JP6968080B2 - ソラフェニブ又はレゴラフェニブとトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグを用いた併用療法 - Google Patents

ソラフェニブ又はレゴラフェニブとトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグを用いた併用療法 Download PDF

Info

Publication number
JP6968080B2
JP6968080B2 JP2018545847A JP2018545847A JP6968080B2 JP 6968080 B2 JP6968080 B2 JP 6968080B2 JP 2018545847 A JP2018545847 A JP 2018545847A JP 2018545847 A JP2018545847 A JP 2018545847A JP 6968080 B2 JP6968080 B2 JP 6968080B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sorafenib
troxacitabin
cancer
prodrug
liver
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018545847A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019507764A5 (ja
JP2019507764A (ja
Inventor
アルベルテラ,マーク
エネロス,アンデシュ
クラソン,ビョルン
エーベリ,フレドリク
エード,ヨーン
Original Assignee
メディヴィル・アクチエボラーグ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by メディヴィル・アクチエボラーグ filed Critical メディヴィル・アクチエボラーグ
Publication of JP2019507764A publication Critical patent/JP2019507764A/ja
Publication of JP2019507764A5 publication Critical patent/JP2019507764A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6968080B2 publication Critical patent/JP6968080B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/66Phosphorus compounds
    • A61K31/683Diesters of a phosphorus acid with two hydroxy compounds, e.g. phosphatidylinositols
    • A61K31/685Diesters of a phosphorus acid with two hydroxy compounds, e.g. phosphatidylinositols one of the hydroxy compounds having nitrogen atoms, e.g. phosphatidylserine, lecithin
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/435Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom
    • A61K31/44Non condensed pyridines; Hydrogenated derivatives thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/435Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with one nitrogen as the only ring hetero atom
    • A61K31/44Non condensed pyridines; Hydrogenated derivatives thereof
    • A61K31/4412Non condensed pyridines; Hydrogenated derivatives thereof having oxo groups directly attached to the heterocyclic ring
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/33Heterocyclic compounds
    • A61K31/395Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins
    • A61K31/495Heterocyclic compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. guanethidine or rifamycins having six-membered rings with two or more nitrogen atoms as the only ring heteroatoms, e.g. piperazine or tetrazines
    • A61K31/505Pyrimidines; Hydrogenated pyrimidines, e.g. trimethoprim
    • A61K31/513Pyrimidines; Hydrogenated pyrimidines, e.g. trimethoprim having oxo groups directly attached to the heterocyclic ring, e.g. cytosine
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/66Phosphorus compounds
    • A61K31/675Phosphorus compounds having nitrogen as a ring hetero atom, e.g. pyridoxal phosphate
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/0012Galenical forms characterised by the site of application
    • A61K9/0053Mouth and digestive tract, i.e. intraoral and peroral administration
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • A61P35/04Antineoplastic agents specific for metastasis
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K2300/00Mixtures or combinations of active ingredients, wherein at least one active ingredient is fully defined in groups A61K31/00 - A61K41/00

Description

本発明は、がんの併用療法に関し、さらに詳しくは、肝がん及び肝転移のためのソラフェニブ−トロキサシタビンホスホロアミデートプロドラッグ併用療法及びレゴラフェニブ−トロキサシタビンホスホロアミデートプロドラッグ併用療法に関する。
肝臓がん(又は肝がん)は肝臓に発生するがんである。原発性肝がんは、世界中で5番目に多く診断されるがんであり、がんによる死亡原因の第2位である。肝がんは、肝臓の表面上又は内部に増殖する悪性腫瘍である。それらは、肝臓自体から形成されるか、又は血管もしくは胆管を含む肝臓内部の構造から形成される。
肝がんの主因は、B型肝炎ウィルス又はC型肝炎ウィルスによるウィルス感染である。がんは通常、これらのウィルスによって引き起こされる肝硬変に続発して形成される。このため、肝がんの発生率が最も高いのは、これらのウィルスが風土特有である東アジア及びサハラ以南のアフリカを含む地域である。肝がんは、続発性肝がんとしても知られる肝転移と混同されるべきでない。これは身体の他の器官に発生して肝臓に転移したがんである。
全原発性肝がんのおよそ75%を占める最も高頻度の肝がんは、肝細胞がん(HCC)である。HCCは、悪性化した肝臓の細胞(肝細胞(hepatocyte)としても知られる)によって形成されたがんである。肝細胞によって形成される別のタイプのがんは肝芽腫で、これは未熟肝細胞によって特異的に形成される。これは、主に小児に発生する稀な悪性腫瘍で、全小児がんのおよそ1%を占め、15歳未満の全原発性肝がんの79%を占める。
肝がんは、胆管、血管及び免疫細胞といった肝臓内部の他の構造から形成されることもある。胆管のがん(胆管がん及び胆管細胞嚢胞腺がん)は原発性肝がんのおよそ6%を占める。HCCと胆管がんの両方からなるHCCの異型もある。肝臓血管の腫瘍は、血管肉腫及び血管内皮腫を含む。胎児性肉腫及び線維肉腫は、間葉として知られる結合組織の一種から発生する。肝臓の筋肉から発生するがんは、平滑筋肉腫及び横紋筋肉腫である。その他の稀な肝がんは、がん肉腫、奇形腫、卵黄嚢腫瘍、カルチノイド腫瘍及びリンパ腫などである。リンパ腫は通常肝臓へのびまん性浸潤を有するが、稀な例では肝腫瘤を形成することもある。
肝硬変を起こしていない肝臓に対しては外科的切除が最適な治療であることが多い。肝硬変の肝臓を切除すると、肝不全などの合併症のリスクが高まる可能性がある。切除後の5年生存率はここ数十年の間に大幅に改良され、今や50%を超えるほどである。初期腫瘍の広がり又は新規腫瘍の形成による切除後の再発率は70%を超える。肝移植も、この形態の治療に耐えられ、腫瘍が特定の基準(例えばミラノ基準)に適合するHCCの症例で使用できる。がんが末期で発見されることが多いため、手術及び移植に適格なのは、HCCを有する個人の30〜40%未満である。また、HCCは肝移植を待つ間に進行する可能性があり、最終的に肝移植が阻まれることになりかねない。
経皮的アブレーションは、治癒を提供できる唯一の非外科的治療である。多くの形態の経皮的アブレーションがあり、化学物質を肝臓に注入する(エタノール又は酢酸)、又は高周波アブレーション、マイクロ波、レーザーもしくは凍結療法を用いて極端な温度を生成する、のいずれかからなる。これらのうち、高周波アブレーションはHCCで最も評判の良い治療法一つであるが、制限もある。それは、他の臓器及び血管に近接した腫瘍を、それぞれ発熱及び熱失神効果(heat sync effect)により、治療できないことなどである。
全身化学療法はHCCでは日常的には使用されないが、局所化学療法は、肝動脈化学塞栓術(TACE)として知られる処置で使用されることがある。この処置では、ドキソルビシン又はシスプラチンなどの細胞毒性薬とリピオドールを投与し、肝臓に分布する動脈をゼラチンスポンジ又は他の粒子で塞ぐ。大部分の全身薬はHCCの治療に何の効果もないので、肝がんの発生に関与する分子経路についての研究から、細胞増殖及び一部の場合においては血液細胞増殖を防止する標的療法薬であるソラフェニブが生まれた。更なる研究により、ソラフェニブのフルオロ類似体であるレゴラフェニブが生まれた。レゴラフェニブは、経口受容体チロシンキナーゼ阻害薬である標的療法薬で、細胞分裂を促進する重要な経路を遮断する。
放射線療法は、肝臓が放射線に耐性がないので、HCCではあまり使用されない。肝臓の特定領域に良く標的化された放射線を提供する現代技術を持ってしても、周辺肝組織への副次的損傷が問題となり、より良い“肝臓保存的”レジメンの必要性が強調される。放射線療法プラス化学塞栓術、局所化学療法、全身化学療法又は標的療法薬の二元治療が、放射線療法単独に優る利益を示すことができる。
ソラフェニブ(NEXAVAR(登録商標)として販売)は、進行した原発性肝がん患者のためのFDA承認薬である。これは、Raf/Mek/Erk経路を含む複数の細胞内及び細胞表面キナーゼと相互作用する小分子である。これらのキナーゼを阻害することにより、細胞増殖及び血管新生に関与する遺伝情報転写が阻害されて、腫瘍への血液供給が低下する治療のために、固形腫瘍組織中の低酸素状態が増大しうるという興味深い観察が見られる。
しかしながら、ソラフェニブのような薬物が開発されても、肝がんに対する現行の治療選択肢は、その限定的な効果及び重大な毒性のために不十分である。
レゴラフェニブ(STIVARGA(登録商標)として販売)は、標準治療が奏功しなかった転移大腸がん患者のため、及び進行消化管間質腫瘍(GIST)患者で、外科的に取り除けず、この疾患のためのその他のFDA承認治療にもはや応答しない患者のためのFDA承認薬である。レゴラフェニブは、ソラフェニブ治療後に進行した肝がん患者のための第二選択薬としても、第II相臨床試験において無増悪期間(TTP)及び全生存(OS)に関して良好な結果を示している。
トロキサシタビン(ベータ−L−ジオキソランシチジン)は、天然にないL−配置を有する細胞毒性デオキシシチジン類似体で、インビトロ及びインビボで固形悪性腫瘍及び造血器悪性腫瘍の両方に対して広い活性を示している。特に、印象深い活性が、肝細胞、前立腺、及び腎由来のヒトがん細胞株及び異種移植片に対して観察されている(Cancer Res.,55,3008−3011,1995)。トロキサシタビン処置は、通常はヌクレオシドの第一のリン酸化段階を担っているキナーゼのデオキシシチジンキナーゼ(dCK)の耐性突然変異を引き起こし、トロキサシタビンモノホスフェートを全く又は非常に低レベルでしかもたらさないことが示されている。
トロキサシタビンは、2008年に急性骨髄性白血病の適応において第III相臨床試験に入ったが、登録に至らなかった。中断された第II相のトロキサシタビン試験は、乳がん、大腸がん、膵がん、メラノーマ、NSCLC、腎臓、前立腺及び卵巣腫瘍を含む。トロキサシタビンは一般的に静脈内注入として投与されたので、がんの部位とは無関係に多くの組織が薬物に暴露された。トロキサシタビンの臨床開発は断念されたと考えられている。
Cancer Res.,55,3008−3011,1995
本発明は、少なくとも一部は、ソラフェニブとトロキサシタビンの特定のホスホロアミデートプロドラッグとの一定の組合せが、肝がん細胞の阻害、及びその増殖の防止に特に有効であるという発見に基づく。この発見は、肝がん(例えばHCC)の領域内での、ソラフェニブとトロキサシタビンのこれらのホスホロアミデートプロドラッグに特異的な相乗効果、又は相加効果より大きい効果と言うことができる。我々は、この有益な相互作用は、肝転移の治療にも広げられると仮定している。
理論に拘束されることは望まないが、我々はさらに、ソラフェニブとトロキサシタビンの特定のホスホロアミデートプロドラッグとの組合せの予期せぬ強い抗発がん活性は、ソラフェニブによって生じる肝組織内の局所低酸素状態がトロキサシタビンプロドラッグからその細胞毒性トリホスフェートへの代謝活性化を増強することになるので、さらに増強されるのであろうとも仮定している。
本発明の更なる側面は、少なくとも一部は、レゴラフェニブとトロキサシタビンの特定のホスホロアミデートプロドラッグとの一定の組合せが、肝がん細胞の阻害、及びその増殖の防止に特に有効であるという発見に基づく。この発見は、肝がん(例えばHCC)の領域内での、レゴラフェニブとトロキサシタビンのこれらのホスホロアミデートプロドラッグに特異的な、相乗効果、又は相加効果より大きい効果と言うことができる。我々は、この有益な相互作用は、肝転移の治療にも広げられると仮定している。
理論に拘束されることは望まないが、我々はさらに、レゴラフェニブとトロキサシタビンの特定のホスホロアミデートプロドラッグとの組合せの予期せぬ強い抗発がん活性は、レゴラフェニブによって生み出される肝組織内の局所低酸素状態がトロキサシタビンプロドラッグからその細胞毒性トリホスフェートへの代謝活性化を増強ことになるので、さらに増強されるのであろうとも仮定している。
従って、本発明は、本明細書中に定義のソラフェニブ及びトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグをヒト又は哺乳動物個体に併用投与することによる、肝がん及び肝転移を治療するための方法及び組成物を提供する。
従って、本発明は、本明細書中に定義のレゴラフェニブ及びトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグをヒト又は哺乳動物個体に併用投与することによる、肝がん及び肝転移を治療するための方法及び組成物を提供する。
ソラフェニブ
本発明は、様々な側面及び態様において、ソラフェニブ(すなわち、ソラフェニブトシレートならびにソラフェニブのその他の薬学的に許容可能な形態、塩、及びエステル)の使用を含む。ソラフェニブは、NEXAVAR(登録商標)として市販されている。これはソラフェニブのトシレートである。ソラフェニブトシレートは、化学名4−(4−{3−[4−クロロ−3(トリフルオロメチル)フェニル]ウレイド}フェノキシ) N−メチルピリジン−2−カルボキサミド 4−メチルベンゼンスルホネートを有し、その構造式は、
Figure 0006968080
である。ソラフェニブトシレートは、分子式C2116ClF x CS及び分子量637.0g/molを有する白色から帯黄色又は帯褐色固体である。ソラフェニブトシレートは、水性媒体に実質的に不溶性、エタノールにわずかに可溶性、そしてPEG400に可溶性である。ソラフェニブは、米国特許第7,235,576号、7,235,576号、7,897,623号及び8,124,630号にも記載されている。
ソラフェニブの用量及び投与は、食物なしで1日2回400mg(2錠)を経口投与することが承認されている。しかしながら、疑わしい有害薬物反応に対処するために治療中断及び/又は用量減が必要なこともある。そのような場合、用量は1日1回400mg又は1日おきに400mgに低減できる(例えば、NEXAVAR(登録商標)経口錠剤に対するFDAラベル、初期U.S.承認:2005参照)。当業者であれば、ソラフェニブの用量及び投与は、医学的に承認されたガイドラインに従えるだけでなく、そのようなガイドラインに対する医学的に容認された逸脱又は変更にも従えることは理解されるであろう。ソラフェニブの用量及び投与に関する更なる説明及び詳細は以下の併用化学療法の項に示す。
本発明は、1個又は複数個の原子が、その/それらの原子の同位体、すなわち同じ原子番号を有するが原子質量がそれとは異なる、典型的には天然に存在する原子によって置換されている化合物も含む。本発明の化合物に組み込まれうる同位体の例は、水素の同位体、例えばH及びH(ジュウテリウムに対してはD及びトリチウムに対してはTとそれぞれ表示される)、炭素の同位体、例えば11C、13C及び14C、窒素の同位体、例えば13N及び15N、酸素の同位体、例えば15O、17O及び18O、リンの同位体、例えば31P及び32P、フッ素の同位体、例えば18F、塩素の同位体、例えば36Cl及び臭素の同位体、例えば75Br、76Br、77Br及び82Brなどであるが、これらに限定されない。同位体標識された化合物は、例えば、H及び14Cなどの放射性同位体が存在するもの、又はH及び13Cなどの非放射性同位体が存在するものを含む。
同位体含有化合物中に含まれる同位体の選択は、その化合物の特定の用途に依存する。例えば、薬物又は基質の組織分布アッセイのため、又は代謝研究においては、H又は14Cなどの放射性同位体が組み込まれた化合物が一般的に最も有用であろう。例えば陽電子放出断層撮影(PET)などの放射性イメージング用途の場合、11C、18F、13N又は15Oなどの陽電子放出同位体が有用であろう。ジュウテリウム、すなわちHのようなより重い同位体の組込みは、本発明の化合物に対するより大きい代謝安定性からもたらされる一定の治療的利益を提供できる。例えば、化合物のインビボ半減期の増大、必要用量の低減又は治療指数の改良が得られうる。
式I又は式Iの任意のサブグループの同位体標識化合物は、一般的に、当業者に公知の慣用技術により、又は適当な同位体標識試薬又は出発材料を対応する非同位体標識試薬又は出発材料の代わりに使用することによる本明細書中のスキーム及び/又は実施例に記載されている方法の類似の方法により、製造することができる。
一態様において、本発明は、ジュウテリウム化オメガジフェニルウレア又はその塩、さらに詳しくはドナフェニブ、4−(4−(3−(4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル)ウレイド)フェノキシ)−N−1’,1’,1’−トリジュウテロメチルピコリンアミド又はその塩、すなわち、構造式:
Figure 0006968080
を有する化合物を含む。ドナフェニブ及びその合成については、例えばWO2011/113367及びWO2014/012480に拡大的に開示されている。
レゴラフェニブ
本発明は、様々な側面及び態様において、レゴラフェニブ(すなわち、レゴラフェニブ一水和物ならびにレゴラフェニブのその他の薬学的に許容可能な形態、塩、及びエステル)の使用を含む。レゴラフェニブは、STIVARGA(登録商標)として市販されている。これはレゴラフェニブの一水和物である。レゴラフェニブ一水和物は、化学名4−[4−({[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]カルバモイル}アミノ)−3−フルオロフェノキシ]−N−メチルピリジン−2−カルボキサミド一水和物を有し、その構造式は、
Figure 0006968080
である。レゴラフェニブ一水和物は、分子式C2115ClF x HO及び分子量500.83g/molを有する固体である。レゴラフェニル一水和物は、水性媒体に実質的に不溶性、アセトニトリル、メタノール、エタノール、及び酢酸エチルにわずかに可溶性、そしてアセトンに難溶性である。レゴラフェニブは、とりわけWO2004/113274、WO2005/000284及びWO2005009961にも記載されている。
トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグ
本発明の範囲内で使用されるトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグは、典型的には、式(I):
Figure 0006968080
[式中、
は、OR11、又はNR5’であり;
は、H又はFであり;
は、H、C−Cアルキル、OH、C(=O)R、O(C=O)R又はO(C=O)ORであり;
5’は、H又はC−Cアルキルであり;
は、C−C22アルキル又はC−Cシクロアルキルであり;
11は、H又はC−Cアルキルであり;
13は、H、フェニル、ピリジル、ベンジル、インドリル又はナフチルであり、前記フェニル、ピリジル、ベンジル、インドリル及びナフチルは、任意に1、2又は3個のR22で置換されていてもよく;
15は、H、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−CシクロアルキルC−Cアルキル、フェニル、ベンジル又はインドリルであり;
15’は、H又はC−Cアルキルであるか;又は
15及びR15’は、それらが結合している炭素原子と一緒になってC−Cシクロアルキレン基を形成し、ここで、各C−Cアルキルは、任意にハロ、OR18及びSR18から選ばれる基で置換されていてもよく、各C−Ccシクロアルキル、C−Cシクロアルキレン、フェニル及びベンジルは、任意にC−Cアルキル、ハロ及びOR18から独立に選ばれる1又は2個の基で置換されていてもよく;
16は、H、C−C10アルキル、C−C10アルケニル、C−Cシクロアルキル、C−CシクロアルキルC−Cアルキル、ベンジル、又はフェニルであり、そのいずれも、任意に、ハロ、OR18及びN(R18からそれぞれ独立に選ばれる1、2又は3個の基で置換されていてもよく;
各R18は、独立に、H、C−Cアルキル、C−Cハロアルキル又はC−Cシクロアルキルであり;
各R22は、ハロ、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cハロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cハロアルコキシ、フェニル、ヒドロキシC−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cアルキルカルボニル、C−Cシクロアルキルカルボニル、C−CアルコキシカルボニルC−Cアルキル、カルボキシC−Cアルキル、ヒドロキシ、アミノ CN、及びNOから独立に選ばれるか、又は隣接する環炭素原子に結合した任意の2個のR22基が一緒になって−O−(CR2323’1−6−O−を形成してもよく;
23及びR23’は、独立に、H又はC−Cアルキルである]によって表される;又はその薬学的に許容可能な塩及び/又は溶媒和物である。
式(I)の化合物は、任意に、薬学的に許容可能な塩及び/又は溶媒和物の形態で、又は遊離形として提供されうる。
本発明の典型的な態様において、Rは、NR5’、例えばNH又はNHC(=O)C−Cアルキルである。
は、典型的にはHである。
好適な態様において、Rは、NHであり、RはHである。
代替の態様において、Rは、NHであり、RはFである。
典型的には、式(I)の化合物において、部分−NHC(R15)(R15')−C(=O)OR16の部分は、天然及び非天然アミノ酸残基を含むアミノ酸エステル残基を形成する。特に興味深いのは、R15'が水素で、R15が、メチル、イソプロピル、イソブチル又はベンジルであるアミノ酸残基である。典型的な構造において、R15’はHであり、R15はC−Cアルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピルである。
15'が水素で、R15が水素以外である化合物において、不斉炭素原子における配置は典型的にはL−アミノ酸の配置であるので、式(Ia)に示された立体化学を有する化合物が提供される。
Figure 0006968080
式Iaの化合物の好適な構造において、R15はメチルである。
式Iaの化合物の更なる構造において、R15はベンジルである。
式Iaの化合物の代表的構造において、
はNHであり;
はHであり;
13は、フェニル、ナフチル又はインドリルであり、そのいずれも、任意に、ハロ、例えばブロモ又はC−Cシクロアルキル、例えばシクロプロピルで置換されていてもよく;
15はC−Cアルキルであり;
16はC−Cアルキルである。
式Iaの化合物の更なる代表的構造において、
はNHであり;
はHであり;
13はナフチルであり;
15はC−Cアルキルであり;
16はC−Cアルキル又はベンジルである。
式Iaの化合物の更なる代表的構造において、
はNHであり;
はHであり;
13はフェニルであり、任意に、その4位で、ハロ、例えばブロモ又はC−Cシクロアルキル、例えばシクロプロピルで置換されていてもよく;
15はメチルであり;
16はC−Cアルキルである。
式Iaの化合物の更なる代表的構造において、
はNHであり;
はHであり;
13はフェニルであり;
15はメチルであり;
16はC−Cアルキルである。
式Iaの化合物の更なる代表的構造において、
はNHであり;
はFであり;
13は、フェニル、ナフチル又はインドリルであり、そのいずれも、任意に、ハロ、例えばブロモ又はC−Cシクロアルキル、例えばシクロプロピルで置換されていてもよく;
15はC−Cアルキルであり;
16はC−Cアルキルである。
式Iaの化合物の更なる代表的構造において、
はNHであり;
はFであり;
13はナフチルであり;
15はC−Cアルキルであり;
16はC−Cアルキル又はベンジルである。
式Iaの化合物の更なる代表的構造において、
はNHであり;
はFであり;
13はフェニルであり、任意に、その4位で、ハロ、例えばブロモ又はC−Cシクロアルキル、例えばシクロプロピルで置換されていてもよく;
15はメチルであり;
16はC−Cアルキルである。
式Iaの化合物の更なる代表的構造において、
はNHであり;
はFであり;
13はフェニルであり;
15はメチルであり;
16はC−Cアルキルである。
更なる構造において、R15及びR15’は、それらが結合している炭素原子と一緒になってC−Cシクロアルキル、例えばシクロプロピル又はシクロブチルを形成する。
16は、典型的には、C−C10アルキル又はC−Cシクロアルキルである。
16の代表的値は、C−Cアルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピルである。R16の好適な値はメチルであり、R16のさらに好適な値はイソプロピルである。
一態様において、R16はC−C10アルキルである。
本態様によるR16の代表的値は、分岐C−Cアルキルを含む。一態様において、R16の分岐点はCである。代替の態様において、R16の分岐点はCである。典型的には、これらの態様に従って、R15’はHであり、R15が結合している炭素原子における立体化学はL-アミノ酸のそれであるので、一般式:
Figure 0006968080
[式中、R161及びR162は、同じ又は異なるC−Cアルキルであり、R163及びR164は、同じ又は異なるC−Cアルキルである]の化合物が提供される。
典型的には、式(Ia’)の化合物において、R16はペンタン−2−イル、すなわち、R161はプロピルであり、R162はメチルである。
式(Ia’)の化合物の更なる典型的構造において、R16はブタン−2−イル、すなわち、R161はエチルであり、R162はメチルである。
典型的には、式(Ia”)の化合物において、R16は2−プロピルペンチル又は2−エチルブチル、すなわち、R163及びR164は、どちらもそれぞれプロピル又はエチルである。
16の更なる代表的値は、C−Cシクロアルキル、例えばシクロヘキシルを含む。
16の更なる代表的値は、シクロペンチルである。
16の更なる代表的値は、ベンジルである。
13は、典型的には、フェニル、ナフチル又はインドリルであり、そのいずれも、任意に1又は2個のR22で置換されていてもよい。
本発明の一態様において、R13は、フェニル又はナフチルであり、そのいずれも、任意に置換されていてもよい。
本発明の一態様において、R13はナフチルである。
本発明の好適な態様において、R13はフェニルである。
13の代表例は、任意に1、2又は3個のR22で置換されていてもよいフェニルを含むので、式(II):
Figure 0006968080
[式中、各R22は、存在する場合、ハロ、C−Cアルキル、C−Cアルケニル及びC−Cアルコキシから独立に選ばれる]の化合物が提供される。典型的には、フェニル環は非置換であるか又は1個のR22で置換されている。
式(II)の化合物の一つの構造において、フェニル環は非置換である。
式(II)の化合物の更なる構造において、フェニル環は1個のR22で置換されている。典型的には、この構造において、置換基R22は、フェニル環の4位に位置している。
本発明の化合物の一態様において、R13は、4位で、ハロ、例えばブロモ又はC−Cシクロアルキル、例えばシクロプロピルで置換されたフェニルである。
式(II)の化合物の一つの構造において、フェニル環は、C−CアルコキシカルボニルC−Cアルキルで置換されている。この構造の代表例を部分式:
Figure 0006968080
[式中、R30は、C−Cアルキル、例えばメチル又はイソプロピルである]に示す。
式(II)の化合物の更なる構造において、フェニル環は、隣接炭素原子上に位置する2個のR22で置換され、2個のR22が一緒になって−O−CH−O−を形成すると、部分構造:
Figure 0006968080
が形成される。
13の更なる代表的値は、任意に置換されていてもよいピリジルを含む。典型的には、ピリジル部分は、非置換であるか又はハロ、C−Cハロアルキル、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルコキシ、ヒドロキシ、アミノからそれぞれ独立に選ばれる1又は2個の置換基で置換されている。
式(I)の化合物の典型的な態様において、
は、NH又はNHC(=O)C−Cアルキルであり;
13は、フェニル、ナフチル又はインドリルで、そのいずれも任意にハロ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル又はC−Cハロアルキルで置換されていてもよく;
15’はHであり、R15は、C−Cアルキル又はベンジルであり;
16は、C−C10アルキル又はC−Cシクロアルキルである。
式(I)又は(Ia)の化合物の典型的な態様において、
は、NH又はNHC(=O)C−Cアルキルであり;
13は、フェニル又はナフチルで、そのいずれも任意にハロ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cシクロアルキル又はC−Cハロアルキルで置換されていてもよく;
15’はHであり、R15は、C−Cアルキル又はベンジルであり;
16は、C−C10アルキル又はC−Cシクロアルキルである。
式(I)の化合物の更なる典型的な態様において、
はNHであり;
はHであり;
13はフェニルであり;
15’はHであり、R15は、C−Cアルキルであり;
16は、C−Cアルキル又はシクロヘキシルである。
式(I)又は(Ia)の化合物の更なる典型的な態様において、
はNHであり;
はHであり;
13はフェニルであり;
15’はHであり、R15は、C−Cアルキル又はベンジルであり;
16は、C−Cアルキル、シクロペンチル又はシクロヘキシルである。
好適な態様において、本発明は、ヒト又は哺乳動物における肝がん又は肝転移の治療法を提供し、該方法は、肝がん又は肝転移の治療において、ソラフェニブと、式:
Figure 0006968080
[式中、Yは、C−C直鎖又は分岐鎖アルキルであり、Xは、H、ハロ、C−Cシクロアルキル又はC−Cアルキルであり、Zは、H又はフルオロである]を有するトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグ、又はその薬学的に許容可能な塩を組み合わせて投与することを含む(本明細書においてさらに定義されている通り)。
更なる態様において、本発明は、ヒト又は哺乳動物における肝がん又は肝転移の治療法を提供し、該方法は、肝がん又は肝転移の治療において、レゴラフェニブと、式:
Figure 0006968080
[式中、Yは、C−C直鎖又は分岐鎖アルキルであり、Xは、H、ハロ、C−Cシクロアルキル又はC−Cアルキルであり、Zは、H又はフルオロである]を有するトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグ、又はその薬学的に許容可能な塩を組み合わせて投与することを含む(本明細書においてさらに定義されている通り)。
一定の態様において、トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグは、立体化学:
Figure 0006968080
[式中、X、Y及びZは上記定義の通り]を有する。
好適な態様において、ZはHである。
一定の態様において、
a)XはHであり、Yは2−プロピルペンチルである;
b)XはHであり、Yは(S)−ペンタン−2−イルである;
c)XはBrであり、Yは(S)−ペンタン−2−イルである;
d)XはHであり、Yは(R)−sec−ブチルである;
e)XはHであり、Yは2−エチルブチルである;
f)Xはシクロプロピルであり、Yは(S)−ペンタン−2−イルである;又は
g)Xはt−ブチルであり、Yは(S)−ペンタン−2−イルである;
いずれの場合も特にZがHの場合である。
代替の態様において、トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグは、立体化学:
Figure 0006968080
[式中、X、Y及びZは上記定義の通り]を有する。
好適な態様において、ZはHである。
一定の態様において、
a)XはHであり、Yは2−プロピルペンチルである;
b)XはHであり、Yは(S)−ペンタン−2−イルである;
c)XはBrであり、Yは(S)−ペンタン−2−イルである;
d)XはHであり、Yは(R)−sec−ブチルである;
e)XはHであり、Yは2−エチルブチルである;
f)Xはシクロプロピルであり、Yは(S)−ペンタン−2−イルである;又は
g)Xはt−ブチルであり、Yは(S)−ペンタン−2−イルである;
いずれの場合も特にZがHの場合である。
一定の態様において、トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグは、下記化合物:
Figure 0006968080
から選ばれる。
典型的な態様において、トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグは、下記化合物:
Figure 0006968080
から選ばれる。
トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグの合成法は、PCT/EP2015/069370に拡大的に記載及び例示されており、その内容は引用によってその全文を援用する。
肝がん
本発明は、様々な側面及び態様において、ヒトなどの霊長類でありうる対象の肝がんの治療に適用可能である。対象は哺乳動物、例えばマウス以外の哺乳動物でありうる。対象は成年のヒト(すなわち18歳以上)、又は若年のヒト(すなわち18歳未満)でありうる。
様々な態様において、肝がん(例えばHCC)はソラフェニブに耐性を示さない。あるいは、肝がん(例えばHCC)は、ソラフェニブに対して一次又は二次耐性を有しうる。対象は、トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグの不在下でソラフェニブに応答できる。対象は、トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグの不在下でソラフェニブに応答できない。一部の態様において、対象は、少なくとも2、4、6、8、10ヶ月、又はそれ以上継続的にソラフェニブによる前治療を受けている。他の態様において、対象は、ソラフェニブに対する一つ又は複数の重大な有害副作用を経験しており、そのために用量の低減が必要な患者である。
様々な態様において、肝がん(例えばHCC)はレゴラフェニブに耐性を示さない。あるいは、肝がん(例えばHCC)は、レゴラフェニブに対して一次又は二次耐性を有しうる。対象は、トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグの不在下でレゴラフェニブに応答できる。対象は、トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグの不在下でレゴラフェニブに応答できない。一部の態様において、対象は、少なくとも2、4、6、8、10ヶ月、又はそれ以上継続的にレゴラフェニブによる前治療を受けている。他の態様において、対象は、レゴラフェニブに対する一つ又は複数の重大な有害副作用を経験しており、そのために用量の低減が必要な患者である。
様々な態様において、肝がん(例えばHCC)は、中間期、進行期、又は末期である。肝がん(例えばHCC)は、転移性又は非転移性でありうる。肝がん(例えばHCC)は、切除可能又は切除不能でありうる。肝がん(例えばHCC)は、単発性腫瘍、多発性腫瘍、又は浸潤性増殖パターン(門脈又は肝静脈への)を有する境界の不明瞭な腫瘍を含みうる。肝がん(例えばHCC)は、線維層板状(fibrolamellar)、偽腺性(腺様)、多形性(巨細胞)、又は明細胞パターンを含みうる。肝がん(例えばHCC)は、高分化型を含み得、腫瘍細胞は肝細胞に類似し、小柱(trabeculae)、コード、及びネストを形成し、及び/又は細胞質に胆汁色素を含有する。肝がん(例えばHCC)は、低分化型を含み得、悪性上皮細胞は、非付着性(discohesive)、多形性、未分化、及び/又は巨大である。一部の態様において、肝がん(例えばHCC)は、B型肝炎、C型肝炎、肝硬変、又は2型糖尿病と関連している。
一部の態様において、対象は、米国東海岸がん臨床試験グループ(Eastern Cooperative Oncology Group,ECOG)の全身状態(performance status)<2を有するヒトである。
一部の態様において、対象は、下記のように定義される容認可能な肝機能を有するヒトである。(i)総ビリルビン<正常上限(ULN)の1.5倍;肝細胞がんのみの患者の場合、総ビリルビン<3mg/dL(すなわち、ビリルビンのチャイルド・ピュー・スコア(Child-Pugh Score)が2を超えない);(ii)アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)及びアルカリホスファターゼ(ALP)<5×ULN;又は(iii)容認可能な腎機能、すなわち血清クレアチニン<ULNの1.5倍、又はクレアチニン値が機関正常値の1.5倍より高い患者の場合、算出クレアチニン・クリアランスが>60mL/分/1.73m
一部の態様において、対象は、下記のように定義される容認可能な血液学的状態を有するヒトである。(i)絶対好中球数(ANC)>1500細胞/mm;(ii)血小板数>100,000pits/mm(輸血なし);肝細胞がんのみの患者の場合>75,000pits/mm;又は(iii)ヘモグロビン>9g/dL。
一部の態様において、対象は、プロトロンビン時間(PT)又は国際標準化比(INR)<1.25×ULN;INR<1.7又はプロトロンビン時間(PT)又は<ULNより4秒上(すなわち、凝固パラメーターに関してチャイルド・ピュー・スコアが1を超えない);又は血清アルブミン>2.8g/dL(すなわち、アルブミンに関するチャイルド・ピュー・スコアが2を超えない)を有するヒトである。
一部の態様において、対象は、プロトロンビンのチャイルド・ピュー・クラスA(スコア5−6)疾患を有するヒトである。チャイルド・ピュー・クラスの決定に関し、肝性脳症のスコアは1でなければならず;腹水のスコアは2を超えず、臨床的に無関係でなくてはならない。
一部の態様において、対象は、ニューヨーク心臓協会(NYHA)クラスIII又はIVの心疾患、過去6ヶ月以内に心筋梗塞、不安定及び/又は症候性不整脈、又はECG上で虚血の証拠を持たないヒトである。
一部の態様において、対象は、全身療法を必要とする活動性の制御されていない細菌、ウィルス、又は真菌感染を持たない。
一部の態様において、対象は、妊婦又は授乳婦でないヒトである。
一部の態様において、対象は、ヒト免疫不全ウィルス(HIV)による既知の感染を持たないヒトである。
一部の態様において、対象は、療法に支障を来しかねない重症の非悪性疾患(例えば、水腎症、肝不全、又はその他の状態)を持たないヒトである。
一部の態様において、対象は、最近の出血歴がないヒト及び凝固障害又は構造異常による出血傾向がある患者である。
一部の態様において、対象は、クマリン型抗凝固薬の治療用量による治療を必要としないヒトである。
一部の態様において、対象は、チャイルド・ピューのB又はCに分類される肝硬変を持たないヒトである。
一部の態様において、対象は、アルファ−フェトプロテイン(AFP)>10、50、100、200、300、400、又は500ng/mLを有するヒトである。
一部の態様において、対象は、上昇した(>10%)AFP−L3レベルを持つヒトである。
一部の態様において、対象は、デス−ガンマ−カルボキシ(Des-Gamma-Carboxy)(異常)プロトロンビン(DCP)>5、7.5、10、25、50、75、又は100ng/mLを有するヒトである。
一部の態様において、対象は、異常レベルの上皮増殖因子受容体(EGFR)(erbB−1)、c−erb−2(Her−2/neu)、c−erb−3(HER−3)、c− erb−4(HER−4)、又はそれらの組合せを有するヒトである。[00100]一部の態様において、対象は、異常レベルのアルファ−フェトプロテイン(AFP);グリピカン−3(GPC3);デス−ガンマ−カルボキシ(異常)プロトロンビン(DCP);血清ガンマ−グルタミルトランスフェラーゼ(GGT);アルファ−l−フコシダーゼ(AFU);ヒトカルボニルレダクターゼ2;ゴルジホスホプロテイン2(GOLPH2);形質転換増殖因子−ベータ(TGF−ベータ);腫瘍特異的増殖因子(TSGF);肝細胞増殖因子/分散因子(HGF/SF);塩基性線維芽細胞増殖因子;アルファ−フェトプロテインmRNA(AFP mRNA);ガンマ−グルタミルトランスフェラーゼmRNA(GGT mRNA);インスリン様成長因子II(IGF−II)mRNA;アルブミンmRNA;DK 1;ゴルジタンパク質73(GP73);ビタミンK欠乏又はアンタゴニストIIによって誘導されたタンパク質(PIVKA−II);miR−122、miR−192、miR−21、miR−223、miR−26a、miR−27a、及びmiR−801、又はそれらの組合せを有するヒトである。
様々な態様において、側面及び態様のいずれも、下記の任意の一つ又は複数の特徴と組み合わせることができる。例えば:
一部の態様において、肝がんは原発性肝がんである。
一部の態様において、肝がんは肝細胞がん(HCC)である。
一部の態様において、肝がんは肝内胆管がんである。
一部の態様において、肝転移は大腸がん由来であるが、乳がん、食道がん、肺がん、メラノーマ、膵がん、及び胃がん由来でもある。
併用化学療法
本明細書において、“併用投与”という用語は、ソラフェニブとトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグ又はレゴラフェニブとトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグを、ヒト又は哺乳動物に、錠剤又は経口懸濁液などの共通の投与単位に入れて同時投与する状況だけに限定されないが、そのような共通の投与単位は、投与の利便性、患者のコンプライアンス及び用量の正確さに関して利益を有しうる。
より典型的には、個別投与単位のソラフェニブとトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグ又はレゴラフェニブとトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグは、処方医のより自由な用量較正を可能にする。ソラフェニブの場合、現在市販されている製品は、Nexavar(登録商標)フィルムコート錠200mgを含む。レゴラフェニブの場合、現在市販されている製品は、Stivarga(登録商標)フィルムコート錠40mgを含む。
ソラフェニブの投与量及び/又は投与スケジュールは、臨床的に承認された、又は実験的な、ガイドラインに従うことができる。様々な態様において、ソラフェニブの用量は、約800、600、400、又は200mg/日である。200mg/日の用量は、1日おきに400mg用量として投与することができる。若年者及び高齢者などの低体重の個人は、一般的に部分錠剤で投与される。
レゴラフェニブの投与量及び/又は投与スケジュールは、臨床的に承認された、又は実験的な、ガイドラインに従うことができる。様々な態様において、レゴラフェニブの用量は、約640、480、320、又は160mg/日である。160mg/日の用量は、1日おきに320mg用量として投与することができる。若年者及び高齢者などの低体重の個人は、一般的に部分錠剤で投与される。
トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグは、一般的に経口投与される。最も典型的には、1個又は数個の錠剤又はカプセルとして経口投与され、それぞれ10mg〜600mgの医薬品有効成分を含有している。代表的な錠剤又はカプセルは、25mg〜500mg、又は50mg〜450mg、又は100mg〜400mg、例えば150mg〜400mg、200mg〜500mg、又は250mg〜500mgを含有しうる。
様々な態様において、トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグは、対象に単一週(7日間)にわたって1、2、3、4、5、6、又は7回の日用量で投与される。トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグは、対象に14日間にわたって1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、又は14回の日用量で投与することもできる。トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグは、対象に21日間にわたって1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、又は21回の日用量で投与することもできる。トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグは、対象に28日間にわたって1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、又は28回の日用量で投与することもできる。
様々な態様において、トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグは、2週間服薬(合計14日間);1週間服薬+1週間休薬(合計14日間);連続3週間服薬(合計21日間);2週間服薬+1週間休薬(合計21日間);1週間服薬+2週間休薬(合計21日間);連続4週間服薬(合計28日間):連続3週間服薬+1週間休薬(合計28日間);2週間服薬+2週間休薬(合計28日間);1週間服薬+連続3週間休薬(合計28日間)で投与される。
様々な態様において、トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグは、7、14、21又は28日サイクルの1日目に投与される;21又は28日サイクルの1及び15日目に投与される;21又は28日サイクルの1、8、及び15日目に投与される;又は21又は28日サイクルの1、2、8、及び15日目に投与される。トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグは、1、2、3、4、5、6、7、又は8週間ごとに1回投与することもできる。
ソラフェニブとトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグは、共通の投与単位又は個別の投与単位として実質的に同時に投与されうるか、又は併用投与は、ソラフェニブとトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグを別個のサイクルで時差式(staggered)又は交互(alternating)に行うのでもよい。例えば、毎日のソラフェニブの連続週間サイクルに、毎日のトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグの1、2、3、5又は7日間サイクルを散在させることができる。
あるいは、一つの薬剤、例えばソラフェニブ成分の負荷用量を、例えば肝臓内の局所低酸素状態を構築するために開始した後、トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグとの同時投与を開始することもできる。
ソラフェニブとトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグ間の標的モル比又はmg比を参照することにより、時差式併用投与をモニターするのが好都合であろう。様々な態様において、比率(例えば、ソラフェニブ:トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグのモル比)は、約20:1〜1:20、例えば5:1、2:1、1:1、1:2、1:5又は1:10である。
ソラフェニブ:トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグのモル比は、様々な期間にわたって測定できる。例えば、モル比は、対象に、1日、1週間、14日間、21日間、又は28日間に投与されるソラフェニブ:トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグの量でありうる。
一定の態様に従って、本発明の方法は、ソラフェニブとトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグを、それぞれ同じ日に毎日(QD、BID又はTIDとして)投与することを想定している。
そのような態様において、ソラフェニブとトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグは、共通の経口投与単位、例えばカプセル、ソフトゲルカプセル又は錠剤で同時送達できる。
他の態様において、本発明の方法は、ソラフェニブとトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグを、別の経口投与単位として投与することを想定している。
直前の段落の代表的態様において、ソラフェニブの投与単位(一つ又は複数)とトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグの投与単位(一つ又は複数)は、患者の快適性のために、任意の所与の日に少なくとも6時間空けて、好ましくは少なくとも8時間及び典型的にはおよそ12時間空けて投与される。
本発明の方法の一定の態様は、ソラフェニブとトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグを、1〜28日間の単剤療法サイクルで、任意に1〜28日間の治療休止期間を散在させて、交互に投与することを想定している。
本明細書において、ソラフェニブ又はトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグの“単剤療法”とは、トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグのサイクル中にソラフェニブを投与せず、逆もまた同じであることを意味する。単剤療法は、その他の治療薬(その他の抗がん剤又は緩和剤を含む、すべては責任医師の定める通り)の同時投与を排除しない。
レゴラフェニブとトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグは、共通の投与単位としては個別の投与単位として実質的に同時に投与されうるか、又は併用投与は、レゴラフェニブとトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグを別個のサイクルで時差式(staggered)又は交互(alternating)に行うのでもよい。例えば、毎日のレゴラフェニブの連続週間サイクルに、毎日のトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグの1、2、3、5又は7日間サイクルを散在させることができる。
あるいは、一つの薬剤、例えばレゴラフェニブ成分の負荷用量を、例えば肝臓内の局所低酸素状態を構築するために開始した後、トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグとの同時投与を開始することもできる。
レゴラフェニブとトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグ間の標的モル比又はmg比を参照することにより、時差式併用投与をモニターするのが好都合であろう。様々な態様において、比率(例えば、レゴラフェニブ:トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグのモル比)は、約20:1〜1:20、例えば5:1、2:1、1:1、1:2、1:5又は1:10である。
レゴラフェニブ:トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグのモル比は、様々な期間にわたって測定できる。例えば、モル比は、対象に、1日、1週間、14日間、21日間、又は28日間に投与されるレゴラフェニブ:トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグの量でありうる。
一定の態様に従って、本発明の方法は、レゴラフェニブとトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグを、それぞれ同じ日に毎日(QD、BID又はTIDとして)投与することを想定している。
そのような態様において、レゴラフェニブとトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグは、共通の経口投与単位、例えばカプセル、ソフトゲルカプセル又は錠剤で同時送達できる。
他の態様において、本発明の方法は、レゴラフェニブとトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグを、別の経口投与単位として投与することを想定している。
直前の段落の代表的態様において、レゴラフェニブの投与単位(一つ又は複数)とトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグの投与単位(一つ又は複数)は、患者の快適性のために、任意の所与の日に少なくとも6時間空けて、好ましくは少なくとも8時間及び典型的にはおよそ12時間空けて投与される。
本発明の方法の一定の態様は、レゴラフェニブとトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグを、1〜28日間の単剤療法サイクルで、任意に1〜28日間の治療休止期間を散在させて、交互に投与することを想定している。
本明細書において、レゴラフェニブ又はトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグの“単剤療法”とは、トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグのサイクル中にレゴラフェニブを投与せず、逆もまた同じであることを意味する。単剤療法は、その他の治療薬(その他の抗がん剤又は緩和剤を含む、すべては責任医師の定める通り)の同時投与を排除しない。
本明細書において、例えば比率、用量、時間などの範囲の記載に関し、“約”という用語は、関連誤差の範囲内にある、本質的に同じ(例えば、正規又はガウス分布に従う現象に関しては当該技術分野で許容される信頼区間、例えば95%の範囲内)、又はさもなければ定量される物事の効果を実質的に変化させない変動を包含する。
ソラフェニブ−トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグ療法又はレゴラフェニブ−トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグ療法のコースは医師によって処方できる。トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグ(従って併用療法)は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、又は12サイクル投与できる。
ソラフェニブ−トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグ療法又はレゴラフェニブ−トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグ療法のコースは、臨床的エンドポイントを満たすまで継続できる。一部の態様において、療法は、疾患の進行又は容認できない毒性が発生するまで継続される。一部の態様において、療法は、肝がん(例えばHCC)の不在と定義される病理学的完全奏功(pCR)率を達成するまで継続される。一部の態様において、療法は、肝がんの部分又は完全寛解まで継続される。HCCを有する複数の対象へのトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグとレゴラフェニブの投与は、全生存(OS)、無進行生存(PFS)、無病生存(DFS)、奏功率(RR)、生活の質(QoL)、又はそれらの組合せを向上させる。
様々な態様において、治療は、肝がん腫瘍のサイズ及び/又は数を低減する。治療は、肝がん腫瘍のサイズ及び/又は数の増大を防止できる。治療は、肝がん腫瘍の転移を防止できる。
本発明の方法において、投与は、何らかの特定の送達システムに限定されず、非経口(皮下、静脈内、髄内、関節内、筋肉内、又は腹腔内注射を含む)、直腸、局所、経皮、又は好ましくは経口(例えば、カプセル、懸濁液、又は錠剤で)を含みうるが、これらに限定されない。
個人(個体)への投与は、単回投与又は反復投与で、及び任意の様々な生理学的に許容可能な塩形で、及び/又は医薬組成物の一部としての許容可能な製薬学的担体及び/又は添加剤と共に行われうる。
生理学的に許容可能な塩形及び標準的な製薬技術、投与量、及び賦形剤は、当業者には周知である(例えば、Physicians’Desk Reference(PDR(登録商標))2005,第59版,Medical Economics Company,2004;及びRemington:The Science and Practice of Pharmacy,Gennadoら編,第21版,Lippincott,Williams & Wilkins,2005参照)。
さらに、一つの動物で達成された有効用量は、当該技術分野で公知の換算係数を用いてヒトを含む別の動物で使用するために外挿できる。例えば、Freireichら,Cancer Chemother Reports 50(4):219−244(1966)及び等価表面積投与量係数(equivalent surface area dosage factors)に関する下記表参照。
Figure 0006968080
本発明の併用療法は、任意の特定のコース又はレジメンに特に限定されず、別個に又は他の治療法(例えば化学療法又は放射線療法)と組み合わせて使用することもできる。
本発明による併用療法は、ソラフェニブとトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグ又はレゴラフェニブとトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグ以外の追加の療法(例えば、医薬、放射線など)を含むことができる。同様に、本発明は補助療法として使用することもできる(例えば手術と組み合わせる場合)。様々な態様において、対象は、外科的切除、経皮エタノール又は酢酸注入、肝動脈化学塞栓術、高周波アブレーション、レーザーアブレーション、冷凍アブレーション、集光式外照射定位放射線療法(focused external beam radiation stereotactic radiotherapy)、選択的内部放射線療法、動脈内ヨウ素−131−リピオドール投与、及び/又は高強度集束超音波によっても治療される。
トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグとソラフェニブの組合せは、補助療法、新補助(ネオアジュバント)療法、併用(concomitant)療法、同時(concurrent)療法、又は緩和療法として使用できる。トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグとソラフェニブの組合せは、 第一選択療法、第二選択療法、又はクロスオーバー療法として使用できる。
トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグとレゴラフェニブの組合せは、補助療法、新補助(ネオアジュバント)療法、併用療法、同時療法、又は緩和療法として使用できる。トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグとレゴラフェニブの組合せは、 第一選択療法、第二選択療法、又はクロスオーバー療法として使用できる。
一部の態様において、ソラフェニブの治療有効用量は、トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグとの併用を通じて削減される。例えば、ソラフェニブの週間又は月間用量は、最大推奨用量又は最大耐量と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又はそれ以上削減できる。他の態様において、ソラフェニブは、トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグ投与がない場合に有効であるために必要とされる用量より少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、又はそれ以上少ない有効用量で投与される。一部の態様において、ソラフェニブのIC50は、トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグ不在下でのIC50と比べて少なくとも4、5、10、20、30、40、50、又は100倍減少する。
一部の態様において、レゴラフェニブの治療有効用量は、トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグとの併用を通じて削減される。例えば、レゴラフェニブの週間又は月間用量は、最大推奨用量又は最大耐量と比較して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%又はそれ以上削減できる。他の態様において、レゴラフェニブは、トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグ投与がない場合に有効であるために必要とされる用量より少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、又はそれ以上少ない有効用量で投与される。一部の態様において、レゴラフェニブのIC50は、トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグ不在下でのIC50と比べて少なくとも4、5、10、20、30、40、50、又は100倍減少する。
併用療法の更なる説明及び態様を以下の実施例の項に示す。
本発明の例示的態様を添付の図面を参照しながら以下の実施例に記載する。
図1Aは、ソラフェニブと、(2S)−2−プロピルペンチル 2−(((((2S,4S)−4−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−1,3−ジオキソラン−2−イル)メトキシ)−(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエートと表示されるトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグの単一のリン立体異性体との組合せの薬物濃度/活性アレイを示す。 図1Bは、図1Aのデータから誘導された3D相乗作用のプロットを示す。 図2Aは、ソラフェニブと、(2S)−(R)−sec−ブチル 2−(((((2S,4S)−4−(4−アミノ−5−フルオロ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−1,3−ジオキソラン−2−イル)メトキシ)−(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエートと表示されるトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグの単一のリン立体異性体との組合せの薬物濃度/活性アレイを示す。 図2Bは、図2Aのデータから誘導されたi3D相乗作用のプロットを示す。 図3Aは、ソラフェニブと、(2S)−2−プロピルペンチル 2−(((((2S,4S)−4−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−1,3−ジオキソラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエートと表示されるトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグの単一のリン立体異性体との組合せの薬物濃度/活性アレイを示す。 図3Bは、図3Aのデータから誘導されたi3D相乗作用のプロットを示す。 図4Aは、ソラフェニブと、(2S)−(S)−ペンタン−2−イル 2−(((((2S,4S)−4−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−1,3−ジオキソラン−2−イル)メトキシ)(4−ブロモフェノキシ)ホスホリル)アミノ)プロパノエートと表示されるトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグの単一のリン立体異性体との組合せの薬物濃度/活性アレイを示す。 図4Bは、図4Aのデータから誘導されたi3D相乗作用のプロットを示す。 図5Aは、ソラフェニブと、(2S)−(R)−sec−ブチル 2−(((((2S,4S)−4−(4−アミノ−2−オキソピリミジン−1(2H)−イル)−1,3−ジオキソラン−2−イル)メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル)アミノ)−3−メチルブタノエートと表示されるトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグの単一のリン立体異性体との組合せの薬物濃度/活性アレイを示す。 図5Bは、図5Aのデータから誘導されたi3D相乗作用のプロットを示す。
当業者であれば、本発明の精神又は範囲を変更することなく実施されうる多数の修正及び変更に気付くであろう。そのような修正及び変更も本発明の範囲内に包含される。実施例は本発明を制限するものでは決してない。
細胞培養におけるコンビナトリアル評価のための一般的手順
継代培養:
ヒト肝細胞がん分析のため、DSMZ(ACC93)から入手した細胞株Hep3Bを使用した。Hep3B細胞を、培養培地として90%MEM(Earle塩入り)+10% h.i.FBS+2mM L−グルタミン+50u/mlペニシリン/0,05mg/mlストレプトマイシン中、単層で上皮様細胞として培養した。コンフルエント培養物を3〜5日ごとにトリプシン/EDTAを用いて1:4〜1:10に分割し、0.5〜1×10細胞/80cmで再播種した。
材料:
フェノールレッドを含まない完全細胞培地を使用した:
フェノールレッドを含まないDMEM
10%FCS
50u/mlペニシリン/0,05mg/mlストレプトマイシン
トリプシン−EDTA PAA カタログ番号 L11−004、Fisher Scientificより入手
付着細胞用細胞アッセイプレート、96−ウェル、カタログ番号128009296、Fisher Scientificより入手
シールテープ、Nuncカタログ番号732 610、VWRより入手
試験化合物:
化合物はDMSO(Carlo Erba Reactifs−SDS、カタログ番号03502T16)中に10mMまでのストック溶液として調製
細胞増殖の分析:
Cell Counting Kit(細胞計数キット)−8 CK04、Dojindoより入手
機器:
Echo 550 Acoustic Liquid handler(音響液体ハンドラー)、Labcyte社製
Tecanサンライズ、分光光度計
ソフトウェア(シェアウェア):
MacSynergy II https://www.uab.edu/medicine/peds/macsynergyよりダウンロード(Prichard,M.N.及びC.Shipman,Jr.1990.(Review) A three−dimensional model to analyze drug−drug interactions(薬物−薬物相互作用を分析するための3次元モデル). Antiviral Res.14:181−206)
試験手順:
1日目、細胞播種:
細胞培養フラスコを5mlのPBSで2回洗浄し、PBSを廃棄した。1.5mlのトリプシンを加え、フラスコをインキュベーターに3〜4分間入れた。フラスコを振盪し、10mlのDMEM、10%FCS、50μ/mlペニシリン/0,05mg/mlストレプトマイシンをフェノールレッドなしで加えた。細胞をScepter細胞カウンターでカウントし、Hep3B細胞をフェノールレッドなしの完全細胞培地中で20×10細胞/mlに希釈した。100μl細胞懸濁液/ウェルを96ウェル細胞アッセイプレートに播種した。各組合せにつき、プレートを2重に複製した。
2日目、試験化合物添加:
試験化合物を1:3の希釈系列で5μMから0.00076μMまで又は10μMから0.0015μMまでのいずれかの9種類の濃度で試験した。ソラフェニブは1:2の希釈系列で20μMから0.31μMまでの7種類の濃度で試験した。4個の希釈プレートをEcho機器を用いて調製した。
化合物の希釈は、所望最終濃度の2倍であった。希釈プレート中の各ウェル中の容量は化合物入り培地125μlである。
様々な濃度の化合物入り希釈プレートから100μlを100μl入り細胞アッセイプレートの対応ウェルに移した(合計容量200μl/ウェル)。プレートを37℃、5%COで6日間インキュベートした。
7日目、プレートの読み:
10μlのCCK Kit−8をマルチチャンネルピペットを用いて各ウェルに加えた(先端を各ウェルの水面下に浸漬)。プレートを37℃、5%COで4時間インキュベートした。
シールテープをプレート上面に付け、プレート内容物を穏やかに混合した。
プレートを分光光度計で、参照フィルター650nmを用い、波長450nmで読んだ。ビヒクル処置細胞対照の場合、平均吸光度は>1〜<3であった。
各組合せの2個のプレートからの生データをMac Synergy IIシェアウェアに入力することにより、併用効果が算出され、3Dの用量−反応面グラフにプロットされた。理論的な相加相互作用は、各薬物個別の用量反応曲線から計算する。計算された相加面を、実験的に決定された用量反応面から差し引くと、非相加活性の領域が明らかになる。最終結果は、MacSynergy IIのマニュアルに示されたガイドラインに従って相乗作用又は拮抗作用の容量(μM%)として示される。
相乗作用容量:
1.95%信頼度で25μM%未満の相乗作用又は拮抗作用の値(対数容量<2)は有意でないと見なされるべきであり、おそらく重要でない。
2.25μM%〜50μM%の間の値(対数容量>2〜<5)は微小ではあるが有意量の相乗作用と見なされるべきである。
3.50μM%〜100μM%の間の値(対数容量>5〜<9)は中程度の相乗作用又は拮抗作用を示す。この相互作用はインビボでは重要でありうる。
4.100μM%を超える値(対数容量>9)は強い相乗作用を示し、おそらくインビボで重要である。
ソラフェニブとトロキサシタビンホスホロアミデートプロドラッグの組合せのインビボ評価のための一般的手順
ソラフェニブと組み合わせたトロキサシタビンホスホロアミデートプロドラッグ処置の効果は、肝細胞がん(HCC)の皮下異種移植片モデルでインビボ評価できる。このモデルは、免疫不全マウスの左脇腹へのHCC細胞(例えば、Hep3B、Huh−7又はHepG2)の接種に基づいている。腫瘍容積を週3回くらい評価し、化合物による処置は、典型的には100〜200mmの腫瘍サイズで開始する。典型的な研究は4群(n=10匹のマウス/群)からなる。
1)ビヒクル(対照)、
2)トロキサシタビンホスホロアミデートプロドラッグ、
3)ソラフェニブ単独及び
4)ソラフェニブと組み合わせたトロキサシタビンホスホロアミデートプロドラッグ
トロキサシタビンホスホロアミデートプロドラッグを経口胃管投与により25〜100mg/kgの用量で1日1又は2回、5〜21日間与える。あるいは、齧歯類血液中で迅速な代謝を有するプロドラッグの場合、相乗作用はトロキサシタビン親化合物を2.5〜25mg/kgの用量で1日1又は2回、腹腔内(i.p.)投与することによってモデル化することもできる。ソラフェニブは、経口胃管投与により1日1回、10〜50mg/kgの用量で合計21日間与える。腫瘍増殖は、処置期間中及び処置中止後(該当する場合)に評価する。腫瘍増殖の阻害及び腫瘍増殖の遅延を計算し、対照群と比べて処置の有意な効果を評価するために統計分析を実施する。
実施例1
ソラフェニブと、式:
Figure 0006968080
を有するトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグ(リン原子における単一の立体異性体である)を上記のコンビナトリアル細胞培養アッセイで分析した。図1Aは、二つの化合物の各濃度配列で測定された細胞毒活性を示す。図1Bは、MacSynergy IIによって計算された3D相乗作用プロットを示し、95%の信頼度で対数容量76という結論は、強力な抗増殖相乗作用に対応している。
実施例2
ソラフェニブと、式:
Figure 0006968080
を有するトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグ(リン原子における単一の立体異性体である)を上記のコンビナトリアル細胞培養アッセイで分析した。図2Aは、二つの化合物の各濃度配列で測定された細胞毒活性を示す。図2Bは、MacSynergy IIによって計算されたアイソボログラムを示し、95%の信頼度で対数容量11という結論は、強力な抗増殖相乗作用に対応している。
実施例3
ソラフェニブと、式:
Figure 0006968080
を有するトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグ(リン原子における単一の立体異性体である)を上記のコンビナトリアル細胞培養アッセイで分析した。図3Aは、二つの化合物の各濃度配列で測定された細胞毒活性を示す。図3Bは、MacSynergy IIによって計算された3D相乗作用プロットを示し、95%の信頼度で対数容量32という結論は、強力な抗増殖相乗作用に対応している。
実施例4
ソラフェニブと、式:
Figure 0006968080
を有するトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグ(リン原子における単一の立体異性体である)を上記のコンビナトリアル細胞培養アッセイで分析した。図4Aは、二つの化合物の各濃度配列で測定された細胞毒活性を示す。図4Bは、MacSynergy IIによって計算されたアイソボログラムを示し、95%の信頼度で対数容量40という結論は、強力な抗増殖相乗作用に対応している。
実施例5
ソラフェニブと、式:
Figure 0006968080
を有するトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグ(リン原子における単一の立体異性体である)を上記のコンビナトリアル細胞培養アッセイで分析した。図5Aは、二つの化合物の各濃度配列で測定された細胞毒活性を示す。図5Bは、MacSynergy IIによって計算されたアイソボログラムを示し、95%の信頼度で対数容量46という結論は、強力な抗増殖相乗作用に対応している。
本発明は、下記の態様も包含する。
態様1 肝がん又は肝転移の治療における、式:
Figure 0006968080
[式中、Yは、C −C 直鎖又は分岐鎖アルキルであり、Xは、H、ハロ、C −C シクロアルキル又はC −C アルキルであり、Zは、H又はフルオロである]を有するトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグ又はその薬学的に許容可能な塩と組み合わせた、ソラフェニブ及びレゴラフェニブから選ばれる標的治療薬の使用。
態様2 標的治療薬がソラフェニブである、態様1に記載の使用。
態様3 トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグが立体化学:
Figure 0006968080
を有する、態様1又は2に記載の使用。
態様4 ZがHである、態様1〜3のいずれか1項に記載の使用。
態様5
a)XがHであり、Yが2−プロピルペンチルであり、そしてZがHである;
b)XがHであり、Yが(S)−ペンタン−2−イルであり、そしてZがHである;
c)XがBrであり、Yが(S)−ペンタン−2−イルであり、そしてZがHである;
d)XがHであり、Yが(R)−sec−ブチルであり、そしてZがHである;
e)XがHであり、Yが2−エチルブチルであり、そしてZがHである;
f)Xがシクロプロピルであり、Yが(S)−ペンタン−2−イルであり、そしてZがHである;又は
g)Xがt−ブチルであり、Yが(S)−ペンタン−2−イルであり、そしてZがHである、態様1〜3のいずれか1項に記載の使用。
態様6 ソラフェニブとトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグが、それぞれ同じ日に毎日(QD、BID又はTIDとして)投与される、前記態様のいずれかに記載の使用。
態様7 ソラフェニブとトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグが、共通の経口投与単位で同時送達される、態様6に記載の使用。
態様8 ソラフェニブとトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグが、別の経口投与単位で投与される、態様6に記載の使用。
態様9 ソラフェニブの投与単位(一つ又は複数)とトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグの投与単位(一つ又は複数)が、任意の所与の日に少なくとも6時間空けて投与される、態様8に記載の使用。
態様10 ソラフェニブとトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグが、1〜28日間の単剤療法の治療サイクルで、任意に1〜28日間の治療休止期間を散在させて、交互に投与される、態様1〜5のいずれかに記載の使用。
態様11 治療がソラフェニブのサイクルで開始される、態様10に記載の使用。
態様12 肝がんがHCC又は肝内胆管がんである、前記態様のいずれかに記載の使用。
態様13 肝転移が大腸がんに由来する、態様1〜11のいずれかに記載の使用。
態様14 肝転移が、乳がん、食道がん、肺がん、メラノーマ、膵がん又は胃がんに由来する、態様1〜11のいずれかに記載の使用。

Claims (12)

  1. 肝がん又は肝転移の治療のための薬であって、ソラフェニブ及びレゴラフェニブから選ばれる標的治療薬と、式:
    Figure 0006968080
    [式中、
    XがBrであり、Yが(S)−ペンタン−2−イルであり、そしてZがHである]を有するトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグ又はその薬学的に許容可能な塩との組み合わせである、薬。
  2. 標的治療薬がソラフェニブである、請求項1に記載の薬。
  3. トロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグが立体化学:
    Figure 0006968080
    を有する、請求項1又は2に記載の薬。
  4. ソラフェニブとトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグが、それぞれ同じ日に毎日QD、BID又はTIDとして投与される、請求項1〜3のいずれかに記載の薬。
  5. ソラフェニブとトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグが、共通の経口投与単位で同時送達される、請求項に記載の薬。
  6. ソラフェニブとトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグが、別の経口投与単位で投与される、請求項に記載の薬。
  7. ソラフェニブの投与単位(一つ又は複数)とトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグの投与単位(一つ又は複数)が、任意の所与の日に少なくとも6時間空けて投与される、請求項に記載の薬。
  8. ソラフェニブとトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグが、1〜28日間の単剤療法の治療サイクルで、任意に1〜28日間の治療休止期間を散在させて、交互に投与される、請求項1〜のいずれかに記載の薬。
  9. 治療がソラフェニブのサイクルで開始される、請求項に記載の薬。
  10. 肝がんがHCC又は肝内胆管がんである、請求項1〜のいずれかに記載の薬。
  11. 肝転移が大腸がんに由来する、請求項1〜のいずれかに記載の薬。
  12. 肝転移が、乳がん、食道がん、肺がん、メラノーマ、膵がん又は胃がんに由来する、請求項1〜のいずれかに記載の薬。
JP2018545847A 2016-03-02 2017-02-28 ソラフェニブ又はレゴラフェニブとトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグを用いた併用療法 Active JP6968080B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
SE1650274-2 2016-03-02
SE1650274 2016-03-02
SE1651204 2016-09-08
SE1651204-8 2016-09-08
PCT/SE2017/050186 WO2017151044A1 (en) 2016-03-02 2017-02-28 Combination therapy with sorafenib or regorafenib and a phosphoramidate prodrug of troxacitabine

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2019507764A JP2019507764A (ja) 2019-03-22
JP2019507764A5 JP2019507764A5 (ja) 2020-04-09
JP6968080B2 true JP6968080B2 (ja) 2021-11-17

Family

ID=59744330

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018545847A Active JP6968080B2 (ja) 2016-03-02 2017-02-28 ソラフェニブ又はレゴラフェニブとトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグを用いた併用療法

Country Status (12)

Country Link
US (2) US10456413B2 (ja)
EP (1) EP3423061A4 (ja)
JP (1) JP6968080B2 (ja)
KR (1) KR20180118745A (ja)
CN (2) CN109069509B (ja)
AU (2) AU2017227516B2 (ja)
BR (1) BR112018067387A2 (ja)
CA (1) CA3014769C (ja)
RU (1) RU2018134336A (ja)
SG (1) SG11201806855WA (ja)
WO (1) WO2017151044A1 (ja)
ZA (1) ZA201805445B (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6968080B2 (ja) 2016-03-02 2021-11-17 メディヴィル・アクチエボラーグ ソラフェニブ又はレゴラフェニブとトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグを用いた併用療法
WO2019149279A1 (zh) * 2018-02-02 2019-08-08 科济生物医药(上海)有限公司 细胞免疫治疗的组合
KR20210130768A (ko) * 2019-02-18 2021-11-01 메디비르 아베 경구 투여된 디옥솔란 뉴클레오타이드와 항-pd1 또는 항-pdl1 단일클론 항체를 함께 사용하여 간암을 치료하는 방법
JP2023522325A (ja) * 2020-04-15 2023-05-30 メディヴィル・アクチエボラーグ 肝臓癌のためのmiv-818/レンバチニブ併用療法
KR20210156389A (ko) 2020-06-17 2021-12-27 재단법인대구경북과학기술원 레고라페닙을 유효성분으로 포함하는 염증질환의 예방 또는 치료용 약학적 조성물
IT202000022636A1 (it) 2020-09-25 2022-03-25 Ente Ospedaliero Specializzato In Gastroenterologia Istituto Nazionale Di Ricovero E Cura A Caratter “terapia di combinazione di sorafenib e/o regorafenib con la proteina ricombinante umana proteoglicano-4 per il trattamento dell'epatocarcinoma”

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8124630B2 (en) 1999-01-13 2012-02-28 Bayer Healthcare Llc ω-carboxyaryl substituted diphenyl ureas as raf kinase inhibitors
EP2298311B1 (en) 1999-01-13 2012-05-09 Bayer HealthCare LLC w-Carboxy aryl substituted diphenyl ureas as p38 kinase inhibitors
US20030013660A1 (en) * 2000-10-13 2003-01-16 Shire Biochem Inc. Dioxolane analogs for improved inter-cellular delivery
US7235576B1 (en) 2001-01-12 2007-06-26 Bayer Pharmaceuticals Corporation Omega-carboxyaryl substituted diphenyl ureas as raf kinase inhibitors
CA2526617C (en) 2003-05-20 2015-04-28 Bayer Pharmaceuticals Corporation Diaryl ureas with kinase inhibiting activity
UA84156C2 (ru) * 2003-07-23 2008-09-25 Байер Фармасьютикалс Корпорейшн Фторозамещённая омега-карбоксиарилдифенилмочевина для лечения и профилактики болезней и состояний
CN101415409B (zh) * 2006-04-05 2012-12-05 诺瓦提斯公司 用于治疗癌症的治疗剂的组合
US8728516B2 (en) * 2009-04-30 2014-05-20 Abbvie Inc. Stabilized lipid formulation of apoptosis promoter
CN102190616B (zh) 2010-03-18 2015-07-29 苏州泽璟生物制药有限公司 一种氘代的ω-二苯基脲的合成及生产的方法和工艺
KR20230004871A (ko) 2012-04-13 2023-01-06 에피자임, 인코포레이티드 암 치료용 병용 요법
CN103570613B (zh) 2012-07-18 2016-06-15 苏州泽璟生物制药有限公司 氘代ω-二苯基脲或其盐的多晶型物
AU2013296897B2 (en) 2012-07-28 2015-09-17 Beijing Findcure Biosciences Ltd. Substituted pyrazolone compounds and methods of use
US9872919B2 (en) * 2012-09-19 2018-01-23 The Research Foundation For The State University Of New York Prodrugs for selective anticancer therapy
KR20160099090A (ko) * 2013-11-27 2016-08-19 아이데닉스 파마슈티칼스 엘엘씨 간암의 치료를 위한 뉴클레오티드
EP3074399A1 (en) * 2013-11-27 2016-10-05 Idenix Pharmaceuticals LLC 2'-dichloro and 2'-fluoro-2'-chloro nucleoside analogues for hcv infection
PT3186244T (pt) * 2014-08-25 2020-05-29 Medivir Ab Análogos dioxolano de uridina para o tratamento de cancro
JP6968080B2 (ja) 2016-03-02 2021-11-17 メディヴィル・アクチエボラーグ ソラフェニブ又はレゴラフェニブとトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグを用いた併用療法

Also Published As

Publication number Publication date
CN111956646A (zh) 2020-11-20
EP3423061A4 (en) 2019-11-13
BR112018067387A2 (pt) 2019-01-02
US10456413B2 (en) 2019-10-29
CA3014769C (en) 2024-01-09
US20200009166A1 (en) 2020-01-09
CN111956646B (zh) 2023-07-25
SG11201806855WA (en) 2018-09-27
CA3014769A1 (en) 2017-09-08
US10960017B2 (en) 2021-03-30
EP3423061A1 (en) 2019-01-09
AU2017227516A1 (en) 2018-08-30
WO2017151044A1 (en) 2017-09-08
US20190091246A1 (en) 2019-03-28
KR20180118745A (ko) 2018-10-31
CN109069509A (zh) 2018-12-21
ZA201805445B (en) 2019-07-31
CN109069509B (zh) 2020-10-16
RU2018134336A (ru) 2020-04-02
AU2017227516B2 (en) 2022-03-03
AU2022203761A1 (en) 2022-06-16
RU2018134336A3 (ja) 2020-05-22
JP2019507764A (ja) 2019-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6968080B2 (ja) ソラフェニブ又はレゴラフェニブとトロキサシタビンのホスホロアミデートプロドラッグを用いた併用療法
Gao et al. Resveratrol suppresses human hepatocellular carcinoma via targeting HGF-c-Met signaling pathway
Ghalehbandi et al. The role of VEGF in cancer-induced angiogenesis and research progress of drugs targeting VEGF
AU2016285597A1 (en) Combination of HDAC inhibitor and anti-PD-L1 antibody for treatment of cancer
Yun et al. Synergistic anticancer activity of HS-173, a novel PI3K inhibitor in combination with Sorafenib against pancreatic cancer cells
Ng et al. Sorafenib (BAY 43-9006): review of clinical development
JP2008501690A (ja) がんの治療方法
CA3142825A1 (en) Methods of treating cancer using prmt5 inhibitors
CA2825790A1 (en) Combinations
US20240024342A1 (en) Miv-818/lenvatinib combination therapy for liver cancer
TWI447111B (zh) Antitumor agents or postoperative adjuvant chemotherapeutic agents for hepatocellular carcinoma treatment
EP4027996A1 (en) Combination therapies comprising panobinostat for the treatment of cholangiocarcinoma
JP2022532189A (ja) 軟部肉腫の併用療法用キノリン誘導体
CA3141072A1 (en) Methods and uses for treating cancer
Sleijfer IA Boere P Hamberg

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200228

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200228

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20201225

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210325

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210525

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211011

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211026

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6968080

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150