JP2015526377A - セリア−ジルコニア混合酸化物粒子、及び熱分解によるそれらの製造方法 - Google Patents

セリア−ジルコニア混合酸化物粒子、及び熱分解によるそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、混合酸化物粒子の製造方法であって、(1)溶媒、セリアの1種以上の前駆体化合物、ジルコニアの1種以上の前駆体化合物、並びにセリア以外の1種以上の希土類酸化物の1種以上の前駆体化合物、及び/又はイットリアの1種以上の前駆体化合物を含む混合物を供給する工程、(2)工程(1)において供給された混合物のエアロゾルを形成する工程、及び(3)工程(2)のエアロゾルを熱分解し、混合酸化物粒子を得る工程、を含み、工程(3)において形成された混合酸化物粒子中の前記セリア以外の希土類酸化物の含有量、及び/又はイットリアの含有量が、前記混合酸化物粒子中に含まれる前記希土類酸化物、イットリア、及びジルコニアの総質量に基づいて、0.1〜4.9質量%の範囲であることを特徴とする方法、並びにフレーム溶射熱分解から得られる混合酸化物粒子、及びそれらの酸素貯蔵成分、触媒、及び/又は触媒担体としての使用方法に関する。

Description

本発明は、セリア及びジルコニアを含む混合酸化物粒子の製造方法、並びに本発明の方法から、特にフレーム溶射熱分解(flame spray pyrolysis)から得られる混合酸化物粒子に関する。また、本発明は、本発明により得られる混合酸化物粒子の使用方法に関する。
排ガス処理の分野、特に酸素貯蔵成分(OSC)を用いるその燃焼又は酸化的処理の分野において、セリウム及びジルコニウム含有混合酸化物は、それらにおける、特に自動車用触媒におけるOSC成分として使用されている。それらの製造方法に関しては、固体状態での合成(solid state synthesis)(例えば、セラミック法及び機械的破砕(mechanical grinding))、液体−固体合成(例えば、前駆体法)、種々の沈殿法、熱水及びソルボサーマル合成、ゾル−ゲル法、エマルジョン及びマイクロエマルジョン法、含浸法、並びに気体−固体合成(例えば、化学蒸着)のような種々の方法が、用いられている。
実際には、共沈殿法が、広く用いられている。これらの場合、所望の生成物の塩の溶液から、酸化物が沈降又は凝集剤を用いて沈殿される。これらの方法において、個々の化合物の溶解度が、重要な役割を果たす。特に、個々の化合物の溶解度は、相の分離を避けるために、極めて近似していなければならない。この結果として、2種以上のカチオンからなる混合物では、上記方法の使用は困難になる。これらの方法におけるさらなる不利な点としては、そのような混合酸化物粒子の製造中における大量の廃棄物含有塩の形成である。これに加えて、共沈殿法は、洗浄、ろ過、乾燥及び焼成を含む、相当な数の後処理工程(workup step)を必要とする。
様々な研究が、フレーム溶射合成(FSS)、特にフレーム溶射熱分解(FSP)は、改善された熱安定性を示す酸素貯蔵材料を製造するために適切であることを示している。したがって、Stark et al.in Chem.Comm.2003,pp.588−589では、そのような溶射フレーム合成法を用いて、十分な酸素貯蔵特性を有し、高い表面積を有するセリア−ジルコニア混合酸化物を製造することが可能であった。Stark et al.in Chem.Mater.2005,vol.17,pp.3352−3358において、セリア−ジルコニア混合酸化物は、低温での改善された酸素貯蔵容量を有する材料を得ようとして、フレーム合成を介して製造された。また、Stark et al.in Chem.Mater.2005,vol.17,pp.3352−3358は、フレーム合成の単一の工程を使用して得られ得る、さらにプラチナを含むセリア−ジルコニア混合酸化物のフレーム合成に関係する。
共沈殿法と同様に、フレーム溶射合成もまた、さらに、例えばシリカ及びアルミナ等の添加剤を含むセリア−ジルコニア混合酸化物を合成するために使用されている。したがって、Stark et al.in J.Mater.Chem.2003,vol.13,pp.2979−2984において、アルミナは明らかにその効果を有さないのに対し、より少量のシリカが、酸素貯蔵容量を改善することができたことが見出された。より多量の添加剤は、これらが粒子中の酸素交換を抑制する層の形成を引き起こすので、不利であることが見出された。
Jossen et al.Chem.Vap.Deposition 2006,vol.12,pp.614−619は、フレーム溶射合成を使用するセリア−ジルコニア混合酸化物熱安定性を研究した。特に、35質量%のセリア含有量を有するセリア−ジルコニア混合酸化物が、熱時効(thermal aging)に対する増加した耐性を示す高い表面積を有する粒子の製造を可能にさせることが見出された。また、アルミニウム酸化物及びランタン酸化物の添加は、熱安定性を改善することができることが見出された。この点において、安定化効果に関する最適条件は、希土類酸化物及びジルコニウム酸化物の総質量に基づいて、10質量%のランタン、25質量%のセリウム、及び65質量%のジルコニウからなる混合酸化物について認められた。
Wang et al.in Journal of Molecular Catalysis A:Chemical 2011,vol.339,pp.52−60は、5質量%の、ランタン、ネオジム、プラセオジム、サマリウム及びイットリウム等の希土類元素を含む、式Ce0.2Zr0.8の沈殿されたセリア−ジルコニア混合酸化物に関する。Wang et al.in Environmental Science and Technology 2010,vol.44,pp.3870− 3875は、希土類元素、特にランタン、ネオジム、プラセオジム、サマリウム及びイットリウムで修飾された、式Ce0.2Zr0.8のセリア−ジルコニア混合酸化物、並びに自動車排ガスの処理用のそれらの使用方法に関係し、その希土類含有セリア−ジルコニア混合酸化物が、共沈殿法によって得られる。特に、5質量%の希土類酸化物のCe0.2Zr0.8への添加が、結果として得られる材料の酸素貯蔵容量だけでなく、熱安定性も改善する効果があったことが、Wang et al.において、それぞれ見出された。特にランタン、ネオジム、及びプラセオジムの添加は、純粋なセリア−ジルコニア混合酸化物と比較して、明らかな改善を示した。しかしながら、これらの材料は、フレーム溶射合成を使用して製造されず、むしろ共沈殿法を使用して製造された。Li et al.in Jounal of Rare Earths 2001,vol.29,no.6,pp.544−549は、5質量%のランタンを含身、且つ共沈殿法によって製造されているセリア−ジルコニア混合酸化物Ce0.2Zr0.8に関する。一方、Cao et al.in Materials Letters 2008,vol.62,pp.2667−2669は、固体状態での合成から得られる、式La(Ce0.7Zr0.3の酸化物セラミック材料に関係する。
US2011/0281112A1は、フレーム溶射熱分解を使用してセリアを製造する方法に関する。
Stark et al. in Chemical Communications 2003,pp588−589、WO2004/103900A1、及びWO2004/005184A1は、それぞれフレーム溶射熱分解法を使用するセリア−ジルコニア混合酸化物の製造方法に関する。EP1378489A1は、フレーム合成からの混合金属酸化物の製造方法、及び特に高いジルコニウムレベルを有するセリア−ジルコニア混合酸化物に関係する。
US7,220,398B2は、フレーム溶射熱分解を解して形成されるアルミナを含むセリア−ジルコニア混合酸化物に関係し、その粒子は、セリア及びジルコニアの固溶体(solid solution)を分離するガンマ−アルミナからなる。
主成分、特にセリア及びジルコニアに加えて、種々の添加剤を含む混合酸化物材料を得る方法に関連して、改善はなされているが、非常に効率良く、そのためコスト効率の高い材料を提供するための、コスト効率の高い方法で製造され得る高性能の酸素貯蔵成分に対する継続中の必要性が残っている。このことは、特に、前駆体材料、特にセリア−ジルコニア混合酸化物に、それらの特性を改善するために使用される添加剤のコストにより、大いに動機づけされる自動車用触媒に使用される酸素貯蔵成分材料に関して適用する。したがって、単一の工程で実施され得るフレーム溶射熱分解法を考慮しても、改善が達成されているが、それにもかかわらず、そのような方法が、結果として得られる材料中に、酸素貯蔵容量における所望の特性を提供するための添加剤材料として、大量の前駆体材料、特にセリア及び他の希土類化合物の使用を伴うといった問題が残っている。
US2011/0281112A1 WO2004/103900A1 WO2004/005184A1 EP1378489A1 US7,220,398B2
Stark et al.in Chem.Comm.2003,pp.588−589 Stark et al.in Chem.Mater.2005,vol.17,pp.3352−3358 Stark et al.in J.Mater.Chem.2003,vol.13,pp.2979−2984 Jossen et al.Chem.Vap.Deposition 2006,vol.12,pp.614−619 Wang et al.in Journal of Molecular Catalysis A:Chemical 2011,vol.339,pp.52−60 Wang et al.in Environmental Science and Technology 2010,vol.44,pp.3870− 3875 Li et al.in Jounal of Rare Earths 2001,vol.29,no.6,pp.544−549 Cao et al.in Materials Letters 2008,vol.62,pp.2667−2669 Stark et al. in Chemical Communications 2003,pp588−589
したがって、セリア−ジルコニア混合酸化物の改善された製造方法を提供することが、本発明の目的である。特に、本発明の目的は、特に酸素貯蔵材料の所望の特徴及び性能を提供するための、高価な前駆体化合物セリア、及びセリア以外の希土類酸化物を含むさらなる添加剤の量と相対的に、優れた酸素貯蔵容量、及び時効耐性を有するセリア−ジルコニア混合酸化物を提供することである。
したがって、非常に驚くべきことに、極めて低い量のセリア以外の1種以上のさらなる希土類金属を含む、及び/又は極めて低い量のイットリアを含むセリア−ジルコニア混合酸化物粒子が、それらに含まれる前記セリア以外の希土類元素の量、及び/又はイットリアの量に基づいて、予想外に高い性能を示して、フレーム合成から得られ得ることが見出された。より具体的には、非常に予想外に、それらに含まれるセリア以外の希土類酸化物の量、及び/又はイットリアの量に基づいて、そのような材料の酸素貯蔵能と相対的に、かなり少ない前記材料が、当技術分野で公知のセリア−ジルコニア系混合酸化物と比較して、同等の改善された性能を達成するために必須であることが見出された。
したがって、本発明は、混合酸化物粒子の製造方法であって、
(1)溶媒、セリアの1種以上の前駆体化合物、ジルコニアの1種以上の前駆体化合物、並びにセリア以外の1種以上の希土類酸化物の1種以上の前駆体化合物、及び/又はイットリアの1種以上の前駆体化合物を含む混合物を供給する工程、
(2)工程(1)において供給された混合物のエアロゾルを形成する工程、及び
(3)工程(2)のエアロゾルを熱分解し、好ましくは酸素を含む雰囲気中で熱分解し、混合酸化物粒子を得る工程、を含み、
工程(3)において形成された混合酸化物粒子中の前記セリア以外の希土類酸化物の含有量、及び/又はイットリアの含有量が、前記混合酸化物粒子中に含まれる前記希土類酸化物、イットリア、及びジルコニアの総質量に基づいて、0.1〜4.9質量%の範囲、好ましくは0.3〜4.5質量%の範囲、さらに好ましくは0.5〜4質量%の範囲、さらに好ましくは0.7〜3.5質量%の範囲、さらに好ましくは0.8〜3質量%の範囲、さらに好ましくは0.9〜2.5質量%の範囲、さらにいっそう好ましくは1〜2質量%の範囲であることを特徴とする方法に関する。
本発明の方法の工程(1)における混合物の供給については、均一な混合物が供給され得れば、混合物を形成するために使用される手段に関して特に制限はない。したがって、本発明によれば、1種以上の前駆体化合物が、混合物を形成するために供給された溶媒に、少なくとも一部分で不溶性である場合、混合物を均一化する手段が、その中に前記1種以上の前駆体化合物の高分散を達成するために使用されることが好ましい。したがって、例として、そのような場合、均一化混合物が、攪拌(stirring)、振とう、回転、及び超音波処理等の適切な攪拌(agitation)手段によって供給され得、好ましくは、混合物はその高分散を得るために、溶媒中の1種以上の前駆体の適切な攪拌(stirring)によって供給される。しかしながら、本発明によれば、均一な混合物が、溶媒中への全ての成分の溶解によって供給されるように、工程(1)において供給される1種以上の前駆体化合物が、供給される溶媒にそれぞれ可溶性であることが好ましい。
一方、工程(2)におけるエアルゾルの形成についても、同様に、本発明の方法の工程(3)において熱分解され得れば、そのようなエアロゾルを形成するために使用され得る手段に関して、本発明によれば特に制限はない。したがって、例として、エアロゾルは、工程(1)において供給された混合物を、気体媒質中へ分散する任意の適切な手段によって、例えば前記媒質中へ工程(1)において供給された混合物を噴霧すること等によって形成され得る。本発明の好ましい実施形態によれば、工程(1)において供給された混合物は、前記エアロゾルの流れを得るために、ガス流中へ噴霧され、その後、本発明の方法の工程(3)を達成するため、熱分解区域へ導かれ得る。
本発明の方法の工程(2)において供給されるエアロゾルの熱分解の工程についても、同様に、エアロゾルの少なくとも一部が、前記熱処理の結果として混合酸化物粒子へ変換されれば、前記熱分解を達成するために使用される方法に関して、特に制限はない。したがって、例として、工程(3)における熱分解は、温度が、工程(2)において供給されるエアロゾルの少なくとも一部を熱分解するのに十分である任意の熱源を用いて達成され得る。本発明によれば、混合酸化物粒子の製造方法は、連続モードで実施され、本発明の特定の好ましい実施形態によれば、エアロゾルは、熱分解区域を通過されるガス流として供給され、そのガス流が熱分解区域を出ると、前記エアロゾルの少なくとも一部から混合酸化物粒子を得る。熱分解が連続モードで実施される、本発明の前記好ましい実施形態によれば、前記エアロゾルの少なくとも一部が、工程(3)において熱分解され得、混合酸化物粒子を得るように、熱分解区域の範囲に応じて重量毎時空間速度(weight hourly space velocity)が選択されるのであれば、熱分解区域へ導かれるエアロゾルガス流の重量毎時空間速度に関しても、特に制限はなく、熱分解区域の範囲に関しても、如何なる制限はない。
本発明の方法の工程(2)において、エアロゾルが形成されるガスについても同様に、それが1種のガス、又は数種の異なる種類のガスを含有し得るその組成物に関して、特に制限はない。工程(2)においてエアロゾルを供給するために使用されるガスは、1種以上の不活性ガスからなり得、本発明によれば、前記1種以上の不活性ガスは、本発明の方法の工程(3)における熱分解の条件下で反応しない。しがしながら、本発明によれば、工程(2)におけるエアロゾルを形成するために使用されるガスの少なくとも一部は、工程(1)において供給された混合物の少なくとも一部と反応するガスであることが好ましく、前記ガスは、特に工程(3)における混合物の熱分解中に、工程(1)において供給された混合物に対する酸化効果を有することが、さらに好ましい。工程(2)において形成されるエアロゾルに含まれるガスの少なくとも一部が、工程(1)における混合物に対して酸化剤として作用する前記実施形態によれば、この効果に使用され得るガスの種類に関して、それが工程(1)において供給された混合物の少なくとも一部を酸化し得るのであれば、特に制限はない。本発明の前記好ましい実施形態によれば、工程(1)において供給された混合物に対して酸化効果を有する、工程(2)において供給されたエアロゾルに含有されたガスの一部は、工程(3)における熱分解中に混合物の少なくとも一部と反応し得、前記反応は、工程(1)において供給された混合物の熱分解のため、工程(3)において要求される熱源の少なくとも一部を供給するように、発熱性であることがさらに好ましい。前記特に好ましい実施形態によれば、使用され得るガスの種類については、それが、工程(3)における熱分解に必要な熱の少なくとも一部を供給するために、工程(1)において供給された混合物の少なくとも一部と、発熱型で反応し得れば、同様に特に制限はない。本発明の特に好ましい実施形態によれば、工程(2)におけるエアロゾルに含まれる酸化ガスは、酸素を含み、さらに好ましくは、工程(2)のエアロゾルに含まれる酸化ガスは、酸素である。
工程(1)において供給されたジルコニアの1種以上の前駆体化合物については、本発明の意義の範囲において、用語「ジルコニア」は、ジルコニア、ハフニア、及びそれらの混合物を示すことが留意される。
本発明の方法の工程(1)において供給される混合物については、工程(1)における混合物を供給する工程、工程(2)における前記混合物からエアロゾルを形成する工程、及び工程(3)におけるエアロゾルを熱分解する工程に使用される具体的なパラメータ及び条件に応じて、工程(3)において形成される混合酸化物粒子の少なくとも一部が、前記混合酸化物粒子中に含まれる希土類酸化物、イットリア、及びジルコニアの総質量に基づいて、0.1〜4.9質量%の範囲の量で、セリア以外の希土類酸化物及び/又はイットリアを要求するのであれば、溶媒の量に関しても、セリア、ジルコニア、又はセリア以外の1種以上の希土類酸化物、及び/若しくはイットリアの1種以上の前駆体化合物の量に関しても、特に制限はない。本発明の特定の意味によれば、工程(3)において形成される個々の混合酸化物粒子の少なくとも一部がこの定義を満たす場合、工程(3)において形成される混合酸化物粒子の少なくとも一部は、前記酸化物粒子中に含まれる希土類酸化物、イットリア、及びジルコニアの総質量に基づいて、0.1〜4.9質量%の範囲に含まれる量で、セリア以外の希土類酸化物、及び/又はイットリアを含み、好ましくは、工程(3)において形成される個々の混合酸化物粒子の少なくとも50%が、さらに好ましくは、工程(3)において形成される混合酸化物粒子の60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95質量%以上、さらに好ましくは98質量%以上、さらに好ましくは99質量%以上、さらに好ましくは99.5質量%以上が、前記酸化物粒子中に含まれる希土類酸化物、イットリア、及びジルコニアの総質量に基づいて、0.1〜4.9質量%の範囲に含まれる量で、セリア以外の希土類酸化物、及び/又はイットリアを含む。本発明の特に好ましい実施形態によれば、工程(3)において形成される混合酸化物粒子の99.9質量%以上が、前記酸化物粒子中に含まれる希土類酸化物、及びジルコニアの総質量に基づいて、0.1〜4.9質量%の範囲に含まれる量で、セリア以外の希土類酸化物、及び/又はイットリアを含み、前記セリア以外の希土類酸化物の含有量は、前記混合酸化物の個々の粒子における含有量に言及する。したがって、同様なことが、工程(3)において形成される混合酸化物粒子中のセリア以外の希土類酸化物の含有量が、0.3〜4.5質量%、さらに好ましくは0.5〜4質量%、さらに好ましくは0.7〜3.5質量%、さらに好ましくは0.8〜3質量%、さらに好ましくは0.9〜2.5質量%、さらにいっそう好ましくは1〜2質量%の範囲に含まれる、本発明のさらに好ましい実施形態に関連して、適用される。
本発明の方法の工程(1)において供給されるセリア以外の1種以上の希土類酸化物については、本発明によれば、供給され得るセリア以外の1種以上の希土類酸化物の種類に関しても、前駆体化合物の数に関しても、特に制限はない。しかしながら、本発明によれば、前記セリア以外の1種以上の希土類酸化物は、それらの2種又は3種の混合物を含むランタナ、プラセオジミア、及びネオジミアの1種以上を含むことが好ましく、前記セリア以外の1種以上の希土類酸化物は、ランタナ、及び/又はネオジミアを含むことがさらに好ましい。本発明の特に好ましい実施形態によれば、本発明の方法の工程(1)において供給されるセリア以外の1種以上の希土類酸化物は、ランタナを含み、さらにいっそう好ましくは、前記セリア以外の希土類酸化物は、ランタナである。本発明によれば、特別の規定のない限り、希土類酸化物の指定は、特に希土類酸化物の酸化状態に関して、原則として、任意の1種以上の希土類酸化物が指定され得るように、その特定の種類に言及しない。したがって、例として、特別の規定のない限り、用語「セリア」は、主に、化合物CeO、Ce、及び上記の化合物の任意の混合物のことを言う。しかしながら、本発明の好ましい意味によれば、用語「セリア」は、化合物CeOを指定する。したがって、同様なことが、用語「プラセオジミア」に関して、一般的に、前記用語は、化合物Pr、Pr11、PrO、及びそれらの2種以上の任意の混合物の任意の1種を指定するように、適用される。本発明の好ましい意味によれば、用語「プラセオジミア」は、化合物Prを指定する。
したがって、本発明の好ましい実施形態によれば、前記セリア以外の1種以上の希土類酸化物は、ランタナ、プラセオジミア、ネオジミア、及びそれらの2種又は3種の混合物からなる群から選択され、好ましくは前記1種以上の希土類酸化物は、ランタナ、及び/又はネオジミア、好ましくはランタナを含み、さらにいっそう好ましくは、前記希土類酸化物はランタナである。
前記セリア以外の1種以上の希土類酸化物の1種以上の前駆体化合物の濃度について、本発明によれば、前記化合物が本発明の工程(1)において供給され得る量に関して、その実行のための具体的な手段、及びそこで選択されるパラメータに応じて、工程(3)において形成される混合酸化物粒子中の前記セリア以外の希土類酸化物の含有量、及び/又はイットリアの含有量が、前記混合酸化物粒子中に含まれる希土類酸化物、イットリア、及びジルコニアの総質量に基づいて、0.1〜4.9質量%の範囲に含まれるのであれば、同様に特に制限はない。したがって、同じものを含む実施形態によれば、同様なことが、イットリアの1種以上の前駆体化合物に関して適用される。したがって、例として、工程(1)において供給される混合物に含まれる、それらのそれぞれの酸化物として計算される、セリア以外の1種以上の希土類酸化物の1種以上の前駆体化合物の濃度、及び/又はイットリアの1種以上の前駆体化合物の濃度は、工程(1) において供給される混合物の総質量に基づいて、0.01〜5質量%の範囲に含まれ得、好ましくは、その濃度は、0.05〜2質量%の範囲、さらに好ましくは0.1〜1.5質量%の範囲、さらに好ましくは0.3〜1.2質量%の範囲、さらに好ましくは0.5〜1質量%の範囲、さらに好ましくは0.7〜0.9質量%の範囲に含まれる。本発明の特に好ましい実施形態によれば、それらのそれぞれの酸化物として計算される、セリア以外の1種以上の希土類酸化物の1種以上の前駆体化合物の濃度、及び/又はイットリアの1種以上の前駆体化合物の濃度は、工程(1)において供給される混合物の総質量に基づいて、0.75〜0.85質量%の範囲に含まれる。
本発明の方法の工程(1)において供給される溶媒については、工程(3)において形成される混合酸化物粒子中のセリア以外の希土類酸化物の含有量、及び/又はイットリアの含有量が、0.1〜4.9質量%の範囲に含まれるのであれば、同様に前記溶媒の組成に関しても、量に関しても特に制限はない。したがって、例として、工程(1)において供給される溶媒は、脂肪族及び芳香族炭化水素、アルコール、複素環化合物、カルボン酸、水、及びそれらの任意の2種以上の混合物からなる群から選択されるような1種以上の化合物を含み得る。好ましい実施形態によれば、本発明の工程(1)において供給される溶媒は、芳香族炭化水素、N−含有複素環、テトラヒドロフラン、(C−C10)炭化水素、(C−C)アルコール、(C)カルボン酸、水、及びそれらの2種以上の組合せからなる群から、さらに好ましくは(C−C12)芳香族炭化水素、ピロリジン、ピロール、ピペリジン、ピリジン、アゼパン、アゼピン、テトラヒドロフラン、(C−C)炭化水素、(C−C)アルコール、(C2−)カルボン酸、水、及びそれらの2種以上の組合せからなる群から、さらに好ましくはC芳香族炭化水素、ピロリジン、ピロール、ピペリジン、ピリジン、テトラヒドロフラン、ペンタン、ヘキサン、エタノール、メタノール、プロパノール、(C−C)カルボン酸、酢酸、プロピオン酸、水、及びそれらの2種以上の組合せからなる群から、さらに好ましくはトルエン、エチルベンゼン、キシレン、ヘキサン、プロパノール、酢酸、C−カルボン酸、プロピオン酸、水、及びそれらの2種以上の組合せからなる群から、さらにいっそう好ましくはキシレン、ヘキサン、n−プロパノール、酢酸、2−エチルヘキサン酸、水、及びそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される1種以上を含む。
本発明によれば、工程(1)において供給される溶媒が室温で液体状態である必要はない。本発明の意味の範囲で、用語「室温」は、25℃の温度のことを言う。したがって、本発明の特定の実施形態によれば、工程(1)において供給される溶媒は、室温で液状ではなく、むしろ固体、又は半固体状態であり、工程(1)において供給される混合物は、本発明の方法において、工程(2)におけるエアロゾルを形成するために、室温より高い温度で使用される。したがって、前記別の好ましい実施形態によれば、工程(1)において供給される溶媒は、室温より高い融点を有する1種以上の化合物を含み、したがって、前記1種以上の化合物は、より高い分子量の脂肪族及び芳香族炭化水素、アルコール、複素環化合物、カルボン酸、及びそれらの2種以上の混合物からなる群から選択され得、前記化合物は、それぞれ室温より高い融点を有する。本発明によれば、室温より高い融点を有する前記1種以上のより高い分子量の化合物は、室温の、及び/又は室温未満の融点を有する1種以上の化合物と共に、工程(1)において供給される溶媒中に含まれ得る。しかしながら、本発明の特定の実施形態によれば、工程(1)において供給される溶媒は、実質的に、室温より高い融点を有する1種以上の化合物からなり、好ましくは、前記1種以上の化合物は、好ましくは脂肪族及び芳香族炭化水素、アルコール、複素環化合物、カルボン酸、及びそれらの2種以上の混合物からなる群から、さらに好ましくは脂肪族炭化水素、アルコール、カルボン酸、及びそれらの2種以上の混合物からなる群から選択される。
本発明の特に好ましい実施形態によれば、工程(1)において供給される溶媒は、キシレンを含む。本発明の特に好ましい別の実施形態によれば、工程(1)において供給される溶媒は、酢酸及び水の混合物を含む。
本発明の方法の工程(1)における溶媒中に、好ましく含まれる芳香族炭化水素については、工程(3)において形成される混合酸化物粒子中の前記セリア以外の希土類酸化物の含有量、及び/又はイットリアの含有量が、前記混合酸化物粒子中に含まれる希土類酸化物、イットリア、及びジルコニアの総質量に基づいて、0.1〜4.9質量%の範囲に含まれるのであれば、本発明において使用され得る芳香族炭化水素の特定の種類、又は種類群に関して、同様に特に制限はない。したがって、例として、芳香族炭化水素は、それらの2種以上の任意の混合物を含む(C−C12)炭化水素からなる群から選択され得るが、しかしながら、芳香族炭化水素は、1種以上の(C−C11)炭化水素、さらに好ましくは(C−C10)炭化水素、さらに好ましくは(C−C)炭化水素、さらにいっそう好ましくはC−炭化水素を含むことが好ましく、さらにいっそう好ましくは、前記溶媒は、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、メシチレン、ジュレン、及びそれらの2種以上の混合物からなる群から、好ましくはトルエン、エチルベンゼン、キシレン、及びそれらの2種以上の混合物からなる群から選択される1種以上の芳香族炭化水素を含み、さらにいっそう好ましくは、前記溶媒は、トルエン、及び/又はキシレン、好ましくはキシレンを含む。
したがって、同様なことが、本発明の方法の工程(1)において供給される溶媒中に好ましく含まれる脂肪族炭化水素に関して適用される。したがって、本発明の方法の工程(1)において供給される混合物中に好ましく含まれる脂肪族炭化水素については、これらは、原則として、任意の1種以上の分岐した、若しくは非分岐の脂肪族炭化水素、又は分岐した、及び/若しくは非分岐の脂肪族炭化水素の任意の考えられる混合物であり得、脂肪族炭化水素は、好ましくは非分岐である。前記好ましい実施形態によれば、脂肪族炭化水素は、非分岐の(C−C12)炭化水素からなる、好ましくは(C−C10)炭化水素からなる、さらに好ましくは(C−C)炭化水素からなる、さらに好ましくは(C−C)炭化水素からなる、さらにいっそう好ましくは分岐した、及び/又は非分岐の、好ましくは非分岐のC−炭化水素からなる群から選択される1種以上の炭化水素を含むことが、さらに好ましく、さらにいっそう好ましくは、前記溶媒は、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、及びそれら2種以上の混合物からなる群から選択される1種以上の脂肪族炭化水素を含み、さらにいっそう好ましくは、脂肪族炭化水素が、ペンタン及び/又はヘキサン、好ましくはヘキサンを含む。
本発明の方法の工程(1)において供給される混合物中に好ましく含まれる炭化水素に関して、本発明の方法の好ましい実施形態によれば、同様に、工程(3)において形成される混合酸化物粒子中の前記セリア以外の希土類酸化物の含有量、及び/又はイットリアの含有量が、前記混合酸化物粒子中に含まれる希土類酸化物、イットリア、及びジルコニアの総質量に基づいて、0.1〜4.9質量%の範囲に含まれるのであれば、工程(1)において供給される混合物に含まれるカルボン酸に関して適用される制限も特にない。したがって、例として、1種以上のカルボン酸は、(C−C)カルボン酸からなる群から選択され得、好ましくは1種以上のカルボン酸は、(C−C)カルボン酸からなる群から、さらに好ましくは(C−C)カルボン酸からなる群から、さらに好ましくはギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、及びそれらの2種以上の混合物からなる群から、さらに好ましくは酢酸、プロピオン酸、酪酸、2−エチルヘキサン酸、及びそれらの2種以上の混合物からなる群から選択され、さらに好ましくは、前記カルボン酸は、酢酸、及び/又はプロピオン酸、好ましくは酢酸を含む。
本発明の方法の工程(1)において供給される混合物中に含まれるセリアの1種以上の前駆体化合物について、混合物中に供給されるさらなる成分、及び本発明の方法の工程(1)、(2)、及び(3)を実行する具体的な手段に応じて、工程(3)において、前記セリア以外の希土類酸化物の含有量、及び/又はイットリアの含有量が、前記混合酸化物粒子中に含まれる希土類酸化物、イットリア、及びジルコニアの総質量に基づいて、0.1〜4.9質量%の範囲に含まれる混合酸化物粒子を提供できるのであれば、使用され得る前駆体化合物の特定の種類又は数に関しても、それらが混合物において供給され得る量に関しても、特に制限はない。したがって、同様なことが、ジルコニアの1種以上の前駆体化合物に関しても、並びにセリア以外の1種以上の希土類酸化物の1種以上の前駆体化合物に関しても、及びイットリアの1種以上の前駆体化合物に関しても適用される。したがって、工程(1)において供給される混合物中に含まれる、セリアの1種以上の前駆体化合物、及び/又はセリア以外の1種以上の希土類酸化物の1種以上の前駆体化合物、及び/又はイットリアの1種以上の前駆体化合物については、それらの、工程(1)における混合物の溶媒との、及び/又はさらなる成分との相互作用、並びに工程(2)において使用されるエアロゾルを形成するための、及び工程(3)におけるエアロゾルの熱分解の具体的な方法が、工程(3)において、セリア以外の希土類酸化物の含有量、及び/又はイットリアの含有量が、前記混合酸化物粒子中に含まれる希土類酸化物、イットリア、及びジルコニアの総質量に基づいて、0.1〜4.9質量%の範囲に含まれる混合酸化物粒子の形成を可能とするのであれば、前記前駆体化合物の任意の1種以上が、任意の適切な形態で供給され得る。したがって、例として、セリアの1種以上の前駆体化合物、及び/又はセリア以外の希土類酸化物の1種以上の前駆体化合物、及び/又はイットリアの1種以上の前駆体化合物は、希土類金属、又はイットリウムの、任意の適切な化合物であり得、希土類金属、及び/又はイットリウムの1種以上の塩が、本発明の方法の工程(1)において供給されることが好ましい。希土類金属、及び/又はイットリウムの好ましい塩に関しては、任意の考えられる塩が、同様に使用され得、1種以上の塩は、工程(1)において供給される溶媒中に、完全に溶解することが好ましく、したがって、選択される塩の種類は、工程(1)において供給される他の前駆体化合物に選択される塩の種類及び量、並びに特に、混合物において供給される溶媒の種類、及びその量に依存し得る。したがって、本発明によれば、セリアの1種以上の前駆体化合物、及び/又はセリア以外の希土類酸化物の1種以上の前駆体化合物、及び/又はイットリアの1種以上の前駆体化合物は、カルボン酸塩、硝酸塩、炭酸塩、アルコラート、及びキレート配位子含有錯体からなる群から選択される1種以上の塩を含むことが特に好ましく、前記カルボン酸塩は、好ましくは(C−C12)カルボン酸塩から、さらに好ましくは(C−C11)カルボン酸塩から、さらに好ましくは(C−C10)カルボン酸塩から、さらに好ましくは(C−C)カルボン酸塩から、さらに好ましくはC−カルボン酸塩から、さらに好ましくは分岐したC−カルボン酸塩から選択され、さらに好ましくは、1種以上の前駆体化合物は、2−エチルヘキサン酸塩を含み、さらにいっそう好ましくは、セリアの1種以上の前駆体化合物、及び/又はセリア以外の希土類酸化物の1種以上の前駆体化合物、好ましくは工程(1)において供給される希土類酸化物の全ての前駆体化合物が、2−エチルヘキサン酸塩である。
本発明によれば、1種以上の前駆体化合物が1種以上の塩を含む、好ましい実施形態によって、前記塩が、使用される具体的な塩の種類の結果として、1種以上のさらなる前駆体化合物の溶解度を低下させないことが、さらに好ましい。また、1種以上の前駆体化合物として好ましく使用される前記塩は、使用される装置に悪影響を有さず、特に、例えば、その腐食よって、前記装置を損傷し得る、反応性副生成物を生じないことが好ましい。したがって、本発明によれば、工程(1)において供給される混合物は、少しもハロゲン化物を含まず、特に少しもフッ化物、塩化物、及び/又は臭化物を含まず、さらにいっそう好ましくは少しもフッ化物、及び/又は塩化物を含まないことが好ましい。本発明の意味の範囲内で、工程(1)において供給される混合物中に、実質的な量のハロゲン化物含有塩が存在しない場合、工程(1)において供給される混合物は、少しもハロゲン化物を含まず、ここで、例えば、用語「実質的にない(substantially not)」又は「少しも実質的な量がない(not any substantial amount of)」において使用されるような、用語「実質的な(substantial)」は、本発明の意味の範囲内で、それぞれ、本発明の方法の工程(1)において供給される前記混合物中に、及び/又は工程(2)において形成される前記エアロゾル中に、前記成分の実質的な量が少しもないことを言い、好ましくは、前記混合物の総質量、及び/又は前記液体の総質量、及び/又は前記エアロゾル中に含まれる固体の総質量を基準として、0.1質量%以下の前記1種以上の成分がその中に含まれ、好ましくは0.05質量%以下の量、さらに好ましくは0.001質量%以下の量、さらに好ましくは0.0005質量%以下の量、さらにいっそう好ましくは0.0001質量%以下の量が含まれることを言う。
前記1種以上のキレート配位子含有錯体が、工程(1)において供給される混合物中のセリアの1種以上の前駆体化合物、及び/又はセリア以外の希土類酸化物の1種以上の前駆体化合物、及び/又はイットリアの1種以上の前駆体化合物として含まれる、本発明の好ましい実施形態によれば、前記混合物中に含まれ得るキレート配位子含有錯体の種類又は数に関しては、原則として特に制限はない。したがって、本発明によれば、前記配位子が、例えば二座、三座、四座、五座、及び六座配位子からなる群から選択され得るように、1種以上のキレート配位子の種類に関して特に制限はない。本発明の好ましい実施形態によれば、前記キレート配位子含有錯体は、シュウ酸塩、エチレンジアミン、2,2’−ビピリジン、1,10−フェナントロリン、アセチルアセトネート、2,2,2−クリプト、ジエチレントリアミン、ジメチルグリオキシメート、EDTA、エチレンジアミン三酢酸、グリシネート、トリエチレンテトラミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、及びそれらの2種以上の組合せからなる群から、さらに好ましくはシュウ酸塩、エチレンジアミン、アセチルアセトネート、ジエチレントリアミン、ジメチルグリオキシメート、EDTA、エチレンジアミン三酢酸、グリシネート、トリエチレンテトラミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、及びそれらの2種以上の組合せからなる群から、さらに好ましくはシュウ酸塩、エチレンジアミン、アセチルアセトネート、ジエチレントリアミン、EDTA、エチレンジアミン三酢酸、トリエチレンテトラミン、及びそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される1種以上のキレート配位子を含み、さらにいっそう好ましくは、キレート配位子含有錯体は、アセチルアセトネートを含む。
工程(1)において供給される混合物中に含まれ得るセリアの1種以上の前駆体化合物の濃度については、前記セリア以外の1種以上の希土類酸化物の1種以上の前駆体化合物、及び/又はイットリアの1種以上の前駆体化合物に関して、本発明の方法の、工程(1)の混合物中に供給されるその他の成分の種類及び量、並びに工程(2)及び(3)において選択された具体的な工程及びパラメータに応じて、セリア以外の希土類酸化物の含有量、及び/又はイットリアの含有量が、前記混合酸化物粒子中に含まれる希土類酸化物、イットリア、及びジルコニアの総質量に基づいて、0.1〜4.9質量%の範囲に含まれる混合酸化物粒子の生成を可能とするのであれば、同様に特に制限はない。したがって、例として、工程(1)において含まれる混合物に含まれるCeOとして計算されるセリアの1種以上の前駆体化合物の濃度は、工程(1)において供給される混合物の総質量に基づいて0.1〜15質量%の範囲のいずれかに含まれ得、好ましくは、セリアの1種以上の前駆体化合物の濃度は、0.5〜10質量%の範囲、さらに好ましくは1〜7質量%の範囲、さらに好ましくは2〜5質量%の範囲、さらに好ましくは2.5〜4質量%の範囲、さらに好ましくは2.7〜3.5質量%の範囲に含まれる。本発明の特に好ましい実施形態によれば、工程(1)において供給される混合物中に含まれるCeOとして計算されるセリアの1種以上の前駆体化合物の濃度は、3〜3.2質量%の範囲に含まれる。
本発明の方法の工程(1)おいて供給されるジルコニアの1種以上の前駆体化合物については、セリアの1種以上の前駆体化合物、又はセリア以外の1種以上の希土類酸化物のその他の前駆体化合物、及び/又はイットリアの1種以上の前駆体化合物に関して、工程(1)における混合物のその他の成分に関して前述した通り、同じ理由から、この点において同様に特に制限は適用されない。したがって、例として、工程(1)において供給される混合物に含まれるZrOとして計算されるジルコニアの1種以上の前駆体化合物の濃度は、工程(1)において供給される混合物の総質量に基づいて0.1〜15質量%の範囲のいずれかに含まれ得、好ましくは、ジルコニアの1種以上の前駆体化合物の濃度は、0.5〜10質量%の範囲、さらに好ましくは1〜7質量%の範囲、さらに好ましくは2〜5質量%の範囲、さらに好ましくは2.5〜4質量%の範囲、さらに好ましくは2.7〜3.5質量%の範囲に含まれる。本発明の特に好ましい実施形態によれば、工程(1)において供給される混合物中に含まれるジルコニアの1種以上の前駆体化合物の濃度は、3〜3.2質量%の範囲に含まれる。
ジルコニアの1種以上の前駆体化合物として使用され得る前駆体化合物の具体的な種類については、セリアの1種以上の前駆体化合物、及びセリア以外の1種以上の希土類酸化物の1種以上の前駆体化合物、及び/又はイットリアの1種以上の前駆体化合物に関して、原則として、ジルコニウムの任意の考えられる前駆体化合物又は化合物群が使用され得、好ましくは、本発明の方法の工程(1)による混合物に含まれるさらなる1種以上の前駆体化合物に関して上述した通り、同じ理由から1種以上の前駆体化合物として、1種以上の塩が、同様に使用される。したがって、例として、工程(1)の混合物に好ましく含まれるジルコニウムの1種以上の塩は、好ましくは、ハロゲン化物、カルボン酸塩、硝酸塩、炭酸塩、アルコラート、及びキレート配位子含有錯体、好ましくはジケトン配位子含有錯体、さらに好ましくはアセチルアセトネート錯体からなる群から選択される1種以上の塩を含み、前記アルコラートは、好ましくは(C−C)アルコラートから、さらに好ましくは(C−C)アルコラートから、さらに好ましくはC−アルコラートから選択され、さらに好ましくは、1種以上の前駆体化合物は、ジルコニウム(IV)プロポキシドを含み。さらにいっそう好ましくは、ジルコニアの1種以上の前駆体化合物は、ジルコニウム(IV)プロポキシドである。対イオンと共に錯体を形成しない、本発明の方法において使用され得るジルコニウム塩に関して、本発明によれば、前記ジルコニウム塩は、ジルコニルカチオンを含むことが好ましく、特に好ましい実施形態によれば、ジルコニアの1種以上の前駆体化合物は、1種以上のジルコニル塩、好ましくは1種以上のハロゲン化ジルコニル、さらに好ましくは臭化ジルコニル、及び/又はハロゲン化ジルコニル、さらに好ましくは塩化ジルコニルを含む。
本発明の方法の工程(1)において供給される混合物について、本発明の具体的な、又は好ましい実施形態のいずれかによって、工程(3)において、混合酸化物粒子が形成され得れば、それらに含まれ得る、任意のさらなる化合物の関しても、適用される制限は特にない。したがって、任意の適切な助剤が、工程(1)の混合物に、さらに含まれ得、及び/又は任意のさらなる化合物又は化合物群が、本発明の方法の工程(3)において形成される混合酸化物粒子中への取り込みのため、その中へ供給され得る。この点において、1種以上の遷移金属含有化合物が、本発明の方法の工程(3)において生成される混合酸化物粒子中への前記1種以上の遷移金属の取り込みのための前駆体化合物として、工程(1)において供給されることが、特に好ましい。特に好ましい実施形態によれば、1種以上の白金族金属が、本発明の方法から結果として得られる、金属酸化物粒子中へのその取り込みのため、工程(1)の混合物中に含まれる。本発明によれば、1種以上の白金族金属が、好ましくはRu、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、及びそれらの2種以上の混合物からなる群から、さらに好ましくはRh、Pd、Pt、及びそれらの2種以上の混合物からなる群から選択されることが、さらに好ましく、さらに好ましくは、前記白金族金属は、Pd、及び/又はPtであり、好ましくはPdである。
1種以上の遷移金属、特に1種以上の白金族金属が、本発明の方法の工程(1)において供給される混合物にさらに添加される、本発明の好ましい実施形態については、前記1種以上の金属が、そこへ添加され得る量に関して、本発明の特定の、及び/又は好ましい実施形態によって、混合酸化物粒子が、本発明の方法の工程(3)において、特に工程(3)において形成される混合酸化物粒子中の前記セリア以外の希土類酸化物の含有量、及び/又はイットリアの含有量で、形成され得れば、原則として特に制限はない。したがって、例として、1種以上の遷移金属、特に1種以上の白金族金属は、工程(1)において供給される混合物中に、工程(1)において供給される混合物の総質量を基準として、金属として計算される0.01〜15質量%のいずれかの範囲の量で含まれ得、好ましくは、その量は、0.05〜14質量%の範囲、さらに好ましくは0.1〜13質量%の範囲、さらに好ましくは0.5〜12質量%の範囲、さらに好ましくは2〜10質量%の範囲、さらに好ましくは3〜9質量%の範囲、さらに好ましくは4〜8質量%の範囲に含まれる。本発明の特に好ましい実施形態によれば、工程(1)において供給される混合物は、1種以上の遷移金属、特に1種以上の白金族金属を、5〜7質量%の範囲の量で含む。一方、別の好ましい実施形態によれば、工程(1)において供給される混合物に含まれる1種以上の遷移金属、特に1種以上の白金族金属の好ましい量は、工程(1)において供給される混合物の総質量に基づいて、金属として計算される0.01〜6質量%の範囲、好ましくは0.05〜4質量%の範囲、さらに好ましくは0.08〜3質量%の範囲、さらに好ましくは0.09〜2.5質量%の範囲、さらにいっそう好ましくは0.1〜2質量%の範囲に含まれる。
本発明の方法の工程(3)において実行される熱分解については、前記工程が実行される温度に関して、本発明の特定の且つ好ましい実施形態によって、混合酸化物粒子が、特にそれに含まれる前記セリア以外の希土類酸化物の含有量、及び/又はイットリアの含有量で、製造されれば、特に制限はない。したがって、例として、熱分解が実行される温度は、800〜2,200℃のいずれかの範囲に含まれ得、好ましくは工程(3)における温度は、900〜1,800℃の範囲、さらに好ましくは950〜1,500℃の範囲、さらに好ましくは1,000〜1,300℃の範囲に含まれる。本発明の特に好ましい実施形態によれば、工程(3)の熱分解は、1,050〜1,150℃の範囲に含まれる温度で実行される。
混合酸化物粒子の製造方法を提供することに加えて、本発明はまた、本発明の方法によって得られた、混合酸化物粒子それ自体、並びにその方法によって前記酸化物粒子が実際に製造される、実際の方法に関わりなく、本発明の特定の、又は好ましい実施形態のいずれかによって得られる混合酸化物粒子に関する。
したがって、本発明はまた、本発明の方法の特定の及び好ましい実施形態のいずれかによって得られる、及び/又は得られた、好ましくは得られた混合酸化物粒子に関する。
さらに、本発明はまた、フレーム溶射熱分解から得られる混合酸化物粒子であって、前記粒子が、セリア、ジルコニア、並びにCe以外の1種以上の希土類元素の1種以上の酸化物、及び/又はイットリアを含み、それぞれの酸化物として計算される前記混合酸化物中の前記セリア以外の希土類酸化物の含有量、及び/又はイットリアの含有量が、前記混合酸化物粒子中に含まれる前記1種以上の希土類酸化物、ジルコニア、及び任意のイットリアの総質量に基づいて、0.1〜4.9質量%の範囲、好ましくは0.3〜4.5質量%の範囲、さらに好ましくは0.5〜4質量%の範囲、さらに好ましくは0.7〜3.5質量%の範囲、さらに好ましくは0.8〜3質量%の範囲、さらに好ましくは0.9〜2.5質量%の範囲、さらにいっそう好ましくは1〜2質量%の範囲に含まれることを特徴とする混合酸化物粒子に関する。
本発明の特に好ましい実施形態によれば、前記混合酸化物粒子は、本発明の方法の好ましい実施形態によって、フレーム溶射熱分解から得られ、前記具体的な熱分解方法は、本発明の特定の、又は好ましい実施形態のいずれかによって、混合酸化物粒子を得るための工程(3)において、少なくとも部分的に適用される。
前記混合酸化物粒子に含まれ得るセリア以外の1種以外に希土類元素の1種以上の酸化物については、本発明によれば、そこに含まれ得るセリア以外の1種以上の希土類酸化物の種類に関しても、数に関しても特に制限はない。しかしながら、本発明によれば、前記セリア以外の1種以上の希土類酸化物は、それらの2種又は3種の混合物を含むランタナ、プラセオジミア、及びネオジミアの1種以上を含むことが好ましく、前記セリア以外の1種以上の希土類酸化物は、ランタナ、及び/又はネオジミアを含むことがさらに好ましい。本発明の特に好ましい実施形態によれば、前記セリア以外の1種以上の希土類酸化物は、ランタナを含み、さらにいっそう好ましくは、前記セリア以外の希土類酸化物は、ランタナである。
したがって、本発明による混合酸化物粒子の好ましい実施形態によれば、前記セリア以外の1種以上の希土類酸化物は、ランタナ、プラセオジミア、ネオジミア、及びそれらの2種又は3種の混合物からなる群から選択され、前記1種以上の希土類酸化物は、好ましくはランタナ、及び/又はネオジミア、好ましくはランタナを含み、さらにいっそう好ましくは、前記セリア以外の希土類酸化物がランタナである。
本発明によれば、前記混合酸化物粒子に含まれ得るセリア、特にCeOの含有量に関して、特に制限は適用されず、それに含まれるセリアの量は、例えば、前記混合酸化物粒子に含まれる前記1種以上の希土類酸化物、ジルコニア、及び任意のイットリアの総質量に基づいて、1〜95質量%の範囲にあり得る。本発明の好ましい実施形態によれば、前記混合酸化物粒子中のセリア、特にCeOの含有量は、5〜80質量%の範囲、さらに好ましくは10〜70質量%の範囲、さらに好ましくは30〜60質量%の範囲、さらに好ましくは40〜55質量%の範囲、さらに好ましくは45〜52質量%の範囲に含まれる。本発明の特に好ましい実施形態によれば、前記混合酸化物粒子中のセリア、特にCeOの含有量は、前記混合酸化物粒子に含まれる前記1種以上の希土類酸化物、ジルコニア、及び任意のイットリアの総質量に基づいて、47.5〜50.5質量%の範囲に含まれる。前記混合酸化物粒子中のセリアの含有量については、前記含有量は、原則として、セリアの任意の形態、特にCeO、Ce、及び前記セリウム酸化物の任意の混合物に言及し得、好ましくは、本発明の前記混合酸化物中のセリアの含有量は、酸化セリウム(IV)CeOに言及する。
本発明の別の好ましい実施形態によれば、特に酸化的応用における、特に自動車排ガス処理の分野における、さらにより具体的には酸化触媒としての使用のための、好ましくはディーゼル酸化触媒(DOC)における使用のための混合酸化粒子の実施形態に関して、前記混合酸化物粒子中のセリア、特にCeOの含有量は、前記混合酸化物粒子に含まれる前記1種以上の希土類酸化物、ジルコニア、及び任意のイットリアの総質量に基づいて、5〜99質量%の範囲、好ましくは15〜98質量%の範囲、さらに好ましくは30〜95質量%の範囲、さらに好ましくは40〜90質量%の範囲、さらに好ましくは45〜87質量%の範囲に含まれる。本発明の前記別の好ましい実施形態によれば、前記混合酸化物粒子中のセリア、特にCeOの含有量は、50〜80質量%の範囲に含まれることが特に好ましい。
これも好ましい本発明のさらに別の実施形態によれば、特に、自動車排ガス処理の分野における、酸素貯蔵成分としての使用のための、特に三元触媒(three-way catalyst)(TWC)における酸素貯蔵成分としての使用のための混合酸化物粒子の実施形態によれば、混合酸化物粒子中のセリア、特にCeOの含有量は、前記混合酸化物粒子に含まれる前記1種以上の希土類酸化物、ジルコニア、及び任意のイットリアの総質量に基づいて、1〜80質量%の範囲、さらに好ましくは5〜70質量%の範囲、さらに好ましくは10〜60質量%の範囲、さらに好ましくは15〜55質量%の範囲、さらに好ましくは18〜50質量%の範囲に含まれる。前記別の好ましい実施形態の特に好ましい実施形態によれば、前記混合酸化物粒子中のセリア、特にCeOの含有量は、20〜45質量%の範囲に含まれる。
前記混合酸化物粒子中のジルコニアの含有量については、セリアに関して、本発明の特定の、又は好ましい実施形態のいずれかによって、混合酸化物粒子が提供されれば、この点において特に制限はない。したがって、例として、前記混合酸化物粒子中のジルコニアの含有量は、前記混合酸化物粒子に含まれる前記1種以上の希土類酸化物、ジルコニア、及び任意のイットリアの総質量に基づいて、1〜95質量%のいずれかの範囲に含まれ、ここで、本発明の意味の範囲内において、用語「ジルコニア」は一般に、ジルコニア、ハフニア、及びそれらの混合物のことを言い、好ましい定義によれば、前記用語は、化合物ZrOを指定する。しかしながら、本発明によれば、ジルコニアが、混合酸化物粒子中に、5〜80質量%の範囲、さらに好ましくは10〜70質量%の範囲、さらに好ましくは30〜60質量%の範囲、さらに好ましくは40〜55質量%の範囲、さらに好ましくは43〜52質量%の範囲に含まれる量で、含まれることが好ましい。本発明の特に好ましい実施形態によれば、前記混合酸化物粒子中のジルコニア含有量は、45〜51.5質量%の範囲に含まれる。本発明の別の好ましい実施形態によれば、特に酸化的応用における、特に自動車排ガス処理の分野における、さらにより具体的には酸化触媒としての使用のための、好ましくはディーゼル酸化触媒(DOC)における使用のための混合酸化粒子の実施形態に関して、前記混合酸化物粒子中のジルコニアの含有量は、前記混合酸化物粒子に含まれる前記1種以上の希土類酸化物、ジルコニア、及び任意のイットリアの総質量に基づいて、0.5〜80質量%の範囲に含まれ、さらに好ましくは、前記混合酸化物粒子中のジルコニアの含有量は、1〜70質量%の範囲、さらに好ましくは5〜60質量%の範囲、さらに好ましくは10〜55質量%の範囲、さらに好ましくは13〜50質量%の範囲に含まれる。前記別の好ましい実施形態の特に好ましい実施形態によれば、前記混合酸化物粒子中のジルコニアの含有量は、15〜45質量%の範囲に含まれる。
特に好ましい本発明のさらに別の実施形態によれば、特に、自動車排ガス処理の分野における、酸素貯蔵成分としての使用のための、特に三元触媒(three-way catalyst)(TWC)における酸素貯蔵成分としての使用のための混合酸化物粒子の実施形態によれば、混合酸化物粒子中のジルコニアの含有量は、前記混合酸化物粒子に含まれる前記1種以上の希土類酸化物、ジルコニア、及び任意のイットリアの総質量に基づいて、5〜95質量%の範囲に含まれ、さらに好ましくは、前記ジルコニアの含有量は、15〜90質量%の範囲、さらに好ましくは30〜85質量%の範囲、さらに好ましくは40〜80質量%の範囲、さらに好ましくは45〜77質量%の範囲に含まれる。前記別の好ましい実施形態によれば、前記混合酸化物粒子中のジルコニアの含有量は、50〜75質量%の範囲に含まれることが、特に好ましい。
本発明によれば、前記混合酸化物粒子の表面積については、混合酸化物粒子が示し得る表面積に関して、特に制限はなく、表面積、特にBET法によって測定された表面積は、2〜200m/gのいずれかの範囲に含まれ得、好ましくは5〜150m/gの範囲、さらに好ましくは10〜110m/gの範囲、さらに好ましくは20〜95m/gの範囲、さらに好ましくは50〜90m/gの範囲である表面積、特にBET表面積が好ましい。本発明の特に好ましい実施形態によれば、前記混合酸化物粒子の表面積、特にBET表面積は、80〜87m/gの範囲に含まれる。本発明によれば、混合酸化物粒子の好ましい表面積については、前記好ましい、及び特に好ましい値は、自動車排ガスの処理における酸化触媒としての使用、特にディーゼル酸化触媒における使用のための前記混合酸化物触媒の実施形態に関連することが留意される。本発明の別の好ましい実施形態によれば、前記混合酸化物は、20〜100m/gの範囲、さらに好ましくは30〜90m/gの範囲、さらに好ましくは40〜85m/gの範囲、さらに好ましくは45〜80m/gの範囲に含まれる表面積、特にBET表面積を示す。前記別の好ましい実施形態によれば、前記混合酸化物粒子の表面積、特にBET表面積は、50〜75m/gの範囲に含まれることが特に好ましい。本発明によれば、前記混合酸化物粒子の前記別の好ましい実施形態については、前記実施形態は、特に自動車排ガス処理用途における酸素貯蔵成分としての使用、特に三元触媒の酸素貯蔵成分としての使用のために適していることが留意される。本発明において定義されたBET表面積については、これは特に、DIN66135によって測定されたBET表面積のことを言うことが留意される。
本発明によれば、前記混合酸化物粒子の寸法については、原則としてこれらは任意の考えられる値を採用し得る。しかしながら、本発明によれば、前記混合酸化物粒子は、微結晶であることが好ましく、前駆混合酸化物粒子の平均粒径は、5〜100nmの範囲、好ましくは6〜50nmの範囲、さらに好ましくは7〜30nmの範囲、さらに好ましくは8〜20nmの範囲、さらに好ましくは9〜50nmの範囲、さらに好ましくは10〜30nmの範囲に含まれることが好ましい。本発明の特に好ましい実施形態によれば、前記混合酸化物粒子は、11〜12.5nmの範囲に含まれる平均粒径を示す。本発明において定義された平均粒径の値については、これらは特に、以下のシェラー(Scherrer)の式を用いて得られた、前記酸化物粒子の平均粒径のことを言う:
Figure 2015526377
式中、Kは形状因子、ラムダ(λ)はX線波長、ベータ(β)は最大強度の半値全幅(FWHM)(ラジアン単位)、及びシータ(θ)はブラッグ(Bragg)角である。タウ(τ)については、これは、規則(結晶性)領域の平均寸法を表し、粒径より小さいか、又は同等であり得る。無次元の形状因子は、約0.9の典型的な値を有し、必要であれば、結晶子の実際の形状に適合させ得る。
セリア、ジルコニアの状態、及びセリウム以外の1種以上の希土類元素の1種以上の酸化物の状態、及び/又はイットリアの状態については、前記成分は、少なくとも一部は、混合酸化物として、特に固溶体として、前記混合酸化物粒子中に含まれる。これは、特に、混合酸化物粒子中のセリア及びジルコニアに、好ましくはセリア、ジルコニア混合酸化物、セリウム以外の1種以上の希土類元素の1種以上の酸化物、及び/又はイットリアに適用され、それらの全てが、固溶体の形態で混合酸化物を形成する。したがって、この性質において、混合酸化物粒子中に形成される結晶相は、混合酸化物によって、特にセリア−ジルコニア混合酸化物によって形成される結晶相である。結果として、前記混合酸化物の結晶相は、特にX線回折によって決定される通り、正方構造及び/又は立方構造になり、典型的には、結晶混合酸化物の少なくとも一部は、立方相にある。実際に、非常に驚くべきことに、本出願によれば、対照的なものとして、セリウム以外の1種以上の希土類元素の1種以上の酸化物、及び/又はイットリアを含むセリア−ジルコニア混合酸化物であり、後者の含有量が、0.1〜4.9質量%の本発明の範囲を超える混合酸化物があるが、そのような混合酸化物粒子は、主として立方相にあり、特に時効(ageing)で立方相へ完全に変換されることが見出されている。しかしながら、本発明によれば、セリア以外の希土類酸化物、及び/又はイットリアの含有量が、混合酸化物粒子中に含まれる1種以上の希土類酸化物、ジルコニア、及び任意のイットリアの総質量に基づいて、0.1〜4.9質量%の範囲に含まれる、混合酸化物粒子は、異常に低い立方相の含有量を示すことが見出されている。さらに、予想外に、本発明の材料の時効では、立方相の含有量は、時効の後でさえ、混合酸化物中の結晶相のかなりの比率が立方相ではなく、特にまだ正方状態にあるように、緩やかにしか増加しないことが見出されている。したがって、理論に束縛されることなしに、本発明の材料におけるセリウム以外の1種以上の希土類元素の1種以上の酸化物、及び/又はイットリアの非常に低い含有量によって達成された驚くべき技術的効果が、時効後でさえ、セリウム以外の1種以上の希土類元素の1種以上の酸化物及び/又はイットリアの前記低い含有量によって、非常に予想外に安定化された結晶材料中の立方相の異常に低い比率によるものであり得ると考えられる。
したがって、本発明の混合酸化物粒子中の立方相の比率については、リートベルト法によって決定された前記比率が、0.1〜29%の範囲、さらに好ましくは0.5〜25%の範囲、さらに好ましくは1〜20%の範囲、さらに好ましくは2〜15%の範囲、さらに好ましくは3〜10%の範囲、さらに好ましくは4〜8%の範囲に含まれることが好ましい。本発明による特に好ましい実施形態によれば、リートベルト法によって決定された、前記混合酸化物粒中の立方相の比率は、5〜6%の範囲に含まれる。また、リートベルト法による立方相の比率の決定については、立方相の前記比率を決定する場合、前記混合酸化物粒子の組成は、制約(constraint)として使用されることが好ましい。
リートベルト法によって前記混合酸化物粒子中の立方相の比率を決定するため、本発明によれば、X線回折による結晶相及びその微細構造を決定するために、Rietveld−Software TOPAS v4.1(Bruker AXS)が使用されることが好ましい。特に、格子パラメータ及び結晶子の寸法が、自由に精密化される(refined)立方CeO構造からなるモデルを使用することが好ましい。より具体的には、精密化(refinement)は、測定されたデータ点、及びシミュレーションしたデータ点の間の加重二乗誤差(weighted square error)を低減する。測定されたデータへの計算曲線の調整は、偏差について、特に43°2θの領域で、検討される。正方変更Ce0.5Zr0.5の自由反射が見出され得るのは、この回折角である。異なる曲線がこの相の存在を示す場合には、その後、そのモデルへ導入され、双方の相の定量化が実施される。定量化においては、誤差は、好ましくは約1質量%であり、結晶子の寸法の計算における相対誤差は、好ましくは約15%である。
さらに、前記混合酸化物粒子の時効後の立方相の比率については、本発明によれば、30〜100%の範囲、さらに好ましくは35〜99%の範囲、さらに好ましくは38〜90%の範囲、さらに好ましくは40〜60%の範囲に含まれる。本発明の意味の範囲内で、用語「混合酸化物」は、好ましくは異なる酸化物の単一の固溶体のことを言う。本発明の特に好ましい実施形態によれば、前記混合酸化物粒子の時効後のリートベルト法によって決定された立方相の比率は、42〜45%の範囲に含まれる。本発明によれば、時効後の前記混合酸化物粒子の立方相の比率のために規定された数値は、具体的には、時効前の未処理の状態で、本発明による特定の又は好ましい範囲のいずれかに含まれる、リートベルト法によって決定された立方相の比率を有する混合酸化物粒子の、時効後に得られた数値のことを言い、前記未処理の状態の混合酸化物粒子に実行された具体的な時効処理は、10%HO、好ましくは10体積%HOを含む空気へ、1,100℃で、40時間の期間さらすことを伴うことが好ましい。
本発明によれば、前記混合酸化物粒子の使用方法については、本発明の材料が使用され得る応用、又は方法に関して、如何なるものでも制限はない。しかしながら、本発明の好ましい実施形態によれば、前記混合酸化物粒子は、触媒として、及び/又は触媒担体として使用される。あるいは、前記混合酸化物粒子は、酸素の可逆的取り込みを伴う酸素貯蔵成分として、好ましく使用され、好ましくは酸素貯蔵成分としての応用は、触媒として、及び/又は触媒担体としての触媒的応用における本発明の材料の特定の使用方法に関連する。したがって、本発明の特に好ましい実施形態によれば、本発明の特定の又は好ましい実施形態のいずれかによる前記混合酸化物粒子が、酸素貯蔵成分として、及び/又は触媒若しくは触媒成分として使用される。前記好ましい使用方法について、同様に、本発明の材料が、酸素貯蔵成分として、及び/又は触媒若しくは触媒成分として作用し得る、具体的な応用及び/又は方法に関して、原則として如何なるものでも制限はなく、本発明の材料は、排ガスの処理のための、特に自動車排ガスの処理における触媒におけるものとして使用されることが好ましい。前記好ましい実施形態によれば、本発明の材料は、三元触媒における、及び/又はディーゼル酸化触媒における酸素貯蔵成分として、及び/又は触媒若しくは触媒成分として使用されることがさらに好ましい。
したがって、本発明はさらに、本出願に規定された特定の、又は好ましい実施形態のいずれかによる混合酸化物粒子の、酸素貯蔵成分、触媒、及び/又は触媒担体としての、好ましくは、排ガスの処理、好ましくは自動車排ガスの処理のための三元触媒、及び/又はディーゼル酸化触媒における酸素貯蔵成分としての、及び/又は触媒若しくは触媒成分としての、使用方法に関する。
本発明は以下の実施形態を含み、これらは、そこに規定されたそれぞれの相互依存性によって示されるように、具体的な組み合わせを含む。
1.混合酸化物粒子の製造方法であって、
(1)溶媒、セリアの1種以上の前駆体化合物、ジルコニアの1種以上の前駆体化合物、並びにセリア以外の1種以上の希土類酸化物の1種以上の前駆体化合物、及び/又はイットリアの1種以上の前駆体化合物を含む混合物を供給する工程、
(2)工程(1)において供給された混合物のエアロゾルを形成する工程、及び
(3)工程(2)のエアロゾルを熱分解し、好ましくは酸素を含む雰囲気中で熱分解し、混合酸化物粒子を得る工程、を含み、
工程(3)において形成された混合酸化物粒子中の前記セリア以外の希土類酸化物の含有量、及び/又はイットリアの含有量が、前記混合酸化物粒子中に含まれる前記希土類酸化物、イットリア、及びジルコニアの総質量に基づいて、0.1〜4.9質量%の範囲、好ましくは0.3〜4.5質量%の範囲、さらに好ましくは0.5〜4質量%の範囲、さらに好ましくは0.7〜3.5質量%の範囲、さらに好ましくは0.8〜3質量%の範囲、さらに好ましくは0.9〜2.5質量%の範囲、さらに好ましくは1〜2質量%の範囲である方法。
2.前記セリア以外の1種以上の希土類酸化物が、ランタナ、プラセオジミア、ネオジミア、及びそれらの2種又は3種の混合物からなる群から選択され、好ましくは前記1種以上の希土類酸化物は、ランタナ、及び/又はネオジミア、好ましくはランタナを含み、さらにいっそう好ましくは、前記希土類酸化物はランタナである実施形態1の方法。
3.工程(1)において供給される混合物に含まれる、それぞれの酸化物として計算される、セリア以外の1種以上の希土類酸化物の1種以上の前駆体化合物の濃度、及び/又はイットリアの1種以上の前駆体化合物の濃度が、工程(1) において供給される混合物の総質量に基づいて、0.01〜5質量%の範囲、好ましくは0.05〜2質量%の範囲に、さらに好ましくは0.1〜1.5質量%の範囲に、さらに好ましくは0.3〜1.2質量%の範囲、さらに好ましくは0.5〜1質量%の範囲、さらに好ましくは0.7〜0.9質量%の範囲、さらにいっそう好ましくは0.75〜0.85質量%の範囲に含まれる実施形態1又は2の方法。
4.前記溶媒が、脂肪族及び芳香族炭化水素、アルコール、複素環化合物、カルボン酸、水、及びそれらの2種以上の混合物からなる群から、好ましくは芳香族炭化水素、N−含有複素環、テトラヒドロフラン、(C−C10)炭化水素、(C−C)アルコール、(C)カルボン酸、水、及びそれらの2種以上の組合せからなる群から、さらに好ましくは(C−C12)芳香族炭化水素、ピロリジン、ピロール、ピペリジン、ピリジン、アゼパン、アゼピン、テトラヒドロフラン、(C−C)炭化水素、(C−C)アルコール、(C2−)カルボン酸、水、及びそれらの2種以上の組合せからなる群から、さらに好ましくはC芳香族炭化水素、ピロリジン、ピロール、ピペリジン、ピリジン、テトラヒドロフラン、ペンタン、ヘキサン、エタノール、メタノール、プロパノール、(C−C)カルボン酸、酢酸、プロピオン酸、水、及びそれらの2種以上の組合せからなる群から、さらに好ましくはトルエン、エチルベンゼン、キシレン、ヘキサン、プロパノール、酢酸、C−カルボン酸、プロピオン酸、水、及びそれらの2種以上の組合せからなる群から、さらにいっそう好ましくはキシレン、ヘキサン、n−プロパノール、酢酸、2−エチルヘキサン酸、水、及びそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される1種以上を含む実施形態1〜3のいずれかの方法。
5.前記芳香族炭化水素が、(C−C12)炭化水素からなる群から、好ましくは(C−C11)炭化水素から、さらに好ましくは(C−C10)炭化水素からなる、さらに好ましくは(C−C)炭化水素からなる、さらにいっそう好ましくはC−炭化水素からなる群から選択される1種以上の芳香族炭化水素を含み、さらにいっそう好ましくは、前記溶媒が、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、メシチレン、ジュレン、及びそれらの2種以上の混合物からなる群から、好ましくはトルエン、エチルベンゼン、キシレン、及びそれらの2種以上の混合物からなる群から選択される1種以上の芳香族炭化水素を含み、さらにいっそう好ましくは、前記溶媒が、トルエン、及び/又はキシレン、好ましくはキシレンを含む実施形態4の方法。
6.前記脂肪族炭化水素が、分岐した、及び/又は非分岐の、好ましくは非分岐の(C−C12)炭化水素からなる、好ましくは(C−C10)炭化水素からなる、さらに好ましくは(C−C)炭化水素からなる、さらに好ましくは(C−C)炭化水素からなる、さらにいっそう好ましくは分岐した、及び/又は非分岐の、好ましくは非分岐のC−炭化水素からなる群から選択される1種以上の炭化水素を含み、さらにいっそう好ましくは、前記溶媒は、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、及びそれら2種以上の混合物からなる群から選択される1種以上の脂肪族炭化水素を含み、さらにいっそう好ましくは、脂肪族炭化水素が、ペンタン及び/又はヘキサン、好ましくはヘキサンを含む実施形態4又は5の方法。
7.前記カルボン酸が、(C−C)カルボン酸からなる群から、好ましくは(C−C)カルボン酸からなる群から、さらに好ましくは(C−C)カルボン酸からなる群から、さらに好ましくはギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、及びそれらの2種以上の混合物からなる群から、さらに好ましくは酢酸、プロピオン酸、酪酸、2−エチルヘキサン酸、及びそれらの2種以上の混合物からなる群から選択され、さらに好ましくは、前記カルボン酸は、酢酸、及び/又はプロピオン酸、好ましくは酢酸を含む実施形態4〜6のいずれかの方法。
8.工程(1)において供給される混合物に含まれるCeOとして計算されるセリアの1種以上の前駆体化合物の濃度が、工程(1)において供給される混合物の総質量に基づいて0.1〜15質量%の範囲、好ましくは0.5〜10質量%の範囲、さらに好ましくは1〜7質量%の範囲、さらに好ましくは2〜5質量%の範囲、さらに好ましくは2.5〜4質量%の範囲、さらに好ましくは2.7〜3.5質量%の範囲、さらにいっそう好ましくは3〜3.2質量%の範囲に含まれる実施形態1〜7のいずれかの方法。
9.工程(1)において供給される混合物に含まれるZrOとして計算されるジルコニアの1種以上の前駆体化合物の濃度が、工程(1)において供給される混合物の総質量に基づいて0.1〜15質量%の範囲、好ましくは0.5〜10質量%の範囲、さらに好ましくは1〜7質量%の範囲、さらに好ましくは2〜5質量%の範囲、さらに好ましくは2.5〜4質量%の範囲、さらに好ましくは2.7〜3.5質量%の範囲、さらにいっそう好ましくは3〜3.2質量%の範囲に含まれる実施形態1〜8のいずれかの方法。
10.前記セリアの1種以上の前駆体化合物、及び/又はセリア以外の希土類酸化物の1種以上の前駆体化合物、及び/又はイットリアの1種以上の前駆体化合物が、1種以上の塩、好ましくはカルボン酸塩、硝酸塩、炭酸塩、アルコラート、及びキレート配位子含有錯体からなる群から選択される1種以上の塩を含み、前記カルボン酸塩は、好ましくは(C−C12)カルボン酸塩から、さらに好ましくは(C−C11)カルボン酸塩から、さらに好ましくは(C−C10)カルボン酸塩から、さらに好ましくは(C−C)カルボン酸塩から、さらに好ましくはC−カルボン酸塩から、さらに好ましくは分岐したC−カルボン酸塩から選択され、さらに好ましくは、1種以上の前駆体化合物は、2−エチルヘキサン酸塩を含み、さらにいっそう好ましくは、セリアの1種以上の前駆体化合物、及び/又はセリア以外の希土類酸化物の1種以上の前駆体化合物、好ましくは工程(1)において供給される希土類酸化物の全ての前駆体化合物が、2−エチルヘキサン酸塩である実施形態1〜9のいずれかの方法。
11.前記キレート配位子含有錯体が、二座、三座、四座、五座、及び六座配位子からなる群から、さらに好ましくはシュウ酸塩、エチレンジアミン、2,2’−ビピリジン、1,10−フェナントロリン、アセチルアセトネート、2,2,2−クリプト、ジエチレントリアミン、ジメチルグリオキシメート、EDTA、エチレンジアミン三酢酸、グリシネート、トリエチレンテトラミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、及びそれらの2種以上の組合せからなる群から、さらに好ましくはシュウ酸塩、エチレンジアミン、アセチルアセトネート、ジエチレントリアミン、ジメチルグリオキシメート、EDTA、エチレンジアミン三酢酸、グリシネート、トリエチレンテトラミン、トリス(2−アミノエチル)アミン、及びそれらの2種以上の組合せからなる群から、さらに好ましくはシュウ酸塩、エチレンジアミン、アセチルアセトネート、ジエチレントリアミン、EDTA、エチレンジアミン三酢酸、トリエチレンテトラミン、及びそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される1種以上のキレート配位子を含み、さらにいっそう好ましくは、キレート配位子含有錯体は、アセチルアセトネートを含む実施形態10の方法。
12.前記ジルコニアの1種以上の前駆体化合物が、1種以上の塩、好ましくはカルボン酸塩、硝酸塩、炭酸塩、アルコラート、及びキレート配位子含有錯体、好ましくはジケトン配位子含有錯体、さらに好ましくはアセチルアセトネート錯体からなる群から選択される1種以上の塩を含み、前記アルコラートが、好ましくは(C−C)アルコラートから、さらに好ましくは(C−C)アルコラートから、さらに好ましくはC−アルコラートから選択され、さらに好ましくは、1種以上の前駆体化合物が、ジルコニウム(IV)プロポキシドを含み。さらにいっそう好ましくは、ジルコニアの1種以上の前駆体化合物が、ジルコニウム(IV)プロポキシドである実施形態1〜11のいずれかの方法。
13.工程(1)において供給される混合物が、さらに1種以上の白金族金属、好ましくはRu、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、及びそれらの2種以上の混合物からなる群から、さらに好ましくはRh、Pd、Pt、及びそれらの2種以上の混合物からなる群から選択される1種以上の白金族金属含み、さらに好ましくは前記白金族金属が、Pd、及び/又はPtであり、好ましくはPdである実施形態1〜12のいずれかの方法。
14.前記工程(1)において供給される混合物が、1種以上の白金族金属を、工程(1)において供給される混合物の総質量を基準として、金属として計算される0.01〜15質量%のいずれかの範囲の量で、好ましくは、0.05〜14質量%の範囲、さらに好ましくは0.1〜13質量%の範囲、さらに好ましくは0.5〜12質量%の範囲、さらに好ましくは2〜10質量%の範囲、さらに好ましくは3〜9質量%の範囲、さらに好ましくは4〜8質量%の範囲、さらにいっそう好ましくは5〜7質量%の範囲の量で含む実施形態13の方法。
15.工程(3)における熱分解が、酸素を含む雰囲気中で実行される実施形態1〜14のいずれかの方法。
16.工程(3)における熱分解が、800〜2,200℃の範囲、好ましくは900〜1,800℃の範囲、好ましくは950〜1,500℃の範囲、さらに好ましくは1,000〜1,300℃の範囲、さらにいっそう好ましくは1,050〜1,150℃の範囲に含まれる温度で実行される実施形態1〜15のいずれかの方法。
17.実施形態1〜16のいずれかによる方法によって得られる、及び/又は得られた、好ましくは得られた混合酸化物粒子。
18.フレーム溶射熱分解から、好ましくは実施形態1〜16のいずれかによって得られる混合酸化物粒子であって、前記粒子が、セリア、ジルコニア、並びにCe以外の1種以上の希土類元素の1種以上の酸化物、及び/又はイットリアを含み、それぞれの酸化物として計算される前記混合酸化物中の前記セリア以外の希土類酸化物の含有量、及び/又はイットリアの含有量が、前記混合酸化物粒子中に含まれる前記1種以上の希土類酸化物、ジルコニア、及び任意のイットリアの総質量に基づいて、0.1〜4.9質量%の範囲、好ましくは0.3〜4.5質量%の範囲、さらに好ましくは0.5〜4質量%の範囲、さらに好ましくは0.7〜3.5質量%の範囲、さらに好ましくは0.8〜3質量%の範囲、さらに好ましくは0.9〜2.5質量%の範囲、さらにいっそう好ましくは1〜2質量%の範囲に含まれる混合酸化物粒子。
19.前記セリア以外の1種以上の希土類酸化物が、ランタナ、プラセオジミア、ネオジミア、及びそれらの2種又は3種の組合せからなる群から選択され、前記1種以上の希土類酸化物が、好ましくはランタナ、及び/又はネオジミア、好ましくはランタナを含み、さらにいっそう好ましくは、前記セリア以外の希土類酸化物が、ランタナである実施形態17又は18の混合酸化物粒子。
20.前記混合酸化物粒子中のセリアの含有量が、前記混合酸化物粒子に含まれる前記1種以上の希土類酸化物、ジルコニア、及び任意のイットリアの総質量に基づいて、1〜95質量%の範囲、好ましくは5〜80質量%の範囲、さらに好ましくは10〜70質量%の範囲、さらに好ましくは30〜60質量%の範囲、さらに好ましくは40〜55質量%の範囲、さらに好ましくは45〜52質量%の範囲、さらに好ましくは47.5〜50.5質量%の範囲に含まれる実施形態17〜19のいずれかの混合酸化物粒子。
21.前記混合酸化物粒子中のZrOの含有量が、前記混合酸化物粒子に含まれる前記1種以上の希土類酸化物、ジルコニア、及び任意のイットリアの総質量に基づいて、1〜95質量%の範囲、好ましくは5〜80質量%の範囲、さらに好ましくは10〜70質量%の範囲、さらに好ましくは30〜60質量%の範囲、さらに好ましくは40〜55質量%の範囲、さらに好ましくは43〜52質量%の範囲、さらに好ましくは45〜51.5質量%の範囲に含まれる実施形態17〜20のいずれかの混合酸化物粒子。
22.前記混合酸化物粒子のBET表面積が、2〜200m/gの範囲、好ましくは5〜150m/gの範囲、さらに好ましくは10〜110m/gの範囲、さらに好ましくは20〜95m/gの範囲、さらに好ましくは50〜90m/gの範囲、さらにいっそう好ましくは80〜87m/gの範囲に含まれる実施形態17〜21のいずれかの混合酸化物粒子。
23.前記混合酸化物粒子の平均粒径が、5〜100nmの範囲、好ましくは6〜50nmの範囲、さらに好ましくは7〜30nmの範囲、さらに好ましくは8〜20nmの範囲、さらに好ましくは9〜15nmの範囲、さらに好ましくは10〜13nmの範囲、さらにいっそう好ましくは11〜12.5nmの範囲に含まれ、好ましくは前記平均粒径が、シェラーの式を用いて得られる、実施形態17〜22のいずれかの混合酸化物粒子。
24.リートベルト法によって決定された立方相の比率が、0.1〜29%の範囲、好ましくは0.5〜25%の範囲、さらに好ましくは1〜20%の範囲、さらに好ましくは2〜15%の範囲、さらに好ましくは3〜10%の範囲、さらに好ましくは4〜8%、さらにいっそう好ましくは5〜6%の範囲に含まれる実施形態17〜23のいずれかの混合酸化物粒子。
25.前記混合酸化物粒子の時効後のリートベルト法によって決定された立方相の比率が、30〜100%の範囲、好ましくは35〜99%の範囲、さらに好ましくは38〜90%の範囲、さらに好ましくは40〜60%の範囲、さらにいっそう好ましくは42〜45%の範囲に含まれ、時効が、好ましくは10%HOを有する空気中で、1,100℃で、40時間実行される、実施形態24の混合酸化物粒子。
26.実施形態17〜25いずれかの混合酸化物粒子の、酸素貯蔵成分、触媒、及び/又は触媒担体としての、好ましくは、排ガスの処理、好ましくは自動車排ガスの処理のための三元触媒、及び/又はディーゼル酸化触媒における酸素貯蔵成分としての、及び/又は触媒若しくは触媒成分としての、使用方法。
図1は、実施例1〜4、及び比較例2〜5によるフレーム溶射熱分解から得られたセリア−ジルコニア混合酸化物材料の、参照としての共沈法から得られた先行技術による試料と比較した酸素貯蔵容量を、セリア−ジルコニア混合酸化物材料に含まれるランタナ添加剤の量に応じて示す。図において、横座標に沿ったランタナの質量での含有量、及び参照材料と比較した酸素貯蔵容量が、縦座標に対してプロットされる。試験試料については、未処理の状態の合成したままの材料の酸素貯蔵容量は、符号「■」によって示され、一方で、時効された材料の酸素貯蔵容量は、符号「◆」によって示される。 図2は、時効後の実施例1〜4、及び比較例2〜6のBET表面積を、添加剤としてセリア−ジルコニア混合酸化物に含まれるランタナの量に対して示す。図において、m/gでのBET表面積が、縦座標に沿ってプロットされ、一方で、セリア−ジルコニア混合酸化物材料中のランタナ含有量が、横座量に沿って示される。 図3は、フレーム溶射熱分解に使用され得る装置における燃焼器の構造(上面図、及び側面図)を示す。
実験節における混合酸化物粒子の合成のため、図3に示したようなフレーム溶射熱分解装置を使用した。より具体的には、フレーム熱分解のためのノズルは、燃焼チャンバーの上部に位置している。図3(上面図)に示すように、前駆体の気化のためのメインノズルは、ノズル配置の中央に位置している。2個のラインが、上記メインノズルに接続され、第1のラインは、前駆体溶液をチャンバーへ送り込むピストンポンプに接続される。第2のラインは、空気を供給し、その酸素含有量はその中の酸素又は窒素の投入によって変化され得る。両方のラインはメインノズルに合流する。さらなるノズルが前記メインノズルの周囲に配置され、前記ノズルの前半において、空気/酸素/窒素のガス混合物が、後半において、エチレンが、それぞれ導入される。前記さらなるノズルは、燃焼チャンバーにおける一定の温度、及び均一な燃焼を提供するための補助炎(auxiliary flame)を供給する。燃焼チャンバーの下部において、燃焼チャンバーの上部において生成した粒子の急速な冷却のために、急冷部(quench portion)が提供される。
リートベルト法による混合酸化物粒子中の立方相の比率の決定のため、試料の結晶相、及び微細構造を、X線回折によって検査した。この趣旨で、試料を、D8 Advance(Bruker AXS)Bragg−Brentano回折計において、約0.05°2θの分解能で分析した。粉体試料を、試料容器へ充填し、ガラス板を使用して表面を滑らかにした。その後、反射データを5〜80°2θの範囲で収集し、データを、Rietveld−Software TOPAS v4.1(Bruker AXS)で評価した。特に、立方CeO構造からなり、格子パラメータ及び及び結晶子の寸法が、自由に精密化されるモデルを使用した。より具体的には、モデルの精密化により、測定されたデータ点、及びシミュレーションしたデータ点の間の加重二乗誤差を低減した。測定されたデータへの計算曲線の調整は、偏差について、特に43°2θの領域で、検討した。正方変更Ce0.5Zr0.5の自由反射が見出され得るのは、この回折角である。異なる曲線がこの相の存在を示す場合には、その後、そのモデルへ導入し、双方の相の定量化を実施した。定量化においては、誤差は約1質量%であり、結晶子の寸法の計算における相対誤差は約15%であった。
[フレーム溶射熱分解]
実施例及び比較例の合成において、前駆体溶液の流れを320ml/hに設定し、前駆体溶液の熱分解の間、燃焼チャンバー中で、1,100℃の平均温度が維持されるように、空気及びエチレンの、メイン及び補助ノズルへの流れを制御した。フレーム溶射熱分解から混合酸化物生成物が得られた後、粉末を、その未処理の状態、それらに10体積%のHOを有する空気へ、1,100℃の温度で、40時間さらすことによる熱時効を行なった後、分析した。前駆体溶液の組成、並びに未処理、及び時効した生成物の特性を、以下の表1に示し、特に、未処理及び時効した生成物のBET表面積、並びに時効前後の混合酸化物材料の立方結晶相の比率を、合成したままの材料のXRD径に加えて示す。
Figure 2015526377
未処理及び時効後の状態における、実施例及び比較例による混合酸化物材料の酸素貯蔵容量をそれぞれ測定した。前記試験結果を図1に示し、酸素貯蔵容量は、参照材料として共沈法から得られた先行技術による試料と比較して示し、前記参照試料は40質量%セリア、45質量%ジルコニア、2質量%ランタナ、5質量%ネオジミア、及び8質量%イットリアを含んでいた。したがって、図1から認められ得るように、非常に驚くべきことに、セリア及びジルコニアに加えて特に低い量の添加剤を有する本発明による材料は、未処理の状態でより多くの量の添加剤を有する材料と同等の酸素貯蔵容量を示すどころではないことが見出されている。さらに非常に予想外に、時効した材料において、本発明の材料における特に低い添加剤のレベルは、同じ方法で製造されたが、より高いレベルの前記添加剤を含む材料よりも、明らかに優れた酸素貯蔵容量を可能とし、約1〜2質量%の添加剤レベルで最も顕著である効果とすることが見出されている。
それ故に、前記硬度の予想外の発見の結果として、実際に、特に添加剤成分について、非常にコスト効率の高い方法において使用されるどころではない、改善された酸素貯蔵成分を提供することが可能である。非常に驚くべきことに、実際に、より高い量の添加剤と共に製造され、普通は、より高い酸素貯蔵容量を提供するたけでなく、得られた材料が、添加剤成分をほとんど、又は全く有さない材料と比較して、改善された水熱安定性とすることができると期待されるであろう、酸素貯蔵成分材料と比較して、時効安定性に関連して、かなり改善された酸素貯蔵成分を提供することも可能である。
さらに、図2、本発明の材料のBET表面積に示した通り、時効後のBET表面積のための数値から認められ得るように、添加剤を欠いている試料と比較して、時効後の材料の増加した表面積が観察され、それは、その明らかにより大きい量を含む時効した材料の表面積と、明らかに匹敵し得る。それ故に、本発明の材料の水熱安定性に関連して、全く予想外に、本発明の材料が、多様な量の添加剤を有し、したがって、それらの製造において、本発明の材料より明らかに低いコスト効率である材料と、それらの質において匹敵し得ることが観察される。
最後に、非常に予想外に、本発明の材料の選択された実施例の時効において(特に、表1における実施例1及び2の結果を参照のこと)、立方相の含有量が、時効の後でさえ、混合酸化物中の結晶相のかなりの比率が立方相ではなく、特にまだ正方状態にあるように、緩やかにしか増加しないことが見出されている。したがって、理論に束縛されることなしに、本発明の材料におけるセリウム以外の1種以上の希土類元素の1種以上の酸化物、及び/又はイットリアの非常に低い含有量によって達成された驚くべき技術的効果が、時効後でさえ、セリウム以外の1種以上の希土類元素の1種以上の酸化物及び/又はイットリアの前記低い含有量によって、非常に予想外に安定化された結晶材料中の立方相の異常に低い比率によるものであり得ると考えられる。特に、同様に理論に束縛されることなしに、前記非常に予想外の発見は、特に、図1において、実施例1及び2にそれぞれ示されるように、本発明の材料の非常に優れた水熱安定性と相互に関係があると考えられる。
したがって、上記で説明した通り、高度に改善された酸素貯蔵成分が、さらに、他の材料と比較して、それらに使用されるセリア及びジルコニアに加える非常に低い量の添加剤材料を考慮して、非常にコスト効率が高い本発明によって得られ得る。

Claims (26)

  1. 混合酸化物粒子の製造方法であって、
    (1)溶媒、セリアの1種以上の前駆体化合物、ジルコニアの1種以上の前駆体化合物、並びにセリア以外の1種以上の希土類酸化物の1種以上の前駆体化合物、及び/又はイットリアの1種以上の前駆体化合物を含む混合物を供給する工程、
    (2)工程(1)において供給された混合物のエアロゾルを形成する工程、及び
    (3)工程(2)のエアロゾルを熱分解し、混合酸化物粒子を得る工程、を含み、
    工程(3)において形成された混合酸化物粒子中の前記セリア以外の希土類酸化物の含有量、及び/又はイットリアの含有量が、前記混合酸化物粒子中に含まれる前記希土類酸化物、イットリア、及びジルコニアの総質量に基づいて、0.1〜4.9質量%の範囲であることを特徴とする方法。
  2. 前記セリア以外の1種以上の希土類酸化物が、ランタナ、プラセオジミア、ネオジミア、及びそれらの2種又は3種の混合物からなる群から選択される請求項1に記載の方法。
  3. 工程(1)において供給される混合物に含まれる、それぞれの酸化物として計算される前記セリア以外の1種以上の希土類酸化物の1種以上の前駆体化合物の濃度、及び/又は前記イットリアの1種以上の前駆体化合物の濃度が、工程(1)において供給される混合物の総質量に基づいて、0.01〜5質量%の範囲に含まれる請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記溶媒が、脂肪族及び芳香族炭化水素、アルコール、複素環化合物、カルボン酸、水、及びそれらの2種以上の混合物からなる群から選択される1種以上を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記芳香族炭化水素が、(C−C12)炭化水素からなる群から選択される1種以上の芳香族炭化水素を含む請求項4に記載の方法。
  6. 前記脂肪族炭化水素が、分岐した、及び/又は非分岐の(C−C12)炭化水素からなる群から選択される1種以上の炭化水素を含む請求項4又は5に記載の方法。
  7. 前記カルボン酸が、(C−C)カルボン酸からなる群から選択される請求項4〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 工程(1)において供給される混合物に含まれるCeOとして計算される前記セリアの1種以上の前駆体化合物の濃度が、工程(1)において供給された混合物の総質量に基づいて、0.1〜15質量%の範囲に含まれる請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 工程(1)において供給される混合物に含まれるZrOとして計算される前記ジルコニアの1種以上の前駆体化合物の濃度が、工程(1)において供給された混合物の総質量に基づいて、0.1〜15質量%の範囲に含まれる請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記セリアの1種以上の前駆体化合物、及び/又は前記セリア以外の希土類酸化物の1種以上の前駆体化合物、及び/又は前記イットリアの1種以上の前駆体化合物が、1種以上の塩を含む請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記錯体を含むキレート配位子が、二座、三座、四座、五座、及び六座配位子からなる群から選択される1種以上のキレート配位子を含む請求項10に記載の方法。
  12. 前記ジルコニアの1種以上の前駆体化合物が、1種以上の塩を含む請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 工程(1)において供給される混合物が、さらに1種以上の白金族金属を含む請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 工程(1)において供給される混合物が、前記1種以上の白金族金属を、工程(1)において供給される混合物の総質量に基づいて、金属として計算される0.01〜15質量%の範囲の量で含む請求項13に記載の方法。
  15. 工程(3)における熱分解が、酸素を含む雰囲気中で実行される請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 工程(3)における熱分解が、800〜2,200℃の範囲に含まれる温度で実行される請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法によって得られる、及び/又は得られた混合酸化物粒子。
  18. フレーム溶射熱分解から得られる混合酸化物粒子であって、前記粒子が、セリア、ジルコニア、並びにCe以外の1種以上の希土類元素の1種以上の酸化物、及び/又はイットリアを含み、それぞれの酸化物として計算される前記混合酸化物中の前記セリア以外の希土類酸化物の含有量、及び/又はイットリアの含有量が、前記混合酸化物粒子中に含まれる前記1種以上の希土類酸化物、ジルコニア、及び任意のイットリアの総質量に基づいて、0.1〜4.9質量%の範囲に含まれることを特徴とする混合酸化物粒子。
  19. 前記セリア以外の1種以上の希土類酸化物が、ランタナ、プラセオジミア、ネオジミア、及びそれらの2種又は3種の混合物からなる群から選択される請求項17又は18に記載の混合酸化物粒子。
  20. 前記混合酸化物粒子中のセリアの含有量が、前記混合酸化物粒子中に含まれる1種以上の希土類酸化物、ジルコニア、及び任意のイットリアの総質量に基づいて、1〜95質量%の範囲に含まれる請求項17〜19のいずれか1項に記載の混合酸化物粒子。
  21. 前記混合酸化物粒子中のZrOの含有量が、前記混合酸化物粒子中に含まれる1種以上の希土類酸化物、ジルコニア、及び任意のイットリアの総質量に基づいて、1〜95質量%の範囲に含まれる請求項17〜20のいずれか1項に記載の混合酸化物粒子。
  22. 前記混合酸化物粒子のBET表面積が、2〜200m/gの範囲に含まれる請求項17〜21のいずれか1項に記載の混合酸化物粒子。
  23. 前記混合酸化物粒子の平均粒径が、5〜100nmの範囲に含まれる請求項17〜22のいずれか1項に記載の混合酸化物粒子。
  24. リートベルト法によって決定された立法相の比率が、0.1〜29%の範囲に含まれる請求項17〜23のいずれか1項に記載の混合酸化物粒子。
  25. 前記混合酸化物粒子の時効後の、リートベルト法によって決定された立法相の比率が、30〜100%の範囲に含まれる請求項24に記載の混合酸化物粒子。
  26. 請求項17〜25のいずれか1項に記載の混合酸化物粒子の、酸素貯蔵成分、触媒、及び/又は触媒担体としての使用方法。
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