JP2015518174A - ニッケル系電極を用いた高分子分散液晶型調光体およびその製造方法 - Google Patents

ニッケル系電極を用いた高分子分散液晶型調光体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

既存のインジウム酸化スズ(ITO)電極の代わりに、ニッケルまたはニッケル−クロム合金で蒸着された電極を用いた高分子分散液晶型調光体を提供すること。本発明は、電極が形成された2枚の電極基材板と、2枚の電極基材板の間に形成された調光層とを含んでなり、該調光層は、2枚の電極基材板のうち少なくとも1面がニッケル系電極を含むことにより、ON状態での近赤外線遮断効果に優れるうえ、商業的な適用に適した程度の剥離接着力、フィルムの振り子硬度、ヘイズおよびコントラスト比を示すことができるため、究極的にコストダウンだけでなく、熱線遮断機能による省エネルギーなどの有利な効果を持つ。

Description

本発明は、既存のインジウム酸化スズ(ITO)電極の代わりに、ニッケル系薄膜を含む電極を用いた高分子分散液晶(Polymer Dispered Liquid Crystal)型調光体に関する。
高分子分散液晶(Polymer Dispered Liquid Crystal、以下「PDLC」という)型調光体は、高分子物質のマトリクス内に微細な液晶滴が形成され、外部からの印加電圧に反応して、電圧印加状態(on状態)では液晶が加えられる電界方向に沿って整列されて調光体透過光の進行方向と一致するため光を透過させ、電圧非印加状態(off状態)では液晶が不規則に配列されて調光体透過光の進行方向に沿って配列されないため光を散乱させる。すなわち、PDLC型調光体は、電圧の印加有無に応じて、光透過状態と光散乱状態の2つの状態で駆動できる。
このようなPDLC型調光体は、ネマティックを用いる他の液晶ディスプレイとは異なり、偏光板を使用しなくても輝度が良く、液晶を配向するためのラビング工程が省略できて製造工程が簡単であるから、窓の遮蔽膜のような器具に広く応用され、広い面積のディスプレイ装置にも応用できる。
通常、PDLC型調光体は、液晶、オリゴマー、モノマーおよび光開始剤を含む液晶分散組成物を、電極層が形性された2枚の電極基材板の間に塗布して調光体製造用液晶分散組成物層を形成し、前記2枚の電極基材板の間に形成された前記調光体製造用液晶分散組成物層に紫外線を照射すると、組成物内に含まれた光開始剤によってオリゴマー、モノマーなどが光硬化反応を起こして高分子物質マトリクスが形成されながら高分子物質マトリクスの間に液晶滴(液滴:Liquid Crystal droplet)が形成されるように製造する。勿論、電子線による硬化を誘導する場合であれば、液晶分散組成物には光開始剤を含まなくてもよい。
PDLC型調光体に関連した従来の技術の一例として、韓国特許公開第10−2011−0062215号には、透明電極が形成された2枚の透明基材板と、2枚の透明基材板の間に形成された調光層とを含んでなり、調光層は2枚の透明基材板のうち一面の透明基材板を除去した後に測定された振り子硬度が30s以上であるPDLC型調光体について記載している。
このような従来の技術およびその他の一般なPDLC型調光体において、電極基材板としては、金属酸化膜であるITOの電極基材板が電気伝導度および透明度に優れて広く用いられてきた。さらに具体的には、従来のPDLC型調光体の電極基材板として使用されたITO蒸着PETフィルムの場合、可視光線透過率が83〜85%程度であり、面抵抗が100〜250Ω/□である特性を持つ。勿論、ITO蒸着膜の厚さをさらに厚く調節すると、電気伝導度は数十Ω/□まで増加させることができるが、可視光線透過率は減少するという欠点を持っている。PDLC型調光体の透明基材板として使用されているITO蒸着PETフィルムの場合、酸化インジウム(InO)に酸化スズ(SnO)が10重量%含有されたターゲットから製造できる。この際、使用されているITOのインジウム(In)が地球上の希少金属であって、資源が枯渇しているため時間が経つほどインジウムの価格が上昇することにより、PDLC型調光体の原価におけるインジウムの占有比率が非常に大きくなっており、これに対する解決方案が要求されている。また、ITO電極基材板が適用されたPDLC型調光体は、大部分の赤外線を透過して熱線遮断或いは吸収機能が微々たるものである。これは、建築物にPDLC型調光体が施工されたとき、太陽光の熱線を選択的に遮断または透過させることを調節することができないため、夏季冷房費および冬季暖房費の負担を減らすことができないという問題点を生んでいる。特に、PDLC型調光体が自動車のサンルーフなどに適用された場合、太陽光の熱線遮断機能がなくて自動車の冷暖房のためのエネルギー消費が高いから、自動車への適用を難しくしている。
本発明者は、赤外線遮断効果のあるPDLC型調光体について鋭意研究した結果、電極基材板にニッケル系電極基材板を適用する場合、ITO電極と比較して赤外線遮断効果に優れるという結果を見出した。本発明は、この結果に基づいてITO電極をニッケル系電極で代替することにより、コストダウン効果、および熱線遮断機能による省エネルギー効果に優れるPDLC型調光体およびその製造方法を提供しようとする。
本発明は、PDLC型調光体の電極基材板として使用されたITO電極基材板をニッケル系電極基材板で代替することにより、熱線たる赤外線領域の透過を減らして省エネルギー効果を与えるうえ、コストダウン効果も与えるPDLC型調光体およびその製造方法を提供する。PDLC型調光体の電極基材板へのニッケル系蒸着膜の適用は、適切な電気伝導度を提供し且つ赤外線透過度を効率よく調節することを可能にして既存の熱線の透過問題を解決した。
本発明によれば、ニッケル系電極基材板を含むPDLC型調光体の場合、ON状態での近赤外線遮断効果に優れるうえ、商業的に適用される上で適した程度の剥離接着力、フィルムの振り子硬度、ヘイズおよびコントラスト比を示すことができるため、究極的にコストダウンだけでなく、熱線遮断機能による省エネルギーなどの有利な効果を持つ。
ニッケル系電極基材板−PDLCコーティング層−ニッケル系電極基材板からなるPDLC型調光体構造の概略図である。 ニッケル系電極基材板−PDLCコーティング層−ITO電極基材板からなるPDLC型調光体構造の概略図である。 実施例1、2、4、5および比較例1のPDLC型調光体に対するOFF状態の光透過率を示すグラフである。 実施例1、2、4、5および比較例1のPDLC型調光体に対するON状態の光透過率を示すグラフである。 実施例6、7、9、10および比較例2のPDLC型調光体に対するOFF状態の光透過率を示すグラフである。 実施例6、7、9、10および比較例2のPDLC型調光体に対するON状態の光透過率を示すグラフである。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明のニッケル系電極を用いたPDLC型調光体は、高分子分散液晶型調光体製造用液晶分散組成物を製造する段階と、前記調光体製造用液晶分散組成物を互いに対向する2枚の電極基材板の間に塗布して調光体製造用液晶分散組成物層を形成するが、少なくとも一つの電極基材板はニッケル系薄膜層を含む電極基材板である段階と、前記互いに対向する2枚の電極基材板の間に形成された前記調光体製造用液晶分散組成物層を硬化させる段階とを含んで製造できる。
前記硬化させる段階は、電子線照射による硬化、熱硬化、空気酸素硬化、光による硬化などに限定されるものではないが、ニッケル系電極基材板の透過度による硬化効率の点から、前記互いに対向する2枚の電極基材板の間に形成された前記調光体製造用液晶分散組成物層に波長330〜410nmの光を照射して光硬化させることが好ましい。
上記および以下の記載において、ニッケル系薄膜層を含む電極基材板という用語は、当業界において通称ニッケル系電極基材板と呼ばれる全ての形態の電極基材板として理解でき、ガラスまたはフィルム基材上にニッケル系薄膜層を含むものであれば、その形態および構造に限定があるのではない。
特に、本発明のニッケル系薄膜層を含む電極基材板は、ニッケルまたはニッケル−クロム合金ターゲットからガラスまたはポリエステル系フィルム基材に蒸着されて製造されたものであって、以下ではこのような意味で「ニッケル電極基材板」または「ニッケル−クロム合金電極基材板」と略称する。
一例として、前記ニッケル電極基材板は、ガラスにニッケルターゲットを蒸着して製造することができるが、ポリエステル系フィルム基材、具体的に非結晶性ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムからロールツーロール(roll−to−roll)スパッタを用いて製造されたフレキシブル電極基材板が好ましい。この際、フィルム基材は、ニッケル蒸着膜との付着性を向上させるために、プライマー処理を施すことができる。もしニッケル蒸着膜の付着性が足りなければ、ニッケル薄膜表面への所望しないヒロック(hillock)、ホール(hole)などの生成原因になって薄膜の比抵抗および光学的特性を変化させる間接的な原因となる。フィルム基材がPETフィルムである場合、プライマーとしてはいろいろの有機もしくは無機物質が使用されており、具体的な例としてはSiOプライマーを挙げることができる(韓国表面工学会42(2009)、p21〜25)。ニッケルの薄膜蒸着は、プライマー処理されたPETフィルムおよびDCマグネトロンスパッタリング法を用いることができる。
以下、本発明の一実施態様に開示しているPETフィルム基材へのニッケル薄膜蒸着工程を挙げて説明する。具体的に、PETフィルム上にSiOバッファ層を熱蒸着するための装備としてEvaporation Systemを用い、蒸発物質としては99.99%の顆粒状SiOを用いる。熱蒸着のために、Evaporatorチャンバー内に対して、低真空用ロータリーポンプを用いて真空度1.3×10−3Torrまで真空を形成した後、ブースターポンプと高真空用オイル拡散ランプを用いて3.0×10−5Torrに基本真空度を維持する。溶着前に試片に付着した有機物を除去しかつ蒸着時に材料と試片との付着力を向上させるために、Ar15sccm、O25sccmを注入して基板にイオンビーム処理を施す。SiO熱蒸着の際には、蒸着工程別の薄膜の厚さを制御することが可能なInficon社製のdeposition controller(IC/5)を用いてSiOの蒸着率が2Å/sとなるように維持した。この値に基づいて厚さが10Å、50Å、100Åとなるように蒸着時間を調節して熱蒸着する。
次に、PET基材上にSiOプライマーを蒸着した後、スパッタリング法でニッケル薄膜を蒸着する。本発明の一実施態様で使用した装備は、量産用DCマグネトロンスパッタであって、ロータリーポンプとクライオポンプが取り付けられたシステムから構成されており、DCパワーを供給するために2.2kWの直流発生器を用いてプラズマを形成させる。ニッケルターゲットは、99.99%の純度および166×380mmのサイズを有し、試片から約60mm程度離れた距離に位置させる。ニッケル薄膜蒸着のために、SiOがプライマーコートされたPET基材をスパッタの16角形の治具(jig)の片面に磁石を用いて固定させ、蒸着の際に治具が5.22Hzの速度で回転するように設定することにより、ニッケル薄膜の蒸着率が30Å/sとなるように維持する。ニッケルスパッタの蒸着工程を2.5×10−5Torrとし、蒸着時のガス組成をO/(Ar+O)比率が2%となるようにし、蒸着圧力を2.5×10−3Torrに維持しながら、常温で約150Åの厚さに蒸着する。
上述した一連のニッケル薄膜蒸着方法は、本発明でニッケル電極基材板を含む調光体を製造する際に適用できる様々な方法の一つである。勿論、このような方法によってニッケル電極基材板の製造が限定されるのではない。
ニッケル−クロム合金薄膜も、上述したニッケル薄膜蒸着方法によって製造できる。但し、ターゲットを、ニッケルターゲットの代わりに、必要に応じて含量比がそれぞれ異なるニッケル−クロム合金ターゲットで代替して製造できる。
ニッケル電極基材板は、400〜800nmの可視光線領域で10〜60%の透過率を有することが、PDLC型調光体のONの際に視認性の確保と太陽光の可視光線遮断とを折衷する観点から好ましく、800〜3000nmの近赤外線領域で5〜60%の透過率を有することが太陽光の熱線遮断の観点から好ましく、50〜300Ω/□の面抵抗を有することが、PDLC型調光体の駆動を可能とする観点から好ましい。但し、ニッケル薄膜層は、空気中に露出するときに酸化し易い特性があるので、PDLC調光体の端子形成作業の際に電極部分が空気中に露出しないように格別に注意を傾ければならない。本発明者は、このようなニッケルの酸化防止方案を模索した結果、ニッケル−クロム合金を電極基材板に使用する場合、ニッケルの酸化防止に卓越した効果があることを見出した。
ニッケル−クロム合金薄膜蒸着の際に、ニッケル−クロム合金薄膜層における、ニッケルの含量は70〜90重量%、クロムの含量は10〜30重量%であることが好ましい。クロムの含量が10重量%未満の場合には、酸化防止効果が微々たるものであり、クロムの含量が30重量%を超える場合には、面抵抗が上昇して電気伝導度が低下するという欠点がある。最も好ましいクロムの含量は15〜25重量%である。また、ニッケルの含量が70重量%未満であれば、面抵抗が上昇して電気伝導度が低下するという欠点があり、ニッケルの含量が90重量%超過であれば、酸化防止効果が低下するという問題がある。よって、この含量範囲内で好ましいニッケルの酸化防止効果、およびPDLC調光体用電極基材板として駆動する上で最も好適な電気伝導度を確保することができる。
ニッケル−クロム薄膜蒸着電極基材板の酸化防止効果を調べるために、ニッケル−クロムの含量比がそれぞれ異なるターゲットから蒸着された試料を、65℃、95%を維持するオーブンに放置することにより、高温高湿信頼性テストを行った。試料の初期面抵抗値と高温高湿テスト1000時間後の面抵抗を抵抗測定器(R−CHECK 4 point meter、EDTM、USA)で測定した平均値を表1に示す。表1から明らかなように、クロム含量が増加するにつれて初期面抵抗が増加する。また、1000時間後の面抵抗値は、クロム含量が0である場合にはニッケル表面が酸化して無限大の値を示し、クロム含量が漸次増加する場合には大きく上昇しない。これはニッケルの酸化防止効果に優れることを示す。
ニッケル−クロム電極基材板は、400〜800nmの可視光線領域で10〜60%の透過率を有することがPDLC型調光板のON時における視認性の確保と太陽光の可視光線遮断との折衷の観点から好ましく、また800〜3000nmの近赤外線領域で5〜60%の透過率を有することが太陽光の熱線遮断の観点から好ましく、50〜300Ω/□の面抵抗を有することがPDLC型調光体の駆動を可能とする観点から好ましい。
本発明の一実施態様に係るPDLC型調光体における互いに対向する2枚の電極基材板は、両方とも前述したニッケル系電極基材板であってもよく、2枚の電極基材板のいずれか一方はニッケル系電極基材板または従来の調光体を構成するITO電極基材板であってもよい。電圧が印加された状態で近赤外線領域(800〜3000nm)における遮断率にさらに優れるものは、両方ともニッケル系電極基材板を適用したものである。2枚の電極基材板のいずれか一方はITO電極基材板、もう一方はニッケル系電極基材板である場合であっても、両方ともITO電極基材板である場合に比べて近赤外線領域たる熱線を効果的に遮断することができる。
この際、ITO電極基材板は、透明電極として知られている様々な形態のITO電極基材板を適用することができるが、ITO電極基材板の好ましい一例は、酸化インジウム(InO)に酸化スズ(SnO)が10重量%含有されたターゲットからガラスまたはポリエステル系フィルム基材に蒸着されて製造されたものであって、400〜800nmの可視光線透過率が83〜85%、面抵抗が10〜300Ω/□であるものである。酸化インジウムに酸化スズが10重量%含有されたターゲットから製造されたITO薄膜は、透明度に優れるといる点で有利である。また、PDLC型調光体の駆動に必要な面抵抗が10〜300Ω/□であるITO薄膜は、技術的に到達することが可能な400〜800nmの可視光線透過率が83〜90%である。
一方、PDLC型調光体製造用液晶分散組成物を製造する段階で製造される液晶分散組成物は、オリゴマー(プレポリマー)、多官能性または単官能性のモノマー、液晶化合物を含み、光硬化を考慮して光開始剤を含むことができる。この際、光開始剤は330〜410nmの波長帯領域で吸光ピークが形成されることが好ましい。この他にも、染料を含むことができる。
PDLC型調光体製造用液晶分散組成物は、電極基板に塗布および硬化されて硬化膜を形成することにより、究極的には高分子物質マトリクスと、高分子物質マトリクスに分散した液晶滴とを有する調光層を形成するものであって、本発明の案出意図によれば、このような液晶分散組成物の各組成に格別な限定があるのではない。
本発明の一実施態様に係る液晶分散組成物は、例えば、少なくとも一つのチオール基を有するチオール系プレポリマー10〜50重量%、多官能性または単官能性のアクリル系モノマー、またはビニルエーテル系モノマー10〜60重量%、液晶化合物20〜70重量%、および光開始剤2〜7重量%を含むものであってもよい。
ここで、チオール基を有するチオール系プリポリマーとは、チオール系プレポリマーの単独形態、またはチオール系プレポリマー以外の他のオリゴマー、例えば、ノーランド社から市販されているNOA 65のようにアリルエーテル基のウレタンオリゴマーとチオール系プレポリマーとの混合物の形態を全て含むことができる。このような環状尿素を有する付着増進単量体は、高分子分散型液晶膜樹脂組成物に添加されることで透明基材板との付着性に優れる高分子分散型液晶膜樹脂組成物を提供することができる。
チオール系プレポリマーは、少なくとも一つのチオール基を有するチオール系樹脂であって、例えば、アルキル3−メルカプトプロピオネート、アルキルチオコレート、アルキルチオールなどを挙げることができ、この他にも、ノーランド社のNOA65、68などのようにチオール系プレポリマーと他のオリゴマーとの混合物を使用することができる。その使用量は最終使用物を基準として10〜50重量%であることが好ましいが、この際、10重量%未満であれば、液晶との相分離が起こらないことがあり、もし50重量%超過であれば、光学特性が低下するおそれがある。
一方、前記多官能性または単官能性であるアクリル系モノマーとしては、ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、1,6−ヘキサンジオールアクリレート(HDDA)、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)およびトリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)などが挙げられ、ビニルエーテルモノマーとしては、ブタンジオールモノビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテルおよびトリエチレングリコールジビニルエーテルなどが挙げられる。この際、前記アクリル系モノマーまたはビニルエーテル系モノマーの使用量は、最終生成物を基準として約10〜60重量%であることが好ましいが、この際、10重量%未満であれば、硬化速度が低下するおそれがあり、60重量%超過であれば、光学特性としての応答速度が低下するおそれがある。
また、前記液晶化合物は、ネマティック、スメクティックまたはコレステリック液晶化合物が好ましく、例えば、現在市販されるEMまたはMerck社製のE7、E63およびHoffmanLaRoche社製のROTN404が使用できる。この際、前記液晶化合物の使用量は最終生成物を基準として20〜70重量%であることが好ましいが、この際、20重量%未満であれば光学特性が低下するおそれがあり、70重量%超過であれば硬化速度が低下するおそれがある。
一方、光開始剤は、330〜410nmの波長帯領域で吸光ピークが形成されるものであれば特に制限はなく、ニッケル蒸着膜またはニッケル−クロム合金蒸着膜が光硬化の際に必要な紫外線透過を一部阻害するおそれがあるため、これを考慮して公知の光開始剤の中から選んで適用することができる。
前記光開始剤は、フリーラジカル系光開始剤であって、例えば、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィンオキシド、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィンオキシド、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)ビス[2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル]チタニウム、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、およびα,α−ジメトキシ−α’−ヒドロキシアセトフェノンなどがあり、現在市販されるスイスチバガイギー社製のDarocure TPO、Irgacure 184、Darocur 1173、またはKOLON乳化社製のUVICURE204などがある。
その使用量は、最終生成物を基準として約2〜7重量%であることが好ましいが、この際、2重量%未満であれば、未反応物質が生成するため物性が低下するおそれがあり、7重量%超過であれば、未反応開始剤が残っているため耐候性が低下するおそれがある。また、選択的に、カチオン系光開始剤とその他の添加剤が使用でき、前記光開始剤を使用せずに電子線によって本発明の樹脂組成物を架橋化させることもできるので、これも本発明の範疇に含まれる。
このような一連の工程によれば、一例として、図1〜図2に示したような構造で表わすことができる、互いに対向する2枚の電極基材板、および前記電極基材板同士の間に形成され、高分子物質マトリクスと高分子物質マトリクスに分散した液晶滴とを有する調光層を含んでなり、前記電極基材板の少なくとも一つはニッケル系薄膜層を含む電極基材板である、PDLC型調光体を得ることができる。
このような調光体は、電圧が印加された状態における赤外線800〜3000nmの領域で60%以下の光透過率を示すもので、このような特徴により、熱線遮断効果による省エネルギーなどにおいて有利な効果を発現することができる。
以下、実施例および比較例によって本発明をさらに具体的に説明する。ところが、本発明の範疇はこれらの例に限定されるものではない。
実施例1:ニッケル蒸着基材板(フィルム基材)−PDLC層−ニッケル蒸着基材板(フィルム基材)構造の調光体の製造
(1)PDLC型調光体製造用ニッケル蒸着PETフィルムの製造
188μmのPETフィルム上にSiOバッファ層を熱蒸着するための装備としてはEvaporation Systemを用い、蒸発物質としては99.99%の顆粒状SiOを用いた。熱蒸着のために、Evaporatorチャンバーに対して、低真空用ロータリーポンプを用いて真空度1.3×10−3Torrまで真空を形成した後、ブースターポンプと高真空用オイル拡散ポンプを用いて3.0×10−5Torrに基本真空度を維持した。溶着前に試片に付着した有機物を除去しかつ蒸着の際に材料と試片との付着力を向上させるために、Ar15sccmとO25sccmを注入して基板にイオンビーム処理を施した。SiO熱蒸着の際には、蒸着工程別の薄膜の厚さを制御することが可能なInficon社製のdeposition controller(IC/5)を用いてSiOの蒸着率が2Å/sとなるように維持し、この値に基づいて厚さが50Åとなるように蒸着時間を調節して熱蒸着した。
PET基材上にSiOプライマーを蒸着した後、スパッタリング法でニッケル薄膜を蒸着した。本発明で使用した装備は、量産用DCマグネトロンスパッタであって、ロータリーポンプとクライオポンプが取り付けられたシステムから構成されており、DCパワーを供給するために2.2kWの直流発生器を用いてプラズマを形成させた。ニッケルターゲットは、99.99%の純度および166×380mmのサイズを有し、試片から約60mm程度離れた距離に位置させた。ニッケル薄膜蒸着のためにSiOがプライマーコートされたPET基材をスパッタの16角形の治具(jig)の片面に磁石を用いて固定させ、蒸着の際に治具が5.22Hzの速度で回転するように設定してニッケル薄膜の蒸着率が30Å/sとなるように維持した。ニッケルスパッタの蒸着工程を2.5×10−5Torrとし、蒸着時のガス組成をO/(Ar+O)の比率が2%となるようにし、蒸着圧力を2.5×10−3Torrに維持しながら、常温で約150Åの厚さに蒸着した。これにより、可視光線領域である550nmでの透過率が45%、近赤外線領域である2000nmでの透過率が38%、面抵抗が134Ω/□を示すニッケル電極基材板を製造した。
(2)PDLC型調光体製造用高分子液晶分散組成物
液晶化合物としてMerck社製のE7ネマティック液晶化合物58重量%、オリゴマーとしてNOA65(アリルエーテル基のウレタンオリゴマーとチオール系プレポリマーとの混合物、米国ノーランド社製)28重量%、モノマーとしてヘキサンジオールジアクリレート10重量%、紫外線光開始剤としてジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィンオキシド4重量%(DAROCUR TPO、Ciba Speciatly Chemicals社製、380nmの波長帯領域で吸光ピークを形成)を混合して液晶分散組成物を製造した。
(3)PDLC型調光体の製造
前記製造されたPDLC型調光体製造用液晶分散組成物を前記製造されたニッケル電極基材板の一面に20μmの厚さに塗布し、その上に、前記ニッケル電極層が形成された電極基材板と同一の電極基材板を貼り合わせた。その後、365nm metal halide lamp(UV intensity:75mW/cm、UVエネルギー:1050mJ/cm)光源を用いて波長365nmの光を、前記電極基材板を透過させて、塗布された調光体製造用液晶分散組成物層に照射することにより、本発明の図1に示したような構造のPDLC型調光体を製造した。
実施例2:ニッケル蒸着基材板(フィルム基材)−PDLC層−ITO蒸着基材板(フィルム基材)構造の調光体の製造
互いに対向する2つの電極基材板として、一つは前記実施例1で製造されたニッケル電極基材板を使用し、残りの一つは日本東レ社から購入したITO蒸着電極フィルム(酸化インジウム(InO)に酸化スズ(SnO)が10重量%含有されたターゲットからPETフィルム基材に蒸着されて製造されたものであって、550nmの可視光線透過率が88%、面抵抗が100Ω/□を満足するもの)を使用したことを除いては、実施例1と同様にして高分子分散液晶型調光体を製造した。
具体的に、前記製造されたPDLC型調光体製造用液晶分散組成物を、前記製造されたニッケル電極基材板の一面に20μmの厚さに塗布し、その上に、日本東レ社から購入したITO蒸着電極フィルムの電極基材板を貼り合わせた。その後、365nm metal halide lamp(UV intensity:75mW/cm、UVエネルギー:1050mJ/cm)光源を用いて波長365nmの光を、前記透明基材板を透過させて、塗布された調光体製造用液晶分散組成物層に照射することにより、本発明の図2に示したような構造のPDLC型調光体を製造した。
実施例3:ニッケル蒸着基材板(フィルム基材)−PDLC層−ニッケル−クロム合金蒸着基材板(フィルム基材)構造の調光体の製造
互いに対向する2つの電極基材板として、一つは前記実施例1で製造されたニッケル電極基材板を使用し、残りの一つはニッケルターゲットの代わりにニッケル−クロム8:2の含量比(重量比)を有するターゲットを用いて、実施例1と同様の方法で製造されたニッケル−クロム合金電極基材板(可視光線領域550nmにおける透過率44%、近赤外線領域2000nmにおける透過率37%、面抵抗195Ω/□)を使用したことを除いては、実施例1と同様にして高分子分散液晶型調光体を製造した。
具体的に、前記製造されたPDLC型調光体製造用液晶分散組成物を前記製造されたニッケル電極基材板の一面に20μmの厚さに塗布し、その上にニッケル−クロム合金電極基材板を貼り合わせた。その後、365nm metal halide lamp(UV intensity:75mW/cm、UVエネルギー:1050mJ/cm)光源を用いて波長365nmの光を、前記透明基材板を透過させて、塗布された調光体製造用液晶分散組成物層に照射することにより、本発明の図1に示したような構造のPDLC型調光体を製造した。
実施例4:ニッケル−クロム合金蒸着基材板(フィルム基材)−PDLC層−ニッケル−クロム合金蒸着基材板(フィルム基材)構造の調光体の製造
互いに対向する2つの電極基材板として、ニッケルターゲットの代わりに、ニッケル−クロム8:2の含量比(重量比)を有するターゲットを用いて、実施例1と同様の方法で製造されたニッケル−クロム合金電極基材板を使用したことを除いては、実施例1と同様にして高分子分散液晶型調光体を製造した。
具体的に、前記製造されたPDLC型調光体製造用液晶分散組成物を前記製造されたニッケル−クロム合金電極基材板の一面に20μmの厚さに塗布し、その上にニッケル−クロム合金電極基材板を貼り合わせた。その後、365nm metal halide lamp(UV intensity:75mW/cm、UVエネルギー:1050mJ/cm)光源を用いて波長365nmの光を、前記透明基材板を透過させて、塗布された調光体製造用液晶分散組成物層に照射することにより、本発明の図1に示したような構造のPDLC型調光体を製造した。
実施例5:ニッケル−クロム合金蒸着基材板(フィルム基材)−PDLC層−ITO蒸着基材板(フィルム基材)構造の調光体の製造
互いに対向する2つの電極基材板として、一つは前記実施例3で製造されたニッケル−クロム合金電極基材板を使用し、残りの一つは日本東レ社から購入したITO蒸着電極フィルムを使用したことを除いては、実施例2と同様にして高分子分散液晶型調光体を製造した。
具体的に、前記製造されたPDLC型調光体製造用液晶分散組成物を前記製造されたニッケル−クロム合金電極基材板の一面に20μmの厚さに塗布し、その上に、日本東レ社から購入したITO蒸着電極フィルムの電極基材板を貼り合わせた。その後、365nm metal halide lamp(UV intensity:75mW/cm、UVエネルギー:1050mJ/cm)光源を用いて波長365nmの光を、前記透明基材板を透過させて、塗布された調光体製造用液晶分散組成物層に照射することにより、本発明の図2に示したような構造のPDLC型調光体を製造した。
比較例1:ITO蒸着基材板(フィルム基材)−PDLC層−ITO蒸着基材板(フィルム基材)構造の調光体の製造
互いに対向する2つの電極基材板の両方とも、日本東レ社から購入したITO蒸着電極フィルム(酸化インジウム(InO)に酸化スズ(SnO)が10重量%含有されたターゲットからPETフィルム基材に蒸着されて製造されたものであって、550nmの可視光線透過率が88%、面抵抗が100Ω/□を満足するもの)を使用したことを除いては、実施例1と同様にして高分子分散液晶型調光体を製造した。
具体的に、前記製造されたPDLC型調光体製造用液晶分散組成物を、日本東レ社から購入したITO電極層が形成された電極基材板(188μm、PETフィルム)の一面に20μmの厚さに塗布し、その上に、日本東レ社から購入したITO蒸着電極基材板を貼り合わせた。その後、365nm metal halide lamp(UV intensity:75mW/cm、UVエネルギー:1050mJ/cm)光源を用いて波長365nmの光を、前記電極基材板を透過させて、塗布された調光体製造用液晶分散組成物層に照射することにより、本発明の比較例1のPDLC型調光体を製造した。
前述の記載において、ニッケル系電極基材板とITO電極基材板に対する、400〜800nmの可視光線領域における透過率はバリアン社のCary500スキャンで評価し、800〜3000nmの近赤外線領域における透過率はバリアン社のCary500スキャンで評価し、面抵抗は抵抗測定器(R−CHECK 4 point meter、EDTM、USA)で評価した。
前記実施例1、2、4、5および比較例1で製造されたPDLC型調光体の赤外線領域における遮断率を評価した。バリアン社のCary500スキャンを用いてON状態とOFF状態の光(200〜3000nm)透過率のスペクトルをそれぞれ図3および図4に示した。図3および図4は、ニッケル系電極基材板を使用した高分子分散液晶型調光体の近赤外線領域(800〜2000nm)における遮断率が、ITO電極基材板を使用した高分子分散液晶型調光体に比べて優れることを示している。その結果より、ニッケル系電極基材板を少なくとも1枚使用したPDLC型調光体が近赤外線領域たる熱線の遮断効果に優れることが分かる。
また、実施例1、2、3、4、5および比較例1の調光体に対して、ON状態の2000nmでの透過率、PDLC調光体の接着力、振り子硬度、ヘイズ、コントラスト比などを次のとおり評価し、その結果を表2に示した。PDLC型調光体の接着力、振り子硬度、ヘイズ、コントラスト比は次のとおりである。
1)ON状態の2000nmでの透過率
ON状態の2000nmでの透過率は、熱線(800〜3000nm)の中心波長で透過率がスペクトラムのベースラインに近接するから、熱線の透過率評価指標として活用した。前記高分子分散液晶型調光体のON状態の透過率スペクトルから2000nmでの透過率を表示した。
2)剥離接着力(peel adhesion strength)試験
剥離接着力は、ASTM D3654方法に従ってTinus Olsen社製のH5KS機器を用いて測定した。この際、剥離角度は180°、剥離速度は300nm/minであった。
3)振り子硬度(pendulum hardness)試験
振り子硬度は、ASTM D4366方法に従ってSheen社製のKonig ref.707KP機器を用いて測定した。Konig振子は、三角形の形状をしており、200±0.2gの重量を有する。直径5mmの2つのボールベアリングが回転軸に取り付けられており、振り子硬度値は時間単位たる秒(s)で表現され、振動周期は1.4±0.02sである。振り子硬度はサンプルの軟性(softness)を測定する上で有用である。
4)光学物性測定
Offヘイズ(off haze)およびコントラスト比(contrast ratio)は、Avantes社製のAvaspec−2048 visible spectrometerを用いて測定した。光源はハロゲンランプ(Avalight−HAL、Avantes)を使用した。
前記表2の比較例1のように透明基材としてニッケル系電極基材板を含まない高分子分散液晶型調光体の場合、ON状態の2000nmでの透過率が74%と高いため、熱線領域たる近赤外線の遮断効果が微々たるものと確認された。一方、ニッケル系電極基材板が導入された高分子分散液晶フィルムのON状態の光透過率は、近赤外線遮断効果に著しく優れることを示唆する。また、互いに対向する2枚の電極基材板の両方ともニッケル系電極基材板である場合に、近赤外線遮断効果に最も優れる結果を示している。
また、前記実施例と比較例は、調光体の剥離接着力、フィルムの振り子硬度、ヘイズおよびコントラスト比において大きな差を示していない。よって、ニッケル系電極基材板の適用された調光体が商業的に適用される上で問題がないと評価された。本発明の結果、ニッケル系電極基材板を含む高分子分散液晶型調光体は、コストダウン効果だけでなく、熱線遮断機能があって省エネルギー効果も有するものと期待される。
実施例6:ニッケル蒸着基材板(ガラス基材)−PDLC層−ニッケル蒸着基材板(ガラス基材)構造の調光体の製造
(1)PDLC型調光体製造用ニッケル蒸着ガラス基材の製造
ガラス基材上にスパッタリング法でニッケル薄膜を蒸着した。本発明で使用した装備は、量産用DCマグネトロンスパッタであって、ロータリーポンプとクライオポンプが取り付けられたシステムから構成されており、DCパワーを供給するために2.2kWの直流発生器を用いてプラズマを形成させた。ニッケルターゲットは99.99%の純度および166×380mmのサイズを有し、試片から約60mm程度離れた距離に位置させた。ニッケル薄膜蒸着のために、ガラス基材をスパッタの16角形の治具(jig)の片面に磁石を用いて固定させ、蒸着の際に治具が5.22Hzの速度で回転するように設定してニッケル薄膜の蒸着率が35Å/sとなるように維持した。ニッケルスパッタの蒸着工程を2.5×10−5Torrとし、蒸着時のガス組成をO/(Ar+O)の比率が2%となるようにし、蒸着圧力を2.6×10−3Torrに維持しながら、常温で約100Åの厚さに蒸着した。これにより、可視光線領域である550nmでの透過率が46%、近赤外線領域である2000nmでの透過率が40%、面抵抗が131Ω/□であるニッケル電極基材板を製造した。
(2)PDLC型調光体製造用高分子液晶分散組成物
液晶化合物としてMerck社製のE7ネマティック液晶化合物58重量%、オリゴマーとしてNOA65(アリルエーテル基のウレタンオリゴマーとチオール系プレポリマーとの混合物、米国ノーランド社製)28重量%、モノマーとしてヘキサンジオールジアクリレート10重量%、紫外線光開始剤としてジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィンオキシド4重量%(DAROCUR TPO、Ciba Speciatly Chemicals社製、380nmの波長帯領域で吸光ピークを形成)を混合して液晶分散組成物を製造した。
(3)PDLC型調光体の製造
前記製造されたPDLC型調光体製造用液晶分散組成物を前記製造されたニッケル電極基材板の一面に20μmの厚さに塗布し、その上に、前記ニッケル電極層が形成された電極基材板と同一の電極基材板を貼り合わせた。その後、365nm metal halide lamp(UV intensity:75mW/cm、UVエネルギー:1050mJ/cm)光源を用いて波長365nmの光を、前記電極基材板を透過させて、塗布された調光体製造用液晶分散組成物層に照射することにより、本発明の図1に示したような構造のPDLC型調光体を製造した。
実施例7:ニッケル蒸着基材板(ガラス基材)−PDLC層−ITO蒸着基材板(ガラス基材)構造の調光体の製造
互いに対向する2つの電極基材板として、一つは実施例6で製造されたニッケル電極基材板(ガラス基材)を使用し、残りの一つはITO電極基材板(ITO蒸着ガラス基材電極基板、酸化インジウム(InO)に酸化スズ(SnO)が10重量%含有されたターゲットからガラスに蒸着されて製造されたものであって、550nmの可視光線透過率が89%、面抵抗が95Ω/□を満足するもの、ガラス基材の厚さ1mm)を使用しことを除いては、実施例6と同様にして高分子分散液晶型調光体を製造した。
具体的に、前記製造されたPDLC型調光体製造用液晶分散組成物を前記製造されたニッケル電極基材板の一面に20μmの厚さに塗布し、その上に前記ITO電極基材板を貼り合わせた。その後、365nm metal halide lamp(UV intensity:75mW/cm、UVエネルギー:1050mJ/cm)光源を用いて波長365nmの光を、前記透明基材板を透過させて、塗布された調光体製造用液晶分散組成物層に照射することにより、本発明の図2に示したような構造のPDLC型調光体を製造した。
実施例8:ニッケル蒸着基材板(ガラス基材)−PDLC層−ニッケル−クロム合金蒸着基材板(ガラス基材)構造の調光体の製造
互いに対向する2つの電極基材板として、一つは前記実施例6で製造されたニッケル電極基材板を使用し、残りの一つはニッケルターゲットの代わりにニッケル−クロム8:2の含量比(重量比)を有するターゲットを用いて、実施例6と同様の方法で製造されたニッケル−クロム合金電極基材板(可視光線領域550nmでの透過率45%、近赤外線領域2000nm透過率39%、面抵抗192Ω/□)を使用したことを除いては、実施例6と同様にして高分子分散液晶型調光体を製造した。
具体的に、前記製造されたPDLC型調光体製造用液晶分散組成物を前記製造されたニッケル電極基材板の一面に20μmの厚さに塗布し、その上にニッケル−クロム合金電極基材板を貼り合わせた。その後、365nm metal halide lamp(UV intensity:75mW/cm、UVエネルギー:1050mJ/cm)光源を用いて波長365nmの光を、前記透明基材板を透過させて、塗布された調光体製造用液晶分散組成物層に照射することにより、本発明の図1に示したような構造のPDLC型調光体を製造した。
実施例9:ニッケル−クロム合金蒸着基材板(ガラス基材)−PDLC層−ニッケル−クロム合金蒸着基材板(ガラス基材)構造の調光体の製造
互いに対向する2つの電極基材板として、ニッケルターゲットの代わりに、ニッケル−クロム8:2の含量比(重量比)を有するターゲットを用いて、実施例6と同様の方法で製造されたニッケル−クロム合金電極基材板を使用したことを除いては、実施例6と同様にして高分子分散液晶型調光体を製造した。
具体的に、前記製造されたPDLC型調光体製造用液晶分散組成物を前記製造されたニッケル電極基材板の一面に20μmの厚さに塗布し、その上にニッケル−クロム合金電極基材板を貼り合わせた。その後、365nm metal halide lamp(UV intensity:75mW/cm、UVエネルギー:1050mJ/cm)光源を用いて波長365nmの光を、前記透明基材板を透過させて、塗布された調光体製造用液晶分散組成物層に照射することにより、本発明の図1に示したような構造のPDLC型調光体を製造した。
実施例10:ニッケル−クロム合金蒸着基材板(ガラス基材)−PDLC層−ITO蒸着基材板(ガラス基材)構造の調光体の製造
互いに対向する2つの電極基材板として、一つは前記実施例8で製造されたニッケル−クロム合金電極基材板を使用し、残りの一つはITO蒸着電極ガラス基材板を使用したことを除いては、実施例7と同様にして高分子分散液晶型調光体を製造した。
具体的に、前記製造されたPDLC型調光体製造用液晶分散組成物を前記製造されたニッケル−クロム合金電極基材板の一面に20μmの厚さに塗布し、その上にITO蒸着電極ガラス基材板を貼り合わせた。その後、365nm metal halide lamp(UV intensity:75mW/cm、UVエネルギー:1050mJ/cm)光源を用いて波長365nmの光を、前記透明基材板を透過させて、塗布された調光体製造用液晶分散組成物層に照射することにより、本発明の図2に示したような構造のPDLC型調光体を製造した。
比較例2:ITO蒸着基材板(ガラス基材)−PDLC層−ITO蒸着基材板(ガラス基材)構造の調光体の製造
互いに対向する2つの電極基材板の両方とも、ITO蒸着基材板(ITO蒸着ガラス基材電極基板、酸化インジウム(InO)に酸化スズ(SnO)が10重量%含有されたターゲットからガラスに蒸着されて製造されたものであって、550nmの可視光線透過率が89%、面抵抗が95Ω/□を満足するもの、ガラス基材の厚さ1mm)を使用したことを除いては、実施例6と同様にして高分子分散液晶型調光体を製造した。
具体的に、前記製造されたPDLC型調光体製造用液晶分散組成物を、ITO電極層が形成された電極基材板の一面に20μmの厚さに塗布し、その上に、ITO蒸着電極基材板を貼り合わせた。その後、365nm metal halide lamp(UV intensity:75mW/cm、UVエネルギー:1050mJ/cm)光源を用いて波長365nmの光を、前記電極基材板を透過させて、塗布された調光体製造用液晶分散組成物層に照射することにより、本発明の比較例2のPDLC型調光体を製造した。
前述の記載において、ニッケル系電極基材板とITO電極基材板に対する、400〜800nmの可視光線領域における透過率はバリアン社のCary500スキャンで評価し、800〜3000nmの近赤外線領域における透過率はバリアン社のCary500スキャンで評価し、面抵抗は抵抗測定器(R−CHECK 4 point meter、EDTM、USA)で評価した。
実施例6、7、9、10および比較例2から製造されたPDLC型調光体の赤外線領域での遮断率を評価した。バリアン社のCary500スキャンを用いてON状態とOFF状態の光(200〜3000nm)透過率のスペクトルをそれぞれ図5および図6に示した。図5および図6は、ニッケル系電極基材板を使用した高分子分散液晶型調光体の近赤外線領域(800〜3000nm)における遮断率がITO電極基材板を使用した高分子分散液晶型調光体に比べて優れることを示している。その結果より、ニッケル系電極基材板を少なくとも1枚使用したPDLC型調光体が近赤外線領域たる熱線の遮断効果に優れることが分かる。
また、実施例6、7、8、9、10および比較例2のON状態の2000nmでの透過率、振り子硬度、ヘイズ、コントラスト比などを前記実施例1、2、3、4、5および比較例1の評価方法と同様に評価し、その結果を表3に示した。
前記表3の比較例2のように透明基材としてニッケル系電極基材板を含まない高分子分散液晶型調光体の場合、ON状態の2000nmでの透過率が73%と高いため、後熱線領域たる近赤外線の遮断効果が微々たるものと確認された。一方、ニッケル系電極基材板が導入された高分子分散液晶ガラス板のON状態の光透過率は、近赤外線遮断効果が著しく優れることを示唆する。また、互いに対向する2枚の電極基材の両方ともニッケル系電極基材板である場合、最も優れる近赤外線遮断効果を示している。
また、前記実施例と比較例は、調光体の剥離接着力、フィルムの振り子硬度、ヘイズおよび紺トラス比において大きい差を示していない。よって、ニッケル系電極基材板の適用された調光体が商業的に適用される上で問題がないと評価された。本発明の結果、ニッケル系電極基材板を含む高分子分散液晶型調光体は、コストダウン効果だけでなく、熱線遮断機能があって省エネルギー効果も奏するものと期待される。

Claims (18)

  1. 高分子分散液晶型調光体製造用液晶分散組成物を製造する段階と、
    前記調光体製造用液晶分散組成物を互いに対向する2枚の電極基材板の間に塗布して調光体製造用液晶分散組成物層を形成する段階と、
    前記互いに対向する2枚の電極基材板の間に形成された前記調光体製造用液晶分散組成物層を硬化させる段階とを含んでなり、
    前記互いに対向する2枚の電極基材板の少なくとも一つは、ニッケル系薄膜層を含む電極基材板であることを特徴とする、高分子分散液晶型調光体の製造方法。
  2. 前記硬化させる段階は、前記互いに対向する2枚の電極基材板の間に形成された前記調光体製造用液晶分散組成物層に波長330〜410nmの光を照射して光硬化させる段階であることを特徴とする、請求項1に記載の高分子分散液晶型調光体の製造方法。
  3. 前記互いに対向する2枚の電極基材板は、ニッケル系薄膜層を含む電極基材板であることを特徴とする、請求項1または2に記載の高分子分散液晶型調光体の製造方法。
  4. 前記ニッケル系薄膜層はニッケル薄膜層またはニッケル−クロム合金薄膜層であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の高分子分散液晶型調光体の製造方法。
  5. 前記ニッケル−クロム合金薄膜層はニッケル70〜90重量%およびクロム10〜30重量%を含むものであることを特徴とする、請求項4に記載の高分子分散液晶型調光体の製造方法。
  6. 前記ニッケル系薄膜層としてニッケル薄膜層を含む電極基材板は、ニッケルターゲットからガラスまたはポリエステル系フィルム基材に蒸着されて製造されたものであって、400〜800nmの可視光線領域における透過率が10〜60%であり、800〜3000nmの近赤外線領域における透過率が5〜60%であり、面抵抗が50〜300Ω/□であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の高分子分散液晶型調光体の製造方法。
  7. 前記ニッケル系薄膜層としてニッケル−クロム合金薄膜層を含む電極基材板は、ニッケル−クロム合金ターゲットからガラスまたはポリエステル系フィルム基材に蒸着されて製造されたものであって、400〜800nmの可視光線領域における透過率が10〜60%であり、800〜3000nmの近赤外線領域における透過率が5〜60%であり、面抵抗が50〜300Ω/□であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の高分子分散液晶型調光体の製造方法。
  8. 前記互いに対向する2枚の電極基材板のいずれか一つはITO電極基材板であることを特徴とする、請求項1または2に記載の高分子分散液晶型調光体の製造方法。
  9. 前記ITO電極基材板は、酸化インジウム(InO)に酸化スズ(SnO)が10重量%含有されたターゲットからガラスまたはポリエステル系フィルム基材に蒸着されて製造されたものであって、400〜800nmの可視光線領域における透過率が83〜90%であり、面抵抗が10〜300Ω/□であることを特徴とする、請求項5に記載の高分子分散液晶型調光体の製造方法。
  10. 前記PDLC型調光体製造用液晶分散組成物を製造する段階で製造される液晶分散組成物はオリゴマー、多官能性又は単官能性のモノマー、液晶化合物および光開始剤を含み、前記光開始剤は330〜410nmの波長帯領域で吸光ピークが形成されることを特徴とする、請求項2に記載の高分子分散液晶型調光体の製造方法。
  11. 前記光開始剤は、ジフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィンオキシド、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−ホスフィンオキシド、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)ビス[2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル]チタニウム、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、およびα,α−ジメトキシ−α’−ヒドロキシアセトフェノの中から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項7に記載の高分子分散液晶型調光体の製造方法。
  12. 互いに対向する2枚の電極基材板;および
    前記電極基材板の間に形成され、高分子物質マトリクスと高分子物質マトリクスに分散した液晶滴とを有する調光体を含んでなり、
    前記電極基材板の少なくとも一つは、ニッケル系薄膜層を含む電極基材板であり、電圧が印加された状態で赤外線800〜2000nmの領域における光透過率が60%以下であることを特徴とする、高分子分散液晶型調光体。
  13. 前記ニッケル系薄膜層はニッケル薄膜層またはニッケル−クロム合金薄膜層であることを特徴とする、請求項12に記載の高分子分散液晶型調光体。
  14. 前記ニッケル−クロム合金薄膜層はニッケル70〜90重量%およびクロム10〜30重量%を含むものであることを特徴とする、請求項13に記載の高分子分散液晶型調光体。
  15. 前記ニッケル系薄膜層としてニッケル薄膜層を含む電極基材板は、ニッケルターゲットからガラスまたはポリエステル系フィルム基材に蒸着されて製造されたものであって、400〜800nmの可視光線領域における透過率が10〜60%であり、800〜2000nmの近赤外線領域における透過率が5〜60%であり、面抵抗が50〜300Ω/□であることを特徴とする、請求項12または13に記載の高分子分散液晶型調光体。
  16. 前記ニッケル系薄膜層としてニッケル−クロム合金薄膜層を含む電極基材板は、ニッケル−クロム合金ターゲットからガラスまたはポリエステル系フィルム基材に蒸着されて製造されたものであって、400〜800nmの可視光線領域における透過率が10〜60%であり、800〜2000nmの近赤外線領域における透過率が5〜60%であり、面抵抗が50〜300Ω/□であることを特徴とする、請求項12または13に記載の高分子分散液晶型調光体。
  17. 前記互いに対向する2枚の電極基材板のいずれか一つはITO電極基材板であることを特徴とする、請求項12に記載の高分子分散液晶型調光体。
  18. ITO電極基材板は、酸化インジウム(InO)に酸化スズ(SnO)が10重量%含有されたターゲットからガラスまたはポリエステル系フィルム基材に蒸着されて製造されたものであって、400〜800nmの可視光線領域における透過率が83〜90%であり、面抵抗が10〜300Ω/□であることを特徴とする、請求項17に記載の高分子分散液晶型調光体。
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