JP2015522591A - 重水素化ω―ジメチル尿素又はその塩の多形物 - Google Patents

重水素化ω―ジメチル尿素又はその塩の多形物 Download PDF

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Abstract

【解決手段】本発明は、重水素化ω-ジメチル尿素またはその塩の多形物に関し、より具体的に、4-(4-{3-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド]フェノキシ}-2-(N-1',1',1'-トリデューテロメチル)ピコリンアミドまたはその塩の多形物、即ち、式Iで表される化合物またはその塩の多形物に関する。前記多形物は、リン酸キナーゼ(例えばrafキナーゼ)を抑制する薬物組成物の製造に好適である。
【化1】
Figure 2015522591

【選択図】なし

Description

本発明は、医薬の分野に属し、具体的に、重水素化ω-ジメチル尿素またはその塩の多形物に関し、より具体的に、4-(4-{3-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド]フェノキシ}-2-(N-1',1',1'-トリデューテロメチル)ピコリンアミドまたはその塩の多形物に関する。
4-(4-{3-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド]フェノキシ}-2-(N-1',1',1'-トリデューテロメチル)ピコリンアミドは、式Iで表されるような構造を有する。
Figure 2015522591
式I化合物の分子式は、C21H13D3 ClF3 N4 O3 で、分子量は467.84で、白色から類白色の結晶性粉末で、無臭無味である。ジメチルスルホキシド又はジメチルホルムアミドに非常に溶解しやすく、メタノールにやや溶解し、アセトン、無水エタノール又は氷酢酸に僅かに溶解し、水にはほとんど溶解しない。
式I化合物は、rafキナーゼを抑制する化合物で、癌および関連疾患を治療する薬物の製造に好適である。薬物は、結晶形によって、体内での溶出、吸収に影響し、そしてある程度で薬物の臨床治療効果や安全性に影響し、特に一部の難溶性経口投与固体または半固体製剤は、結晶形の影響がより大きい。現在、式I化合物の結晶多形に対する研究はまだなく、式I化合物の多形物もまだ開発されていない。
そのため、式I化合物の多形物の研究・開発はとても必要である。
本発明の一つの目的は、式I化合物またはその薬学的に許容される塩、或いはその溶媒和物の多形物を提供することである。
本発明の第一は、式I化合物またはその薬学的に許容される塩、或いはその溶媒和物の多形物を提供する。
Figure 2015522591
もう一つの好適な例において、前記薬学的に許容される塩は、p-トルエンスルホン酸塩である。
もう一つの好適な例において、前記式Iで表される化合物のp-トルエンスルホン酸塩では、式Iで表される化合物とp-トルエンスルホン酸のモル比は、1:1又は2:1である。
もう一つの好適な例において、前記溶媒和物は、式Iで表される化合物のp-トルエンスルホン酸塩のメタノール和物またはエタノール和物である。
もう一つの好適な例において、前記多形物は、式Iで表される化合物の1/1のp-トルエンスルホン酸塩(1:1)の多形物Iで、ここで、前記多形物Iは、13.182±0.2o、21.472±0.2o及び22.833±0.2oから選ばれる1〜3個の粉末X線回折の特徴ピークを有する。
もう一つの好適な例において、前記多形物Iは、さらに、4.397±0.2o、16.636±0.2o、17.821±0.2o,20.407±0.2o及び20.782±0.2oから選ばれる1個または複数個の粉末X線回折の特徴ピークを有する。
もう一つの好適な例において、前記多形物Iは、基本的に図1aで示されるような粉末X線回折の特徴ピークを有する。
もう一つの好適な例において、前記多形物Iの示差走査熱量測定グラフは、231.5〜237.7℃で最大ピーク値を有する。
もう一つの好適な例において、前記多形物Iは、基本的に図1bで示されるような示差走査熱量測定グラフを有する。
もう一つの好適な例において、前記多形物Iでは、式Iで表される化合物とp-トルエンスルホン酸のモル比は、1:1である。
もう一つの好適な例において、前記多形物は、式Iで表される化合物の1/1のp-トルエンスルホン酸塩のメタノール和物(1:1:1)の多形物IIで、ここで、前記多形物IIは、21.014±0.2o、18.333±0.2o及び25.301±0.2oから選ばれる1〜3個の粉末X線回折の特徴ピークを有する。
もう一つの好適な例において、前記多形物IIは、さらに、8.405±0.2o、15.906±0.2o、19.477±0.2o及び24.744±0.2oから選ばれる1個または複数個の粉末X線回折の特徴ピークを有する。
もう一つの好適な例において、前記多形物IIは、基本的に図2aで示されるような粉末X線回折の特徴ピークを有する。
もう一つの好適な例において、前記多形物Iの示差走査熱量測定グラフは、193.5〜197.0℃及び228.6〜236.4℃で最大ピーク値を有する。
もう一つの好適な例において、前記メタノール和物の多形物IIは、基本的に図2bで示されるような示差走査熱量測定グラフを有する。
もう一つの好適な例において、前記多形物IIでは、式Iで表される化合物とp-トルエンスルホン酸とメタノールのモル比は、1:1:1である。
もう一つの好適な例において、前記多形物は、式Iで表される化合物の1/1のp-トルエンスルホン酸塩(1:1)の多形物IIIで、ここで、前記多形物IIIは、19.858±0.2o及び25.896±0.2oから選ばれる1個または2個の粉末X線回折の特徴ピークを有する。
もう一つの好適な例において、前記多形物IIIは、さらに、17.726±0.2o、19.325±0.2o及び21.575±0.2oから選ばれる1個または複数個の粉末X線回折の特徴ピークを有する。
もう一つの好適な例において、前記多形物IIIは、基本的に図3aで示されるような粉末X線回折パターンを有する。
もう一つの好適な例において、前記多形物IIIの示差走査熱量測定グラフは、193.8〜197.2℃及び231.3〜236.9℃で最大ピーク値を有する。
もう一つの好適な例において、前記多形物IIIは、基本的に図3bで示されるような示差走査熱量測定グラフを有する。
もう一つの好適な例において、前記多形物IIIでは、式Iで表される化合物とp-トルエンスルホン酸のモル比は、1:1である。
もう一つの好適な例において、前記多形物は、式Iで表される化合物の1/1のp-トルエンスルホン酸塩のエタノール和物(1:1:1)の多形物IVで、ここで、前記多形物IVは、20.961±0.2o及び18.277±0.2oから選ばれる1個または2個の粉末X線回折の特徴ピークを有する。
もう一つの好適な例において、前記多形物IVは、さらに、9.273±0.2o、15.812±0.2o、24.674±0.2o、25.246±0.2o及び27.552±0.2oから選ばれる1個または複数個の粉末X線回折の特徴ピークを有する。
もう一つの好適な例において、前記多形物IVは、基本的に図4aで示されるような粉末X線回折パターンを有する。
もう一つの好適な例において、前記多形物IVの示差走査熱量測定グラフは、190.8〜192.5℃及び230.0〜237.4℃で最大ピーク値を有する。
もう一つの好適な例において、前記多形物IVは、基本的に図4bで示されるような示差走査熱量測定グラフを有する。
もう一つの好適な例において、前記多形物IVでは、式Iで表される化合物とp-トルエンスルホン酸とエタノールのモル比は、1:1:1である。
もう一つの好適な例において、前記多形物は、式Iで表される化合物の1/2のp-トルエンスルホン酸塩(2:1)の多形物Vで、ここで、前記多形物Vは、13.423±0.2o、13.974±0.2o、20.467±0.2o、20.705±0.2o、24.929±0.2o及び27.101±0.2oから選ばれる1個または2個の粉末X線回折の特徴ピークを有する。
もう一つの好適な例において、前記多形物Vは、さらに、17.192±0.2o、19.778±0.2o、22.799±0.2o、23.590±0.2o及び27.416±0.2oから選ばれる1個または複数個の粉末X線回折の特徴ピークを有する。
もう一つの好適な例において、前記多形物Vは、基本的に図5aで示されるような粉末X線回折パターンを有する。
もう一つの好適な例において、前記多形物Vの示差走査熱量測定グラフは、130〜142.3℃で最大ピーク値を有する。
もう一つの好適な例において、前記多形物Vは、基本的に図5bで示されるような示差走査熱量測定グラフを有する。
もう一つの好適な例において、前記多形物Vでは、式Iで表される化合物とp-トルエンスルホン酸のモル比は、2:1である。
もう一つの好適な例において、前記多形物は、式Iで表される化合物の多形物VIで、ここで、前記多形物VIは、23.818±0.2o、24.236±0.2o、26.382±0.2o、26.817±0.2o、24.929±0.2o及び27.101±0.2oから選ばれる1個または複数個の粉末X線回折の特徴ピークを有する。
もう一つの好適な例において、前記多形物VIは、さらに、11.327±0.2o、17.997±0.2o、18.528±0.2o及び21.669±0.2oから選ばれる1個または複数個の粉末X線回折の特徴ピークを有する。
もう一つの好適な例において、前記多形物VIは、基本的に図6aで示されるような粉末X線回折パターンを有する。
もう一つの好適な例において、前記多形物VIの示差走査熱量測定グラフは、211.5〜213.6℃で最大ピーク値を有する。
もう一つの好適な例において、前記多形物VIは、基本的に図6bで示されるような示差走査熱量測定グラフを有する。
本発明の第二は、リン酸キナーゼ(例えばrafキナーゼ)を抑制する薬物組成物の製造のための本発明の第一に係る多形物の用途を提供する。
もう一つの好適な例において、前記の薬物組成物は、癌の治療と予防に使用される。
本発明の第三は、
(a)本発明の第一に係る多形物と、
(b)薬学的に許容される担体と、
を含む薬物組成物を提供する。
本発明の第四は、本発明の第一に係る多形物の製造方法であって、式Iで表される化合物と酸を不活性溶媒において塩を形成して結晶させることで、或いは式I化合物またはその薬学的に許容される塩、或いはその溶媒和物を不活性溶媒において再結晶させることで、本発明の第一に係る多形物を得る工程を含む方法を提供する。
もう一つの好適な例において、前記の酸は、p-トルエンスルホン酸である。
もう一つの好適な例において、前記多形物Iの製造方法は、式I化合物とp-トルエンスルホン酸を不活性溶媒において再結晶させることで、本発明に係る多形物Iを得る工程を含む。
もう一つの好適な例において、前記多形物IIの製造方法は、前記工程で製造された多形物Iをメタノールにおいて再結晶させることで、本発明に係る多形物IIを得る工程を含む。
もう一つの好適な例において、前記多形物IIIの製造方法は、前記工程で製造された多形物IIを所定時間で乾燥させることで、本発明に係る多形物IIIを得る工程を含む。
もう一つの好適な例において、前記多形物IVの製造方法は、前記工程で製造された多形物Iをエタノールにおいて再結晶させることで、本発明に係る多形物IVを得る工程を含む。
もう一つの好適な例において、前記多形物Vの製造方法は、前記工程で製造された多形物Iを所定時間で乾燥させることで、本発明に係る多形物Vを得る工程を含む。
もちろん、本発明の範囲内において、本発明の上述の各技術特徴および下述(例えば実施例)の具体的に記述された各技術特徴は互いに組合せ、新しい、又は好ましい技術方案を構成できることが理解される。紙数に限りがあるため、ここで逐一説明しない。
実施例1の多形物Iの粉末X線回折パターンである。 実施例1の多形物Iの示差走査熱量測定グラフである。 実施例1の多形物Iの1H-NMRスペクトルである。 実施例2の多形物IIの粉末X線回折パターンである。 実施例2の多形物IIの示差走査熱量測定グラフである。 実施例2の多形物IIの1H-NMRスペクトルである。 実施例3の多形物IIIの粉末X線回折パターンである。 実施例3の多形物IIIの示差走査熱量測定グラフである。 実施例3の多形物IIIの1H-NMRスペクトルである。 実施例4の多形物IVの粉末X線回折パターンである。 実施例4の多形物IVの示差走査熱量測定グラフである。 実施例4の多形物IVの1H-NMRスペクトルである。 実施例5の多形物Vの粉末X線回折パターンである。 実施例5の多形物Vの示差走査熱量測定グラフである。 実施例5の多形物Vの1H-NMRスペクトルである。 実施例6の多形物VIの粉末X線回折パターンである。 実施例6の多形物VIの示差走査熱量測定グラフである。 実施例6の多形物VIの1H-NMRスペクトルである。 式Iで表される化合物のp-トルエンスルホン酸塩の無定形物の粉末X線回折パターンである。 式Iで表される化合物のp-トルエンスルホン酸塩の無定形物の示差走査熱量測定グラフである。 式Iで表される化合物のp-トルエンスルホン酸塩の無定形物の1H-NMRスペクトルである。
本発明者は、長期間で深い研究を通じ、式I化合物またはその薬学的に許容される塩、或いはその溶媒和物のいくつかの多形物をことを意外に見出し、前記多形物は、純度が高く、且つ安定性が非常に良く、リン酸キナーゼ(例えばrafキナーゼ)を抑制する薬物組成物の製造に好適で、そして癌などの疾患の治療に有利である。また、本発明の多形物は、分注などの薬品製造の過程において、飛散しにくく、収集しやすく、無駄が少なく、且つ操作員の健康保護に有利である。これに基づき、発明者らが本発明を完成した。
ここで用いられるように、「式I化合物」とは、構造式が式Iで表されるような4-(4-{3-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド]フェノキシ}-2-(N-1',1',1'-トリデューテロメチル)ピコリンアミドである。
4-(4-{3-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド]フェノキシ}-2-(N-1',1',1'-トリデューテロメチル)ピコリンアミド p-トルエンスルホン酸塩
本発明に係る4-(4-{3-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド]フェノキシ}-2-(N-1',1',1'-トリデューテロメチル)ピコリンアミド p-トルエンスルホン酸塩は、式I化合物のp-トルエンスルホン酸塩の各形態を含む。
好ましくは、4-(4-{3-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド]フェノキシ}-2-(N-1',1',1'-トリデューテロメチル)ピコリンアミドの1/1のp-トルエンスルホン酸塩、即ち、式I化合物とp-トルエンスルホン酸のモル比が1:1の塩で、或いは4-(4-{3-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド]フェノキシ}-2-(N-1',1',1'-トリデューテロメチル)ピコリンアミドの1/2のp-トルエンスルホン酸塩、即ち、式I化合物とp-トルエンスルホン酸のモル比が2:1の塩である
多形物
固体は、無定形の形態か結晶の形態で存在する。結晶の形態の場合、分子は立体結晶格子のサイトに位置する。化合物が溶液またはスリラーから結晶すると、異なる空間格子で配列して結晶になる可能性があり(この性質が「結晶多形現象」と呼ばれる)、異なる結晶の形態を有する結晶が形成し、このような各結晶形態が「多形物」と呼ばれる。ある物質の異なる多形物は、一つ又は複数の物性(例えば溶解度および溶解速度、真比重、結晶型、堆積形態、流動性及び/又は固体安定性)で互いに異なる可能性がある。
結晶
溶液を操作し、興味のある化合物の溶解度に限界を超えさせることで、生産規模の結晶を完成させることができる。多くの方法で完成させることができるが、例えば、比較的に高い温度で化合物を溶解させた後、溶液を飽和の限界以下に冷却する方法がある。或いは、沸騰、常圧蒸発、真空乾燥又は他の方法で液体の体積を減少させる方法もある。抗溶媒または化合物の溶解度が低い溶媒あるいはこのような溶媒の混合物を入れることで、興味のある化合物の溶解度を下げることもできる。もう一つの選べる方法は、pH値を調整して溶解度を下げるものである。結晶に関する詳細は、Crystallization, 第三版, J W Mullens, Butterworth-Heineman Ltd.,1993, ISBN 0750611294を参照する。
塩の形成と結晶を同時にさせたいなら、塩の反応媒体における溶解度が原料よりも低い場合、適切な酸または塩基を入れると、所要の塩が直接結晶する。同様に、目的の形態の溶解度が反応物よりも低い媒体において、合成反応が完成すると、最終産物が直接結晶する。
結晶の最適化は、所要の形態の結晶を種晶として結晶媒体に入れることを含む。また、多くの結晶方法は、上述策略の組み合わせを使用する。一つの様態は、興味のある化合物を溶媒に溶解させた後、制御される状態で適切な体積の抗溶媒を入れることで、体系をちょうど飽和のレベル以下にする。この時、所要の形態の種晶(種晶の完全性を保ったまま)を入れ、体系を冷却して結晶を完成させることができる。
ここで用いられるように、用語「室温」とは、通常、4〜30℃で、好ましくは20±5℃である。
本発明の多形物
ここで用いられるように、用語「本発明の多形物」は、式I化合物またはその薬学的に許容される塩(例えばp-トルエンスルホン酸塩)、或いはその各種の溶媒和物の多形物を含み、さらに、同じp-トルエンスルホン酸塩または溶媒和物の異なる多形物を含む。
好適な本発明の多形物は、以下のものを含むが、これらに限定されない。
式I化合物の多形物VI、
式I化合物の1/1のp-トルエンスルホン酸塩の多形物I又は多形物III、
式I化合物の1/1のp-トルエンスルホン酸塩のメタノール和物の多形物II又は式I化合物の1/1のp-トルエンスルホン酸塩のエタノール和物の多形物IV(ここで、前記多形物IIでは、式I化合物とp-トルエンスルホン酸とメタノールのモル比が1:1:1で、前記多形物IVでは、式I化合物とp-トルエンスルホン酸とエタノールのモル比が1:1:1である。)、
式I化合物の1/2のp-トルエンスルホン酸塩の多形物V。
多形物の同定と性質
本発明では、式I化合物のp-トルエンスルホン酸塩の多形物を製造した後、以下の複数の方法及び装置でその性質を研究した。
粉末X線回折
結晶型の粉末X線回折を測定する方法は、本分野では既知である。例えば、Rigaku D/max 2550VB/PC型の粉末X線回折装置を使用し、毎分間2oの走査速度で、銅輻射ターゲットでスペクトルを得る。
本発明の式I化合物のp-トルエンスルホン酸塩の多形物は、特定の結晶の形態を持ち、粉末X線回折(XRPD)パターンにおいて特定の特徴ピークを有する。好ましくは以下の通りである。
(1)多形物I
前記多形物Iは、13.182±0.2o、21.472±0.2o及び22.833±0.2oから選ばれる1個または複数個の粉末X線回折の特徴ピークを有する。もう一つの好適な例において、前記多形物Iは、さらに、4.397±0.2o、16.636±0.2o、17.821±0.2o,20.407±0.2o及び20.782±0.2oから選ばれる1個または複数個の粉末X線回折の特徴ピークを有する。もう一つの好適な例において、前記多形物Iは、基本的に図1aで示されるような粉末X線回折パターンを有する。
(2)多形物II
前記多形物IIは、21.014±0.2o、18.333±0.2o及び25.301±0.2oから選ばれる1個または複数個の粉末X線回折の特徴ピークを有する。もう一つの好適な例において、前記多形物IIは、さらに、8.405±0.2o、15.906±0.2o、19.477±0.2o及び24.744±0.2oから選ばれる1個または複数個の粉末X線回折の特徴ピークを有する。もう一つの好適な例において、前記多形物IIは、基本的に図2aで示されるような粉末X線回折パターンを有する。
(3)多形物III
前記多形物IIIは、19.858±0.2o及び25.896±0.2oから選ばれる1個または2個の粉末X線回折の特徴ピークを有する。もう一つの好適な例において、前記多形物IIIは、さらに、17.726±0.2o、19.325±0.2o及び21.575±0.2oから選ばれる1個または複数個の粉末X線回折の特徴ピークを有する。もう一つの好適な例において、前記多形物IIIは、基本的に図3aで示されるような粉末X線回折パターンを有する。
(4)多形物IV
前記多形物IVは、20.961±0.2o及び18.277±0.2oから選ばれる1個または複数個の粉末X線回折の特徴ピークを有する。もう一つの好適な例において、前記多形物IVは、さらに、9.273±0.2o、15.812±0.2o、24.674±0.2o、25.246±0.2o及び27.552±0.2oから選ばれる1個または複数個の粉末X線回折の特徴ピークを有する。もう一つの好適な例において、前記多形物IVは、基本的に図4aで示されるような粉末X線回折パターンを有する。
(5)多形物V
前記多形物Vは、13.423±0.2o、13.974±0.2o、20.467±0.2o、20.705±0.2o、24.929±0.2o及び27.101±0.2oから選ばれる1個または複数個の粉末X線回折の特徴ピークを有する。もう一つの好適な例において、前記多形物Vは、さらに、17.192±0.2o、19.778±0.2o、22.799±0.2o、23.590±0.2o及び27.416±0.2oから選ばれる1個または複数個の粉末X線回折の特徴ピークを有する。もう一つの好適な例において、前記多形物Vは、基本的に図5aで示されるような粉末X線回折パターンを有する。
(6)多形物VI
前記多形物VIは、23.818±0.2o、24.236±0.2o、26.382±0.2o、26.817±0.2o、24.929±0.2o及び27.101±0.2oから選ばれる1個または複数個の粉末X線回折の特徴ピークを有する。もう一つの好適な例において、前記多形物VIは、さらに、11.327±0.2o、17.997±0.2o、18.528±0.2o及び21.669±0.2oから選ばれる1個または複数個の粉末X線回折の特徴ピークを有する。もう一つの好適な例において、前記多形物VIは、基本的に図6aで示されるような粉末X線回折パターンを有する。
示差走査熱量分析
「示差走査熱量測定」(DSC)とも呼ばれ、加熱の過程において被測物質と参照物の間のエネルギー差と温度の関係を測定する技術である。DSCグラフにおけるピークの位置、形状およびピークの数は物質の性質に関連するため、定性的に物質を同定することができる。本分野では、この方法がよく物質の相転移温度、ガラス転移温度、反応熱などの複数のパラメーターの測定に用いられる。
DSCの測定方法は、本分野では既知である。例えば、NETZSCH DSC 204 F1示差走査熱量計で、10℃/分の昇温速度で、25℃から250℃まで昇温し、結晶形のDSC走査グラフを得ることができる。
本発明の式I化合物のp-トルエンスルホン酸塩の多形物は、示差走査熱量分析(DSC)グラフにおいて特定の特徴ピークを有する。好ましくは以下の通りである。
(1)多形物I
前記多形物Iの示差走査熱量測定グラフは、231.5〜237.7℃で最大ピーク値を有する。もう一つの好適な例において、前記多形物Iは、基本的に図1bで示されるような示差走査熱量測定グラフ(DSC)を有する。
(2)多形物II
前記多形物IIの示差走査熱量測定グラフは、193.5〜197.0℃及び228.6〜236.4℃で最大ピーク値を有する。もう一つの好適な例において、前記多形物IIは、基本的に図2bで示されるような示差走査熱量測定グラフ(DSC)を有する。
(3)多形物III
前記多形物IIIの示差走査熱量測定グラフは、193.8〜197.2℃及び231.3〜236.9℃で最大ピーク値を有する。もう一つの好適な例において、前記多形物IIIは、基本的に図3bで示されるような示差走査熱量測定グラフ(DSC)を有する。
(4)多形物IV
前記多形物IVの示差走査熱量測定グラフは、190.8〜192.5℃及び230.0〜237.4℃で最大ピーク値を有する。もう一つの好適な例において、前記多形物IVは、基本的に図4bで示されるような示差走査熱量測定グラフ(DSC)を有する。
(5)多形物V
前記多形物Vの示差走査熱量測定グラフは、130〜142℃で最大ピーク値を有する。もう一つの好適な例において、前記多形物Vは、基本的に図5bで示されるような示差走査熱量測定グラフ(DSC)を有する。
(6)多形物VI
前記多形物VIの示差走査熱量測定グラフは、211.5〜213.6℃で最大ピーク値を有する。もう一つの好適な例において、前記多形物VIは、基本的に図6bで示されるような示差走査熱量測定グラフを有する。
核磁気共鳴(NMR)で結晶形の構造の同定を補助することもできるが、その測定方法及び装置は、本分野で既知のもので、例えばBruker Avance III plus-400 MHzを使用することができる。
活性成分
ここで用いられるように、用語「活性成分」又は「活性化合物」とは、本発明の多形物で、即ち、式I化合物またはその薬学的に許容される塩(例えばp-トルエンスルホン酸塩)、或いはその溶媒和物の多形物である。
医薬品組成物および使用方法
本発明の多形物は、リン酸キナーゼ(Kinase)、例えばrafキナーゼに対する優れた抑制活性を有するため、本発明の多形物および本発明の多形物を主要活性成分として含有する薬物組成物は、リン酸キナーゼ(Kinase)、例えばrafキナーゼによる疾患の治療、予防および緩和に有用である。既存技術によれば、本発明に係る多形物は、癌、心血管疾患、肥満症、糖尿病などの疾患の治療に有用である。
本発明の薬物組成物は、安全有効量の範囲内の本発明の多形物と薬学的に許容される賦形剤または担体とを含む。
ここで、「安全有効量」とは、化合物(又は多形物)の量が病状の顕著な改善に充分で、重度な副作用が生じないことを指す。通常、薬物組成物は、本発明の多形物を1〜2000mg/製剤で、好ましくは10〜200mg/製剤で含有する。好ましくは、前記の「製剤」は、カプセルまたは錠である。
「薬学的に許容される担体」とは、ヒトに適用でき、且つ十分な純度および充分に低い毒性を持たなければならない、一種または複数種の相溶性固体または液体フィラーまたはゲル物質を指す。ここで、「相溶性」とは、組成物における各成分が本発明の活性成分と、またその同士の間で配合することができ、活性成分の効果を顕著に低下させないことを指す。薬学的に許容される担体の一部の例として、セルロースおよびその誘導体(例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースナトリウム、セルロースアセテートなど)、ゼラチン、タルク、固体潤滑剤(例えばステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム)、硫酸カルシウム、植物油(例えば大豆油、ゴマ油、落花生油、オリーブオイルなど)、多価アルコール(例えばプロピレングリコール、グリセリン、マンニトール、ソルビトールなど)、乳化剤(例えばツイン(R))、湿潤剤(例えばドデシル硫酸ナトリウム)、着色剤、調味剤、安定剤、酸化防止剤、防腐剤、発熱性物質除去蒸留水などがある。
本発明の多形物または薬物組成物の施用様態は、特に限定されないが、代表的な施用様態は、経口投与、腫瘍内、直腸、胃腸外(静脈内、筋肉内、又は皮下)投与、および局部投与を含むが、これらに限定されない。
経口投与に用いられる固体剤型は、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤および顆粒剤を含む。これらの固体剤型において、活性成分は通常、少なくとも一種の不活性賦形剤(又は担体)、たとえばクエン酸ナトリウム又はリン酸二カルシウムと混合されるが、或いは、(a)フィラー又は相溶剤、例えば、でん粉、乳糖、ショ糖、グルコース、マンニトールやケイ酸、(b)バインダー、例えば、ヒドロメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖やアラビアゴム、(c)保湿剤、例えば、グリセリン、(d)崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、馬鈴薯澱粉やタピオカ澱粉、アルギン酸、ある複合ケイ酸塩や炭酸ナトリウム、(e)溶液遅延剤、例えばパラフィン、(f)吸収促進剤、例えば、アンモニウム化合物、(g)湿潤剤、例えばセタノール、グリセリンモノステアレート、(h)吸着剤、例えば、カオリン、また(i)潤滑剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ドデシル硫酸ナトリウム、又はこれらの混合物、のような成分と混合される。カプセル剤、錠剤および丸剤において、剤形に緩衝剤を含んでもよい。
固体剤型、例えば錠剤、ピル、カプセル剤、丸剤や顆粒剤は、コーディングやシェル剤、例えば、腸衣および他の本分野で公知の材料で製造することができる。不透明剤を含んでもよく、且つこのような組成物において、活性成分の放出は遅延の様態で消化管のある部分で放出してもよい。使用できる包埋成分の実例として、重合物質やワックス系物質が挙げられる。必要な場合、活性成分も上述賦形剤のうちの一種または複数種とマイクロカプセルの様態に形成してもよい。
経口投与に用いられる液体剤型は、薬学的に許容される乳液、溶液、懸濁液、シロップまたはチンキ剤を含む。活性成分の他、液体剤型は、本分野で通常使用される不活性希釈剤、例えば、水または他の溶媒、相溶剤及び乳化剤、例えば、エタノール、イソプロパノール、炭酸エチル、酢酸エチル、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、ジメチルホルムアミドおよび油、特に、綿実油、落花生油、コーン油、オリーブ油、ヒマシ油やゴマ油またはこれらの物質の混合物などを含んでもよい。
これらの不活性希釈剤の他、組成物は助剤、例えば、湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、甘味料、矯味剤や香料を含んでもよい。
活性成分の他、懸濁液は、懸濁剤、例えば、エトキシ化イソオクタデカノール、ポリオキシエチレンソルビトールやソルビタンエステル、微晶質セルロース、メトキシアルミニウムや寒天またはこれらの物質の混合物などを含んでもよい。
胃腸外注射用組成物は、生理的に許容される無菌の水含有または無水溶液、分散液、懸濁液や乳液、及び再溶解して無菌の注射可能な溶液または分散液にするための無菌粉末を含む。適切な水含有または非水性担体、希釈剤、溶媒または賦形剤は、水、エタノール、多価アルコールおよびその適切な混合物を含む。
局部投与のための本発明の多形物の剤型は、軟膏剤、散剤、湿布剤、噴霧剤や吸入剤を含む。活性成分は、無菌条件で生理学的に許容される担体および任意の防腐剤、緩衝剤、または必要よって駆出剤と一緒に混合される。
本発明の多形物は、単独で投与してもよいし、或いは他の薬学的に許容される化合物と併用して投与してもよい。
薬物組成物を使用する場合、安全な有効量の本発明の多形物を治療の必要のある哺乳動物(例えばヒト)に使用し、使用の際の用量は薬学上で効果があるとされる投与量で、体重60kgのヒトの場合、毎日の投与量は、通常1〜2000mg、好ましくは20〜500mgである。勿論、具体的な投与量は、さらに投与の様態、患者の健康状況などの要素を考えるべきで、すべて熟練の医者の技能範囲以内である。
本発明の主な利点は以下の通りである。
1.一連の新規な4-(4-{3-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド]フェノキシ}-2-(N-1',1',1'-トリデューテロメチル)ピコリンアミド又はその塩、或いはその溶媒和物の多形物を提供する。本発明に係る多形物は、多形物I〜VIを含む。
2.さらに、いくつかの多形物の用途を提供し、リン酸キナーゼ(例えばrafキナーゼ)を抑制する薬物組成物の製造に有用で、癌などの疾患の治療に使用することができる。
以下、具体的な実施例によって、さらに本発明を説明する。これらの実施例は本発明を説明するために用いられるものだけで、本発明の範囲の制限にはならないと理解されるものである。以下の実施例において、具体的な条件が記載されていない実験方法は、通常、通常の条件、或いはメーカーの薦めの条件で行われた。特に断らない限り、%と部は、重量で計算される。
実施例1 4-(4-{3-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド]フェノキシ}-2-(N-1',1',1'-トリデューテロメチル)ピコリンアミドの1/1のp-トルエンスルホン酸塩の多形物I
三口フラスコにおいて50 gの4-クロロ-2-ピリジンカルボン酸メチルを250 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、それぞれ31 gのトリデューテロメチルアミン塩酸塩と80 gの無水炭酸カリウムを入れ、25℃で20時間撹拌した後、250 mLの水と100 mLのメチル-t-ブチルエーテルを入れ、撹拌して分層させ、分液し、水相を100 mLのメチル-t-ブチルエーテルで抽出し、有機相を合併して乾燥し、減圧で溶媒を除去し、浅黄色の液体を48 g得た。
浅黄色の液体を50 mLのジメチルスルホキシドに溶解させ、30 gの4-アミノフェノールを入れ、31 gのカリウム t-ブトキシドを分けて入れ、80℃に昇温して4時間撹拌した。100 mLの塩酸を滴下し、ろ過し、ケーキを取り出して150 mLのアセトンに懸濁させ、25℃で16時間撹拌し、ろ過し、ケーキを取り出して100 mLの水に溶解させ、200 mLの酢酸エチルで2回抽出し、有機相を乾燥し、減圧で溶媒を除去し、浅褐色の固体を51 g得た。
得られた浅褐色の固体を50 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解させ、4-クロロ-3-トリフルオロメチルフェニルイソシアネート(48 g)の酢酸エチル(50 mL)溶液を滴下し、25℃で2時間撹拌し、130 mLの水を滴下し、1時間撹拌し、ろ過し、乾燥し、77 gの浅黄色の固体、即ち、4-(4-{3-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド]フェノキシ}-2-(N-1',1',1'-トリデューテロメチル)ピコリンアミドを得た。
45 gの浅黄色の固体を450 mLのテトラヒドロフランに入れ、6.6 gのp-トルエンスルホン酸一水和物を入れ、還流して溶液が清澄になるまで昇温した。熱いままでろ過し、還流して清澄になるまでろ液を再加熱し、70℃のp-トルエンスルホン酸一水和物(16.1 g)のテトラヒドロフラン(50 mL)溶液を上述清澄液に素早く注いだ。30分間温度を維持し、加熱を停止し、0℃に冷却し、ろ過し、ケーキを取り出して室温で重量が一定になるまで24時間真空乾燥し、55.2 gの標題の化合物を得た。
核磁気共鳴のデータから、式I化合物とp-トルエンスルホン酸のモル比が1:1であることがわかる。
1 NMR(DMSO-d6, 400 MHz): δ2.30(s, 3H), 7.15(d, J = 8.8Hz, 2H), 7.20(d, J = 8.8Hz, 2H), 7.23(dd, J = 2.8Hz, 6Hz, 1H), 7.52(d, J = 8Hz, 2H), 7.55(d, J = 2.8Hz, 1H), 7.63(d, J = 8.8Hz, 3H), 7.68(dd, J = 2.4Hz, 9.2Hz, 1H), 8.03(br, 1H), 8.14(d, J = 2.4Hz, 1H), 8.56(d, J = 6Hz, 1H), 8.91(br, 1H), 9.17(br, 1H), 9.36(br, 1H).
その粉末X線回折パターンを図1aに、各ピークのパラメーターを表1に、示差走査熱量分析グラフ(DSC)を図1bに、1 H NMRのスペクトルを図1cに示す。
Figure 2015522591
実施例2 4-(4-{3-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド]フェノキシ}-2-(N-1',1',1'-トリデューテロメチル)ピコリンアミドの1/1のp-トルエンスルホン酸塩のメタノール和物(式I化合物とp-トルエンスルホン酸とメタノールのモル比=1:1:1)の多形物II
10 gの実施例1で製造された多形物Iを100 gのメタノールに入れ、還流して清澄になるまで昇温し、p-トルエンスルホン酸一水和物(6.1 g)のメタノール(25 g)溶液を滴下し、清澄になった後30℃に自然降温させ、1.5時間撹拌した。ろ過し、ケーキを取り出して室温で重量が一定になるまで真空乾燥し、12 gの白色の固体を得、サンプリングして1H NMR、粉末X線回折、DSCなどによって検証され、標題の化合物を得た。
核磁気共鳴のデータから、式I化合物とp-トルエンスルホン酸とメタノールのモル比が1:1:1であることがわかる。
1 H NMR(DMSO-d6, 400 MHz): δ2.29(s, 3H), 3.17(s, 3H), 7.14(d, J = 8Hz, 2H), 7.20(d, J = 8.2Hz, 2H), 7.24(dd, J = 2.4Hz, 6Hz, 1H), 7.52(d, J = 8Hz, 2H), 7.57-7.69(m, 5H), 8.13(d, J = 2Hz, 1H),8.38(br, 1H), 8.56(d, J = 6.4Hz, 1H), 8.95(br, 1H), 9.20(br, 1H), 9.39(br, 1H).
その粉末X線回折パターンを図2aに、各ピークのパラメーターを表2に、示差走査熱量分析グラフ(DSC)を図2bに、1 H NMRのスペクトルを図2cに示す。
Figure 2015522591
実施例3 4-(4-{3-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド]フェノキシ}-2-(N-1',1',1'-トリデューテロメチル)ピコリンアミドの1/1のp-トルエンスルホン酸塩の多形物III
2 gの実施例2で製造された多形物IIを真空乾燥箱で85℃で重量が一定になるまで20時間乾燥し、サンプリングして1 H NMR、粉末X線回折、DSCなどによって検証され、標題の化合物を1.85 g得た。
核磁気共鳴のデータから、式I化合物とp-トルエンスルホン酸のモル比が1:1であることがわかる。
1 H NMR(DMSO-d6, 400 MHz): δ2.29(s, 3H), 3.17(s, 3H), 7.13(d, J = 8Hz, 2H), 7.19(d, J = 9.2Hz, 2H), 7.22(dd, J = 2.4Hz, 6Hz, 1H), 7.50-7.53(m, 3H), 7.60-7.69(m, 4H), 8.13(d, J = 2.4Hz, 1H),8.38(br, 1H), 8.55(d, J = 5.6Hz, 1H), 8.90(br, 1H), 9.15(br, 1H), 9.35(br, 1H), 9.63(br, 1H).
その粉末X線回折パターンを図3aに、各ピークのパラメーターを表3に、示差走査熱量分析グラフ(DSC)を図3bに、1 H NMRのスペクトルを図3cに示す。
Figure 2015522591
実施例4 4-(4-{3-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド]フェノキシ}-2-(N-1',1',1'-トリデューテロメチル)ピコリンアミドの1/1のp-トルエンスルホン酸塩のエタノール和物(式I化合物とp-トルエンスルホン酸とエタノールのモル比=1:1:1)の多形物IV
5 gの実施例1で製造された多形物Iを20 mLのエタノールに懸濁させ、室温で16時間撹拌した。ろ過し、ケーキを取り出し、ケーキを室温で重量が一定になるまで20時間真空乾燥し、4.8gの淡黄色の固体を得、サンプリングして1 H NMR、粉末X線回折、DSCなどによって検証され、標題の化合物を得た。
核磁気共鳴のデータから、式I化合物とp-トルエンスルホン酸とエタノールのモル比が1:1:1であることがわかる。
1 H NMR(DMSO-d6, 400 MHz): δ1.05(t, J = 6.8Hz, 3H), 2.29(s, 3H), 3.44(q, J = 7.2Hz, 2H), 7.13(d, J = 7.6Hz, 2H), 7.19(d, J = 8.8Hz, 2H), 7.22(dd, J = 2.8Hz, 6Hz, 1H), 7.51(d, J = 8.4Hz, 2H), 7.54(d, J = 2.8Hz, 1H), 7.60-7.69(m, 4H), 7.97(br, 1H), 8.13(d, J = 2.4Hz, 1H), 8.55(d, J = 6Hz, 1H), 8.92(br, 1H), 9.16(br, 1H), 9.36(br, 1H).
その粉末X線回折パターンを図4aに、各ピークのパラメーターを表4に、示差走査熱量分析グラフ(DSC)を図4bに、1 H NMRのスペクトルを図4cに示す。
Figure 2015522591
実施例5 4-(4-{3-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド]フェノキシ}-2-(N-1',1',1'-トリデューテロメチル)ピコリンアミドの1/2のトルエンスルホン酸塩の多形物V
3 gの実施例1で製造された多形物Iを50 mLの水に懸濁させ、室温で24時間撹拌した。ろ過し、ケーキを取り出し、ケーキを室温で48時間真空乾燥し、4.8gの淡黄色の固体を得、サンプリングして1 H NMR、粉末X線回折、DSCなどによって検証され、標題の化合物を1.2 g得た。
核磁気共鳴のデータから、式I化合物とp-トルエンスルホン酸のモル比が2:1であることがわかる。
1 H NMR(DMSO-d6, 400 MHz): δ2.29(s, 1.5H), 7.13(d, J = 8Hz, 1H), 7.17-7.20(m, 3H), 7.46(d, J = 2.4Hz, 1H), 7.51(d, J = 8Hz, 2H), 7.60-7.66(m, 4H), 8.13(d, J = 2.4Hz, 1H), 8.53(d, J = 6Hz, 1H), 8.84(br, 1H), 9.09(br, 1H), 9.29(br, 1H).
その粉末X線回折パターンを図5aに、各ピークのパラメーターを表5に、示差走査熱量分析グラフ(DSC)を図5bに、1 H NMRのスペクトルを図5cに示す。
Figure 2015522591
実施例6 4-(4-{3-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド]フェノキシ}-2-(N-1',1',1'-トリデューテロメチル)ピコリンアミドの多形物VI
三口フラスコにおいて50 gの4-クロロ-2-ピリジンカルボン酸メチルを250 mLのテトラヒドロフランに溶解させ、それぞれ31 gのトリデューテロメチルアミン塩酸塩と80 gの無水炭酸カリウムを入れ、25℃で20時間撹拌した後、250 mLの水と100 mLのメチル-t-ブチルエーテルを入れ、撹拌して分層させ、分液し、水相を100 mLのメチル-t-ブチルエーテルで抽出し、有機相を合併して乾燥し、減圧で溶媒を除去し、浅黄色の液体を48 g得た。
浅黄色の液体を50 mLのジメチルスルホキシドに溶解させ、30 gの4-アミノフェノールを入れ、31 gのカリウム t-ブトキシドを分けて入れ、80℃に昇温して4時間撹拌した。100 mLの塩酸を滴下し、ろ過し、ケーキを取り出して150 mLのアセトンに懸濁させ、25℃で16時間撹拌し、ろ過し、ケーキを取り出して100 mLの水に溶解させ、200 mLの酢酸エチルで2回抽出し、有機相を乾燥し、減圧で溶媒を除去し、浅褐色の固体を51 g得た。
得られた浅褐色の固体を50 mLのN,N-ジメチルホルムアミドに溶解させ、4-クロロ-3-トリフルオロメチルフェニルイソシアネート(48 g)の酢酸エチル(50 mL)溶液を滴下し、25℃で2時間撹拌し、130 mLの水を滴下し、1時間撹拌し、ろ過し、25℃で24時間真空乾燥して浅黄色の固体を得、サンプリングして1 H NMR、粉末X線回折、DSCなどによって検証され、標題の化合物を77 g得た。
1H NMR(DMSO-d6, 400 MHz): δ7.15(dd, J = 2.8Hz, 5.6Hz, 1H), 7.17-7.19(m,2H), 7.40(d, J = 2.4Hz, 1H), 7.59-7.69(m, 4H), 8.13(d, J = 2.4Hz, 1H), 8.51(d, J = 6Hz, 1H), 8.75(br, 1H), 8.90(br, 1H), 9.22(br, 1H).
その粉末X線回折パターンを図6aに、各ピークのパラメーターを表6に、示差走査熱量分析グラフ(DSC)を図6bに、1 H NMRのスペクトルを図6cに示す。
Figure 2015522591
実施例7 4-(4-{3-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド]フェノキシ}-2-(N-1',1',1'-トリデューテロメチル)ピコリンアミドの1/1のp-トルエンスルホン酸塩の無定形物
0.5gの実施例1で製造された多形物Iを500 mLのエタノールに懸濁させ、還流して全部溶解するまで加熱した。80℃で回転蒸留によって減圧で溶媒を除去し、固体を50℃で28時間真空乾燥し、研磨して浅黄色の粉末を得た。サンプリングして1 H NMR、粉末X線回折、DSCなどによって検証され、標題の化合物を0.41 g得た。
核磁気共鳴のデータから、式I化合物とp-トルエンスルホン酸のモル比が1:1であることがわかる。
1 H NMR(DMSO-d6, 400 MHz): δ2.30(s, 3H), 7.15(d, J = 8.8Hz, 2H), 7.20(d, J = 8.8Hz, 2H), 7.23(dd, J = 2.8Hz, 6Hz, 1H), 7.52(d, J = 8Hz, 2H), 7.55(d, J = 2.8Hz, 1H), 7.63(d, J = 8.8Hz, 3H), 7.68(dd, J = 2.4Hz, 9.2Hz, 1H), 8.03(br, 1H), 8.14(d, J = 2.4Hz, 1H), 8.56(d, J = 6Hz, 1H), 8.91(br, 1H), 9.17(br, 1H), 9.36(br, 1H).
その粉末X線回折パターンを図7aに、示差走査熱量分析グラフ(DSC)を図7bに、1 H NMRのスペクトルを図7cに示す。
実施例8 4-(4-{3-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド]フェノキシ}-2-(N-1',1',1'-トリデューテロメチル)ピコリンアミドの1/1のp-トルエンスルホン酸塩の多形物Iの安定性
1〜6ヶ月の加速試験(試験条件:40℃、75%RH)を行った結果、多形物Iの結晶形が非常に安定し、且つ製造直後の(0月)多形物と比較すると、多形物Iの純度がほとんど変わらず、終始99%以上であることが示された。
実施例9 薬物組成物
4-(4-{3-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド]フェノキシ}-2-(N-1',1',1'-トリデューテロメチル)ピコリンアミドの1/1のp-トルエンスルホン酸塩の多形物I(実施例1) 20g
澱粉 140g
微晶質セルロース 60g
通常の方法で、上述物質を均一に混合した後、普通のゼラチンカプセルに入れ、1000個のカプセルを得た。
実施例10 薬物の吸湿性実験
薬物の吸湿性試験のガイドライン(中国薬典2010年版二部付録XIX J)に従って行った。
1.乾燥した蓋付きのガラス秤量瓶(外径60 mm、高さ30 mm)を4つ取り、試験の前の日に25℃±1℃の恒温恒湿箱内の下部にある硫酸アンモニウム飽和溶液を入れたガラス乾燥器(即ち、25℃±1℃恒湿乾燥器)に置き(秤量瓶と蓋を別々で置き、蓋をせず)、ガラス乾燥器の蓋をした。
2.各空の秤量瓶を蓋と25℃±1℃恒湿乾燥器内に24時間置いた後、セット(秤量瓶+蓋)でそれぞれ自重を精密に測り、m1とした。あるサンプルを適量に取り、重量を測ったガラス秤量瓶内に平面に敷き(サンプルの厚さ約1 mm)、蓋をし、この時の秤量瓶と蓋およびサンプルの重量を精密に測り、m2とした。遊離塩基ZJCM03の4種類の塩をそれぞれ4つの秤量瓶内に入れた。そして、各秤量瓶の蓋を取り、瓶と蓋をいずれも上述25℃±1℃恒湿乾燥器内に24時間置いた。
3.各サンプルを25℃±1℃恒湿乾燥器内に24時間置いた後、各秤量瓶に相応の蓋をし、この時の秤量瓶と蓋およびサンプルの重量を精密に測り、m3とした。
4.各サンプルの吸湿増重百分率(計算式は以下の通りである)を計算し、吸湿増重百分率が0.2%未満の場合、吸湿性がない、又はほとんどないと判定した。
増重百分率=[(m3 - m2)/(m2 - m1)]×100%
上述工程に従い、本発明に係る多形物Iの吸湿性を測定した結果、多形物Iの増重百分率=[(39.951-39.951)/(39.951-38.836)]×100%=0で、多形物Iは吸湿性がないことがわかった。
実施例8と実施例10を繰り返し、相違点は多形物Iの代わりに本発明に係る多形物II〜VIを使用した結果、本発明に係る複数種の多形物はいずれも安定性が非常に良く、吸湿性がない、又はほとんどない。
そのため、本発明に係る多形物は薬物組成物に非常に好適である。そして、本発明の多形物は、分注などの薬品製造の過程において、飛散しにくく、収集しやすく、無駄が少なく、操作員の健康保護に有利である。
各文献がそれぞれ単独に引用されるように、本発明に係るすべての文献は本出願で参考として引用する。また、本発明の上記の内容を読み終わった後、この分野の技術者が本発明を各種の変動や修正をすることができるが、それらの等価の様態のものは本発明の請求の範囲に含まれることが理解されるべきである。

Claims (17)

  1. 式Iで表される化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又はその溶媒和物の多形物。
    Figure 2015522591
  2. 前記多形物は、式Iで表される化合物の1/1のp-トルエンスルホン酸塩の多形物Iであり、ここで、該多形物Iは、13.182±0.2o、21.472±0.2o及び22.833±0.2oから選ばれる1〜3個の粉末X線回折の特徴ピークを有することを特徴とする請求項1に記載の多形物。
  3. 前記多形物VIの示差走査熱量測定グラフは、231.5〜237.7℃で最大ピーク値を有することを特徴とする請求項2に記載の多形物。
  4. 前記多形物は、式Iで表される化合物の1/1のp-トルエンスルホン酸塩のメタノール和物の多形物IIであり、ここで、該多形物IIは、21.014±0.2o、18.333±0.2o及び25.301±0.2oから選ばれる1〜3個の粉末X線回折の特徴ピークを有することを特徴とする請求項1に記載の多形物。
  5. 前記多形物IIの示差走査熱量測定グラフは、193.5〜197.0℃及び228.6〜236.4℃で最大ピーク値を有することを特徴とする請求項4に記載の多形物。
  6. 前記多形物は、式Iで表される化合物の1/1のp-トルエンスルホン酸塩の多形物IIIであり、ここで、前記多形物IIIは、19.858±0.2o及び25.896±0.2oから選ばれる1個または2個の粉末X線回折の特徴ピークを有することを特徴とする請求項1に記載の多形物。
  7. 前記多形物IIIの示差走査熱量測定グラフは、193.8〜197.2℃及び231.3〜236.9℃で最大ピーク値を有することを特徴とする請求項6に記載の多形物。
  8. 前記多形物は、式Iで表される化合物の1/1のp-トルエンスルホン酸塩のエタノール和物の多形物IVであり、ここで、前記多形物IVは、20.961±0.2o及び18.277±0.2oから選ばれる1個または2個の粉末X線回折の特徴ピークを有することを特徴とする請求項1に記載の多形物。
  9. 前記多形物IVの示差走査熱量測定グラフは、190.8〜192.5℃及び230.0〜237.4℃で最大ピーク値を有することを特徴とする請求項8に記載の多形物。
  10. 前記多形物は、式Iで表される化合物1/2のp-トルエンスルホン酸塩の多形物Vであり、ここで、前記多形物Vは、13.423±0.2o、13.974±0.2o、20.467±0.2o、20.705±0.2o、24.929±0.2o及び27.101±0.2oから選ばれる1個または複数個の粉末X線回折の特徴ピークを有することを特徴とする請求項1に記載の多形物。
  11. 前記多形物Vの示差走査熱量測定グラフは、130〜142.3℃で最大ピーク値を有することを特徴とする請求項10に記載の多形物。
  12. 前記多形物は、式Iで表される化合物の多形物VIであり、ここで、前記多形物VIは、23.818±0.2o、24.236±0.2o、26.382±0.2o、26.817±0.2o、24.929±0.2o及び27.101±0.2oから選ばれる1個または複数個の粉末X線回折の特徴ピークを有することを特徴とする請求項1に記載の多形物。
  13. 前記多形物VIの示差走査熱量測定グラフは、211.5〜213.6℃で最大ピーク値を有することを特徴とする請求項12に記載の多形物。
  14. リン酸キナーゼを抑制する薬物組成物の製造に用いられることを特徴とする請求項1〜13のうちのいずれかに記載の多形物の使用。
  15. 前記薬物組成物は、癌の治療と予防に用いられることを特徴とする請求項14に記載の使用。
  16. (a)請求項1〜13のうちのいずれかに記載の多形物と、
    (b)薬学的に許容される担体と、
    を含むことを特徴とする薬物組成物。
  17. 請求項1〜13のうちのいずれかに記載の多形物の製造方法であって、
    式Iで表される化合物と酸を不活性溶媒において塩を形成して結晶させることで、
    又は式I化合物若しくはその薬学的に許容される塩、又はその溶媒和物を不活性溶媒において再結晶させることで
    請求項1〜13のうちのいずれかに記載の多形物を得る工程を含むことを特徴とする方法。
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