン細胞、神経内分泌メルケル細胞、皮脂腺細胞、線維芽細胞、内皮細胞、周皮細胞、ニューロン、含脂肪細胞、筋細胞、並びにランゲルハンス細胞、他の樹枝状細胞、T細胞、及び肥満細胞を含む、常在免疫細胞を含む。皮膚における主要な細胞系統のうちの2つは、広くは体の内膜並びに多くの器官及び腺の実質組織を形成する、上皮細胞と、結合組織、血管、及び筋肉を形成する、間葉細胞とである。真皮線維芽細胞は、間葉細胞であり、ケラチノサイトは、上皮細胞であり、それは、表皮の構造の大部分を含む。
このように、毛髪と皮膚は、毛髪の健康を制御するため複雑な方法で働く複雑な構成要素である。示されるように、非常に多くの毛髪障害があり、毛髪の健康及び/又は外観の改善を目的とする、消費者が入手可能な多くのヘアケア製品がある。現在の処置にも関わらず、新たな、又は改善された効果を毛髪に提供することができる化粧剤に同定について、引き続きニーズが存在する。また、既存製品と比較して同様の、又は改善された効果を提供するが、配合、製造、及び/又は市販がより容易である、更なる化粧剤を同定する必要性がある。
毛髪内で及び毛髪の周囲で起こる多細胞性、多要因性のプロセスのため、毛髪関連化粧剤の同定の成功は難しいことがわかっている。加えて、多くの所望の化粧剤は、十分に理解され得ていない効果及び相互作用を有する化合物の混合物を含み得る。これは、多くの細胞/経路に影響を及ぼし得る、植物又は他の天然抽出物によく当てはまる。化粧品考案者の更なる課題は、化粧品が非常に安全でなければならず、副作用は概して容認可能ではないことである。更に、毛髪生物学に関して既知であるものが多くある一方で、なおもほとんど理解されていないか、又は知られていないものも多くある。潜在的化粧剤への生物学的応答の従来のインビトロ研究は、所望の結果をもたらす薬剤が同定され、次の試験段階に移され得る前に、種々の細胞型における何百又は何千もの潜在的薬剤の試験を伴う。しかしながら、かかる研究は、典型的に化粧剤によって誘発及び/又は誘起される、複雑な、又は弱く検出される応答によって妨げられ得る。かかる弱い応答は、1つには、多数の遺伝子及び遺伝子産物が関与するという理由で生じ、化粧剤は、複数の方法で複数の遺伝子に影響を及ぼし得る。更に、化粧剤の生物活性の程度は、それぞれの遺伝子について異なり、定量化が困難な可能性がある。
毛髪生物学の美容上の表現型と、遺伝子発現の撹乱と、化粧剤の作用との機能的関連性を発見するための関連性マップアプローチの値は、薬物に基づくCマップの原型によって対表示される。関連表現型は極めて複雑であり、遺伝子発現の撹乱は多数かつ弱く、また化粧剤の作用は、同様に冗長であり、本質的に比較的弱い。したがって、美容上のCマップから統計的に有効なデータが生成できるかどうか、及び、顕著又は検出可能な美容上のデータを提供する細胞株が存在するかどうかは不明なままである。
驚くべきことに、本発明者らは、一般化が可能であり、潜在的化粧用活性剤の同定に生物学的に適切である、Cマップ方法を提供し、Cマップ概念が、(非限定例として)参照データにクエリを行うためのベンチマーク化粧用活性剤の使用によって、かつ新しい化粧用活性剤の同定によって実行可能であることを証明する。
2000年、T.R.Hughesらの[「Functional discovery via a compendium of expression profiles」Cell 102,109〜126(2000)]
Justin Lamb及びMITの研究者らのCマッププロジェクト(「Connectivity Map:Gene Expression Signatures to Connect Small Molecules,Genes,and Disease」,Science,Vol.313,2006)
Ralf Paus及びGeorge Cotsarelisの「Paus R及びCotsarelis G.、The Biology of Hair Follicles(総説)、Mechanisms of Disease,Vol.341(7),1999,pp.491〜497)」
したがって、本発明は、毛髪生物学的状態の処置向けの潜在的な新しい活性剤を生成するために有用な、新規の方法及びシステムを提供する。
具体的に、細胞型の注意深い選択によって、かつ既知の化粧用活性剤に対する遺伝子発現プロファイルの参照コレクションの生成によって、本発明者らは、驚くべきことに、化粧用活性剤及び化粧状態に関する仮説の検証及び生成に有用な、関連性マップを作成することができた。本研究者らは、特定の毛髪生物学的状態に有効な化粧剤を同定するためのツールとして、関連性マッピングの有効性を確認した。潜在的に有効な化粧剤は、臨床実験、並びに単純な細胞培養系におけるインビトロ実験に由来する遺伝子発現シグネチャを用いて同定された。
本発明者らは、関連性マップで用いるために、特異的な毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャの誘導が可能であることを発見した。本発明者らはまた、驚くべきことに、有用な化粧用ヘアケア薬剤を同定するために、関連性マップにおいて複数の特異的な毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャを利用する方法を発見した。
広く説明される本明細書の実施形態は、対象となる毛髪生物学的状態と、1つ以上の化粧剤、毛髪生物学的状態に関連する1つ以上の遺伝子、及び毛髪生物学的状態に関連する1つ以上の細胞との間の関係を決定する方法及びシステムを含む。かかる方法は、対象となる毛髪生物学的状態と関連する生物学的プロセスの機構、かかる状態と関連する遺伝子のすべて、及びかかる状態と関連する細胞型の詳細な知識なしで、化粧剤を同定するために使用され得る。
本発明の一実施形態によると、本明細書に説明されるのは、撹乱因子と1つ以上の毛髪生物学的状態に関連付けられる遺伝子との間の関連性の同定に使用するための、データアーキテクチャを構築するための方法であって、この方法は、(a)対照ヒト線維芽細胞又はケラチノサイト細胞に対する遺伝子発現プロファイルを提供する工程と、(b)少なくとも1つの撹乱因子に曝露されたヒト線維芽細胞又はケラチノサイト細胞に対する遺伝子発現プロファイルを生成する工程と、(c)(a)及び(b)の遺伝子発現プロファイルを比較することによって、少なくとも1つの撹乱因子に応答して差次的に発現した遺伝子を同定する工程と、(d)差次的に発現した遺伝子を表す識別子を含む、順序付きリストを作成する工程であって、識別子が、遺伝子の差次的発現に従って順序付けられる工程と、(e)少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な媒体上に、線維芽細胞又はケラチノサイトインスタンスとして、順序付きリストを記憶する工程と、(f)(a)〜(e)を繰り返すことによって、記憶された線維芽細胞又はケラチノサイトインスタンスのデータアーキテクチャを構築する工程であって、工程(a)の少なくとも1つの撹乱因子が、各線維芽細胞又はケラチノサイトインスタンスに対して異なる工程と、を含む。
本明細書に記載される特定の実施形態は、撹乱因子と1つ以上の毛髪生物学的状態と関連付けられる遺伝子との間の関連性を同定することによって、ヘアケア組成物を配合する方法を含み、この方法は、(a)少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な媒体に記憶される複数のインスタンスにアクセスする工程であって、各インスタンスが撹乱因子及び毛髪関連細胞型に関連し、各インスタンスが、複数の上方制御された遺伝子及び複数の下方制御された遺伝子を表す複数の識別子を含む順序付きリストを含む工程と、(b)少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な媒体に記憶される少なくとも1つの毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャにアクセスする工程であって、少なくとも1つの毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャが、毛髪生物学関連状態と関連する複数の上方制御された遺伝子及び複数の下方制御された遺伝子を表す複数の識別子を含む1つ以上のリストを含む工程と、(c)少なくとも1つの毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャを複数のインスタンスと比較する工程であって、比較工程が、1つ以上の遺伝子発現シグネチャリストにおける各識別子を、複数のインスタンスのそれぞれに対する順序付きリスト中の同一の識別子の位置と比較する工程を含む工程と、(d)複数のインスタンスそれぞれに関連性スコアを割り当てる工程と、(e)皮膚科学的に許容可能な担体と少なくとも1つの撹乱因子とを含むヘアケア組成物を配合する工程であって、少なくとも1つの撹乱因子に関連付けられるインスタンスの関連性スコアが負相関を有する工程と、を含む。
更により詳細な実施形態では、本明細書に記載されるのは、撹乱因子と1つ以上の毛髪生物学的状態と関連付けられる遺伝子との間の関連性の同定に使用するための、遺伝子発現シグネチャを生成する方法であって、この方法は、(a)ヒト毛髪関連細胞の参照サンプルに対する遺伝子発現プロファイルを提供する工程と、(b)少なくとも1つの毛髪生物学的状態を呈している被験者のヒト毛髪関連細胞の少なくとも1つのサンプルに対する遺伝子発現プロファイルを生成する工程と、(c)(a)及び(b)の発現プロファイルを比較することによって、(a)及び(b)において差次的に発現した一組の遺伝子を含む遺伝子発現シグネチャを同定する工程と、(d)遺伝子発現シグネチャを構成する遺伝子それぞれに識別子を割り当て、識別子を差次的発現の方向に従って順序付けて、1つ以上の遺伝子発現シグネチャリストを作製する工程と、(e)少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な媒体上に1つ以上の遺伝子発現シグネチャリストを記憶する工程と、を含む。
別の特定の実施形態では、本明細書に記載されるのは、撹乱因子と1つ以上の毛髪生物学的状態と関連付けられる遺伝子との間の関連性を同定するシステムであって、このシステムは、(a)複数のインスタンスと、少なくとも1つの毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャを記憶している少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な媒体であって、インスタンス及び遺伝子発現シグネチャが、ヒト真皮線維芽細胞由来であり、各インスタンスが、差次的に発現した遺伝子のランク付けられた識別子のインスタンスリストを含み、少なくとも1つの毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャが、毛髪生物学的状態に関連する差次的に発現した遺伝子を表す識別子の1つ以上の遺伝子発現シグネチャリストを含む、コンピュータ読み取り可能な媒体と、(b)プログラム可能なコンピュータに、(i)コンピュータ読み取り可能な媒体に記憶される、複数のインスタンス及び少なくとも1つの毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャにアクセスする工程、(ii)少なくとも1つの毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャを、複数のインスタンスと比較する工程であって、比較工程が、遺伝子発現シグネチャリスト中の各識別子を、複数のインスタンスのそれぞれに対するインスタンスリスト中の同一の識別子の位置と比較する工程を含む工程、及び(iii)複数のインスタンスそれぞれに関連性スコアを割り当てる工程、のうち、1つ以上を実行させる、コンピュータ読み取り可能な命令を構成するプログラム可能なコンピュータと、を備える。
更なる追加の特定の実施形態では、本明細書に記載されるのは、表C及びDに記載される遺伝子から選択される遺伝子からなる遺伝子発現シグネチャである。
更なる追加の特定の実施形態では、本明細書に記載されるのは、表E及びFに記載される遺伝子から選択される遺伝子からなる遺伝子発現シグネチャである。
本明細書に記載される追加の特定の実施形態は、それぞれスプレッドシート、文書処理、又はデータベースコンピュータプログラムによる読み取りに好適なスプレッドシートファイル形式、文書処理ファイル形式、又はデータベースファイル形式で記憶されるデジタルファイルを含むデータアーキテクチャを含み、この第1のデジタルファイルは、それぞれスプレッドシート、文書処理、又はデータベースコンピュータプログラムによって読み取られたときに、複数の識別子を含む1つ以上の遺伝子発現シグネチャリストを提供するように配列されたデータを含み、各識別子は、表A〜R及びT〜Uのいずれかに記載される遺伝子を表す、マイクロアレイプローブセットID、ヒト遺伝子名、ヒト遺伝子記号、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、1つ以上の遺伝子発現シグネチャリストのそれぞれは、約50〜約600個の識別子を含む、コンピュータ読み取り可能な媒体を含む。
本明細書に記載される追加の特定の実施形態は、撹乱因子(perturbens)と毛髪生物学の改善に関連付けられる遺伝子との関連性の同定に使用するための、データアーキテクチャを構築するための方法を含み、この方法は、(a)対照ヒト細胞に対する遺伝子発現プロファイルを提供する工程であって、対照細胞が、線維芽細胞、ケラチノサイト、メラニン細胞、及び真皮乳頭細胞株からなる群から選択されるヒト細胞株由来である工程と、(b)少なくとも1つの撹乱因子に曝露されたヒト細胞に対する遺伝子発現プロファイルを生成する工程であって、細胞が、対照細胞と同一の細胞株から選択される工程と、(c)(a)及び(b)の遺伝子発現プロファイルを比較することによって、少なくとも1つの撹乱因子に応答して差次的に発現した遺伝子を同定する工程と、(d)差次的に発現した遺伝子を表す識別子を含む、順序付きリストを作成する工程であって、識別子が、遺伝子の差次的発現に従って順序付けられる工程と、(e)少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な媒体上に、インスタンスとして順序付きリストを記憶する工程であって、インスタンスが、(a)における選択に従う線維芽細胞、ケラチノサイト、メラニン細胞、又は真皮乳頭インスタンスである工程と、(f)(a)〜(e)を繰り返すことによって、記憶されたインスタンスのデータアーキテクチャを構築する工程であって、工程(b)の少なくとも1つの撹乱因子が、各インスタンスに対して質的又は量的に異なる工程と、を含む。
本明細書に記載される追加の特定の実施形態は、撹乱因子と1つ以上の毛髪生物学的状態に関連付けられる遺伝子との間の関連性の同定に使用するための、データアーキテクチャを構築するための方法を含み、この方法は、(a)対照ヒトケラチノサイト細胞に対する遺伝子発現プロファイルを提供する工程と、(b)少なくとも1つの撹乱因子に曝露されたヒトケラチノサイト細胞に対する遺伝子発現プロファイルを生成する工程と、(c)(a)及び(b)の遺伝子発現プロファイルを比較することによって、少なくとも1つの撹乱因子に応答して差次的に発現した遺伝子を同定する工程と、(d)差次的に発現した遺伝子を表す識別子を含む、順序付きリストを作成する工程であって、識別子が、遺伝子の差次的発現に従って順序付けられる工程と、(e)少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な媒体上に、ケラチノサイトインスタンスとして順序付きリストを記憶する工程と、(f)(a)〜(e)を繰り返すことによって、記憶されたケラチノサイトインスタンスのデータアーキテクチャを構築する工程であって、工程(a)の少なくとも1つの撹乱因子が、各ケラチノサイトインスタンスに対して異なる工程と、を含む。
これら及び付加的な本発明の対象、実施形態、並びに態様は、下記の図面及び詳細な説明を参照することによって明らかになるであろう。
ここで、本発明の実施形態について説明する。しかしながら、本発明の実施形態は、異なる形態で提供されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、本開示が徹底された完全な物であり、当業者に本発明の特定の実施形態の範囲を十分に伝えるように、これらの実施形態が提供される。
特に定義しないかぎり、本明細書で用いるすべての技術的及び科学的用語は、本発明の属する分野における当業者に一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書において本発明の説明に使用される用語は、特定の実施形態を説明するために過ぎず、本発明を制限するものではない。本発明の明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかに他の意味を示さないかぎり、同様に複数形を含むものとする。
本明細書で互換的に使用される「関連性マップ」及び「Cマップ」という用語は、装置、システム、製品、及び細胞表現型又は美容上の状態と、遺伝子発現と、化粧活性剤等の撹乱因子との間の関係を同定するための方法を広く指す。
本明細書で使用する「化粧剤」という用語は、洗浄、美化、魅力の増進、外観の変更、又はそれらの組み合わせの目的で、哺乳動物の身体又はそのあらゆる部分に、すり込む、注ぐ、振り掛ける、噴霧する、導入する、ないしは別の方法で塗布するためのあらゆる物質、並びにそのあらゆる構成要素を意味する。化粧剤としては、米国食品医薬品局によって一般に安全と認められる(GRAS)物質、食品添加物、及び市販薬を含む非化粧用消費者製品で使用される物質が挙げられ得る。いくつかの実施形態では、化粧剤は、局所適用に好適な担体を含む、化粧組成物に組み込まれてもよい。化粧剤としては、(i)毛髪に少なくとも1つの効果(正又は負)を誘発又は誘起することが既知である、化学物質、化合物、小若しくは大分子、抽出物、製剤、又はこれらの組み合わせ、(ii)毛髪に少なくとも1つの効果(正又は負)を誘発又は誘起することが既知であり、提供された方法及びシステムを使用して、毛髪に少なくとも1つのこれまで知られていなかった効果(正又は負)を誘発又は誘起することが発見される、化学物質、化合物、小分子、抽出物、製剤、又はこれらの組み合わせ、並びに(iii)皮膚組織に効果を有することが知られておらず、提供された方法及びシステムを使用して、毛髪に効果を誘発又は誘起することが発見される、化学物質、化合物、小分子、抽出物、製剤、又はこれらの組み合わせ、が挙げられるがこれらに限定されない。
化粧剤又は美容上作用可能な物質のいくつかの例は、米国の国立衛生研究所と関連するPubChemデータベース;パーソナルケア製品協議会の成分データベース;及びパーソナルケア製品協議会発行の2010年、国際化粧品成分表示名称事典第13版;EU化粧品原料リスト;日本化粧品原料リスト;パーソナルケア製品協議会、SkinDeepデータベース;FDAに認可された賦形剤リスト;FDA OTCリスト;日本医薬部外品リスト;US FDA Everything Added to Foodデータベース;EU食品添加物リスト;日本既存添加物、香料GRASリスト;米国FDAのGRAS物質に関する特別委員会;米国家庭用品データベース;グローバル・ニュー・プロダクツ・データベース(GNPD)パーソナルケア、ヘルスケア、食品/飲料/ペット、及び家庭用品データベース;並びに化粧品成分及び植物のサプライヤーから見つけることができる。
他の化粧剤の非限定的な例としては、植物成分(植物の根、幹皮、葉、種子、又は果実のうちの1つ以上に由来してもよい)が挙げられる。一部の植物成分は、もう1つの溶剤を用いて植物バイオマス(例えば、根、茎、樹皮、葉等)から抽出されてもよい。植物成分は、化合物の複合混合物を含んで、明白な活性成分を含まなくてもよい。化粧剤の別のカテゴリーは、ビタミン化合物及び誘導体、並びにそれらの組み合わせ、例えば、ビタミンB3化合物、ビタミンB5化合物、ビタミンB6化合物、ビタミンB9化合物、ビタミンA化合物、ビタミンC化合物、ビタミンE化合物、並びにそれらの誘導体及び組み合わせ(例えば、レチノール、レチニルエステル、ナイアシンアミド、葉酸、パンテノール、アスコルビン酸、トコフェロール、及び酢酸トコフェロール)である。他の化粧剤の非限定的な例としては、糖アミン、植物ステロール、ヘキサミジン、ヒドロキシ酸、セラミド、アミン酸、及びポリオールが挙げられる。
用語「遺伝子発現(gene expression)シグネチャ」、「遺伝子発現(gene-expression)シグネチャ」及び「毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャ」は、毛髪生物学的状態又は毛髪生物学的剤を代表する遺伝子の、合理的に得られたリスト(1つ又は複数)を指す。特定の文脈では、毛髪生物学的剤は、ベンチマーク毛髪生物学的剤又は潜在的毛髪生物学的剤である場合がある。したがって、遺伝子発現シグネチャは、毛髪関連細胞型(1つ又は複数)に対して、対象となる表現型の代用としての機能を果たすことができる。遺伝子発現シグネチャは、正常又はコントロール状態と比較して、発現が増加(上方制御)された遺伝子、発現が減少(下方制御)された遺伝子、又はそれらの組み合わせを含んでもよい。一般に、改変された細胞表現型の遺伝子発現シグネチャは、細胞表現型にわたって改変された細胞表現型で差次的に発現される遺伝子セットとして記載することができる。遺伝子発現シグネチャは、インビトロ試験、インビボ試験、及びそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない種々のデータ源から得ることができる。一部の実施形態では、遺伝子発現シグネチャは、対象となる状態の複数の上方制御された遺伝子を表す第1のリストと、対象となる状態の複数の下方制御された遺伝子を表す第2のリストとを含んでもよい。
本明細書で使用する「ベンチマーク毛髪生物学的剤」という用語は、毛髪関連細胞型に優れた効果(正又は負)を誘発又は誘起することが知られている、あらゆる化学物質、化合物、小分子若しくは大分子、抽出物、製剤、又はこれらの組み合わせを指す。正のベンチマーク毛髪生物学的剤の非限定例として、ミノキシジル、ラタノプロスト、ZPT(ジンクピリチオン)、ATRA(オールトランス型レチノイン酸)、カフェイン及びナイアシンアミド及びパンテノールの組み合わせ、アデノシン、アピゲニン、フィナステリド、シクロスポリンA(CSP A)、FK506、ビマトプロスト、スピロノラクトン又は酢酸シプロテロン、RU58841、酒石酸カルニチン、Aminexil、6−ベンジルアミノプリン、メラトニン、塩化カルプロニウム、MG132、NEOSH101、AS101、ロキシスロマイシンが挙げられる。非限定的負のベンチマーク毛髪生物学的剤として、Vaniqa(登録商標)(エフロールニチン、女性の顔面上の不要な毛髪(通常は口唇周囲又は顎下部)の成長を遅らせるために使用される薬剤)、並びにDHT(ジヒドロテストステロン又は5α−ジヒドロテストステロン、男性型禿頭症に寄与する主な因子)が挙げられる。
本明細書で用いるとき、「毛髪生物学的状態」は、改善が可能な毛髪が存在する状態であり、様々な非限定的実施形態において、この状態を変えるために、製剤の研究又は適用が目的とされる病状又は障害を含み得る。非限定例として、フケ、脱毛症、不要な抜け毛、不要な育毛、毛髪のやせ、毛髪径の減少、若白髪、毛髪の傷み、縮れ、又は縮れの欠如が挙げられる。
本明細書で用いるとき、「毛髪関連細胞」又は「毛髪関連細胞型」は、毛髪の直接的な部分(例えば細胞幹)の細胞若しくは細胞型、又は恒常性毛髪症状に必要なもの等、毛髪と複雑に関連する細胞若しくは細胞型、又は育毛に関与する細胞若しくは細胞型のいずれかを指す。毛髪関連細胞型の非限定例として、真皮乳頭細胞、内毛根鞘細胞及び外毛根鞘細胞を含むケラチノサイト、真皮線維芽細胞、メラニン細胞、毛髪/皮膚幹細胞が挙げられる。人工多能性幹細胞(IPSC)は、本明細書に記載される特定の実施形態において、「毛髪関連細胞」に誘導されてよい。特定の非限定例では、人工多能性幹細胞(IPSC)は、真皮乳頭細胞、内毛根鞘細胞及び外毛根鞘細胞を含むケラチノサイト、真皮線維芽細胞、メラニン細胞、毛髪/皮膚幹細胞からなる群から選択されるヒト細胞又はヒト細胞株に誘導されてよい。
本明細書において使用する「問い合わせ」という用語は、関連性マップへの入力として使用されるデータを指し、これに対して複数のインスタンスが比較される。問い合わせは、毛髪生物学的状態及びベンチマーク毛髪生物学的剤のうちの1つ、又は両方に関連する遺伝子発現シグネチャを含んでよい。
本明細書で使用する「インスタンス」という用語は、毛髪関連細胞型に撹乱因子を投与する遺伝子発現プロファイリング実験からのデータを指す。一部の実施形態では、このデータは、遺伝子発現プロファイリング実験の一環である遺伝子を表す識別子のリストを含む。識別子は、遺伝子名、遺伝子記号、マイクロアレイプローブセットID、又は他の任意の識別子を含んでもよい。一部の実施形態では、インスタンスは、マイクロアレイ実験からのデータを含んでもよく、コントロールと比較した差次的発現の程度によって順序付けされたマイクロアレイのプローブセットIDのリストを含む。このデータはメタデータも含んでよく、これには、撹乱因子、遺伝子発現プロファイリング試験条件、毛髪関連細胞型である細胞、及びマイクロアレイのうちの1つ以上に関するデータが含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用する「角質組織」という用語は、皮膚、毛髪、爪、甘皮、角、鉤爪、くちばし、及び蹄等が含まれるがこれらに限定されない、哺乳動物の最も外側の保護被覆として配置されるケラチン含有層を指す。皮膚に関して、この用語は、真皮層、皮下層、及び表皮層のうちの1つ又はすべてを指し、これは部分的に角質組織を含む。
本明細書で使用する、「撹乱因子」という用語は、本発明の実施形態で使用するための遺伝子発現データを生成するために、遺伝子発現プロファイリング実験において曝露物質として使用されるいかなるものをも意味する。いくつかの実施形態では、撹乱因子は、線維芽細胞及び/又はケラチノサイト細胞に適用され、遺伝子発現プロファイリング実験から得られる遺伝子発現データは、データアーキテクチャにインスタンスとして記憶されてもよい。遺伝子発現データを生成するために使用される、任意の物質、化学物質、化合物、活性物質、天然産物、抽出物、薬物(例えば、Sigma−Aldrich LOPAC(薬理活性化合物ライブラリー)コレクション)、小分子、及びそれらの組み合わせが、撹乱因子であり得る。また、撹乱因子は、差次的遺伝子発現データを生成するために使用される他のいかなる刺激であってもよい。例えば、撹乱因子はまた、紫外線、熱、浸透圧ストレス、pH、微生物、ウイルス、及び低分子干渉RNAであってもよい。撹乱因子は、いかなる化粧剤であってもよいが、必ずしもそうである必要はない。
本明細書で使用する、「皮膚科学的に許容可能な」という用語は、記載される組成物又は構成成分が、過度の毒性、不適応性、不安定性、アレルギー反応等がなく、ヒトの皮膚組織と接触して使用するのに好適であることを意味する。
本明細書で使用する「コンピュータ読み取り可能な媒体」という用語は、コンピュータ読み取り可能な命令、データ及びデータ構造、デジタルファイル、ソフトウェアプログラム及びアプリケーション、又は他のデジタル情報等の情報の記憶のために任意の方法又は技術で実装されたあらゆる電子記憶媒体を指し、これにはあらゆる揮発性、非揮発性、着脱式、及び非着脱式媒体が含まれるが、これらに限定されない。コンピュータ読み取り可能な媒体には、特定用途向け集積回路(ASIC)、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、同期RAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、同期DRAM(SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(DDR SDRAM)、ダイレクトRAMバスRAM(DRRAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、プログラム可能読み出し専用メモリ(PROM)、電気的消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EEPROM)、ディスク、搬送波、及びメモリスティックが含まれるが、これらに限定されない。揮発性メモリの例には、ランダムアクセスメモリ(RAM)、同期RAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、同期DRAM(SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(DDR SDRAM)、及びダイレクトRAMバスRAM(DRRAM)が含まれるが、これらに限定されない。非揮発性メモリの例には、読み出し専用メモリ(ROM)、プログラム可能読み出し専用メモリ(PROM)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM)、及び電気的消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EEPROM)が含まれるが、これらに限定されない。メモリは、プロセス及び/又はデータを格納することができる。また他のコンピュータ読み取り可能な媒体としては、あらゆる好適なディスク媒体が挙げられ、これには、磁気ディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、テープドライブ、ジップドライブ、フラッシュメモリカード、メモリスティック、コンパクトディスクROM(CD−ROM)、CD書き込み可能ドライブ(CD−Rドライブ)、CD書き換え可能ドライブ(CD−RWドライブ)、及びデジタル多用途ROMドライブ(DVD ROM)が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用する「ソフトウェア」及び「ソフトウェアアプリケーション」という用語は、コンピュータデバイス又は他の電子装置に、機能、動作、及び/又は挙動を望ましい形で実行させる、1つ以上のコンピュータ読み取り可能な及び/又は実行可能な命令を指す。命令は、ルーチン、アルゴリズム、モジュール、ライブラリー、方法、及び/又はプログラム等、1つ以上の様々な形態で実施されてもよい。ソフトウェアは、様々な実行可能及び/又は読み込み可能な形態で実装することができ、1つのコンピュータ構成要素に位置してもよく、並びに/又は2つ以上の通信、協働、及び/若しくは並列処理するコンピュータ構成要素の間に分散されてもよく、それにより直列、並列、及び他の形で読み込み及び/又は実行が可能である。ソフトウェアは、1つ以上のコンピュータ読み取り可能な媒体上に格納されていてもよく、本発明の方法及び機能を全体的又は部分的に実行してもよい。
本明細書で使用する、「関連性スコア」という用語は、インスタンスが問い合わせと相関する程度を表す、得られた値を指す。
本明細書で使用する、「データアーキテクチャ」という用語は、概して、編成されたデータコレクションを含む1つ以上のデジタルデータ構造を指す。一部の実施形態では、デジタルデータ構造は、デジタルファイル(例えば、スプレッドシートファイル、テキストファイル、文書処理ファイル、データベースファイル等)として、コンピュータ読み取り可能な媒体上に格納することができる。一部の実施形態では、データベースに格納されたデータ(例えば、インスタンス及び遺伝子発現シグネチャ)にアクセスし、これを編成し、選択するために使用されるデータベース管理システム(DBMS)によって管理することができるデータベースの形態で、データアーキテクチャが提供される。
本明細書で使用する、「遺伝子発現プロファイリング」及び「遺伝子発現プロファイリング実験」という用語は、任意の好適なプロファイリング技術を使用した、生体サンプル中の複数の遺伝子の発現の測定を指す。例えば、多数の遺伝子のmRNA発現は、マイクロアレイ法を用いて測定することができる。使用可能な他の新たな技術としては、NextGen配列決定法を用いるRNA−Seq又は全トランスクリプトームの配列決定が挙げられる。
本明細書で使用する、「マイクロアレイ」という用語は、生体サンプルの遺伝子発現プロファイリングを可能にする基板上の核酸、オリゴヌクレオチド、タンパク質、小分子、大分子、及び/又はこれらの組み合わせのあらゆる順序配列を広く指す。マイクロアレイの非限定的な例は、Affymetrix,Inc.、Agilent Technologies,Inc.、Ilumina,Inc.、GE Healthcare,Inc.、Applied Biosystems,Inc.、Beckman Coulter,Inc.等から入手可能である。
別途記載のないかぎり、本明細書及び特許請求の範囲で使用する成分量、分子量等の性質、反応条件等を表すすべての数字は、すべての場合において、「約」という用語で修正されるものと理解されるべきである。更に、本明細書及び特許請求の範囲中の任意の範囲の開示は、その範囲それ自体及びまたその中に包含されるあらゆるもの、並びに終点も含むと理解されるべきである。すべての数値範囲は、より狭い範囲を含み、線引きした上方及び下方範囲限度は、明確には線引きされていない更なる範囲を創出するように置き換え可能である。別途記載のないかぎり、本明細書及び「特許請求の範囲」に記載の数値的性質は、本発明の実施形態において得ることが求められる所望の性質に応じて変化し得る近似値である。本発明の広い範囲を示している数値範囲及びパラメーターは近似値であるけれども、具体的な実施例に示される数値は、できるかぎり正確に報告されている。しかしながら、あらゆる数値は、それらのそれぞれの測定値に認められる誤差から必然的に生じる特定の誤差を本質的に包含する。
本発明の特定の実施形態の一態様によると、毛髪生物学的状態に関連付けられる1つ以上問い合わせシグネチャを用いて関連性マップを実行する装置、システム、及び方法が提供される。問い合わせシグネチャは、様々な方法で得ることができる。いくつかの実施形態では、問い合わせシグネチャは、対照と比較して、対象となる毛髪の生検サンプルの遺伝子発現プロファイリングから得られる遺伝子発現シグネチャであってもよい。遺伝子発現プロファイリングは、マイクロアレイ解析又はNextGen配列決定を含むがこれらに限定されない、任意の好適な技術を用いて実施することができる。問い合わせシグネチャは、単独で、又は組み合わせて使用されてもよい。
本発明の特定の実施形態の他の態様によると、線維芽細胞(例えば、BJ線維芽細胞)及び/又はケラチノサイト細胞株が曝露される、化粧剤等の撹乱因子から得られる、1つ以上のインスタンスを利用する、関連性マップを実施するための装置、システム、及び方法が提供される。ケラチノサイト及び線維芽細胞の両方と、任意に、メラニン細胞又は、毛包若しくは有毛部皮膚等の培養エクスビボサンプルから得られた細胞等の他の細胞型を含む、器官型培養といった、より複雑な細胞培養系からのインスタンスも使用できる。複数の細胞株からのインスタンスを本発明で使用してもよい。
本発明の特定の実施形態の更に別の態様によると、毛髪生物学関連問い合わせシグネチャと複数のインスタンスとの間の関連性の同定のための装置、システム、及び方法が提供される。例えば、対象となる毛髪状態に関連付けられる統計的に有意な数の遺伝子に統計的に有意な活性を引き起こす撹乱因子を突き止めて、その毛髪状態を治療するための新しい化粧剤又は既知の化粧剤の新しい用途の特定に至ることが可能となり得る。
先に記載した通り、本明細書に記載される追加の特定の実施形態は、それぞれスプレッドシート、文書処理、又はデータベースコンピュータプログラムによる読み取りに好適なスプレッドシートファイル形式、文書処理ファイル形式、又はデータベースファイル形式で記憶されるデジタルファイルを含むデータアーキテクチャを含み、この第1のデジタルファイルは、それぞれスプレッドシート、文書処理、又はデータベースコンピュータプログラムによって読み取られたときに、複数の識別子を含む1つ以上の遺伝子発現シグネチャリストを提供するように配列されたデータを含み、各識別子は、表A〜R及びT〜Uのいずれかに記載される遺伝子を表す、マイクロアレイプローブセットID、ヒト遺伝子名、ヒト遺伝子記号、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、1つ以上の遺伝子発現シグネチャリストのそれぞれは、約50〜約600個の識別子を含む、コンピュータ読み取り可能な媒体を含む。表A〜R及びT〜Uは、本明細書にて以下に示される。
I.システム及び装置
図2、4、及び5を参照して、撹乱因子と、毛髪生物学的状態と、毛髪生物学的状態に関連付けられる遺伝子と間の関係の特定に使用するための本発明の実施形態によるシステム及び装置のいくつかの例をここで説明する。システム10は、コンピュータデバイス12、14、コンピュータデバイス12と関連付けられるコンピュータ読み取り可能な媒体16、及び通信網18のうちの1つ以上を備える。
図2、4、及び5を参照して、撹乱因子と、毛髪生物学的状態と、毛髪生物学的状態に関連付けられる遺伝子と間の関係の特定に使用するための本発明の実施形態によるシステム及び装置のいくつかの例をここで説明する。システム10は、コンピュータデバイス12、14、コンピュータデバイス12と関連付けられるコンピュータ読み取り可能な媒体16、及び通信網18のうちの1つ以上を備える。
ハードディスクドライブとして設けられてもよいコンピュータ読み取り可能な媒体16は、デジタルファイル20と関連付けられるデータ構造に格納された複数のインスタンス22、24、及び26を含むデジタルファイル20、例えばデータベースファイルを含む。複数のインスタンスは、リレーショナルテーブル及びインデックス、又は他の種類のコンピュータ読み取り可能な媒体に格納してもよい。また、インスタンス22、24、及び26は、複数のデジタルファイルにわたって分散されてもよいが、本明細書では簡単にするために単一のデジタルファイル20について説明する。
デジタルファイル20は、文書処理ファイル形式(例えば、Microsoft Word)、スプレッドシートファイル形式(例えば、Microsoft Excel)、及びデータベースファイル形式を含むが、これらに限定されない多様な形式で提供することができる。好適なファイル形式の一般的な一部の例には、*.xls、*.xld、*.xlk、*.xll、*.xlt、*.xlxs、*.dif、*.db、*.dbf、*.accdb、*.mdb、*.mdf、*.cdb、*.fdb、*.csv、*sql、*.xml、*.doc、*.txt、*.rtf、*.log、*.docx、*.ans、*.pages、*.wps等のファイル拡張子に関連付けられるものが含まれるが、これらに限定されない。
図3を参照すると、一部の実施形態では、インスタンス22は、マイクロアレイプローブセットIDの順序付きリストを含んでもよく、このときNの値は、解析に使用するマイクロアレイ上のプローブの総数と等しい。一般的なマイクロアレイとしては、Affymetrix GeneChip及びIllumina BeadChipが挙げられ、これらはどちらもプローブセットとカスタムプローブセットとを備える。本発明による参照遺伝子プロファイルを生成する目的で、好ましいチップは、ヒトゲノムのプロファイリングのために設計されたものである。本発明で有用なAffymetrixチップの例としては、モデルHuman Genome(HG)−U133 Plus 2.0が挙げられる。本治験責任医師らによって採用される特定のAffymetrixチップは、HG−U133A2.0であるが、本発明によるデータアーキテクチャを構築するために使用されるチップのプローブセットが、実質的に同様であるかぎり、商標元にかかわらず、任意のチップ又はマイクロアレイが好適であることが、当業者によって理解されるであろう。
Affymetrix GeneChipを利用したマイクロアレイ解析から得られるインスタンスは、遺伝子プローブセットIDの順序付きリストを含んでもよく、リストは、例えば22,000以上のIDを含む。順序付きリストは、デジタルファイル20のデータ構造に格納してもよく、データは、デジタルファイルがソフトウェアアプリケーション28によって読み取られたときに、プローブセットIDの順序付きリストを表す複数の文字列が再生されるように配列してもよい。それぞれのインスタンスがプローブセットIDの完全なリストを含むことが好ましいが、インスタンスのうちの1つ以上が、マイクロアレイのすべてに満たないプローブセットIDを有してもよいことが意図される。また、インスタンスが、プローブセットIDの順序付きリストに加えて、又はその代わりに、他のデータを含んでもよいことも意図される。例えば、同等の遺伝子名及び/又は遺伝子記号の順序付きリストでプローブセットIDの順序付きリストを代用してもよい。インスタンス及び/又はデジタルファイル20と共に、追加データを格納してもよい。一部の実施形態では、この追加データはメタデータと称され、これは細胞株ID、バッチ番号、暴露期間、及び他の実験によって得られるデータ、並びにインスタンスIDに関連付けられる他の任意の記述的材料をのうちの1つ以上を含んでもよい。また、順序付きリストは、順序付きリスト中のその識別子の序列付けされた位置を表す、それぞれの識別子と関連付けられる数値も含んでよい。
再び図2、3、及び4を参照すると、コンピュータ読み取り可能な媒体16は、その媒体上に格納された第2のデジタルファイル30も含んでよい。第2のデジタルファイル30は、1つ以上の毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャと関連する、マイクロアレイプローブセットIDの1つ以上のリスト32を含む。マイクロアレイプローブセットIDのリスト32は、通常は、第1のデジタルファイル20のインスタンスよりもはるかに小さいプローブセットIDのリストを含む。一部の実施形態では、このリストは、2〜1000個のプローブセットIDを含む。他の実施形態では、このリストは、10個を上回る、50個を上回る、100個を上回る、200個を上回る、若しくは300個を上回る、及び/又は約800個未満、600個未満、若しくは約400個未満のプローブセットIDを含む。第2のデジタルファイル30のプローブセットIDのリスト32は、対象となる毛髪生物学的状態を表すために選択される、上方及び/又は下方制御された遺伝子を表すプローブセットIDのリストを含む。一部の実施形態では、第1のリストは、遺伝子発現シグネチャの上方制御された遺伝子を表してもよく、第2のリストは、遺伝子発現シグネチャの下方制御された遺伝子を表してもよい。リスト(複数可)は、デジタルファイル30のデータ構造に格納してもよく、データは、デジタルファイルがソフトウェアアプリケーション28によって読み取られたときに、プローブセットIDのリストを表す複数の文字列が再生されるように配列してもよい。プローブセットIDの代わりに、同等の遺伝子名及び/又は遺伝子記号(又は別の命名)でプローブセットIDのリストを代用してもよい。遺伝子発現シグネチャ及び/又はデジタルファイル30と共に追加データを格納してもよく、これは一般にメタデータと称され、これは、例えば、細胞株又はサンプル源、及びマイクロアレイID等のいかなる関連情報を含んでもよい。毛髪生物学シグネチャのプローブセットIDのリストの例は、表A(下方制御)及びB上方制御)に記載されている。いくつかの実施形態では、1つ以上の毛髪生物学遺伝子発現シグネチャは、複数のデジタルファイル中に記憶されてもよく、及び/又は複数のコンピュータ読み取り可能な媒体上に記憶されてもよい。他の実施形態では、複数の遺伝子発現シグネチャ(例えば、32、34)は、同じデジタルファイル(例えば、30)に格納してもよく、又はインスタンス22、24、及び26を含む同じデジタルファイル若しくはデータベースに格納してもよい。
前述したように、第1及び第2のデジタルファイルに格納されたデータは、様々なデータ構造及び/又は形式で格納することができる。一部の実施形態では、データは、1つ以上の検索可能なデータベース、例えば無料データベース、商用データベース、又は社内の独自のデータベースに格納される。データベースは、例えば、限定するものではないが、フラットモデル、階層モデル、ネットワークモデル、関係モデル、次元モデル、又はオブジェクト指向モデル等、当該分野において既知のいかなるモデルによって提供又は構造化されてもよい。一部の実施形態では、少なくとも1つの検索可能なデータベースは、社内の独自のデータベースである。システム10のユーザは、データベース管理システムと関連付けられるグラフィカルユーザインターフェースを用いて、そのシステムが操作可能に接続される1つ以上のデータベース又は他のデータ源にアクセスし、そこからデータを引き出すことができる。一部の実施形態では、第1のデジタルファイル20は、第1のデータベースの形態で提供され、第2のデジタルファイル30は、第2のデータベースの形態で提供される。他の実施形態では、第1及び第2のデジタルファイルを組み合わせて、単一ファイルの形式で提供してもよい。
一部の実施形態では、第1のデジタルファイル20は、コンピュータ読み取り可能な媒体38上に格納されたデジタルファイル36から通信網18を通して送信されるデータを含んでもよい。一実施形態では、第1のデジタルファイル20は、細胞株(例えば、線維芽細胞株及び/又はケラチノサイト細胞系)から得られる遺伝子発現データ、またデジタルファイル36からのデータ、例えば、他の細胞株又は細胞型からの遺伝子発現データ、遺伝子発現シグネチャ、撹乱因子情報、臨床治験データ、科学文献、化学データベース、薬学データベース、並びに他のそのようなデータ及びメタデータを含んでもよい。デジタルファイル36は、Sigma−Aldrich LOPACコレクション、Broad Institute C−MAPコレクション、GEOコレクション、及びChemical Abstracts Service(CAS)データベースを含むが、これらに限定されないデータベースの形態で提供してもよい。
また、コンピュータ読み取り可能な媒体16(又は別のコンピュータ読み取り可能な媒体、例えば16)上には、読み取り、書き込み、ないしは別の方法でデジタルファイル20、30の管理、及び/若しくはデジタルファイル20、30へのアクセスのためのコンピュータ読み取り可能な命令又はソフトウェアを含む1つ以上のデジタルファイル28が格納されていてもよい。コンピュータ読み取り可能な媒体16はまた、コンピュータデバイス12に、例えば、デジタルファイル30中に記憶される遺伝子発現シグネチャを、デジタルファイル20中に記憶されるインスタンス22、24、及び26と比較することと関連する工程を含むがこれらに限定されない、本発明の実施形態の方法の1つ以上の工程を実施させる、ソフトウェア又はコンピュータ読み取り可能な及び/又は実行可能な命令を含んでもよい。特定の実施形態では、1つ以上のデジタルファイル28は、デジタルファイル20、28を管理するためのデータベース管理システムの一部を形成してもよい。データベース管理システムの非限定的な例は、米国特許第4,967,341号及び同第5,297,279号に記載されている。本明細書に記載される1つ以上の、又は一部の方法は、コンピュータソフトウェアを用いて、1つ以上のコンピュータ又はコンピュータデバイス12で実施/実行されてよい。
コンピュータ読み取り可能な媒体16は、コンピュータデバイス12の一部をなしてもよく、ないしは別の方法でコンピュータデバイス12に接続されていてもよい。コンピュータデバイス12は、あらゆる汎用又は専用コンピュータ、例えばサーバー、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タワー型コンピュータ、マイクロコンピュータ、ミニコンピュータ、及びメインフレームコンピュータを含むが、これらに限定されない様々な形態で提供することができる。様々なコンピュータデバイスが本発明との使用に好適となり得るが、汎用コンピュータデバイス12を図4に示す。コンピュータデバイス12は、プロセッサ40、システムメモリ42、及びシステムバス44から選択される1つ以上の構成要素を備えてもよい。システムバス44は、システムメモリ42及びプロセッサ40を含むがこれらに限定されない、システム構成要素のインターフェースを提供する。システムバス36は、何種類かのバス構造のいずれであってもよく、これは種々の市販のバスアーキテクチャのうちのいずれかを使用して、メモリバス(場合によりメモリコントローラを備える)、周辺バス、及びローカルバスと更に相互接続していてもよい。ローカルバスの例としては、業界標準アーキテクチャ(ISA)バス、マイクロチャネルアーキテクチャ(MSA)バス、拡張ISA(EISA)バス、周辺構成要素相互接続(PCI)バス、ユニバーサルシリアル(USB)バス、及び小型コンピュータシステムインターフェース(SCSI)バスが挙げられる。プロセッサ40は、あらゆる好適なプロセッサから選択可能であり、これにはデュアルマイクロプロセッサ及び他のマルチプロセッサアーキテクチャを含むが、これらに限定されない。プロセッサは、1つ以上のプログラムアプリケーション又はソフトウェアと関連付けられる1組の格納された命令を実行する。
システムメモリ42は、非揮発性メモリ46(例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EEPROM)等)、及び/又は揮発性メモリ48(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))を含んでもよい。基本入力/出力システム(BIOS)は、非揮発性メモリ38に格納してもよく、またコンピュータデバイス12内の要素間で情報を伝達するのに役立つ基本ルーチンを含んでもよい。また、揮発性メモリ48は、データキャッシングのためのスタティックRAM等の高速RAMを含んでもよい。
コンピュータデバイス12は、ストレージ45を更に含んでもよく、これは例えば、ストレージ用の内蔵ハードディスクドライブ[HDD、例えば、拡張統合ドライブエレクトロニクス(EIDE)、又はシリアルアドバンスドテクノロジーアタッチメント(SATA)]を含んでもよい。コンピュータデバイス12は更に、光ディスクドライブ47(例えば、CD−ROM又はDVD−ROM49を読むための)を含んでもよい。ドライブ及び関連するコンピュータ読み取り可能な媒体は、データの非揮発性ストレージ、本発明のデータ構造及びデータアーキテクチャ、コンピュータ実行可能な命令等を提供する。コンピュータデバイス12において、装置及び媒体は、好適なデジタル形式で任意のデータのストレージを収容する。コンピュータ読み取り可能な媒体についての上記の説明は、HDD及び光学式媒体、例えばCD−ROM又はDVD−ROMに関するが、当業者は、コンピュータにより読み取り可能な他の種類の媒体、例えばジップディスク、磁気カセット、ラッシュメモリカード、カートリッジ等を使用してもよく、また更に、そのようないかなる媒体も本発明の方法を実施するためのコンピュータ実行可能な命令を含んでもよいことを理解すべきである。
本明細書に記載の機能及び/又は方法を全体的若しくは部分的に実行するオペレーティングシステム及び1つ以上のソフトウェアアプリケーションを含む複数のソフトウェアアプリケーションを、ドライブ44及び揮発性メモリ48上に格納してもよい。各実施形態が、様々な市販のオペレーティングシステム又はオペレーティングシステムの組み合わせを用いて実行できることを理解すべきである。中央演算処理装置40は、揮発性メモリ48内のソフトウェアアプリケーションと共に、本明細書に記載の機能を実行するように構成又は適合されたコンピュータデバイス12の制御システムとしての機能を果たしてもよい。
ユーザは、1つ以上の有線若しくは無線入力装置50、例えば、キーボード、ポインティングデバイス、例えばマウス(図示せず)、又はタッチスクリーンを介してコンピュータデバイス12にコマンド及び情報を入力することができる。これら及び他の入力デバイスは、しばしば、システムバス44に連結される入力デバイスインターフェース52を介して、中央演算処理装置40に接続されるが、パラレルポート、IEEE 1394シリアルポート、ゲームポート、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、IRインターフェース等の他のインターフェースによって接続されてもよい。コンピュータデバイス12は、別個又は内蔵の表示デバイス54を駆動してもよく、それもまた、ビデオポート56等のインターフェースを介してシステムバス44に接続されてもよい。
コンピュータデバイス12、14は、有線及び/又は無線ネットワーク通信インターフェース58を用いて、ネットワーク化された環境でネットワーク18を通して動作してもよい。ネットワークインターフェースポート58は、有線及び/又は無線通信を容易にすることができる。ネットワークインターフェースポートは、ネットワークインターフェースカード、ネットワークインターフェースコントローラ(NIC)、ネットワークアダプタ、又はLANアダプタの一部であってもよい。通信網18は、インターネット等の広域ネットワーク(WAN)、又はローカルエリアネットワーク(LAN)であってもよい。通信網18は、光ファイバーネットワーク、ツイストペアネットワーク、Tl/Elラインベースネットワーク若しくはT−キャリア/Eキャリアプロトコルの他のリンク、又は無線ローカルエリア若しくは広域ネットワーク(ウルトラモバイルバンド(UMB)、ロングタームエボリューション(LTE)等の複数のプロトコルを介して作動する)を含んでよい。更に、通信網18は、トランシーバ、変調/復調のための関連電子装置、並びにパケット交換通信の場合等のバックホール通信用のバックボーンネットワークに接続するためのスイッチ及びポートを含む、無線通信用の基地局を含んでもよい。
II.複数のインスタンスを作成するための方法
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、複数の遺伝子発現プロファイリング実験から得られるデータを含む、複数のインスタンス(例えば、22、24、26)を、少なくとも第1のデジタルファイル20に追加する工程を含んでもよく、実験のうちの1つ以上は、真皮線維芽細胞及び/又はケラチノサイト細胞(又はその他毛髪関連細胞型)を、少なくとも1つの撹乱因子に曝露する工程を含む。説明を簡単にするために、下記で説明する遺伝子発現プロファイリングは、マイクロアレイ実験の状況とする。
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、複数の遺伝子発現プロファイリング実験から得られるデータを含む、複数のインスタンス(例えば、22、24、26)を、少なくとも第1のデジタルファイル20に追加する工程を含んでもよく、実験のうちの1つ以上は、真皮線維芽細胞及び/又はケラチノサイト細胞(又はその他毛髪関連細胞型)を、少なくとも1つの撹乱因子に曝露する工程を含む。説明を簡単にするために、下記で説明する遺伝子発現プロファイリングは、マイクロアレイ実験の状況とする。
図5を参照すると、本発明の方法の一実施形態が図示されている。方法58は、線維芽細胞60及び/又はケラチノサイト細胞62を、撹乱因子64に曝露する工程を含む。撹乱因子は、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の担体に溶解してもよい。曝露後、mRNAは、撹乱因子に曝露された細胞、及び担体のみに曝露された参照細胞66(例えば、線維芽細胞又はケラチノサイト細胞)から抽出される。mRNA 68、70、72をcDNA 74、76、78に逆転写して、二色マイクロアレイ解析を実施する場合は、異なる蛍光染料(例えば、赤色及び緑色)で標識してもよい。あるいは、サンプルは、実施例1に記載されるような単色マイクロアレイ解析に対して準備されてもよく、更に、複数の複製が所望に応じて処理されてもよい。cDNAサンプルを、複数のプローブ82を含むマイクロアレイ80に同時にハイブリダイズさせてもよい。マイクロアレイは、多数のプローブ82を含んでもよい。一部の実施形態では、マイクロアレイ80上に10,000〜50,000個の遺伝子プローブ82が存在する。マイクロアレイをスキャナ84でスキャンし、これにより染料を励起し、蛍光量を測定する。コンピュータデバイス86を使用して原画像を解析し、参照細胞66に対する、細胞60、62における遺伝子の発現レベルを決定する。スキャナ84は、コンピュータデバイス86の機能を組み込んでもよい。発現レベルは、i)上方制御[例えば、参照物質(例えば、cDNA 78)よりも、試験物質(例えば、cDNA 74、76)のプローブへのより大きい結合]、又はii)下方制御[例えば、試験物質(例えば、cDNA 74、76)よりも、参照物質(例えば、cDNA 78)のプローブへのより大きい結合]、iii)発現するが、差次的ではない[例えば、試験物質(例えば、cDNA 74、76)と比べて、参照物質(例えば、cDNA 78)のプローブへの結合が同様]、及びiv)検出可能な信号又はノイズがない、を含む。上方及び下方制御された遺伝子は、差次的に発現したと表現される。マイクロアレイ及びマイクロアレイ解析法は当該技術分野において周知であり、他のマイクロアレイ法を本発明の方法、装置、及びシステムと共に使用してもよいことが意図される。例えば、任意の好適な商業用又は非商業用のマイクロアレイ技術及び関連技法を使用してもよい。Affymetrix GeneChip(登録商標)技術及びIllumina BeadChip(商標)技術で良好な結果が得られている。1つの例示的な技術は、実施例1に記載される。しかしながら、当業者は、本発明が実施例の方法論に限定されず、他の方法及び技法も本発明の範囲に含まれると意図されることを理解するであろう。
極めて具体的な実施形態では、インスタンスは、Affymetrix HG−U133A2.0 GeneChip上のすべてのプローブセットの序列付けされたデータからなり、このときチップ上のそれぞれのプローブは、固有のプローブセット識別子を有する。プローブセットは、同じCマップバッチのコントロールに対する倍率変化によって序列付けされる(単一インスタンス/コントロールの平均)。プローブセット識別子は、最も上方制御されたものから最も下方制御されたものまでを反映するように序列付けされる。
注目すべきことに、非差次的に制御された遺伝子の場合にも、特定のプローブセットのシグナル値は、インスタンスとコントロールで同一である可能性は低く、包括的な序列付けに使用可能な、1とは異なる倍率変化が算出される。Lambら(2006)によって開示される方法に従って、データは、疑似の大きい倍数変化を引き起こし得る、非常に低いノイズ信号値を有し得る、遺伝子の効果を最小限に抑えるために、2つの閾値を使用して調整される。この閾値化は、好ましくは、序列付けの前に実施する。説明のための例としては、第1の閾値が20に設定される過程が挙げられる。プローブセットのシグナルが20未満の場合、これは20に補正される。序列の同位は第2の閾値を用いて分割するが、このとき倍率変化が再び算出され、2未満のあらゆる値は2に設定される。残りのあらゆる同位については、順序は、使用する特定の並べ替えアルゴリズムに依存するが、本質的にはランダムである。リストの中央のプローブセットは、実際の関連性スコアに有意義には寄与していない。
序列付けされたデータは、インスタンスとして格納される。プローブは、検出された遺伝子発現制御のレベルによって並べ替えてリストにしてもよく、このリストは、上方制御から、わずかな制御又は制御なし、そして下方制御へと進み、このプローブIDの序列付きリストは、インスタンス(例えば、22)として第1のデジタルファイル20に格納される。図3を参照すると、インスタンスと関連付けられるデータは、プローブID 80と、そのリスト中の序列を表す値82(例えば、1、2、3、4...Nであり、Nは、マイクロアレイ上のプローブの総数を表す)とを含む。順序付きリスト84は、一般に、プローブIDのおよそ3つのグループである、上方制御された遺伝子に関連付けられるプローブIDの第1のグループ86、わずかな制御を含むか、又は検出可能なシグナル若しくはノイズを含まない遺伝子に関連付けられるプローブIDの第2のグループ88、及び下方制御された遺伝子に関連付けられるプローブIDの第3のグループ90を含んでもよい。最も上方制御された遺伝子は、リスト84の最上部又はその付近にあり、最も下方制御された遺伝子は、リスト84の最下部又はその付近にある。これらのグループは説明のために示すが、それぞれのインスタンスのリストは連続的であってもよく、制御された遺伝子の数は、そのインスタンスに関連付けられる撹乱因子の影響の強さに依存することになる。リスト84内の他の配列も提供することができる。例えば、下方制御された遺伝子に関連付けられるプローブIDをリスト84の最上部に配列してもよい。このインスタンスデータは、メタデータ、例えば撹乱因子ID、撹乱因子濃度、細胞株又はサンプル源、及びマイクロアレイIDを更に含んでもよい。
一部の実施形態では、1つ以上のインスタンスは、少なくとも約1,000個、2,500個、5,000個、10,000個、若しくは20,000個の識別子、及び/又は約30,000個、25,000個、若しくは20,000個未満の識別子を含む。一部の実施形態では、データベースは、少なくとも約50個、100個、250個、500個、若しくは1,000個のインスタンス、及び/又は約50,000個、20,000個、15,000個、10,000個、7,500個、5,000個、若しくは2,500個未満のインスタンスを含む。インスタンスの複製を作成することができ、同一の撹乱因子を用いて、第1のインスタンスを線維芽細胞から、第2のインスタンスをケラチノサイト細胞から、第3のインスタンスを別の毛髪関連細胞型から得ることができる。
III.毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャを誘導するための方法
本発明のいくつかの方法は、対象となる毛髪生物学的状態と関連する上方制御及び下方制御された遺伝子を表す、遺伝子発現シグネチャを同定する工程を含む。毛髪生物学的状態は、典型的には、多くの既知及び未知の外因性及び内因性要因を伴う複雑なプロセス、並びに比較的短い期間ではわずかであるが、より長い期間ではわずかではない、かかる要因への応答を伴う。これは、薬物スクリーニング法において典型的に観察されるものと対照的であり、特異的な標的、遺伝子、又は作用機構が対象となる。毛髪生物学的状態と関連する独特のスクリーニング課題によって、対象となる状態を表す遺伝子発現シグネチャの質は、実際に撹乱因子への反応と関連する遺伝子発現データと、バックグラウンド発現データとの間の区別に重要であり得る。毛髪生物学的関連遺伝子発現シグネチャの開発における一課題は、選択される遺伝子の数が、主要かつ重要な生態を反映するために正確であるが、偶然によって統計的有意性レベルに達した多くの遺伝子を含むようにあまり大きくはなく、かつ無情報である必要があることである。したがって、問い合わせシグネチャは、予測値が遺伝子発現シグネチャの質に依存し得ることから、慎重に得るべきである。
本発明のいくつかの方法は、対象となる毛髪生物学的状態と関連する上方制御及び下方制御された遺伝子を表す、遺伝子発現シグネチャを同定する工程を含む。毛髪生物学的状態は、典型的には、多くの既知及び未知の外因性及び内因性要因を伴う複雑なプロセス、並びに比較的短い期間ではわずかであるが、より長い期間ではわずかではない、かかる要因への応答を伴う。これは、薬物スクリーニング法において典型的に観察されるものと対照的であり、特異的な標的、遺伝子、又は作用機構が対象となる。毛髪生物学的状態と関連する独特のスクリーニング課題によって、対象となる状態を表す遺伝子発現シグネチャの質は、実際に撹乱因子への反応と関連する遺伝子発現データと、バックグラウンド発現データとの間の区別に重要であり得る。毛髪生物学的関連遺伝子発現シグネチャの開発における一課題は、選択される遺伝子の数が、主要かつ重要な生態を反映するために正確であるが、偶然によって統計的有意性レベルに達した多くの遺伝子を含むようにあまり大きくはなく、かつ無情報である必要があることである。したがって、問い合わせシグネチャは、予測値が遺伝子発現シグネチャの質に依存し得ることから、慎重に得るべきである。
問い合わせシグネチャの質に影響を与える可能性がある1つの因子は、シグネチャに含まれる遺伝子の数である。本発明者らは、美容上のデータアーキテクチャ及び関連性マップに関して、少なすぎる遺伝子は、最も高いスコアのインスタンスに関して不安定なシグネチャをもたらし得ることを発見した。換言すれば、遺伝子発現シグネチャの小さい変化は、最高スコアインスタンスにおいて有意な差をもたらし得る。反対に、多すぎる遺伝子は、主要な生物学的応答を部分的に隠す傾向がある可能性があり、より高い割合の偶然により統計的カットオフを満たす遺伝子を含み、それによりシグネチャに望ましくないノイズを付加することになる。本発明者らは、遺伝子発現シグネチャにおいて望ましい遺伝子の数が、状態に関連付けられる生物学的応答の強度と、統計的有意性のための最小値(例えば、p値約0.05未満)を満たすために必要な遺伝子の数との関数でもあることを発見した。典型的には美容状態の表現型に関する場合のように、バイオロジーが弱い場合、先行技術における統計的含有要件を満たし得る数よりも少ない遺伝子を用いて、ノイズの多い遺伝子の付加を回避することができる。
遺伝子発現シグネチャは、対象毛髪生物学的状態に関連付けられるすべての顕著に制御された遺伝子を表すことができ、これは通常、そのような遺伝子のサブセットを表す。本発明者らは、約50〜200のおよそ同数の上方制御及び/又は下方制御された遺伝子を含む毛髪生物学的遺伝子発現シグネチャが、安定であり、信頼性が高く、かつ、予測結果をもたらし得ることを発見している(本明細書では1〜800が考えられるが、好適な遺伝子発現シグネチャは、約1〜250の遺伝子、250〜300の遺伝子、300〜350の遺伝子、350〜400の遺伝子、400〜450の遺伝子、450〜500の遺伝子、500〜550の遺伝子、550〜600の遺伝子、600〜650の遺伝子、650〜700の遺伝子、700〜750の遺伝子、及び750〜800の遺伝子を有してよい)。しかしながら、当業者は、より少ない又はより多い遺伝子を含む遺伝子発現シグネチャも本発明の種々の実施形態の範囲に含まれることを理解するであろう。遺伝子発現シグネチャを描写する目的で、遺伝子と関連するプローブセットIDは、好ましくは、最も上方制御された遺伝子を含む第1のリスト、及び最も下方制御された遺伝子を含む第2のリストに分割される。
IV.複数のインスタンスを、1つ以上の(One or)毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャと比較するための方法
図6及び図7を参照すると、1つ以上の毛髪生物学関連遺伝子シグネチャを用いて複数のインスタンスにクエリを行うための方法がここに記載される。概して、本方法は、1つ以上の毛髪生物学関連遺伝子シグネチャを用いて複数のインスタンスにクエリを行う工程と、シグネチャ遺伝子がインスタンス中の制御された遺伝子とどれほど強く一致するかを決定するために、統計的方法を適用する工程とを含む。正の関連は、インスタンス中の上方制御された遺伝子の中で、上方制御されたシグネチャリスト中の遺伝子が濃縮されている場合、及びインスタンス中の下方制御された遺伝子の中で、下方制御されたシグネチャリスト中の遺伝子が濃縮されている場合に存在する。一方、インスタンスの下方制御された遺伝子の中にシグネチャの上方制御された遺伝子が主に認められる場合、及びその逆の場合には、これは負の関連としてスコアされる。図6は、シグネチャ90と、プローブID 102を含むインスタンス104との正の関連の極端な例を概略的に図示しており、このときインスタンスのプローブIDは、最も上方制御されたものから最も下方制御されたものへと順序付けられる。この例では、上方リスト97及び下方リスト99を含む遺伝子シグネチャ90のプローブID 100(例えば、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8)は、インスタンス104の最も上方制御及び下方制御されたプローブID 102とそれぞれ一対一の正の対応を有する。同様に、図7は、シグネチャ94と、プローブID 92を含むインスタンス88との間の負の関連性の極端な例を概略的に示し、インスタンスのプローブIDは、最も上方制御されたものから最も下方制御されたものへと順序付けられる。この例では、上方リスト93(例えば、X1、X2、X3、X4)のプローブIDは、インスタンス88の最も下方制御された遺伝子と正確に一致し、下方リスト95(例えば、X5、X6、X7、X8)のプローブIDは、インスタンス88の最も上方制御されたプローブIDに正確に一致する。図8は、中立的関連性の極端な例を概略的に示し、インスタンスの上方及び下方制御された遺伝子の間に、シグネチャの上方及び下方制御された遺伝子の一貫した強化が、正又は負のいずれにおいても存在しない。したがって、遺伝子シグネチャ106(上方リスト107及び下方リスト109を含む)のプローブID 106(例えば、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8)は、インスタンス112のプローブID 102を有するランクに対して分散され、インスタンスのプローブIDは、最も上方制御されたものから下方制御されたものへと順序付けられる。上記の実施形態が、遺伝子シグネチャが、毛髪生物学的状態の最も有意に上方及び下方制御された遺伝子を代表する、上方リスト及び下方リストの両方を含む、プロセスを示す一方で、遺伝子シグネチャ、対象となる状態と関連する主要な生態が、主に一方向への遺伝子制御を示す時に、上方リスト又は下方リストのみを含んでもよいことが考えらえる。
図6及び図7を参照すると、1つ以上の毛髪生物学関連遺伝子シグネチャを用いて複数のインスタンスにクエリを行うための方法がここに記載される。概して、本方法は、1つ以上の毛髪生物学関連遺伝子シグネチャを用いて複数のインスタンスにクエリを行う工程と、シグネチャ遺伝子がインスタンス中の制御された遺伝子とどれほど強く一致するかを決定するために、統計的方法を適用する工程とを含む。正の関連は、インスタンス中の上方制御された遺伝子の中で、上方制御されたシグネチャリスト中の遺伝子が濃縮されている場合、及びインスタンス中の下方制御された遺伝子の中で、下方制御されたシグネチャリスト中の遺伝子が濃縮されている場合に存在する。一方、インスタンスの下方制御された遺伝子の中にシグネチャの上方制御された遺伝子が主に認められる場合、及びその逆の場合には、これは負の関連としてスコアされる。図6は、シグネチャ90と、プローブID 102を含むインスタンス104との正の関連の極端な例を概略的に図示しており、このときインスタンスのプローブIDは、最も上方制御されたものから最も下方制御されたものへと順序付けられる。この例では、上方リスト97及び下方リスト99を含む遺伝子シグネチャ90のプローブID 100(例えば、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8)は、インスタンス104の最も上方制御及び下方制御されたプローブID 102とそれぞれ一対一の正の対応を有する。同様に、図7は、シグネチャ94と、プローブID 92を含むインスタンス88との間の負の関連性の極端な例を概略的に示し、インスタンスのプローブIDは、最も上方制御されたものから最も下方制御されたものへと順序付けられる。この例では、上方リスト93(例えば、X1、X2、X3、X4)のプローブIDは、インスタンス88の最も下方制御された遺伝子と正確に一致し、下方リスト95(例えば、X5、X6、X7、X8)のプローブIDは、インスタンス88の最も上方制御されたプローブIDに正確に一致する。図8は、中立的関連性の極端な例を概略的に示し、インスタンスの上方及び下方制御された遺伝子の間に、シグネチャの上方及び下方制御された遺伝子の一貫した強化が、正又は負のいずれにおいても存在しない。したがって、遺伝子シグネチャ106(上方リスト107及び下方リスト109を含む)のプローブID 106(例えば、X1、X2、X3、X4、X5、X6、X7、X8)は、インスタンス112のプローブID 102を有するランクに対して分散され、インスタンスのプローブIDは、最も上方制御されたものから下方制御されたものへと順序付けられる。上記の実施形態が、遺伝子シグネチャが、毛髪生物学的状態の最も有意に上方及び下方制御された遺伝子を代表する、上方リスト及び下方リストの両方を含む、プロセスを示す一方で、遺伝子シグネチャ、対象となる状態と関連する主要な生態が、主に一方向への遺伝子制御を示す時に、上方リスト又は下方リストのみを含んでもよいことが考えらえる。
一部の実施形態では、関連性スコアは、上方スコアと下方スコアとの組み合わせであってもよく、上方スコアは、遺伝子シグネチャの上方制御された遺伝子とインスタンスの上方制御された遺伝子との間の相関を表し、下方スコアは、遺伝子シグネチャの下方制御された遺伝子とインスタンスの下方制御された遺伝子との間の相関を表す。上方スコア及び下方スコアは、+1〜−1の値を有してもよい。上方スコア(及び下方スコア)について、高い正の値は、インスタンスの対応する撹乱因子が、遺伝子シグネチャの上方制御された(又は下方制御された)遺伝子のマイクロアレイプローブの発現を誘発したことを示唆し、高い負の値は、インスタンスに関連付けられる対応する撹乱因子が、遺伝子シグネチャの上方制御された(又は下方制御された)遺伝子のマイクロアレイプローブの発現を抑制したことを示唆する。上方スコアは、上方制御された遺伝子を含む遺伝子シグネチャの上方リストと順序付けされたインスタンスリストとのそれぞれの識別子を比較することによって算出することができ、一方で下方スコアは、下方制御された遺伝子を含む遺伝子シグネチャの下方リストと順序付けされたインスタンスリストとのそれぞれの識別子を比較することによって算出することができる。これらの実施形態では、遺伝子シグネチャは、上方リストと下方リストとの組み合わせを含む。
一部の実施形態では、関連性スコアの値は、+2(最大の正の関連)〜−2(最大の負の関連)の範囲であってよく、このとき関連性スコア(例えば、101、103、及び105)は、遺伝子シグネチャのそれぞれの識別子を順序付けされたインスタンスリストの識別子と比較することによって得られる、上方スコア(例えば、111、113、115)と下方スコア(例えば、117、119、121)との組み合わせである。他の実施形態では、関連の範囲は、+1〜−1であってよい。スコアの例は、図6、7、及び8に、参照番号101、103、105、111、113、115、117、119、及び121として図示する。上方スコア及び下方スコア、並びに/又は関連性スコアによって表されるシグネチャとインスタンスとの間の一致の強さは、当該技術分野において既知の1つ以上の手法によって得ることができ、これにはパラメトリック手法及び非パラメトリック手法が含まれるが、これらに限定されない。パラメトリック手法の例としては、ピアソンの相関(又はピアソンr)及びコサイン相関が挙げられる。非パラメトリック手法の例としては、スピアマンの順位(又は順序)相関、ケンドールのタウ相関、及びガンマ統計が挙げられる。概して、すべてのプロファイルが同一のマイクロアレイプラットフォーム上で生成される必要条件を排除するために、ノンパラメトリック、ランクベースパターン一致戦略は、コルモゴロフ・スミルノフ統計(M.Hollander et al.「Nonparametric Statistical Methods」;Wiley,New York,ed.2,1999を参照)(例えば、pp.178〜185を参照)に基づく。しかしながら、すべての発現プロファイルが単一の技術プラットフォームから得られる場合、従来の相関手段、例えばピアソンの相関係数を用いて、同様の結果を得ることができることに留意されたい。
特定の実施形態では、本発明の方法及びシステムは、Lambのグループにより遺伝子プロファイリングデータ用に改良された、当該技術分野において遺伝子セット濃縮解析(GSEA)として一般に知られている、コルモゴルフ・スミルノフの統計に基づく非パラメトリックの序列に基づくパターンマッチング法を採用する(例えば、Lambら(2006)及びSubramanian,A.ら、(2005)Proc.Natl.Acad Sci U.S.A,102,15545〜15550を参照)。それぞれのインスタンスについて、下方スコアは、問い合わせとインスタンスとの下方制御された遺伝子間の一致を反映するように算出され、上方スコアは、問い合わせとインスタンスとの上方制御された遺伝子間の相関を反映するように算出される。特定の実施形態では、下方スコア及び上方スコアはそれぞれ、−1〜+1の範囲であってよい。この組み合わせは、問い合わせシグネチャとインスタンスとの間の全体的一致の強さを表す。
上方スコアと下方スコアとの組み合わせは、それぞれのインスタンスについての全体的関連性スコアを算出するために使用され、上方及び下方スコアの範囲が−1〜+1に設定される実施形態では、関連性スコアは−2〜+2の範囲であり、問い合わせシグネチャとインスタンスとの間の一致の強さを表す。全体的スコアの符号は、インスタンスがシグネチャに対して正に関連するか、負に関連するかによって決定される。正の関連は、インスタンスに関連付けられる撹乱因子が、シグネチャの上方リスト中の遺伝子を上方制御し、下方リスト中の遺伝子を下方制御する傾向にあるときに存在する。反対に、負の関連性は、撹乱因子が、上方及び下方のシグネチャ遺伝子発現の変化を逆にする傾向がある時に生じる。関連性スコアの規模は、上方及び下方スコアが異なるサインを有する時の、上方及び下方スコアの絶対値の合計である。高い正の関連性スコアは、撹乱因子が、問い合わせシグネチャを生成するために使用した状態を誘発する傾向を有することになると予測し、高い負の関連性スコアは、撹乱因子が、問い合わせシグネチャに関連付けられる状態を逆転させるであろうことを予測する。ゼロのスコアは、上方及び下方スコアが同じ符号を有する場合に割り当てられ、これは撹乱因子が状態シグネチャに対して一貫した影響を有さなかった(例えば、上方及び下方リストの双方を上方制御する)ことを示唆する。
Lambら(2006)によると、観察される関連性の統計的有意性を評価するための基準は存在しない。Lambは、関連性を検出する能力は、多くの複製を有する化合物の場合により高くなり得ることを教示している。これに関して、複製するとは、同じ撹乱因子を複数回プロファイルすることを意味する。バッチごとの変動を避けなければならない場合、撹乱因子をそれぞれのバッチで複数回プロファイルするべきである。しかしながら、マイクロアレイ実験が強いバッチ影響を有する傾向がある場合、異なるバッチ(つまり、実験)でインスタンスを複製して、関連性スコアが有意義かつ再現可能であるという最高の信頼度を得ることが望ましい。
それぞれのインスタンスを問い合わせシグネチャに対するその関連性スコアによって序列付けし、データの可視化を可能にする任意の好適なソフトウェア及びコンピュータハードウェアを用いて、得られた序列付きリストをユーザに表示してもよい。
一部の実施形態では、本発明の方法は、インビトロアッセイ及び/又はインビボ試験を用いて、選択された化粧剤候補を試験して、その化粧剤の活性及び化粧剤としての有用性を検証する工程を更に含んでもよい。当該技術分野において既知のもの、最も好ましくは、所望のインビボ結果への構築された関係を有するインビトロモデルを含む、任意の好適なインビトロ検査方法が使用され得る。
V.ヘア/頭皮ケア組成物向け化粧組成物及びパーソナルケア製品
本発明の方法、装置、及びシステムによって同定される化粧剤は、毛髪及びその周囲の皮膚に局所適用する様々な化粧組成物中に混合されてよい。化粧組成物は、シャンプー、コンディショナー、ジェル、セラム、マスク、クリーム、トニック、スプレー、ゼリー、溶液、オイル、集中トリートメント、流体、サプリメント、ムース、ローション、エマルション、コロイド、溶液、懸濁液、軟膏、ミルク、スプレー、カプセル、錠剤、液体、スティック、固体、粉末、コンパクト、ペンシル、スプレー式配合物、ブラシ用配合物、クロス、及びワイプを非限定的に含む、様々な形態で提供されてよい。局所適用組成物及び製品の非限定例として、シャンプー、コンディショナー、リーブオン製品、スプレー、スタイリングジェル、セラム、トニック、クリーム、毛髪染料、ムース、保湿剤、石鹸、剥離剤、収斂剤、脱毛剤、シェービング製品、プレシェービング製品、及びアフターシェービング製品、保湿剤、洗浄剤、及びリンスを挙げてよい。化粧組成物及びパーソナルケア製品は、不健康な毛髪症状の外観を治療又は改善、例えば、(i)毛包の活力の改善、(ii)毛髪量の改善、すなわち、毛髪の成長及び再生の増強、(iii)毛髪線維の質の改善、例えば、毛髪径の増加、毛髪の光沢の増強、薄化の復活、傷みやすい毛髪を太く、強く、健康的、かつ美しくすること、(iv)老化及びストレスに関係する白髪化プロセスの遅延、及び(v)痒み、過敏、及び油状蓄積物を低減させるための頭皮状態の改善、が可能であることが意図される。
本発明の方法、装置、及びシステムによって同定される化粧剤は、毛髪及びその周囲の皮膚に局所適用する様々な化粧組成物中に混合されてよい。化粧組成物は、シャンプー、コンディショナー、ジェル、セラム、マスク、クリーム、トニック、スプレー、ゼリー、溶液、オイル、集中トリートメント、流体、サプリメント、ムース、ローション、エマルション、コロイド、溶液、懸濁液、軟膏、ミルク、スプレー、カプセル、錠剤、液体、スティック、固体、粉末、コンパクト、ペンシル、スプレー式配合物、ブラシ用配合物、クロス、及びワイプを非限定的に含む、様々な形態で提供されてよい。局所適用組成物及び製品の非限定例として、シャンプー、コンディショナー、リーブオン製品、スプレー、スタイリングジェル、セラム、トニック、クリーム、毛髪染料、ムース、保湿剤、石鹸、剥離剤、収斂剤、脱毛剤、シェービング製品、プレシェービング製品、及びアフターシェービング製品、保湿剤、洗浄剤、及びリンスを挙げてよい。化粧組成物及びパーソナルケア製品は、不健康な毛髪症状の外観を治療又は改善、例えば、(i)毛包の活力の改善、(ii)毛髪量の改善、すなわち、毛髪の成長及び再生の増強、(iii)毛髪線維の質の改善、例えば、毛髪径の増加、毛髪の光沢の増強、薄化の復活、傷みやすい毛髪を太く、強く、健康的、かつ美しくすること、(iv)老化及びストレスに関係する白髪化プロセスの遅延、及び(v)痒み、過敏、及び油状蓄積物を低減させるための頭皮状態の改善、が可能であることが意図される。
化粧剤は、当該技術分野において既知であるような皮膚科学的に許容可能な担体と混合されてよい。本明細書で使用するとき、「皮膚科学的に許容可能な担体」という語句は、担体が毛髪及び皮膚組織への局所塗布に好適であり、良好な審美特性を有し、組成物中の活性物質と適合性があり、安全性又は毒性についていかなる不当な問題も起こさないことを意味する。一実施形態において、基剤は、組成物の約50重量%〜約99重量%、約60重量%〜約98重量%、約70重量%〜約98重量%、又は代替的に約80重量%〜約95重量%の濃度で存在する。
基剤は多様な形態であり得る。非限定例には、単純な溶液(例えば、水性、有機溶媒又は油ベースの)、乳濁液、及び固体形態(例えば、ゲル、スティック、流動性固体、又は無定形材料)が挙げられる。特定の実施形態において、皮膚科学的に許容可能な担体は、エマルションの形状である。エマルションは、一般に、連続水相(例えば水中油型及び水中油中水型)、又は連続油相(例えば油中水型及び油中水中油型)を有するものとして分類され得る。本発明の油相は、シリコーン油、非シリコーン油、例えば炭化水素油、エステル、エーテル等、及びこれらの混合物を含んでいてもよい。
水相は典型的に、水を含む。しかしながら、別の態様では、水相は、水溶性保湿剤、コンディショニング剤、抗菌剤、湿潤剤、及び/又は他の水溶性ヘア/頭皮ケア活性物質が挙げられるが、これらに限定されない水以外の構成成分を含み得る。一実施形態では、組成物の非水構成成分は、グリセリン及び/又は他のポリオール等の湿潤剤を含む。しかしながら、組成物は、実質的に(即ち、1%未満の水)又は完全に無水であってもよいことを理解するべきである。
所望の製品形態を得るために、好適なキャリアが選択される。一実施形態では、水中油又は油中水型の乳濁液が好ましい。エマルションは、更に乳化剤を含んでいてもよい。組成物は、基剤を十分乳化するためにいずれかの好適な割合(%)の乳化剤を含んでいてもよい。好適な重量範囲は、組成物の重量に基づいて約0.1重量%〜約10重量%又は0.2重量%〜約5重量%の乳化剤を含む。乳化剤は、非イオン性、アニオン性、又はカチオン性であってよい。好適な乳化剤は、例えば、米国特許第3,755,560号、同第4,421,769号、及びMcCutcheon’s Detergents and Emulsifiers,North American Edition,pages 317〜324(1986)に開示されている。好適なエマルションは、所望される製品形態に基づき多様な粘度を有していてもよい。当該技術分野において周知であるとおり基剤に増粘剤を更に含有させて、好適な粘度及びレオロジー的特性を有する組成物を提供してもよい。
本発明の組成物は、抗挫創活性物質、落屑活性物質、抗セルライト剤、キレート剤、フラボノイド、日焼け活性物質、非ビタミン酸化防止剤及びラジカルスカベンジャー、育毛調整剤、しわ防止活性物質、抗皮膚萎縮防止活性物質、鉱物、フィトステロール及び/又は植物ホルモン、N−アシルアミノ酸化合物、抗菌活性物質又は抗真菌活性物質、並びに他の有用なヘア/頭皮ケア活性物質等の任意構成成分を含有してもよく、これらは、米国特許出願公開第2006/0275237(A1)号及び同第2004/0175347(A1)号に更に詳細に記載されている。その他任意成分の例としては、研磨材、吸収剤、芳香剤等の美容構成成分、色素、顔料/着色剤、精油、アンチケーキング剤、消泡剤、抗菌剤、結合剤、生物学的添加剤、緩衝剤、充填剤、キレート化剤、化学的添加剤、着色剤、美容収斂剤、美容殺生物剤、変性剤、薬物収斂剤、皮膚軟化剤、外用鎮痛剤、フィルム形成剤又は材料、乳白剤、pH調整剤、保存料、噴霧剤、還元剤、捕捉剤、毛髪/頭皮冷却剤、毛髪/頭皮保護剤、増粘剤粘度調節剤、ビタミン及びそれらの組み合わせが挙げられる。
本発明のヘア/頭皮ケア組成物は一般に、局所適用組成物製造の分野において既知であるような従来の方法によって調製される。このような方法は、通常、加熱、冷却、真空の適用等を用いて又は用いずに、成分を1つ以上の工程で混合して比較的均一な状態にするものである。一般に、乳濁液は、最初に水相物質を脂肪相物質とは別個に混合し、その後2相を適宜組み合わせて、所望の連続層を得ることにより調製される。組成物は、好ましくは、安定性(物理的安定性、化学的安定性、光安定性)、及び/又は活性物質の送達を最適化するように調製される。この最適化には、適切なpH(例えば7未満)、活性剤と錯体になり、ひいては安定性又は送達にマイナスの影響を与え得る物質の排除(例えば汚染鉄の排除)、錯体形成を防止する手法(例えば適切な分散剤又は二重区画包装)の使用、適切な光安定性の手法(例えば日焼け止め剤/日焼け防止剤の組み込み、不透明包装の使用)の使用等を挙げることができる。
処置、適用、調節又は改善の種々方法において、上記ヘア/頭皮ケア組成物を利用してもよい。組成物を、毛髪繊維の根元、又は頭皮表面に塗布してよい。組成物を、毛髪又は頭皮表面に塗布し、抜け毛、毛髪色素の消失、及び毛髪損傷のうち1つ以上の兆候を処置してよい。
VI.1つ以上の毛髪生物学的状態と関連付けられる遺伝子間の関連性を同定することによる、ヘアケア組成物を配合するための方法
本明細書に提供される化粧組成物及びパーソナルケア製品に関する背景を用いて、特定の実施形態の詳細を、本明細書にて以下に記載する。特定の実施形態には、(a)少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な媒体に記憶される複数のインスタンスにアクセスする工程であって、各インスタンスが撹乱因子及び毛髪関連細胞型に関連し、各インスタンスが、複数の上方制御された遺伝子及び複数の下方制御された遺伝子を表す複数の識別子を含む順序付きリストを含む工程と、(b)少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な媒体に記憶される少なくとも1つの毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャにアクセスする工程であって、少なくとも1つの毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャが、毛髪生物学関連状態と関連する複数の上方制御された遺伝子及び複数の下方制御された遺伝子を表す複数の識別子を含む1つ以上のリストを含む工程と、c)少なくとも1つの毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャを複数のインスタンスと比較する工程であって、比較工程が、1つ以上の遺伝子発現シグネチャリストにおける各識別子を、複数のインスタンスのそれぞれに対する順序付きリスト中の同一の識別子の位置と比較する工程を含む工程と、(d)複数のインスタンスそれぞれに関連性スコアを割り当てる工程と、(e)皮膚科学的に許容可能な担体と少なくとも1つの撹乱因子とを含むヘアケア組成物を配合する工程であって、少なくとも1つの撹乱因子に関連付けられるインスタンスの関連性スコアが負相関を有する工程と、を含む、撹乱因子と、1つ以上の毛髪生物学的状態と関連付けられる遺伝子との間の関連性を同定することによる、ヘアケア組成物を配合するための方法を記載する。
本明細書に提供される化粧組成物及びパーソナルケア製品に関する背景を用いて、特定の実施形態の詳細を、本明細書にて以下に記載する。特定の実施形態には、(a)少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な媒体に記憶される複数のインスタンスにアクセスする工程であって、各インスタンスが撹乱因子及び毛髪関連細胞型に関連し、各インスタンスが、複数の上方制御された遺伝子及び複数の下方制御された遺伝子を表す複数の識別子を含む順序付きリストを含む工程と、(b)少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な媒体に記憶される少なくとも1つの毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャにアクセスする工程であって、少なくとも1つの毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャが、毛髪生物学関連状態と関連する複数の上方制御された遺伝子及び複数の下方制御された遺伝子を表す複数の識別子を含む1つ以上のリストを含む工程と、c)少なくとも1つの毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャを複数のインスタンスと比較する工程であって、比較工程が、1つ以上の遺伝子発現シグネチャリストにおける各識別子を、複数のインスタンスのそれぞれに対する順序付きリスト中の同一の識別子の位置と比較する工程を含む工程と、(d)複数のインスタンスそれぞれに関連性スコアを割り当てる工程と、(e)皮膚科学的に許容可能な担体と少なくとも1つの撹乱因子とを含むヘアケア組成物を配合する工程であって、少なくとも1つの撹乱因子に関連付けられるインスタンスの関連性スコアが負相関を有する工程と、を含む、撹乱因子と、1つ以上の毛髪生物学的状態と関連付けられる遺伝子との間の関連性を同定することによる、ヘアケア組成物を配合するための方法を記載する。
特定の実施形態は、毛髪生物学的状態を有する複数のヒト被験者に、ヘアケア組成物を塗布する工程を更に含む方法を包含する。更により詳細な実施形態は、ヘアケア組成物が、複数の被験者のうちの1人以上の顔の小皺又は皺の外見を改善する方法を包含する。特定の実施形態は、識別子が、遺伝子名、遺伝子記号、及びマイクロアレイプローブセットID値からなる群から選択される方法を包含してよい。
より詳細な実施形態は、各インスタンスが約50〜約400の識別子を含み、複数のインスタンスが約50〜約50,000のインスタンスを含み、複数のインスタンスが約1000〜約20,000のインスタンスを含み、少なくとも1つの撹乱因子が化粧剤であり、少なくとも1つの撹乱因子が植物性物質であり、植物性物質が植物の根、茎、樹皮、葉、種、又は実のうち1つ以上の由来であり、記載される工程が、プログラム可能なコンピュータによって実行される方法を包含する。
本明細書の更により詳細な実施形態は、少なくとも1つの毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャが、複数の毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャを含み、複数のインスタンスのそれぞれが、複数の毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャのそれぞれについて割り当てられる関連性スコアを有する方法について記載する。特定の実施形態は、複数のインスタンスのそれぞれに対する関連性スコアが、複数の毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャのそれぞれに対する各インスタンスに割り当てられる関連性スコアの組み合わせであり、複数の毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャが、複数の毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャを含み、並びに、複数の毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャが、毛包小型化、真皮乳頭活性化、毛髪密度障害、毛髪径障害、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの状態に関連して差次的に発現した遺伝子を表す、方法を包含する。
特定の実施形態は、複数の毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャが、複数の毛包小型化遺伝子発現シグネチャを含む方法について記載する。より詳細な実施形態は、複数の毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャのそれぞれが、複数の上方制御された遺伝子及び複数の下方制御された遺伝子を表す、複数の識別子を含む、1つ以上の遺伝子発現シグネチャリストを含み、上方制御された遺伝子の約80%〜約100%に対する識別子が、表Aに記載され、下方制御された遺伝子の約80%〜約100%に対する識別子が、表Bに記載される、方法について記載する。
特定の実施形態は、少なくとも1つの撹乱因子に関連付けられるインスタンスに割り当てられる各関連性スコアが負相関を有し、複数のインスタンスが少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な媒体上のデータベースに格納され、複数のインスタンスが、第1の毛髪関連細胞型に関連付けられる複数のインスタンスと第2の毛髪関連細胞型に関連付けられる複数のインスタンスを含むこと、並びに、第1の毛髪関連細胞型がヒト真皮線維芽細胞であり、第2の毛髪関連細胞型がヒトケラチノサイトである実施形態、複数のインスタンスのそれぞれが、毛髪関連細胞型に関連付けられるメタデータ及び撹乱因子を更に含むことを記載する。
更により詳細な実施形態は、メタデータが毛髪関連細胞型の名称及び撹乱因子の名称を含むか、若しくは複数のインスタンスが第1のデジタルファイルに格納される、及び少なくとも1つの毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャが第2のデジタルファイルに格納される方法について記載し、又はヘアケア配合物について記載する。
VII.撹乱因子と1つ以上の毛髪生物学的状態と関連付けられる遺伝子との間の関連性の同定に使用するための、データアーキテクチャを構築するための方法
本明細書に記載される特定の実施形態は、撹乱因子と1つ以上の毛髪生物学的状態に関連付けられる遺伝子との間の関連性の同定に使用するための、データアーキテクチャを構築するための方法を含み、この方法は、(a)対照ヒト線維芽細胞に対する遺伝子発現プロファイルを提供する工程と、(b)少なくとも1つの撹乱因子に曝露されたヒト線維芽細胞に対する遺伝子発現プロファイルを生成する工程と、(c)(a)及び(b)の遺伝子発現プロファイルを比較することによって、少なくとも1つの撹乱因子に応答して差次的に発現した遺伝子を同定する工程と、(d)差次的に発現した遺伝子を表す識別子を含む、順序付きリストを作成する工程であって、識別子が、遺伝子の差次的発現に従って順序付けられる工程と、(e)少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な媒体上に、線維芽細胞インスタンスとして順序付きリストを記憶する工程と、(f)(a)〜(e)を繰り返すことによって、記憶された線維芽細胞インスタンスのデータアーキテクチャを構築する工程であって、工程(a)の少なくとも1つの撹乱因子が、各線維芽細胞インスタンスに対して異なる工程と、を含む。
本明細書に記載される特定の実施形態は、撹乱因子と1つ以上の毛髪生物学的状態に関連付けられる遺伝子との間の関連性の同定に使用するための、データアーキテクチャを構築するための方法を含み、この方法は、(a)対照ヒト線維芽細胞に対する遺伝子発現プロファイルを提供する工程と、(b)少なくとも1つの撹乱因子に曝露されたヒト線維芽細胞に対する遺伝子発現プロファイルを生成する工程と、(c)(a)及び(b)の遺伝子発現プロファイルを比較することによって、少なくとも1つの撹乱因子に応答して差次的に発現した遺伝子を同定する工程と、(d)差次的に発現した遺伝子を表す識別子を含む、順序付きリストを作成する工程であって、識別子が、遺伝子の差次的発現に従って順序付けられる工程と、(e)少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な媒体上に、線維芽細胞インスタンスとして順序付きリストを記憶する工程と、(f)(a)〜(e)を繰り返すことによって、記憶された線維芽細胞インスタンスのデータアーキテクチャを構築する工程であって、工程(a)の少なくとも1つの撹乱因子が、各線維芽細胞インスタンスに対して異なる工程と、を含む。
より詳細な実施形態は、プログラム可能なコンピュータを用いて、本明細書に記載される1つ以上の工程を実行する工程を含む、方法について記載する。更により詳細な実施形態は、順序付きリストが、順序付きリスト中の序列に対応する識別子の数的序列に関連する識別子の順序付きリストを含み、生成工程が、処理された細胞から生体サンプルを抽出し、その生体サンプルをマイクロアレイ解析に供することによって実施され、生体サンプルがmRNAを含み、並びに、マイクロアレイが、網羅的マイクロアレイ又は特異的マイクロアレイであり、特異的マイクロアレイが、細胞表現型に対する遺伝子発現シグネチャに対応する遺伝子とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを含む、ことを包含する。
更により詳細な実施形態は、記憶されたインスタンスのデータアーキテクチャを構築する工程が、約50〜約50,000のインスタンスについて、本明細書に記載の工程(本明細書上記の工程(a)〜(e)等)を繰り返す工程を含むことを包含する。その他特定の実施形態は、記憶されたインスタンスの遺伝子発現データベースを構築する工程が、約1000〜約20,000のインスタンスについて、工程(a)〜(e)を繰り返す工程を含み、少なくとも1つの撹乱因子が化粧剤であり、並びに、異なる撹乱因子のそれぞれが化粧剤であり、識別子が、遺伝子名、遺伝子記号、マイクロアレイプローブセットID値、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、方法を包含する。
更により詳細な実施形態は、順序付きリストを配列して、最も上方制御された遺伝子に関連付けられる識別子が、順序付きリストの最上部に位置付けられ、最も下方制御された遺伝子に関連付けられる識別子が、順序付きリストの最下部に位置付けられるようにし、各インスタンスの順序付きリストを配列して、差次的に発現していない遺伝子それぞれに関連付けられる識別子が、最も上方制御された遺伝子に関連付けられる識別子と最も下方制御された遺伝子に関連付けられる識別子との間に位置付けられるようにし、各インスタンスが約1,000〜約50,000の識別子を含み、並びに、各インスタンスが、インスタンスに関連付けられる少なくとも1つの撹乱因子に対するメタデータを含むことを包含する。
特定の実施形態は、(g)対照ヒトケラチノサイト細胞に対する遺伝子発現プロファイルを提供する工程と、(h)少なくとも1つの撹乱因子に曝露されるヒトケラチノサイト細胞に対する、遺伝子発現プロファイルを生成する工程と、(i)(g)及び(h)の遺伝子発現プロファイルと比較することによって、少なくとも1つの撹乱因子に反応して差次的に発現した遺伝子を同定する工程と、(j)差次的に発現した遺伝子を表す識別子を含む、順序付きリストを作成する工程であって、識別子が、(i)において同定される遺伝子の差次的発現に従って順序付けられる、工程と、(k)少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な媒体上に、ケラチノサイトインスタンスとして、工程(j)において作成される順序付きリストを記憶する工程と、(l)(g)〜(k)を繰り返すことによって、記憶されたケラチノサイトインスタンスのデータベース構築する工程であって、工程(h)の少なくとも1つの撹乱因子が、各ケラチノサイトインスタンスに対して異なる、工程と、を更に含む、請求項1に記載の方法を包含する。別の実施形態は、工程(a)の少なくとも1つの撹乱因子が工程(g)の少なくとも1つの撹乱因子と同一であり、少なくとも1つの撹乱因子が植物性物質であり、植物性物質が、植物の根、茎、樹皮、葉、種、又は実のうちの1つ以上の由来であり、少なくとも1つの撹乱因子が、ビタミン化合物、糖アミン、フィトステロール、ヘキサミジン、ヒドロキシ酸、セラミド、アミノ酸、及びポリオールからなる群から選択され、ビタミン化合物が、ビタミンB3化合物、ビタミンB5化合物、ビタミンB6化合物、ビタミンB9化合物、ビタミンA化合物、ビタミンC化合物、ビタミンE化合物、並びにこれらの誘導体及び組み合わせからなる群から選択され、並びに、ビタミン化合物が、レチノール、レチニルエステル、ナイアシンアミド、葉酸、パンテノール、アスコルビン酸、トコフェロール、及び酢酸トコフェロールからなる群から選択される、方法を包含する。
更により詳細な実施形態は、毛髪を処理するために有効な化粧剤を同定するのに役立つ関連性を生成するために、データアーキテクチャを実行するための方法について記載し、この方法は、少なくとも毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャを用いてデータアーキテクチャにクエリを行う工程を含み、クエリを行う工程は、少なくとも1つの毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャを、各記憶された線維芽細胞インスタンスと比較する工程を含み、毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャは、少なくとも1つの毛髪生物学的状態と関連して差次的に発現した遺伝子を表す。特定の実施形態は、少なくとも1つの毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャと、各記憶された線維芽細胞インスタンスとの比較が、プログラム可能なコンピュータによって実行され、少なくとも1つの毛髪生物学的状態が、毛包小型化、真皮乳頭活性化、毛髪密度障害、毛髪径障害、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される、方法について記載する。
特定の実施形態は、少なくとも1つの毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャが、(i)対照と比較して、少なくとも1つの毛髪生物学的状態において上方制御された発現を有する遺伝子を同定する工程と、(ii)対照と比較して、少なくとも1つの毛髪生物学的状態において下方制御された発現を有する遺伝子を同定する工程と、(iii)(i)及び(ii)において同定される複数の遺伝子に対応する識別子を含む、少なくとも1つの毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャと関連する、1つ以上の遺伝子発現シグネチャリストを作成する工程と、少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な媒体上に、1つ以上の遺伝子発現シグネチャリストを記憶する工程と、を含む方法によって構築される、方法について記載する。本明細書に更に記載される特定の実施形態は、少なくとも1つの毛髪生物学的状態において上方制御された発現を有する遺伝子の数が約10〜約400であり、少なくとも1つの毛髪生物学的状態において下方制御される遺伝子の数が約10〜約400であり、上方制御された遺伝子の約80%〜約100%の識別子が表Bに記載され、下方制御された遺伝子の約80%〜約100%の識別子が表Aに記載され、(i)及び(ii)において同定される遺伝子を表す識別子が、遺伝子名、遺伝子記号、及びマイクロアレイプローブセットID値からなる群から選択される、方法を包含する。
特定の実施形態は、1つ以上の遺伝子発現シグネチャリストが、(i)において同定される複数の上方制御された遺伝子を表す第1のリストと、(ii)において同定される複数の下方制御された遺伝子を表す第2のリストとを含む、方法を包含する。特定の実施形態は、少なくとも1つの毛髪生物学的状態を呈するヒト被験者から少なくとも毛髪サンプルを採取し、生体サンプルを毛髪サンプルから抽出し、少なくとも1つの毛髪サンプルの遺伝子発現プロファイルを、工程(i)及び(ii)のうち少なくとも1つに先だって生成し、少なくとも1人のヒト被験者が約18〜約80才であり、毛髪サンプルが、ヒト被験者の頭頂部の細胞を含み、比較工程が、関連性スコアを複数のインスタンスのそれぞれに割り当てる工程を更に含み、複数の関連性スコアが正相関を表し、複数の関連性スコアが負相関を表し、並びに、関連性スコアが+2〜−2の値を有する、方法を包含する。
更により詳細な実施形態は、(a)対照ヒト細胞に対する遺伝子発現プロファイルを提供する工程であって、対照細胞が、線維芽細胞、ケラチノサイト、及び真皮乳頭細胞株からなる群から選択されるヒト細胞株由来である工程と、(b)少なくとも1つの撹乱因子に曝露されたヒト細胞に対する遺伝子発現プロファイルを生成する工程であって、細胞が、対照細胞と同一の細胞株から選択される工程と、(c)(a)及び(b)の遺伝子発現プロファイルを比較することによって、少なくとも1つの撹乱因子に応答して差次的に発現した遺伝子を同定する工程と、(d)差次的に発現した遺伝子を表す識別子を含む、順序付きリストを作成する工程であって、識別子が、遺伝子の差次的発現に従って順序付けられる工程と、(e)少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な媒体上に、インスタンスとして順序付きリストを記憶する工程であって、インスタンスが、(a)における選択に従う線維芽細胞、ケラチノサイト、又は真皮乳頭インスタンスである工程と、(f)(a)〜(e)を繰り返すことによって、記憶されたインスタンスのデータアーキテクチャを構築する工程であって、工程(a)〜(e)の少なくとも1つの撹乱因子、工程(a)の少なくとも1つの撹乱因子が、各インスタンスに対して質的又は量的に異なる工程と、を含む、撹乱因子と毛髪生物学の改善に関連付けられる遺伝子との関連性の同定に使用するための、データアーキテクチャを構築するための方法について記載する。別の実施形態は、データアーキテクチャを実行し、毛髪生物学的状態を処置する潜在的有効性を有する少なくとも1つの推定薬剤を同定するための方法を包含し、この方法は、毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャを用いてデータアーキテクチャにクエリを行う工程を含み、クエリを行う工程は、毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャを各記憶された細胞インスタンスと比較する工程を含み、毛髪生物学関連発現シグネチャは、毛髪生物学的状態であるヒト組織において差次的に発現した遺伝子、又は、毛髪状態の処置において既知の有効性を有する少なくとも1つのベンチマーク薬剤で処置された細胞において差次的に発現した遺伝子を表し、更に、細胞インスタンスは、線維芽細胞、ケラチノサイト、又はヒト真皮乳頭細胞株由来であり、毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャは、対応する細胞株又は毛髪生物学的状態であるヒト組織由来の細胞のいずれか由来である。
特定の実施形態は、プログラム可能なコンピュータを用いて、本明細書に記載される1つ以上の工程を実行する工程を含む方法を包含する。別の実施形態は、順序付きリストが、順序付きリスト中の序列に対応する識別子の数的序列に関連する識別子の順序付きリストを含み、生体サンプルがmRNAを含み、マイクロアレイが網羅的マイクロアレイ又は特異的マイクロアレイであり、特異的マイクロアレイが、細胞表現型に対する遺伝子発現シグネチャに対応する遺伝子とハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを含み、工程(a)〜(e)を繰り返すことによって記憶されたインスタンスのデータアーキテクチャを構築する工程が、工程(a)〜(e)を、約50〜約50,000のインスタンス、又は約1000〜20,000のインスタンスについて繰り返す工程を含み、少なくとも1つの撹乱因子が毛包サイクルを変える薬剤を含み、並びに、毛包サイクルを変えることが、真皮乳頭細胞を、静止している休止期から発育している成長期に移行することを含む、方法を包含する。
VIII.撹乱因子と1つ以上の毛髪生物学的状態と関連付けられる遺伝子との間の関連性の同定に使用される、遺伝子発現シグネチャを生成するための方法
本明細書に述べられる特定の実施形態は、(a)ヒト毛髪関連細胞の参照サンプルに対する遺伝子発現プロファイルを提供する工程と、(b)少なくとも1つの毛髪生物学的状態を呈している被験者のヒト毛髪関連細胞の少なくとも1つのサンプルに対する遺伝子発現プロファイルを生成する工程と、(c)(a)及び(b)の発現プロファイルを比較することによって、(a)及び(b)において差次的に発現した一組の遺伝子を含む遺伝子発現シグネチャを同定する工程と、(d)遺伝子発現シグネチャを構成する遺伝子それぞれに識別子を割り当て、識別子を差次的発現の方向に従って順序付けて、1つ以上の遺伝子発現シグネチャリストを作製する工程と、(e)少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な媒体上に1つ以上の遺伝子発現シグネチャリストを記憶する工程と、を含む、撹乱因子と1つ以上の毛髪生物学的状態と関連付けられる遺伝子との間の関連性の同定に使用される、遺伝子発現シグネチャを生成するための方法について記載する。
本明細書に述べられる特定の実施形態は、(a)ヒト毛髪関連細胞の参照サンプルに対する遺伝子発現プロファイルを提供する工程と、(b)少なくとも1つの毛髪生物学的状態を呈している被験者のヒト毛髪関連細胞の少なくとも1つのサンプルに対する遺伝子発現プロファイルを生成する工程と、(c)(a)及び(b)の発現プロファイルを比較することによって、(a)及び(b)において差次的に発現した一組の遺伝子を含む遺伝子発現シグネチャを同定する工程と、(d)遺伝子発現シグネチャを構成する遺伝子それぞれに識別子を割り当て、識別子を差次的発現の方向に従って順序付けて、1つ以上の遺伝子発現シグネチャリストを作製する工程と、(e)少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な媒体上に1つ以上の遺伝子発現シグネチャリストを記憶する工程と、を含む、撹乱因子と1つ以上の毛髪生物学的状態と関連付けられる遺伝子との間の関連性の同定に使用される、遺伝子発現シグネチャを生成するための方法について記載する。
非限定的な特定の実施形態が本明細書に記載される。特定の実施形態は、ヒト被験者の年齢が約18〜約80才である実施形態を包含する。特定の実施形態では、遺伝子発現シグネチャは特定され、少なくとも1つの毛髪生物学的状態において差次的に上方制御される約50〜約400の遺伝子、及び、少なくとも1つの毛髪生物学的状態において差次的に下方制御される約50〜約400を有する。更により詳細な実施形態では、識別子は、遺伝子名、遺伝子記号、及びマイクロアレイプローブセットIDからなる群から選択される。更により詳細な実施形態では、ヒト毛髪関連細胞の少なくとも1つのサンプルは複数のサンプルを含み、複数の毛髪関連サンプルのうちの1つは、頭頂部等の毛髪がない部位、及び後頭部等の抜け毛になりにくい部位から採取される。その他特定の実施形態は、採取されたサンプルが、引き抜いた毛髪、つまりFUE、又は切除した毛包、つまりLCM単離細胞サンプルである方法を包含する。
特定の実施形態では、被験者のヒト毛髪関連細胞のサンプルは、ヒト被験者の頭頂部のものであり、また、サンプルは非頭頂部領域のものであり、男性又は女性の特定の実施形態では、サンプルは、頭皮から採取/除去/及び/又はサンプリングされ、特定の実施形態では、サンプルは前頭部頭皮領域から除去される。
IX.撹乱因子と1つ以上の毛髪生物学的状態と関連付けられる遺伝子との間の関連性を同定するためのシステム
本明細書に記載される特定の実施形態は、複数のインスタンスと、少なくとも1つの毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャを記憶している少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な媒体であって、インスタンス及び遺伝子発現シグネチャが、ヒト真皮線維芽細胞由来であり、各インスタンスが、差次的に発現した遺伝子のランク付けられた識別子のインスタンスリストを含み、少なくとも1つの毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャが、毛髪生物学的状態に関連する差次的に発現した遺伝子を表す識別子の1つ以上の遺伝子発現シグネチャリストを含む、コンピュータ読み取り可能な媒体と、(b)プログラム可能なコンピュータに、(i)コンピュータ読み取り可能な媒体に記憶される、複数のインスタンス及び少なくとも1つの毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャにアクセスする工程、(ii)少なくとも1つの毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャを、複数のインスタンスと比較する工程であって、比較工程が、遺伝子発現シグネチャリスト中の各識別子を、複数のインスタンスのそれぞれに対するインスタンスリスト中の同一の識別子の位置と比較する工程を含む工程、及び(iii)複数のインスタンスそれぞれに関連性スコアを割り当てる工程、のうち、1つ以上を実行させる、コンピュータ読み取り可能な命令を構成するプログラム可能なコンピュータと、を備える、撹乱因子と1つ以上の毛髪生物学的状態と関連付けられる遺伝子との間の関連性を同定するシステムについて詳述する。
本明細書に記載される特定の実施形態は、複数のインスタンスと、少なくとも1つの毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャを記憶している少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な媒体であって、インスタンス及び遺伝子発現シグネチャが、ヒト真皮線維芽細胞由来であり、各インスタンスが、差次的に発現した遺伝子のランク付けられた識別子のインスタンスリストを含み、少なくとも1つの毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャが、毛髪生物学的状態に関連する差次的に発現した遺伝子を表す識別子の1つ以上の遺伝子発現シグネチャリストを含む、コンピュータ読み取り可能な媒体と、(b)プログラム可能なコンピュータに、(i)コンピュータ読み取り可能な媒体に記憶される、複数のインスタンス及び少なくとも1つの毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャにアクセスする工程、(ii)少なくとも1つの毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャを、複数のインスタンスと比較する工程であって、比較工程が、遺伝子発現シグネチャリスト中の各識別子を、複数のインスタンスのそれぞれに対するインスタンスリスト中の同一の識別子の位置と比較する工程を含む工程、及び(iii)複数のインスタンスそれぞれに関連性スコアを割り当てる工程、のうち、1つ以上を実行させる、コンピュータ読み取り可能な命令を構成するプログラム可能なコンピュータと、を備える、撹乱因子と1つ以上の毛髪生物学的状態と関連付けられる遺伝子との間の関連性を同定するシステムについて詳述する。
本明細書に記載される特定の実施形態は、ヒトケラチノサイト細胞由来の複数のインスタンスと、少なくとも1つの遺伝子発現シグネチャと、を含む、請求項に記載のシステムについて詳述する。より詳細な実施形態は、ヒト真皮線維芽細胞及び/又はヒトケラチノサイト細胞を含むサンプルを受容するための、マイクロアレイスキャナと、スキャナから第1のプログラム可能コンピュータに、遺伝子発現データを伝送するための、第2のプログラム可能コンピュータと、を備えるシステムについて詳述する。更により詳細な実施形態は、真皮線維芽細胞及びケラチノサイト細胞に適用するための、撹乱因子のアレイを備えるシステムを包含する。特定の実施形態は、約50〜約50,000のインスタンス、又は別の方法として、約1,000〜約20,000のインスタンスを含む、複数のインスタンスを含んでよい。
本明細書に記載される実施形態は、それぞれスプレッドシート、文書処理、又はデータベースコンピュータプログラムによる読み取りに好適なスプレッドシートファイル形式、文書処理ファイル形式、又はデータベースファイル形式で記憶されるデジタルファイルを含むデータアーキテクチャを含み、この第1のデジタルファイルは、それぞれスプレッドシート、文書処理、又はデータベースコンピュータプログラムによって読み取られたときに、複数の識別子を含む1つ以上の遺伝子発現シグネチャリストを提供するように配列されたデータを含み、各識別子は、表A〜R及びT〜Uのいずれかに記載される遺伝子を表す、マイクロアレイプローブセットID、ヒト遺伝子名、ヒト遺伝子記号、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、1つ以上の遺伝子発現シグネチャリストのそれぞれは、約50〜約600個の識別子を含む、コンピュータ読み取り可能な媒体を含む。特定の実施形態では、コンピュータ読み取り可能な媒体は、デジタルファイルを読み取るためのコンピュータ読み取り可能な命令を含んでよい。
X.選択される遺伝子発現シグネチャ
本明細書に記載される特定の実施形態では、遺伝子は、本明細書に含まれる表の遺伝子発現シグネチャから選択される。例えば、特定の実施形態は、表C及びDに記載される遺伝子から選択される遺伝子からなる遺伝子発現シグネチャを含む。
本明細書に記載される特定の実施形態では、遺伝子は、本明細書に含まれる表の遺伝子発現シグネチャから選択される。例えば、特定の実施形態は、表C及びDに記載される遺伝子から選択される遺伝子からなる遺伝子発現シグネチャを含む。
特定の実施形態は、遺伝子発現シグネチャに対して選択される遺伝子とハイブリダイズする、オリゴヌクレオチドの固定化アレイを含む。遺伝子発現シグネチャは、プログラム可能なコンピュータによってアクセス可能なメモリデバイス上に記憶されてよい。遺伝子発現シグネチャは、表D中で上方制御されることが同定される50〜100の遺伝子を含んでよい。遺伝子発現シグネチャは、表C中で下方制御されることが同定される50〜100の遺伝子を含んでよい。遺伝子発現シグネチャは、上方制御されることが同定される一組の遺伝子、及び下方制御されることが同定される一組の遺伝子を含んでよい。
特定の実施形態は、表E及びFに記載される遺伝子から選択される遺伝子からなる遺伝子発現シグネチャを含む。特定の実施形態は、遺伝子発現シグネチャ対して選択される遺伝子にハイブリダイズする、オリゴヌクレオチドの固定化アレイを含む。遺伝子発現シグネチャは、プログラム可能なコンピュータによってアクセス可能なメモリデバイス上に記憶されてよい。遺伝子発現シグネチャは、表F中で上方制御されることが同定される50〜100の遺伝子を含んでよい。遺伝子発現シグネチャは、表E中で下方制御されることが同定される50〜100の遺伝子を含んでよい。遺伝子発現シグネチャは、上方制御されることが同定される一組の遺伝子、及び下方制御されることが同定される一組の遺伝子を含んでよい。
本発明は、例示を目的として提示され、限定するものではない以下の実施例を参照することにより、更によく理解できるであろう。
(実施例1)
インスタンスの生成
個々の実験(バッチと称される)は概して、Affymetrix GeneChip(登録商標)技術プラットフォームを使用して解析される、30〜96のサンプルを含み、溶媒対照(例えば、DSMO)の6つの複製、使用される細胞型において強い再現可能な効果をもたらす、陽性対照の2つの複製サンプル(例えば、線維芽細胞に対するオールトランス型レチノイン酸)、及び試験物質/撹乱因子のサンプルを含有する。試験材料の複製は、バッチ影響のため、別のバッチで実施する。GeneChip(登録商標)解析に十分なRNA(2〜4μgの合計RNA収量/ウェル)を提供するために、インビトロ試験を6ウェルプレートで実施した。
インスタンスの生成
個々の実験(バッチと称される)は概して、Affymetrix GeneChip(登録商標)技術プラットフォームを使用して解析される、30〜96のサンプルを含み、溶媒対照(例えば、DSMO)の6つの複製、使用される細胞型において強い再現可能な効果をもたらす、陽性対照の2つの複製サンプル(例えば、線維芽細胞に対するオールトランス型レチノイン酸)、及び試験物質/撹乱因子のサンプルを含有する。試験材料の複製は、バッチ影響のため、別のバッチで実施する。GeneChip(登録商標)解析に十分なRNA(2〜4μgの合計RNA収量/ウェル)を提供するために、インビトロ試験を6ウェルプレートで実施した。
University of Texas,Southwestern Medical Center(Dallas,TX)からヒトテロメル化ケラチノサイト(tKC)を得た。コラーゲンIコーティング細胞培養フラスコ及びプレート(Becton Dickinson(Franklin Lakes,NJ))上で、1Xヒトケラチノサイト成長サプリメント(Invitrogen(Carlsbad,CA))を有する、EpiLife(登録商標)培地で、tKC細胞を増殖させた。化学物質暴露の24時間前に、ケラチノサイトを20,000細胞/cm2で6ウェルプレート中に播種した。通常の細胞培養フラスコ及びプレート(Corning,Lowell,MA)内で、ヒト皮膚線維芽細胞(BJ細胞株、ATCC,Manassas,VA)を、10%ウシ胎児血清(HyClone,Logan,UT)を補充したイーグル最小必須培地(ATCC)で成長させた。化学物質暴露の24時間前に、BJ線維芽細胞を12,000細胞/cm2で6ウェルプレート中に播種した。
すべての細胞を5% CO2を含む加湿したインキュベーター中、37℃でインキュベートした。t=−24時間で、T−75フラスコ及びプレートから細胞をトリプシン処理し、6ウェルプレート中の基本成長培地に蒔いた。t=0で、培地を取り除き、実験計画に従って適切な投与溶液と交換した。投与溶液は、前日に滅菌4mL Falconスナップキャップチューブ中で調製した。純粋試験材料は、濃度1〜200μMで調製してもよく、植物抽出物は、投与溶液の0.001〜1重量%の濃度で調製してもよい。化学物質暴露の6〜24時間後、細胞を観察し、画像化した。毒性の形態学的証拠を評価するために、細胞溶解及びRNA単離前に、ウェルを顕微鏡で観察した。形態学的変化が細胞毒性を示唆するのに十分であった場合に、低濃度の撹乱因子を試験した。次に、細胞をβ−メルカプトエタノール(Qiagen,Valencia,CA)入りの350uL/ウェルのRLT緩衝液で溶解し、96ウェルプレートに移し、−20℃で保存した。
Agencourt(登録商標)RNAdvance Tissue−Bind磁気ビーズ(Beckman Coulter)を用いて、製造業者の使用説明に従って、細胞培養バッチからのRNAをRLT緩衝液から単離した。Ambion Message Amp(商標)II Biotin Enhancedキット(Applied Biosystems Incorporated)を用いて、製造業者の使用説明に従って、1サンプル当たり1μgの全RNAを標識した。得られたビオチン標識され、断片化されたcRNAを、Affymetrix HG−U133A 2.0 GeneChip(登録商標)にハイブリダイズさせ、次いでこれを洗浄し、染色し、Affymetrixにより提供されるプロトコルを用いてスキャンした。
(実施例2)
臨床サンプルからの発現遺伝子シグネチャの一般的開発
毛髪生物学と関連付けられる遺伝子発現パターンの調査で使用するための生検標本を得るための臨床的調査研究を実施した。毛髪又は毛髪周囲の皮膚のサンプルを採取している。サンプルは、いくつかある方法の中でも特に、引き抜き、切り取り、パンチ生検、その他生検、FUE(毛包単位摘出)、又はレーザーキャプチャーマイクロダイセクション(LCM)によって採取できる。以下の手順には、男性型脱毛症(男性型禿頭症)に関連付けられるCマップシグネチャの生成について記載する。
臨床サンプルからの発現遺伝子シグネチャの一般的開発
毛髪生物学と関連付けられる遺伝子発現パターンの調査で使用するための生検標本を得るための臨床的調査研究を実施した。毛髪又は毛髪周囲の皮膚のサンプルを採取している。サンプルは、いくつかある方法の中でも特に、引き抜き、切り取り、パンチ生検、その他生検、FUE(毛包単位摘出)、又はレーザーキャプチャーマイクロダイセクション(LCM)によって採取できる。以下の手順には、男性型脱毛症(男性型禿頭症)に関連付けられるCマップシグネチャの生成について記載する。
2日間(連続)の試験のため、15人の禿頭の男性患者及び15人の禿頭でない男性患者を募集した。各患者の頭頂部及び後頭部の両方から、頭皮のパンチ生検(4mm)を採取した。毛幹をたどって毛包の全長を得るようにして、パンチ生検を集めた。後頭部からのパンチは、禿頭の患者及び禿頭でない患者の両者において、活発に成長している毛髪の領域を表す。頭頂部は、禿頭でない患者では活発に成長している毛髪を表すが、禿頭の患者では、このサンプルは、禿頭表現型に移行している毛包を表すであろう。禿頭の患者からの頭頂部のパンチ生検は、禿頭領域と非禿頭領域との間の縁部、つまり移行領域から採取される。各患者の活発に成長している毛髪を表す後頭部は、ゲノムデータとの関連付けを試みる際に、内部対照として役立つ。
パンチを二分してから、Optimal Cutting Temperature(OCT)媒体中に包埋し、液体窒素中で冷却した金属製ヒートシンクを用いてドライアイス上で瞬間冷凍した。生検組織を含む凍結ブロックを、クリオスタット中で20μmの切片に切断した。この切片をガラスPEN膜スライド上に置き、レーザーキャプチャーマイクロダイセクション(LCM)を用いて個々の毛包を得て、ゲノム解析用RNAサンプルソースとして利用した。
それぞれ20ngのRNAサンプルを、製造業者の説明書に従ってOvation(商標)RNA Amplification and Labeling System(NuGEN Technologies,Inc.)を用いて、増幅してビオチンラベルした。得られた増幅化かつビオチン化cDNA標的を、ラベリングキット(NuGEN Technologies,Inc.)の仕様書に従って、単一ロットのHuman Genome U133 Plus 2.0 Arrays(Affymetrix,Inc.)と一晩ハイブリダイズさせた。U133 GeneChips(登録商標)を処理し、Affymetrixの標準的手順に従ってスキャンした。ラベリング及びチップ処理を含む、すべてのサンプル取り扱い工程は、系統的な処理エラーを最小限とするように計画された順に実施した。
統計解析後、(1)非禿頭頭頂部対禿頭頭頂部、及び(2)禿頭後頭部対禿頭頭頂部の2セットのt検定結果を用いて、成長毛と終毛との間の生物学的差異を捕捉するためのシグネチャを生成した。
a.U133Aチップデザインに基づくフィルタリング。20,000個を上回る遺伝子の転写産物に相補的な54,613個のプローブセットを含むAffymetrix HG−U133 Plus 2.0 GeneChipで、サンプルを解析した。しかしながら、使用した提供されるデータベース中のインスタンスは、Plus 2.0 GeneChip上に存在するものサブセットである、22,214個のプローブセットを含むAffymetrix HG−U133A 2.0 GeneChipを用いた遺伝子発現プロファイリング実験から得られた。したがって、臨床データから遺伝子発現シグネチャを生成する際には、HG−U133A 2.0遺伝子チップに含まれるものについてプローブセットをフィルタにかけた。
b.非存在/限界/存在コールに基づくフィルタリング。このフィルタは、遺伝子発現シグネチャ中に含むための潜在的遺伝子のリストを作成する。例えば、禿頭/非禿頭試験において、少なくとも1つのサンプルは、各プローブセットにおいて存在コールが有することを必要とした。一方、Cマップデータベースでは、すべての化学処理における少なくとも1つのサンプルは、各プローブセットにおいて存在コールが有することを必要とした。また、すべての化学処理における少なくとも1つのサンプルは、200を超えるシグナル値を有する必要がある。存在コールは、生のGeneChipデータの処理から得られ、プローブセットに相補的な遺伝子転写物が生体サンプル中で実際に発現するという証拠を提供する。全サンプルからの非存在であるプローブは、単にノイズの測定値である可能性が高い。U133 Affymetrixチップでは、200未満のシグナル値は、ノイズから生じる可能性が最も高い。この工程は、シグネチャにとって重要なデータに寄与しないプローブセットをフィルタリングして除去するために重要である。
c.統計的尺度によるフィルタリング。例えば、好適な統計的尺度は、t検定からのp値、ANOVA、相関関数、又は他のモデルに基づく解析であってよい。一例として、p値を統計的尺度として選択し、カットオフ値p=0.05を選択することができる。適切なコントロールと比較して、ある合理的な統計的有意性のカットオフを満たす遺伝子にシグネチャリストを限定することは、対象となる生物学的状態の特徴を示す遺伝子の選択を可能にするために重要である。これは、測定値周囲のノイズを考慮しない倍率変化値を使用するよりも好ましい。遺伝子発現変化の方向性(つまり、上方又は下方制御)を示し、並びに統計的有意性を提供することから、t統計量を用いてシグネチャ中のプローブセットを選択した。2回以上の比較が同一種類の生物学的変化を示す場合、そのデータについて更なるフィルタリングを実行し、一方、これらすべての比較において、ノイズを最小化するためプローブが同一の方向に変化することを必要とした。この特異的例では、上記2つの条件において上方制御される、又は上記2つの条件において下方制御されるように、プローブに対して必要条件を設定した。禿頭/非禿頭試験の場合、2回の比較のt検定結果の両方で必要条件が満たされ、遺伝子は、0.1以下のp値を有して同一方向に変化した。
d.プローブセットの並べ替え。すべてのプローブセットは、統計的尺度を用いて、上方制御されたセットと下方制御されたセットとに並べ替えられる。例えば、p値を計算するためにt検定を使用した場合、p値が常に正であることから、t統計量の値(正及び負)を用いてリストを並べ替える。並べ替えられたt統計量は、最も有意なp値を有するセットをリストの最上部及び最下部に、最も有意でないものを中央付近に配置する。
e.遺伝子発現シグネチャの作成。作成されたフィルタリング及び並べ替えされたリストを使用して、上部及び下部から好適な数のプローブセットを選択して、好ましくは上部から選択されたセットが下部から選択されたセットとほぼ同じ数を有する遺伝子発現シグネチャを作成する。例えば、作成される遺伝子発現シグネチャは、チップ上のプローブセットに対応する、少なくとも約10、50、100、200、若しくは300及び/又は約800、600、若しくは約400未満の遺伝子を有してもよい。プローブセットの数は、遺伝子の数に近似的に対応するが、単一の遺伝子は、2つ以上のプローブセットによって表されてもよい。本明細書で使用するとき、語句「遺伝子の数」は、概して、語句「プローブセットの数」と一致することを理解されたい。シグネチャ中に含まれる遺伝子の数は、提供されたデータベースにクエリを行うためにシグネチャを使用する時に、上方及び下方制御された遺伝子間で均等に分割される、50〜300、又は200〜800のプローブセットを有する、示されたシグネチャが、トップスコア化学物質インスタンスに関して安定した結果を提供するという予備試験における観察に基づいた。禿頭/非禿頭試験では、毛包小型化に対するシグネチャとしてフィルタリングされたリストから、上部200及び下部200のプローブを選択した。
a.U133Aチップデザインに基づくフィルタリング。20,000個を上回る遺伝子の転写産物に相補的な54,613個のプローブセットを含むAffymetrix HG−U133 Plus 2.0 GeneChipで、サンプルを解析した。しかしながら、使用した提供されるデータベース中のインスタンスは、Plus 2.0 GeneChip上に存在するものサブセットである、22,214個のプローブセットを含むAffymetrix HG−U133A 2.0 GeneChipを用いた遺伝子発現プロファイリング実験から得られた。したがって、臨床データから遺伝子発現シグネチャを生成する際には、HG−U133A 2.0遺伝子チップに含まれるものについてプローブセットをフィルタにかけた。
b.非存在/限界/存在コールに基づくフィルタリング。このフィルタは、遺伝子発現シグネチャ中に含むための潜在的遺伝子のリストを作成する。例えば、禿頭/非禿頭試験において、少なくとも1つのサンプルは、各プローブセットにおいて存在コールが有することを必要とした。一方、Cマップデータベースでは、すべての化学処理における少なくとも1つのサンプルは、各プローブセットにおいて存在コールが有することを必要とした。また、すべての化学処理における少なくとも1つのサンプルは、200を超えるシグナル値を有する必要がある。存在コールは、生のGeneChipデータの処理から得られ、プローブセットに相補的な遺伝子転写物が生体サンプル中で実際に発現するという証拠を提供する。全サンプルからの非存在であるプローブは、単にノイズの測定値である可能性が高い。U133 Affymetrixチップでは、200未満のシグナル値は、ノイズから生じる可能性が最も高い。この工程は、シグネチャにとって重要なデータに寄与しないプローブセットをフィルタリングして除去するために重要である。
c.統計的尺度によるフィルタリング。例えば、好適な統計的尺度は、t検定からのp値、ANOVA、相関関数、又は他のモデルに基づく解析であってよい。一例として、p値を統計的尺度として選択し、カットオフ値p=0.05を選択することができる。適切なコントロールと比較して、ある合理的な統計的有意性のカットオフを満たす遺伝子にシグネチャリストを限定することは、対象となる生物学的状態の特徴を示す遺伝子の選択を可能にするために重要である。これは、測定値周囲のノイズを考慮しない倍率変化値を使用するよりも好ましい。遺伝子発現変化の方向性(つまり、上方又は下方制御)を示し、並びに統計的有意性を提供することから、t統計量を用いてシグネチャ中のプローブセットを選択した。2回以上の比較が同一種類の生物学的変化を示す場合、そのデータについて更なるフィルタリングを実行し、一方、これらすべての比較において、ノイズを最小化するためプローブが同一の方向に変化することを必要とした。この特異的例では、上記2つの条件において上方制御される、又は上記2つの条件において下方制御されるように、プローブに対して必要条件を設定した。禿頭/非禿頭試験の場合、2回の比較のt検定結果の両方で必要条件が満たされ、遺伝子は、0.1以下のp値を有して同一方向に変化した。
d.プローブセットの並べ替え。すべてのプローブセットは、統計的尺度を用いて、上方制御されたセットと下方制御されたセットとに並べ替えられる。例えば、p値を計算するためにt検定を使用した場合、p値が常に正であることから、t統計量の値(正及び負)を用いてリストを並べ替える。並べ替えられたt統計量は、最も有意なp値を有するセットをリストの最上部及び最下部に、最も有意でないものを中央付近に配置する。
e.遺伝子発現シグネチャの作成。作成されたフィルタリング及び並べ替えされたリストを使用して、上部及び下部から好適な数のプローブセットを選択して、好ましくは上部から選択されたセットが下部から選択されたセットとほぼ同じ数を有する遺伝子発現シグネチャを作成する。例えば、作成される遺伝子発現シグネチャは、チップ上のプローブセットに対応する、少なくとも約10、50、100、200、若しくは300及び/又は約800、600、若しくは約400未満の遺伝子を有してもよい。プローブセットの数は、遺伝子の数に近似的に対応するが、単一の遺伝子は、2つ以上のプローブセットによって表されてもよい。本明細書で使用するとき、語句「遺伝子の数」は、概して、語句「プローブセットの数」と一致することを理解されたい。シグネチャ中に含まれる遺伝子の数は、提供されたデータベースにクエリを行うためにシグネチャを使用する時に、上方及び下方制御された遺伝子間で均等に分割される、50〜300、又は200〜800のプローブセットを有する、示されたシグネチャが、トップスコア化学物質インスタンスに関して安定した結果を提供するという予備試験における観察に基づいた。禿頭/非禿頭試験では、毛包小型化に対するシグネチャとしてフィルタリングされたリストから、上部200及び下部200のプローブを選択した。
(実施例3)
単一及び組み合わせでの使用に特異的なシグネチャ
多くの異なる生物学的プロセスや細胞型が関与する毛髪生物学は複雑である。この実施例は、本発明に従って生成したいくつかの毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャと、これらがいかに毛髪生物学の異なる側面を捕えるための臨床試験から生成したシグネチャと共に組み合わせられるかについて示す(この可視描写については図9参照)。Cマップシグネチャを開発し、インビトロアッセイによる臨床候補物質の効果を、毛髪生物学的に有益な遺伝子発現パターンと比較した。
単一及び組み合わせでの使用に特異的なシグネチャ
多くの異なる生物学的プロセスや細胞型が関与する毛髪生物学は複雑である。この実施例は、本発明に従って生成したいくつかの毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャと、これらがいかに毛髪生物学の異なる側面を捕えるための臨床試験から生成したシグネチャと共に組み合わせられるかについて示す(この可視描写については図9参照)。Cマップシグネチャを開発し、インビトロアッセイによる臨床候補物質の効果を、毛髪生物学的に有益な遺伝子発現パターンと比較した。
このシグネチャは、おそらく個々に又は組み合わせて使用でき、インビトロアッセイにおける活性の組み合わせと、細胞中の有益遺伝子発現パターンとの相関関係は、特定の状況において利点をもたらし、臨床での成功の可能性を高める。1つの組み合わせ法の例は、5つのシグネチャそれぞれにおいて、同じ細胞株上の同じ濃度での試験した候補化学物質それぞれについて平均スコアを算出することに関与した。これらの平均スコアの上位10%を緑色(2点)にマークし、上位25%を黄色(1点)にマークし、その他を灰色(0点)にマークする。5つのシグネチャすべての合計点を記録し、毛髪生物学上の各候補化学物質の効果を総合的に評価する。
A.毛包小型化。禿頭の男性の頭頂部の成長末期の毛髪を、禿頭の男性の非禿頭領域(後頭部)及び禿頭でない男性の頭頂部のものと比較するためにレーザーキャプチャーマイクロダイセクション(LCM)を用いた男性型脱毛症に対する臨床試験によって、このシグネチャ(実施例2に詳細に記載される)を開発した。終毛を比較することによって、このシグネチャは、小型化する前の終毛に存在する遺伝子変化を捕える。例示的シグネチャは、それぞれ表A、Bに記載する。
B.毛髪径の増加。このシグネチャは、局所カフェイン(0.75%)、ナイアシンアミド(2.5%)、及びパンテノール(0.15%)処理を用いた、2つの臨床試験(Dragonball及びPolaroid)のデータから開発した。被験者は、1日1回処理された。3つの時点、すなわち、ベースライン、4週、及び12週において、ゲノム解析のため、20人のレスポンダー及び20人のノンレスポンダーから毛髪引き抜きサンプルを回収した。Dragonball及びPolaroidの両試験から、12週におけるレスポンダー対ノンレスポンダーのAnova検定を使用した。両方の比較において常に変化した遺伝子を、実施例2に記載の方法を用いて更にフィルタリングした。p≦0.1である上方制御されたプローブの上位200、p≦0.14である下方制御された遺伝子の下位200を、シグネチャとして選択した。これらの群間で一貫した生物学的差異は、ノンレスポンダーに対してレスポンダーにおいて、生物学的に改善されたことを示す。製品を用いてすべての被験者が処理されたことから、このシグネチャは、毛髪径の増加に関与する遺伝子変化を捕えている。例示的シグネチャは、それぞれ表C、Dに記載する。
C.毛周期活性化。毛包の真皮乳頭(DP)は、毛包サイクルの制御に重要であり、毛包にとって静止している休止期から発育している成長期に移行する重要な段階は、DPの腫脹である。この移行を模倣し、既知の育毛活性剤に応答するインビトロアッセイが開発されている。ヒト毛包のサイクル制御センターである真皮乳頭に相当する3Dを作り出す、特別なプロセスがP&Gにて開発された。このプロセスは、hTERT−DP細胞株を用いると最も確実である。真皮乳頭細胞の縮合体形成能は、長期培養において潜在的毛髪誘導性シグナルを維持するために、同定された重要な特徴である(文献参照)。ヒト真皮乳頭に対する類似点に関して、毛髪の末端部の尺度に対するその潜在的利点を真皮乳頭細胞の2D培養と比較し、ヒト毛髪に対するより複雑な3D等価物の産生におけるその有用性は、ゲノム研究にて評価した。(1)3D_vs_2D_(DP細胞株A)(2)3D_vs_2D_(DP細胞株B)(3)3D_vs_中間段階(DP細胞株A)(4)3D_vs_中間段階(DP細胞株B)の4種類の比較を行い、常に変化した遺伝子を用いてシグネチャを生成した。上方制御については上位300の遺伝子(p≦0.05)、下方制御については下位300の遺伝子(p≦0.1)をシグネチャとして選択した。このシグネチャは、毛包サイクルの再活性化の段階に生物学的に重要なもの捕えている。例示的シグネチャは、それぞれ表E、Fに記載する。
D.レチノイン酸シグネチャ。レチノイン酸は、皮膚状態の改善をもたらすことができ、かつ皺を減らすことができる物質であり、毛髪径の増加にも有益な場合がある。毛髪生物学に対するインビトロアッセイによって、レチノイン酸シグネチャを開発した。レチノイン酸Cマップシグネチャは、毛髪径の増加と頭皮健康状態の改善のために開発されており、例示的シグネチャは、それぞれ表G、Hに記載する。
E.毛髪量活性物質。臨床試験において、ミノキシジルは毛髪量の有意な増加を常にもたらす。アピゲニンも有意な毛髪量における利益をもたらした。Cマップシグネチャは、毛髪量の増加につながる生物学のみに着目して(その物質が有し得る別の生物学、例えばミノキシジルの血圧低下効果は重視しない)これらの物質から開発されている。ケラチノサイト及び線維芽細胞におけるミノキシジル及びアピゲニンの効果に基づいて2種類のシグネチャを開発し、これら2種類の化合物の毛髪生物学的効果を捕えた。例示的シグネチャは、それぞれ表I、J(BJ細胞)に、及びそれぞれ表K、L(ケラチノサイト)に記載する。
F.モノアミンオキシダーゼB阻害因子シグネチャ。MAOB阻害因子は、毛髪生物学の活性化を改善することが示されている。MAOBは、毛髪生物学的遺伝子発現実験の一組の試験間比較によって、対象となる遺伝子として同定された。一連の酵素阻害因子(例えばセレギリン)は、育毛を単独で活性化し、並びに、ミノキシジルの育毛活性を増加することが示された。Cマップ物質データセットを十分に利用して、データセット中の毛髪生物学的活性を示すMAOB阻害因子からシグネチャを生成し、類似の遺伝子発現活性を有する物質を同定した。
tert−ケラチノサイト及びBJ線維芽細胞について、別々のシグネチャ実験を行った。育毛をもたらすMAOB阻害因子を陽性対照として使用した。非MAOB阻害因子インスタンスを陰性対照として使用した。また、Cマップデータベースにおいて高い複製を有する特定の物質(例えば、Triac及びレチノイン酸)及びミノキシジルは除外した。
Cマップシグネチャ基準
3回の比較すべてにおいてt検定<0.1
1)陽性物質と全DMSO対照との比較におけるシグナル変化のt検定。
2)陽性物質と同一バッチのDMSO対照との比較におけるシグナル変化のt検定。
3)陽性物質と非MAOB阻害因子インスタンスの比較におけるシグナルと真の倍率変化のt検定が<0.1。
3回の比較すべてにおいてt検定<0.1
1)陽性物質と全DMSO対照との比較におけるシグナル変化のt検定。
2)陽性物質と同一バッチのDMSO対照との比較におけるシグナル変化のt検定。
3)陽性物質と非MAOB阻害因子インスタンスの比較におけるシグナルと真の倍率変化のt検定が<0.1。
3回の比較すべてにおいて方向性が一貫している
4)陽性物質と全DMSO対照のシグナル。
5)陽性物質と同一バッチのDMSO対照シグナル。
6)陽性物質と非MAOBインスタンスのシグナル。
4)陽性物質と全DMSO対照のシグナル。
5)陽性物質と同一バッチのDMSO対照シグナル。
6)陽性物質と非MAOBインスタンスのシグナル。
MAOB阻害因子実験及びFaceMap基準:
FaceMapは、顔認識ソフトウェアで使用されるアルゴリズムを利用し、従来のCマップシグネチャを用いずに、類似する生物学的作用を有する物質の同定に3000を超える遺伝子を利用する。顔認識ソフトウェアを用いて2つの物質間で計測される多次元空間内の距離によって、類似性を決定する。
FaceMapは、顔認識ソフトウェアで使用されるアルゴリズムを利用し、従来のCマップシグネチャを用いずに、類似する生物学的作用を有する物質の同定に3000を超える遺伝子を利用する。顔認識ソフトウェアを用いて2つの物質間で計測される多次元空間内の距離によって、類似性を決定する。
このランク付けでは、23のCマップMAOB阻害因子インスタンスのそれぞれを用いて、類似性距離によって物質をランク付けした。選択における2つの基準は、物質がインスタンスの上位10%にあること、及びインスタンスから既知のMAOB阻害因子までの距離が0.5未満であること、とした。これらの基準を満たした場合、インスタンスにスコア1を与えた。
これを、各細胞型についてすべてのMAOB阻害因子インスタンスに対して繰り返し、所定の物質の同一濃度における全インスタンスのスコアを平均して、最終スコアを与えた。
Affyデータから得られたシグネチャを用いて同定された物質におけるインビトロの結果。Affyシグネチャから60種類の物質を得て、これらをプレーティングして、MAOB酵素阻害アッセイにおける評価に供し、46種類の純物質をMAOBレポーターアッセイで試験した。1)酵素アッセイで≧40%阻害、2)レポーターアッセイで≧60%阻害、かつ、3)高用量が低用量より高い活性を有する用量反応を示す、を示すとき、活性物質と定義した。
この結果は以下の表Vに示しており、Cマップが同定した候補物質のリストからのヒットは比較的非常に少なく、酵素アッセイでは46種類のうち3種類、レポーターアッセイでは46種類のうち4種類であることを示す。両方のアッセイにおいて、1つの物質(既知のモノアミンオキシド阻害因子であるキナクリン)は共通して活性であった。
細胞型の影響。しかしながら、細胞型によってAffyが選択した物質の分析では、興味深い傾向を示す。BJ線維芽細胞から同定されたMAOB阻害因子は、tert−ケラチノサイトから同定されたものよりもずっと効果が高かった。BJ線維芽細胞から選択した16種類の物質は、酵素アッセイで3種類がヒットし(19%)、レポーターアッセイで4種類がヒットした(25%)。BJ線維芽細胞が同定した物質の1種類、キナクリンのみが両アッセイでヒットし、ヒット率は6%であった。tert−ケラチノサイトでは、30種類の物質が選択され、酵素アッセイ又はレポーターアッセイのいずれかでのヒットはなかった。「活性物質」基準を20%阻害まで低くすると、より多くの物質が同定されたが、BJ線維芽細胞がより多くの物質をもたらすという同じ傾向を示した。
BJ線維芽細胞及びtert−ケラチノサイト中のMAOB発現。この実験による1つの結論は、MAOB阻害因子の同定には、BJ線維芽細胞がより良い細胞株であることである。しかしながら、酵素がtert−KCよりも低レベルで発現していることから、BJ細胞がMAOB阻害因子の同定に良好であることに驚かされる。以下は、最も発現したAffyプローブセットのデータである。
細胞株間の別の差異は、BJ細胞において、MAOAが、全く発現していない程度に非常に低レベルで発現していることである。BJ線維芽細胞が、MAOB阻害因子の同定をより予測できる細胞株であるという結果は、MAOB対MAOAの比にあるのかもしれない。
図22及び23は、モノアミンオキシダーゼB阻害因子関連遺伝子;BJ細胞におけるそれぞれ下方及び上方制御遺伝子(表O及び表Pは同ケラチノサイト細胞におけるものを示す)を示す表M及びNを包含する。
(実施例4)
テーマに基づいたアプローチ
テーマに基づいたアプローチで遺伝子を解析すると、遺伝子の同定及び理解における潜在的利点と、毛髪生物学に関する改善に関連するプロセスをもたらす。1つの例を本明細書にて以下に記載する。1つのテーマ例は、育毛実験の高度変動遺伝子に関与する。遺伝子発現の変動パターンは、疾患又は老化状態の指標である可能性をもたらす。高度変動遺伝子は、典型的な遺伝子発現解析では従来無視されてきた。ここでは、禿頭頭頂部において調節解除されている遺伝子群(正常頭頂部に対して禿頭頭頂部で高度に発現変動を伴う)について調査した。アデニル酸シクラーゼ活性、ミトコンドリア鉄輸送、免疫応答、エンドペプチダーゼ阻害因子、上皮細胞分化、及びWnt受容体シグナリングにおいて機能する(遺伝子オントロジーによってマッピングされた)これらの遺伝子をシグネチャとして用いて、Cマップデータベースから育毛化学物質を取り出した。これらの遺伝子のうち一部は、Triac及びミノキシジル等の異なる育毛化学物質によって、異なる方向に制御されることが興味深い。この解析は、高度変動遺伝子が、疾患及び化学処理に関連付けられる生物学的変化について、新たな知見をもたらし得ることを示唆している。
テーマに基づいたアプローチ
テーマに基づいたアプローチで遺伝子を解析すると、遺伝子の同定及び理解における潜在的利点と、毛髪生物学に関する改善に関連するプロセスをもたらす。1つの例を本明細書にて以下に記載する。1つのテーマ例は、育毛実験の高度変動遺伝子に関与する。遺伝子発現の変動パターンは、疾患又は老化状態の指標である可能性をもたらす。高度変動遺伝子は、典型的な遺伝子発現解析では従来無視されてきた。ここでは、禿頭頭頂部において調節解除されている遺伝子群(正常頭頂部に対して禿頭頭頂部で高度に発現変動を伴う)について調査した。アデニル酸シクラーゼ活性、ミトコンドリア鉄輸送、免疫応答、エンドペプチダーゼ阻害因子、上皮細胞分化、及びWnt受容体シグナリングにおいて機能する(遺伝子オントロジーによってマッピングされた)これらの遺伝子をシグネチャとして用いて、Cマップデータベースから育毛化学物質を取り出した。これらの遺伝子のうち一部は、Triac及びミノキシジル等の異なる育毛化学物質によって、異なる方向に制御されることが興味深い。この解析は、高度変動遺伝子が、疾患及び化学処理に関連付けられる生物学的変化について、新たな知見をもたらし得ることを示唆している。
(I)背景
遺伝子発現の変動パターンは、疾患又は老化状態の指標であることが示唆されている(Pritchard et al 2001;Bahar et al 2006;Cheung et al 2003)。科学者らは、免疫調節、ストレス、及びホルモン調節に関連付けられる遺伝子が、高度な発現変動を示すことが多いことに気づいていた。若齢マウスと比較した老齢マウスの心筋細胞において、及びヒトリンパ芽球様細胞において、個々の遺伝子発現変動も見られていた。このような発現変動の増加は、細胞死中の遺伝子発現の調節不全、疾患、又は老化によって蓄積されるDNA損傷に起因している(Pritchard et al 2001;Bahar et al 2006;Cheung et al 2003)。
遺伝子発現の変動パターンは、疾患又は老化状態の指標であることが示唆されている(Pritchard et al 2001;Bahar et al 2006;Cheung et al 2003)。科学者らは、免疫調節、ストレス、及びホルモン調節に関連付けられる遺伝子が、高度な発現変動を示すことが多いことに気づいていた。若齢マウスと比較した老齢マウスの心筋細胞において、及びヒトリンパ芽球様細胞において、個々の遺伝子発現変動も見られていた。このような発現変動の増加は、細胞死中の遺伝子発現の調節不全、疾患、又は老化によって蓄積されるDNA損傷に起因している(Pritchard et al 2001;Bahar et al 2006;Cheung et al 2003)。
典型的なマイクロアレイ解析は、変動が低く、差次的に発現した遺伝子に着目し、高度に発現が変動するすべての遺伝子を無視している。これら高度変動遺伝子から、どのような新たな情報が得られ得るかを調べるため、高度変動遺伝子を同定し、これら遺伝子の生物学的機能に注目し、これらの遺伝子が潜在的育毛化学物質の同定のためのシグネチャとして使用できるかどうかを決定した。
(II)方法及び結果:
F検定を実施し、2種類の独立サンプル(禿頭頭頂部及び非禿頭頭頂部での遺伝子発現)の既知の標準偏差と比較した。高度変動遺伝子は、ヒト禿頭試験で確認され、非禿頭頭頂部サンプルと比較して、禿頭頭頂部サンプルにおいて有意に高度に変動している遺伝子に着目した。
F検定を実施し、2種類の独立サンプル(禿頭頭頂部及び非禿頭頭頂部での遺伝子発現)の既知の標準偏差と比較した。高度変動遺伝子は、ヒト禿頭試験で確認され、非禿頭頭頂部サンプルと比較して、禿頭頭頂部サンプルにおいて有意に高度に変動している遺伝子に着目した。
これら高度変動遺伝子について、遺伝子オントロジーマッピングに基づく生物学的テーマの上位は以下のものであった。
1.Gタンパク質シグナリング、アデニル酸シクラーゼ活性の調節
2.ミトコンドリア鉄イオン輸送
3.樹状突起の発達
4.単球分化&その他免疫応答
5.発生プロセス
6.エンドペプチダーゼ阻害因子活性
7.インテグリン結合
8.ヘミデスモソーム
9.上皮細胞分化
10.脂肪細胞分化
11.wnt受容体シグナリング
1.Gタンパク質シグナリング、アデニル酸シクラーゼ活性の調節
2.ミトコンドリア鉄イオン輸送
3.樹状突起の発達
4.単球分化&その他免疫応答
5.発生プロセス
6.エンドペプチダーゼ阻害因子活性
7.インテグリン結合
8.ヘミデスモソーム
9.上皮細胞分化
10.脂肪細胞分化
11.wnt受容体シグナリング
以下の表Wは、6つ以上の高度変動遺伝子を有するKEGG経路を示し、3つの強調した経路は、禿頭頭頂部における高度変動遺伝子としてのみ有意であり、禿頭後頭部における高度変動遺伝子として、又は非禿頭頭頂部又は後頭部における高度変動遺伝子として有意ではない。
禿頭頭頂部で調節解除されている2861の遺伝子に着目した(t検定p<0.05、かつ頭頂部に>1存在)。これらの遺伝子のうち、1157のみが、用いた参照Cマップデータベース中に少なくとも1回存在した。マウスの自然毛周期の試験において、休止期対成長期の比較で有意な変化を示す(1日対23日、p値は0.05以下)プローブを少なくとも1つ必要とすることで、このリストを更に制限した。これにより、203の上方制御遺伝子、及び202の下方制御遺伝子が残された。重複遺伝子を除去した後は、128の下方制御された遺伝子及び129の上方制御された遺伝子のシグネチャがあった(テーマアプローチ:高度変動発現遺伝子に対するそれぞれ下方制御遺伝子及び上方制御遺伝子を含む表Q及びR参照)。Cマップデータベースに対してシグネチャを実行すると、それぞれ以下の表X及びYに示すように、全2266のインスタンスから上位及び下位200のインスタンスに少なくとも2回現れる、化学物質に対する以下の関連性を返した。
(III)要約
高度に変動的に発現した遺伝子は、疾患又は処置によって調節不全となっている遺伝子群である。ここでは、高度変動遺伝子が禿頭頭頂部に関連して同定され、潜在的育毛物質の同定に用いた。
高度に変動的に発現した遺伝子は、疾患又は処置によって調節不全となっている遺伝子群である。ここでは、高度変動遺伝子が禿頭頭頂部に関連して同定され、潜在的育毛物質の同定に用いた。
(実施例5)
生存アッセイと組み合わせたCマップの利用
場合によっては、特定の処置の適用が育毛に関係する細胞に有益か否かについて知ることが重要である。したがって、Cマップを用いて、化学物質適用に対する真皮乳頭細胞等の関連細胞の反応が予測されている。生存アッセイが使用されている。
生存アッセイと組み合わせたCマップの利用
場合によっては、特定の処置の適用が育毛に関係する細胞に有益か否かについて知ることが重要である。したがって、Cマップを用いて、化学物質適用に対する真皮乳頭細胞等の関連細胞の反応が予測されている。生存アッセイが使用されている。
次の細胞を記載するように培養した、すなわち、真皮乳頭細胞(Cell Applications)をコラーゲンI T75フラスコ上、Amniomax完全培地又はDMEM(グルコースを除く)+10% FCS(Invitrogen)中で成長させ、96ウェルプレートにプレーティングして(細胞2,500個/ウェル)、37℃/5% CO2で48時間処理した(DMEM+BSA+/−グルコース)。細胞をCell Titer Glo試薬(Promega)を用いて回収し、各ウェル中に残存するATP濃度を発光によって定量化した。各処置の影響は、DMSO対照(0.1%又は0.5%)と比較し、対照に対する%として報告した。陽性対照として、各プレート上のアデノシン(Sigma、原液20mM、最終100、20、2、0.2μM)を使用した。生存中>50%上昇、かつ増殖中>20%上昇と測定された化合物を「ヒット」とみなした。
CマップライブラリからDP生存アッセイにおいて、合計381の美容作用性物質を試験した(表S参照)。DP生存データをCマップ遺伝子発現プロファイルにマッピングし、飢餓状態下で真皮乳頭細胞を延命できる化学物質を同定した。試験した化学物質のうち、362が、Cマップ試験において試験した対応物を有していた。偽陽性を示す糖成分を有する化学物質、及びDP生存アッセイにおいて異なる濃度で異なる作用をする化学物質(例えば、高濃度で毒性があり、低濃度で活性がある)を除外すると、646の遺伝子発現プロファイルにマッピングされる50の活性化学物質、及び286の非活性化学物質が残った。したがって、Cマップ美容上作用可能コレクションのスクリーニングから決定されるヒット率は14.8%であった。これら646のプロファイルを訓練データとして用いて、化学物質の活性を予測するDP生存アッセイモデルを構築した。
最初に用いたモデルアプローチは、個々の遺伝子の発現に基づくものとした。シグナル値の平均値(及びDMSOに対する倍率変化)が、活性化学物質と非活性化学物質との間で有意に異なるかどうか(Studentのt検定P≦0.05)を、総合比較として実施した。また、全活性物質又は全非活性物質又は全DMSO対照において、検出率90%未満と判定される低発現の遺伝子も除外した。
遺伝子リストは次のように使用した、すなわち、活性物質において上方制御及び下方制御された遺伝子は、潜在的活性化学物質の同定のためCマップシグネチャの作成に用いた(DP生存アッセイの下方及び上方制御された遺伝子についての表T及びU参照)。いずれかのシグナルに基づいて、4つのTREENET(登録商標)モデルについても構築した(Salford Data Miner Systemを使用)が、このシグナルとは、DP生存活性を予測するために有意に変化した生物学的テーマの倍率変化値若しくはp値(活性対非活性)、又は、DP生存スコア(0〜3000の範囲、≧150を活性とする)とした。TREENET(登録商標)アルゴリズムは、非活性物質から活性物質を分類する個々の遺伝子の発現に基づいて、一連の小規模の決定樹を生じる。
全モデルについて、10分割交差検証を用いて、既存のDP生存データ上のモデルを訓練した。次いで、個々の方法それぞれによって各Cマップ遺伝子プロファイルを評価した。これらの複合スコアから、41種類の予測活性物質を選択して試験し、40種類をDP生存アッセイで試験し、そのうち29種類が真の活性物質であることが判明し、21種類のDP生存スコアは>200であった。(ヒット率72.5%)。最初に成功した試験を更に調べるため、このデータを80種類の陽性及び陰性育毛物質による一組の初期データに含めてこのモデルを再訓練し、その後、10種類の予測活性物質及び13種類の予測非活性物質について試験した。これらのうち、4種類の予測活性物質は真の活性物質であることが判明し(ヒット率40%)、2種類の予測非活性物質は活性があると判明した(ヒット率85%)。
Claims (15)
- 1つ以上の毛髪生物学的状態と関連する、撹乱因子と遺伝子との間の関連性の同定に使用するための、データアーキテクチャを構築するための方法であって、
(a)対照ヒト線維芽細胞に対する遺伝子発現プロファイルを提供する工程と、
(b)少なくとも1つの撹乱因子に曝露されたヒト線維芽細胞に対する遺伝子発現プロファイルを生成する工程と、
(c)(a)及び(b)の前記遺伝子発現プロファイルを比較することにより、前記少なくとも1つの撹乱因子に応答して差次的に発現した遺伝子を同定する工程と、
(d)前記差次的に発現した遺伝子を表す識別子を含む、順序付きリストを作成する工程であって、前記識別子が、前記遺伝子の前記差次的発現に従って順序付けられる、工程と、
(e)少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な媒体上に、線維芽細胞インスタンスとして、前記順序付きリストを記憶する工程と、
(f)(a)〜(e)を繰り返すことによって、記憶された線維芽細胞インスタンスのデータアーキテクチャを構築する工程であって、工程(a)の前記少なくとも1つの撹乱因子が、各線維芽細胞インスタンスに対して異なる、工程と、を含む、方法。 - (g)対照ヒトケラチノサイト細胞に対する遺伝子発現プロファイルを提供する工程と、
(h)少なくとも1つの撹乱因子に曝露されたヒトケラチノサイト細胞に対する、遺伝子発現プロファイルを生成する工程と、
(i)(g)及び(h)の前記遺伝子発現プロファイルを比較することにより、前記少なくとも1つの撹乱因子に応答して差次的に発現した遺伝子を同定する工程と、
(j)前記差次的に発現した遺伝子を表す識別子を含む、順序付きリストを作成する工程であって、前記識別子が、(i)において同定される前記遺伝子の前記差次的発現に従って順序付けられる、工程と、
(k)前記少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な媒体上に、ケラチノサイトインスタンスとして、工程(j)において作成される前記順序付きリストを記憶する工程と、
(l)(g)〜(k)を繰り返すことによって、記憶されたケラチノサイトインスタンスのデータベースを構築する工程であって、工程(h)の前記少なくとも1つの撹乱因子が、各ケラチノサイトインスタンスに対して異なる工程と、を更に含む、請求項1に記載の方法。 - プログラム可能なコンピュータを使用して、工程(c)、(d)、(e)及び(f)のうち1つ以上を実行する工程を含む、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記生成する工程が、処理された細胞から生体サンプルを抽出し、前記生体サンプルをマイクロアレイ解析に供することによって実行される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記マイクロアレイが、網羅的マイクロアレイ又は特異的マイクロアレイであり、前記特異的マイクロアレイが、細胞表現型の遺伝子発現シグネチャに対応する遺伝子にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記少なくとも1つの撹乱因子が、化粧剤、植物性物質、ビタミン化合物、糖アミン、フィトステロール、ヘキサミジン、ヒドロキシ酸、セラミド、アミノ酸、及びポリオールからなる群から選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記方法が、少なくとも1つの毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャを用いてデータアーキテクチャにクエリを行う工程を含み、該クエリを行う工程が、前記少なくとも1つの毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャを、各記憶された線維芽細胞インスタンスと比較する工程を含み、前記毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャが、前記少なくとも1つの毛髪生物学的状態と関連して差次的に発現した遺伝子を表す、毛髪を処理するために有効な化粧剤を同定するのに役立つ関連性を生成するための、請求項1〜6のいずれか一項に記載のデータアーキテクチャを実行するための方法。
- 前記少なくとも1つの毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャが、(i)対照と比較して、前記少なくとも1つの毛髪生物学的状態において上方制御された発現を有する遺伝子を同定する工程と、(ii)対照と比較して、前記少なくとも1つの毛髪生物学的状態において下方制御された発現を有する遺伝子を同定する工程と、(iii)(i)及び(ii)において同定される複数の遺伝子に対応する識別子を含む、前記少なくとも1つの毛髪生物学関連遺伝子発現シグネチャと関連する、1つ以上の遺伝子発現シグネチャリストを作成する工程と、少なくとも1つのコンピュータ読み取り可能な媒体上に、前記1つ以上の遺伝子発現シグネチャリストを記憶する工程と、を含む方法によって構築される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
- 少なくとも1つの毛髪サンプルが、前記少なくとも1つの毛髪生物学的状態を呈するヒト被験者から採取され、生体サンプルが、前記毛髪サンプルから抽出され、前記少なくとも1つの毛髪サンプルの遺伝子発現プロファイルが、前記工程(i)及び(ii)のうちの少なくとも1つより前に生成される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
- 前記比較が、複数のインスタンスのそれぞれに関連性スコアを割り当てることを更に含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
- 複数の関連性スコアが、正相関を表し、複数の前記関連性スコアが、負相関を表す、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
- 皮膚科学的に許容可能な担体と少なくとも1つの撹乱因子とを含むヘアケア組成物を配合する工程を更に含み、前記少なくとも1つの撹乱因子に関連付けられる前記インスタンスの前記関連性スコアが、負相関を有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
- 遺伝子からなる遺伝子発現シグネチャが、表C及びDに記載される遺伝子から選択される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
- 遺伝子からなる遺伝子発現シグネチャが、表E及びFに記載される遺伝子から選択される、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
- 各識別子が、表A〜R、T、及びUのいずれかに記載される遺伝子を表すマイクロアレイプローブセットID、ヒト遺伝子名、ヒト遺伝子記号、及びそれらの組み合わせからなる群から選択され、前記1つ以上の遺伝子発現シグネチャリストのそれぞれが、50〜600の識別子を含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
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