JP2015521957A - 立方八面体のダイヤモンド粒子を有する固定砥粒ソーイングワイヤ - Google Patents

立方八面体のダイヤモンド粒子を有する固定砥粒ソーイングワイヤ Download PDF

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Abstract

本発明の固定砥粒ソーイングワイヤは、スチールワイヤ上の金属の保持層内に保持されているダイヤモンド粒子を備える。スチールワイヤは300μmより小さい直径を有する。ダイヤモンド粒子(102、102’、104,104’、104’’,104’’’)の半分より大きい割合は、高温で高圧によるダイヤモンド合成で得られる立方八面体形態を有する。ダイヤモンド粒子の95%は80pm以下の寸法を有する。ダイヤモンド粒子は大部分が0.2以下の低い伸び度を示し、大きいダイヤモンドを破砕することによって得られるものではない。

Description

本発明は、ケイ素等の硬い物質及びサファイア等の極めて硬い物質をソーイング(sawing、切断)するのに適した固定砥粒ソーイングワイヤ(fixed abrasive sawing wire)に関する。サファイアウェハは発光ダイオードのための基板、時計の窓、光学部品、及びその他の多数の用途に使用されている。
サファイア(アルファアルミナ、α−Al)をウェハにソーイングすることは困難である。何故ならば、モース硬さスケールで9の硬度を有するからである(ダイヤモンドは、モース硬さスケールで10の最高高度を有する)。現在、ダイヤモンドを搭載したダイシングブレードを使用する技術は、経済的な理由からマルチワイヤソーの使用に取って代わられている。マルチワイヤソーでは、単一のソーイングワイヤは、溝付きキャプスタン上を導かれ、相互間隔が狭い複数のワイヤ長のウェブ(web)を形成するものである。冷却剤を供給しながらワイヤを前後に往復運動させ、サファイアブールをウェブ内に押し込むことにより、サファイアブールはウェハに切断される。この全プロセスにて主要な役割を果たすものは、ソーイングワイヤである。ソーイングワイヤは、ほぼ全ての固定砥粒ソーイングワイヤのタイプである。
固定砥粒ソーイングワイヤでは、微小なダイヤモンドが高強度の微細なワイヤの表面にしっかりと取り付けられている。ワイヤが微細なほどカーフロスが小さく、1つの切断サイクルで同一の時間内に同一のブールから得られるウェハの数が増加するため、有利である。それでも切断速度は低く、2インチ(50.8mm)のブールをソーイングするのに必要な時間は、3〜4時間程度である。しかしながら、このような欠点より、1つのサイクルで多数のウェハを平行切断できる利点のほうが大きい。更に、ワイヤはプロセス中に摩耗し、平均した約3〜8mのワイヤが、1つのウェハを切断するのに必要である。ダイヤモンド研磨粒子としてダイヤモンドのみを使用するので、ワイヤは高価になりがちである。
現在、固定砥粒ソーイングワイヤは、多数のプロセスにしたがって形成されるので、非常に異なる製品が生じている。
A.研磨粒子は基材ワイヤに結合された樹脂内に保持できる。樹脂は非常に急速に摩耗して研磨粒子が失われるので、ワイヤの摩耗率が非常に高い。
B.欧州特許第2390055号では、固定砥粒ソーイングワイヤについて、研磨粒子が、亜鉛又はスズベースの低融点はんだから成る金属層内に固定されていると記載されている。研磨粒子は、研磨粒子の周りに存在する高融点の金属が介在して、はんだにしっかりと付着している。このような技術では、破砕されたダイヤモンドが研磨粒子として好ましいことが記載されている。その理由として、破砕されたダイヤモンドは、はんだとの接触面積が広いからであることを特に指摘している。
C.欧州特許第2277660号では、固定砥粒ソーイングワイヤについて、(ダイヤモンド及び立方八面体の窒化ホウ素が好ましい)研磨粒子が、少なくとも部分的に結晶化されているニッケル−リンコーティング内に封入されている。封入された研磨粒子は、スチールワイヤ等の磁性線形体上に、電気化学的にコーティングされている。研磨粒子の形態や構造については、記載されていない。
D.欧州特許第2464485号では、サファイアを切断するために使用される細長体に結合された研磨粒子を含む研磨物が開示されている。研磨粒子は、更にコーティング層でカバーされていることもある金属結合層中に圧入されている。このワイヤでは、研磨粒の寸法分布が、非ガウス分布であり、実質的に均一であり、約1μm〜100μmの広いが正確に制限された範囲に亘って延在している。
市販の固定砥粒ソーイングワイヤでは、「破砕されたダイヤモンド」しか使用されない。このような固定砥粒ソーイングワイヤは、(ボールミル、ショック衝撃付与又はその他の技術による)破砕により大きい人工又は天然ダイヤモンドを細分化することにより、得ることができる。人工ダイヤモンドは、予測可能で再生可能な特性を有するため、好ましい。人工ダイヤモンドは、極度の圧力及び温度下で黒鉛と金属触媒との混合物から形成され、プロセシング及び出発生成物は、結果物となるダイヤモンドの寸法、強度、破砕性及び形状の調整を可能とする。したがって、破砕性の高いダイヤモンドが、破砕に使用されている。結果物となる混合物は、通常ふるいにより分類されるが、粒度が小さい場合には別の技術(エアブロー分離、沈殿処理、エルトリエーション、又はその他の技術)が使用されている。このようにして、経済的な微細粉末が得られる。
例えば、太陽電池又は半導体工業用のシリコンウェハを切断するためのソーイングワイヤでは、破砕性がより高いダイヤモンドを使用することが好ましい。何故ならば、使用中に新しい切断エッジが現れるからであり、すなわち切刃が自生するからである。更に、ダイヤモンドの形状が不規則なため、マトリクス内でダイヤモンドが良好に保持される。
このような不規則な形状について、極端な実施例が国際公開第WO2011/014884A1号に示されている。この例では、その表面が改変されたダイヤモンド粒子を有する固定砥粒ソーイングワイヤが開示されている。ダイヤモンドの表面は、非常に粗い表面を得るように処理され、その大部分が非球面である。ある特定の用途では、このような表面は保持性及び切刃自生性が高くなると信じられている。しかしながら、これは、サファイア等の非常に硬い物質には当てはまらない。
例えば、サファイア等の極端に硬い物質の切断では、破砕性のダイヤモンドは非常に急速に摩耗する。このため、ワイヤ表面上のダイヤモンドの数を増すか又は切断の間のワイヤの使用速度を高くしなければならないという別の難題がある。物質が硬いため、切断にかける圧力を高くして、ダイヤモンドがサファイアにかける力を十分なものにしなければならない。これは、ウェブ内のワイヤにかける引張力を高くすることにより、達成できる。しかしながら、使用するワイヤを太くしなければならず、結果的にカーフロスが増すこととなる。
本発明は、ワイヤソーによるサファイアのソーイングを改善することを目的としている。ここで、「改善」とは、一プロセス中に、使用するワイヤの量及び/又は使用するエネルギー量を減少させることである。
本発明の一態様では、特に、サファイアを切断するのに有用な固定砥粒ソーイングワイヤを提供する。しかしながら、これは、シリコンなどのサファイアより柔らかい硬く脆い物質を切断するために使用されるワイヤを除くものではない。強力部材としてスチールワイヤが使用され、ダイヤモンド粒子は金属の保持層により前記ワイヤの表面に取り付けられ、前記金属層はダイヤモンド粒子をその位置で保持するように機能する。また、固定砥粒ソーイングワイヤの特徴は、ダイヤモンド粒子の少なくとも95%が、80μmより小さい寸法を有しており、ダイヤモンド粒子の少なくとも50%が、立方八面体であることにある。
このような用途での立方八面体の形状は、立方体から出発した任意の形状であり、角頂は、ミラー指数により表される立方体の8つの{111}方向での平面により切り取られる。立方体の方形面がエッジ長aを有し、立方体が、そのカットオフ頂点から距離bでのそのエッジに沿っての立方体頂点の切断面が(111)であるとすると、b/a比を定義できる(下記表1参照)。「b」は、単一粒子の各頂点において同一でなくともよい。その形状は、立方体と八面体との間にあり、立方体及び八面体の形状を含んでいる。形状のスペクトルは、次のようにまとめられる。
Figure 2015521957
「b」の長さは、各頂点において等しくなくてもよい。図示の形状のスペクトルのみが離散的な遷移であり、その他のスペクトルは連続的な形をとる。図示の形状は、理想的な形を示している。したがって、実際にはある程度のずれが生じている。このようなずれは、本発明の範囲から逸脱することなく許容される。面が規則的多角形であるという制約は、ないことも忘れてはならない。例えば、六角面は、規則的な六角形ではないこともある。エッジの長さのある程度のずれは、一般的形状が六角形であるかぎり、許容される。更に、形状が立方八面体かどうかは、エッジにおける形状を抽象化して数えた面の数だけで決めるべきである。14が最も顕著な数である。何故ならば、立方体又は八面体は極めて希だからである。
別の観点から見れば、立方八面体は、常に凸状体である。したがって、キャビティ又はその他の表面凹部を示す粒子は、凸状ではないため、立方八面体ではない。
本明細書では、「立方八面体」という用語を「単結晶」と同一としない。立方八面体のダイヤモンド粒は単結晶であるが、各単結晶粒が全て立方八面体であるというわけではない。例えば、破砕されたダイヤモンド粒子は、単結晶の典型的な長距離の結晶学的な順序(long range crystallographic ordering)を有し、すなわち多結晶である。しかしながら、このような破砕されたダイヤモンド粒子は、立方八面体の形状ではない。
更に、ダイヤモンド粒子を紙上で表現すれば、必然的に、本来3次元の形状を2次元に投影したものにすぎない。したがって、図から請求の範囲の制限を得ることはできない、何故ならば、図は、本発明を説明するためのものにすぎないからである。
立方八面体の形状を有するダイヤモンドは、その形状が不規則で表面が粗い破砕されたダイヤモンドより強い。その結果、前者のダイヤモンドは、同一の固有強度に対して後者のダイヤモンドより破壊されにくい。このようなダイヤモンドは、寸法が小さく、現在のところ高価である。したがって、固定砥粒ソーイングワイヤの製造用には考慮されていない。当技術分野には、固定砥粒ソーイングワイヤを製造するためには、破砕されたダイヤモンド粒子が好ましいという偏見も存在している。しかしながら、本発明者は別の意見を持っている。
ソーイングワイヤから取り出された全てのダイヤモンドの少なくとも50%は、立方八面体の形状であり、ソーイングワイヤから取り出された全てのダイヤモンドの60%、又は、70%、又は80%〜90%さえもが、立方八面体の形状であることがより好ましい。ある程度の許容範囲が、合成又は更なる処理の間に破断、又は双晶になることにより、完全に立法八面体ではない可能性を有するダイヤモンドに与えられる。ダイヤモンドの100%が立方八面体であることが特に好ましい。立方八面体の形状のダイヤモンドの数が増加すれば、固定砥粒ソーイングワイヤの使用時間も増加することができる。
更に、ダイヤモンドの少なくとも95%は、80μmより小さい寸法を有することが好ましく、ダイヤモンドの95%は、60μmより小さい寸法又は50μmより小さい寸法を有することがより好ましい。現在、10μmより小さい寸法を有する立方八面体のダイヤモンドのソースは、僅かである。おそらく、いくつかの寸法の立方八面体のダイヤモンドの混合物は、これらの立方八面体のダイヤモンドの全分布が、全てのダイヤモンドの95%が80μmより小さい寸法を有するという要件を満たすことを前提として存在する。
粒子寸法が小さいほど、ワイヤの全直径をより小さくすることができる。より具体的には、粒子の中央寸法は、スチールワイヤの直径の1/4より小さく、スチールワイヤの直径の1/12より大きいことが好ましい。
本明細書では、粒子の「直径」ではなく粒子の「寸法」を採用している(何故ならば、直径は完全に球形の形状を意味するからである)。粒子の寸法は、当技術分野で知られている任意の測定方法で決定された(単位はμmの)線形尺度である。それは、常に最大フェレ距離と最小フェレ距離の間にある。粒子の2次元投影に対するある方向でのフェレ距離とは、その方向でのその投影に接する2つの線の間の垂直距離のことである。したがって、最小フェレ距離及び最大フェレ距離に関し、粒子の全ての可能な投影と各投影における2本の平行線の全ての方向とにおいて、最小フェレ距離とは、最も短いフェレ距離のことであり、最大フェレ距離とは、最も長いフェレ距離のことである。
粒子の寸法は、レーザ回折、直接鏡検法、電気抵抗又は光沈降により決定することが好ましい。規格ANSI B74.20-2004には、これらの方法が詳細に記載されている。本明細書で粒子寸法とは、レーザ回折法(「低角度レーザ光拡散」ともいう)により決定された粒子寸法のことである。このような方法の出力は、累積粒子寸法分布であり、横軸に示されている寸法「d」より小さいか又は等しい寸法の粒子を有する確率「P」が縦軸に示されている。相補的な部分の寸法は(100−P)%この「d」より大きい。したがって、本発明に係わる粒子は、d95≦80μmであることが好ましく、d95≦60μm又はd95≦50μmであることがより好ましい。
ミクロン粒度のダイヤモンド粒子の寸法は、典型的には、ANSI B74.20-2004にしたがってふるい番号(sieve numbers)ではなく寸法範囲で表現される。例えば、50〜70μmの寸法範囲は、全ての粒子の95%が70μmより小さい。したがって、この寸法範囲は、本発明において適切な寸法範囲である。90μmより大きい粒子の存在は、1/100より小さい確率である。別の適切な寸法範囲は、40〜60μm(全ての粒子の95%が60μmより小さい)、40〜50μm、30〜40μm、25〜35μm、20〜30μm、15〜25μm、10〜20μmである。本発明では、d95≦80μmという要件を満たすかぎり、異なる寸法範囲の混合を排除するものではない。
メッシュ寸法分類で表すと、上記の寸法範囲は、ASTM E11-09の表1によればメッシュ230ふるい以上を通過する全てのダイヤモンド粒子に対応する(すなわちメッシュ番号270、325、400、450、500、635)。メッシュ230ふるいは、0.0025インチ、すなわち63.5μmの公称ふるい開口と、89μmの最大個別開口とを有している。
立方八面体粒子の形状は、実質的に、「ブロッキー (blocky)」な態様と言うことができる。粒子の形状パラメータは、ISO 9276の第6部の規格で定義されている。本発明では粒子の「伸び度(Elongation)」として、1−(幅/長さ)の定義を使う。この式で、
●「幅」は、ルジャンドルの慣性楕円の短軸の方向で測定されたフェレ距離である。
●「長さ」は、ルジャンドルの慣性楕円の長軸の方向で測定されたフェレ距離である。
ルジャンドルの慣性楕円は、粒子の質量中心に中心を有する楕円であり、その二次までの幾何学的モーメントは、元の粒子投影のものと同一である。
本発明で使用されたダイヤモンド粒子又は既存の固定砥粒ソーイングワイヤから採取されたダイヤモンド粒子の少なくとも50%は、0.20以下の伸び度を有している。また、ダイヤモンド粒子の60%又は70%さえ、0.20以下の伸び度を有することがより好ましい。
このような伸び度は、「Occhio 500 nano」により決定することができる。この「Occhio 500 nano」は、画像処理に基づいてコンピュータによる粒子分類を可能とするものである。
前述した形状のダイヤモンド粒子は、人工のものであることが好ましい。すなわち、合成したものであり、天然のものではない。天然ダイヤモンドは、あまりにも高価なため、特に排除される。前記ダイヤモンドは、高圧高温下での黒鉛の触媒転換によって得られる。知られている触媒は、VIIIB族の遷移元素(Fe、Ni、Co、Mn等)に属し、50kbar(5GPa)を超える圧力及び1300℃より大きい温度が印加される。ダイヤモンド粒子が高温高圧により形成されたかどうかは、粗粒を灰にした後にX線蛍光分光法又は誘導結合プラズマ分光法により確認することができる。触媒量は、ダイヤモンド及び触媒の全質量の10000ppmより小さいことが好ましい。
ダイヤモンド粒子は、1キロメートルのワイヤ(質量G)当たり、0.5〜3.2グラム(g)、すなわち2.5〜16カラット(ct)で存在することが好ましい。3.2g/kmより大きいと、ワイヤの製造中に望ましくない影響(破砕又は双晶形成、詳細は後述する)又は使用中に生じる(生じた切りくずが粒子間の空間を詰まらせると生じる)ワイヤの目詰まりが生じることもある。更には、製品が過度に高価になる。また、ダイヤモンド粒子が約0.5g/kmより小さいと、使用中の1ダイヤモンド当たりの圧力が過剰になり、ソーイング性能が不適切となり、ワイヤ摩耗が増加するため、早期に破損する虞がある。
ダイヤモンド粒子の量は、被覆度Fでも表現できる。被覆度は、ダイヤモンド粒子が占める領域対ワイヤの全周囲領域の比である。単位長当たりの質量G(単位はg/km)と被覆度F(単位は%)のとの関係は、次式で表される。

G(g/km)=7.33・10−3×d(μm)×D(μm)×F(%)

この式において、「d」はダイヤモンド粒子の中央直径であり、「D」はワイヤの直径であり、両者の単位はともにμmである。被覆度Fは、0.5〜50%であることが好ましく、1〜10%がより好ましい。被覆度が50%より大きいと、ダイヤモンドが、製造中に既に存在するダイヤモンドの場所を占める確率は、200ダイヤモンド当たり約25ダイヤモンドである。したがって、製造中に双晶及び/又は破砕が発生する確率が高い(後述)。このような双晶及び破砕は、切断性能を低下させることとなる。被覆度が0.5%であると、この確率は2ダイヤモンド当たり100000ダイヤモンドより小さくなるものの、存在するダイヤモンドの量が小さくなりすぎ、ソーイング中の1ダイヤモンド当たりの圧力が過剰になり、粒子又はワイヤが早期に摩耗又は破断することとなる。
このような被覆度は、画像解析ソフトウェアと組み合わせて走査電子顕微鏡を使って、ダイヤモンド粒子が占める表面を選択し、ワイヤの周辺表面に亘ってその表面を関連付けることにより、決定することができる。
ダイヤモンド粒子は、使用しようとする結合技術によって、金属コーティングが実質的にないか又は金属コーティングすることが可能である。ここで、「実質的にない」とは、前記ワイヤへの埋め込み前に、金属がダイヤモンドをコーティングした痕跡がないことを意味する。ダイヤモンドへコーティングできる金属は、チタン、ジルコニウム及びケイ素などの強い炭化物形成物である。炭化物を形成する傾向がより弱い金属は、バナジウム、クロム、タングステン、モリブデン及びマンガンである。これらの金属により、例えば、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化ケイ素、炭化タングステン、炭化モリブデン及び炭化マンガンなどの金属炭化物の層が、ダイヤモンド上に形成される。VIIIB族の元素、及び、より詳細には、鉄、コバルト、ニッケル及びパラジウムも使用することができる。これらのうち、特に好ましい金属は、ニッケル−リン又はニッケル−ホウ素半金属である。2つの層の組み合わせは、除外されない。例えば炭化チタン上のニッケル−リンコーティングも、ダイヤモンドの金属コーティングとして考慮される。金属の目的は、二重(twofold)であることが可能である。すなわち、ダイヤモンド表面へ導電性を到達させることにより、及び/又は、ダイヤモンドと保持層との間の結合を改善することにより、ダイヤモンドの保持性を改善できることである。
基材ワイヤは、スチールワイヤである。前記ワイヤは、丸く、50〜300μmの直径を有することが好ましい。ここで、前述したように、スチールワイヤの直径とダイヤモンド粒子の寸法と間には好ましい比が存在する。すなわち、中央寸法は、スチールワイヤの直径の1/4〜1/12である。
スチールワイヤは、普通炭素鋼から成り、普通炭素鋼は鉄及び炭素だけでなく、多数のその他の合金及び微量元素を含むことが好ましい。これらの合金及び微量元素のいくつかは、強度、靭性、成形性及び耐食性に関するスチールの特性に多大な影響を与える。スチールワイヤの基本的な組成は、好ましくは、次の組成である。
●少なくとも0.70wt%の炭素であり。その上限は、ワイヤを形成するその他の合金元素に依存する(詳細は後述する)。
●0.30〜0.70wt%のマンガンを含量する。炭素と同様に、マンガンは、ワイヤのひずみ硬化を高め、スチール製造での脱酸素剤としても機能する。
●0.15〜0.30wt%のケイ素を含量する。ケイ素は、製造中にスチールを脱酸素するために使用される。
●アルミニウム、硫黄(0.03%より小さい)、リン(0.30%より小さい)のような元素の存在は、最小限に留めなければならない。
スチールの残りのものは、鉄及びその他の元素である。
微量元素クロム(0.005〜0.30wt%)、バナジウム(0.005〜0.30wt%)、ニッケル(0.005〜0.30wt%)、モリブデン(0.005〜0.25wt%)及びホウ素の存在は、共析組成(約0.80wt%のC)上での炭素含量に対する粒界セメンタイトの形成を減少させる。これにより、ワイヤの成形性を改善できる。このような合金形成により、炭素含量を0.90〜1.20wt%とすることができる。これにより、伸線中の引張強度を4000MPaより大きくすることができる。このようなスチールはより好ましく、米国特許出願第2005/0087270号に記載されている。
代替的に、最小量12wt%のクロムとかなりの量のニッケルとを含むステンレススチールも使用することができる。ステンレススチール組成は、オーステナイトステンレススチールであることが好ましい。何故ならば、オーステナイトステンレススチールは、微小直径に容易に延伸できるからである。このような好ましい組成は、当技術分野でAISI302(特にHeading Quality HQ)、AISI301、AISI304及びAISI314として知られているものである。なお、AISIは、「American Iron and Steel Institute」の略称である。
本発明に係わる固定砥粒ソーイングワイヤは、典型的には、300μmより小さい直径に対して2000N/mmより大きい引張強度を有し、150μmより小さい直径に対して2250N/mmより大きい引張強度を有し、120μmより小さい直径に対して2500N/mmより大きい引張強度を有している。引張強度は、固定砥粒ソーイングワイヤの破壊荷重を、(研磨粒子が占める領域を除外した)その金属横断面積で割ったものである。いかなる相補的な金属層も、この領域に入れるものとする。
前述したように、異なるプロセスが、本発明に係わるソーイングワイヤを形成するために適用できる固定砥粒ソーイングワイヤの形成に使用できる。本発明に係る好ましい方法は全てダイヤモンド粒子を中で堅固に保持する金属の保持層を使用している。
第1の好ましい実施例では、金属の保持層は、スチールワイヤをカバーする第1の金属層を含んでいる。ダイヤモンド粒子は、機械的な手段により第1の金属層中に押され、押し込まれ(indented)、或いはプレスされる。これにより、ダイヤモンド粒子は既に堅固に保持されている。したがって、この層を十分に厚くし、ダイヤモンド粒子がこの層を貫通してスチールに接触することがないようにする。第1の金属層は、硬いスチールワイヤと比べて比較的柔らかい金属から成る。これにより、ダイヤモンド粒子の破砕を阻止する。この第1の層のための金属は、銅、鉄、亜鉛、スズ、アルミニウム又は、真鍮、青銅、銅−ニッケル、亜鉛−アルミニウム等の柔らかい金属の合金であることが特に好ましい。このような第1の層は、電気めっき、クラッディング又は溶融金属浴を通す浸漬成形によって形成することができる。
第2の層は、研磨粒子を更に固定するために、前記第1の金属層の上面にて付着されている。これにより、第2の層は、押し込まれたダイヤモンド粒子を部分的又は全体的にカバーする。第2の金属層のための金属は、ニッケル、鉄、コバルト、モリブデン、タングステン、銅、亜鉛、スズ及びこれらの合金が好ましい。また、第2の層は、電解的な堆積(electrolytic deposition)により付着されることが好ましい。
埋め込み前に金属層によりコーティングされたダイヤモンドも、いかなる金属コーティングもないダイヤモンドも、共に使用することができる。後者の場合、第1の金属層は、突出するダイヤモンドの表面をカバーしない。何故ならば、その表面には導電性がないからである。前者の場合、突出するダイヤモンド表面が、適用されたコーティングの導電性に依存して第2の金属層によりカバーされてもよい。このようなワイヤを押し込みによって形成する例示的な方法は、国際公開WO2010/125083号及び国際公開WO2010/092151号に記載されている。
ダイヤモンド粒子を保持する別の方法は、スチールワイヤ上に電解的に堆積された金属の保持層によるものである。粒子は、電解的なコーティングプロセスの間に埋め込まれる。保持層は、前記スチールワイヤをカバーする第1の金属層と、前記第1の金属層の上面に電解的に堆積された第2の金属層とを含むことが好ましい。前記ダイヤモンド粒子は、第2の金属層と電解と同時に堆積(deposited)される。第1の層に使用できる典型的な金属は、鉄、アルミニウム、ニッケル、クロム、コバルト、モリブデン、タングステン、銅、亜鉛、スズ及び、例えば真鍮又は青銅などのそれらの合金である。これらのうち、第1の層に使用する金属は、銅、亜鉛、コバルト、ニッケル又はアルミニウムであることが特に好ましい。何故ならば、それらは、高い導電性を有することにより、堆積プロセスを大幅に改善することができるからである。
第2の金属層のための金属は、ニッケル、鉄、コバルト、モリブデン、タングステン、銅、亜鉛、スズ及びそれらの合金であることが好ましい。これらのうち、ニッケル、又は例えばニッケル−コバルト又はニッケル−タングステンなどのニッケル合金が最も好ましい。何故ならば、これらは硬いからである。隣接する金属層は、順次に堆積されたものであることもある。そのような隣接する金属層が同一の金属から成る場合、それらの隣接する金属層は単一の層と見なされる。
ワイヤに付着される前に、例えば炭化物形成金属又はニッケル−リン(nickel phosphorous)又はニッケル−ホウ素などの金属でコーティングされたダイヤモンドが使用される場合、ダイヤモンドは、保持層の第2の層と同時に堆積(co-deposit)することができる。スチールワイヤは、第1の金属層がスチールワイヤに電解的に堆積されるとともに、ダイヤモンド粒子が同時に堆積される前に、主に真鍮、銅、亜鉛、ニッケルの第1の層でコーティングすることもできる。第2の金属層は、ダイヤモンドの上面にダイヤモンド粒子が同時に堆積された後、電解的な堆積により更に厚くされることが好ましい。スチールワイヤへダイヤモンドを同時に堆積する(co-deposit)例示的なプロシージャーは、例えば国際公開WO2012/055712号に記載されている。
また、ダイヤモンドは、金属コーティングを行わないことも可能である。この場合、ダイヤモンドは、金属の保持層への固定の前に、吸着によりスチールワイヤに付着される。
最後の好ましい実施例では、前記ダイヤモンドは、亜鉛、銀、金及び銅の混合物である低融点はんだ中に固定される。固定砥粒ソーイングワイヤをこのようなプロセスで形成する方法は、欧州特許出願第2390055号に記載されている。
現実に生じる立方八面体型ダイヤモンドの投影図を示す。 ダイヤモン押し込み法により作られた本発明に係わる固定砥粒ソーイングワイヤの第1の好ましい実施例を示す。 本発明の固定砥粒ソーイングワイヤの第2の好ましい実施例を示し、ダイヤモンド粒子は第2の金属層と電解と同時に堆積される。 本発明の固定砥粒ソーイングワイヤの第3の好ましい実施例を示し、まず初めに薄い第1の層が電解的に堆積され、第1の層上にダイヤモンド粒子が第2の金属層と電解と同時に堆積される。 異なる固定砥粒ソーイングワイヤの比較ソーイング結果を示す。 固定砥粒ソーイングワイヤの寿命末期テストを示す。
これらの図において、同一のエレメントの番号は、1及び10の位がどのエレメントでも同一であり、100の位は図の番号を示している。
本発明に係る第1の実施例では、押し込み型の固定砥粒ソーイングワイヤを作製した。出発材料として、炭素含有量が0.80質量%で中間ワイヤ直径が1.30mmの普通炭素鋼ワイヤを使用した。中間ワイヤは、電解的な堆積により、第1の金属層である銅コーティングでコーティングし、次いで、175μmのコアスチール直径に相当する最終の等価直径(final equivalent diameter)に延伸した。等価直径とは、ワイヤの垂直横断面と同一のスチール面積を有する円の直径のことである。このようにして、表IIに示すように、異なる銅厚の最終製品を得た。次いで、異なる寸法及びタイプのダイヤモンドを、押し込みロールにより銅層中に押し込んだ。全てのダイヤモンドには、金属コーティングをしなかった。最後に、押し込まれた粒子を、第2の金属層であるニッケル層により更に固定した。このニッケル層は、第1の金属層の上面に電解めっきされたものである。ダイヤモンド粒子は、初めはコーティングせずに、第2の金属層により部分的にカバーされているだけとした。使用前のワイヤにおけるワイヤ1km当たりダイヤモンド量を、下記表2中のG欄に示す。
Figure 2015521957
小さい寸法を有する立方八面体のダイヤモンドの供給業者には、Husqvarna, Belgium, Premier Diamond Corporation N.V. (Antwerp, Belgium)又はIljin Koreaがある。
S4及びS5のダイヤモンド粒子の50%は、0.145以下の伸び度を示した。粒子の10%は、0.044より小さい伸び度を示した。これに対して、S3の破砕タイプのダイヤモンドは、ダイヤモンド粒子の50%が0.236より大きい伸び度を有することを示した。S1及びS2の粒子は、それぞれ50%より大きい割合が、0.232より大きい伸び度を示した。
図1は、ワイヤの50%より大きい割合が立方八面体を示したタイプのワイヤから回収された粒子の投影図を示す。ダイヤモンド粒子は、全て(丸味を帯びたエッジを含めないで)14の面を有する。102、102’で示す粒子は、0.5に近い「b/a」値を有する。粒子104、104’’、104’’’は、3/4に近い「b/a」値を有する。これらの投影図は、ダイヤモンド粒子の外観の印象を示すだけであり、ダイヤモンドが立方八面体であると確定するためのものではない(何故ならば、これらの投影図は3次元物体の2次元投影図であるからである)。
図2は、押し込み固定砥粒ソーイングワイヤを概略的に示す、横断面の拡大図である。スチールコアワイヤ202が中心にある。金属の保持層210は、スチールコアワイヤ202をカバーする銅から成る第1の金属層212から構成されている。スチールコア202と銅層212との間の界面が、ぎざぎざでかみ合っている。これは、中間ワイヤ直径から最終直径への絞りに起因している。このようなぎざぎざな界面により、スチール上に銅層を容易に固定することができる。ダイヤモンド粒子204を、押し込みロールにより案内して、機械的に銅層に圧入する。第2の金属層214は、銅層及びダイヤモンド上に電解めっきされたニッケルから成る。ダイヤモンドは、コーティングされていないため、ダイヤモンドは、部分的にしかニッケルによりカバーされていない。
ワイヤは、DWTから得られたRTS−480型の単一ワイヤソー上で、揺動ヨークによりワイヤを試験した。ワイヤ張力を22Nに保持し、ヨークを420μm/minで下げた。また、PEGベースの冷却剤を使用した。サファイア2インチ(直径50.8mm)インゴットを、ソーイング中にインゴットにかかる垂直負荷を測定する負荷センサを備えるホルダ上に取り付けた。力の時間積分を、「ソーイング努力(sawing effort)」の測定値として、使用した。この「ソーイング努力」が小さくなるほど、サファイア結晶を切断するために必要な力も小さくなる(何故ならば、ソーイング全時間は、ソーイングプロトコル(the sawing protocol)により規格化されているからである)。
異なるソーイングワイヤの結果を図5に示し、異なるサンプルにおける「ソーイング努力」を図5に示す(単位はN・s)。「比較サンプルCS」は、コア直径が160μmであり、ダイヤモンド粒子が破砕タイプであり、ダイヤモンド粒子の寸法が30〜40μmである電解的に堆積したタイプのものである。別の結果は、前記表2の「サンプル番号」に記載している。各三角形は、各ワイヤの単一の最初のカットを表す。四角形は、個々のデータの平均値を表し、長方形のボックスは、平均値±1標準偏差を表し、細線は平均値±2標準偏差を表している。
立方八面体のダイヤモンドを使用したワイヤの結果は、破砕されたダイヤモンドを使用した全ての他のサンプルに比べて、第1のカットでのソーイング努力の減少を明確に示した。
また、立方八面体のダイヤモンドのほうが、破砕されたダイヤモンドタイプより、固定砥粒ソーイングワイヤの再使用回数が大きかった。機械的に押し込まれ破砕されたダイヤモンドタイプのワイヤ(サンプル1〜3)は、制限された回数(3〜4回)しか使用できなかった。これに対して、立方八面体のダイヤモンドを有する機械的に押し込まれたソーイングワイヤは、10〜11回使用して、初めて「ソーイング努力」が過度に大きくなった。図6に、前述のサンプルの使用サイクル通りに必要なソーイング努力を示す。図6では、1つのサファイアウェハをカットするために必要なワイヤの量を減少できることを示している。
また、更なる好ましい実施例を図3に示す。スチールコアワイヤ302は、最終絞りの前に銅層312により電解コーティングされている。保持層の第1の金属層である銅層は、等価直径175μmのスチールコアワイヤにおいて最終製品で約10μmの厚さを有する。d50の寸法が40μmの立方八面体のダイヤモンド304上には、ニッケル層314が同時に堆積され、ニッケル層314は、第1の金属層312と金属の保持層310を形成している。立方八面体のダイヤモンド粒子は、同時の堆積の前にニッケル−リンによりコーティングされ、その際のニッケルの質量は、ダイヤモンドの質量より10%以上大きい。これは、図中でダイヤモンドの線が太いことにより示されている。結果的に、ダイヤモンド粒子は、堆積の間に完全にカバーされる。保持層の第2の金属層314であるニッケルコーティングは、15μmの厚さを有している。
電解コーティングは、一連の4つの乗り越しトレーを備える順送り装置で行われる。各トレーは、陽極を有しており、陽極の電流は、個々に制御することができる。コーティングされた基材ワイヤは、陽極に対して負の電位でコンタクトホイールと接触する。第1のトレーは、ニッケルコーティングされたダイヤモンドと電解液との混合物を含み、混合物は70cmの浸漬長を有する。トレーを貫流する電解液は、次のような組成、酸性度及び温度を有している。
Figure 2015521957
3つの後続のトレーは、同一の構成である。これらのトレーは、ニッケルの全厚が15μmとなるまでニッケル接着剤層を濃縮するのに用いられ、研磨粒子を含んでいない。第1の浴では、15A/dmの電流密度に保持した。その他の浴の電流密度では、最後のトレー内で20A/dmに保持した。
別の好ましい実施例を図4に示す。スチールコアワイヤ402は、平均厚が0.20μmの非常に薄い真鍮層412によりコーティングされている。真鍮は、67wt%の銅と33wt%の亜鉛との組成を有している。コーティングされたスチールワイヤ上には、厚さ1μmのニッケルコーティングが堆積されている。ダイヤモンド粒子404が、ニッケル層414と同時に堆積されている。ニッケルの第1の金属層414は、5μmの全厚を有する。ダイヤモンド粒子は、立方八面体であり、同時の堆積の前にニッケル−リンでコーティングされている。このような事前コーティングは、走査型電子顕微鏡で識別することができる。ニッケルの事前コーティング(nickel pre-coating)は、ダイヤモンド粒子の質量の16%の質量を有している。

Claims (11)

  1. スチールワイヤと金属の保持層内に保持されているダイヤモンド粒子とを備え、硬く脆い物質をソーイングするための固定砥粒ソーイングワイヤにおいて、
    前記ダイヤモンド粒子の少なくとも95%が、80μmより小さい寸法を有し、前記ダイヤモンド粒子の少なくとも50%が立方八面体であることを特徴とする固定砥粒ソーイングワイヤ。
  2. 前記ダイヤモンド粒子の少なくとも50%が、0.2以下の伸び度を有する、請求項1に記載の固定砥粒ソーイングワイヤ。
  3. 前記ダイヤモンド粒子が、高圧高温下で合成したダイヤモンドである、請求項1又は2に記載の固定砥粒ソーイングワイヤ。
  4. 前記ダイヤモンド粒子が、1キロメートルのワイヤ当たり0.5〜3.2gで存在する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の固定砥粒ソーイングワイヤ。
  5. 前記スチールワイヤが、50〜300μmの直径を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の固定砥粒ソーイングワイヤ。
  6. 前記ダイヤモンド粒子の表面が、前記研磨ソーイングワイヤ中への埋め込み前に金属コーティングされていない、請求項1〜5のいずれか一項に記載の固定砥粒ソーイングワイヤ。
  7. 前記ダイヤモンド粒子が、チタン、炭化チタン、ジルコニウム、炭化ジルコニウム、ケイ素、炭化ケイ素、バナジウム、炭化バナジウム、クロム、炭化クロム、タングステン、炭化タングステン、モリブデン、炭化モリブデン、マンガン、炭化マンガン、鉄、炭化鉄、コバルト、炭化コバルト、ニッケル、パラジウム、ニッケル−リン、ニッケル−ホウ素又はそれらの組み合わせから成る群から選択されるコーティングでコーティングされる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の固定砥粒ソーイングワイヤ。
  8. 前記金属の保持層が前記スチールワイヤをカバーする第1の金属層と前記第1の金属層の上面に位置する第2の金属層とを備え、前記ダイヤモンド粒子が前記第1の金属層内に機械的に押し込まれ、前記第2の金属層が前記押し込まれたダイヤモンド粒子を部分的又は全体的にカバーする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の固定砥粒ソーイングワイヤ。
  9. 前記金属の保持層が、前記スチールワイヤをカバーする第1の金属層と前記第1の金属層の上面に堆積された第2の金属層とを備え、前記ダイヤモンド粒子が前記第2の金属層と電解と同時に堆積される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の固定砥粒ソーイングワイヤ。
  10. 前記第1の金属層が、銅、鉄、亜鉛、スズ、アルミニウム、真鍮、青銅、銅−ニッケル、亜鉛−ニッケル、及びニッケルから成る群から選択され、前記第2の金属層が、ニッケル、鉄、コバルト、モリブデン、タングステン、銅、亜鉛、スズ及びそれらの合金から成る群から選択される、請求項8又は9に記載の固定砥粒ソーイングワイヤ。
  11. 前記金属の保持層が、亜鉛、銀及び銅の混合物を含む低融点はんだのはんだ層である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の固定砥粒ソーイングワイヤ。
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