JP2015524262A - 感知装置および方法 - Google Patents

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Abstract

サンプルにおいて鋳型ポリヌクレオチドの統合された増幅および配列決定のためのチップを含む感知装置が提供される。装置は、ウェルまたはチャンバーにおいて少なくとも1つのISFETを有するチップ、前記チップの表面上の鋳型ポリヌクレオチドを増幅させるための、および室温に対して高い温度で鋳型ポリヌクレオチドの増幅を行なうのに適切な少なくとも1つの加熱手段を含む、増幅手段、および前記ウェルまたはチャンバーにおいて増幅された鋳型ポリヌクレオチドを配列決定するための配列決定手段を含む。使用の方法も提供される。【選択図】図1

Description

過去20年間にわたって、利用可能な手段の増加する範囲で、核酸分析、特に核酸増幅およびDNA配列決定技術の分野において急速な発展があり、現在利用可能な機器(instrumentation)は増加している。核酸配列を検出および分析する従来の方法は、主として、蛍光性の核酸をインターカレートする色素、蛍光標識化オリゴヌクレオチドプローブ、蛍光標識化ヌクレオチドまたは放射性標識化ヌクレオチドに依存する。
続いて、核酸の合成および配列決定を分析する新しい方法が、イオン感応性電界効果型トランジスタ(ISFET)などの半導体ベースの検出システムを使用して開発された(例えば、PCT国際公開特許番号WO 03/073088を参照)。イオン感応性電界効果型トランジスタベースのプラットホームは、従来の蛍光ベースの核酸分析システムとは異なり、検出のために高価な光学機器や危険な放射性同位体を必要とせず、それ故、このプラットホームは、配列決定または核酸増幅の分析ためのコスト効率が良い、安全な、および簡潔な代替物となっている。
具体的には、溶液中のイオン濃度を測定する、ISFETは、反応から結果として生じる水素イオン(H、プロトン)濃度の変化を検出することによって、核酸鎖へのヌクレオチド取り込みを検出するために利用されている。
水素イオンは、核酸重合反応の間に放出される。例えば、下記の方程式Iは、単一のデオキシヌクレオチドのDNAポリメラーゼ媒介性の加水分解によって促進された水素イオンの放出を実証し:
dNTP→dNMP+PPi+zH (方程式I)
ここで、dNTPは、ヌクレオシド三リン酸であり、dNMPは、ヌクレオシド一リン酸であり、zは、ヌクレオチドのターンオーバー(turnover)につき生成されたプロトンの平均数を記載する整数または分数であり、H+は、プロトンであり、およびPPiは、ピロリン酸塩(脱離基または反応生成物)である。
その反応は、ピロリン酸塩を2つのオルトリン酸塩(Pi)へと加水分解することによって、より多くの水素イオンをさらに生成するために促され得る。そのような第2化学反応は、ピロホスファターゼによって促進され、方程式IIで描写される:
PPi→2Pi+zH (方程式II)
現在の「合成による配列決定(sequencing−by−synthesis)」法のワークフローは、鋳型調製、配列決定および検出、およびデータ分析へと広範囲に分けられ得る。第1工程である、鋳型調製は、配列決定の工程中にヌクレオチド取り込みの信号を確信的に検出するための増幅された十分な量の鋳型を達成するために、鋳型をクローン的に増幅させる工程を通常含んでいる。現在、そのようなクローン的な増幅の工程は、配列決定反応とは離れた区画において、および典型的には別の機械において通常行われる。しかしながら、そのような2つの工程の空間分離は、熟練作業力、高レベルな操作時間(high levels of hands on time)を必要とし、エラーの増加(incremental errors)を誘発し、それ故、配列決定のための検出の感度が低下し、コストが増加する。
正確な配列を促進するために、標準作業方法は核酸を増幅することである。核酸を増幅させる様々な方法が知られている。実際に、PCT国際公開特許(WO2008/107014)は、Solid−State pH Sensing、例えばISFETを使用して、qPCRをモニタリングする方法を開示している。反応のモニタリングは、増幅が、分析される対象の(to be overcome)サンプルの緩衝能に対するサイクルの閾値を越えて進むと、標的(核酸)配列の存在下でプロトン放出から結果として生じるpHの変更を検出することによって行われる。これは、合成による配列決定(sequencing−by−synthesis)を介する配列検出を開示しておらず、増幅活性自体の検出だけを開示している。WO2008/076406A2はまた、ISFETの関連で、ブリッジ増幅などの様々な増幅の方法を開示している。
決定づけのためのISFETを使用する配列決定方法も知られている。US2010/031398A1は、配列決定の方法に使用するための装置を開示し、該装置は、ISFETであり得る、マイクロウェルおよびセンサーのアレイを含む。センサーは、分析物から、浮遊ゲート上に配置された保護材料の層を順に有する浮遊ゲート構造を有している。保護材料は、最大約600オングストロームの厚みを有している。製造の方法も提供される。しかしながら、これらの配列決定方法は、DNAの予め調製した[コロニー]上で別の過程として作用する。
したがって、本発明の目的は、増幅および配列決定のためのイオン感応性装置、および配列決定の既存の方法によってもたらされた欠点を克服するか又は減ずる核酸を増幅および配列決定するための方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、空間分離なしで増幅および続く配列決定の両方を組み合わせる必要性から生じる困難に打ち勝つイオンを提供するもう一つのである、増幅および配列決定のためのイオン感応性装置を提供することである。
したがって、第1態様では、本発明は、サンプル中の鋳型ポリヌクレオチドの統合された増幅および配列決定のためのチップを含む感知装置を提供し、該感知装置は、
ウェルまたはチャンバーにおける少なくとも1つのISFETを有するチップ;
前記チップの表面上で鋳型ポリヌクレオチドを増幅させるための、および室温に対して高い温度で鋳型ポリヌクレオチドの増幅を行うのに適切な少なくとも1つの加熱手段を含む、増幅手段;および
前記ウェルまたはチャンバーにおいて、増幅された鋳型ポリヌクレオチドを配列決定するための配列決定手段、を含む。
本発明の第2態様によると、複数の鋳型ポリヌクレオチドの配列を決定する方法が提供され、該方法は、
複数のウェルに鋳型を提供する工程であって、各ウェルがISFETにさらされる、工程;
随意に、鋳型を増幅させる工程;
少なくとも1つの鋳型を各ウェル内に固定化する工程;その後、
各ウェル内でクローン集団を作り出す工程;およびその後、
ウェルにおいて鋳型コロニーを配列決定する工程、を含む。
本発明の第3番態様によると、複数の鋳型ポリヌクレオチドの配列を決定する方法が提供され、該方法は、
複数のウェルに複数の鋳型を提供する工程であって、各ウェルがISFETにさらされる、工程;
各ウェルにおいて固体基板上の鋳型をクローン的に増幅させる工程;および
ウェルにおいて増幅された鋳型を配列決定する工程、を含む。
本発明の第4態様によると、複数の鋳型ポリヌクレオチドの増幅および配列決定のための感知装置が提供され、該感知装置は、
複数のISFETを有する半導体チップ;
複数のウェルを定義するマイクロ流体構造であって、各ウェルがISFETの少なくとも1つにさらされる、マイクロ流体構造;
鋳型ポリヌクレオチドを増幅させるための、および室温に対して高い温度で鋳型ポリヌクレオチドの増幅を行うのに適切な少なくとも1つの加熱手段を含む、増幅手段であって、各ウェル内でクローン集団を作り出すようにウェルが配される、増幅手段;および
各ウェルにおいて鋳型コロニーを配列決定するための配列決定手段、を含む。
本発明の第5態様によると、複数の鋳型ポリヌクレオチドの増幅および配列決定のための感知装置が提供され、該感知装置は、
複数のISFETを有する半導体チップ;
複数のウェルを定義するマイクロ流体構造であって、各ウェルがISFETの少なくとも1つにさらされる、マイクロ流体構造;
鋳型ポリヌクレオチドをウェル内に固定化する及び増幅させるための、および室温に対して高い温度で鋳型ポリヌクレオチドの増幅を行うのに適切な少なくとも1つの加熱手段を含む、増幅手段;および
各ウェルにおいて増幅された鋳型ポリヌクレオチドを配列決定するための配列決定手段、を含む。
ウェル内の増幅中に、除去可能なシールが提供されることが特に好ましい。これは、隣接するウェルに生じる増幅反応物を密封する(すなわち、格納して単離する)役割を果たす。除去可能なシーリングキャップは、増幅中に反応物間の蒸発および相互汚染を防ぎ、それによって、最大の増幅効率のための最適な条件が提供される。除去可能なシーリングキャップは、液体または固定の材料であり得る。液体のシーリングキャップは、鉱油またはシリコン油であり得る。固体のシーリングキャップは、耐熱シリコンパッドまたは熱可塑性エラストマー(TPE)であり得る。
増幅および配列決定の段階の両方に適切な試薬が提供され、それぞれの増幅および配列決定の手段の一部としてそれらを送達するための手段が、本明細書で議論される。それにもかかわらず、塩基性試薬が、鋳型ポリヌクレオチド、適切な緩衝液を有する液体環境、(増幅及び/又は配列決定のための)ヌクレオチド源、およびそれぞれの反応に適切なポリメラーゼを含むことが認識されるだろう。
前記ウェルまたはチャンバーにおいて増幅された鋳型ポリヌクレオチドを配列決定するための配列決定手段は、好ましくは、dNTPなどの、挿入のヌクレオチド源を含む。したがって、本発明は、これを達成する手段を提供する。これらの手段は、ヌクレオチド源、好ましくは、デオキシヌクレオチド三リン酸(dNTP)を好ましくは含み得る。ヌクレオチド源は、好ましくは、各dNTP(dATP、dCTP、dGTP、dTTPおよびdUTP)に対して1つの、4つ以上の別々の供給源(supplies)を含む。
1つの実施形態では、dATP、dCTP、dGTP、dTTPおよびdUTPの各々に対して1つの供給源があり得、それによって、DNAまたはRNAの鋳型は、同じ装置によって配列決定されることが可能となる。ヌクレオチド源または供給源はまた、好ましくは、前記ヌクレオチド用のポンプを含む。適切なルーティング(routing)機構および制御機構が知られている;例えば、US 2010/031398A1における図8および付随の記載を参照し、これらは、引用によって本明細書に組み込まれる。
熱サイクリングおよび等温増幅に適切な増幅ポリメラーゼは、限定されないが、Taqポリメラーゼ、Pfuポリメラーゼ、Phusionポリメラーゼ、Ventポリメラーゼ、Bstポリメラーゼ、exo Klenowポリメラーゼ、phi29 DNAポリメラーゼ、およびそれらの変異体および誘導体、を含む。増幅pol(ポリメラーゼ)は、例えば、プリンティング(printing)またはスポッティング(spotting)によってサンプルまたは鋳型核酸を加える前に、チップ上に提供され得る。好ましくは、その例において、それらはまた、増幅が完了した後に不活性化される。代替的に、それらは、必要なときに、チップ内/上の増幅の部位に加えられ得る。このための適切なポンプ、ルーティングおよび制御の手段が、必要に応じて考察される。
適切な配列決定ポリメラーゼ(RNAまたはDNAのポリメラーゼに限定されない)は、exo−Klenow断片のDNAポリメラーゼI、T4 exo−Therminator、Bstポリメラーゼ、phi29 DNAポリメラーゼ、およびそれらの変異体および誘導体を含む。配列決定pol(ポリメラーゼ)は、例えば、プリンティングまたはスポッティングによってサンプルまたは鋳型核酸を加える前に、チップ上に提供され得る。好ましくは、その例において、それらはまた、増幅中に不活性化され、増幅が完了したときに再活性化される。代替的に、それらは、必要なときに、配列決定の部位(即ちウェル)に加えられ得る。このための適切なポンプ、ルーティングおよび制御の手段が、必要に応じて考察される。
増幅は、ブリッジ増幅、ポリメラーゼ連鎖反応、核酸配列ベースの増幅(NASBA;Deiman B et.al.2002)、鎖置換増幅(SDA;Andras S C,2001)、ローリングサークル増幅(US5714320)、およびループ介在等温増幅(LAMP)によって行われ得、それらすべては、当該技術分野で周知の技術である。
好ましくは、ISFETは、増幅反応をモニタリングする。ISFETは、いかなる場合も、ウェルで又はウェル内で配列決定を検出することができるように位置付けられ、そのため、ISFETはまた、前記ウェルでも生じるときの増幅をモニタリングするために利用され得る。代案的に、ISFETは、動力を節約するために増幅中に止められ得る。増幅反応のモニタリングによって、システムは、適切に大きな鋳型のコロニーが、いつウェルに存在するかを決定することができ、この決定は、1つの又はすべてのウェルにおいて増幅過程を変更または停止するために、コントローラーに送られ得る。
本発明のさらなる態様では、鋳型核酸の配列を決定する方法が提供され、該方法は、サンプルにおいて鋳型核酸を増幅させる工程および本装置内で増幅された核酸を配列決定する工程を含む。他の好ましい方法の工程は、上に及び一般に本明細書に記載されるが、サンプル中の核酸が、増幅前に断片化されて、有用なサイズの部分に分解されることが好ましい。大きなDNA分子は、例えば、全ゲノムでさえ、この方法で配列決定される。
好ましくは、サンプル中の核酸は、同じウェルまたはチャンバーにおいて、増幅され、続いて配列決定される。
幾つかの実施形態では、感知装置は、各ウェル内に固定化された少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを有し、このオリゴヌクレオチドは、ポリヌクレオチドに結合されないが、鋳型ポリヌクレオチドに結合するように適している。
幾つかの実施形態では、感知装置は、マイクロ流体構造の表面を覆うように配された除去可能なシールを含み、それ故、各ウェルを隣接するウェルから実質的に単離する。
幾つかの実施形態では、固体の除去可能なシールは、可撓性膜または感圧接着剤などの接着剤である。
幾つかの実施形態では、装置は、各鋳型の増幅がその鋳型の配列決定と同じウェルに生じるように配される。
幾つかの実施形態では、感知装置の各ウェルの表面は、オリゴヌクレオチドを固定化する手段によって修飾される。また、単一のオリゴヌクレオチドのみが、サンプルにおいて鋳型ポリヌクレオチドとハイブリダイズするためにウェルの各々で利用可能である、感知装置が好ましい。幾つかの実施形態では、増幅核酸の固定化のための表面として、ビーズが使用されてもよい。装置は、ヒーターを含み得、ヒーターは、チップへと統合された抵抗加熱要素である。幾つかの実施形態では、経路が1つ以上の金属層から形成される。
幾つかの実施形態では、方法は、
0.4〜2の間のウェルに対して1つの鋳型の比率で、幾つかの実施形態では、約1つのウェルに対して1つの鋳型の比率で、ウェルに鋳型を提供する工程、
鋳型の増幅中に隣接するウェルを単離するためにウェルにシールを提供する工程、
増幅された鋳型の配列決定前にシールを除去する工程、をさらに含む。
幾つかの実施形態では、方法は、
各ウェルに単一の鋳型結合部位を提供する工程;
鋳型の増幅中に隣接するウェルを単離するためにウェルにシールを提供する工程;および
増幅された鋳型の配列決定前にシールを除去する工程、をさらに含む。
単一の鋳型結合部位は、ビーズ上にあり得る。幾つかの実施形態では、ビーズは、(a)1つのビーズを結合するのに十分大きな結合部位のみによって各ウェルの表面に結合されるか、または(b)そのような1つのビーズだけが各ウェルに適合できるようなサイズであるかのいずれかである。
さらに別の実施形態では、方法は、鋳型を各ウェルに引きつけるために各ウェルにさらされた電極上の電荷を制御する工程をさらに含み得る。幾つかの実施形態では、各ウェルにおける個々の電極上の電荷は、そのウェルの表面に対する鋳型結合の検出後に取り除かれるか又は逆にされる。
1つの実施形態では、オリゴヌクレオチドは、標的鋳型のタイプの1つ以上の鎖を、単一の固体基板に結合するように特異的な配列であることが好ましい。
ウェルの表面上で又はウェル内に固定化されたオリゴヌクレオチドは、幾つかの実施形態において、オリゴヌクレオチドをワックスでコーティングすることによって、隔離され得る。固定化されたオリゴヌクレオチドの隔離は、幾つかの実施形態において、ウェルから非結合の鋳型を洗浄した後に、ワックスを加熱することによって除去され得る。
方法は、各ウェルにおいて結合された鋳型のクローン的な増幅のための更なる結合部位を有する複数のビーズを、各ウェルに提供する工程をさらに含むことが好ましい。
方法は、配列決定前に非結合の鋳型をウェルから洗い流す工程をさらに含むことが好ましい。
本発明のさらなる態様によると、サンプル中の鋳型ポリヌクレオチドの統合された増幅および配列決定のためのチップを含む感知装置が提供され、該感知装置は、ウェルまたはチャンバーにおいて少なくとも1つのISFETを有するチップ;前記チップの表面上の鋳型ポリヌクレオチドを増幅させるための、および室温に対して高い温度で鋳型ポリヌクレオチドの増幅を行うのに適切な少なくとも1つの加熱手段を含む、増幅手段;および
および前記ウェルまたはチャンバーにおいて増幅された鋳型ポリヌクレオチドを配列決定するための配列決定手段を含む。
本発明のまたさらなる態様によると、鋳型核酸の配列を決定する方法が提供され、該方法は、先行する請求項に従う装置を使用して、サンプルにおいて鋳型核酸を増幅させる工程、および続いて、増幅された核酸を配列決定する工程を含む。
本発明のさらなる態様によると、複数の鋳型ポリヌクレオチドの増幅および配列決定のための感知装置が提供され、該感知装置は、
複数のISFETを有する半導体チップ;
複数のウェルを定義するマイクロ流体構造であって、各ウェルがISFETの少なくとも1つにさらされる、マイクロ流体構造;
鋳型ポリヌクレオチドをウェル内に固定化する及び増幅させるための、および室温に対して高い温度で鋳型ポリヌクレオチドの増幅を行うのに適切な少なくとも1つの加熱手段を含む、増幅手段;および
各ウェルにおいて増幅された鋳型ポリヌクレオチドを配列決定するための配列決定手段、を含む。
本発明のまたさらなる態様によると、複数の鋳型ポリヌクレオチドの配列を決定する方法が提供され、該方法は、
複数のウェルに複数の鋳型を提供する工程であって、各ウェルがISFETにさらされる、工程;
各ウェルにおいて固体基板上の鋳型をクローン的に増幅させる工程;および
ウェルにおいて増幅された鋳型を配列決定する工程、を含む。
図1は、pH検出システムの側面図である。 図2は、同じウェルにおける統合する核酸の増幅および配列決定の一実施形態の概略図である。 図3は、ISFETS、温度センサー、ヒーター、信号処理回路、およびアナログ・デジタル変換を有する、CMOSで作成されたICの一実施形態の概略図である。 図4は、ウェル構造の一実施形態の側面図である。 図5は、除去可能なシールの異なる実施形態の概略図である。 図6は、本発明の1つの実施形態によるチップの平面図であり、平行な線状加熱要素、温度センサーおよびISFETセンサーを示す。 図7は、図6のラインAAで一般に切られるチップの断面図であり、平行な線状加熱要素、温度センサーおよびISFETセンサーを示す。 図8は、ISFETセンサーに対する加熱要素の様々な配置の例を例証する。 図9は、本発明の1つの実施形態によるチップの平面図であり、ピクセル処理した(pixelated)加熱要素、温度センサーおよびISFETセンサーを示す。 図10は、図9のラインBBで一般に切られるチップの断面図であり、ピクセル処理した加熱要素、温度センサーおよびISFETセンサーを示す。 図11は、本発明の1つの実施形態による、ヒータードライバー回路の概略図である。
発明者は、2つ(標的核酸の増幅および配列決定)を組み合わせる方法および装置を考案し、したがって、統合装置を提供している。この1つの利点は、これが、出力、すなわち標的核酸の配列の提供を促進し得るということである。別の利点は、統合システムが、かつては手操作および研究ツールによって解決していた、多くの問題に対処するということである。さらに、このような統合は、最小限の操作時間でワークフローの速度を増加させて、サンプル損失を減少させ得る。その上、さらに自動化される統合システムによって、配列決定の適用を、研究所での専門科学者から、専門家、看護師または技術者による使用のためのより商業的な環境にシフトすることが可能となる。
しかしながら、増幅および配列の工程を組み合わせることが困難な点は、各々の至適条件がかなり異なり得、機器間の相乗効果がほとんど実現されないことである。通常、これらの工程の各々は、複雑な機器を必要とし、各機器は、その機能を実行するために、機械的に、電気的に及び生化学的に最適化される。例えば、増幅用のエマルジョンPCRは、標識化されていないヌクレオチドを含有している油性および水性の液体の混合および単一のクローン集団のみを有しているビーズを検出するための生化学(biochemistry)/装置を必要とする。反対に、配列決定の工程は、標識化ヌクレオチドを用いる生化学および蛍光を検出するための装置を必要とする。その上、試験に使用される使い捨て部分は、しばしば、かなり単純であり(例えばスライドガラス)、その機能性のすべては、機器によって提供される。
1つの点で、本発明は、固定機器の複雑性を減少させるために及び化学および装置を重ねて使用することによって工程段階を組み合わせるために、使い捨て部分に機能性をもたらす方法および装置を提供する。
用語「核酸」は、DNAまたはRNAなどのポリ核酸を含むことが認識され、それらすべては、必要に応じて、一本鎖または二本鎖の形態のいずれかであることが好ましい。
PCT国際公開特許WO2008/107014の開示は、ポリ核酸の増幅に有用である程度まで引用によって本明細書に組み込まれる。
本発明は、上に述べられるような好ましい実施形態の観点から記載されたが、これらの実施形態が、単に例示であり、請求項がこれらの実施形態に限定されないことを理解されたい。当業者は、添付の請求項の範囲内にあると考慮される開示の観点で、修正および代替を行うことができるであろう。本明細書に開示または例証される各特徴は、単独または本明細書に開示または例証される任意の他の特徴との任意の適切な組み合わせのいずれかで、本発明に組み込まれ得る。
本発明は、半導体の配列決定のためのイオン感応性装置および方法を提供する。この手法によって、クローン的な増幅および同じウェル中に生じるクローン的に増幅された核酸(例えばDNA)の配列決定が可能となる。したがって、サンプルから配列決定の結果(sample−to−sequencing result)のシステムのための手段を提供する、完全に統合された装置が提供されることが好ましい。
装置によって、(とりわけ、切断によって生成された複数の異なる核酸鋳型を含む)核酸鋳型の同時のクローン的な増幅(好ましくは、PCR、ブリッジ増幅または等温増幅)が可能となる。クローン的な増幅は、感知プラットホーム上で空間的に分離されている(即ち、別々の(discreet))ウェルに生じ得る。本発明は、空間に分離されている(例えばマイクロウェル)および密封されている複数の核酸鋳型の増幅を行うための、またその後に合成による配列決定(sequencing−by−synthesis)の反応のために同じウェルにおいて増幅された複数のDNAを調製するための手段をさらに提供する。複数の異なる核酸鋳型が使用される場合、本発明はまた、増幅のために各ウェルにおいて単一の鋳型を分布するための手段を提供する。本発明はまた、増幅のために各ウェルにおいて単一の1種の鋳型を分布するための手段を提供する。
半導体チップ
FETは、化学的な感応層の表面と反応培地(即ち、電解質界面)との間の荷電イオンの交換をもたらすことによって機能する:
例えば、窒化ケイ素を含むことには利点があり、なぜなら、これによって、窒化ケイ素の欠如下で得られるよりも、pHの変化に対する増加した及びより速い感応性が提供されるからである。さらに、窒化ケイ素は、水和および電荷移動からFETを保護する助けとなる。
非ネルンスト(non−Nernstian)反応は、絶縁するゲートの窒化ケイ素表面(insulating gate silicon nitride surface)で荷電イオンの急速なプロトン依存性の結合および非結合から生じる、FETの即時の感受性の原因であり、これは結果として、窒化ケイ素層にわたる電圧降下の再生可能な変更をもたらす。窒化ケイ素層にわたる電圧降下の変更は、pHの変化と相互に関連する。電圧降下は、機器回路を使用してモニタリングされ、それによって、個々のヌクレオチド挿入の検出が可能となる。測定された電圧は、閾電圧と呼ばれる。
図1に示される一実施形態では、イオン感応性装置21は、CMOSマイクロチップ24上の複数のISFETであり得、その上にマニホールド26によって定義されるマイクロ流体ウェル25を有する。CMOSマイクロチップはまた、1つ以上のヒーター22および温度センサー23を含み得る。核酸鋳型、1つ以上のポリメラーゼおよび1つ以上のヌクレオチドを含んでいる核酸合成の反応混合物が、ISFETにさらされたウェルに加えられる。各ISFETは、信号プロセッサーによってモニタリングされる電気信号を出力する。ISFETは、好ましくは、不活性化層及び/又は感知層を含む。これらは、プロトンに対して感受性であるように機能化され得る。感知層は、AI203、Si02、Si3N4、AI203、Ta205、Hf03、W03、およびスーパーネルンスト(super−Nernstian)の物資またはこれらの物質の混合物、または各層が1nm乃至50nmの範囲の厚みである、異なる物質層を有しているラミネート構造、から成る群から選択される金属酸化物または金属窒化物で作られ得る。ヌクレオチドが加水分解され、成長する核酸鎖に組み込まれるとともに、プロトンは、放出され、ISFETの電気出力の変化として信号プロセッサーによって検出される。ISFETの電気信号の変化は、核酸合成の間のヌクレオチド取り込みを暗示している。装置は、除去可能なシーリングキャップ27を含み得る。固体のシーリングキャップは、開位置に上昇する且つ密閉位置に低下する機械式アクチュエーターに連結され得る(ウェル用の異なるタイプのシーリングキャップのさらなる記載については以下を参照)。
好ましくは、各ISFETは、ISFET信号と参考信号との間の差から標準化された出力信号を生成する。好ましくは、参考信号は、異なるウェルにおいてチップ上に位置付けられたISFETまたはFETから派生し、ここで、dNTP、酵素またはプライマーの少なくとも1つは、混合物中に存在せず、したがって、反応は進行しない。それ故、チップ上の一般的なドリフトまたはノイズは、これらの信号間の差を取ることによって取り消される。
図7は、浮遊ゲートおよび反応混合物にさらされている窒化ケイ素で作られた感知層を有するISFETを示す。
装置は、好ましくは、マイクロ流体構造を含み、これは、チップと統合または連結され得る。マイクロ流体は、小縮尺(通常、μlまたはpl)に幾何学的に拘束される液体の正確な制御および操作に対処し、そのような使用のための装置は、当該技術分野に周知である。マイクロ流体構造は、液体を運ぶ且つ含む、壁、チャネル、およびマニホールドを提供し得る。簡単な構造例は、チャネルおよびウェルを定義するように提供される空洞を有する成型プラスチックの部分であろう。代替的に、マイクロ流体構造は、チャネルおよびウェルの側面を定義するために穴をあけられて、それによって基板を形成する部分を有する平面基板であり得る。この基板は、ウェルまたはチャネルの底部を定義するチップ表面に連結される。このような構造は、PCT/GB2013/050832によって開示され、Sensor Cartridgeに関連する部分が、引用によって本明細書に組み込まれる。マイクロ流体構造はまた、半導体層および金属配線層の上部の追加の層として半導体ファウンドリにおいて構築され得、それにより、ウェルおよびチャネルは、流体層を介するエッチングによって定義される。このような構造は、GB1218356.2によって開示され、引用によって本明細書に組み込まれる。基板または構造はまた、マイクロ流体デバイスの一部分である又はそのすべてを形成すると考えられる。そのため、本装置は、幾つかの実施形態において、マイクロ流体デバイスを包含すると考えられ得る。
ウェルの目的は、試薬を含むこと、およびISFETの感知層に反応副産物(reaction by−products)をさらすことである。ウェルの数は、徹底的なゲノム配列決定に対しておよそ10以上、または一般的な細菌同定に対しておよそ少なくとも100であり得る。好ましくは少なくとも100ウェル、より好ましくは少なくとも1,000ウェル、最も好ましくは少なくとも100,000ウェルがある。
液体の除去可能なシール(シーリングキャップ)は、ポンプ/圧力源および試薬の進入を制御する1つ以上の制御可能な弁によって、装置(例えばマイクロ流体デバイス)へと導入され得る。このような手段(ポンプ/圧力源および制御弁)の例は、US7948015B2およびUS2010/0301398A1に記載され、引用によって本明細書に組み込まれる。
油(好ましくは鉱油)が、本明細書でシーリングキャップとしても言及される、除去可能なシールとして使用される、特に好ましい実施形態では、油は、有機溶媒と配列決定前の緩衝液(pre−sequencing buffer)の数回の交互の洗浄によって除去され得る。メタノール、イソプロパノール、エタノール、イソブタノールなどの、アルコールは、適切な有機溶媒である。ジエチルエーテルなどの他のものも使用され得る。鉱油を除去するための有機溶媒の例は、US7842457B2において見られ得、引用によって本明細書に組み込まれる。
好ましい実施形態では、ビーズが使用される。それらは、配列決定のための鋳型を捕捉するための表面として機能し得、この場合、それらを捕捉ビーズ(capture beads)と呼ぶ。それらはまた、増幅された鋳型の、例えば、ウェルへの位置決めの助けとなることができる。本明細書に使用されるビーズは、任意数の既知の物質から製造され得る。このような物質の例は、無機物、天然ポリマー、および合成ポリマーを含む。これらは、限定されないが、セルロース、セルロース誘導体、ガラスシリカ、交差結合デキストラン(例えば、Sephadex(商標))およびアガロースゲルを含み得る。更なる例は、US7842457B2にさらに記載され、引用文によって本明細書に組み込まれ、および当業者に既知である。共有結合に適したビーズは、本質的に、磁性または非磁性であり得る。好ましい実施形態では、ビーズは、ストレプトアビジンコーティングされたポリスチレンビーズである。ビードはまた、好ましくはポリスチレンである。
用語「捕捉(capturing)」および「固定化」は、一般に、交換可能に使用されてもよい。本出願の目的のために、固定化されたオリゴヌクレオチドを覆い、順に表面に付けられたプライマー(またはプローブ)を覆う、捕捉部位を使用した。
好ましくは、捕捉ビーズおよびウェルのサイズは、1つのビーズだけがウェルに適合するように比較的合わせられるが、ウェルは、試薬、充填ビーズ、および与えられた鋳型のコピーを固定化し続けるためのビーズなどの、他の構成要素を収容し得る。
オリゴヌクレオチドは、化学基によって、または支持体の表面に結合される更なるオリゴヌクレオチドによって、固体支持体(例えば、ビーズまたはウェルの壁)に付けられ得る。ビーズへのオリゴ核酸またはポリ核酸の取付けは、当該技術分野で既知の手段によって実行され得る。例えば、ビーズへの核酸の共有結合性の化学的な取付けは、ホスホルアミダイト(phosphoamidate)結合を介して、DNA配列の5’−リン酸塩を、アミンコーティングされたビーズに連結するために使用され得る、水溶性のカルボジイミドなどの標準的なカップリング剤を使用して達成され得る。先行技術において用語「オリゴヌクレオチド」に対して様々な定義が存在するが、本出願に関連して、それは、ウェルにおいて核酸鋳型を結合する(固着する)ためのリンクとして作用する固体支持体に付けられ得る、短い範囲の(a short stretch of)核酸を意味すると捉えられるべきである。用語「オリゴヌクレオチド」および「プライマー」は、交換可能に使用される。オリゴヌクレオチドは、鋳型核酸にハイブリダイズする。
増幅される且つ配列決定される鋳型は、理想的に、ssDNAまたはRNAである。これは、固定化されたオリゴヌクレオチドにハイブリダイズするときに好ましいが、二本鎖DNAも想定され得、これは、例えば制限酵素の消化から結果として生じる「付着末端」を含む。方向特異的な(orientation−specific)付着末端は、ビーズまたは固体支持体上で固定化されたオリゴヌクレオチドにハイブリダイズし、リガーゼが加えられることで、鋳型とオリゴヌクレオチドとの間の共有結合が形成される。
核酸鋳型は、インビトロでの増幅に適用可能な任意のサイズであり得る。好ましい実施形態では、鋳型は、約20−500の塩基対の長さである。
鋳型は、増幅の前、間または後に、ウェル内で固体支持体に(例えば、結紮または共有結合によって)付けられ得る。鋳型または増幅された鋳型は、幾つかの工程で、ウェルに流され、核酸のクローン集団が作り出されるウェル内にある(各ウェルに対して1つのコロニー)。以下により記載されるように、この集団は、単一の鋳型をウェル内に固定化して、それを増幅させることによって、または同一の鋳型の集団をウェル内に固定化することによって作り出され得る。これは、ウェル以外のビーズに結合されたクローン集団を作り出し、ウェルにビーズを運ぶ、先行技術とは対照的である。
また、装置、例えば、チップまたはマイクロ流体構造が、1つ以上のウェルを含み、(各鋳型に対する)増幅および配列決定の反応が「同じウェル」で生じることが特に好ましい。
加熱手段は、ヒーターを含む。好ましくは、温度センサーがある。加熱手段はまた、好ましくは、温度センサーとヒーターとの間の制御ループを提供するコントローラーを含む。例えば、増幅にBstポリメラーゼを使用するときに、加熱手段は、温度を摂氏約50度、好ましくは最大60度まで又は65℃までも上昇させ、60−65度が、Bstポリメラーゼを使用する等温増幅のために最も好ましい。例えば、最大70度、80度または90度もの、より高い温度が想定され、摂氏84−98度が、熱サイクリングが必要とされる幾つかの例では特に好ましい。重要なのは、温度が、関連するポリメラーゼに最適であること、または関連するポリメラーゼの変性に対する閾値を少なくとも超えないということである。
チップは、活発な加熱および冷却が生じる外部の温熱環境にさらされ得、その流動サイクル(flux cycle)をチップに移す。
オンチップの加熱
最も好ましくは、加熱手段は、オンチップの加熱要素、および随意に、オンチップの温度センサー及び/又はオンチップの温度制御回路も含む。さらに、ヒーターは、チップへと統合された抵抗加熱要素であることが好ましい。
一実施形態では、1つのウェルにつき、1つのヒーターおよび1つのセンサーが割り当てられ得る。代替的に、10乃至100のウェルを含む領域を加熱するのに、1つのヒーターが十分であり得る。ウェルへのヒーター/センサーの配置は、アレイにおけるウェルの密度に依存する。別の実施形態では、ヒーターは、ウェルのカラムに沿った及びウェルの下に又はウェルの間に位置する、平行電線であり得る。別の実施形態では、ヒーターは、トランジスターであり得、加熱機能および温度感知機能の両方を有し得る(ヒーター−センサーハイブリッド(heater−sensor hybrid))。さらに別の実施形態では、半導体チップの表面に連結された熱電ポンプなどの熱電効果(ペルチエ効果)によって、加熱がもたらされ得る。本発明に記載される加熱要素は、アナログおよびデジタル制御回路を有するセンサーシステムで実施される(図3)。オンチップのヒーター、温度センサーおよび温度制御回路のさらなる記載が、US7888015B2で見られ得る。
幾つかの実施形態では、チップは、CMOS(相補型金属酸化膜半導体)チップである。一実施形態では、CMOSチップの金属層の上部の金属は、ヒーターとして機能することができる。好ましくは、上部の金属は、抵抗ヒーターとして機能し、抵抗ヒーターは、図6および図8に例証されるようにチップ全体にわたって、またはチップの一部分にわたって均一に分布された平行な線状加熱要素を含み得る。加熱要素の均一分布は、チップ表面にわたる均一加熱を可能にする。抵抗加熱要素は、(例えば図8に示されるように)S字形、U字形、環、螺旋、多角形または直線の形状であり得る。幾つかの実施形態では、チップは、ピクセル処理した抵抗加熱要素のアレイを含み、ピクセル処理した抵抗加熱要素は、環状、螺旋形状または多角形形状を取り入れ得る。
幾つかの実施形態では、チップは、保護環を含む。チップの保護環(即ち、静電シールド)は、ヒーターとして機能し得る。通常、シールド経路全体が、シールドを提供するために回路を介して電源に連結されるが、加熱の間に、経路は、電流を流すためにドライブ回路に接続するように再構成される。
生成された熱によって、均一加熱が成形面を横切って個々のISFETセンサーに提供され得るように、1つ以上の加熱要素の配置は、ISFETセンサー、センサーアレイの大きさおよびチップ表面に相関して設計される。そのような実施形態では、加熱要素は、CMOSチップの金属層の上部の金属層の平面にある。代替的に、成形面にわたる温度勾配が所望される場合、個々の加熱要素は、効果を達成するためにオンおよびオフにされ得る。そのような特質によって、例えば、異なるアニール温度に必要な反応混合物のPCR増幅が、チップ上で同時に行われることが可能となる。
チップにわたる加熱要素の配置は、1つのチップ当たりのISFETセンサーの数および密度に加えて、各ウェルに近位のISFETセンサーの数に依存する。一実施形態では、ISFETセンサーおよびウェルの1行(またカラム)は、2つの平行な加熱要素の間にはさまれる。別の実施形態では、ISFETセンサーおよびウェルの複数の行(またはカラム)は、2つの平行な加熱要素の間にはさまれる。同様に、加熱要素は、1つ以上のISFETセンサー及び/又はウェルを囲み得る。
チップにわたる平行な加熱要素の数および長さは、チップのサイズに依存する。例えば、5mm×5mmのチップについて、加熱面積は、各加熱要素に対して50オームの平均のヒーター抵抗を有する8つの平行な加熱要素から作られ得、これは、ヒーターのみを介して加熱のために4W/cm2のパワーを生成する。
ヒーター用のヒータードライバーが提供され得る。このヒータードライバーは、その入力として8ビットのPOWのレジスタ値をとり、それをヒーターにわたる一定の出力電圧に変換することができる。一実施形態では、ヒーターは、0から255の間のPOWの値を継続的に制御することによって、Class Aモードで駆動され得る。別の実施形態では、ヒーターは、負荷サイクル(PWMモード)の制御によって、またはヒーターを起動するパルスのストリームの密度の制御によって、Class Dモードで駆動され得る(ビットストリームモード)。このような設計の主な利点は、異なる温熱環境で標的温度プロファイルを達成するために制御されるヒーターに可撓性を提供することにある。
ヒーター材
ヒーターの材料は、アルミニウム、銅、タングステン、または他の一般的な金属組成物または合金の1つ以上の金属である。材料の選択は、チップの製造プロセスに大きく依存する。
ヒータードライバー回路
一実施形態では、ヒータードライバーは、少なくとも1つの個々のドライバーステージを含み、これは、ヒータードライバーの選択レジスタ(HDRV)を設定することによって、選択的にオン/オフにされ得る。(上にRとして表わされる)ヒーター経路はチップにわたって分布される。このような構成では、1つのドライバーステージのみが、ヒータードライバーのオペアンプ(opamp)の負フィードバックへの「SENSE」接続を閉じることによって、真の閉ループにおいて実行される。それ故、各ヒーター経路にわたって流れる電圧は、ヒーター経路の残りが開ループの方法で実行されるため、ミスマッチが原因でわずかに異なる(図11を参照)。
別の実施形態では、すべてのヒーター経路は、閉ループにある。そうすることの恩恵は、すべてのNMOSトランジスタドライバーが、DACによって生成される同じ電圧によって駆動されることである。慎重にドライバートランジスタの大きさを合わせることによって、VDSは、非常に小さく設定され得、したがって、ヒータードライバー上の電力損失は、最小限にされ得る。
温度センサー回路および温度制御
好ましくは、チップは、1つ以上の温度センサーを含み;より好ましくは、チップは、チップにわたって均一に分布された温度センサーのアレイを含む。温度センサーは、基板におけるPN接合であり得るか、または絶対温度比例センサー(Absolute Temperature sensor)を実施するためのより複雑な回路を使用し得る(その各々は、電気工学の分野で既知である)。1つのチップ当たりの温度センサーの数は、ヒーターおよびISFETセンサーの数に依存する。1つの実施形態では、温度センサーと、ヒーターと、ISFETセンサーとの間の比率は、1:1:1であり得る。好ましい実施形態では、温度センサーの数は、ヒーターの数より少ない、ISFETセンサーの数よりも少ない。
温度センサーは、ヒーターおよびISFETセンサーの位置に対向して位置付けられる。好ましくは、温度センサーは、ヒーターから離れて位置付けられる。より好ましくは、温度センサーは、直接的にヒーターの真下などの、ヒーターの近位に位置付けられない。
本発明の幾つかの実施形態では、チップ上の温度センサーによって報告された温度は、外部マイクロコントローラーに送られ、ここで、PID(比例・積分・微分)制御アルゴリズムが、標的温度を達成するために実施されて、閉ループ方法でチップ上のヒーターを制御する。
統合された配列決定チップのパッケージング:
センサーチップは、DNAセンシングのためにチップ表面をさらすためのカスタマイズされた開口部(例えばウェル、チャンバー)を有するリードフレームまたは積層基板上の従来ICパッケージフォーマットにおいてパッケージにされ得る。パッケージのタイプは、CLCC、PLCC、TSSOP、QFN、BGA、SOICなどの、任意の主流の又はカスタマイズされたフォーマットであり得る。パッケージのサイズの、材料、設計の選択は、感知装置の用途および最終組み立てに依存している。
装置がサーモサイクラーを含み得ることが認識されるだろう。増幅中に、サーモサイクラーの温度は、変性温度、ハイブリダイゼーション温度、およびアニール温度(それぞれ、T1、T2、およびT3)を交互に繰り返す。好ましい実施形態では、これは、様々な冷却ランプ速度(cooling ramp rate)を達成するために十分な冷却液循環量及び/又はファン速度を提供しながら、様々な加熱ランプ速度(heating ramp rate)を達成するのに必要とされる十分なパワーを提供することによって提供される。幾つかの因子が、加熱および冷却の速度の設計に影響を与える。その1つは、ヒーターの抵抗性であり、これは、チップ上のヒータートラックの経路および配置を決定する。また、チップのパッケージ設計は、加熱および冷却のランプ速度において役割を果たすことができる。
好ましくは、増幅用のポリメラーゼは、Taqポリメラーゼである。増幅および配列の両方に有用なポリメラーゼが、Bstポリメラーゼであることも好ましい。
除去可能なシール
シーリングキャップまたはシーリング手段として本明細書で言及される、除去可能なシールは、反応物を密封する(含有する)のに適している。したがって、これは、環境および隣接するウェルから反応物およびその試薬を密封する(含有する)手段を提供する。この除去可能なシールは、最も好ましくは、増幅反応物のために提供される。これはまた、配列決定の反応物(したがって、増幅および配列決定の反応物のいずれか又はその両方)に使用され得るが、最も好ましくは、増幅反応物を密封することに使用される。
除去可能なシールは、油またはワックスなどの液体であり得る。これは、本明細書に記載されるように、ポンプによって適用され得る。これは、例えば、本明細書の他の部分で記載されるように、適切な溶媒による洗浄によって除去され得る。代替的に、除去可能なシールは、蓋などの固体であり得る。これは、ガラス、または他の不活性な非物質的なもの(inert immaterial)、例えば、上に言及される、耐熱シリコンパッドまたは熱可塑性エラストマー(TPE)から作られ得る。これは、チップの上に位置付けられることによって、好ましくは、シールをマイクロ流体構造の上面まで下げるための適切なコントローラーによって操作されるモーターによって駆動されることによって、および随意に、正確な位置を検出する感知手段によって適用され得る。シールは、好ましくは、マイクロ流体構造を変形可能に係合させるためのコンプライアント面(compliant surface)を含む。固体の除去可能なシールは、ユーザーまたは上に例証されるようにモーターによって除去され得る。
配列決定段階での除去可能なシールの使用に対して、これは好ましいオプションである。これが必要とされない場合、ヌクレオチドおよび洗浄剤が連続的に交互に流され得る。これらは、好ましくは室温で行われる。幾つかの実施形態では、取り込みの速度、したがって配列決定の速度を増加させることが望ましいかもしれず、そのため、高温(室温を超える、即ち摂氏24度)が使用され得る。その例では、除去可能なシールが、配列決定の工程で利点があり得る。配列決定の高温では、固体の除去可能なシールが好ましいと認識されるだろう。しかしながら、除去可能なシールを含まない1つの理由は、それが全体的なワークフローの速度を低下させ得るからである。配列決定の段階のための固体の除去可能なシールはまた、イオン拡散を最小限にし得る。
除去可能なシールが、増幅および配列決定の両方に必要とされる場合、液体および固体の除去可能なシールの組み合わせが考察される。例えば、液体のシーリング手段(除去可能なシール)は、増幅反応物を密封するために使用され得るが、一方で、液体または固体のシーリング手段(除去可能なシール)は、配列決定の段階を密封するために使用され得る。
幾つかの実施形態では、配列決定の反応は、好ましくは、チップへの送達前に外側から加熱された液体試薬を用いて、周囲温度(即ち室温)で行われる。この方法は、効果的であり、ポリメラーゼ/反応のための至適条件を提供し、また配列決定中に取り込みの速度を増加させるため、配列決定にも利点がある。
加熱手段が熱サイクリングに適していることも好ましい。実際に、熱サイクリングは好ましい方法であり、ここで、変性、アニーリングおよび拡張のための工程が考察される。
鋳型ポリヌクレオチドの増幅は、前記チップの表面上に生じる。これが、多くの分離面を含み得ることが認識されるだろう。これが、表面(複数可)において、表面上に、または表面で生じると考えられ得ることも認識されるだろう。一実施形態において、増幅が、チップに隣接する装置内で生じることはで好ましいが、一方で、別の好ましい実施形態において、これは、1つ以上(しかし、好ましくは、他の部分で記載されるように、何千以上)の別々のウェル、例えばマイクロウェルに生じ得る。
前者の実施形態において、核酸の異なる断片の増幅はすべて、1つのチャンバーにおいて生じ得、その後、チップ上のウェルに流れ得る。
後者の実施形態において、個々の断片が、各々、別々のウェルにおいて増幅されることが好ましい(そのため、1つのウェル当たり平均で1つの鋳型があることが好ましい)。
したがって、鋳型の増幅および増幅された鋳型の続く配列決定が、同じウェルで生じることが好ましい。
鋳型が、サンプル内に含まれることが認識されるだろう。サンプルは、液体であり、適切な緩衝液を含み得る。以前に言及したように、サンプルにおける核酸鋳型は、インビトロでの増幅に適用可能である、より短い長さの核酸鋳型へと断片化され得る。好ましい実施形態では、鋳型は、約100−500bpのサイズである。増幅によって生成された鋳型の正確なコピーは、増幅された鋳型と呼ばれるが、鋳型と増幅された鋳型との間に構造的な差はなく、1つの鋳型は単に他の鋳型のコピーであることを理解されたい。用語「増幅された鋳型」および「アンプリコン(amplicon)」は、交換可能に使用される。用語「増幅」および「プライマー」は、交換可能に使用される。「クローン的な」および「クローン的に」は、核酸集団が、与えられた鋳型の実質的に同一のコピーであり、それによって与えられた鋳型が、他の鋳型または核酸断片に対して典型的に特有であることを指す。
用語「鋳型」、「核酸鋳型」、「鋳型核酸」および「鋳型ポリヌクレオチド」は、交換可能に使用される。先行技術において用語「鋳型」の様々な定義が存在し得るが、本出願の目的のために、それが、増幅中にコピーされ得るか又は配列中に配列決定され得る核酸の長さを意味するように捉えられるだろう。すなわち、鋳型は、増幅および配列決定の過程の間にポリメラーゼによって作用され得る核酸の長さである。鋳型核酸は、好ましくは、DNAまたはRNAであり、一本鎖または二本鎖であり得る。もし二本鎖である場合、関連するポリメラーゼを作用させるために、鎖の少なくとも部分的な分離がなければならないことが認識されるだろう。代替的に、鎖置換反応を有するポリメラーゼが使用されてもよい。鋳型は、好ましくは一本鎖である。用語「標的」および「鋳型鎖」とは、交換可能に使用されてもよいが、増幅されて、続いて、配列決定される核酸に本質的に関連し得る。この核酸は、わずか数塩基の長さであり得、上限は桁違いに高く(many orders of magnitude higher)、唯一の制限は、例えば、ウェルのサイズ(もし使用されれば)および動力学的限界に関する空間的な考察である。鋳型は、種と呼ばれる場合、多くの異なる鋳型の集団からの特定の又は特有の鋳型を意味するように捉えられる。例えば、断片化を受けた核酸のサンプルは、核酸鋳型の多くのより小さな断片、または言いかえれば、核酸鋳型の多くの種を含む。さらなる例として、ウェルは、単一の種の多くの核酸鋳型を含み得、その場合、1つの特定の鋳型の複数のコピーがある。
配列決定の工程では、鋳型ポリ核酸(または少なくともそれらの一部分)の塩基の配列同一性を決定する。これらは、デノボ(de novo)配列決定を含み得、ここで、配列となる鋳型の予備知識は欠いている。代替的に、標的とされた配列決定または再配列決定が実行され得、ここで、例えば、特定のSNPの同一性が測定される。
チップは、「統合される」と考えられ得る。これは、チップが同じチップ上で増幅および続く配列決定を可能にするからである。加熱手段も、チップのベースの部分として提供され得る。
感知装置のウェル構造の一例は、図4を参照して、ここで、より詳しく記載される。CMOSチップの上に位置付けられる感知層は、ウェルの底面上にさらされる。二酸化ケイ素のウェル壁は、TiNまたはAlの層によって覆われ得る。TiNまたはAlの層は、ウェルにさらされる表面上で、AgCIでコーティングされて、参照電極を形成する。参照電極は、ISFETの操作点を設定するために、感知層の上で液体の電位にバイアスをかけ、その結果、液体中のプロトンの放出による液体の電位の変化が測定され得る。TiNまたはAlの層が、ウェルにおいて十分低く位置付けられ、その結果、ウェルが反応混合物を含むときに、参照電極が浸漬されることが好ましい。実施形態で示されるように、ウェル壁の上面が、疎水性材料の層で覆われていることが好ましい。適切な疎水性材料は、限定されないが、有機ポリマーまたは無機ポリマーまたはナノ材料、例えば、PMMA、PE、PP、Su−8またはフォトレジスト材料、パリレンを含むか、または超疎水性のTi02ナノ粒子のコーティングであり得る。疎水性材料は、シール工程中にウェル間の液体の表面張力を壊す助けとなり、それによって、ウェルからの液体の相互汚染または蒸発を形成し得る及びそれにつながり得るマイクロボイド(micro voids)を除去する。ウェルのシーリングは、以下により詳細に議論される。
除去可能なシールの実施形態は、図5に示されるように、さらに詳細に記載される。図5に示される実施形態の各々にフローセルが含まれる。フローセルは、単一ユニットとして感知装置と統合され得るか(例えば実施形態A、BおよびD)、または別々の分離した構成要素を形成し得る(例えば実施形態C)。
図5の実施形態Aは、統合されたフローセル1を有する感知装置を示す。フローセルは、液体がウェルへと流され得る及びウェルから流され得る、流入口および流出口を提供する、流体弁5を含む。各ウェルは、感知層3を含む。ウェル壁2は、SiO2で作られ得る。実施形態Aのウェルは、密封されていない。
実施形態Bは、実施形態Aの感知装置を示し、ここで、増幅反応物6を含んでいるウェルは、除去可能な液体シール7によって密封されている。液体シールは、好ましくは、油、例えば鉱油であり、より好ましくは、パラフィン油またはシリコン油である。除去可能な液体シールは、ポンプまたは圧力源によって、および試薬の進入を制御する1つ以上の制御可能な弁によって、フローセルを介して感知装置へと導入され得る。このようなポンプ/圧力源および制御弁の例は、US7948015B2およびUS2010/0301398A1に記載され、引用によって本明細書に組み込まれる。
油が除去可能なシールとして使用される場合、油は、有機溶媒と適切な洗浄剤を含有している配列決定前の緩衝液の数回の交互の洗浄によって除去され得、これらの洗浄剤は、非イオン性、または非イオン性と陰イオン性の組み合わせ、あるいはカチオン性であり得るか、シリコンベースの洗浄剤であり得る。メタノール、イソプロパノール、エタノール、イソブタノールなどの、アルコールは、適切な有機溶媒である。ジエチルエーテルなどの他のものも使用され得る。鉱油を除去するための有機溶媒の例は、US7842457B2において見られ得、引用によって本明細書に組み込まれる。
実施形態Cは、感知装置、および開位置に上げられる分離したフローセルを示す。実施形態Cのウェルは、感圧接着剤(PSA)8を使用して密封された。PSAは、光圧の適用で、接着剤と接着面(この場合、ウェル壁の上面)との間の結合を形成する。PSAの特性は、当該技術分野に周知である。PSAの層は、ウェルの上部に適用され、その結果、PSAとウェル壁の上面との間に接触がもたらされる。圧力がPSAに加えられ、その結果、接着剤結合が、PSAとウェル壁の上面との間で形成される。圧力は、外圧の任意の形態によって、例えば、ローラーの使用を介して、または機械式アクチュエーターに連結されたクランプを下げることによって加えられ得る。圧力はまた、フローセル9を感知装置上まで閉位置に下げることによって加えられ得る。これは、機械式アクチュエーターを使用して行われ得る。
PSAが必要に応じて容易に取り除かれ得るように、PSAの接着強度が十分に低いことが好ましい。PSAの接着強度が、0.1−10N/cmの間であることが好ましい。接着強度が、0.1−5N/cmの間であることがより好ましい。
実施形態Dは、フローセルの流体の流入口と流出口の弁との間に可撓性の非粘着性膜10を含む、統合されたフローセル12を有する感知装置を示す。膜は、好ましくは、耐熱シリコンパッドまたは熱可塑性エラストマーである。機械式アクチュエーターに連結されたブロック材料は、膜上に等圧力を加えるために下げられ得る(lowered)。これによって、膜を、ウェルを密封するようにマイクロ流体ウェルの上面に押し付ける。シールを除去するために、ブロック材料は、膜から離れて上げられ、これによって、膜は、その原位置へと戻され、ウェルの上に隆起される(raised)。
生体反応および化学反応
幾つかの実施形態では、任意のオリゴヌクレオチドが、増幅前にウェルまたはビーズに固定化されることを除いて、増幅および配列決定の過程で使用される試薬が、装置の物理的な部分を形成しないことが認識されるだろう。
他の実施形態では、これらの試薬は、装置の部分を形成し得る(例えばハウジング内に提供され得るように)か、または装置と一緒にキットを形成し得る。そのため、本発明はまた、本明細書に記載されるように、鋳型および随意にビーズの増幅および配列決定のための装置および試薬を含む、キットを提供する。
マイクロ流体デバイスの容量は、1plから10μlまで又は10μl以上の範囲であり得る。加熱手段によって、一実施形態において、増幅反応をマイクロ流体デバイス内で起こすことが可能となり、ここで、最適な温度および条件の両方が、熱サイクリングおよび等温増幅反応の両方に加え、プライマーまたはオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションに対しても達成され得る。
サンプルにおける核酸鋳型は、増幅および配列決定のための感知装置にさらされる前に、調製される必要があるということが認識されるだろう。サンプルの調製のための工程は、限定されないが、細胞の溶解、核酸物質(例えばDNA)の精製、所望領域の前増幅、アンプリコン精製、(例えば、音波処理、噴霧化による、または制限酵素の使用による)アンプリコンの断片化、断片化の末端修復(end repairing)、および結紮を介する万能アダプターの取付けを含み得る。増幅または配列決定のために核酸サンプルを調製するプロセスのための個々の工程の組み合わせのように、すべての個々の工程は、当該技術分野に周知である。
一実施形態では、イオン感応性装置のウェルは、核酸鋳型に結合する固定化したオリゴヌクレオチドまたは化学基を含む。オリゴヌクレオチドまたは化学基は、ビーズなどの固体支持体上に及び/又はウェルの壁上に固定化され得る。固定化されたオリゴヌクレオチドまたは化学基は、核酸鋳型のための「捕捉部位」として作用する。捕捉部位は、核酸鋳型に結合する(即ちハイブリダイズする)またはそれを「捕捉する」ことができる、固体支持体上に固定化されたオリゴヌクレオチドを示す。
オリゴヌクレオチドは、固体支持体(例えば、ビーズまたはウェルの壁)の表面に結合される化学基を介して、固体支持体に付けられ得る。ビーズへの核酸の取付けは、当該技術分野で既知の手段によって実行され得る。例えば、ビーズへの核酸の共有結合性の化学的な取付けは、ホスホルアミダイト結合を介して、DNA配列の5’−リン酸塩を、アミンコーティングされたビーズに連結するために使用され得る、水溶性のカルボジイミドなどの標準的なカップリング剤を使用して達成され得る。代替的に、特異的なオリゴヌクレオチドは、同様の化学作用を使用して、ビーズに連結され得る。
オリゴヌクレオチドは、シリル化、活性化および結合のプロセスを介して、ウェル壁上に固定化され得る。ウェル壁(SiO)のシリル化は、誘発されたSiOの加水分解によって実行され得る。シリル化は、(3−グリシジル・オキシ・プロピル)トリメトキシシラン(3−GPS)、(3−アミノ・プロピル)トリエトキシシラン、アミノフェニル・トリメトキシシラン、(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン(3−MPTS)、またはハロアセトアミド・シランなどの、シランを使用することによって達成され得る。ISFET性能に関するあらゆる複雑性を避けるために、感知層ではなくSiO表面のみにシリル化が制限されることが好ましい。
シリル化されたウェルの表面は、限定されないが、ジチオビスピリジン、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、EDCまたは他のカルボジイミドの1つと反応させることによって活性化され得る。活性化が、反応の間に放出されたプロトンを吸収しないような低い緩衝能を有する化合物によるものであることが好ましい。
その後、オリゴヌクレオチドは、表面に連結され得る。オリゴヌクレオチドは、活性化されたシリル化表面と容易に反応して、ウェルの表面上に固定化される。固定化の前に、オリゴヌクレオチドは、アミン、−チオール、アクリダイト(acrydite)、カルボキシ、ヒドロキシ(hyroxy)、アジド、およびさらにビオチン化したもの(biotinylated)などの官能基によって5’修飾され得る(5' modified)。
固体表面のシリル化のプロセスについての更なる詳細が、以下の参考文献において見られ得る:
1.Bhatia, S. K.; Shriver−Lake, L. C; Prior, K. J.; Georger, J. H.; Calvert, J. M.; Bredehorst, R.; Ligler, F. S. Anal. Biochem. 1989, 178, 408−413。
2.Lee, Y. W.; Reed−Mundell, J.; Sukenik, C. N.; Zull, J. E. Langmuir 1993, 9, 3009−3014。
3.Shriver−Lake, L. C. In Immobilized Biomolecules in Analysis; Cass。
4.Kallury, K. M. R.; Krull, U. J.; Thompson, M. Anal. Chem. 1988, 60, 169− 172。
5.Lyubchenko, Y. L.; Blankenship, R. E.; Gall, A. A.; Lindsay, S. M.; Thiemann, O.; Simpson, L.; Shlyakhtenko, L. S. Scanning Microsc. Suppl. 1996, 10, 97−107。
6.Vandenberg, E.; Elwing, H.; Askendal, A.; Lundstrom, I. J. Colloid Interface Sci. 1991 , 147 (1 ), 103−118。
7.Leyden, E. D. Silanes, Surfaces and Interfaces; Gordon and Breach: New York, 1986。
ウェル壁に付けられたオリゴヌクレオチドの密度は、1cm当たり1マイクロモルから1ピコモルの範囲であり得る。達成される密度は、塩類化のプロセスに大きく依存する。オリゴヌクレオチドの密度は、シリル化されたウェル壁を、さらに官能化されたシリル化表面を提供することができる、樹枝状分子(dendrimeric molecules)または高分岐ポリマーとさらに反応させることによって増加され得る。
参照電極の感応性Ag/AgCI層が、上に記載されるオリゴヌクレオチド固定化のプロセスの間に保護されることが好ましい。これは、配列決定のプロセスの間の装置の使用前に除去され得る、ワックスなどの保護層を有する電極のAg/AgCIを覆うことによってなされ得る。
増幅且つ配列決定される鋳型は、理想的に、ssDNAまたはRNAであるが、二本鎖DNAも想定され得、これは、例えば、消化された制限酵素から結果としてもたらされた「付着末端」を含む。方向特異的な付着末端は、ビーズまたは固体支持体上で固定化されたオリゴヌクレオチドにハイブリダイズし、リガーゼが加えられ得ることで、鋳型とオリゴヌクレオチドとの間の共有結合が形成される。
鋳型は、増幅前に又は増幅中に、固体支持体に付けられ得る。
核酸鋳型は、限定されないが、精製されたゲノムDNA(これは一般にcDNAを含む)またはmRNAなどの、DNAまたはRNAであり得る。核酸鋳型は、自然発生または非自然発生のものであり得、限定されないが、体液または組織、細菌、ウイルス、またはcDNAライブラリーなどの、様々なソースから得られ得る。RNAに関して、増幅前にRNAをDNAに逆転写する初期工程が好ましい。
デノボ配列決定に関して、核酸鋳型は、当該技術分野に既知の、標準的なサンプル調製/DNAライブラリー構築の方法を使用して調製され得る(例えば、ニューイングランドの生物学研究所からのNEBNext Fast DNA library Prep Set 4)。簡単に言うと、核酸は、随意の4−8サイクルの前増幅によって、断片化される、末端修復され、万能アダプターで結紮され、および浄化される。特定の変異またはSNPを含み得る、遺伝子特異的な増幅および配列決定のために、核酸は、断片化され得、その後浄化され得る。デノボの遺伝子、および特異的な配列決定、特異的な断片サイズの遺伝子の両方が、集積され得る。
断片化された核酸鋳型は、dNTP、ポリメラーゼ、および対象の鋳型の5’領域および3’領域に対して相補な配列を有する第1および第2のプライマーを含む、増幅試薬と混合され、その各々は、特有の万能アダプター配列を含み得る。各ウェルが平均で鋳型の単一のコピーのみを含むように、混合物が限界希釈でウェルに加えられる(例示目的)。各ウェルが平均で鋳型の単一のコピーのみを含むように、断片化された核酸鋳型は、液体流などの方法によってウェルへと送達され得る。各ウェルにおいて鋳型の単一のコピーを得る方法は、後にさらに詳細に記載される。
鋳型は、熱サイクリングを使用して(例えば、熱サイクリングを使用する様々なポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって)または等温増幅方法(例えば、ローリングサークル、鎖置換増幅(SDA))を使用して、クローン的に増幅され得る。
PCRに関して、増幅は、所望される用途および分析のレベルに依存する最適な緩衝条件を使用して、10サイクル、20サイクル、30サイクルまたは40サイクルを超えるサイクルで行われる。例えば、遺伝子型決定、SNPの同一化(identifying SNPs)、またはより単純な配列決定の用途のための標的とされた配列分析は、より少ないサイクルを必要とする。
ウェルにおいて生じる増幅に関して、アンプリコンを結合するために、固定化されたオリゴヌクレオチドが、ウェルに提供される。PCRの変性段階中に、二本鎖アンプリコンは、分離されて、一本鎖DNAを形成し;したがって、アニーリング段階の際に、一本鎖DNAの一部分は、鎖特異的な方法で、固定化されたオリゴヌクレオチドにハイブリダイズする。一実施形態では、第1および第2のプライマーの比率は、鎖特異的な一本鎖DNA(ssDNA)の生成への偏り(bias)によって変更され得、したがって、固定化されたオリゴヌクレオチドにハイブリダイズするssDNAの確率が増加した(例えば、第2プライマー特異的なssDNAが好ましい場合、第1プライマー対第2プライマーの比率は、1:1、1:4、1:8または1:50より高く設定され得る)。
その後、固定化されたオリゴヌクレオチドは、鋳型としてハイブリダイズされたssDNAを使用して、核酸を拡張させるプライマーとして作用し得る。変性、アニーリングおよび拡張の繰り返しが、ウェルにおいて鋳型のコピー数を(クローン的に)増加させるために使用され、これらのコピーは、固体支持体、即ち、ウェルで位置する表面上で固定化される。
一実施形態では、増幅された鋳型の量は、ウェルにおけるプロトンの蓄積を検出するISFETセンサーによってモニタリングされ得る。
クローン的に増幅された鋳型の望ましい量が一旦達成されると、シーリングキャップが除去されることが好ましい。その後、ウェルは、好ましくは、緩衝化合物、プライマー、dNTP、ポリメラーゼ、プロトン、および固体支持体に固定化されない核酸鋳型などの試薬を除去するために洗浄される。
固定化された一本鎖DNAは、続く配列決定の反応のための好ましい(増幅された)鋳型として使用される。それ故、ssDNAsのみが固体支持体上で固定化されたままであることを確かなものとするために、ウェルは、例えば、アルカリ性溶液によって洗浄され、鋳型を変性させる(鎖分離)。
好ましい方法では、配列決定は、配列決定プライマーを、固定化された一本鎖核酸(本例では、ssDNA)鋳型の3’領域にハイブリダイズすることによって模倣され、配列決定ポリメラーゼ(Bstポリメラーゼまたは別の熱安定性ポリメラーゼなど)は、その後、配列決定プライマー/−鎖核酸(ssDNA)鋳型の複合体に結合する。
その後、ヌクレオチド、主にデオキシヌクレオチドが加えられ、ここで各ヌクレオチド(例えば、dATP、dGTP、dCTPおよびdTTP)は、ウェルへと別々に(即ち、別々の「波(waves)」で)導入される。相補的塩基が特定のウェルに存在する場合、ヌクレオチドは、ポリメラーゼ(本実施例では、Bst)によって加水分解され、配列決定プライマーの3’から拡張して組み込まれる。
ヌクレオチドの取り込みは、副産物としてのプロトンの生成につながり、これは、ISFETセンサーによって検出され、肯定的な反応を信号で送る。一方、ヌクレオチドの取り込みの欠如は、プロトンを生成せず、それ故、信号は生成されない。ヌクレオチドを加えた後にヌクレオチドを含有していない緩衝液を洗浄する流れが続く、一度に1つのヌクレオチドを加えるプロセスの繰り返しによって、完全な配列が描写される。
そのため、単一のヌクレオチドの進行波(各波の後に、すべての非結合のヌクレオチドを除去する工程(「洗浄工程」)が続く(洗剤など))が好ましい。信号形式の各ISFETが照合され、最終的に、各ウェルにおける増幅された鋳型の配列が決定される。
次に、各ウェルからの結果が分析され得、重なる部分が、全ゲノムまで提供するように合わせられ得る。
DNA配列決定のためにイオン感応性装置を用いてpH変化を検出する方法が、当該技術分野で記載され、引用によって本明細書に組み込まれる(例えば、Patent Application Nos. US81 1459; US7686929; US7888015; EP2129792; WO06/005967; US2010/0255595;およびGB1 1 12140.7; Rothberg JM et. al., Nature 475:348−52 (2011 )を参照)。Rothbergによる別の刊行物は、US2010/137143である。我々の刊行物は、WO2008/07014およびWO2003/073088を含む。
様々な実施形態では、固体支持体上で固定化されたオリゴヌクレオチドの配列は、核酸鋳型の5’または3’に相補的な配列を有している。好ましくは、オリゴヌクレオチドは、クローン的な増幅に使用される第1または第2のプライマーのすべて又は一部分と同一の、好ましくは、第1および第2のプライマーの万能アダプター配列のいずれかと同一の配列を有する。好ましい実施形態では、オリゴヌクレオチドは、5’末端でビオチンに接合され、各ウェルは、万能アダプター配列を含むビオチン接合したオリゴヌクレオチドに結合された1つ以上のストレプトアビジンのビーズを含む。代替的に、万能アダプターのオリゴヌクレオチドは、ウェル内の表面に接合され得る。修飾された表面上へのオリゴヌクレオチドの他の共有結合が使用されてもよい(例えば、修飾されていないガラスSi02上のUV架橋)。
第1および第2のプライマーは、万能アダプターに相補的な配列を含むだけだが、対象の標的遺伝子に相補的な配列をさらに含んでもよい。
とりわけ、油(好ましくは鉱油)が、シーリングキャップとして本明細書に言及される除去可能なシールとして使用される場合の実施形態では、油は、有機溶媒と配列決定前の緩衝液の数回の交互の洗浄によって除去され得る。メタノール、イソプロパノール、エタノール、イソブタノールなどの、アルコールは、適切な有機溶媒である。好ましくは、イソブタノールが使用される。
1つの好ましい実施形態では、一本鎖核酸鋳型の単一のコピーは、最初に、オリゴヌクレオチドを含有しているビーズにハイブリダイズされ、その後、増幅試薬およびプライマーを用いてウェルへと導入される。好ましくは、初期の鋳型は、その後、ウェルにおいてクローン的に増幅される。最終結果は、ビーズ上で捕捉された相補鎖のクローン的に増幅された集団である。
参照ISFETが、装置内に提供され得る。この目的のために、対照ウェルが存在し得るか、そうでなければ空のウェルが存在し得る。空のウェルは、多くの理由で生じ得、それらは、意図的に空にされるか、または固定化を避けるように設計されるかのいずれかであり得る。さらに、平均で1ウェル当たり1つの鋳型のみが使用され、多数のウェルがチップ上に提供される場合、配列決定する(および随意に、配列決定前に増幅させる)ために固定化された鋳型を有さないウェルもあるべきである。
配列決定ポリメラーゼ、好ましくはBst、および核酸は、ウェルにおいてインキュベートされることが好ましい。
核酸鋳型は、好ましくは、サンプルを各ウェルへと流す又は配置することによって分布され得る。平均で1ウェル当たり単一の核酸鋳型のみが達成されることを確かなものとするために、サンプルは希釈され得る。UVは、センサーに近位でない、即ち、(ウェルを含む平らなチップの平面に沿って見たときに)ウェルの上部上で目に見える核酸鋳型を分解するために使用され得る。これは特に、ssDNAを提供するために変性させられるまで、ウェル内で(固定化のためのオリゴヌクレオチドによって)アニール化されないdsDNAを分解するのに有用である。したがって、このUVまたは同等物は、ウェルにないDNAまたはウェルにない任意のdsDNAを取り除く洗浄工程に対しての代替物として機能する。
増幅される鋳型は、最も好ましくはdsDNAである。配列決定の段階を配列決定するために、鋳型は、好ましくはssDNAの形態である。鎖分離、溶解及び/又は変性は、増幅または配列決定に適切なように、二本鎖DNAまたはRNAが提供される場合に考察される。
本明細書で言及されるオリゴヌクレオチドは、ウェル内の又はチップの表面上の固定化のためのオリゴヌクレオチドである。これは、プライマーまたはプローブ(その少なくとも1つは、増幅または配列決定の複合体が洗い流されるのを防ぐために、一端で固定化される必要がある)と区別するためのリンカーである。
シーリングキャップが存在しない場合(それが除去された場合も含む)、ウェルへの又はウェルからの液体の一定流量(constant flow)があるか又はあり得る。
ブリッジ増幅などの固相増幅は、固定化された鋳型が、クローン的に増幅された鋳型の固定化されたクラスターを形成するために隣接するプライマーを使用して、増幅されることを可能にするために、好ましい。ブリッジ増幅は、通常、ウェルにおいて(例えば、ウェルの壁または位置付けられるビーズの表面上で)固定化されたオリゴヌクレオチドの少なくとも2つの集団を含む。例えば、第1および第2のオリゴヌクレオチドは、それぞれ、鋳型の5’および3’にハイブリダイズするように設計され得る。ハイブリダイズされる場合、その方法は、平均で1つの鋳型を各ウェルへと導入する工程を含み、ここで、例えば、鋳型の5’は、第1オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされ、鋳型の3’は、第2オリゴヌクレオチドにハイブリダイズして、架橋を形成する。ヌクレオチドおよびポリメラーゼの存在下では、核酸の拡張は、第2オリゴヌクレオチドの3’末端から進行する。変性、ハイブリダイゼーションおよび拡張の繰り返しは、増幅された鋳型のクラスター化につながる。
しかしながら、一般に、すべてのクローン的に増幅された鋳型が固定化されるため、シーリングキャップ(除去可能なシール)は固相増幅に必要とされず、ウェル上に試薬の一定流量がもたらされる。
核酸鋳型の増幅および配列決定の反応は、好ましくは同じウェルにおいて実行される。
好ましい実施形態では、半導体チップおよびマイクロ流体構造は使い捨てである。使い捨ての感知装置を有している利点は、使用間の相互汚染のあらゆる可能性を取り除くことによる、配列決定の最大限の精度にある。さらなる利点は、ウェルにおける表面上で固定化されたオリゴヌクレオチドを一時的に不明瞭にするか又は隔離するための手段を提供する能力にあり、これは、感知装置が使い捨てでなければ不可能であろう。ウェルにおける表面上で固定化されたオリゴヌクレオチドを一時的に不明瞭にするためのこのような手段は、以下のさらに詳細に記載されるが、ウェルの表面上にワックス層を含んでもよい。
感知装置の使用の実施形態
効果的な配列決定のために、各ウェルにおける配列決定の反応物が、核酸鋳型の1つの種のみを含むことが望ましい。増幅された鋳型(アンプリコン)が配列決定に使用されると、各々のクローン的な増幅反応が、単一の核酸鋳型で開始されることが望ましい。
限定された希釈法
この特定の実施形態では、感知装置の各ウェルは、複数の万能プライマーによって修飾され、提供される鋳型の数は制限される。即ち、万能プライマーは、ウェル壁の表面に、及び/又はウェルに含まれるビーズの表面に固定化された。鋳型は、以前に記載されたように、増幅および配列決定のために調製され、これには、万能アダプターを鋳型に末端結紮する(end ligating)工程を含む。
サンプルがウェルへ流されるときに、核酸鋳型は、万能アダプターと万能プライマーとの間のハイブリダイゼーションによってウェルに結合する。
ウェルの結果として生じる集団は、以下の3つのカテゴリーに分類され得る:核酸鋳型を含有していないウェル;1つの核酸鋳型を含有しているウェル;および、2つ以上の核酸鋳型を含有しているウェル。これらのカテゴリーの分布は、ポアソン分布によってモデル化され得る。ウェルの異なるカテゴリーの予期される分布は、ウェルの数に対する鋳型の数の比率に依存する。ウェルよりも多くの鋳型がある場合、分布は、2つ以上の核酸鋳型を有するウェルの方に偏るようにされる。鋳型よりも多くのウェルがある場合、分布は、鋳型を含有していないウェルの方に偏るようにされる。
ポアソン分布モデルに基づいて、ウェルに提供される鋳型の数(鋳型のコピー数)とウェルの数との間の最適比が、1:1であると計算された。この最適比では、単一の鋳型のみを有するウェルの数は、ウェルの総数の37%を含む。この比率は、2:5と2:1の間であり得、そのため、単一のコピーを有するウェルのパーセントは、まだ約25%である。比率は、濃縮または希釈する(concentrating up or diluting down)ことにより、サンプルにおける鋳型の数を調整することによって調整され得る。
比率の変化が、分布の偏りの変化に直接比例しないことに留意されたい。そのため、分布における小さな変化する偏りを確かめるために、比率の有意な変化が必要である。最終的に、最適な分布の偏りを得るために、サンプルにおいて鋳型のコピー数の概算を確認することだけが必要である。
与えられたサンプルにおいて、鋳型のコピー数は、予期される範囲内にあるだろう。この範囲は、自然なサンプルの変動性(natural sample variability)として知られている。鋳型のコピー数が許容変動に当てはまらないと考えられる場合、鋳型のコピー数を確認する、または「管理する(control)」ための方法がある。1つのこのような方法は、増幅および配列決定の前に、追加の増幅工程を実行することであり、ここで、試薬(例えばプライマー)の濃度は制限因子である。それ故、この追加の増幅工程後、核酸鋳型のコピー数は、制限試薬の濃度に基づいた所定量に設定され得る。
鋳型のコピー数を管理するための別の方法は、例えば、ビーズ上の、既知数の捕捉部位をサンプルに加え、続いて余分な核酸鋳型を洗い流すことである。ビーズに結合された鋳型は、その後、所定量を得るために溶液中に放出され得る。
一旦核酸鋳型がウェル内にハイブリダイズされると、あらゆるハイブリダイズされていない鋳型が、洗浄工程によって除去される。その後、ウェルには増幅反応混合物が充填される。PCRまたは他の増幅技術に必要とされる試薬は、当該技術分野に周知であり、以前に言及された。一旦反応混合物がウェルにあると、ウェルは、除去可能なシールによって密封される。その後、増幅反応が密封されたウェルで生じ、シールは、ウェル間の鋳型のあらゆる相互汚染を防ぐ。増幅中に、増幅された鋳型は、固定化された万能プライマーにハイブリダイズし、それ故、ウェルに固着される。一旦増幅反応が終了すると、シールは除去され、ウェルは、あらゆる非結合の鋳型を除去するために洗浄される。配列決定の反応のためのすべての鋳型が一本鎖であることを確かなものとするために、鋳型は、随意に、変性工程を受け得る。変性工程が適用される場合、変性工程に関係するあらゆる試薬を除去するために、追加の洗浄工程も必要とされる。
増幅された鋳型が配列決定のために準備されると、DNAポリメラーゼは、細胞へと流され、鋳型に結合することが可能となる。その後、個々のヌクレオチドが、ウェル上に繰り返し流され、そのラウンド間で洗浄工程を受ける。ISFETは、ウェルへと流されるヌクレオチドの各ラウンドとともにpHの変化があるか、初期の鎖へのヌクレオチドの挿入を信号で送るpHの変化があるかどうかを検出する。その後、各ウェルから得られた鋳型の配列は、サンプルにおいて元の核酸鋳型の配列を生成するために集められる。
配列決定の結果を、鋳型のないウェルまたは2つ以上の鋳型を有するウェルと区別することは可能であり、それ故、実時間データの処理または後処理のいずれかの間に、これらを必要に応じて捨てることができる。結合された鋳型のないウェルは、鋳型を増幅させず、したがって、増幅された鋳型はないだろう。そのため、これらのウェルから配列決定の結果は得られないだろう。2つ以上の鋳型のあるウェルは、増幅工程後に、増幅された鋳型の2つ以上の種のコピーを有するだろう。そのため、配列決定中に、これらのウェルは、予期されるよりも多くのヌクレオチドのラウンドのための挿入反応物の指標(indication)を提供するだろう。その上、これらのウェルでは、各々の挿入反応粒のpHの変化は、増幅された鋳型の1つの種を有するウェルと比較して弱くなる。
単一の捕捉部位
別の実施形態では、特有の鋳型の分布は、ウェルにおいて捕捉部位(即ち、固定化されたオリゴヌクレオチド)の数を管理することによって改善され得る。この場合、鋳型は、ウェル/結合部位の数を超えて好適に提供される。捕捉部位の数を1ウェル当たり1つに制限することによって、あらゆるウェルが、その中に結合された単一の鋳型のみを有することを確かなものとすることが可能である。捕捉部位は、固定化されたオリゴヌクレオチド、好ましくは、万能プライマーである。
一実施形態では、各ウェルにおいて、単一の固定化されたオリゴヌクレオチドを含有している単一のビーズがある。これは、ウェルと比較して十分に大きい捕捉ビーズを使用することによって達成され得、その結果、各ウェルは、単一の捕捉ビーズのみを保持することができる。
代替的に、ウェルの表面は、単一のビーズのみを保持するように配され得る。例えば、ビーズ材料に特有の錯化剤を有する表面上の領域のサイズは、単一の捕捉ビーズのみを収容し得る。ビーズは、アリザリンを含み得、ウェル表面上の領域は、アルミニウムであり得、これは、アルミニウムを沈着させる又はウェル表面をアルミニウム層まで下げてエッチングすることによって形成される。第2の例として、電極(好ましくは参照電極)は、(逆に荷電され得る)ビーズ引きつけるために荷電され得、電極の面積は、単一の捕捉ビーズを収容するだけに十分な面積である。
ウェルに、ウェルの表面上で既に固定化されたオリゴヌクレオチド(好ましくは、万能プライマー)が提供された場合、オリゴヌクレオチドは、サンプルにおける鋳型から隔離される必要があり、その結果、それらは、鋳型がウェル上に流されるときに、ハイブリダイゼーションには利用不可能である。代わりに、ウェルにおいて利用可能な捕捉部位のみがビーズ上の捕捉部位となる。オリゴヌクレオチドは、ウェルの内部表面を、ワックスなどの、容易に除去され得る物質でコーティングすることによって隔離され得る。
一般に、ワックスは、不活性化されたタンパク質と交換されてもよい。
好ましい実施形態では、感知装置のウェルに、ウェルの内部表面上のワックスのコーティングまたは層が供給され得る。ワックスは、パラフィンでもよい。その後、単一のビーズは、当該技術分野に周知の及び前に記載された方法によって各ウェルに加えられる。オリゴヌクレオチドまたは捕捉部位は、増幅中に生成された増幅した鋳型とのハイブリダイゼーションに利用可能となる必要があるために、一時的に隔離されるだけである。(層とも呼ばれ得る)ワックスコーティングは、オリゴヌクレオチドを不明瞭にするのに十分な深さになるだろう。同時に、ウェルは、ワックスのコーティングまたは層がウェルを必要としないため、ワックスのコーティングまたは層で充填されるべきではない。ワックスのコーティングまたは層に適切な厚さは、10nmから100nmの範囲であり得る。ワックスコーティングは、蒸発、またはインクジェットディスペンサーによって、あるいはワックス溶液をマイクロ流体構造上に流すことによって適用され得る。
代替的に、複数の捕捉部位は、最初は、ハイブリダイゼーションまたは増幅を遮断するための可逆化ターミネーター(reversible terminator)または他の既知の技術によって利用不可能にされ得、その後、非結合の鋳型が除去されたときに除去される。あるいは、単一の結合部位は、(既知の)追加の結合部位とは異なる結合の化学的性質(binding chemistry)を有し得、これは、単一の部位のみが初期のコピーを捕捉するのに適しており、一方で他の部位が、アンプリコンを捕捉するのに適していることを意味している。
感知装置のウェルが、ウェル壁の表面上で固定化されたオリゴヌクレオチドなしで提供される場合、内側のウェル壁はワックスでコーティングされる必要はない。代わりに、増幅された鋳型のための追加の部位が、増幅ビーズ上に供給され得、これは、ウェルにおいて捕捉ビーズのまわりに適合するのに、および体積比率に対する高表面積を提供するのに十分小さいことが好ましい。捕捉ビーズは、1つのウェル当たり1つに制限されている、単一の鋳型が結合したビーズを指す。「増幅」ビーズは、鋳型の捕捉ビーズへのハイブリダイゼーション後および洗浄工程を介するあらゆる非結合の鋳型の除去後に、各ウェルに供給され得る。「増幅」ビーズは、10nm乃至100nmであり得る。
サンプルにおける核酸鋳型は、前に記載されるように、増幅および配列決定のために調製され、これには、好ましくは、鋳型を万能アダプターによって末端結紮する工程が含まれる。
単一の鋳型が各ウェルにおいて単一のビーズに結合されるように、鋳型はウェル上に流される。あらゆる非結合の過剰な鋳型は、洗浄工程を介して除去される。好ましい実施形態では、その後、ワックスコーティングは、好ましくは、感知装置の加熱手段によってもたらされた、熱の適用によって溶解され、随意に、ワックスは、洗浄工程を介してウェルから除去される。ワックスコーティングは、増幅プロセスの間に、ウェルの加熱の結果として溶解するために残され得る。
ウェルには、増幅反応に必要な試薬を含有している増幅反応混合物が充填される。一旦反応混合物がウェルにあると、ウェルは、除去可能なシールによって密封される。
その後、増幅反応が密封されたウェルで生じると、除去可能なシールは、ウェル間の鋳型のあらゆる相互汚染を防ぐ。増幅中に、増幅された鋳型は、固定化されたオリゴヌクレオチド(好ましくは、万能プライマー)にハイブリダイズし、それ故、ウェルに固着される。一旦増幅反応が終了すると、シールは除去され、ウェルは、試薬およびあらゆる非結合の鋳型を除去するために洗浄される。鋳型は、随意に、配列決定の反応のためのすべての鋳型が一本鎖であることを確かなものとするために、変性工程を受け得る。変性工程が適用される場合、変性工程に関係するあらゆる試薬を除去するために、追加の洗浄工程も必要とされる。
増幅された鋳型が配列決定のために準備されると、DNAポリメラーゼは、ウェルへと流され、鋳型に結合することが可能となる。その後、個々のヌクレオチドが、ウェル上に繰り返し流され、そのラウンド間で洗浄工程を受ける。ISFETは、ウェルへと流されるヌクレオチドの各ラウンドとともにpHの変化を検出し、初期の鎖へのヌクレオチドの挿入を信号で送るpHの変化を検出する。その後、各ウェルから得られた鋳型の配列は、サンプルにおいて元の核酸鋳型の配列を生成するために集められる。
別の実施形態では、チップに、各ウェルにおける単一の捕捉ビーズが提供される。「増幅」ビーズは、キットの一部として、チップに別々に提供され得る。
またさらなる実施形態では、ISFETに加えて、各ウェルにおいてFETを加えることによって、単一の鋳型のみがウェルにおいて結合されることを確かめることも可能である。FETは、結合電荷(binding charge)を測定するように機能する。各ウェルにおいて参照電極を使用して、正電荷がウェルに局所的に適用される。電極は、個々に制御され得る。正電荷は、ウェルの上の溶液からの負に電荷された鋳型を、ウェルへと引きつける。固定化されたオリゴヌクレオチド(万能プライマー)への第1鋳型の結合で、結合電荷がFETによって検出される。FET出力信号をモニタリングするコントローラーは、さらなる鋳型がウェルの方へ引きつけられることを防ぐために、参照電極からの電極電位を切り替え得る。FETは、ISFETであり得るか、またはFET表面に結合するDNAの電荷を好ましくは測定する、ウェルにおける別のトランジスターがあり得る。FET表面は、限定された数ではあるが、固定化された万能プライマーを含んでもよく、鋳型がこれらのプライマーにハイブリダイズするときに、FETは、単一の分子の電荷を検出し、その特定のウェルにおけるISFET参照電圧の切り替えを引き起こすことができる。したがって、鋳型の単一のコピーは、クローン的な増幅工程の準備のために作り出され得る。
一旦個々のウェルのすべてが、それに結合される単一の鋳型を有すると、あらゆる非結合の、過剰な鋳型は、洗浄工程によって除去される。その後、ウェルには、必要な試薬を含有している増幅反応混合物が充填される。その後、ウェルは除去可能なシールによって密封される。
その後、増幅反応が密封されたウェルで生じると、除去可能なシールは、ウェル間の鋳型のあらゆる相互汚染を防ぐ。増幅中に、増幅された鋳型は、固定化されたオリゴヌクレオチド(好ましくは、万能プライマー)にハイブリダイズし、それ故、ウェルに固着される。一旦増幅反応が終了すると、シールは除去され、ウェルは、あらゆる非結合の鋳型および増幅に使用される試薬を除去するために洗浄される。鋳型は、随意に、配列決定の反応のためのすべての鋳型が一本鎖であることを確かなものとするために、変性工程を受け得る。変性工程が適用される場合、変性工程に関係するあらゆる試薬を除去するために、追加の洗浄工程も必要とされる。
増幅された鋳型が配列決定のために準備されると、配列決定プライマーは、鋳型上のDNAポリメラーゼの結合とともにハイブリダイズされる。その後、個々のヌクレオチドが、ウェル上に繰り返し流され、そのラウンド間で洗浄工程を受ける。ISFETは、ウェルへと流されるヌクレオチドの各ラウンドとともにpHの変化を検出し、初期の鎖へのヌクレオチドの挿入を信号で送るpHの変化を検出する。その後、各ウェルから得られた鋳型の配列は、サンプルにおいて元の核酸鋳型の配列を生成するために集められる。
配列特異的な捕捉
さらに別の実施形態では、鋳型の分布は、鋳型のサブグループ(即ち、一定の比率)にのみ存在するように予想されるが、そうではないかもしれない、定義された配列に特異的な捕捉部位(即ち、固定化されたオリゴヌクレオチド)を使用することによって改善され得る。そのような特異的な捕捉部位は、(万能プライマーと万能アダプターとの間のハイブリダイゼーションを介して)与えられたサンプルおいて鋳型のすべての種に無差別に結合する、上に記載された前の実施形態で使用されたような、万能プライマーとは対照的である。例は、細菌の16SrRNAまたは23SrRNAの指紋領域に特異的なプライマーを含む。これらの指紋領域内で保護された領域に相補的なウェルにおけるプライマーは、細菌から鋳型を選択的に結合するが、すべての結合された鋳型が、必ずしも同一またはコピーである必要はない。
代替的に、プライマーは、個々の出発鋳型(starting template)に加えられた標識に特異的であり得、その場合、その単一の出発断片(starting fragment)から生じたアンプリコンのみを捕捉することによって、モノクローナル集団(monoclonal population)がウェル内に作り出される。本実施形態で使用するためのサンプルの調製には、鋳型が万能プライマーによって末端結紮されることを必要としないかもしれない。鋳型は、「バーコード(barcode)」と呼ばれる、特異的なアダプターによって結紮され得る。バーコードは、結紮を含む様々な既知の手段によって、または単に増幅プライマーにバーコード配列を含むことによって、サンプル調製に含まれ得る。バーコードは、アンプリコンの初期の出発種(starting species)に標識化することによって、アンプリコンがISFET上のモノクローナルのクラスターへと自己分類する(self−sort)ことを確かなものとする。
特異的配列のためのオリゴヌクレオチドを含有するように各ウェルを制限することによって、定義された配列を含む鋳型のみが、各ウェルに結合し、それによって、ウェル間の鋳型の相互汚染のリスクを取り除くことを確かなものとすることが可能である。それ故、除去可能なシールは、増幅中に必要とされないかもしれない。
各ウェルは特異的なプライマーを有するが、複数のウェルが領域へとグループ化され得、ウェルの各領域は特定のタイプのプライマー(細菌プライマーまたはウイルスプライマーなど)を有し、その結果、単一のチップは、多くの異なる配列特異的なプライマーを含有し得る。それ故、与えられた領域におけるプライマーはすべて、バーコードまたは保護された領域に相補的であり得、その領域における各ウェルはさらに、変異体を検出するための異なる標的塩基または標的配列にも相補的になる。したがって、チップの与えられた領域における反応活性は、細菌属の一般的な存在を示し得、続く配列決定は、細菌の種または種の対立遺伝子変異体を決定し得る。
上述の実施形態のいずれにおいても、鋳型は、増幅された鋳型の幾つかの混合集団を作り出すために、ウェルの外側で増幅され得る。
増幅された鋳型は、ウェルへと流され、ウェル内の鋳型のハイブリダイゼーションを可能にする。配列特異的なプライマーに相補的な定義された配列を含む鋳型のみが、ウェルに結合する。ウェル内での鋳型のハイブリダイゼーション後、あらゆるハイブリダイズされていない鋳型は、洗浄工程によって除去される。その後、ウェルには、随意に、信号強度を高めるために必要な試薬を含有している増幅反応混合物が充填される。
増幅に必要とされる試薬は、当該技術分野に周知であり、前に言及された。
随意の増幅工程の間、増幅された鋳型は、固定化されたオリゴヌクレオチド(プライマー)にハイブリダイズし、ウェルに固着される。ウェルは、増幅反応の試薬およびあらゆる非結合の鋳型を除去するために洗浄される。鋳型は、随意に、配列決定の反応のためのすべての鋳型が一本鎖であることを確かなものとするために、変性工程を受け得る。変性工程が適用される場合、変性工程に関係するあらゆる試薬を除去するために、追加の洗浄工程も必要とされる。
鋳型が配列決定のために準備されると、DNAポリメラーゼは、ウェルへと流され、鋳型に結合することが可能となる。その後、個々のヌクレオチドが、ウェル上に繰り返し流され、そのラウンド間で洗浄工程を受ける。ISFETは、ウェルへと流されるヌクレオチドの各ラウンドとともにpHの変化を検出し、初期の鎖へのヌクレオチドの挿入を信号で送るpHの変化を検出する。その後、各ウェルから得られた鋳型の配列は、サンプルにおいて元の核酸鋳型の配列を生成するために集められる。
以下は、本発明の非常に特定の実施形態を表わすが、これは、好ましくは、主として例示目的で提供される。これは、増幅が、ウェルに生じる実施形態に関連するが、増幅が他のどこかに生じる場合にも同等に適用され得る:
1)対象(鋳型)の核酸を含むサンプルが得られ、サンプルは、調製され、好ましくは断片化される;
2)調製されたサンプルは、複数(少なくとも2つだが、何千または何百万の可能性もある)のウェルに加えられ、ウェルは、鋳型の増幅に適したプライマーを含む;
3)ウェルはまた、ポリメラーゼおよびヌクレオチド源(例えばdNTP)を含み、これらは、鋳型を用いて加えられ得るか、または既に存在し得る;
4)ウェルは、随意に、1つ以上のビーズを含み得るが、プライマーの少なくとも1つは、ウェル内の表面上(ウェルまたはチャンバーの内部表面、または存在するならばビーズ上のいずれか)のオリゴヌクレオチドを介して(直接的または間接的に)固定化されなければならない;
5)鋳型の増幅は、等温増幅に対して、摂氏60−65度で、またはPCRに対して適温で生じる;
6)一旦十分なレベルの増幅が達成されると(これは、好ましくは、単一のサイクル数または時間を含む、多くの手段によって、好ましくは、我々の初期のqPCRの刊行物でのようにISFETによって決定され得る)、必要とされる信号強度に依存して、増幅試薬およびあらゆる非結合(即ち、固定化されなかった)の鋳型は、固定化された鋳型を残して、洗浄によって取り除かれる;
7)個々のdNTPの波は、ウェル上に又はウェルへと通され、各ISFETは、各波に対応するそのウェルでプロトン放出があるかどうかを検出し、その結果、プロトン放出(したががって、ヌクレオチド挿入)は、固定化された鎖に基づいた成長する(growing)(新生)鎖の配列に相互に関連し、したがって、(dNTPがポリメラーゼによって加えられている新生鎖である、その相補体(compliment)を介して)固定化された鎖の配列が提供される;
8)ISFETデータの照合が始まり、配列が決定される。
また、核酸鋳型を増幅し、その後、増幅された鋳型を配列決定する方法も提供され、該方法は、以下の工程を含む:
A)核酸増幅のために、核酸鋳型を、ポリメラーゼ、dNTPおよびプライマーを含む増幅試薬と組み合わせる工程であって、それによって混合物を形成する、工程;
B)イオン感知性装置中の複数のウェルに工程A)における混合物を提供する工程であって、ここでイオン感知性装置が、ISFETセンサー、ヒーターおよび温度制御を含み、ウェルの各々が、少なくとも1つのISFETセンサーに接している、工程;
C)ウェルにおいて核酸増幅を行う工程;
D)ウェルにおいて増幅された鋳型の配列を同定する工程。
本発明はまた、核酸鋳型を増幅し、その後、増幅された鋳型を配列決定する方法を提供し、ここで、両方の増幅および配列決定の両方は、チップ上の同じウェルにおいて行われ、該方法は、以下の工程を含む:
A)核酸鋳型を、ポリメラーゼ、dNTP、および第1および第2のプライマーを含む増幅試薬と混合する工程であって、ここで、第1プライマーが、第1一本鎖の核酸鋳型の種に結合することができ、第2プライマーが、第2一本鎖の核酸鋳型に結合することができ、第2一本鎖の核酸鋳型の種が、第1一本鎖の核酸鋳型の種に相補的である、工程;
B)各ウェルが平均で核酸鋳型の1つの単一のコピーを含むように、イオン感知性装置上で、工程A)における混合物を複数のウェルと接触させる工程であって、ここで、各ウェルが、固体支持体の表面上で固定化されたオリゴヌクレオチドを含み、オリゴヌクレオチドの配列が、第1プライマーの少なくとも一部分と同一であり、オリゴヌクレオチドが、第1一本鎖の核酸鋳型の種に結合することができる、工程;
C)ウェルをシーリングキャップで覆う工程;
D)核酸増幅反応を行う工程であって、それにより、核酸鋳型が、第1および第2のプライマーによって増幅され、ここで、第1一本鎖の核酸鋳型の種が、優先的に生成され、第1プライマーおよび固体支持体上で固定化されたオリゴヌクレオチドに結合することができる、工程;
E)第2一本鎖の核酸鋳型の種を形成するために、オリゴヌクレオチドを拡張する工程であって、ここで、第2一本鎖の核酸鋳型の種の配列が、オリゴヌクレオチドにハイブリダイズされた第1一本鎖の核酸鋳型の種に相補的である、工程;
F)工程C)からシーリングキャップを除去する工程;
G)固定化された核酸鋳型を変性させる工程であって、ここで、第2一本鎖の核酸鋳型の種のみが固体支持体に結合される、工程;
H)配列決定プライマーおよびポリメラーゼをウェルに加える工程であって、ここで、列決定プライマーが、第2一本鎖の核酸鋳型の種の3’領域にハイブリダイズする、工程;
I)1つのヌクレオチドをウェルに加える工程;
J)もしヌクレオチドが加水分解される且つ組み込まれる場合に、プロトン放出から結果として生じるpHの変化を検出する工程;
K)組み込まれていないヌクレオチドを除去するためにウェルを洗浄する工程;
L)核酸鋳型の配列を描写するために、工程I)−K)を繰り返す工程。
好ましくは、装置は、ISFETセンサー、ヒーターおよび温度制御を含み、ここで、各ウェルは、少なくとも1つのISFETセンサーに接している。
上述の議論において、幾つかの工程が開示されていることが認識されるべきであり、当業者は、ウェル内で固定化される(対象の領域上で少なくとも同一である)鋳型の集団を作り出すか又は組み立てる方法または装置を提供するために、これらの工程が組み合わされ得る、および幾つかの工程が必要に応じて省略され得ることを認識するだろう。これらの工程の順序は変更されてもよく、各工程の程度は、与えられた時間およびコストおよび信用内で所望の配列結果を得るための理由内で様々であり得る。装置および方法は、相当数のウェルにおいて意図された結果を達成するために必要な構造および条件に関連して記載されているが、当業者は、この結果が、誤差、構成要素における質の変動および統計的な変動が原因で、すべてのウェルにおいて達成されないことを認識するだろう。

Claims (21)

  1. 複数の鋳型ポリヌクレオチドの配列を決定する方法であって、該方法は、
    複数のウェルに鋳型を提供する工程であって、各ウェルがISFETにさらされる、工程;
    鋳型を増幅させる工程;
    少なくとも1つの鋳型を各ウェル内に固定化する工程;
    各ウェル内でクローン集団を作り出す工程;およびその後
    ウェルにおいて鋳型コロニーを配列決定する工程、を含むことを特徴とする、方法。
  2. 複数の鋳型ポリヌクレオチドの配列を決定する方法であって、該方法は、
    複数のウェルに複数の鋳型を提供する工程であって、各ウェルがISFETにさらされる、工程;
    各ウェルにおいて固体基板上の鋳型をクローン的に増幅させる工程;および
    ウェルにおいて増幅された鋳型を配列決定する工程、を含むことを特徴とする、方法。
  3. 前記ウェルにおける前記鋳型を含む加水分解反応物の副産物を検出するために、ISFETからの出力信号をモニタリングする工程をさらに含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. サンプルにおける核酸が、複数の鋳型ポリヌクレオチドを作り出すために、増幅前に断片化されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  5. 0.4〜2の間のウェルに対して1つの鋳型の比率で、好ましくは、約1つのウェルに対して1つの鋳型の比率で、ウェルに鋳型を提供する工程、
    鋳型の増幅中に隣接するウェルを単離するためにウェルにシールを提供する工程;および
    増幅された鋳型の配列決定前にシールを除去する工程、を含むことを特徴とする、請求項1乃至4に記載の方法。
  6. 単一を固定化するために単一の鋳型結合部位を各ウェルに提供する工程;
    鋳型の増幅中に隣接するウェルを単離するためにウェルにシールを提供する工程;および
    増幅された鋳型の配列決定前にシールを除去する工程、を含むことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
  7. 単一の鋳型結合部位が、ビーズ上にあり、好ましくはここで(a)ビーズが、1つのビーズを結合するのに十分大きな結合部位のみによって各ウェルの表面に結合されるか、または(b)ビーズが、そのような1つのビーズだけが各ウェルに適合できるようなサイズであるかのいずれかであることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. 鋳型を各ウェルに引きつけるために各ウェルにさらされた電極上の電荷を制御する工程をさらに含み、好ましくはここで、各ウェルにおける個々の電極上の電荷が、そのウェルの表面に対する鋳型結合の検出後に取り除かれるか又は逆にされることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
  9. ウェル内に固定化された配列特異的なオリゴヌクレオチドが、標的鋳型のタイプの1つ以上の鎖を単一の固体基板に結合することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
  10. ウェル内に固定化されたオリゴヌクレオチドが、好ましくは、オリゴヌクレオチドをワックスでコーティングすることによって隔離され、好ましくはここで、固定化されたオリゴヌクレオチドの隔離は、好ましくはウェルから非結合の鋳型を洗浄した後に、ワックスを加熱することによって除去されることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれかに記載の方法。
  11. 各ウェルにおいて結合された鋳型のクローン的な増幅のための更なる結合部位を有する複数のビーズを、各ウェルに提供する工程をさらに含み、該工程が、好ましくは、ウェルから非結合の鋳型を洗浄した後に行われることを特徴とする、請求項1乃至10のいずれかに記載の方法。
  12. 複数の鋳型ポリヌクレオチドの増幅および配列決定のための感知装置であって、該感知装置は、
    複数のISFETを有する半導体チップ;
    複数のウェルを定義するマイクロ流体構造であって、各ウェルがISFETの少なくとも1つにさらされる、マイクロ流体構造;
    鋳型ポリヌクレオチドを増幅させるための、および室温に対して高い温度で鋳型ポリヌクレオチドの増幅を行うのに適切な少なくとも1つの加熱手段を含む、増幅手段であって、各ウェル内でクローン集団を作り出すようにウェルが配される、増幅手段;および
    各ウェルにおいて鋳型コロニーを配列決定するための配列決定手段、を含むことを特徴とする、感知装置。
  13. 複数の鋳型ポリヌクレオチドの増幅および配列決定のための感知装置であって、該感知装置は、
    複数のISFETを有する半導体チップ;
    複数のウェルを定義するマイクロ流体構造であって、各ウェルがISFETの少なくとも1つにさらされる、マイクロ流体構造;
    鋳型ポリヌクレオチドをウェル内に固定化する及び増幅させるための、および室温に対して高い温度で鋳型ポリヌクレオチドの増幅を行うのに適切な少なくとも1つの加熱手段を含む、増幅手段;および
    各ウェルにおいて増幅された鋳型ポリヌクレオチドを配列決定するための配列決定手段、を含むことを特徴とする、感知装置。
  14. 各ウェル内に固定化された少なくとも1つのオリゴヌクレオチドがあり、このオリゴヌクレオチドが、ポリヌクレオチドに結合されないが、鋳型ポリヌクレオチドに結合するように適していることを特徴とする、請求項12に記載の感知装置。
  15. マイクロ流体構造の表面を覆うように配された除去可能なシールをさらに含み、それ故、各ウェルを隣接するウェルから実質的に単離することを特徴とする、請求項12または13に記載の感知装置。
  16. 除去可能なシールが、鉱油などの液体であることを特徴とする、請求項15に記載の感知装置。
  17. 除去可能なシールが、可撓性膜などの固体であり、好ましくは、感圧接着剤などの接着剤を含むことを特徴とする、請求項15に記載の感知装置。
  18. 各ウェル内の表面が、オリゴヌクレオチドを固定化する手段によって修飾されることを特徴とする、請求項12乃至17のいずれかに記載の感知装置。
  19. 単一のオリゴヌクレオチドのみが、サンプルにおいて鋳型ポリヌクレオチドとハイブリダイズするために前記ウェルの各々で利用可能であることを特徴とする、請求項12または13に記載の感知装置。
  20. ビーズが、オリゴヌクレオチドの固定化のための表面を提供し、好ましくはここで、ビーズは、ストレプトアビジンコーティングされたポリスチレンビーズであることを特徴とする、請求項18または19に記載の感知装置。
  21. 加熱手段が、オンチップの加熱要素、および随意に、オンチップの温度センサー及び/又はオンチップの温度制御回路も含み、好ましくはここで、オンチップのヒーターが、チップへと統合された抵抗加熱要素であり、好ましくは、抵抗加熱要素が、チップにおける1つ以上の金属層からの経路として形成されることを特徴とする、請求項12乃至20のいずれかに記載の感知装置。
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