JP2015521171A6 - トコジラミの死滅 - Google Patents

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Abstract

トコジラミの死滅は、トコジラミを毒性量の構造(I)、
【化1】
Figure 2015521171

(式中、Xは−OH、=O又は−O(O)CRであり、RはH並びに0〜3個の二重結合及び1〜11個の炭素原子を有する、分岐又は直鎖、飽和又は不飽和ヒドロカルビル基から選択され;RはH又はCHであり;RはH又はCHであり;RはH或いは0〜3個の二重結合及び1〜11個の炭素原子を有する、分岐又は直鎖、飽和又は不飽和ヒドロカルビル基であり;且つ構造(I)の化合物は化合物中に6〜20個の総炭素原子を含有する)
の化合物の1種と接触させることにより達成される。
【選択図】なし

Description

本発明は、トコジラミを死滅させるための殺虫剤として使用される化合物に関する。
近年のデータは、ヒト住居のトコジラミ侵襲(キメクス属(Cimex)の種)が増加していることを示唆している。トコジラミの少なくとも92種が世界的に同定されており、その少なくとも16種が北アメリカ大陸にいる。一般的に、トコジラミは、ヒト及び種々の飼育動物を含む宿主に対する寄生性有害生物である。現在、少なくとも一部は長時間作用する残留性殺虫剤がトコジラミ個体群を抑制するためにもはや使用されていないために、トコジラミ侵襲がますます問題になっていると考えられる。さらに、増加した国際旅行及び殺虫剤抵抗性が、トコジラミ侵襲を広げ、殺虫剤による防除を極めて困難にしている。規模の点から、不評又は悪評によりもたらされる事業評判のリスクのために、このような侵襲は、ホテル経営者、クルーズ客船、列車、デイケア施設などにとって特に懸念されている。他の問題となる区域は、療養施設、兵舎、寄宿舎、病院及び種々の他の形態の高密度住宅を含む傾向がある。それにもかかわらず、一戸建ても同様に悪影響を受け得る。
トコジラミはヒト血液を食物とする。したがって、トコジラミは目障りなだけでなく、醜く皮膚に斑紋を残す。これは住居の寝室にとって問題となるが、モーテルなどにとってより一層深刻な問題となる。このような商業的寝室に関しては、外部感染源がトコジラミをその場所に持ち込んでくるより多くの機会があり、対処される前に客の咬傷を引き起こす未知の侵襲があるはずであり、長期の有意な評判損失につながる、客の不満足及び悪評の深刻なリスクがある。
殺虫性化学物質の汚染区域及び材料(特に、マットレス)への施用を通して、トコジラミ侵襲を防除する試みがなされている。この手法はいくつかの欠点を有する。例えば、この手法は、処理区域又はマットレスを施用後あまりに早く使用する人々を殺菌性化学物質の臭気又は他の望ましくない特性に晒し得る。さらに、侵襲が既に存在していることが知られているかどうかにかかわらず、化学物質が定期的に使用されない限り(コストを有意に増加させる手順)、処理を開始することを知る前に汚染区域で眠っている人々が噛まれ得る。
トコジラミ増加の別の理由は、有害生物防除サービスが、今日では、残留性スプレーの代わりに、建築物にいる最も一般的な有害生物である、ゴキブリの防除用の低毒性ゲル系殺有害生物剤をよりよく使用するということである。他の昆虫を死滅させることを意図された残留性スプレーが一般的に使用されていた時、これらのスプレーが潜在的なトコジラミ侵襲に対する付帯的な殺虫効果をもたらした。今日主に使用されているゲル系殺虫剤は、トコジラミがこれらの誘餌を食物とすることができないので、トコジラミに何ら効果を及ぼさない。トコジラミを防除することにおける最も重要な課題の1つは、非常に有効であった有機リン殺有害生物剤を使用する能力の喪失、引き続いてこの殺有害生物剤に取って代わったピレスロイド殺有害生物剤の使用に対する広範な耐性である。
そのため、トコジラミを死滅させるために使用され得るヒト、動物及び環境にとって安全である殺虫剤並びにこのような化学物質を使用する安全及び有効な手段の必要性が存在する。
本発明によると、トコジラミの死滅は、トコジラミを毒性量の構造(I)、
Figure 2015521171
(式中、
Xは−OH、=O、−O(O)CRから選択され、RはH並びに0〜3個の二重結合及び1〜11個の炭素原子を有する、分岐又は直鎖、飽和又は不飽和ヒドロカルビル基から選択され;
はH、CHから選択され;
はH、CHから選択され;
はH並びに0〜3個の二重結合及び1〜11個の炭素原子を有する、分岐又は直鎖、飽和又は不飽和ヒドロカルビル基から選択され、且つ
構造(I)の化合物は化合物中に6〜20個の総炭素原子を含有する)
の化合物の少なくとも1種と接触させることにより得られる。本発明はまた、構造(I)の化合物の光学異性体、ジアステレオマー及びエナンチオマーも含む。したがって、立体化学が明示的に定義されていない全ての立体中心で、全ての可能なエピマーが想起される。
トコジラミは、トコジラミを上記の構造Iから選択される少なくとも1種の化合物を含有する製剤と接触させることにより死滅させられ得る。これらの化合物は、その異性体若しくはエナンチオマー形態のいずれかで、又はその異性体若しくはエナンチオマーの混合物として存在し得る。
本発明のさらなる態様は、トコジラミを死滅させる種々の方法へのこのような製剤の使用に関する。本発明の製剤が使用され得る種々の方法の中には、(1)製剤をマットレスの中又は上に直接又は他の成分若しくは溶媒と組みわせて注入すること、(2)製剤を吸収材料上に配置し、その吸収材料を匂い袋に入れること、及び製剤を含有する匂い袋を、それだけに限らないが、マットレス、かご、スーツケース、衣類袋、リネン類保管クローゼット又はトコジラミが存在し得る任意の他の封入容器などの場所に入れること、(3)、それだけに限らないが、マットレス、スーツケース、衣類袋、かご、衣類袋、リネン類保管クローゼット又はトコジラミが存在する可能性がある任意の他の封入容器などの場所、或いは清潔な又は汚れた洗濯物の山に配置するための製剤を含有する「ドライヤーシート」を調製すること、(4)洗剤又は柔軟剤組成物の洗濯衣類及びスプレーへの使用中にトコジラミを死滅させるために製剤を洗剤又は柔軟剤組成物に、或いはカーペット及び家具を処理するためにカーペット又は床清掃製品などに入れること、(5)共配合物を含む又は含まない、構造(I)の化合物を含有する製剤を、表面、手荷物、家具、隙間又は備品の後ろに噴霧すること、及び(6)それだけに限らないが、ローション、ワイプ、粉末、スプレー又はシャンプーを含む形態などでのヒト又は動物への使用が意図されている製剤の局所施用がある。
トコジラミの死滅は、トコジラミを毒性量の構造(I)、
Figure 2015521171
(式中、
Xは−OH、=O、−O(O)CRから選択され、RはH並びに0〜3個の二重結合及び1〜11個の炭素原子を有する、分岐又は直鎖、飽和又は不飽和ヒドロカルビル基から選択され;
はH、CHから選択され;
はH、CHから選択され;
はH並びに0〜3個の二重結合及び1〜11個の炭素原子を有する、分岐又は直鎖、飽和又は不飽和ヒドロカルビル基から選択され、且つ
構造(I)の化合物は化合物中に6〜20個の総炭素原子を含有する)
の化合物の少なくとも1種と接触させることにより得られる。本発明はまた、構造(I)の化合物の光学異性体、ジアステレオマー及びエナンチオマーも含む。したがって、立体化学が明示的に定義されていない全ての立体中心で、全ての可能なエピマーが想起される。
構造(I)の化合物の代表的な例は、それだけに限らないが、
Figure 2015521171
Figure 2015521171
Figure 2015521171
Figure 2015521171
Figure 2015521171
Figure 2015521171
Figure 2015521171
Figure 2015521171
Figure 2015521171
Figure 2015521171
Figure 2015521171
Figure 2015521171
Figure 2015521171
を含む。
蒸気毒性の目的のための構造(I)の特に好ましい化合物の群は、3−メチル−5−プロピル−シクロヘキセン−1−オン、3−メチル−5−プロピル−シクロヘキセン−1−オール及び3−メチル−5−エチル−シクロヘキセン−1−オンである。
接触毒性の目的のための構造(I)の特に好ましい化合物の群は、3−メチル−5−ブチル−シクロヘキセン−1−オン、3−メチル−5−ペンチルシクロヘキセン−1−オン及び3−メチル−5−ヘプチルシクロヘキセン−1−オンである。
トコジラミを死滅させるための構造(I)の化合物の毒性量は、使用される化合物及び化合物が使用される様式に依存し、使用者により容易に決定されるだろう。一般に、毒性量は、製剤中、約1重量%〜約10重量%の構造(I)の一つの化合物又は複数の化合物の量となるだろう。
構造(I)の化合物の毒性は、以下のプロトコルの下での強制暴露試験によって確認された。5枚の濾紙円が平坦面に置かれ、試験化合物で処理された。5連の5匹のトコジラミが処理紙円の各々に放たれた。円形開口部を有するペトリ皿底が処理紙円上に置かれ、暴露アリーナとして取り扱った。ペトリ皿底の側面はまた、トコジラミが側面を這い上がるのを防ぐためにFluonを塗られた。したがって、トコジラミは試験期間中、処理紙円に閉じ込められた。24時間でトコジラミの死亡率について観察が行われた。トコジラミ死亡率%は表1に報告されている。
Figure 2015521171
本発明のトコジラミ毒物化合物は、それだけに限らないが、N,N−ジエチル−m−トルアミド(DEET(登録商標))及びp−メンタン−3,8−ジオール(PMD)を含む他の活性忌避剤又は毒物とブレンドされ得る。
本発明がその具体的な実施形態に関して本明細書で記載されているが、本明細書に開示される発明概念の範囲から逸脱することなく、変更、修正及び変形がなされ得ることが認識され、添付の特許請求の範囲の範囲に入る全てのこのような変更、修正及び変形を包含することが意図されている。

Claims (9)

  1. トコジラミを死滅させる方法であって、前記トコジラミを毒性量の構造(I)、
    Figure 2015521171
    (式中、
    Xは−OH、=O、−O(O)CRから選択され、RはH並びに0〜3個の二重結合及び1〜11個の炭素原子を有する、分岐又は直鎖、飽和又は不飽和ヒドロカルビル基から選択され;
    はH、CHから選択され;
    はH、CHから選択され;
    はH並びに0〜3個の二重結合及び1〜11個の炭素原子を有する、分岐又は直鎖、飽和又は不飽和ヒドロカルビル基から選択され;且つ
    構造(I)の化合物は前記化合物中に6〜20個の総炭素原子を含有する)
    の化合物の少なくとも1種と接触させることを含む方法。
  2. 前記構造(I)の少なくとも1種の化合物が、
    Figure 2015521171
    Figure 2015521171
    Figure 2015521171
    Figure 2015521171
    Figure 2015521171
    Figure 2015521171
    Figure 2015521171
    Figure 2015521171
    Figure 2015521171
    Figure 2015521171
    Figure 2015521171
    Figure 2015521171
    及び
    Figure 2015521171
    からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記トコジラミが構造(I)の少なくとも2種の化合物と接触させられる、請求項1に記載の方法。
  4. 構造(I)の少なくとも1種の化合物が衣類若しくは織物の表面に施用される又は衣類若しくは織物に含浸させられる、請求項1に記載の方法。
  5. 構造(I)の少なくとも1種の化合物が洗剤、柔軟剤又はドライヤーシートに施用される、請求項1に記載の方法。
  6. 構造(I)の少なくとも1種の化合物がローション、ワイプ、粉末、スプレー又はシャンプーの形態の局所毒物製剤として施用される、請求項1に記載の方法。
  7. 構造(I)の少なくとも1種の化合物が家具、建築備品、電子装置、貨物又は貯蔵所に施用される、請求項1に記載の方法。
  8. 構造(I)の少なくとも1種の化合物が蒸気毒性のための3−メチル−5−プロピル−2−シクロヘキセン−1−オン、3−メチル−5−プロピル−2−シクロヘキセン−1−オール及び3−メチル−5−エチル−2−シクロヘキセン−1−オンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  9. 構造(I)の少なくとも1種の化合物が接触毒性のための3−メチル−5−ブチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3−メチル−5−ペンチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3−メチル−5−ヘキシル−2−シクロヘキセノン及び3−メチル−5−ヘプチル−2−シクロヘキセン−1−オンからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。

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